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技術 手袋及び該手袋の製造方法

出願人 有限会社中田久吉商店
発明者 中田久志
出願日 2016年9月2日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-172293
公開日 2017年8月10日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2017-137611
状態 特許登録済
技術分野 手袋
主要キーワード 周縁突起 二つ折り形状 シート部材間 引き千切り プレスシリンダー 融着シート 立体形 湾曲形
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月10日)のものです。
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図面 (20)

課題

安価でフィット性に優れた手袋及び該手袋を効率的に製造可能な製造方法を提供すること。

解決手段

複数枚シート部材間に配された融着材を有する固着部を備え、該固着部で複数枚のシート部材を固着されてなる手袋であって、複数枚のシート部材は、手袋1における親指部10を含む掌側を構成し、手袋1の挿入口11側に向かって延在する掌側シート部材2と、手袋1における親指部10以外の手の甲側を構成し、挿入口11側に向かって延在する甲側シート部材3と、手袋1における手の甲側の親指部10及び親指部10から連続したマチを構成し、挿入口11側に向かって延在する親指側マチシート部材4とを備えている。

概要

背景

従来、針や糸を用いて縫製する替わりに、シート部材等の生地の端部を熱融着等により固着して製造される無縫の手袋が知られている(特許文献1参照)。

例えば、特許文献1には、重合した2枚のプラスチックフィルムを、手袋の輪郭形状に沿って熱癒着すると共に裁断することにより製造された手袋が記載されている。このような手袋は、例えば、針や糸を用いてミシンにより縫製して製造される手袋に比して、短時間での大量生産が容易であり、製造コストを抑えることができる。

概要

安価でフィット性に優れた手袋及び該手袋を効率的に製造可能な製造方法を提供すること。複数枚シート部材間に配された融着材を有する固着部を備え、該固着部で複数枚のシート部材を固着されてなる手袋であって、複数枚のシート部材は、手袋1における親指部10を含む掌側を構成し、手袋1の挿入口11側に向かって延在する掌側シート部材2と、手袋1における親指部10以外の手の甲側を構成し、挿入口11側に向かって延在する甲側シート部材3と、手袋1における手の甲側の親指部10及び親指部10から連続したマチを構成し、挿入口11側に向かって延在する親指側マチシート部材4とを備えている。

目的

本発明は、複数枚のシート部材間に配された融着材を有する固着部を備え、該固着部で複数枚の前記シート部材を固着されてなる手袋であって、前記複数枚のシート部材は、前記手袋における親指部を含む掌側を構成し、該手袋の手の挿入口側に延在する掌側シート部材と、前記手袋における前記親指部以外の手の甲側を構成し、前記挿入口側に延在する甲側シート部材と、前記手袋の手の甲側における前記親指部及び該親指部から連続した親指側マチを構成し、前記挿入口側に延在する親指側マチシート部材と、を備えた手袋を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数枚シート部材間に配された融着材を有する固着部を備え、該固着部で複数枚の前記シート部材を固着されてなる手袋であって、前記複数枚のシート部材は、前記手袋における親指部を含む掌側を構成し、該手袋の手の挿入口側に向かって延在する掌側シート部材と、前記手袋における前記親指部以外の手の甲側を構成し、前記挿入口側に向かって延在する甲側シート部材と、前記手袋の手の甲側における前記親指部及び該親指部から連続した親指側マチを構成し、前記挿入口側に向かって延在する親指側マチシート部材と、を備えた手袋。

請求項2

前記固着部は、前記甲側シート部材と前記親指側マチシート部材とを手の甲側で固着してなる甲側固着ラインを有し、前記甲側固着ラインは、該手袋の平面視において、該手袋における前記親指部の内側よりも内側から前記挿入口側に向けて形成されている請求項1に記載の手袋。

請求項3

前記甲側固着ラインは、該手袋の平面視において、前記親指部の内側の付け根から前記挿入口側に向けて形成されている請求項2に記載の手袋。

請求項4

前記甲側固着ラインは、該手袋の平面視において、前記親指部側に位置する一方の外側縁から離れるように、前記挿入口側に向けて形成されている請求項2又は3に記載の手袋。

請求項5

前記固着部は、前記掌側シート部材と前記親指側マチシート部材とを掌側で固着してなる掌側固着ラインを有し、前記掌側固着ラインは、該手袋の平面視において、前記親指部の外側の付け根から前記挿入口側に向けて形成されている請求項1〜4の何れか1項に記載の手袋。

請求項6

前記掌側固着ラインは、該手袋の平面視において、前記親指部側に位置する一方の外側縁から離れるように、前記挿入口側に向けて形成されている請求項5に記載の手袋。

請求項7

前記固着部は、前記甲側シート部材と前記掌側シート部材とを、該手袋の平面視における前記親指部側に位置する一方の外側縁と反対側に位置する他方の外側縁で固着する外側縁固着ラインを有し、前記外側縁固着ラインは、該手袋の平面視において、該手袋の内側に向けて凸状に湾曲形成されている請求項1〜6の何れか1項に記載の手袋。

請求項8

前記固着部は、該手袋の内面側に配されている請求項1〜7の何れか1項に記載の手袋。

請求項9

請求項1〜8の何れか1項に記載の手袋の製造方法であって、前記掌側シート部材の原反と前記甲側シート部材の原反との間に、二つ折りした前記親指側マチシート部材の原反を積層配置させた積層体を形成する積層体形成工程を備える手袋の製造方法。

請求項10

前記手袋の輪郭形状に倣って形成され、加熱及び通電可能な金型シール部材を前記手袋の輪郭形状に倣って形成されたカッター刃の内側に配した手袋金型で、該手袋金型の前記親指部の内側の付け根に相当する部分から前記挿入口に相当する部分に向かう線上に、前記積層体における前記親指側マチシート部材の折り目を配置して前記積層体をシール及びカットし、前記掌側シール部材と前記二つ折りした一方の親指側マチシート部材、及び前記甲側シート部材と前記二つ折りした他方の親指側マチシート部材により形成される、一対の前記親指部を有する前記手袋の前駆体を形成するシール・カット工程を備える請求項9に記載の手袋の製造方法。

請求項11

前記手袋の輪郭形状に倣って形成され、加熱されたカッター刃で、該カッター刃における前記親指部の内側の付け根に相当する部分から前記挿入口に相当する部分に向かう線上に、前記積層体における前記親指側マチシート部材の折り目を配置し、前記積層体を前記輪郭形状にカットしつつ外周縁をシールし、前記掌側シート部材と二つ折りした一方の前記親指側マチシート部材、及び前記甲側シート部材と二つ折りした他方の前記親指側マチシート部材により形成される一対の前記親指部を有する前記手袋の前駆体を形成するシール・カット工程を備える請求項9に記載の手袋の製造方法。

請求項12

前記手袋の輪郭形状に倣って形成されたカッター刃で、該カッター刃における前記親指部の内側の付け根に相当する部分から前記挿入口に相当する部分に向かう線上に、前記積層体における前記親指側マチシート部材の折り目を配置し、前記積層体を前記輪郭形状にカットする輪郭カット工程と、前記輪郭カット工程の後、前記カッター刃の輪郭形状の内縁に倣って形成され、加熱及び通電可能な金型シール部材で、前記輪郭カット工程でカットされた前記積層体の前記輪郭形状に倣わせて該積層体の外周縁を固着させ、前記掌側シート部材と二つ折りした一方の前記親指側マチシート部材、及び前記甲側シート部材と二つ折りした他方の前記親指側マチシート部材により形成される、一対の前記親指部を有する前記手袋の前駆体を形成するシール工程と、を備える請求項9に記載の手袋の製造方法。

請求項13

前記手袋の輪郭形状に倣って形成され、加熱及び通電可能な金型シール部材で、該金型シール部材における前記親指部の内側の付け根に相当する部分から前記挿入口に相当する部分に向かう線上に、前記積層体における前記親指側マチシート部材の折り目を配置し、前記積層体を前記輪郭形状にシールするシール工程と、前記シール工程の後、前記金型シール部材の前記輪郭形状の外縁に倣って形成されたカッター刃で、前記シール工程でシールされた前記積層体のシール形状の外縁に倣わせて前記積層体を前記輪郭形状にカットし、前記掌側シート部材と二つ折りした一方の前記親指側マチシート部材、及び前記甲側シート部材と前記二つ折りした他方の前記親指側マチシート部材により形成される、一対の前記少なくとも1つの指部を有する前記手袋の前駆体を形成する輪郭カット工程と、を備える請求項9に記載の手袋の製造方法。

請求項14

前記前駆体の有する一対の前記親指部の一方をカットする親指部カット工程を備えた請求項10〜13の何れか1項に記載の手袋の製造方法。

請求項15

前記掌側シート部材、前記甲側シート部材及び前記親指側マチシート部材は、前記融着材を有する融着層と前記融着材を有さない非融着層とを備えた2層構造のシート部材により構成されており、前記積層体形成工程は、前記掌側シート部材の前記融着層と前記甲側シート部材の前記融着層とを対向配置させると共に、外側に前記融着層が位置するように二つ折りした前記親指側マチシート部材を、前記掌側シート部材と前記甲側シート部材との間に積層配置させた前記積層体を形成する請求項9〜14の何れか1項に記載の手袋の製造方法。

請求項16

前記甲側シート部材及び前記掌側シート部材は、少なくとも融着層を備えたシート部材により形成され、前記親指側マチシート部材は、前記融着材を備えた1層構造のシート部材により構成されており、前記積層体形成工程は、二つ折りにより対面した前記親指側マチシート部材の前記融着材どうしの間に、前記融着材を有さない別シート部材を介在させる請求項9〜14の何れか1項に記載の手袋の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、針や糸を用いて縫製されていない無縫の手袋及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、針や糸を用いて縫製する替わりに、シート部材等の生地の端部を熱融着等により固着して製造される無縫の手袋が知られている(特許文献1参照)。

0003

例えば、特許文献1には、重合した2枚のプラスチックフィルムを、手袋の輪郭形状に沿って熱癒着すると共に裁断することにより製造された手袋が記載されている。このような手袋は、例えば、針や糸を用いてミシンにより縫製して製造される手袋に比して、短時間での大量生産が容易であり、製造コストを抑えることができる。

先行技術

0004

特開2007—169822号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に記載の手袋のように、例えば、重合した2枚のプラスチックフィルムを熱融着して接合した手袋は、平面構造であることからフィット性に劣り、外れやすいという問題がある。これに対しては、例えば手袋の手首部分等に弾性部材を配することで外れやすさは解消することができるが、弾性部材を配することで構成部材が増え、製造コストが上がるという問題がある。また、例えば手袋を立体構造にしてフィット性を向上させようとすると、形状が複雑になることから製造工程が増え、製造コストが上がってしまうという問題があった。

0006

したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る無縫の手袋に関する。また、本発明は、無縫の手袋を効率的に製造可能な製造方法に関する。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、複数枚シート部材間に配された融着材を有する固着部を備え、該固着部で複数枚の前記シート部材を固着されてなる手袋であって、前記複数枚のシート部材は、前記手袋における親指部を含む掌側を構成し、該手袋の手の挿入口側に延在する掌側シート部材と、前記手袋における前記親指部以外の手の甲側を構成し、前記挿入口側に延在する甲側シート部材と、前記手袋の手の甲側における前記親指部及び該親指部から連続した親指側マチを構成し、前記挿入口側に延在する親指側マチシート部材と、を備えた手袋を提供するものである。

0008

本発明は、前記手袋の製造方法であって、前記掌側シート部材の原反と前記甲側シート部材の原反との間に、二つ折りした前記親指側マチシート部材の原反を積層配置させた積層体を形成する積層体形成工程を備える手袋の製造方法を提供するものである。

