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技術 半導体モジュール

出願人 株式会社豊田自動織機
発明者 加藤直毅森昌吾
出願日 2016年2月12日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2016-024694
公開日 2017年8月17日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2017-143207
状態 特許登録済
技術分野 半導体または固体装置の組立体 インバータ装置 ダイオード、トランジスタのリードフレーム
主要キーワード 角丸長方形 側導電板 三相構造 各単位ユニット 相ユニット 端子ベース 閾値周波数 両取付孔
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

スイッチング素子が積層される構成において、放熱性の向上を図ることができる半導体モジュールを提供すること。

解決手段

インバータモジュール43は、第1導電板上に載置されている上アームスイッチング素子51u〜51wと、第2導電板62u〜62wを介して上アームスイッチング素子51u〜51wの上に積層されている下アームスイッチング素子52u〜52wとを備えている。各スイッチング素子51u〜52wは、炭化ケイ素を用いて構成されている。第2導電板62u〜62wの第2下側導電板面62au〜62awには、当該第2下側導電板面62au〜62awから上アーム素子上面51bu〜51bwに向けて突出し、且つ、上アームエミッタ電極51eu〜51ewと接合されている第1凸部81u〜81wが設けられている。

概要

背景

複数のスイッチング素子を有する半導体モジュールとして、例えば特許文献1に示すように、バスバーを介して第1スイッチング素子の上に第2スイッチング素子が積層されたものが知られている。当該バスバーには、両スイッチング素子に接続されない平面的なくびれが形成されており、そのくびれた領域にゲートパットが存在し、この領域でもってゲートパットと配線とが電気的に接続されている。また、特許文献1には、スイッチング素子として炭化ケイ素(SiC)を用いることが記載されている。

概要

スイッチング素子が積層される構成において、放熱性の向上をることができる半導体モジュールを提供すること。インバータモジュール43は、第1導電板上に載置されている上アームスイッチング素子51u〜51wと、第2導電板62u〜62wを介して上アームスイッチング素子51u〜51wの上に積層されている下アームスイッチング素子52u〜52wとを備えている。各スイッチング素子51u〜52wは、炭化ケイ素を用いて構成されている。第2導電板62u〜62wの第2下側導電板面62au〜62awには、当該第2下側導電板面62au〜62awから上アーム素子上面51bu〜51bwに向けて突出し、且つ、上アームエミッタ電極51eu〜51ewと接合されている第1凸部81u〜81wが設けられている。

目的

本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的はスイッチング素子が積層される構成において、放熱性の向上を図ることができる半導体モジュールを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1導電板上に載置されているものであって、炭化ケイ素を用いて構成されている第1スイッチング素子と、第2導電板を介して前記第1スイッチング素子の上に積層されているものであって、炭化ケイ素を用いて構成されている第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子の上に設けられている第3導電板と、を備え、前記第1スイッチング素子は、第1上側電極と、第1制御端子接合された第1ゲート電極とが形成された第1素子上面と、前記第1素子上面とは反対側の面であって、前記第1導電板と接合された第1下側電極が形成された第1素子下面と、を備え、前記第2スイッチング素子は、前記第3導電板と接合された第2上側電極と、第2制御端子が接合された第2ゲート電極とが形成された第2素子上面と、前記第2素子上面とは反対側の面であって、第2下側電極が形成された第2素子下面と、を備え、前記第2導電板は、前記第2スイッチング素子が載置されている面であって、前記第2下側電極と接合され、且つ、前記第2素子下面の全体を覆っている第2上側導電板面と、前記第2上側導電板面とは反対側の面であって前記第1素子上面と対向している第2下側導電板面と、を備え、前記第2下側導電板面には、当該第2下側導電板面から前記第1素子上面に向けて突出し、且つ、前記第1上側電極と接合されている第1スイッチング素子用凸部が設けられており、前記第1スイッチング素子用凸部は、前記両スイッチング素子の積層方向から見て、前記第1ゲート電極とは重ならない位置に設けられており、前記第1制御端子の一部は、前記第1ゲート電極と前記第2下側導電板面との間に入り込んでいることを特徴とする半導体モジュール

請求項2

前記第2下側電極は、前記第2素子下面の全体に形成されており、前記第2上側導電板面は、前記第2下側電極の全体と接触している請求項1に記載の半導体モジュール。

請求項3

前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とは、前記積層方向から見てずれた位置に設けられており、前記第1制御端子と前記第2制御端子とは、前記積層方向から見てずれた位置に設けられている請求項1又は請求項2に記載の半導体モジュール。

請求項4

前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子は、前記第1スイッチング素子の周縁と前記第2スイッチング素子の周縁とが前記積層方向に揃った状態で積層されている請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の半導体モジュール。

請求項5

前記第3導電板は、前記第2素子上面と対向する第3下側導電板面を備え、前記第3下側導電板面には、当該第3下側導電板面から前記第2素子上面に向けて突出し、且つ、前記第2上側電極と接合されている第2スイッチング素子用凸部が設けられている請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の半導体モジュール。

請求項6

前記第1導電板が取り付けられた絶縁基板を備え、前記絶縁基板には、前記第1制御端子が接合されている第1制御パットと、前記第2制御端子が接合されている第2制御パットと、が設けられている請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の半導体モジュール。

請求項7

前記第1スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子と、前記第1制御端子と、前記第2制御端子と、前記第2導電板とを1つの単位ユニットとすると、前記単位ユニットは、前記第1導電板上に、一方向に配列された状態で複数設けられており、前記第1制御パット及び前記第2制御パットは、前記単位ユニットに対して前記各単位ユニット配列方向と直交する方向に離れた位置に配置されており、前記第1制御端子及び前記第2制御端子は、前記積層方向から見て、前記配列方向と直交する方向に延びている請求項6に記載の半導体モジュール。

請求項8

前記第1スイッチング素子は上アームのIGBTであり、前記第1下側電極は上アームコレクタ電極であり、前記第1上側電極は上アームエミッタ電極であり、前記第2スイッチング素子は下アームのIGBTであり、前記第2下側電極は下アームコレクタ電極であり、前記第2上側電極は下アームエミッタ電極である請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の半導体モジュール。

請求項9

前記第1スイッチング素子は上アームのn型MOSFETであり、前記第1下側電極は上アームドレイン電極であり、前記第1上側電極は上アームソース電極であり、前記第2スイッチング素子は下アームのn型MOSFETであり、前記第2下側電極は下アームドレイン電極であり、前記第2上側電極は下アームソース電極である請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の半導体モジュール。

技術分野

0001

本発明は、半導体モジュールに関する。

背景技術

0002

複数のスイッチング素子を有する半導体モジュールとして、例えば特許文献1に示すように、バスバーを介して第1スイッチング素子の上に第2スイッチング素子が積層されたものが知られている。当該バスバーには、両スイッチング素子に接続されない平面的なくびれが形成されており、そのくびれた領域にゲートパットが存在し、この領域でもってゲートパットと配線とが電気的に接続されている。また、特許文献1には、スイッチング素子として炭化ケイ素(SiC)を用いることが記載されている。

先行技術

0003

特開2004−140068号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ここで、本願発明者らは、両スイッチング素子が積層されている半導体モジュールにおいて上記のようにくびれが形成されていると、放熱性が低下し、半導体モジュールの耐熱性が低下し得ることを見出した。詳細には、例えばゲート電極が形成された第1素子上面を有する第1スイッチング素子の上に第2スイッチング素子が積層されている構成において、第1スイッチング素子のゲート電極を露出させるために、バスバーにくびれが形成されていると、第2スイッチング素子の下面である第2素子下面の一部がバスバーに覆われない。このバスバーに覆われない部分は、バスバーへの熱伝達が行われにくいため、放熱が行われにくい。このため、上記くびれた領域にて熱が溜まり易く、半導体モジュールの耐熱性の低下が懸念される。

0005

本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的はスイッチング素子が積層される構成において、放熱性の向上を図ることができる半導体モジュールを提供することである。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成する半導体モジュールは、第1導電板上に載置されているものであって、炭化ケイ素を用いて構成されている第1スイッチング素子と、第2導電板を介して前記第1スイッチング素子の上に積層されているものであって、炭化ケイ素を用いて構成されている第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子の上に設けられている第3導電板と、を備え、前記第1スイッチング素子は、第1上側電極と、第1制御端子接合された第1ゲート電極とが形成された第1素子上面と、前記第1素子上面とは反対側の面であって、前記第1導電板と接合された第1下側電極が形成された第1素子下面と、を備え、前記第2スイッチング素子は、前記第3導電板と接合された第2上側電極と、第2制御端子が接合された第2ゲート電極とが形成された第2素子上面と、前記第2素子上面とは反対側の面であって、第2下側電極が形成された第2素子下面と、を備え、前記第2導電板は、前記第2スイッチング素子が載置されている面であって、前記第2下側電極と接合され、且つ、前記第2素子下面の全体を覆っている第2上側導電板面と、前記第2上側導電板面とは反対側の面であって前記第1素子上面と対向している第2下側導電板面と、を備え、前記第2下側導電板面には、当該第2下側導電板面から前記第1素子上面に向けて突出し、且つ、前記第1上側電極と接合されている第1スイッチング素子用凸部が設けられており、前記第1スイッチング素子用凸部は、前記両スイッチング素子の積層方向から見て、前記第1ゲート電極とは重ならない位置に設けられており、前記第1制御端子の一部は、前記第1ゲート電極と前記第2下側導電板面との間に入り込んでいることを特徴とする。

