図面 (/)

技術 複式筆記具

出願人 株式会社サクラクレパス
発明者 安永雅博
出願日 2016年2月8日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2016-022158
公開日 2017年8月17日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2017-140715
状態 特許登録済
技術分野 シャープペンシル及び出没式、複式筆記具
主要キーワード 総巻き数 各芯部材 両コイルばね 操作押圧力 一体固着 JIS規格 コイル巻き数 組み立て構造
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

筆記芯の先端を、軸筒内収納位置から軸筒突出口から突出した突出位置まで移動させる際における、コイルばね付勢力の大きさの変化率差異を設けることなく、特定の筆記芯を選択することができる複式筆記具を提供することである。

解決手段

先端に突出口9を有する軸筒2と、筆記部20,31を有する複数の筆記芯3a,3bと、複数のコイルばね7,8と、複数の操作手段5を有し、各筆記芯20,31の外周部にコイルばね7,8が装着された状態で複数の筆記芯3a,3bが軸筒2内に配されており、各筆記芯3a,3bはコイルばね7,8によって軸筒2内部方向に向かって付勢されており、操作手段5を操作することによって突出口9から選択的に筆記芯3a,3bを突出させる複式筆記具1において、複数のコイルばね7,8のばね定数を実質的に同一とし、自然長及び/又は装着時の全長相違させる。

概要

背景

従来から、軸筒内ボールペンレフィルや、シャープペンシルユニットを含む複数の筆記芯が内蔵された複式筆記具が知られている。各筆記芯は前後に移動可能であり、複式筆記具は、各筆記芯の先端部分を軸筒の先端開口部から選択的に出没させて使用されている。

このような筆記具として、例えば、特許文献1に開示された複式筆記具がある。特許文献1に開示されている様な従来の複式筆記具では、各筆記軸(筆記芯)が各々コイルばね付勢力後方付勢されて軸筒内に収納されており、コイルばねの付勢力に抗して選択した一つの筆記軸を前方へ移動させると、当該筆記軸の先端部が軸筒の先端開口から突出する。そして、固定手段によって軸筒に対する当該筆記軸の位置が固定され、筆記可能な状態となる。

概要

筆記芯の先端を、軸筒内の収納位置から軸筒の突出口から突出した突出位置まで移動させる際における、コイルばねの付勢力の大きさの変化率差異を設けることなく、特定の筆記芯を選択することができる複式筆記具を提供することである。先端に突出口9を有する軸筒2と、筆記部20,31を有する複数の筆記芯3a,3bと、複数のコイルばね7,8と、複数の操作手段5を有し、各筆記芯20,31の外周部にコイルばね7,8が装着された状態で複数の筆記芯3a,3bが軸筒2内に配されており、各筆記芯3a,3bはコイルばね7,8によって軸筒2内部方向に向かって付勢されており、操作手段5を操作することによって突出口9から選択的に筆記芯3a,3bを突出させる複式筆記具1において、複数のコイルばね7,8のばね定数を実質的に同一とし、自然長及び/又は装着時の全長相違させる。

目的

本発明は、上記した従来技術の問題に鑑み、筆記芯の先端を、軸筒内の収納位置から軸筒の先端開口から突出した突出位置まで移動させる際における、コイルばねの付勢力の大きさの変化率に差異を設けることなく、付勢力の大きさの差のみで、特定の筆記芯を選択することができる複式筆記具を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

先端が開口し内部に中空部分を有する軸筒と、先端に筆記部を有する複数の筆記芯と、複数のコイルばねと、複数の操作手段を有し、各筆記芯の外周部に前記コイルばねが装着された状態で前記複数の筆記芯が前記軸筒内に配されており、各筆記芯は前記コイルばねによって軸筒内部方向に向かって付勢されており、操作手段を操作することによって先端の開口から選択的に筆記芯を突出させる複式筆記具において、複数のコイルばねには、ばね定数が実質的に同一であって、自然長及び/又は装着時の全長が異なるものがあることを特徴とする複式筆記具。

請求項2

前記複数のコイルばねには、自然長が他と相違するものがあり、全てのコイルばねは、装着時の全長が同一であることを特徴とする請求項1に記載の複式筆記具。

請求項3

前記複数のコイルばねは、自然長が同一であり、装着時の全長が、他と相違するものがあることを特徴とする請求項1に記載の複式筆記具。

請求項4

筆記芯として複数のボールペンレフィルと、少なくとも一本のシャープペンシルユニットがあり、前記自然長及び/又は装着時の全長が異なるコイルばねは、シャープペンシルユニットに装着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の複式筆記具。

技術分野

0001

本発明は、複数の筆記芯軸筒内外に出退する機構を備えた複式筆記具に関するものである。

背景技術

0002

従来から、軸筒内ボールペンレフィルや、シャープペンシルユニットを含む複数の筆記芯が内蔵された複式筆記具が知られている。各筆記芯は前後に移動可能であり、複式筆記具は、各筆記芯の先端部分を軸筒の先端開口部から選択的に出没させて使用されている。

0003

このような筆記具として、例えば、特許文献1に開示された複式筆記具がある。特許文献1に開示されている様な従来の複式筆記具では、各筆記軸(筆記芯)が各々コイルばね付勢力後方付勢されて軸筒内に収納されており、コイルばねの付勢力に抗して選択した一つの筆記軸を前方へ移動させると、当該筆記軸の先端部が軸筒の先端開口から突出する。そして、固定手段によって軸筒に対する当該筆記軸の位置が固定され、筆記可能な状態となる。

先行技術

0004

特開2011−240555号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、従来の複式筆記具では、各筆記芯を後方へ付勢するコイルばねとして、ばね定数と自然長(全長)が同じコイルばねが採用されている。また、各コイルばねは、同じ装着時長さで使用されている。そのため、各筆記芯を突出させる際における操作感差異がなく、使用者手元を見なければ、使用したい筆記芯を選択することができない。
ここで、特定の筆記芯のコイルばねのばね定数を、他の筆記芯のコイルばねのばね定数と相違させると、操作感に差異を設けることはできるが、この場合には操作時の操作に違和感が生じてしまう。すなわち、筆記芯の先端が軸筒内に収納された収納位置から軸筒の先端開口から突出した突出位置まで移動する際における、コイルばねの付勢力の大きさの変化率、すなわち、操作部材を操作するのに必要な押圧力の大きさの変化率が、ばね定数を変えた特定の筆記芯のみ相違してしまう。そのため、複式筆記具の使用者は、筆記芯の識別は可能であるものの、操作に違和感を覚えてしまう。

