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技術 車両用空調装置

出願人 株式会社デンソートヨタ自動車株式会社
発明者 脇阪剛史西馬和也青木俊直一志好則島内隆行井上真瀬戸口大輔奥野善規田中建新郷和晃
出願日 2016年2月8日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-022150
公開日 2017年8月17日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-140880
状態 特許登録済
技術分野 車両用空気調和 車両用電気・流体回路
主要キーワード 表面湿度 加熱用通路 通電本数 極高温 基準残量 リア開口 初期位置合わせ 基準開
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

車室内後部座席側領域の適切な空調を実現可能な車両用空調装置を提供する。

解決手段

車室内の運転席側領域、助手席側領域、および後部座席側領域に吹き出される空調風の風量を調整する風量調整手段としての吹出口モードドアと、車両システムの停止時に後部座席ドアが開閉するとボデー制御装置71から出力される起動信号によって起動する空調制御装置50と、を備え、空調制御装置50は、起動信号によって起動した状態で車両システムの起動スイッチが投入された際には、後部座席側領域に空調風を吹き出すように吹出口モードドア駆動用アクチュエータ64を作動させることができる。

概要

背景

従来、特許文献1に、車室内の一部の領域の空調(いわゆる、ゾーン空調)を実現可能に構成された車両用空調装置が開示されている。

より詳細には、この特許文献1の車両用空調装置では、乗員が着座するシートに配置された圧力センサ(すなわち、着座センサ)の検出値に基づいて、乗員の乗車位置を検知している。そして、乗員が乗車している領域については、温度調整された空調風を吹き出すことによって空調を行う。一方、乗員が乗車していない領域については、空調を行わないことによって車両用空調装置全体としての省エネルギ化を図っている。

概要

車室内の後部座席側領域の適切な空調を実現可能な車両用空調装置を提供する。車室内の運転席側領域、助手席側領域、および後部座席側領域に吹き出される空調風の風量を調整する風量調整手段としての吹出口モードドアと、車両システムの停止時に後部座席ドアが開閉するとボデー制御装置71から出力される起動信号によって起動する空調制御装置50と、を備え、空調制御装置50は、起動信号によって起動した状態で車両システムの起動スイッチが投入された際には、後部座席側領域に空調風を吹き出すように吹出口モードドア駆動用アクチュエータ64を作動させることができる。

目的

本発明は、上記点に鑑み、車室内の後部座席側領域の適切な空調を実現可能な車両用空調装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

車室内の一部の領域の空調を実現可能に構成された車両用空調装置であって、前記領域として、少なくとも後部座席側領域を含む複数の領域が設けられており、それぞれの前記領域に吹き出される空調風の風量を調整する風量調整装置(241a〜271)と、前記風量調整装置の作動を制御する空調制御部(50)と、を備え、前記空調制御部は、少なくとも車両システムの停止時に後部座席乗降用の後部座席ドア開閉した際に起動するものであり、さらに、前記空調制御部は、前記後部座席ドアが開閉したことによって起動した状態で車両システムの起動スイッチが投入された際に、前記後部座席側領域に空調風が吹き出されるように前記風量調整装置の作動を制御するものである車両用空調装置。

請求項2

前記空調制御部は、前記後部座席ドアが開閉したことによって起動した状態であって、かつ、前記起動スイッチが投入される前に、前記後部座席ドアが開放されてからの待機時間(WTm)が予め定めた基準待機時間(KWTm)以上となった際に停止するものである請求項1に記載の車両用空調装置。

請求項3

前記空調制御部は、少なくとも車両システムの停止時に後部座席乗降用の後部座席ドアが開閉した際であって、かつ、前記後部座席ドアの開放時間(OTm)が予め定めた基準開放時間(KOTm)以上であった際に起動するものである請求項1または2に記載の車両用空調装置。

請求項4

前記空調制御部は、前記複数の領域のうち少なくとも一部の領域の空調を行うゾーン空調モードと前記車室内の全領域の空調を行う全席空調モードとを切替可能に構成されており、さらに、前記空調制御部は、前記起動スイッチが投入された際には、前記ゾーン空調モードに切り替えられる請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。

請求項5

前記後部座席ドアが開閉したことを検出する後部座席ドア開閉検出部(74)の検出信号が入力されるボデー制御部(71)を有する車両に適用された車両用空調装置であって、前記空調制御部と前記ボデー制御部は、多重通信方式通信可能に接続されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。

技術分野

0001

本発明は、車室内の一部の領域の空調を実現可能に構成された車両用空調装置に関する。

背景技術

0002

従来、特許文献1に、車室内の一部の領域の空調(いわゆる、ゾーン空調)を実現可能に構成された車両用空調装置が開示されている。

0003

より詳細には、この特許文献1の車両用空調装置では、乗員が着座するシートに配置された圧力センサ(すなわち、着座センサ)の検出値に基づいて、乗員の乗車位置を検知している。そして、乗員が乗車している領域については、温度調整された空調風を吹き出すことによって空調を行う。一方、乗員が乗車していない領域については、空調を行わないことによって車両用空調装置全体としての省エネルギ化を図っている。

先行技術

0004

特開2005−349935号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、一般的な車両では、助手席には、シートベルトの着用を促す警告灯点灯させるために着座センサが配置されているものの、着座センサは比較的高価なものであるため、後部座席には着座センサが配置されていない。このため、一般的な車両に特許文献1の車両用空調装置を適用しても、乗員が後部座席に乗車しているか否かを判定することができず、後部座席側領域の適切な空調を実現することができない。

0006

さらに、後部座席に着座センサを配置したとしても、着座センサの検出値に基づいて、乗員の乗車位置を検知する構成では、軽量な子供が乗車した際やチャイルドシートが設置された際等には、乗員の乗車位置を正しく検知できないこともある。

0007

本発明は、上記点に鑑み、車室内の後部座席側領域の適切な空調を実現可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内の一部の領域の空調を実現可能に構成された車両用空調装置であって、
車室内の一部の領域として、少なくとも後部座席側領域を含む複数の領域が設けられており、それぞれの領域に吹き出される空調風の風量を調整する風量調整装置(241a〜271)と、風量調整装置の作動を制御する空調制御部(50)と、を備え、
空調制御部は、少なくとも車両システムの停止時に後部座席乗降用の後部座席ドア開閉した際に起動するものであり、
さらに、空調制御部は、後部座席ドアが開閉したことによって起動した状態で車両システムの起動スイッチが投入された際に、後部座席側領域に空調風が吹き出されるように風量調整装置の作動を制御するものになっている。

0009

これによれば、車両システム停止時に後部座席ドアが開閉したことによって、後部座席に乗員が乗車しているか否かを検知することができる。従って、後部座席に高価な着座センサを追加することなく、後部座席に乗員が乗車しているか否かを検知することができる。さらに、着座センサを用いて乗員の乗車位置を検知する構成のような誤検知が生じてしまうこともない。その結果、後部座席側領域の適切な空調を実現することができる。

0010

さらに、空調制御部(50)は、後部座席ドアが開閉した際に起動するので、車両システムの停止時に空調制御部(50)が電力消費してしまうことを抑制することができる。これに加えて、車両システムの起動スイッチが投入された際に、空調制御部(50)が既に起動しているので、車両システムの起動後、後部座席側領域を含む領域の空調を速やかに開始することができる。

0011

なお、本請求項における「後部座席ドアの開閉」とは、後部座席ドアが開いた後に閉まったことを意味するものである。また、「車両システム」とは、車両用空調装置のみならず、車両走行用駆動力を出力する駆動装置(すなわち、エンジン走行用電動モータ)等を含む車両に搭載された制御対象システム全体を意味している。

0012

また、本請求項における「空調制御部」は、後部座席ドアが開閉したことによって起動した状態で車両システムの起動スイッチが投入された際に、必ず後部座席側領域に空調風が吹き出されるように風量調整装置の作動を制御するものに限定されない。つまり、後部座席ドアが開閉したことによって起動した状態で、その他の条件に応じて適宜、後部座席側領域に空調風が吹き出されるように風量調整装置の作動を制御するものあってもよい。

