図面 (/)

技術 樹脂組成物

出願人 東ソー株式会社
発明者 藤井靖芳下里伸治豊増信之
出願日 2016年2月15日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2016-026028
公開日 2017年8月24日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-145281
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 偏光要素
主要キーワード アルコキシケイ皮酸 フェニルピリジン化合物 酢酸ビニル残基単位 フマル酸ジエステル系樹脂 メトキシケイ皮酸エチル フマル酸ジエステル残基単位 ビピリジン化合物 フマル酸ジイソプロピル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

フィルムの厚み方向の屈折率面外位相差が大きく、薄膜においても高い面外位相差を有する等の光学特性に優れた位相差フィルムとすることが期待される新規樹脂組成物およびそれを用いた位相差フィルムを提供する。

解決手段

特定の化合物と特定の置換基を有する重合体とを含むことを特徴とする樹脂組成物及びそれからなる位相差フィルム。

概要

背景

液晶ディスプレイは、マルチメディア社会における最も重要な表示デバイスとして、携帯電話コンピュータ用モニター、ノートパソコンテレビまで幅広く使用されている。

液晶ディスプレイには表示特性向上のため多くの光学フィルムが用いられており、特に位相差フィルムは正面や斜めから見た場合のコントラストの向上、色調の補償等大きな役割を果たしている。従来の位相差フィルムとしては、ポリカーボネート環状ポリオレフィンが使用されており、これらの高分子はいずれも正の複屈折を有する高分子である。ここで、複屈折の正負は以下に示すように定義される。

延伸等で分子配向した高分子フィルム光学方性は、図1に示す屈折率楕円体で表すことができる。ここで、フィルムを延伸した場合のフィルム面内進相軸方向屈折率をnx、それと直交するフィルム面内方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzと示す。なお、進相軸とはフィルム面内における屈折率の低い軸方向を指す。

そして、負の複屈折とは延伸方向が進相軸方向となるものであり、正の複屈折とは延伸方向と垂直方向が進相軸方向となるものである。

つまり、負の複屈折を有する高分子の一軸延伸では延伸軸方向の屈折率が小さく(進相軸:延伸方向)、正の複屈折を有する高分子の一軸延伸では延伸軸と直交する軸方向の屈折率が小さい(進相軸:延伸方向と垂直方向)。

多くの高分子は正の複屈折を有する。負の複屈折を有する高分子としてはアクリル樹脂ポリスチレンがあるが、アクリル樹脂は位相差が小さく、位相差フィルムとしての特性は十分でない。ポリスチレンは、低温領域での光弾性係数が大きいためにわずかな応力で位相差が変化するなど位相差の安定性の課題、さらに耐熱性が低いという実用上の課題があり、現状用いられていない。

負の複屈折を示す高分子の延伸フィルムではフィルムの厚み方向の屈折率が高く、従来にない位相差フィルムとなるため、例えばスーパーツイストネマチック型液ディスプレイ(STN−LCD)や垂直配向型液晶ディスプレイ(VA−LCD)、面内配向型液晶ディスプレイ(IPS−LCD)、反射型液晶ディスプレイ反射型LCD)等のディスプレイの視角特性補償用位相差フィルムや偏向板視野角補償フィルムとして有用であり、負の複屈折を有する位相差フィルムに対して市場の要求は強い。

正の複屈折を有する高分子を用いてフィルムの厚み方向の屈折率を高めたフィルムの製造方法が提案されている。ひとつは高分子フィルムの片面または両面に熱収縮性フィルム接着し、その積層体加熱延伸処理して、高分子フィルムのフィルム厚み方向に収縮力をかける処理方法(例えば、特許文献1〜3参照)である。また、高分子フィルムに電場印加しながら面内に一軸延伸する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。

それ以外にも負の光学異方性を有する微粒子と透明性高分子からなる位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献5参照)。

しかし、特許文献1〜4において提案された方法は、製造工程が非常に複雑になるために生産性が劣る課題がある。また位相差の均一性等の制御も従来の延伸による制御と比べると著しく難しくなる。

ベースフィルムとしてポリカーボネートを使用した場合には室温での光弾性係数が大きくわずかな応力によって位相差が変化することから、位相差の安定性に課題がある。さらに位相差の波長依存性が大きい課題も抱えている。

特許文献5で得られる位相差フィルムは、負の光学異方性を有する微粒子を添加することによって負の複屈折を示す位相差フィルムであり、製造方法の簡便化や経済性の観点から、微粒子を添加する必要のない位相差フィルムが求められている。

また、フマル酸ジエステル系樹脂及びそれよりなるフィルムが提案されている(例えば、特許文献6〜10参照)。

また、フマル酸ジイソプロピル残基単位、およびケイ皮酸残基単位または炭素数1〜6のアルキル基を有するケイ皮酸エステル残基単位を含むフマル酸ジイソプロピルケイ皮酸誘導体系共重合体、ならびに該フマル酸ジイソプロピル−ケイ皮酸誘導体系共重合体を用いた位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献11参照)。

さらに、フマル酸ジエステル残基単位、炭素数1〜6のアルキル基を有するケイ皮酸エステル残基単位及び2個以上のラジカル重合性官能基を有する多官能単量体の残基単位を含むフマル酸ジエステル−ケイ皮酸エステル系共重合体、並びに該フマル酸ジエステル−ケイ皮酸エステル系共重合体を用いた位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献12参照)。

概要

フィルムの厚み方向の屈折率、面外位相差が大きく、薄膜においても高い面外位相差を有する等の光学特性に優れた位相差フィルムとすることが期待される新規樹脂組成物およびそれを用いた位相差フィルムを提供する。 特定の化合物と特定の置換基を有する重合体とを含むことを特徴とする樹脂組成物及びそれからなる位相差フィルム。

目的

本発明の目的は、薄膜においても高い面外位相差を有する光学特性に優れた位相差フィルムに適した新規な樹脂組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

