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技術 電力変換装置およびパワーモジュールの熱抵抗計測方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 川村大地増田徹
出願日 2016年1月28日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-014053
公開日 2017年8月3日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-135868
状態 特許登録済
技術分野 個々の半導体装置の試験 電力変換一般 インバータ装置
主要キーワード 温度特性データ 素子発熱 ソース端子間電圧 通電条件 熱抵抗値 加熱電力 熱設計 ゲート電圧値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月3日)のものです。
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図面 (8)

課題

複数の半導体素子を内蔵したパワーモジュール素子発熱バラつきを低減して精度良く熱抵抗計測する熱抵抗計測方法および精度良く熱抵抗を計測する機能を備えた電力変換装置を提供する。

解決手段

パワーモジュール7と、前記パワーモジュールの熱抵抗を計測する熱抵抗計測部8と、前記パワーモジュールのゲート電圧を制御する制御部9と、を備える電力変換装置5である。前記パワーモジュールは、ソースおよびドレイン共通ノードとして互いに並列に接続された複数の半導体素子を有する。前記制御部は、前記複数の半導体素子のドレイン−ソース間に所定のパルス電圧印加することにより前記複数の半導体素子の各々を加熱するための電力を当該複数の半導体素子に印加し、前記複数の半導体素子のゲートソース間電圧を測定して得られた結果に基づいて前記熱抵抗計測部の動作を制御することを特徴とする。

概要

背景

電力変換装置内に内蔵されるパワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)といったパワー半導体素子発熱量が多く、動作温度を定格以下に維持するため熱設計の最適化が厳しくなされており、このとき放熱性能力を把握するために熱抵抗計測される。

熱抵抗は放熱経路上の材料の熱伝導性や形状により決定され、放熱経路に劣化が生じるとその熱抵抗は増大する。例えば、パワー半導体素子のオンオフが繰り返されるとパワー半導体素子およびパワー半導体素子と接合される半田熱膨張収縮が繰り返される。その際にパワー半導体素子と半田の熱膨張率が異なるため、接合面で応力・ひずみが生じ、やがて接合面でき裂が発生して熱抵抗が増大する。

また、劣化が進展して熱抵抗が増大していくと、パワー半導体素子の動作温度が定格以上となり素子破壊につながる。このように熱抵抗はパワー半導体素子の劣化と関連しており、熱抵抗を計測することで、パワー半導体素子の劣化の程度を把握することができる。

図1は従来のパワーMOSFETの熱抵抗計測方法であるΔVGS法を説明するための回路図である。この従来方法は、MOSFETのゲート電圧値素子接合温度に応じて線形に変化することを利用して熱抵抗を測定するものである。図1においてΔVGS法は、まず素子加熱前の素子温度を測定するために、電流源1aから半導体素子2へ半導体素子2が発熱しない程度に小さな電流を流し、このときのゲート電圧値から加熱前の素子温度を測定する。

加熱前素子温度を測定するときの半導体素子2のドレインソース端子間(D−S間)に流す電流値は、例えば定格の1/1000程度の電流値が選択される。ゲート電圧温度特性データは予め取得しておき、素子温度は取得済データを用いてゲート電圧から換算して求める。加熱前素子温度を計測した後、素子加熱のために、加熱前素子温度測定用の電流と比較して値の大きな電流を、電流源1bから半導体素子2に流す。このとき、ゲート電圧値を小さくして、ドレイン−ソース端子間電圧(D−S間電圧)を大きくするようにする。ドレイン−ソース端子間電圧を大きくすることで、素子に加える電力の値(ドレイン−ソース端子間の電流と電圧との積)が大きくなり熱抵抗を計測するために充分な加熱を半導体素子2に与えることができる。

加熱後は、再び素子温度測定のために電流源1bからソースドレイン端子間へ電流を流す。パワー半導体素子の熱抵抗値は、加熱前後の素子温度の変化量を、加熱電力の値で除することにより求めることができる。

本技術分野の背景技術として、特許文献1のような技術がある。特許文献1には、「半導体素子の順方向ゲートソース間電圧温度係数を測定する工程とドレイン電圧印加前後の順方向ゲートソース間電圧の差分を求める工程の少なくとも一方の工程の前に、該半導体素子の昇温工程を有する熱抵抗測定方法」が開示されている。