0013

また、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。

図面の簡単な説明

0014

一実施形態の車両用空調装置の全体構成図である。
一実施形態の車両用空調装置の電気制御部を示すブロック図である。
一実施形態の車両に搭載されたボデー制御装置制御処理の要部を示すフローチャートである。
一実施形態の車両用空調装置の空調制御装置の制御処理を示すフローチャートである。
一実施形態の空調制御装置の制御処理のうち、ブロワ電圧を決定する制御処理を示すフローチャートである。
一実施形態の空調制御装置の制御処理のうち、吸込口モードを決定する制御処理を示すフローチャートである。
一実施形態の空調制御装置の制御処理のうち、吹出口モードを決定する制御処理を示すフローチャートである。
一実施形態の空調制御装置の制御処理のうち、水ポンプ作動状態を決定する制御処理を示すフローチャートである。
一実施形態の空調制御装置の制御処理のうち、空調を行うゾーンを決定する制御処理を示すフローチャートである。
一実施形態の空調制御装置の制御処理のうち、目標蒸発器温度を決定する制御処理を示すフローチャートである。
一実施形態の空調制御装置の制御処理のうち、圧縮機の回転数を決定する制御処理を示すフローチャートである。

実施例

0015

以下、図1図11を用いて、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態の車両用空調装置1は、内燃機関(エンジン)EGおよび走行用電動モータの双方から車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車両に適用されている。さらに、本実施形態のハイブリッド車両は、車両停車時に外部電源(例えば、商用電源)から供給された電力をバッテリ81に充電することのできるプラグインハイブリッド車両として構成されている。

0016

プラグインハイブリッド車両では、車両走行開始前の車両停車時に外部電源からバッテリ81に充電しておくことができる。そのため、走行開始時のようにバッテリ81の蓄電残量SOCが予め定めた走行用基準残量以上になっているときには、主に走行用電動モータの駆動力によって走行するEV走行モードとなる。一方、ある程度の距離を走行した後のようにバッテリ81の蓄電残量SOCが走行用基準残量よりも低くなっているときには、主にエンジンEGの駆動力によって走行するHV走行モードとなる。

0017

プラグインハイブリッド車両では、このようにEV走行モードとHV走行モードとを切り替えることによって、車両走行用の駆動力をエンジンEGのみから得る通常の車両よりも燃料消費量を低減させて、車両燃費を向上させることができる。また、このようなEV走行モードとHV走行モードとの切り替えは、後述する駆動力制御装置70によって制御される。

0018

さらに、エンジンEGから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるのみならず、発電機80を作動させるためにも用いられる。そして、発電機80にて発電された電力および外部電源から供給された電力は、バッテリ81に蓄えることができる。バッテリ81に蓄えられた電力は、走行用電動モータのみならず、車両用空調装置1を構成する電動式機器等をはじめとする各種車載機器に供給することができる。

0019

次に、本実施形態の車両用空調装置1の詳細構成を説明する。本実施形態の車両用空調装置1は、車室内の一部の領域の空調(いわゆる、ゾーン空調)を実現可能に構成されている。

0020

より詳細には、本実施形態の車両用空調装置1では、空調対象空間である車室内空間が、運転席周辺の領域(以下、運転席側領域という。)、助手席周辺の領域(以下、助手席側領域という。)、および後部座席周辺の領域(以下、後部座席側領域という。)の複数の領域に大別される。

0021

そして、これらの領域のうち、少なくとも一部の領域に、温度調整された送風空気(すなわち、空調風)を吹き出すことによってゾーン空調を実現している。ここで、車両走行時の運転席には、必ず運転者が乗車している。このため、本実施形態の車両用空調装置1では、ゾーン空調を行う際に、少なくとも運転席側領域を含む領域の空調を行う。

0022

車両用空調装置1は、図1に示すように、冷凍サイクル装置10、室内空調ユニット30、空調制御装置50等を備えている。室内空調ユニット30は、空調風を車室内へ吹き出すための各種構成機器一体化(すなわち、ユニット化)したものである。室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(すなわち、インストルメントパネル)の内側に配置されている。

0023

室内空調ユニット30は、その外殻を形成するとともに、内部に車室内に送風される送風空気が流通する空気通路を形成するケーシング31を有している。ケーシング31は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。

0024

ケーシング31内に形成された空気通路には、送風機32、蒸発器15、エアミックスドア39、ヒータコア36、PTCヒータ37等が配置されている。ケーシング31の送風空気流れ最上流側には、内外気切替装置20が配置されている。内外気切替装置20は、内気(すなわち、車室内空気)と外気(すなわち、車室外空気)との導入割合を調整するものである。

0025

内外気切替装置20には、内気導入口21および外気導入口22が形成されている。内気導入口21は、ケーシング31内に内気を導入させるための開口穴である。外気導入口22は、ケーシング31内に外気を導入させるための開口穴である。さらに、内外気切替装置20の内部には、内外気切替ドア23が配置されている。

0026

内外気切替ドア23は、内気導入口21の開口面積および外気導入口22の開口面積を連続的に変化させて、吸込口モードを切り替えるドアである。この内外気切替ドア23によって切り替えられる吸込口モードとしては、全内気モード、全外気モード、および内外気混入モードがある。

0027

全内気モードでは、内気導入口21を全開とするとともに、外気導入口22を全閉としてケーシング31内の空気通路へ内気を導入する。全外気モードでは、内気導入口21を全閉とするとともに、外気導入口22を全開としてケーシング31内の空気通路へ外気を導入する。

0028

さらに、内外気混入モードでは、内気導入口21および外気導入口22の開口面積を連続的に調整することにより、ケーシング31内の空気通路へ導入される内気の風量と外気の風量との風量割合を連続的に変化させる。内外気切替ドア23は、内外気切替ドア用の電動アクチュエータ62によって駆動される。この電動アクチュエータ62は、後述する空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。

0029

ケーシング31内の内外気切替装置20の空気流れ下流側には、送風機32が配置されている。送風機32は、内外気切替装置20を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風装置である。送風機32は、遠心多翼ファン電動モータにて駆動する電動送風機である。送風機32は、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(すなわち、送風能力)が制御される。

0030

送風機32の空気流れ下流側には、蒸発器15が配置されている。蒸発器15は、冷凍サイクル装置10を構成するものである。蒸発器15は、冷凍サイクル装置10において、低圧冷媒と送風機32から送風された送風空気とを熱交換させ、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。

0031

ここで、冷凍サイクル装置10について説明する。冷凍サイクル装置10は、図1に示すように、圧縮機11、凝縮器12、レシーバ13、膨張弁14、蒸発器15を、冷媒配管を介して環状に接続することによって構成されたものである。

0032

圧縮機11は、冷凍サイクル装置10において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。圧縮機11は、エンジンルーム内に配置されている。圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型圧縮機構11aを電動モータ11bにて駆動する電動圧縮機である。電動モータ11bは、インバータ61から出力される交流電圧によって、その回転数が制御される交流モータである。

0033

インバータ61は、空調制御装置50から出力される制御信号に応じた周波数の交流電圧を出力するものである。これにより、電動モータ11bの回転数が制御されて、圧縮機11の冷媒吐出能力が調整される。

0034

圧縮機11の吐出口には、凝縮器12の冷媒入口側が接続されている。凝縮器12は、エンジンルーム内の車両前方側に配置されている。凝縮器12は、高圧冷媒送風ファン12aから送風された外気とを熱交換させ、高圧冷媒を放熱させて凝縮させる放熱用熱交換器である。送風ファン12aは、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(すなわち、送風能力)が制御される電動式送風機である。

0035

凝縮器12の冷媒出口には、レシーバ13の入口側が接続されている。レシーバ13は、凝縮器12にて凝縮された冷媒の気液を分離して、サイクル余剰冷媒を蓄えるとともに、分離された液相冷媒を下流側に流出させる気液分離器である。

0036

レシーバ13の液相冷媒出口には、膨張弁14の入口側が接続されている。膨張弁14は、エンジンルーム内に配置されている。膨張弁14は、レシーバ13から流出した液相冷媒を減圧膨張させる減圧装置である。本実施形態では、膨張弁14として、蒸発器15出口側冷媒の過熱度が予め定めた基準過熱度に近づくように冷媒流量を調整する温度式膨張弁を採用している。

0037

膨張弁14の出口には、蒸発器15の冷媒入口側が接続されている。蒸発器15の冷媒出口には、圧縮機11の冷媒吸入口側が接続されている。これにより、圧縮機11の吐出口→凝縮器12→レシーバ13→膨張弁14→蒸発器15→圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成されている。

