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技術 偏心揺動型の歯車装置

出願人 住友重機械工業株式会社
発明者 志津慶剛芳賀卓
出願日 2016年2月12日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-024346
公開日 2017年8月17日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-141915
状態 特許登録済
技術分野 減速機2 軸受の取付、その他 ころがり軸受
主要キーワード 支持反力 揺動歯車 出力リング リヤケーシング 軸方向中央位置 内側軸受 偏心体軸受 揺動成分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月17日)のものです。
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図面 (6)

課題

クランク軸を支持する軸受の支持容量をより増大させる。

解決手段

揺動歯車12と、該揺動歯車を揺動回転させるクランク軸20と、該クランク軸と軸方向に対向して配置されるフランジ部材30と、を備えた偏心揺動型歯車装置10において、クランク軸は、中空部21を有し、フランジ部材は、中空部に挿入される軸部材31を有し、クランク軸の内周21Aと、軸部材の外周31Aとの間に内側軸受50、60が配置され、内側軸受は、クランク軸の軸方向端面22、23から軸方向に突出L(22−50)、L(23−60)だけ突出している。

概要

背景

例えば、特許文献1に、偏心揺動型歯車装置が開示されている。この歯車装置は、揺動歯車と、該揺動歯車を揺動回転させるクランク軸と、を備えている。また、クランク軸と軸方向に対向して配置されるフランジ部材を備え、揺動歯車が揺動することによって得られる非揺動歯車側との相対回転を、フランジ部材から取り出している。

クランク軸は、中空部を有し、該中空部にフランジ部材から突出した軸部材が挿入されている。クランク軸は、該クランク軸の内周と軸部材の外周との間に配置された軸受によって支持されている。

概要

クランク軸を支持する軸受の支持容量をより増大させる。揺動歯車12と、該揺動歯車を揺動回転させるクランク軸20と、該クランク軸と軸方向に対向して配置されるフランジ部材30と、を備えた偏心揺動型の歯車装置10において、クランク軸は、中空部21を有し、フランジ部材は、中空部に挿入される軸部材31を有し、クランク軸の内周21Aと、軸部材の外周31Aとの間に内側軸受50、60が配置され、内側軸受は、クランク軸の軸方向端面22、23から軸方向に突出L(22−50)、L(23−60)だけ突出している。

目的

本発明は、このような問題を解消するためになされたものであって、クランク軸を支持する軸受の支持容量をより増大させることのできる偏心揺動型の歯車装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

揺動歯車と、該揺動歯車を揺動回転させるクランク軸と、該クランク軸と軸方向に対向して配置されるフランジ部材と、を備えた偏心揺動型歯車装置において、前記クランク軸は、中空部を有し、前記フランジ部材は、前記中空部に挿入される軸部材を有し、前記クランク軸の内周と、前記軸部材の外周との間に内側軸受が配置され、該内側軸受は、前記クランク軸の軸方向端面から軸方向に突出することを特徴とする偏心揺動型の歯車装置。

請求項2

請求項1において、前記内側軸受として、前記クランク軸の前記フランジ部材側の端部に配置される第1内側軸受を、少なくとも備え、前記クランク軸と前記フランジ部材との間に軸方向隙間が設けられ、該軸方向隙間と前記第1内側軸受とが径方向から見て重なることを特徴とする偏心揺動型の歯車装置。

請求項3

請求項2において、前記軸方向隙間と、前記第1内側軸受の内輪および転動体とが径方向から見て重なることを特徴とする偏心揺動型の歯車装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれかにおいて、前記クランク軸は、前記揺動歯車を揺動させるための偏心体を有し、該偏心体と前記揺動歯車との間には、偏心体軸受が配置され、該偏心体軸受と前記内側軸受とが径方向から見て重ならないことを特徴とする偏心揺動型の歯車装置。

請求項5

請求項1〜4のいずれかにおいて、前記内側軸受として、前記クランク軸の反フランジ部材側の端部に配置される第2内側軸受を、少なくとも備え、前記クランク軸の反フランジ部材側の端部には、該クランク軸に動力を伝達する動力伝達部材が取り付けられ、該動力伝達部材と前記第2内側軸受とが径方向から見て重なることを特徴とする偏心揺動型の歯車装置。

請求項6

請求項5において、前記クランク軸は、前記揺動歯車を揺動させるための偏心体を有し、該偏心体と前記揺動歯車との間には、偏心体軸受が配置され、前記クランク軸は、該クランク軸の反フランジ部材側の軸方向端面に前記動力伝達部材を取り付けるためのタップ穴を有し、前記偏心体軸受は、位置決め部材によって前記クランク軸に軸方向に位置決めされ、該偏心体軸受の位置決め部材と前記タップ穴とが径方向から見て重なることを特徴とする偏心揺動型の歯車装置。

請求項7

請求項6において、前記タップ穴と前記偏心体軸受とが径方向から見て重なることを特徴とする偏心揺動型の歯車装置。

請求項8

請求項1〜7のいずれかにおいて、前記軸部材は、反フランジ部材側に設けられる小径部と、該小径部のフランジ部材側に設けられる大径部と、を有し、前記内側軸受として、前記大径部に配置される第1内側軸受と、前記小径部に配置される第2内側軸受と、を備え、前記第1内側軸受の外径が、前記第2内側軸受の外径よりも大きいことを特徴とする偏心揺動型の歯車装置。

請求項9

請求項1において、前記フランジ部材として、前記クランク軸の軸方向一方側に配置される第1フランジ部材と、前記クランク軸の軸方向他方側に配置される第2フランジ部材と、を備え、前記軸部材は、前記第1フランジ部材と同一の部材で一体的に設けられると共に、前記第2フランジ部材に連結されることを特徴とする偏心揺動型の歯車装置。

