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技術 フルフラール製造原料用糖液の製造方法及びフルフラールの製造方法

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 井澤雄輔鈴木葉裕宇都宮賢
出願日 2016年2月8日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-021980
公開日 2017年8月17日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-141169
状態 特許登録済
技術分野 フラン系化合物 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード 連続管 オリバーフィルター 中空糸膜濾過装置 パルプ類 プレコートフィルター 空果房 アラバン 原料粒
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

非可食バイオマス資源から炭素数5の糖類を経由してフルフラールを製造する際、安定かつ効率的にフルフラールを高収率で製造する。

解決手段

反応槽内で、非可食バイオマス資源を原料として、溶媒及び触媒の存在下に反応を行い、得られた反応液から糖液を抽出して、フルフラール製造原料用糖液を製造する方法において、該糖液が炭素数5の単糖と炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖を含み、該単糖と多糖の重量平均分子量が200以上1000以下であるフルフラール製造原料用糖液の製造方法。製造されたフルフラール製造原料用糖液からフルフラールを製造するフルフラールの製造方法。

概要

背景

非可食バイオマス資源から得ることのできるフルフラールは、フルフリルアルコールテトラヒドロフラン製造原料に用いることができ、それぞれフラン樹脂やPTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)といった植物由来ポリマー原料転換できる有用な化合物である。

非可食バイオマス資源からフルフラールを製造するには、非可食バイオマス資源を溶媒中で酸触媒の存在下に反応させて、炭素数5の単糖キシロース等)や炭素数5の単糖を構成成分とする多糖キシラン)を含む糖液を得、下記式に示すように、この糖液中のキシランを加水分解してキシロースとし、キシロースの異性化で生成したキシルロース脱水反応させてフルフラールに変換する。

酸触媒としては、硫酸を使用する方法(特許文献1)、イオン交換樹脂を使用する方法(特許文献2)、酢酸等の有機酸を使用する方法(特許文献3)が知られている。

概要

非可食バイオマス資源から炭素数5の糖類を経由してフルフラールを製造する際、安定かつ効率的にフルフラールを高収率で製造する。反応槽内で、非可食バイオマス資源を原料として、溶媒及び触媒の存在下に反応を行い、得られた反応液から糖液を抽出して、フルフラール製造原料用糖液を製造する方法において、該糖液が炭素数5の単糖と炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖を含み、該単糖と多糖の重量平均分子量が200以上1000以下であるフルフラール製造原料用糖液の製造方法。製造されたフルフラール製造原料用糖液からフルフラールを製造するフルフラールの製造方法。なし

目的

国際公開2013/101999号パンフレット
特開2013−253069号公報
特開昭54−039071号公報






従来のフルフラールの製造方法では、安定して高収率でフルフラールを製造することができず、フルフラール収率の向上が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

反応槽内で、非可食バイオマス資源原料として、溶媒及び触媒の存在下に反応を行い、得られた反応液から糖液を抽出して、フルフラール製造原料用糖液を製造する方法において、該糖液が炭素数5の単糖と炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖とを含み、該単糖と多糖の重量平均分子量が200以上1000以下である、フルフラール製造原料用糖液の製造方法。

請求項2

前記抽出される糖液の炭素数5の単糖の含有量を、0.05重量%以上8重量%以下に制御する、請求項1に記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。

請求項3

前記抽出される糖液中の前記多糖のうち2〜4糖類の含有量を、炭素数5の単糖の含有量に対して20重量%以上に制御する、フルフラール製造原料用糖液の製造方法。

請求項4

前記抽出される糖液中の前記多糖のうち2糖類の含有量を、0.01重量%以上5重量%以下に制御する、請求項1〜3のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。

請求項5

前記抽出される糖液中の前記多糖のうち4糖類の含有量を、0.005重量%以上3重量%以下に制御する、請求項1〜4のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。

請求項6

前記非可食バイオマス資源がバガスである、請求項1〜5のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。

請求項7

前記触媒が有機酸である、請求項1〜6のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。

請求項8

前記有機酸が、蟻酸酢酸、及び乳酸のいずれか1種又は2種以上である、請求項7に記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。

請求項9

前記溶媒が水である、請求項1〜8のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。

請求項10

前記溶媒が水と有機溶媒混合溶媒である、請求項1〜8のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。

請求項11

前記有機溶媒が炭化水素溶媒である、請求項10に記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。

請求項12

請求項1〜11のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法で得られる糖液を用いてフルフラールを製造する、フルフラールの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、非可食バイオマス資源からフルフラール製造原料糖液を製造する方法と、製造されたフルフラール製造原料用糖液からフルフラールを製造する方法に関するものである。

背景技術

0002

非可食バイオマス資源から得ることのできるフルフラールは、フルフリルアルコールテトラヒドロフランの製造原料に用いることができ、それぞれフラン樹脂やPTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)といった植物由来ポリマー原料転換できる有用な化合物である。