0007

かかる構成によれば、両スイッチング素子が積層されているため、両スイッチング素子が第1導電板上に並んで配置される構成と比較して、両スイッチング素子が積層方向と直交する方向に占める面積である実装面積を低減できる。これにより、半導体モジュールの小型化を図ることができる。また、積層方向から見て、第1ゲート電極とは重ならない位置に第1スイッチング素子用凸部が設けられていることによって、第1ゲート電極と第2下側導電板面との間に第1制御端子の一部が入り込むことが可能となっている。これにより、第2導電板と第1制御端子との干渉を回避しつつ、第2素子下面の全体を第2導電板で覆った状態で、第1制御端子と第1ゲート電極とを接合できる。よって、第1制御端子と第1ゲート電極とを電気的に接続しつつ、放熱性の向上を図ることができる。

0008

上記半導体モジュールについて、前記第2下側電極は、前記第2素子下面の全体に形成されており、前記第2上側導電板面は、前記第2下側電極の全体と接触しているとよい。かかる構成によれば、第2素子下面の全体に形成された第2下側電極の全体が第2上側導電板面と接触しているため、オン抵抗の低下を図ることができる。また、この場合であっても、第1スイッチング素子用凸部が設けられていることによって、第1制御端子と第2導電板との干渉を回避できる。よって、第1制御端子と第1ゲート電極とを電気的に接続しつつ、オン抵抗の更なる低下を図ることができる。

0009

上記半導体モジュールについて、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とは、前記積層方向から見てずれた位置に設けられており、前記第1制御端子と前記第2制御端子とは、前記積層方向から見てずれた位置に設けられているとよい。かかる構成によれば、第1ゲート電極と第2ゲート電極とが積層方向から見てずれた位置に配置されているため、第1制御端子と第2制御端子との干渉を容易に回避できる。

0010

上記半導体モジュールについて、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子は、前記第1スイッチング素子の周縁と前記第2スイッチング素子の周縁とが前記積層方向に揃った状態で積層されているとよい。かかる構成によれば、積層方向から見て両スイッチング素子がずれた状態で積層されている構成と比較して、両スイッチング素子の実装面積を小さくできる。これにより、半導体モジュールの更なる小型化を図ることができる。

0011

上記半導体モジュールについて、前記第3導電板は、前記第2素子上面と対向する第3下側導電板面を備え、前記第3下側導電板面には、当該第3下側導電板面から前記第2素子上面に向けて突出し、且つ、前記第2上側電極と接合されている第2スイッチング素子用凸部が設けられているとよい。かかる構成によれば、第3下側導電板面と第2素子上面とを離間させて配置できるため、意図しない接触を抑制することができ、それを通じて絶縁性の向上を図ることができる。

0012

上記半導体モジュールについて、前記第1導電板が取り付けられた絶縁基板を備え、前記絶縁基板には、前記第1制御端子が接合されている第1制御パットと、前記第2制御端子が接合されている第2制御パットと、が設けられているとよい。かかる構成によれば、両制御パット及び両制御端子を用いて、各スイッチング素子のゲート電極と、これら各スイッチング素子を制御する制御部とを電気的に接続できる。

0013

上記半導体モジュールについて、前記第1スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子と、前記第1制御端子と、前記第2制御端子と、前記第2導電板とを1つの単位ユニットとすると、前記単位ユニットは、前記第1導電板上に、一方向に配列された状態で複数設けられており、前記第1制御パット及び前記第2制御パットは、前記単位ユニットに対して前記各単位ユニット配列方向と直交する方向に離れた位置に配置されており、前記第1制御端子及び前記第2制御端子は、前記積層方向から見て、前記配列方向と直交する方向に延びているとよい。かかる構成によれば、制御パットと単位ユニットとの干渉を回避するために、単位ユニットの配列間隔を広くする必要がないため、単位ユニットの配列間隔を狭くできる。

0014

上記半導体モジュールについて、前記第1スイッチング素子は上アームのIGBTであり、前記第1下側電極は上アームコレクタ電極であり、前記第1上側電極は上アームエミッタ電極であり、前記第2スイッチング素子は下アームのIGBTであり、前記第2下側電極は下アームコレクタ電極であり、前記第2上側電極は下アームエミッタ電極であるとよい。かかる構成によれば、炭化ケイ素を用いて構成されたIGBTを有する半導体モジュールにおいて、実装面積の低減と放熱性の向上とを図ることができる。

0015

上記半導体モジュールについて、前記第1スイッチング素子は上アームのn型MOSFETであり、前記第1下側電極は上アームドレイン電極であり、前記第1上側電極は上アームソース電極であり、前記第2スイッチング素子は下アームのn型MOSFETであり、前記第2下側電極は下アームドレイン電極であり、前記第2上側電極は下アームソース電極であるとよい。かかる構成によれば、炭化ケイ素を用いて構成されたn型MOSFETを有する半導体モジュールにおいて、実装面積の低減と放熱性の向上とを図ることができる。

発明の効果

0016

この発明によれば、スイッチング素子が積層される構成において、放熱性の向上を図ることができる。

図面の簡単な説明

0017

インバータモジュールインバータ装置電動圧縮機及び車両空調装置概要を模式的に示す一部破断図。
電動圧縮機の電気的構成を示す回路図。
図1の3−3線断面図。
インバータモジュールの正面図。
インバータモジュールの分解斜視図。
インバータモジュールの分解斜視図。
図4の7−7線断面図。
図4の8−8線断面図。
別例のインバータモジュールを模式的に示す断面図。

実施例

0018

以下、半導体モジュール、当該半導体モジュールが搭載されたインバータ装置、及び当該インバータ装置が搭載された電動圧縮機の実施形態について説明する。本実施形態の電動圧縮機は、車両に搭載されており、車両空調装置に用いられている。

0019

図1に示すように、車両空調装置100は、電動圧縮機10と、電動圧縮機10に対して流体としての冷媒を供給する外部冷媒回路101とを備えている。外部冷媒回路101は、例えば熱交換器及び膨張弁等を有している。車両空調装置100は、電動圧縮機10によって冷媒が圧縮され、且つ、外部冷媒回路101によって冷媒の熱交換及び膨張が行われることによって、車内の冷暖房を行う。

0020

車両空調装置100は、当該車両空調装置100の全体を制御する空調ECU102を備えている。空調ECU102は、車内温度カーエアコン設定温度等を把握可能に構成されており、これらのパラメータに基づいて、電動圧縮機10に対してON/OFF指令等といった各種指令を送信する。

0021

電動圧縮機10は、外部冷媒回路101から冷媒が吸入される吸入口11aが形成されたハウジング11と、ハウジング11に収容された圧縮部12及び電動モータ13とを備えている。

0022

ハウジング11は、全体として略円筒形状であって、伝熱性を有する材料(例えばアルミニウム等の金属)で形成されている。ハウジング11には、冷媒が吐出される吐出口11bが形成されている。

0023

圧縮部12は、後述する回転軸21が回転することによって、吸入口11aからハウジング11内に吸入された冷媒を圧縮し、その圧縮された冷媒を吐出口11bから吐出させるものである。なお、圧縮部12の具体的な構成は、スクロールタイプピストンタイプ、ベーンタイプ等任意である。

0024

電動モータ13は、圧縮部12を駆動させるものである。電動モータ13は、例えばハウジング11に対して回転可能に支持された円柱状の回転軸21と、当該回転軸21に対して固定された円筒形状のロータ22と、ハウジング11に固定されたステータ23とを有する。回転軸21の軸線方向と、円筒形状のハウジング11の軸線方向とは一致している。ステータ23は、円筒形状のステータコア24と、ステータコア24に形成されたティースに捲回されたコイル25とを有している。ロータ22及びステータ23は、回転軸21の径方向に対向している。コイル25が通電されることによりロータ22及び回転軸21が回転し、圧縮部12による冷媒の圧縮が行われる。

0025

ちなみに、図2に示すように、コイル25は、u相コイル25u、v相コイル25v及びw相コイル25wを有する三相構造となっている。各コイル25u〜25wは例えばY結線されている。

