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技術 通信装置及びその制御方法並びにプログラム、並びに通信システム

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 岩澤宏紀高谷直樹河村憲一徳永和宏
出願日 2016年2月8日 (3年5ヶ月経過) 出願番号 2016-021728
公開日 2017年8月17日 (1年11ヶ月経過) 公開番号 2017-143336
状態 特許登録済
技術分野 通信制御 広域データ交換 移動無線通信システム
主要キーワード アプリケーション特性 到達順序 統合管理機 異種混合 利用帯域幅 利用周波数帯 プロトコル変更 方式変更
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

通信環境の急激な変化に即応することができる通信装置及びその制御方法並びに通信ステムを提供する。

解決手段

OSI階層モデルトランスポート層を上下に分割し、下位レイヤには複数のトランスポートプロトコル処理部800を配置するとともに、上位レイヤには統合管理機能部900とを備え、前記統合管理機能部900は、トランスポートプロトコル処理部による通信の通信環境を監視する通信環境監視部910と、前記通信環境監視部910により通信環境の変化を検知すると変化した通信環境に適した1つ以上のトランスポートプロトコル処理部800を選択するとともに選択した1つ以上のトランスポートプロトコル処理部800による通信に切り替え通信方式選択部920とを備えた。

概要

背景

2015年現在普及しているLTE(Long Term Evolution)は、3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)で標準化され、移動通信システムオールIP(Internet Protocol)化、下り最大100Mbps上り最大50Mbps以上をミニマム要件にするなど、従来の移動通信システムをより高速、高機能化したものである。

IEEE802.11規格のWi−Fi(登録商標)は、利用する周波数帯通信方式により様々な規格があり、多くの規格ではアンライセンスバンド免許不要の周波数帯)を用いることが特徴である。2014年に規格化されたIEEE802.11acでは、5GHz帯を利用し、利用帯域幅の拡大やMIMO(Multi-Input Multi-Output)技術により1Gbpsを超える最大速度を実現する。

また現在、3GPPではWi−Fiで用いられているような2.4GHz帯や5GHz帯といったアンライセンスバンドを用いてLTEによる通信を行うLAA(Licensed-Assisted Access using LTE)や、次世代移動通信システムの5G(第5世代移動通信システム)が検討されている。5Gでは、既存移動通信システムよりも、さらに高速、低遅延省電力化要求条件として掲げられており、ミリ波のような60GHz以上の周波数帯利用も検討されている。

一方で、一般的なインターネットのEnd to Endの通信ではTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)のプロトコル標準的に用いられている。

現在Linux(登録商標)で標準となっているTCPの輻輳制御アルゴリズムであるCUBIC(非特許文献1参照)は、一度にパケットを送れる量を表す輻輳ウィンドウサイズが、RTT(Round Trip Time)依存ではなく、パケットロスからの経過時間に依存するため、高遅延環境でのスループットを改善する。

TCPには輻輳制御アルゴリズムの他に様々な制御が提案されており、オプションとして利用することができる。

Quick−Start(非特許文献2参照)は、送信側の要求するスループットを送受信間の全てのノード承認すれば、要求するスループットに対応するウィンドウサイズに変更する手法である。このオプションを利用するには、送受信間の全ノードがQuick−Startに対応している必要があるが、急速にスループットを上げることが可能となる。

PTCP(Multipath TCP)(非特許文献3参照)はTCPによる通信をサブフローに分割し、複数パスを利用することでスループット向上や冗長性を高める手法である。

また非特許文献4では、ネットワーク特性アプリケーション特性に応じてTCPの他に、RPS(Random Packet System)、UNAP(Universal Network Acceleration Protocol)といった独自プロトコルを切り替える手法が提案されている。

概要

通信環境の急激な変化に即応することができる通信装置及びその制御方法並びに通信システムを提供する。OSI階層モデルトランスポート層を上下に分割し、下位レイヤには複数のトランスポートプロトコル処理部800を配置するとともに、上位レイヤには統合管理機能部900とを備え、前記統合管理機能部900は、トランスポートプロトコル処理部による通信の通信環境を監視する通信環境監視部910と、前記通信環境監視部910により通信環境の変化を検知すると変化した通信環境に適した1つ以上のトランスポートプロトコル処理部800を選択するとともに選択した1つ以上のトランスポートプロトコル処理部800による通信に切り替える通信方式選択部920とを備えた。

