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技術 減速案内システム、減速案内方法、及び減速案内プログラム

出願人 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社トヨタ自動車株式会社
発明者 田中広次郎田中邦明
出願日 2016年2月12日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-024482
公開日 2017年8月17日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-142709
状態 特許登録済
技術分野 交通制御システム 駆動装置の関連制御、車両の運動制御 乗員・歩行者の保護
主要キーワード 速度推移 走行方向後方 予想地点 多機能携帯電話 接近距離 相対速 急減速判定 大型自動車
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

対象車両から減速案内地点までの区間内に前方車両が存在する場合でも、比較的早いタイミングで当該前方車両を考慮した減速案内を行うことが可能な技術を実現する。

解決手段

減速案内システムの判定部は、前方車両2が存在する場合に、減速案内地点Pの位置、前方車両2の位置、及び前方車両2の速度V2の間の関係を含む第三関係に基づき、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性の有無を判定する。そして、判定部は、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定した場合、減速案内地点Pの位置、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係を含む第一関係に代えて、前方車両2による急減速の発生が予想される急減速予想地点Qの位置、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係を含む第二関係に基づき、減速案内を行うか否かの判定を実行する。

概要

背景

特開2003−30799号公報(特許文献1)には、対象車両(自車両)の前方に障害物が存在する場合に、所定の減速度で障害物の手前で車両を停止可能なタイミングにおいて、運転者ブレーキ操作を促すための警告を行うシステムが記載されている。そして、特許文献1に記載のシステムでは、対象車両と障害物との間に前方車両先行車)が存在する場合において、前方車両の減速度等が、対象車両がブレーキ操作を行わなければ前方車両に追突する可能性があるとみなされるようなものである場合に、障害物に関する呈示処理に代えて前方車両に関する呈示処理が行われる。

ところで、特許文献1で想定されている対象車両の前方に障害物が存在する状況ではなく、予め設定された減速案内地点に対象車両が接近する状況において、対象車両の乗員に対して減速案内を行うことが考えられる。このような状況においても、対象車両と減速案内地点との間に前方車両が存在する場合がある。このような場合に特許文献1に記載の技術を適用して、前方車両の減速度等が、対象車両がブレーキ操作を行わなければ前方車両に追突する可能性があるとみなされるようなものである場合に、減速案内に代えて前方車両に関する警告を行う構成とすることが考えられる。しかしながら、このような構成とした場合、前方車両の減速度等が前方車両への追突の可能性があるとみなされるようなものとなって初めて、前方車両に関する警告が行われるため、前方車両への追突を避けるための回避操作が急な操作となりやすい。

概要

対象車両から減速案内地点までの区間内に前方車両が存在する場合でも、比較的早いタイミングで当該前方車両を考慮した減速案内を行うことが可能な技術を実現する。減速案内システムの判定部は、前方車両2が存在する場合に、減速案内地点Pの位置、前方車両2の位置、及び前方車両2の速度V2の間の関係を含む第三関係に基づき、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性の有無を判定する。そして、判定部は、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定した場合、減速案内地点Pの位置、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係を含む第一関係に代えて、前方車両2による急減速の発生が予想される急減速予想地点Qの位置、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係を含む第二関係に基づき、減速案内を行うか否かの判定を実行する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

減速案内の対象地点である減速案内地点への対象車両の接近に応じて、前記対象車両の乗員に対して減速案内を行う減速案内システムであって、前記減速案内地点の位置の情報、前記対象車両の位置の情報、及び前記対象車両の速度の情報を取得する情報取得部と、前記減速案内地点の位置、前記対象車両の位置、及び前記対象車両の速度の間の関係を含む第一関係に基づき、減速案内を行うか否かの判定である案内判定を実行する判定部と、を備え、前記対象車両の前方を走行する車両を前方車両として、前記情報取得部は、前記対象車両から前記減速案内地点までの区間内に前記前方車両が存在する場合に、前記前方車両の位置の情報と、前記前方車両の速度の情報とを取得し、前記判定部は、前記前方車両が存在する場合に、前記減速案内地点の位置、前記前方車両の位置、及び前記前方車両の速度の間の関係を含む第三関係に基づき、予め定められた減速度以上の減速である急減速を前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に行う可能性の有無を判定し、前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に前記急減速を行う可能性があると判定した場合、前記第一関係に代えて、前記前方車両による前記急減速の発生が予想される急減速予想地点の位置、前記対象車両の位置、及び前記対象車両の速度の間の関係を含む第二関係に基づき、前記案内判定を実行する減速案内システム。

請求項2

前記判定部は、前記第一関係に基づく前記案内判定では、前記対象車両の速度が、前記対象車両と前記減速案内地点とが近づくに従って小さく設定される第一判定閾値を超えている場合に、減速案内を行うと判定し、前記第二関係に基づく前記案内判定では、前記対象車両の速度が、前記対象車両と前記急減速予想地点とが近づくに従って小さく設定される第二判定閾値を超えている場合に、減速案内を行うと判定し、前記第二判定閾値が前記第一判定閾値よりも小さい値に設定される請求項1に記載の減速案内システム。

請求項3

前記判定部は、前記前方車両の速度が、前記前方車両と前記減速案内地点とが近づくに従って小さく設定される第三判定閾値を超えている場合に、前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に前記急減速を行う可能性があると判定する請求項1又は2に記載の減速案内システム。

請求項4

前記判定部は、前記減速案内地点に設定された安全速度まで前記前方車両が減速するために必要な走行距離である減速距離を、前記前方車両の速度に少なくとも基づいて導出し、前記減速案内地点までの距離が前記減速距離以下となる区間内の地点を、前記急減速予想地点に設定する請求項1から3のいずれか一項に記載の減速案内システム。

請求項5

前記第一関係に基づき前記案内判定を実行する場合には前記減速案内地点を、前記第二関係に基づき前記案内判定を実行する場合には前記急減速予想地点を、基準地点として、前記判定部は、前記対象車両の速度が、前記対象車両と前記基準地点とが近づくに従って小さく設定される高速側判定閾値よりも高い場合には、減速案内を行うと判定すると共に、前記対象車両の速度が、前記対象車両と前記基準地点とが近づくに従って小さく設定される閾値であって、前記高速側判定閾値よりも小さい値に設定される低速側判定閾値よりも低い場合には、減速案内を行わないと判定し、前記判定部は、前記対象車両の速度が前記高速側判定閾値よりも高く減速案内が行われている状態から、前記対象車両の速度が前記高速側判定閾値以下であって前記低速側判定閾値以上である中間状態移行した場合であって、前記対象車両の減速度に基づき、前記対象車両が前記基準地点に到達するまでの間に前記対象車両の速度が前記低速側判定閾値よりも低くなると判定した場合には、減速案内を中止すると判定する請求項1から4のいずれか一項に記載の減速案内システム。

請求項6

前記判定部は、前記中間状態であって、前記対象車両が前記基準地点に到達するまでの間に前記対象車両の速度が前記低速側判定閾値よりも低くなると判定している状態が、予め定められた時間以上継続していることを更なる条件として減速案内を中止すると判定する請求項5に記載の減速案内システム。

請求項7

減速案内の対象地点である減速案内地点への対象車両の接近に応じて、前記対象車両の乗員に対して減速案内を行う減速案内方法であって、前記減速案内地点の位置の情報、前記対象車両の位置の情報、及び前記対象車両の速度の情報を取得する情報取得ステップと、前記減速案内地点の位置、前記対象車両の位置、及び前記対象車両の速度の間の関係を含む第一関係に基づき、減速案内を行うか否かの判定である案内判定を実行する判定ステップと、を含み、前記対象車両の前方を走行する車両を前方車両として、前記情報取得ステップでは、前記対象車両から前記減速案内地点までの区間内に前記前方車両が存在する場合に、前記前方車両の位置の情報と、前記前方車両の速度の情報とを取得し、前記判定ステップでは、前記前方車両が存在する場合に、前記減速案内地点の位置、前記前方車両の位置、及び前記前方車両の速度の間の関係を含む第三関係に基づき、予め定められた減速度以上の減速である急減速を前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に行う可能性の有無を判定し、前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に前記急減速を行う可能性があると判定した場合、前記第一関係に代えて、前記前方車両による前記急減速の発生が予想される急減速予想地点の位置、前記対象車両の位置、及び前記対象車両の速度の間の関係を含む第二関係に基づき、前記案内判定を実行する減速案内方法。

請求項8

減速案内の対象地点である減速案内地点への対象車両の接近に応じて、前記対象車両の乗員に対して減速案内を行う減速案内プログラムであって、前記減速案内地点の位置の情報、前記対象車両の位置の情報、及び前記対象車両の速度の情報を取得する情報取得機能と、前記減速案内地点の位置、前記対象車両の位置、及び前記対象車両の速度の間の関係を含む第一関係に基づき、減速案内を行うか否かの判定である案内判定を実行する判定機能と、をコンピュータに実現させ、前記対象車両の前方を走行する車両を前方車両として、前記情報取得機能では、前記対象車両から前記減速案内地点までの区間内に前記前方車両が存在する場合に、前記前方車両の位置の情報と、前記前方車両の速度の情報とを取得し、前記判定機能では、前記前方車両が存在する場合に、前記減速案内地点の位置、前記前方車両の位置、及び前記前方車両の速度の間の関係を含む第三関係に基づき、予め定められた減速度以上の減速である急減速を前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に行う可能性の有無を判定し、前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に前記急減速を行う可能性があると判定した場合、前記第一関係に代えて、前記前方車両による前記急減速の発生が予想される急減速予想地点の位置、前記対象車両の位置、及び前記対象車両の速度の間の関係を含む第二関係に基づき、前記案内判定を実行する減速案内プログラム。

技術分野

0001

本発明は、減速案内の対象地点である減速案内地点への対象車両の接近に応じて、対象車両の乗員に対して減速案内を行う減速案内システム、減速案内方法、及び減速案内プログラムに関する。

背景技術

0002

特開2003−30799号公報(特許文献1)には、対象車両(自車両)の前方に障害物が存在する場合に、所定の減速度で障害物の手前で車両を停止可能なタイミングにおいて、運転者ブレーキ操作を促すための警告を行うシステムが記載されている。そして、特許文献1に記載のシステムでは、対象車両と障害物との間に前方車両先行車)が存在する場合において、前方車両の減速度等が、対象車両がブレーキ操作を行わなければ前方車両に追突する可能性があるとみなされるようなものである場合に、障害物に関する呈示処理に代えて前方車両に関する呈示処理が行われる。