0003

非可食バイオマス資源からフルフラールを製造するには、非可食バイオマス資源を溶媒中で酸触媒の存在下に反応させて、炭素数5の単糖キシロース等)や炭素数5の単糖を構成成分とする多糖キシラン)を含む糖液を得、下記式に示すように、この糖液中のキシランを加水分解してキシロースとし、キシロースの異性化で生成したキシルロース脱水反応させてフルフラールに変換する。

0004

0005

酸触媒としては、硫酸を使用する方法(特許文献1)、イオン交換樹脂を使用する方法(特許文献2)、酢酸等の有機酸を使用する方法(特許文献3)が知られている。

先行技術

0006

国際公開2013/101999号パンフレット
特開2013−253069号公報
特開昭54−039071号公報

発明が解決しようとする課題

0007

従来のフルフラールの製造方法では、安定して高収率でフルフラールを製造することができず、フルフラール収率の向上が望まれている。

0008

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、非可食バイオマス資源から炭素数5の糖類を経由してフルフラールを製造する際、安定かつ効率的にフルフラールを高収率で製造することができるフルフラール製造原料用糖液の製造方法とフルフラールの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、非可食バイオマス資源から得られる糖液中の炭素数5の単糖と炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖の重量平均分子量を一定範囲に制御することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、以下の[1]〜[12]に存する。

0010

[1]反応槽内で、非可食バイオマス資源を原料として、溶媒及び触媒の存在下に反応を行い、得られた反応液から糖液を抽出して、フルフラール製造原料用糖液を製造する方法において、該糖液が炭素数5の単糖と炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖とを含み、該単糖と多糖の重量平均分子量が200以上1000以下である、フルフラール製造原料用糖液の製造方法。
[2] 前記抽出される糖液の炭素数5の単糖の含有量を、0.05重量%以上8重量%以下に制御する、[1]に記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。
[3] 前記抽出される糖液中の前記多糖のうち2〜4糖類の含有量を、炭素数5の単糖の含有量に対して20重量%以上に制御する、フルフラール製造原料用糖液の製造方法。
[4] 前記抽出される糖液中の前記多糖のうち2糖類の含有量を、0.01重量%以上5重量%以下に制御する、[1]〜[3]のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。
[5] 前記抽出される糖液中の前記多糖のうち4糖類の含有量を、0.005重量%以上3重量%以下に制御する、[1]〜[4]のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。
[6] 前記非可食バイオマス資源がバガスである、[1]〜[5]のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。
[7] 前記触媒が有機酸である、[1]〜[6]のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。
[8] 前記有機酸が、蟻酸、酢酸、及び乳酸のいずれか1種又は2種以上である、[7]に記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。
[9] 前記溶媒が水である、[1]〜[8]のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。
[10] 前記溶媒が水と有機溶媒混合溶媒である、[1]〜[8]のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。
[11] 前記有機溶媒が炭化水素溶媒である、[10]に記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法。
[12] [1]〜[11]のいずれかに記載のフルフラール製造原料用糖液の製造方法で得られる糖液を用いてフルフラールを製造する、フルフラールの製造方法。

発明の効果

0011

本発明によれば、非可食バイオマス資源から炭素数5の糖類を経由してフルフラールを製造する際、安定かつ効率的にフルフラールを高収率で製造することができる。

0012

以下に本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。

0013

本発明のフルフラール製造原料用糖液の製造方法は、反応槽内で、非可食バイオマス資源を原料として、溶媒及び触媒の存在下に反応を行い、得られた反応液から糖液を抽出して、フルフラール製造原料用糖液を製造する方法において、該糖液が炭素数5の単糖と炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖(以下、これらを「C5糖類」と称す場合がある。)を含み、該単糖と多糖の重量平均分子量が200以上1000以下であることを特徴とする。

0014

本発明のフルフラールの製造方法は、この方法で製造されたフルフラール製造原料用糖液を用いてフルフラールを製造することを特徴とする。

0015

なお、非可食バイオマス資源からフルフラールを製造する方法は、非可食バイオマス資源からC5糖類を含む糖液を得る糖液製造工程と、この糖液中のC5糖類の脱水反応でフルフラールを得るフルフラール製造工程とがあるが、本発明において、糖液製造工程とフルフラール製造工程は一つの反応器内で行ってもよく、それぞれ別の反応器で行ってもよい。

0016

作用機構
本発明者らは、従来法では、フルフラールを安定して収率良く得ることができない原因について以下のような検討を行った。
即ち、従来法では非可食バイオマス資源から得られる炭素数5の単糖と炭素数5の単糖を構成成分とする多糖を含む糖液を得、この糖液中の炭素数5の単糖を構成成分とする多糖を炭素数5の単糖に加水分解した後、フルフラール製造原料用糖液としてフルフラールの製造工程に供している。
しかし、単糖は重合により高沸化合物を生成し易く、この高沸化の反応速度が速い。このため、フルフラール製造原料用糖液中に単糖の状態で含まれている糖類が多く、単糖の状態で保持されている時間が長いと、単糖の高沸化でフルフラールの原料となり得ず、この結果フルフラール収率の低下につながる。

