図面 (/)

技術 伸縮セルモジュールおよび緩衝デバイス

出願人 静岡県国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 細野美奈子井野秀一
出願日 2016年2月17日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-027547
公開日 2017年8月24日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-144009
状態 特許登録済
技術分野 マットレス,及びいす,ベッドに関するその他 病弱者のベッド及びその関連設備
主要キーワード 医療関連機器 複数配管 使用者特有 流体用配管 マットカバー 一定箇所 ベッド用マット 姿勢維持
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

ポンプ配管が不要となると共に高精度な制御が可能になる伸縮セルモジュールおよびこれを用いた緩衝デバイスを提供すること。

解決手段

内部に供給されるガスの圧力に応じて少なくとも上下方向に伸縮可能なセル本体2と、セル本体の下部に設けられセル本体内にガスを供給可能なガス供給機構3とを備え、ガス供給機構が、ガスの吸収と放出とを温度に応じて可逆的に行うガス貯蔵材料4を内部に収納しガスが流通可能にセル本体内と連通された材料容器部5と、ガス貯蔵材料の温度を調整する温度調整部6とを有している。

概要

背景

従来、乗物車いすの座面や背もたれのように人体が長時間接触する面に対して、人体が受けるずれや圧力を緩衝させるために、外力分散用デバイスマットが併用されることがある。特に、病院介護施設をはじめとする在宅看護介護現場では、自力での体位変換姿勢維持が困難な患者や、治療のため臥位安静を必要とする患者に対し、車いすからの落下を防ぐための姿勢保持をはじめ、褥瘡床ずれ)や医療関連機器等による圧迫創傷を予防(身体表面にかかる圧力を分散させる)するための様々な分散マット又は分散マットレス(以下マット)が用いられている。

これらマットは患者の体位支持補助にも用いられており、手術時には手術台上の患者の腕やといった局所的な部位にも適用されている。既存のマットのうち、最も多くの場面で用いられているのは、ポリウレタンのような柔軟材料を利用して製作された受動分散方式のマットである。この他、特にベッドや車いす座面での使用に特化した、流体(水や空気)が充填された複数の伸縮性セルシート状に敷き詰め、各セルを膨張収縮させることで、身体との接触面を経時的に変化させ圧力を分散させる能動分散方式のマットがある。

これら2方式のマットに関して、受動分散方式のマットについては既に多くの製品医療介護現場で使われており、マットに用いる柔軟材料の種類や形状および構成方法等が、例えば特許文献1,2に開示されている。一方、能動分散方式のマットについては、セル内の圧力をマイコン等で制御することで、身体の局所部位に集中する圧力を経時的に変化させることができるマットについて、例えば特許文献3,4に開示されている。また、体圧分散の用途ではないが、流体や水素吸蔵合金を用いてマット形状能動制御を行う技術も、例えば特許文献5に提案されている。

概要

ポンプ配管が不要となると共に高精度な制御が可能になる伸縮セルモジュールおよびこれを用いた緩衝デバイスを提供すること。 内部に供給されるガスの圧力に応じて少なくとも上下方向に伸縮可能なセル本体2と、セル本体の下部に設けられセル本体内にガスを供給可能なガス供給機構3とを備え、ガス供給機構が、ガスの吸収と放出とを温度に応じて可逆的に行うガス貯蔵材料4を内部に収納しガスが流通可能にセル本体内と連通された材料容器部5と、ガス貯蔵材料の温度を調整する温度調整部6とを有している。

目的

本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ポンプや配管が不要となると共に高精度な制御が可能になる伸縮セルモジュールおよびこれを用いた緩衝デバイスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

内部に供給されるガスの圧力に応じて少なくとも上下方向に伸縮可能なセル本体と、前記セル本体の下部に設けられ前記セル本体内に前記ガスを供給可能なガス供給機構とを備え、前記ガス供給機構が、前記ガスの吸収と放出とを温度に応じて可逆的に行うガス貯蔵材料を内部に収納し前記ガスが流通可能に前記セル本体内と連通された材料容器部と、前記ガス貯蔵材料の温度を調整する温度調整部とを有していることを特徴とする伸縮セルモジュール

請求項2

請求項1に記載の伸縮セルモジュールにおいて、前記セル本体が、前記上下方向以外の方向にも変形可能であり、前記セル本体の上下方向と前記上下方向に直交すると共に互いに直交する2方向との3方向に加わる力を検出可能な3軸力覚センサが、前記セル本体の上部に設置されていることを特徴とする伸縮セルモジュール。