0026

図1に示すように、電動圧縮機10は、電動モータ13を駆動させるインバータ装置30と、インバータ装置30が収容されているインバータケース31とを備えている。
インバータケース31は、伝熱性を有する材料(例えばアルミニウム等の金属)で形成されている。インバータケース31は、ハウジング11の軸線方向の両壁部のうち吐出口11bとは反対側の壁部11cに対して接触している板状のベース部材32と、当該ベース部材32に対して組み付けられた有底筒状カバー部材33とを有する。ベース部材32とカバー部材33とは、固定具としてのボルト34によってハウジング11に固定されている。これにより、インバータケース31及び当該インバータケース31に収容されているインバータ装置30がハウジング11に取り付けられている。つまり、本実施形態のインバータ装置30は、電動圧縮機10に一体化されている。

0027

ちなみに、インバータケース31とハウジング11とは接触しているため、両者は熱的に結合している。そして、インバータ装置30は、インバータケース31を介してハウジング11と熱的に結合している。

0028

インバータケース31(詳細にはカバー部材33)にはコネクタ35が設けられている。コネクタ35を介して、車両に搭載されたDC電源Eからインバータ装置30に直流電力が供給されるとともに、空調ECU102とインバータ装置30とが電気的に接続されている。なお、DC電源Eは、例えば車両に搭載された二次電池電気二重層キャパシタ等といった蓄電装置である。

0029

図2及び図3に示すように、インバータ装置30は、DC電源Eから供給される直流電力を変圧するトランス41と、トランス41によって変圧された直流電力が入力されるフィルタ回路42とを備えている。更に、インバータ装置30は、半導体モジュールとして、フィルタ回路42から出力される直流電力を、電動モータ13が駆動可能な交流電力に変換するインバータモジュール43と、インバータモジュール43を制御する制御部44とを備えている。インバータモジュール43は、ハウジング11の壁部11c及びベース部材32の双方を貫通して設けられた気密端子(図示略)を介して、電動モータ13のコイル25と電気的に接続されている。

0030

インバータ装置30の電気的構成について説明する。
図2に示すように、トランス41は、1次コイルがDC電源Eに接続されており、2次コイルがフィルタ回路42に接続されている。トランス41の変圧比は、トランス41から出力される直流電力の電圧が、電動モータ13の駆動に適した値となるように、DC電源Eの電圧に対応させて設定されている。

0031

フィルタ回路42は、フィルタコイル42aとフィルタコンデンサ42bとで構成されたLCフィルタ回路である。フィルタ回路42は、予め定められた閾値周波数(例えばカットオフ周波数)よりも高い周波数ノイズを低減するローパスフィルタ回路である。フィルタ回路42は、トランス41から出力される直流電力の高周波ノイズを低減させてインバータモジュール43に伝送し、且つ、インバータモジュール43から発生する高周波ノイズがインバータ装置30外に流出するのを規制する。

0032

ちなみに、フィルタ回路42のカットオフ周波数は、フィルタコイル42aのインダクタンスとフィルタコンデンサ42bのキャパシタンスとに基づいて設定される。なお、本実施形態のフィルタコンデンサ42bは、フィルムコンデンサである。但し、これに限られず、フィルタコンデンサ42bは、電解コンデンサ等であってもよい。

0033

インバータモジュール43は、2つの入力端子43a,43bと、3つの出力端子43u〜43wと、を備えている。両入力端子43a,43bは、フィルタ回路42に電気的に接続されている。3つの出力端子43u〜43wは、電動モータ13に電気的に接続されている。

0034

インバータモジュール43は、u相コイル25uに対応するu相スイッチング素子51u,52uと、v相コイル25vに対応するv相スイッチング素子51v,52vと、w相コイル25wに対応するw相スイッチング素子51w,52wと、を備えている。

0035

各スイッチング素子51u〜52wは例えばIGBT等のパワースイッチング素子である。各スイッチング素子51u〜52wは、炭化ケイ素(SiC)を用いて構成されている。例えば、各スイッチング素子51u〜52wは、ドリフト領域ボディ領域を有する炭化ケイ素基板で構成されている。

0036

各u相スイッチング素子51u,52uは接続線を介して互いに直列に接続されており、その接続線は、u相出力端子43uを介してu相コイル25uに接続されている。そして、各u相スイッチング素子51u,52uの直列接続体に対してフィルタ回路42からの直流電力が入力されている。詳細には、u相上アームスイッチング素子51uのコレクタは、第1入力端子43aに接続されている。u相下アームスイッチング素子52uのエミッタは、第2入力端子43bに接続されている。

0037

なお、他のスイッチング素子51v,52v,51w,52wについては、対応する出力端子及びコイルが異なる点を除いて、u相スイッチング素子51u,52uと同様の接続態様であるため、説明は省略する。

0038

図2に示すように、インバータモジュール43は、スイッチング素子51u〜52wに対して逆並列に接続されている還流ダイオードボディダイオード)53u〜54wを有している。詳細には、還流ダイオード53u〜54wのアノードは、スイッチング素子51u〜52wのエミッタに接続されており、還流ダイオード53u〜54wのカソードは、スイッチング素子51u〜52wのコレクタに接続されている。

0039

なお、説明の便宜上、以降の説明において、上アームの各スイッチング素子51u,51v,51wを単に上アームスイッチング素子51u〜51wとし、下アームの各スイッチング素子52u,52v,52wを単に下アームスイッチング素子52u〜52wとする。同様に、上アームスイッチング素子51u〜51wに逆並列に接続されている還流ダイオード53u,53v,53wを上アーム還流ダイオード53u〜53wとし、下アームスイッチング素子52u〜52wに逆並列に接続されている還流ダイオード54u,54v,54wを下アーム還流ダイオード54u〜54wとする。

0040

本実施形態では、上アームスイッチング素子51u〜51wが「第1スイッチング素子」に対応し、下アームスイッチング素子52u〜52wが「第2スイッチング素子」に対応する。

0041

制御部44は、各スイッチング素子51u〜52wのゲートに接続されており、各スイッチング素子51u〜52wのスイッチング動作を制御する。制御部44は、コネクタ35を介して空調ECU102と電気的に接続されており、空調ECU102からの指令に基づいて、各スイッチング素子51u〜52wを周期的にON/OFFさせる。例えば、制御部44は、インバータモジュール43をPWM(パルス幅変調)制御する。但し、制御部44の具体的な制御態様は、PWM制御に限られず、任意である。

0042

図3に示すように、トランス41、フィルタコイル42a、フィルタコンデンサ42b及びインバータモジュール43は、インバータケース31のベース部材32に取り付けられている。ベース部材32は、回転軸21の軸線方向から見て円形である。フィルタコイル42a及びフィルタコンデンサ42bは、ベース部材32の中央付近において、一方向に並んで配置されている。インバータモジュール43及びトランス41は、ベース部材32におけるフィルタコイル42a及びフィルタコンデンサ42bの配列方向と直交する方向の両側に配置されている。換言すれば、インバータモジュール43は、フィルタコイル42a及びフィルタコンデンサ42bに対して、トランス41とは反対側に配置されている。なお、本実施形態では、制御部44は、インバータモジュール43とは別に設けられているが、これに限られず、インバータモジュール43に組み込まれていてもよい。

0043

次に、インバータモジュール43の構造の概要について説明する。
図4及び図5に示すように、インバータモジュール43は、絶縁基板60と、絶縁基板60に取り付けられた第1導電板61とを備えている。上アームスイッチング素子51u〜51w及び上アーム還流ダイオード53u〜53wは、第1導電板61の上に載置されている。

0044

インバータモジュール43は、上アームスイッチング素子51u〜51w及び上アーム還流ダイオード53u〜53wの上に設けられている第2導電板62u〜62wを備えている。下アームスイッチング素子52u〜52wは、第2導電板62u〜62wを介して、上アームスイッチング素子51u〜51wの上に積層されている。下アーム還流ダイオード54u〜54wは、第2導電板62u〜62wを介して、上アーム還流ダイオード53u〜53wの上に積層されている。更に、インバータモジュール43は、下アームスイッチング素子52u〜52w及び下アーム還流ダイオード54u〜54wの上に設けられている第3導電板63を備えている。

0045

すなわち、本インバータモジュール43は、絶縁基板60に対して、第1導電板61→上アームスイッチング素子51u〜51w及び上アーム還流ダイオード53u〜53w→第2導電板62u〜62w→下アームスイッチング素子52u〜52w及び下アーム還流ダイオード54u〜54w→第3導電板63の順に積層された構造となっている。

0046

ここで、両u相スイッチング素子51u,52u、両u相還流ダイオード53u,54u及びu相第2導電板62u等で構成されるユニットをu相ユニット64uとする。同様に、両v相スイッチング素子51v,52v、両v相還流ダイオード53v,54v及びv相第2導電板62v等で構成されるユニットをv相ユニット64vとし、両w相スイッチング素子51w,52w、両w相還流ダイオード53w,54w及びw相第2導電板62w等で構成されるユニットをw相ユニット64wとする。これら各ユニット64u〜64wの構造は同一である。各ユニット64u〜64wが「単位ユニット」に対応する。