請求項10

請求項1において、前記フランジ部材として、前記クランク軸の軸方向一方側に配置される第1フランジ部材と、前記クランク軸の軸方向他方側に配置される第2フランジ部材と、を備え、前記内側軸受として、前記クランク軸の前記第1フランジ部材側の端部に配置される第4内側軸受と、前記クランク軸の前記第2フランジ部材側の端部に配置される第5内側軸受と、を備え、前記クランク軸と前記第1フランジ部材との間に第1軸方向隙間が設けられるとともに、前記クランク軸と前記第2フランジ部材との間に第2軸方向隙間が設けられ、前記第1軸方向隙間と前記第4内側軸受とが径方向から見て重なるとともに、前記第2軸方向隙間と前記第5内側軸受とが、径方向から見て重なることを特徴とする偏心揺動型の歯車装置。

請求項11

請求項10において、前記第4内側軸受および第5内側軸受は、転動体、内輪、および外輪を有すると共に、背面合わせで配置され、前記第1フランジ部材および第2フランジ部材によって各内輪を介して予圧が与えられることを特徴とする偏心揺動型の歯車装置。

技術分野

0001

本発明は、偏心揺動型歯車装置に関する。

背景技術

0002

例えば、特許文献1に、偏心揺動型の歯車装置が開示されている。この歯車装置は、揺動歯車と、該揺動歯車を揺動回転させるクランク軸と、を備えている。また、クランク軸と軸方向に対向して配置されるフランジ部材を備え、揺動歯車が揺動することによって得られる非揺動歯車側との相対回転を、フランジ部材から取り出している。

0003

クランク軸は、中空部を有し、該中空部にフランジ部材から突出した軸部材が挿入されている。クランク軸は、該クランク軸の内周と軸部材の外周との間に配置された軸受によって支持されている。

先行技術

0004

特許第5122450号公報(図4

発明が解決しようとする課題

0005

このような偏心揺動型の歯車装置にあっては、クランク軸を支持する軸受の支持容量を十分に確保することが難しいという問題があった。

0006

本発明は、このような問題を解消するためになされたものであって、クランク軸を支持する軸受の支持容量をより増大させることのできる偏心揺動型の歯車装置を提供することをその課題としている。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、揺動歯車と、該揺動歯車を揺動回転させるクランク軸と、該クランク軸と軸方向に対向して配置されるフランジ部材と、を備えた偏心揺動型の歯車装置において、前記クランク軸は、中空部を有し、前記フランジ部材は、前記中空部に挿入される軸部材を有し、前記クランク軸の内周と、前記軸部材の外周との間に内側軸受が配置され、該内側軸受は、前記クランク軸の軸方向端面から軸方向に突出する構成とすることにより、上記課題を解決したものである。

0008

本発明においては、クランク軸を支持するためにクランク軸の内周と軸部材の外周との間に配置される内側軸受を、クランク軸の軸方向端面から軸方向に突出させて設ける。

0009

これにより、クランク軸を支持する軸受の支持容量をより増大させることができる。

発明の効果

0010

本発明によれば、クランク軸を支持する軸受の支持容量をより増大させることができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の実施形態の一例に係る偏心揺動型の歯車装置の構成を示す断面図
図1の要部拡大図
図1の変形例に係る偏心揺動型の歯車装置の構成を示す図2相当の要部拡大図
本発明の他の実施形態の例に係る偏心揺動型の歯車装置の構成を示す断面図
図4の要部拡大図

実施例

0012

以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。

0013

図1は、本発明の実施形態の一例に係る偏心揺動型の歯車装置の構成を示す断面図、図2は、図1の要部拡大図である。

0014

概略を説明すると、この歯車装置10は、2枚の外歯歯車(揺動歯車)12(12A、12B)と、該外歯歯車12を揺動回転させるクランク軸20と、を備える。歯車装置10は、該クランク軸20と軸方向に対向して配置されるキャリヤ(フランジ部材)30を備え、外歯歯車12が揺動することによって得られる内歯歯車40(非揺動歯車)との相対回転を、該キャリヤ30から取り出している。

0015

クランク軸20は、中空部21を有し、キャリヤ30は該中空部21に挿入される軸部材31を有している。そして、クランク軸20の(中空部21の)内周21Aと軸部材31の外周31Aとの間に内側軸受(第1内側軸受50および第2内側軸受60)が配置される。第1内側軸受50および第2内側軸受60は、共にクランク軸20の軸方向端面22、23から軸方向に突出している。

0016

以下、詳述する。

0017

歯車装置10は、平行軸減速段前段減速段)G1および偏心揺動減速段(後段減速段)G2の2段の減速段を有している。歯車装置10は、モータ9のモータ軸9Aの回転を当該2段の減速段G1、G2によって減速し、モータ9が取り付けられているケーシング70(のカバー体71)に対して、キャリヤ30を相対的に回転させている。

0018

歯車装置10は、モータ9のモータ軸9Aによって兼用された入力軸13を備える。入力軸13にはピニオン11が組み込まれている。ピニオン11は、クランク軸20の端部に設けられたギヤ14と噛合している。ピニオン11とギヤ14により平行軸減速段G1が構成されている。ギヤ14は、クランク軸20に動力を伝達する「動力伝達部材」に相当している。

0019

図2に示されるように、クランク軸20は、該クランク軸20の反キャリヤ側(反フランジ部材側)の軸方向端面23にタップ穴32を有している。タップ穴32は、ギヤ14を取り付けるために使用される。ギヤ14は、クランク軸20の外周に外嵌されるインロー部14Aと、該インロー部14Aの径方向内側に軸と平行に形成されたボルト孔14Bとを有する。ギヤ14は、ボルト孔14Bを貫通してタップ穴32にねじ込まれる連結ボルト15によってクランク軸20の反キャリヤ側の端部に取り付けられている。クランク軸20のタップ穴32は、円周方向に複数(この例では8本)形成されている。