請求項3

請求項1又は2に記載の伸縮セルモジュールにおいて、前記材料容器部が、板状とされて前記セル本体の下部に固定され、前記温度調整部が、板状とされて前記材料容器部の下部に重ねて固定されていることを特徴とする伸縮セルモジュール。

請求項4

複数の請求項1から3のいずれか一項に記載の伸縮セルモジュールと、前記伸縮セルモジュールの前記温度調整部に接続され前記伸縮セルモジュール毎に前記セル本体の伸縮を制御する制御部とを備えていることを特徴とする緩衝デバイス

請求項5

請求項4に記載の緩衝デバイスにおいて、前記伸縮セルモジュールが、前記請求項2に記載の伸縮セルモジュールであり、前記制御部が、前記3軸力覚センサに接続され前記3軸力覚センサからの信号に基づいて前記セル本体の伸縮を制御することを特徴とする緩衝デバイス。

請求項6

請求項4又は5に記載の緩衝デバイスにおいて、複数の前記伸縮セルモジュールが互いに近接状態に並べられて全体としてマット又はマットレスを構成していることを特徴とする緩衝デバイス。

技術分野

0001

本発明は、床ずれ圧迫創傷等の予防が可能な圧力分散マット等に利用可能な伸縮セルモジュールおよび緩衝デバイスに関する。

背景技術

0002

従来、乗物車いすの座面や背もたれのように人体が長時間接触する面に対して、人体が受けるずれや圧力を緩衝させるために、外力分散用デバイスやマットが併用されることがある。特に、病院介護施設をはじめとする在宅看護介護現場では、自力での体位変換姿勢維持が困難な患者や、治療のため臥位安静を必要とする患者に対し、車いすからの落下を防ぐための姿勢保持をはじめ、褥瘡(床ずれ)や医療関連機器等による圧迫創傷を予防(身体表面にかかる圧力を分散させる)するための様々な分散マット又は分散マットレス(以下マット)が用いられている。

0003

これらマットは患者の体位支持補助にも用いられており、手術時には手術台上の患者の腕やといった局所的な部位にも適用されている。既存のマットのうち、最も多くの場面で用いられているのは、ポリウレタンのような柔軟材料を利用して製作された受動分散方式のマットである。この他、特にベッドや車いす座面での使用に特化した、流体(水や空気)が充填された複数の伸縮性セルシート状に敷き詰め、各セルを膨張収縮させることで、身体との接触面を経時的に変化させ圧力を分散させる能動分散方式のマットがある。

0004

これら2方式のマットに関して、受動分散方式のマットについては既に多くの製品医療介護現場で使われており、マットに用いる柔軟材料の種類や形状および構成方法等が、例えば特許文献1,2に開示されている。一方、能動分散方式のマットについては、セル内の圧力をマイコン等で制御することで、身体の局所部位に集中する圧力を経時的に変化させることができるマットについて、例えば特許文献3,4に開示されている。また、体圧分散の用途ではないが、流体や水素吸蔵合金を用いてマット形状能動制御を行う技術も、例えば特許文献5に提案されている。

先行技術

0005

特開2005−261540号公報
特開2012−254278号公報
特開2008−237892号公報
特開2013−70912号公報
特開2003−289995号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
一般に医療・介護現場では、受動分散方式のマットが多く使われている。しかし、受動分散方式のマットでは、患者の状態に合わせて身体局所にかかるずれや圧力を完全に除荷することができないため、特に自力での体位変換や姿勢維持が困難な患者に対しては十分な褥瘡予防効果が得られていない。これに対し、近年注目されている能動分散方式のマットは、車いすの座面やベッド用マットにおいて一定の効果を発揮している。しかしながら、従来の能動分散方式のマットは、伸縮性セルの膨張・収縮に水や空気が使われているため、それらを送り込むためのポンプガスや流体の供給源)や配管類バルブ継ぎ手など)が必要であった。また、車いす座面やベッドサイズでの使用に限定しており、マットを構成する伸縮性セルの配置や個数拡張性がなかった。そのため、患者や支持部位に加えて、車いす座面やベッドの他に背もたれや壁面など、使用状況に合わせてマットの形状やサイズを自由にカスタマイズすることができなかった。したがって、例えば車いすの姿勢保持のために、患者と車いすとの隙間にマットが必要な場合には、能動分散方式のマットは適用できず、ポリウレタンなど受動分散方式のマットを適当な大きさに切り取り差し込むなどの現場での対応が必要不可欠であった。さらに、能動分散方式でも、人体に働く外力のうちセンシングによって対応されるものは圧力のみであり、ずれのセンシングとそれに対応した外力の分散とを実現することができなかった。
なお、水素吸蔵合金を用いた特許文献5に記載の従来技術においても、一つの水素吸蔵合金およびペルチェ素子を用いて、複数のセルを同時に膨張させている。このため、複数のセルと一つの水素吸蔵合金とを接続する配管セル数分以上必要となる上、原理上各セルの微妙で高精度な制御は不可能であり、技術の応用範囲も限定されてしまうという不都合があった。