発明の効果

0009

本発明によれば、安価でフィット性に優れた手袋を提供することができる。また、本発明によれば、安価でフィット性に優れた手袋を効率的に製造可能な製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本発明の第1実施形態に係る手袋の装着状態を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る手袋の親指側マチを広げた状態の平面図であり、(a)は手の甲側を示す平面図であり、(b)は掌側を示す平面図である。
図3(a)は、図2(a)に示すIIIa−IIIa矢視断面図であり、図3(b)は図2(a)に示すIIIb−IIIb矢視断面図である。
図4は、第1実施形態に係る手袋の前駆体の製造装置の概略正面図である。
図5は、図4に示す製造装置にカットされる積層体の積層状態を示す斜視図である。
図6は、図5に示す積層体に対する手袋金型の相対位置を示す平面図である。
図7は、図5に示す第1実施形態に係る積層体の断面を模式的に示す図である。
図8は、手袋金型にシール及びカットされる積層体の2枚部分の断面図であり、(a)はシール及びカット前の断面を示し、(b)はシール及びカット中の断面を示し、(c)はシール及びカット後の断面を示している。
図9は、手袋金型にシール及びカットされる積層体の4枚部分の断面図であり、(a)はシール及びカット前の断面を示し、(b)はシール及びカット中の断面を示し、(c)はシール及びカット後の断面を示している。
図10は、図4に示す製造装置によりシール及びカットされた手袋の前駆体を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXb−Xb断面図であり、(c)は(a)のXc−Xc断面図である。
図11は、図10に示す前駆体の一対の親指部をカットする親指カット工程を説明する図であり、(a)は親指部のカット前の前駆体を示す平面図であり、(b)は親指部10をカットした後の手袋を示す平面図である。
図12は、第2実施形態に係る積層体の断面を模式的に示す図である。
図13は、手袋金型にシール及びカットされる第2実施形態に係る積層体の5枚部分の断面図であり、(a)はシール及びカット前の断面を示し、(b)はシール及びカット中の断面を示し、(c)はシール及びカット後の断面を示している。
図14は、第3実施形態に係る積層体の断面を模式的に示す図である。
図15は、第4実施形態に係る積層体の断面を模式的に示す図である。
図16は、第5実施形態に係る手袋の親指側マチを広げた状態の平面図であり、(a)は手の甲側を示す平面図であり、(b)は掌側を示す平面図である。
図17は、第5実施形態に係る手袋の親指側マチを折り畳んだ状態の平面図であり、(a)は手の甲側を示す平面図であり、(b)は掌側を示す平面図である。
図18(a)は、図17(a)に示すA−A矢視断面図であり、図18(b)は図17(a)に示すB−B矢視断面図である。
図19は、第5実施形態に係る手袋の前駆体の製造装置の概略正面図である。
図20は、第5実施形態に係る手袋の製造方法における積層体の積層状態を示す斜視図である。
図21は、図20に示す積層体に対する手袋金型の相対位置を示す平面図である。
図22は、図20に示す第5実施形態に係る積層体の断面を模式的に示す図である。
図23は、手袋金型にシール及びカットされる第5実施形態に係る積層体の2枚部分の断面図であり、(a)はシール及びカット前の断面を示し、(b)はシール及びカット中の断面を示し、(c)はシール及びカット後の断面を示している。
図24は、手袋金型にシール及びカットされる第5実施形態に係る積層体の5枚部分の断面図であり、(a)はシール及びカット前の断面を示し、(b)はシール及びカット中の断面を示し、(c)はシール及びカット後の断面を示している。
図25は、第5実施形態に係る手袋の前駆体の他の製造装置を模式的に示す斜視図である。
図26(a)は、第6実施形態に係る手袋の親指側マチを折り畳んだ状態の装着前の平面図であり、図26(a)は、図26(a)に示すC−C矢視断面図であり、図26(b)は図26(a)に示すD−D矢視断面図である。
図27は、図26に示す第6実施形態に係る積層体の断面を模式的に示す図である。
図28は、手袋金型にシール及びカットされる積層体の2枚部分の断面図であり、(a)はシール及びカット前の断面を示し、(b)はシール及びカット中の断面を示し、(c)はシール及びカット後の断面を示している。
図29は、手袋金型にシール及びカットされる積層体の4枚部分の断面図であり、(a)はシール及びカット前の断面を示し、(b)はシール及びカット中の断面を示し、(c)はシール及びカット後の断面を示している。

実施例

0011

以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明は、複数枚のシート部材間に配された融着材を有する固着部を備え、該固着部で複数枚のシート部材を固着されてなる手袋である。
本実施形態では、手袋は、複数枚のシート部材間に配された融着材を有する固着部を備え、複数枚のシート部材を固着部で固着されてなる、所謂、無縫の手袋である。なお、無縫の手袋とは、例えばミシンにより糸及び針を用いて縫製する方法を一切採らずに、超音波融着高周波融着、或いは熱融着により固着する方法により製造された手袋を意味する。
また、本実施形態では、手袋は、複数枚のシート部材として、手袋における親指部を含む掌側を構成し、手袋の手の挿入口側に向かって延在する掌側シート部材と、手袋における親指部以外の手の甲側を構成し、挿入口側に向かって延在する甲側シート部材と、手袋の手の甲側における親指部及び親指部から連続した親指側マチを構成し、挿入口側に向かって延在する親指側マチシート部材と、を備えている。以下、本発明の実施形態に係る手袋について、具体的に説明する。

0012

<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る手袋1について、図1図11を参照しながら説明する。
まず、第1実施形態に係る手袋1の概略構成について、図1図3を参照しながら説明する。図1には、第1実施形態に係る手袋1の装着状態の斜視図が示されている。図2(a)には、第1実施形態に係る手袋1の親指側マチを折り畳んだ状態の甲側の平面図が示され、図2(b)には掌側の平面図が示されている。図3(a)には、図2(a)に示すIIIa−IIIa矢視断面図が示されており、図3(b)には、図2(a)に示すIIIb−IIIb矢視断面図が示されている。

0013

図1に示すように、第1実施形態に係る手袋1は、装着者の5本の指を収容する指袋がそれぞれ独立した形態の手袋であり、装着者の手首を超えた前腕まで収容可能なロングタイプとなっている。

0014

また手袋1は、親指部10を含む掌側を構成し、手袋1の手の挿入口11側に向かって延在する掌側シート部材2と、親指部10以外の甲側を構成し、挿入口11側に向かって延在する甲側シート部材3と、掌側シート部材2と甲側シート部材3との間で、甲側の親指部10及び親指部10から連続する親指側マチを構成し、挿入口11側に向かって延在する親指側マチシート部材4と、を備えて構成されている。

0015

即ち、掌側シート部材2は、親指部10における掌側と、親指部10を除く他の4本の指袋における掌側とを構成し、挿入口11側に向かって延びている。甲側シート部材3は、親指部10を除く他の4本の指袋における甲側を構成し、挿入口11側に向かって延びている。そして、親指側マチシート部材4は、掌側シート部材2と甲側シート部材3との間で、親指側マチを構成する部材であり、親指部10における甲側を構成し、挿入口11側に向かって延びている。

0016

このように手袋1は、3枚のシート部材から構成されており、所謂、立体形状に形成されている。具体的には、手袋1は、掌側シート部材2と甲側シート部材3との間に親指側マチシート部材4を配することで立体的に形成され、親指部10の甲側を挿入口11側に向けて延在する親指側マチシート部材4により形成することで、親指部10の掌側への動きの自由度を向上させている。特に親指部10は、掌側への動きの方向が他の4本指部12とは異なるので、親指部10を親指側マチシート部材4により形成することで、例えば、親指部10を掌側に折り曲げた際に、甲側に対する親指部10からの引張りが軽減され、他の4本指部12の動きへの干渉を少なくすることができるようになっている。

0017

第1実施形態においては、手袋1は、図2(a)に示すように、甲側の平面視において、甲側シート部材3が80%以上の領域を占めていることが好ましく、掌側の平面視においては、図2(b)に示すように、掌側シート部材2が90%以上の領域を占めていることが好ましい。

0018

掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4は、同じシート部材により形成されている。第1実施形態においては、図3(a)及び図3(b)に示すように、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4は、融着材を有する融着層21,31,41と、融着材を有さない非融着層22,32,42とを有する2層構造のシート部材により形成されている。なお、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4を形成する2層構造のシート部材の構成材料については、後に詳しく説明する。
手袋1は、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4の融着層21,31,41の所定箇所を加熱することで、該加熱された部分の融着層21,31,41が溶融され、溶融した融着層21,31,41同士が固着してなる固着部13により接合されている。即ち手袋1は、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4が固着部13で固着された構成となっている。

0019

図3(a)及び図3(b)に示すように、第1実施形態においては、固着部13は手袋1の内面側に配されている。第1実施形態に係る手袋1は、後述する製造方法において手袋1が形成された後に裏返され、固着部13を内側に位置させている。固着部13を内側に位置させることで、例えば、固着部13が手袋1の表面に露出されなくなり、手袋1の美観を損ねることが防止される。また、固着部13を含む周縁突起部14を内側に位置させることで、例えば指先を使う細かな作業をする際等に、固着部13を含む周縁突起部14が作業の邪魔になることが防止される。
固着部13を含む周縁突起部14の幅W1は、直接肌に触れた際の肌触りが良好となる観点から、0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上2mm以下であることが更に好ましい。また周縁突起部14とは、固着部13を含む外方に突出した突出部分であり、周縁突起部14の幅W1とは、固着部13を含む突起部分の外方に向けた長さを意味する。

0020

図2(a)に示すように、固着部13は、甲側シート部材3と親指側マチシート部材4とを固着してなる甲側固着ライン50を有している。第1実施形態では手袋1は、後述する製造方法で裏返されることから、甲側固着ライン50は、固着部13の裏側、即ち、手袋1の表面に形成されることになる。

0021

甲側固着ライン50は、手袋1の手の甲側に配されており、平面視において、親指部10の内側よりも内側から挿入口11側に向かって形成されている。親指部10の内側よりも内側としては、例えば、装着者の人差し指を挿入する人差し指部の、親指部10側と反対側の付け根よりも内側から挿入口11側に向かって形成されていてもよい。甲側固着ライン50が、親指部10の内側よりも内側から挿入口11側に向かって形成されることで、手袋1における甲側の親指側マチシート部材4を大きくとることが可能になり、手袋1をより立体的に構成することができる。

0022

第1実施形態では、甲側固着ライン50は、平面視において、親指部10の内側の付け根15から挿入口11側に向かって形成されている。また甲側固着ライン50は、挿入口11まで延在しており、第1実施形態では、甲側固着ライン50の端部が挿入口11の幅方向の略中央部に位置している。甲側固着ライン50を、平面視において、親指部10の内側の付け根15から挿入口11側に向かって形成することで、例えば、装着者が手袋1を装着した際に、装着者が親指を動かしやすくなる。

0023

さらに、甲側固着ライン50は、平面視において、手袋1における親指部10側の一方の外側縁(以下、単に「一方の外側縁」ともいう)16aから離れるように、挿入口11側に向かって形成されている。第1実施形態では、甲側固着ライン50は、挿入口11まで直線状に形成されている。つまり、甲側固着ライン50は、平面視において、親指部10の内側の付け根15から挿入口11まで、一方の外側縁16aから離れるように直線状に形成されている。

0024

甲側固着ライン50が一方の外側縁16aから離れるように直線状に形成されることで、装着者の手首に対応する手袋1の手首部17から装着者の前腕に対応する前腕部18に向けてマチが徐々に広くなり、手首部17から前腕部18に向けてのフィット性を向上させることができる。

0025

なお、第1実施形態では、図2(a)に示すように、甲側固着ライン50を直線状に形成したが、例えば手袋1の内側に向けて湾曲する湾曲形状にしてもよい。甲側固着ライン50を湾曲形状にすることで、直線状に設けた場合に比して、前腕部18のマチを不要に広げることなく、親指部10におけるマチをより大きくとることが可能なる。そのため、より立体的な形状とすることが可能になり、親指部10の自由度をより大きくすることができる。

0026

また固着部13は、図2(a)及び図2(b)に示すように、掌側シート部材2と親指側マチシート部材4とを固着してなる親指外縁固着ライン51と、掌側固着ライン52とを有している。
第1実施形態では手袋1は、後述する製造方法で裏返されることから、親指外縁固着ライン51及び掌側固着ライン52は、固着部13の裏側、即ち、手袋1の表面に形成されることになる。
親指外縁固着ライン51は、手袋1の平面視において、親指部10の内側の付け根15から外側の付け根19に亘る親指部10の外周縁を構成している。
掌側固着ライン52は、手袋1における掌側に配されており、平面視において、親指部10の外側の付け根19から挿入口11側に向かって形成されている。また掌側固着ライン52は、挿入口11まで形成されており、第1実施形態では、掌側固着ライン52の端部が挿入口11の幅方向の略中央部に位置している。掌側固着ライン52が親指部10の外側の付け根19から挿入口11側に向かって形成されることで、装着者の手首に対応する手袋1の手首部17から装着者の前腕に対応する前腕部18に向けてマチを設けることができる。
また掌側固着ライン52は、手袋1の平面視において、手袋1の一方の外側縁16aから離れるように、挿入口11側に向かって形成されている。第1実施形態では、掌側固着ライン52は、挿入口11まで直線状に形成されている。つまり、掌側固着ライン52は、平面視において、親指部10の外側の付け根19から挿入口11まで、一方の外側縁16aから離れるように直線状に形成されている。
掌側固着ライン52が一方の外側縁16aから離れるように形成されることで、手袋1における手首部17から前腕部18に向けてマチが徐々に広くなり、手首部17から前腕部18に向けてのフィット性を向上させることができる。

