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技術 電源装置の劣化測定装置

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 鳥海陽平広島芳春後藤信司高谷和宏
出願日 2016年2月5日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-021117
公開日 2017年8月10日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-139940
状態 特許登録済
技術分野 その他の電気量の測定 電気的特性試験と電気的故障の検出 インバータ装置
主要キーワード 通過対象 商用電源線 振幅増幅 一次平滑コンデンサ 商用電源ライン 保守管理者 専門委員会 大地電位
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この項目の情報は公開日時点(2017年8月10日)のものです。
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図面 (4)

課題

電源装置劣化度合いを、高価な測定器を必要とすることなく、また熟練を必要とすることなくかつ短時間に評価することを可能にする。

解決手段

ACアダプタ2の劣化により発生するノイズ成分商用電源ラインからハイパスフィルタ42を通して抽出し、この抽出したノイズ成分の振幅振幅増幅部43により整流可能な値まで増幅したのち整流部44により整流し、さらに電荷蓄積部45により平滑化して直流電圧に変換するようにしている。

概要

背景

スイッチング電源の1つとして使用されているAC-DCコンバータ(以下ACアダプタと称する)は、一般に、商用電源交流電圧ダイオードブリッジにより整流して一次平滑コンデンサ蓄積し、この一次平滑コンデンサに蓄積された電圧スイッチングトランスにより定格値直流電圧に変換した後、負荷部である電子機器に供給するように構成されている。

ところで、この種の電源装置では、スイッチングトランスにおいて50kHzから100kHzのスイッチング周波数により電流のON/OFFが繰り返される。このため、スイッチング周波数およびその高調波周波数帯ノイズによる電圧変動が発生し、これが商用電源電圧重畳される。一次平滑コンデンサは、スイッチング電流の吸い込みと掃出しを行い、上記スイッチング電流に起因する商用電源の電圧変動を抑圧する役割を担っている。このため、一次平滑コンデンサが劣化内部インピーダンスが上昇すると、スイッチング電流の吸い込みと掃出し能力が低下するため、商用電源電圧の変動幅が上昇する。そこで、従来ではJEITAのスイッチング電源試験規格(AC-DC)に従い、雑音端子電圧の対大地電位変動を測定することにより一次平滑コンデンサの劣化を判定するようにしている(例えば非特許文献1を参照)。

しかし、上記スイッチング電源試験規格に従い雑音端子電圧を測定するには、高価なスペクトラムアナライザが必要である。またこの測定において疑似電源回路網を使用する際に基準大地グランド)に接続する必要がある。適切なグランドに接続しないと測定値が安定しないが、測定現場によっては適切なグランドに接続することが困難な場合もある。

一方、対大地電圧の雑音端子電圧測定に代わる手段として、電源線線間電圧を測定する手法がある。この手法によれば、線間電圧を測定するため、グランドの品質測定結果に影響しない。また、オシロスコープ等の安価な測定器を用いて、スイッチング周波数で振動する交流成分のピーク電圧を測定することにより、高価なスペクトラムアナライザを必要としない。

概要

電源装置の劣化の度合いを、高価な測定器を必要とすることなく、また熟練を必要とすることなくかつ短時間に評価することを可能にする。ACアダプタ2の劣化により発生するノイズ成分商用電源ラインからハイパスフィルタ42を通して抽出し、この抽出したノイズ成分の振幅振幅増幅部43により整流可能な値まで増幅したのち整流部44により整流し、さらに電荷蓄積部45により平滑化して直流電圧に変換するようにしている。

目的

この発明によれば、電源装置の劣化の度合いを、高価な測定器を必要とすることなく、また熟練を必要とすることなくかつ短時間に評価することを可能にした電源装置の劣化測定装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

商用電源端子測定対象電源装置との間に配置され、前記電源装置の劣化に伴い発生するノイズを検出する電源装置の劣化測定装置であって、前記商用電源端子から入力される商用電源電圧に含まれる、当該商用電源電圧の周波数より高い周波数成分を減衰させるローパスフィルタと、前記ローパスフィルタと前記電源装置との間の商用電源線から、前記電源装置により発生された前記ノイズを前記商用電源電圧から分別して抽出するハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタにより抽出されたノイズの振幅値に応じた直流電圧を生成する直流電圧生成部とを具備することを特徴とする電源装置の劣化測定装置。