少なくとも一般式(1)で表されるピリジン誘導体カルボキシル基を有する重合体とを含むことを特徴とする樹脂組成物。(ここで、R1〜R4はそれぞれ独立して水素または任意の置換基を示し、Arは置換または非置換の芳香族置換基を示す。)

請求項2

カルボキシル基を有する重合体が一般式(2)で表される残基単位を含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。(ここで、R5は任意の置換基もしくは水素を示す。)

請求項3

カルボキシル基を有する重合体中にフマル酸ジエステル残基単位ケイ皮酸エステル残基単位、アルキルケイ皮酸エステル残基単位、アルコキシケイ皮酸エステル残基単位から選択される1種以上の残基単位を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。

請求項4

一般式(2)で表される残基単位が、マレイン酸残基単位、マレイン酸モノエステル残基単位、フマル酸残基単位、フマル酸モノエステル残基単位、ケイ皮酸残基単位、アルキルケイ皮酸残基単位、アルコキシケイ皮酸残基単位から選択されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の樹脂組成物。

請求項5

一般式(1)で表されるピリジン誘導体が、一般式(1)で表される置換もしくは非置換のビピリジン化合物及び/又は一般式(1)で表される置換もしくは非置換のフェニルピリジン化合物を含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項6

一般式(1)で表されるピリジン誘導体とカルボキシル基含有残基単位との比が0.01:99.99〜10:90(モル比)であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項7

請求項1〜請求項6のいずれかに記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とする位相差フィルム

請求項8

フィルム面内進相軸方向屈折率をnx、それと直交するフィルム面内方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとした場合のそれぞれの関係がnx≦ny<nzであることを特徴とする請求項7に記載の位相差フィルム。

技術分野

0001

本発明は、新規樹脂組成物及びそれを用いた位相差フィルムに関するものであり、さらに詳細には、薄膜においても高い面外位相差を有する位相差フィルム、特に液晶表示素子用光学補償フィルムに適した新規な樹脂組成物に関するものである。

背景技術

0003

液晶ディスプレイには表示特性向上のため多くの光学フィルムが用いられており、特に位相差フィルムは正面や斜めから見た場合のコントラストの向上、色調の補償等大きな役割を果たしている。従来の位相差フィルムとしては、ポリカーボネート環状ポリオレフィンが使用されており、これらの高分子はいずれも正の複屈折を有する高分子である。ここで、複屈折の正負は以下に示すように定義される。

0004

延伸等で分子配向した高分子フィルム光学方性は、図1に示す屈折率楕円体で表すことができる。ここで、フィルムを延伸した場合のフィルム面内進相軸方向屈折率をnx、それと直交するフィルム面内方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzと示す。なお、進相軸とはフィルム面内における屈折率の低い軸方向を指す。

0005

そして、負の複屈折とは延伸方向が進相軸方向となるものであり、正の複屈折とは延伸方向と垂直方向が進相軸方向となるものである。

0006

つまり、負の複屈折を有する高分子の一軸延伸では延伸軸方向の屈折率が小さく(進相軸:延伸方向)、正の複屈折を有する高分子の一軸延伸では延伸軸と直交する軸方向の屈折率が小さい(進相軸:延伸方向と垂直方向)。

0007

多くの高分子は正の複屈折を有する。負の複屈折を有する高分子としてはアクリル樹脂ポリスチレンがあるが、アクリル樹脂は位相差が小さく、位相差フィルムとしての特性は十分でない。ポリスチレンは、低温領域での光弾性係数が大きいためにわずかな応力で位相差が変化するなど位相差の安定性の課題、さらに耐熱性が低いという実用上の課題があり、現状用いられていない。

0008

負の複屈折を示す高分子の延伸フィルムではフィルムの厚み方向の屈折率が高く、従来にない位相差フィルムとなるため、例えばスーパーツイストネマチック型液ディスプレイ(STN−LCD)や垂直配向型液晶ディスプレイ(VA−LCD)、面内配向型液晶ディスプレイ(IPS−LCD)、反射型液晶ディスプレイ反射型LCD)等のディスプレイの視角特性補償用位相差フィルムや偏向板視野角補償フィルムとして有用であり、負の複屈折を有する位相差フィルムに対して市場の要求は強い。

0009

正の複屈折を有する高分子を用いてフィルムの厚み方向の屈折率を高めたフィルムの製造方法が提案されている。ひとつは高分子フィルムの片面または両面に熱収縮性フィルム接着し、その積層体加熱延伸処理して、高分子フィルムのフィルム厚み方向に収縮力をかける処理方法(例えば、特許文献1〜3参照)である。また、高分子フィルムに電場印加しながら面内に一軸延伸する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。

0010

それ以外にも負の光学異方性を有する微粒子と透明性高分子からなる位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献5参照)。

0011

しかし、特許文献1〜4において提案された方法は、製造工程が非常に複雑になるために生産性が劣る課題がある。また位相差の均一性等の制御も従来の延伸による制御と比べると著しく難しくなる。

0012

ベースフィルムとしてポリカーボネートを使用した場合には室温での光弾性係数が大きくわずかな応力によって位相差が変化することから、位相差の安定性に課題がある。さらに位相差の波長依存性が大きい課題も抱えている。

0013

特許文献5で得られる位相差フィルムは、負の光学異方性を有する微粒子を添加することによって負の複屈折を示す位相差フィルムであり、製造方法の簡便化や経済性の観点から、微粒子を添加する必要のない位相差フィルムが求められている。

0014

また、フマル酸ジエステル系樹脂及びそれよりなるフィルムが提案されている(例えば、特許文献6〜10参照)。

0015

また、フマル酸ジイソプロピル残基単位、およびケイ皮酸残基単位または炭素数1〜6のアルキル基を有するケイ皮酸エステル残基単位を含むフマル酸ジイソプロピルケイ皮酸誘導体系共重合体、ならびに該フマル酸ジイソプロピル−ケイ皮酸誘導体系共重合体を用いた位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献11参照)。

