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技術 凹所加工製品の製造方法

出願人 小島プレス工業株式会社
発明者 浅野忠幸磯村青児
出願日 2016年2月17日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2016-027943
公開日 2017年8月24日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2017-144469
状態 特許登録済
技術分野 型打ち,へら絞り,深絞り 打抜き・穴抜き 特定物品の製造
主要キーワード 凹所形成 有底円孔 プレス作用 製品素材 材料破断 ストレート面 平面形態 円環形
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月24日)のものです。
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図面 (11)

課題

凹所加工製品平坦部から傾斜部に跨がる凹所を、プレスによるハーフ抜き加工によって、簡単に且つ容易に形成せしめて、凹所加工製品を低コストで製造することの出来る手法を提供すること。

解決手段

凹所10の開口形状に対応する断面形状を有するパンチ16と、パンチ16の断面形状に一致する開口部を有し、パンチ16にて押し出される材料を受け入れダイス穴20を備えたダイス18とを用いて、製品素材12をプレス加工して、凹所加工製品たるプレス成形品28を製造するに際して、ダイス18のダイス穴20の内壁面22を、内方に5°〜15°の角度で傾斜するテーパ面とし、更に、ダイス18の傾斜面18a側に位置するダイス穴20の開口縁部を、0.3mm以上の曲率半径を有する湾曲面24として形成した。

概要

背景

従来から、所定の加工によって凹所が形成されてなる製品が、各種用途における機械・装置の構成部品の一つとして用いられてきており、例えば、特開2006−132632号公報に開示の自動変速機用ピストンにおけるバランサの如きミッション部品として、また特開2004−36651号公報に開示の自動変速機摩擦係合装置におけるピストン部材等として、用いられてきている。

ところで、そのような凹所加工製品であるバランサ等として用いられるミッション部品は、その中心部位において回転軸に取り付けられて、回転せしめられるものであるところから、例えば、図1乃至図4に示される如く、平面視において円環形状を呈するものとされている。具体的には、かかるバランサ2は、所定幅の円環状の平坦面を有する平坦部4と、その外周部に一体的に立設された所定高さのフランジ部6と、かかる平坦部4の内周縁部から傾斜して立ち上がる円錐台形状の傾斜部8とを有していると共に、それら平坦部4と傾斜部8との平面視が円形状の連設部に沿って、多数の凹所10が、有底円孔形状において、近接して配設されてなる構造とされているのである。なお、このようなバランサ2における円孔形状に配設された多数の凹所10は、コイルスプリングの座面として用いられ、トランスミッションに組み付けられるようになっている。

そして、このようなバランサ2として用いられる凹所加工製品を、プレス加工にて製作する場合において、その凹所10を、パンチとダイスを用いたハーフ抜き加工半抜き加工)にて形成せしめようとすると、凹所10の形成部位が傾斜部8にかかることとなり、この傾斜部8に対して、パンチが深く食い込み、板厚の半分以上に達するようになるところから、図5において○印(X)にて示される凹所10の傾斜部8側の部位において、材料破断惹起される問題があり、そのために、かかる凹所10は、切削加工にて形成されているのが、現状であった。

しかしながら、そのような凹所形成作業を、切削加工にて、多数の凹所の全てに対して実施することは、非常に手間の掛かることであり、生産性に劣るものとなると共に、製造コストが高くなる等の問題を内在するものであった。

概要

凹所加工製品の平坦部から傾斜部に跨がる凹所を、プレスによるハーフ抜き加工によって、簡単に且つ容易に形成せしめて、凹所加工製品を低コストで製造することの出来る手法を提供すること。凹所10の開口形状に対応する断面形状を有するパンチ16と、パンチ16の断面形状に一致する開口部を有し、パンチ16にて押し出される材料を受け入れダイス穴20を備えたダイス18とを用いて、製品素材12をプレス加工して、凹所加工製品たるプレス成形品28を製造するに際して、ダイス18のダイス穴20の内壁面22を、内方に5°〜15°の角度で傾斜するテーパ面とし、更に、ダイス18の傾斜面18a側に位置するダイス穴20の開口縁部を、0.3mm以上の曲率半径を有する湾曲面24として形成した。

目的

本発明は、凹所加工製品の製造方法に係り、特に、プレスによるハーフ抜き加工によって所定の凹所を有利に形成せしめ、目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