0038

次に、ケーシング31の蒸発器15の空気流れ下流側には、冷風加熱用通路33および冷風バイパス通路34が、送風空気流れに対して、互いに並列的に形成されている。さらに、冷風加熱用通路33および冷風バイパス通路34の空気流れ下流側には、混合空間35が形成されている。混合空間35は、冷風加熱用通路33から流出した送風空気と、冷風バイパス通路34から流出した送風空気とを混合させる空間である。

0039

冷風加熱用通路33には、蒸発器15通過後の空気を加熱するためのヒータコア36およびPTCヒータ37が、送風空気の流れ方向に向かって、この順に配置されている。ヒータコア36は、エンジンEGを冷却するエンジン冷却水(以下、単に冷却水という。)と冷風加熱用通路33に流入した送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱する加熱用熱交換器である。

0040

ヒータコア36とエンジンEGは、冷却水配管41によって接続されている。このため、ヒータコア36とエンジンEGとの間には、冷却水を循環させる冷却水回路40が構成されている。さらに、冷却水回路40には、冷却水を循環させるための冷却水ポンプ40aが配置されている。冷却水ポンプ40aは、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(すなわち、水圧能力)が制御される電動式の水ポンプである。

0041

PTCヒータ37は、PTC素子(すなわち、正特性サーミスタ)を有する電気ヒータである。PTCヒータ37は、空調制御装置50からPTC素子に電力が供給されることによって発熱して、ヒータコア36通過後の空気を加熱する補助加熱装置である。PTCヒータ37は、複数(本実施形態では、3つ)のPTC素子を有している。このため、空調制御装置50が、電力を供給するPTC素子の本数を変更することによって、PTCヒータ37全体としての加熱能力を変化させることができる。

0042

冷風バイパス通路34は、蒸発器15通過後の空気を、ヒータコア36およびPTCヒータ37を通過させることなく、混合空間35に導くための空気通路である。従って、混合空間35にて混合された送風空気の温度は、冷風加熱用通路33を流通する送風空気の風量と冷風バイパス通路34を流通する送風空気の風量との風量割合によって変化させることができる。

0043

そこで、本実施形態では、この風量割合を変化させて混合空間35にて混合された送風空気の温度を調整する送風空気温度調整部として、空気通路内にエアミックスドア39を配置している。

0044

エアミックスドア39は、蒸発器15の空気流れ下流側であって、冷風加熱用通路33、および冷風バイパス通路34の入口側に配置されている。エアミックスドア39は、冷風加熱用通路33の入口の開口面積および冷風バイパス通路34の入口の開口面積を連続的に変化させるものである。

0045

従って、エアミックスドア39の開度を変化させることによって、混合空間35にて混合される送風空気の温度を調整することができる。エアミックスドア39は、エアミックスドア用の電動アクチュエータ63によって駆動される。この電動アクチュエータ63は、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。

0046

次に、ケーシング31の送風空気流れ最下流部には複数の開口穴が形成されている。これらの開口穴は、温度調整された送風空気を混合空間35から車室内側へ流出させるための開口穴である。本実施形態では、開口穴として、デフロスタ開口穴26、フェイス開口穴24a、24b、フット開口穴25a、25b、リア開口穴27が設けられている。

0047

より詳細には、フェイス開口穴として、運転席側フェイス開口穴24aおよび助手席側フェイス開口穴24bが設けられている。さらに、フット開口穴として、運転席側フット開口穴25aおよび助手席側フット開口穴25bが設けられている。

0048

運転席側フェイス開口穴24aは、運転席に着座した乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。従って、運転席側フェイス開口穴24aは、運転席側領域に空調風を吹き出すための開口穴である。助手席側フェイス開口穴24bは、助手席に着座した乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。従って、助手席側フェイス開口穴24bは、助手席側領域に空調風を吹き出すための開口穴である。

0049

運転席側フット開口穴25aは、運転席に着座した乗員の足下に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。従って、運転席側フット開口穴25aは、運転席側領域に空調風を吹き出すための開口穴である。助手席側フット開口穴25bは、助手席に着座した乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。従って、助手席側フット開口穴25bは、助手席側領域に空調風を吹き出すための開口穴である。

0050

デフロスタ開口穴26は、車両前面窓ガラスWの内側面に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。リア開口穴27は、後部座席側に空調風を吹き出すための開口穴である。従って、リア開口穴27は、後部座席側領域に空調風を吹き出すための開口穴である。これらの開口穴24a〜27は、それぞれ空気通路を形成するダクトを介して、車室内に設けられた専用の吹出口(いずれも図示せず)に接続されている。

0051

また、運転席側フェイス開口穴24a、助手席側フェイス開口穴24a、運転席側フット開口穴25a、助手席側フット開口穴25b、デフロスタ開口穴26、およびリア開口穴27の空気流れ上流側には、それぞれの開口穴の開口面積を調整する吹出口モードドア241a〜271が配置されている。これらの吹出口モードドア241a〜271は、それぞれの開口穴の開口面積を調整することによって吹出口モードを切り替えるものである。

0052

より具体的には、運転席側フェイスドア241aは、運転席側フェイス開口穴24aの開口面積を調整するドアである。助手席側フェイスドア241bは、助手席側フェイス開口穴24bの開口面積を調整するドアである。運転席側フットドア251aは、運転席側フット開口穴25aの開口面積を調整するドアである。助手席側フットドア251bは、助手席側フット開口穴25bの開口面積を調整するドアである。デフロスタドア261は、デフロスタ開口穴26の開口面積を調整するドアである。リアドア271は、リア開口穴27の開口面積を調整するドアである。

0053

なお、図1では、図示の明確化のため、運転席側フェイス開口穴24aおよび運転席側フット開口穴25aを図示し、助手席側フェイス開口穴24bおよび助手席側フット開口穴25bの図示を省略している。そして、助手席側の開口穴の符号を、対応する運転席側の開口穴の符号の横にカッコ付きで示している。このことは、助手席側フェイスドア241bおよび助手席側フットドア251bについても同様である。

0054

これらの吹出口モードドア241a〜271は、図示しないリンク機構に連結されて、吹出口モードドア用の電動アクチュエータ64によって連動駆動される。この電動アクチュエータ64は、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。もちろん、それぞれのドア241a〜271を、専用の電動アクチュエータで駆動してもよい。

0055

吹出口モードドア241a〜271によって切り替えられる吹出口モードとしては、フェイスモードバイレベルモードフットモードフットデフロスタモードデフロスタモードがある。

0056

フェイスモードは、フェイス開口穴24a(24b)を全開してフェイス開口穴24a(24b)から乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すモードである。バイレベルモードは、フェイス開口穴24a(24b)およびフット開口穴25a(25b)の双方を開口して乗員の上半身および足下の双方へ向けて空調風を吹き出すモードである。

0057

フットモードは、フット開口穴25a(25b)を全開するとともにデフロスタ開口穴26を小開度だけ開口して、フット開口穴25a(25b)から主に空調風を吹き出すモードである。フットデフロスタモードは、フット開口穴25a(25b)およびデフロスタ開口穴26を同程度開口して、フット開口穴25a(25b)およびデフロスタ開口穴26の双方から空調風を吹き出すモードである。

0058

デフロスタモードは、デフロスタ開口穴26を全開してデフロスタ開口穴26から車両前面窓ガラスWの内面に向けて空気を吹き出すモードである。このデフロスタモードについては、車両前面窓ガラスWの防曇優先するために、乗員が後述する操作パネル60の吹出口モードの切替スイッチを操作することによって切り替えられる。

0059

さらに、本実施形態の車両用空調装置1では、吹出口モードドア241a〜271の開閉作動によって、前述したゾーン空調を実現している。例えば、助手席側フェイスドア241bによって助手席側フェイス開口穴24bを閉塞し、助手席側フットドア251bによって助手席側フット開口穴25bを閉塞し、リアドア271によってリア開口穴27aを閉塞することで、運転席側領域のみのゾーン空調を行うことができる。

0060

つまり、本実施形態の吹出口モードドア241a〜271は、運転席側領域、助手席側領域、後部座席側領域といった領域に吹き出される空調風の風量を調整する風量調整装置としての機能を果たす。さらに、本実施形態の吹出口モードドア241a〜271では、ゾーン空調の実行中であっても、運転席側領域および助手席側領域のうち空調を行う領域毎に吹出口モードを切り替えることができる。