0020

クランク軸20は、外周に外歯歯車12を揺動させるための2つの偏心体24(24A、24B)を一体的に有している。偏心体24の軸心C24は、クランク軸20の軸心C20からeだけ偏心している。2つの偏心体24の偏心位相差は、180度である(互いに離反する方向に偏心している)。

0021

この例では、偏心体24は、クランク軸20の本体と単一の部材で一体的に構成されている。しかし、偏心体24は、クランク軸20の本体とは別の部材で構成される偏心体を、例えばキーなどを介してクランク軸20の本体に一体化した構造であってもよい。クランク軸20の近傍の構成は、後に詳述する。

0022

クランク軸20の偏心体24の外周には、偏心体軸受19(19A、19B)を介して揺動歯車である外歯歯車12(12A、12B)が揺動自在に組み込まれている。偏心体軸受19は、転動体(ころ)19A1、19B1、および該転動体19A1、19B1を支持するリテーナ19A2、19B2を有する。リテーナ19A2、19B2は、スペーサ55A、55Bを介してキャリヤ側止め輪(第1位置決め部材)56Aおよび反キャリヤ側止め輪(第2位置決め部材)56Bによって挟まれている。これにより、リテーナ19A2、19B2は、転動体19A1、19B1を軸方向に位置決めしている。

0023

図1に戻って、外歯歯車12は、内歯歯車40と内接噛合している。内歯歯車40は、ケーシング70と一体化された内歯歯車本体41と、該内歯歯車本体41に回転自在に組み込まれた円柱状のピン部材42とで構成されている。ピン部材42は、内歯歯車40の内歯を構成している。内歯歯車40の内歯の数(ピン部材42の本数)は、外歯歯車12の外歯の数よりも僅かだけ(この例では1だけ)多い。

0024

なお、本明細書では、モータ9が取り付けられている部材、および該モータ9が取り付けられている部材と一体化されている部材を「ケーシング70」で総称する。この歯車装置10のケーシング70は、具体的には、モータ9が取り付けられているカバー体71、該カバー体71と連結されているリヤケーシング体72、該リヤケーシング体72と連結され前記内歯歯車本体41を兼用しているケーシング本体73、該ケーシング本体73と連結されているフロントケーシング体74とで主に構成されている。

0025

ケーシング70(のフロントケーシング体74)とキャリヤ30との間には、クロスローラ軸受59が配置されている。すなわち、キャリヤ30は、1個のクロスローラ軸受59によってケーシング70に対して相対回転可能に組み込まれると共に、ケーシング70側からスラスト方向およびラジアル方向の両方の反力を得ている。

0026

外歯歯車12(12A、12B)は、それぞれ軸方向に貫通する貫通孔12A1、12B1を有し、該貫通孔12A1、12B1をキャリヤ30と一体化された内ピン17が貫通している。内ピン17の外周には、摺動促進部材18が回転自在に外嵌されている。

0027

摺動促進部材18は、貫通孔12A1、12B1の一部と当接している。しかし、貫通孔12A1、12B1の内径は、摺動促進部材18の外径より大きく、貫通孔12A1、12B1と摺動促進部材18との間には、偏心体24の偏心量eの2倍に相当する隙間が確保されている。被駆動部材である相手部材(図示略)は、キャリヤ30に設けられたタップ穴37を使用して、該キャリヤ30に固定される。

0028

ここで、クランク軸20およびその支持構成について詳細に説明する。

0029

クランク軸20は、径方向中央に軸方向に貫通する中空部21を有し、全体が筒状に構成されている。一方、キャリヤ30は、該クランク軸20の中空部21に挿入される軸部材31を一体的に有している。なお、この例では、軸部材31は、キャリヤ30と単一の部材で一体的に構成されているが、キャリヤ30とは別の部材で構成される軸部材を、例えば圧入等でキャリヤ30に一体化した構造であってもよい。

0030

クランク軸20の(中空部21の)内周21Aと、軸部材31の外周31Aとの間には、第1内側軸受50および第2内側軸受60が配置されている。

0031

ここで「内側軸受」とは、クランク軸の内周と軸部材の外周との間に配置され、かつ、クランク軸の軸方向端面から軸方向に突出している軸受を意味している。

0032

この構成例では、内側軸受として、クランク軸20のキャリヤ30側(フランジ部材側)の端部に配置される第1内側軸受50と、クランク軸20の反キャリヤ側の端部に配置される第2内側軸受60と、を備えている。

0033

第1内側軸受50は、テーパ状のローラで構成される第1転動体51、第1内輪52、および第1外輪53を有するテーパローラ軸受で構成されている。第1内輪52は、第1転動体51の軸方向移動規制する爪52a、52bを有している。

0034

第2内側軸受60も、テーパ状のローラで構成される第2転動体61、第2内輪62、および第2外輪63を有するテーパローラ軸受で構成されている。第1内側軸受50および第2内側軸受60の接触角θ1、θ2はこの例では17度であり(ではなく)、背面合わせで組み込まれている。

0035

今、第1内側軸受50側に着目すると、第1内側軸受50は、クランク軸20のキャリヤ30側の軸方向端面22よりL(22−50)だけ軸方向に突出している。具体的には、第1転動体51の一部がクランク軸20の軸方向端面22よりL(22−51)だけ軸方向に突出し、第1内輪52の一部において最大のL(22−52)=L(22−50)だけ突出している。第1内側軸受50の第1外輪53は、クランク軸20の第1外輪載置部29に収まっており、クランク軸20の軸方向端面22からは突出していない。