平坦面を有する平坦部と該平坦部から傾斜して立ち上がる傾斜部とを有する一方、それら平坦部と傾斜部に跨がって位置するように、有底の凹所が加工されてなる凹所加工製品を製造する方法にして、かかる凹所加工製品における凹所の開口形状に対応する断面形状を有するパンチと、該パンチの断面形状に一致する開口部を有し、該パンチにて押し出される材料を受け入れダイス穴を備えたダイスとを用いたプレスによるハーフ抜き加工を、該ダイスの前記ダイス穴の内壁面内方に5°〜15°の角度で傾斜するテーパ面とされ、更に、該ダイスの前記傾斜部側に位置するダイス穴の開口縁部には、0.3mm以上の曲率半径を有する湾曲面が形成されてなる形態において、実施することにより、前記凹所を形成せしめることを特徴とする凹所加工製品の製造方法。

請求項2

前記凹所加工製品が、円環形状の平坦部と該平坦部の内周縁部又は外周縁部に連設された円錐台形状又は逆円錐台形状の傾斜部とを有していると共に、それら平坦部と傾斜部の円形の連設部に沿って、円孔形状を呈する前記凹所の複数が、所定間隔を隔てて配設されている請求項1に記載の凹所加工製品の製造方法。

請求項3

前記ダイスの前記傾斜部側に位置するダイス穴の開口縁部と前記平坦部側に位置するダイス穴の開口縁部との接続領域において、前者から後者に向かって曲率半径が漸減する湾曲面が形成されている請求項2に記載の凹所加工製品の製造方法。

請求項4

前記ダイス穴が、前記傾斜部側に位置する部位において、前記テーパ面から前記平坦面に対して垂直な方向に延びるストレート面からなる内壁面を有し、該ストレート面と前記傾斜部の傾斜面との接続部位に、前記湾曲面が形成されている請求項2又は請求項3に記載の凹所加工製品の製造方法。

請求項5

前記パンチとダイスを用いたハーフ抜き加工の後、得られるプレス加工品の前記凹所に対応する背部に形成された突出部を切除する工程が、更に実施される請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の凹所加工製品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、凹所加工製品の製造方法に係り、特に、プレスによるハーフ抜き加工によって所定の凹所を有利に形成せしめ、目的とする凹所加工製品を、経済的に有利に製造し得る方法に関するものである。

背景技術

0002

従来から、所定の加工によって凹所が形成されてなる製品が、各種用途における機械・装置の構成部品の一つとして用いられてきており、例えば、特開2006−132632号公報に開示の自動変速機用ピストンにおけるバランサの如きミッション部品として、また特開2004−36651号公報に開示の自動変速機摩擦係合装置におけるピストン部材等として、用いられてきている。

0003

ところで、そのような凹所加工製品であるバランサ等として用いられるミッション部品は、その中心部位において回転軸に取り付けられて、回転せしめられるものであるところから、例えば、図1乃至図4に示される如く、平面視において円環形状を呈するものとされている。具体的には、かかるバランサ2は、所定幅の円環状の平坦面を有する平坦部4と、その外周部に一体的に立設された所定高さのフランジ部6と、かかる平坦部4の内周縁部から傾斜して立ち上がる円錐台形状の傾斜部8とを有していると共に、それら平坦部4と傾斜部8との平面視が円形状の連設部に沿って、多数の凹所10が、有底円孔形状において、近接して配設されてなる構造とされているのである。なお、このようなバランサ2における円孔形状に配設された多数の凹所10は、コイルスプリングの座面として用いられ、トランスミッションに組み付けられるようになっている。

0004

そして、このようなバランサ2として用いられる凹所加工製品を、プレス加工にて製作する場合において、その凹所10を、パンチとダイスを用いたハーフ抜き加工(半抜き加工)にて形成せしめようとすると、凹所10の形成部位が傾斜部8にかかることとなり、この傾斜部8に対して、パンチが深く食い込み、板厚の半分以上に達するようになるところから、図5において○印(X)にて示される凹所10の傾斜部8側の部位において、材料破断惹起される問題があり、そのために、かかる凹所10は、切削加工にて形成されているのが、現状であった。

0005

しかしながら、そのような凹所形成作業を、切削加工にて、多数の凹所の全てに対して実施することは、非常に手間の掛かることであり、生産性に劣るものとなると共に、製造コストが高くなる等の問題を内在するものであった。

先行技術

0006

特開2006−132632号公報
特開2004−36651号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ここにおいて、本発明は、かかる事情背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、凹所加工製品の平坦部から傾斜部に跨がる、目的とする凹所が、プレスによるハーフ抜き加工によって、簡単に且つ容易に形成せしめられ得て、かかる凹所加工製品を低コストで製造することの出来る手法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

