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技術 電力変換装置

出願人 株式会社日立製作所
発明者 上妻央松元大輔市川智教
出願日 2016年1月27日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-012934
公開日 2017年8月3日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-135818
状態 特許登録済
技術分野 インバータ装置
主要キーワード 停止切り 稼働電力 分基準値 N端子 早期故障 制御部基板 接続バスバー 固定損
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重要な関連分野

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図面 (10)

課題

電力変換装置長寿命化を可能とする電力変換装置を提供することを目的とする。

解決手段

複数のパワー半導体モジュールと、パワー半導体モジュール制御部を有する電力変換装置であって、前記パワー半導体モジュール制御部では、前記電力変換装置の出力電力値と、前記パワー半導体モジュールの熱抵抗値に基づいて、前記パワー半導体モジュールの稼働と停止を制御し、前記熱抵抗値が所定値より大きいパワー半導体モジュールを稼働状態とし、前記熱抵抗値が所定値より小さいパワー半導体モジュールは停止状態とすることを特徴とする電力変換装置

概要

背景

電力変換装置であるインバータコンバータ、及びチョッパは、UPS(Uninterruptible Power−supply System、無停電電源装置)、PCS(Power Conditioning System)、ACドライブ等の産業用電力変換装置や、ハイブリッド自動車HEV: Hybrid Electric Vehicle)、電気自動車EV: Electric Vehicle)等の車載用電力変換装置、更に家電用電力変換装置等で多く採用されている。これら電力変換装置には、小型化に加え、電力変換器効率に起因するランニングコストや、部品交換等のメンテナンスコストを低く抑えた長寿命製品が望まれている。

電力変換装置は、半導体モジュール冷却器に加え、各部品電気的に接続するバスバー直流電力平滑化させるためのコンデンサ等の部品から形成される電力変換ユニットを有している。電力変換ユニットの多並列化により構成される電力変換機では、出力をN倍化するために、前記電力変換ユニットをN並列化することで対応できる。

一方、電力変換ユニットの稼働と停止を繰り返すと、パワー半導体モジュールにかかる電力負荷が変動(パワーサイクル)し、高温状態低温状態に変化する。このとき、パワー半導体モジュールは熱膨張係数の異なる材料(銅配線半田シリコンチップ樹脂等の絶縁部材アルミ金属ケース)で構成されているため、熱膨張熱収縮の繰り返しによる熱応力の発生で、半田のクラックや、絶縁部材の剥離等が生じ、パワー半導体モジュールの絶縁特性放熱特性熱抵抗特性)が劣化する。この様に、電力変換ユニットの稼働と停止を繰り返すと、パワーサイクルによる熱疲労が進行し、パワー半導体モジュールの故障の原因となる。そこで電力変換ユニット、及びパワー半導体モジュールの長寿命化には、熱疲労を進行させない運転制御が課題となる。

例えば、特許文献1には、冷却フィン温度上昇からチップとパワー半導体モジュールの外側ケース間の熱抵抗を推定する手法が提案されている。

概要

電力変換装置の長寿命化を可能とする電力変換装置を提供することを目的とする。複数のパワー半導体モジュールと、パワー半導体モジュール制御部を有する電力変換装置であって、前記パワー半導体モジュール制御部では、前記電力変換装置の出力電力値と、前記パワー半導体モジュールの熱抵抗値に基づいて、前記パワー半導体モジュールの稼働と停止を制御し、前記熱抵抗値が所定値より大きいパワー半導体モジュールを稼働状態とし、前記熱抵抗値が所定値より小さいパワー半導体モジュールは停止状態とすることを特徴とする電力変換装置

目的

これら電力変換装置には、小型化に加え、電力変換器効率に起因するランニングコストや、部品交換等のメンテナンスコストを低く抑えた長寿命な製品が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数のパワー半導体モジュールと、前記複数のパワー半導体モジュールを制御するパワー半導体モジュール制御部と、を有する電力変換装置であって、前記パワー半導体モジュール制御部は、前記パワー半導体モジュールの熱抵抗値所定値より大きいパワー半導体モジュールを稼働状態にし、前記熱抵抗値が所定値より小さいパワー半導体モジュールは停止状態とする電力変換装置。