概要

複数の半導体素子を内蔵したパワーモジュールの素子間発熱バラつきを低減して精度良く熱抵抗を計測する熱抵抗計測方法および精度良く熱抵抗を計測する機能を備えた電力変換装置を提供する。パワーモジュール7と、前記パワーモジュールの熱抵抗を計測する熱抵抗計測部8と、前記パワーモジュールのゲート電圧を制御する制御部9と、を備える電力変換装置5である。前記パワーモジュールは、ソースおよびドレインを共通ノードとして互いに並列に接続された複数の半導体素子を有する。前記制御部は、前記複数の半導体素子のドレイン−ソース間に所定のパルス電圧印加することにより前記複数の半導体素子の各々を加熱するための電力を当該複数の半導体素子に印加し、前記複数の半導体素子のゲートソース間電圧を測定して得られた結果に基づいて前記熱抵抗計測部の動作を制御することを特徴とする。

目的

本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、複数の半導体素子を内蔵したパワーモジュールの熱抵抗を精度良く計測する熱抵抗計測方法および熱抵抗を精度良く計測する機能を備えた電力変換装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

パワーモジュールと、前記パワーモジュールの熱抵抗計測する熱抵抗計測部と、前記パワーモジュールのゲート電圧を制御する制御部と、を備える電力変換装置であって、前記パワーモジュールは、ソースおよびドレイン共通ノードとして互いに並列に接続された複数の半導体素子を有し、前記制御部は、前記複数の半導体素子のドレイン−ソース間に所定のパルス電圧印加することにより前記複数の半導体素子の各々を加熱するための電力を当該複数の半導体素子に印加し、前記複数の半導体素子のゲートソース間電圧を測定して得られた結果に基づいて前記熱抵抗計測部の動作を制御することを特徴とする電力変換装置。

請求項2

請求項1に記載の電力変換装置であって、前記制御部は、前記所定のパルス電圧を印加中に前記ゲート−ソース間電圧が減少する場合、前記熱抵抗計測部の動作を停止する機能を有することを特徴とする電力変換装置。

請求項3

請求項1に記載の電力変換装置であって、前記制御部は、前記所定の電圧を印加中に前記ゲート−ソース間電圧が一定もしくは増加する場合、前記所定のパルス電圧の印加を一定時間継続した後、前記熱抵抗計測部により前記パワーモジュールの熱抵抗を算出することを特徴とする電力変換装置。

請求項4

請求項1に記載の電力変換装置であって、前記パワーモジュールは、U相、V相、W相の上下アームに各々半導体素子を配置した三相交流型のパワーモジュールであり、前記制御部は、前記上下アームのうち一方のアームのU相、V相、W相のいずれかに接続された第1の半導体素子をオンとし、他方のアームのU相、V相、W相のいずれかに接続された第2の半導体素子をオンとなるようにゲート電圧を印加し、前記第1の半導体素子および前記第2の半導体素子に所定のドレイン−ソース電流が流れるように前記第2の半導体素子のゲートへパルス電圧を周期的に印加し、前記第1の半導体素子のドレイン−ソース間電圧が所定の値になるようにゲート電圧を印加し、前記第1の半導体素子のゲート−ソース間電圧を測定して得られた結果に基づいて前記熱抵抗計測部の動作を制御することを特徴とする電力変換装置。

請求項5

請求項4に記載の電力変換装置であって、前記制御部は、前記第1の半導体素子のゲート−ソース間電圧が減少する場合、前記第2の半導体素子のゲートをオフにして、前記熱抵抗計測部の動作を停止する機能を有することを特徴とする電力変換装置。

請求項6

ソースおよびドレインを共通ノードとして互いに並列に接続された複数の半導体素子を有するパワーモジュールの熱抵抗計測方法であって、前記複数の半導体素子のドレイン−ソース間に所定のパルス電圧を印加することにより前記複数の半導体素子の各々を加熱するための電力を当該複数の半導体素子に印加し、前記複数の半導体素子のゲート−ソース間電圧を測定して得られた結果に基づいて熱抵抗計測の可否を判定することを特徴とするパワーモジュールの熱抵抗計測方法。

請求項7

請求項6に記載のパワーモジュールの熱抵抗計測方法であって、前記所定のパルス電圧を印加中に前記ゲート−ソース間電圧が減少する場合、前記パワーモジュールの熱抵抗計測を停止することを特徴とするパワーモジュールの熱抵抗計測方法。

