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技術 乗物用シート

出願人 トヨタ紡織株式会社
発明者 田口亘杉本健太
出願日 2016年2月2日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-017884
公開日 2017年8月10日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-136906
状態 特許登録済
技術分野 車両用座席
主要キーワード 保全基準 線ファスナ 掛着部材 硬質ボード 略アーチ状 電装部材 押し込み速度 シート上下
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月10日)のものです。
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図面 (8)

課題

シートカバー内装部材の間に面状の機能部材を性能良く配置することにある。

解決手段

シート意匠面を構成するシートカバー6Sと、シートカバー6Sに覆われた内装部材(シートフレーム6F)と、シートカバー6Sと内装部材(シートフレーム6F)の間に配置されている可撓性を有する面状の機能部材20とを備えた乗物用シートにおいて、機能部材20の内装部材(シートフレーム6F)を臨む面21a側が、樹脂ゴムエラストマの少なくとも一種で且つ繊維体を非含有の素材にて構成されている。

概要

背景

この種の乗物用シートとして、シートクッションから起立するシートバックが、シート意匠面を構成するシートカバーと、シート骨格をなすシートフレームと、シート外形をなして乗員を弾性的に支持するシートパッドとを備えた乗物用シートが公知である(特許文献1を参照)。公知技術においては、内装部材に相当するシートフレームの前側にシートパッドが配置される。そしてシートフレームが、シートパッドとともにシートカバーで覆われてシート内に配置されている。

ところで乗物用シートは、搭載される乗物に応じて各種の規制クリアする必要がある。例えば「道路運送車両保全基準細目を定める告示」では、「座席後部の表面は、乗車人員危害を与えるような処理や鋭利突起があってはならない」という内突要件に関する規定がある。この内突要件を満たすべく、シートバックの後面において、シートカバーとシートフレームの間に硬質ボード介装することが考えられる。この硬質ボードは、シートフレームに押付けられた際に変形しないように、典型的にソリッド厚手樹脂素材で構成されている。しかしこの種の硬質ボードは可撓性を有さず過度に硬いことから、内装部材との衝突衝突音が発生するなどして、シートの快適性が悪化することが懸念されていた。さらにシートカバーが、硬質ボードに押付けられて過度に凹凸状となるなどして、シートカバーの表面に、硬質ボードが浮き出たように見えハイライトが生ずることが懸念されていた。

そこで公知技術においては、可撓性を有する面状の緩衝部材が、シートカバーとシートフレームの間に介装されている。この緩衝部材は、本発明の機能部材に相当する面状の部材であり、適度な硬さを持たせる必要上、典型的にはフェルトなどの繊維体を含む厚手の面材で構成されている。そして緩衝部材は、可撓性を有して適度に柔軟であることから、衝突音の発生やハイライトの発生を極力抑えることができる。

概要

シートカバーと内装部材の間に面状の機能部材を性能良く配置することにある。シートの意匠面を構成するシートカバー6Sと、シートカバー6Sに覆われた内装部材(シートフレーム6F)と、シートカバー6Sと内装部材(シートフレーム6F)の間に配置されている可撓性を有する面状の機能部材20とを備えた乗物用シートにおいて、機能部材20の内装部材(シートフレーム6F)を臨む面21a側が、樹脂ゴムエラストマの少なくとも一種で且つ繊維体を非含有の素材にて構成されている。

目的

本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートカバーと内装部材の間に可撓性を備えた面状の機能部材をより性能良く配置することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

シート意匠面を構成するシートカバーと、前記シートカバーに覆われた内装部材と、前記シートカバーと前記内装部材の間に配置されている可撓性を有する面状の機能部材とを備えた乗物用シートにおいて、前記機能部材の前記内装部材を臨む面側が、樹脂ゴムエラストマの少なくとも一種で且つ繊維体を非含有の素材にて構成されている乗物用シート。

請求項2

前記機能部材が単一の材料で形成されている請求項1に記載の乗物用シート。

請求項3

前記機能部材が、前記内装部材側に配置する第一部位と、前記シートカバー側に配置する第二部位とを積層状態で一体的に有しているとともに、前記第一部位が、前記第二部位に比して柔軟である請求項1又は2に記載の乗物用シート。