0003

ところで、特許文献1で想定されている対象車両の前方に障害物が存在する状況ではなく、予め設定された減速案内地点に対象車両が接近する状況において、対象車両の乗員に対して減速案内を行うことが考えられる。このような状況においても、対象車両と減速案内地点との間に前方車両が存在する場合がある。このような場合に特許文献1に記載の技術を適用して、前方車両の減速度等が、対象車両がブレーキ操作を行わなければ前方車両に追突する可能性があるとみなされるようなものである場合に、減速案内に代えて前方車両に関する警告を行う構成とすることが考えられる。しかしながら、このような構成とした場合、前方車両の減速度等が前方車両への追突の可能性があるとみなされるようなものとなって初めて、前方車両に関する警告が行われるため、前方車両への追突を避けるための回避操作が急な操作となりやすい。

先行技術

0004

特開2003−30799号公報(段落0018〜0023)

発明が解決しようとする課題

0005

そこで、対象車両から減速案内地点までの区間内に前方車両が存在する場合でも、比較的早いタイミングで当該前方車両を考慮した減速案内を行うことが可能な技術の実現が望まれる。

課題を解決するための手段

0006

上記に鑑みた、減速案内の対象地点である減速案内地点への対象車両の接近に応じて、前記対象車両の乗員に対して減速案内を行う減速案内システムの特徴構成は、前記減速案内地点の位置の情報、前記対象車両の位置の情報、及び前記対象車両の速度の情報を取得する情報取得部と、前記減速案内地点の位置、前記対象車両の位置、及び前記対象車両の速度の間の関係を含む第一関係に基づき、減速案内を行うか否かの判定である案内判定を実行する判定部と、を備え、前記対象車両の前方を走行する車両を前方車両として、前記情報取得部は、前記対象車両から前記減速案内地点までの区間内に前記前方車両が存在する場合に、前記前方車両の位置の情報と、前記前方車両の速度の情報とを取得し、前記判定部は、前記前方車両が存在する場合に、前記減速案内地点の位置、前記前方車両の位置、及び前記前方車両の速度の間の関係を含む第三関係に基づき、予め定められた減速度以上の減速である急減速を前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に行う可能性の有無を判定し、前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に前記急減速を行う可能性があると判定した場合、前記第一関係に代えて、前記前方車両による前記急減速の発生が予想される急減速予想地点の位置、前記対象車両の位置、及び前記対象車両の速度の間の関係を含む第二関係に基づき、前記案内判定を実行する点にある。

0007

また、上記に鑑みた、減速案内システムの技術的特徴は減速案内方法や減速案内プログラムにも適用可能であり、そのような方法やプログラム、更には、そのようなプログラムが記憶された記憶媒体(例えば、光ディスクフラッシュメモリ等)も、本明細書によって開示される。

0008

その場合における、減速案内の対象地点である減速案内地点への対象車両の接近に応じて、前記対象車両の乗員に対して減速案内を行う減速案内方法の特徴構成は、前記減速案内地点の位置の情報、前記対象車両の位置の情報、及び前記対象車両の速度の情報を取得する情報取得ステップと、前記減速案内地点の位置、前記対象車両の位置、及び前記対象車両の速度の間の関係を含む第一関係に基づき、減速案内を行うか否かの判定である案内判定を実行する判定ステップと、を含み、前記対象車両の前方を走行する車両を前方車両として、前記情報取得ステップでは、前記対象車両から前記減速案内地点までの区間内に前記前方車両が存在する場合に、前記前方車両の位置の情報と、前記前方車両の速度の情報とを取得し、前記判定ステップでは、前記前方車両が存在する場合に、前記減速案内地点の位置、前記前方車両の位置、及び前記前方車両の速度の間の関係を含む第三関係に基づき、予め定められた減速度以上の減速である急減速を前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に行う可能性の有無を判定し、前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に前記急減速を行う可能性があると判定した場合、前記第一関係に代えて、前記前方車両による前記急減速の発生が予想される急減速予想地点の位置、前記対象車両の位置、及び前記対象車両の速度の間の関係を含む第二関係に基づき、前記案内判定を実行する点にある。

0009

また、その場合における、減速案内の対象地点である減速案内地点への対象車両の接近に応じて、前記対象車両の乗員に対して減速案内を行う減速案内プログラムの特徴構成は、前記減速案内地点の位置の情報、前記対象車両の位置の情報、及び前記対象車両の速度の情報を取得する情報取得機能と、前記減速案内地点の位置、前記対象車両の位置、及び前記対象車両の速度の間の関係を含む第一関係に基づき、減速案内を行うか否かの判定である案内判定を実行する判定機能と、をコンピュータに実現させ、前記対象車両の前方を走行する車両を前方車両として、前記情報取得機能では、前記対象車両から前記減速案内地点までの区間内に前記前方車両が存在する場合に、前記前方車両の位置の情報と、前記前方車両の速度の情報とを取得し、前記判定機能では、前記前方車両が存在する場合に、前記減速案内地点の位置、前記前方車両の位置、及び前記前方車両の速度の間の関係を含む第三関係に基づき、予め定められた減速度以上の減速である急減速を前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に行う可能性の有無を判定し、前記前方車両が前記減速案内地点に到達するまでの間に前記急減速を行う可能性があると判定した場合、前記第一関係に代えて、前記前方車両による前記急減速の発生が予想される急減速予想地点の位置、前記対象車両の位置、及び前記対象車両の速度の間の関係を含む第二関係に基づき、前記案内判定を実行する点にある。

0010

これらの特徴構成によれば、対象車両から減速案内地点までの区間内に前方車両が存在する場合であって、当該前方車両が減速案内地点に到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定される場合には、第一関係に代えて第二関係に基づき、減速案内を行うか否かの判定である案内判定が実行される。そして、第一関係は、対象車両の位置、対象車両の速度、及び減速案内地点の位置の間の関係を含むのに対して、第二関係は、対象車両の位置、対象車両の速度、及び前方車両による急減速の発生が予想される急減速予想地点の位置の間の関係を含む。すなわち、第二関係に基づき案内判定を行うことで、前方車両が実際に急減速を行う時点よりも早い時点(当該急減速の発生の可能性があると判定した時点)から当該前方車両を考慮した案内判定を行うことが可能となると共に、案内判定に際して減速案内地点の位置に代えて当該減速案内地点よりも対象車両に近い急減速予想地点の位置が考慮されることで、より手前の地点から当該前方車両を考慮した案内判定を行うことが可能となる。よって、上記の特徴構成によれば、対象車両から減速案内地点までの区間内に前方車両が存在する場合でも、比較的早いタイミングで当該前方車両を考慮した減速案内を行うことが可能となる。

0011

減速案内システム、減速案内方法、及び減速案内プログラムのさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の実施形態の説明によってより明確となる。

図面の簡単な説明

0012

減速案内システムの概略構成を示すブロック図
前方車両が存在しない状況を示す図
前方車両が存在する状況を示す図
車両の速度と制動距離との関係を示す図
前方車両が存在しない状況での対象車両の速度推移の一例を示す図
前方車両が存在しない状況での対象車両の速度推移の別の例を示す図
前方車両が存在しない状況での対象車両の速度推移の更に別の例を示す図
前方車両が存在する状況での対象車両及び前方車両のそれぞれの速度推移の一例を示す図
判定閾値と距離との関係の一例を示す図
減速案内処理の手順の一例を示すフローチャート
第一判定処理の手順の一例を示すフローチャート
第二判定処理の手順の一例を示すフローチャート
第一中止判定処理の手順の一例を示すフローチャート
第二中止判定処理の手順の一例を示すフローチャート

実施例

0013

1.減速案内システムの全体構成
減速案内システムの実施形態について、図面を参照して説明する。減速案内システム10は、減速案内の対象地点である減速案内地点P(図2参照)への対象車両1の接近に応じて、対象車両1の乗員(特に運転者)に対して減速案内を行うシステムである。なお、減速案内とは、対象車両1の乗員に対して減速を促す警告(注意喚起)を行うことである。減速案内地点Pは、このような警告を行う必要性が高い地点(例えば、急ブレーキ操作発生頻度が予め定められた判定値よりも高い急ブレーキ発地点等)に設定される。

0014

図示は省略するが、減速案内システム10は、単数又は複数のCPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置中核部材として備えると共に、当該演算処理装置が参照可能な記憶装置を備えている。この記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等とされる。そして、減速案内システム10は、当該記憶装置に記憶された各プログラムを実行することで、減速案内を行うための各機能を実現する。以下では、後述する記憶装置22(図1参照)と区別して、減速案内システム10が備える記憶装置を「主記憶装置」という。なお、本実施形態で主記憶装置に記憶されているとしている情報(プログラム等を含む)が、記憶装置22に記憶される構成や、本実施形態で記憶装置22に記憶されているとしている情報(プログラム等を含む)が、主記憶装置に記憶される構成とすることも可能である。

0015

減速案内システム10を構成する各構成要素は、共通のハードウェアに備えられても、互いに通信可能な複数のハードウェアに分かれて備えられても良い。減速案内システム10を構成する各構成要素(本実施形態では、更に記憶装置22)は、対象車両1内の装置に備えられ、或いは、通信ネットワーク(例えばインターネット等)を介して対象車両1内の装置と通信可能な外部装置(例えばサーバ等)に備えられる。ここで、対象車両1内の装置には、対象車両1に固定的に搭載される装置だけでなく、使用時にのみ対象車両1に持ち込まれる装置(例えば、ポータブルナビゲーション装置携帯型情報端末装置多機能携帯電話等)も含む。

0016

図1に示すように、減速案内システム10は、情報取得部11と判定部12とを備えている。本実施形態では、減速案内システム10は、更に、案内実行部13を備えている。減速案内システム10が備える各機能部は、減速案内システム10の主記憶装置に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により構成される。すなわち、各機能部の機能を演算処理装置(コンピュータ)に実現させるためのプログラムは、当該演算処理装置が参照可能な記憶装置(主記憶装置)に記憶される。減速案内システム10の各機能部は、通信ネットワークを介して互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されていると共に、各記憶装置(主記憶装置及び記憶装置22)からデータを抽出可能に構成されている。