0017

糖液中の多糖の割合が多く、そのまま脱水反応でフルフラールに変換される単糖が少なくても、高沸化による単糖の消費が防止される一方で、オリゴ糖であれば単糖への加水分解速度が速いため、反応系内で単糖に加水分解され、オリゴ糖の加水分解で生じた単糖の脱水反応でフルフラールを得ることができる。
従って、糖液中の糖類として、単糖と多糖とをこれらの重量平均分子量が所定の範囲内となるように、適度な分子量のオリゴ糖を適度な割合で含むことにより、脱水反応時副反応を抑制してフルフラールの選択率を上げ、結果としてフルフラールの収率を上げることができる。なお、糖類は高分子量の糖類が加水分解されて低分子量の糖類となるため、重量平均分子量を指標として用いると単糖と多糖の好ましいバランスをうまく表現することができる。

0018

本発明者らは、このような重量平均分子量として200以上1000以下であれば、上記の作用機構でフルフラールを安定的に高収率で得ることができることを見出し、本発明を完成させた。

0019

<非可食バイオマス資源>
本発明で用いる非可食バイオマス資源は、糖類を構成成分とする多糖類を含んでいれば特に限定されないが、具体的には、バガス、スイッチグラスネピアグラスエリアンサスミスカンサスケナフコーンストーバーコーンコブビートパルプパーム空果房稲わら麦わら米ぬか樹木、木材、植物油カスササタケパルプ類、古紙、食品廃棄物水産物残渣、家畜廃棄物等が挙げられる。また、砂糖の製造工程で発生する糖蜜から砂糖を回収した後に残る廃糖蜜も非可食バイオマス原料として使用可能である。この中で、原料入手性とコストの観点からバガス、コーンストーバー、コーンコブ、稲わらが好ましく、バガス、コーンコブがより好ましく、バガスが特に好ましい。非可食バイオマス資源は、可食バイオマス資源と異なり、食用用途と競合せず、また通常であれば廃棄、焼却処理されるものが多いため、安定的な供給、資源の有効利用が図れる点で好ましい。

0020

これらの非可食バイオマス資源はそのまま使用することもできるし、酸処理水熱処理等の前処理を行ってから使用することもできる。また、これらの非可食バイオマス資源は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、非可食バイオマス資源は固形物の状態で反応器に供給してもよいし、水等の溶媒と混合してスラリー状態にして供給しても構わない。

0021

非可食バイオマス重量平均径は、取り扱い性反応効率の面から、粒の最も長い部分の長さとして、0.5mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましく、2mm以上が特に好ましい。また、50mm以下が好ましく、25mm以下がより好ましく、10mm以下が特に好ましい。

0022

<C5糖類>
本発明で製造するフルフラール製造原料用糖液に含まれるC5糖類は、非可食バイオマス資源由来であって、脱水反応によりフルフラールを製造することができるものであればよく、特に限定されない。

0023

炭素数5の単糖類ペントース)としては、具体的にはリボースリキソース、キシロース、アラビノースデオキシリボース、キシルロース、リブロース等が挙げられる。これらの単糖の中でも、自然界、植物の構成成分となっていることから豊富に存在し、原料の入手容易性と収率の観点からキシロース、アラビノースが好ましく、キシロースがより好ましい。

0024

上記の炭素数5の単糖類を構成成分として有する多糖類としては、具体的には、キシロビオースアラビノビオース等の2糖類;キシロトリオースアラビノトリオース等の3糖類、上記2糖類や3糖類を含むキシロオリゴ糖アラビノオリゴ糖等のオリゴ糖類、キシラン、アラバンヘミセルロースの多糖類が挙げられる。これらの多糖類の中でも、収率の観点からキシロオリゴ糖、キシラン、ヘミセルロースが好ましく、なかでもキシロオリゴ糖が特に好ましい。ここで、キシロオリゴ糖とは、2糖類、3糖類を主成分とし、更に4〜6糖類を含むものである。

0025

本発明により、非可食バイオマス資源から製造されるフルフラール製造原料用糖液中には、これらの単糖類と、多糖類の1種又は2種以上とが含まれている。
なお、糖液中には、C5糖類とは炭素数の異なるグルコースなどの単糖やグルカンなどの多糖が共存していてもよい。

0026

<糖液の製造反応
非可食バイオマス資源から上記のC5糖類を含む糖液を製造する反応は、非可食バイオマス資源中のヘミセルロース分を加水分解反応してC5糖類を生成させる反応である。この反応は、C5糖類の生産性向上、得られるC5糖類の純度向上の観点から、反応溶媒及び触媒を用いて行われる。