請求項4

前記第一部位が、発泡体からなる素材で構成されている請求項2又は3に記載の乗物用シート。

請求項5

前記機能部材に、前記第一部位と前記第二部位を全面的に接着する接着部位が設けられている請求項3又は4に記載の乗物用シート。

請求項6

シートクッションに対して起立した状態で配設されているシートバックが、前記内装部材としてのシート骨格をなすシートフレームを有し、前記機能部材が、前記シートバックの後面を覆う前記シートカバーと前記シートフレームの間に配置されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の乗物用シート。

技術分野

0001

本発明は、シート意匠面を構成するシートカバーと、シートカバーに覆われた内装部材と、シートカバーと内装部材の間に配置された可撓性を有する面状の機能部材とを備えた乗物用シートに関する。

背景技術

0002

この種の乗物用シートとして、シートクッションから起立するシートバックが、シートの意匠面を構成するシートカバーと、シート骨格をなすシートフレームと、シート外形をなして乗員を弾性的に支持するシートパッドとを備えた乗物用シートが公知である(特許文献1を参照)。公知技術においては、内装部材に相当するシートフレームの前側にシートパッドが配置される。そしてシートフレームが、シートパッドとともにシートカバーで覆われてシート内に配置されている。

0003

ところで乗物用シートは、搭載される乗物に応じて各種の規制クリアする必要がある。例えば「道路運送車両保全基準細目を定める告示」では、「座席後部の表面は、乗車人員危害を与えるような処理や鋭利突起があってはならない」という内突要件に関する規定がある。この内突要件を満たすべく、シートバックの後面において、シートカバーとシートフレームの間に硬質ボード介装することが考えられる。この硬質ボードは、シートフレームに押付けられた際に変形しないように、典型的にソリッド厚手樹脂素材で構成されている。しかしこの種の硬質ボードは可撓性を有さず過度に硬いことから、内装部材との衝突衝突音が発生するなどして、シートの快適性が悪化することが懸念されていた。さらにシートカバーが、硬質ボードに押付けられて過度に凹凸状となるなどして、シートカバーの表面に、硬質ボードが浮き出たように見えハイライトが生ずることが懸念されていた。

0004

そこで公知技術においては、可撓性を有する面状の緩衝部材が、シートカバーとシートフレームの間に介装されている。この緩衝部材は、本発明の機能部材に相当する面状の部材であり、適度な硬さを持たせる必要上、典型的にはフェルトなどの繊維体を含む厚手の面材で構成されている。そして緩衝部材は、可撓性を有して適度に柔軟であることから、衝突音の発生やハイライトの発生を極力抑えることができる。

先行技術

0005

特開2014-69040号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし公知技術の緩衝部材は、繊維体を含む厚手の面材で構成されているため、緩衝部材の繊維体がシートフレームに引っかかるなどして各種の不具合が生じることが懸念されていた。すなわち緩衝部材が、シートフレームに引っかかって過度に撓み変形することで、シートカバーにシワが生じて意匠性が悪化することが懸念されていた。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートカバーと内装部材の間に可撓性を備えた面状の機能部材をより性能良く配置することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、シートの意匠面を構成するシートカバーと、シートカバーに覆われた内装部材と、シートカバーと内装部材の間に配置されている可撓性を有する面状の機能部材とを備える。そして可撓性を有する機能部材によって、衝突音の発生を極力なくしつつ内装部材を覆うのであるが、この種の構成においては、シートカバーと内装部材の間に機能部材をより意匠性良く配置できることが望ましい。そこで本発明においては、機能部材の内装部材を臨む面側が、樹脂ゴムエラストマの少なくとも一種で且つ繊維体を非含有の素材にて構成されている。本発明では、機能部材の内装部材を臨む面側が、樹脂とゴムとエラストマの少なくとも一種で且つ繊維体を含まない素材で構成されているため、適度な硬さを有しつつも内装部材に引っかかりにくくされている。

