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技術 荷電粒子ビーム誘起エッチング

出願人 エフイーアイカンパニ
発明者 クライブ・ディー・チャンドラー
出願日 2017年1月6日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2017-001221
公開日 2017年8月3日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-135375
状態 特許登録済
技術分野 マイクロマシン 荷電粒子線装置 半導体のドライエッチング
主要キーワード 電子回路構成要素 強化係数 液体窒素源 画像認識ソフトウェア 熱導管 ガス送達システム マイクロ弁 取り扱い手順
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

化学物質によって支援されたビーム誘起エッチング・プロセスを提供する。

解決手段

マイクロマシニングプロセスは、酸ハロゲン化官能基を有する化合物を含む前駆体ガス加工物表面さらすことおよび前駆体ガスの存在下で加工物表面にビームを照射することを含む。この前駆体ガスは、粒子ビームの存在下で反応して、加工物表面から材料を除去する。

概要

背景

マイクロマシニングは、イオンビーム電子ビームレーザ・ビーム、分子ビームクラスタ・ビーム、原子ビームなどのビームを加工物に向かって導くことによって実行することができる。例えば、電子回路構成要素マイクロエレクトロメカニカル・システムMEMS)構造体などの顕微鏡微小構造体の形成、整形または改変には集束イオン・ビーム・システムが使用される。集束イオン・ビームは、加工物上の非常に小さなスポット集束させることができ、集束イオン・ビームでその表面を所望のパターン走査して、材料を除去することができる。

イオンが加工物表面ぶつかると、そのイオンの運動量が移動し、その結果、1つまたは複数の表面原子が、「スパッタリング」と呼ばれる過程によって除去される。所与の全体形状のパターン、例えば水平ラスタ・パターンを選択することによって、表面材料のそのパターンに対応した形状のエリアを除去することができる。しばしば、下にある層に到達し、ことによるとその層を切断するため、所与のエリアにおいて、半導体デバイスの連続するいくつかの層が除去される。イオン・ビームは微細なビームに集束させることができるため、微細な構造体を生み出すことができる。

エッチング前駆体ガスを導入することによって、上述の物理的スパッタリング過程を強化することができる。このガスは、イオンが到達する前に、加工物の表面によって吸着され、イオン・ビームの存在下で表面材料と化学的に反応して、スパッタリングを促進し、スパッタリングされた材料の再付着を低減させる。イオン・ビームは、前駆体ガス反応生成物への分解を誘起することができ、反応生成物の一部は加工物材料と反応する。前駆体ガスは化学的に反応して揮発性化合物を形成し、その結果、スパッタリング速度が相当に増大する。例えば、塩素前駆体ガスを用いたシリコンのスパッタリングの強化係数は約14であると報告されている。すなわち、ガスによって強化されたスパッタリングは、ガスの導入のないスパッタリングの約14倍の速さで起こる。ガスによって強化されたスパッタリングでは、スパッタリングされた材料の再付着も起こりにくい。半導体デバイスの導電層などの金属表面に対する強化係数は、よりいっそう大きいことがある。

電子ビームは通常、材料をスパッタリングするだけの運動量を持たないが、電子ビームを使用して前駆体ガスと加工物の間の反応を開始させ、それによって加工物表面をエッチングすることはできる。例えば、本出願の出願人に譲渡されたMusil他の「Electron Beam Processing」という名称の米国特許第6,753,538号明細書を参照されたい。他のタイプのビームを使用して、前駆体ガスと加工物の間の反応を開始させて、表面をエッチングすることもできる。このようなビームには、例えばEhrlichの「Laser−induced Etching of Multilayer Materials」という名称の米国特許第5,874,011号明細書に記載されているレーザ・ビーム、本出願の出願人に譲渡されたChandler他の「Charged Particle−beam Processing Using a Cluster Source」という名称の米国特許第8,835,880号明細書に記載されているクラスタ・ビームが含まれる。他のタイプのビーム、例えば中性原子または分子のビームを使用して、前駆体ガスと表面の間の反応を開始させることもできる。ビームは微小な点に集束させることができ、または、より大きな面積を処理するために幅広くすることができる。

