図面 (/)

技術 ボツリヌス毒素の製造方法

出願人 デウンカンパニー,リミテッド
発明者 キムチュンセイソンクワンヨンミンキョンミンアンヨンダク
出願日 2017年3月6日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2017-041239
公開日 2017年8月17日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-141237
状態 拒絶査定
技術分野 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 低温冷蔵庫 過運動 自動ポンプ 安全作業 ピークツーピーク 刺激点 喉頭筋 ワニ口クリップ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

ボツリヌス毒素の製造方法の提供

解決手段

(a)ボツリヌス毒素生産菌株培養液を酸で処理してボツリヌス毒素を酸沈殿させる工程;(b)前記沈殿したボツリヌス毒素に緩衝溶液を添加した後、プロテアーゼ抑制剤及び核酸分解酵素を処理してボツリヌス毒素を抽出する工程;(c)前記抽出されたボツリヌス毒素を酸で処理してボツリヌス毒素を酸沈殿させた後、沈殿物を緩衝溶液に溶解させる工程;及び(d)陰イオン交換クロマトグラフィーを利用してボツリヌス毒素を精製する工程;を含むボツリヌス毒素の製造方法。好ましくは、精製されたポツリヌス毒素純度98%以上のポツリヌス毒素A型蛋白質である、ポツリヌス毒素の製造方法。

概要

背景

神経毒性を持つ毒素分泌する種々のクロストリジウム属菌株が1890年代から今まで発見されて、過去70年間これらの菌株が分泌する毒素に対する特性解明がなされてきた(Schant,E.J.et al.,Microbiol.Rev.,56:80,1992)。

前記クロストリジウム属菌株から由来した神経毒性を持つ毒素、すなわちボツリヌス毒素(botulinum toxin)は、その血清学的特徴によりA〜G型の七つの型に区分される。各毒素は、約150KDa程度の毒素タンパク質を有しているが、自然的には種々の非毒性タンパク質と結合されている複合体からなっている。中間(Medium)複合体(300kDa)は、毒素タンパク質と非毒性−非ヘマグルチニンタンパク質からなり、大きい(Large;450kDa)複合体および巨大(Large−Large;900kDa)複合体は、中間複合体がヘマグルチニンと結合されている形態を有している(Sugiyama,H.,Microbiol.Rev.、44:419,1980)。このような非毒性非ヘマグルチニンタンパク質は腸内で低いpHと各種タンパク質加水分解酵素から毒素を保護する機能をすると知られている。

前記毒素は、細胞内で分子量が約150kDaである一つのポリペプチドで合成された後、細胞内タンパク質分解酵素の作用やトリプシンのような人為的な酵素処理によってN末端から1/3になる位置で切断されて、二つ単位体である軽鎖(L:light chain)(分子量;50kDa)および重鎖(H:heavy chain)(分子量;100kDa)に分けられる。このように分けられた毒素は、単一ポリペプチドである時に比べてその毒性が大きく増加する。二つの単位体は、二硫化結合によって連結されていて、それぞれは異なる機能を有する。重鎖は目標物(target)になる細胞の受容体(receptor)と結合して(Park.M.K.,et al.,FEMS Microbiol.Lett.,72:243,1990)、低いpH(pH4)で生体膜と反応してチャネル(channel)を形成する機能を有して(Mantecucco,C.et al.,TIBS.,18:324,1993)、軽鎖は薬理活性を持っていて洗剤(detergent)を使って細胞に透過性を与えたり、電気穿孔(electroporation)等で細胞内投入された時神経伝達物質の分泌を妨げる(Poulain,B.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,85:4090,1988)。

前記毒素は、神経筋接合部(neuromuscular junction)のコリン性シナプス(cholinergic presynapse)でアセチルコリンエキソサイトーシス(exocytosis)を阻害して無力症を引き起こす。極微量の毒素を処理しても毒性が現れることからこの毒素は何らかの酵素活性を持つと考えられられてきた(Simpson,L.L.et al.,Ann.Rev.Pharmaeol.Toxicol.,26:427,1986)。

最近明らかになったところによると、毒素はメタロペプチダーゼ活性(metallopeptidase activity)を持っていて、その基質は、エキソサイトーシス装置複合体(exocytosis machinary complex)をなす単位タンパク質であるシナプトブレビン(Synaptobrevin)、シンタキシン(Syntaxin)、25KDaのシナプトソーム関連タンパク質(Synaptosomal associated protein of 25KDa)(SNAP25)等である。各型の毒素は、この三つのタンパク質中一つを基質としているが、B、D、FおよびG型は、シナプトブレビンを、AとE型はSNAP25を、C型はシンタキシンを特定部位で切断すると知られている(Binz,T.et al.,J.Biol.Chem.,265:9153,1994)。

特に、ボツリヌス毒素A型は、pH4.0〜6.8の薄い水溶液溶解性であると知られている。約7以上のpHで安定化非−毒素タンパク質が神経毒素から分離されて、その結果毒性が徐々に失われるが、特にpHおよび温度が上昇するにつれ毒性が減少すると知られている。

前記ボツリヌス毒素は、少量で体に致命的で大量生産が容易であるため、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ペスト(Yersinia pestis)、天然痘(smallpox virus)と共に4大生物テロ武器で使われることができる毒素である。しかし、前記ボツリヌス毒素(botulinum toxin)中A型毒素の場合には、全身的には体に影響を及ぼさない容量以下で注射すると、前記注射部位局所筋肉麻痺させることができると明らかになり、このような特性を利用してシワ除去剤強直性片麻痺および脳性麻痺治療剤などで広範囲に使用することができるので、需要急増していて需要に合わせてボツリヌス毒素の生産方法に対する研究が盛んに行われている。

現在代表的に商用化されている製品は、米国アラガン(Allergan)社のBOTOX(登録商標)(ボツリヌス毒素A型精製された神経毒素複合体)で、それぞれのBOTOX(登録商標)の100ユニットバイアルは、約5ngの精製されたボツリヌス毒素A型複合体、0.5mgヒト血清アルブミン、および0.9mg塩化ナトリウムで構成されて、真空乾燥形態で提供されて、保存剤なしに(0.9%塩化ナトリウム注入滅菌生理食塩水を利用して復元させる。他の商用化された製品は、英国Ipsen社のDysport(登録商標)(ボツリヌス毒素薬剤学的組成物ラクトースおよびヒト血清アルブミンを有するクロストリジウムボツリヌスA型毒素ヘマグルチニン複合体、使用前に0.9%塩化ナトリウムを利用して復元される)およびSolstice Neurosciences社のMyoBlocTM(ボツリヌス毒素B型、ヒト血清アルブミン、コハク酸ナトリウム、および塩化ナトリウムを含む薬pH5.6注射溶液)等がある。

従来のボツリヌス毒素の製造のためには、酸沈殿法、塩による析出法およびクロマトグラフィー法などが利用された。

例えば、日本公開特許第1994−192296号にはクロストリジウムボツリヌス細菌を培養した後、酸沈殿、抽出、核酸分解制添加および結晶化工程を経て結晶型(crystalline)のボツリヌスA型毒素を製造する方法が開示されている。また、米国登録特許第5696077号にはクロストリジウムボツリヌス細菌を培養して、これを酸沈殿、抽出、イオン交換クロマトグラフィーゲルろ過クロマトグラフィーおよび結晶化工程を経てボツリヌスB型毒素を製造する方法が開示されている。

一方、Simpson等は、重力流クロマトグラフィーを使用したボツリヌス神経毒素の精製、HPLC、親和性樹脂を使用した捕獲工程、サイズ排除クロマトグラフィー、および二つの異なるイオン交換カラムの使用を含むイオン陰イオンおよび陽イオン交換クロマトグラフィーを使用してボツリヌスA型毒素を製造して(Method in Enzymology,165:76,1988)、Wang等は、ボツリヌス毒素A型を精製するための沈殿とイオンクロマトグラフィー法を使用した(Dermatol Las Faci Cosm Surg.,2002:58,2002)。