0017

情報取得部11は、判定部12による案内判定に必要な情報を取得する機能部である。具体的には、情報取得部11は、減速案内地点Pの位置の情報、対象車両1の位置の情報、及び対象車両1の速度V1(走行速度)の情報を取得する。本実施形態では、図1に示すように、情報取得部11は、通信装置20、検出装置21、及び記憶装置22のそれぞれから情報を取得可能に構成されている。すなわち、情報取得部11は、通信装置20による通信結果の取得、検出装置21による検出結果の取得、及び、記憶装置22に記憶された情報の取得の、少なくともいずれかを行うことで、減速案内地点Pの位置の情報、対象車両1の位置の情報、及び対象車両1の速度V1の情報を取得する。なお、通信装置20、検出装置21、記憶装置22、及び後述する案内装置23のうちの一部又は全ての装置は、複数備えられる場合もあるが、図1では簡略化のため、通信装置20、検出装置21、記憶装置22、及び案内装置23のそれぞれを1つのみ示している。本実施形態では、情報取得部11により「情報取得機能」が実現され、情報取得部11が行う処理により「情報取得ステップ」が実行される。

0018

情報取得部11は、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に前方車両2が存在する場合に(図3参照)、前方車両2の位置の情報と、前方車両2の速度V2(走行速度)の情報とを取得するように構成されている。なお、「区間」とは、対象車両1が走行中の道路に沿った区間である。対象車両1が走行中の道路は、例えば、対象車両1の現在の推定位置が関連付けられている道路(現在マップマッチングされている道路)とすることができる。本実施形態では、情報取得部11は、通信装置20による通信結果の取得、及び、検出装置21による検出結果の取得の、少なくともいずれかを行うことで、前方車両2の位置の情報と、前方車両2の速度V2の情報とを取得する。ここで、前方車両2は、図3に示すように、対象車両1の前方を、対象車両1と同じ方向に走行する車両である。本実施形態では、前方車両2を、対象車両1の前方において対象車両1と同一の車線を走行する車両に限定している。

0019

対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に、複数台の前方車両2が存在する場合には、情報取得部11は、当該複数台の前方車両2の中から選択される1台の前方車両2(以下、「特定前方車両」という。)の位置及び速度V2の情報を、少なくとも取得する。特定前方車両は、減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性の有無の判定対象となる前方車両2である。後述するように、この判定は判定部12により実行され、判定部12は、特定前方車両による急減速の可能性があると判定した場合、特定前方車両による急減速の発生が予想される地点を急減速予想地点Qに設定する。ここで、「急減速」とは、予め定められた減速度以上の減速である。予め定められた減速度は、例えば、0.3Gや0.4G等(Gは重力加速度)に設定することができる。本実施形態では、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に複数台の前方車両2が存在する場合、当該複数台の前方車両2の中で最も対象車両1に近い前方車両2(最も進行方向後方側の前方車両2)を特定前方車両として選択する。なお、判定部12が、特定前方車両の位置及び速度V2の情報に加えて、特定前方車両以外の前方車両2(例えば、上記複数台の前方車両2の中で2番目に対象車両1に近い前方車両2)の位置及び速度V2の情報にも基づいて急減速予想地点Qを設定する場合には、情報取得部11は、当該特定前方車両以外の前方車両2の位置及び速度V2の情報も取得する。以下の説明では、特に明記している場合を除き、「前方車両2」は、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に1台の前方車両2が存在する場合には、当該前方車両2を指し、当該区間内に複数台の前方車両2が存在する場合には、特定前方車両を指すものとする。

0020

情報取得部11による通信装置20からの情報の取得について例示すると、例えば、対象車両1と情報配信センタ(図示せず)との間で無線通信を行うために対象車両1に備えられる無線通信装置を通信装置20として用い、情報取得部11が、通信装置20(無線通信装置)を介した無線通信によって、減速案内地点Pの位置の情報を取得する構成とすることができる。また、情報取得部11が、通信装置20(無線通信装置)を介した無線通信によって、前方車両2の位置及び速度V2の情報を取得する構成とすることもできる。この無線通信は、例えば、携帯電話網を利用した通信、無線LAN(Local Area Network)を利用した通信、VICS(登録商標;Vehicle Information and Communication System)を利用した通信、車両と道路側に設置された通信装置との間での路車間通信等とされる。また、例えば、対象車両1と前方車両2との間で無線通信を行うために対象車両1に備えられる車両間通信装置を通信装置20として用い、情報取得部11が、通信装置20(車両間通信装置)を介した無線通信によって、前方車両2の位置及び速度V2の情報を取得する構成とすることができる。

0021

情報取得部11による記憶装置22からの情報の取得について例示すると、例えば、記憶装置22に減速案内地点Pの位置の情報が記憶される構成とし、情報取得部11が、記憶装置22を参照して、減速案内地点Pの位置の情報を取得する構成とすることができる。なお、記憶装置22と情報取得部11との間の通信は、有線通信であっても無線通信であっても良い。例えば、記憶装置22及び情報取得部11の双方が対象車両1に備えられる場合に、これらの間での通信を、CAN(Controller Area Network)等の車内ネットワークによる有線通信や、Bluetooth(登録商標)又は無線LANを利用した無線通信等とすることができる。通信装置20と情報取得部11との間の通信や、検出装置21と情報取得部11との間の通信についても同様に、有線通信であっても無線通信であっても良い。なお、記憶装置22は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等のように、情報を記憶及び書き換え可能な記憶媒体をハードウェア構成として備える。

0022

情報取得部11による検出装置21からの情報の取得について例示すると、例えば、対象車両1の現在位置(現在の推定位置)を検出するために対象車両1に備えられる位置検出装置を検出装置21として用い、情報取得部11が、検出装置21(位置検出装置)の検出結果に基づき、対象車両1の位置の情報を取得する構成とすることができる。この位置検出装置は、例えば、GPS(Global Positioning System)センサ距離センサ方位センサ等の、位置情報を検出するための各種センサを備えた装置とされる。なお、情報取得部11が取得する対象車両1の位置の情報は、記憶装置22に記憶された地図情報に基づき道路上の位置に補正マップマッチング処理)されたものであっても良い。また、例えば、対象車両1の速度V1を検出するために対象車両1に備えられる車速センサを検出装置21として用い、情報取得部11が、検出装置21(車速センサ)の検出結果に基づき、対象車両1の速度V1の情報を取得する構成とすることができる。なお、情報取得部11が、上述した位置検出装置(距離センサ)の検出結果に基づき、対象車両1の速度V1の情報を取得する構成とすることもできる。

0023

また、例えば、前方車両2や障害物等の車両前方に存在する物体までの距離を検出するために対象車両1に備えられる車間距離センサミリ波レーダ赤外線レーダ等)を検出装置21として用い、情報取得部11が、検出装置21(車間距離センサ)の検出結果に基づき、前方車両2の位置や速度V2の情報(対象車両1との相対位置及び相対速度の情報)を取得する構成とすることができる。また、例えば、車両前方の風景撮影するために対象車両1に備えられる画像センサ撮像装置)を検出装置21として用い、情報取得部11が、検出装置21(画像センサ)の検出結果に基づき、前方車両2の位置や速度V2の情報(対象車両1との相対位置及び相対速度の情報)を取得する構成とすることができる。

0024

判定部12は、減速案内を行うか否かの判定である案内判定を実行する機能部である。具体的には、判定部12は、減速案内地点Pの位置の情報、対象車両1の位置の情報、及び対象車両1の速度V1の情報を、情報取得部11から取得する。そして、判定部12は、減速案内地点Pの位置、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係を含む第一関係に基づき、案内判定を実行する。なお、この第一関係に基づく案内判定は、後述するように、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に前方車両2が存在しない場合に実行される。また、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に前方車両2が存在する場合であっても、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定されていなければ、第一関係に基づく案内判定が実行される。本実施形態では、判定部12により「判定機能」が実現され、判定部12が行う処理により「判定ステップ」が実行される。

0025

判定部12は、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に前方車両2が存在する場合に、減速案内地点Pの位置、前方車両2の位置、及び前方車両2の速度V2の間の関係を含む第三関係に基づき、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性の有無を判定する。なお、この判定を行う際には、判定部12は、減速案内地点Pの位置の情報、前方車両2の位置の情報、及び前方車両2の速度V2の情報を、情報取得部11から取得する。そして、判定部12は、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定した場合、第一関係に代えて、前方車両2による急減速の発生が予想される急減速予想地点Qの位置(図3参照)、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係を含む第二関係に基づき、案内判定を実行する。判定部12の具体的構成については、後の「2.判定部の構成」の項で詳細に説明する。

0026

案内実行部13は、対象車両1の乗員に対して減速案内を行う機能部である。案内実行部13は、判定部12が案内判定を実行すると判定した場合に、減速案内を行う。本実施形態では、案内実行部13は、判定部12が案内判定を実行すると判定した場合に減速案内を開始し、判定部12が案内判定を中止又は終了すると判定するまでの間、減速案内を継続して実行する。図1に示すように、案内実行部13は、対象車両1に備えられた案内装置23を用いて、対象車両1の乗員に対する減速案内を行う。例えば、対象車両1に備えられている表示装置を案内装置23として用い、案内実行部13が、減速案内として、当該表示装置に警告画像を表示させる表示処理を行う構成とすることができる。また、例えば、対象車両1に備えられている音声出力装置を案内装置23として用い、案内実行部13が、減速案内として、当該音声出力装置に警告音声を出力させる音声出力処理を行う構成とすることができる。これらの警告画像や警告音声の内容は、対象車両1の乗員(特に、運転者)に対して減速を促す内容とされる。案内実行部13が、これらの表示処理及び音声出力処理の双方を行う構成としても良い。

0027

2.判定部の構成
上述したように、判定部12は、減速案内地点Pの位置、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係を含む第一関係に基づき、減速案内を行うか否かの判定である案内判定を実行する。但し、判定部12は、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に前方車両2が存在する場合であって、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定した場合、第一関係に代えて、前方車両2による急減速の発生が予想される急減速予想地点Qの位置、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係を含む第二関係に基づき、案内判定を実行する。すなわち、判定部12は、基本的に第一関係に基づく案内判定を実行し、特定の条件が満たされる場合にのみ、第二関係に基づく案内判定を実行する。以下に述べるように、本実施形態に係る判定部12による判定では、第一高速側判定閾値T1H、第一低速側判定閾値T1L、第二高速側判定閾値T2H、第二低速側判定閾値T2L、及び第三判定閾値T3を含む複数の判定閾値が用いられる。例えば、これら複数の判定閾値が記憶装置22に記憶される構成とし、判定部12が記憶装置22を参照して、判定に必要な判定閾値を取得する構成とすることができる。また、これら複数の判定閾値の一部又は全てが、運転者の運転傾向路面状態時間帯天候等に応じて可変に設定される構成とすることもできる。