0047

絶縁基板60には、第1導電板61とは別に、各スイッチング素子51u〜52wと制御部44とを電気的に接続するための複数の制御パット71u〜72wが形成されている。インバータモジュール43は、スイッチング素子51u〜52wと制御パット71u〜72wとを電気的に接続する制御端子73u〜74wを備えている。詳細には、u相ユニット64uは、u相上アームスイッチング素子51uとu相上アーム制御パット71uとを電気的に接続するu相上アーム制御端子73uと、u相下アームスイッチング素子52uとu相下アーム制御パット72uとを電気的に接続するu相下アーム制御端子74uとを備えている。v相ユニット64vは、v相上アームスイッチング素子51vとv相上アーム制御パット71vとを電気的に接続するv相上アーム制御端子73vと、v相下アームスイッチング素子52vとv相下アーム制御パット72vとを電気的に接続するv相下アーム制御端子74vとを備えている。w相ユニット64wは、w相上アームスイッチング素子51wとw相上アーム制御パット71wとを電気的に接続するw相上アーム制御端子73wと、w相下アームスイッチング素子52wとw相下アーム制御パット72wとを電気的に接続するw相下アーム制御端子74wとを備えている。各上アーム制御端子73u〜73wが「第1制御端子」に対応し、各下アーム制御端子74u〜74wが「第2制御端子」に対応する。

0048

次に、インバータモジュール43の各構成部材の詳細な構成について説明する。
図5及び図6に示すように、スイッチング素子51u〜52wは、全体として略直方体形状である。スイッチング素子51u〜52wは、素子下面51au〜52awと、素子上面51bu〜52bwとを有している。図6に示すように、素子下面51au〜52awには、コレクタ電極51cu〜52cwが形成されている。コレクタ電極51cu〜52cwは、素子下面51au〜52awの全体に形成されている。

0049

図5に示すように、スイッチング素子51u〜52wの素子上面51bu〜52bwには、エミッタ電極51eu〜52ewとゲート電極51gu〜52gwとが形成されている。エミッタ電極51eu〜52ewは、ゲート電極51gu〜52gwよりも大きく形成されている。エミッタ電極51eu〜52ewとゲート電極51gu〜52gwとは、素子上面51bu〜52bwにおいて、X方向に離間して配列されている。なお、素子上面51bu〜52bwのうちエミッタ電極51eu〜52ew及びゲート電極51gu〜52gw以外の部分には絶縁層が形成されている。

0050

なお、上アームエミッタ電極51eu〜51ewが「第1上側電極」に対応し、上アームゲート電極51gu〜51gwが「第1ゲート電極」に対応し、上アーム素子上面51bu〜51bwが「第1素子上面」に対応する。そして、上アームコレクタ電極51cu〜51cwが「第1下側電極」に対応し、上アーム素子下面51au〜51awが「第1素子下面」に対応する。

0051

また、下アームエミッタ電極52eu〜52ewが「第2上側電極」に対応し、下アームゲート電極52gu〜52gwが「第2ゲート電極」に対応し、下アーム素子上面52bu〜52bwが「第2素子上面」に対応する。そして、下アームコレクタ電極52cu〜52cwが「第2下側電極」に対応し、下アーム素子下面52au〜52awが「第2素子下面」に対応する。

0052

還流ダイオード53u〜54wは、全体として略直方体形状である。還流ダイオード53u〜54wは、カソード電極53cu〜54cwが形成されたダイオード下面と、アノード電極53au〜54awが形成されたダイオード上面とを有している。カソード電極53cu〜54cwは、ダイオード下面の全体に形成されている。アノード電極53au〜54awは、ダイオード上面よりも一回り小さく形成されている。なお、ダイオード上面におけるアノード電極53au〜54aw以外の部分には絶縁層が形成されている。

0053

図5に示すように、絶縁基板60は、角丸長方形の板状である。絶縁基板60の長手方向の両端部には、取付孔60aが形成されている。絶縁基板60は、ネジ等の固定具が取付孔60aを貫通した状態でベース部材32に螺合されることにより、絶縁基板60の厚さ方向が回転軸21の軸線方向と一致した状態でベース部材32に固定されている。これにより、インバータモジュール43がベース部材32に固定される。この場合、絶縁基板60は、ベース部材32及びハウジング11を介して、冷媒と熱交換可能となっている。

0054

ここで、説明の便宜上、以降の説明において、絶縁基板60の長手方向をX方向とし、絶縁基板60の短手方向をY方向とする。また、上アームスイッチング素子51u〜51wと下アームスイッチング素子52u〜52wとの積層方向をZ方向とする。更に、Z方向における絶縁基板60から第3導電板63に向かう方向を上とし、Z方向における第3導電板63から絶縁基板60に向かう方向を下とする。Z方向は、絶縁基板60の厚さ方向とも言える。

0055

なお、念のため説明するが、上アームスイッチング素子51u〜51wと下アームスイッチング素子52u〜52wとの積層方向であるZ方向は、鉛直方向や水平方向に限定されず任意であり、例えば鉛直方向と水平方向との双方に交差する方向でもよい。本実施形態では、Z方向は、回転軸21の軸線方向と一致している。同様に、上及び下は、各スイッチング素子51u〜52wの位置関係を示すために便宜上規定したものであり、重力方向に限られない。

0056

図4及び図5に示すように、第1導電板61は、各ユニット64u〜64wの配列方向であるX方向に延びた板状であり、絶縁基板60の両取付孔60aの間に設けられている。第1導電板61は、X方向を長手方向とする長方形板状の第1ベース部61aと、当該第1ベース部61aの長手方向の一端面からX方向に突出した第1入力端子43aとを有している。ちなみに、各制御パット71u〜72wは、第1導電板61に対してY方向に離間した位置に設けられており、X方向に互いに離間した状態で配列されている。

0057

各ユニット64u〜64wは、絶縁基板60の長手方向であるX方向に配列された状態で、第1導電板61上に設けられている。詳細には、各上アームスイッチング素子51u〜51wは、第1導電板61上において、X方向に所定の間隔を隔てて配列されている。上アーム還流ダイオード53u〜53wは、第1導電板61上のうち、上アームスイッチング素子51u〜51wに対して各上アームスイッチング素子51u〜51wの配列方向と直交する方向(詳細にはY方向)に離間した位置に配置されている。この場合、各上アーム還流ダイオード53u〜53wは、各上アームスイッチング素子51u〜51wと同様に、X方向に所定の間隔を隔てて配列されている。

0058

各上アームコレクタ電極51cu〜51cwは、はんだ銀ペーストなどの導電性接合材Jを介して、第1導電板61に接合されている。そして、各上アームカソード電極53cu〜53cwは、接合材Jを介して、第1導電板61に接合されている。これにより、上アームコレクタ電極51cu〜51cwと上アームカソード電極53cu〜53cwとの同一相同士が電気的に接続されているとともに、各上アームコレクタ電極51cu〜51cwが互いに電気的に接続されている。

0059

u相ユニット64uの構成について詳細に説明すると、図5及び図6に示すように、u相ユニット64uのu相第2導電板62uは、u相上アームスイッチング素子51uとu相上アーム還流ダイオード53uとの配列方向であるY方向を長手方向とする長方形板状である。u相第2導電板62uは、u相上アームスイッチング素子51uとu相上アーム還流ダイオード53uとの双方を上方から覆う大きさである。u相第2導電板62uは、長手方向の一端面から当該一端面と直交する方向(詳細にはY方向)に突出したu相出力端子43uを備えている。

0060

u相第2導電板62uは、u相第2下側導電板面62auとu相第2上側導電板面62buとを有している。u相第2下側導電板面62auは、u相第2上側導電板面62buとは反対側の面であり、u相上アーム素子上面51buとZ方向に対向している。

0061

図6図8に示すように、u相第2下側導電板面62auには、当該u相第2下側導電板面62auからu相上アーム素子上面51buに向けて(詳細には下方に向けて)突出したu相第1凸部81u及びu相第2凸部82uが設けられている。本実施形態では、両凸部81u,82uは、u相第2導電板62uと同一材料で構成され、且つ、u相第2導電板62uと一体形成されており、各凸部81u,82uとu相第2導電板62uとは電気的に接続されている。u相第2下側導電板面62auからの両凸部81u,82uの突出寸法は同一に設定されている。

0062

図6及び図7に示すように、u相第1凸部81uは、Z方向から見てu相上アームゲート電極51guと重ならない位置であって、u相上アームエミッタ電極51euと重なる位置に設けられている。u相第1凸部81uは、Z方向から見てu相上アームエミッタ電極51euの投影範囲内に収まる形状であり、詳細にはZ方向から見てu相上アームエミッタ電極51euと同一形状となっている。図7及び図8に示すように、u相第1凸部81uは、接合材Jを介して、u相上アームエミッタ電極51euに接合されている。この場合、u相第1凸部81uは、接合材Jを介して、u相上アームエミッタ電極51euの全体と接触している。