請求項2

前記直流電圧生成部は、前記ハイパスフィルタにより抽出された抽出されたノイズを整流する整流部と、容量値および抵抗値の少なくとも一方を可変可能に構成された容量素子および抵抗素子を有し、前記整流部により得られた前記ノイズの整流波形を、前記容量素子の容量値および抵抗素子の抵抗値により定まる時定数に従い平滑して、前記直流電圧を生成する平滑回路部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の電源装置の劣化測定装置。

請求項3

前記ローパスフィルタと前記電源装置との間の商用電源線を流通する商用電源電圧または商用電源電流から、前記電源装置の劣化に伴い発生する前記ノイズの発生期間を特定する手段と、前記特定された前記ノイズの発生期間にのみ、前記直流電圧生成部に前記ノイズの振幅値に応じた直流電圧の生成を行わせる手段とを、さらに具備することを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置の劣化測定装置。

請求項4

前記直流電圧生成部により生成された、前記ノイズの振幅値に応じた直流電圧を表す情報を出力する手段を、さらに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電源装置の劣化測定装置。

請求項5

前記直流電圧生成部により生成された、前記ノイズの振幅値に応じた直流電圧を、予め設定された正常範囲を表す値と比較し、その比較結果を表す情報を出力する手段を、さらに具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電源装置の劣化測定装置。

技術分野

0001

この発明は、電源装置内回路部品劣化を測定するために用いる、電源装置劣化測定装置に関する。

背景技術

0002

スイッチング電源の1つとして使用されているAC-DCコンバータ(以下ACアダプタと称する)は、一般に、商用電源交流電圧ダイオードブリッジにより整流して一次平滑コンデンサ蓄積し、この一次平滑コンデンサに蓄積された電圧スイッチングトランスにより定格値直流電圧に変換した後、負荷部である電子機器に供給するように構成されている。

0003

ところで、この種の電源装置では、スイッチングトランスにおいて50kHzから100kHzのスイッチング周波数により電流のON/OFFが繰り返される。このため、スイッチング周波数およびその高調波周波数帯ノイズによる電圧変動が発生し、これが商用電源電圧重畳される。一次平滑コンデンサは、スイッチング電流の吸い込みと掃出しを行い、上記スイッチング電流に起因する商用電源の電圧変動を抑圧する役割を担っている。このため、一次平滑コンデンサが劣化し内部インピーダンスが上昇すると、スイッチング電流の吸い込みと掃出し能力が低下するため、商用電源電圧の変動幅が上昇する。そこで、従来ではJEITAのスイッチング電源試験規格(AC-DC)に従い、雑音端子電圧の対大地電位変動を測定することにより一次平滑コンデンサの劣化を判定するようにしている(例えば非特許文献1を参照)。

0004

しかし、上記スイッチング電源試験規格に従い雑音端子電圧を測定するには、高価なスペクトラムアナライザが必要である。またこの測定において疑似電源回路網を使用する際に基準大地グランド)に接続する必要がある。適切なグランドに接続しないと測定値が安定しないが、測定現場によっては適切なグランドに接続することが困難な場合もある。

0005

一方、対大地電圧の雑音端子電圧測定に代わる手段として、電源線線間電圧を測定する手法がある。この手法によれば、線間電圧を測定するため、グランドの品質測定結果に影響しない。また、オシロスコープ等の安価な測定器を用いて、スイッチング周波数で振動する交流成分のピーク電圧を測定することにより、高価なスペクトラムアナライザを必要としない。

先行技術

0006

「スイッチング電源試験方法」、スイッチング電源技術専門委員会作成、一般社団法人電子情報技術産業協会、2012年11月改訂インターネット<URL: http://www.jeita.or.jp/japanese/standard/book/RC-9131C>

