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技術 超音波トランスデューサー、超音波プローブ、超音波装置、超音波トランスデューサーの製造方法、及び振動装置

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 小島力大橋幸司
出願日 2016年2月4日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-020036
公開日 2017年8月10日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-139651
状態 特許登録済
技術分野 超音波変換器 超音波診断装置
主要キーワード BFO センサー窓 変位プロファイル 信号入力タイミング 振動範囲 アッテネーター 超音波測定装置 作動面
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

音波の送信や受信の効率が高く、かつ量産性も優れた超音波トランスデューサー超音波プローブ超音波装置、超音波トランスデューサーの製造方法、及び振動装置を提供する。

解決手段

超音波センサーは、開口部411Aが形成された基板411と、開口部411Aを塞ぐように基板411に設けられた振動膜412と、振動膜412を振動駆動させる駆動処理及び振動膜412の振動を検出する検出処理の少なくともいずれかを実施する素子であって、振動膜412の厚み方向に沿った平面視において振動膜412と開口部411とが重なる位置に複数配置された圧電素子413と、振動膜412に対向して配置されて、振動膜412を支持し、振動膜412に対向する面が平坦面である封止板42と、平面視において、隣り合う圧電素子413間に設けられ、振動膜412及び封止板42の双方に接合されて、振動膜412の振動の伝達を抑制する樹脂材料により構成された抑制部43と、を備えている。

概要

背景

従来、開口部を有する基部と、開口部を閉塞する振動膜上に設けられた圧電素子と、を備えた超音波トランスデューサーが知られている。このような超音波トランスデューサーでは、圧電素子を駆動させることで振動膜を振動させて超音波を送信したり、超音波が振動膜に入力された際の振動膜の振動を圧電素子で検出(受信)したりすることが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
このような超音波トランスデューサーにおける超音波の送信や受信の効率は、振動膜の開口部を閉塞する領域(振動領域)の膜厚方向のひずみに依存する。超音波の送信や受信の効率を向上させるためには、振動領域のひずみを大きくする必要があり、この場合、超音波トランスデューサーを膜厚方向から見た場合の振動領域の2次元形状を低アスペクト比にすればよい。

概要

超音波の送信や受信の効率が高く、かつ量産性も優れた超音波トランスデューサー、超音波プローブ超音波装置、超音波トランスデューサーの製造方法、及び振動装置を提供する。超音波センサーは、開口部411Aが形成された基板411と、開口部411Aを塞ぐように基板411に設けられた振動膜412と、振動膜412を振動駆動させる駆動処理及び振動膜412の振動を検出する検出処理の少なくともいずれかを実施する素子であって、振動膜412の厚み方向に沿った平面視において振動膜412と開口部411とが重なる位置に複数配置された圧電素子413と、振動膜412に対向して配置されて、振動膜412を支持し、振動膜412に対向する面が平坦面である封止板42と、平面視において、隣り合う圧電素子413間に設けられ、振動膜412及び封止板42の双方に接合されて、振動膜412の振動の伝達を抑制する樹脂材料により構成された抑制部43と、を備えている。

目的

本発明は、超音波の送信や受信の効率が高く、かつ量産性も優れた超音波トランスデューサー、超音波プローブ、超音波装置、超音波トランスデューサーの製造方法、及び振動装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

開口部が形成された基板と、前記開口部を塞ぐように前記基板に設けられた振動膜と、前記振動膜を振動駆動させる駆動処理及び前記振動膜の振動を検出する検出処理の少なくともいずれかを実施する素子であって、前記振動膜の厚み方向に沿った平面視において前記振動膜と前記開口部とが重なる位置に複数配置された振動素子と、前記振動膜に対向して配置されて、前記振動膜を支持し、前記振動膜に対向する面が平坦面である支持基板と、前記平面視において、隣り合う前記振動素子間に設けられ、前記振動膜及び前記支持基板の双方に接合されて、前記振動膜の振動の伝達を抑制する樹脂材料により構成された抑制部と、を備えていることを特徴とする超音波トランスデューサー

請求項2

請求項1に記載の超音波トランスデューサーにおいて、前記振動膜には、前記振動素子に接続される接続配線が設けられ、前記抑制部は、導電性フィラーを含み、前記接続配線と接続されていることを特徴とする超音波トランスデューサー。

請求項3

請求項2に記載の超音波トランスデューサーにおいて、前記支持基板は、前記振動膜に対向する面に前記抑制部に接続される配線部を備えていることを特徴とする超音波トランスデューサー。

請求項4

請求項3に記載の超音波トランスデューサーにおいて、前記支持基板は、当該支持基板を厚み方向に貫通し、前記配線部と、前記振動素子を制御するための回路が設けられた回路基板とを接続する貫通電極を備えていることを特徴とする超音波トランスデューサー。

請求項5

開口部が形成された基板と、前記開口部を塞ぐように前記基板に設けられた振動膜と、前記振動膜を振動駆動させる駆動処理及び前記振動膜の振動を検出する検出処理の少なくともいずれかを実施する素子であって、前記振動膜の厚み方向に沿った平面視において前記振動膜と前記開口部とが重なる位置に複数配置された振動素子と、前記振動膜に対向して配置されて、前記振動膜を支持し、前記振動膜に対向する面が平坦面である支持基板と、前記平面視において、隣り合う前記振動素子間に設けられ、前記振動膜及び前記支持基板の双方に接合されて、前記振動膜の振動の伝達を抑制する樹脂材料により構成された抑制部と、を備えた超音波トランスデューサーと、前記超音波トランスデューサーが収納される筐体と、を備えたことを特徴とする超音波プローブ

請求項6

開口部が形成された基板と、前記開口部を塞ぐように前記基板に設けられた振動膜と、前記振動膜を振動駆動させる駆動処理及び前記振動膜の振動を検出する検出処理の少なくともいずれかを実施する素子であって、前記振動膜の厚み方向に沿った平面視において前記振動膜と前記開口部とが重なる位置に複数配置された振動素子と、前記振動膜に対向して配置されて、前記振動膜を支持し、前記振動膜に対向する面が平坦面である支持基板と、前記平面視において、隣り合う前記振動素子間に設けられ、前記振動膜及び前記支持基板の双方に接合されて、前記振動膜の振動の伝達を抑制する樹脂材料により構成された抑制部と、を備えた超音波トランスデューサーと、前記超音波トランスデューサーを制御する制御部と、を備えたことを特徴とする超音波装置

請求項7

振動膜が設けられた基板の前記振動膜上に、前記振動膜を振動駆動させる駆動処理及び前記振動膜の振動を検出する検出処理の少なくともいずれかを実施する複数の振動素子を形成する素子形成工程と、前記振動膜の前記基板とは反対側の面で、かつ、前記振動膜の厚み方向に沿った平面視において隣り合う前記振動素子の間に、前記振動膜の振動の伝達を抑制する樹脂材料により構成された抑制部を形成する抑制部形成工程と、前記振動膜の前記基板とは反対側の面に、前記振動膜に対向する面が平坦面である支持基板を対向させ、前記抑制部の前記振動膜と接合した一端部とは反対側の他端部を、前記支持基板に加熱接合する接合工程と、前記基板に開口部を形成する工程であって、前記平面視において、前記振動膜と前記開口部とが重なる位置に複数の前記振動素子が配置されるように、前記開口部を形成する開口部形成工程と、を実施することを特徴とする超音波トランスデューサーの製造方法。

請求項8

所定の厚み寸法を有し、厚み方向に振動可能な振動膜と、前記振動膜に対向して配置されて、前記振動膜を支持し、前記振動膜に対向する面が平坦面である支持基板と、前記振動膜における振動領域に沿って設けられ、前記振動膜の前記振動領域の振動の前記振動領域外への伝達を抑制する抑制部と、を備え、前記抑制部は、樹脂材料により構成され、かつ前記振動膜及び前記支持基板に接合されていることを特徴とする振動装置