0016

さらに、フマル酸ジエステル残基単位、炭素数1〜6のアルキル基を有するケイ皮酸エステル残基単位及び2個以上のラジカル重合性官能基を有する多官能単量体の残基単位を含むフマル酸ジエステル−ケイ皮酸エステル系共重合体、並びに該フマル酸ジエステル−ケイ皮酸エステル系共重合体を用いた位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献12参照)。

先行技術

0017

特許2818983号公報
特開平5−297223号公報
特開平5−323120号公報
特開平6−88909号公報
特開2005−156862号公報
特開2008−112141号公報
特開2012−032784号公報
WO2012/005120号公報
特開2008−129465号公報
特開2006-193616号公報
WO2014/013982号公報
WO2014/084178号公報

発明が解決しようとする課題

0018

特許文献6〜10で提案されたフマル酸ジエステル系樹脂及びそれよりなるフィルムは、高い面外位相差を有しているものの、現状においては、薄膜においてもより高い面外位相差を有するフィルムが求められている。

0019

特許文献11及び12で提案されたフマル酸ジイソプロピル−ケイ皮酸誘導体系共重合体は、特許文献6〜10で提案された樹脂よりも高い面外位相差を発現させるものの、さらに薄膜においてもより高い面外位相差を有するフィルムが求められている。

0020

本発明の目的は、薄膜においても高い面外位相差を有する光学特性に優れた位相差フィルムに適した新規な樹脂組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0021

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の化合物と特定の置換基を有する重合体とを含む樹脂組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0022

すなわち、本発明は、少なくとも一般式(1)で表されるピリジン誘導体カルボキシル基を有する重合体とを含む樹脂組成物及び位相差フィルムに関するものである。

0023

(ここで、R1〜R4はそれぞれ独立して水素または任意の置換基を表し、Arは置換または非置換の芳香族基を表す。)
以下、本発明の位相差フィルムに適した樹脂組成物について詳細に説明する。

0024

本発明の樹脂組成物は、少なくとも一般式(1)で表されるピリジン誘導体とカルボキシル基を有する重合体とを含む樹脂組成物である。そして、特定のピリジン誘導体とカルボキシル基を有する重合体とを含むことにより、位相差フィルムとして用いるときに、より薄膜において高い面外位相差を発現させることを特徴とする。

0025

本発明の一般式(1)におけるR1〜R4はそれぞれ独立して水素または任意の置換基を示し、該任意の置換基としては例えば、アルキル基、ヒドロキシル基アルコキシル基、カルボキシル基、シアノ基ニトロ基フェニル基等が挙げられる。また、Arは置換または非置換の芳香族基を表し、例えば、フェニル基、ペンタニル基インデニル基ナフタレニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、ビフェニレニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基アントラセニル基フラニル基、ピラニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、イソクロメニル基、キサンテニル基チエニル基チオクロメニル基、イソチオクオメニル基、チオキサンテニル基、チアトレニル基、フェノキサチイニル基、ピロリル基イミダゾリル基ピラゾリル基ピリジル基ピラジニル基、ピリミジニル基ピリダジニル基ピロリジニル基、ピリンジニル基、インドリジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基プリニル基、キノリジニル基、キノリル基イソキノリル基ナフチリジニル基カルバゾリル基カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基ペリミジニル基、フェナントロニル基、フェナジニル基、フェノチアニジル基、フェノキサジニル基、アンチリジニル基、及びこれらから誘導される置換芳香族基等を例示することができる。この中でも、特に高い位相差を発現することから、フェニル基、ピリジル基が好ましい。