0007

本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ポンプや配管が不要となると共に高精度な制御が可能になる伸縮セルモジュールおよびこれを用いた緩衝デバイスを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の伸縮セルモジュールは、内部に供給されるガスの圧力に応じて少なくとも上下方向に伸縮可能なセル本体と、前記セル本体の下部に設けられ前記セル本体内に前記ガスを供給可能なガス供給機構とを備え、前記ガス供給機構が、前記ガスの吸収と放出とを温度に応じて可逆的に行うガス貯蔵材料を内部に収納し前記ガスが流通可能に前記セル本体内と連通された材料容器部と、前記ガス貯蔵材料の温度を調整する温度調整部とを有していることを特徴とする。

0009

本発明の伸縮セルモジュールでは、セル本体に設けられたガス供給機構が、ガスの吸収と放出とを温度に応じて可逆的に行うガス貯蔵材料を内部に収納しガスが流通可能にセル本体内と連通された材料容器部と、ガス貯蔵材料の温度を調整する温度調整部とを有しているので、セルモジュール単体に材料容器部と温度調整部とが直接設けられていることで、ガスをセル本体内に導くための配管やポンプの設置が不要となる。また、配管やポンプ等が不要になることで、省スペース化および低騒音化を図ることができると共に、配置自由度が向上し、拡張性も向上して多様な用途に適用可能である。

0010

第2の発明に係る伸縮セルモジュールは、第1の発明において、前記セル本体が、前記上下方向以外の方向にも変形可能であり、前記セル本体の上下方向と前記上下方向に直交すると共に互いに直交する2方向との3方向に加わる力を検出可能な3軸力覚センサが、前記セル本体の上部に設置されていることを特徴とする。
すなわち、この伸縮セルモジュールでは、3軸力覚センサが、セル本体の上部に設置されているので、上下方向の力だけでなく、上下方向に直交する面に平行する方向に加わったせん断力も3軸力覚センサで検出することができ、せん断方向へのずれ(変形)も検出してセル本体の伸縮をコントロールすることが可能になる。

0011

第3の発明に係る伸縮セルモジュールは、第1又は第2の発明において、前記材料容器部が、板状とされて前記セル本体の下部に固定され、前記温度調整部が、板状とされて前記材料容器部の下部に重ねて固定されていることを特徴とする。
すなわち、この伸縮セルモジュールでは、材料容器部が、板状とされてセル本体の下部に固定され、温度調整部が、板状とされて材料容器部の下部に重ねて固定されているので、重ねられた板状の材料容器部および温度調整部により、セル全体を小型化することが可能になる。

0012

第4の発明に係る緩衝デバイスは、複数の第1から第3の発明のいずれかの伸縮セルモジュールと、前記伸縮セルモジュールの前記温度調整部に接続され前記伸縮セルモジュール毎に前記セル本体の伸縮を制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
すなわち、この緩衝デバイスでは、複数の上記伸縮セルモジュールと、伸縮セルモジュールの温度調整部に接続され伸縮セルモジュール毎にセル本体の伸縮を制御する制御部とを備えているので、煩雑な複数配管の配設やポンプの別途設置が不要となると共に、伸縮セルモジュール毎に高精度な制御が可能になる。

0013

第5の発明に係る緩衝デバイスは、第4の発明において、前記伸縮セルモジュールが、第2の発明に係る伸縮セルモジュールであり、前記制御部が、前記3軸力覚センサに接続され前記3軸力覚センサからの信号に基づいて前記セル本体の伸縮を制御することを特徴とする。
すなわち、この緩衝デバイスでは、制御部が、3軸力覚センサに接続され3軸力覚センサからの信号に基づいてセル本体の伸縮を制御するので、セル本体毎のせん断方向へのずれ(変形)にも対応した制御を行うことが可能になる。