0008

第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートであって、機能部材が単一の材料で形成されているため、異種の素材が混合されている場合に比してリサイクル性に優れる構成となる。

0009

第3発明の乗物用シートは、第1発明又は第2発明の乗物用シートにおいて、機能部材が、内装部材側に配置する第一部位と、シートカバー側に配置する第二部位とを積層状態で一体的に有しているとともに、第一部位が、第二部位に比して柔軟である。本発明では、第一部位が相対的に柔軟であるため、機能部材に適度な可撓性を持たせることができるとともに、内装部材が衝突した際に過度に大きな衝突音が生じることを極力回避することができる。さらに第一部位と第二部位を積層状態で一体化したことにより、これら両部位によって、機能部材に適度な硬さを持たせることができる。

0010

第4発明の乗物用シートは、第3発明の乗物用シートであって、第一部位が、発泡体からなる素材で構成されていることで、機能部材に適度な柔軟性を持たせることができ、シートカバーが機能部材に押付けられて過度に凹凸状となることを好適に回避することができる。

0011

第5発明の乗物用シートは、第3発明又は第4発明の乗物用シートにおいて、機能部材に、第一部位と第二部位を全面的に接着する接着部位が設けられている。本発明においては、第一部位と第二部位を接着部位にて安定的に一体化することにより、機能部材に適度な硬さをより確実に持たせることができる。

0012

第6発明の乗物用シートは、第1発明〜第5発明のいずれかの乗物用シートにおいて、シートクッションに対して起立した状態で配設されているシートバックが、内装部材としてのシート骨格をなすシートフレームを有し、機能部材が、シートバックの後面を覆うシートカバーとシートフレームの間に配置されている。本発明では、シートバック後面に他部材が衝突したとしても、各種性能に優れる機能部材によってシートフレームが覆われていることから衝突時の衝撃を緩和することができる。

発明の効果

0013

本発明に係る第1発明によれば、シートカバーと内装部材の間に可撓性を備えた面状の機能部材をより性能良く配置することができる。また第2発明によれば、機能部材の性能の一つであるリサイクル性を向上させることができる。また第3発明によれば、シートカバーと内装部材の間に面状の機能部材を更に性能良く配置することができる。また第4発明によれば、シートカバーと内装部材の間に面状の機能部材を更に意匠性良く配置することができる。また第5発明によれば、機能部材に、その性能の一つである適度な硬さをより確実に持たせることができる。そして第6発明によれば、シートバックのシートカバーと内装部材の間に各種性能に優れる機能部材を配置することができる。

図面の簡単な説明

0014

乗物用シートの斜視図である。
シートカバーを後側から見た斜視図である。
図1のIII−III線断面に相当するシートカバーの断面図である。
図1のIV−IV線断面に相当するシートカバーの断面図である。
図1のV−V線断面に相当するシートカバーの断面図である。
シートカバーと機能部材の断面図である。
機能部材の硬さを測定する試験機の概略斜視図である。

実施例

0015

以下、本発明を実施するための形態を、図1図7を参照して説明する。各図には、便宜上、乗物用シートの前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を図示することがある。図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6を有する。これらシート構成部材は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S)を有する。そしてシートクッション4の後部にシートバック6(詳細後述)の下部が起倒可能に連結する。なお起立状態のシートバック6の上部にヘッドレスト(図示省略)を配設することができる。

0016

[シートバック]
シートバック6は、上述の基本構成(6F,6P,6S)とともに、図2を参照して面状の機能部材20を有する(各部材の詳細は後述)。この機能部材20は、シートバック6の後面側に配設されており、図3を参照して、シートフレーム6Fとシートカバー6Sの間に配置されている。こうして機能部材20によってシートフレーム6Fを覆うことにより、シートバック6の後面に他部材が衝突したとしても、この衝突時の衝撃を機能部材20にて緩和することができる。そしてこの種のシート構成においては、シートフレーム6Fと機能部材20が衝突して異音が発生したり、シートフレーム6Fに機能部材20が引っかかってシートカバー6Sにシワが生じたりすることが懸念される。そこで本実施形態では、後述するように、シートカバー6Sとシートフレーム6Fの間に可撓性を有する面状の機能部材20を性能良く配置することとした。以下、各構成について詳述する。