技術分野

0001

本発明は、超音波トランスデューサー超音波プローブ超音波装置、超音波トランスデューサーの製造方法、及び振動装置等に関する。

背景技術

0002

従来、開口部を有する基部と、開口部を閉塞する振動膜上に設けられた圧電素子と、を備えた超音波トランスデューサーが知られている。このような超音波トランスデューサーでは、圧電素子を駆動させることで振動膜を振動させて超音波を送信したり、超音波が振動膜に入力された際の振動膜の振動を圧電素子で検出(受信)したりすることが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
このような超音波トランスデューサーにおける超音波の送信や受信の効率は、振動膜の開口部を閉塞する領域(振動領域)の膜厚方向のひずみに依存する。超音波の送信や受信の効率を向上させるためには、振動領域のひずみを大きくする必要があり、この場合、超音波トランスデューサーを膜厚方向から見た場合の振動領域の2次元形状を低アスペクト比にすればよい。

先行技術

0003

特開2010−164331号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、特許文献1に記載のような超音波トランスデューサーでは、振動領域の面積により、送信又は受信する超音波の周波数が決定される。特に、高い周波数の超音波の送信及び受信では、振動領域の面積をより小さくする必要がある。一方、上記のように、効率のよい超音波の送信及び受信を行うには、振動領域を低アスペクト比にする必要がある。上記特許文献1に記載の構成において、振動領域の面積を小さく、かつ低アスペクト比にする場合、基部に設ける開口部を非常に小さく形成する必要があるため、製造が困難であり、量産性が低くなるとの課題がある。

0005

本発明は、超音波の送信や受信の効率が高く、かつ量産性も優れた超音波トランスデューサー、超音波プローブ、超音波装置、超音波トランスデューサーの製造方法、及び振動装置を提供することを目的として、以下の形態又は適用例を記載する。

課題を解決するための手段

0006

本適用例に係る超音波トランスデューサーは、開口部が形成された基板と、前記開口部を塞ぐように前記基板に設けられた振動膜と、前記振動膜を振動駆動させる駆動処理及び前記振動膜の振動を検出する検出処理の少なくともいずれかを実施する素子であって、前記振動膜の厚み方向に沿った平面視において前記振動膜と前記開口部とが重なる位置に複数配置された振動素子と、前記振動膜に対向して配置されて、前記振動膜を支持し、前記振動膜に対向する面が平坦面である支持基板と、前記平面視において、隣り合う前記振動素子間に設けられ、前記振動膜及び前記支持基板の双方に接合されて、前記振動膜の振動の伝達を抑制する樹脂材料により構成された抑制部と、を備えていることを特徴とする。

0007

本適用例によれば、開口部を有する基板に、開口部を閉塞するように振動膜が設けられており、開口部と振動膜とが重なる領域に複数の振動素子が設けられている。そして、振動膜の複数の振動素子の間には、振動膜の振動の伝達を抑制する、樹脂材料により構成された抑制部が設けられている。
このような構成では、振動膜における振動素子が設けられた位置(振動領域)が振動された場合に、その振動の振動領域外への伝達が抑制部により抑制され、すなわち、開口部が大きい場合でも、抑制部により振動領域のアスペクト比を低アスペクト比にでき、振動領域内の振動膜の膜厚方向のひずみが大きくなり、振動素子による駆動処理時(超音波送信時)には、高出力(大音圧)の超音波を出力でき、振動素子による検出処理時(超音波受信時)には、受信感度を向上させることができる。
また、1つの開口部に対して複数の振動素子が設けられる構成であるため、例えば1つの開口部に対して1つの振動素子を設ける構成に比べ、開口部のサイズを大きくできる。したがって、開口部の形成が容易であり、優れた量産性の超音波トランスデューサーを得ることができる。

0008

さらに、抑制部が樹脂材料により構成されているため、例えば加熱接合等により、振動膜と支持基板とを抑制部により容易に接合することができ、製造効率性の更なる向上を図れる。さらには、このような樹脂材料により構成された抑制部は、例えばフォトリソグラフィ等によって容易、かつ高精度に振動膜上に形成することができる。つまり、振動膜における各振動素子に対応した振動領域に対応した位置に抑制部を高精度に形成できる。よって、例えば、振動領域に対して抑制部の位置がずれる等によって、振動領域の振動が抑制部により阻害される不都合を抑制でき、送信や受信の効率をより向上させることができる。

0009

本適用例の超音波トランスデューサーにおいて、前記振動膜には、前記振動素子に接続される接続配線が設けられ、前記抑制部は、導電性フィラーを含み、前記接続配線と接続されていることが好ましい。
本適用例では、振動膜に振動素子に接続された接続配線が設けられ、導電性フィラーを含む抑制部により接続されている。このような構成では、振動素子に近い位置で、抑制部から振動素子に対する信号の入出力を行うことができる。つまり、従来、振動素子の接続配線は、振動膜の外周部に引き出され、例えばFPC(Flexible printed circuits)やワイヤボンディング等によって外部回路端子に接続されていた。この場合、接続配線が長くなり、電気抵抗も増大するため、振動素子に対して入出力される信号の減衰電圧降下)が発生してしまう。これに対して、本適用例では、上記のように、振動素子に近い位置に配置された抑制部から信号の入出力を行えるので、電圧降下を抑制でき、超音波トランスデューサーの駆動効率を向上させることができる。つまり、超音波トランスデューサーから超音波を送信する際には、所望の出力値の超音波を好適に出力でき、超音波トランスデューサーにおいて超音波を受信する場合では、強い信号値受信信号を取得でき、受信感度を向上させることができる。

0010

本適用例の超音波トランスデューサーにおいて、前記支持基板は、前記振動膜に対向する面に前記抑制部に接続される配線部を備えていることが好ましい。
本適用例では、支持基板の振動膜に対向する面に設けられた配線部に抑制部が接続される。よって、上述のように、振動素子に接続された接続配線と、配線部とを、抑制部で接合することで、これらを電気的に接続することができる。

0011

本適用例の超音波トランスデューサーにおいて、前記支持基板は、当該支持基板を厚み方向に貫通し、前記配線部と、前記振動素子を制御するための回路が設けられた回路基板とを接続する貫通電極を備えていることが好ましい。
本適用例では、さらに、支持基板に貫通電極が設けられており、当該貫通電極は、配線部に接続されている。したがって、支持基板の振動膜とは反対側の面に露出した貫通電極を回路基板に接続することで、FPC等を用いることなく、容易に振動素子を回路基板に電気的に接続することができる。

0012

本適用例の超音波プローブは、開口部が形成された基板と、前記開口部を塞ぐように前記基板に設けられた振動膜と、前記振動膜を振動駆動させる駆動処理及び前記振動膜の振動を検出する検出処理の少なくともいずれかを実施する素子であって、前記振動膜の厚み方向に沿った平面視において前記振動膜と前記開口部とが重なる位置に複数配置された振動素子と、前記振動膜に対向して配置されて、前記振動膜を支持し、前記振動膜に対向する面が平坦面である支持基板と、前記平面視において、隣り合う前記振動素子間に設けられ、前記振動膜及び前記支持基板の双方に接合されて、前記振動膜の振動の伝達を抑制する樹脂材料により構成された抑制部と、を備えた超音波トランスデューサーと、前記超音波トランスデューサーが収納される筐体と、を備えたことを特徴とする。

0013

本適用例の超音波プローブでは、上述したような超音波トランスデューサーを収納する筐体を有する。上述のように、超音波トランスデューサーは、超音波の送信や受信の効率が高く、かつ量産性が優れているため、音波の送信や受信の効率が高く、量産性に優れた超音波プローブを提供できる。