0014

第6の発明に係る緩衝デバイスは、第4又は第5の発明において、複数の前記伸縮セルモジュールが互いに近接状態に並べられて全体としてマット又はマットレスを構成していることを特徴とする。
すなわち、この緩衝デバイスでは、複数の伸縮セルモジュールが互いに近接状態に並べられて全体としてマット又はマットレスを構成しているので、医療・介護分野等のベッドや車いすのマットに好適な能動分散方式の高精度なマット又はマットレスを得ることができる。

発明の効果

0015

本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る伸縮セルモジュールおよび緩衝デバイスによれば、セル本体に設けられたガス供給機構が、ガスの吸収と放出とを温度に応じて可逆的に行うガス貯蔵材料を内部に収納しガスが流通可能にセル本体内と連通された材料容器部と、ガス貯蔵材料の温度を調整する温度調整部とを有しているので、配管やポンプの設置が不要となる。
また、本発明の複数の伸縮セルモジュールを用いた緩衝デバイスによれば、伸縮セルモジュールの温度調整部に接続され伸縮セルモジュール毎にセル本体の伸縮を制御する制御部とを備えているので、煩雑な複数配管の配設やポンプの別途設置が不要となると共に、伸縮セルモジュール毎に高精度な制御が可能になる。
したがって、本発明の緩衝デバイスによれば、医療・介護分野等のベッドや車いすのマットに好適な能動分散方式の高精度なマット又はマットレスを得ることができ、特に、効果的な体位変換や姿勢保持、褥瘡および圧迫創傷の予防等に有効である。

図面の簡単な説明

0016

本発明に係る伸縮セルモジュールおよび緩衝デバイスの一実施形態において、伸縮セルモジュールを示した伸長状態(a)と収縮状態(b)との断面図である。
本実施形態において、緩衝デバイスを示す斜視図である。
本実施形態において、伸縮セルモジュールを示す分解斜視図である。
本実施形態において、緩衝デバイスの構成を示すブロック図である。
本実施形態において、3軸力覚センサの検出可能な力の3方向を示す説明図である。
本実施形態において、力が、上下方向だけに加わる場合(a)と、上下方向とせん断方向との両方に加わる場合(b)と、せん断方向だけに加わる場合(c)とを示すセル本体を示す正面図である。
本実施形態において、緩衝デバイスをベッドのマットレスとして適用した場合を示す説明図である。
図7に示す領域Y1において各伸縮セルモジュールの状態を示す断面図である。
本実施形態において、緩衝デバイスを手術時の側臥位支持として背中と腕との支持台に適用した場合を示す説明図である。
図9に示す領域Y2,Y3において、従来の支持台の場合(a,b)と、本実施形態の支持台の場合(c,d)を示す断面図である。

実施例

0017

以下、本発明に係る伸縮セルモジュールおよび緩衝デバイスの一実施形態を、図1から図10を参照しながら説明する。

0018

本実施形態の伸縮セルモジュール1は、図1および図3に示すように、内部に供給されるガスの圧力に応じて少なくとも上下方向に伸縮可能なセル本体2と、セル本体2の下部に設けられセル本体2内に前記ガスを供給可能なガス供給機構3とを備えている。
上記ガス供給機構3は、前記ガスの吸収と放出とを温度に応じて可逆的に行うガス貯蔵材料4を内部に収納し前記ガスが流通可能にセル本体2内と連通された材料容器部5と、ガス貯蔵材料4の温度を調整する温度調整部6とを有している。

0019

また、本実施形態の伸縮セルモジュール1では、セル本体2が上下方向以外の方向にも変形可能であり、セル本体2の上下方向と上下方向に直交すると共に互いに直交する2方向との3方向に加わる力を検出可能な3軸力覚センサ7が、セル本体2の上部に設置されている。
上記材料容器部5は、板状とされてセル本体2の下部に固定されている。
また、温度調整部6は、板状とされて材料容器部5の下部に重ねて固定されている。