目的

またCUBICはパケットロスを輻輳と判断するため、高エラーレートのアンライセンスバンドを用いる際は、エラーによるパケットロスが頻発して不必要にスループットを下げてしまうことが課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

パケット送受信を行う通信装置において、OSI階層モデルトランスポート層を上位レイヤ下位レイヤに分割し、下位レイヤには複数のトランスポートプロトコル処理部を配置するとともに、上位レイヤには複数のトランスポートプロトコル処理部による通信統合管理する統合管理機能部とを備え、前記統合管理機能部は、トランスポートプロトコル処理部による通信の通信環境監視する通信環境監視部と、前記通信環境監視部により通信環境の変化を検知すると変化した通信環境に適した1つ以上のトランスポートプロトコル処理部を選択するとともに選択した1つ以上のトランスポートプロトコル処理部による通信に切り替え通信方式選択部とを備えたことを特徴とする通信装置。

請求項2

前記統合管理機能部は、前記通信方式選択部が複数のトランスポートプロトコル処理部による通信に切り替えた際に各トランスポートプロトコル処理部によるフローに係るパケットに共通のシーケンス番号を割り当てるシーケンス番号管理部を備えたことを特徴とする請求項1記載の通信装置。

請求項3

前記統合管理機能部は、前記通信方式選択部が第1のトランスポートプロトコル処理部による通信から第1及び第2のトランスポートプロトコル処理部による通信に切り替えた際に既存の第1のトランスポートプロトコル処理部によるフローに対して第2のトランスポートプロトコル処理部によるサブフローを追加するサブフロー追加部を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の通信装置。

請求項4

前記統合管理機能部は、前記通信方式選択部が選択した第1のトランスポートプロトコル処理部が再送制御を有しない場合に第2のトランスポートプロトコル処理部に係る通信経路を利用して前記第1のトランスポートプロトコル処理部におけるパケットの再送制御を行う再送制御部を備えたことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の通信装置。

請求項5

前記統合管理機能部は、通信環境とトランスポートプロトコル処理部とを関連づけた情報を記憶する通信方式記憶部を備え、前記通信方式選択部は、前記通信方式記憶部に記憶された関連情報に基づき1つ以上のトランスポートプロトコル処理部を選択することを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の通信装置。

請求項6

パケットの送受信を行う通信装置における通信制御方法であって、OSI7階層モデルのトランスポート層を上位レイヤと下位レイヤに分割し、下位レイヤには複数のトランスポートプロトコル処理部を配置するとともに、上位レイヤには複数のトランスポートプロトコル処理部による通信を統合管理する統合管理機能部とを設け、前記統合管理機能部の通信環境監視部が、トランスポートプロトコル処理部による通信の通信環境を監視し、前記統合管理機能部の通信方式選択部が、前記通信環境監視部により通信環境の変化を検知すると変化した通信環境に適した1つ以上のトランスポートプロトコル処理部を選択するとともに選択した1つ以上のトランスポートプロトコル処理部による通信に切り替えることを特徴とする通信装置における通信制御方法。

請求項7

コンピュータを、請求項1乃至5の何れか1項に記載の統合管理機能部として動作させるためのプログラム

請求項8

パケットの送受信を行う端末と、アクセス機能により前記端末を収容したネットワークと、端末のトランスポート層における通信相手先となる通信装置と備えた通信システムであって、前記端末及び通信装置は、OSI7階層モデルのトランスポート層を上位レイヤと下位レイヤに分割し、下位レイヤには複数のトランスポートプロトコル処理部を配置するとともに、上位レイヤには複数のトランスポートプロトコル処理部による通信を統合管理する統合管理機能部とを備え、前記統合管理機能部は、トランスポートプロトコル処理部による通信の通信環境を監視する通信環境監視部と、前記通信環境監視部により通信環境の変化を検知すると変化した通信環境に適した1つ以上のトランスポートプロトコル処理部を選択するとともに選択した1つ以上のトランスポートプロトコル処理部による通信に切り替える通信方式選択部とを備えたことを特徴とする通信システム。

技術分野

0001

本発明は、パケット通信システムに関する。

背景技術

0002

2015年現在普及しているLTE(Long Term Evolution)は、3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)で標準化され、移動通信システムオールIP(Internet Protocol)化、下り最大100Mbps上り最大50Mbps以上をミニマム要件にするなど、従来の移動通信システムをより高速、高機能化したものである。