0028

2−1.第一関係に基づく案内判定
本実施形態では、判定部12は、第一関係に基づく案内判定では、対象車両1の速度V1が、対象車両1と減速案内地点Pとが近づくに従って小さく設定される第一高速側判定閾値T1Hを超えている場合に、減速案内を行うと判定する。なお、減速案内地点Pの位置、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係を含む第一関係は、減速案内地点Pの位置、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係とされ、又は、減速案内地点Pの位置、対象車両1の位置、対象車両1の速度V1、及び他の単数又は複数の指標(例えば、対象車両1の加速度等)の間の関係とされる。本実施形態では、第一高速側判定閾値T1Hが、「第一判定閾値」に相当すると共に、第一関係に基づき案内判定を実行する場合における「高速側判定閾値」に相当する。

0029

上記の「対象車両1と減速案内地点Pとが近づく」は、対象車両1と減速案内地点Pとが空間的に近づく場合と、対象車両1と減速案内地点Pとが時間的に近づく場合との双方を含む概念として用いている。ここで、「対象車両1と減速案内地点Pとが空間的に近づく」とは、対象車両1と減速案内地点Pとの間の距離が短くなることを意味する。また、「対象車両1と減速案内地点Pとが時間的に近づく」とは、現在の時刻から対象車両1が減速案内地点Pに到達する到達時刻t(P)までの時間(推定残り時間)が短くなることを意味する。対象車両1が減速案内地点Pに向かって走行している状況では、対象車両1の位置の減速案内地点P側への移動に伴い、対象車両1と減速案内地点Pとが空間的に近づくと共に、対象車両1と減速案内地点Pとが時間的に近づく。

0030

対象車両1と減速案内地点Pとの間の距離は、減速案内地点Pの位置の情報及び対象車両1の位置の情報に基づき導出することができる。図9に、対象車両1と減速案内地点Pとが空間的に近づくに従って小さくなるように設定される第一高速側判定閾値T1Hの一例を示す。図9における第一高速側判定閾値T1Hについての横軸は、対象車両1と減速案内地点Pとの間の距離であり、図9では、当該距離に比例するように設定される第一高速側判定閾値T1Hを例示している。また、図9には、対象車両1の速度V1の推移の一例を示しており、第一関係に基づく案内判定では、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えている距離に対応する期間において、判定部12により減速案内を行うと判定される。

0031

対象車両1と減速案内地点Pとが空間的に近づくに従って小さく設定される第一高速側判定閾値T1Hを用いて第一関係に基づく案内判定を行う場合、判定部12は、各時点での対象車両1と減速案内地点Pとの間の距離を、減速案内地点Pの位置及び対象車両1の位置(現在位置)から導出し、対象車両1と減速案内地点Pとの間の現在の距離に対応する第一高速側判定閾値T1Hと対象車両1の速度V1(現在の速度)とを比較する。そして、判定部12は、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えている場合に、減速判定を行うと判定する。

0032

一方、現在の時刻から対象車両1が減速案内地点Pに到達する到達時刻t(P)までの時間(推定残り時間)は、減速案内地点Pの位置の情報、対象車両1の位置の情報、及び対象車両1の速度V1の情報に基づき導出する(推定する)ことができる。図5に、対象車両1と減速案内地点Pとが時間的に近づくに従って小さくなるように設定される第一高速側判定閾値T1Hの一例を示す。図5における横軸は時間であり、図5では、推定残り時間に比例するように設定される第一高速側判定閾値T1Hを例示している。また、図5には、対象車両1の速度V1の推移の一例を示しており、第一関係に基づく案内判定では、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えている期間(図5に示す例では時刻t1〜t2)において、判定部12により減速案内を行うと判定される。

0033

対象車両1と減速案内地点Pとが時間的に近づくに従って小さく設定される第一高速側判定閾値T1Hを用いて第一関係に基づく案内判定を行う場合、判定部12は、各時点での現在の時刻から到達時刻t(P)までの推定残り時間を、少なくとも減速案内地点Pの位置、対象車両1の位置(現在位置)、及び対象車両1の速度V1(現在の速度)から導出する。なお、第一関係を、減速案内地点Pの位置、対象車両1の位置、対象車両1の速度V1、及び対象車両1の加速度の間の関係として、到達時刻t(P)の推定に際して対象車両1の加速度を考慮しても良い。なお、対象車両1の加速度は、例えば、情報取得部11が取得する対象車両1の速度V1の、時間変化に基づき導出された加速度とすることができる。また、情報取得部11が対象車両1の加速度の情報(例えば、加速度センサ検出情報)を取得する構成とすることもできる。そして、判定部12は、導出した推定残り時間に対応する第一高速側判定閾値T1Hと対象車両1の速度V1(現在の速度)とを比較し、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えている場合に、減速判定を行うと判定する。

0034

2−2.第二関係に基づく案内判定
本実施形態では、判定部12は、第二関係に基づく案内判定では、対象車両1の速度V1が、対象車両1と急減速予想地点Qとが近づくに従って小さく設定される第二高速側判定閾値T2Hを超えている場合に、減速案内を行うと判定する。なお、急減速予想地点Qの位置、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係を含む第二関係は、急減速予想地点Qの位置、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係とされ、又は、急減速予想地点Qの位置、対象車両1の位置、対象車両1の速度V1、及び他の単数又は複数の指標(例えば、対象車両1の加速度、対象車両1の速度V1と前方車両2の速度V2との差、前方車両2の急減速予想地点Qにおける予想減速度等)の間の関係とされる。後述するように、第二高速側判定閾値T2Hは、第一高速側判定閾値T1Hよりも小さい値に設定される。具体的には、急減速予想地点Qを終点(対象車両1の走行方向前方側の端部)とする区間内の各地点について、第二高速側判定閾値T2Hが第一高速側判定閾値T1Hよりも小さい値に設定され、或いは、対象車両1が急減速予想地点Qに到達するまでの各時点について、第二高速側判定閾値T2Hが第一高速側判定閾値T1Hよりも小さい値に設定される。本実施形態では、第二高速側判定閾値T2Hが、「第二判定閾値」に相当すると共に、第二関係に基づき案内判定を実行する場合における「高速側判定閾値」に相当する。

0035

上記の「対象車両1と急減速予想地点Qとが近づく」は、「対象車両1と減速案内地点Pとが近づく」と同様に、対象車両1と急減速予想地点Qとが空間的に近づく場合と、対象車両1と急減速予想地点Qとが時間的に近づく場合との双方を含む概念として用いている。すなわち、「対象車両1と急減速予想地点Qとが空間的に近づく」とは、対象車両1と急減速予想地点Qとの間の距離が短くなることを意味する。また、「対象車両1と急減速予想地点Qとが時間的に近づく」とは、現在の時刻から対象車両1が急減速予想地点Qに到達する到達時刻t(Q)までの時間(推定残り時間)が短くなることを意味する。

0036

対象車両1と急減速予想地点Qとの間の距離は、急減速予想地点Qの位置の情報及び対象車両1の位置の情報に基づき導出することができる。図9に、対象車両1と急減速予想地点Qとが空間的に近づくに従って小さくなるように設定される第二高速側判定閾値T2Hの一例を示す。なお、上述したように、図9における第一高速側判定閾値T1Hについての横軸は、対象車両1と減速案内地点Pとの間の距離であるが、図9における第二高速側判定閾値T2Hについての横軸は、対象車両1と急減速予想地点Qとの間の距離である。そして、第二関係に基づく案内判定では、対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hを超えている距離に対応する期間において、判定部12により減速案内を行うと判定される。

0037

図9では、対象車両1と急減速予想地点Qとの間の距離に比例するように設定される第二高速側判定閾値T2Hを例示している。また、図9では、同一の値の距離(第一高速側判定閾値T1Hについては対象車両1と減速案内地点Pとの間の距離、第二高速側判定閾値T2Hについては対象車両1と急減速予想地点Qとの間の距離)に対して、第一高速側判定閾値T1Hと第二高速側判定閾値T2Hとが互いに同一の値に設定される場合を例として示している。なお、急減速予想地点Qは、減速案内地点Pに対して対象車両1の進行方向後方側に設定されるため、急減速予想地点Qを終点とする区間内の各地点(各位置)について、急減速予想地点Qまでの距離は、減速案内地点Pまでの距離よりも短い。よって、図9に示す例のように、同一の値の距離に対して第一高速側判定閾値T1Hと第二高速側判定閾値T2Hとを互いに同一の値に設定する場合でも、急減速予想地点Qを終点とする区間内の各地点について設定される第二高速側判定閾値T2Hは、同一の地点について設定される第一高速側判定閾値T1Hよりも小さい値となる。本実施形態では、このように、第二高速側判定閾値T2Hを、第一高速側判定閾値T1Hよりも小さい値に設定する。なお、同一の地点について設定される第一高速側判定閾値T1Hと第二高速側判定閾値T2Hとの間の関係が、第一高速側判定閾値T1Hよりも第二高速側判定閾値T2Hが小さくなるという条件を満たすのであれば、同一の値の距離に対して第一高速側判定閾値T1Hと第二高速側判定閾値T2Hとを互いに異なる値に設定することも可能である。

0038

対象車両1と急減速予想地点Qとが空間的に近づくに従って小さくなるように設定される第二高速側判定閾値T2Hを用いて第二関係に基づく案内判定を行う場合、判定部12は、各時点での対象車両1と急減速予想地点Qとの間の距離を、急減速予想地点Qの位置及び対象車両1の位置(現在位置)から導出し、対象車両1と急減速予想地点Qとの間の現在の距離に対応する第二高速側判定閾値T2Hと対象車両1の速度V1(現在の速度)とを比較する。そして、判定部12は、対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hを超えている場合に、減速判定を行うと判定する。

0039

一方、現在の時刻から対象車両1が急減速予想地点Qに到達する到達時刻t(Q)までの時間(推定残り時間)は、急減速予想地点Qの位置の情報、対象車両1の位置の情報、及び対象車両1の速度V1の情報に基づき導出する(推定する)ことができる。図8に、対象車両1と急減速予想地点Qとが時間的に近づくに従って小さくなるように設定される第二高速側判定閾値T2Hの一例を示す。また、図8には、対象車両1の速度V1の推移の一例を示しており、第二関係に基づく案内判定では、対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hを超えている期間(図8に示す例では時刻t31〜t32)において、判定部12により減速案内を行うと判定される。