0063

u相第2凸部82uは、Z方向から見てu相上アームゲート電極51guと重ならない位置であってu相上アームアノード電極53auと重なる位置に設けられている。u相第2凸部82uは、Z方向から見てu相上アームアノード電極53auの投影範囲内に収まる形状であり、詳細にはZ方向から見てu相上アームアノード電極53auと同一形状となっている。図8に示すように、u相第2凸部82uは、接合材Jを介して、u相上アームアノード電極53auに接合されている。このため、u相第2導電板62uによって、u相上アームアノード電極53auとu相上アームエミッタ電極51euとが電気的に接続されている。すなわち、第1導電板61とu相第2導電板62uとが、u相上アームスイッチング素子51uに対してu相上アーム還流ダイオード53uを逆並列に接続するものとして機能している。

0064

ここで、両凸部81u,82uがu相上アームゲート電極51guと重ならないように配置されているため、図7に示すように、u相上アームゲート電極51guとu相第2下側導電板面62auとの間には、両凸部81u,82uの突出寸法に対応した隙間であるu相端子領域Aが形成されている。

0065

図7及び図8に示すように、u相上アーム制御端子73uは、当該u相上アーム制御端子73uの一部が、u相端子領域Aに入り込んだ状態で、u相上アームゲート電極51guとu相上アーム制御パット71uとの双方に接合されている。u相上アーム制御パット71uは、u相上アームゲート電極51guに対してY方向に離間した位置に配置されている。図5及び図8に示すように、u相上アーム制御端子73uは、Z方向から見てY方向に延びた形状であってX方向から見て逆U字状となっている。u相上アーム制御端子73uは、Y方向に延びた端子ベース部73auと、端子ベース部73auの一端部から下方に延び且つu相上アーム制御パット71uに接合されている端子基端部73buと、上記一端部とは反対側の他端部から下方に延び且つu相上アームゲート電極51guに接合されている端子先端部73cuとを有している。端子先端部73cuの長さは、両凸部81u,82uの突出寸法よりも短く設定されている。図7に示すように、端子先端部73cuの全体と端子ベース部73auの一部とが、u相端子領域A内に入り込んでいる。ちなみに、u相上アーム制御端子73uは、Z方向から見て、その一部が両u相スイッチング素子51u,52uからY方向に突出している一方、X方向にははみ出していない。

0066

図7及び図8に示すように、u相第2上側導電板面62buの上には、u相下アームスイッチング素子52u及びu相下アーム還流ダイオード54uが載置されている。u相第2上側導電板面62buは、u相下アームコレクタ電極52cu(換言すればu相下アーム素子下面52au)よりも広く形成されており、接合材Jを介して、u相下アームコレクタ電極52cuの全体と接合(換言すれば接触)している。すなわち、u相第2上側導電板面62buは、u相下アーム素子下面52auの全体を覆っている。

0067

u相下アームカソード電極54cuは、接合材Jを介して、u相第2上側導電板面62buに接合されている。このため、u相第2導電板62uによって、u相下アームカソード電極54cuとu相下アームコレクタ電極52cuとが電気的に接続されている。

0068

ここで、本実施形態では、u相下アームスイッチング素子52uとu相上アームスイッチング素子51uとは、Z方向から見て互いに全体が重なるように積層されている。詳細には、u相下アームスイッチング素子52uとu相上アームスイッチング素子51uとは、u相下アームスイッチング素子52uの周縁52xuとu相上アームスイッチング素子51uの周縁51xuとがZ方向に揃った状態で積層されている。同様に、u相下アーム還流ダイオード54uとu相上アーム還流ダイオード53uとは、両者の周縁がZ方向に揃った状態で積層されている。

0069

なお、v相第2導電板62v及びw相第2導電板62wは、u相第2導電板62uと同一形状である。また、v相及びw相の上下アーム積層構造も、上述したu相の上下アームの積層構造と同様である。

0070

すなわち、図5及び図6に示すように、v相第2導電板62vは、v相下アームスイッチング素子52v及びv相下アーム還流ダイオード54vが載置されているv相第2上側導電板面62bvと、v相第2上側導電板面62bvとは反対側の面であってv相上アーム素子上面51bvと対向しているv相第2下側導電板面62avとを有している。v相下アームコレクタ電極52cv及びv相下アームカソード電極54cvが、v相第2上側導電板面62bvに接合されている。v相第2下側導電板面62avには、当該v相第2下側導電板面62avからv相上アーム素子上面51bvに向けて突出し且つv相上アームゲート電極51gvと重ならない位置に配置されたv相第1凸部81v及びv相第2凸部82vが設けられている。v相第1凸部81vとv相上アームエミッタ電極51evとが接合され、v相第2凸部82vとv相上アームアノード電極53avとが接合されている。そして、v相上アーム制御端子73vは、その一部がv相上アームゲート電極51gvとv相第2下側導電板面62avとの間に入り込んだ状態で、v相上アームゲート電極51gvと接合されている。

0071

同様に、w相第2導電板62wは、w相下アームスイッチング素子52w及びw相下アーム還流ダイオード54wが載置されているw相第2上側導電板面62bwと、w相第2上側導電板面62bwとは反対側の面であってw相上アーム素子上面51bwと対向しているw相第2下側導電板面62awとを有している。w相下アームコレクタ電極52cw及びw相下アームカソード電極54cwが、w相第2上側導電板面62bwに接合されている。w相第2下側導電板面62awには、当該w相第2下側導電板面62awからw相上アーム素子上面51bwに向けて突出し且つw相上アームゲート電極51gwと重ならない位置に配置されたw相第1凸部81w及びw相第2凸部82wが設けられている。w相第1凸部81wとw相上アームエミッタ電極51ewとが接合され、w相第2凸部82wとw相上アームアノード電極53awとが接合されている。そして、w相上アーム制御端子73wは、その一部がw相上アームゲート電極51gwとw相第2下側導電板面62awとの間に入り込んだ状態で、w相上アームゲート電極51gwと接合されている。なお、第1凸部81u〜81wが「第1スイッチング素子用凸部」に対応する。

0072

第3導電板63は、各下アームエミッタ電極52eu〜52ew及び各下アームアノード電極54au〜54awに接合されている。図5及び図6に示すように、第3導電板63は、u相第2導電板62uの上方に配置されているu相導電パーツ63uと、v相第2導電板62vの上方に配置されているv相導電パーツ63vと、w相第2導電板62wの上方に配置されているw相導電パーツ63wと、u相導電パーツ63uからX方向に突出した第2入力端子43bとを有している。

0073

各導電パーツ63u〜63wは同一形状である。導電パーツ63u〜63wは、Z方向から見てT字状であり、X方向に延びた第1延出部63au〜63awと、第1延出部63au〜63awからY方向に延びた第2延出部63bu〜63bwとを有している。各第1延出部63au〜63awは互いに連結されている。すなわち、各導電パーツ63u〜63wは、X方向に配列された状態で互いに連結されている。第3導電板63は、全体としてX方向に延びている。

0074

導電パーツ63u〜63wと下アームスイッチング素子52u〜52wとの積層構造は、基本的に同一であるため、u相について以下に詳細に説明する。
u相導電パーツ63uは、Z方向から見て、u相第1延出部63auがu相下アーム還流ダイオード54uに重なり且つu相第2延出部63buがu相下アームスイッチング素子52uに重なるように配置されている。

0075

ここで、図7に示すように、u相下アームゲート電極52guとu相上アームゲート電極51guとは、Z方向から見てずれた位置に設けられている。詳細には、u相の両ゲート電極51gu,52guは、Z方向から見て、X方向に離間して配置されている。本実施形態では、u相上アーム素子上面51buにおけるu相上アームゲート電極51gu及びu相上アームエミッタ電極51euの位置関係と、u相下アーム素子下面52auにおけるu相下アームゲート電極52gu及びu相下アームエミッタ電極52euの位置関係とは逆になっている。

0076

u相第2延出部63buは、Z方向から見て、u相下アームゲート電極52guと重ならないようにu相下アームエミッタ電極52euを覆っている。このため、u相下アームゲート電極52guは上方に開放されている。

0077

図6及び図7に示すように、u相導電パーツ63uは、u相下アーム素子上面52buと対向するu相第3下側導電板面63cuを有している。u相第3下側導電板面63cuには、当該u相第3下側導電板面63cuからu相下アーム素子上面52buに向けて突出しているu相第3凸部83u及びu相第4凸部84uが設けられている。本実施形態では、u相第3凸部83u及びu相第4凸部84uは、u相導電パーツ63uと同一材料で構成され、且つ、u相導電パーツ63uと一体形成されており、各凸部83u,84uとu相導電パーツ63uとは電気的に接続されている。

0078

u相第3凸部83uは、Z方向から見てu相下アームエミッタ電極52euと重なる位置に設けられている。詳細には、u相第3凸部83uは、u相第3下側導電板面63cuのうちu相第2延出部63buの先端部に対応する部分から下方に向けて突出している。u相第3凸部83uは、Z方向から見てu相下アームエミッタ電極52euの投影範囲内に収まる形状であり、詳細にはZ方向から見てu相下アームエミッタ電極52euと同一形状となっている。図7及び図8に示すように、u相第3凸部83uは、接合材Jを介して、u相下アームエミッタ電極52euに接合されている。この場合、u相第3凸部83uは、接合材Jを介して、u相下アームエミッタ電極52euの全体と接触している。