また、米国登録特許第6818409号にはボツリヌス毒素を精製するためのイオン交換およびラクトースカラムの使用が開示されていて、米国登録特許第7452697号にはイオン交換クロマトグラフィーおよび疏水性クロマトグラフィーを使用してボツリヌスA型毒素を製造する方法が開示されている。大韓民国公開特許第2009−0091501号には酸沈殿および陰イオン交換クロマトグラフィー法を利用して、ボツリヌス毒素を精製する方法が、米国公開特許第2013−0156756号は陰イオン交換クロマトグラフィーおよび陽イオン交換クロマトグラフィー法を利用したボツリヌス毒素の精製方法が開示されている。

しかしながら、既存方法での陰イオン交換クロマトグラフィーの使用は、ボツリヌス毒素のゲルバンドパターン(gel banding pattern)に有害な影響を及ぼして(米国登録特許第7452697号)、精製期間が長く商業的に適用するなどの問題点が残っていて、ボツリヌス毒素生産菌株であるクロストリジウムボツリヌスは、嫌気性細菌であるため、発酵嫌気性施設内で行わなければならないため、大量生産が難しい問題点があり、前記精製方法によって精製された有効性分である前記ボツリヌス毒素が明確に分離同定されなく不純物が含まれる問題点があった。また、従来のボツリヌス毒素の製造方法は、高純度のボツリヌス毒素を精製するためにろ過または透析工程などが必須的に含まれて精製過程が複雑かつ困難な問題がある。

そこで、本発明者等は、前記のような既存の問題を解決するために努力した結果、ボツリヌス毒素生産菌株培養液を酸で処理してボツリヌス毒素を酸沈殿させた後、形成された沈殿物を陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて精製すると、ろ過(filtration)、透析(dialysis)およびエタノール沈殿(ethanol precipitation)工程の省略が可能で、ボツリヌス毒素の製造過程が非常に容易である点を確認して、

前記の製造方法で純度98%以上のボツリヌス毒素が生産できることを確認して本発明を完成した。

概要

ボツリヌス毒素の製造方法の提供(a)ボツリヌス毒素生産菌株培養液を酸で処理してボツリヌス毒素を酸沈殿させる工程;(b)前記沈殿したボツリヌス毒素に緩衝溶液を添加した後、プロテアーゼ抑制剤及び核酸分解酵素を処理してボツリヌス毒素を抽出する工程;(c)前記抽出されたボツリヌス毒素を酸で処理してボツリヌス毒素を酸沈殿させた後、沈殿物を緩衝溶液に溶解させる工程;及び(d)陰イオン交換クロマトグラフィーを利用してボツリヌス毒素を精製する工程;を含むボツリヌス毒素の製造方法。好ましくは、精製されたポツリヌス毒素が純度98%以上のポツリヌス毒素A型蛋白質である、ポツリヌス毒素の製造方法。

目的

本発明の目的は、簡単な工程で高純度のボツリヌス毒素を製造する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

下記の工程を含むボツリヌス毒素の製造方法:(a)ボツリヌス毒素生産菌株培養液を酸で処理して、ボツリヌス毒素を酸沈殿させる工程;(b)前記沈殿したボツリヌス毒素に緩衝溶液を添加した後、プロテアーゼ抑制剤(proteaseinhibitor)および核酸分解酵素を処理してボツリヌス毒素を抽出する工程;(c)前記抽出されたボツリヌス毒素を酸で処理してボツリヌス毒素を酸沈殿させた後、沈殿物を緩衝溶液に溶解させる工程;および(d)陰イオン交換クロマトグラフィーを利用してボツリヌス毒素を精製する工程。

請求項2

ボツリヌス毒素生産菌株は、クロストリジウムボツリヌス(Clostridiumbotulinum)であることを特徴とする請求項1に記載のボツリヌス毒素の製造方法。

請求項3

精製されたボツリヌス毒素は、純度98%以上のボツリヌス毒素A型タンパク質であることを特徴とする請求項1に記載のボツリヌス毒素の製造方法。

請求項4

前記(a)工程での酸沈殿は、pHが3.0〜4.5になるように硫酸または塩酸を添加することによって行うことを特徴とする請求項1に記載のボツリヌス毒素の製造方法。

請求項5

前記(b)工程でのプロテアーゼ抑制剤(proteaseinhibitor)は、ベンザミジン塩酸(benzamidineHCl)であることを特徴とする請求項1に記載のボツリヌス毒素の製造方法。

請求項6

前記(b)工程での核酸分解酵素は、DNaseおよびRNaseであることを特徴とする請求項1に記載のボツリヌス毒素の製造方法。

請求項7

前記(b)工程でのボツリヌス毒素抽出は、pH4.5〜6.5で行うことを特徴とする請求項1に記載のボツリヌス毒素の製造方法。

請求項8

前記(c)工程での酸沈殿は、pHが2.5〜4.5になるように硫酸または塩酸を添加することによって行うことを特徴とする請求項1に記載のボツリヌス毒素の製造方法。

請求項9

前記(c)工程での緩衝溶液は、リン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載のボツリヌス毒素の製造方法。

請求項10

前記(d)工程の陰イオン交換クロマトグラフィーは、pH3.5〜7.5および伝導度(conductivity)3〜30mS/cmの条件で行われることを特徴とする請求項1に記載のボツリヌス毒素の製造方法。

請求項11

前記(d)工程以後に、(e)ボツリヌス毒素が含まれている陰イオン交換クロマトグラフィー分画硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)で処理して沈殿させた後、沈殿物を緩衝溶液に溶解させる工程;および(f)陰イオン交換クロマトグラフィーを利用してボツリヌス毒素を精製する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のボツリヌス毒素の製造方法。

請求項12

前記(e)工程での硫酸アンモニウムは、濃度が10〜50%(w/v)になるように添加されることを特徴とする請求項11に記載のボツリヌス毒素の製造方法。

請求項13

前記(e)工程での緩衝溶液は、リン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項11に記載のボツリヌス毒素の製造方法。

請求項14

前記(e)工程の陰イオン交換クロマトグラフィーは、pH3.5〜7.5および伝導度(conductivity)3〜30mS/cmの条件で行われることを特徴とする請求項11に記載のボツリヌス毒素の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ボツリヌス毒素の製造方法に関し、より詳しくは(a)ボツリヌス毒素生産菌株培養液を酸で処理してボツリヌス毒素を酸沈殿させる工程;(b)前記沈殿したボツリヌス毒素に緩衝溶液を添加した後、プロテアーゼ抑制剤(protease inhibitor)および核酸分解酵素を処理してボツリヌス毒素を抽出する工程;(c)前記抽出されたボツリヌス毒素を酸で処理してボツリヌス毒素を酸沈殿させた後、沈殿物を緩衝溶液に溶解させる工程;および(d)陰イオン交換クロマトグラフィーを利用してボツリヌス毒素を精製する工程を含むボツリヌス毒素の製造方法に関する。

背景技術

0002

神経毒性を持つ毒素分泌する種々のクロストリジウム属菌株が1890年代から今まで発見されて、過去70年間これらの菌株が分泌する毒素に対する特性解明がなされてきた(Schant,E.J.et al.,Microbiol.Rev.,56:80,1992)。