0006

そこで本発明は、上記した従来技術の問題に鑑み、筆記芯の先端を、軸筒内の収納位置から軸筒の先端開口から突出した突出位置まで移動させる際における、コイルばねの付勢力の大きさの変化率に差異を設けることなく、付勢力の大きさの差のみで、特定の筆記芯を選択することができる複式筆記具を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、先端が開口し内部に中空部分を有する軸筒と、先端に筆記部を有する複数の筆記芯と、複数のコイルばねと、複数の操作手段を有し、各筆記芯の外周部に前記コイルばねが装着された状態で前記複数の筆記芯が前記軸筒内に配されており、各筆記芯は前記コイルばねによって軸筒内部方向に向かって付勢されており、操作手段を操作することによって先端の開口から選択的に筆記芯を突出させる複式筆記具において、複数のコイルばねには、ばね定数が実質的に同一であって、自然長及び/又は装着時の全長が異なるものがあることを特徴とする複式筆記具である。

0008

請求項1に記載の発明では、各筆記芯に対応する操作手段を操作する際における、初動の押圧力の大きさに差異を設けることができる。すなわち、各操作手段を操作して対応する筆記芯が移動を開始する際における、押圧力の大きさに差異を設けることができる。よって、操作時の押圧力の大きさで特定の筆記芯の判別が可能である。そのため、複式筆記具の使用者は、手元を見なくても特定の筆記芯を識別することができる。
また、各コイルばねのばね定数が実質的に同一であるので、自然長及び/又は装着時の全長が異なる各筆記芯における、筆記芯の先端が軸筒内に収納された収納状態を、軸筒の先端の開口から突出した突出状態にする際の、操作手段の操作開始時から操作終了時に至るまでの押圧力の大きさの変化率は同じである。
換言すると、筆記芯の先端が軸筒内に収納された収納状態から軸筒外へ突出する突出状態に至るまでの、各コイルばねの付勢力の大きさの変化の仕方(変化率)が同じであり、付勢力の大きさのみが相違する。そのため、各筆記芯の操作手段を操作した際における、押圧力の大きさの変化率の差に起因する操作の違和感がない。
ここで、「実質的に同一」とは、コイルばねの誤差を考慮して同一の範囲と言えるものであることを意味している。すなわち、コイルばねは、全く同一のものを製造することが困難であり、同一仕様,同一の製造方法,同一の製造過程で製造しても、ロットによってばね定数にある程度のばらつきが生じてしまう。そのため、例えば、JIS B 2704−2:2009の「第2部:圧縮コイルばね仕様の表し方 6.2(c)ばね定数の許容差表4」にはばね定数の許容値が規定されている。例えば、JIS B 2704−2:2009では、最大でプラスマイナス12%の誤差を許容している。
本発明において、「実質的に同一」の範囲は、前記したJIS規格に限定されるものではないが、これに準じる範囲のものは「実質的に同一」であると言える。

0009

請求項2に記載の発明は、前記複数のコイルばねには、自然長が他と相違するものがあり、全てのコイルばねは、装着時の全長が同一であることを特徴とする請求項1に記載の複式筆記具である。

0010

請求項2に記載の発明では、全てのコイルばねの装着時の全長が同じである。そのため、装着時において、自然長が長いコイルばねの付勢力は大きく、自然長が短いコイルばねの付勢力は小さい。これにより、自然長が長いコイルばねが装着された筆記芯と、短いコイルばねが装着された筆記芯の識別が容易である。
さらに、自然長が長いコイルばねと、短いコイルばねとでは、収納位置における付勢力(押圧力)と突出位置における付勢力(押圧力)の差(付勢力の変化量)が同じである。
そのため、複式筆記具の使用者は、自然長が長いコイルばねが装着された筆記芯と、短いコイルばねが装着された筆記芯の操作時に違和感を覚えにくい。

0011

請求項3に記載の発明は、前記複数のコイルばねは、自然長が同一であり、装着時の全長が、他と相違するものがあることを特徴とする請求項1に記載の複式筆記具である。

0012

請求項3に記載の発明では、自然長が同一であり、装着時の全長が他と相違するコイルばねの圧縮量は、他のコイルばねの圧縮量と相違する。よって、装着時の全長が他と相違するコイルばねの付勢力は、他のコイルばねの付勢力と相違する。
そのため、コイルばねの付勢力の違いによって、操作手段を操作する際に必要な押圧力が相違し、容易に装着時の全長が他と相違するコイルばねが装着された筆記芯と、他のコイルばねが装着された筆記芯とを識別することができる。
また、コイルばねの付勢力が相違することにより、操作手段の押圧開始時における初動の押圧力が相違する。しかし、各コイルばねのばね定数が同じであるので、筆記芯が収納位置から突出位置まで移動する際における、コイルばねの付勢力(操作手段を押圧する押圧力)の大きさの変化の仕方が同様になる。そのため、複式筆記具の使用者は、操作手段の操作に違和感がない。

0013

請求項4に記載の発明は、筆記芯として複数のボールペンレフィルと、少なくとも一本のシャープペンシルユニットがあり、前記自然長及び/又は装着時の全長が異なるコイルばねは、シャープペンシルユニットに装着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の複式筆記具である。

0014

請求項4に記載の発明では、前記自然長及び/又は装着時の全長が異なるコイルばねは、シャープペンシルユニットに装着されているので、複数の筆記芯のうちから、シャープペンシルユニットを容易に選択することができる。

発明の効果

0015

本発明によると、操作手段の操作開始時の押圧力の大きさで筆記芯の判別が可能である。また、各筆記芯の収納位置から突出位置まで移動する際における、各コイルばねの付勢力の大きさの変化量に差がなく、操作の違和感がない。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施形態に係る複式筆記具の斜視図であり、いずれの筆記芯のペン先も軸筒の先端の突出口から突出していない状態を示す。
図1において、ボールペンレフィルのペン先が突出口から突出している状態を示す斜視図である。
図1において、シャープペンシルユニットのペン先が突出口から突出している状態を示す斜視図である。
図1の複式筆記具の断面図である。
1つのボールペンレフィルと、当該ボールペンレフィルに係合する複式筆記具の要部のみを描写した説明図であり、(a)はペン先が軸筒内に収納されている状態を示し、(b)はペン先が軸筒から突出している状態を示す。
シャープペンシルユニットと、当該シャープペンシルユニットに係合する複式筆記具の要部のみを描写した説明図であり、(a)はペン先が軸筒内に収納されている状態を示し、(b)はペン先が軸筒から突出している状態を示す。
図1の複式筆記具のコイルばね部分の変形例を示す説明図であり、(a)は、シャープペンシルユニットに装着されているコイルばねの自然長と、ボールペンレフィルに装着されているコイルばねの自然長が相違している状態を示しており、(b)は、両コイルばねが、シャープペンシルユニット及びボールペンレフィルに装着された際における装着時の全長を示しており、(c)は、シャープペンシルユニット及びボールペンレフィルのペン先が、軸筒の先端の突出口から突出した際における、各コイルばねの突出時長さを示している。
図1の複式筆記具のコイルばね部分の図7とは別の形態の説明図であり、(a)は、シャープペンシルユニットに装着されているコイルばねの自然長と、ボールペンレフィルに装着されているコイルばねの自然長が一致している状態を示しており、(b)は、両コイルばねが、シャープペンシルユニット及びボールペンレフィルに装着された際における装着時の全長を示しており、(c)は、シャープペンシルユニット及びボールペンレフィルのペン先が、軸筒の先端の突出口から突出した際における、各コイルばねの突出時長さを示している。
図4補助部材のA−A方向から見た矢視図である。
ボールペンレフィル用のコイルばねの側面図である。
シャープペンシルユニット用のコイルばねの側面図である。