0027

以下に、この糖液の製造反応について説明する。

0028

(非可食バイオマス濃度)
非可食バイオマス資源からの糖液の製造反応において、反応溶媒中に含まれる非可食バイオマスの濃度は特に限定されないが、溶媒に対する非可食バイオマスの割合が0.1〜200重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜40重量%であり、さらに好ましくは10〜30重量%である。溶媒に対する非可食バイオマスの割合が上記下限値以上であると、溶媒の分離に必要なエネルギーが低くなる傾向があり、更には、反応系の容量を低減して装置設備建設費も低減できる傾向にある。溶媒に対する非可食バイオマスの割合が上記上限値以下であると、副反応を抑制でき、C5糖類、更にはフルフラールの収率が高くなる傾向があり好ましい。

0029

(触媒)
非可食バイオマス資源からの糖液の製造反応で用いられる触媒は、非可食バイオマスからC5糖類を製造可能な触媒であればよく、特に限定されないが、硫酸、燐酸硝酸塩酸等の無機酸、カルボン酸スルホン酸等の有機酸、ヘテロポリ酸といった酸触媒が挙げられる。これらの中でも、安定性腐食性廃棄物処理単価の観点から有機酸が好ましく、特にカルボン酸が好ましい。

0030

カルボン酸の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸酪酸ペンタン酸ヘキサン酸ヘプタン酸オクタン酸ノナン酸デカン酸ドデカン酸テトラデカン酸、レブリン酸、乳酸等の脂肪族カルボン酸シュウ酸マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸アコニット酸イタコン酸オキサロ酢酸フマル酸、cis−1,2−シクロペンタンジカルボン酸、trans−1,2−シクロペンタンジカルボン酸、cis−1,3−シクロペンタンジカルボン酸、trans−1,3−シクロペンタンジカルボン酸、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、trans−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、cis−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、trans−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、cis−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂肪族トリカルボン酸安息香酸ナフタレンカルボン酸等の芳香族カルボン酸フタル酸イソフタル酸テレフタル酸トリメシン酸トリメリット酸ヘミメリット酸、メロファン酸、プレニト酸、ピロメリト酸ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸等の芳香族ポリカルボン酸フランカルボン酸フランジカルボン酸等の複素環カルボン酸;が挙げられる。また、これらの酸の少なくとも一部を中和した塩も用いることができる。
これらの中でも非可食バイオマスから得られる酸である蟻酸、酢酸、乳酸、レブリン酸が好ましく、とりわけ蟻酸、酢酸、乳酸が好ましい。

0031

特にC5糖類の収率の観点から、上記のカルボン酸の中でも酸解離定数pKaが3以上5以下、特に3.0以上4.6以下であるものが好ましい。ここで酸解離定数pKaとは、解離段が1の場合の数値とする。すなわち、2個以上のカルボキシル基を有するカルボン酸の場合、2個以上のカルボキシル基のうち少なくとも1個の水素イオンが脱離する場合の酸解離定数pKaを意味する。例えば、カルボキシル基を2個有するコハク酸では、通常、pKaは解離段が1の4.19と解離段が2の5.48となるが、本明細書では解離段が1の4.19をコハク酸のpKaとする。

0032

上記のカルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0033

スルホン酸の具体例としては、メタンスルホン酸エタンスルホン酸プロパンスルホン酸ブタンスルホン酸ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸トルエンスルホン酸ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの酸の少なくとも一部を中和した塩も用いることができる。
上記のスルホン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0034

ヘテロポリ酸の具体例としては、リンタングステン酸ケイタングステン酸リンモリブデン酸ケイモリブデン酸リンバナドモリブデン酸ケイバナドモリブデン酸等が挙げられる。また、これらの酸の少なくとも一部を中和した塩も用いることができる。
上記のヘテロポリ酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0035

また、上記カルボン酸、スルホン酸、ヘテロポリ酸は、2種類以上を任意の割合で混合して使用してもよい。また、触媒はプロセス内で分離してリサイクル使用することが好ましい。

0036

糖液製造反応において用いる触媒の量は、触媒の種類や反応条件等に基づき適宜設定することができ、特に限定されるものではないが、好ましくは溶液量に対し0.01〜50重量%であり、より好ましくは0.5〜30重量%であり、特に好ましくは1〜20重量%である。なお、ここで、「溶液」とは、後述の反応溶媒、非可食バイオマス原料及び触媒を含む反応溶液をさす。触媒量が上記下限値以上であると、反応速度が速くなりC5糖類の生産性が向上する傾向がある。触媒量が上記上限値以下であると、副反応が抑えられてC5糖類の選択率が向上する傾向があり好ましい。