請求項8

請求項6に記載のパワーモジュールの熱抵抗計測方法であって、前記所定の電圧を印加中に前記ゲート−ソース間電圧が一定もしくは増加する場合、前記所定のパルス電圧の印加を一定時間継続した後、前記パワーモジュールの熱抵抗を算出することを特徴とするパワーモジュールの熱抵抗計測方法。

請求項9

請求項6に記載のパワーモジュールの熱抵抗計測方法であって、前記パワーモジュールは、U相、V相、W相の上下アームに各々半導体素子を配置した三相交流型のパワーモジュールであり、前記上下アームのうち一方のアームのU相、V相、W相のいずれかに接続された第1の半導体素子をオンとし、他方のアームのU相、V相、W相のいずれかに接続された第2の半導体素子をオンとなるようにゲート電圧を印加し、前記第1の半導体素子および前記第2の半導体素子に所定のドレイン−ソース電流が流れるように前記第2の半導体素子のゲートへパルス電圧を周期的に印加し、前記第1の半導体素子のドレイン−ソース間電圧が所定の値になるようにゲート電圧を印加し、前記第1の半導体素子のゲート−ソース間電圧を測定して得られた結果に基づいて熱抵抗計測の可否を判定することを特徴とするパワーモジュールの熱抵抗計測方法。

請求項10

請求項9に記載のパワーモジュールの熱抵抗計測方法であって、前記第1の半導体素子のゲート電圧が減少する場合、前記第2の半導体素子のゲートをオフにして、前記パワーモジュールの熱抵抗計測を停止することを特徴とするパワーモジュールの熱抵抗計測方法。

技術分野

0001

本発明は、複数の半導体素子を内蔵したパワーモジュールを有する電力変換装置係り、特に、パワーモジュールの熱抵抗計測に適用して有効な技術に関する。

背景技術

0002

電力変換装置内に内蔵されるパワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)といったパワー半導体素子発熱量が多く、動作温度を定格以下に維持するため熱設計の最適化が厳しくなされており、このとき放熱性能力を把握するために熱抵抗が計測される。

0003

熱抵抗は放熱経路上の材料の熱伝導性や形状により決定され、放熱経路に劣化が生じるとその熱抵抗は増大する。例えば、パワー半導体素子のオンオフが繰り返されるとパワー半導体素子およびパワー半導体素子と接合される半田熱膨張収縮が繰り返される。その際にパワー半導体素子と半田の熱膨張率が異なるため、接合面で応力・ひずみが生じ、やがて接合面でき裂が発生して熱抵抗が増大する。

0004

また、劣化が進展して熱抵抗が増大していくと、パワー半導体素子の動作温度が定格以上となり素子破壊につながる。このように熱抵抗はパワー半導体素子の劣化と関連しており、熱抵抗を計測することで、パワー半導体素子の劣化の程度を把握することができる。

0005

図1は従来のパワーMOSFETの熱抵抗計測方法であるΔVGS法を説明するための回路図である。この従来方法は、MOSFETのゲート電圧値素子接合温度に応じて線形に変化することを利用して熱抵抗を測定するものである。図1においてΔVGS法は、まず素子加熱前の素子温度を測定するために、電流源1aから半導体素子2へ半導体素子2が発熱しない程度に小さな電流を流し、このときのゲート電圧値から加熱前の素子温度を測定する。

0006

加熱前素子温度を測定するときの半導体素子2のドレインソース端子間(D−S間)に流す電流値は、例えば定格の1/1000程度の電流値が選択される。ゲート電圧温度特性データは予め取得しておき、素子温度は取得済データを用いてゲート電圧から換算して求める。加熱前素子温度を計測した後、素子加熱のために、加熱前素子温度測定用の電流と比較して値の大きな電流を、電流源1bから半導体素子2に流す。このとき、ゲート電圧値を小さくして、ドレイン−ソース端子間電圧(D−S間電圧)を大きくするようにする。ドレイン−ソース端子間電圧を大きくすることで、素子に加える電力の値(ドレイン−ソース端子間の電流と電圧との積)が大きくなり熱抵抗を計測するために充分な加熱を半導体素子2に与えることができる。

0007

加熱後は、再び素子温度測定のために電流源1bからソースドレイン端子間へ電流を流す。パワー半導体素子の熱抵抗値は、加熱前後の素子温度の変化量を、加熱電力の値で除することにより求めることができる。