0017

以下さらに、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において前後の関係はペン先側を前側、ペン軸側を後側として説明する。
本実施形態の複式筆記具は、複数の芯部材を内蔵し、これを選択的に突出させることができるものである。本実施形態の複式筆記具は、芯部材を軸筒内部方向(すなわち、後方側)に付勢するコイルばねに特徴がある。特徴部分の説明に先立って、複式筆記具の概要について説明し、その後で特徴部分たるコイルばねについて詳細に説明する。

0018

本実施形態の複式筆記具1は、図1図4で示されるように、本体である軸筒2と、軸筒2の内部に配される芯部材3a,3b(筆記芯)と、芯部材3a,3bを所定の位置で前後移動可能に保持するための補助部材4と、操作部材5と、芯部材3a,3bを後方へ付勢する2種類のボールペンレフィル用コイルばね7,シャープペンシルユニット用コイルばね8を備えている。

0019

軸筒2は、前側筒部12と、後側筒部13により構成されている。これら前側筒部12と、後側筒部13の内部には空間が形成されており、それぞれの空間は、前側筒部12と後側筒部13が一体に取り付けられたとき、連通した状態となる。

0020

前側筒部12は、前後端にそれぞれ開口を有する略円筒状の部材であり、前端近傍の部分が前端に向かうにつれて狭径となっている。前端部分に形成された開口は、芯部材3の前端部分(ペン先部分)を外部に突出させるための突出口9となる開口であり、内部に形成される空間と外部とを連通させている。

0021

また、前側筒部12の後端部分に形成される開口は、前端部分に形成された突出口9よりも径の大きな開口となっており、軸筒2が組み立てられた際には、後側筒部13の内部空間に向かって開いた状態となる。また、前側筒部12の後端部分の近傍では、その外周面に外ネジ雄ネジ)が形成されている。この外ネジは、後側筒部13の内周面に形成された内ネジ(雌ネジ)と螺合可能である。

0022

後側筒部13は、前端に開口を有する略円筒状の部材であり、後端側は閉塞されている。後側筒部13の前端部分の近傍では、その内周面に内ネジ(雌ネジ)が形成されている。この内ネジは、前述した前側筒部12に形成された外ネジ(雄ネジ)と螺合可能である。また、後側筒部13の後端部分の近傍には、後側筒部13(軸筒2)の軸方向に沿って延びる縦溝17が形成されている。

0023

縦溝17は、後側筒部13の内外を貫通しており、後側筒部13の側面(外周面)に形成されており、外周面の後端部分から前方へ向かって延びている。この縦溝17の開口形状は、略縦長長方形状であり、前端部分及び後端部分に位置する角部分が丸みを帯びた形状となっている。つまり、縦溝17は、細長く延びる長孔,又はスリットとなっている。

0024

縦溝17は、複数設けられており、後側筒部13の周方向に間隔を空けて並列した状態となっている。そして、いずれの縦溝17も後側筒部13の側面を貫通し、内外を連通している。本実施形態では、縦溝17は5つ設けられている。

0025

次に、芯部材3aについて説明する。
芯部材3aは、公知のボールペンレフィルと同様のものであり、図5(a)で示されるように、ボールペンチップ20(筆記部),インク収納筒21を備えた構成となっている。

0026

ボールペンチップ20は、内蔵された金属製のボールを回転自在に固定する構造となっており、このボールの回転により、インク収納筒21から供給されるインクを外部の筆記対象物(紙等)に塗布可能となっている。

0027

インク収納筒21は、内部に所定の色のインクが内蔵された円筒体であり、その前端部分には、ボールペンチップ20が一体に固定されている。また、インク収納筒21の内部には、後端よりもやや前側寄りの部分に開口栓(図示しない)が設けられている。インク収納筒21の内部空間は、この開口栓によって前後の2つの空間に分割されており、前側に位置する空間にインクが充填された状態となっている。インク収納筒21の外径は、芯部材3aの外径を構成している。
インク収納筒21の後端には、後述の操作部材5が一体化されている。

0028

次に、芯部材3bについて説明する。
芯部材3bは、シャープペンシルユニットである。芯部材3bは、図6(a)に示す様に、ペン先ユニット31(筆記部)と、芯収納部32を有している。

0029

ペン先ユニット31は、芯(シャープペンシルの芯)を繰り出すための芯送り機構を備えており、芯部材3bの先端部(ペン先)を構成している。

0030

芯収納部32は、筒状の部位である。芯収納部32の前端は開口しており、開口した前端にペン先ユニット31の後端部が挿入されている。すなわち、芯収納部32とペン先ユニット31は、着脱が可能に一体化されている。
芯収納部32の後端には、後述の操作部材5が一体化されている。

0031

芯収納部32には、複数の芯(シャープペンシルの芯)が内蔵されている。芯収納部32内の芯が、芯送り機構によってペン先ユニット31から繰り出される。

0032

次に補助部材4について説明する。
図4に示す補助部材4は、軸筒2(後側筒部13)の内部に固定された部材であり、複数(本実施形態では4つ)の芯部材保持孔25(図5(a),図9)と、1つの芯部材保持孔26(図6(a),図9)を有している。芯部材保持孔25,26は、前後方向に補助部材4を貫通した孔である。隣接する最も近い芯部材保持孔25同士又は芯部材保持孔25と芯部材保持孔26の中心間距離は、3.5mm程度である。
芯部材保持孔25,26は、それぞれ芯部材3a,3b(筆記芯)を挿通させる貫通孔であり、芯部材3a,3b(筆記芯)を前後方向に移動させるためのガイドとして機能する。
また、補助部材4の後端には、支持面19が設けられている。支持面19は、後述のコイルばね7,8の前端を当接させて支持する支持部として機能する。