0003

前記クロストリジウム属菌株から由来した神経毒性を持つ毒素、すなわちボツリヌス毒素(botulinum toxin)は、その血清学的特徴によりA〜G型の七つの型に区分される。各毒素は、約150KDa程度の毒素タンパク質を有しているが、自然的には種々の非毒性タンパク質と結合されている複合体からなっている。中間(Medium)複合体(300kDa)は、毒素タンパク質と非毒性−非ヘマグルチニンタンパク質からなり、大きい(Large;450kDa)複合体および巨大(Large−Large;900kDa)複合体は、中間複合体がヘマグルチニンと結合されている形態を有している(Sugiyama,H.,Microbiol.Rev.、44:419,1980)。このような非毒性非ヘマグルチニンタンパク質は腸内で低いpHと各種タンパク質加水分解酵素から毒素を保護する機能をすると知られている。

0004

前記毒素は、細胞内で分子量が約150kDaである一つのポリペプチドで合成された後、細胞内タンパク質分解酵素の作用やトリプシンのような人為的な酵素処理によってN末端から1/3になる位置で切断されて、二つ単位体である軽鎖(L:light chain)(分子量;50kDa)および重鎖(H:heavy chain)(分子量;100kDa)に分けられる。このように分けられた毒素は、単一ポリペプチドである時に比べてその毒性が大きく増加する。二つの単位体は、二硫化結合によって連結されていて、それぞれは異なる機能を有する。重鎖は目標物(target)になる細胞の受容体(receptor)と結合して(Park.M.K.,et al.,FEMS Microbiol.Lett.,72:243,1990)、低いpH(pH4)で生体膜と反応してチャネル(channel)を形成する機能を有して(Mantecucco,C.et al.,TIBS.,18:324,1993)、軽鎖は薬理活性を持っていて洗剤(detergent)を使って細胞に透過性を与えたり、電気穿孔(electroporation)等で細胞内投入された時神経伝達物質の分泌を妨げる(Poulain,B.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,85:4090,1988)。

0005

前記毒素は、神経筋接合部(neuromuscular junction)のコリン性シナプス(cholinergic presynapse)でアセチルコリンエキソサイトーシス(exocytosis)を阻害して無力症を引き起こす。極微量の毒素を処理しても毒性が現れることからこの毒素は何らかの酵素活性を持つと考えられられてきた(Simpson,L.L.et al.,Ann.Rev.Pharmaeol.Toxicol.,26:427,1986)。

0006

最近明らかになったところによると、毒素はメタロペプチダーゼ活性(metallopeptidase activity)を持っていて、その基質は、エキソサイトーシス装置複合体(exocytosis machinary complex)をなす単位タンパク質であるシナプトブレビン(Synaptobrevin)、シンタキシン(Syntaxin)、25KDaのシナプトソーム関連タンパク質(Synaptosomal associated protein of 25KDa)(SNAP25)等である。各型の毒素は、この三つのタンパク質中一つを基質としているが、B、D、FおよびG型は、シナプトブレビンを、AとE型はSNAP25を、C型はシンタキシンを特定部位で切断すると知られている(Binz,T.et al.,J.Biol.Chem.,265:9153,1994)。

0007

特に、ボツリヌス毒素A型は、pH4.0〜6.8の薄い水溶液溶解性であると知られている。約7以上のpHで安定化非−毒素タンパク質が神経毒素から分離されて、その結果毒性が徐々に失われるが、特にpHおよび温度が上昇するにつれ毒性が減少すると知られている。

0008

前記ボツリヌス毒素は、少量で体に致命的で大量生産が容易であるため、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ペスト(Yersinia pestis)、天然痘(smallpox virus)と共に4大生物テロ武器で使われることができる毒素である。しかし、前記ボツリヌス毒素(botulinum toxin)中A型毒素の場合には、全身的には体に影響を及ぼさない容量以下で注射すると、前記注射部位局所筋肉麻痺させることができると明らかになり、このような特性を利用してシワ除去剤強直性片麻痺および脳性麻痺治療剤などで広範囲に使用することができるので、需要急増していて需要に合わせてボツリヌス毒素の生産方法に対する研究が盛んに行われている。

0009

現在代表的に商用化されている製品は、米国アラガン(Allergan)社のBOTOX(登録商標)(ボツリヌス毒素A型精製された神経毒素複合体)で、それぞれのBOTOX(登録商標)の100ユニットバイアルは、約5ngの精製されたボツリヌス毒素A型複合体、0.5mgヒト血清アルブミン、および0.9mg塩化ナトリウムで構成されて、真空乾燥形態で提供されて、保存剤なしに(0.9%塩化ナトリウム注入滅菌生理食塩水を利用して復元させる。他の商用化された製品は、英国Ipsen社のDysport(登録商標)(ボツリヌス毒素薬剤学的組成物ラクトースおよびヒト血清アルブミンを有するクロストリジウムボツリヌスA型毒素ヘマグルチニン複合体、使用前に0.9%塩化ナトリウムを利用して復元される)およびSolstice Neurosciences社のMyoBlocTM(ボツリヌス毒素B型、ヒト血清アルブミン、コハク酸ナトリウム、および塩化ナトリウムを含む薬pH5.6注射溶液)等がある。

0010

従来のボツリヌス毒素の製造のためには、酸沈殿法、塩による析出法およびクロマトグラフィー法などが利用された。

0011

例えば、日本公開特許第1994−192296号にはクロストリジウムボツリヌス細菌を培養した後、酸沈殿、抽出、核酸分解制添加および結晶化工程を経て結晶型(crystalline)のボツリヌスA型毒素を製造する方法が開示されている。また、米国登録特許第5696077号にはクロストリジウムボツリヌス細菌を培養して、これを酸沈殿、抽出、イオン交換クロマトグラフィーゲルろ過クロマトグラフィーおよび結晶化工程を経てボツリヌスB型毒素を製造する方法が開示されている。

0012

一方、Simpson等は、重力流クロマトグラフィーを使用したボツリヌス神経毒素の精製、HPLC、親和性樹脂を使用した捕獲工程、サイズ排除クロマトグラフィー、および二つの異なるイオン交換カラムの使用を含むイオン陰イオンおよび陽イオン交換クロマトグラフィーを使用してボツリヌスA型毒素を製造して(Method in Enzymology,165:76,1988)、Wang等は、ボツリヌス毒素A型を精製するための沈殿とイオンクロマトグラフィー法を使用した(Dermatol Las Faci Cosm Surg.,2002:58,2002)。

0013

また、米国登録特許第6818409号にはボツリヌス毒素を精製するためのイオン交換およびラクトースカラムの使用が開示されていて、米国登録特許第7452697号にはイオン交換クロマトグラフィーおよび疏水性クロマトグラフィーを使用してボツリヌスA型毒素を製造する方法が開示されている。大韓民国公開特許第2009−0091501号には酸沈殿および陰イオン交換クロマトグラフィー法を利用して、ボツリヌス毒素を精製する方法が、米国公開特許第2013−0156756号は陰イオン交換クロマトグラフィーおよび陽イオン交換クロマトグラフィー法を利用したボツリヌス毒素の精製方法が開示されている。

0014

しかしながら、既存方法での陰イオン交換クロマトグラフィーの使用は、ボツリヌス毒素のゲルバンドパターン(gel banding pattern)に有害な影響を及ぼして(米国登録特許第7452697号)、精製期間が長く商業的に適用するなどの問題点が残っていて、ボツリヌス毒素生産菌株であるクロストリジウムボツリヌスは、嫌気性細菌であるため、発酵嫌気性施設内で行わなければならないため、大量生産が難しい問題点があり、前記精製方法によって精製された有効性分である前記ボツリヌス毒素が明確に分離同定されなく不純物が含まれる問題点があった。また、従来のボツリヌス毒素の製造方法は、高純度のボツリヌス毒素を精製するためにろ過または透析工程などが必須的に含まれて精製過程が複雑かつ困難な問題がある。