0040

図8では、推定残り時間に比例するように設定される第二高速側判定閾値T2Hを例示している。また、図8では、同一の値の推定残り時間(第一高速側判定閾値T1Hについては現在の時刻から到達時刻t(P)までの時間、第二高速側判定閾値T2Hについては現在の時刻から到達時刻t(Q)までの時間)に対して、第二高速側判定閾値T2Hが第一高速側判定閾値T1Hと同一の値に設定される場合を例として示している。なお、急減速予想地点Qは、減速案内地点Pに対して対象車両1の進行方向後方側に設定されるため、各時点について、急減速予想地点Qへの到達時刻t(Q)までの時間は、減速案内地点Pへの到達時刻t(P)までの時間よりも短い。よって、同一の値の推定残り時間に対して第一高速側判定閾値T1Hと第二高速側判定閾値T2Hとを互いに同一の値に設定する場合、図8に示すように、各時点での第二高速側判定閾値T2Hの値は、(t(P)−t(Q))の時間だけ後の時点における第一高速側判定閾値T1Hの値と等しくなる。よって、図8に示すように、同一の値の推定残り時間に対して第一高速側判定閾値T1Hと第二高速側判定閾値T2Hとを互いに同一の値に設定する場合でも、対象車両1が急減速予想地点Qに到達するまでの各時点について設定される第二高速側判定閾値T2Hは、同一の時点について設定される第一高速側判定閾値T1Hよりも小さい値となる。本実施形態では、このように、第二高速側判定閾値T2Hを、第一高速側判定閾値T1Hよりも小さい値に設定する。なお、同一の時点について設定される第一高速側判定閾値T1Hと第二高速側判定閾値T2Hとの間の関係が、第一高速側判定閾値T1Hよりも第二高速側判定閾値T2Hが小さくなるという条件を満たすのであれば、同一の値の推定残り時間に対して第一高速側判定閾値T1Hと第二高速側判定閾値T2Hとを互いに異なる値に設定することも可能である。

0041

対象車両1と急減速予想地点Qとが時間的に近づくに従って小さく設定される第二高速側判定閾値T2Hを用いて第二関係に基づく案内判定を行う場合、判定部12は、各時点での現在の時刻から到達時刻t(Q)までの推定残り時間を、少なくとも急減速予想地点Qの位置、対象車両1の位置(現在位置)、及び対象車両1の速度V1(現在の速度)から導出する。なお、第二関係を、急減速予想地点Qの位置、対象車両1の位置、対象車両1の速度V1、及び対象車両1の加速度の間の関係として、到達時刻t(Q)の推定に際して対象車両1の加速度を考慮しても良い。そして、判定部12は、導出した推定残り時間に対応する第二高速側判定閾値T2Hと対象車両1の速度V1(現在の速度)とを比較し、対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hを超えている場合に、減速判定を行うと判定する。

0042

2−3.減速案内の中止判定
上記のように、判定部12は、第一関係に基づく案内判定では、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えている場合に、減速案内を行うと判定する。また、判定部12は、第二関係に基づく案内判定では、対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hを超えている場合に、減速案内を行うと判定する。本実施形態に係る判定部12は、更に以下のように構成されている。

0043

すなわち、判定部12は、対象車両1の速度V1が、対象車両1と基準地点とが近づくに従って小さく設定される高速側判定閾値よりも高い場合には、減速案内を行うと判定すると共に、対象車両1の速度V1が、対象車両1と基準地点とが近づくに従って小さく設定される閾値であって、高速側判定閾値よりも小さい値に設定される低速側判定閾値よりも低い場合には、減速案内を行わないと判定する。ここで、第一関係に基づき案内判定を実行する場合には、「基準地点」は減速案内地点Pであり、「高速側判定閾値」は「第一高速側判定閾値T1H」であり、「低速側判定閾値」は「第一低速側判定閾値T1L」である。また、第二関係に基づき案内判定を実行する場合には、「基準地点」は急減速予想地点Qであり、「高速側判定閾値」は「第二高速側判定閾値T2H」であり、「低速側判定閾値」は「第二低速側判定閾値T2L」である。

0044

対象車両1と基準地点とが空間的に近づくに従って小さくなるように設定される高速側判定閾値及び低速側判定閾値を用いて案内判定を行う場合、基準地点を終点とする区間内の各地点について、低速側判定閾値が高速側判定閾値よりも小さい値に設定される。例えば、低速側判定閾値と高速側判定閾値との差が、基準地点を終点とする区間内の各地点について互いに同一となる構成とすることができる。また、対象車両1と基準地点とが時間的に近づくに従って小さくなるように設定される高速側判定閾値及び低速側判定閾値を用いて案内判定を行う場合、対象車両1が基準地点に到達するまでの各時点について、低速側判定閾値が高速側判定閾値よりも小さい値に設定される。例えば、低速側判定閾値と高速側判定閾値との差が、対象車両1が基準地点に到達するまでの各時点について互いに同一となる構成とすることができる。

0045

また、判定部12は、対象車両1の速度V1が高速側判定閾値よりも高く減速案内が行われている状態から、対象車両1の速度V1が高速側判定閾値以下であって低速側判定閾値以上である状態(以下、「中間状態」という。)に移行した場合に、対象車両1の減速度に基づき、対象車両1が基準地点に到達するまでの間に対象車両1の速度V1が低速側判定閾値よりも低くなるか否かを判定する。なお、本実施形態では、判定部12は、対象車両1の速度V1が低速側判定閾値より低くなるまで対象車両1の現在の減速度が維持されると仮定してこの判定を行う。以下では、対象車両1が基準地点に到達するまでの間に対象車両1の速度V1が低速側判定閾値よりも低くなると判定されるような減速度を「特定減速度」とし、対象車両1の減速度が特定減速度である状態を「特定減速状態」とする。なお、対象車両1の減速度は、例えば、情報取得部11が取得する対象車両1の速度V1の、時間変化に基づき導出された減速度とすることができる。また、情報取得部11が対象車両1の減速度の情報(例えば、加速度センサの検出情報)を取得する構成とすることもできる。

0046

そして、判定部12は、中間状態であって、対象車両1が基準地点に到達するまでの間に対象車両1の速度V1が低速側判定閾値よりも低くなると判定している状態が、予め定められた時間(以下、「中止判定時間S」とする。)以上継続していることを条件として、減速案内を中止すると判定する。なお、中間状態であって、対象車両1が基準地点に到達するまでの間に対象車両1の速度V1が低速側判定閾値よりも低くなると判定している状態は、「中間状態であり且つ特定減速状態である」状態である。

0047

図5図8を参照して、減速案内を中止するタイミングについての具体例について説明する。なお、図5図7は、対象車両1が減速案内地点Pに到達するまでの間、第一関係に基づく案内判定が実行される状況を想定した具体例である。一方、図8は、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定された結果、対象車両1が急減速予想地点Qに到達するまでの間、第二関係に基づく案内判定が実行される状況を想定した具体例である。

0048

図5に示す例では、時刻t1以前では、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1H以下であるため、減速案内は実行されていない。そして、時刻t1において対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えると、判定部12により減速案内を行うと判定される。これにより、時刻t1において減速案内が開始される。その後、対象車両1の速度V1が低下し、時刻t2において対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1H以下となる。すなわち、時刻t2において、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hよりも高く減速案内が行われている状態から、中間状態に移行する。そして、時刻t2における対象車両1の減速度は上記特定減速度であり、時刻t2から中止判定時間Sの経過後の時刻t3までの間、中間状態であり且つ上記特定減速状態である状態が維持されている。そのため、対象車両1の速度V1が第一低速側判定閾値T1Lよりも低くなる時刻t4よりも前の時点ではあるが、時刻t3において判定部12により減速案内を中止すると判定される。これにより、時刻t3において減速案内が中止される。そして、時刻t3以降は、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えることはなく、減速案内を中止したまま時刻t(P)において対象車両1が減速案内地点Pに到達する。

0049

図6に示す例では、時刻t10において減速案内が開始される。そして、時刻t11において、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hよりも高く減速案内が行われている状態から、中間状態に移行する。本例でも、図5に示す例と同様に、中間状態に移行した時点(時刻t11)での対象車両1の減速度は特定減速度であるが、本例では、時刻t11から中止判定時間Sの経過後の時刻t13よりも前の時刻t12において、対象車両1の速度V1が第一低速側判定閾値T1Lよりも低くなる。よって、時刻t12において判定部12により減速案内を中止すると判定され、これにより、時刻t12において減速案内が中止される。そして、時刻t12以降は、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えることはなく、減速案内を中止したまま時刻t(P)において対象車両1が減速案内地点Pに到達する。

0050

図7に示す例では、時刻t20において減速案内が開始される。そして、時刻t21において、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hよりも高く減速案内が行われている状態から、中間状態に移行する。本例では、図5図6に示す例とは異なり、中間状態に移行した時点(時刻t21)での対象車両1の減速度は、図7において二点鎖線で示すように、特定減速度ではない。すなわち、時刻t21での対象車両1の減速度では、対象車両1が基準地点に到達するまでの間に対象車両1の速度V1が低速側判定閾値よりも低くなるとは判定されない。その後、時刻t22において対象車両1の減速度が大きくなり、時刻t22での対象車両1の減速度は特定減速度である。そして、時刻t22から中止判定時間Sの経過後の時刻t23までの間、中間状態であり且つ特定減速状態である状態が維持されている。そのため、対象車両1の速度V1が第一低速側判定閾値T1Lよりも低くなる時刻t24よりも前の時点ではあるが、時刻t23において判定部12により減速案内を中止すると判定される。これにより、時刻t23において減速案内が中止される。そして、時刻t23以降は、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えることはなく、減速案内を中止したまま時刻t(P)において対象車両1が減速案内地点Pに到達する。

0051

図8に示す例では、時刻t30において、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に存在する前方車両2が、減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定される。なお、この判定については、後の「2−4.第三関係に基づく急減速判定及び急減速予想地点の設定」の項で説明する。なお、前方車両2は対象車両1の前方を走行しているため、図8における上側に示す前方車両2についてのグラフの横軸の時間は、図8における下側に示す対象車両1についてのグラフの横軸の時間とは異なるが、図8では対象車両1と前方車両2との比較を容易とすべく、対象車両1についての到達時刻t(P)及び到達時刻t(Q)が、それぞれ前方車両2についての到達時刻t(P)及び到達時刻t(Q)と一致するように2つのグラフを上下に並べて示している。