0026

具体的な本発明の一般式(1)で表されるピリジン誘導体としては、例えば、4−フェニルピリジン、4−(p-トリルピリジン、4−(4−シアノフェニルピリジン)、4−ニトロフェニルピリジン、4−(4−メトキシフェニルピリジン)、1−ペンタレニル−4−ピリジン、2−ペンタレニル−4−ピリジン、1−インデニル−4−ピリジン、2−インデニル−4−ピリジン、4−インデニル−4−ピリジン、5−インデニル−4−ピリジン、1−ナフタレニル−4−ピリジン、2−ナフタレニル−4−ピリジン、1−アズレニル−4−ピリジン、2−アズレニル−4−ピリジン、4−アズレニル−4−ピリジン、5−アズレニル−4−ピリジン、6−アズレニル−4−ピリジン、1−ヘプタレニル−4−ピリジン、2−ヘプタレニル−4−ピリジン、3−ヘプタレニル−4−ピリジン、1−s−インダセニル−4−ピリジン、2−s−インダセニル−4−ピリジン、4−s−インダセニル−4−ピリジン、1−as−インダセニル−4−ピリジン、2−as−インダセニル−4−ピリジン、3−as−インダセニル−4−ピリジン、4−as−インダセニル−4−ピリジン、1−ビフェニレニル−4−ピリジン、2−ビフェニレニル−4−ピリジン、1−アセナフチレニル−4−ピリジン、3−アセナフチレニル−4−ピリジン、4−アセナフチレニル−4−ピリジン、5−アセナフチレニル−4−ピリジン、1−フルオレニル−4−ピリジン、2−フルオレニル−4−ピリジン、3−フルオレニル−4−ピリジン、4−フルオレニル−4−ピリジン、9−フルオレニル−4−ピリジン、1−フェナレニル−4−ピリジン、2−フェナレニル−4−ピリジン、1−フェナントレニル−4−ピリジン、2−フェナントレニル−4−ピリジン、3−フェナントレニル−4−ピリジン、4−フェナントレニル−4−ピリジン、9−フェナントレニル−4−ピリジン、1−アントラセニル−4−ピリジン、2−アントラセニル−4−ピリジン、9−アントラセニル−4−ピリジン、2−フラニル−4−ピリジン、3−フラニル−4−ピリジン、2−ピラニル−4−ピリジン、4−ピラニル−4−ピリジン、2−ベンゾフラニル−4−ピリジン、3−ベンゾフラニル−4−ピリジン、4−ベンゾフラニル−4−ピリジン、5−ベンゾフラニル−4−ピリジン、6−ベンゾフラニル−4−ピリジン、7−ベンゾフラニル−4−ピリジン、1−イソベンゾフラニル−4−ピリジン、4−イソベンゾフラニル−4−ピリジン、5−イソベンゾフラニル−4−ピリジン、5−クロメニル−4−ピリジン、6−クロメニル−4−ピリジン、7−クロメニル−4−ピリジン、8−クロメニル−4−ピリジン、5−イソクロメニル−4−ピリジン、6−イソクロメニル−4−ピリジン、7−イソクロメニル−4−ピリジン、8−イソクロメニル−4−ピリジン、1−キサンテニル−4−ピリジン、2−キサンテニル−4−ピリジン、3−キサンテニル−4−ピリジン、4−キサンテニル−4−ピリジン、9−キサンテニル−4−ピリジン、2−チエニル−4−ピリジン、3−チエニル−4−ピリジン、5−チオクロメニル−4−ピリジン、6−チオクロメニル−4−ピリジン、7−チオクロメニル−4−ピリジン、8−チオクロメニル−4−ピリジン、5−イソチオクロメニル−4−ピリジン、6−イソチオクロメニル−4−ピリジン、7−イソチオクロメニル−4−ピリジン、8−イソチオクロメニル−4−ピリジン、1−チオキサンテニル−4−ピリジン、2−チオキサンテニル−4−ピリジン、3−チオキサンテニル−4−ピリジン、4−チオキサンテニル−4−ピリジン、9−チオキサンテニル−4−ピリジン、1−チアントレニル−4−ピリジン、2−チアントレニル−4−ピリジン、1−フェノキサチイニル−4−ピリジン、2−フェノキサチイニル−4−ピリジン、3−フェノキサチイニル−4−ピリジン、4−フェノキサチイニル−4−ピリジン、1-ピロリル−4−ピリジン、2-ピロリル−4−ピリジン、3-ピロリル−4−ピリジン、1-イミダゾリル−4−ピリジン、2-イミダゾリル−4−ピリジン、4-イミダゾリル−4−ピリジン、5-イミダゾリル−4−ピリジン、1-ピラゾリル−4−ピリジン、3-ピラゾリル−4−ピリジン、4-ピラゾリル−4−ピリジン、5-ピラゾリル−4−ピリジン、2-ピリジル−4−ピリジン、3-ピリジル−4−ピリジン、4,4’−ビピリジン、2−ピラジニル−4−ピリジン、3−ピラジニル−4−ピリジン、2−ピリミジニル−4−ピリジン、4−ピリミジニル−4−ピリジン、5−ピリミジニル−4−ピリジン、3−ピリダジニル−4−ピリジン、4−ピリダジニル−4−ピリジン、4−ピリダジニル−4−ピリジン、5−ピロリジニル−4−ピリジン、6−ピロリジニル−4−ピリジン、7−ピロリジニル−4−ピリジン、1−ピリンジニル−4−ピリジン、2−ピリンジニル−4−ピリジン、3−ピリンジニル−4−ピリジン、4−ピリンジニル−4−ピリジン、5−ピリンジニル−4−ピリジン、6−ピリンジニル−4−ピリジン、7−ピリンジニル−4−ピリジン、1−インドリジニル−4−ピリジン、2−インドリジニル−4−ピリジン、3−インドリジニル−4−ピリジン、5−インドリジニル−4−ピリジン、6−インドリジニル−4−ピリジン、7−インドリジニル−4−ピリジン、8−インドリジニル−4−ピリジン、1−インドリル−4−ピリジン、2−インドリル−4−ピリジン、3−インドリル−4−ピリジン、4−インドリル−4−ピリジン、5−インドリル−4−ピリジン、6−インドリル−4−ピリジン、7−インドリル−4−ピリジン、1−イソインドリル−4−ピリジン、2−イソインドリル−4−ピリジン、4−イソインドリル−4−ピリジン、5−イソインドリル−4−ピリジン、4−インダゾリル−4−ピリジン、5−インダゾリル−4−ピリジン、6−インダゾリル−4−ピリジン、7−インダゾリル−4−ピリジン、1−プリニル−4−ピリジン、2−プリニル−4−ピリジン、3−プリニル−4−ピリジン、6−プリニル−4−ピリジン、7−プリニル−4−ピリジン、8−プリニル−4−ピリジン、1−キノリジニル−4−ピリジン、2−キノリジニル−4−ピリジン、3−キノリジニル−4−ピリジン、4−キノリジニル−4−ピリジン、2−キノリル−4−ピリジン、3−キノリル−4−ピリジン、4−キノリル−4−ピリジン、5−キノリル−4−ピリジン、6−キノリル−4−ピリジン、7−キノリル−4−ピリジン、8−キノリル−4−ピリジン、1−イソキノリル−4−ピリジン、3−イソキノリル−4−ピリジン、4−イソキノリル−4−ピリジン、5−イソキノリル−4−ピリジン、6−イソキノリル−4−ピリジン、7−イソキノリル−4−ピリジン、8−イソキノリル−4−ピリジン、1−ナフチリジニル−4−ピリジン、3−ナフチリジニル−4−ピリジン、4−ナフチリジニル−4−ピリジン、1−カルバゾリル−4−ピリジン、2−カルバゾリル−4−ピリジン、3−カルバゾリル−4−ピリジン、4−カルバゾリル−4−ピリジン、9−カルバゾリル−4−ピリジン、1−フェナントリジニル−4−ピリジン、2−フェナントリジニル−4−ピリジン、3−フェナントリジニル−4−ピリジン、4−フェナントリジニル−4−ピリジン、6−フェナントリジニル−4−ピリジン、7−フェナントリジニル−4−ピリジン、8−フェナントリジニル−4−ピリジン、9−フェナントリジニル−4−ピリジン、10−フェナントリジニル−4−ピリジン、1−アクリジニル−4−ピリジン、2−アクリジニル−4−ピリジン、3−アクリジニル−4−ピリジン、4−アクリジニル−4−ピリジン、9−アクリジニル−4−ピリジン、1−ペリミジニル−4−ピリジン、2−ペリミジニル−4−ピリジン、4−ペリミジニル−4−ピリジン、5−ペリミジニル−4−ピリジン、6−ペリミジニル−4−ピリジン、7−ペリミジニル−4−ピリジン、8−ペリミジニル−4−ピリジン、9−ペリミジニル−4−ピリジン、フェナントロニル−4−ピリジン、1−フェナジニル−4−ピリジン、2−フェナジニル−4−ピリジン、1−フェノチアジニル−4−ピリジン、2−フェノチアジニル−4−ピリジン、3−フェノチアジニル−4−ピリジン、4−フェノチアジニル−4−ピリジン、10−フェノチアジニル−4−ピリジン、1−フェノキサジニル−4−ピリジン、2−フェノキサジニル−4−ピリジン、3−フェノキサジニル−4−ピリジン、4−フェノキサジニル−4−ピリジン、10−フェノキサジニル−4−ピリジン、2−アンチリジニル−4−ピリジン、3−アンチリジニル−4−ピリジン、4−アンチリジニル−4−ピリジン、5−アンチリジニル−4−ピリジン及びこれらの誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上であってもよい。これらのうち、一般式(1)で表される置換もしくは非置換のビピリジン化合物及び/又は一般式(1)で表される置換もしくは非置換のフェニルピリジン化合物を含むピリジン誘導体が好ましい。