0027

さらに固着部13は、図2(a)及び図2(b)に示すように、掌側シート部材2と甲側シート部材3とを固着してなる指袋固着ライン53と、外側縁固着ライン54とを有している。
第1実施形態では手袋1は、後述する製造方法で裏返されることから、指袋固着ライン53及び外側縁固着ライン54は、固着部13の裏側、即ち、手袋1の表面に形成されることになる。
指袋固着ライン53は、手袋1の平面視において、親指部10以外の他の指部12の外周縁を構成している。
外側縁固着ライン54は、平面視における手袋1の一方の外側縁16aと反対側の他方の外側縁(以下、単に「他方の外側縁」ともいう)16bを構成している。外側縁固着ライン54は、手袋1の平面視において、手袋1の内側に向けて凸状に湾曲している。具体的には、外側縁固着ライン54は、手首部17において、内側に凸状に湾曲している。外側縁固着ライン54を内側に湾曲させることで、手袋1のフィット性を向上させるようになっている。特に、上述した挿入口11側に向かってマチが徐々に広くなる構成と合わせて、よりフィット性が向上している。

0028

次に、第1実施形態の手袋1に用いられる掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4を形成する2層構造のシート部材の構成材料について説明する。

0029

図3(a)及び図3(b)に示すように、第1実施形態の手袋1の掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4のそれぞれは、前述したように、融着材を有する融着層21,31,41と融着材を有さない非融着層22,32,42との2層構造になっている。

0030

掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4の融着層21,31,41を構成する材料としては、ポリウレタンフィルムポリエチレンフィルムポリエステルフィルムポリプロピレンフィルムポリスチレンフィルムポリ塩化ビニルフィルムポリ塩化ビニリデンフィルムポリビニルアルコールフィルムポリカーボネートフィルムポリアミドフィルム塩酸ゴムフィルムポリイミドフィルム等の融着性を有する合成樹脂フィルムが挙げられる。特に、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4の融着層21,31,41を構成する材料としては、固着強度の観点から、ポリウレタンフィルムを用いることが好ましく、コストダウンの観点及び引き千切り易さの観点から、ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4の融着層21,31,41は、その厚みが、20μm以上200μm以下であることが好ましく、30μm以上80μm以下であることが更に好ましい。

0031

掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4の非融着層22,32,42を構成する材料としては、織物、不織布、編み物等が挙げられ、これらを組み合わせたものを用いることもできる。織物、不織布、編み物の素材としては、ポリエステル繊維ナイロン繊維ポリププレン繊維、ポリエチレン繊維ポリアミド繊維アクリル繊維ポリウレタン繊維レーヨン繊維アセテート繊維などの合成樹脂繊維;綿、羊毛などの天然繊維;等が挙げられる。革としては、牛革豚革などの天然皮革ウレタン樹脂製塩化ビニル樹脂製などの合成皮革人工皮革;またはこれらを組合せたもの等が挙げられる。尚、先端側融着部の形成のし易さの観点からは、熱融着性のある素材が好ましく、具体的にはポリウレタン繊維が好ましく用いられ、ポリウレタン繊維の混繊された混紡繊維が特に好ましく用いられる。

0032

また、手袋1に防水性を付与する場合には、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4の非融着層22,32,42を構成する材料として、防水処理を施した上述した織物、不織布、編み物、革等を用いることもできる。防水処理は、例えば、ポリウレタン系樹脂フッ素系樹脂ポリオレフィン系樹脂アクリル樹脂等の疎水性樹脂で、上述した織物、不織布、編み物、革等をコーテイングしたり、あるいは前記疎水性樹脂からなるシートを上述した織物、不織布、編み物、革等にラミネートしたりして行なう。

0033

以上説明したように、第1実施形態に係る手袋1は、甲側の親指部10が親指側マチシート部材4により形成されている。そのため、例えば、親指部10を掌側に折り曲げる際に、親指部10による甲側の引張りが軽減される。これにより、他の指部12を掌側に動かす際の干渉を小さくすることができる。その結果、例えば、手袋1を装着した状態での把持等が容易となり、手袋1の使用性を向上させることができる。

0034

また、手袋1は、平面視において、外側縁固着ライン54が、手袋1の手首部17において内側に向けて凸状に湾曲し、且つ前腕部18において挿入口11側に向かって末広がり状に広がっている。そのため、挿入口11からの挿入性を低下せることなく、装着者の手首へのフィット性を向上させることができる。また、例えば、手首部に弾性部材等を配することなく、装着者の手首へのフィット性を向上させることができる。

0035

なお、無縫製手袋である第1実施形態に係る手袋1は、熱融着により固着させることから、固着部13において生地が解れる等がない。そのため、例えば、防塵性能を必要とするクリーンルーム等での作業に好適に用いることができる。また、例えば、安価に製造することができることから、使い捨て手袋(1回使用する毎に廃棄する使い捨て以外にも複数回使用した後に廃棄する使い捨ても含む)等にも好適に用いることができる。

0036

次に、本発明の第1実施形態に係る手袋1の前駆体1aの製造装置及び手袋1の製造方法について、図4から図11を参照しながら説明する。
第1実施形態に係る手袋1は、掌側シート部材2の原反20と、甲側シート部材3の原反30と、親指側マチシート部材4の原反40とを積層配置させた積層体6を、製造装置100により、一括してシール及びカットすることで前駆体1aが形成される。まず、手袋1の前駆体1aの製造装置100について、図4を参照しながら説明する。図4には、第1実施形態に係る手袋1の前駆体の製造装置の概略正面図が示されている。

0037

図4及び図5に示すように、手袋1の前駆体1aの製造装置100は、掌側シート部材2の矩形状の原反(以下、単に「掌側原反」ともいう)20と、二つ折りした親指側マチシート部材4の矩形状の原反(以下、単に「親指側マチ原反」ともいう)40と、甲側シート部材3の矩形状の原反(以下、単に「甲側原反」ともいう)30とを、前記の順に積層配置させた積層体6をシール及びカットする手袋金型110を備えている。なお、掌側原反20、甲側原反30及び親指側マチ原反40は、融着材を有する融着層21,31,41と融着材を有さない非融着層22,32,42とを有する2層構造となっている。またシールとは、掌側原反20、甲側原反30及び親指側マチ原反40の融着層21,31,41の一部を溶融させ、溶融した融着層21,31,41同士を固着させることを意味する。

0038

図4及び図5に示すように、手袋金型110は、手袋1の輪郭形状に倣って形成され加熱及び通電可能な金型シール部材111とカッター刃112とを有している。金型シール部材111は、手袋1における手首部17及び前腕部18を含む5本指(親指部10及び他の指部12)を有する手の形状に倣って形成されており、加熱及び通電可能な金属製の金型である。カッター刃112は、金型シール部材111と同様に、手袋1における手首部17及び前腕部18を含む5本指(親指部10及び他の指部12)を有する手の形状に倣って形成されており、加熱及び通電可能な金属製の刃である。第1実施形態においては、カッター刃112は、金型シール部材111の外方に一定の間隔を設けて配設されることから、金型シール部材111の外形よりも僅かに大きく形成されている。

0039

図4に示すように、手袋金型(金型シール部材111及びカッター刃112)16は、公知の融着器140の有するプレスシリンダー130の下端に取り付けられており、手袋金型110と所定間隔空けて対向配置されるフラットな金属製のプレート160と共に使用される。手袋金型(金型シール部材111は及びカッター刃112)は、プレスシリンダー130によって、上下方向に昇降可能になっている。

0040

カッター刃112は、金型シール部材111の外方に一定の間隔を設けて取り付けられており、金型シール部材111の外側で積層体6をカットするようになっている。なお、金型シール部材111とカッター刃112との間隔は調整可能になっており、金型シール部材111とカッター刃112との間隔に応じて、周縁突起部14の幅W1(図3参照)が調節可能になっている。金型シール部材111とカッター刃112との間隔は、周縁突起部14が直接肌に触れた際の肌触りが良好となる観点から、0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上2mm以下であることが更に好ましい。

0041

また、第1実施形態では、金型シール部材111及びカッター刃112は、金属製のネジ(図示せず)によって互いにねじ止めされている。具体的には、金型シール部材111及びカッター刃112に沿って金属製のネジ(図示せず)を所定の間隔を空けて配し、金型シール部材111とカッター刃112とが一体化されている。このように一体化した金型シール部材111及びカッター刃112は、プレスシリンダー130によって、上下方向に昇降可能になっている。

0042

上述のように金属製のネジ(図示せず)を用いて、加熱及び通電可能な金型シール部材111及びカッター刃112が一体化されているので、例えば金型シール部材111に加えた熱及び電流が、ネジ(図示せず)を介して、カッター刃112に伝わり易くなっている。カッター刃112に熱が伝わることで、カッター刃112が掌側原反20、甲側原反30及び親指側マチ原反40をカットしながら融着層21,31,41を溶融させ、熱融着が可能になる。また、繊維状の生地を用いた場合には、カットした後に生地が解れること等が防止される。さらに、ネジ(図示せず)を用いて金型シール部材111及びカッター刃112を一体化しているので、カッター刃112の交換作業、カッター刃112の高さ調整等がし易くなっている。

0043

なお、第1実施形態では、図4に示すように、プレスシリンダー130の下端に取り付けられた金型シール部材111及びカッター刃112は、カッター刃112の高さが、金型シール部材111の高さよりも高くなっている。即ち、カッター刃112の先端が、金型シール部材111の先端よりも下方に延出している。そのため、第1実施形態では、カッター刃112が積層体6をカットしつつ溶融し、カッター刃112がカットした積層体6の外周縁を金型シール部材111がシールするようになっている。

0044

次に、上述した製造装置100を用いた手袋1の製造方法について、図5図11を参照しながら説明する。
図5には、図4に示す製造装置100にカットされる積層体6の積層状態が示されている。図6には、図5に示す積層体6に対する手袋金型110の相対位置が示されている。図7には、図5に示す第1実施形態に係る積層体6の断面が模式的に示されている。図8(a)には、手袋金型110にシール及びカットされる前の積層体6の2枚部分の断面が示されており、図8(b)にはシール及びカット中の断面が示されており、図8(c)にはシール及びカット後の断面が示されている。図9(a)には、手袋金型110にシール及びカットされる前の積層体6の4枚部分の断面が示されており、図9(b)にはシール及びカット中の断面が示されており、図9(c)にはシール及びカット後の断面が示されている。図10(a)には、図4に示す製造装置100によりシール及びカットされた手袋1の前駆体1aの平面図が示されており、図10(b)には図10(a)のXa−Xa断面が示されており、図10(c)には図10(a)のXb−Xb断面が示されている。図11(a)には、親指部10のカット前の前駆体1aを示す平面図が示されており、図11(b)には親指部10をカットした後の手袋の平面図が示されている。

0045

第1実施形態に係る手袋1の製造方法は、前述した掌側原反20、甲側原反30及び親指側マチ原反40を所定の積層構造に積層配置した積層体6を、前述した手袋金型110でシール及びカットすることにより形成される。以下、手袋1の製造方法について具体的に説明する。

0046

手袋1の製造方法は、掌側原反20と甲側原反30との間に、2つ折りした親指側マチ原反40を配した積層体6を形成する積層体形成工程を備えている。第1実施形態に係る手袋1の製造方法においては、積層体形成工程の後工程に、手袋金型110に対して積層体6を所定の位置に配置した積層体6をシール及びカットするシール・カット工程を備え、シール・カット工程の後工程に、不要な親指部分をカットする親指カット工程を更に備えている。また、第1実施形態においては、手袋1の製造方法は、親指カット工程の後工程に、カットした手袋1を裏返す裏返し工程を備えている。

0047

具体的には、第1実施形態に係る手袋1の製造方法としては、まず、図5及び図7に示すように、掌側原反20の融着層21と甲側原反30の融着層31とが対面するように、掌側原反20と甲側原反30とを対向配置する。次に、融着層41が外側に位置するように親指側マチ原反40を二つ折りし、二つ折りした親指側マチ原反40を掌側原反20と甲側原反30との間に配置する。このとき、親指側マチ原反40の折り目43が、掌側原反20と甲側原反30との略中央部に位置するように配置する。これにより、掌側原反20の融着層21と親指側マチ原反40の融着層41とが対面すると共に、甲側原反30の融着層31と親指側マチ原反40の融着層41とが対面し、かつ二つ折りした親指側マチ原反40は非融着層42どうしが対面した状態の、図7に示す断面構造の積層体6が形成される(積層体形成工程)。

0048

積層体6が形成されると、第1実施形態では、次に、手袋1の輪郭形状に倣って形成され、加熱及び通電可能な金型シール部材111を手袋1の輪郭形状に倣って形成されたカッター刃112の内側に配した手袋金型110で、手袋金型110における、手袋1の親指部10の内側の付け根15に相当する部分から手袋1の挿入口11に相当する部分に向かう線上に、積層体6における親指側マチ原反40の折り目43を配置して積層体6をシール及びカットし、掌側シート部材2と二つ折りした一方の親指側マチシート部材4、及び甲側シート部材3と二つ折りした他方の親指側マチシート部材4により形成される、一対の親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aを形成する(シール・カット工程)。