ビーム処理用のエッチング前駆体として有用であるために、ガス分子は、非常に特殊な特性を有しているべきである。ガス分子は、ビームと反応するのに十分な時間、表面に張り付いている必要があるが、表面をビームから隠す厚い層を形成してはならない。このガスは、ビームが存在しない場合に加工物の表面材料と自発的に反応すべきではない。前駆体解離生成物は、加工物材料と反応して揮発性化合物を形成すべきである。エッチング前駆体は通常、特定の加工物材料に対して特異的であり、そのため、エッチング前駆体を使用して、ある種の材料を選択的にエッチングすることができる。すなわち、いくつかの材料を他の材料よりも優先的にエッチングするビーム誘起エッチングは例えば、その下の層を破壊することなく1つの層を除去する。

ビーム誘起エッチングに対しては、ハロゲンを含む前駆体ガスがしばしば使用される。これは、反応生成物が気体である傾向があり、真空ポンプによって試料真空室から除去することができるためである。塩素、ヨウ素などの元素ハロゲンが前駆体ガスとして使用されるが、元素ハロゲンには欠点がある。塩素ガスまたはフッ素ガスを導入すると、それらのガスの毒性と高い蒸気圧とが組み合わさるため、安全上の問題が生じる。さらに、塩素ガスはしばしば、加工物表面全体と化学的に反応し、望ましくないことに、イオン・ビーム位置に隣接する領域を攻撃することがあり、その結果、機械加工されたエリアと機械加工されていない領域の間のコントラスト不足することがある。さらに、塩素は、室の構築および室内の構成要素の構築に使用される典型的な材料の腐食も引き起こす。塩素および臭素は、ハロゲンと両立するハードウェアで取り扱う必要があり、そのようなハードウェアは通常、高価である。注意深く監視された実験室環境内であっても、高圧有毒ガスタンクの取り扱いは厄介であり、塩素漏れセンサの使用が必要となる。

Swanson他の「Method of Semiconductor Device Manufacture」という名称の米国特許第5,188,705号明細書は、塩素およびフッ素の代わりにヨウ素蒸気を前駆体ガスとして使用することを記載している。ヨウ素は、荷電粒子ビーム・システム内における滞留時間が長い。このことは、室内の構成要素が、特に空気中の水蒸気にさらされた場合に、腐食する原因となる。

元素ハロゲン・ガスのこれらの欠点のいくつかを回避するため、ハロゲンを含む他の前駆体ガスが前駆体ガスとして使用された。例えば、Chandlerの「IntegratedCircuit Rewiring Using Gas−Assisted FIB Etching」という名称の国際公開第00/022670号は、トリフルオロアセトアミドおよびトリフルオロ酢酸を前駆体ガスとして使用することを記載している。これらの化合物は、より低い毒性、およびより都合のよい材料取り扱い特性を有する。現在のところ、塩素源または臭素源として、同様の化合物は知られていない。一例として、トリクロロ酢酸は、有効なエッチング前駆体ガスではない。

例えばMusil他の「Electron Beam Processing」という名称の米国特許第6,753,538号明細書に記載されているように、ビーム誘起エッチング用の前駆体ガスとしてXeF2が使用された。しかしながら、XeF2は、シリコンおよびTaNを含む多くの材料を自発的にエッチングする。XeF2は、腐食性および毒性が非常に高く、特別な取り扱い手順および安全手順を必要とする。XeF2は、残留炭素の除去および表面種の制御に使用される多くの一般的なガスと混合することができない。さらに、差動排気式のいくつかのビーム・システムでは、キセノンの劣悪なイオン・ゲッタポンピングのため、大量のXeF2は不安定性の原因となる。