0003

IEEE802.11規格のWi−Fi(登録商標)は、利用する周波数帯通信方式により様々な規格があり、多くの規格ではアンライセンスバンド免許不要の周波数帯)を用いることが特徴である。2014年に規格化されたIEEE802.11acでは、5GHz帯を利用し、利用帯域幅の拡大やMIMO(Multi-Input Multi-Output)技術により1Gbpsを超える最大速度を実現する。

0004

また現在、3GPPではWi−Fiで用いられているような2.4GHz帯や5GHz帯といったアンライセンスバンドを用いてLTEによる通信を行うLAA(Licensed-Assisted Access using LTE)や、次世代移動通信システムの5G(第5世代移動通信システム)が検討されている。5Gでは、既存移動通信システムよりも、さらに高速、低遅延省電力化要求条件として掲げられており、ミリ波のような60GHz以上の周波数帯利用も検討されている。

0005

一方で、一般的なインターネットのEnd to Endの通信ではTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)のプロトコル標準的に用いられている。

0006

現在Linux(登録商標)で標準となっているTCPの輻輳制御アルゴリズムであるCUBIC(非特許文献1参照)は、一度にパケットを送れる量を表す輻輳ウィンドウサイズが、RTT(Round Trip Time)依存ではなく、パケットロスからの経過時間に依存するため、高遅延環境でのスループットを改善する。

0007

TCPには輻輳制御アルゴリズムの他に様々な制御が提案されており、オプションとして利用することができる。

0008

Quick−Start(非特許文献2参照)は、送信側の要求するスループットを送受信間の全てのノード承認すれば、要求するスループットに対応するウィンドウサイズに変更する手法である。このオプションを利用するには、送受信間の全ノードがQuick−Startに対応している必要があるが、急速にスループットを上げることが可能となる。

0009

PTCP(Multipath TCP)(非特許文献3参照)はTCPによる通信をサブフローに分割し、複数パスを利用することでスループット向上や冗長性を高める手法である。

0010

また非特許文献4では、ネットワーク特性アプリケーション特性に応じてTCPの他に、RPS(Random Packet System)、UNAP(Universal Network Acceleration Protocol)といった独自プロトコルを切り替える手法が提案されている。

先行技術

0011

Injong Rhee, and Lisong Xu, "CUBIC: A New TCP-Friendly High-Speed TCP Variant", 2008
S. Floyd, 他3名, "Quick-Start for TCP and IP",IETF, RFC4782, 2007年1月
A. Ford, 他3名, " TCP Extensions for Multipath Operation with Multiple Addresses", IETF, RFC6824, 2013年1月
亮一,小口直樹,高野陽介,長博,"通信環境の応じた通信プロトコル適応選択技術の検討",IEICE Technical Report,IN2012-184(2013-03)

発明が解決しようとする課題

0012

5G時代では、ヘテロジーニアス(異種混合)環境と呼ばれる、利用周波数帯セル半径などの特性が異なる複数のRAT(Radio Access Technology)を混合して用いることが想定されている(図1参照)。利用するRATは、既存のLTEやWi−Fiに加え、例えば、高周波のミリ波を用いた超広帯域だがセル半径が小さいものや、アンライセンスバンドを用いた安価だが高エラーレートのものが考えられる。このようなヘテロジーニアス環境では、セル半径数メートルから数百メートルのスモールセル点在するため、電車や車での移動に伴うセル切り替わりによって通信環境の変化が頻発すると考えられる。

0013

前述したTCP輻輳制御アルゴリズムのCUBICは、大陸間通信等で課題であった広帯域でかつ高遅延な環境におけるスループットを改善しつつ、RTTや他のTCPフローとの公平性を高めた手法であり、通信環境の急激な変化に合わせるように設計されたものではない。このため、CUBICによる通信中にセル半径数メートルの超広帯域RATに切り替わったとしても、輻輳が起きないようにするため急激にスループットを上げることは行わない。したがって移動中であれば帯域を十分に使い切る前にセルから抜けてしまうことが課題として挙げられる。またCUBICはパケットロスを輻輳と判断するため、高エラーレートのアンライセンスバンドを用いる際は、エラーによるパケットロスが頻発して不必要にスループットを下げてしまうことが課題である。