0015

そこで、本発明者等は、前記のような既存の問題を解決するために努力した結果、ボツリヌス毒素生産菌株培養液を酸で処理してボツリヌス毒素を酸沈殿させた後、形成された沈殿物を陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて精製すると、ろ過(filtration)、透析(dialysis)およびエタノール沈殿(ethanol precipitation)工程の省略が可能で、ボツリヌス毒素の製造過程が非常に容易である点を確認して、

0016

前記の製造方法で純度98%以上のボツリヌス毒素が生産できることを確認して本発明を完成した。

0017

特開1994−192296号公報
米国特許出願公開第2013/0156756号明細書
米国特許第7452697号明細書
米国特許第6818409号明細書
韓国公開特許第2009−0091501号公報
米国特許出願公開第2013−0156756号明細書

先行技術

0018

Sugiyama,H.,Microbiol.Rev.、44:419,1980
Park.M.K.,et al.,FEMS Microbiol.Lett.,72:243,1990
Mantecucco,C.et al.,TIBS.,18:324,1993
Poulain,B.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,85:4090,1988
Simpson,L.L.et al.,Ann.Rev.Pharmaeol.Toxicol.,26:427,1986
Binz,T.et al.,J.Biol.Chem.,265:9153,1994
Dermatol Las Faci Cosm Surg.,2002:58,2002

発明が解決しようとする課題

0019

本発明の目的は、簡単な工程で高純度のボツリヌス毒素を製造する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0020

前記目的を達成するために、本発明は、(a)ボツリヌス毒素生産菌株培養液を酸で処理して、ボツリヌス毒素を酸沈殿させる工程;(b)前記沈殿したボツリヌス毒素に緩衝溶液を添加した後、プロテアーゼ抑制剤(protease inhibitor)および核酸分解酵素を処理してボツリヌス毒素を抽出する工程;(c)前記抽出されたボツリヌス毒素を酸で処理してボツリヌス毒素を酸沈殿させた後、沈殿物を緩衝溶液に溶解させる工程;および(d)陰イオン交換クロマトグラフィーを利用してボツリヌス毒素を精製する工程;を含むボツリヌス毒素の製造方法を提供する。

図面の簡単な説明

0021

本発明に係るボツリヌス毒素の製造過程を示した模式図。
一次陰イオン交換クロマトグラフィー精製工程後、ボツリヌス毒素の純度を測定した結果。
二次陰イオン交換クロマトグラフィー精製工程後、ボツリヌス毒素の純度を測定した結果。
本発明に係る製造方法で製造されたボツリヌス毒素とアラガン(Allergan)社のBOTOXR処理による複合筋活動電位振幅増減程度を測定した結果。(N:no injection;S:saline injection;B2:BTX−A−1,two units;D2:BTX−A−2,two units;B4:BTX−A−1,four units;D4:BTX−A−2,four units;B8:BTX−A−1,eight units;D8:BTX−A−2,eight units)。
本発明に係る製造方法で製造されたボツリヌス毒素とアラガン(Allergan)社のBOTOXR処理による伝導速度(conduction velocities)を測定した結果。(N:no injection;S:saline injection;B2:BTX−A−1,two units;D2:BTX−A−2,two units;B4:BTX−A−1,four units;D4:BTX−A−2,four units;B8:BTX−A−1,eight units;D8:BTX−A−2,eight units)。

0022

他の方式で定義されない限り、本明細書において使用されたあらゆる技術的・科学的用語は、本発明が属する技術分野に熟練した専門家によって通常理解されるものと同じ意味を有する。通常、本明細書において使用された命名法は、本技術分野において周知であり、しかも汎用されるものである。

0023

一観点において、本発明は、(a)ボツリヌス毒素生産菌株培養液を酸で処理して、ボツリヌス毒素を酸沈殿させる工程;(b)前記沈殿したボツリヌス毒素に緩衝溶液を添加した後、プロテアーゼ抑制剤(protease inhibitor)および核酸分解酵素を処理してボツリヌス毒素を抽出する工程;(c)前記抽出されたボツリヌス毒素を酸で処理してボツリヌス毒素を酸沈殿させた後、沈殿物を緩衝溶液に溶解させる工程;および(d)陰イオン交換クロマトグラフィーを利用してボツリヌス毒素を精製する工程;を含むボツリヌス毒素の製造方法に関する(図1)。

0024

前記方法を介して最終的に製造されたボツリヌス毒素は、冷凍保管および凍結乾燥保管など様々な方法により保管が可能である。

0025

本発明において、前記(d)工程を終えた後、(e)ボツリヌス毒素が含まれている陰イオン交換クロマトグラフィー分画硫酸アンモニウムで処理して沈殿させた後、沈殿物を緩衝溶液に溶解させる工程;および(f)陰イオン交換クロマトグラフィーを利用してボツリヌス毒素を精製する工程をさらに含んでもよい。

0026

本発明において、ボツリヌス毒素生産菌株は、クロストリジウムボツリヌス(Clostridium botulinum)であることが好ましいが、これに限定されるのではなく、ボツリヌス毒素生産が可能ないずれの菌株でも使用可能であることは通常の技術者には自明である。

0027

本発明の「ボツリヌス毒素」とは、クロストリジウムボツリヌス菌株によって生成された神経毒素だけでなく、変形、組換えハイブリッドおよびキメラボツリヌス毒素を意味する。組換えボツリヌス毒素は、非−クロストリジウム種によって組換えで製造された軽鎖および/または重鎖を有することができる。また、本発明の「ボツリヌス毒素」は、ボツリヌス毒素血清型A、B、C、D、E、FおよびGを包括して、ボツリヌス毒素複合体(すなわち300、600および900kDa複合体)だけでなく、純粋ボツリヌス毒素(すなわち約150kDa神経毒性分子)の二つ共を包括して、これらはいずれも本発明の実施において有用である。

0028

本発明の「製造されたボツリヌス毒素」とは、ボツリヌス毒素が培養または発酵工程から収得される時、ボツリヌス毒素に同伴できる他のタンパク質および不純物から分離されるか実質的に分離された純粋ボツリヌス毒素またはボツリヌス毒素複合体を意味する。従って、製造されたボツリヌス毒素は少なくとも90%、好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の純度を有して、特に好ましくは本発明において、製造されたボツリヌス毒素は、純度98%以上のボツリヌス毒素A型タンパク質であることを特徴とする。

0029

ボツリヌス毒素を製造するためのクロストリジウムボツリヌス菌株の培養は、当業界に公示された通常の方法を用いてなり、培養のために用いることができる通常の培地を利用して培養可能である。

0030

非制限的な例として、クロストリジウムボツリヌス菌株の培養のための培地には、カゼイン加水分解物(Casein hydrolysate)、酵母抽出物(Yeast extract)、グルコース(Glucose)等が含まれ、25〜40℃の温度で90〜180時間、好ましくは100〜150時間培養する。

0031

前記(a)工程での酸沈殿工程は、培養を終了した後pHセンサーを利用してpHが3.0〜4.5、好ましくは3.3〜4.0、最も好ましくは3.4〜3.6になるように、酸、好ましくは硫酸または塩酸を添加することによって行うことができる。

0032

(a)工程における酸沈殿工程は、ボツリヌス菌を培養した後、残っている菌を全部死滅させて多くの種類のタンパク質溶液に酸を加えることによってpHを低下させて、タンパク質が等電点に達することになって沈殿する原理を利用したものである。広い意味で結晶化も含まれて、純粋に精製するのに重点を置いた結晶化に比べて沈殿法は混合された状態で目的物を粗く分離する方法である。通常沈殿法は、目的物質構造的に類似の不純物が共に沈殿される。この時、pHを約3.0〜4.5に調節して、前記ボツリヌス毒素の回収率は、pHが低いほど高くなるが、pHが3.0以下になる場合、前記ボツリヌス毒素自体に影響を及ぼして、pHが4.5以上になる場合、前記ボツリヌス毒素の回収率が低くなるため、前記範囲内で行われることが好ましい。