請求項2

請求項1に記載された電力変換装置であって、前記パワー半導体モジュールは、内蔵されるパワー半導体素子の温度を検知する温度センサを有しており、前記パワー半導体モジュール制御部は、前記温度センサから出力された温度検知信号に基づいて前記各パワー半導体モジュールの熱抵抗値を求める電力変換装置。

請求項3

請求項1に記載された電力変換装置は、前記電力変換装置から出力される出力負荷電流値をモニタする電流センサを有し、前記パワー半導体モジュール制御部は、前記電流センサで得られた出力電流値負荷電流基準値よりも小さくなる場合は、前記前記パワー半導体モジュールのうち少なくとも一つを停止状態に制御する電力変換装置。

請求項4

請求項1に記載された電力変換装置は、複数のリアクトルを備え、前記複数のパワー半導体モジュールは、それぞれ個別の前記リアクトルと接続されることを特徴とする電力変換装置。

請求項5

請求項1に記載された電力変換装置であって、前記パワー半導体モジュール制御部は、前記電力変換装置から出力される出力負荷電流値と前記パワー半導体素子の負荷電流損失の関係を記憶した負荷電流損失データテーブルを備え、前記パワー半導体モジュール制御部では、前記電流センサの検知信号と、前記負荷電流損失データテーブルから、前記パワー半導体素子の損失情報を算出する電力変換装置。

請求項6

請求項5に記載された電力変換装置は、前記パワー半導体モジュールを冷却する冷却フィンを有し、前記冷却フィンの温度を検知する冷却フィン温度センサを備え、前記パワー半導体モジュール制御部では、前記損失情報と、前記パワー半導体温度情報と、前記冷却フィン温度とに基づいて、前記パワー半導体モジュールの熱抵抗値を求める電力変換装置。

請求項7

請求項6に記載された電力変換装置であって、前記パワー半導体モジュール制御部は、前記パワー半導体モジュールの熱抵抗値を記憶する熱抵抗値記憶メモリ部を備え、前記パワー半導体モジュール制御部は、前記損失情報と、前記パワー半導体温度情報と、前記冷却フィン温度と、前記熱抵抗値記憶メモリ部にある初期熱抵抗値とから算出された算出熱抵抗に基づいて、前記パワー半導体モジュールの熱抵抗増分値を算出し、前記出力電流値が負荷電流基準値以下となる場合において、前記パワー半導体モジュール制御部は、前記熱抵抗増分値が熱抵抗増分基準値以下となる前記パワー半導体モジュールのうち少なくとも一つを停止状態にする電力変換装置。

請求項8

請求項1〜7のいずれかに記載された電力変換装置は、コンデンサと、前記パワー半導体モジュールと、前記冷却フィンと、前記パワー半導体モジュール制御部とを備える複数の電力変換ユニットを有しており、前記複数の電力変換ユニットのDC接続端子を、バスバー並列接続し、前記複数の電力変換ユニットは、それぞれ個別の前記リアクトルへと接続された電力変換装置。

請求項9

請求項7に記載された電力変換装置であって、前記電力変換装置から出力される出力負荷電流値、および前記熱抵抗値または前記熱抵抗増分値が相対的に小さい電力変換ユニットを停止させる電力変換装置。

技術分野

0001

本発明は、電力変換装置に関する。

背景技術

0002

電力変換装置であるインバータコンバータ、及びチョッパは、UPS(Uninterruptible Power−supply System、無停電電源装置)、PCS(Power Conditioning System)、ACドライブ等の産業用電力変換装置や、ハイブリッド自動車HEV: Hybrid Electric Vehicle)、電気自動車EV: Electric Vehicle)等の車載用電力変換装置、更に家電用電力変換装置等で多く採用されている。これら電力変換装置には、小型化に加え、電力変換器効率に起因するランニングコストや、部品交換等のメンテナンスコストを低く抑えた長寿命製品が望まれている。