0014

本適用例の超音波装置は、開口部が形成された基板と、前記開口部を塞ぐように前記基板に設けられた振動膜と、前記振動膜を振動駆動させる駆動処理及び前記振動膜の振動を検出する検出処理の少なくともいずれかを実施する素子であって、前記振動膜の厚み方向に沿った平面視において前記振動膜と前記開口部とが重なる位置に複数配置された振動素子と、前記振動膜に対向して配置されて、前記振動膜を支持し、前記振動膜に対向する面が平坦面である支持基板と、前記平面視において、隣り合う前記振動素子間に設けられ、前記振動膜及び前記支持基板の双方に接合されて、前記振動膜の振動の伝達を抑制する樹脂材料により構成された抑制部と、を備えた超音波トランスデューサーと、前記超音波トランスデューサーを制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。

0015

本適用例の超音波装置では、上述したような超音波トランスデューサーと、超音波トランスデューサーを制御する制御部とを有する。上述のように、超音波トランスデューサーは、量産性が優れているため、超音波装置における量産性も向上させることができる。また、制御部により超音波トランスデューサーを制御することで、超音波トランスデューサーから高効率で超音波の送信処理受信処理を実施することができる。

0016

本適用例の超音波トランスデューサーの製造方法は、振動膜が設けられた基板の前記振動膜上に、前記振動膜を振動駆動させる駆動処理及び前記振動膜の振動を検出する検出処理の少なくともいずれかを実施する複数の振動素子を形成する素子形成工程と、前記振動膜の前記基板とは反対側の面で、かつ、前記振動膜の厚み方向に沿った平面視において隣り合う前記振動素子の間に、前記振動膜の振動の伝達を抑制する樹脂材料により構成された抑制部を形成する抑制部形成工程と、前記振動膜の前記基板とは反対側の面に、前記振動膜に対向する面が平坦面である支持基板を対向させ、前記抑制部の前記振動膜と接合した一端部とは反対側の他端部を、前記支持基板に加熱接合する接合工程と、前記基板に開口部を形成する工程であって、前記平面視において、前記振動膜と前記開口部とが重なる位置に複数の前記振動素子が配置されるように、前記開口部を形成する開口部形成工程と、を実施することを特徴とする。

0017

本適用例では、振動膜が設けられた基板の振動膜上に振動素子を形成した後、振動膜上の振動素子間に樹脂材料により構成された抑制部を形成する。この後、接合工程において、樹脂材料の抑制部を支持基板に加熱接合させる。そして、基板に開口部を形成する。
このような製造方法では、振動膜に樹脂材料からなる抑制部を形成するため、フォトリソグラフィ等によって、振動素子間に高い位置精度で抑制部を形成でき、振動膜の所望の位置に振動領域を形成できる。したがって、各振動領域と振動素子との位置がずれることによる、超音波の送信および受信の効率低下を抑制できる。また、接合工程で加熱接合により抑制部を支持基板に接合するため、接着剤等を用いる必要がなく、製造効率性を向上できる。また、開口部形成工程では、複数の振動素子に跨る開口部を形成すればよいので、開口部のサイズを比較的大きくでき、製造効率性の更なる向上を図れる。

0018

本適用例に係る超音波トランスデューサーは、所定の厚み寸法を有し、厚み方向に振動可能な振動膜と、前記振動膜に対向して配置されて、前記振動膜を支持し、前記振動膜に対向する面が平坦面である支持基板と、前記振動膜における振動領域に沿って設けられ、前記振動膜の前記振動領域の振動の前記振動領域外への伝達を抑制する抑制部と、を備え、前記抑制部は、樹脂材料により構成され、かつ前記振動膜及び前記支持基板に接合されていることを特徴とする。
本適用例では、上述したように、振動膜の振動領域に沿って樹脂材料により構成された抑制部が設けられているので、振動領域以外への振動の伝達を抑制でき、高効率で超音波の送信や受信を行うことができる。また、振動膜に対して樹脂材料の抑制部を、例えばフォトリソグラフィ等によって、容易にかつ高精度に形成することができ、例えば加熱圧着等により抑制部を振動膜や支持基板に容易に接合することができる。よって、超音波トランスデューサーの製造効率性の向上を図れる。

図面の簡単な説明

0019

第一実施形態の超音波測定装置概略構成を示す図。
第一実施形態の超音波測定装置の概略構成を示すブロック図。
第一実施形態の超音波センサーにおける基部を、封止板側から見た平面図。
図3の一部を拡大した拡大平面図。
(A)は図4のA−A線に対応した超音波センサーの断面図、(B)は図4のB−B線に対応した超音波センサーの断面図、(C)は図4のC−C線に対応した超音波センサーの断面図。
(A)は、第一実施形態における振動膜の変位プロファイルを示す図、(B)は、従来(隔壁のみにより振動領域を形成する個性)の振動膜の変位プロファイルを示す図、(C)は、抑制部を設けなかった場合の変位プロファイルを示す図。
第一実施形態の超音波センサーの製造方法を示すフローチャート
図7の各工程における超音波センサーの状態を示す図。
第二実施形態の超音波センサーにおける基部を封止板側から見た平面図。
第二実施形態の超音波センサーの概略を示す断面図。
一変形例における超音波センサーにおける基部を、封止板側から見た平面図。

実施例

0020

[第一実施形態]
以下、第一実施形態について説明する。
図1は、第一実施形態の超音波測定装置1の概略構成を示す図である。図2は、本実施形態の超音波測定装置1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の超音波測定装置1(超音波装置)は、図1に示すように、超音波プローブ2と、超音波プローブ2にケーブル3を介して電気的に接続された制御装置10(制御部)と、を備えている。
この超音波測定装置1は、超音波プローブ2を生体(例えば人体)の表面に当接させ、超音波プローブ2から対象物(例えば生体等)の内部に超音波を送出し生体内器官にて反射された超音波を超音波プローブ2にて受信し、その受信信号に基づいて、例えば生体内の内部断層画像を取得したり、生体内の器官の状態(例えば血流等)を測定したりする。

0021

[超音波プローブの構成]
超音波プローブ2は、筐体21(図1参照)と、筐体21内部に設けられた超音波センサー22と、超音波センサー22を制御するためのドライバ回路等が設けられる回路基板23と、を備えている。

0022

筐体21は、図1に示すように、例えば平面視矩形状の箱状に形成され、厚み方向に直交する一面(センサー面21A)には、センサー窓21Bが設けられ、内部に収納された超音波センサー22(超音波トランスデューサー)の一部が露出している。また、筐体21の一部(図1に示す例では側面)には、ケーブル3の通過孔が設けられ、ケーブル3は、通過孔から筐体21の内部の回路基板23に接続されている。また、ケーブル3と通過孔との隙間は、例えば樹脂材等が充填されることで、防水性が確保されている。
なお、本実施形態では、ケーブル3を用いて、超音波プローブ2と制御装置10とが接続される構成例を示すが、これに限定されず、例えば超音波プローブ2と制御装置10とが無線通信により接続されていてもよく、超音波プローブ2内に制御装置10の各種構成が設けられていてもよい。

0023

[超音波センサーの構成]
図3は、超音波センサー22における基部41を、封止板42側から見た平面図である。図4は、図3の一部を拡大した拡大平面図である。図5は、超音波センサー22の断面図であり、(A)は図4のA−A線に対応した断面図、(B)は図4のB−B線に対応した断面図、(C)は図4のC−C線に対応した断面図である。
超音波センサー22(超音波トランスデューサー)は、図4に示すように、基部41と、封止板42(支持基板)と、抑制部43と、音響整合層44と、音響レンズ45と、を備える。

0024

(基部の構成)
基部41は、図5に示すように、基板411と、基板411に積層された振動膜412と、振動膜412に積層された圧電素子413(振動素子)と、を備えている。
ここで、図3に示すように、基部41を厚み方向から見た平面視において、基部41の中心にアレイ領域Ar1が設けられ、当該アレイ領域Ar1内に、複数の圧電素子413がアレイ状に配置される。

0025

また、基部41は、図5に示すように、開口部411Aが形成された基板411と、開口部411Aを塞ぐように基板411の背面側に設けられた振動膜412と、振動膜412の開口部411Aとは反対側に設けられた圧電素子413と、を備えている。