0033

特に、pHが3.4〜3.6である時、前記ボツリヌス毒素の回収率が最も高いので最も好ましい。ボツリヌス菌培養液に酸を徐々に加えた後、pHが適合した範囲に到達すればそれ以上pH変化を示さない時まで添加した後、常温で15時間〜30時間放置した後、上澄み液を除去する。

0034

前記(b)工程におけるボツリヌス毒素抽出工程は、(a)工程で得た毒素をリン酸緩衝液、好ましくはリン酸ナトリウム緩衝液(sodium phosphate buffer)を加えて溶解して沈殿を除去する工程を含むが、この時、リン酸緩衝液のpHは約4.0〜約7.0が好ましく、塩基、好ましく水酸化ナトリウム(NaOH)を添加して最終pHを4.5〜6.5、好ましくは5.0〜6.0に調節して、毒素抽出を前記pH範囲で行うことができる。

0035

また、前記(b)工程での核酸分解酵素は、DNaseおよびRNaseであることを特徴とし、プロテアーゼ抑制剤(protease inhibitor)は、ベンザミジン塩酸(benzamidine HCl)を用いることが好ましいが、これに限定されず当業界に公示されたタンパク質分解酵素活性を抑制できるいずれの物質でも使用可能である。

0036

(b)工程ににおけるボツリヌス毒素抽出工程での核酸分解酵素処理を介して(a)工程で酸によって沈殿された沈殿物に含まれたDNA、RNAなどの不純物分解が可能である。酵素処理工程は、1.5時間以下にすると、DNA、RNAの分解が不充分に起きることがあるので、1.5〜7時間、好ましくは3〜6時間行うことが好ましく、DNaseおよびRNaseは、0.05〜1.0g/l、好ましくは0.1〜0.5g/lの濃度で添加されることが好ましい。

0037

前記酵素処理を介した収得された抽出液には、ボツリヌス毒素と前記ボツリヌス毒素と類似の極性を有するタンパク質が含まれているので、前記タンパク質を塩酸で沈殿させる塩酸沈殿工程を経なければならない。具体的には、前記(c)工程における塩酸沈殿工程は、酵素処理された抽出液を遠心分離して収得した上澄み液に塩酸(HCl)を添加してpH2.5〜4.5、好ましくはpH3.0〜4.0になるように調節した後、4℃の低温冷蔵庫で塩酸沈殿過程を行うることが好ましい。特に、前記塩酸沈殿工程でのpHは、毒素の活性と回収率を高く維持するために、pHを3.3〜3.8に調節することが最も好ましいが、前記pH範囲内で塩酸沈殿工程が行われる場合、ボツリヌス毒素が90%以上で力価が高く、タンパク質の凝固現象が顕著に減る効果がある。以後、前記塩酸沈殿物を緩衝溶液に溶解させて、次の工程を行うことができる。

0038

最も重要な工程である前記(d)工程は、塩酸沈殿過程完了後、ボツリヌス毒素A型を除いた多くの主な不純物を除去するために、陰イオン交換樹脂を利用してクロマトグラフィーを行うもので、陰イオン交換樹脂としてはジエチルアミノエチルDEAE)または第四級アムモニウム(Quaternary ammonium,Q)基で置換されたものなどを用いることができるが、これに制限されない。例えば、米国特許第5,696,077号、国際特許公開第WO96/05222および米国特許第5,846,929号に記載されたようなDEAE−Sephadexを用いることができる。好ましくは、強塩基性の第四級アムモニウム基を有するグループやまたは弱塩基性のジエチルアミノエチル(DEAE)グループを有する陰イオン交換樹脂のうちいずれか一つを選択して用いる。

0039

例えば、強塩基性の陰イオン交換グループでは、 Q Sepharose Fast Flow, Q Sepharose High Performance, Resource Q, Source 15Q, Source 30Q, Mono Q, Mini Q, Capto Q, Capto Q ImpRes, Q HyperCel, Q Cermic HyperD F, Nuvia Q, UNOsphere Q, Macro−Prep High Q, Macro−Prep 25 Q, FractogelEMD TMAE(S), Fractogel EMD TMAE Hicap (M), Fractogel EMD TMAE (M), Eshmono Q, ToyopearlQAE−550C, Toyopearl SuperQ−650C, Toyopearl GigaCap Q−650M, Toyopearl Q−600C AR, Toyopearl SuperQ−650M, Toyopearl SuperQ−650S, TSKgel SuperQ−5PW (30), TSKgel SuperQ−5PW (20), TSKgel SuperQ−5PWなどを用いることができるが、これに限定ず当業界に公示された陰イオン交換樹脂を用いることができる。

0040

カラム緩衝液としては、リン酸ナトリウム緩衝液、クエン酸緩衝液を用いることができる。好ましくは、リン酸ナトリウム緩衝液を用いる。カラム緩衝液の濃度は、30mM〜70mMに調節し、好ましくは約40〜60mMに調節する。カラム緩衝液のpHは、約3.5〜7.5になるように調節して、移動相流速は、0.5ml/分〜5.0ml/分に調節して、好ましくは、1.0〜3.0ml/分に調節する。この時、緩衝液の伝導度は3〜30mS/cmに合わせてカラムの平衡化が終わると試料を注入する。毒素は、Flow throughで湧出されて、多くの主な不純物は吸着される。すなわち、前記(d)工程における陰イオン交換クロマトグラフィーを利用した精製工程で、ボツリヌス毒素A型タンパク質は、陰イオン交換樹脂に吸着されず多くの主な不純物は吸着されて除去される。

0041

本発明において、前記(d)工程の陰イオン交換クロマトグラフィーは、pH3.5〜7.5、好ましくはpH4.5〜7.0、伝導度(conductivity)は、3〜30mS/cm、好ましくは5〜20mS/cmの条件で行われることが好ましい。

0042

以後、(d)工程の陰イオン交換クロマトグラフィー過程で完全に除去されず残っている余分の不純物を除去するために、必要な場合(e)ボツリヌス毒素が含まれている陰イオン交換クロマトグラフィー分画を硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)で処理して沈殿させた後、沈殿物を緩衝溶液に溶解させる工程;および(f)二次陰イオン交換クロマトグラフィーを利用してボツリヌス毒素を精製する工程をさらに含ませてボツリヌス毒素を製造することができる。

0043

前記(e)工程でボツリヌス毒素が含まれている陰イオン交換クロマトグラフィー分画を硫酸アンモニウムで処理して沈殿させた後、沈殿物を緩衝溶液に溶解させた。前記硫酸アンモニウム沈殿工程は、塩析過程に該当するもので、前記塩析は水によく溶解する塩(硫酸アンモニウムなど)をタンパク質混合液に加えてイオン強度を増加させてタンパク質を沈殿させるものである。もし目的とするタンパク質が硫酸アンモニウム30%(w/v)飽和時主に沈殿するのを知ると、予め30%(w/v)飽和以下の硫酸アンモニウム濃度で目的以外のタンパク質を沈殿させて除去して、次に30%(w/v)飽和になるように硫酸アンモニウムを加えて目的とするタンパク質を沈殿させてこれを遠心分離で集めることができる。塩析操作は、精製の初期手段としてよく利用される。この時用いられる硫酸アンモニウム溶液は、10〜50%(w/v)、好ましくは20〜40%(w/v)濃度の溶液を用いることができる。