0037

(反応溶媒)
非可食バイオマス資源からの糖液の製造反応において用いる反応溶媒は、水、或いは、水と有機溶媒との混合溶媒である。即ち、水のみで反応を行うことが可能であるが、有機溶媒を添加して反応を行うこともできる。有機溶媒を用いる場合均一混合溶媒で反応を行うことができるが、水相有機相2相系となる有機溶媒も用いることができる。用いる有機溶媒の量は本発明の趣旨を損ねない限り、特に限定されないが、水に対して10〜5000重量%であることが好ましく、特に10〜1000重量%であることが好ましい。

0039

これらの中でも、水と均一混合溶媒となる水性溶媒または前述の酸触媒が溶解しにくい非極性溶媒であることが好ましい。このうち、2相系で反応を行う場合は、後述の2層分離におけるフルフラールの抽出効率および水への有機溶媒の溶解量低減の観点から、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、1−メチルナフタレン、シクロヘキサン、イソドデカン等の炭化水素溶媒が好ましく、特にトルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、1−メチルナフタレン等の芳香族炭化水素溶媒が特に好ましい。

0040

上記有機溶媒は溶媒の回収、再利用を考慮すると単一溶媒のほうが好ましいが、2種類以上を用いても構わない。

0041

(反応条件)
糖液製造反応の反応温度は特に限定されないが、具体的には100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは160℃以上であって、250℃以下であることが好ましく、より好ましくは230℃以下である。反応温度が上記下限値以上であると、反応の進行が速くなる傾向があり、C5糖類製造の生産性が向上する。反応温度が上記上限値以下であると、C5糖類の逐次反応や分解を抑制し、C5糖類の収率を向上させる傾向があるため好ましい。

0042

加熱方法は特に限定されないが、熱交換器で反応液を昇温する方法、蒸気を反応液に直接導入する方法、反応後に分離した溶媒をリサイクルするなどして温度の高いプロセス内の液を用いて加熱する方法などが好ましく、熱エネルギーを効率的に用いる観点から温度の高いプロセス内の液を用いて加熱する方法が特に好ましい。

0043

糖液製造反応の反応時間は、原料や触媒の使用量、種類、反応温度により異なるが、具体的には0.02時間以上が好ましく、より好ましくは0.1時間以上、特に好ましくは0.2時間以上であって、5時間以下が好ましく、より好ましくは2時間以下、特に好ましくは1時間以下である。反応時間が上記下限値以上である場合には、反応の進行を促進し、C5糖類の収率が向上する傾向があり、反応時間が上記上限値以下であると、C5糖類の分解や逐次反応を抑制し、C5糖類の収率を向上させる傾向があるため好ましい。

0044

反応圧力は、反応温度によって好ましい範囲が変化するが、0.1〜5.0MPaGが好ましく、0.5〜3.0MPaGがより好ましく、1.0〜2.5MPaGが特に好ましい。

0045

(反応形式
糖液製造反応の反応形式は特に限定されず、バッチ式でも半回分式でも連続式でもよく、これらを組み合わせた反応形式でもよい。生産性向上の観点からは、半回分式反応および連続式反応が好ましく、操作の簡易さの観点からはバッチ式反応が好ましい。また、固液接触の観点では回転式の反応器が好ましい。反応器は1器で行ってもよいし、複数系列を組み合わせてもよい。

0046

固液分離
糖液の製造反応後、反応液から非可食バイオマス資源の反応残渣を分離する固液分離方法は特に限定されないが、フィルタープレスベルトフィルタースクリュープレスロールプレスコンベヤードライヤーオリバーフィルタープレコートフィルターディスクフィルターベルトプレス、ギナ遠心分離装置回転加圧脱水装置多重円盤脱水装置中空糸膜濾過装置クロスフロー型遠心濾過脱水装置などを好ましく用いることができ、フィルタープレス、ベルトフィルター、ロールプレスがより好ましく、ロールプレスが特に好ましい。固液分離は糖液製造後に行ってもよいし、脱水反応によるフルフラール製造後に行ってもよいし、糖液やフルフラールの製造途中に行ってもよい。

0047

(糖類の重量平均分子量及び糖類の含有量)
本発明においては、上記の糖液の製造反応により、含有されるC5糖類の重量平均分子量が200以上1000以下の糖液を得る。即ち、C5糖類の重量平均分子量が200以上1000以下の糖液が得られるように反応条件を制御する。
この重量平均分子量は、220以上800以下であることがより好ましく、250以上500以下であることが特に好ましい。重量平均分子量が上記下限値以上である場合には、単糖の重合を抑制し、フルフラール収率が向上する傾向があり、重量平均分子量が上記上限値以下であると、脱水反応速度が速くなり、フルフラール収率が向上する傾向にある。