そして、本発明にあっては、かくの如き課題を解決するために、平坦面を有する平坦部と該平坦部から傾斜して立ち上がる傾斜部とを有する一方、それら平坦部と傾斜部に跨がって位置するように、有底の凹所が加工されてなる凹所加工製品を製造する方法にして、かかる凹所加工製品における凹所の開口形状に対応する断面形状を有するパンチと、該パンチの断面形状に一致する開口部を有し、該パンチにて押し出される材料を受け入れダイス穴を備えたダイスとを用いたプレスによるハーフ抜き加工を、該ダイスの前記ダイス穴の内壁面内方に5°〜15°の角度で傾斜するテーパ面とされ、更に、該ダイスの前記傾斜部側に位置するダイス穴の開口縁部には、0.3mm以上の曲率半径を有する湾曲面が形成されてなる形態において、実施することにより、前記凹所を形成せしめることを特徴とする凹所加工製品の製造方法を、その基本的構成とするものである。

0009

なお、かかる本発明に従う凹所加工製品の製造方法の好ましい態様の一つによれば、前記凹所加工製品が、円環形状の平坦部と該平坦部の内周縁部又は外周縁部に連設された円錐台形状又は逆円錐台形状の傾斜部とを有していると共に、それら平坦部と傾斜部の円形の連設部に沿って、円孔形状を呈する前記凹所の複数が、所定間隔を隔てて配設されている。

0010

さらに、そのような本発明に従う凹所加工製品の製造方法の望ましい態様の一つによれば、前記ダイスの前記傾斜部側に位置するダイス穴の開口縁部と前記平坦部側に位置するダイス穴の開口縁部との接続領域において、前者から後者に向かって曲率半径が漸減する湾曲面が形成されている。

0011

加えて、本発明に従う凹所加工製品の製造方法の別の好ましい態様の一つにあっては、前記ダイス穴は、前記傾斜部側に位置する部位において、前記テーパ面から前記平坦面に対して垂直な方向に延びるストレート面からなる内壁面を有し、該ストレート面と前記傾斜部の傾斜面との接続部位に、前記湾曲面が形成されている。

0012

更にまた、本発明にあっては、前記パンチとダイスを用いたハーフ抜き加工の後、得られるプレス加工品の前記凹所に対応する背部に形成された突出部を切除する工程が、更に実施される構成が、好ましく採用されることとなる。

発明の効果

0013

このように、本発明に従う凹所加工製品の製造方法によれば、プレスによるハーフ抜き加工に用いられるダイスが、そのダイス穴形態において、所定角度で傾斜するテーパー面からなる内壁面とされていると共に、凹所加工製品における傾斜部側に位置するダイス穴の開口縁部には、大きな曲率半径を有する湾曲面が形成されているところから、目的とする凹所を形成するためのハーフ抜き加工において、パンチにて押し出される材料がダイス穴内に効果的に導かれると共に、傾斜部に対するプレス加工に際しても、ダイス穴の開口縁部に設けられた湾曲面の存在により、材料をダイス穴内に有利に流動せしめ得て、当該部位における破断を有利に抑制乃至は阻止し得ることとなったのである。

0014

従って、本発明によれば、目的とする凹所加工製品が、パンチとダイスを用いたプレスによるハーフ抜き加工にて製造することが出来るところから、従来の切削加工による製造手法に比べて、極めて簡単に且つ容易に、生産性良く製造することが出来ることとなり、以て、そのような凹所加工製品の製造コストを有利に低減せしめ得たのである。

図面の簡単な説明

0015

本発明の対象とする凹所加工製品の一つであるミッション部品のバランサの一例を示す斜視説明図である。
図1に示されるバランサの平面説明図である。
図2におけるA−A断面拡大部分説明図である。
図2におけるB−B断面拡大部分説明図である。
通常のプレス加工にて凹所を形成した形態を示す、図3に相当する断面拡大部分説明図である。
本発明に従ってプレスによるハーフ抜き加工を実施する形態の一例を示す断面拡大説明図である。
図6におけるY部分を分解して示す拡大説明図である。
図6において用いられるダイスのダイス穴の開口部付近を更に拡大して示す説明図であって、(a)は、図7に示される断面形態における拡大部分説明図であり、(b)は、平面形態拡大説明図である。
本発明に従ってハーフ抜き加工を実施した際におけるパンチと材料とダイスの状態を示す拡大断面説明図である。
本発明に従ってハーフ抜き加工して得られたプレス加工品から凹所背部の突出部を切除する工程を示す拡大断面部分説明図である。