0044

以後、前記(f)工程で陰イオン交換クロマトグラフィーを利用してボツリヌス毒素を精製することができる。本発明に係る高純度のボツリヌス毒素の精製は、(d)工程の陰イオン交換クロマトグラフィー(一次陰イオン交換クロマトグラフィー)でほとんど行われ、(f)工程の陰イオン交換クロマトグラフィー(二次陰イオン交換クロマトグラフィー)は完全に除去されず残っている余分の不純物を除去するために実施するもので、(f)工程の陰イオン交換クロマトグラフィーは、(d)工程の陰イオン交換クロマトグラフィーと同じ方法で行われる。

0045

前記精製方法を介して得られたボツリヌス毒素A型タンパク質が含まれている最終分画を除菌ろ過して原液を製造することができる。製造された原液は、使用時まで凍結保管することができる。

0046

他の観点において、本発明は、本発明の方法で製造されたボツリヌス毒素に関する。HPLCを利用した精製されたボツリヌス毒素の純度を確認した結果、一次陰イオン交換クロマトグラフィーを行った後のボツリヌス毒素の純度は98.38%で(図2)、一次陰イオン交換クロマトグラフィー工程でほとんどの毒素が除去されてアラガン(Allergan)社のBOTOX(登録商標)(純度約95%)より純度が高いことを確認できて、二次陰イオン交換クロマトグラフィーを行った後のボツリヌス毒素の純度は98.99%であることを確認した(図3)。

0047

また、本発明のボツリヌス毒素の製造方法は、ろ過(filtration)、透析(dialysis)およびエタノール沈殿(ethanol precipitation)工程の省略が可能で、ボツリヌス毒素の製造過程が容易で簡単である長所があって、特に、アラガン(Allergan)社のBOTOX(登録商標)(米国公開特許第2012−0156756号;Non−APF方式)に比べて2度のろ過(filtration)工程およびエタノール沈殿(ethanol precipitation)工程の省略により精製工程が縮小されて(5工程−>3工程)、ボツリヌス毒素原液生産期間(4週−>2週)を短縮させることができる長所を持つ。

0048

本発明のさらに他の実施例で本発明の方法で製造されたボツリヌス毒素A型タンパク質(DWP450)の安全性を確認するために、アラガン(Allergan)社のBOTOX(登録商標)と安全性を比較する実験を行った結果、本発明の方法によって製造されたボツリヌス毒素(DWP450)は雌に対して60U/kgのNOAL値を示してアラガン(Allergan)社のボトックス30U/kgに比べて2倍以上安全なことが明らかになって、これは本発明の方法で製造されたボツリヌス毒素の場合、純度が高く局所作用力が増大して副作用として示されるボツリヌス毒素の全身循環性が低くなって安全性が2倍高く示されたと見ることができる。

0049

本発明の方法で製造されたボツリヌス毒素は、薬学的組成物の有効性分となる。前記ボツリヌス毒素は、活動亢進性骨格筋を特徴とする神経筋障害治療のために使用されてもよい。また、頭痛偏頭痛緊張性頭痛副鼻腔頭痛頚椎性頭痛、発汗障害、脇多汗症、手多汗症、足多汗症、フレ症候群過運動性皮シワ(hyperkinetic skin line)、顔面シワ、眉間シワ、目じりシワ、口元シワシワ、皮膚障害弛緩不能症、斜視、慢性裂肛眼瞼痙攣筋骨格痛線維筋痛症すい臓炎、頻脈前立腺肥大前立腺炎尿閉尿失禁過敏性膀胱片側顔面痙攣震え筋痙攣胃腸管障害糖尿病唾液過多症、排尿筋括約筋協調不全脳卒中後硬直、傷回復小児脳性麻痺、平滑筋痙攣、再狭窄、局所筋緊張異常てんかん頸部筋緊張異常症、甲状腺障害高カルシウム血症強迫障害、関節炎痛み、レイノー症候群皮膚伸展線条腹膜癒着血管痙攣鼻水筋肉痙縮負傷筋柔、喉頭筋緊張異常、書痙および手根管症候群など多様に使用できる。

0050

本発明の「薬学的組成物」とは、ボツリヌス毒素を有効性分として含む製剤を意味して、「製剤(formulation)」とは、薬学的組成物にボツリヌス神経毒素活性成分以外に少なくとも一つ以上の追加的な成分(賦形剤)が含まれることができる。前記追加的な成分は、アルブミン、ヒト血清アルブミン、組換えヒト血清アルブミンゼラチンスクローストレハロースヒドロキシエチル澱粉コラーゲン、ラクトース、スクロース塩化ナトリウム、ポリサッカライドカプリル酸ポリビニルピロリドンおよびナトリウムからなる群で選択されるが、これに限定されない。また、ボツリヌス毒素を有効性分として含む薬学的製剤は、追加的な成分(賦形剤)と組合わせる工程を含み、組合せ合工程は、フリーズドライ(freeze drying)、凍結乾燥(lyophilization)および真空乾燥(vacuum drying)からなる工程の群で選択されることを特徴とする。

0051

従って、薬学的組成物はヒト患者のような対象に診断、治療または美容のために(例えば、筋肉内または皮下注射によって、または、デポ(depot)またはインプラントの挿入によって)投与するのに適する製剤である。薬学的組成物は、例えば凍結乾燥されたり真空乾燥された状態、凍結乾燥されたり真空乾燥された薬剤学的組成物を食塩水または水で復元した後、形成された溶液または;復元を要しない溶液であってもよい。活性成分は、ボツリヌス毒素血清型A、B、C1、D、E、FまたはGの中一つまたはクロストリジウムバクテリアによって天然で製造されることができるいずれのボツリヌス毒素であってもよい。先述の通り、薬剤学的組成物は液体または固体であってもよく、例えば真空−乾燥されることができる。ボツリヌス毒素活性成分薬学的組成物を製剤化するための代表的な方法は、2002年11月5日に公開された米国特許公開公報第2003−0118598号に開示されている。

0052

本発明のさらに他の実施例では、本発明の方法で製造されたボツリヌス毒素A型タンパク質(DWP450)の効能を確認するために、複合筋活動電位(compound muscle action potential:CMAP)振幅および伝導速度(conduction velocities;tC)を測定した。二つのそれぞれ異なるボツリヌス毒素A型タンパク質であるBTX−A−1(BOTOX(登録商標),Allergan Inc.(California,USA))と実施例2で製造されたBTX−A−2(DWP450)を用いて四つのグループに分けて実験を行った。グループ1は、0.08mlの塩化ナトリウム(sodium chloride;NaCl)を一つのTA筋肉に投与し、他方のTA筋肉には何も投与せず、グループ2は、0.02mlのBTX−A−1(二つのユニット)を一つのTA筋肉に投与し、他方のTA筋肉には0.02mlのBTX−A−2(二つのユニット)を投与した。グループ3は、0.04mlのBTX−A−1(四つのユニット)を一つのTA筋肉に投与し、他方のTA筋肉には0.04mlのBTX−A−2(四つのユニット)を投与して、グループ4は、0.08mlのBTX−A−1(八つのユニット)を一つのTA筋肉に投与し、他方のTA筋肉には0.08mlのBTX−A−2(八つのユニット)を投与した。

0053

ボツリヌス毒素の1ユニット(unit)は、それぞれ約18〜20gで計量される雌スイスウェブスターマウス腹腔内注射時のLD50で定義されて、ボツリヌス毒素の1ユニットは、雌スイスウェブスターマウスグループの50%を殺すボツリヌス毒素の量である。