0003

電力変換装置は、半導体モジュール冷却器に加え、各部品電気的に接続するバスバー直流電力平滑化させるためのコンデンサ等の部品から形成される電力変換ユニットを有している。電力変換ユニットの多並列化により構成される電力変換機では、出力をN倍化するために、前記電力変換ユニットをN並列化することで対応できる。

0004

一方、電力変換ユニットの稼働と停止を繰り返すと、パワー半導体モジュールにかかる電力負荷が変動(パワーサイクル)し、高温状態低温状態に変化する。このとき、パワー半導体モジュールは熱膨張係数の異なる材料(銅配線半田シリコンチップ樹脂等の絶縁部材アルミ金属ケース)で構成されているため、熱膨張熱収縮の繰り返しによる熱応力の発生で、半田のクラックや、絶縁部材の剥離等が生じ、パワー半導体モジュールの絶縁特性放熱特性熱抵抗特性)が劣化する。この様に、電力変換ユニットの稼働と停止を繰り返すと、パワーサイクルによる熱疲労が進行し、パワー半導体モジュールの故障の原因となる。そこで電力変換ユニット、及びパワー半導体モジュールの長寿命化には、熱疲労を進行させない運転制御が課題となる。

0005

例えば、特許文献1には、冷却フィン温度上昇からチップとパワー半導体モジュールの外側ケース間の熱抵抗を推定する手法が提案されている。

先行技術

0006

特開2012−191849号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1ではパワーサイクルに対するパワー半導体モジュールの劣化情報を検知できるが、長寿命化のための具体的な制御方法が課題となる。

0008

そこで本発明は、電力変換装置の長寿命化を可能とする電力変換装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するために、例えば、パワー半導体モジュールを具備した電力変換ユニットを複数有する電力変換装置であり、負荷電力に応じて電力変換器内の運転電力変換ユニット数を最適化し、変換器効率を改善する電力変換装置において、本発明に係る電力変換装置は、複数の前記電力変換ユニットは、パワー半導体モジュール、冷却器を備え、前記電力変換ユニットは、出力電力負荷情報と、当該パワー半導体モジュールの熱抵抗値に基づいて、各電力変換ユニットの稼働と停止を制御し、前記熱抵抗値が所定値よりも大きい電力変換ユニットを稼働状態とし、前記熱抵抗値が所定値よりも小さい電力変換ユニットは停止状態とする。

発明の効果

0010

本発明によれば、電力変換装置の効率を最適化しつつ、電力変換装置の長寿命化を可能とすることができる。

図面の簡単な説明

0011

三相インバータ部の構成を示す。
パワー半導体モジュールのパワーサイクル寿命特性例を示す図である。
本実施例における、インバータ103の構成図を示す。
本実施例における、パワー半導体モジュールPM1、PM2の稼働、停止切り替えフローを示している。
本発明の第2の実施の形態における、パワー半導体モジュールPM1、PM2の稼働、停止切り替えフローを示している。
本発明の第2の実施の形態における、インバータの単相電力変換器の構成図を示す。
本発明の第3の実施の形態における、インバータの構成図を示す。
本発明の第4の実施の形態における、単相電力変換部301の構造図である。
本発明の第4の実施の形態における、並列運転切り替えフローを示している。

0012

以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。以下では、三相インバータ電力変換装置を例とするが、単相インバータ部、コンバータ部、DCDC変換部にも適用することが可能である。

0013

図1は、三相インバータ部の構成を示す。

0014

インバータ103は、PN間の直流電力を3相交流電力に変換させるものである。各相変換器301、302、303は、パワー半導体21、22、23、24からなるパワー半導体モジュール20を備える。PN端子から供給される直流電圧を、各相に備えられた上アームスイッチング素子21及び整流素子23と、下アームのスイッチング素子22及び整流素子24とにおいて、インバータ制御部304でスイッチングタイミングを制御することにより交流電力に変換させ、各相変換器301、302、303の交流端子U、V、Wに出力する。