0033

操作部材5は、長細い操作部本体42と、操作部本体42の上面から上方へ突出する操作突起43と、係合部44を備えている。

0034

操作部本体42は、前後方向に延びる略直方体状の部位である。
操作突起43は、複式筆記具1の使用者が操作するための突出した部位である。
ここで、操作部本体42の上面は、複式筆記具1の組み立て時に外側面となる部分である。つまり、操作突起43は、操作部本体42の外側面から外側へ突出した部分であるともいえる。なお、この操作突起43は、操作部本体42の後端寄りの部分に形成されており、その突出端部分が丸みを帯びた形状となっている。
係合部44は、操作部本体42の前端付近に設けられた鍔状の部位である。
係合部44は、芯部材3aのインク収納筒21の後端,又は芯部材3bの芯収納部32の後端と一体化されている。
係合部44は、後述のボールペンレフィル用コイルばね7の後端部分又はシャープペンシルユニット用コイルばね8の後端部分が当接する部位である。

0035

軸筒2(後側筒部13)の後端付近には、クリップ6が一体固着されている。クリップ6は、後端部分が後側筒部13の後端付近に一体固着されており、前端部分に玉部6aを有しており、玉部6aが軸筒2の外周面に当接又は近接している。

0036

ボールペンレフィル用コイルばね7,シャープペンシルユニット用コイルばね8の詳しい構成については後述する。

0037

次に、本実施形態の複式筆記具1の組み立て構造について説明する。

0038

図4に示す様に、後側筒部13内に補助部材4が配置されており、補助部材4は後側筒部13内で固定されている。
前側筒部12と後側筒部13は、螺合して一体化されている。すなわち、前側筒部12の後端側に形成した外ネジと、後側筒部13の前端側に形成した内ネジとが螺合しており、両者が一体化されている。

0039

ボールペンレフィルである各芯部材3a(筆記芯)に、各々ボールペンレフィル用コイルばね7が外嵌されている。各芯部材3a(インク収納筒21)が、補助部材4の芯部材保持孔25(図9)に挿通されており、各芯部材3aの先端部分(ボールペンチップ20)が、図4図5(a)に示す様に、前側筒部12内に配置されている。

0040

各芯部材3aの後端に一体化されている操作部材5の操作部本体42が、後側筒部13の縦溝17(図1図2)にそれぞれ係合している。すなわち、操作部材5の操作突起43が、縦溝17に嵌入されており、後側筒部13の内側に配した操作部材5の一部である操作突起43が、縦溝17から外部に突出した状態となっている。このことから、操作突起43が縦溝17に沿ってスライド移動可能な状態となっている。図1図2では、一組の縦溝17と操作部材5の操作突起43が描写されている。

0041

図5(a),図5(b)に示す様に、ボールペンレフィル用コイルばね7は、補助部材4と芯部材3aと一体の操作部材5(係合部44)の間に配置されている。ボールペンレフィル用コイルばね7の前端は、補助部材4の支持面19(図5(a)、図9)に当接している。また、ボールペンレフィル用コイルばね7の後端は、操作部材5の係合部44に当接している。すなわち、ボールペンレフィル用コイルばね7は、補助部材4の支持面19と操作部材5の係合部44の間で若干圧縮された状態となっている。

0042

同様に、シャープペンシルユニットである芯部材3b(筆記芯)には、シャープペンシルユニット用コイルばね8が外嵌されている。芯部材3bは、補助部材4の芯部材保持孔26(図9)に挿通されており、芯部材3bの先端部分(ペン先ユニット31)は、図4図6(a)に示す様に、前側筒部12内に配置されている。

0043

図4に示す様に、芯部材3bの後端に一体化されている操作部材5の操作部本体42が、後側筒部13の縦溝17に係合しており、操作部材5の操作突起43が縦溝17に嵌入されている。そして、後側筒部13の内側に配した操作部材5の一部である操作突起43が、縦溝17から外部に突出した状態となっている。このことから、操作突起43が縦溝17に沿ってスライド移動可能な状態となっている。

0044

図6(a),図6(b)に示す様に、シャープペンシルユニット用コイルばね8は、補助部材4と操作部材5(係合部44)の間に配置されている。芯部材3bに外嵌されたシャープペンシルユニット用コイルばね8の前端は、補助部材4の支持面19(図6(a)、図9)に当接している。また、シャープペンシルユニット用コイルばね8の後端は、操作部材5の係合部44に当接している。すなわち、シャープペンシルユニット用コイルばね8の両端は、補助部材4の支持面19と芯部材3bの後端に一体化されている操作部材5の係合部44に当接しており、シャープペンシルユニット用コイルばね8は圧縮されている。

0045

このように各部材を組み合わせることにより、本実施形態の複式筆記具1が組み立てられることとなる。

0046

次に、複式筆記具1の動作について説明する。
本実施形態の複式筆記具1は、軸筒2の外部に露出した操作突起43を前後方向にスライド移動させることで、ボールペンチップ20(芯部材3aの先端部分)や、ペン先ユニット31(芯部材3bの先端部分)を軸筒2(前側筒部12)の突出口9から選択的に出没させることができる。

0047

すなわち、例えば、ボールペンチップ20(ペン先)が軸筒2内に退入した状態から、使用者が操作突起43の1つを前側(ペン先側)に、ボールペンレフィル用コイルばね7の付勢力に抗して押圧しスライド移動させると、操作部材5が前側へと移動する。これに伴って、操作部材5と連結したインク収納筒21もまた前側へと移動し、インク収納筒21と一体のボールペンチップ20が突出口9から突出する。
そして、図示しない係合手段により、軸筒2に対する芯部材3aの位置が固定され、ボールペンチップ20が突出口9から突出した状態が維持される。

0048

また、この突出状態から芯部材3aのボールペンチップ20(ペン先)を軸筒2の内部に退入させる場合、図示しない係合手段による係合を解除する。これにより芯部材3aは、ボールペンレフィル用コイルばね7の付勢力によって後側へ移動し、ボールペンチップ20が軸筒2内に退入する。

0049

図1では、操作突起43が縦溝17の後端に位置しており、ボールペンチップ20が前側筒部12(軸筒2)内に収納された状態が示されており、図2では、操作突起43が縦溝17の前端側に位置しており、ボールペンチップ20が突出口9から突出した状態が示されている。

0050

同様に、別の縦溝17(図4)の後端に位置している芯部材3bの操作部材5の操作突起43を、縦溝17に沿って前側へ移動させると、図3に示す様に、軸筒2の突出口9からペン先ユニット31が突出する。そして、図示しない係合手段によって軸筒2に対する芯部材3bの位置が固定され、ペン先ユニット31が突出口9から突出した状態が維持される。

0051

また、この突出状態から芯部材3bのペン先ユニット31(ペン先)を軸筒2の内部に退入させる場合、図示しない係合手段による係合を解除する。これにより芯部材3bは、シャープペンシルユニット用コイルばね8の付勢力によって後側へ移動し、ペン先ユニット31が軸筒2内に退入する。