0017

[基本構成]
ここでシートフレーム6Fは、図1を参照して、典型的に略アーチ状枠体であり、剛性に優れる金属や硬質樹脂などの素材にて形成できる。このシートフレーム6Fは、本発明の内装部材に相当する部材であり、後述するシートカバー6Sに覆われた状態でシート内に配設されている。またシートフレーム6Fの前側には、シートパッド6P(図示省略)が配置されており、このシートパッド6Pは、例えばポリウレタンフォーム密度:10kg/m3〜60kg/m3)等の発泡樹脂で形成できる。

0018

またシートカバー6Sは、図1図5を参照して、シートの意匠面を構成する面材であり、シートフレーム6Fとシートパッド6Pを覆うことができる。このシートカバー6Sの後面には、図2を参照して、収納部10と、一対の掛着部材12と、下帯部材14が設けられている。収納部10は、図3を参照して、上部開放状とされたポケット状の部位であり、シートバック6の後面下部に設けられている。また一対の掛着部材12は、図2を参照して、それぞれ線ファスナをなす帯材であり、シートパッド6Pにシートカバー6Sを被せる際には開き状態とすることができる。そしてシートカバー6Sの後面左右に収納部10を挟んでそれぞれ掛着部材12が設けられており、これら各掛着部材12が、シートバック6起立時を基準としてシート上下に延びている。また下帯部材14は、シートバック6の後面下端取付けられた略矩形の面材であり、その下端側には、シートクッション4側の部材に掛止可能な一対の掛止部材16が取付けられている。

0019

またシートカバー6Sは、図3図5を参照して、複数の表皮ピース縫合することで形成されており、前面且つ着座面をなす前方表皮ピースSPaと、側面をなす側方表皮ピースSPbと、後面をなす表皮ピースSP1〜SP6を有する。ここで図3図5では、便宜上、各前方表皮ピースに同一の符号SPaを付すとともに、各側方表皮ピースにも同一の符号SPbを付す。また各表皮ピースに設けられた縫合箇所の中、特定の縫合箇所にのみ符号SEW1〜SEW4を付す。なお各表皮ピースの素材は特に限定しないが、布帛織物編物,不織布)や、皮革天然皮革合成皮革)を例示できる。

0020

そしてシートカバー6Sの後面は、図3図5を参照して、シート幅方向における中央をなす第一表皮ピースSP1〜第四表皮ピースSP4と、左側部をなす第五表皮ピースSP5と、右側部をなす第六表皮ピースSP6で形成されている。第一表皮ピースSP1は、シートカバー6Sの後面上部を形成する略矩形の表皮ピースである。また第二表皮ピースSP2〜第四表皮ピースSP4は、後述するように収納部10を形成しつつ、シートカバー6Sの後面下部を構成する表皮ピースである。また第五表皮ピースSP5と第六表皮ピースSP6は、それぞれ中央の各表皮ピースSP1〜SP4に比してシート上下方向に長尺とされ且つ幅方向短尺とされている。そして図4を参照して、第一表皮ピースSP1と第四表皮ピースSP4の左端と右端は、それぞれ各掛着部材12を介して対応する側部の表皮ピースSP5,SP6に縫合されている。

0021

ここで収納部10は、図3及び図5を参照して、第二表皮ピースSP2〜第四表皮ピースSP4によって形成されている。第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3は、収納部10の内面側を構成する表皮ピースであり、シートカバー6Sの下部において重ねられた状態で配置されている。また第四表皮ピースSP4は、最も外側に配置されて収納部10の外面側を構成する表皮ピースであり、その上端が内折りされて内部に心材11が挿入されている。そしてこれら各表皮ピースSP2〜SP3がポケット状に縫合されることで収納部10が形成されている。例えば図5を参照して、第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3が重ねられた状態とされて、これらの左右の端部が縫合箇所SEW4で縫合されている。また図3を参照して、第二表皮ピースSP2の上端が第一表皮ピースSP1の下端に縫合箇所SEW1で縫合されており、第三表皮ピースSP3の上端が第四表皮ピースSP4の上部内折端に縫合箇所SEW2で縫合されている。そして第二表皮ピースSP2〜第四表皮ピースSP4の下端が、下帯部材14の上端に縫合箇所SEW3で共縫いされている。こうすることで第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3が袋状となり、第四表皮ピースSP4の上端側を後方に引っ張りながら収納部10を開口させることで、第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3の間に各種の物品を収納できる。