実施例

0016

以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。

0017

先ず、本発明において対象とする凹所加工製品は、平坦面を有する平坦部と、かかる平坦部、具体的には平坦面から傾斜して立ち上がる傾斜部を有していると共に、それら平坦部と傾斜部とに跨がって位置するように、有底の凹所が加工・形成されてなるものであるが、特に、本発明にあっては、図1乃至図4に示される如く、多数の凹所が近接して配設される必要のある、ミッション部品であるバランサ等の製品の製造において、本発明が有利に適用されることとなる。そのような図1及至図4に示されるバランサ2は、円環形状の平坦面を有する平坦部4と、その内周縁部から立ち上がる円錐台形状の傾斜部8との、平面視が円形の連設部位に、それら平坦部4と傾斜部8とに跨がるように、有底の凹所10の多数が、近接して配設されて、平面視において円形状に配設されてなる形態を有しているものである。

0018

そして、そのような凹所加工製品を製造するに際しては、所定の金属板材に対してプレス成形等の成形加工を施して、平坦部4と、それから傾斜して立ち上がる傾斜部8とを有する、所定の製品形状を呈する製品素材とした後、この製品素材に対して、本発明に従うパンチとダイスを用いたハーフ抜き加工が施されることとなるのである。なお、かかる製品素材を与える金属板材としては、比較的固くて延びが悪い材質、例えばSPH590等の熱延鋼板からなる板材である場合において、本発明の特徴がより有利に発揮されることとなる。

0019

すなわち、本発明においては、上述の如くして得られる所定形状の製品素材を、所定のプレス金型にセットして、プレスによるハーフ抜き加工を実施するものであり、その一例が、図6に示されている。そこにおいて、製品素材12を保持するプレス金型14の一部を構成するダイス18と、それに対向するように配置されたパンチ16とを用いて、製品素材12をプレスせしめ、かかるパンチ16が製品素材12の厚さの中間部位に止まるようにしたハーフ抜き加工(半抜き加工)が行われるようになっている。

0020

具体的には、図7に示されるように、パンチ16は、凹所加工製品(2)における凹所10の開口形状に対応する断面形状(ここでは、円形形状)を有している。一方、ダイス18は、セットされる製品素材12における凹所10形成部位に対応する部位に、ダイス穴20を具備している。このダイス穴20は、パンチ16の断面形状に一致する開口部を有し、かかるパンチ16によるプレス作用にて、製品素材12から押し出される材料を受け入れるようになっている。しかも、そのようなダイス穴20は、図7及び図8から明らかなように、その内壁面22が内方に傾斜したテーパ面として、構成されていると共に、製品素材12の傾斜部12a側に位置するダイス穴開口縁部には、外方に凸なる形状の湾曲面24が形成されているのである。そして、かかるダイス18におけるダイス穴20の内壁面22の傾斜角度:αとしては、5°〜15°の範囲内の角度が採用されている。なお、この角度範囲から外れると、材料の流れが充分でなく、本発明の作用乃至は効果が、有効に発揮され難くなるからである。

0021

また、ダイス穴20の開口縁部に設けられる湾曲面24は、図8に示される如く、ここでは、製品素材12の傾斜部12aを支持するダイス18の傾斜面18aに位置するダイス穴20の開口縁部と製品素材12の平坦部12bを支持するダイス18の平坦面18bに位置するダイス穴20の開口縁部との接続領域において、かかる傾斜面18a側に位置する部位から平坦面18b側に位置する部位に向かって曲率半径が漸次小さくなる湾曲面とされ、そして平坦面18bに位置するダイス穴20の開口縁部の小さな湾曲面、例えば0.1mm程度の曲率半径の湾曲面に接続されるようになっている。ここで、かかる傾斜面18a部位に位置する湾曲面24の曲率半径としては、少なくとも0.3mm以上、好ましくは0.4mm以上とされる必要があり、そうすることによって、板厚の50%以上にも及ぶハーフ抜き加工が実施されても、材料の破断が有利に抑制乃至は阻止され得ることとなるのである。なお、そのような湾曲面24の曲率半径の上限としては、一般に、1.0mm程度とされ、あまりにも大きな曲率半径の採用は、凹所10の正確な形状を確保する上において不利となるものである。