0052

図1では、操作突起43が縦溝17(図4)の後端に位置しており、ペン先ユニット31が前側筒部12(軸筒2)内に収納された状態が示されており、図3では、操作突起43が縦溝17(図4)の前端側に位置しており、ペン先ユニット31が突出口9から突出した状態が示されている。

0053

すなわち、使用者がいずれかの芯部材3aと一体の操作部材5、又は芯部材3bと一体の操作部材5を操作することにより、芯部材3a又は芯部材3bが軸筒2の軸方向に移動し、芯部材3a,3bの前端部分が軸筒2の内外に出没する構成となっている。すなわち、いずれかの操作部材5を軸方向の前方へ移動させることにより、芯部材3a又は3bの先端側が前方へと移動し、軸筒2の突出口9から外部へ繰り出される。また、この状態から操作部材5を後方へ移動させることにより、芯部材3a,3bの先端側が後方へ移動し、軸筒2の内部に退入する。

0054

次に特徴部分たるコイルばねについて説明する。
[第一実施形態]

0055

図7は、単位長さ当たりのコイル巻き数巻径線径,及びばね定数が同じで、自然長が異なる2つのコイルばね7,8を芯部材3a,3bに外嵌させた場合のモデル図である。すなわち、コイルばね7,8は、同一規格で、自然長のみが相違している。図7において、複式筆記具全体の描写は省略している。図7(a)に示す様に、シャープペンシルユニット用コイルばね8の自然長はL1、ボールペンレフィル用コイルばね7の自然長はM1であり、コイルばね8よりもコイルばね7の自然長の方が長い(L1<M1)。

0056

この2種類のコイルばね7,8を、図7(b)に示す様に、芯部材3a,3bに外嵌させる。

0057

シャープペンシルユニットである芯部材3bの後端側には係合部44(操作部材5)があり、芯部材3bは、軸筒(図示せず)内に固定された補助部材4の芯部材保持孔26(図9)を貫通している。係合部44と補助部材4の距離N1は、自然長L1よりも短い(L1>N1)。自然長がL1のコイルばね8は、係合部44(操作部材5)と補助部材4の間に圧縮状態で配置されており、装着時の全長がN1となっている。すなわち、コイルばね8は、L1−N1(自然長マイナス装着時の全長)だけ圧縮されている。

0058

同様に、ボールペンレフィルである芯部材3aの後端側には係合部44(操作部材5)があり、芯部材3aは、軸筒(図示せず)内に固定された補助部材4の芯部材保持孔25(図9)を貫通している。操作部材5と補助部材4の距離N1は、自然長M1よりも短い(M1>N1)。自然長がM1(M1>L1)のコイルばね7は、係合部44(操作部材5)と補助部材4の間に圧縮状態で配置されており、装着時の全長がN1となっている。すなわち、コイルばね7は、M1−N1(自然長マイナス装着時の全長)だけ圧縮されている。

0059

両芯部材3a,3bは、図7(b)に示す軸筒内の退入位置と、図7(c)に示す軸筒の先端の突出口からペン先を突出させる突出位置との間を往復移動する。図7(c)に示す様に、芯部材3a,3bのペン先の突出時における両コイルばね7,8の長さはP1(P1<N1)である。

0060

芯部材3a,3bが退入位置から突出位置に移動すると、芯部材3a,3bに外嵌したコイルばね7,8の長さは、N1からP1(P1<N1)となり、両コイルばね7,8はさらに圧縮される。また、芯部材3a,3bの移動距離ストローク)は同じN1−P1(装着時の全長マイナス突出時の全長)である。

0061

ここで、コイルばね8の自然長はL1であり、コイルばね7の自然長はM1(>L1)であるので、図7(b),図7(c)に示す様に、コイルばね8の圧縮量よりもコイルばね7の圧縮量の方が大きく、コイルばね8の付勢力よりもコイルばね7の付勢力の方が大きい。

0062

ところが、コイルばね7,8のばね定数は同じであるため、コイルばね8における退入位置での付勢力と突出位置での付勢力の差は、コイルばね7における退入位置での付勢力と突出位置での付勢力の差と等しい。すなわち、コイルばね7,8では、退入位置から突出位置に至るまで、付勢力の大きさは同様に変化する。

0063

換言すると、芯部材3a,3bが退入位置から突出位置に至るまでの移動距離は同じ(N1−P1)であり、使用者が操作部材5の操作突起43(図1図5図6)を操作するのに必要な押圧力の変化の仕方は同様になる。そのため、使用者は、両芯部材3a,3bとそれぞれ一体の操作部材5を操作する際に違和感を覚えにくい。

0064

両コイルばね7,8の装着時の全長N1が同じである場合において、シャープペンシルユニット用コイルばね8の自然長L1と、ボールペンレフィル用コイルばね7の自然長M1の差は、2〜6mmの範囲であるのが好ましく、3〜5mmの範囲であるのがより好ましく、3.5〜4.5mmの範囲であるのが最も好ましい。

0065

また、両コイルばね7,8の装着時の全長N1が同じである場合において、シャープペンシルユニット用コイルばね8の自然長L1は、ボールペンレフィル用コイルばね7の自然長M1の80〜90%の範囲の長さであるのが好ましく、82〜88%の範囲の長さであるのがより好ましく、84〜86%の範囲の長さであるのが最も好ましい。

0066

具体的には、シャープペンシルユニット用コイルばね8の自然長L1は24mmであり、ボールペンレフィル用コイルばね7の自然長M1は28mmである。すなわち、シャープペンシルユニット用コイルばね8の自然長L1は、ボールペンレフィル用コイルばね7の自然長M1の(24/28*100=)86%である。ここで*は、乗算である。

0067

そして、軸筒2内に装着された際におけるシャープペンシルユニット用コイルばね8の強度とボールペンレフィル用コイルばね7の強度の差(例えば、移動開始時で比較)は、0.015〜0.025kgf(0.147〜0.245N)であるのが好ましく、0.017〜0.023kgf(0.167〜0.226N)であるのがより好ましく、0.019〜0.021kgf(0.186〜0.206N)であるのが最も好ましい。

0068

すなわち、強度の差が、0.015〜0.025kgf(0.147〜0.245N)であると、20人の使用者のうちの12人が違いを識別することができ、0.017〜0.023kgf(0.167〜0.226N)であると、20人中16人が識別することができ、0.019〜0.021kgf(0.186〜0.206N)であると、20人全員が識別することができた。