0022

[機能部材]
機能部材20は、図3図5を参照して、シートバック6の後面において、シートカバー6Sとシートフレーム6Fの間に配置される可撓性を有する面材である。この機能部材20は、図6を参照して、複数の部位が重ねられた状態で一体化された面材であり、第一部位21と、第二部位22と、接着部位24を有する(各部位の詳細は後述)。そして機能部材20をなす第一部位21と第二部位22は、後述する樹脂とゴムとエラストマの少なくとも一種で且つ繊維体を非含有の素材にて構成できる。

0023

ここで上述の樹脂(材料)の種類は特に限定しないが、各種の熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂を用いることができ、後述する接着部位24の形成の観点から熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。この種の熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系樹脂ポリウレタン(PUR)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニルPVC)、ポリエステル(PET)、ポリアミド(PA)を例示できる。またエラストマ(材料)として、オレフィン系エラストマTPO)、ウレタン系エラストマ(TPU)、スチレン系エラストマ(SBC)、ポリ塩化ビニル系エラストマ(TPVC)、ポリエステル系エラストマ(TPEE)、ポリアミド系エラストマ(TPAE)を例示できる。またゴム(材料)として、天然ゴムウレタンゴムブタジエンゴム、二トリルゴム、クロロプレンゴムブチルゴムスチレンゴムエチレンプロピレンゴムシリコンゴムフッ素ゴムを例示できる。なお機能部材20の素材には、上述の各材料を一種又は二種以上を混合して用いることができる。また素材は、微量の添加剤を含むことができ、この種の添加剤として、発泡剤着色料難燃剤増粘剤を例示できる。

0024

[第一部位]
第一部位21は、図6を参照して、内装部材であるシートフレーム6F側に配置する部位であり、機能部材20の略全面に配置されている。この第一部位21のシートフレーム6Fを臨む面21aが、本発明の「機能部材の内装部材側の面」に相当する。この第一部位21は、気泡を意図的に含ませた上記材料の発泡体(フォーム)又は多孔質形体からなる適度に柔軟な素材で構成でき、なかでもポリプロピレンフォームなどの樹脂発泡体からなる単一材料で形成された素材で構成することが好ましい。この第一部位21のシートフレーム6Fを臨む面21aは、繊維体を含まず且つ上記材料で構成されて好適な表面平滑性を備えており、シートフレーム6Fに対して引っかかりにくくされている。また第一部位21によって、機能部材20に好適な柔軟性を持たせることができ、これにより機能部材20が、テンションのかかったシートカバー6Sが押し当てられることで柔軟に変形することができる。さらに機能部材20とシートフレーム6Fが衝突した際の衝撃を第一部位21にて吸収することにより、過度に大きな衝突音が生じることを極力回避することができる。そしてポリプロピレンは比較的軽量であるため、機能部材20を過度に重くすることなく第一部位21を厚くすることができる。

0025

[第二部位]
第二部位22は、シートカバー6S側に配置する部位であり、第一部位21の略全面に対面状に配置されている。そして第二部位22は、気泡を意図的に含ませていない上記材料のソリッドな素材で構成することができ、なかでもポリプロピレン製フィルム状の素材で構成することが好ましい。そして第二部位22によって、機能部材20に好適な硬さを持たせることができる。特にポリプロピレン製の第二部位22は、材料に由来する好適な硬さを有しており、適度な硬さを有しつつも薄く且つ軽くすることができる。さらに第一部位21と第二部位22を単一の素材で構成することで、一括して処理することが可能になるなどして、機能部材20のリサイクル性を向上させることができる。ここで単一の素材とは、各部位を構成する主材料が単一であることを意味し、微量に含まれる添加剤の種類が各部位ごとに異なっていてもよいことを意味する。