0015

本実施例においては、スイッチング素子としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、整流素子としてダイオード、を用いているが、これらに限らず、他の種類の素子を適用することも可能である。

0016

また、本実施例のインバータ103は、上アームのスイッチング素子21及び整流素子23と、下アームのスイッチング素子22及び整流素子24と、が直列に接続された2レベルハーフブリッジ部20を基本構成としているが、3レベルを基本構成としたインバータ、コンバータ、昇圧部を適用することも可能である。

0017

図2は、パワー半導体モジュールのパワーサイクル寿命特性例を示す図である。縦軸はパワーサイクル寿命回数横軸はパワー半導体モジュール温度変化であり、各パラメータ関係性を示したものである。

0018

パワー半導体モジュールは熱膨張係数の異なる材料である銅配線、半田、シリコンチップ、樹脂等の絶縁部材、アルミ等の金属ケース等で構成されているため、熱膨張、熱収縮の繰り返しによる熱応力の発生で、半田のクラックや、絶縁部材の剥離等が生じる。このことにより、パワー半導体モジュールの絶縁特性や放熱特性(熱抵抗特性)が劣化する。図2に示すように、パワー半導体モジュールの温度変化ΔTが大きいと、内部熱応力は大きくなり、パワー半導体モジュールの特性が劣化するまでのパワーサイクル寿命回数は少なくなる。

0019

図3は、各相が2並列接続されたパワーモジュールを有している場合のインバータの全体構成図を示す。

0020

三相インバータを構成するU相301、V相302、W相303は、それぞれ2つのパワー半導体モジュール20で構成される。各相には、DC電源からPN端子を介して直流電圧が入力され、パワー半導体モジュールPM1およびパワー半導体モジュールPM2は、パワー半導体モジュール内部のパワー半導体デバイス21、22、23、24のチップジャンクション温度モニタする不図示の温度センサ31を具備しており、温度情報を制御部304へ入力される。

0021

また各相変換器301、302、303は、負荷電流をモニタする付図示の電流センサ32を具備しており、負荷電流情報を制御部304へ入力される。

0022

図4は、本実施例における、パワー半導体モジュールPM1、PM2の稼働、停止切り替えフローを示している。

0023

2並列接続されたパワー半導体モジュールPM1、PM2がいずれも稼働している状態において(ステップ401)、出力負荷電流負荷電流基準値以下となったとき(ステップ402のyes)、片方のパワーモジュールを停止状態とする判定を行う(ステップ403)。すなわち上下アーム両方のパワー半導体IGBTをオフ状態とし、他方のパワー半導体モジュールをPWM制御による稼働状態とする、片側運転モードへの切り替え判定を行う。一方、出力電流規定値以下でないとき(ステップ402のno)は2並列運転(ステップ401)を継続する。

0024

次に、制御部304では、パワー半導体モジュール20に取り付けられた温度センサ31と、電流センサ32からの温度、負荷電流情報を基に、2つのパワー半導体モジュールPM1、PM2の熱抵抗を算出する。このとき、2つのパワー半導体モジュールPM1、PM2の熱抵抗のうち、少なくともいずれか一方の熱抵抗が規定値以下であったとき(ステップ404のyes)、片側運転モードへと移行する。一方、熱抵抗が所定値よりも大きい場合には、2並列運転(ステップ401)を行う。

0025

次に、2つのパワー半導体モジュールPM1、PM2の算出熱抵抗を比較し、熱抵抗が小さいパワー半導体モジュールを停止状態とする(ステップ405)。例えば、パワー半導体モジュールPM1の熱抵抗がパワー半導体モジュールPM2の熱抵抗よりも大きいときは、パワー半導体モジュールPM1を継続稼働状態とし、パワー半導体モジュールPM2を停止状態とする(ステップ406)。一方、パワー半導体モジュールPM2の熱抵抗が大きい場合は、パワー半導体モジュールPM1を停止状態にする(ステップ407)。