0049

具体的には、シール・カット工程では、積層体6が形成されると、まず、積層体形成工程で形成された積層体6を、製造装置100のプレート160上の所定の位置に配置する。このとき、図6に示すように、積層体6における親指側マチ原反40の折り目43が、手袋金型110の親指部113の内側の付け根部114から挿入口部115に向かう線上に位置するように配置する。具体的には、内側の付け根部114を基端として、挿入口部115に向かって、手袋金型110の親指部113の一方の外側縁部(以下、「一方の外側縁部」ともいう)116から離れるように、親指側マチ原反40の折り目43が位置するように、積層体6を配置する。第1実施形態においては、親指側マチ原反40の折り目43が、親指部113の内側の付け根部114から挿入口部115の略中央部に向かう線上に位置するように、積層体6が配置される。親指側マチ原反40の折り目43の位置を、手袋金型110の一方の外側縁部116から離れた位置にするほど、手袋1におけるマチを大きくすることができ、例えば、手袋1における挿入口11を広げることができるようになる。

0050

積層体6を製造装置100におけるプレート160上の所定の位置に配置すると、次に、手袋金型110で積層体6をシール及びカットする。具体的には、手袋金型110の金型シール部材111に電流を印可し、金型シール部材111を加熱する。金型シール部材111が加熱されると、金属製のネジ(図示せず)を介してカッター刃112が加熱される。掌側原反20の融着層21、甲側原反30の融着層31及び親指側マチ原反40の融着層41の融点以上の温度まで手袋金型110が加熱されると、次に、公知の融着器140の有するプレスシリンダー130で、手袋金型110を積層体6に向けて下降させる(図8(a)及び図9(a)参照)。手袋金型110が積層体6に到達すると、積層体6が金型シール部材111により加熱及び加圧され、カッター刃112によりシール及びカットされ、手袋1の前駆体1aが形成される。

0051

第1実施形態においては、カッター刃112の先端が金型シール部材111の先端よりも下方に延出しているので、図8(b)及び図9(b)に示すように、カッター刃112で積層体6をカットしつつ、カットされた部分の内側の外周縁が金型シール部材111でシールされる。カッター刃112が積層体6をカットした状態で、金型シール部材111で積層体6が加熱及び加圧されると、図8(c)及び図9(c)に示すように、金型シール部材111に加熱及び加圧された部分の融着層21,31,41が溶融して融着材となり、溶融した融着材が固着することで固着部13が形成される。また、カットされた部分の内側の外周縁が金型シール部材111でシールされる際に、カッター刃112の熱により、カットされた積層体6の融着層の端部も溶融し、熱融着が可能になる。また、繊維状の生地を用いた場合には、カットした後に生地が解れること等が防止される。

0052

このとき、図8(a)に示すように、掌側原反20と甲側原反30との間に二つ折りした親指側マチ原反40が介在せず、積層体6が2枚構造になっている部分、即ち、掌側原反20と甲側原反30とが対面している部分においては、手袋金型110によるシール及びカットにより、図8(b)及び図8(c)に示すように、カットされた部分の内側において、掌側原反20の融着層21と甲側原反30の融着層31とが固着される。第1実施形態においては、手袋1の平面視における他の指部12及び他方の外側縁16bとなる部分が2枚構造になっており、当該部分の外周縁において、掌側原反20の融着層21と甲側原反30の融着層31とが固着される。

0053

一方、図9(a)に示すように、掌側原反20と甲側原反30との間に二つ折りした親指側マチ原反40が介在し、積層体6が4枚構造になっている部分、即ち、掌側原反20と二つ折りした親指側マチ原反40の一方の面とが対面し、且つ甲側原反30と二つ折りした親指側マチ原反40の他方の面とが対面している部分においては、手袋金型110のシール及びカットにより、図9(b)及び図9(c)に示すように、カットされた部分の内側において、掌側原反20の融着層21と二つ折りした親指側マチ原反40の一方の面の融着層41とが固着され、かつ甲側原反30の融着層31と二つ折りした親指側マチ原反40の他方の面の融着層41とが固着される。第1実施形態においては、手袋1の平面視における親指部10及び一方の外側縁16aとなる部分において4枚構造となっており、手袋1における親指部10及び一方の外側縁16aにおいて、掌側原反20の融着層21と一方の親指側マチ原反40の融着層41とが固着され、且つ甲側原反30の融着層31と他方の親指側マチ原反40の融着層41とが固着される。これにより、図10及び図11(a)に示すような一対の親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aが形成される。

0054

手袋1の前駆体1aが形成されると、図11(a)及び図11(b)に示すように、第1実施形態の親指カット工程では、親指カット工程にて、前駆体1aの有する一対の親指部10c,10cの一方をカットする。第1実施形態では、一対の親指部10c,10cの一方の親指部10cの内側の付け根15と外側の付け根19との間をカットする。一対の親指部10c,10cの一方をカットすることで、装着者の5本指を収容する指袋がそれぞれ独立した形態の手袋1が形成される。

0055

第1実施形態に係る手袋1の製造方法では、5本指の手袋1が出来上がると、裏返し工程にて、この手袋1を裏返す。手袋1を裏返すことで、固着部13が手袋の内側に配されることになり、第1実施形態の手袋1が完成される。

0056

以上説明したように、第1実施形態の手袋1の製造方法によれば、二つ折りした親指側マチ原反40を掌側原反20と甲側原反30との間に配することで、立体的な手袋1を製造することができる。
特に、該手袋金型110の親指部の内側の付け根に相当する部分から挿入口に相当する部分に向かう線上に、積層体6における親指側マチ原反40の折り目43を配置して積層体6をシール及びカットすることで、1回のシール及びカット動作により、立体的な手袋1を製造することができる。つまり、シール及びカット動作を複数回行うことなく立体的な手袋1を製造することができる。これにより、例えば、製造工程を増やすことなく、安価で立体的な手袋を効率的に製造することができる。

0057

<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る手袋1及びその前駆体1aの製造装置並びにその製造方法について、図12及び図13を参照しながら説明する。図12には、第2実施形態に係る積層体6の断面が模式的に示されている。図13(a)には、手袋金型110にシール及びカットされる前の積層体6の5枚部分の断面が示されており、図13(b)にはシール及びカット中の断面が示されており、図13(c)にはシール及びカット後の断面が示されている。

0058

第2実施形態に係る手袋1は、親指側マチシート部材4が融着層のみを有する1層構造のシート部材により構成されている点において第1実施形態の手袋1と相違する。そのためここでは、第2実施形態の手袋1の積層体6の積層構造及び製造方法を中心に説明し、その他の第1実施形態と同様の構成及び製造装置については、第1実施形態の手袋及び製造装置の説明を援用してその説明を省略する。

0059

第2実施形態の手袋1は、図12に示すように、掌側シート部材2及び甲側シート部材3が融着材を有する融着層21,31と融着材を有さない非融着層22,32とを有する2層構造の掌側原反20及び甲側原反30により形成され、親指側マチシート部材4が、融着材を有する融着層41のみからなる1層の親指側マチ融着原反(以下、単に「親指側マチ融着原反」ともいう)44を用いて形成されている。融着材を有する融着層41のみからなる親指側マチ融着原反44の構成材料としては、前述した融着層21,31,41を構成する材料を用いることができる。

0060

第2実施形態の手袋1の製造方法としては、図12に示すように、積層体形成工程において、まず、掌側原反20の融着層21と甲側原反30の融着層31とが対面するように、掌側原反20と甲側原反30とを対向配置する。次に、第2実施形態では、1層の融着層41のみからなる親指側マチ融着原反44を二つ折りし、二つ折りした親指側マチ融着原反44の間に、融着材を有さない別シート60を介在させる。二つ折りした親指側マチ融着原反44の間に別シート60を介在させることで、前述した製造装置100で第2実施形態の積層体6を加熱及び加圧した際に、二つ折りした親指側マチ融着原反44どうしが固着されることが防止される。

0061

別シート60としては、融着材を有さない材料であればよく、第2実施形態においては別シート60として紙が用いられている。紙としては、例えば、普通紙等が挙げられる。

0062

次に、別シート60を介在させた親指側マチ融着原反44を、甲側原反30と掌側原反20との間に配置する。このとき、親指側マチ融着原反44の折り目43が、甲側原反30と掌側原反20との間における平面方向の略中央部に位置するように配置する。
これにより、甲側原反30の融着層31と親指側マチ融着原反44とが対向すると共に、親指側マチ融着原反44と掌側原反20の融着層31とが対面し、かつ二つ折りした親指側マチ融着原反44の内面どうしの間に別シート60が介在した状態の、図12に示す断面構造の積層体6が形成される(積層体形成工程)。

0063

次に、シール・カット工程において、第2実施形態の積層体形成工程で形成された積層体6を、第1実施形態と同様に、製造装置100のプレート160上の所定の位置に配置し、手袋金型110でシール及びカットする。
このとき、二つ折りした親指側マチ融着原反44が介在せず、2枚構造になっている部分、即ち、掌側原反20と甲側原反30とが対向している部分(図12参照)においては、掌側原反20の融着層21と甲側原反30の融着層31とが固着される。一方、掌側原反20と甲側原反30との間に、別シート60が介在するように二つ折りした親指側マチ融着原反44を配した5枚構造になっている部分、即ち、掌側原反20と二つ折りした親指側マチ融着原反44の一方とが対面し、甲側原反30と二つ折りした親指側マチ融着原反44の他方とが対面し、且つ親指側マチ融着原反44及び別シート60が介在している部分(図12参照)においては、図13(a)〜図13(c)に示すように、掌側原反20の融着層21と、1層の融着層41のみからなる一方の親指側マチ融着原反44とが固着され、かつ甲側原反30の融着層31と、1層の融着層41のみからなる他方の親指側マチ融着原反44とが固着される。また、二つ折りにした、1層の融着層41のみからなる親指側マチ融着原反44同士は、別シート60により固着されない。
第2実施形態では、手袋1における親指部10及び一方の外側縁16aにおいて5枚構造になっており、手袋1における親指部10及び一方の外側縁16aにおいて上述のように固着され、一対の親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aが形成される。
なお、第2実施形態では、二つ折りした親指側マチ融着原反44の間に介在する別シート60は、シール・カット工程においてカットされ、その後、前駆体1aから除かれ、回収される。

0064

手袋1の前駆体1aが形成されると、親指カット工程にて、前駆体1aの有する一対の親指部10c,10cの一方をカットし、裏返し工程にて、この手袋1を裏返すことで、固着部13が手袋の内側に配された手袋1が完成される。

0065

このように、二つ折りにした1層構造の親指側マチ融着原反44の間に別シート60を介在させた積層体6を形成し、シール及びカット等することで、前述の製造方法と同様に手袋1を効率的に製造することができる。また、1層構造の親指側マチ融着原反44を用いることで、薄手の手袋とすることができる。

0066

<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る手袋1及びその前駆体1aの製造装置並びにその製造方法について、図14を参照しながら説明する。図14は、第3実施形態に係る積層体6の断面を模式的に示す図である。
第3実施形態に係る手袋1は、掌側シート部材2及び甲側シート部材3が、融着層のみを有する融着シート及び融着層を有さない非融着シートの2枚のシートから構成される点が第1実施形態と相違する。そのためここでは、第3実施形態の積層体6の積層構造及び製造方法を中心に説明し、その他の第1実施形態と同様の構成及び製造装置については、第1実施形態の手袋及び製造装置の説明を援用してその説明を省略する。

0067

第3実施形態の手袋1は、掌側シート部材2が融着層のみを有する融着シート及び融着層を有さない非融着シートの2枚のシートから構成され、甲側シート部材3がのみを有する融着シート及び融着層を有さない非融着シートの2枚のシートから構成されている。これら融着シートとしては、前述した融着層21,31,41(融着層のみからなる後述する掌側融着原反23及び甲側融着原反33)を構成する材料を用いることができ、非融着シートとしては、前述した非融着層22,32,42(融着層を有さない後述する掌側非融着原反24及び甲側非融着原反34)を構成する材料を用いることができる。

0068

第3実施形態の手袋1の製造方法としては、積層体形成工程において、掌側シート部材2の融着シートの矩形状の原反(以下、単に「掌側融着原反」ともいう)23と、掌側シート部材の非融着シートの矩形状の原反(以下、単に「掌側非融着原反」ともいう)24と、融着層41が外側に配されるように二つ折りした親指側マチ原反40と、甲側シート部材3の融着シートの矩形状の原反(以下、単に「甲側融着原反」ともいう)33と、甲側シート部材3の非融着シートの矩形状の原反(以下、単に「甲側非融着原反」ともいう)34とを、掌側非融着原反24、掌側融着原反23、二つ折りした親指側マチ原反40、甲側融着原反33及び甲側非融着原反34の順に積層配置した状態の、図14に示す断面構造の積層体6を形成する(積層体形成工程)。

0069

次に、シール・カット工程において、第3実施形態の積層体形成工程で形成された積層体6を、第1実施形態と同様に、製造装置100のプレート160上の所定の位置に配置し、手袋金型110でシール及びカットする。