0054

BTX−A−1およびBTX−A−2の投与による複合筋活動電位を測定した結果、2Hzの遅い刺激速度で、BTX−A−1およびBTX−A−2を投与したグループは、投与3日、1週、2週、3週および4週後にTA筋肉(dY)の麻痺効果を観察し(図4A)、20Hzの速い刺激速度でもBTX−A−1およびBTX−A−2を投与したグループ全部において、投与3日、1週、2週、3週および4週後にTA筋肉(dY)の麻痺効果を観察した(図4B)。2Hzの遅い刺激速度および20Hzの速い刺激速度でBTX−A−1とBTX−A−2との間に有意差(p<0.05)がないことを確認して、BTX−A−1およびBTX−A−2投与群全部においてTA筋肉に麻痺効果は、投与したボツリヌス毒素の容量と関連があることを確認した。

0055

BTX−A−1およびBTX−A−2の投与による伝導速度(tC)を測定した結果、BTX−A−1とBTX−A−2を投与したグループ全部において、2Hzの遅い刺激速度および20Hzのはやい刺激速度で伝導速度の遅延を誘発させないことを確認した(図5)。

0056

すなわち、本発明の方法で製造されたボツリヌス毒素はすでに商業的に販売されているアラガン(Allergan)社のBOTOX(登録商標)と似た効果を有していて、純度が高くてボツリヌス毒素の全身循環性が低くなって安全性が2倍高いので、神経筋肉障害の治療、シワ除去剤、強直性片麻痺および脳性麻痺の治療剤など多様に利用されることができるのを確認した。

0057

以下、本発明を実施例を挙げて詳述する。これらの実施例は単に本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に制限されないことは当業者において通常の知識を有する者にとって自明である。

0058

実施例1:クロストリジウムボツリヌス菌株の培養
1−1:培養に用いた培地の組成
ボツリヌス毒素の生産のためのクロストリジウムボツリヌス菌株の種培養および本培養は、2%カゼイン加水分解物(Casein hydrolysate)、1%酵母抽出物(Yeast extract)、1%グルコース(Glucose)および0.5%チオグリコール酸塩培地(Thioglycollate medium)の組成を有する培地を用いた。

0059

1−2:クロストリジウムボツリヌス菌株の種培養(seed culture)
実施例1−1の培地組成を有する10mlの滅菌された培地が入っているculture tubeに20ulのクロストリジウムボツリヌス(疾病管理本部管理番号:4−029−CBB−IS−001)を接種して35℃で嫌気的条件で(22〜30時間)一次種培養(静置培養)した。一次種培養で菌株の成長が確認されると同じ培地組成を有する800mlの滅菌された培地が入っている1リットルculture bottleに8mlの一次種培養液を接種して35℃で嫌気的条件で(8〜15時間)二次種培養(静置培養)した。

0060

1−3:クロストリジウムボツリヌス菌株の本培養
クロストリジウムボツリヌス菌株を培養してボツリヌス毒素を生産するために本培養を実施して、実施例1−1の組成で培地9.3リットルを調製して、10リットル培養器に入れた後、培地滅菌を実施した。嫌気的条件は、窒素を供給して作り、温度は35℃、撹はん速度は50rpmに設定して成長環境を維持させた。

0061

実施例1−2で二次種培養を完了した1リットルculture bottleを10リットル培養器の接種ポットと連結された接種ライン(line)を介して10リットル培養器に接種した。10リットル培養器でのクロストリジウムボツリヌス菌株は、35℃、50rpm条件で培養されて、培養が進行される間培養設定条件に維持されるか確認して記録した。100時間以上培養された時本培養を終了した。

0062

実施例2:ボツリヌス毒素の製造
2−1:硫酸沈殿工程
硫酸沈殿工程は、ボツリヌス菌を培養した後、残っている菌を全部死滅させて、多くの種類のタンパク質が含まれた培養液に硫酸を添加することによってpHを低下させてタンパク質が等電点に達することになって、沈殿させるタンパク質を分離する方法で、実施例1−3の方法で本培養を実施して、培養が完了すると10リットル培養器のpHセンサーを利用してpH3.4〜3.6になるように5N硫酸を自動ポンプ(pump)で添加した後、培養器の収穫ライン(harvest line)を介して20リットル容器(AS ONE,Cat.No AS5.372.06)も培養液を移動させて硫酸沈殿液が入っている20リットル容器を直ちに生物安全作業対(BSC)に移してBSC内で硫酸沈殿を実施した。

0063

2−2:酵素処理および毒素抽出
前記硫酸沈殿物から上澄み液を除去してpH5.3の1Mリン酸ナトリウム(sodium phosphate)バッファー700mlを添加した。その次、5N水酸化ナトリウム(NaOH)を利用してpHを5.0〜6.0に調節して、沈殿物に残っているDNAおよびRNAを除去するために、0.4Mベンザミジン塩酸(benzamidine HCl)60ml、DNase 1g、RNase1gを添加してボツリヌス毒素を抽出するために約5時間反応させた。

0064

2−3:塩酸沈殿および毒素溶解
前記毒素抽出培養液を4℃、12000xgで15分間遠心分離してペレットpellet)と上澄み液を分離して、分離した上澄み液を新しい10リットルビン(AS ONE,Cat.No AS5.372.04)に移した後、1N塩酸(HCl)を添加してpH3.4〜3.6になるように4℃低温冷蔵庫で塩酸沈殿過程を行った。塩酸沈殿液を4℃、12000xgで15分間遠心分離して上澄み液を除去した後、毒素沈殿物(pellet)にpH6.5の50mMリン酸ナトリウム(sodium phosphate)バッファー50mlを添加して毒素を溶解させた。

0065

2−4:一次陰イオン交換クロマトグラフィー
沈殿過程完了後、ボツリヌス毒素A型を除いた多くの主な不純物を除去するためにイオン交換樹脂を利用してクロマトグラフィーを行った。陰イオン交換樹脂(Toyopearl SuperQ−650M,Tosoh Bioscience,P/N 17228)をカラムに充填した後、前記2−3工程で沈殿させた試料を注入して、50mMリン酸ナトリウム湧出緩衝溶液で毒素を湧出した。一次精製工程でボツリヌス毒素A型タンパク質は、陰イオン交換樹脂に吸着せず多くの主な不純物は吸着されて除去されて、この時、高純度ボツリヌス毒素の精製のためにpHは4.5〜7.0、伝導度(conductivity)は5〜20mS/cmが維持されるようにした。

0066

2−5:硫酸アンモニウム沈殿
陰イオン交換クロマトグラフィーを利用して精製されたボツリヌス毒素A型タンパク質が含まれている分画を集めて20〜40%(w/v)で硫酸アンモニウム(ammonium sulfate)を添加してボツリヌス毒素A型タンパク質を再び沈殿させて、沈殿したボツリヌス毒素A型タンパク質は、pH6.5の50mMリン酸ナトリウム(sodium phosphate)バッファーに再溶解した。

0067

2−6:二次陰イオン交換クロマトグラフィー
硫酸アンモニウム沈殿過程完了後、ボツリヌス毒素A型を除いた少数の不純物を除去するために、イオン交換樹脂を利用したクロマトグラフィーを再度行った。陰イオン交換樹脂(Toyopearl SuperQ−650M,Tosoh Bioscience,P/N 17228)をカラムに充填した後、前記2−5工程で再溶解した硫酸アンモニウム沈殿物を注入して、50mMリン酸ナトリウム湧出緩衝溶液で毒素を湧出した。この時、ボツリヌス毒素A型タンパク質は吸着せず少数の不純物は吸着されて除去される。

0068

高純度のボツリヌス毒素での精製は、精製一次陰イオン交換クロマトグラフィー工程でほとんどの行われ、二次陰イオン交換クロマトグラフィーを利用した精製工程は、残っている余分の不純物を除去するために実施するものである。この時、高純度ボツリヌス毒素の精製のためにpHは4.5〜7.0、伝導度(conductivity)は5〜20mS/cmが維持されるようにした。