0036

一方、クランク軸20とキャリヤ30との間には、軸方向隙間78が設けられている。軸方向隙間78の軸方向幅は、W78である。この軸方向隙間78は、潤滑剤の通路として活用するために意図的に確保されたものである。したがって、この軸方向隙間78の幅W78は、十分に大きく、例えば、第1内側軸受50の第1転動体51の最大径d51mの1/2以上は確保されるのが好ましい。この例では、軸方向隙間78の幅W78は、第1転動体51の最大径d51mとほぼ同一に設定されている。

0037

この軸方向隙間78と第1内側軸受50は、径方向から見たときにL(22−52)=L(22−50)だけ重なっている。

0038

具体的には、第1内側軸受50の第1転動体51が、径方向から見たときに、軸方向隙間78とL(22−51)だけ重なっており、第1内輪52が、径方向から見たときに、軸方向隙間78とL(22−52)だけ重なっている。

0039

なお、第1内側軸受50の第1外輪53は、軸方向隙間78と径方向から見たときに重なっていない。そのため、軸方向隙間78の潤滑剤は、第1内側軸受50の第1外輪53に遮られることなく、第1内側軸受50の第1外輪53と第1転動体51との間、および、第1内側軸受50の第1内輪52と第1転動体51との間に円滑に到達可能である。

0040

なお、クランク軸20の軸方向中央位置に、クランク軸20の内周側と外周側とを径方向に貫通する貫通孔を形成するようにしてもよい。これにより、軸方向隙間78の潤滑剤と偏心体軸受19近傍の潤滑剤とを、クランク軸20の中空部21を介して連通させることができ、潤滑剤の流通グリースの場合は、例えば注入したときの行き渡り)をより良好に維持することができる。

0041

次に、第2内側軸受60側に着目すると、この歯車装置10は、クランク軸20の反キャリヤ側の端部に第2内側軸受60を備える。第2内側軸受60は、クランク軸20の(中空部21の)内周21Aと軸部材31の外周31Aとの間に配置され、かつ、クランク軸20の反キャリヤ側の軸方向端面23よりもL(23−60)だけ軸方向に突出している。

0042

クランク軸20の反キャリヤ側の端部には、該クランク軸20に動力を伝達するギヤ14(動力伝達部材)が取り付けられる。ギヤ14と第2内側軸受60は、径方向から見てL(14−60)だけ重なっている。

0043

より具体的には、本歯車装置10においては、第2内側軸受60の第2外輪63は、クランク軸20の軸方向端面23よりL(23−63B)だけ突出し、クランク軸20の第2外輪載置部27とギヤ14の貫通孔14Cの内周とに跨がって当接している。つまり、第2外輪63は、クランク軸20から突出していない非突出部63Aについては、クランク軸20の第2外輪載置部27によって支持され、該第2外輪63のクランク軸20の軸方向端部23から突出した突出部63Bについては、クランク軸20に固定された(クランク軸20と一体化された)ギヤ14の貫通孔14Cの内周によって支持されている。結局、第2外輪63は、軸方向の全域に亘ってクランク軸20または(クランク軸20と一体化された)ギヤ14から支持反力を受けることができる構造とされている。

0044

別の見方をするならば、この構造は、ギヤ14が第2内側軸受60から、実際に片持ち状態で突出する軸方向長さL(14−60)が短いということでもある。つまり、ギヤ14が該第2内側軸受60から突出する軸方向長さL(14−60)は、ギヤ14がクランク軸20の軸方向端面23から突出している軸方向長さL(14−23)より、突出部63Bの軸方向長さL(23−63B)の分だけ短い。

0045

一方、軸部材31は、クランク軸20の軸方向端面23を超えてギヤ14(動力伝達部材)の径方向内側まで延在されている。このため、第2内側軸受60の第2内輪62は、軸部材31からは突出していない。別言するならば、第2内側軸受60は、第2転動体61、第2内輪62、および第2外輪63の全ての部材の軸方向の一部が、ギヤ14と径方向から見て重なっており、最大でL(14−60)だけギヤ14と重なっている。

0046

因みに、既に説明したように、本歯車装置10では、クランク軸20の偏心体24と外歯歯車12との間に、偏心体軸受19が配置されている。しかし、第1内側軸受50および第2内側軸受60は、いずれも、偏心体軸受19(19A、19B)とは径方向から見て重なっていない。なお、ここでの偏心体軸受19(第1内側軸受50および第2内側軸受60との重なりに関する偏心体軸受19)は、転動体19A1、19B1の部分を意味し、リテーナ19A2、19B2の部分は含まない。

0047

この歯車装置10では、クランク軸20への動力の入力は、該クランク軸20に取り付けられたギヤ14(動力伝達部材)によって行われる。クランク軸20は、該クランク軸20の反キャリヤ側の軸方向端面23に当該ギヤ14を取り付けるためのタップ穴32を有する。また、反キャリヤ側の偏心体軸受19Bは、スペーサ55Bを介して反キャリヤ側止め輪(第2位置決め部材)56Bによってクランク軸20に軸方向に位置決めされている。

0048

そして、この歯車装置10では、該偏心体軸受19Bの反キャリヤ側止め輪56Bとタップ穴32とが径方向から見て重なっている。より具体的には、タップ穴32は、反キャリヤ側止め輪56Bのみならず、反キャリヤ側止め輪56Bを超えて偏心体軸受19とも、径方向から見てL(32−19B1)だけ重なっている。なお、ここでの偏心体軸受19(タップ穴32との重なりに関する偏心体軸受19)も、転動体19B1の部分を意味し、リテーナ19B2の部分は含まない。