0061

次に、図2を用いて、本実施形態の電気制御部の概要について説明する。本実施形態の車両には、空調制御装置50、駆動力制御装置70、ボデー制御装置71といった複数の制御装置(制御部)が搭載されている。これらの制御装置50、70、71は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御する。

0062

駆動力制御装置70は、エンジンEGを構成する各種エンジン制御機器、走行用電動モータへ交流電流を供給する走行用インバータ等の作動を制御する駆動力制御部である。駆動力制御装置70は、乗員が車両システムの起動スイッチ(以下、IGスイッチと記載する。)を投入した際に、バッテリ81から電力が供給されて起動する。そして、入力側に接続された駆動力制御用のセンサ群検出信号等に基づいて、各種エンジン制御機器、走行用インバータ等の作動を制御する。

0063

ここで、本実施形態の車両システムとは、走行用の駆動力に関係するエンジンEG、走行用電動モータ、および駆動力制御装置70等に限定されるものではなく、車両用空調装置1等を含む車両に搭載された制御対象システム全体を意味している。

0064

ボデー制御装置71は、盗難防止装置等の作動を制御するボデー制御部である。ボデー制御装置71は、車両システムの停止時であっても、バッテリ81から電力が供給されて作動している。ボデー制御装置71の入力側には、運転席ドア開閉センサ72、助手席ドア開閉センサ73、後部座席ドア開閉センサ74、助手席側着センサ75等が接続されている。

0065

運転席ドア開閉センサ72は、運転席側のドアが開閉したことを検出する運転席ドア開閉検出部である。助手席ドア開閉センサ73は、助手席側のドアが開閉したことを検出する助手席ドア開閉検出部である。後部座席ドア開閉センサ74は、後部座席ドアが開閉したことを検出する後部座席ドア開閉検出部である。

0066

さらに、このボデー制御装置71では、それぞれのドア開閉センサ72〜74から出力される検出信号が入力されるだけでなく、これらの検出信号に基づいて、それぞれのドアが開いたこと、および閉じたことを検知することができるだけでなく、ドアが開いてから閉じるまでの経過時間を検出して記憶しておくことができる。

0067

助手席側着座センサ75は、助手席に乗員が着座していることを検出する助手席側着座検出部である。助手席側着座センサ75は、助手席のシード部に配置された圧力センサで構成されている。本実施形態のボデー制御装置71は、車両システムの作動中に、助手席側着座センサ75によって助手席に乗員が着座していることが判定され、かつ、助手席側のシートベルトが未着用の場合に、助手席側の乗員に対してシートベルトの着用を促す警告灯を点灯させる。

0068

空調制御装置50は、車両用空調装置1を構成する各種空調制御機器の作動を制御する空調制御部である。空調制御装置50は、乗員がIGスイッチを投入した際や、ボデー制御装置71から起動信号が出力された際等に、バッテリ81から電力が供給されて起動する。

0069

空調制御装置50の出力側には、送風機32、圧縮機11の電動モータ11b用のインバータ61、送風ファン12a、各種電動アクチュエータ62、63、64、PTCヒータ37、冷却水ポンプ40a等が接続されている。

0070

空調制御装置50の入力側には、内気センサ51、外気センサ52、日射センサ53、吐出温度センサ54、吐出圧力センサ55、蒸発器温度センサ56、冷却水温度センサ57、窓表面湿度センサ58等の種々の空調制御用のセンサ群が接続されている。

0071

内気センサ51は、車室内温度(すなわち、内気温)Trを検出する内気温度検出部である。外気センサ52は、外気温Tamを検出する外気温度検出部である。日射センサ53は、車室内の日射量Tsを検出する日射量検出部である。吐出温度センサ54は、圧縮機11吐出冷媒の温度Tdを検出する吐出温度検出部である。吐出圧力センサ55は、圧縮機11吐出冷媒の圧力Pdを検出する吐出圧力検出部である。蒸発器温度センサ56は、蒸発器15から吹き出される吹出空気温度TE(実質的には、蒸発器温度)を検出する蒸発器温度検出部である。冷却水温度センサ57は、エンジンEGから流出した冷却水の冷却水温度TWを検出する冷却水温度検出部である。窓表面湿度センサ58は、窓ガラス近傍における車室内空気の湿度である窓近傍湿度RHを検出する湿度検出部である。

0072

ここで、本実施形態の蒸発器温度センサ56は、具体的には、蒸発器15の熱交換フィン温度を検出している。もちろん、蒸発器温度センサ56として、蒸発器15のその他の部位の温度を検出する温度検出部を採用してもよいし、蒸発器15を流通する冷媒自体の温度を検出する温度検出部を採用してもよい。

0073

さらに、空調制御装置50の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された前席用の操作パネル60、および後部座席のアームレストに配置された後部座席側操作パネル60aが接続されている。空調制御装置50には、操作パネル60および後部座席側操作パネル60aに設けられた各種スイッチの操作信号が入力される。

0074

操作パネル60に設けられた操作スイッチとしては、具体的に、エアコンスイッチオートスイッチ、吸込口モードの切替スイッチ、吹出口モードの切替スイッチ、風量設定スイッチ、温度設定スイッチ、ゾーン空調設定スイッチ60z等がある。

0075

エアコンスイッチは、乗員の操作によって圧縮機11の作動あるいは停止を切り替える圧縮機作動設定部である。オートスイッチは、乗員の操作によって車両用空調装置1の自動制御を設定あるいは解除する自動制御設定部である。吸込口モードの切替スイッチは、乗員の操作によって吸込口モードを切り替える吸込口モード設定部である。吹出口モードの切替スイッチは、乗員の操作によって吹出口モードを切り替える吹出口モード設定部である。風量設定スイッチは、送風機32の送風量を手動設定するための風量設定部である。温度設定スイッチは、乗員の操作によって車室内目標温度Tsetを設定する目標温度設定部である。ゾーン空調設定スイッチ60zは、乗員の操作によって、ゾーン空調を行うゾーン空調モードとゾーン空調を行わず車室内の全領域の空調を行う全席空調モードとを切替設定するゾーン空調設定部である。

0076

ここで、本実施形態の車両用空調装置1では、IGスイッチが投入されると、ゾーン空調モードに設定される。つまり、前回の走行時にゾーン空調設定スイッチ60zによって全席空調モードに切り替えた状態で車両システムを停止させても、IGスイッチが投入されると、必ずゾーン空調モードに変更される。

0077

後部座席側操作パネル60aに設けられた後部座席用操作スイッチとしては、具体的に、後部座席側の配風スイッチ等がある。後部座席側の配風スイッチは、後部座席側に空調風が送風されることを要求あるいは禁止する後部座席側配風設定部である。

0078

さらに、操作パネル60には、現在の車両用空調装置1の作動状態等を表示する表示部が設けられている。この表示部には、ゾーン空調を実行していることを示す情報、およびゾーン空調が実行されている領域に関する情報を表示することができる。

0079

また、空調制御装置50、駆動力制御装置70、およびボデー制御装置71は、互いに電気的に通信可能に接続されている。より具体的には、本実施形態の空調制御装置50、駆動力制御装置70、およびボデー制御装置71は、多重通信方式(いわゆる、CAN)で通信可能に接続されている。

0080

これにより、いずれか1つの制御装置に入力された検出信号あるいは操作信号に基づいて、別の制御装置の作動を制御することや、別の制御装置の出力側に接続された各種機器の作動を制御することができる。

0081

例えば、ボデー制御装置71は、空調制御装置50に対して起動信号を出力することができる。そして、この起動信号によって空調制御装置50内のリレー回路を操作して、IGスイッチが投入されていなくても、バッテリ81から空調制御装置50に電力を供給することができる。すなわち、IGスイッチが投入されていなくても、空調制御装置50を起動することができる。

0082

ここで、空調制御装置50、駆動力制御装置70、およびボデー制御装置71は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体化されたものと表現することができる。つまり、各制御装置50、70、71のうち、それぞれの制御対象機器の作動を制御するハードウェアおよびソフトウェアは、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部を構成している。

0083

例えば、空調制御部として一体化された空調制御装置50は、圧縮機11の作動を制御する吐出能力制御部、吹出口モードドア241a〜271を駆動する吹出口モードドアの電動アクチュエータ64の作動を制御する風量制御部等が一体化されたものと表現することができる。

0084

次に、図3図11を用いて、上記構成における本実施形態の車両用空調装置1の作動を説明する。なお、図3図11のフローチャートに示す各制御ステップは、各制御装置が有する各種の機能実現部を構成している。