0079

図6及び図8に示すように、u相第4凸部84uは、Z方向から見てu相下アームアノード電極54auと重なる位置に設けられている。詳細には、u相第4凸部84uは、u相第3下側導電板面63cuにおけるu相第1延出部63auに対応する部分から下方に向けて突出している。u相第4凸部84uは、Z方向から見てu相下アームアノード電極54auの投影範囲内に収まる形状であり、詳細にはZ方向から見てu相下アームアノード電極54auと同一形状となっている。図8に示すように、u相第4凸部84uは、接合材Jを介して、u相下アームアノード電極54auの全体に接合されている。これにより、u相導電パーツ63uによって、u相下アームアノード電極54auとu相下アームエミッタ電極52euとが電気的に接続されている。すなわち、u相第2導電板62uとu相導電パーツ63uとが、u相下アームスイッチング素子52uに対してu相下アーム還流ダイオード54uを逆並列に接続するものとして機能している。

0080

ちなみに、u相第3凸部83u及びu相第4凸部84uの突出寸法は同一に設定されている。上記突出寸法は、u相第3下側導電板面63cuとu相下アーム素子上面52buとの絶縁性を確保することができれば任意である。

0081

u相の両制御パット71u,72uは、u相ユニット64uに対してY方向に離れた位置に配置されている。u相下アーム制御パット72uとu相上アーム制御パット71uとは、互いに干渉しないようにX方向に離間して配置されている。u相下アーム制御パット72uは、Z方向から見て、u相下アームゲート電極52guに対してY方向に離間した位置に配置されている。u相下アーム制御端子74uは、接合材Jを介して、u相下アーム制御パット72uとu相下アームゲート電極52guの双方に接合されている。

0082

なお、u相下アーム制御端子74uは、端子基端部の長さがu相上アーム制御端子73uの端子基端部73buの長さよりも長くなっている点を除いて、u相上アーム制御端子73uと同様の構造である。つまり、u相下アーム制御端子74uは、Z方向から見てY方向に延びており、X方向から見て逆U字状となっている。

0083

ちなみに、図4に示すように、u相の両制御端子73u,74uは、Z方向から見て、ずれた位置に設けられている。詳細には、u相の両ゲート電極51gu,52gu、及び、u相の両制御パット71u,72uが、X方向に離間して配置されているため、これらを電気的に接続するu相の両制御端子73u,74uは、互いに干渉することなく、X方向に離間して配列されている。

0084

v相ユニット64v及びw相ユニット64wについても、u相ユニット64uと同様である。詳細には、v相導電パーツ63vは、v相下アーム素子上面52bvと対向するv相第3下側導電板面63cvを有している。v相第3下側導電板面63cvには、当該v相第3下側導電板面63cvからv相下アーム素子上面52bvに向けて突出したv相第3凸部83v及びv相第4凸部84vが設けられている。v相第3凸部83vとv相下アームエミッタ電極52evとが接合され、v相第4凸部84vとv相下アームアノード電極54avとが接合されている。v相の両ゲート電極51gv,52gvは、Z方向から見て互いにずれた位置に設けられており、v相の制御端子73v,74vは、Z方向から見て互いにずれた位置に配置されている。

0085

同様に、w相導電パーツ63wは、w相下アーム素子上面52bwと対向するw相第3下側導電板面63cwを有している。w相第3下側導電板面63cwには、当該w相第3下側導電板面63cwからw相下アーム素子上面52bwに向けて突出したw相第3凸部83w及びw相第4凸部84wが設けられている。w相第3凸部83wとw相下アームエミッタ電極52ewとが接合され、w相第4凸部84wとw相下アームアノード電極54awとが接合されている。w相の両ゲート電極51gw,52gwは、Z方向から見て互いにずれた位置に設けられており、w相の制御端子73w,74wは、Z方向から見て互いにずれた位置に配置されている。第3凸部83u〜83wが「第2スイッチング素子用凸部」に対応する。

0086

ここで、各下アームエミッタ電極52eu〜52ewは、第3導電板63を介して互いに電気的に接続されている。すなわち、第3導電板63は、下アームエミッタ電極52eu〜52ewと下アームアノード電極54au〜54awとの同一相同士を電気的に接続するとともに、各ユニット64u〜64wの下アームエミッタ電極52eu〜52ew同士を互いに電気的に接続するものとして機能する。

0087

なお、図示は省略するが、実際には、各ユニット64u〜64wは、絶縁性の樹脂を用いて封止されている。このため、u相端子領域A等の隙間部分は樹脂で充填されている。また、本実施形態では、各出力端子43u〜43wの突出方向と、両入力端子43a,43bの突出方向とは、互いに交差(詳細には直交)している。

0088

次に本実施形態の作用について説明する。
第1凸部81u〜81wが上アームエミッタ電極51eu〜51ewと接合されているため、第2導電板62u〜62wを介して上アームエミッタ電極51eu〜51ewと下アームコレクタ電極52cu〜52cwとが電気的に接続されている。ここで、第1凸部81u〜81wは、上アームゲート電極51gu〜51gwと重ならない位置に設けられているため、上アームゲート電極51gu〜51gwと第2下側導電板面62au〜62awとの間に上アーム制御端子73u〜73wが入り込むことが可能となっている。そして、上アーム制御端子73u〜73wの一部が上記上アームゲート電極51gu〜51gwと第2下側導電板面62au〜62awとの間に入り込んでいるため、上アーム制御端子73u〜73wと第2導電板62u〜62wとの干渉が回避されている。

0089

以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)インバータモジュール43は、第1導電板61上に載置されている上アームスイッチング素子51u〜51wと、第2導電板62u〜62wを介して上アームスイッチング素子51u〜51wの上に積層されている下アームスイッチング素子52u〜52wとを備えている。各スイッチング素子51u〜52wは、炭化ケイ素を用いて構成されている。かかる構成によれば、各スイッチング素子51u〜52wの実装面積、詳細には両スイッチング素子51u〜51w,52u〜52wの積層方向(Z方向)と直交する平面に占める各スイッチング素子51u〜52wの面積の削減を図ることができる。これにより、インバータモジュール43の小型化を図ることができる。

0090

ここで、上アームスイッチング素子51u〜51wの上に下アームスイッチング素子52u〜52wが積層される構造においては、各スイッチング素子51u〜52wに熱が溜まり易いという不都合が生じる。これに対して、本実施形態では、各スイッチング素子51u〜52wとして、炭化ケイ素を用いて構成されたスイッチング素子が採用されている。当該炭化ケイ素を用いたスイッチング素子は、シリコンを用いたスイッチング素子と比較して、熱が発生しにくく耐熱性に優れている。これにより、上アームスイッチング素子51u〜51wの上に下アームスイッチング素子52u〜52wを積層した場合に生じる上記不都合に対応できる。

0091

また、炭化ケイ素を用いたスイッチング素子は、オン抵抗が比較的低くなり易いため、各スイッチング素子51u〜52wとして小型なものを採用しても、所望のオン抵抗を確保できる。これにより、所望のオン抵抗を確保しつつ、各スイッチング素子51u〜52wの小型化を図ることができ、インバータモジュール43の小型化を図ることができる。

0092

(2)上アームスイッチング素子51u〜51wは、上アームエミッタ電極51eu〜51ew、及び、上アーム制御端子73u〜73wが接合された上アームゲート電極51gu〜51gwが形成された上アーム素子上面51bu〜51bwを有している。上アームスイッチング素子51u〜51wは、上アーム素子上面51bu〜51bwとは反対側の面であって、第1導電板61と接合された上アームコレクタ電極51cu〜51cwが形成された上アーム素子下面51au〜51awを有している。下アームスイッチング素子52u〜52wは、下アームエミッタ電極52eu〜52ew及び下アームゲート電極52gu〜52gwが形成された下アーム素子上面52bu〜52bwを有している。下アームエミッタ電極52eu〜52ewは、下アームスイッチング素子52u〜52wの上に設けられた第3導電板63と接合されており、下アームゲート電極52gu〜52gwは、下アーム制御端子74u〜74wと接合されている。下アームスイッチング素子52u〜52wは、下アーム素子上面52bu〜52bwとは反対側の面であって、下アームコレクタ電極52cu〜52cwが形成された下アーム素子下面52au〜52awを備えている。

0093

かかる構成において、第2導電板62u〜62wは、下アームスイッチング素子52u〜52wが載置されている第2上側導電板面62bu〜62bwと、第2上側導電板面62bu〜62bwとは反対側の面であって上アーム素子上面51bu〜51bwとZ方向に対向している第2下側導電板面62au〜62awとを有している。第2上側導電板面62bu〜62bwは、下アームコレクタ電極52cu〜52cwと接合され、且つ、上アーム素子下面51au〜51awの全体を覆っている。そして、第2下側導電板面62au〜62awには、当該第2下側導電板面62au〜62awから上アーム素子上面51bu〜51bwに向けて突出し、且つ、上アームエミッタ電極51eu〜51ewと接合されている第1凸部81u〜81wが設けられている。第1凸部81u〜81wは、Z方向から見て、上アームゲート電極51gu〜51gwとは重ならない位置に設けられており、上アーム制御端子73u〜73wの一部は、上アームゲート電極51gu〜51gwと第2下側導電板面62au〜62awとの間に入り込んでいる。