発明が解決しようとする課題

0007

ところが、測定対象の電源線の線間には、商用電源(日本国内ではピーク電圧約141V)が接続されている。評価したいスイッチング周波数の電圧値の範囲は数m〜数十mVと広いため、これをそのまま測定しようとすると測定器には15bit以上の分解能を持たせるか、141V以上のオフセットを持ちつつ10mV/DIV程度の測定レンジを設定する必要がある。また、測定者には上記のオシロスコープのレンジ、オフセットの切り替えトリ調整機能使いこなせる技術を持つ必要があり、仮にその技術を持っていたとしても所望の特性を評価するには1台ごとに数分程度の時間がかかってしまう。

0008

この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、電源装置の劣化の状態を、高価な測定器を必要とすることなく、また熟練を必要とすることなく簡単かつ短時間に評価することを可能にした電源装置の劣化測定装置を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するためにこの発明の第1の態様は、商用電源端子と測定対象の電源装置との間に配置され、前記電源装置の劣化に伴い発生するノイズを検出する電源装置の劣化測定装置にあって、前記商用電源端子から入力される商用電源電圧に含まれる、当該商用電源電圧の周波数より高い周波数成分を減衰させるローパスフィルタと、前記ローパスフィルタと前記電源装置との間の商用電源線から、前記電源装置により発生された前記ノイズを前記商用電源電圧から分別して抽出するハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタにより抽出されたノイズの振幅値に応じた直流電圧を生成する直流電圧生成部を備えることを特徴とするものである。

0010

この発明の第2の態様は、前記直流電圧生成部が、前記ハイパスフィルタにより抽出された抽出されたノイズを整流する整流部と、容量値および抵抗値の少なくとも一方を可変可能に構成された容量素子および抵抗素子を有し、前記整流部により得られた前記ノイズの整流波形を、前記容量素子の容量値および抵抗素子の抵抗値により定まる時定数に従い平滑して、前記直流電圧を生成する平滑回路部とを備えることを特徴とするものである。

0011

この発明の第3の態様は、前記ローパスフィルタと前記電源装置との間の商用電源線を流通する商用電源電圧または商用電源電流から、前記電源装置の劣化に伴い発生する前記ノイズの発生期間を特定する手段と、前記特定された前記ノイズの発生期間にのみ、前記直流電圧生成部に前記ノイズの振幅値に応じた直流電圧の生成を行わせる手段とを、さらに具備することを特徴とするものである。

0012

この発明の第4の態様は、前記直流電圧生成部により生成された、前記ノイズの振幅値に応じた直流電圧を表す情報を出力する手段を、さらに具備することを特徴とするものである。

0013

この発明の第5の態様は、前記直流電圧生成部により生成された、前記ノイズの振幅値に応じた直流電圧を、予め設定された正常範囲を表す値と比較し、その比較結果を表す情報を出力する手段を、さらに具備することを特徴とするものである。

発明の効果

0014

この発明の第1の態様によれば、電源装置からその劣化により発生するノイズをその振幅に応じた直流電圧値として測定することが可能となる。このため、直流電圧を測定するテスタのような簡易測定機器を使用することが可能となり、ノイズ自体を測定する高価なスペクトラムアナライザを不要にすることができる。また、測定者が測定機器の取り扱いに習熟していなくてもノイズを測定することが可能となり、ノイズを簡単かつ短時間に測定することが可能となる。

0015

この発明の第2の態様によれば、ハイパスフィルタにより抽出されたノイズが、整流部により整流されたのち、可変容量素子および可変抵抗素子を有する平滑回路部により、上記可変容量素子および可変抵抗素子の容量値および抵抗値により定まる時定数に従い平滑されることで、上記直流電圧が生成される。このため、ノイズの周波数に応じて適切な時定数により直流電圧を生成することができる。

0016

この発明の第3の態様によれば、ノイズ成分の中に電源装置の劣化と相関が無い成分が含まれ、当該成分が電源装置の劣化と相関がある成分よりも大きい場合でも、この電源装置の劣化と相関がある成分のみを抽出してその直流電圧値を測定することが可能となる。従って、電源装置の劣化をより一層的確に評価することが可能となる。