0085

まず、図3を用いて、ボデー制御装置71が実行するドア開閉監視制御について説明する。図3のフローチャートに示す制御処理は、車両システムの停止時に、ボデー制御装置71が実行するメインルーチンの制御処理のサブルーチンとして、所定の周期毎に実行される。

0086

図3に示すように、ステップS201では、ボデー制御装置71に接続された各ドア開閉センサ72〜74等の検出信号を読み込む。続くステップS202では、後部座席ドア開閉センサ74の検出信号に基づいて、後部座席ドアが開いてから閉じるまでの開放時間OTmが予め定めた基準開放時間KOTm(本実施形態では、2秒)以上であるか否かを判定する。

0087

ここで、開放時間OTmが比較的長時間である場合には、後部座席に乗員が乗車した可能性が高い。一方、開放時間OTmが比較的短時間である場合には、後部座席に荷物搬入あるいは後部座席から荷物を搬出するために後部座席ドアを開閉した可能性が高い。

0088

そこで、本実施形態では、ステップS202にて、開放時間OTmが基準開放時間KOTm以上と判定された際には、後部座席に乗員が乗車したものとして、ステップS203へ進む。一方、ステップS202にて、開放時間OTmが基準開放時間KOTm以上ではないと判定された際には、後部座席に乗員が乗車していないものとして、メインルーチンへ戻る。

0089

ステップS203では、空調制御装置50へ起動信号を出力する。換言すると、本実施形態の空調制御装置50は、少なくとも車両システムの停止時に後部座席ドアが開閉した際であって、かつ、当該後部座席ドアの開放時間OTmが基準開放時間KOTm以上であった際に、ボデー制御装置71から出力された起動信号によって起動する。

0090

さらに、ステップS203では、ボデー制御装置71が空調制御装置50の後部座席記憶フラグRSfを1とする。この後部座席記憶フラグは、後部座席に乗員が乗車していることを示すフラグである。

0091

次に、ステップS204では、後部座席ドア開閉センサ74の検出信号に基づいて、後部座席ドアが開いてからの経過時間である待機時間WTmが予め定めた基準待機時間KWTm(本実施形態では、60分)以上であるか否かを判定する。

0092

ここで、待機時間WTmが一時間を超える程度の長時間である場合には、後部座席に荷物を搬入あるいは後部座席から荷物を搬出するために後部座席ドアを開閉した可能性が高い。

0093

そこで、本実施形態では、ステップS204にて、待機時間WTmが基準待機時間KWTm以上と判定された際には、後部座席に乗員が乗車していないものとして、ステップS205へ進む。一方、ステップS204にて、待機時間WTmが基準待機時間KWTm以上ではないと判定された際には、メインルーチンへ戻る。

0094

ステップS205では、空調制御装置50へ停止信号を出力する。換言すると、本実施形態の空調制御装置50は、後部座席ドアが開閉したことによって起動した状態であって、かつ、IGスイッチが投入される前に、待機時間WTmが基準待機時間KWTm以上となった際に、ボデー制御装置71から出力された停止信号によって停止する。

0095

さらに、ステップS205では、ボデー制御装置71が空調制御装置50の後部座席記憶フラグRSfを0に変更して、メインルーチンへ戻る。

0096

次に、図4図11を用いて、空調制御装置50が実行する空調制御について説明する。図4のフローチャートに示す制御処理は、空調制御のメインルーチンとして実行される制御処理である。この制御処理は、車両システムの起動後(すなわち、IGスイッチが投入された後)に、操作パネル60のオートスイッチが投入されると実行される。

0097

まず、ステップS1では、フラグ、タイマ等の初期化、および上述した電動アクチュエータを構成するステッピングモータ初期位置合わせ等のイニシャライズが行われる。このステップS1では、全てのフラグや演算値の初期化がなされるものではない。例えば、一部のフラグや演算値については、前回の車両用空調装置1の作動終了時に記憶された値が維持される。また、前述した後部座席記憶フラグRSfについては、IGスイッチがOFFされた際に初期化されて0となる。

0098

次に、ステップS2では、操作パネル60の操作信号等を読み込んで、ステップS3へ進む。ステップS3では、空調制御に用いられる車両環境状態の信号、すなわち上述のセンサ群51〜58の検出信号を読み込んで、ステップS4へ進む。さらに、このステップS3では、駆動力制御装置70およびボデー制御装置71から出力された制御信号を読み込んでいる。

0099

ステップS4では、前席側の車室内吹出空気目標吹出温度TAOを算出する。目標吹出温度TAOは、以下の数式F1により算出される。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C…(F1)
ここで、Tsetは温度設定スイッチによって設定された車室内設定温度である、Trは内気センサ51によって検出された内気温である。Tamは外気センサ52によって検出された外気温である。Tsは日射センサ53によって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用定数である。

0100

この目標吹出温度TAOは、車室内を所望の温度に保つために車両用空調装置1が生じさせる必要のある熱量に相関する値である。従って、目標吹出温度TAOは、車両用空調装置1に要求される空調負荷(換言すると、空調熱負荷)を示す指標として用いることができる。

0101

続くステップS5〜S14では、空調制御装置50に接続された各種機器の制御状態が決定される。

0102

まず、ステップS5では、エアミックスドア39の目標開度SWを決定する。具体的には、ステップS5では、以下数式F2により仮のエアミックス開度SWddを算出する。
SWdd={TAO−(TE+2)}/{MAX(10、TW−(TE+2))}×100(%)…(F2)
ここで、TEは、蒸発器温度センサ56によって検出された吹出空気温度である。TWは、冷却水温度センサ57によって検出された冷却水温度である。また、数式F2の{MAX(10、TW−(TE+2))}とは、10およびTW−(TE+2)のうち大きい方の値を意味している。

0103

そして、上記数式F2にて算出された仮のエアミックス開度SWddに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して、エアミックス開度SWを決定する。この制御マップでは、仮のエアミックス開度SWddに対応するエアミックス開度SWを非線形的に決定する。

0104

これは、本実施形態では、エアミックスドア39として、片持ちドアを採用しているため、エアミックス開度SWの変化に対して、冷風加熱用通路33の入口の開口面積および冷風バイパス通路34の入口の開口面積が非線形的に変化するからである。

0105

また、SW=0%では、エアミックスドア39が最大冷房位置変位する。つまり、エアミックスドア39は、冷風バイパス通路34を全開とし、冷風加熱用通路33を全閉とする位置に変位する。SW=100%では、エアミックスドア39が最大暖房位置に変位する。つまり、エアミックスドア39は、冷風バイパス通路34を全閉とし、冷風加熱用通路33を全開とする位置に変位する。

0106

次に、ステップS6では、送風機32の送風能力を決定する。より具体的には、ステップS6では、送風機32の電動モータに印加するブロワ電圧を決定する。ステップS6の詳細については、図5のフローチャートを用いて説明する。

0107

まず、ステップS61では、操作パネル60のオートスイッチが投入されているか否かが判定される。ステップS61にて、オートスイッチが投入されていないと判定された場合は、ステップS62へ進む。ステップS62では、操作パネル60の風量設定スイッチによって設定された乗員の所望の風量となるブロワ電圧が決定されて、ステップS7へ進む。

0108

具体的には、本実施形態の風量設定スイッチでは、Lo→M1→M2→M3→Hiの5段階の風量を設定することができる。そして、それぞれ4V→6V→8V→10V→12Vの順にブロワ電圧が高くなるように決定される。

0109

一方、ステップS61にて、オートスイッチが投入されていると判定された場合は、ステップS63へ進む。ステップS63では、仮のブロワ電圧が決定されて、ステップS64へ進む。仮のブロワ電圧は、第1ブロワレベルf(TAO)および第2ブロワレベルf(TW)のうち、小さい方の値に決定される。

0110

第1ブロワレベルf(TAO)は、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して決定される。

0111

この制御マップでは、図5のステップS63に記載された制御特性図に示すように、TAOの極低温域(最大冷房域)および極高温域(最大暖房域)で第1ブロワレベルf(TAO)を上昇させて、送風機32の風量を増加させる。また、TAOが中間温度域内に入ると、第1ブロワレベルf(TAO)を低下させて送風機32の風量を減少させる。