0026

[接着部位]
接着部位24は、第一部位21と第二部位22の間に配置してこれらを一体化する部位である。この接着部位24の形成方法は特に限定しないが、例えば第二部位22を押出成形しながら、予め成形された第一部位21に押付けることで接着部位24を形成することができる。この場合の接着部位24は、成形直後軟化した第二部位22の表面部分硬化することで形成されており、第一部位21と第二部位22の略全面の間に配置されている。このように接着部位24によって、第一部位21と第二部位22を全面的に安定的に一体化することにより、これら両部位21,22によって、機能部材20に好適な硬さを持たせることができる。また第一部位21と第二部位22と接着部位24を単一の素材で構成することにより、機能部材20のリサイクル性を更に向上させることができる。なお接着部位24は、各種の接着剤で形成することができ、この場合には、個別に成形された第一部位21と第二部位22の間に接着剤を付与することとなる。

0027

[機能部材の硬さ(剛軟度)]
ここで機能部材20は適度な硬さを有することが望ましく、上述の内突要件を考慮するとシートフレーム6Fが押し当てられた際に過度に変形しない程度の硬さを有することが好ましい。機能部材20の硬さは、例えば剛軟度(詳細後述)25N〜70Nの間に設定することができ、内突要件を考慮すると剛軟度36N(ショアA硬度50に相当)以上に設定することが好ましい(剛軟度の測定方法は後述)。また機能部材20の剛軟度を60N以下に設定することがより好ましく、こうすることで機能部材20によってシートカバー6Sが過度に凹凸状となってハイライトが生じることを好適に回避することができる。そして機能部材20の硬さは、第一部位21の厚み寸法T1と第二部位22の厚み寸法T2の少なくとも一方で調節することができ、このとき第一部位21の厚み寸法T1を相対的に大きくすることが好ましい。このように柔軟な第一部位21を相対的に厚くすることにより、機能部材20を、可撓性を極力損なうことなく適度に硬くすることができる。

0028

[機能部材の配設作業]
そして図3図6を参照して、機能部材20を、シートカバー6Sの後面裏側に取付ける。このとき図6を参照して、第一部位21が、シートフレーム6F側に配置されるとともに、第二部位22が、シートカバー6S側に配置される。そして機能部材20の下端は、図3を参照して、各表皮ピースSP2〜SP4と下帯部材14の縫合箇所SEW3に共縫いすることができる。また第一表皮ピースSP1側に若干はみ出して配置された機能部材20の上端は、第一表皮ピースSP1に縫合してもよく、シートパッド6P側に取付けることもできる。つぎにシートカバー6Sを、シートフレーム6Fとシートパッド6Pに被せながら、シートクッション4側に下帯部材14を引き込みつつ、各掛止部材16を適所掛け止める。こうして機能部材20が、シートバック6の後面において、シートフレーム6Fを後方から覆うように配置されることとなる。ところでシートカバー6Sは、シートの意匠面を構成する必要上、シワや弛みを生じさせないように適度なテンションがかけられており、この状態のシートカバー6Sが機能部材20に押し当てられている。このとき機能部材20が、テンションのかけられたシートカバー6Sからの押圧によって柔軟に潰れ変形又は撓み変形する。こうして機能部材20が柔軟に変形することで、シートカバー6Sに機能部材20による凹凸ができにくくなり、意匠性上好ましくないハイライトが生じることを好適に回避できる。