0008

本技術分野の背景技術として、特許文献1のような技術がある。特許文献1には、「半導体素子の順方向ゲートソース間電圧温度係数を測定する工程とドレイン電圧印加前後の順方向ゲートソース間電圧の差分を求める工程の少なくとも一方の工程の前に、該半導体素子の昇温工程を有する熱抵抗測定方法」が開示されている。

先行技術

0009

特開2012−145354号公報

発明が解決しようとする課題

0010

上述したように従来のMOSFETの熱抵抗計測方法では、素子を加熱するときにゲート電圧を小さくする。図2はMOSFETの伝達特性を説明するための図である。図2中の2つのグラフは素子温度Tjが室温、高温ときの各々の伝達特性を示している。

0011

図2に示すようにゲート電圧Vgs1で室温と高温の伝達特性はクロスし、ゲート電圧がVgs1より大きい場合(温度係数正領域)には素子温度が高くなるほど素子に流れる電流量は抑制され、一方、ゲート電圧がVgs1より小さくなる場合(温度係数負領域)では、素子温度が高くなるほど素子に流れる電流量は多くなる。

0012

熱抵抗計測における素子加熱時に、ゲート電圧がVgs1より大きい場合には、電流が多く流れる素子ほど素子温度が高くなり、素子温度が高くなるとさらに電流がその素子に多く流れるといった正帰還が起こる。正帰還が起きると、複数のMOSFETが内蔵されたパワーモジュールの熱抵抗を計測する場合に、特定の素子に電流が集中して各素子間で発熱バラつきが生じてしまい、熱抵抗を精度良く計測できないといった問題が生じてしまう。

0013

上記特許文献1は、半導体素子の温度特性を利用して熱抵抗測定を行うものであるが、半導体素子単体の熱抵抗測定方法であり、上記のような複数の半導体素子を有するパワーモジュールでの各素子間の発熱バラつきによる課題やその解決方法については述べられていない。

0014

本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、複数の半導体素子を内蔵したパワーモジュールの熱抵抗を精度良く計測する熱抵抗計測方法および熱抵抗を精度良く計測する機能を備えた電力変換装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

上記課題を解決するために、本発明は、パワーモジュールと、前記パワーモジュールの熱抵抗を計測する熱抵抗計測部と、前記パワーモジュールのゲート電圧を制御する制御部と、を備える電力変換装置であって、前記パワーモジュールは、ソースおよびドレインを共通ノードとして互いに並列に接続された複数の半導体素子を有し、前記制御部は、前記複数の半導体素子のドレイン−ソース間に所定のパルス電圧印加することにより前記複数の半導体素子の各々を加熱するための電力を当該複数の半導体素子に印加し、前記複数の半導体素子のゲートソース間電圧を測定して得られた結果に基づいて前記熱抵抗計測部の動作を制御することを特徴とする。

0016

また、本発明は、ソースおよびドレインを共通ノードとして互いに並列に接続された複数の半導体素子を有するパワーモジュールの熱抵抗計測方法であって、前記複数の半導体素子のドレイン−ソース間に所定のパルス電圧を印加することにより前記複数の半導体素子の各々を加熱するための電力を当該複数の半導体素子に印加し、前記複数の半導体素子のゲート−ソース間電圧を測定して得られた結果に基づいて熱抵抗計測の可否を判定することを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明によれば、複数の半導体素子を内蔵したパワーモジュールの素子間発熱バラつきを低減して精度良く熱抵抗を計測する熱抵抗計測方法および熱抵抗を精度良く計測する機能を備えた電力変換装置を提供することができる。

0018

上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

図面の簡単な説明

0019

従来のMOSFETの熱抵抗計測法における測定回路図である。
MOSFETの伝達特性の温度特性を説明するための図である。
本発明の一実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示す図である。
実施例1の熱抵抗計測方法における測定回路図である。
MOSFETの伝達特性の温度特性を説明するための図である。
本発明の一実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示す図である。
本発明の一実施形態に係る熱抵抗計測方法を示すフローチャートである。

0020

以下、図面を用いて本発明の熱抵抗計測方法と熱抵抗計測機能を有する電力変換装置を説明する。なお、各図面において、同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。

0021

図3に実施例1における熱抵抗計測方法を用いた電力変換装置の概略構成を示す。図3に示すように、本実施例の電力変換装置5は、複数のMOSFET6(1,2,…,n)を内蔵するパワーモジュール7と、パワーモジュール7の熱抵抗を計測する熱抵抗計測部8、パワーモジュール7のゲート電圧を制御する制御部9とから構成されている。