0048

糖液中の炭素数5の単糖の含有量は、上記の重量平均分子量の範囲を満たせば、特に制限はないが、0.05重量%以上8重量%以下となるように制御することが好ましく、0.1重量%以上5重量%以下となるように制御することがより好ましく、0.1重量%以上3重量%以下となるように制御することが特に好ましい。特に、炭素数5の単糖として、キシロースを上記の範囲で含有するように制御することが好ましい。炭素数5の単糖が上記下限値以上である場合には、脱水反応速度が速くなり、フルフラール収率が向上する傾向にあり、炭素数5の単糖が上記上限以下であると、単糖の重合を抑制し、フルフラール収率が向上する傾向にある。

0049

糖液中の炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖のうち2〜4糖類の含有量は、上記の重量平均分子量の範囲を満たせば、特に制限はないが、炭素数5の単糖に対してこれらの合計で20重量%以上となるように制御することが好ましく、30重量%以上となるように制御することがより好ましく、50重量%以上となるように制御することが特に好ましい。一方、この2〜4糖類の合計含有量は炭素数5の単糖に対して500重量%以下、特に300重量%以下、とりわけ200重量%以下であることが好ましい。2〜4糖類の含有量が上記下限値以上である場合には、単糖構成比率が減少するため、単糖の重合を抑制し、フルフラール収率が向上する傾向にある。

0050

糖液中の炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖のうち2糖類の含有量は、上記の重量平均分子量の範囲を満たせば、特に制限はないが、0.01重量%以上5重量%以下となるように制御することが好ましく、0.05重量%以上4重量%以下となるように制御することがより好ましく、0.1重量%以上3重量%以下となるように制御することが特に好ましい。2糖類の含有量が上記下限値以上である場合には、単糖構成比率が減少するため、単糖の重合を抑制し、フルフラール収率が向上する傾向にある。2糖類の含有量が上記上限以下である場合には、脱水反応速度が速くなり、フルフラール収率が向上する傾向にある。

0051

糖液中の炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖のうち3糖類の含有量は、上記の重量平均分子量の範囲を満たせば、特に制限はないが、0.01重量%以上4重量%以下となるように制御することが好ましく、0.05重量%以上3重量%以下となるように制御することがより好ましく、0.1重量%以上2重量%以下となるように制御することが特に好ましい。

0052

糖液中の炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖のうち4糖類の含有量は、上記の重量平均分子量の範囲を満たせば、特に制限はないが、0.005重量%以上3重量%以下となるように制御することが好ましく、0.01重量%以上2重量%以下となるように制御することがより好ましく、0.1重量%以上1重量%以下となるように制御することが特に好ましい。4糖類の含有量が上記下限値以上である場合には、単糖構成比率が減少するため、単糖の重合を抑制し、フルフラール収率が向上する傾向にある。4糖類の含有量が上記上限以下である場合には、脱水反応速度が速くなり、フルフラール収率が向上する傾向にある。

0053

通常、糖液中の多糖は、その殆どが6糖以下のオリゴ糖である。
糖液中の炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖の合計の含有量は、上記の重量平均分子量の範囲を満たせば、特に制限はないが、合計で0.1重量%以上8重量%以下となるように制御することが好ましく、0.5重量%以上5重量%以下となるように制御することがより好ましく、0.7重量%以上3重量%以下となるように制御することが特に好ましい。

0054

糖液中に含まれるC5糖類の重量平均分子量や、単糖、2〜4糖類の含有量は、非可食バイオマス資源から糖液を製造する際の反応条件により適宜制御することができる。
即ち、反応温度を高くすると加水分解が進行して単糖が多く生成する結果重量平均分子量は小さくなる。逆に反応温度を低くすると加水分解の進行が遅くなり、多糖が多く残留する結果重量平均分子量は大きくなる。
また、反応時間を長くすると加水分解の進行で単糖が多く生成する結果、重量平均分子量は小さくなる。逆に反応時間が短いと加水分解が十分になされず、多糖が多く残留する結果、重量平均分子量は大きくなる。
また、触媒の使用量や、用いる触媒の種類等によって、加水分解の進行速度を調整して重量平均分子量を制御することもできる。
更に、原料の重量平均径を小さくすると固液接触効率が向上して加水分解の進行速度が速くなる結果、重量平均分子量は小さくなる。逆に原料の重量平均径が大きいと加水分解速度が遅くなり、多糖が多く残存する結果、重量平均分子量は大きくなる。
従って、前述の好適な反応条件の範囲内で、反応温度や反応時間、触媒使用量原料粒径等を適宜調整することにより、得られる糖液中に含まれるC5糖類の重量平均分子量や各糖の含有量を制御することができる。

0055

糖液中の重量平均分子量は、後述の実施例に示されるように、糖液の液体クロマトグラフィー分析により、各C5糖類の含有量を求め、各C5糖類の含有量と分子量から計算により求めることができる。