0014

MPTCPは複数のネットワークを用いることができるため、冗長性を確保することはできるが、フローを分割する際は公平性を考慮して消極的な輻輳制御を行うことや、ネゴシエーションコネクション確立などのオーバーヘッドが存在するため、急激にスループットを上げる効果は期待できない。

0015

広帯域セルに切り替わった際は、Quick−Startや、輻輳制御をしないUDP(User Datagram Protocol)を用いることで、短時間でスループットを向上させることができるが、広帯域セルを抜けると輻輳を起こす可能性がある。また高エラーレートのセルに変わった際は、パケットロスに過剰に反応しないような制御をすればスループットを保つことができる。このように環境ごとに適したプロトコルや制御は存在するが、あらゆる環境変化に全て対応できるトランスポート技術はないことが課題である。

0016

前記非特許文献4に記載の手法は、環境に応じてプロトコルを変更することはできるが、ヘテロジーニアス環境などで複数のネットワークを利用する仕組みは考慮されていない.

0017

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、通信環境の急激な変化に即応することができる通信装置及びその制御方法並びに通信システムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0018

上記目的を達成するために、本願発明は、パケットの送受信を行う通信装置において、OSI(Open Systems Interconnection reference model)7階層モデルトランスポート層を上位レイヤ下位レイヤに分割し、下位レイヤには複数のトランスポートプロトコル処理部を配置するとともに、上位レイヤには複数のトランスポートプロトコル処理部による通信を統合管理する統合管理機能部とを備え、前記統合管理機能部は、トランスポートプロトコル処理部による通信の通信環境を監視する通信環境監視部と、前記通信環境監視部により通信環境の変化を検知すると変化した通信環境に適した1つ以上のトランスポートプロトコル処理部を選択するとともに選択した1つ以上のトランスポートプロトコル処理部による通信に切り替える通信方式選択部とを備えたことを特徴とする。

発明の効果

0019

本発明によれば、RAT等の通信環境の変化を検知したとき、環境に合ったトランスポートプロトコルに切り替えることで、超広帯域になった際は短時間でスループットを最大化する、高エラーレートになった際は不必要にスループットを下げないといった、それぞれの環境下でQoSを最大化する制御が可能となる。超広帯域を短時間で利用できることにより、移動中でもスモールセルを利用して大容量ファイルダウンロード等が実現できる。スモールセルを有効利用することで通信トラフィックを分散させることができ、LTEのようなライセンスバンドの混雑を避けることができる。また複数のRATを併用することで冗長性が高く、移動時にセルの切り替えが頻発するヘテロジーニアス環境においても安定した通信を維持することができる。

0020

さらに、トランスポート層でプロトコル切り替えの制御を行うため、アプリケーション側で通信環境の変化に応じた制御を行う必要がなくなる。

図面の簡単な説明

0021

ヘテロジーニアス環境を説明する図
無線通信システムの構成図
他の例に係る無線通信システムの構成図
トランスポート処理部の構成図
パケットヘッダの構成例
通信方式データベースの構成例
統合管理機能部の動作を説明するフローチャート
統合管理機能部によりUDPで再送処理を実施する場合のイメージ
実施例1に係る無線通信システムの構成図及びシーケンス
実施例2に係る無線通信システムの構成図及びシーケンス図
実施例3に係る無線通信システムの構成図及びシーケンス図

0022

本発明の一実施の形態に係る通信システムについて図面を参照して説明する。図2及び図3は本実施の形態に係る通信システムのシステム構成図である。

0023

本実施の形態に係る通信システムは、図2に示すように、複数の通信方式に対応した端末100と、各通信方式で端末100を収容するための複数のアクセス機能200と、各通信方式における複数のパケットコアネットワーク300と、各パケットコアネットワーク300と接続したIPサービスネットワーク400と、端末100との通信相手先でありIPサービスネットワーク400に接続したサーバ500とを備えている。他の変形例としては、図3に示すように、端末100はプロキシ600を介してサーバ500と通信を行う構成が考えられる。