0022

図4に熱抵抗計測部8の熱抵抗計測回路を示す。図4の熱抵抗計測回路は、パワーモジュール2のドレイン端子と接続するための端子D、ソース端子と接続するための端子S、ゲート端子と接続するための端子G、素子加熱前後の素子温度を測定するために用いる電流源1a、素子加熱用の電流源1b、パワーモジュール2のゲート電圧を検出するための電圧計V、パワーモジュール2のドレイン−ソース間に電圧を印加するための電圧源3、比較器4から構成されている。

0023

また、比較器4と端子Gの間には、ゲート端子への通電条件を制御する制御部9が設けられている。制御部9は熱抵抗計測部8に接続されており、パワーモジュール2の熱抵抗の計測開始と計測停止の指示を熱抵抗計測部8へ伝送する。

0024

図3および図4を用いて、本実施例における熱抵抗計測方法について説明する。先ず、素子加熱前のドレイン−ソース端子間に半導体素子(パワーモジュール)2が発熱しない程度に電流源1aから電流を通電させて、このときのゲート−ソース端子間電圧から加熱前素子温度を測定する。

0025

加熱前素子温度を計測した後、素子加熱のために、加熱前素子温度測定用の電流と比較して値の大きな電流を電流源1bから半導体素子(パワーモジュール)2に流す。このとき、パワーモジュール2のドレイン−ソース端子間電圧を検出して制御部9に入力し、制御部9はドレイン−ソース端子間電圧が所定の値となるようにパワーモジュール2のゲートへパルス電圧を印加する。

0026

熱抵抗を計測するためには素子を発熱させる必要があり、素子の発熱が小さいと熱抵抗の計測精度は悪くなる。素子発熱を大きくするためには、ドレイン−ソース電圧を大きく設定すると良いが、このときゲート電圧は小さくなる。ゲート電圧が小さくなり過ぎると、パワーモジュール2の伝達特性は温度係数負領域となり、素子加熱時に、パワーモジュール2に内蔵する複数のMOSFET6の素子間発熱バラつきが生じ、熱抵抗を精度良く計測できなくなる。

0027

つまり、パワーモジュール2の熱抵抗を精度良く計測するためにはゲート電圧を小さくする必要があるが、ゲート電圧を小さくし過ぎると素子間発熱バラつきが生じ熱抵抗を精度よく計測することができない。

0028

そこで、本実施例においては、素子間発熱バラつきが生じない条件で熱抵抗を計測できるよう素子加熱中のゲート電圧の変化を測定する。図5の伝達特性に示すように、素子間発熱バラつきが生じる条件で熱抵抗を計測している場合には、加熱中に素子温度が高くなるにつれてゲート電圧が減少していく。制御部9は素子加熱時のゲート電圧をサンプリングし、加熱中のゲート電圧変化が減少する場合には、熱抵抗計測部8へ停止指示を出し、熱抵抗計測回路をパワーモジュール2から切り離すようにする。

0029

そして、パワーモジュール2のドレイン−ソース電流電圧値を設定し直し、再度熱抵抗計測を開始し、素子加熱中のゲート電圧の変化が一定もしくは増加する場合には、素子加熱終了後に、電流源1aから素子へ電流を流して加熱後素子温度を測定する。熱抵抗は素子加熱前後の素子温度変化量を加熱電力(p)で除することで算出される。

0030

上記の熱抵抗計測方法を図7のフローチャートに示す。先ず、通電条件(Vds,Ids)を設定する。(ステップS1)
続いて、素子(チップ)加熱のためのドレイン−ソース電圧(Vds)およびドレイン−ソース電流(Ids)を素子(サンプル)へ印加する。(ステップS2)
続いて、通電中のゲート電圧(Vgs)を測定する。(ステップS3)
ステップS3で計測したゲート電圧(Vgs)から傾き(dVgs/dt)を算出する。(ステップS4)
続いて、ステップS4で算出した傾き(dVgs/dt)の正負を判定する。傾き(dVgs/dt)が負の場合、すなわちdVgs/dt<0の場合は、ゲート−ソース間電圧が減少していることになるため、測定を停止し、ステップS1へ戻り、通電条件(Vds,Ids)を設定し直す。