0026

片側運転モードにおいて、負荷電流が規定値以上となるとき(ステップ408のyes)、停止していたパワー半導体モジュールを稼働状態とし、並列運転モードに復帰する。

0027

一方、負荷電流が規定値以下となり(ステップ408のno)、かつ片側運転中に稼働しているパワー半導体モジュールの熱抵抗が規定値以下(ステップ410のyes)を満足している間、片側運転を継続する。このとき、片側運転中に稼働しているパワー半導体モジュールの熱抵抗が規定値以上(ステップ410のno)となったときは、片側運転中に停止状態のパワー半導体モジュールを稼働させ、2並列運転に復帰する。

0028

本実施の形態によれば、電力変換器の稼働電力変換ユニット数を、電力負荷情報に基づいて最適化することで、負荷ごとに電力変換装置の効率を最適化できる。稼働状態から停止状態に移り、再び稼働状態へ移行すると、パワー半導体モジュールは高温から低温、再び高温と温度変化が起こり、パワーサイクル累積回数が増え、パワー半導体モジュール内部の熱疲労により、熱抵抗特性や、絶縁特性が劣化する。この課題に対し、本実施の形態では、熱抵抗をモニタし、熱抵抗が大きい、すなわち、熱疲労が進行しているパワー半導体モジュールの温度変化(稼働から停止制御)を回避することで、長寿命化が可能となる。また、パワーモジュールの初期熱抵抗特性ばらつきが小さい条件下では、熱抵抗値の判定が可能であるため、本実施例では熱抵抗値に基づいて判定を行っている。

0029

図5は、本発明の第2の実施の形態における、パワー半導体モジュールPM1、PM2の稼働、停止切り替えフローを示している。

0030

2並列接続されたパワー半導体モジュールPM1、PM2がいずれも稼働している状態において(ステップ501)、出力負荷電流が負荷電流基準値以下となったとき(ステップ502のyes)、片方のパワーモジュールを停止状態とする判定を行う(ステップ503)。すなわち上下アーム両方のパワー半導体IGBTをオフ状態とし、他方のパワー半導体モジュールをPWM制御による稼働状態とする、片側運転モードへの切り替え判定を行う。一方、出力電流が規定値以下でないとき(ステップ502のno)は2並列運転(ステップ501)を継続する。

0031

次に、制御部304では、パワー半導体モジュール20に取り付けられた温度センサ31と、電流センサ32からの温度、負荷電流情報を基に、2つのパワー半導体モジュールPM1、PM2の熱抵抗を算出する。さらに、算出した現状熱抵抗値と初期熱抵抗値を比較し、2つのパワー半導体モジュールPM1、PM2の熱抵増分値を算出する。このとき、2つのパワー半導体モジュールPM1、PM2の熱抵抗増分値のうち、少なくともいずれか一方の熱抵抗増分値が規定値以下であったとき(ステップ504のyes)、片側運転モードへと移行する。一方、熱抵抗増分値が所定値よりも大きい場合には、2並列運転(ステップ501)を行う。

0032

次に、2つのパワー半導体モジュールPM1、PM2の算出熱抵抗増分値を比較し、熱抵抗増分値が小さいパワー半導体モジュールを停止状態とする(ステップ505)。例えば、パワー半導体モジュールPM1の熱抵抗増分値がパワー半導体モジュールPM2の熱抵抗増分値よりも大きいときは、パワー半導体モジュールPM1を継続稼働状態とし、パワー半導体モジュールPM2を停止状態とする(ステップ506)。一方、パワー半導体モジュールPM2の熱抵抗増分値が大きい場合は、パワー半導体モジュールPM1を停止状態にする(ステップ507)。

0033

片側運転モードにおいて、負荷電流が規定値以上となるとき(ステップ508のyes)、停止していたパワー半導体モジュールを稼働状態とし、並列運転モードに復帰する。

0034

一方、負荷電流が規定値以下となり(ステップ508のno)、かつ片側運転中に稼働しているパワー半導体モジュールの熱抵抗増分値が規定値以下(ステップ510のyes)を満足している間、片側運転を継続する。このとき、片側運転中に稼働しているパワー半導体モジュールの熱抵抗増分値が規定値以上(ステップ510のno)となったときは、片側運転中に停止状態のパワー半導体モジュールを稼働させ、2並列運転に復帰する。