0112

つまり、第1ブロワレベルf(TAO)は、車両用空調装置1に、高い冷房能力暖房能力が要求される際に、送風機32の送風能力を増加させるようにブロワ電圧を決定している。

0113

また、第2ブロワレベルf(TW)は、冷却水温度TWに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して決定される。

0114

この制御マップでは、図5ステップS63に記載された制御特性図に示すように、冷却水温度TWが、比較的低い第1基準冷却水温度(本実施形態では、40℃)以下である場合は、第2ブロワレベルf(TW)を0とする。さらに、第1基準冷却水温度から第2基準冷却水温度(本実施形態では、65℃)へ上昇するに伴って、第2ブロワレベルf(TW)を上昇させる。

0115

つまり、第2ブロワレベルf(TW)は、エンジンEGの暖機時(すなわち、冷却水温度TWが低温の時)に、送風機32の風量を減少させるようにブロワ電圧を決定している。

0116

ステップS64では、後述するステップS8で決定された吹出口モードが、フットモード(図5では、FOOTと記載)、フットデフモード図5では、F/Dと記載)、およびバイレベルモード(図5では、B/Lと記載)のいずれかのモードであるか否かを判定する。

0117

ステップS64にて、吹出口モードが、フットモード、フットデフモード、およびバイレベルモードのいずれでもないと判定された際(すなわち、吹出口モードが、フェイスモードかデフロスタモードになっている際)には、ステップS65へ進む。ステップS65では、ブロワ電圧が第1ブロワレベルf(TAO)に決定されて、ステップS7へ進む。

0118

一方、ステップS64にて、吹出口モードが、フットモード、フットデフモード、およびバイレベルモードのいずれかであると判定された際には、ステップS66へ進む。ステップS66では、ブロワ電圧をステップS63で決定された仮のブロワ電圧に湿度補正項f(湿度)を加算した値に決定して、ステップS7へ進む。

0119

より具体的には、この湿度補正項f(湿度)は、窓表面湿度センサ58によって検出された窓近傍湿度RHに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して決定される。

0120

この制御マップでは、図5のステップS66に記載された制御特性図に示すように、窓近傍湿度RHの上昇に伴って、湿度補正項f(湿度)を増加させる。これにより、窓近傍湿度RHが高いほど、送風機32の風量を増加させて窓曇りを抑制している。なお、ステップS66に示す制御特性図では、制御ハンチング防止のためのヒステリシス幅が設定されている。

0121

次に、ステップS7では、吸込口モードを決定する。より具体的には、内外気切替ドア用の電動アクチュエータ62へ出力される制御信号を決定する。ステップS7の詳細については、図6のフローチャートを用いて説明する。

0122

まず、ステップS71では、操作パネル60のオートスイッチが投入されているか否かが判定される。ステップS71にて、オートスイッチが投入されていないと判定された場合は、ステップS72へ進む。ステップS72では、操作パネル60の吸込口モードの切替スイッチによって、外気導入図6では、FRSと記載)が設定されているか否かを判定する。

0123

ステップS72にて、外気導入が設定されていると判定された場合は、ステップS73へ進む。ステップS73では、外気率を100%(すなわち、全外気モード)として、ステップS8へ進む。また、ステップS72にて、外気導入が設定されていると判定されなかった場合は、ステップS74へ進む。ステップS74では、外気率を0%(すなわち、全内気モード)として、ステップS8へ進む。

0124

ここで、外気率とは、内外気切替装置20内に導入される送風空気のうちの外気の占める割合である。従って、外気率は、外気導入率と表現することもできる。

0125

一方、ステップS71にて、操作パネル60のオートスイッチが投入されていると判定された場合は、ステップS75へ進む。ステップS75では、目標吹出温度TAOに基づいて、冷房運転となっているか暖房運転となっているかを判定する。

0126

具体的には、本実施形態では、目標吹出温度TAOが25℃より高くなっている場合は、暖房運転と判定してステップS76へ進む。ステップS76では、窓近傍湿度RHに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して外気率を決定して、ステップS8へ進む。

0127

この制御マップでは、図6のステップS76に記載された制御特性図に示すように、窓近傍湿度RHの上昇に伴って、外気率を増加させている。より具体的には、本実施形態では、RH≦70%であれば外気率を50%とし、RH≧85%であれば外気率を100%とする。さらに、50%<RH<85%の範囲では、近傍湿度RHの上昇に伴って、外気率を増加させる。

0128

これにより、窓近傍湿度が高いほど外気の導入率を高くして車室内空間の湿度を低下させて、窓曇りを抑制している。

0129

また、ステップS75にて、TAOが25℃より高くなっていない場合は、冷房運転と判定してステップS77へ進む。ステップS77では、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して外気率を決定して、ステップS8へ進む。

0130

この制御マップでは、図6のステップS77に記載された制御特性図に示すように、目標吹出温度TAOの上昇に伴って、外気率を増加させている。より具体的には、本実施形態では、TAO≦0℃であれば外気率を0%とし、TAO≧15℃であれば外気率を100%とする。さらに、0℃<TAO<15℃の範囲では、目標吹出温度TAOの上昇に伴って、外気率を増加させる。

0131

これにより、目標吹出温度TAOが低くなるに伴って(すなわち、冷房負荷が高くなるに伴って)、内気の導入率を高くして冷房効率を向上させている。

0132

次に、ステップS8では、吹出口モードを決定する。より具体的には、吹出口モードドア用の電動アクチュエータ64へ出力される制御信号を決定する。ステップS8の詳細については、図7のフローチャートを用いて説明する。

0133

まず、ステップS81では、操作パネル60のオートスイッチが投入されているか否かを判定する。オートスイッチが投入されていないと判定された場合は、ステップS82へ進む。ステップS82では、操作パネル60の吹出口モードの切替スイッチによって、設定された吹出口モードに決定して、ステップS9へ進む。

0134

一方、ステップS81にて、操作パネル60のオートスイッチが投入されていると判定された場合は、ステップS83へ進む。ステップS83では、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して仮の吹出口モードを決定する。

0135

この制御マップでは、図7のステップS83に記載された制御特性図に示すように、TAOが低温域から高温域へと上昇するに伴って、仮の吹出口モードをフェイスモード(図7では、FACEと記載)→バイレベルモード(図7では、B/Lと記載)→フットモード(図7では、FOOTと記載)へと順次切り替える。

0136

このため、夏季は主にフェイスモード、季は主にバイレベルモード、そして冬季は主にフットモードが選択され易くなる。

0137

続くステップS84では、仮の吹出口モードがフットモードであるか否かを判定する。ステップS84にて、仮の吹出口モードがフットモードでないと判定された場合は、ステップS85へ進む。ステップS85では、吹出口モードを、ステップS83で決定した仮の吹出口モードに決定して、ステップS9へ進む。

0138

一方、ステップS84にて、仮の吹出口モードがフットモードであると判定された場合は、ステップS86へ進む。ステップS86では、窓近傍湿度RHに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して吹出口モードを決定して、ステップS9へ進む。

0139

この制御マップでは、図7のステップS86に記載された制御特性図に示すように、窓近傍湿度RHが基準湿度所定値よりも低い場合、吹出口モードをフットモードとし、窓近傍湿度が所定値よりも高い場合、吹出口モードをフットデフロスタモード(図7では、F/Dと記載)とする。なお、図7のステップS83、S86に記載された制御特性図では、制御ハンチング防止のためのヒステリシス幅が設定されている。

0140

次に、ステップS9では、空調制御装置50から駆動力制御装置70へ出力される要求信号を決定する。この要求信号としては、停止しているエンジンEGを作動させる作動要求信号や、EV走行モードとHV走行モードとの切替を要求する切替要求信号等がある。

0141

ここで、車両走行用の駆動力をエンジンEGのみから得る通常の車両では、走行時に常時エンジンを作動させているので冷却水も常時高温となる。従って、通常の車両では冷却水をヒータコア36に流通させることで十分な暖房能力を発揮することができる。

0142

これに対して、本実施形態のプラグインハイブリッド車両では、車両走行用の駆動力を走行用電動モータからも得ることができることから、エンジンEGの作動を停止させることがあり、車両用空調装置1にて車室内の暖房を行う際に、冷却水の温度が暖房用熱源として充分な温度にまで上昇していない場合がある。