0024

本願発明の特徴点は、後述するように、OSI参照モデルのトランスポート層処理部700であって、端末100とサーバ500又はプロキシ600との間のトランポートコネクション終端するものの機能にある。当該トランスポート層処理部700は、図2の構成例の場合は端末100及びサーバ500に実装され、図3の構成例の場合は端末100及びプロキシ600のIPサービスネットワーク400側(端末100側)に実装される。プロキシ600を利用する場合、サーバ500には改造・変更等を加えることなく本発明を実施することができる点で有利である。

0025

アクセス機能200・パケットコアネットワーク300・IPサービスネットワーク400の構成、及び、各装置による全体構成については従来周知のものである。前記複数の通信方式としては、例えばLTE、Wi−Fi、有線イーサネット(登録商標)などが挙げられる。前記複数のアクセス機能200は、それぞれの通信方式に対応するものであり、例えばLTEの場合には無線区間のネットワークであるE−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)を構成するeNodeBなどの各装置が含まれる。前記複数のパケットコアネットワーク300も、それぞれの通信方式に対応するものであり、例えばLTEの場合にはEPC(Evolved Packet Core)である。なお、1つのパケットコアネットワーク300に通信方式の異なる又は同じ複数のアクセス機能200が収容される場合もある点に留意されたい(例えば、キャリアグリケーションデュアルコネクティビティが適用されている場合)。

0026

トランスポート層処理部700は、図2及び図3に示すように、OSI参照モデルのトランスポート層における通信の両終端に位置するトランスポート層処理部700を上位層と下位層に分割し、下位層には複数のトランスポートプロトコル処理部800を並列配置し、上位層には複数のトランスポートプロトコル処理部800を統合管理する統合管理機能部900を配置した。なお、このトランスポート層処理部700は、基本的な構成は、端末100・サーバ500・プロキシ600とで共通である。また、端末100・サーバ500・プロキシ600において、OSI参照モデルのトランスポート層以外の層の構成は任意であり、従来周知の構成をとることができる。

0027

トランスポート層処理部700の構成について、図4を参照して説明する。トランスポート層処理部700の上位層である統合管理機能部900は、複数の異なるトランスポートプロトコルを管理し、通信環境にあったトランスポートプロトコルを動的に切り替える機能を有する。特性に合ったプロトコルの決定方法は、例えばデータベースに登録しておく方法がある。また、統合管理機能部900は、トランスポート層におけるフローを分割し、複数の異なるネットワークの利用を可能とする機能を有する。ここで、分割したフローは、それぞれ別々のプロトコルを割り当てることができる。また、統合管理機能部900は、異なるプロトコル間で継続性担保できる仕組みを持つ。具体的には、共通のシーケンス番号と、サブフロー毎のサブシーケンス番号を割り振る機能、TCPにおける輻輳ウィンドウサイズなどのパケット伝送レート通知する機能を備える。通信方式変更のネゴシエーションはプロトコルヘッダで行う。また、統合管理機能部900は、UDPのような再送制御を持たないプロトコルを、TCP等の他のプロトコルにより再送する制御をトランスポート層で実施する機能を有する。

0028

以上の機能の実装例を図4に示す。統合管理機能部900は、図4に示すように、通信環境の変化を検知する通信環境監視部910と、変化後の環境に適したプロトコルを選択する通信方式選択部920と、複数RATを利用する際に、サブフローの追加・削除を行うサブフロー制御部930と、複数フローを用いる際の共通するシーケンス番号を割り当てるシーケンス番号管理部940と、UDP等の再送制御を持たないプロトコルを利用する際の再送制御を行う再送制御部950と、通信環境と通信方式を関連付ける通信方式データベース960と、送信バッファ970と、受信バッファ980とを備える。なお、後述するように、本通信システムにおける実施例によって前記通信方式データベース960は、端末100側或いはサーバ500又はプロキシ600側にのみ備えればよい。

0029

統合管理機能部900の下位層に配置された複数のトランスポートプロトコル処理部800は、従来周知のものを含めて任意のプロトコル及びそのオプションを用いることができる。例えば、TCP Reno、 CUBIC、HighSpeed TCP、FAST TCPなど任意の輻輳制御アルゴリズム、Quick−Start、MPTCP、SACK(Selective Acknowledgement)等のTCPオプションなど種々の形態のTCPの他、UDP、SCTP(Stream Control Transmission Protocol)、QUIC(Quick UDP Internet Connections)等のTCP以外のトランスポートプロトコルが挙げられる。ここで、前述したように、統合管理機能部900は再送制御部950を備えているため、UDP等の再送制御を持たないプロトコルもトランスポートプロトコル処理部800として実装可能である。