0027

本発明のカルボキシル基を有する重合体はカルボキシル基を有する重合体であれば特に制限はなく、より高位相差を発現するため、一般式(2)で表される残基単位を含む重合体であることが好ましい。

0028

(ここで、R5は水素または任意の置換基を表す。)
本発明の一般式(2)におけるR5は水素または任意の置換基を示し、任意の置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシル基、アシル基カルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基エステル基ベンゾイル基アミノ基、イミノ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、及びこれらから誘導される置換基等を例示することができる。この中でも特に高い位相差を発現することから、カルボキシル基、フェニル基及びこれらから誘導される置換基が好ましい。さらに具体的な一般式(2)で表される残基単位としては、マレイン酸残基単位、マレイン酸モノエステル残基単位、フマル酸残基単位、フマル酸モノエステル残基単位、ケイ皮酸残基単位、アルキルケイ皮酸残基単位、アルコキシケイ皮酸残基が好ましい。これらの残基単位は1種または2種以上含まれていても良い。

0029

具体的な本発明のカルボキシル基を有する重合体としては、例えば、ポリフマル酸、ポリフマル酸モノエステル、フマル酸モノエステル−ケイ皮酸共重合体、フマル酸モノエステル−アルキルケイ皮酸共重合体、フマル酸モノエステル−アルコキシケイ皮酸共重合体、マレイン酸モノエステル−ケイ皮酸共重合体、マレイン酸モノエステル−アルキルケイ皮酸共重合体、マレイン酸モノエステル−アルコキシケイ皮酸共重合体、マレイン酸−ケイ皮酸共重合体、マレイン酸−アルキルケイ皮酸共重合体、マレイン酸−アルコキシケイ皮酸共重合体、(メタアクリル酸エステルフマル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−フマル酸モノエステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−ケイ皮酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アルコキシケイ皮酸共重合体、スチレン−フマル酸共重合体、スチレン−フマル酸モノエステル共重合体、スチレン−ケイ皮酸共重合体、スチレン−アルコキシケイ皮酸共重合体、α−メチルスチレン−フマル酸共重合体、α−メチルスチレン−フマル酸モノエステル共重合体、α−メチルスチレン−ケイ皮酸共重合体、α−メチルスチレン−アルコキシケイ皮酸共重合体、酢酸ビニル−フマル酸共重合体、酢酸ビニル−フマル酸モノエステル共重合体、酢酸ビニル−ケイ皮酸共重合体、酢酸ビニル−アルコキシケイ皮酸共重合体、プロピオン酸ビニル−フマル酸共重合体、プロピオン酸ビニル−フマル酸モノエステル共重合体、プロピオン酸ビニル−ケイ皮酸共重合体、プロピオン酸ビニル−アルコキシケイ皮酸共重合体、(メタ)アクリロニトリル−フマル酸共重合体、(メタ)アクリロニトリル−フマル酸モノエステル共重合体、(メタ)アクリロニトリル−ケイ皮酸共重合体、(メタ)アクリロニトリル−アルコキシケイ皮酸共重合体、メチルビニルエーテル−フマル酸共重合体、メチルビニルエーテル−フマル酸モノエステル共重合体、メチルビニルエーテル−ケイ皮酸共重合体、メチルビニルエーテル−アルコキシケイ皮酸共重合体、エチルビニルエーテル−フマル酸モノエステル共重合体、エチルビニルエーテル−ケイ皮酸共重合体、エチルビニルエーテル−アルコキシケイ皮酸共重合体、ブチルビニルエーテル−フマル酸共重合体、ブチルビニルエーテル−フマル酸モノエステル共重合体、ブチルビニルエーテル−ケイ皮酸共重合体、ブチルビニルエーテル−アルコキシケイ皮酸共重合体、N−メチルマレイミド−フマル酸共重合体、N−メチルマレイミド−フマル酸モノエステル共重合体、N−メチルマレイミド−ケイ皮酸共重合体、N−メチルマレイミド−アルコキシケイ皮酸共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド−フマル酸共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド−フマル酸モノエステル共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド−ケイ皮酸共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド−アルコキシケイ皮酸共重合体、N−フェニルマレイミド−フマル酸共重合体、N−フェニルマレイミド−フマル酸モノエステル共重合体、N−フェニルマレイミド−ケイ皮酸共重合体、N−フェニルマレイミド−アルコキシケイ皮酸共重合体、フマル酸ジエステル−フマル酸共重合体、フマル酸ジエステル−フマル酸モノエステル共重合体、フマル酸ジエステル−ケイ皮酸共重合体、フマル酸ジエステル−アルコキシケイ皮酸共重合体、ケイ皮酸エステル−フマル酸共重合体、ケイ皮酸エステル−フマル酸モノエステル共重合体、ケイ皮酸エステル−ケイ皮酸共重合体、ケイ皮酸エステル−アルコキシケイ皮酸共重合体、メトキシケイ皮酸エステル−フマル酸共重合体、メトキシケイ皮酸エステル−フマル酸モノエステル共重合体、メトキシケイ皮酸エステル−ケイ皮酸共重合体、メトキシケイ皮酸エステル−アルコキシケイ皮酸共重合体、エトキシケイ皮酸エステル−フマル酸共重合体、エトキシケイ皮酸エステル−フマル酸モノエステル共重合体、エトキシケイ皮酸エステル−ケイ皮酸共重合体、エトキシケイ皮酸エステル−アルコキシケイ皮酸共重合体等が挙げられる。