0026

(基板の構成)
基板411は、例えばシリコン(Si)等の半導体基板である。この基板411のアレイ領域Ar1内には、上述したように開口部411Aが設けられ、基板411は、開口部411Aを取り囲む隔壁411Bを備える。この開口部411Aは、図3から図5に示すように、振動膜412の膜厚方向(Z方向)から見た平面視において、第1方向(X方向)に沿う長さ寸法に対して第2方向(Y方向)に沿う長さ寸法がかなり大きい高アスペクト比、例えば、アスペクト比1:70の形状を有する。一方、圧電素子413において、下部電極414、圧電体層415、及び上部電極416が積層される能動部413Aは、X方向に沿う長さ寸法がY方向の長さ寸法に近い低アスペクト比、例えば、アスペクト比が1に近い形状を有する。なお、能動部413Aの膜厚方向のひずみを大きくすることを考慮すると、理論的には能動部413Aのアスペクト比は、1であることが最も理想的であるといえるが、1よりも大きな値であってもよい。能動部413Aは、1つの開口部411Aに対して、例えばY方向に沿って複数配置されている。

0027

(振動膜の構成)
振動膜412は、例えば酸化シリコン膜(SiO2)及び酸化ジルコニウム(ZrO2)からなる積層体である。振動膜412は、基板411の隔壁411Bによって支持されている。振動膜412は上記のように、基板411に設けられた開口部411Aを閉塞する。
振動膜412の厚み寸法は、基板411に対して十分小さい厚み寸法となる。また、本実施形態では、開口部411Aを閉塞する振動膜412のうちの開口部411Aと重なる領域内で、隔壁411B及び後述する抑制部43により囲われる個々の領域(振動領域Ar2)がY方向に沿って複数配置される構成となる。本実施形態では、これらの各振動領域Ar2のそれぞれに1つの能動部413Aが配置される。そして、能動部413Aの駆動により振動領域Ar2が振動することで超音波が送信され、振動領域Ar2が振動することで、能動部413Aの圧電体層415に電位差が生じることで検出信号が出力されて受信した超音波を検出することが可能となる。

0028

(圧電素子の構成)
圧電素子413は、振動膜412上に設けられ、下部電極414、圧電体層415及び上部電極416により構成される。上述したように、下部電極414、圧電体層415及び上部電極416が、膜厚方向(Z方向)において重なっている部分が、圧電素子413の能動部413Aとして機能する。
また、振動膜412や圧電素子413上には、例えばアルミナなどからなる絶縁層417(保護層)が形成される。

0029

下部電極414は、X方向において所定の幅でパターニングされ、Y方向に沿って延びて複数の能動部413Aに亘って連続して設けられる。すなわち、下部電極414は、能動部413Aの一部を構成する下部電極本体部414Aと、Y方向に隣り合う下部電極本体部414A同士を接続する下部接続配線414Bとにより構成される。
そして、Y方向に並ぶ複数(例えば図3では3つ)の下部電極414の端部は、互いに結線され、例えば基板411の±Y側の外周端まで引き出され、その一部(例えば先端)に下部電極端子414Pが設けられる。なお、詳細は後述するが、本実施形態では、互いに結線された下部電極414に接続される圧電素子413により、1ch(チャネル)のブロックBが構成され、当該ブロックBがX方向に複数個並んで配置される構成となる。

0030

また、上部電極416は、Y方向において所定の幅でパターニングされ、X方向に沿って延びて複数の能動部413Aに亘って連続して設けられる。すなわち、上部電極416は、能動部413Aの一部を構成する上部電極本体部416Aと、X方向に隣り合う上部電極本体部416A同士を接続する上部接続配線416Bと、上部接続配線416B同士を接続する共通配線416Cとにより構成される。
そして、共通配線416Cは、例えば図3に示すように、隣り合うブロックBの間にY方向に沿って形成され、当該共通配線416Cが基板411の±Y側の外周端まで引き出されている。そして、共通配線416Cの一部(例えば先端)に上部電極端子416Pが設けられる。なお、本実施形態では、共通配線416CがブロックB間に配置される例を示すが、例えば、上部電極416の端部同士が結線される構成などとしてもよい。
そして、圧電体層415は、振動膜412の膜厚方向から見た平面視で、下部電極414と上部電極416との交差位置に対応してマトリックス状に配置される。

0031

下部電極414や上部電極416は、導電性を有するものであれば、その材料は制限されない。下部電極414や上部電極416の材料としては、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、金(Au)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ステンレス鋼等の金属材料酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の酸化スズ系導電材料酸化亜鉛系導電材料ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO3)、ニッケル酸ランタン(LaNiO3)、元素ドープチタン酸ストロンチウム等の酸化物導電材料や、導電性ポリマー等を用いることができる。
圧電体層415は、代表的には、チタン酸ジルコン酸鉛PZT)系のペロブスカイト構造(ABO3型構造)の複合酸化物を用いることができる。これによれば、圧電素子413の変位量を確保しやすくなる。

0032

また、圧電体層415は、鉛を含まないペロブスカイト構造(ABO3型構造)の複合酸化物を用いることもできる。これによれば、環境への負荷が少ない非鉛系材料を用いて超音波センサー22を実現できる。
このような非鉛系の圧電材料としては、例えば、鉄酸ビスマスBFO;BiFeO3)を含むBFO系材料が挙げられる。BFOでは、AサイトにBiが位置し、Bサイトに鉄(Fe)が位置している。BFOに、他の元素が添加されていてもよい。例えば、ニオブ酸カリウムナトリウム(KNN;KNaNbO3)に、鉄酸マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、クロム(Cr)、カリウム(K)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ユウロビウム(Eu)から選択される少なくとも1種の元素が添加されていてもよい。
また、非鉛系圧電材料の他の例として、ニオブ酸カリウムナトリウム(KNN)を含むKNN系材料が挙げられる。KNNに、他の元素が添加されていてもよい。たとえば、KNNに、マンガン(Mn)、リチウム(Li)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)、アンチモン(Sb)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、及びユーロビウム(Eu)から選択される少なくとも1種の元素が添加されていてもよい。

0033

ペロブスカイト構造の複合酸化物には、欠損・過剰により化学量論組成からずれたものや、元素の一部が他の元素に置換されたものも含まれる。すなわち、ペロブスカイト構造を取り得る限りにおいて、格子不整合酸素欠損等による不可避な組成のずれは勿論、元素の一部置換等も許容される。

0034

(封止板及び抑制部の構成)
封止板42は、図5に示すように、基部41の振動膜412に対向して配置される。
封止板42は、振動膜412に対向する平坦な対向面421を有し、この対向面421が振動膜412の振動を抑制する抑制部43により、基部41の振動膜412に接合されている。封止板42が、抑制部43により基部41に接合されることによって、圧電素子413の周囲の空間Sが封止される。
なお、封止板42の材質や厚みは、超音波センサー22の周波数特性に影響を及ぼすため、超音波センサー22にて送受信する超音波の中心周波数に基づいて設定することが好ましい。

0035

また、本実施形態では、封止板42は、下部電極端子414Pや上部電極端子416Pに対向して貫通孔(図示略)が設けられ、当該貫通孔から基部41の下部電極端子414Pや上部電極端子416Pに、配線部(例えばFPC等)が接続される。

0036

抑制部43は、樹脂材料により構成され、上記のように、基部41の振動膜412と、封止板42との双方に接合される。このような抑制部43は、振動膜412上に例えばスパッタリング等により形成されてパターニングされた後、加熱接合により封止板42に接合される。
この抑制部43は、図3から図5に示すように、Y方向に並ぶ各圧電素子413の能動部413Aの間で、隣り合う能動部413Aの中点位置に配置され、X方向に沿って延びて形成されている。
つまり、振動膜412の各振動領域Ar2は、X方向において隣り合う振動領域Ar2との間に隔壁411Bが存在する。したがって、図5(A)(B)に示すように、各振動領域Ar2のY方向に平行な辺(各能動部413AのY方向に平行な辺の両外側の部分)は、隔壁411Bにより固定されている。一方、図5(C)に示すように、Y方向において、隣り合う振動領域Ar2の間には隔壁411Bが存在しない箇所があり、当該箇所に抑制部43が設けられている。そして、各振動領域Ar2のX方向に平行な辺(各能動部413AのX方向に平行な辺の両外側の部分)において、振動膜412は、抑制部43又は基板411の隔壁411Bにより固定されている。