0049

以上の構成をクランク軸20の支持強度を低下させることなく実現するために、本歯車装置10では、さらに以下のような構成を有している。

0050

先ず、この歯車装置10では、クランク軸20の中空部21に挿入される軸部材31は、反キャリヤ側(反フランジ部材側)に設けられる小径部34と、該小径部34のキャリヤ30側(フランジ部材側)に設けられる大径部33と、を有する(小径部34の外径d34<大径部33の外径d33)。

0051

また、軸部材31の大径部33のキャリヤ30側には、さらに径の大きな根元部32が設けられている。換言するならば、軸部材31は、キャリヤ30側の方が反キャリヤ側よりも径が大きい。そして、大径部33に第1内側軸受50が外嵌され、小径部34に第2内側軸受60が外嵌されている。つまり、第1内側軸受50の第1内輪52の内径D52(=大径部33の外径d33)は、第2内側軸受60の第2内輪62の内径D62(=小径部34の外径d34)よりも大きい。

0052

一方、クランク軸20の中空部21に形成された(第1外輪53が載置される)第1外輪載置部29の内径D29は、(第2外輪63が配置される)第2外輪載置部27の内径D27よりも大きい。つまり、第1内側軸受50の第1外輪53の外径d53(=D29)は、第2内側軸受60の第2外輪63の外径d63(=D27)よりも大きい。

0053

なお、第1外輪載置部29の反キャリヤ側端部には、第1内側軸受50の第1外輪53の軸方向反キャリヤ側への移動を拘束する第1外輪段部25が形成されている。第2外輪載置部27のキャリヤ側端部には、第2内側軸受60の第2外輪63の軸方向キャリヤ30側への移動を拘束する第2外輪段部26が形成されている。第1外輪段部25および第2外輪段部26は、第1内側軸受50および第2内側軸受60を背面合わせで組み込むときに第1外輪53および第2外輪63の軸方向移動を受け止める「肩部」を構成している。

0054

また、軸部材31の根元部32と大径部33との間には、第1内側軸受50の第1内輪52の軸方向キャリヤ30側への移動を拘束する第1内輪段部36が形成されている。軸部材31の小径部34には、止め輪溝37が形成され、該止め輪溝37に、反キャリヤ側止め輪(位置決め部材)65が嵌め込まれている。反キャリヤ側止め輪65は、スペーサ66およびシム67を介して第2内側軸受60の第2内輪62の軸方向反キャリヤ側への移動を拘束している。

0055

第1内輪段部36および反キャリヤ側止め輪65は、第1内側軸受50および第2内側軸受60を背面合わせで組み込むときに、スペーサ66および(選択により適宜の予圧を与え得る)シム67と共に該第1内側軸受50および第2内側軸受60に予圧を与える機能を有する。つまり、第1内側軸受50および第2内側軸受60は、第1外輪段部25および第2外輪段部26での第1外輪53および第2外輪63の軸方向移動の拘束と相まって、第1内輪段部36および反キャリヤ側止め輪65の間に挟まれることによって予圧が与えられる。

0056

次に、この歯車装置10の作用を説明する。

0057

モータ9のモータ軸9Aと一体化された歯車装置10の入力軸13が回転すると、該入力軸13に組み込まれたピニオン11が回転する。ピニオン11の回転は、ギヤ(動力伝達部材)14に伝達される。ギヤ14は、連結ボルト15を介してクランク軸20の反キャリヤ側の端部に取り付けられているため、ギヤ14が回転すると、クランク軸20は、軸部材31の外周31Aにおいて、第1内側軸受50および第2内側軸受60に支持された状態で回転する。

0058

クランク軸20が回転すると、該クランク軸20と一体化されている偏心体24が回転し、偏心体軸受19を介して外歯歯車12が揺動回転する。外歯歯車12は、内歯歯車40に内接噛合している。そのため、外歯歯車12は1回揺動する毎に、内歯歯車40に対して歯数差分だけ(1歯分だけ)相対的に回転する(自転する)。この自転成分が、摺動促進部材18および内ピン17を介してキャリヤ30に伝達される。なお、外歯歯車12の揺動成分は、外歯歯車12の貫通孔12A1、12B1と摺動促進部材18との隙間によって吸収される。

0059

キャリヤ30が回転することにより、該キャリヤ30に固定されている相手部材を、ケーシング70に対して相対的に回転させることができる。

0060

ここで、本歯車装置10においては、クランク軸20の内周21Aと、(キャリヤ30と一体化された)軸部材31の外周31Aとの間に第1内側軸受50あるいは第2内側軸受60が配置され、クランク軸20は、該第1内側軸受50あるいは第2内側軸受60を介して軸部材31に支持されている。

0061

第1内側軸受50あるいは第2内側軸受60は、クランク軸20の軸方向端面22、23から軸方向にL(22−50)、L(23−60)だけ突出している。そのため、第1内側軸受50あるいは第2内側軸受60がクランク軸20の軸方向端面22、23よりも突出していない従来の構造と比較して、より第1内側軸受50あるいは第2内側軸受60の支持容量を増大させ、該第1内側軸受50あるいは第2内側軸受60の寿命を増大させることができる。

0062

より具体的には、クランク軸20のキャリヤ30側に配置された第1内側軸受50では、クランク軸20よりも第1内輪52が軸方向キャリヤ30側に突出させることによって、該第1内輪52を、可能な限り軸部材31のキャリヤ30側(根元に近い側)に配置している。これにより、軸部材31の剛性の高い部分で第1内輪52を支持し、第1内側軸受50の実質的な支持容量を高く維持している。また、第1内側軸受50と第2内側軸受60の両方をクランク軸の軸方向端面から突出させることにより、軸受スパンを長くして支持容量を高くしている。

0063

また、クランク軸20とキャリヤ30(フランジ部材)との間に幅W78の軸方向隙間78を積極的に確保し、該軸方向隙間78と第1内側軸受50とが径方向から見て重なるように構成している。これにより、軸方向隙間78を潤滑剤の通路として活用することができ、第1内側軸受50の潤滑特性を高く維持することができる。