0030

本発明の樹脂組成物に含まれる重合体は、本発明の範囲を超えない限り、他の単量体残基単位を含有していてもよく、他の単量体残基単位としては、例えば、スチレン残基単位、α−メチルスチレン残基単位等のスチレン類残基単位;(メタ)アクリル酸メチル残基単位、(メタ)アクリル酸エチル残基単位、(メタ)アクリル酸ブチル残基単位等の(メタ)アクリル酸エステル残基単位酢酸ビニル残基単位、プロピオン酸ビニル残基単位等のビニルエステル類残基単位;アクリロニトリル残基単位;メタクリロニトリル残基単位;メチルビニルエーテル残基単位、エチルビニルエーテル残基単位、ブチルビニルエーテル残基単位等のビニルエーテル類残基単位;フマル酸ジエチル残基単位、フマル酸ジイソプロピル残基単位等のフマル酸ジエステル残基単位;N−メチルマレイミド残基単位、N−シクロヘキシルマレイミド残基単位、N−フェニルマレイミド残基単位等のN−置換マレイミド類残基単位;ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸プロピル等のケイ皮酸エステル残基単位;メチルケイ皮酸エチル、メチルケイ皮酸プロピル、エチルケイ皮酸エチル等のアルキルケイ皮酸エステル残基単位;メトキシケイ皮酸エチルメトキシケイ皮酸プロピル、エトキシケイ皮酸エチル等のアルコキシケイ皮酸エステル残基単位;エチレン残基単位、プロピレン残基単位等のオレフィン類残基単位より選ばれる1種または2種以上を挙げることができる。この中でも、高い位相差を発現することから、フマル酸ジエステル残基単位、ケイ皮酸エステル残基単位、アルキルケイ皮酸エステル残基単位、アルコキシケイ皮酸エステル残基単位が好ましい。

0031

本発明の重合体は、機械特性に優れたものとなることから、ゲル・パーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量が30,000〜500,000であることが好ましく、40,000〜400,000であることがさらに好ましい。

0032

本発明の樹脂組成物における一般式(1)で表されるピリジン誘導体とカルボキシル基含有残基単位との比は、高い位相差を発現することから、0.01:99.99〜10:90(モル比)が好ましく、0.1:99.9〜5:95(モル比)がさらに好ましい。ここで、本発明において、「カルボキシル基含有残基単位」とは、カルボキシル基を1個又は2個以上有する任意の残基単位をいうものである。

0033

本発明の樹脂組成物を用いた光学フィルムが得られたときは、薄膜においても高い面外位相差を有し光学特性に優れることから、位相差フィルムとすることが好ましい。

0034

本発明の位相差フィルムは、フィルム面内の進相軸方向の屈折率をnx、それと直交するフィルム面内方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとした場合のそれぞれの関係がnx≦ny<nzであることを特徴とする位相差フィルムであり、前記nx≦ny<nzを満たすことによりSTN−LCD、IPS−LCD、反射型LCDや半透過型LCD等の視野角補償性能に優れた位相差フィルムとなるものである。なお、一般的にフィルムの3次元屈折率の制御はフィルムの延伸等によって行われるため製造工程や品質の管理が複雑になるが、本発明の位相差フィルムは未延伸でフィルム厚み方向の屈折率が高いという特異な挙動を示すことを見出している。

0035

また、本発明の位相差フィルムがより光学特性に優れた位相差フィルムとなることから、次の式(a)にて示される波長550nmで測定した面外位相差(Rth)が−100〜−2000nmであることが好ましく、−100〜−500nmであることがさらに好ましく、−180〜−500nmであることが特に好ましい。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d (a)
(ここで、dはフィルムの厚みを示す。)
本発明の位相差フィルムは薄膜においても高い面外位相差を有することから、膜厚と面外位相差の関係が、絶対値で5.5nm/フィルム膜厚(μm)以上が好ましく、6nm/フィルム膜厚(μm)以上がさらに好ましく、8nm/フィルム膜厚(μm)以上が特に好ましい。

0036

本発明の位相差フィルムは、液晶表示素子に用いられる際に画質の特性が良好なものとなることから、光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。また、位相差フィルムのヘーズ曇り度)は2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。