0056

<フルフラール製造反応>
本発明で行われるフルフラール製造反応は、上記の糖液製造反応で得られた糖液中のC5糖類を、触媒の存在下で脱水反応させて、フルフラールを生成させる反応である。この脱水反応は、フルフラールの生産性向上、得られるフルフラールの純度向上の観点から、反応溶媒及び触媒を用いて行うことが好ましい。

0057

(糖液のC5糖類濃度
上述の本発明のフルフラール製造原料用糖液の製造方法に従って製造され、フルフラール製造のための脱水反応に供される糖液中のC5糖類の濃度は特に限定されないが、糖液に対するC5糖類の割合で0.1〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30重量%であり、さらに好ましくは4〜10重量%である。糖液中のC5糖類の含有量が、上記下限値以上であると、脱水反応後、フルフラールと溶媒との分離に必要なエネルギーが低くなる傾向があり、更には反応系の容量が小さくなり、建設費も低減できる傾向にある。C5糖類濃度が上記上限値以下であると、副反応を抑制でき、フルフラールの収率が高くなる傾向があり好ましい。

0058

(触媒)
本発明のフルフラール製造反応で用いられる触媒は、C5糖類からフルフラールを製造可能な酸触媒であれば、特に限定されず、前述の非可食バイオマス資源からの糖液製造反応で用いられる触媒と同様のものを用いることができ、好ましい触媒についても前述の非可食バイオマス資源からの糖液の製造反応におけると同様である。

0059

フルフラール製造反応において用いる触媒の量は、触媒の種類や反応条件等に基づき適宜設定することができ、特に限定されるものではないが、好ましくは溶液量に対し0.01〜50重量%であり、より好ましくは0.5〜30重量%であり、特に好ましくは1〜20重量%である。なお、ここで、「溶液」とは、後述の反応溶媒、C5糖類及び触媒を含む反応溶液をさす。触媒量が前記下限値以上であると、反応速度が速くなりフルフラールの生産性が向上する傾向がある。また、フルフラールは酸性条件下において重合する性質を有するため、触媒量が前述の上限値以下であると、副反応が抑えられてフルフラールの選択率が向上する傾向があり好ましい。

0060

(反応溶媒)
フルフラール製造反応において用いる反応溶媒は、水、或いは水と有機溶媒との混合溶媒であることが好ましい。即ち、非可食バイオマス資源からの糖液製造反応におけると同様、水のみで反応を行うことが可能であるが、有機溶媒を添加して反応を行うこともできる。コスト優位性の観点からは、反応溶媒として水のみを用いることが好ましく、フルフラールの収率向上の観点からは、反応溶媒として水と有機溶媒とを用いることが好ましい。

0061

有機溶媒の添加によって均一混合溶媒で反応を行うことができるが、フルフラールの重合や分解反応を抑制し、フルフラールの収率が向上するため、水相と有機相の2相系となる有機溶媒を用いることが好ましい。用いる有機溶媒の量は本発明の趣旨を損ねない限り、特に限定されないが、水に対して10〜5000重量%であることが好ましく、特に10〜1000重量%であることが好ましい。

0062

用いる有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、非可食バイオマス資源からの糖液製造反応で用いる有機溶媒として前述したものをいずれも用いることができ、好適な有機溶媒についても同様である。
フルフラールの製造反応においても、有機溶媒は溶媒の回収、再利用を考慮すると単一溶媒のほうが好ましいが、2種類以上を用いても構わない。

0063

(反応条件)
フルフラール製造反応の反応温度は特に限定されないが、具体的には100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは160℃以上であって、250℃以下であることが好ましく、より好ましくは230℃以下である。反応温度が上記下限値以上であると、反応速度が速くなる傾向があり、フルフラールの生産性が向上する。反応温度が上記上限値以下であると、フルフラールや原料糖の分解、重合を抑制し、フルフラールの収率を向上させる傾向があるため好ましい。

0064

フルフラール製造反応の反応時間は、糖液組成や触媒の使用量、種類、反応温度により異なるが、具体的には0.02時間以上が好ましく、より好ましくは0.1時間以上、特に好ましくは0.5時間以上であって、5時間以下が好ましく、より好ましくは2時間以下である。反応時間が上記下限値以上である場合には、反応の進行を促進し、転化率が向上することによりフルフラール収率が向上する傾向があり、反応時間が上記上限値以下であると、フルフラールが分解や重合を起こすことを抑制し、フルフラールの収率を向上させる傾向があるため好ましい。

0065

反応圧力は、反応温度によって好ましい範囲が変化するが、0.1〜5.0MPaGが好ましく、0.5〜3.0MPaGがより好ましく、1.0〜2.5MPaGが特に好ましい。