0070

このとき、二つ折りした親指側マチ原反40が介在せず、4枚構造になっている部分(図14参照)においては、掌側融着原反23及び甲側融着原反33により、掌側非融着原反24と甲側非融着原反34とが固着される。一方、二つ折りした親指側マチ原反40が介在し、6枚構造になっている部分(図14参照)においては、掌側融着原反23及び二つ折りした親指側マチ原反40の融着層41により、掌側非融着原反24と、一方の親指側マチ原反40の融着層41とが固着され、甲側融着原反33及び二つ折りした親指側マチ原反40の融着層41により、甲側非融着原反34と他方の親指側マチ原反40の融着層41とが固着される。
第3実施形態では、手袋1における親指部10及び一方の外側縁16aにおいて5枚構造になっており、手袋1における親指部10及び一方の外側縁16aにおいて、上述のように固着され、一対の親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aが形成される。

0071

手袋1の前駆体1aが形成されると、親指カット工程にて、前駆体1aの有する一対の親指部10c,10cの一方をカットし、裏返し工程にて、この手袋1を裏返すことで、固着部13が手袋の内側に配された手袋1が完成される。

0072

このように、掌側シート部材2及び甲側シート部材3が、融着層のみを有する融着シート及び融着層を有さない非融着シートの2枚のシートから構成されている場合においても、前述の製造方法と同様に手袋1を効率的に製造することができる。

0073

<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る手袋1及びその前駆体1aの製造装置並びにその製造方法について、図15を参照しながら説明する。図15は、第4実施形態に係る積層体6の断面を模式的に示す図である。
第4実施形態に係る手袋1は、掌側シート部材2及び甲側シート部材3が、融着材を有する融着層のみからなる融着シート及び融着材有さない非融着層のみからなる非融着シートの2枚のシートから構成され、且つ、親指側マチシート部材が融着材を有する融着層のみからなる融着シート部材から構成される点が第1実施形態と相違する。そのためここでは、第4実施形態の積層体6の積層構造及び製造方法を中心に説明し、その他の第1実施形態と同様の構成及び製造装置については、第1実施形態の手袋及び装置の説明を援用してその説明を省略する。

0074

第4実施形態の手袋1は、掌側シート部材2が融着材を有する融着層のみからなる融着シート及び融着材を有さない非融着層のみからなる非融着シートの2枚のシートから構成され、甲側シート部材3が融着材を有する融着層のみからなる融着シート及び融着材を有さない非融着層のみからなる非融着シートの2枚のシートから構成されている。また、親指側マチシート部材4が、融着材を有する融着層41のみからなる融着シート部材により形成されている。これら融着シートとしては、前述した融着層21,31,41(融着層のみからなる後述する掌側融着原反23及び甲側融着原反33)を構成する材料を用いることができ、非融着シートとしては、前述した非融着層22,32,42(融着層を有さない後述する掌側非融着原反24及び甲側非融着原反34)を構成する材料を用いることができる。

0075

第4実施形態の手袋1の製造方法としては、積層体形成工程において、掌側シート部材2の融着シートの矩形状の原反(以下、単に「掌側融着原反」ともいう)23と、掌側シート部材の非融着シートの矩形状の原反(以下、単に「掌側非融着原反」ともいう)24と、二つ折りし、間に別シート60を介在させた親指側マチシート部材4の原反(以下、単に「親指側マチ融着原反」ともいう)44と、甲側シート部材3の融着シートの矩形状の原反(以下、単に「甲側融着原反」ともいう)33と、甲側シート部材3の非融着シートの矩形状の原反(以下、単に「甲側非融着原反」ともいう)34とを、掌側非融着原反24、掌側融着原反23、二つ折りした親指側マチ融着原反44、甲側融着原反33及び甲側非融着原反34の順に積層配置した状態の、図15に示す断面構造の積層体6を形成する(積層体形成工程)。

0076

次に、シール・カット工程において、第4実施形態の積層体形成工程で形成された積層体6を、第1実施形態と同様に、製造装置100のプレート160上の所定の位置に配置し、手袋金型110でシール及びカットする。

0077

このとき、二つ折りした親指側マチ融着原反44が介在せず、4枚構造になっている部分(図15参照)においては、掌側融着原反23及び甲側融着原反33により、掌側非融着原反24と甲側非融着原反34とが固着される。一方、掌側融着原反23と甲側融着原反33との間に、別シート60が介在するように二つ折りした親指側マチ融着原反44を配した7枚構造になっている部分(図15参照)においては、掌側融着原反23及び親指側マチ融着原反44により、掌側非融着原反24と一方の親指側マチ融着原反44とが固着され、甲側融着原反33及び親指側マチ融着原反44により、甲側非融着原反34と他方の親指側マチ融着原反44とが固着される。なお、一方の親指側マチ融着原反44と他方の親指側マチ融着原反44とは、別シート60が介在することにより固着されない。
第4実施形態では、手袋1における親指部10及び一方の外側縁16aにおいて7枚構造になっており、手袋1における親指部10及び一方の外側縁16aにおいて、上述のように固着され、一対の親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aが形成される。

0078

なお、第4実施形態では、二つ折りした親指側マチ融着原反44の間に介在する別シート60は、シール・カット工程においてカットされ、その後、前駆体1aから除かれ、回収される。

0079

手袋1の前駆体1aが形成されると、親指カット工程にて、前駆体1aの有する一対の親指部10c,10cの一方をカットし、裏返し工程にて、この手袋1を裏返すことで、固着部13が手袋の内側に配された手袋1が完成される。

0080

このように、掌側シート部材2及び甲側シート部材3が、融着材を有する融着層のみからなる融着シート及び融着材を有さない非融着層のみからなる非融着シートの2枚のシートから構成され、且つ、親指側マチシート部材4が融着材を有する融着層のみからなるシート部材から形成されている場合においても、前述の製造方法と同様に手袋1を効率的に製造することができる。

0081

<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る手袋1、該手袋1の前駆体1aの製造装置及び該手袋1の前駆体1aの製造方法について、図16から図25を参照しながら説明する。

0082

まず、第5実施形態に係る手袋1の概略構成について、図16図18を参照しながら説明する。図16(a)には、第5実施形態に係る手袋1の親指側マチを広げた状態の手の甲側の平面図が示され、図16(b)には掌側の平面図が示されている。図17(a)には、第5実施形態に係る手袋1の親指側マチを折り畳んだ状態の装着前の手の甲側の平面図が示され、図17(b)には掌側の平面図が示されている。図18(a)には、図17(a)に示すA−A矢視断面図が示されており、図18(b)には図17(a)に示すB−B矢視断面図が示されている。なお、図16(a)〜図18(b)においては、装着前の手袋1として、後述する製造方法において、手袋1の前駆体1aから一方の親指部10cがカットされた後の状態を示している。

0083

図16及び図17に示すように、第5実施形態に係る手袋1は、装着者の5本の指を収容する指袋がそれぞれ独立した形態の手袋であり、装着者の手首を超えた前腕まで収容可能なロングタイプとなっている。
また第5実施形態に係る手袋1は、親指部10を含む掌側を構成し、手袋1の挿入口11側に向かって延在する掌側シート部材2と、親指部10以外の甲側を構成し、挿入口11側に向かって延在する甲側シート部材3と、掌側シート部材2と甲側シート部材3との間で、甲側の親指部10及び親指部10から連続する親指側マチを構成し、挿入口11側に向かって延在する親指側マチシート部材4と、を備えて構成されている。

0084

即ち、掌側シート部材2は、親指部10における掌側と、親指部10を除く他の4本の指袋における掌側とを構成し、挿入口11側に向かって延びている。甲側シート部材3は、親指部10を除く他の4本の指袋における甲側を構成し、挿入口11側に向かって延びている。そして、親指側マチシート部材4は、掌側シート部材2と甲側シート部材3との間で、親指側マチを構成する部材であり、親指部10における甲側を構成し、挿入口11側に向かって延びている。

0085

このように第5実施形態に係る手袋1は、3枚のシート部材から構成されており、所謂、立体形状に形成されている。具体的には、手袋1は、掌側シート部材2と甲側シート部材3との間に親指側マチシート部材4を配することで立体的に形成され、親指部10の甲側を挿入口11側に向かって延在する親指側マチシート部材4により形成することで、親指部10の掌側への動きの自由度を向上させている。特に親指部10は、掌側への動きの方向が他の4本指部(以下、「他の指部」ともいう)12とは異なるので、親指部10を親指側マチシート部材4により形成することで、例えば、親指部10を掌側に折り曲げた際に、親指部10からの甲側への引張りが軽減され、他の指部12の動きへの干渉を少なくすることができるようになっている。

0086

第5実施形態においては、手袋1は、図16(a)に示すように、甲側の平面視において、甲側シート部材3が80%以上の領域を占めていることが好ましく、掌側の平面視においては、図16(b)に示すように、掌側シート部材2が90%以上の領域を占めていることが好ましい。

0087

掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4は、同じシート部材により形成されている。第5実施形態においては、図18(a)及び図18(b)に示すように、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4は、融着材を有する融着層のみからなる1層構造のシート部材(融着層のみからなる後述する掌側融着原反23、甲側融着原反33及び親指側マチ融着原反44)により形成されている。
手袋1は、融着材を有する融着層のみからなる1層構造の掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4の所定箇所を加熱することで加熱された部分の融着層が溶融し、溶融した部分同士を固着させることで、各シート部材が接合されている。即ち手袋1は、融着材を有する融着層のみからなる1層構造の掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4が固着部13で熱融着により固着された構成となっている。

0088

掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4を形成する1層構造のシート部材(融着層のみからなる後述する掌側融着原反23、甲側融着原反33及び親指側マチ融着原反44)の構成材料としては、ポリウレタンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、塩酸ゴムフィルム、ポリイミドフィルム等の融着性を有する合成樹脂フィルムが挙げられる。特に、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4の融着層21,31,41を構成する材料としては、固着強度の観点から、ポリウレタンフィルムを用いることが好ましく、コストダウンの観点及び引き千切り易さの観点から、ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4の融着層21,31,41は、その厚みが、20μm以上200μm以下であることが好ましく、30μm以上80μm以下であることが更に好ましい。

0089

図16図18に示すように、第5実施形態においては、固着部13は手袋1の外側に露出されたままになっている。つまり、第5実施形態の手袋1は、上述した第1〜第4実施形態と異なり、親指カット工程の後、裏返し工程を得ることなく、使用されるようになっている。
第5実施形態の手袋1は、裏返し工程を得ることなく使用される観点から、固着部13を含む周縁突起部14の幅W2(図18(a)参照)は、0.01mm以上20mm以下であることが好ましく、0.1mm以上2mm以下であることが更に好ましく、0.1mm以上1mm以下であることが特に好ましい。また周縁突起部14とは、固着部13を含む外方に突出した突出部分であり、周縁突起部14の幅W2とは、固着部13を含む突起部分の外方に向けた長さを意味する。

0090

図16に示すように、固着部13は、甲側シート部材3と親指側マチシート部材4とを固着してなる甲側固着ライン150を有している。

0091

甲側固着ライン150は、手袋1の手の甲側に配されており、平面視において、親指部10の内側よりも内側から挿入口11側に向かって形成されている。親指部10の内側よりも内側としては、例えば、装着者の人差し指を挿入する人差し指部の内側の付け根よりも内側から挿入口11側に向かって形成されていてもよい。
第5実施形態では、甲側固着ライン150は、平面視において、親指部10の内側の付け根15から挿入口11側に向かって、挿入口11まで形成されている。
さらに、甲側固着ライン150は、平面視において、手袋1における親指部10側の一方の外側縁(以下、単に「一方の外側縁」ともいう)16aから離れるように、挿入口11側に向かって形成されている。第5実施形態では、甲側固着ライン150は、挿入口11まで直線状に形成されている。つまり、甲側固着ライン150は、平面視において、親指部10の内側の付け根15から挿入口11まで、一方の外側縁16aから離れるように直線状に形成されている。
甲側固着ライン150が一方の外側縁16aから離れるように直線状に形成されることで、装着者の手首に対応する手袋1の手首部17から装着者の前腕に対応する前腕部18に向けてマチが徐々に広くなり、手首部17から前腕部18に向けてのフィット性を向上させることができる。
なお、第5実施形態では、図16(a)に示すように、甲側固着ライン150を直線状に形成したが、例えば手袋1の内側に向けて湾曲する湾曲形状にしてもよい。甲側固着ライン150を湾曲形状にすることで、直線状に設けた場合に比して、前腕部18のマチを不要に広げることなく、親指部10におけるマチをより大きくとることが可能なる。そのため、より立体的な形状とすることが可能になり、親指部10の自由度をより大きくすることができる。