0037

(音響整合層及び音響レンズの構成)
音響整合層44は、図5に示すように、基部41の作動面(封止板42に対向する面とは反対側の面)側に設けられている。具体的には、音響整合層44は、基部41の開口部411A内に充填され、かつ、基板411の作動面側から所定の厚み寸法で形成される。
音響レンズ45は、音響整合層44上に設けられ、図1に示すように、筐体21のセンサー窓21Bから外部に露出する。
これらの音響整合層44や音響レンズ45は、超音波センサー22から送信された超音波を測定対象である生体に効率よく伝搬させ、また、生体内で反射した超音波を効率よく超音波センサー22に伝搬させる。このため、音響整合層44及び音響レンズ45は、超音波センサー22の音響インピーダンスと、生体の音響インピーダンスとの中間の音響インピーダンスに設定されている。

0038

[超音波センサーによる超音波の送受信]
上記のような超音波センサー22では、アレイ領域Ar1に配置される各圧電素子413の上部電極416は互いに結線されるので同電位となる。また、Y方向に沿った圧電素子413を1組の圧電素子群として、X方向に沿った例えば3組の圧電素子群に含まれる圧電素子413の下部電極414は、互いに結線されているため同電位となる。本実施形態では、この3組の圧電素子群を1ch(チャネル)のブロックBとしてX方向に沿って複数のブロックBが配置される構造となる。

0039

そして、本実施形態では、超音波の送信(駆動処理)時に、回路基板23から、各下部電極端子414Pに対して駆動信号(SIG)が入力され、各上部電極端子416Pに対して共通バイアス信号(COM)が入力される。各下部電極端子414Pに入力する駆動信号の信号強度信号入力タイミングを制御することで、各ブロックBに含まれる各能動部413Aの下部電極414と上部電極416との間に電位差が生じ、圧電体層415が振動し、これに伴って振動膜412の振動領域Ar2も振動駆動して超音波が発生する。
また、超音波の受信(検出処理)時には、回路基板23から上部電極端子416Pに対して共通バイアス信号が入力される。そして、対象物からの超音波が超音波センサー22に入力され、振動膜412の各振動領域Ar2が振動駆動すると、下部電極414及び上部電極416の間に電位差が生じる。これにより、各ブロックBに対応した下部電極端子414Pから回路基板23に、圧電素子413のたわみに応じた検出信号が出力される。
圧電素子413のたわみ変形のしやすさは、圧電素子413や振動膜412の構成材料や厚さ、振動領域Ar2の配置位置や大きさによって変わってくるため、用途や使用態様に応じて適宜調節することが可能である。
なお、各材料に固有共振周波数を利用して、これと圧電素子413に印加する電荷信号の周波数とを一致又は実質的に一致させ、共振を利用して圧電素子413をたわみ変形させるようにしてもよい。

0040

超音波送受信時の振動膜の変位
図6(A)は、本実施形態における振動膜の変位プロファイルを示す図であり、(B)は、従来(隔壁のみにより振動領域を形成する個性)の振動膜の変位プロファイルを示す図であり、(C)は、本実施形態において抑制部を設けなかった場合の変位プロファイルを示す図である。
上記のように、本実施形態では、超音波センサー22から超音波を送信する際、及び超音波を受信する際に、振動膜412の各振動領域Ar2がそれぞれ変位する。
本実施形態の振動領域Ar2の変位プロファイルをとると、図6(A)に示すように、振動領域Ar2の中心(能動部413Aの中心)が変位の中心となり、振動領域Ar2内で大きな変位(膜厚方向のひずみ)が生じている。これは図6(B)に示す、アスペクト比が低い開口部を形成した基板を用いた場合(隔壁411Bのみで振動領域Ar2を形成した場合)とほぼ一致する。一方、抑制部43を設けない場合には、図6(C)に示すように、変位の中心が能動部413Aの外側に移動し、能動部413Aの変位(膜厚方向のひずみ)はかなり小さくなる。

0041

図6(A)〜図6(C)より、隣り合う能動部413Aの間(中点位置)に隔壁411Bが存在しない箇所がある場合、当該箇所に抑制部43を設けて、基板411に対して開口部411Aとは反対の側から振動膜412を押さえれば、振動膜412の振動を抑制することができることがわかる。すなわち、抑制部43によって、振動膜412の振動範囲が制限されていることがわかる。また、本実施形態では、開口部411Aが高アスペクト比であるにもかかわらず、開口部411Aが低アスペクト比である場合と同等の変位が得られていることから、抑制部43による振動抑制の効果は絶大であることがわかる。

0042

[回路基板の構成]
回路基板23は、図2に示すように、基部41に設けられた下部電極端子414Pや上部電極端子416Pと接続される基板端子部231を有する。また、回路基板23は、超音波センサー22を駆動させるためのドライバ回路等が設けられている。具体的には、回路基板23は、図2に示すように、選択回路232、送信回路233、受信回路234等を備える。
選択回路232は、制御装置10の制御に基づいて、超音波センサー22と送信回路233とを接続する送信接続、及び超音波センサー22と受信回路234とを接続する受信接続切り替える。
送信回路233は、制御装置10の制御により送信接続に切り替えられた際に、選択回路232を介して超音波センサー22に超音波を発信させる旨の信号を出力する。
受信回路234は、制御装置10の制御により受信接続に切り替えられた際に、選択回路232を介して超音波センサー22から入力された検出信号を制御装置10に出力する。受信回路234は、例えば低雑音増幅回路電圧制御アッテネータープログラマブルゲインアンプローパスフィルター、A/Dコンバーター等を含んで構成されており、受信信号のデジタル信号への変換、ノイズ成分の除去、所望信号ベルへの増幅等の各信号処理を実施した後、処理後の受信信号を制御装置10に出力する。

0043

[制御装置の構成]
制御装置10は、図2に示すように、例えば、操作部11と、表示部12と、記憶部13と、演算部14と、を備えて構成されている。この制御装置10は、例えば、タブレット端末スマートフォンパーソナルコンピューター等の端末装置を用いてもよく、超音波プローブ2を操作するための専用端末装置であってもよい。
操作部11は、ユーザーが超音波測定装置1を操作するためのUI(user interface)であり、例えば表示部12上に設けられたタッチパネルや、操作ボタンキーボードマウス等により構成することができる。
表示部12は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、画像を表示させる。
記憶部13は、超音波測定装置1を制御するための各種プログラムや各種データを記憶する。
演算部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算回路や、メモリー等の記憶回路により構成されている。そして、演算部14は、記憶部13に記憶された各種プログラムを読み込み実行することで、送信回路233に対して送信信号の生成及び出力処理の制御を行い、受信回路234に対して受信信号の周波数設定ゲイン設定などの制御を行う。

0044

[超音波センサーの製造方法]
次に、上述したような超音波センサー22の製造方法について説明する。
図7は、本実施形態の超音波センサー22の製造における各工程を示すフローチャートである。図8は、各工程での超音波センサー22の概略を示す図である。
超音波センサー22を製造するためには、図7に示すように、基板準備工程S1、素子形成工程S2、抑制部形成工程S3、接合工程S4、及び開口部形成工程S5を実施する。

0045

基板準備工程S1では、先ずSiからなる基板411の一面側を熱酸化処理し、振動膜412の一部であるSiO2膜を形成する。さらに、SiO2膜上にZrを成膜し、熱酸化処理してZrO2層を形成する。これにより、図8(A)に示すように、基板411上に振動膜412が形成される。