0094

かかる構成によれば、第2導電板62u〜62wを介して、上アームエミッタ電極51eu〜51ewと下アームコレクタ電極52cu〜52cwとの電気的な接続を実現することができ、更に第2導電板62u〜62wとの干渉を回避しつつ、上アーム制御端子73u〜73wと上アームゲート電極51gu〜51gwとの電気的接続を実現できる。

0095

また、本実施形態によれば、インバータモジュール43の放熱性の向上を図ることができる。詳述すると、上アーム素子上面51bu〜51bwに、上アームエミッタ電極51eu〜51ew及び上アームゲート電極51gu〜51gwが存在する状況下で上記電気的接続を実現するためには、例えば第2導電板62u〜62wにおける上アームゲート電極51gu〜51gwに対応する部分を切り欠くことが考えられる。この場合、下アーム素子下面52au〜52awには、第2導電板62u〜62wに覆われない箇所が生じる。当該箇所は第2導電板62u〜62wに熱を伝達しにくいため、放熱が行われにくい。つまり、上アームゲート電極51gu〜51gwと上アーム制御端子73u〜73wとの電気的接続を実現するために、放熱性の低下という不都合が生じる。このため、下アーム素子下面52au〜52awに局所的に発熱し易い箇所が形成されることになり、耐熱性の低下が懸念される。

0096

特に、第1導電板61は、インバータケース31及びハウジング11を介して冷媒と熱交換可能な絶縁基板60に取り付けられている。このため、第1導電板61上に載置されている上アームスイッチング素子51u〜51wは冷却され易い。一方、第2導電板62u〜62wを介して上アームスイッチング素子51u〜51wの上に積層されている下アームスイッチング素子52u〜52wは、冷却されにくい。このため、下アームスイッチング素子52u〜52wの下アーム素子下面52au〜52awに、第2導電板62u〜62wに覆われない箇所が生じると、発熱し易い。

0097

これに対して、本実施形態では、第2上側導電板面62bu〜62bwは、下アーム素子下面52au〜52awの全体を覆っている。これにより、熱が溜まり易い箇所が形成されることを回避できる。そして、上アーム制御端子73u〜73wの一部は、上アームゲート電極51gu〜51gwと第2下側導電板面62au〜62awとの間に入り込んでいる。これにより、第2導電板62u〜62wを用いて下アーム素子下面52au〜52awの全体を覆いつつ、第2導電板62u〜62wとの干渉を回避した状態で上アーム制御端子73u〜73wと上アームゲート電極51gu〜51gwとの電気的接続を実現できる。よって、上記不都合を抑制できる。

0098

(3)下アームコレクタ電極52cu〜52cwは、下アーム素子下面52au〜52awの全体に形成されており、第2上側導電板面62bu〜62bwは、下アームコレクタ電極52cu〜52cwの全体と接触している。かかる構成によれば、オン抵抗の低下を図ることができる。

0099

詳述すると、例えば上記のような切り欠きを形成した場合には、下アーム素子下面52au〜52awの全体に下アームコレクタ電極52cu〜52cwが形成されている場合であっても、下アームコレクタ電極52cu〜52cwの一部が第2導電板62u〜62wと接触しない。このため、下アームコレクタ電極52cu〜52cwの一部が機能しないため、オン抵抗が高くなるという不都合が生じる。これに対して、本構成によれば、第1凸部81u〜81wが形成されているため、下アームコレクタ電極52cu〜52cwの全体を第2上側導電板面62bu〜62bwに接触させつつ、上アーム制御端子73u〜73wと第2導電板62u〜62wとの干渉を回避できる。よって、上記不都合を抑制できる。

0100

(4)上アームゲート電極51gu〜51gwと下アームゲート電極52gu〜52gwとは、Z方向から見てずれた位置に配置されており、上アーム制御端子73u〜73wと下アーム制御端子74u〜74wとは、Z方向から見てずれた位置に配置されている。かかる構成によれば、上アームゲート電極51gu〜51gwと下アームゲート電極52gu〜52gwとがZ方向から見てずれた位置に配置されているため、上アーム制御端子73u〜73wと下アーム制御端子74u〜74wとの干渉を容易に回避できる。

0101

(5)u相下アームスイッチング素子52uとu相上アームスイッチング素子51uとは、u相下アームスイッチング素子52uの周縁52xuとu相上アームスイッチング素子51uの周縁51xuとがZ方向に揃った状態で積層されている。かかる構成によれば、Z方向から見て両u相スイッチング素子51u,52uがずれた状態で積層されている構成と比較して、両u相スイッチング素子51u,52uの実装面積を小さくできる。これにより、インバータモジュール43の更なる小型化を図ることができる。他の相についても同様である。

0102

(6)第3導電板63は、各相に対応する導電パーツ63u〜63wを有している。導電パーツ63u〜63wは、下アーム素子上面52bu〜52bwと対向する第3下側導電板面63cu〜63cwを有している。第3下側導電板面63cu〜63cwには、当該第3下側導電板面63cu〜63cwから下アーム素子上面52bu〜52bwに向けて突出し、且つ、下アームエミッタ電極52eu〜52ewと接合されている第3凸部83u〜83wが設けられている。かかる構成によれば、第3下側導電板面63cu〜63cwと下アーム素子上面52bu〜52bwとを離間させて配置できるため、意図しない接触を抑制することができ、それを通じて絶縁性の向上を図ることができる。

0103

(7)ユニット64u〜64wは、上アームスイッチング素子51u〜51wと、下アームスイッチング素子52u〜52wと、上アーム制御端子73u〜73wと、下アーム制御端子74u〜74wと、第2導電板62u〜62wとを有している。各ユニット64u〜64wは、第1導電板61上に、一方向(詳細にはX方向)に配列された状態で複数設けられている。かかる構成によれば、ユニット1つ当たりの実装面積が小さくなっているため、各ユニット64u〜64wの全体の小型化を図ることができる。

0104

特に、各ユニット64u〜64wを配列する場合、放熱性の観点に着目すれば、各ユニット64u〜64wの配列間隔は長くする方が好ましい。しかしながら、上記配列間隔が長くなると、インバータモジュール43が大型化し得る。これに対して、本実施形態では、上述した通り、各ユニット64u〜64wにおいて放熱性の向上が実現されているため、上記配列間隔を短くできる。これにより、インバータモジュール43の更なる小型化を図ることができる。

0105

(8)インバータモジュール43は、第1導電板61が取り付けられた絶縁基板60を備え、当該絶縁基板60には、上アーム制御端子73u〜73wが接合されている上アーム制御パット71u〜71wと、下アーム制御端子74u〜74wが接合されている下アーム制御パット72u〜72wとが設けられている。かかる構成によれば、各スイッチング素子51u〜52wを制御する制御部44と、各ゲート電極51gu〜52gwとを電気的に接続できる。

0106

(9)u相の両制御パット71u,72uは、u相ユニット64uに対して各ユニット64u〜64wの配列方向とは直交する方向であるY方向に離れた位置に配置されている。そして、u相の両制御端子73u,74uは、Z方向から見て、Y方向に延びている。かかる構成によれば、u相の両制御パット71u,72u及びu相の両制御端子73u,74uが、各ユニット64u〜64wの配列の邪魔になりにくい。詳細には、例えば、両制御パット71u,72uとの干渉を回避するために、u相ユニット64uとv相ユニット64vとの間隔を広くする必要がない。これにより、各ユニット64u〜64wの配列間隔を狭くできる。他の相についても同様である。

0107

(10)ユニット64u〜64wは、上アーム還流ダイオード53u〜53wと下アーム還流ダイオード54u〜54wとを含む。そして、第1導電板61及び各第2導電板62u〜62wは、上アームスイッチング素子51u〜51wに対して上アーム還流ダイオード53u〜53wを逆並列に接続し、各第2導電板62u〜62w及び第3導電板63は、下アームスイッチング素子52u〜52wに対して下アーム還流ダイオード54u〜54wを逆並列に接続している。かかる構成によれば、第1導電板61、各第2導電板62u〜62w及び第3導電板63が、還流ダイオード53u〜54wとスイッチング素子51u〜52wとの電気的接続にも用いられている。これにより、構成の簡素化を図ることができる。また、各還流ダイオード53u〜54wと各スイッチング素子51u〜52wとが合わせてユニット化されているため、インバータモジュール43の更なる小型化を図ることができる。