0092

また固着部13は、図16に示すように、掌側シート部材2と親指側マチシート部材4とを固着してなる親指外縁固着ライン151と、掌側固着ライン152とを有している。
親指外縁固着ライン151は、手袋1の平面視において、親指部10の内側の付け根15から外側の付け根19に亘る親指部10の外周縁を構成している。
掌側固着ライン152は、手袋1における掌側に位置するように設けられており、平面視においては、手袋1の一方の外側縁16aに沿うように形成されている。親指部10の外側の付け根19から挿入口11側に向かって、手袋1の一方の外側縁16aから離れるように形成されている。第5実施形態では、掌側固着ライン152は、挿入口11まで直線状に形成されている。つまり、掌側固着ライン152は、平面視において、親指部10の外側の付け根19から挿入口11まで、一方の外側縁16aから離れるように直線状に形成されている。
掌側固着ライン152が一方の外側縁16aから離れるように形成されることで、手袋1における手首部17から前腕部18に向けてマチが徐々に広くなり、手首部17から前腕部18に向けてのフィット性を向上させることができる。

0093

さらに固着部13は、図16に示すように、掌側シート部材2と甲側シート部材3とを固着してなる指袋固着ライン153と、外側縁固着ライン154とを有している。
指袋固着ライン153は、手袋1の平面視において、親指部10以外の他の指部12の外周縁を構成している。
外側縁固着ライン154は、平面視における手袋1の一方の外側縁16aと反対側の他方の外側縁(以下、単に「他方の外側縁」ともいう)16bを構成している。外側縁固着ライン154は、手袋1の平面視において、手袋1の内側に向けて凸状となるように湾曲形成されている。具体的には、外側縁固着ライン154は、手首部17において、内側に凸状に湾曲している。外側縁固着ライン154を内側に湾曲させることで、手袋1のフィット性を向上させるようになっている。特に、上述した挿入口11側に向かってマチが徐々に広くなる構成と合わせて、より、フィット性が向上している。

0094

以上説明したように、第5実施形態に係る手袋1は、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4は、融着材を有する融着層のみからなる1層構造のシート部材から構成されている。そのため、例えば、手袋1を薄くすることができる。また、手袋1がやわらかく、使用性を向上させることができる。また、単価も押させることができ、コストダウンを図ることができる。

0095

また、第5実施形態に係る手袋1は、甲側の親指部10が親指側マチシート部材4により形成されている。そのため、例えば、親指部10を掌側に折り曲げる際に、親指部10による甲側の引張りが軽減される。これにより、他の指部12を掌側に動かす際の干渉を小さくすることができる。その結果、例えば、手袋1を装着した状態での把持等が容易となり、手袋1の使用性を向上させることができる。

0096

また、手袋1は、平面視において、外側縁固着ライン154が、手袋1の手首部17において内側に向けて凸状に湾曲し、且つ前腕部18において挿入口11側に向かって末広がり状に広がっている。そのため、挿入口11からの挿入性を低下せることなく、装着者の手首へのフィット性を向上させることができる。また、例えば、手首部に弾性部材等を配することなく、装着者の手首へのフィット性を向上させることができる。

0097

なお、無縫製手袋である第5実施形態に係る手袋1は、熱融着により固着させることから、例えば、繊維状の生地を用いた場合においても、固着部13において生地が解れる等がない。そのため、例えば、防塵性能を必要とするクリーンルーム等での作業に好適に用いることができる。また、例えば、安価に製造することができることから、使い捨て手袋(1回使用する毎に廃棄する使い捨て以外にも複数回使用した後に廃棄する使い捨ても含む)等にも好適に用いることができる。

0098

次に、本発明の第5実施形態に係る手袋1の前駆体1aの製造装置100及び該手袋1の製造方法について、図19から図25を参照しながら説明する。
第5実施形態に係る手袋1は、掌側シート部材2の原反23と、甲側シート部材3の原反33と、間に融着材を有なさい別シート60を介在させた二つ折りの親指側マチシート部材4の原反44とを積層配置させた積層体6Aを、図19に示す第5実施形態に係る製造装置100により、一括してシール及びカットすることで手袋1の前駆体1aが形成される。

0099

まず、第5実施形態に係る手袋1の前駆体1aの製造装置100(以下、単に「製造装置100」ともいう)について、図19を参照しながら説明する。図19は、第5実施形態に係る手袋1の前駆体1aの製造装置100の概略正面図である。

0100

図19に示すように、第5実施形態の手袋1の前駆体1aの製造装置100は、掌側シート部材2の融着シートの矩形状の原反(以下、単に「掌側融着原反」ともいう)23と、二つ折りし、間に融着材を有さない別シート60を介在させた親指側マチシート部材4の融着シートの矩形状の原反(以下、単に「親指側マチ融着原反」ともいう)44と、甲側シート部材3の融着シートの矩形状の原反(以下、単に「甲側融着原反」ともいう)33とを、前記の順に積層配置させた積層体6Aをシール及びカットするカッター刃112を備えている。
なお、掌側融着原反23、甲側融着原反33及び親指側マチ融着原反44は、融着材を有する融着層21,31,41のみからなる1層構造となっている。またシールとは、掌側融着原反23、甲側融着原反33及び親指側マチ融着原反44の一部を溶融させ、溶融した掌側融着原反23、甲側融着原反33及び親指側マチ融着原反44を接合させた状態で固着させることを意味する。

0101

カッター刃112は、手袋1における手首部17及び前腕部18を含む5本指(親指部10及び他の指部12)を有する手の形状に倣って形成されており、加熱及び通電可能な金属製の刃である。

0102

図19に示すように、カッター刃112は、公知の融着器140の有するプレスシリンダー130の下端に取り付けられており、カッター刃112と所定間隔空けて対向配置されるフラットな金属製のプレート160と共に使用される。カッター刃112は、プレスシリンダー130によって、上下方向に昇降可能になっている。

0103

カッター刃112を印可して熱を加えることで、カッター刃112が掌側融着原反23、甲側融着原反33及び親指側マチ融着原反44をカットしながら掌側融着原反23、甲側融着原反33及び親指側マチ融着原反44を溶融させ、カットした後の前駆体1aが解れること等が防止されるようになっている。

0104

このように、第5実施形態の手袋1の前駆体1aの製造装置100によれば、カッター刃112のみで積層体6Aをシール及びカットするため、コストダウンを図ることができる。

0105

次に、本発明の第5実施形態に係る手袋1の製造方法について、図20から図25を参照しながら説明する。
図20には、第5実施形態に係る手袋1の製造方法における積層体6Aの積層状態の斜視図が示されている。図21には、図20に示す積層体6Aに対する手袋金型110の相対位置を示す平面図が示されている。図22には、図20に示す第5実施形態に係る積層体6Aの断面が模式的に示されている。図23(a)には、手袋金型110にシール及びカットされる第5実施形態に係る積層体6Aの2枚部分のシール及びカット前の断面が示され、図23(b)にはシール及びカット中の断面が示され、図23(c)にはシール及びカット後の断面が示されている。図24(a)には、手袋金型110にシール及びカットされる第5実施形態に係る積層体6Aの5枚部分のシール及びカット前の断面が示され、図24(b)にはシール及びカット中の断面が示され、図24(c)にはシール及びカット後の断面が示されている。

0106

第5実施形態に係る手袋1の製造方法は、前述した掌側融着原反23、甲側融着原反33及び親指側マチ融着原反44を所定の積層構造に積層配置した積層体6Aを、前述したカッター刃112でシール及びカットすることにより形成される。以下、手袋1の製造方法について具体的に説明する。

0107

手袋1の製造方法は、掌側融着原反23と甲側融着原反33との間に、2つ折りした親指側マチ融着原反44を配した積層体6Aを形成する積層体形成工程を備えている。第5実施形態に係る手袋1の製造方法においては、積層体形成工程の後工程に、カッター刃112に対して所定の位置に配置した積層体6Aをシール及びカットするシール・カット工程を備え、シール・カット工程の後工程に、前駆体1aから別シート60を回収する別シート回収工程を備え、別シート回収工程の後工程に、不要な親指部分をカットする親指カット工程を更に備えている。

0108

具体的には、第5実施形態に係る手袋1の製造方法としては、まず、図20及び図22に示すように、掌側融着原反23と甲側融着原反33とが対面するように対向配置させる。

0109

次に、第5実施形態の親指側マチ融着原反44を二つ折りし、二つ折りした親指側マチ融着原反44の間に、融着材を有さない別シート60を介在させる。二つ折りした親指側マチ融着原反44の間に別シート60を介在させることで、前述した製造装置100で第5実施形態の積層体6をシール及びカットする際に、二つ折りした親指側マチ融着原反44どうしが固着されることが防止される。別シート60としては、融着材を有さない材料であればよく、第5実施形態においては別シート60として紙が用いられている。次に、別シート60を介在させた親指側マチ融着原反44を、甲側融着原反33と掌側融着原反23との間に配置する。このとき、親指側マチ融着原反44の折り目43が、甲側融着原反33と掌側融着原反23との間における平面方向の略中央部に位置するように配置する。
これにより、甲側融着原反33と親指側マチ融着原反44とが対向すると共に、親指側マチ融着原反44と掌側融着原反23とが対面し、かつ二つ折りした親指側マチ融着原反44の内面どうしの間に別シート60が介在した状態の、図20及び図22に示す断面構造の積層体6Aが形成される(積層体形成工程)。

0110

積層体6Aが形成されると、第5実施形態では、次に、手袋1の輪郭形状に倣って形成され、加熱されたカッター刃112で、該カッター刃112における、手袋1の親指部10の内側の付け根15に相当する部分から挿入口11に相当する部分に向かう線上に、積層体6Aにおける親指側マチ融着原反44の折り目43を配置し、積層体6Aを輪郭形状にカットしつつ外周縁をシールし、掌側シート部材2と二つ折りした一方の親指側マチシート部材4、及び甲側シート部材3と二つ折りした他方の親指側マチシート部材4により形成される一対の親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aを形成する(シール・カット工程)。

0111

具体的には、シール・カット工程では、積層体6Aが形成されると、まず、積層体形成工程で形成された積層体6Aを、製造装置100のプレート160上の所定の位置に配置する。このとき、図21に示すように、積層体6Aにおける親指側マチ融着原反44の折り目43が、カッター刃112の親指部113の内側の付け根部114から挿入口部115に向かう線上に位置するように配置する。具体的には、内側の付け根部114を基端として、挿入口部115に向かって、カッター刃112の親指部113の外側縁部(以下、「一方の外側縁部」ともいう)116から離れるように、親指側マチ融着原反44の折り目43が位置するように、積層体6Aを配置する。
第5実施形態においては、親指側マチ融着原反44の折り目43が、親指部113の内側の付け根部114から挿入口部115の略中央部に向かう線上に位置するように、積層体6Aが配置される。親指側マチ融着原反44の折り目43の位置を、カッター刃112の一方の外側縁部116から離れた位置にするほど、手袋1におけるマチを大きくすることができ、例えば、手袋1における挿入口11を広げることができるようになる。

0112

積層体6Aを製造装置100におけるプレート160上の所定の位置に配置すると、次に、カッター刃112で積層体6Aをシール及びカットする。具体的には、カッター刃112に電流を印可し、カッター刃112を加熱する。掌側融着原反23、甲側融着原反33及び親指側マチ融着原反44の融点以上の温度までカッター刃112が加熱されると、次に、公知の融着器140の有するプレスシリンダー130で、カッター刃112を積層体6に向けて下降させる(図23(a)及び図24(a)参照)。カッター刃112が積層体6Aに到達すると、積層体6Aがカッター刃112によりカットされると共に加熱され、手袋1の前駆体1aが形成される。

0113

第5実施形態においては、図23(b)及び図24(b)に示すように、加熱されたカッター刃112によって積層体6Aがカットされつつ、カッター刃112の熱でカットされた部分が内側に亘ってシールされる。具体的には、カッター刃112の熱で、掌側融着原反23、甲側融着原反33及び親指側マチ融着原反44が溶融して融着材となり、図23(c)及び図24(c)に示すように、溶融した融着材が固着することで固着部13が形成される。このとき、カットされた積層体6の端部も溶融し、固着されることで、カットされた生地のカット部分が解れることが防止される。

0114

このとき、図23(a)に示すように、掌側融着原反23と甲側融着原反33との間に二つ折りした親指側マチ融着原反44が介在せず、積層体6が2枚構造になっている部分、即ち、掌側融着原反23と甲側融着原反33とが対面している部分においては、カッター刃112によるシール及びカットにより、図23(b)及び図23(c)に示すように、カットされた部分において、掌側融着原反23と甲側融着原反33とが固着される。
第5実施形態においては、図17(a)及び図17(b)に示す手袋1の平面視における他の指部12及び他方の外側縁16bとなる部分が2枚構造になっており、当該部分の外周縁において、掌側融着原反23と甲側融着原反33とが固着される。