0069

2−7:原液製造
前記2−6工程の陰イオン交換クロマトグラフィーを利用して精製されたボツリヌス毒素A型タンパク質が含まれている分画を集めて、0.2um除菌ろ過して原液を製造して、製造された原液は−70℃以下に保管した。製造されたボツリヌス毒素A型タンパク質はDWP450と命名した。

0070

実施例3:精製されたボツリヌス毒素の純度確認
HPLC(Waters社e2695)は、SEC(size exclusion chromatography)法で行った。移動相はpH6.5の100mMリン酸ナトリウム溶液を用いて、P/N 08542に対するガードカラム(Tosoh Bioscience社、P/N 08543)にTSKgel G4000SWXL(Tosoh Bioscience社、P/N 08542)カラムを連結してボツリヌスA型毒素タンパク質20μgをローディング(loading)して1mL/minで30分間流した。その結果、一次陰イオン交換クロマトグラフィーを行った後のボツリヌス毒素の純度は98.38%で(図2)、二次陰イオン交換クロマトグラフィーを行った後のボツリヌス毒素の純度は98.99%であることを確認した(図3)。

0071

実施例4:精製されたボツリヌス毒素の安全性確認
実施例2で精製されたボツリヌス毒素A型タンパク質(DWP450)の安全性を確認するために、アラガン(Allergan)社のBOTOX(登録商標)と安全性を比較する実験を行った。

0072

SD(Sprauge−Dawley)種ラットを利用して、群構成は、試験物質(DWP450)30、60U/kgおよび対照物質(アラガンサのBOTOX(登録商標))30、60U/kgの四つの容量と対照群生理食塩注射液)の五つの群にして、群当たり雄雌それぞれ10匹ずつ、1回/1週、計5回、5週間筋肉投与した。試験物質(DWP450)60U/kgおよび対照物質(BOTOX(登録商標))60U/kg投与群には雄雌各5匹ずつ追加して毒性の可逆性を評価するために12週間の回復期間を置いて比較反復毒性試験を行った(表1)。

0073

0074

結果的に本発明のボツリヌス毒素(DWP450)は、雌に対して60U/kgのNOAEL値を示して、アラガン(Allergan)社ボトックス30U/kgに比べて2倍以上安全であることが明らかになり、これは本発明のボツリヌス毒素の場合、純度が高くて局所作用力が増大して副作用として現れるボツリヌス毒素の全身循環性が低くなって安全性が2倍高く示されることを確認することができた。

0075

実施例5:精製されたボツリヌス毒素の効能確認
実施例2で精製されたボツリヌス毒素A型タンパク質(DWP450)の効能を確認するために、複合筋活動電位(compound muscle action potential:CMAP)振幅および伝導速度(conduction velocities;tC)を測定した。

0076

SD(Sprague−Dawley)種ラット雄24匹を任意に6匹ずつ四つの群に分けて実験を進めた。二つのそれぞれ異なるボツリヌス毒素A型タンパク質であるBTX−A−1(BOTOX(登録商標),Allergan Inc.(California,USA))と実施例2で精製されたBTX−A−2(DWP450)を用いた。この二つの製剤は、表2に示したとおり特性が略同じで、すべての過程においてボツリヌス毒素は0.9%生理食塩水希釈して用いた。ラット(rat)に10mg/kgのケタミン塩酸塩(Ketamine hydrochloride)を腹腔注射(i.p.injection)して麻酔させた後、BTX−A−1およびBTX−A−2をラットの前脛骨筋(tibialis anterior;TA)筋肉に投与した。

0077

0078

グループ1は、0.08mlの塩化ナトリウム(sodium chloride;NaCl)を一つのTA筋肉に投与し、他方のTA筋肉には何も投与せず、グループ2は、0.02mlのBTX−A−1(二つのユニット)を一つのTA筋肉に投与し、他方のTA筋肉には0.02mlのBTX−A−2(二つのユニット)を投与した。グループ3は、0.04mlのBTX−A−1(四つのユニット)を一つのTA筋肉に投与し、他方のTA筋肉には0.04mlのBTX−A−2(四つのユニット)を投与して、グループ4は、0.08mlのBTX−A−1(八つのユニット)を一つのTA筋肉に投与し、他方のTA筋肉には0.08mlのBTX−A−2(八つのユニット)を投与した。

0079

CMAPおよび伝導速度(conduction velocity)の遅延程度は、CyberAmp380とDigidata1320((Axon Instruments.Inc,米国)を利用して測定して、用いられた電極ワニ口クリップ(alligator clip)を利用して皮膚に付着させて、負極は膝窩(popliteal)筋に正極は恥骨後隙(retropubic space)および大腿骨大転子(greater trochanter of femur)に付着させた。記録電極は、前脛骨筋の筋腹(belly muscle of the tibia anterior muscle)、レファレンス記録電極(reference recording electrode)は、左踵骨腱(left hind calcaneal tendon)および足の裏に付着した。

0080

電気刺激は、1〜5mAにして、2Hzの遅い刺激速度および20Hzの速い刺激速度を適用した。TA筋肉の麻痺効果は、CMAPs(dY)のピークツーピーク(peak to peak)振幅を測定して決まられ、伝導速度(tC)の遅延は、刺激点ネガティブピーク時点との間の時間間隔を測定して決めた。

0081

前記電気刺激による分析は、BTX−A−1およびBTX−A−2の投与前と、投与3日、1週、2週、3週および4週後にそれぞれ測定して、BTX−A−1およびBTX−A−2投与によるCMAPおよび伝導速度(conduction velocity)は、SAS(Version9.2,SAS Institute Inc.,米国)を用いて分散分析ANOVA)で分析した。

0082

その結果、2Hzの遅い刺激速度で、BTX−A−1およびBTX−A−2を投与したグループは、投与3日、1週、2週、3週および4週後にTA筋肉(dY)の麻痺効果を観察して(図4A)、20Hzの速い刺激速度でもBTX−A−1およびBTX−A−2を投与したグループ全部において投与3日、1週、2週、3週および4週後にTA筋肉(dY)の麻痺効果を観察した(図4B)。

0083

2Hzの遅い刺激速度および20Hzの速い刺激速度でBTX−A−1とBTX−A−2との間に有意差(p<0.05)がないことを確認して、BTX−A−1およびBTX−A−2投与群全部においてTA筋肉に麻痺効果は投与したボツリヌス毒素の容量と関連があることを確認した。

0084

BTX−A−1およびBTX−A−2の投与による伝導速度(tC)を測定した結果、BTX−A−1とBTX−A−2を投与したグループ全部において、2Hzの遅い刺激速度および20Hzの速い刺激速度で伝導速度の遅延を誘発させないことを確認した(図5)。

実施例

0085

すなわち、本発明の方法により製造されたボツリヌス毒素は、すでに商業的に販売されているアラガン(Allergan)社のBOTOX(登録商標)と似た効果があることを確認した。

0086

本発明に係るボツリヌス毒素の製造方法を利用すると、簡単な工程で高純度のボツリヌス毒素を製造することができるので、非常に経済的かつ効率的で、本発明の方法で製造されたボツリヌス毒素は、既存の方法で生産されたボツリヌス毒素に比べて純度が高くて局所作用力が増加するので、副作用として現れるボツリヌス毒素の全身循環性が低くなって安全性が増加する長所があって、神経筋肉障害の治療、シワ除去剤、強直性片麻痺および脳性麻痺の治療剤など多様に利用されることができる。

0087

以上、本発明の内容の特定の部分を詳述したが、当業界における通常の知識を持った者にとって、このような具体的な記述は単なる好適な実施態様に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されることはないという点は明らかである。よって、本発明の実質的な範囲は特許請求の範囲とこれらの等価物により定義されると言える。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