0143

そこで、本実施形態の車両用空調装置1は、走行用の駆動力を出力させるためにエンジンEGを作動させる必要がない走行条件であっても、所定条件を満たした場合には、エンジンEGの駆動力を制御する駆動力制御装置70に対してエンジンEGの作動を要求する要求信号を出力して、冷却水温度を暖房用の熱源として充分な温度となるまで上昇させるようにしている。

0144

次に、ステップS10では、PTCヒータ37の加熱能力を決定する。より具体的には、PTC素子の通電本数を決定する。ステップS10では、外気温Tam、仮のエアミックス開度SWdd、冷却水温度TWに応じて、PTC素子の通電本数を決定する。

0145

より具体的には、本実施形態では、外気温Tamが基準外気温(本実施形態では、26℃)以下であって、かつ、仮のエアミックス開度SWddが基準開度(本実施形態では、100%)以上となっている際に、冷却水温度TWの低下に伴って、PTC素子の通電本数を増加させている。

0146

これにより、外気温Tamが比較的低く、エアミックスドア39が最大暖房位置に変位しても送風空気を充分に加熱できないときに、PTCヒータ37を補助加熱装置として作動させるようにしている。

0147

次に、ステップS11では、冷却水回路40の冷却水ポンプ40aを作動させるか否かを決定する。このステップS11の詳細については、図8のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS111では、冷却水温度TWが、蒸発器15からの吹出空気温度TEよりも高いか否かを判定する。

0148

ステップS111にて、冷却水温度TWが吹出空気温度TE以下となっている場合は、ステップS114へ進み、冷却水ポンプ40aを停止させる。その理由は、冷却水温度TWが吹出空気温度TE以下となっている場合に冷却水をヒータコア36へ流すと、ヒータコア36を流れる冷却水が蒸発器15通過後の空気を冷却してしまうことになるため、かえって室内へ吹き出される送風空気の温度を低くしてしまうからである。

0149

一方、ステップS111にて、冷却水温度TWが吹出空気温度TEより高い場合は、ステップS112へ進む。ステップS112では、送風機32が作動しているか否かが判定される。ステップS112にて、送風機32が作動していないと判定された場合は、ステップS114に進む。ステップS114では、省動力化のために冷却水ポンプ40aを停止させることを決定して、ステップS12へ進む。

0150

ステップS112にて送風機32が作動していると判定された場合は、ステップS113へ進む。ステップS113では、冷却水ポンプ40aを作動させることを決定して、ステップS12へ進む。これにより、冷却水ポンプ40aが作動して、冷却水が冷却水回路内を循環するので、ヒータコア36を流れる冷却水とヒータコア36を通過する空気とを熱交換させて送風空気を加熱することができる。

0151

次に、ステップS12では、空調を行う領域(すなわち、空調ゾーン)を決定する。ステップS12の詳細については、図9のフローチャートを用いて説明する。

0152

まず、ステップS121では、ゾーン空調モードであるか否かを判定する。前述の如く、本実施形態では、IGスイッチが投入された際にゾーン空調モードに変更されるものの、後部座席記憶フラグRSfが0となっている際には、ゾーン空調は必要ないものとして、全席空調モードに切り替える。

0153

そして、ステップS121にて、ゾーン空調モードになっていないと判定された際には、ステップS13へ進む。一方、ステップS121にて、ゾーン空調モードになっていると判定された際には、ステップS122へ進む。

0154

ステップS122では、助手席側着座センサ75の検出信号に基づいて、助手席に乗員が乗車しているか否かを判定する。そして、ステップS122にて、助手席に乗員が乗車していないと判定された際には、ステップS123へ進む。ステップS123では、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して、空調ゾーンを決定する。

0155

この制御マップでは、図9のステップS123に記載された制御特性図に示すように、TAOの極低温域(例えば、−10℃以下)および極高温域(例えば、60℃以上)では、全席(すなわち、運転席側領域、助手席側領域および後部座席側領域)を空調ゾーンとする。そして、TAOが最大冷房域あるいは最大暖房域から中間温度域内(例えば、0≦TAO≦50)に近づく範囲では、前席(すなわち、運転席側領域および助手席側領域)を空調ゾーンとする。さらに、TAOが中間温度域に入った際には、運転席(すなわち、運転席側領域)を空調ゾーンとする。

0156

本実施形態の制御マップのように、TAOが極低温域あるいは極高温域となる空調過渡期には、全席を空調ゾーンとすることで、速やかに車室内の温度を調整して、即効性の高い空調を実現することができる。さらに、TAOが中間温度域内となる空調定常状態では、乗員が乗車している運転席のみを空調することで、車両用空調装置1の省エネルギ化を図ることができる。

0157

そして、前席を空調ゾーンとする際には、リアドア271によってリア開口穴27aを閉塞する。また、運転席を空調ゾーンとする際には、リアドア271によってリア開口穴27aを閉塞するとともに、助手席側フェイスドア241bによって助手席側フェイス開口穴24bを閉塞し、助手席側フットドア251bによって助手席側フット開口穴25bを閉塞する。

0158

また、ステップS122にて、助手席に乗員が乗車していると判定された際には、ステップS124へ進む。ステップS124では、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して、空調ゾーンを決定する。

0159

この制御マップでは、図9のステップS124に記載された制御特性図に示すように、TAOの極低温域および極高温域では、全席を空調ゾーンとする。そして、TAOが最大冷房域あるいは最大暖房域から中間温度域内に近づく範囲および中間温度域となっている際には、前席を空調ゾーンとする。なお、図9のステップS123、S124に示す制御特性図では、制御ハンチング防止のためのヒステリシス幅が設定されている。

0160

ステップS123、S124に続く、ステップS125では、操作パネル60の表示部にゾーン空調を実行していることを示す情報、およびゾーン空調が実行されている領域に関する情報を表示して、ステップS13へ進む。

0161

次に、ステップS13では、目標蒸発器温度TEOを決定する。目標蒸発器温度TEOは、蒸発器15における冷媒蒸発温度目標値である。このステップS13の詳細については、図10のフローチャートを用いて説明する。

0162

まず、ステップS131では、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して第1仮目標蒸発器温度TEO1を決定する。この制御マップでは、図10のステップS131に記載された制御特性図に示すように、TAOが上昇するに伴って、第1仮目標蒸発器温度TEO1を上昇させる。

0163

続くステップS132では、窓近傍湿度RHに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して仮の第2仮目標蒸発器温度TEO2を決定する。この制御マップでは、図10のステップS132に記載された制御特性図に示すように、RHが上昇するに伴って、第2仮目標蒸発器温度TEO2を低下させる。

0164

続くステップS133では、第1仮目標蒸発器温度TEO1および第2仮目標蒸発器温度TEO2のうち、小さい方の値を目標蒸発器温度TEOに決定して、ステップS14へ進む。これにより、窓近傍湿度RHが上昇するに伴って、目標蒸発器温度TEOを低下させて送風空気の除湿を行うことができる。従って、車両窓ガラスの曇りを効果的に抑制することができる。

0165

次に、ステップS14では、圧縮機11の冷媒吐出能力を決定する。より具体的には、圧縮機11の回転数を決定する。なお、ステップS14における圧縮機回転数の決定は、図3のメインルーチンが繰り返される制御周期τ毎に行われるものではなく、所定の制御間隔(本実施形態では1秒)毎に行われる。

0166

このステップS14の詳細については、図11のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS141では、前回の圧縮機回転数fn−1に対する回転数変化量Δfを求める。

0167

具体的には、目標吹出温度TEOと吹出空気温度TEの偏差En(TEO−TE)を算出し、今回算出された偏差Enから前回算出された偏差En−1を減算した偏差変化率Edot(En−(En−1))を算出し、偏差Enと偏差変化率Edotとを用いて、予め空調制御装置50に記憶されたメンバシップ関数ルールとに基づいたファジー推論に基づいて、前回の圧縮機回転数fn−1に対する回転数変化量Δfを求める。

0168

続くステップS142では、今回の圧縮機回転数を次の数式F3により算出する。
今回の圧縮機回転数=MIN{(前回の圧縮機回転数+Δf),MAX回転数}…(F3)
なお、数式F3のMIN{(前回の圧縮機回転数+Δf),MAX回転数}とは、前回の圧縮機回転数+ΔfおよびMAX回転数のうち小さい方の値を意味している。また、本実施形態では、MAX回転数を10000rpmとしている。