集束イオン・ビーム・エッチングの1つの用途は、透過電子顕微鏡TEM)で観察するための薄い試料の作製である。加工物表面に向かってビームを導いて薄い試料を形成する。エッチング支援ガスは通常、使用されない。加工物がIII−V族半導体化合物からなるとき、ビームは、V族元素(N、P、As...)を、III族元素(Ga、In)よりも速い速度でエッチングする。これは、V族元素の方がより揮発性であるためである。例えば、GaまたはInを含む加工物では、イオン・ビーム・スパッタリングの結果、試料中の余分なGaおよびInの拡散により、Gaの小滴およびIn結晶が形成されることがある。図1Aは、エッチングによってIn結晶102が形成された加工物104を示し、図1Bは、ガリウムの小滴210が形成された先行技術の同様の加工物208を示す。

上述の問題のいくつかを解決するビーム誘起エッチング用のシステムを見出すことは有用であろう。

概要

化学物質によって支援されたビーム誘起エッチング・プロセスを提供する。マイクロマシニングプロセスは、酸ハロゲン化官能基を有する化合物を含む前駆体ガスに加工物表面をさらすことおよび前駆体ガスの存在下で加工物表面にビームを照射することを含む。この前駆体ガスは、粒子ビームの存在下で反応して、加工物表面から材料を除去する。

目的

本発明の目的は、改良されたビーム誘起エッチング法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

ビームを用いて加工物エッチングする方法であって、前記加工物の表面を前駆体ガスさらすことであり、前記前駆体ガスが、ハロゲン化オキサリルおよびハロゲン化アセチルからなるグループから選択された少なくとも1種の化合物を含むことと、前記前駆体ガスの存在下で、前記加工物の前記表面にビームを照射することであり、前記前駆体ガスが、前記ビームの存在下で反応して、前記加工物の前記表面から材料を除去することとを含む方法。

請求項2

前記前駆体ガスが、塩化オキサリルおよび臭化オキサリルからなるグループから選択された少なくとも1種のハロゲン化オキサリルを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記前駆体ガスが、塩化アセチルおよび臭化アセチルからなるグループから選択された少なくとも1種のハロゲン化アセチルを含む、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

前記加工物が真空室内に置かれ、前記加工物の前記表面にビームを照射することが、前記加工物の前記表面に集束イオン・ビームを照射することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

前記加工物の前記表面にビームを照射することが、前記加工物の前記表面にレーザ・ビームを照射することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

室温よりも低い温度に前記加工物を冷却することをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

室温よりも低い温度に前記加工物を冷却することが、マイナス10℃以下の温度に前記加工物を冷却することを含む、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記前駆体ガスがさらに、ガスの混合物を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記ガスの混合物がアンモニア・ガスを含む、請求項8に記載の方法。

請求項10

前記加工物が、インジウムまたはガリウムを含むIII−V族化合物を含み、前記前駆体ガスが、インジウム結晶またはガリウムの小滴の形成を防ぐ前駆体ガスを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

試料室と、前記試料室内において加工物を支持するように構成されたステージと、荷電粒子の源と、前記荷電粒子を荷電粒子ビームにし、前記荷電粒子ビームを前記加工物上に導くように構成された荷電粒子ビーム・カラムと、前記加工物の表面にガスを供給するガス注入システムと、ハロゲン化オキサリルおよびハロゲン化アセチルからなるグループから選択された少なくとも1種の化合物を含む前駆体ガスの源とを備え、前記前駆体ガスの前記源が、前記ガス注入システムに接続されており、前記前駆体ガスが、前記荷電粒子ビームの存在下で反応して前記加工物から材料を除去する前駆体ガスである荷電粒子ビーム・システム

請求項12

前記少なくとも1種の化合物が、塩化オキサリルおよび臭化オキサリルからなるグループから選択された少なくとも1種のハロゲン化オキサリルを含む、請求項11に記載の荷電粒子ビーム・システム。