0035

電力変換器の稼働電力変換ユニット数を、電力負荷情報に基づいて最適化することで、負荷ごとに電力変換装置の効率を最適化できる。稼働状態から停止状態に移り、再び稼働状態へ移行すると、パワー半導体モジュールは高温から低温、再び高温と温度変化が起こり、パワーサイクル累積回数が増え、パワー半導体モジュール内部の熱疲労により、熱抵抗特性や、絶縁特性が劣化する。この課題に対し、本実施の形態では、熱抵抗増分値をモニタし、熱抵抗増分値が大きい、すなわち、熱疲労が進行しているパワー半導体モジュールの温度変化(稼働から停止制御)を回避することで、長寿命化が可能となる。また、熱抵抗増分値を判定基準とすることで、初期熱抵抗特性ばらつきを考慮した、より好適な判定が可能となる。

0036

図6は、インバータ103の単相電力変換器301の構成図を示す。

0037

制御部304は、負荷電流電圧損失データテーブル305と、熱抵抗記憶メモリ306と、熱抵抗算出部307と、並列運転判定部308と、制御信号生成部309とを含む。

0038

不図示の負荷電流センサ32からの出力負荷電流情報および出力電圧情報は、負荷電流電圧損失データテーブル305へと入力される。

0039

負荷電流電圧損失データテーブル305は、出力負荷電流情報および出力電圧情報からパワー半導体モジュール20の損失量である損失情報を算出し、損失算出結果を熱抵抗算出部307へと入力する。

0040

熱抵抗算出部307には、損出算出結果と、パワー半導体モジュールPM1、パワー半導体モジュールPM2のパワー半導体温度情報と、電力変換ユニット301に含まれるパワー半導体モジュール用冷却フィンの温度情報とが、入力される。熱抵抗算出部307では、損失算出結果と、パワー半導体温度情報、電力変換ユニット冷却フィン温度情報とから、パワー半導体モジュール20の内部熱抵抗を算出する。そして、算出されたパワー半導体モジュールPM1、パワー半導体モジュールPM2のそれぞれの熱抵抗情報は、並列運転判定部308へと入力される。

0041

並列運転判定部308には、不図示の負荷電流センサ32からの出力負荷電流情報と、熱抵抗算出部307からのパワー半導体モジュールPM1、パワー半導体モジュールPM2のそれぞれの熱抵抗情報と、熱抵抗記憶メモリ306からのパワー半導体モジュールPM1、パワー半導体モジュールPM2のそれぞれの初期熱抵抗情報が入力される。

0042

並列運転判定部308では、図4図5に示す並列運転、片側運転切り替えフローに従い、並列運転と片側運転の判定、および、片側運転の際の停止パワー半導体モジュールを判定する。

0043

2並列接続されたパワー半導体モジュールPM1、パワー半導体モジュールPM2がいずれも稼働している状態において、負荷電流が規定値以下となったとき、片方のパワーモジュールを停止状態、すなわち上下アーム両方のパワー半導体IGBTをオフ状態とし、他方のパワー半導体モジュールをPWM制御による稼働状態とする、片側運転モードへの切り替え判定を行う。

0044

このとき、並列運転判定部308に入力されるパワー半導体モジュールPM1、パワー半導体モジュールPM2のそれぞれの熱抵抗情報と、熱抵抗記憶メモリ306からのパワー半導体モジュールPM1、パワー半導体モジュールPM2のそれぞれの初期熱抵抗情報から、パワー半導体モジュールPM1、PM2のそれぞれの熱抵抗増分値を算出し、2つのパワー半導体モジュールPM1、PM2の熱抵抗増分値のうち、少なくともいずれか一方の熱抵抗増分値が規定値以下であったとき、片側運転モードへと移行する。