0046

次に、素子形成工程S2を実施する。
素子形成工程S2では、まず、振動膜412上に下部電極を形成する電極材料を、例えばスパッタリング等により成膜する。そして、下部電極414上に、レジストを塗布し、フォトリソグラフィ等により、レジストパターンを形成し、下部電極414を例えばエッチング等することで、パターニングする。
その後、下部電極414上に圧電体層415を形成する。圧電体層415は、例えばPZTを溶液法により形成する。例えば、Zr:Ti=52:48の組成比のPZT溶液を振動膜412及び下部電極414上に塗布する塗布処理と、塗布されたPZT溶液を、例えばプレベーグ400℃、RT焼成700℃の条件にて焼成処理とを複数回実施し、所望厚み寸法の圧電層を得る。そして、形成された圧電層を、エッチング処理イオンミリング)によりパターニングして、圧電体層415を形成する。
圧電体層415の形成後、上部電極416を形成するための電極材料を振動膜412上に塗布し、下部電極414の際と同様、レジストパターンを形成してエッチング等によりパターニングする。
以上により、図8(B)に示すように、振動膜412上に、下部電極414、圧電体層415、及び上部電極416からなる圧電素子413が形成される。なお、本実施形態では、能動部413Aの厚み寸法が1.3μm程度となる。

0047

また、圧電素子413の形成後、振動膜412及び圧電素子413を覆う絶縁層417を保護膜として形成する。なお、下部電極端子414P及び上部電極端子416P上は、エッチング等により絶縁層417を除去しておく。

0048

この後、振動膜412上(絶縁層417上)に、抑制部43を形成する。
抑制部43の形成では、図8(C)のように、例えば光感光性の樹脂材料(フォトレジスト)をスピンコートやスパッタリング等により振動膜412上に塗布する。そして、振動膜412上に、各能動部413A間にX方向に沿ったマスクパターンを形成し、マスク以外の領域をフォトリソグラフィにより除去する。これにより、図8(D)に示すように、樹脂材料により構成された抑制部43が、振動膜412上に形成される。

0049

次に、接合工程S4を実施する。接合工程S4では、例えば加熱されたホットプレート(図示略)上に、振動膜412が上(ホットプレートとは反対側)となるように基板411を載置する。さらに、振動膜412上に対して封止板42を載置し、封止板42を基板411側に所定圧力押圧する。これにより、樹脂材料である抑制部43が軟化し、図8(E)に示すように、抑制部43の振動膜412とは反対側の端部が封止板42に加熱接合(溶融接合)される。なお、接合された状態で抑制部43のZ方向に沿う厚み寸法は、例えば1.5μm程度であり、Y方向の幅寸法に比べて十分に大きい。したがって、例えば生体用の超音波センサー22等では、通常の圧力を加えても抑制部43が変形したり潰されたりすることが無く、振動膜412の変形等を抑制できる。

0050

また、本実施形態では、振動膜412上にフォトリソグラフィにより、樹脂材料の抑制部43を形成する。このような場合、例えば封止板42側に抑制部43を設ける場合に比べて、抑制部43の位置精度を向上させることができる。
つまり、封止板42に抑制部43を設け、その先端を振動膜412に接合する場合、抑制部43が圧電素子413の能動部413Aの中間位置に位置するように、アライメント調整を行う必要がある。抑制部43が能動部413Aに接触すると、能動部413Aの駆動効率を低下させるため、超音波送信処理では、超音波の音圧低下が起こり、また、超音波受信処理では、受信感度が低下してしまう。また、抑制部43が能動部413Aに接触していなくても、その位置がずれると、振動領域Ar2の形状やサイズにずれが生じ、所望の周波数の超音波の送受信が困難となり、能動部413Aの駆動効率が低下し、超音波送受信における効率も低下する。
これに対して、本実施形態では、上述のようにフォトリソグラフィにより振動膜412上に抑制部43をパターニングするので、能動部413Aや振動領域Ar2に対して最適な位置に抑制部43を形成できる。つまり、精度の高い超音波センサー22を形成でき、煩雑なアライメント調整が不要となるので、製造効率性を向上させることができる。

0051

さらに、樹脂材料からなる抑制部43では、上記のように、加熱接合によって容易に封止板42に接合することができる。封止板42の一部を突出させて抑制部43とする場合や、金属材料等により抑制部43を形成する場合では、別途接着剤等を塗布して振動膜412に接合する必要があり、接合工程における手間が増大する。また、上述のようなアライメント調整の煩雑さに加え、接着剤が能動部413Aに付着するおそれもある。これに対して、本実施形態では、簡便に封止板42と振動膜412とを接合することができる。

0052

このように、基部41に封止板42を接合した後、開口部形成工程S5を行う。開口部形成工程S5では、基板411の振動膜412とは反対側の面から、例えばエッチング等により、図8(F)に示すように、開口部411Aを形成する。具体的には、開口部411Aの形成領域以外にマスクを形成し、振動膜412のSiO2層をエッチングストッパーとして開口部411Aを形成する。開口部411Aを形成した後に抑制部43と封止板42とを接合する場合、封止板42を基部41側に押圧した際に振動膜412が変形する。これに対して、本実施形態では、封止板42を振動膜412に接合した後、開口部411Aを形成するので、抑制部43による押圧による振動膜412の変形を抑制できる。
この後、基板411の開口部411A内に音響整合層44を充填し、更に、音響レンズ45を接合して、図5等に示すような超音波センサー22が製造される。

0053

[本実施形態の作用効果
本実施形態の超音波測定装置1は、超音波の送受信を行う超音波センサー22が筐体21内に配置された超音波プローブ2と、超音波センサー22を制御する制御装置10と、を備える。超音波センサー22は、開口部411Aを有する基板411と、開口部411Aを閉塞する振動膜412と、振動膜412に設けられた圧電素子413と、振動膜412に対向する対向面421が平坦面であり、振動膜412を支持する封止板42とを備える。そして、圧電素子413(能動部413A)は、平面視において開口部411Aと重なる位置に複数設けられ、隣り合う能動部413Aの間に、振動膜412の振動の伝達を抑制する樹脂材料により構成された抑制部43が設けられている。

0054

このような構成では、振動膜412が隔壁411B及び抑制部43によって複数の振動領域Ar2に分割され、各振動領域Ar2の中心に圧電素子413の能動部413Aが位置することになる。よって、開口部411Aが大きい場合でも、各振動領域Ar2のアスペクト比を低アスペクト比にできる。
また、図6に示すように、各振動領域Ar2の振動の振動領域Ar2外(例えば隣り合う振動領域Ar2)への伝達が抑制部43により抑制され、各振動領域Ar2の能動部413Aが設けられる中心位置における膜厚方向のひずみ量が大きくなる。よって、超音波送信時には、高出力(大音圧)の超音波を出力でき、超音波受信時には、受信感度を向上させることができる(超音波送受信の効率が向上する)。
また、例えば1つの開口部411Aに対して1つの能動部413Aを配置する場合に比べ、開口部411Aのサイズを大きくできるので、開口部411Aの形成が容易であり、超音波センサー22の量産性を向上させることができる。
さらに、このような樹脂材料により構成された抑制部43は、例えばフォトリソグラフィ等によって容易に形成することができ、さらに、加熱接合によって容易に封止板42に接合することができる。このため、超音波センサー22の製造効率性を更に向上させることができ、量産性の更なる向上を図れる。