0069

両コイルばね7,8の強度の差が、これらの範囲を超えて大きくなると、複式筆記具の使用者が使用した際に違和感を覚える。すなわち、強度が強い方のコイルばね7を収縮させる(ペン先を突出させる)のに要する押圧力(操作部材5を操作する際の押圧力)が大き過ぎて操作しにくくなる。また、両コイルばね7,8の強度の差が、これらの範囲よりも小さくなると、両コイルばね7,8(芯部材3a,又は3bと一体の操作部材5)の操作感に差が感じられず、使用者はシャープペンシルであるのかボールペンであるのかを識別することができなくなる。
[第二実施形態]

0070

次に、第二実施形態について説明する。
この第二実施形態では、2つのコイルばねのばね定数と自然長が同じで、装着時の長さが相違する場合について説明する。

0071

図8は、単位長さ当たりのコイル巻き数,巻径,線径,自然長,及びばね定数等の規格が同じ2つのコイルばね10,11を芯部材3a,3bに外嵌させた場合のモデル図である。図8において、複式筆記具全体の描写は省略している。図8(a)に示す様に、コイルばね11の自然長はL2、コイルばね10の自然長はM2であり、両コイルばね10,11の自然長は同じである(L2=M2)。

0072

この2種類のコイルばね10,11を、図8(b)に示す様に、芯部材3a,3bに外嵌させる。

0073

シャープペンシルユニットである芯部材3bの後端側には係合部44(操作部材5)があり、芯部材3bは、軸筒(図示せず)内に固定された補助部材4の芯部材保持孔26(図9)を貫通している。係合部44(操作部材5)と補助部材4の距離N2は、自然長L2よりも短い(L2>N2)。自然長がL2のコイルばね11は、係合部44(操作部材5)と補助部材4の間に圧縮状態で配置されており、装着時の全長がN2となっている。

0074

同様に、芯部材3aの後端側には係合部54(操作部材5)があり、芯部材3aは、軸筒(図示せず)内に固定された補助部材4の芯部材保持孔25(図9)を貫通している。係合部54(操作部材5)と補助部材4の距離N3は、コイルばね10の自然長M2よりも短い(M2>N3)。自然長がM2(=L2)のコイルばね10は、係合部54(操作部材5)と補助部材4の間に圧縮状態で配置されており、装着時の全長がN3となっている。

0075

ここで、コイルばね11の装着時の全長N2とコイルばね10の装着時の全長N3では、N2の方が長い(N2>N3)。そのため、コイルばね10の圧縮量が、コイルばね11の圧縮量よりも大きく、コイルばね10の付勢力の方が、コイルばね11の付勢力よりも大きい。

0076

両芯部材3a,3bは、図8(b)に示す軸筒内の退入位置と、図8(c)に示す軸筒の先端開口にペン先を突出させる突出位置との間を往復移動する。

0077

芯部材3bが退入位置から突出位置に移動すると、芯部材3bに外嵌したコイルばね11の長さは、N2からP2(<N2)となり、コイルばね11はさらに圧縮される。
また、芯部材3aが退入位置から突出位置に移動すると、芯部材3aに外嵌したコイルばね10の長さは、N3からP3(<N3)となり、コイルばね10はさらに圧縮される。

0078

ここで、芯部材3a,3bの、それぞれの退入位置から突出位置までの移動距離(ストローク)は同じである。すなわち、使用者による操作部材5(係合部44,54)の移動距離は同じであり、N2−P2=N3−P3である。

0079

図8(b)に示す例では、操作部材5の係合部54の方が係合部44よりも前方側(補助部材4側)に張り出している。そのため、退入位置における装着時の全長(N2,N3)が、コイルばね10の方がコイルばね11よりも短くなっており(N2>N3)、コイルばね10の付勢力がコイルばね11の付勢力よりも大きくなっている。

0080

ここで、コイルばね10,11のばね定数は同じであり、コイルばね11における退入位置での付勢力と突出位置での付勢力の差は、コイルばね10における退入位置での付勢力と突出位置での付勢力の差と等しくなるように設定されている。すなわち、コイルばね10,11では、退入位置から突出位置に至るまで、付勢力の大きさは同様に変化する。

0081

換言すると、芯部材3a,3bが退入位置から突出位置に至るまで、使用者が操作部材5(係合部44,54)を操作するのに必要な押圧力の変化の仕方は同様になる。そのため、使用者は、両芯部材3a,又は3bと一体の操作部材5を操作する際に違和感を覚えにくい。

0082

両コイルばね10,11の自然長が同じ(L2=M2)である場合において、シャープペンシルユニット用コイルばね11の装着時の全長N2と、ボールペンレフィル用コイルばね10の装着時の全長N3の差(N2−N3)は、2〜6mmの範囲であるのが好ましく、3〜5mmの範囲であるのがより好ましく、3.5〜4.5mmの範囲であるのが最も好ましい。

0083

また、両コイルばね10,11の自然長が同じ(L2=M2)である場合において、ボールペンレフィル用コイルばね10の装着時の全長N3は、シャープペンシルユニット用コイルばね11の装着時の全長N2の70〜85%の範囲の長さであるのが好ましく、73〜82%の範囲の長さであるのがより好ましく、76〜80%の範囲の長さであるのが最も好ましい。

0084

具体的には、シャープペンシルユニット用コイルばね11と、ボールペンレフィル用コイルばね10の自然長L2(M2)は28mmである。
シャープペンシルユニット用コイルばね11の装着時の全長N2は18mmであり、ボールペンレフィル用コイルばね10の装着時の全長N3は14mmである。
すなわち、ボールペンレフィル用コイルばね10の方が、シャープペンシルユニット用コイルばね11よりも圧縮量が多い(M2−N3>L2−N2)。
ボールペンレフィル用コイルばね10の装着時の全長N3は、シャープペンシルユニット用コイルばね11の装着時の全長N2の(14/18*100=)78%である。

0085

そして、軸筒2内に装着された際におけるシャープペンシルユニット用コイルばね11の強度とボールペンレフィル用コイルばね10の強度の差(例えば、移動開始時で比較)は、0.015〜0.025kgf(0.147〜0.245N)であるのが好ましく、0.017〜0.023kgf(0.167〜0.226N)であるのがより好ましく、0.019〜0.021kgf(0.186〜0.206N)であるのが最も好ましい。

0086

すなわち、強度の差が、0.015〜0.025kgf(0.147〜0.245N)であると、20人の使用者のうちの12人が違いを識別することができ、0.017〜0.023kgf(0.167〜0.226N)であると、20人中16人が識別することができ、0.019〜0.021kgf(0.186〜0.206N)であると、20人全員が識別することができた。

0087

両コイルばね10,11の強度の差が、これらの範囲を超えて大きくなると、複式筆記具の使用者が使用した際に違和感を覚える。すなわち、強度が強い方のコイルばね10を収縮させる(ペン先を突出させる)のに要する押圧力が大き過ぎて操作しにくくなる。また、両コイルばね10,11の強度の差が、これらの範囲よりも小さくなると、両コイルばね10,11の操作感に差が感じられず、使用者はシャープペンシルであるのかボールペンであるのかを識別することができなくなる。