0037

本発明の位相差フィルムの製造方法としては、特に制限はなく、例えば、溶液キャスト法溶融キャスト法等の方法が挙げられる。

0038

溶液キャスト法は、樹脂組成物を溶媒に溶解した溶液(以下、ドープと称する。)を支持基板上に流延した後、加熱等により溶媒を除去してフィルムを得る方法である。その際ドープを支持基板上に流延する方法としては、例えば、Tダイ法、ドクターブレード法バーコーター法、ロールコーター法リップコーター法等が用いられる。特に、工業的にはダイからドープをベルト状またはドラム状の支持基板に連続的に押し出す方法が最も一般的である。用いられる支持基板としては、例えば、ガラス基板ステンレスフェロタイプ等の金属基板ポリエチレンテレフタレート等のフィルム等がある。溶液キャスト法において、高い透明性を有し、かつ厚み精度表面平滑性に優れたフィルムを製膜する際には、ドープの溶液粘度は極めて重要な因子であり、10〜20000cPsが好ましく、100〜10000cPsであることがさらに好ましい。

0039

この際の本発明の樹脂組成物の塗布厚は、フィルムの取り扱いが容易であることから、乾燥後1〜200μmが好ましく、さらに好ましくは2〜100μm、特に好ましくは3〜50μmである。

0040

また、溶融キャスト法は、樹脂組成物を押出機内で溶融し、Tダイのスリットからフィルム状に押出した後、ロールエアー等で冷却しつつ引き取る成形法である。

0041

本発明の位相差フィルムは、基材のガラス基板や他の光学フィルムから剥離して用いることが可能であり、基材のガラス基板や他の光学フィルムとの積層体としても用いることができる。

0042

また、本発明の位相差フィルムは、偏光板と積層して円または楕円偏光板として用いることが可能であり、ポリビニルアルコールヨウ素等を含む偏光子と積層して偏光板とすることも可能である。さらに、本発明の位相差フィルム同士または他の位相差フィルムと積層することもできる。

0043

本発明の位相差フィルムは、フィルム成形時または位相差フィルム自体の熱安定性を高めるために酸化防止剤が配合されていることが好ましい。該酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤リン系酸化防止剤、その他酸化防止剤が挙げられ、これら酸化防止剤はそれぞれ単独又は併用して用いても良い。そして、相乗的に酸化防止作用が向上することからヒンダード系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を併用して用いることが好ましく、その際には例えば、ヒンダード系酸化防止剤100重量部に対して、リン系酸化防止剤を100〜500重量部で混合して使用することがさらに好ましい。また、酸化防止剤の添加量としては、本発明の位相差フィルムを構成する樹脂組成物100重量部に対して酸化防止作用に優れることから、0.01〜10重量部が好ましく、0.5〜1重量部がさらに好ましい。

0044

さらに、紫外線吸収剤として、例えば、ベンゾトリアゾールベンゾフェノントリアジンベンゾエート等の紫外線吸収剤を必要に応じて配合してもよい。

0045

本発明の位相差フィルムは、発明の主旨を超えない範囲で、その他高分子、界面活性剤高分子電解質導電性錯体無機フィラー顔料帯電防止剤アンチブロッキング剤滑剤等を配合してもよい。

0046

本発明によると、液晶ディスプレイのコントラストや視野角特性補償フィルム反射防止フィルムとして有用となるフィルムの厚み方向の屈折率が大きく、面内位相差が大きく、波長依存性が小さい等の光学特性に優れた位相差フィルムに適した樹脂組成物を提供することができる。

図面の簡単な説明

0047

延伸による屈折率楕円体の変化

0048

以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0049

なお、実施例により示す諸物性は、以下の方法により測定した。

0050

<透明性の評価方法
ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名NDH5000)を使用して、フィルムの全光線透過率およびヘーズを測定した。

0051

<屈折率の測定>
アッベ屈折率計(アタゴ製)を用い、JIS K 7142(1981年版)に準拠して測定した。

0052

<フィルムの位相差および三次元屈折率の測定>
全自動複屈折計(王子計測機器製、商品名KOBRA−WR)を用いて測定した。

0053

合成例1(カルボキシル基を有する重合体(メトキシケイ皮酸エステル−フマル酸モノエステル共重合体:4−メトキシケイ皮酸n−プロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体)の合成1)
容量75mLのガラスアンプルに4−メトキシケイ皮酸n−プロピル50g(0.23モル)、フマル酸モノイソプロピル4.0g(0.025モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.34g(0.0019モル)を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、96時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、テトラヒドロフラン400gで溶解させた。このポリマー溶液を3Lのメタノール中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、カルボキシル基を有する重合体16.7gを得た(収率:31%)。

0054

得られたカルボキシル基を有する重合体は、数平均分子量は54,000であり、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル残基単位/フマル酸モノイソプロピル残基単位=76/24(モル比)であった。

0055

合成例2(カルボキシル基を有する重合体(フマル酸ジエステル−ケイ皮酸共重合体:フマル酸ジイソプロピル/ケイ皮酸共重合体)の合成2)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル50g(0.25モル)、ケイ皮酸6.5g(0.04モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.34g(0.0020モル)を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、48時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、テトラヒドロフラン400gで溶解させた。このポリマー溶液を3Lのメタノール中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、カルボキシル基を有する重合体19.0gを得た(収率:34%)。

0056

得られたカルボキシル基を有する重合体の数平均分子量は121,000であり、共重合体組成はフマル酸ジイソプロピル残基単位/ケイ皮酸残基単位=90/10(モル%)であった。