0031

一方、傾き(dVgs/dt)が正の場合、すなわちdVgs/dt≧0の場合は、ゲート−ソース間電圧が一定もしくは増加していることになるため、ステップ6へ移行し、素子(サンプル)への通電を継続する。(ステップS6)
続いて、素子加熱前後の素子温度変化量を加熱電力(p)で除すことにより、すなわち、(ΔTj−ΔTc)/pの値を算出することにより、素子(サンプル)の熱抵抗Rj−cを算出する。(ステップS7)
以上の方法により、複数のMOSFETが内蔵されたパワーモジュールを有する電力変換装置について、素子間発熱バラつきを生じさせずに熱抵抗を精度良く計測することができる。

0032

図6に実施例2における熱抵抗計測方法を用いた電力変換装置の概略構成を示す。図6の電力変換装置は、U相、V相、W相の上下アームに各々半導体素子を配置した三相交流型のパワーモジュールを搭載する実施例である。

0033

図6に示すように、本実施例の電力変換装置5は、複数のMOSFETを内蔵するパワーモジュール2a〜2fと、パワーモジュールの熱抵抗を計測する熱抵抗計測部8と、パワーモジュールのゲート電圧を制御する制御部9と、MOSFETのドレイン−ソース端子間電圧を検出する電圧計10、MOSFETのゲート-ソース端子間電圧を検出するための電圧計11、MOSFETのドレイン-ソース端子間電流を計測するための電流センサ12、電源13、モータ14とから構成されている。

0034

ここでは、パワーモジュール2aの熱抵抗を計測する方法を説明する。制御部9はパワーモジュール2aとパワーモジュール2dがオン、その他のパワーモジュールはオフとなるようにゲートに電圧を印加する。このとき、電流は電源13、パワーモジュール2a、モータ14、パワーモジュール2d、電源13の順に通電する。

0035

パワーモジュール2aの熱抵抗を算出するにはドレイン−ソース端子間の電圧値、電流値を計測する必要がある。そこで、ドレイン−ソース端子間に電圧計10、パワーモジュール2aのドレイン−ソース電流が流れる経路であるパワーモジュール2aとパワーモジュール2dとの間には電流センサ12が設けられている。

0036

熱抵抗計測時にパワーモジュール2aには一定の値のドレイン−ソース電流を流すようにするため、電流センサ12により検出されたパワーモジュール2aのドレイン−ソース電流は制御部9に入力され、ドレイン−ソース電流が常に一定となるように制御部9からパワーモジュール2dのゲートへオン/オフを周期的に繰り返す電圧を印加する。

0037

制御部9はパワーモジュール2dのゲート電圧のパルスのオン/オフの周期を変えることで、パワーモジュール2aに流す電流の値を制御する。なお、パワーモジュール2aのゲート電圧をオフにした場合にはドレイン−ソース端子間に電源13の高電圧が印加されるため、パワーモジュール2aのゲート電圧をオフにすると同時に電圧計10,11をパワーモジュール2aのドレイン端子、ソース端子から切り離すように制御部9が制御する。

0038

熱抵抗を計測するには、はじめに加熱前の素子温度を計測するため、パワーモジュール2aに定格の1/1000程度の電流が流れるようにする。次に、加熱のための電流をパワーモジュール2aに数秒程度流す。加熱中はパワーモジュール2aのゲート電圧をサンプリングする。加熱中にパワーモジュール2aのゲート電圧が減少した場合には、制御部9はパワーモジュール2dをオフにして、パワーモジュール2aのドレイン−ソース端子間に電流が流れないようにして熱抵抗計測を停止する。

0039

その後、パワーモジュール2aのドレイン−ソース間電流値を変えて再び加熱中のゲート電圧の変化をサンプリングし、加熱中にゲート電圧が一定もしくは増加する場合には、加熱後に素子温度測定用の電流が流し、このときのパワーモジュールのゲート電圧から素子温度を算出する。加熱前後の素子温度変化量を加熱電力値(p)で除することで熱抵抗が求められる。

0040

以上説明した方法により、複数のMOSFETが内蔵されたパワーモジュールを有する電力変換装置について、素子間発熱バラつきを生じさせずに熱抵抗を精度良く計測することができる。

実施例

0041

なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

0042

1a,1b…電流源、2,2a〜2f…半導体素子(パワーモジュール)、3…電圧源、4…比較器、5…電力変換装置、6…MOSFET、7…パワーモジュール、8…熱抵抗計測部、9…制御部、10,11…電圧計、12…電流センサ、13…電源、14…モータ。

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