0017

この発明の第4の態様によれば、直流電圧生成部により生成された直流電圧を表す情報を出力する手段を備えることで、ノイズの振幅に応じた直流電圧を、例えば表示器に表示したり、無線送信して他の端末に表示させることが可能となる。このため、測定者はテスタなどを用いてノイズの直流電圧値を測定する必要がなくなり、これにより測定者の作業負担を軽減することができる。

0018

この発明の第5の態様によれば、直流電圧生成部により生成された直流電圧が正常範囲内にあるか否かが判定され、その結果が出力される。このため、測定者は直流電圧値をもとに電源装置の劣化の有無を自身で評価する必要がなくなり、これにより測定者の作業負担をさらに軽減することができる。

0019

すなわちこの発明によれば、電源装置の劣化の度合いを、高価な測定器を必要とすることなく、また熟練を必要とすることなくかつ短時間に評価することを可能にした電源装置の劣化測定装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0020

この発明の第1の実施形態に係る電源装置の劣化測定装置の構成を示すブロック図。
この発明の第2の実施形態に係る電源装置の劣化測定装置の構成を示すブロック図。
図2に示した電源装置の劣化測定装置の動作説明に使用するための図。

実施例

0021

以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、この発明の第1の実施形態に係る電源装置の劣化測定装置の構成を示すブロック図であり、1は商用電源電圧AC100V(50Hz/60Hz)の入力端子となる商用電源プラグ、2は測定対象の電源装置であるACアダプタ、3は負荷としての電子機器をそれぞれ示している。電子機器3は、例えばパーソナルコンピュータルータ等からなる。ACアダプタ2は、上記商用電源電圧AC100V(50Hz/60Hz)をもとに所定の直流電源電圧DCを生成し、上記電子機器3に供給する。

0022

上記商用電源プラグ1とACアダプタ2との間には劣化測定装置4が接続されている。劣化測定装置4は、ローパスフィルタ41と、ハイパスフィルタ42と、振幅増幅部43と、整流部44と、電荷蓄積部45とを備えている。

0023

ローパスフィルタ41は、上記商用電源プラグ1とACアダプタ2との間に直列に介挿され、商用電源周波数(50Hz/60Hz)よりも高い高周波成分を遮断する。商用電源系統には他の電気機器等も接続されており、これらの電気機器が発生するノイズが上記商用電源電圧に重畳される場合がある。ローパスフィルタ41は、上記他の電気機器から発生したノイズが、商用電源系統を介してACアダプタ2に入力されるのを防止する。

0024

ハイパスフィルタ42は、上記商用電源ライン分岐接続され、商用電源周波数(50Hz/60Hz)以下の周波数成分を減衰させ、商用電源周波数よりも高い周波数成分を通過させる。この通過対象となる高周波成分の中に、ACアダプタ2内の回路デバイスの劣化により発生するノイズ成分が含まれる。

0025

振幅増幅部43は、上記ハイパスフィルタ42を通過した高周波成分に含まれるノイズ成分を増幅する。ノイズ成分の振幅は、直流出力が10W〜数十W程度のACアダプタであれば10mV〜100mV程度になると考えられる。このノイズ成分の振幅を直流電圧に変換するには、ダイオード等の整流素子で整流する必要がある。しかし、一般に整流素子の閾値電圧は数百mV程度であるため、このままでは整流できない。そこで、振幅増幅部43においてノイズ成分の振幅を数V程度まで増幅させることで、整流部44で整流することができるようにする。

0026

整流部44は、上記振幅増幅部43により増幅されたノイズ成分を、ダイオード等の整流素子からなる整流回路を用いて整流する。電荷蓄積部45は、例えばコンデンサ抵抗並列回路により構成され、上記整流部44により整流されたノイズ成分を平滑して直流電圧を得る。上記コンデンサと抵抗の並列回路は、容量と抵抗値の少なくとも一方が可変できるようになっており、これらの回路定数を調整して時定数を任意の値に設定することで、上記ノイズ成分の整流後の振幅をどの程度の期間に渡り平滑化(平均化)するかを設定することができる。