0020

本実施形態の緩衝デバイス10は、図2に示すように、複数の上記伸縮セルモジュール1と、伸縮セルモジュール1の温度調整部6に接続され伸縮セルモジュール1毎にセル本体2の伸縮を制御する制御部Cとを備えている。なお、図2では、伸縮セルモジュール1を16個設置しているが、個数や配置は適宜設定される。また、本実施形態では、各伸縮セルモジュール1にそれぞれ3軸力覚センサ7が搭載されているが、一部の伸縮セルモジュールを3軸力覚センサ7を搭載しないものとしても構わない。例えば、隣接する2つの伸縮セルモジュールのうち一方を、3軸力覚センサ7を搭載せず、省略したものとしたり、一部の領域の伸縮セルモジュールだけを、3軸力覚センサ7を搭載せず、省略したものとすることもできる。
上記制御部Cは、図4に示すように、3軸力覚センサ7に接続され3軸力覚センサ7からの信号に基づいてセル本体2の伸縮を制御する機能を有している。なお、図4では、代表的に1つの伸縮セルモジュール1と制御部Cとの接続を図示している。

0021

上記温度調整部6は、材料容器部5内に設置されガス貯蔵材料4の温度を測定する温度センサ6aと、ペルチェ素子等の熱電素子6bとを備えている。この温度センサ6aとしては、例えばサーミスタ等が採用可能である。
また、制御部Cは、温度センサ6aに接続され温度センサ6aで測定したガス貯蔵材料4の温度に基づいてセル本体2の伸縮を制御する機能を有している。

0022

この制御部Cは、IC等で構成されており、プロパティ情報(各伸縮セルモジュール1のID,各伸縮セルモジュール1の配置等)が記憶領域に保存されている。制御部Cは、これらプロパティ情報と温度センサ6aからの温度信号と3軸力覚センサ7からの力信号とに基づいて、各伸縮セルモジュール1の伸縮量、伸縮タイミングを決定し、各伸縮セルモジュール1の温度調整部6に制御信号を送信することで、ガス貯蔵材料4の温度を調整して各伸縮セルモジュール1の伸縮のフィードバック制御を行う。

0023

例えば、制御部Cは、隣接した伸縮セルモジュール1が互いに伸長・収縮周期が逆になるように上記フィードバック制御を行ったり、伸縮セルモジュール1の列毎に伸長・収縮を行うフィードバック制御を行ったり、一定のしきい値以上のずれや圧力が3軸力覚センサ7でセンシングされた場合に、センシングされた当該伸縮セルモジュール1を伸長・収縮周期に関わらず、しきい値以下になるまで収縮させる等の制御を行ったりする。

0024

制御部Cと各伸縮セルモジュール1とは、有線又は無線で接続されてネットワークを構成している。なお、この接続方式としては、バス型スター型等の接続形態が採用可能であり、接続規格が同じであれば伸縮長や大きさの異なる伸縮セルモジュール1同士の接続も可能である。
このように、本実施形態の緩衝デバイス10は、単純な接続により複数の伸縮セルモジュール1を組み合わせて構成されており、従来の流体用配管によって設置スペースが複雑になったり、配管自体が必要になったりすることがなく、非常に優れた拡張性を有している。

0025

上記ガス貯蔵材料4としては、例えばガスとして水素吸蔵可能な既知の水素吸蔵合金等の出力重量比の高い材料が採用可能である。このような材料を用いることで、10℃から50℃までの温度範囲において1gの合金で10kPa以上の圧力差をセル本体2内で生み出すことが可能である。

0026

上記セル本体2は、アルミラミネートフィルム等のガスバリア性の高い材料で上下に伸縮可能な蛇腹構造を有してガスを内部に封入可能な円筒状の伸縮袋体2aと、この伸縮袋体2aを覆うと共に伸縮袋体2aの伸縮に追従可能な柔軟で薄い樹脂フィルム等で構成された円筒形状のカバー部2bとを備えている。このように、高ガスバリア性フィルム材料で伸縮袋体2aを構成することで、ガス漏れを防止しつつスムーズな伸縮動作が可能になると共に、サイズ等も自在に変更可能になる。
上記材料容器部5の上部には、伸縮袋体2a内にガスケットを介して連通したガス供給孔3aが形成されている。

0027

上記3軸力覚センサ7は、接触面に発生するせん断力と垂直力との3方向の力検出が可能なひずみゲージセンサ等が採用可能であって、伸縮袋体2aの上部中央に設置されている。この3軸力覚センサ7は、図5および図6に示すように、セル本体2の上下方向に加わる力だけでなく、上下方向に直交すると共に互いに直交する2方向それぞれに加わる力も個別に検出可能である。