0052

図8に示す例では、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に存在する前方車両2が、減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定された結果、第二関係に基づく案内判定が実行される。具体的には、時刻t31以前では、対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2H以下であるため、減速案内は実行されていない。そして、時刻t31において対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hを超えると、判定部12により減速案内を行うと判定される。これにより、時刻t31において減速案内が開始される。その後、対象車両1の速度V1が低下し、時刻t32において対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2H以下となる。すなわち、時刻t32において、対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hよりも高く減速案内が行われている状態から、中間状態に移行する。そして、時刻t32における対象車両1の減速度は特定減速度であり、時刻t32から中止判定時間Sの経過後の時刻t33までの間、中間状態であり且つ特定減速状態である状態が維持されている。そのため、対象車両1の速度V1が第二低速側判定閾値T2Lよりも低くなる時刻t34よりも前の時点ではあるが、時刻t33において判定部12により減速案内を中止すると判定される。これにより、時刻t33において減速案内が中止される。そして、時刻t33以降は、対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hを超えることはなく、減速案内を中止したまま時刻t(Q)において対象車両1が急減速予想地点Qに到達する。

0053

図8から明らかなように、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に存在する前方車両2が、減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定された場合に、第一関係に基づく案内判定から第二関係に基づく案内判定に切り替えることで、減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性がある前方車両2の存在を考慮したタイミングで、減速案内を開始することが可能となる。図8に示す例では、対象車両1が減速案内地点Pに到達するまでの間、対象車両1の速度V1は第一高速側判定閾値T1Hを超えないため、仮に第一関係に基づく案内判定から第二関係に基づく案内判定への切り替えを行わない場合には、減速案内が行われないまま対象車両1が減速案内地点Pに到達することになる。これに対して、第一関係に基づく案内判定から第二関係に基づく案内判定に切り替えることで、減速案内の基準となる基準地点を、減速案内地点Pから急減速予想地点Qに切り替えることができる。この結果、対象車両1への基準地点の空間的或いは時間的な接近に応じて高速側判定閾値や低速側判定閾値を低下させることができ、前方車両2を考慮した適切なタイミングで減速案内を開始することができる。そして、図9に示すように、同一の値の距離に対して第一高速側判定閾値T1Hと第二高速側判定閾値T2Hとを互いに同一の値に設定する場合や、図8に示すように、同一の値の推定残り時間に対して第一高速側判定閾値T1Hと第二高速側判定閾値T2Hとを互いに同一の値に設定する場合には、急減速予想地点Qが減速案内地点Pである場合と同様の減速案内処理が実行される。

0054

2−4.第三関係に基づく急減速判定及び急減速予想地点の設定
上述したように、判定部12は、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に前方車両2が存在する場合に、減速案内地点Pの位置、前方車両2の位置、及び前方車両2の速度V2の間の関係を含む第三関係に基づき、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性の有無を判定する。以下、この判定を「急減速判定」という。本実施形態では、判定部12は、前方車両2の速度V2が、前方車両2と減速案内地点Pとが近づくに従って小さく設定される第三判定閾値T3を超えている場合に、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定する。図8に示す例では、時刻t30において、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定される。

0055

例えば、前方車両2と減速案内地点Pとが空間的に近づくに従って小さく設定される第三判定閾値T3を用いて第三関係に基づく急減速判定を行う場合、判定部12は、各時点での前方車両2と減速案内地点Pとの間の距離を、減速案内地点Pの位置及び前方車両2の位置(現在位置)から導出し、前方車両2と減速案内地点Pとの間の現在の距離に対応する第三判定閾値T3と前方車両2の速度V2(現在の速度)とを比較する。そして、判定部12は、前方車両2の速度V2が第三判定閾値T3を超えている場合に、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定する。

0056

また、前方車両2と減速案内地点Pとが時間的に近づくに従って小さく設定される第三判定閾値T3を用いて第三関係に基づく急減速判定を行う場合、判定部12は、各時点での現在の時刻から到達時刻t(P)(ここでは、前方車両2が減速案内地点Pに到達する到達時刻)までの推定残り時間を、少なくとも減速案内地点Pの位置、前方車両2の位置(現在位置)、及び前方車両2の速度V2(現在の速度)から導出する。なお、第三関係を、減速案内地点Pの位置、前方車両2の位置、前方車両2の速度V2、及び前方車両2の加速度の間の関係として、到達時刻t(P)の推定に際して前方車両2の加速度を考慮しても良い。そして、判定部12は、導出した推定残り時間に対応する第三判定閾値T3と前方車両2の速度V2(現在の速度)とを比較し、前方車両2の速度V2が第三判定閾値T3を超えている場合に、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定する。

0057

なお、第三判定閾値T3は、例えば、第一高速側判定閾値T1Hと同一の値に設定することができる。このように第三判定閾値T3を設定した場合、前方車両2の走行状態が、仮に前方車両2が対象車両1であった場合に減速案内が行われるような走行状態である場合に、前方車両2が減速案内地点Pに到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定される構成となる。

0058

そして、本実施形態では、判定部12は、減速案内地点Pに設定された安全速度Vsまで前方車両2が減速するために必要な走行距離である減速距離Dを、前方車両2の速度V2に少なくとも基づいて導出し、減速案内地点Pまでの距離が減速距離D以下となる区間内の地点(例えば、当該区間の始点)を、急減速予想地点Qに設定する。安全速度Vsは、減速案内地点Pを始点(対象車両1の走行方向後方側の端部)とする区間(例えば、カーブ区間)を安全に走行するための速度の上限である。安全速度Vsは、例えば、当該区間の制限速度に設定することができる。そして、減速距離Dは、例えば、図4に示すような制動距離と速度(車速)との関係を規定したマップを参照して、速度V2に対応する制動距離から安全速度Vsに対応する制動距離を減算した距離を減速距離Dとして導出する構成とすることができる。なお、このように導出される減速距離Dに所定値加減算した値(例えば、運転者が減速の必要性を感じてからブレーキが効き始めるまでの空走距離加算した値)を最終的な減速距離Dとしても良い。また、判定部12が、前方車両2の速度に加えて他の要素にも基づいて、減速距離Dを導出する構成とすることもできる。例えば、大型自動車中型自動車、普通自動車の区分等の、制動距離の長さに応じた車両の区分を考慮して、前方車両2の速度V2と、前方車両2が分類される区分とに基づいて、減速距離Dが導出される構成とすることができる。この場合、図4に示すようなマップが区分毎に備えられる構成とすることができる。なお、前方車両2の速度以外の要素として、上記区分以外に、路面状態、天候等を例示することができる。

0059

3.動作処理の手順
図10図14を参照して、本実施形態に係る減速案内システム10により実行される減速案内処理の手順について説明する。以下に述べる各ステップは、減速案内システム10が備える演算処理装置によって実行される。

0060

図10に示すように、判定部12は、対象車両1が減速案内地点Pに接近していると判定すると(ステップ#01:Yes)、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に前方車両2が存在するか否かを判定する(ステップ#02)。そして、判定部12は、前方車両2が存在しないと判定した場合には(ステップ#02:No)、第一判定処理を実行し(ステップ#03)、前方車両2が存在すると判定した場合には(ステップ#02:Yes)、第二判定処理を実行する(ステップ#04)。なお、ステップ#01の判定では、例えば、対象車両1の現在位置から減速案内地点Pまでの距離が予め定められた接近距離以下となった場合に、対象車両1が減速案内地点Pに接近していると判定される。

0061

次に、図10におけるステップ#03の第一判定処理について、図11を参照して説明する。なお、第一判定処理は、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に前方車両2が存在しない場合に実行される。よって、第一判定処理では、第一判定処理が終了されるまで、第一関係に基づく案内判定が実行される。判定部12は、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えているか否かの判定を行う(ステップ#10)。対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えていないと判定された場合(ステップ#10:No)、ステップ#10の判定は、対象車両1が減速案内地点Pに到達するまでの間(ステップ#11:No)、繰り返し実行される。そして、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えることなく対象車両1が減速案内地点Pに到達した場合には(ステップ#11:Yes)、減速案内が行われることなく第一判定処理が終了される。

0062

一方、対象車両1が減速案内地点Pに到達するまでの間に対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えた場合には(ステップ#10:Yes)、判定部12は減速案内を行うと判定し、案内実行部13により減速案内が開始される(ステップ#12)。案内実行部13は、第一中止判定処理(ステップ#13)により減速案内を中止すると判定されておらず(ステップ#14:No)、且つ、対象車両1が減速案内地点Pに到達していないことを条件に(ステップ#16:No)、減速案内を継続して実行する。第一中止判定処理(ステップ#13)は、対象車両1が減速案内地点Pに到達していないことを条件に(ステップ#16:No)繰り返し実行される。そして、減速案内を中止するとの判定がなされずに対象車両1が減速案内地点Pに到達した場合には(ステップ#16:Yes)、案内実行部13による減速案内が終了されて(ステップ#17)、第一判定処理が終了される。一方、対象車両1が減速案内地点Pに到達するまでの間に第一中止判定処理(ステップ#13)により減速案内を中止すると判定された場合には(ステップ#14:Yes)、案内実行部13による減速案内が中止されて(ステップ#15)、処理はステップ#11に進められる。その後、対象車両1が減速案内地点Pに到達するまでの間に対象車両1の速度V1が再度第一高速側判定閾値T1Hを超えなければ、再度の減速案内は行われずに第一判定処理は終了される。一方、対象車両1が減速案内地点Pに到達するまでの間に対象車両1の速度V1が再度第一高速側判定閾値T1Hを超えた場合には(ステップ#10:Yes)、再度の減速案内が開始される(ステップ#12)。

0063

次に、図10におけるステップ#04の第二判定処理について、図12を参照して説明する。なお、第二判定処理は、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に前方車両2が存在する場合に実行される。そして、第二判定処理では、前方車両2の速度V2が第三判定閾値T3を超えるまでの間は、第一関係に基づく案内判定が実行され、前方車両2の速度V2が第三判定閾値T3を超えた場合には、その後は第二関係に基づく案内判定が実行される。判定部12は、前方車両2の速度V2が第三判定閾値T3を超えているか否かの判定を行う(ステップ#20)。前方車両2の速度V2が第三判定閾値T3を超えていないと判定された場合(ステップ#20:No)、ステップ#21〜#29で、第一判定処理(図11参照)と基本的に同様に、第一関係に基づく案内判定が実行される。