0030

上記統合管理機能部900により通信方式を変更する方法について詳述する。なお、ここで通信方式の変更とは、あるトランスポートプロトコル処理部800から他のトランスポートプロトコル処理部800に切り替えることを意味するだけでなく、あるトランスポートプロトコル処理部800を用いた通信中に他のトランスポートプロトコル処理部800のフローを追加することも含む。すなわち、ある時点の前後でトランスポートプロトコル処理部800の利用状況が異なること全てが「通信方式の変更」を意味する。以下の説明では、フローを追加した場合、当該追加フローのことをサブフローと呼ぶ。

0031

本発明では、通信環境監視部910による通信環境の変化の検知は、既存の手法を用いる。受信側で感知する、あるいはアクセス機能200の基地局から情報を送信側で取得する等が考えられる。

0032

通信方式の変更は送信側の通信方式選択部920が決定する場合と、受信側の通信方式選択部920が通信方式を要求する場合が考えられる。

0033

通信方式の通知、要求、ネゴシエーション等は各トランスポートプロトコル処理部800におけるプロトコルヘッダのオプション領域を用いて行う方法と、本願の統合管理機能専用のヘッダを用いて行う方法が考えられる。各プロトコルヘッダのオプション領域を利用する場合、UDP等のオプション領域がないものはヘッダの拡張を行う必要がある。ヘッダの構成例を図5に示す。タイプ番号には、ネゴシエーション時、パケット転送時、などオプション領域の利用方法識別する番号が入る。ネゴシエーション時には、送受信IPアドレス、利用RAT、利用プロトコルなどの通知を行い、パケット転送時にはサブシーケンス番号の管理を行う。

0034

通信方式選択部920による通信方式の決定法は、例えば通信環境とプロトコルを関連付ける通信方式データベース960を利用する方法がある。通信方式データベース960の構成例を図6に示す。

0035

送信側(ダウンロードの際はサーバ500又はプロキシ600、アップロードの際は端末100)の統合管理機能部900が通信方式を選択する場合は、図7の処理を行う。

0036

すなわち、図7に示すように、統合管理機能部900は、通信環境監視部910により利用可能なRATの状況などの通信環境を監視して通信環境の変化を検知すると(ステップS1)、通信方式データベース960を参照する(ステップS2)。そして、通信方式選択部920が、通信方式の変更を行うか否かを判定し(ステップS3)、変更がない場合には元の通信を継続する(ステップS4)。一方、変更がある場合、サブフローを利用する場合には(ステップS5)、フロー追加のネゴシエーション処理を行い(ステップS6)、シーケンス番号管理部940によりシーケンス割当を行い(ステップS7)、通信方式を変更する(ステップS8)。サブフローを利用しない場合にも、通信方式を変更する(ステップS9)。

0037

受信側の統合管理機能部900で通信方式を選択する場合は、図7において通信方式変更の代わりに受信側の統合管理機能部900から送信側の統合管理機能部900へ通信方式変更要求を行う。送信側の統合管理機能部900が承認すれば、方式を変更して通信を行う。

0038

次に、上記統合管理機能部900により異なるプロトコル間の継続性を担保する方法について詳述する。

0039

異なるプロトコルを切り替えても通信の継続性を担保するために、統合管理機能部900はプロトコルヘッダを利用して次のことを行う。

0040

・全プロトコル共通のシーケンス番号とサブフロー毎のサブシーケンス番号割当
・フロー追加・削除やプロトコル変更のネゴシエーション
・パケット伝送レートなど現在設定されているパラメータを変更後の通信方式への引き継ぎ
・再送制御のないプロトコルを利用する場合の到達確認

0041

また、上記統合管理機能部900によりUDP等の再送がないプロトコルをTCP等で補完する機能について詳述する。

0042

UDPではパケットの到達順序保障しないので、統合管理機能部900に受信バッファ980を設け、再送制御部950においてパケットの整列及び到達確認応答を行う。到達確認応答は信頼性の高いTCP等を用いて行い、確認の頻度バッファ容量に応じて変更する。TCPとUDPを併用している際は、TCPのACKパケットを用いてUDPの確認応答を行うことで、効率化できる。図8に端末100とプロキシ600に統合管理機能部900を具備した場合の再送のイメージを示す。