0108

(11)インバータ装置30は、インバータモジュール43と、DC電源Eから供給される直流電力を変圧するトランス41と、トランス41によって変圧された直流電力が入力されるフィルタ回路42とを備えている。インバータモジュール43は、フィルタ回路42から出力される直流電力を、電動モータ13が駆動可能な交流電力に変換する。これにより、電動モータ13を駆動させることができる。

0109

ここで、炭化ケイ素を用いた各スイッチング素子51u〜52wは、スイッチング損失が小さい。このため、インバータモジュール43を高周波数で動作させることができる。例えば、制御部44がインバータモジュール43をPWM(パルス幅変調)制御する場合には、キャリア周波数を高く設定できる。これにより、インバータモジュール43にて発生するノイズを除去するフィルタ回路42のカットオフ周波数を高くできる。したがって、フィルタ回路42の構成要素であるフィルタコイル42aのインダクタンス及びフィルタコンデンサ42bのキャパシタンスを低くすることができ、それを通じてフィルタ回路42の小型化を図ることができる。よって、インバータ装置30全体の小型化を図ることができる。

0110

なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 各スイッチング素子51u〜52wは、IGBTに限られず、例えば炭化ケイ素(SiC)を用いたMOSFET等でもよい。例えば、各スイッチング素子51u〜52wがn型のMOSFETである場合、スイッチング素子51u〜52wは、エミッタ電極51eu〜52ewに代えてソース電極を有し、コレクタ電極51cu〜52cwに代えてドレイン電極を有する。すなわち、上アームスイッチング素子51u〜51wは、第1下側電極としての上アームドレイン電極と、第1上側電極としての上アームソース電極とを有し、下アームスイッチング素子52u〜52wは、第2下側電極としての下アームドレイン電極と、第2上側電極としての下アームソース電極とを有する。

0111

なお、各スイッチング素子51u〜52wにMOSFETが採用される場合には、MOSFETの寄生ダイオードが還流ダイオード53u〜54wとして機能するため、還流ダイオード53u〜54wを省略してもよい。要は、還流ダイオード53u〜54wは必須ではない。

0112

図9に示すように、u相第1凸部111uは、u相第2導電板62uと別体で構成されていてもよい。この場合、例えば、u相第1凸部111uは、銅やモリブデン等の導電性材料で構成されており、u相第1凸部111uとu相第2導電板62uとは接合材Jを介して接合されているとよい。この場合、u相第1凸部111uはヒートマスとして機能する。同様に、u相第3凸部112uとu相第2延出部63buとは別体に設けられ、両者は接合材Jを介して接合されていてもよい。

0113

○ 下アームスイッチング素子52u〜52wの上に上アームスイッチング素子51u〜51wが積層される構成であってもよい。要は、「第1スイッチング素子」は上アームスイッチング素子でもよいし、下アームスイッチング素子でもよい。「第2スイッチング素子」についても同様である。

0114

○インバータモジュール43は、3つのユニット64u〜64wを有する構成であったが、これに限られず、ユニット数は任意である。例えば、ユニットは1つでもよい。
○ インバータモジュール43は、車両に搭載されている電動圧縮機10の電動モータ13の駆動に用いられるものであったが、これに限られず、用途については任意である。例えば、車両に走行用モータが搭載されている場合には、本インバータモジュール43を走行用モータの駆動に用いてもよい。

0115

○半導体モジュールは、インバータモジュール43に限られず任意である。例えば、半導体モジュールは、DC/DCコンバータモジュールであってもよいし、充電器モジュールであってもよい。

0116

○ u相第1凸部81uは、Z方向から見てu相上アームゲート電極51guと同一形状となっていたが、これに限られない。u相第1凸部81uは、Z方向から見てu相上アームゲート電極51guからはみ出さない範囲内であれば、任意の形状を採用してもよい。また、u相第1凸部81uは、u相上アーム制御端子73uと干渉しない範囲内であれば、Z方向から見てu相上アームゲート電極51guから若干はみ出してもよい。但し、絶縁性の観点に着目すれば、u相第1凸部81uは、Z方向から見てu相上アームゲート電極51guの投影範囲内にあるとよい。

0117

○エミッタ電極51eu〜52ew、コレクタ電極51cu〜52cw、及びゲート電極51gu〜52gwの具体的な形状及び位置は任意である。例えば、上アームゲート電極51gu〜51gwと下アームゲート電極52gu〜52gwとがZ方向から見て重なっていてもよい。また、コレクタ電極51cu〜52cwは、素子下面51au〜52awの一部に形成されている構成でもよい。

0118

○ 各制御パット71u〜72wの位置や形状は、各制御端子73u〜74wを干渉しないように配置することができれば任意である。
○ u相上アーム制御端子73uの一部とu相下アーム制御端子74uの一部とが、高低差がある状態でZ方向に重なっていてもよい。他の相も同様である。

0119

○ 第3導電板63の具体的な形状は任意である。例えば第3凸部83u〜83wや第4凸部84u〜84wを省略してもよい。
○ u相上アームスイッチング素子51uとu相下アームスイッチング素子52uとが、Z方向から見て、ずれた状態で積層されていてもよい。換言すれば、u相上アームスイッチング素子51uとu相下アームスイッチング素子52uとに、互いに重なり合わない領域が存在していてもよい。但し、実装面積を低減できる点に着目すれば、両u相スイッチング素子51u,52uは、その周縁51xu,52xuが揃った状態で積層されているとよい。

0120

次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の半導体モジュールを備え、車載用電動圧縮機に設けられた電動モータを駆動するインバータ装置であって、直流電力を変圧するトランスと、前記トランスによって変圧された直流電力が入力されるLCフィルタ回路と、を備え、前記半導体モジュールは、前記LCフィルタ回路から出力される直流電力を、前記電動モータが駆動可能な駆動電力に変換するものであることを特徴とするインバータ装置。

0121

(ロ)第1導電板上に載置されているものであって、炭化ケイ素を用いて構成されているスイッチング素子と、第2導電板を介して前記スイッチング素子の上に積層されているものであって、炭化ケイ素を用いて構成されているSiC素子と、を備え、前記スイッチング素子は、第1上側電極と、制御端子が接合されたゲート電極とが形成された第1素子上面と、前記第1素子上面とは反対側の面であって、前記第1導電板と接合された第1下側電極が形成された第1素子下面と、を備え、前記SiC素子は、第2上側電極が形成された第2素子上面と、前記第2素子上面とは反対側の面であって第2下側電極が形成された第2素子下面と、を備え、前記第2導電板は、前記SiC素子が載置されている面であって、前記第2下側電極と接合され、且つ、前記第2素子下面の全体を覆っている第2上側導電板面と、前記第2上側導電板面とは反対側の面であって前記第1素子上面と対向している第2下側導電板面と、を備え、前記第2下側導電板面には、当該第2下側導電板面から前記第1素子上面に向けて突出し、且つ、前記第1上側電極と接合されている凸部が設けられており、前記凸部は、前記スイッチング素子及び前記SiC素子の積層方向から見て、前記ゲート電極とは重ならない位置に設けられており、前記制御端子の一部は、前記ゲート電極と前記第2下側導電板面との間に入り込んでいることを特徴とする半導体モジュール。なお、本構成に着目すれば、スイッチング素子以外のSiC素子が、第2導電板を介して、スイッチング素子の上に積層されてもよい。スイッチング素子以外のSiC素子としては、例えば炭化ケイ素を用いて構成されたダイオード等が考えられる。この場合、アノード電極又はカソード電極のいずれか一方が第2上側電極に対応し、他方が第2下側電極に対応する。また、スイッチング素子としては、素子下面にエミッタ電極が形成され、素子上面にコレクタ電極が形成されている構成でもよい。

0122

10…電動圧縮機、30…インバータ装置、43…インバータモジュール、51u〜51w…上アームスイッチング素子、51cu〜51cw…上アームコレクタ電極、51eu〜51ew…上アームエミッタ電極、52u〜52w…下アームスイッチング素子、52cu〜52cw…下アームコレクタ電極、52eu〜52ew…下アームエミッタ電極、60…絶縁基板、61…第1導電板、62u〜62w…第2導電板、62au〜62aw…第2下側導電板面、62bu〜62bw…第2上側導電板面、63…第3導電板、64u〜64w…ユニット、71u〜71w…上アーム制御パット、72u〜72w…下アーム制御パット、73u〜73w…上アーム制御端子、74u〜74w…下アーム制御端子、81u〜81w…第1凸部(第1スイッチング素子用凸部)、83u〜83w…第3凸部(第2スイッチング素子用凸部)。

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    【課題・解決手段】電流経路の抵抗値のバラツキを抑制した半導体装置を提供する。並列に接続された複数の第1回路部を有する第1回路ブロックと、並列に接続された複数の第2回路部を有する第2回路ブロックと、第1... 詳細

  • 富士電機株式会社の「 半導体装置」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】内部の異常過熱の発生を抑制できる。導通領域(13a1,15a1)と導通領域(13a1,15a1)に連通部(13a2,15a2)を介して連通した配線領域(13a3,15a3)とを有する... 詳細

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