0027

電荷蓄積部45には出力端子(図示せず)が設けられ、この出力端子には例えばテスタを接続することが可能である。

0028

(動作)
このように構成であるから、商用電源電圧に重畳された、ACアダプタ2内の一次平滑コンデンサから発生されたノイズ成分は、劣化測定装置4内においてハイパスフィルタ42により商用電源電圧から分離抽出される。そして、この分離抽出されたノイズ成分は、振幅増幅部43により整流に必要な振幅値まで増幅された後、整流部44により整流され、さらに電荷蓄積部45により平滑化されて直流電圧に変換される。

0029

従って、電荷蓄積部45に設けられた出力端子に、例えばテスタを接続して上記ノイズ成分の直流電圧値を測定し、この測定したノイズ成分の直流電圧値を測定者が正常値と比較することで、ACアダプタ2の劣化を評価することが可能となる。上記正常値としては、ACアダプタ2が新品のときに測定しておいたノイズ成分の直流電圧値を用いればよい。

0030

(効果)
以上詳述したように第1の実施形態に係る電源装置の劣化測定装置4では、ACアダプタ2の劣化により発生するノイズ成分を商用電源ラインからハイパスフィルタ42を通して抽出し、このノイズ成分の振幅を振幅増幅部43により整流可能な値まで増幅したのち、整流部44および電荷蓄積部45により直流電圧に変換して出力端子から出力するようにしている。

0031

従って、ACアダプタ2から一次平滑コンデンサの特性劣化により発生するノイズ成分の電圧値を直流電圧値として測定することが可能となり、これにより高価なスペクトラムアナライザを必要とせず、また測定者がオシロスコープの取り扱いに習熟していなくてもノイズ成分を測定することが可能となる。また、オシロスコープを使用する場合のように、レンジおよびオフセットの切り替えとトリガ調整をする必要がなくなるので、測定に要する時間を短縮することが可能となる。

0032

[第2の実施形態]
ACアダプタ2から商用電源ラインに重畳されるノイズには、ACアダプタ2の劣化と相関がある成分だけでなくACアダプタ2の劣化と相関が無い成分も含まれており、またこの相関が無い成分が相関のある成分よりも大きい場合がある。この場合、第1の実施形態に示した構成では、電荷蓄積部45により平滑化されたノイズ成分の直流電圧値が、ACアダプタ2の劣化と相関の無い成分に支配され、この結果ACアダプタ2の劣化を確認し難くなる虞がある。

0033

本発明者は、調査により、商用電源電流が流れ始めるときと流れ終わるときにACアダプタ2の劣化とは相関が無いノイズが発生し、ACアダプタ2の劣化と相関があるノイズは商用電源電流が流れている期間に発生することが多いという知見を得た。

0034

そこで、この発明の第2の実施形態では、商用電源電流を監視し、ACアダプタ2の劣化と相関があるノイズが発生している期間のみをノイズ電圧測定期間とするようにしている。

0035

図2は、この発明の第2の実施形態に係る電源装置の劣化測定装置の構成を示すブロック図である。なお、同図において前記図1と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。

0036

劣化測定装置5は、ローパスフィルタ41、ハイパスフィルタ42、振幅増幅部43、整流部44および電荷蓄積部45に加え、商用電源電圧電流監視部46と、スイッチ47を備えている。スイッチ47は、半導体スイッチからなり、振幅増幅部43と整流部44との間に配置される。商用電源電圧電流監視部46は、商用電源ラインを流れる商用電源電流を検出して予め設定した閾値と比較し、商用電源電流の絶対値が閾値を超えている期間のみ上記スイッチ47を導通させる。上記閾値は、ACアダプタ2の劣化と相関があるノイズが発生している期間に流れる商用電源電流の最低値に設定される。

0037

(動作)
次に、以上のように構成された劣化測定装置5の動作を説明する。図3はその動作を説明するための波形図であり、Iwは商用電源電流の波形を、Ewは商用電源電圧の波形をそれぞれ示し、またTは商用電源の半周期を示している。
図3に示すように、ACアダプタ2から商用電源ラインに重畳されるノイズ成分Nwには、ACアダプタ2の劣化と相関があるノイズ成分Nwb と、ACアダプタ2の劣化と相関が無いノイズ成分Nwaが含まれている。そして、このうちACアダプタ2の劣化と相関が無いノイズ成分Nwaは商用電源電流が流れ始めるときと流れ終わるときに発生し、ACアダプタ2の劣化と相関があるノイズ成分Nwbは商用電源電流が所定値上流れている期間に発生する。