0043

本発明の実施例1について図9を参照して説明する。本実施例は、他事業者ネットワークのサーバ又はプロキシ側で通信方式決定する場合の例である。また、ここでは端末100とプロキシ600側とが通信する場合であって、プロキシ600から端末100にパケットを送信する場合を例にとって説明する。

0044

図9に示すように、アクセス機能200であるRAT1及びRAT2は、それぞれ異なるパケットコアネットワーク300に収容されているものとする。ここで、RAT1のセルは広いが通信帯域が狭く、RAT2のセルはRAT1より狭く且つRAT1のセルに包含されるとともに、RAT1よりも通信帯域が広いものとする。端末100及びプロキシ600は、統合管理機能部900を備えているものとする。本例では、プロキシ600の統合管理機能部900の通信方式データベース960を参照する。

0045

端末100とプロキシ600との間で、マクロセルのRAT1を介してTCP1による通信中に(ステップS1,S2)、端末100の統合管理機能部900で広帯域セルのRAT2を検知すると(ステップS3)、端末100の統合管理機能部900はその旨をプロキシ600の統合管理機能部900に通知し(ステップS4)、プロキシ600の統合管理機能部900は通信方式データベース960を参照する(ステップS5)。なお、端末100とプロキシ600との通信中又は通信開始時には、予め、両者で統合管理機能部900が利用可能である旨を確認しておく(ステップS2)。

0046

そしてプロキシ600の統合管理機能部900は、例えばRAT1ではTCP1による通信、RAT2ではUDPによる通信をする方式を選択すると、方式変更のネゴシエーションを行う(ステップS6)。具体的には、プロキシ600の統合管理機能部900でサブフローの生成とシーケンスの分配を行い、端末100側に利用する通信方式を通知する。そして、端末100の統合管理機能部900は、新たな通信方式が利用可能であればポート解放、コネクション確立を行う。この際、予めRAT1による通信においてcookieの取得などのネゴシエーションを行っておくことでコネクション確立を短縮することができる。

0047

なお、シーケンスの分配方法は、単純にシーケンス番号の連続したパケットを割り当てる方法や、数パケット毎ブロックを構成し、ブロック毎にフローに割り当てる方法などが考えられる。

0048

以降の送信パケットは、RAT2を介したUDPによるフローと、RAT1を介したTCP1によるフローにより送信される(ステップS7〜S9)。ここで、UDPは再送制御を行わないので、RAT1を介したTCP1のACKパケットでTCP1及びUDPフローの確認応答を行い(ステップS10)、必要に応じてRAT1を介してTCP1によりパケットの再送を行う(ステップS11)。

0049

本発明の実施例2について図10を参照して説明する。本実施例は、他事業者ネットワークの端末側で通信方式決定する場合の例である。また、ここでは端末100とプロキシ600側とが通信する場合であって、プロキシ600から端末100にパケットを送信する場合を例にとって説明する。

0050

図10に示すように、アクセス機能200であるRAT1及びRAT2は、それぞれ異なるパケットコアネットワーク300に収容されているものとする。ここで、RAT1のセルは広いが通信帯域が狭く、RAT2のセルはRAT1より狭く且つRAT1のセルに包含されるとともに、RAT1よりも通信帯域が広いものとする。端末100及びプロキシ600は、統合管理機能部900を備えているものとする。本例では、端末100の統合管理機能部900の通信方式データベース960を参照する。

0051

端末100とプロキシ600との間で、マクロセルのRAT1を介してTCP1による通信中に(ステップS21,S22)、端末100の統合管理機能部900で広帯域セルのRAT2を検知すると(ステップS23)、端末100の統合管理機能部900は通信方式データベース960を参照する(ステップS24)。なお、端末100とプロキシ600との通信中又は通信開始時には、予め、両者で統合管理機能部900が利用可能である旨を確認しておく(ステップS22)。

0052

端末100の統合管理機能部900は、例えばRAT1ではTCP1による通信、RAT2ではUDPによる通信をする方式を選択すると、通信方式変更の要求をプロキシ600の統合管理機能部900に通知する(ステップS25)。プロキシ600の統合管理機能部900は、通信方式の変更が可能であるかを確認すると(ステップS26)、端末100の統合管理機能部900に対して通信方式変更を承認する(ステップS27)。