0064

第一判定処理と異なる点は、第二判定処理では、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えていないと判定された場合(ステップ#21:No)、ステップ#20で肯定的な判定がなされず且つステップ#21で肯定的な判定がなされないことを条件に、ステップ#20及びステップ#21の判定が、対象車両1が減速案内地点Pに到達するまでの間(ステップ#22:No)、繰り返し実行される点である。また、第二判定処理では、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えることで(ステップ#21:Yes)減速案内が開始された場合に(ステップ#23)、ステップ#20と同様の前方車両2の速度V2が第三判定閾値T3を超えているか否かの判定(ステップ#24)が、第一中止判定処理(ステップ#25)により減速案内を中止すると判定されておらず(ステップ#26:No)、且つ、対象車両1が減速案内地点Pに到達していないことを条件に(ステップ#28:No)繰り返し実行される点も、第一判定処理とは異なる。

0065

すなわち、第二判定処理では、ステップ#20やステップ#24で前方車両2の速度V2が第三判定閾値T3を超えていると判定されない限り、第一判定処理と同様の処理が実行される。そして、ステップ#20或いはステップ#24で前方車両2の速度V2が第三判定閾値T3を超えたと判定されると(ステップ#20:Yes、ステップ#24:Yes)、ステップ#30〜#37で第二関係に基づく案内判定が行われる。具体的には、ステップ#20で肯定的な判定がなされて第二関係に基づく案内判定が開始される場合、判定部12は、対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hを超えているか否かの判定を行う(ステップ#30)。対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hを超えていないと判定された場合(ステップ#30:No)、ステップ#30の判定は、対象車両1が急減速予想地点Qに到達するまでの間(ステップ#31:No)、繰り返し実行される。そして、対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hを超えることなく対象車両1が急減速予想地点Qに到達した場合には(ステップ#31:Yes)、第二関係に基づく案内判定に応じた減速案内が行われることなく第二判定処理が終了される。

0066

一方、対象車両1が急減速予想地点Qに到達するまでの間に対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hを超えた場合には(ステップ#30:Yes)、判定部12は減速案内を行うと判定し、案内実行部13により減速案内が開始される(ステップ#32)。案内実行部13は、第二中止判定処理(ステップ#33)により減速案内を中止すると判定されておらず(ステップ#34:No)、且つ、対象車両1が急減速予想地点Qに到達していないことを条件に(ステップ#36:No)、減速案内を継続して実行する。第二中止判定処理(ステップ#33)は、対象車両1が減速案内地点Pに到達していないことを条件に(ステップ#36:No)繰り返し実行される。なお、ステップ#24で肯定的な判定がなされて第二関係に基づく案内判定が開始される場合、処理はステップ#33に進められる。そして、減速案内を中止するとの判定がなされずに対象車両1が急減速予想地点Qに到達した場合には(ステップ#36:Yes)、案内実行部13による減速案内が終了されて(ステップ#37)、第二判定処理が終了される。一方、対象車両1が急減速予想地点Qに到達するまでの間に第二中止判定処理(ステップ#33)により減速案内を中止すると判定された場合には(ステップ#34:Yes)、案内実行部13による減速案内が中止されて(ステップ#35)、処理はステップ#31に進められる。その後、対象車両1が急減速予想地点Qに到達するまでの間に対象車両1の速度V1が再度第二高速側判定閾値T2Hを超えなければ、再度の減速案内は行われずに第二判定処理は終了される。一方、対象車両1が急減速予想地点Qに到達するまでの間に対象車両1の速度V1が再度第二高速側判定閾値T2Hを超えた場合には(ステップ#30:Yes)、再度の減速案内が開始される(ステップ#32)。なお、ここでは、第二関係に基づく案内判定の実行中に対象車両1が急減速予想地点Qに到達した場合に(ステップ#31:Yes、ステップ#36:Yes)、処理が終了される場合を例として示したが、対象車両1が急減速予想地点Qに到達した場合に、処理を第一判定処理のステップ#10(図11参照)に進め、対象車両1が減速案内地点Pに到達するまでの間、第一関係に基づく案内判定が実行される構成とすることもできる。

0067

次に、図11におけるステップ#13及び図12におけるステップ#25の第一中止判定処理について、図13を参照して説明する。判定部12は、対象車両1の速度V1が第一低速側判定閾値T1Lよりも低いか否かの判定を行う(ステップ#40)。そして、対象車両1の速度V1が第一低速側判定閾値T1Lよりも低い場合には(ステップ#40:Yes)、判定部12は、減速案内を中止すると判定し(ステップ#41)、第一中止判定処理が終了される。一方、対象車両1の速度V1が第一低速側判定閾値T1Lよりも低くない場合には(ステップ#40:No)、判定部12は、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1H以下であるか否かの判定、すなわち、中間状態に移行したか否かの判定を行う(ステップ#42)。そして、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1H以下である場合には(ステップ#42:Yes)、対象車両1の減速度が特定減速度(対象車両1が基準地点に到達するまでの間に対象車両1の速度V1が低速側判定閾値よりも低くなる減速度)である特定減速状態であるか否かの判定を行い(ステップ#43)、特定減速状態であり(ステップ#43:Yes)且つ特定減速状態が中止判定時間S以上継続している場合には(ステップ#44:Yes)、判定部12は減速案内を中止すると判定し(ステップ#41)、第一中止判定処理が終了される。一方、ステップ#42の判定、ステップ#43の判定、或いはステップ#44の判定のいずれかで否定的な判定がなされた場合には、減速案内を中止すると判定することなく第一中止判定処理が終了される。

0068

最後に、図12におけるステップ#33の第二中止判定処理を、図14に示す。図14図13と比較すると明らかなように、第一低速側判定閾値T1Lに代えて第二低速側判定閾値T2Lを用いる点と、第一高速側判定閾値T1Hに代えて第二高速側判定閾値T2Hを用いる点を除けば、第二中止判定処理は第一中止判定処理と同様の処理である。

0069

4.その他の実施形態
減速判定システムのその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。

0070

(1)上記の実施形態では、判定部12が、対象車両1の速度V1が高速側判定閾値よりも高く減速案内が行われている状態から中間状態に移行した場合に、中間状態であって、対象車両1が基準地点に到達するまでの間に対象車両1の速度V1が低速側判定閾値よりも低くなると判定している状態が、予め定められた時間以上継続していることを条件として、減速案内を中止すると判定する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、上記の状態が予め定められた時間以上継続していることを条件としない構成とすることも可能である。すなわち、判定部12が、対象車両1の速度V1が高速側判定閾値よりも高く減速案内が行われている状態から中間状態に移行した場合であって、対象車両1の減速度に基づき、対象車両1が基準地点に到達するまでの間に対象車両1の速度V1が低速側判定閾値よりも低くなると判定した場合に、減速案内を中止すると判定する構成とすることができる。また、対象車両1が基準地点に到達するまでの間に対象車両1の速度V1が低速側判定閾値よりも低くなるか否かを考慮せず、判定部12が、対象車両1の速度V1が高速側判定閾値よりも高く減速案内が行われている状態から中間状態に移行した場合に、中間状態が予め定められた時間以上継続していることを条件として減速案内を中止すると判定する構成とすることもできる。

0071

(2)上記の実施形態では、判定部12が、第一関係に基づく案内判定において、第一高速側判定閾値T1Hに加えて第一低速側判定閾値T1Lを用いると共に、第二関係に基づく案内判定において、第二高速側判定閾値T2Hに加えて第二低速側判定閾値T2Lを用いる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、判定部12が、第一関係に基づく案内判定では、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1Hを超えている場合に、減速案内を行うと判定すると共に、対象車両1の速度V1が第一高速側判定閾値T1H以下である場合に、減速案内を行わないと判定し、第二関係に基づく案内判定では、対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2Hを超えている場合に、減速案内を行うと判定すると共に、対象車両1の速度V1が第二高速側判定閾値T2H以下である場合に、減速案内を行わないと判定する構成とすることもできる。

0072

(3)上記の実施形態では、判定部12が、減速距離Dを導出すると共に、減速案内地点Pまでの距離が減速距離D以下となる区間内の地点を、急減速予想地点Qに設定する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、判定部12が、減速距離Dを導出することなく急減速予想地点Qを設定する構成とすることもできる。例えば、判定部12が、前方車両2の状態を考慮することなく予め定められた一定の距離だけ減速案内地点Pよりも手前(対象車両1の進行方向後方側)の地点を急減速予想地点Qに設定する構成とすることができる。また、例えば、速度(車速)と安全速度Vsとの差に応じた複数の区分毎に、速度が高くなるに従って長くなる移動距離を予め設定しておき、判定部12が、前方車両2の速度V2が分類される区分に設定された移動距離だけ減速案内地点Pよりも手前の地点を、急減速予想地点Qに設定する構成とすることもできる。

0073

(4)上記の実施形態では、第一高速側判定閾値T1H及び第一低速側判定閾値T1Lの双方が、対象車両1と減速案内地点Pとが近づくに従って小さく設定され、第二高速側判定閾値T2H及び第二低速側判定閾値T2Lの双方が、対象車両1と急減速予想地点Qとが近づくに従って小さく設定され、第三判定閾値T3が、前方車両2と減速案内地点Pとが近づくに従って小さく設定される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第一高速側判定閾値T1H及び第一低速側判定閾値T1Lの少なくとも一方の判定閾値が、対象車両1と減速案内地点Pとが近づいても変化しない固定値に設定される構成、第二高速側判定閾値T2H及び第二低速側判定閾値T2Lの少なくとも一方の判定閾値が、対象車両1と急減速予想地点Qとが近づいても変化しない固定値に設定される構成、第三判定閾値T3が、前方車両2と減速案内地点Pとが近づいても変化しない固定値に設定される構成等とすることもできる。

0074

(5)上記の実施形態では、減速案内地点Pの位置、対象車両1の位置、及び対象車両1の速度V1の間の関係を含む第一関係における、対象車両1の速度V1を絶対速度として説明したが、対象車両1の速度V1に代えて、対象車両1の速度V1と安全速度Vsとの差とすることもできる。同様に、第二関係における対象車両1の速度V1を、絶対速度ではなく、対象車両1の速度V1と安全速度Vsとの差とすることができる。また、第三関係における前方車両2の速度V2を、絶対速度ではなく、前方車両2の速度V2と安全速度Vsとの差とすることができる。他の説明における対象車両1の速度V1を、対象車両1の速度V1と安全速度Vsとの差に置き換えることや、他の説明における前方車両2の速度V2を、前方車両2の速度V2と安全速度Vsとの差に置き換えることも可能である。