0029

[シートバックの挙動
図3を参照して、通常運転時などにおいては、シートフレーム6Fに対して機能部材20が相対移動することがある。このとき機能部材20が適度な可撓性を有するとともに、図6に示す第一部位21が相対的に柔軟である。このためシートフレーム6Fと機能部材20の衝突音の発生が極力回避されることとなる。さらに第一部位21のシートフレーム6Fを臨む面21aが、適度な硬さを有し且つ繊維体を含まない素材で構成されている。このため機能部材20とシートフレーム6Fの引っかかりが好適に回避されて、シートカバー6Sのシワの発生が極力抑えられることとなる。また乗物衝突時においては、シートバック6の後面に、例えば後席に着座した乗員の膝部が衝突することがある。このとき適度な硬さの機能部材20が、シートカバー6Sとシートフレーム6Fの間に配置されていることから、乗員の膝部の衝突による衝撃を好適に緩和できる。

0030

以上説明したとおり本実施形態では、機能部材20のシートフレーム6Fを臨む面21a側が、樹脂とゴムとエラストマの少なくとも一種で且つ繊維体を含まない素材で構成されている。このため機能部材20が、適度な硬さを有しつつもシートフレーム6Fに引っかかりにくくされている。このとき機能部材20を単一の材料で形成することで、異種の素材が混合されている場合に比してリサイクル性に優れる構成となる。特にプロピレンを材料に用いることで、機能部材20の軽量化やコストダウンを図ることができる。また本実施形態では、第一部位21が相対的に柔軟であるため、機能部材20とシートフレーム6Fが衝突した際に過度に大きな衝突音が生じることを極力回避することができる。また機能部材20に、第一部位21によって適度な柔軟性を持たせることができ、シートの意匠面を構成した状態のシートカバー6Sが機能部材20に押付けられて過度に凹凸状となることを極力回避することができる。さらに第一部位21と第二部位22を積層状態で一体化したことにより、これら両部位によって、機能部材20に適度な硬さを持たせることができる。このとき第一部位21と第二部位22を接着部位24にて安定的に一体化することにより、機能部材20に適度な硬さをより確実に持たせることができる。そして本実施形態では、シートバック6後面に他部材が衝突したとしても、各種性能に優れる機能部材20によってシートフレームが覆われていることから衝突時の衝撃を緩和することができる。このため本実施形態によれば、シートカバー6Sとシートフレーム6Fの間に可撓性を有する面状の機能部材20を性能良く配置することができる。

0031

試験例]
以下、本実施形態を試験例に基づいて説明するが、本発明は試験例に限定されない。実施例1においては、下記の[表1]を参照して、第一部位を、ポリプロピレンフォーム製で繊維体を含まないボード状の素材(発泡倍率:30倍、厚み寸法2mm)で構成した。また第二部位を、ポリプロピレン製で繊維体を含まないソリッドなフィルム状の素材(厚み寸法83μm)で構成した。そして第二部位を押出成形しながら、予め成形された第一部位に押付けて一体化することにより実施例1の機能部材を作製した。この作製過程において、成形直後の軟化した第二部位の表面部分が硬化することで接着部位が形成され、さらにこの接着部位が、第一部位と第二部位の間の略全面に配置された。

0032

また実施例2〜実施例10の機能部材では、下記の[表1]を参照して第二部位の厚み寸法だけを適宜変更し、その他の構成は実施例1の機能部材と同一とした。すなわち実施例2では、第二部位の厚み寸法を100μmとし、実施例3では、第二部位の厚み寸法を117μmとし、実施例4では、第二部位の厚み寸法を133μmとし、実施例5では、第二部位の厚み寸法を150μmとし、実施例6では、第二部位の厚み寸法を167μmとし、実施例7では、第二部位の厚み寸法を183μmとし、実施例8では、第二部位の厚み寸法を200μmとし、実施例9では、第二部位の厚み寸法を217μmとし、実施例10では、第二部位の厚み寸法を233μmとした。

0033

[ハイライトの有無の確認試験
実施例1の機能部材を、図3に示す状態でシートカバーに設けつつ乗物用シート(トヨ紡織社製)に配設した。つぎにシートバックを約1m後方から目視した。この条件においてシートカバーに機能部材に由来する線状の凹凸が目視で確認できなかった場合には「○」、シートカバーに凹凸がぼんやり現れた場合には「△」、シートカバーに凹凸がはっきり現れた場合には「×」と評価した。