0053

以降の送信パケットは、RAT2を介したUDPによるフローと、RAT1を介したTCP1によるフローにより送信される(ステップS28〜S30)。ここで、UDPは再送制御を行わないので、RAT1を介したTCP1のACKパケットでTCP1及びUDPフローの確認応答を行い(ステップS31)、必要に応じてRAT1を介してTCP1によりパケットの再送を行う(ステップS32)。

0054

本発明の実施例3について図11を参照して説明する。本実施例は、同一事業者ネットワークでCA(キャリアアグリゲーション)やDC(デュアルコネクティビティ)を行う場合の例である。すなわち、複数のアクセス機能200が同一のパケットコアネットワーク300に収容され、複数のアクセス機能200を使ってトラフィック統合する環境が既に構築されている場合において、本願発明を適用する例である。

0055

このようにCA・DCの場合、統合管理機能部900でフローを分割しても、アクセス機能200内の基地局のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤで無線リソースの割当が行われてしまう。したがって、基地局の特性を考慮してフローの分割を行う場合、PDCPレイヤと連携してフローのルーティングをする必要がある。CA・DCの場合でも、帯域やエラー率の変化を検知して、プロトコルを選択することでQoS(Quality of Service)の改善を行うことは可能である。

0056

図11は、TCP1からTCP2へ変更するシーケンスを示している。図11に示すように、端末100とプロキシ600との間で、マクロセルのRAT1を介してTCP1による通信中に(ステップS41,S42)、端末100の統合管理機能部900が当該通信の帯域追加を検知すると(ステップS43)、通信方式データベース960を参照する(ステップS44)。なお、端末100とプロキシ600との通信中又は通信開始時には、予め、両者で統合管理機能部900が利用可能である旨を確認しておく(ステップS42)。

0057

端末100の統合管理機能部900は、TCP1からTCP2への通信方式の変更要求をプロキシ600の統合管理機能部900に通知する(ステップS45)。プロキシ600の統合管理機能部900は、通信方式の変更が可能であるかを確認すると(ステップS46)、端末100の統合管理機能部900に対して通信方式変更を承認する(ステップS47)。

0058

以降の送信パケットは、TCP2によるフローにより送信される(ステップS48,S49)。

0059

以上のように、本実施の形態に係る通信システムによれば、RAT等の通信環境の変化を検知したとき、環境に合ったトランスポートプロトコルに切り替えることで、超広帯域になった際は短時間でスループットを最大化する、高エラーレートになった際は不必要にスループットを下げないといった、それぞれの環境下でQoSを最大化する制御が可能となる。超広帯域を短時間で利用できることにより、移動中でもスモールセルを利用して大容量ファイルのダウンロード等が実現できる。スモールセルを有効利用することで通信トラフィックを分散させることができ、LTEのようなライセンスバンドの混雑を避けることができる。また複数のRATを併用することで冗長性が高く、移動時にセルの切り替えが頻発するヘテロジーニアス環境においても安定した通信を維持することができる。

0060

さらに、トランスポート層でプロトコル切り替えの制御を行うため、アプリケーション側で通信環境の変化に応じた制御を行う必要がなくなる.
以上、本発明の実施の形態及びその実施例について詳述したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態で列挙したトランスポートプロトコルはその一例であって、他のトランスポートプロトコルであっても本発明を実施できる。また、例えば通信環境の変化の検出手法や、通信方式データベースのデータ構造などについても、上記実施の形態に限定されるものではない。

実施例

0061

また、上記実施の形態では、アクセス機能200について主に無線アクセス機能について例示したが、アクセス機能200及びアクセス機能200と接続したパケットコアネットワーク300の形態は不問であり、例えば光ファイバなど有線アクセス機能が混在していても本発明を実施することができる。

0062

100…端末
200…アクセス機能
300…パケットコアネットワーク
400…IPサービスネットワーク
500…サーバ
600…プロキシ
700…トランスポート層処理部
800…トランスポートプロトコル処理部
900…統合管理機能部
910…通信環境監視部
920…通信方式選択部
930…サブフロー制御部
940…シーケンス番号管理部
950…再送制御部
960…通信方式データベース
970…送信バッファ970
980…受信バッファ980

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