0064

特に、本構成例では、背面合わせで組み込んだことにより、第1外輪53が第1内輪52よりも反キャリヤ側に位置することを利用して、第1内側軸受50の第1外輪53は、クランク軸20の(キャリヤ30側の)軸方向端面22よりも突出せず、第1内輪52と第1転動体51のみが該軸方向端面22から突出して軸方向隙間78に臨む(面する)配置としている。

0065

このため、軸方向隙間78内の潤滑剤を、(第1外輪53で遮られることなく)極めて円滑に第1外輪53と第1転動体51との間、および第1転動体51と第1内輪52との間に供給することができる。これにより、第1内側軸受50の寿命を一層増大させることができる。

0066

一方、クランク軸20の反キャリヤ側に配置された第2内側軸受60は、一部がクランク軸20の軸方向端部から突出し、クランク軸20の反キャリヤ側の端部に取り付けられたギヤ14(動力伝達部材)と径方向から見て重なっている。

0067

より具体的には、第2外輪63のクランク軸20の軸方向端部から突出した突出部63Bは、クランク軸20に固定された(クランク軸20と一体化された)ギヤ14の貫通孔14の内周14Cによって支持されている。つまり、第2外輪63は、クランク軸20および該クランク軸20と一体化されたギヤ14に跨って支持され、結局、軸方向の全域に亘ってクランク軸20またはギヤ14から支持反力を受けることができる。

0068

また、第2内輪62も、軸方向の全域に亘ってギヤ14の径方向内側にまで延在された軸部材31によって支持されている。このため、第2内側軸受60の一部がクランク軸20の(反キャリヤ側の)軸方向端面23よりも、さらに反キャリヤ側に位置しているにも拘わらず、あたかもクランク軸20および軸部材31の両方を軸方向に長くして、第1内側軸受50との軸受スパンを大きく確保したと同様の態様を形成でき、支持容量を増大させることができる。

0069

さらに、第2内側軸受60がクランク軸20の軸方向端面23から突出して設けられており、かつギヤ14が該第2内側軸受60の突出部63Bによって支持されている。このため、ギヤ14が該第2内側軸受60から片持ち状態で突出する軸方向長さL(14−60)を、ギヤ14がクランク軸20の軸方向端面23から突出している軸方向長さL(14−23)よりも短くすることができる。これにより、ギヤ14の支持剛性(支持安定性)をより高められるため、第2内側軸受60の実質的な支持容量をより高めることができ、寿命をより増大させることができる。

0070

そして、第2内側軸受60は、ギヤ14(動力伝達部材)と径方向から見て重なっている。そのため、このような支持容量の増大効果を得ているにも拘わらず、第2内側軸受60は、歯車装置10の平行軸減速段G1のギヤ14の径方向内側に収められている。したがって、(単純にクランク軸20および軸部材31の軸方向長さを長くした構成と比較して)歯車装置10全体の軸方向長さが増大するのが回避されている。

0071

結局、本歯車装置10においては、クランク軸20のキャリヤ30側に配置された第1内側軸受50も、またクランク軸20の反フランジ側部材側に配置された第2内側軸受60も、それぞれに実質的な支持容量の増大効果を得ることができ、より寿命を増大させることができる。

0072

なお、この歯車装置10では、第1内側軸受50および第2内側軸受60がクランク軸20の軸方向端面22、23よりも軸方向に突出する構成とされていることを利用して、第1内側軸受50および第2内側軸受60は、いずれも偏心体軸受19(の転動体19A1、19B1)とは径方向から見て重ならないように構成している。これにより、第1内側軸受50(の第1外輪53)および第2内側軸受60(の第2外輪63)をクランク軸20の内周21Aに圧入するときに、偏心体軸受19の転走面が変形するのを抑制することができる。この構成によって、偏心体軸受19の寿命が低下するのをより防止することができる。

0073

なお、本歯車装置10においては、クランク軸20は、該クランク軸20の反キャリヤ側の軸方向端面23にギヤ14を取り付けるためのタップ穴32を有している。このタップ穴32は、径方向から見たときに偏心体軸受19の位置決め部材である反キャリヤ側止め輪56Bと重なっている。本歯車装置10においては、具体的には、さらに、偏心体軸受19の転動体19B1自体とも、L(32−19B1)だけ重なっている。これにより、ギヤ14をより偏心体軸受19側(外歯歯車12側)に寄せた状態でクランク軸20に取り付けることができ、歯車装置10全体の軸方向長さを一層短縮することができている。

0074

また、本歯車装置10では、軸部材31は、反キャリヤ側に設けられる小径部34と、該小径部34のキャリヤ30側に設けられる大径部33と、を有した構成とされている。より詳細には、大径部33のさらにキャリヤ30側の根元部32は、一層大径とされている。

0075

そして、内側軸受として、大径部33に第1内側軸受50、小径部32に第2内側軸受60を配置するようにしている。第1内側軸受50の(第1外輪53の)外径d53は、第2内側軸受60の(第2外輪63の)外径d63よりも大きい。

0076

これにより、以下のような作用が得られる。すなわち、本歯車装置10では、キャリヤ30から片持ち状態で突出された軸部材31に、第2内側軸受60が(従来よりも)より反フランジ部材側に配置されるため、軸部材31の根元により負担が掛かる傾向となる。しかし、軸部材31のキャリヤ30側(根元側)の近傍が大径とされ、かつ支持容量の大きな(外径d53の大きな)第1内側軸受50が配置されることで、軸部材31の根元の近傍の強度を高く維持することができる。