0088

図8(b)に示す例では、芯部材3aに設けた操作部材5の係合部54の前後方向の大きさ(寸法)が、芯部材3bに設けた操作部材5の係合部44の前後方向の大きさ(寸法)よりも大きく、この係合部44,54の前後方向の大きさの相違によって、コイルばねの装着時の全長にN2,N3の差を設けた。

0089

代わりに、操作部材5(係合部44,54)を同様の形状及び大きさのものを採用し、補助部材4における各コイルばね10,11が当接する面の位置に差を設けてもよい。すなわち、係合部44,54に対する各コイルばね当接面(後端部)の前後方向(芯部材3a,3bの移動方向)の位置を一致させ、さらに補助部材4におけるコイルばね10が当接する部位を後方に張り出し、補助部材4と係合部54(操作部材5)の距離をN3としてもよい。

0090

実施例は、ボールペンレフィル用コイルばね71(図10)とシャープペンシルユニット用コイルばね72(図11)を内蔵する複式筆記具である。両コイルばね71,72は、ばね定数と、装着時の全長が同じである。移動距離(ストローク)についても両者同じである。
ボールペンレフィル用コイルばね71とシャープペンシルユニット用コイルばね72は、自然長と内径が相違している。すなわち、ボールペンレフィル用コイルばね71とシャープペンシルユニット用コイルばね72の全長(自然長)を比較すると、シャープペンシルユニット用コイルばね72はボールペンレフィル用コイルばね71よりも長い。内径を比較すると、シャープペンシルユニット用コイルばね72は、ボールペンレフィル用コイルばね71よりも小さい。

0091

ボールペンレフィル用コイルばね71は、図10に示す様に、両端部分に7巻の座巻部27,28(密集部)があり、中央部に8巻の密集部29がある。ボールペンレフィル用コイルばね71は、これらの座巻部27,28及び密集部29とは別に14巻有しており、総巻き数は36巻である。すなわち、ボールペンレフィル用コイルばね71の有効巻き数は14巻である。ボールペンレフィル用コイルばね71の巻き数は、これによらず、任意に設定することができる。
ボールペンレフィル用コイルばね71の材質は、例えばステンレスを採用することができる。ボールペンレフィル用コイルばね71は、両端に座巻部27,28を設け、中央に密集部29を設けたことにより、隣接するコイルばね同士が仮に接触しても、絡みにくい。

0092

シャープペンシルユニット用コイルばね72は、ボールペンレフィル用コイルばね71とは単位長さ当たりの巻き数,巻径が相違している。
図11に示す様に、シャープペンシルユニット用コイルばね72は、両端部分に2巻の座巻部37,38(密集部)があり、中央部にも2巻の密集部39がある。シャープペンシルユニット用コイルばね72は、これらの座巻部37,38及び密集部39とは別に28巻有しており、総巻き数は34巻である。すなわち、シャープペンシルユニット用コイルばね72の有効巻き数は28巻である。
シャープペンシルユニット用コイルばね72は、両端に座巻部37,38を設け、中央に密集部39を設けたことにより、隣接するコイルばね同士が仮に接触しても、絡みにくい。

0093

シャープペンシルユニット用コイルばね72の座巻部を含む両端部分は、端部へいくほど若干拡径する拡径部を構成している。

0094

操作部材5の操作時におけるボールペンレフィル用コイルばね71,シャープペンシルユニット用コイルばね72の付勢力(使用者による操作突起43の押圧力)を試験し、操作の違和感の大小について表1にまとめた。
以下、具体的に数値を示す。

0095

ボールペンレフィル用コイルばね71の自然長は、26.4mmであり、軸筒2内に装着され、ボールペンチップ20が軸筒2内に収納されている装着時の全長(取付時長さ)は、22.7mmである。そして、ボールペンチップ20を軸筒2の突出口9から突出させた状態(使用時長さ)は、8.4mmである。すなわち、軸筒2内のボールペンチップ20の移動距離(ストローク)は、14.3mmである。

0096

また、シャープペンシルユニット用コイルばね72の自然長は、28.0mmであり、軸筒2内に装着され、ペン先ユニット31が軸筒2内に収納されている装着時の全長(取付時長さ)は、22.7mmである。そして、ペン先ユニット31を軸筒2の突出口9から突出させた状態(使用時長さ)は、8.4mmである。よって、軸筒2内のペン先ユニット31の移動距離(ストローク)は、14.3mmである。

0097

シャープペンシルユニット用コイルばね72(両端の拡径部分を除く)は、ボールペンレフィル用コイルばね71よりも小径であるが、シャープペンシルユニット用コイルばね72の中心に芯部材3bを配置した際に、シャープペンシルユニット用コイルばね72から芯部材3bまでの距離(クリアランス)は0.045mmであり、ボールペンレフィル用コイルばね71から芯部材3aまでの距離(クリアランス)の0.125mmよりも短い。

0098

ボールペンレフィル用コイルばね71,シャープペンシルユニット用コイルばね72のばね定数は、共に0.0035kgf/mm(0.034N/mm)である。すなわち、ボールペンレフィル用コイルばね71,シャープペンシルユニット用コイルばね72のばね定数は同じである。

0099

ボールペンチップ20,ペン先ユニット31が軸筒2内に収納された位置から、軸筒2の突出口9から突出した位置まで移動させる際における、使用者による操作部材5の操作押圧力計測したところ、表1の様な結果が得られた。
ここで移動開始時とは、ボールペンチップ20,ペン先ユニット31が軸筒2内に収納された収納位置からボールペンチップ20,ペン先ユニット31の移動を開始した直後であり、移動終了時とは、ボールペンチップ20,ペン先ユニット31の突出口9からの突出が完了した時点である。

0100

表1から、ボールペンレフィル用コイルばね71,シャープペンシルユニット用コイルばね72では、移動開始時における付勢力(押圧力)と、移動終了時における付勢力(押圧力)の差は、共に0.050kgf(0.49N)であり一致している。

0101

そして、20人の使用者が操作を試みたところ、20人全員がボールペンレフィル用コイルばね71,シャープペンシルユニット用コイルばね72の差異を判別できた。すなわち、ボールペンレフィルとシャープペンシルのいずれであるかが判別できた。
さらに、20人の使用者全員が操作部材5(ボールペンレフィル用コイルばね71,シャープペンシルユニット用コイルばね72)の操作時に違和感を覚えなかった、若しくは違和感が小さかった。

0102

すなわち、ボールペンレフィル用コイルばね71,シャープペンシルユニット用コイルばね72では、移動開始時から移動終了時に至るまで、付勢力(押圧力)の変化率が同じであるため、20人の使用者全員が操作の違和感を覚えなかった、若しくは違和感が小さかったものと考えられる。