0055

本実施形態では、基板準備工程S1及び素子形成工程S2の後、抑制部形成工程において、感光性の樹脂材料による膜を振動膜412に形成して、フォトリソグラフィによりパターニングすることで抑制部43を形成するため、製造効率性をさらに向上させることができ、超音波センサー22の超音波送受信における効率も向上させることができる。
つまり、封止板側に設けられた突起部を抑制部として振動膜に接合する構成では、振動領域Ar2の中心位置に能動部413Aが位置するように、開口部411Aや能動部413Aに対して高精度に突起部の位置をアライメント調整する必要があり、製造効率性が低下する。また、突起部の位置がずれると、振動領域Ar2を所望位置に形成できず、膜厚方向に対するひずみ量が最大となる振動領域Ar2の中心と、能動部413Aとの位置がずれる。この場合、超音波送受信における効率が低下してしまう。
さらに、接着剤により突起部を接合する必要があるため、振動膜412に接着剤を転写する工程がさらに必要となる。この場合では、転写した接着剤が接合時に圧電素子413側にはみ出して接触するおそれがあり、圧電素子413の駆動を阻害するおそれもある。

0056

これに対して、本実施形態では、樹脂材料による抑制部43を、上記のような抑制部形成工程S3によりフォトリソグラフィにより形成し、接合工程S4において、加熱接合により抑制部43と封止板42とを接合する。この場合、上記のような接着剤を転写する工程やアライメント調整を行う工程を省略でき、その分、さらに製造効率性が向上する。また、フォトリソグラフィにより所望位置に高精度に抑制部43を形成できるので、振動領域Ar2を所望の位置に配置せしめることができ、超音波送受信の効率低下を抑制できる。

0057

[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。
上述した第一実施形態では、下部電極414及び上部電極416は、基板411の外周部に設けられた下部電極端子414P及び上部電極端子416Pまで引き延ばされて、当該下部電極端子414P及び上部電極端子416Pで、回路基板23に接続された。これに対して、第二実施形態では、下部電極414及び上部電極416が抑制部を介して回路基板23に接続される点で、上記第一実施形態と相違する。

0058

図9は、本実施形態の超音波センサー22の基部の概略構成を示す平面図である。図10(A)は、下部電極414に導通する抑制部43Aの長手方向に沿った超音波センサー22の概略断面図、図10(B)は、上部電極416に導通する抑制部43Aの長手方向に沿った超音波センサー22の概略断面図である。なお、以降の説明にあたり、既に説明した構成については同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。

0059

本実施形態の超音波センサー22は、図9に示すように、第一実施形態と同様、アレイ領域Ar1内に複数の圧電素子413の能動部413Aがマトリックス状に配置されており、Y方向に並ぶ圧電素子413は、Y方向に沿って連続する下部電極414により接続される。また、X方向に並ぶ圧電素子413は、X方向に沿って連続する上部電極416により接続される。なお、本実施形態では、図9に示すように、下部電極414同士は、端部位置において結線されておらず、下部電極端子414Pが設けられていない。同様に、上部電極416同士は端部位置において結線されておらず、上部電極端子416Pが設けられていない。

0060

そして、本実施形態では、抑制部43Aは、第一実施形態と同じ位置、つまり、隣り合う圧電素子413の能動部413A間で、X方向に延びて形成され、振動膜412と封止板42とを接合する。ここで、本実施形態の抑制部43Aは、導電性フィラーを配合した樹脂材料により構成されており、導電性を有する。

0061

また、本実施形態では、絶縁層417は、下部電極414(下部接続配線414B)の一部、及び上部電極416(共通配線416C)の一部に形成されていない。
すなわち、各ブロックBに対応して下部電極414を回路基板23に電気接続する抑制部43Aが設けられており、下部電極414の一部が当該抑制部43Aに接触することで回路基板23に電気接続される。また、上部電極416を回路基板23に電気接続する抑制部43Aが設けられており、上部電極416の一部が当該抑制部43Aに接触することで回路基板23に電気接続される。

0062

例えば、アレイ領域Ar1に配置される第1のブロックB1(図9参照)に含まれる圧電素子413の下部電極414(下部接続配線414B)は、第1の抑制部43A1が積層される部位において、絶縁層417が形成されていない下部電極導通部414C(図10(A)参照)を構成する。そして、下部電極414の下部電極導通部414C上に第1の抑制部43A1が形成されることで、第1のブロックB1の下部電極414と第1の抑制部43A1とが接触して電気接続される。
また、第1のブロックB1とは異なる位置の第2のブロックB2に含まれる圧電素子413の下部電極414(下部接続配線414B)は、第2の抑制部43A2が積層される部位において、絶縁層417が形成されず下部電極導通部414Cを構成する。そして、下部電極414の下部電極導通部414C上に第2の抑制部43A2が形成されることで、第2のブロックB2の下部電極414と第2の抑制部43A2とが接触して電気接続される。
他のブロックBにおいても同様であり、それぞれのブロックに対応して電気接続される抑制部43Aが存在する。

0063

また、本実施形態では、第一実施形態と同様に、アレイ領域Ar1に配置される各圧電素子413の上部電極416は、上部接続配線416B及び共通配線416Cにより互いに結線されている。そして、図10(B)に示すように、共通配線416Cは、上部電極416に対応した第3の抑制部43A3が積層される部位において、絶縁層417が形成されておらず、上部電極導通部416Dを構成する。そして、上部電極導通部416D上に第3の抑制部43A3が形成されることで、各上部電極416と第3の抑制部43A3とが接触して電気接続される。

0064

一方、封止板42は、図10に示すように、各抑制部43Aに対向する位置に、封止板42を厚み方向に貫通する少なくとも1つの貫通孔422を備えている。この貫通孔422には、貫通電極423が挿通されており、当該貫通電極423の一端に抑制部43Aが当接(接合)される。また、貫通電極423の他端は、例えば半田等の導電性部材により、回路基板23に設けられた基板端子部231に接続されている。

0065

ここで、貫通孔422及び貫通電極423の設けられる位置としては、下部電極414に導通する抑制部43A(例えば図9の抑制部43A1や抑制部43A2)では、下部電極導通部414Cが設けられる位置であることが好ましい。本実施形態では、3組の圧電素子群により1chのブロックBが構成され、1つの抑制部43Bに対してX方向に並ぶ3つの下部電極導通部414Cが設けられる。この場合、図9及び図10(A)に示すように、中央の下部電極導通部414Cに対向する位置(平面視において重なる位置)に貫通電極423を設けることが好ましい。なお、3つの下部電極導通部414Cのそれぞれに対向した3つの貫通電極423が設けられてもよい。

0066

また、上部電極416に導通する抑制部43A(43A3)においても同様であり、上部電極導通部416Dが設けられる位置であることが好ましい。例えば、本実施形態では、図9に示すように、アレイ領域Ar1の中心の共通配線416Cの上部電極導通部416Dに対向する位置(平面視において重なる位置)に貫通電極423が設けられている。なお、各上部電極導通部416Dのそれぞれに対向して複数の貫通電極423が設けられてもよい。

0067

[本実施形態の作用効果]
本実施形態の超音波センサー22では、抑制部43Aは、導電性フィラーを含む樹脂材料により構成されている。そして、抑制部43Aは、隣り合う能動部413A間で、X方向に沿って長手に設けられ、各能動部413Aに接続される下部電極414の下部電極導通部414C、又は上部電極416の上部電極導通部416D上に接続される。
このような構成では、例えば第一実施形態のように、下部電極414や上部電極416を、基板411の外周部の下部電極端子414Pや上部電極端子416Pまで引き出す必要がなく、抑制部43Aを介して回路基板23に電気接続することができる。したがって、配線構成の簡略化を図れるとともに、各能動部413Aに信号を入力する際に、能動部413Aに近い位置に信号を入力できるので、電圧降下の影響を抑制できる。したがって、超音波センサー22の超音波送受信の効率を向上させることができる。

0068

また、本実施形態では、封止板42は、板厚み方向に貫通した貫通電極423を備え、抑制部43Aが貫通電極423上に接合されることで電気接続されている。つまり、貫通電極423の振動膜412側の面を配線部として、抑制部43Aが配線部に接続されている。このような構成では、抑制部43Aに対して別途リード線やFPC等を接続する必要がなく、抑制部43Aを封止板42に接合するだけで、抑制部43Aを介して下部電極414や上部電極416と、貫通電極423と、を電気接続することができる。