0169

次に、ステップS15では、上述のステップS5〜S14で決定された制御状態が得られるように、空調制御装置50より各種機器12a、32、37、40a、61、62、63、64に対して制御信号および制御電圧が出力される。さらに、空調制御装置50から駆動力制御装置70に対して、ステップS11にて決定された要求信号が送信される。

0170

次に、ステップS16では、制御周期τの間待機し、制御周期τの経過を判定するとステップS2に戻るようになっている。なお、本実施形態は制御周期τを250msとしている。これは、車室内の空調制御は、エンジン制御等と比較して遅い制御周期であってもその制御性に悪影響を与えないからである。

0171

これにより、車両内における空調制御のための通信量を減少させて、エンジン制御等のように高速制御を行う必要のある制御系の通信量を十分に確保することができる。

0172

本実施形態の車両用空調装置1は、以上の如く作動するので、送風機32から送風された送風空気が、蒸発器15にて冷却される。そして蒸発器15にて冷却された冷風は、エアミックスドア39の開度に応じて、冷風加熱用通路33および冷風バイパス通路34へ流入する。

0173

冷風加熱用通路33へ流入した冷風は、ヒータコア36およびPTCヒータ37を通過する際に加熱されて、混合空間35にて冷風バイパス通路34を通過した冷風と混合される。そして、混合空間35にて温度調整された空調風が、混合空間35から各吹出口を介して車室内に吹き出される。

0174

そして、車室内に吹き出された空調風によって車室内の空気が冷却される場合には、車室内の冷房が実現される。一方、空調風によって車室内の空気が加熱される場合には、車室内の暖房が実現される。

0175

ここで、本実施形態の車両用空調装置1のように、ゾーン空調を実現可能に構成された車両用空調装置では、乗員が乗車している領域については空調を行い、乗員が乗車していない領域については空調を行わないことによって、車両用空調装置1全体としての省エネルギ化を図ることができる。

0176

ところが、本実施形態の車両のように、後部座席に着座センサが配置されていない車両では、着座センサの検出値に基づいて、乗員が後部座席に乗車しているか否かを判定することができない。さらに、後部座席に着座センサが配置されていたとしても、軽量な子供が乗車した際やチャイルドシートが設置された際等には、乗員の乗車位置を正しく検知できないこともある。

0177

このため、後部座席に着座センサが配置されていない車両に適用される車両用空調装置では、後部座席側領域については適切なゾーン空調を実現することが難しい。

0178

これに対して、本実施形態の車両用空調装置1の空調制御装置50は、車両システムの停止時であって、かつ、後部座席ドアが開閉した際にボデー制御装置71から出力される起動信号によって起動する。従って、本実施形態の車両用空調装置1では、車両システム停止時に後部座席ドアが開閉したことによって、後部座席に乗員が乗車しているか否かを検知することができる。

0179

さらに、着座センサを用いて乗員の乗車位置を検知する構成のような誤検知が生じてしまうこともない。その結果、本実施形態の車両用空調装置1によれば、後部座席側領域の適切なゾーン空調を実現することができる。

0180

さらに、本実施形態の空調制御装置50は、後部座席ドアが開閉した際に起動するので、車両システムの停止時に空調制御装置50が不必要な電力を消費してしまうことを抑制することができる。延いては、車両システムの停止時に、バッテリ81の蓄電残量が無くなってしまうことを抑制することができる。

0181

これに加えて、IGスイッチが投入された際に、空調制御装置50を既に起動させておくことができるので、車両システムの起動後、後部座席側領域を含む領域の空調を速やかに開始することができる。

0182

このことをより詳細に説明すると、本実施形態の車両のように、空調制御装置50、駆動力制御装置70、ボデー制御装置71といった複数の制御装置が多重通信方式で通信可能に接続されている構成では、一般的に、IGスイッチの投入後、各制御装置50、70、71間の通信が完全に成立するまでに5秒〜10秒程度の起上時間を要する。

0183

これに対して、本実施形態の車両用空調装置1のように、IGスイッチが投入された際に空調制御装置50が既に起動していれば、IGスイッチが投入された直後に、省エネルギ化効果の高いゾーン空調を実現することができる。

0184

また、本実施形態の車両用空調装置1では、少なくとも車両システムの停止時に後部座席ドアが開閉した際であって、かつ、当該後部座席ドアの開放時間OTmが基準開放時間KOTm以上であった際に、空調制御装置50が起動する。従って、荷物の搬入あるいは搬出のための後部座席ドアを開閉した際に、乗員が後部座席に乗車したと誤検知してしまうことを抑制することができる。

0185

また、本実施形態の車両用空調装置1では、後部座席ドアが開閉したことによって起動した状態であって、かつ、IGスイッチが投入される前に、待機時間WTmが基準待機時間KWTm以上となった際に、空調制御装置50が停止する。これによれば、後部座席に乗員が乗車していないときに、空調制御装置50が不必要な電力を消費してしまうことを抑制することができる。

0186

また、本実施形態の車両用空調装置1では、IGスイッチが投入された際に、空調制御装置50がゾーン空調モードに設定される。従って、前回の走行時に乗員が全席空調モードに切り替えていたとしても、今回の走行時にはゾーン空調を優先させて、省エネルギ化効果を得ることができる。

0187

また、本実施形態の車両用空調装置1では、操作パネル60の表示部に、ゾーン空調を実行していることを示す情報、およびゾーン空調が実行されている領域に関する情報を表示することができる。従って、IGスイッチの投入直後からゾーン空調が実行されていることを乗員に認識させることができる。これにより、環境保護意識の高い乗員の満足感を向上させることができる。

0188

(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。

0189

(1)上述の実施形態では、吹出口モードドア241a〜271を操作して、助手席側領域および後部座席側領域に送風される空調風の風量を調整することによって、ゾーン空調を実現した例を説明したが、本発明に係る車両用空調装置のゾーン空調はこれに限定されない。

0190

例えば、ケーシング31内の蒸発器15下流側の空気通路を、運転席用空気通路、助手用空気通路、後部座席用空気通路に区画し、それぞれの空気通路内に専用のエアミックスドアを配置してもよい。これによれば、運転席側領域、助手席側領域、および後部座席側領域に送風される空調風の風量のみならず、温度についても互いに独立して調整することもできる。

0191

また、上述の実施形態では、後部座席側領域を一つの領域としてゾーン空調を行う例を説明したが、後部座席側領域を右側領域左側領域とに分割してもよい。さらに、後部座席ドア開閉センサとして、右側用ドア開閉センサおよび左側用ドア開閉センサを設けてもよい。

0192

そして、空調制御装置50は、車両システムの停止時に後部座席乗降用の右側および左側の少なくとも一方の後部座席ドアが開閉した際に起動するものであり、
さらに、空調制御装置50は、後部座席ドアのうち右側用ドアが開閉したことによって起動した状態で車両システムの起動スイッチが投入された際に、右側領域に空調風が吹き出されるように風量調整装置(吹出口モードドア)の作動を制御し、後部座席ドアのうち左側用ドアが開閉したことによって起動した状態で車両システムの起動スイッチが投入された際に、左側領域に空調風が吹き出されるように風量調整装置(吹出口モードドア)の作動を制御するようになっていてもよい。

0193

(2)上述の実施形態では、空調制御装置50が実行する制御処理のステップS12にて説明したように、IGスイッチが投入された際に、後部座席記憶フラグRSfが0となっている場合は全席空調モードに切り替えているが、これに限定されない。

0194

例えば、IGスイッチが投入された際に、後部座席記憶フラグRSfが0となっている場合は、後部座席には乗員が乗車していないものとして、前席(すなわち、運転席側領域および助手席側領域)のみに空調風を吹き出すゾーン空調を行ってもよい。すなわち、運転席側領域のみに空調風を吹き出すゾーン空調と、運転席側領域および助手席側領域の双方に空調風を吹き出すゾーン空調とを切り替えるようにしてもよい。

0195

(3)上述の実施形態では、本発明の車両用空調装置1をプラグインハイブリッド車両に適用した例を説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、内燃機関(エンジン)から車両走行用の駆動力を得て走行する通常の車両、走行用電動モータから駆動力を得て走行する電気自動車燃料電池車両を含む)に適用してもよい。

0196

1車両用空調装置
30室内空調ユニット
50空調制御装置(空調制御部)
71ボデー制御装置(ボデー制御部)
241b助手席側フェイスドア(風量調整装置)
251b 助手席側フットドア(風量調整装置)
271リアドア(風量調整装置)

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