0045

更に、2つのパワー半導体モジュールPM1、パワー半導体モジュールPM2の算出熱抵抗増分値を比較し、熱抵抗増分値が小さいパワー半導体モジュールを停止状態とする。例えば、パワー半導体モジュールPM1の熱抵抗増分値がパワー半導体モジュールPM2の熱抵抗増分値よりも大きいときは、パワー半導体モジュールPM1を継続稼働状態とし、パワー半導体モジュールPM2を停止状態とする。このように熱抵抗増分値が大きいパワー半導体モジュールを継続稼働状態とすることで、パワー半導体モジュールの破壊の原因となる
本実施の形態によれば、稼働と停止を行うパワー半導体モジュールを、初期熱抵抗と現状熱抵抗とから算出した熱抵抗増分情報を基に選定することで、一部の電力変換ユニットの早期故障を回避し、電力変換装置の長寿命化が可能となる。更に熱抵抗増分値を判定基準とすることで、初期熱抵抗値のばらつきに依存せず、劣化デバイスの判定を行うことが可能となる。

0046

図7は、本発明の第3の実施の形態における、インバータの構成図を示す。

0047

ここでは図3共通構成については省略する。単相電力変換部301を構成する2つのパワー半導体モジュールPM1、パワー半導体モジュールPM2のAC出力は、それぞれ個別のリアクトル408へと入力される。

0048

また各相変換器301、302、303は、負荷電流をモニタする電流センサ32を具備しており、負荷電流情報を制御部304へ入力される。そして制御部304では、負荷電流情報に応じて、並列運転モードと片側運転モードの切り替えを行う。

0049

本実施の形態によれば、2つのパワー半導体モジュールPM1、パワー半導体モジュールPM2のAC出力が個別のリアクトル408へ接続されることで、2つのパワー半導体モジュール間電流アンバランスを回避できる。仮に2つのパワー半導体モジュールPM1、パワー半導体モジュールPM2を共通のリアクトル408へ接続した場合、2つのパワー半導体モジュールPM1、PM2の各AC端子からリアクトル408までのインピーダンスのばらつき、または、2つのパワー半導体モジュールPM1、PM2の特性ばらつきにより、パワー半導体モジュール間に出力電流アンバランスが課題となる。一方、リアクトル408をそれぞれ個別に具備することで、出力負荷端子から、各パワー半導体モジュールのAC端子までのインピーダンスは各リアクトル408のインピーダンスが支配的となるため、2つのパワー半導体モジュールPM1、PM2の特性ばらつきによる電流アンバランスを低減できる。

0050

例えば、エレベータ、PCS、汎用インバータ等の電力変換装置のように負荷電力の変動が生じる電力変換装置においては、電力変換器の稼働電力変換ユニット数を、電力負荷情報に基づいて最適化することで、負荷ごとに電力変換装置の効率を最適化できる。また、稼働と停止を行う電力変換ユニットを、熱抵抗情報を基に選定することで、一部の電力変換ユニットの早期故障を回避し、電力変換装置の長寿命化が可能となる。

0051

更に、負荷電流情報に応じて、並列運転モードと片側運転モードの切り替え、各パワー半導体モジュールに接続された各リアクトルのうち軽負荷時通電するリアクトル数を片方とすることで、リアクトルの固定損失(鉄損)を低減でき、軽負荷時の電力変換効率を改善することが可能となる。

0052

図8は、本発明の第4の実施の形態における、単相電力変換部301の構造図である。

0053

単相電力変換部301は3つの電力変換ユニット30a、30b、30cと、各電力変換ユニットのDC端子(P、N端子)を接続する相間バスバー34と、3つのリアクトル408と、3つのACバスバー33を含み、各電力変換ユニットは、コンデンサ25と、制御部基板304と、パワー半導体モジュール20と、パワー半導体モジュール冷却フィン29と、コンデンサとパワー半導体モジュールを電気的に接続する主部バスバー35を含んでいる。