0028

なお、図6の(a)は、力が上下方向だけに加わる場合のセル本体2の状態を示し、図6の(b)は、上下方向とせん断方向との両方に加わる場合のセル本体2の状態を示し、さらに図6の(c)は、せん断方向だけに加わる場合のセル本体2の状態を示している。すなわち、上下方向とせん断方向との両方に加わる場合のセル本体2は、その軸線湾曲する方向に変形し、せん断方向だけに加わる場合のセル本体2は、その軸線が垂直方向に対して斜めに傾く方向に変形する。

0029

次に、複数の伸縮セルモジュール1が互いに近接状態に並べられて全体としてマット又はマットレスを構成している本実施形態の緩衝デバイス10の例について説明する。すなわち、本実施形態の緩衝デバイス10は、図7および図8に示すように、複数の伸縮セルモジュール1を並べてシート状とされ、全体をマットカバー11で覆われており、ベッド100のマットレスとされている。

0030

なお、本実施形態において、支持する体部位に合わせて伸縮セルモジュール1の数や大きさ、配列を自由に設定することができる。
この緩衝デバイス10は、ベッド100上に寝ている患者等の人体101を背上げする際に、折り曲げ可能な配置で各伸縮セルモジュール1がマットカバー11内に設置されている。各伸縮セルモジュール1は、その上部がマットカバー11を介して人体101と接触するように設置されている。

0031

通常、上記背上げ時では、平面であったマットレスの背を人体の上半身と共に上げたとき、重力により背中側にずれが生じる。
従来のマットレスでは、圧力ではなく、ずれに大きく由来する外力の変化をセンシングすることができないため、背中のずれや腰や臀部周辺に生じる集中外力を患者等の人体101に対応して除去若しくは分散させることが困難であった。

0032

本実施形態では、図7に示すように、背中側に配した伸縮セルモジュール1の3軸力覚センサ7がずれをセンシングするので、腰や臀部周辺の離れた伸縮セルモジュール1の伸縮状態に応じて適切な制御を行うことが可能である。このように本実施形態では、患者等の人体101の体型や姿勢、状況に応じて大きく変わる接触面の状況に対して、ずれも考慮した外力の大きさや方向をモニタリングし、外力の除去や分散の適切な対応が可能になる。

0033

すなわち、制御部Cは、マットカバー11を介してセル本体2と人体101との接触面に働く3軸方向の力の変化を3軸力覚センサ7で検出し、人体101の体位の支持と共に、ずれと圧力との分散を行うように、温度調整部6により温度制御されたガス貯蔵材料4で放出・吸蔵されるガスによって伸縮袋体2a内の圧力を変え、各セル本体2を伸縮させる。

0034

例えば、制御部Cは、人体101を支持する箇所の伸縮セルモジュール1においては、温度調整部6によりガス貯蔵材料4の温度を上昇させてガス貯蔵材料4からガスを放出させ、図1の(a)に示すように、伸縮袋体2a内の圧力を上昇させてセル本体2を伸長させる。また、制御部Cは、人体101を支持しない箇所の伸縮セルモジュール1においては、温度調整部6によりガス貯蔵材料4の温度を低下させてガス貯蔵材料4にガスを吸収させ、図1の(b)に示すように、伸縮袋体2a内の圧力を低下させてセル本体2を収縮させる。

0035

このように各伸縮セルモジュール1の伸縮量と伸縮タイミングとを適切に制御することで、体位の支持と外力の分散とを行うことができ、人体101の同一箇所に長時間外力を作用させず、人体101を支持することが可能になる。この際、セル本体2へのガスの供給は各伸縮セルモジュール1で独立して行われるため、伸縮セルモジュール1の伸縮を高精度に制御することができ、伸縮セルモジュール1毎に微妙な伸縮動作を行うことも可能になる。

0036

次に、本実施形態の緩衝デバイス21,31を、図9に示すように、手術時の側臥位支持に使用した場合について説明する。
従来、体位固定のために背中や腕を支持台に固定する際、圧迫創傷予防のために支持台にウレタンクッションを挟む対策が採られてきたが、この予防方法は能動的に外力を分散させるものではなく、一定箇所に長時間力がかかることを防げないため、効果が得られなかった。