0103

具体的には、ボールペンレフィル用コイルばね71では、移動開始時から移動終了時に至るまで、付勢力が0.05kgf(0.49N)から0.10kgf(0.98N)に0.05kgf(0.49N)増加している。
また、シャープペンシルユニット用コイルばね72では、移動開始時から移動終了時に至るまで、付勢力が0.03kgf(0.29N)から0.08kgf(0.78N)に0.05kgf(0.49N)増加している。

0104

すなわち、同じ移動距離14.3mmに対して、押圧力が、一方(シャープペンシルユニット用コイルばね72)は0.03kgf(0.29N)から0.08kgf(0.78N)に0.05kgf(0.49N)増加しており、他方(ボールペンレフィル用コイルばね71)は0.05kgf(0.49N)から0.10kgf(0.98N)に0.05kgf(0.49N)増加している。
そのため、20人の使用者は、操作部材5を操作する際に要する力(押圧力)の大きさは相違するものの、操作部材5の移動を開始してから移動が終了するまでの間の押圧力の変化の度合いが同じであるため、違和感を覚えにくいものと考えられる。
[比較例]

0105

比較例では、ボールペンレフィル用コイルばね71とシャープペンシルユニット用のコイルばねAを内蔵する複式筆記具であり、ボールペンレフィル用コイルばね71,シャープペンシルユニット用のコイルばねAは、ばね定数だけが相違し、他の規格は同じである例を示している。
すなわち、ボールペンレフィル用コイルばね71とシャープペンシルユニット用のコイルばねAのばね定数を比較すると、コイルばね71のばね定数は0.0035kgf/mm(0.034N/mm)であり、コイルばねAのばね定数は0.0021kgf/mm(0.021N/mm)である。
両コイルばね71,Aの他の規格は、全て同じである。
すなわち自然長は、両者同一である。装着時の全長は両者同じである。移動距離(ストローク)についても両者同じである。
以下、具体的に数値を示す。

0106

比較例では、シャープペンシルユニット用のコイルばねAと、上記実施例のボールペンレフィル用コイルばね71を使用した。すなわち、比較例では、実施例におけるシャープペンシルユニット用コイルばね72の代わりにコイルばねAを使用した。
シャープペンシルユニット用のコイルばねAは、ばね定数が0.0021kgf/mm(0.021N/mm)であり、自然長は26.4mmである。また、装着時の全長,使用時長さ,及び移動距離は、ボールペンレフィル用コイルばね71と同じである。

0107

表2からボールペンレフィル用コイルばね71,シャープペンシルユニット用コイルばねAでは、移動開始時での付勢力(押圧力)と、移動終了時での付勢力(押圧力)の差は、0.050kgf(0.49N)と0.03kgf(0.29N)で一致していない。

0108

そして、20人の使用者が操作を試みたところ、使用者全員がコイルばね71,Aの差異が判別できた。しかし、使用者全員が操作部材5(ボールペンレフィル用コイルばね71,シャープペンシルユニット用コイルばねA)の操作感の違い(違和感)を覚えた。

0109

すなわち、コイルばね71,Aでは、移動開始時から移動終了時に至るまでの付勢力(押圧力)の変化率が相違するため、使用者全員が操作の違和感を覚えたものと考えられる。

0110

具体的には、コイルばね71では、移動開始時から移動終了時に至るまで、付勢力が0.05kgf(0.49N)から0.10kgf(0.98N)に増加している。一方、コイルばねAでは、移動開始時から移動終了時に至るまで、付勢力が0.03kgf(0.29N)から0.06kgf(0.59N)に増加している。

0111

すなわち、同じ移動距離14.3mmに対して、押圧力が、一方(コイルばねA)は0.03kgf(0.29N)増加しており、他方(コイルばね7)は0.05kgf(0.49N)増加している。
そのため、20人の使用者は、操作部材5の移動を開始してから移動が終了するまでの間の押圧力の変化の度合いが相違するため、違和感を覚え易いものと考えられる。

0112

実施例(表1)の複式筆記具と、比較例(表2)の複式筆記具の使用感を比較すると、ボールペンとシャープペンシルの識別ができる点では共通している。
ところが、操作感は、実施例(表1)の方が優れている。すなわち、実施例の複式筆記具は、ボールペンレフィルとシャープペンシルユニットを違和感なく操作することができる。

0113

なお、上述の第一実施形態,第二実施形態,実施例では、芯部材が、ボールペンレフィル,シャープペンシルユニットである場合を示したが、本発明はこれによらず、様々な態様に応用することができる。例えば、全ての芯部材をボールペンレフィルとし、特定の色(例えば黒)を芯部材3bとし、その他の色を芯部材3aとしてもよい。また、芯部材3aの数と芯部材3bの数は、任意に設定可能である。例えば、4色ボールペンであれば、2色ずつ芯部材3a,3bに振り分けてもよい。

0114

また、芯部材としては、例えば、タッチパネルを操作するためのタッチペンであってもよい。さらに、芯部材は、白色顔料を塗布して筆記した文字修正する塗布具(所謂修正ペン)であってもよい。つまり、芯部材は、外部の筆記対象物に文字等(文字、図柄、記号)を筆記する用に供するもの、又は、筆記した文字を消去、修正に供するものである。

実施例

0115

さらに、複数の操作部材5のうちの一つにクリップ6を装着し、クリップ6を前後方向に移動させる様に構成した場合においても、本発明の構成を実施可能である。

0116

1複式筆記具
2軸筒
3a芯部材(ボールペンレフィルの筆記芯)
3b 芯部材(シャープペンシルユニットの筆記芯)
5操作部材(操作手段)
7 ボールペンレフィル用コイルばね
8 シャープペンシルユニット用コイルばね
9突出口(開口)
20ボールペンチップ(筆記部)
31ペン先チップ(筆記部)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社壽の「 文房具、化粧料容器及び化粧品」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】一実施形態のシャープペンシルは、軸筒と、該軸筒の外周に組み付けられるグリップであって、実質的に弾性変形しないグリップと、該グリップの軸線方向への移動を制限するOリングと、を備え、径方... 詳細

  • ゼブラ株式会社の「 筆記具」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】硬い筆感と、柔らかい筆感とを切り替えることができる筆記具を提供する。【解決手段】軸筒と、軸筒内に収容されて前端側の筆記部21を軸筒の前端から突出させた筆記芯とを備えた筆記具において、筆記芯を傾... 詳細

  • 中田 壮俊の「 筆記具」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】ユーザーが筆記を行うときの負担を減らすことができる筆記具を提供する。【解決手段】筆記具1は、本体部11と、本体部11の内部に配置されたペン先送り出し部12と、本体部11に内蔵されるセンサー13... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