0069

さらに、本実施形態では、貫通電極423の振動膜412とは反対側の他端部が、封止板42の基部41とは反対側に配置された回路基板23の端子部に電気接続される。これにより、FPC等を用いることなく、容易に各圧電素子413を回路基板23に電気的に接続することができる。

0070

[変形例]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。

0071

上記第一実施形態において、3組の圧電素子群により1チャネルのブロックBが構成される例を示したが、これに限定されない。例えば、1組の圧電素子群により1チャネルのブロックBが構成されてもよく、2組や4組以上の圧電素子群により1チャネルのブロックBが構成されてもよい。さらに、各圧電素子413の下部電極414がそれぞれ独立した端子部を有し、それぞれ独立して駆動させる構成としてもよい。さらに、X方向に沿って複数のブロックBが配置される構成を例示するが、Y方向に沿って複数のブロックBが配置される構成、X方向及びY方向に沿って、複数のブロックBがマトリックス状に配置される構成などとしてもよい。

0072

また、上記実施形態において、平面視において、1つの開口部411Aと重なる位置にY方向に沿って並ぶ全ての能動部413Aが含まれるように、開口部411A及び圧電素子413を形成したが、これに限定されない。
例えば、Y方向に長手となる開口部411Aを、Y方向に沿ってn個配置し、各開口部411Aと重なる領域にm個の能動部413AがY方向に並んで配置される構成としてもよい。この場合、Y方向に並ぶn×m個の圧電素子413が下部電極414により接続されて1組の圧電素子群を形成する。

0073

上記実施形態において、能動部413A及び開口部411Aは、平面視において長方形正方形を含む)であることを前提にしていたが、能動部413Aの形状は、長方形でなくてもよい。能動部413Aの形状は、完全な長方形でなくてもよい。たとえば、角に丸みがあったり、辺が多少凹凸していたりするものの、おおむね長方形に見えるような形状であってもよく、また、長方形以外の四角形多角形円形、あるいは楕円形でも構わない。

0074

上記実施形態において、抑制部43,43Aは、隣り合う振動領域Ar2(能動部413A)間に隔壁411Bが存在しない箇所にのみ設けられており、隔壁411Bが存在している箇所には設けられていない。しかし、隔壁411Bが位置する箇所にも抑制部43,43Aを設ける構成としてもよい。例えば、開口部411AのX方向に沿った縁部(±Y側端部の辺)や、Y方向に沿った縁部(±X側端部の辺)に沿って抑制部43,43Aが設けられてもよい。
さらに、上記実施形態では、開口部411AがY方向に長手となり、当該開口部411A内にY方向に並ぶ複数の能動部413Aが配置される例を示したが、開口部411A内に、Y方向及びX方向に沿ったマトリックス状に配置された能動部413Aが設けられてもよい。この場合、X方向に沿って隣り合う能動部413A間にも抑制部43を配置する。これにより、各能動部413Aのそれぞれに対応した振動領域Ar2を形成することができる。

0075

第二実施形態において、封止板42に貫通電極423が設けられる例を示したが、封止板42の基板表面に、抑制部43Aに当接する(封止板42を貫通していない)配線部が設けられる構成などとしてもよい。この場合、封止板42Aの表面上に配線端子部に接続された回路パターンを形成し、その一部を回路基板23に接続すればよい。

0076

上記各実施形態において、X方向に沿って基部41の両端部間に亘って連続する抑制部43,43Aを例示したが、これに限定されない。
図11は、一変形例における基板の概略構成を示す図である。
例えば、図11に示すように、平面視において、1つのブロックBのX方向の両端部間に亘って抑制部43A(又は抑制部43)が設けられる構成としてもよい。なお、図11においては、ブロックB単位で、抑制部43を設ける例を示すが、開口部411A単位で抑制部43A(又は抑制部43)を設けてもよい。
また、これらの構成では、隣り合うブロックBとの間で、共通配線416C上に、Y方向に沿って長手となる接合部46を設けてもよい。接合部46としては、例えば、抑制部43A(又は抑制部43)と同じ樹脂材料に構成することができ、抑制部43と同時に形成する。この場合、抑制部43AによりX方向に沿って封止板42と基部41とを接合でき、接合部46によりY方向に沿って封止板42と基部41とを接合できるので、接合強度をより高めることができる。

0077

また、第二実施形態に対して、図11に示すような抑制部43Aや接合部46を形成する構成としてもよい。この場合、能動部413A同士を接続する各下部接続配線414Bを下部電極導通部414Cとすることができる。例えば、図11に示すように、第1のブロックB1内に存在する全ての抑制部43Aは、当該第1のブロックB1の下部電極414に導通する第1の抑制部43A1となる。また、第2のブロックB2内に存在する全ての抑制部43Aは、当該第2のブロックB2の下部電極414に導通する第2の抑制部43A2となる。この場合、各能動部413Aにより近い位置で、信号の入出力が可能となり、電圧降下による影響をより抑制することができる。
また、上部電極416に対しては、接合部46を、導電性フィラーを含む樹脂材料により構成し、上部接続配線416Bと共通配線416Cとの各交点位置に上部電極導通部416Dを設ければよい。また、接合部46を、Y方向に並ぶ全ての上部電極416に跨って形成する場合では、共通配線416Cが形成されなくてもよく、導電性を有する接合部46により各上部電極416が接続される。

0078

上記実施形態では、振動素子として、振動膜412の厚み方向に下部電極414、圧電体層415、及び上部電極416を積層した圧電素子413を例示したが、これに限定されない。例えば、圧電体層の厚み方向に直交する一面側に、一対の電極を互いに対向させて配置する構成などとしてもよい。また、圧電体層の厚み方向に沿った側面で圧電膜を挟み込むように電極を配置してもよい。
また、圧電体層を用いず、振動膜412上に設けられた第一電極と、第一電極とエアギャップを介して対向する、第二電極(例えば封止板42に配置)とを備え、静電力により振動膜412を振動させたり、振動膜412の振動を検出したりする振動素子を用いてもよい。

0079

上記各実施形態では、超音波装置である超音波測定装置1の超音波プローブ2に設けられた超音波センサー22(超音波トランスデューサー)を例示したが、これに限定されない。振動膜の所定の振動領域を振動させる如何なる振動装置に対しても適用できる。例えば、マイクロフォンスピーカー等に用いられる振動板(振動膜)の所望の振動領域を振動させる際に、振動膜の膜厚方向における一方側の面を基板の開口部の隔壁により支持し、他方の面を抑制部により封止板に接合することで、所望の振動領域を形成するものであってもよい。

0080

超音波測定装置1として、生体の内部断層構造を測定するための構成を例示したが、その他、例えばコンクリート建築物等のコンクリート部構造検査するための測定機等として用いることもできる。
また、超音波センサー22を備えた超音波測定装置1を例示したが、その他の超音波装置に対しても適用できる。例えば、超音波を洗浄対象に対して送出して洗浄する超音波トランスデューサーを備えた超音波洗浄機等に用いることができる。

0081

その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造などに適宜変更してもよい。

0082

1…超音波測定装置(超音波装置)、2…超音波プローブ、10…制御装置(制御部)、21…筐体、22…超音波センサー(超音波トランスデューサー)、23…回路基板、41…基部、42,42A…封止板、43,43A…抑制部、231…基板端子部、232…選択回路、233…送信回路、234…受信回路、411…基板、411A…開口部、411B…隔壁、412…振動膜、413…圧電素子、413A…能動部、414…下部電極、414A…下部電極本体部、414B…下部接続配線、414C…下部電極導通部、415…圧電体層、416…上部電極、416A…上部電極本体部、416B…上部接続配線、416C…共通配線、416D…上部電極導通部、421…対向面、422…貫通孔、423…貫通電極、Ar1…アレイ領域、Ar2…振動領域、S…空間、S1…基板準備工程、S2…素子形成工程、S3…抑制部形成工程、S4…接合工程、S5…開口部形成工程。

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