0037

これに対し、各支持部位に緩衝デバイス21,31を適用すれば、体位維持のため一定の箇所に長時間力がかかることを防ぐことができることはもちろん、使用者の人体101のサイズに合わせて緩衝デバイス21,31を構成できる上、例えば使用者特有の骨突出部で外力の集中し易い箇所に長時間力がかかることを防ぐことができる。

0038

例えば、図9に示すように、人体101の背中側を支持する領域Y2と腕を支持する領域Y3とに設置した支持台としてそれぞれ緩衝デバイス21,31を採用した場合、従来の単なる支持台102であると、図10の(a)(b)に示すように、人体101の背中や腕との間に部分的な隙間が生じてしまうのに対し、本実施形態の緩衝デバイス21,31であると、図10の(c)(d)に示すように、適切に伸縮された各伸縮セルモジュール1によって隙間が生じず、背中や腕の全体を安定して支持することができる。

0039

このように本実施形態の伸縮セルモジュール1では、セル本体2に設けられたガス供給機構3が、ガスの吸収と放出とを温度に応じて可逆的に行うガス貯蔵材料4を内部に収納しガスが流通可能にセル本体2内と連通された材料容器部5と、ガス貯蔵材料4の温度を調整する温度調整部6とを有しているので、セルモジュール単体に材料容器部5と温度調整部6とが直接設けられていることで、ガスをセル本体2内に導くための配管やポンプの設置が不要となる。また、配管やポンプ等が不要になることで、省スペース化および低騒音化を図ることができると共に、配置自由度が向上し、拡張性も向上して多様な用途に適用可能である。

0040

また、3軸力覚センサ7が、セル本体2の上部に設置されているので、上下方向の力だけでなく、上下方向に直交する面に平行する方向に加わったせん断力も3軸力覚センサ7で検出することができ、せん断方向へのずれ(変形)も検出してセル本体2の伸縮をコントロールすることが可能になる。
また、材料容器部5が、板状とされてセル本体2の下部に固定され、温度調整部6が、板状とされて材料容器部5の下部に重ねて固定されているので、重ねられた板状の材料容器部5および温度調整部6により、セル全体を小型化することが可能になる。

0041

したがって、本実施形態の緩衝デバイス10,21,31では、複数の上記伸縮セルモジュール1と、伸縮セルモジュール1の温度調整部6に接続され伸縮セルモジュール1毎にセル本体2の伸縮を制御する制御部Cとを備えているので、煩雑な複数配管の配設やポンプの別途設置が不要となると共に、伸縮セルモジュール毎に高精度な制御が可能になる。
また、制御部Cが、3軸力覚センサ7に接続され3軸力覚センサ7からの信号に基づいてセル本体2の伸縮を制御するので、セル本体2毎のせん断方向へのずれ(変形)にも対応した制御を行うことが可能になる。

0042

特に、緩衝デバイス10,21,31では、複数の伸縮セルモジュール1が互いに近接状態に並べられて全体としてマット又はマットレスを構成しているので、ポンプや複数の配管類が不要で、医療・介護分野等のベッドや車いすのマットに好適な能動分散方式の高精度なマット又はマットレスを得ることができる。

0043

なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

0044

1…伸縮セルモジュール、2…セル本体、3…ガス供給機構、4…ガス貯蔵材料、5…材料容器部、6…温度調整部、7…3軸力覚センサ、10,21,31…緩衝デバイス、C…制御部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • モータスメカニクスリミテッドの「 調節可能な家具」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】少なくとも一つの調節可能な第1支持区間(12)と少なくとも一つの調節可能な第2支持区間(13)とを含む、多関節となっている複数の支持区間と、少なくとも一つの第2支持区間に対して少なく... 詳細

  • モータスメカニクスリミテッドの「 調節可能な家具」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】少なくとも一つの支持区間(12)と、少なくとも一つの支持区間(12)の旋回移動を行うように作動可能である駆動機構(40)とを備え、駆動機構(40)は、軸受組立体(52)で枢軸的に組み... 詳細

  • 株式会社イノアックコーポレーションの「 シートパッド及びその製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】クッション体の表面形状へのシート状ヒーターの追従性を向上し、使用時におけるシート状ヒーターのズレの発生を抑えること。【解決手段】本開示のシートパッド10は、ポリウレタンフォームからなるパッド本... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