0077

また、軸部材31の反キャリヤ側に外径d34の小さい小径部34が設けられていることで、結果としてクランク軸20のタップ穴32が設けられる部分の径方向の肉厚を大きく確保することができる。つまり、前述したタップ穴32と偏心体軸受19が重なるような構成を、クランク軸20の反キャリヤ側の端部近傍の強度が低下するのを防止しつつ、実現することができる。

0078

なお、本歯車装置10においては第1内側軸受50および第2内側軸受60が、背面合わせで組み込まれている。このため、第1内側軸受50および第2内側軸受60がクランク軸20の軸方向端面22、23よりも軸方向に突出されていることと相まって、軸受スパンを大きく拡大できるというメリットを顕著に得ている。

0079

また、背面合わせて組み込まれていることから、特に第1内側軸受50において、(第1外輪53に遮られることなく)軸方向隙間78からの潤滑剤を第1転動体51の近傍に供給できるというメリットも得られている。ただし、本発明は、必ずしも内側軸受を背面合わせで組み込むことを必須の要件とするものではない。例えば、そもそも内側軸受は、一対用意される必要もない。

0080

図3に、内側軸受を1個のみ有する変形例を示す。

0081

図3の変形例でも、クランク軸20は、中空部21を有し、フランジ部材であるキャリヤ30は、中空部21に挿入される軸部材31を有している。しかし、この変形例では、クランク軸20の(中空部21の)内周21Aと、軸部材31の外周31Aとの間には、第3内側軸受80が1個のみ配置されている。なお、クランク軸20の中空部21は、実質的には、第3内側軸受80によって埋められている。

0082

第3内側軸受80は、第3転動体81、第3内輪82、および第3外輪83を有するころ軸受で構成されている。第3内側軸受80は、クランク軸20の内周21Aと軸部材31の外周31Aとの間に配置され、かつ、第3内輪82および第3外輪83が、クランク軸20の軸方向端面22、23から軸方向にそれぞれL(22−80)、L(23−80)だけ突出している。なお、符号84は、クランク軸20に対する第3内側軸受80の軸方向位置を規制する止め輪である。

0083

この歯車装置10においても、クランク軸20とキャリヤ(フランジ部材)30との間には軸方向隙間78が設けられ、この軸方向隙間78と第3内側軸受80とが径方向から見てL(22−80)だけ重なっている。すなわち、この第3内側軸受80は、先の歯車装置10においてクランク軸20のキャリヤ30側の端部に配置されていた第1内側軸受50と類似する構成および特性を有している軸受と捉えることができる。

0084

また、この歯車装置10においても、クランク軸20の反キャリヤ側の端部には、該クランク軸20に動力を伝達するギヤ14(動力伝達部材)が取り付けられ、このギヤ14と第3内側軸受80とが径方向から見てL(14−80)だけ重なっている。

0085

すなわち、この第3内側軸受80は、先の歯車装置10においてクランク軸20の反キャリヤ側の端部に配置されていた第2内側軸受60と類似する構成および特性を有している軸受と捉えることもできる。

0086

結局、第3内側軸受80は、1個の内側軸受でありながら、先の歯車装置10の第1内側軸受50および第2内側軸受60の作用(メリット)を併せ持ったような特性を有している。

0087

その他の構成作用は、先の歯車装置10と同様であるため、便宜上、図中で同一または類似する機能を有する部位に同一の符号を付すに止め、重複説明を省略する。

0088

図4および図5に本発明の他の実施形態の一例を示す。

0089

図4および図5には、振り分けタイプと称される偏心揺動型の歯車装置110に本発明を適用した構成例が示されている。

0090

先の歯車装置10では、内歯歯車40の軸心位置に(揺動歯車である外歯歯車12を揺動させる偏心体24を備えた)クランク軸20を1本のみ備えていた。これに対し、この図4および図5に示される歯車装置110では、内歯歯車140の軸心C140からオフセットした位置に(揺動歯車である外歯歯車112を揺動させる偏心体124を備えた)クランク軸120を複数(この例では3本:1本のみ図示)備えている。

0091

3本のクランク軸120には、それぞれ振り分けギヤ114(動力伝達部材)が設けられている。各振り分けギヤ114は、入力軸113に一体的に設けられた1個の入力ギヤ111と同時に噛合している。このため、振り分けギヤ114は、入力ギヤ111の回転を受けて各クランク軸120を同一方向に同一の回転速度で回転させることができる。これにより、3本のクランク軸120が同位相で回転し、外歯歯車112が内歯歯車140に内接噛合しながら揺動する。なお、入力軸113は、一対の軸受188、189によりキャリヤ130およびケーシング170に支持されている。ケーシング170には、図示せぬモータが取り付けられており、入力軸113に動力を伝達可能である。

0092

内歯歯車140は、一対の軸受191、192を介してケーシング170に回転自在に支持されている。内歯歯車140の本体141は、出力リング体195と一体化されている。出力リング体195には、タップ穴197が形成されており、該タップ穴197を使用して連結された図示せぬ相手部材を駆動する構成とされている。

0093

外歯歯車112が揺動すると、該外歯歯車112と内歯歯車140との相対回転が発生し、クランク軸120が内歯歯車140の軸心C140の周り公転する。このクランク軸120の公転により、軸部材131を介してケーシング170および該ケーシング170と一体化されているキャリヤ130が、出力リング体195に対して相対的に回転する(モータの取り付けられているケーシング170から見るならば、出力リング体195が相対的に回転する)。

0094

この歯車装置110では、フランジ部材として、クランク軸120の軸方向一方側に配置されるケーシング(第1フランジ部材)170と、クランク軸120の軸方向他方側に配置されるキャリヤ(第2フランジ部材)130と、を備える。