0066

(反応形式)
フルフラール製造反応の反応形式は特に限定されず、バッチ式でも半回分式でも連続式でもよく、これらを組み合わせた反応形式でもよい。生産性向上の観点からは、半回分式反応および連続式反応が好ましく、操作の簡易さの観点からはバッチ式反応が好ましい。連続式反応では連続管型反応器連続槽型反応器を用いることができる。また、反応生成物であるフルフラールを生産しながら蒸留する反応蒸留方式でも構わない。例えば、国際公開第2013/102027号に記載されているようにフルフラール製造反応器を反応蒸留形式としてフルフラールと水の混合物を連続的に抜き出す方法や国際公開第2012/115706号に記載されているように有機溶媒を用いてフルフラールを水相から連続抽出する方法などを用いることも出来る。反応蒸留方式の場合、減圧で実施しても常圧で実施してもいずれでも構わない。反応器は1器で行ってもよいし、複数系列を組み合わせてもよい。

0067

(フルフラールの回収)
上記のようにして、糖液中のC5糖類の脱水反応で得られたフルフラールを含む反応液からフルフラールを回収するには、通常、この脱水反応液を、フルフラールを含む有機層水層とに2層分離した後、有機層に含まれるフルフラールを蒸留分離等で精製して製品のフルフラールを得る。

0068

以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。

0069

なお、以下の実施例において、水分の分析カールフィッシャー法(三菱化学製CA−21で測定)を用いて行った。粗フルフラール中のフルフラール(FRL)量の分析はガスクロマトグラフィーGC)により行い、内部標準法内部標準物質としてジオキサンを使用)により算出した。

0070

また、糖液中の各糖の含有量は、液体クロマトグラフィー(LC)により以下の条件で分析した。
機器名:Waters Alliance 2690 東ソー CO−8010
分析カラム:Shodex Sugar KS−801 300mm×8.0mm + Shodex Sugar KS−802 300mm×8.0mm
移動相:水
検出器RI
試料は水系のクロマトディスク(0.45μm)で濾過し、その濾液を測定に用いた。
なお、2〜4糖のキシロオリゴ糖の分子量は3糖として重量平均分子量を算出した。

0071

[実施例1]
<糖液の製造>
100mLミクロオートクレーブに、バガス(重量平均径1〜3mm)を6.0g、反応溶媒として脱塩水を27.1g、触媒として乳酸を0.93g入れて、容器密閉した後、内部空間を窒素置換した。240℃のオイルバス中で内容物を撹拌しながら190℃まで8分間かけて昇温し(到達圧力1.3MPa)、容器を取り出した。容器を冷却後、開放して再度バガス(重量平均径1〜3mm)を6.0g仕込み、容器を密閉した後、内部空間を窒素で置換した。240℃のオイルバス中で内容物を撹拌しながら190℃まで8分間かけて昇温し(到達圧力1.3MPa)、容器を取り出した。

0072

反応終了後、容器を室温まで放冷し、オートクレーブ中の反応液を全量回収した後、反応液からバガス残渣を固液分離し、得られた分離液(糖液)中の炭素数5の単糖(以下、「単糖」と記す。)、炭素数5の単糖を構成成分とする2〜4糖類(以下、「2〜4糖」と記す。)の合計の含有量をLC分析により求め、単糖に対する2〜4糖の合計の割合(百分率)(以下「2〜4糖/単糖」と記す。)を算出した。また、糖液中の単糖と全糖の分析結果から、炭素数5の単糖と炭素数5の単糖を構成成分とする多糖の重量平均分子量(以下「C5糖平均分子量」と記す。)を算出した。これらの結果を表1に示す。

0073

<フルフラールの製造>
上記の分離液(糖液)のうち、20.1gを100mLミクロオートクレーブに入れて、乳酸4.9g、溶媒としてテトラリン20.1gを追加して容器を密閉した後、内部空間を窒素で置換した。内容物を撹拌しながら190℃まで昇温し、190℃、1.3MPaGで30分、加熱撹拌して反応を行った。
反応終了後、撹拌を維持しながら室温まで放冷し、オートクレーブ中の反応液を全量回収し、これを粗フルフラールとした。

0074

粗フルフラール中のFRL量を測定し、脱水反応に供した糖液中のC5糖類の合計量に対するフルフラールのモル分率(百分率)をC5糖ベースFRL収率として算出し、仕込バガス量(脱水反応に供したバガス量として換算)に対するフルフラールのモル分率(百分率)をバガスベースFRL収率として算出した。結果を表1に示す。

0075

<比較例1>
実施例1において、100mLミクロオートクレーブにバガス(重量平均径1〜3mm)を16.0g、反応溶媒として脱塩水を29.0g、触媒として乳酸を8.3g入れて糖液を製造し、フルフラール製造時に乳酸を添加しなかった、こと以外は同様にして糖液の製造及びフルフラールの製造を行い、結果を表1に示した。

0076

実施例

0077

表1より、糖液中のC5糖類の重量平均分子量を本発明の範囲内に制御することにより、フルフラールを高収率で得ることができ、工業的なフルフラールの製造に際して有用であることが分かる。

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