0022

さらに、ここでは、ダイス穴20のテーパ状の内壁面22の傾斜面18a側に位置する部位が、かかるテーパ状の内壁面22の平坦面18bと同じ高さ位置から、平坦面18bに対して垂直な方向に延びるストレート面26として形成され、このストレート面26から傾斜面18aに続く開口縁部が、上述の如き大きな曲率半径の湾曲面24として形成されているのである。このようなストレート面26の存在によって、ハーフ抜き加工時にダイス18にスラスト荷重が作用するのを効果的に抑制乃至は阻止して、ダイスの破損等の問題の発生を有利に回避することが出来るようになっている。

0023

そして、本発明にあっては、上述の如き構成のパンチ16とダイス18を用いて、製品素材12における傾斜部12aと平坦部12bに跨がる所定位置に対して、図6図9に示される如く、プレスによるハーフ抜き加工、換言すればパンチ16により打ち抜くことなく、製品素材12の厚さの途中でパンチ16を止めることにより、かかるパンチ16の形状に対応した凹所10が形成されると共に、かかる凹所10の形成側とは反対側の製品素材12部分が、ダイス18のダイス穴20内に押し出されることとなる。

0024

このように、本発明にあっては、かかるハーフ抜き加工において、ダイス18のダイス穴20が、図7図8から明らかなように、その内壁面22が内方に所定角度で傾斜するテーパ面として形成されていると共に、製品素材12の傾斜部12a側に位置する、換言すれば該傾斜部12aを支持するダイス18の傾斜面18a側に位置する開口縁部が、比較的大きな曲率半径を有する湾曲面として形成されているところから、パンチ16によって押し出される材料は、それらテーパ面(22)や湾曲面24の存在により、効果的に、ダイス穴20内に流れ込むこととなるのであり、以て、板厚の50%を超えるハーフ抜き加工を実施しても、傾斜部12a側において破断が惹起される等の問題も、有利に回避され得ることとなったのである。その結果、目的とする凹所加工製品が、プレス加工によって、簡単に且つ容易に、生産性良く製造され得ることとなり、その製造コストを、有利に低減せしめ得たのである。

0025

なお、そのようなハーフ抜き加工が製品素材12に対して施されて、得られたプレス成形品28には、図10に示される如く、目的とする凹所10の形成された側とは反対側の面に、即ち背後の面に、円錐台形状の突出部30が形成されてなる形態を呈するものとなっているのであるが、そのような突出部30は、他の部材との組み付けに際して邪魔となるところから、それを、通常の切削加工等によって切除する工程が、好適に採用されることとなる。尤も、そのような突出部30が、プレス加工品26の凹所加工製品としての用途において、邪魔となるものでなければ、切除することなく、そのままの形態で用いることも可能である。

0026

このように、本発明によれば、目的とする凹所加工製品が、プレス加工にて有利に製造され得ることとなるのであるが、そこで対象とされる凹所加工製品は、例示のミッション部品のバランサのみならず、自動変速機等のトランスミッションにおけるピストン部材等も、その対象とすることが可能である。

0027

また、図面に示される実施形態においては、製品素材12は、円環形状の平坦部12bの内周縁部に、円錐台形状の傾斜部12aが連設されてなる形態とされているが、それとは逆の形態、即ち、円環形状の平坦部(12b)の外周縁部に、逆円錐台形状の傾斜部(12a)を連接してなる形態のものに対しても、それら平坦部と傾斜部に跨がる凹所10を、本発明に従って形成することが可能である。

0028

さらに、例示の実施形態においては、ダイス穴20の傾斜面18a側の開口縁部に設けられる湾曲面24の曲率半径が、平坦面18b側の開口縁部との接続領域において、該平坦面18b側に向かって漸減するように構成されているが、かかる傾斜面18a側に位置するダイス穴20の開口縁部を、傾斜面18aの最も高い位置において、最も大きな曲率半径の湾曲面として形成する一方、傾斜面18aの高さが低くなるに従って、漸次曲率半径の小さな湾曲面として構成し、ダイス穴20の平坦面18b側の開口縁部に接続させることも可能である。

0029

更にまた、ダイス穴20のテーパ面からなる内壁面22と湾曲面24とを接続するストレート面26にあっても、そのダイス穴20深さ方向における長さ(大きさ)は、適宜に選択されることとなるが、一般に、ダイス18の傾斜面18aの傾斜角度の大きさやダイス穴20の大きさ、内壁面22のテーパ角度等によって、決定されるものである。

0030

その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そしてそのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。

0031

2バランサ4平坦部
8 傾斜部 10凹所
12製品素材12a 傾斜部
12b 平坦部 14プレス金型
16パンチ18ダイス
18a 傾斜面 18b平坦面
20ダイス穴22内壁面
24湾曲面 26ストレート面
28プレス成形品30 突出部

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