0115

一方、図24(a)に示すように、掌側融着原反23と甲側融着原反33との間に二つ折りした間に、別シート60が介在するように二つ折りした親指側マチ融着原反44を配した5枚構造になっている部分、即ち、掌側融着原反23と二つ折りした親指側マチ融着原反44の一方の面とが対面し、且つ甲側融着原反33と二つ折りした親指側マチ融着原反44の他方の面とが対面している部分においては、カッター刃112のシール及びカットにより、図24(b)及び図24(c)に示すように、カットされた部分において、掌側融着原反23と二つ折りした親指側マチ融着原反44の一方の面とが固着され、かつ甲側融着原反33と二つ折りした親指側マチ融着原反44の他方の面とが固着される。なお、二つ折りした親指側マチ融着原反44同士は、別シート60が間に介在しているため固着せれない。
第5実施形態においては、図17(a)及び図17(b)に示す手袋1の平面視における親指部10及び一方の外側縁16aとなる部分において5枚構造となっており、手袋1における親指部10及び一方の外側縁16aにおいて、掌側融着原反23と一方の親指側マチ融着原反44とが固着され、且つ甲側融着原反33と他方の親指側マチ融着原反44とが固着される。これにより、一対の親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aが形成される。

0116

手袋1の前駆体1aが形成されると、二つ折りした親指側マチ融着原反44の間に介在する別シート60が回収される(別シート回収工程)。

0117

前駆体1aから別シート60が回収されると、第5実施形態の親指カット工程では、親指カット工程にて、前駆体1aの有する一対の親指部10c,10cの一方をカットする。第5実施形態では、図17(a)及び図17(b)に示すように、一対の親指部10c,10cの一方の親指部10cの内側の付け根15と挿入口11との間をカットする。一対の親指部10c,10cの一方をカットすることで、甲側固着ライン150が形成されると共に、装着者の5本指を収容する指袋がそれぞれ独立した形態の第5実施形態の手袋1が形成される。

0118

なお、第5実施形態では、前駆体1aの有する一対の親指部10c,10cの一方をカットして手袋1を形成する構成を用いて説明したが、一対の親指部10c,10cの一方をカットすることなく、手袋1の前駆体1aを手袋1として使用してもよい。

0119

以上説明したように、第5実施形態の手袋1の製造方法によれば、二つ折りし、その間に融着材を有さない別シート60を介在させた、融着層のみからなる1層構造の親指側マチ融着原反44を、融着層のみからなる1層構造の掌側融着原反23と、融着層のみからなる1層構造の甲側融着原反33との間に配置した積層体6Aに対して、カッター刃112を用いた1回のシール及びカット動作を行うことで、立体的な手袋1(前駆体1a)を製造することができる。つまり、シール及びカット動作を複数回行うことなく立体的な手袋1を製造することができる。これにより、例えば、製造工程を増やすことなく、安価で立体的な手袋を効率的に製造することができる。

0120

また、第5実施形態の手袋の製造方法では、カッター刃112のみで積層体6をシール及びカットするため、コストダウンを図ることができる。

0121

次に、第5実施形態の手袋1の前駆体1aの他の製造装置200について、図25を参照しながら説明する。図25には、第5実施形態に係る手袋1の前駆体1aの他の製造装置200が模式的に示されている。なお、以下においては、上述した製造装置100と同様の構成のものについては同じ符号を付してその説明を省略する。

0122

図25に示すように、第5実施形態に係る手袋1の前駆体1aの他の製造装置200は、積層体6Aの連続体を形成する積層体形成部210と、積層体形成部210により形成された積層体6Aの連続体をシール及びカットして手袋1の前駆体1aを形成するカット部220と、積層体6Aの連続体をシール及びカットして形成された手袋1の前駆体1aを搬送する前駆体搬送部230とを備えている。

0123

積層体形成部210は、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4を構成する袋形状原反シート211が巻装された原反ロール212と、原反ロール212から搬送された原反シート211に谷折り部211bを形成する谷折り形成部材214と、原反シート211の谷折り部211bに導入される別シート60が巻装された別シートロール215と、積層体6Aの連続体から手袋1の前駆体1aがカットされた残積層体6Bの連続体を巻き取る巻取りローラ(図示せず)とを備えている。

0124

原反シート211は、搬送方向Xと直交する幅方向Wの両側が山折りされた中空の袋形状に形成されており、幅方向Wの両側が山折りされた袋形状の状態で原反ロール212に巻装されている。原反シート211は、カット部220のシート搬送方向下流側に配された前述の巻取りローラ(図示せず)を駆動することで、幅方向Wの両側が山折りされた袋形状の状態で原反ロール212から繰り出される。なお、第5実施形態では、原反シート211は、融着材を有する融着層21,31,41のみからなる1層構造となっている。

0125

谷折り形成部材214は、原反ロール212のシート搬送方向下流側に配されており、原反ロール212から搬送される原反シート211の幅方向Wにおける一方側の山折り部211aに接触することで、山折り部211aを原反シートの内側に折り曲げて谷折り部211bを形成する。本実施形態では、谷折り形成部材214は板状に形成されており、搬送される原反シート211の山折り部211aに先端を接触させることで、山折り部211aを内側に折り曲げて、谷折り部211bを形成する。

0126

別シートロール215は、谷折り形成部材214のシート搬送方向下流側に配されており、谷折り形成部材214により谷折りされた原反シート211の谷折り部211bの中(シート同士の間)に別シート60を導入させる。谷折り部211bの中(シート同士の間)に別シート60が導入されることで、積層体6Aの連続体が形成される。

0127

なお、上述の積層体形成部210においては、搬送方向Xと直交する幅方向Wの両側が山折りされた中空の袋形状に形成された原反シート211を用いたが、例えば、幅方向Wの一方側(谷折り形成部材214が配置される側)が山折りされた二つ折り形状の原反シートを用いても良い。
また、山折りされていないフラットな原反シートを用いる場合には、上述の板状の谷折り形成部材214の代わりに、例えば、W型に形成された谷折り形成部材をフラットな原反シートに押し当てて谷折り部211bを形成しても良い。

0128

カット部220は、別シートロール215のシート搬送方向下流側に配されており、積層体形成部210により形成された積層体6Aの連続体をシール及びカットして手袋1の前駆体1aを形成する。カット部220は、積層体6Aをシール及びカット可能なカッター刃112を備えている。なお、シールとは、積層体6Aの各融着層21,31,41の一部を溶融させ、溶融した融着層21,31,41同士を固着させることを意味する。

0129

カッター刃112は、手袋1における手首部17及び前腕部18を含む5本指(親指部10及び他の指部12)を有する手の形状に倣って形成されており、加熱及び通電可能な金属製の刃である。
カッター刃112は、不図示の融着器(例えば図19の融着器140参照)の有する不図示のプレスシリンダー(例えば図19のプレスシリンダー130参照)の下端に取り付けられており、プレスシリンダーによって、上下方向に昇降可能になっている。カッター刃112は、プレスシリンダーによって下降されることで積層体6Aの連続体に接触し、積層体6Aの連続体をシール及びカットする。具体的に、カッター刃112を印可して熱を加えることで、カッター刃112が積層体6Aの連続体をカットしながら溶融させ、その後カッター刃112を離間させることでカットした外縁部を固着させる。このとき谷折り部211bの中(シート同士の間)には、融着材を有さない別シート60が導入されているため、谷折り部211bの中のシート同士が融着することはない。

0130

また、手袋1の前駆体1aがカットされた残積層体6Bの連続体は、不図示の巻取りローラにより巻き取られており、第5実施形態では、残積層体6Bの連続体が不図示の巻取りローラにより巻き取られることで、積層体6Aの連続体は、カッター刃112によるシール及びカットが可能な張力保持可能になっている。

0131

前駆体搬送部230は、カット部220の下方に配されており、前駆体1aを搬送する搬送ベルト232と、搬送ベルト232が巻回された駆動ローラ231及び従動ローラ(図示せず)とを備えている。前駆体搬送部230は、駆動ローラ231を駆動することで搬送ベルト232が回転駆動するようになっており、カット部220によりシール及びカットされることで積層体6Aの連続体から落下した前駆体1aを下方で受け止め、搬送ベルト232で前駆体1aを搬送する。

0132

前駆体搬送部230は、外周縁がシール及びカットされた前駆体1aの挿入口11側の端部をカットして、手袋1の前駆体1aの挿入口11を形成する挿入口カット部(図示せず)に搬送する。挿入口カット部(図示せず)に搬送された前駆体1aは、挿入口カット部(図示せず)で挿入口11側の端部をカットされ、カットされた端部は、前駆体搬送部230により回収される。

0133

挿入口カット部(図示せず)で挿入口11側の端部をカットされた前駆体1aは、さらに、二つ折りした親指側マチ融着原反44の間に介在する別シート60を回収する別シート回収部(図示せず)に搬送される。別シート回収部(図示せず)に搬送された前駆体1aは、別シート回収部(図示せず)で別シート60が回収される。

0134

その後、別シート60が回収された前駆体1aは、前駆体1aの有する一対の親指部10c,10cの一方をカットする親指カット装置(図示せず)に搬送され、親指カット装置(図示せず)で一方の親指部10cがカットされることで、手袋1となる。一方、一対の親指部10c,10cを有する手袋として使用される場合には、親指カット装置(図示せず)に搬送されることなく回収される。

0135

このように、第5実施形態の手袋1の前駆体1aの製造装置200を用いる製造方法では、積層体6Aの連続体から前駆体1aを形成するため、手袋1の前駆体1aを連続して大量生産する際に好適に用いることができ、コストダウンを図ることができる。

0136

<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る手袋1、該手袋1の前駆体1aの製造装置及び該手袋1の前駆体1aの製造方法について、図26図29を参照しながら説明する。
第6実施形態に係る手袋1は、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4が、融着材を有する融着層21,31,41と融着材を有さない非融着層22,32,42とを備えた2層構造のシート部材から構成される点が第5実施形態と相違する。そのためここでは、第6実施形態の手袋1を形成する各シート部材及び手袋1の前駆体1aの製造方法を中心に説明し、その他の第5実施形態と同様の構成及び製造装置については、第5実施形態の手袋1及び製造装置100の説明を援用してその説明を省略する。

0137

図26(a)には、第6実施形態に係る手袋1の装着前の手の甲側の平面図が示されており、図26(b)には、図26(a)に示すC−C矢視断面図が示され、図26(c)には、図26(a)に示すD−D矢視断面図が示されている。なお、図26(a)〜図26(c)においては、装着前の手袋1として、後述する製造方法において、手袋1の前駆体1aから一方の親指部10cがカットされた後の状態を示している。図27には、図26に示す第6実施形態に係る積層体6Aの断面が模式的に示されている。図28(a)には、シール及びカット前の積層体の2枚部分の断面が示されており、図28(b)にはシール及びカット中の断面が示されており、図28(c)にはシール及びカット後の断面が示されている。図29(a)には、シール及びカット前の積層体の4枚部分の断面が示されており、図28(b)にはシール及びカット中の断面が示されており、図28(c)にはシール及びカット後の断面が示されている。

0138

図26(a)〜図26(c)に示すように、第6実施形態の手袋1の掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4を形成する各シート部材は、同じシート部材により形成されており、上述したように、融着層21,31,41及び非融着層22,32,42を有する2層構造になっている。
第6実施形態の手袋1は、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4の所定箇所を加熱することで、加熱された部分の融着層21,31,41が溶融し、溶融した部分同士を固着させることで接合されている。即ち手袋1は、融着材を有する融着層及び融着材を有なさい非融着層からなる2層構造の掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4が固着部13で熱融着により固着された構成となっている。

0139

各シート部材の融着層21,31,41及び非融着層22,32,42を構成する材料としては、30℃以上の融点差のある2種以上の樹脂フィルム積層フィルムが挙げられ、低融点側の樹脂フィルムが融着層を構成し、高融点側の樹脂フィルムが非融着層を構成する。このような積層フィルムとしては、ポリエステル樹脂からなるフィルムとポリエチレン樹脂からなるフィルム、ポリエステル樹脂からなるフィルムとポリプロピレン樹脂からなるフィルム、ポリアミド樹脂からなるフィルムとポリエチレン樹脂からなるフィルム、ポリアミド樹脂からなるフィルムとポリプロピレン樹脂からなるフィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなるフィルムとポリブチレンテレフタレート樹脂からなるフィルム、ポリエステル樹脂からなるフィルムと第三成分を共重合し低融点化したポリエステル樹脂からなるフィルム、ナイロン6樹脂からなるフィルムとナイロン66樹脂からなるフィルム等が挙げられ、ポリエステル樹脂からなるフィルムとポリエチレン樹脂からなるフィルム、或いは、ポリアミド樹脂からなるフィルムとポリエチレン樹脂からなるフィルムが好ましく用いられる。ポリエステル樹脂からなるフィルムとポリエチレン樹脂からなるフィルムとしては、具体的に、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなるフィルムとポリエチレン樹脂からなるフィルム、ポリブチレンテレフタレート樹脂からなるフィルムとポリエチレン樹脂からなるフィルム等が挙げられる。ポリアミド樹脂からなるフィルムとポリエチレン樹脂からなるフィルムとしては、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン12樹脂等のナイロン登録商標)樹脂からなるフィルムとポリエチレン樹脂からなるフィルム等が挙げられる。このような積層フィルムは、全体の厚みが、5μm以上80μm以下であることが好ましく、5μm以上30μm以下であることが更に好ましい。該積層フィルムにおける非融着層のみの厚みは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上5μm以下であることが更に好ましい。