0075

(6)上記の実施形態では、前方車両2を、対象車両1の前方において対象車両1と同一の車線を走行する車両に限定する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、走行中の車線を考慮せず、対象車両1の前方を走行する全ての車両を前方車両2としても良い。

0076

(7)上記の実施形態では、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に複数台の前方車両2が存在する場合、当該複数台の前方車両2の中で最も対象車両1に近い前方車両2を、特定前方車両として選択する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、対象車両1から減速案内地点Pまでの区間内に存在する複数台の前方車両2の中で最も走行速度の高い前方車両2を、特定前方車両として選択する構成とすることができる。

0077

(8)上記の実施形態で示した減速案内システム10の各機能部の割り当ては単なる一例であり、複数の機能部を組み合わせたり、1つの機能部を更に区分けしたりすることも可能である。

0078

(9)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎないと理解されるべきである。従って、当業者は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。

0079

5.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した減速案内システムの概要について説明する。

0080

減速案内の対象地点である減速案内地点(P)への対象車両(1)の接近に応じて、前記対象車両(1)の乗員に対して減速案内を行う減速案内システム(10)は、前記減速案内地点(P)の位置の情報、前記対象車両(1)の位置の情報、及び前記対象車両(1)の速度(V1)の情報を取得する情報取得部(11)と、前記減速案内地点(P)の位置、前記対象車両(1)の位置、及び前記対象車両(1)の速度(V1)の間の関係を含む第一関係に基づき、減速案内を行うか否かの判定である案内判定を実行する判定部(12)と、を備え、前記対象車両(1)の前方を走行する車両を前方車両(2)として、前記情報取得部(11)は、前記対象車両(1)から前記減速案内地点(P)までの区間内に前記前方車両(2)が存在する場合に、前記前方車両(2)の位置の情報と、前記前方車両(2)の速度(V2)の情報とを取得し、前記判定部(12)は、前記前方車両(2)が存在する場合に、前記減速案内地点(P)の位置、前記前方車両(2)の位置、及び前記前方車両(2)の速度(V2)の間の関係を含む第三関係に基づき、予め定められた減速度以上の減速である急減速を前記前方車両(2)が前記減速案内地点(P)に到達するまでの間に行う可能性の有無を判定し、前記前方車両(2)が前記減速案内地点(P)に到達するまでの間に前記急減速を行う可能性があると判定した場合、前記第一関係に代えて、前記前方車両(2)による前記急減速の発生が予想される急減速予想地点(Q)の位置、前記対象車両(1)の位置、及び前記対象車両(1)の速度(V1)の間の関係を含む第二関係に基づき、前記案内判定を実行する。

0081

この構成によれば、対象車両(1)から減速案内地点(P)までの区間内に前方車両(2)が存在する場合であって、当該前方車両(2)が減速案内地点(P)に到達するまでの間に急減速を行う可能性があると判定される場合には、第一関係に代えて第二関係に基づき、減速案内を行うか否かの判定である案内判定が実行される。そして、第一関係は、対象車両(1)の位置、対象車両(1)の速度、及び減速案内地点(P)の位置の間の関係を含むのに対して、第二関係は、対象車両(1)の位置、対象車両(1)の速度、及び前方車両(2)による急減速の発生が予想される急減速予想地点(Q)の位置の間の関係を含む。すなわち、第二関係に基づき案内判定を行うことで、前方車両(2)が実際に急減速を行う時点よりも早い時点(当該急減速の発生の可能性があると判定した時点)から当該前方車両(2)を考慮した案内判定を行うことが可能となると共に、案内判定に際して減速案内地点(P)の位置に代えて当該減速案内地点(P)よりも対象車両(1)に近い急減速予想地点(Q)の位置が考慮されることで、より手前の地点から当該前方車両(2)を考慮した案内判定を行うことが可能となる。よって、上記の構成によれば、対象車両(1)から減速案内地点(P)までの区間内に前方車両(2)が存在する場合でも、比較的早いタイミングで当該前方車両(2)を考慮した減速案内を行うことが可能となる。

0082

ここで、前記判定部(12)は、前記第一関係に基づく前記案内判定では、前記対象車両(1)の速度(V1)が、前記対象車両(1)と前記減速案内地点(P)とが近づくに従って小さく設定される第一判定閾値(T1H)を超えている場合に、減速案内を行うと判定し、前記第二関係に基づく前記案内判定では、前記対象車両(1)の速度(V1)が、前記対象車両(1)と前記急減速予想地点(Q)とが近づくに従って小さく設定される第二判定閾値(T2H)を超えている場合に、減速案内を行うと判定し、前記第二判定閾値(T2H)が前記第一判定閾値(T1H)よりも小さい値に設定されると好適である。

0083

この構成によれば、第一関係に基づく案内判定を行う場合に、対象車両(1)と減速案内地点(P)とが近づくに従って減速のための時間や距離が減少することを考慮した適切な案内判定を行うことが可能となると共に、第二関係に基づく案内判定を行う場合に、対象車両(1)と急減速予想地点(Q)とが近づくに従って減速のための時間や距離が減少することを考慮した適切な案内判定を行うことが可能となる。
更に、上記の構成によれば、第二判定閾値(T2H)が第一判定閾値(T1H)よりも小さい値に設定されるため、第二判定閾値(T2H)と第一判定閾値(T1H)とが同じ値に設定される場合に比べて、対象車両(1)から減速案内地点(P)までの区間内に存在する前方車両(1)が減速案内地点(P)に到達するまでの間に急減速を行う可能性がある場合に、より早い時点或いはより手前の地点において対象車両(1)の速度が判定閾値を超えるような構成とすることができる。この結果、前方車両(1)を考慮した適切な減速案内を行うことが可能となる。

0084

また、前記判定部(12)は、前記前方車両(2)の速度(V2)が、前記前方車両(2)と前記減速案内地点(P)とが近づくに従って小さく設定される第三判定閾値(T3)を超えている場合に、前記前方車両(2)が前記減速案内地点(P)に到達するまでの間に前記急減速を行う可能性があると判定すると好適である。

0085

この構成によれば、前方車両(2)と減速案内地点(P)とが近づくに従って減速のための時間や距離が減少することを考慮して、前方車両(2)が減速案内地点(P)に到達するまでの間に急減速を行う可能性の有無を適切に判定することができる。

0086

また、前記判定部(12)は、前記減速案内地点(P)に設定された安全速度(Vs)まで前記前方車両(2)が減速するために必要な走行距離である減速距離(D)を、前記前方車両(2)の速度(V2)に少なくとも基づいて導出し、前記減速案内地点(P)までの距離が前記減速距離(D)以下となる区間内の地点を、前記急減速予想地点(Q)に設定すると好適である。

0087

この構成によれば、前方車両(2)の現在の速度が安全速度(Vs)よりも高い場合であっても、減速案内地点(P)を通過する時点では安全速度(Vs)に近い速度まで減速するという一般的傾向を考慮して、比較的簡素な構成で急減速予想地点(Q)を適切に設定することが可能となる。

0088

また、前記第一関係に基づき前記案内判定を実行する場合には前記減速案内地点(P)を、前記第二関係に基づき前記案内判定を実行する場合には前記急減速予想地点(Q)を、基準地点として、前記判定部(12)は、前記対象車両(1)の速度(V1)が、前記対象車両(1)と前記基準地点とが近づくに従って小さく設定される高速側判定閾値(T1H,T2H)よりも高い場合には、減速案内を行うと判定すると共に、前記対象車両(1)の速度(V1)が、前記対象車両(1)と前記基準地点とが近づくに従って小さく設定される閾値であって、前記高速側判定閾値(T1H,T2H)よりも小さい値に設定される低速側判定閾値(T1L,T2L)よりも低い場合には、減速案内を行わないと判定し、前記判定部(12)は、前記対象車両(1)の速度(V1)が前記高速側判定閾値(T1H,T2H)よりも高く減速案内が行われている状態から、前記対象車両(1)の速度(V1)が前記高速側判定閾値(T1H,T2H)以下であって前記低速側判定閾値(T1L,T2L)以上である中間状態に移行した場合であって、前記対象車両(1)の減速度に基づき、前記対象車両(1)が前記基準地点に到達するまでの間に前記対象車両(1)の速度(V1)が前記低速側判定閾値(T1L,T2L)よりも低くなると判定した場合には、減速案内を中止すると判定すると好適である。

0089

この構成によれば、減速案内が行われている状態から対象車両(1)の速度(V1)の低下に応じて減速案内を中止する場合に、中間状態に移行したことに加えて、対象車両(1)が基準地点に到達するまでの間に対象車両(1)の速度(V1)が低速側判定閾値(T1L,T2L)よりも低くなると判定されることが、減速案内の中止の条件とされる。よって、単に中間状態に移行したことを条件に減速案内が中止される場合に比べて、対象車両(1)の減速状態を適切に考慮して減速案内の中止判定を行うことができる。

0090

また、前記判定部(12)は、前記中間状態であって、前記対象車両(1)が前記基準地点に到達するまでの間に前記対象車両(1)の速度(V1)が前記低速側判定閾値(T1L,T2L)よりも低くなると判定している状態が、予め定められた時間(S)以上継続していることを更なる条件として減速案内を中止すると判定すると好適である。

0091

この構成によれば、対象車両(1)が基準地点に到達するまでの間に対象車両(1)の速度(V1)が低速側判定閾値(T1L,T2L)よりも低くなる状態が、対象車両(1)の運転者の明確な減速の意思とは無関係に偶発的或いは瞬間的に実現された場合に、減速案内が中止されることを回避することが可能となる。また、予め定められた上記時間(S)の分だけ対象車両(1)の速度(V1)が高速側判定閾値(T1H,T2H)に対して低下した状態で減速案内が中止されるため、減速案内の開始と中止とが短時間の間に繰り返されて減速案内の信頼性が低下することを抑制することが可能となる。

0092

上述した減速案内システムの種々の技術的特徴は、減速案内方法や減速案内プログラムにも適用可能である。

0093

1:対象車両
2:前方車両
10:減速案内システム
11:情報取得部
12:判定部
D:減速距離
P:減速案内地点
Q:急減速予想地点
T1H:第一高速側判定閾値(第一判定閾値、高速側判定閾値)
T1L:第一低速側判定閾値(低速側判定閾値)
T2H:第二高速側判定閾値(第二判定閾値、高速側判定閾値)
T2L:第二低速側判定閾値(低速側判定閾値)
T3:第三判定閾値
Vs:安全速度

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