0054

各電力変換ユニットのAC出力端子は、それぞれ個別のACバスバー、及びリアクトルへと接続される。

0055

3つの電力変換ユニットを含む単相電力変換部301は、2つの負荷電流規定値P1、P2を基準に3並列動作、2並列動作、1並列動作と切り替わる。負荷電流規定値はP1>P2の関係であり、負荷電流>P1の時は3並列動作、P1>負荷電流>P2の時は2並列動作、P2>負荷電流の時は1並列動作判定を行う。

0056

図9は、本実施形態における並列運転切り替えフローを示している。ここで、負荷電流規定値P1は負荷電流規定値P2よりも大きい値であることを前提とする。

0057

制御部304では、電力変換ユニットからの負荷電流情報と温度情報とを用いて、並列運転数、稼働・停止電力変換ユニットの選定を行う。

0058

例えば3並列電力変換ユニット運転において(ステップ901)、負荷電流がP1以下かつP2以下である場合(ステップ902のyes、ステップ903のyes)、1並列運転判定を行う(ステップ904)。ここで、出力負荷電流が規定値P1よりも大きい場合は(ステップ902のno)、3並列運転を継続する(ステップ901)。

0059

ステップ904に戻り、3並列電力変換ユニットのうち、少なくとも2ユニットのパワー半導体モジュールPMの熱抵抗増分値が規定値以下であったとき(ステップ905のyes)、各パワー半導体モジュールPMの熱抵抗増分値を比較し(ステップ906)、熱抵抗増分値が少ない2つの電力変換ユニットを停止状態とする(ステップ907)。

0060

ステップ803に戻り、負荷電流がP2以下である場合は(ステップ903のno)、2並列運転を行う(ステップ908)。また、3並列電力変換ユニットのうち、パワー半導体モジュールPMの熱抵抗増分値が規定値以下となるのが、1ユニット以下であった場合(ステップ905のno、ステップ909のyes)、2並列運転判定を行う(ステップ909のyes)。3並列電力変換ユニットのうち、少なくとも1ユニットのパワー半導体モジュールPMの熱抵抗増分値が規定値以下であったとき、各パワー半導体モジュールPMの熱抵抗増分値を比較し(ステップ910)、熱抵抗増分値が少ない1つの電力変換ユニットを停止状態とする(ステップ911)。

0061

本実施の形態によれば、並列接続された電力変換ユニット30が個別のリアクトル408へ接続されることで、各ユニットにあるパワー半導体モジュール間の電流アンバランスを回避できる。

0062

また、電力変換ユニット30を多並列化した単相電力変換部では、同一ユニット並列接続数変更により、電力変換装置の許容出力容量を容易に調整可能となる。すなわち、電力変換器の稼働電力変換ユニット数を、電力負荷情報に基づいて最適化することで、負荷ごとに電力変換装置の効率を最適化できる。

0063

さらに、負荷電流情報に応じて、並列運転モードと片側運転モードの切り替える、すなわち、各パワー半導体モジュールに接続された各リアクトルのうち、軽負荷時に通電するリアクトル数を片方とすることで、リアクトルの固定損失(鉄損)を低減でき、軽負荷時の電力変換効率を改善することが可能となる。

実施例

0064

以上説明した実施の形態では、単相・三相インバータについて言及しているが、異なる電力変換器への適用も可能であり、上記実施形態の構成に限定されるものではない。

0065

20…2レベルハーフブリッジ部、パワー半導体モジュール
21、22…スイッチング素子(IGBT)
23、24…整流素子(ダイオード)
25…コンデンサ素子
29…パワー半導体モジュール冷却フィン
30…電力変換ユニット
31…温度センサ
32…電流センサ
33…ACバスバー
34…DC接続バスバー
35…バスバー
103…インバータ
301…インバータU相電力変換ユニット
302…インバータV相電力変換ユニット
303…インバータW相電力変換ユニット
304…インバータ制御部
305…負荷電流電圧損失データテーブル
306…熱抵抗記憶メモリ
307…熱抵抗算出部
308…並列運転判定部
309…パワー半導体モジュール制御信号生成部
408…リアクトル
502…インバータAC出力端子

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