0038

第2の実施形態に係る劣化測定装置では、商用電源電流の振幅が商用電源電圧電流監視部46により監視され、商用電源電流値が閾値を超える期間にのみスイッチ47が導通する。このとき、上記閾値は、先に述べたようにACアダプタ2の劣化と相関があるノイズ成分Nwbが発生している期間に流れる商用電源電流の最低値に設定されている。このため、振幅増幅部43により増幅されたノイズ成分のうち、ACアダプタ2の劣化と相関があるノイズ成分Nwbのみがスイッチ47を通過して整流部44に入力され、整流部44で整流されたのち電荷蓄積部45により平滑化されて直流電圧値に変換される。

0039

従って、上記電荷蓄積部45の両端に設けられた出力端子にテスタを接続すれば、上記ACアダプタ2の劣化と相関があるノイズ成分Nwbの直流電圧値を測定することができる。

0040

(効果)
以上詳述したように第2の実施形態によれば、ノイズ成分の中にACアダプタ2の劣化と相関が無いノイズ成分Nwaが含まれ、当該ノイズ成分NwaがACアダプタ2の劣化と相関があるノイズ成分Nwbよりも大きい場合でも、このACアダプタ2の劣化と相関があるノイズ成分Nwbのみを抽出してその直流電圧値を測定することが可能となる。従って、ACアダプタ2の劣化をより一層的確に評価することが可能となる。

0041

また、スイッチ47を振幅増幅部43と整流部44との間に配置したことにより、スイッチ47のオンオフに起因するノイズが測定結果に混入してしまう不具合を防ぐことができる。なお、スイッチ47をハイパスフィルタ42と振幅増幅部43との間や、整流部44と電荷蓄積部45との間に配置することも可能であるが、このうちハイパスフィルタ42と振幅増幅部43との間に配置するとスイッチ47のスイッチングノイズが振幅増幅部43により増幅され、測定結果に対するスイッチングノイズの影響が大きくなる。また、スイッチ47を整流部44と電荷蓄積部45との間に配置すると、スイッチングノイズが電荷蓄積部45による平滑化処理に直接影響を与えるため、直流電圧値が不安定になる。

0042

[その他の実施形態]
前記各実施形態では、ACアダプタ2の劣化により発生するノイズ成分Nwbの直流電圧値を得る機能までを備えた場合を例にとって説明した。しかし、それに限定されるものではなく、劣化測定装置4,5内に上記ノイズ成分Nwbの直流電圧値を表示する表示器を設けたり、また上記ノイズ成分Nwbの直流電圧値を正常値と比較してその比較結果を表す情報を上記表示器に表示するように構成してもよい。

0043

さらに、劣化測定装置4,5内に無線インタフェース機能を設け、上記ノイズ成分Nwbの直流電圧値および当該ノイズ成分Nwbの直流電圧値と正常値との比較結果を表す情報を上記無線インタフェース機能によりユーザまたは保守管理者のパーソナルコンピュータ等へ送信して表示させるようにしてもよい。

0044

前記第2の実施形態では、商用電源電圧電流監視部46により商用電源電流値を監視するようにしたが、代わりに商用電源電圧値を監視するようにしてもよい。この場合は、あらかじめ商用電源電流量と商用電源電圧との位相の関係を調べておき、商用電源電流がある閾値以上流れている位相のときのみスイッチ47を導通させるように構成すればよい。

0045

その他、劣化測定装置の配置位置や構成の等については、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。

0046

1…商用電源プラグ、2…ACアダプタ、3…電子機器、4…劣化測定装置、41…ローパスフィルタ、42…ハイパスフィルタ、43…振幅増幅部、44…整流部44…電荷蓄積部、46…商用電源電圧電流監視部、47…スイッチ。

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