0140

第6実施形態に係る手袋1の製造装置100は、図19に示す第5実施形態に係る製造装置100と同様であるため、図19図21を援用してその説明を省略する。

0141

第6実施形態に係る手袋1の製造法としては、図27に示すように、積層体形成工程において、まず、掌側原反20の融着層21と甲側原反30の融着層31とが対面するように、掌側原反20と甲側原反30とを対向配置する。次に、第6実施形態では、融着層41が外側を向くように親指側マチ融着原反44を二つ折りし、掌側原反20の融着層21と甲側原反30の融着層31との間に介在させる。このとき、親指側マチ融着原反44の折り目43が、甲側原反30と掌側原反20との間における平面方向の略中央部に位置するように配置する(例えば、図21参照)。
これにより、甲側原反30の融着層31と親指側マチ融着原反44の融着層41とが対向すると共に、親指側マチ融着原反44の融着層41と掌側原反20の融着層21とが対面し、二つ折りした親指側マチ融着原反44の非融着層42どうしの間が対面した状態の、図27に示す断面構造の積層体6Aが形成される(積層体形成工程)。

0142

積層体6Aが形成されると、第6実施形態では、次に、手袋1の輪郭形状に倣って形成され、加熱及び通電可能な金型シール部材111を手袋1の輪郭形状に倣って形成されたカッター刃112の内側に配した手袋金型110で、手袋金型110における、手袋1の親指部10の内側の付け根15に相当する部分から手袋1の挿入口11に相当する部分に向かう線上に、積層体6Aにおける親指側マチ原反40の折り目43を配置して積層体6をシール及びカットし、掌側シート部材2と二つ折りした一方の親指側マチシート部材4、及び甲側シート部材3と二つ折りした他方の親指側マチシート部材4により形成される、一対の親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aを形成する(シール・カット工程)。

0143

このとき、図28(a)に示すように、掌側原反20と甲側原反30との間に二つ折りした親指側マチ原反40が介在せず、積層体6Aが2枚構造になっている部分、即ち、掌側原反20と甲側原反30とが対面している部分においては、手袋金型110によるシール及びカットにより、図28(b)及び図28(c)に示すように、カットされた部分の内側において、掌側原反20の融着層21と甲側原反30の融着層31とが固着される。第6実施形態においては、手袋1の平面視における他の指部12及び他方の外側縁16bとなる部分が2枚構造になっており、当該部分の外周縁において、掌側原反20の融着層21と甲側原反30の融着層31とが固着される。

0144

一方、図29(a)に示すように、掌側原反20と甲側原反30との間に二つ折りした親指側マチ原反40が介在し、積層体6Aが4枚構造になっている部分、即ち、掌側原反20と二つ折りした親指側マチ原反40の一方の面とが対面し、且つ甲側原反30と二つ折りした親指側マチ原反40の他方の面とが対面している部分においては、手袋金型110のシール及びカットにより、図29(b)及び図29(c)に示すように、カットされた部分の内側において、掌側原反20の融着層21と二つ折りした親指側マチ原反40の一方の面の融着層41とが固着され、かつ甲側原反30の融着層31と二つ折りした親指側マチ原反40の他方の面の融着層41とが固着される。第6実施形態においては、手袋1の平面視における親指部10及び一方の外側縁16aとなる部分において4枚構造となっており、手袋1における親指部10及び一方の外側縁16aにおいて、掌側原反20の融着層21と一方の親指側マチ原反40の融着層41とが固着され、且つ甲側原反30の融着層31と他方の親指側マチ原反40の融着層41とが固着される。これにより、一対の親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aが形成される。

0145

手袋1の前駆体1aが形成されると、第6実施形態では、親指カット工程にて、前駆体1aの有する一対の親指部10c,10cの一方をカットする。第6実施形態では、一対の親指部10c,10cの一方の親指部10cの内側の付け根15と外側の付け根19との間をカットする。一対の親指部10c,10cの一方をカットすることで、装着者の5本指を収容する指袋がそれぞれ独立した形態の手袋1が形成される。

0146

以上説明したように、第6実施形態の手袋1の製造方法によれば、甲側原反30の融着層31と親指側マチ融着原反44の融着層41とが対向すると共に、親指側マチ融着原反44の融着層41と掌側原反20の融着層21とが対面し、二つ折りした親指側マチ融着原反44の非融着層42どうしの間が対面した状態の積層体6Aに対して、カッター刃112を用いた1回のシール及びカット動作を行うことで、立体的な手袋1(前駆体1a)を製造することができる。つまり、シール及びカット動作を複数回行うことなく立体的な手袋1を製造することができる。これにより、例えば、製造工程を増やすことなく、安価で立体的な手袋を効率的に製造することができる。

0147

なお、第6実施形態の手袋1の前駆体1aを、図25に示す、第5実施形態に係る手袋1の前駆体1aの他の製造装置200を用いて製造する場合には、積層体形成部210において、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4を構成する、上述した2層構造の袋形状の原反シート211を巻装させた原反ロールを用いるとよい。この場合、原反シートの谷折り部への別シート60の導入が不要になるため、別シート60が巻装された別シートロール215は不要となる。

0148

このように図25に示す製造装置200を用いても、第6実施形態の手袋1の前駆体1aを製造可能であり、このような製造装置200を用いることで、手袋1の前駆体1aを連続して大量生産することができる。

0149

以上、本発明に係る手袋1について、その好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。また、本発明に係る手袋の製造方法について、その好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
また、本発明の手袋及び該手袋の製造方法について、前記の各実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に組み合わせることが可能である。

0150

例えば、上述の第1〜第5実施形態では、親指側マチシート部材4が挿入口11まで延在しているが、親指側マチシート部材4は、挿入口11側に向かっていればよく、挿入口11まで延在していなくてもよい。

0151

また、上述の第1〜第5実施形態では、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4の3枚のシート部材から構成された手袋1を用いて説明したが、手袋は、3枚以上のシート部材から構成されていてもよい。例えば、掌側シート部材2と甲側シート部材3との間に、甲側の小指部及び小指部から連続する小指側マチを有する4枚のシート部材から構成してもよい。小指側マチシート部材を加えることで、より立体的な手袋とすることが可能になり、より使用性が向上する。

0152

また、上述の第1〜第5実施形態では、装着者の5本指を収容する指袋がそれぞれ独立した形態の手袋を用いて説明したが、装着者の親指を収容する指袋と残りの4本の指を収容する指袋とに分けられたミトン形状の手袋であってもよい。また、上述の実施形態では、ロングタイプの手袋1を用いて説明したが、例えば、装着者の手首部分までの長さのショートタイプの手袋であっても良い。

0153

また、第1〜第4実施形態の手袋1の製造方法では、積層体6のシール及びカットを同時に行うシール・カット工程を備えた製造方法を用いて説明したが、シール工程とカット工程とを別々に行う構成であっても良い。

0154

例えば、手袋1の輪郭形状に倣って形成されたカッター刃112で、該カッター刃112における親指部の内側の付け根に相当する部分から挿入口に相当する部分に向かう線上に、積層体6における親指側マチシート部材の折り目を配置し、積層体を輪郭形状にカットするカット工程と、カット工程の後、カッター刃112の輪郭形状の内縁に倣って形成され、加熱及び通電可能な金型シール部材111で、輪郭カット工程でカットされた積層体6の輪郭形状に倣わせて積層体6の外周縁を固着させ、掌側シート部材と二つ折りした一方の親指側マチシート部材、及び甲側シート部材と二つ折りした他方の親指側マチシート部材により形成される、一対の親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aを形成するシール工程と、を備える構成であってもよい。
つまり、カット工程を行った後に、シール工程を行う構成であっても良い。例えば、第1実施形態では、例えば、カッター刃112の親指部の内側の付け根部から挿入口部に向かう線上に、積層体6における親指側マチ原反40の折り目43を配置し、積層体6を輪郭形状にカットするカット工程と、カット工程の後、カッター刃112の輪郭形状の内縁に倣って形成され、加熱及び通電可能な金型シール部材111で、カット工程でカットされた積層体6の輪郭形状に倣わせて積層体6の外周縁を固着させ、掌側原反20と二つ折りした一方の親指側マチ原反40、及び甲側原反30と二つ折りした他方の親指側マチ原反40により形成される一対の親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aを形成するシール工程と、を有する構成であっても良い。

0155

カット工程を行った後に、シール工程を行う場合でも、シール及びカット動作を複数回行うことなく立体的な手袋1を製造することができる。これにより、例えば、製造工程を増やすことなく、安価で立体的な手袋を効率的に製造することができる。

0156

また例えば、手袋1の輪郭形状に倣って形成され、加熱及び通電可能な金型シール部材111で、該金型シール部材111における親指部の内側の付け根に相当する部分から挿入口に相当する部分に向かう線上に、積層体6における親指側マチシート部材の折り目を配置し、積層体6を前記輪郭形状にシールするシール工程と、シール工程の後、金型シール部材111の輪郭形状の外縁に倣って形成されたカッター刃112で、シール工程でシールされた積層体6のシール形状の外縁に倣わせて積層体6を輪郭形状にカットし、掌側シート部材と二つ折りした一方の親指側マチシート部材、及び甲側シート部材と二つ折りした他方の親指側マチシート部材により形成される、一対の少なくとも1つの親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aを形成するカット工程と、を備える構成であってもよい。
つまり、シール工程を行った後に、カット工程を行う構成であってもよい。例えば、第1実施形態では、手袋1の輪郭形状に倣って形成され、加熱及び通電可能な金型シール部材111で、金型シール部材111の親指部の内側の付け根から挿入口部に向かう線上に、積層体6における親指側マチ原反40の折り目43を配置し、積層体6を輪郭形状にシールするシール工程と、シール工程の後、金型シール部材111の輪郭形状の外縁に倣って形成されたカッター刃112で、シール工程でシールされた積層体6のシール形状の外縁に倣わせて積層体6を輪郭形状にカットし、掌側原反20と二つ折りした一方の親指側マチ原反40、及び甲側原反30と二つ折りした他方の親指側マチ原反40により形成される一対の親指部を有する手袋1の前駆体1aを形成するカット工程と、を有する構成であっても良い。

0157

シール工程を行った後に、カット工程を行う場合でも、シール及びカット動作を複数回行うことなく立体的な手袋1を製造することができる。これにより、例えば、製造工程を増やすことなく、安価で立体的な手袋を効率的に製造することができる。

0158

また、上述の第1〜第5本実施形態の手袋1の製造方法では、一対の親指部10c,10cの一方をカットする親指カット工程を備える構成を用いて説明したが、例えば、親指カット工程を有さない構成であっても良い。即ち、一対の親指部10c,10cを有する手袋1の前駆体1aをそのまま手袋として使用する場合には、親指カット工程を有さない製造方法で好適に製造することができる。一対の親指部10c,10cを有する前駆体1aを手袋として使用する場合には、例えば、該手袋(前駆体1a)を左右どちらの手にも容易に装着することができる点で好ましい。またこの場合、製造工程を少なくすることができるため、より安価でフィット性の向上した手袋を効率よく製造することができる。

0159

また、上述の第1〜第5実施形態の手袋1の製造方法では、掌側シート部材2、甲側シート部材3及び親指側マチシート部材4の3枚のシート部材から構成された手袋を用いて説明したが、例えば、掌側シート部材2と甲側シート部材3との間で、甲側の小指部及び小指部から連続する小指側マチを加えた4枚のシート部材から構成してもよい。小指側マチシート部材を加えることで、より立体的な手袋とすることが可能になり、より使用性が向上する。
小指側マチシート部材を加えた4枚のシート部材からなる手袋を製造するには、小指側マチシート部材の矩形状の原反(以下、単に「小指側マチ原反」ともいう)を二つ折りし、二つ折りした小指側マチ原反を、掌側原反20と甲側原反30との間に配置した積層体を形成する。このとき、二つ折りした小指側マチ原反の自由端を親指側マチ原反の自由端と反対側に位置させると共に、二つ折りした小指側マチ原反の折り目が、手袋金型の小指部の内側の付け根から挿入口部に向かう線上に位置するように配置するとよい。このように配置することで、上述したシート・カット工程にて当該手袋の前駆体1aを製造することができ、前駆体1aから不要な小指部をカットする小指カット工程を得て手袋を製造することができる。

0160

また、上述の第5実施形態の手袋1の製造方法では、融着材を有する1層構造の親指側マチ原反40を用いて説明したが、本実施形態の手袋1の製造方法では、少なくとも融着層を備えたシート部材(原反)であればよく、例えば、3層以上有するシート部材(原反)であってもよい。

0161

1手袋
2掌側シート部材
3甲側シート部材
4親指側マチシート部材
6積層体
10親指部
11 挿入口
13固着部
100製造装置
110 手袋金型
111金型シール部材
112 カッター刃

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