0034

[剛軟度の測定試験
実施例1の機能部材から、幅250mm×長さ250mmの試験片を3枚用意し、これら試験片の剛軟度を図7に示す試験機を用いて測定した。すなわち図7を参照して、中央に50mmの穴32Hを開けた台32(縦200mm×横200mm)の上に1枚の試験片を置いた。このとき第一部位を上側にして第二部位を下側に向けた。そして直径20mmの半球を先端に取付けたオートグラフ31で穴32Hの中心部を27mmまで押し込み、15mm押し込みに要する荷重(N)を計測した。このときオートグラフ31の押し込み速度を50mm/minに設定した。そして3枚の試験片における荷重の平均値を、実施例1の機能部材の剛軟度とした。また同様の手順で、実施例2〜10の機能部材の剛軟度を測定した。そして機能部材が十分な硬さ(ショアA硬度50以上に相当する硬さ)を有する場合には「○」、機能部材の硬さがやや不足であると判断した場合には「△」、機能部材の硬さが不十分であると判断した場合には「×」と評価した。

0035

0036

[結果及び考察]
実施例1〜実施例10の機能部材においては、硬さの評価が「×」のものはなかった。特に実施例3〜実施例10の機能部材は十分な硬さを有しており内突要件を十分に満たすと判断された。また実施例1〜実施例10の機能部材においては、ハイライトの有無の確認試験において「×」と評価されたものはなかった。特に実施例1〜実施例7では、シートカバーに機能部材に由来する凹凸が確認できず、シートの意匠性向上に資する構成であることがわかった。この結果は、第一部位と第二部位を一体化して適度な硬さを確保し、さらに第一部位を相対的に柔らかくしたためと考えられる。そして第一部位は、繊維体を含まずその表面が平滑であったことから、シートフレームに引っかかりにくいことが容易に推察された。以上の結果から、本実施例によれば、シートカバーと内装部材の間に可撓性を有する面状の機能部材を性能良く配置できることがわかった。

0037

本実施形態の乗物用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、第一部位21と第二部位22と接着部位24を設けた機能部材20を例示したが、同部材の構成(形状,寸法,構成部位,配設数,配設位置,機能など)を限定する趣旨ではない。例えば機能部材は、シートパッドの裏面に配設される裏打材として用いることができ、この場合には内突要件を考慮する必要がない。また機能部材は、第一部位と第二部位の少なくとも一方の部位で形成することができる。また第一部位と第二部位のいずれか一方を内装部材側に配置させることができ、いずれか他方をシートカバー側に配置させることができる。また機能部材を、第一部位と第二部位で構成する場合には、これら各部位を、接着や貼着や縫合などの手法で一体化することもできる。

0038

また本実施形態では、内装部材としてシートフレーム6Fを例示したが、内装部材として、シート内に配設される各種の部材を想定できる。例えばモータなどの電装部材や、各種のブラケットを内装部材として扱うことができる。そして内装部材の種類に応じて、機能部材の構成を適宜変更することができる。

0039

また本実施形態では、シートバック6を一例に説明したが、本実施例の構成は、シートクッション4やヘッドレストやアームレストなどの各種シート構成部材に適用可能である。例えばシートクッションにおいては、機能部材を、シートパッドの裏面に配設される裏打材として用いることができ、この場合においても機能部材は、シートカバーと内装部材の間に配置されることとなる。また本実施形態の構成は、車両や航空機電車などの乗物用シート全般に適用できる。

0040

2乗物用シート
4シートクッション
6シートバック
6Fシートフレーム
6Pシートパッド
6Sシートカバー
10収納部
11心材
12掛着部材
14下帯部材
16掛止部材
20機能部材
21 第一部位
21a 第一部位の内装部材を臨む面(機能部材の内装部材側の面)
22 第二部位
24接着部位
SP1 第一表皮ピース
SP2 第二表皮ピース
SP3 第三表皮ピース
SP4 第四表皮ピース
SP5 第五表皮ピース
SP6 第六表皮ピース
SPa 前方表皮ピース
SPb側方表皮ピース

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