0057

合成例3(カルボキシル基を有する重合体(メトキシケイ皮酸エステル−フマル酸モノエステル共重合体:4−メチルケイ皮酸エチル/フマル酸モノエチル共重合体)の合成3)
容量75mLのガラスアンプルに4−メチルケイ皮酸エチル50g(0.26モル)、フマル酸モノエチル2.4g(0.017モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.33g(0.0019モル)を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、96時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、テトラヒドロフラン400gで溶解させた。このポリマー溶液を3Lのメタノール中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、カルボキシル基を有する重合体13.6gを得た(収率:26%)。

0058

得られたカルボキシル基を有する重合体の数平均分子量は47,000であり、共重合体組成は4−メチルケイ皮酸エチル残基単位/フマル酸モノエチル残基単位=81/19(モル%)であることを確認した。

0059

実施例1
合成例1で得られた重合体99重量部及び4,4’−ビピリジン1重量部をメチルイソブチルケトン400重量部に溶解しての樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延し、130℃で10分乾燥することにより、厚み20μmのカルボキシル基を有する重合体とピリジン誘導体とを含む樹脂組成物を用いたフィルムを得た。

0060

得られたフィルムは、全光線透過率91%、ヘーズ0.5%、屈折率1.528であった。

0061

三次元屈折率は、nx=1.5241、ny=1.5241、nz=1.5349であり、得られたフィルムはnx=ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きい値を示した。また、面外位相差Rthは−216nmと負に大きかった。また、面外位相差の絶対値と膜厚の比は10.8nm/フィルム膜厚(μm)であった。

0062

これらの結果より、得られたフィルムは負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、さらに面外位相差が負に大きく、薄膜においても高い面外位相差を有することから、位相差フィルムに適したものであった。

0063

実施例2
合成例2で得られた重合体99.5重量部及び4−フェニルピリジン0.5重量部を酢酸ブチルに溶解して525重量部の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延し、140℃で10分乾燥することにより、厚み20μmのカルボキシル基を有する重合体とピリジン誘導体とを含む樹脂組成物を用いたフィルムを得た。

0064

得られたフィルムは、全光線透過率92%、ヘーズ0.5%、屈折率1.482であった。

0065

三次元屈折率は、nx=1.4796、ny=1.4796、nz=1.4881であり、得られたフィルムはnx=ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きい値を示した。また、面外位相差Rthは−170nmと負に大きかった。また、面外位相差の絶対値と膜厚の比は8.5nm/フィルム膜厚(μm)であった。

0066

これらの結果より、得られたフィルムは負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、さらに面外位相差が負に大きく、薄膜においても高い面外位相差を有することから、位相差フィルムに適したものであった。

0067

実施例3
合成例3で得られた重合体98重量部に対して4−(p−トリル)ピリジン2重量部をトルエンに溶解して400重量部の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延し、130℃で10分乾燥することにより、厚み20μmのカルボキシル基を有する重合体とピリジン誘導体とを含む樹脂組成物を用いたフィルムを得た。

0068

得られたフィルムは、全光線透過率91%、ヘーズ0.6%、屈折率1.539であった。

0069

三次元屈折率は、nx=1.5360、ny=1.5360、nz=1.5463であり、得られたフィルムはnx=ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きい値を示した。また、面外位相差Rthは−206nmと負に大きかった。また、面外位相差の絶対値と膜厚の比は10.3nm/フィルム膜厚(μm)であった。

0070

これらの結果より、得られたフィルムは負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、さらに面外位相差が負に大きく、薄膜においても高い面外位相差を有することから、位相差フィルムに適したものであった。

0071

比較例1
合成例1で得られた重合体99重量部及び2,2’−ビピリジン1重量部をメチルイソブチルケトン400重量部に溶解しての樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延し、130℃で10分乾燥することにより、厚み20μmのカルボキシル基を有する重合体とピリジン誘導体とを含む樹脂組成物を用いたフィルムを得た。

0072

得られたフィルムは、全光線透過率91%、ヘーズ0.6%、屈折率1.528であった。

0073

三次元屈折率は、nx=1.5263、ny=1.5263、nz=1.5306であり、得られたフィルムはnx=ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きいものであったが、面外位相差は−86nmと小さく、面外位相差の絶対値と膜厚の比も4.3nm/フィルム膜厚(μm)と小さかった。

0074

比較例2
合成例2で得られた重合体99.5重量部及び2−フェニルピリジン0.5重量部を酢酸ブチルに溶解して525重量部の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延し、140℃で10分乾燥することにより、厚み20μmのカルボキシル基を有する重合体とピリジン誘導体とを含む樹脂組成物を用いたフィルムを得た。

0075

得られたフィルムは、全光線透過率92%、ヘーズ0.5%、屈折率1.482であった。

0076

三次元屈折率は、nx=1.4809、ny=1.4809、nz=1.4856であり、得られたフィルムはnx=ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きいものであったが、面外位相差は−94nmと小さく、面外位相差の絶対値と膜厚の比も4.7nm/フィルム膜厚(μm)と小さかった。

0077

比較例3
合成例3で得られた重合体98重量部に対して4−(3−フェニルプロピル)ピリジン2重量部をトルエンに溶解して400重量部の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延し、130℃で10分乾燥することにより、厚み20μmのカルボキシル基を有する重合体とピリジン誘導体とを含む樹脂組成物を用いたフィルムを得た。

0078

得られたフィルムは、全光線透過率91%、ヘーズ0.6%、屈折率1.507であった。

0079

三次元屈折率は、nx=1.5058、ny=1.5058、nz=1.5097であり、得られたフィルムはnx=ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きい値を示すものであったが、面外位相差Rthは−78nmと小さく、面外位相差の絶対値と膜厚の比も3.9nm/フィルム膜厚(μm)と小さかった。

0080

これらの結果より、得られたフィルムは負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きいものであったが、面外位相差が小さく、薄膜においても高い面外位相差を期待できないものであった。

0081

nx;フィルム面内の進相軸方向の屈折率を示す。
ny;nxと直交するフィルム面内方向の屈折率を示す。
nz;フィルムの厚み方向の屈折率を示す。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