0095

軸部材131は、第1フランジ部材であるケーシング170と同一の部材で一体的に設けられると共に、第2フランジ部材であるキャリヤ130にボルト(圧入でもよい)139によって連結されている。

0096

また、内側軸受として、クランク軸120のケーシング170側の端部(第1フランジ部材側の端部)に配置される第4内側軸受180と、クランク軸120のキャリヤ側の端部(第2フランジ部材側の端部)に配置される第5内側軸受190と、を備える。

0097

なお、これまでの実施形態では、「キャリヤ30のみ」がフランジ部材として機能し、キャリヤ30が軸部材31を有していた。しかし、この実施形態では、「ケーシング170およびキャリヤの130の両方」がフランジ部材として機能し、ケーシング170およびキャリヤの130の両方が軸部材131を有している(共有している)。

0098

第4内側軸受180および第5内側軸受190は、クランク軸120の(中空部121の)内周121Aと、軸部材131の外周131Aとの間に配置されている。第4内側軸受180および第5内側軸受190は、クランク軸120の軸方向端面123、122からそれぞれL(123−180)、L(122−190)だけ突出している。

0099

また、クランク軸120とケーシング170との間に第1軸方向隙間179が設けられるとともに、クランク軸120とキャリヤ130との間に第2軸方向隙間178が設けられている。そして、第1軸方向隙間179と第4内側軸受180(の内輪182)とが、径方向から見てL(123−180)だけ重なっている。また、第2軸方向隙間178と第5内側軸受190(の内輪192)とが、径方向から見てL(122−190)だけ重なっている。

0100

したがって、第1軸方向隙間179を介して第4内側軸受180を良好に潤滑することができ、第4内側軸受180の寿命を向上させることができる。また、第2軸方向隙間178を介して第5内側軸受190を良好に潤滑することができ、第5内側軸受190の寿命を向上させることができる。

0101

第4内側軸受180は、第4転動体181、第4内輪182、および第4外輪183を有する。第5内側軸受190は、第5転動体191、第5内輪192、および第5外輪193を有する。第4内側軸受180および第5内側軸受190は、背面合わせで配置され、ケーシング170およびキャリヤ130によって各内輪(第4内輪182および第5内輪192)を介して予圧が与えられる。

0102

より具体的には、クランク軸120の外輪載置部127のキャリヤ側端部には、第4内側軸受180の第4外輪183の軸方向キャリヤ130側への移動を拘束する外輪段部126が形成されている。クランク軸120の外輪載置部129のケーシング側端部には、第5内側軸受190の第5外輪193の軸方向ケーシング170側への移動を拘束する外輪段部125が形成されている。外輪段部125および外輪段部126は、第4内側軸受180および第5内側軸受190を背面合わせで組み込むときに第4外輪183および第5外輪193の軸方向移動を受け止める「肩部」を構成している。

0103

一方、ケーシング170側の第4内側軸受180(の第4内輪182)は、ケーシング170の軸方向端面177に直接当接している。キャリヤ130側の第5内側軸受190(の第5内輪192)は、キャリヤ130の軸方向端面136に、シム167を介して当接している。シム167は、軸方向幅の僅かに異なるものが複数用意され、組み付け時に最適な1つが選択される。

0104

この構成により、ケーシング170およびキャリヤ130を、ボルト139を介して引き寄せ・締め付けることにより、第4内輪182および第5内輪192を介して第4内側軸受180および第5内側軸受190の予圧を与えることができる。この場合、シム167の選定により、最適な予圧を調整可能である。

0105

この実施形態においても、第4、第5内側軸受180、190の第4内輪182、第5内輪192に関しては、クランク軸120から突出した部分も含めて、軸方向の全域が軸部材131に確実に支持されている。したがって、(第4、第5内側軸受180、190がクランク軸120の軸方向端面122、123から突出していない構成と比較して)該第4、第5内側軸受180、190の軸受スパンがより増大されると共に、支持剛性がより向上し、第4、第5内側軸受180、190の寿命をより向上させることができる。

0106

なお、この例では、軸部材131は、ケーシング170と同一の部材で一体化されると共に、キャリヤ130とボルト139を介して一体化されていたが、逆でもよい。つまり、キャリヤと同一の部材で一体化されると共に、ケーシングとボルトを介して一体化されていてもよい。なお、両方(ケーシングおよびキャリヤの双方)とも別部材で構成することも可能であるが、内側軸受の周辺の支持剛性を高く維持するには、いずれか一方は、同一の部材で一体化するのが好ましい。

0107

また、既に説明したように、(クランク軸の中空部に挿入される軸部材を有する)フランジ部材は、クランク軸の軸方向片側のみに設けられていてもよいし、クランク軸の軸方向両側に設けられていてもよい。

0108

また、内側軸受は、1個のみ設けられていてもよく、一対設けられていてもよい。クランク軸が一対の軸受で支持されている場合は、そのうちの少なくとも1個の軸受が本発明に係る内側軸受であればよく、他の軸受は、必ずしも本発明に係る内側軸受である必要はない。

0109

すなわち、当該他の軸受は、必ずしもクランク軸の軸方向端面から軸方向に突出していなくてもよい。また、当該他の軸受は必ずしもクランク軸の内周と、軸部材の外周との間に配置されていなくてもよく、例えば、クランク軸の外周に配置されていてもよい。

0110

また、実施形態においては、内側軸受が専用の内輪および外輪を備えていたが、これに限定されるものではなく、軸部材が内輪を兼用してもよいし、クランク軸が外輪を兼用してもよい。

0111

10…歯車装置
12…外歯歯車(揺動歯車)
20…クランク軸
21A…クランク軸の内周
21…中空部
22、23…軸方向端面
30…キャリヤ(フランジ部材)
31…軸部材
31A…軸部材の外周
50…第1内側軸受
60…第2内側軸受

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