請求項13

前記少なくとも1種の化合物が、塩化アセチルおよび臭化アセチルからなるグループから選択された少なくとも1種ハロゲン化アセチルを含む、請求項11または12に記載の荷電粒子ビーム・システム。

請求項14

前記前駆体ガスの前記源が、ガスの混合物の源を含む、請求項11から13のいずれかに一項記載の荷電粒子ビーム・システム。

請求項15

前記加工物の前記表面を冷却する冷却器をさらに備える、請求項11から14のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム・システム。

請求項16

前記ステージが、室温よりも低い温度に前記加工物を冷却するように構成されている、請求項11から15のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム・システム。

請求項17

前記荷電粒子ビームがイオン・ビームである、請求項11から16のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム・システム。

請求項18

前記前駆体ガスの前記源が容器を含み、前記前駆体ガスが、前記容器内に液体として貯蔵されている、請求項11から17のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム・システム。

請求項19

ビーム源と、加工物を保持するステージと、前記加工物上にビームを導くビーム光学カラムと、前記加工物の表面にガスを供給するガス注入システムと、ハロゲン化オキサリルおよびハロゲン化アセチルからなるグループから選択された少なくとも1種の化合物を含む前駆体ガスの源とを備え、前記前駆体ガスの前記源が、前記ガス注入システムに接続されており、前記前駆体ガスが、前記ビームの存在下で反応して前記加工物から材料を除去する前駆体ガスであるビーム・システム。

技術分野

0001

本発明は荷電粒子ビーム処理に関し、詳細には、化学物質によって支援されたビーム誘起エッチング・プロセスに関する。

背景技術

0002

マイクロマシニングは、イオン・ビーム、電子ビームレーザ・ビーム、分子ビームクラスタ・ビーム、原子ビームなどのビームを加工物に向かって導くことによって実行することができる。例えば、電子回路構成要素マイクロエレクトロメカニカル・システムMEMS)構造体などの顕微鏡微小構造体の形成、整形または改変には集束イオン・ビーム・システムが使用される。集束イオン・ビームは、加工物上の非常に小さなスポット集束させることができ、集束イオン・ビームでその表面を所望のパターン走査して、材料を除去することができる。

0003

イオンが加工物表面ぶつかると、そのイオンの運動量が移動し、その結果、1つまたは複数の表面原子が、「スパッタリング」と呼ばれる過程によって除去される。所与の全体形状のパターン、例えば水平ラスタ・パターンを選択することによって、表面材料のそのパターンに対応した形状のエリアを除去することができる。しばしば、下にある層に到達し、ことによるとその層を切断するため、所与のエリアにおいて、半導体デバイスの連続するいくつかの層が除去される。イオン・ビームは微細なビームに集束させることができるため、微細な構造体を生み出すことができる。

0004

エッチング前駆体ガスを導入することによって、上述の物理的スパッタリング過程を強化することができる。このガスは、イオンが到達する前に、加工物の表面によって吸着され、イオン・ビームの存在下で表面材料と化学的に反応して、スパッタリングを促進し、スパッタリングされた材料の再付着を低減させる。イオン・ビームは、前駆体ガス反応生成物への分解を誘起することができ、反応生成物の一部は加工物材料と反応する。前駆体ガスは化学的に反応して揮発性化合物を形成し、その結果、スパッタリング速度が相当に増大する。例えば、塩素前駆体ガスを用いたシリコンのスパッタリングの強化係数は約14であると報告されている。すなわち、ガスによって強化されたスパッタリングは、ガスの導入のないスパッタリングの約14倍の速さで起こる。ガスによって強化されたスパッタリングでは、スパッタリングされた材料の再付着も起こりにくい。半導体デバイスの導電層などの金属表面に対する強化係数は、よりいっそう大きいことがある。

0005

電子ビームは通常、材料をスパッタリングするだけの運動量を持たないが、電子ビームを使用して前駆体ガスと加工物の間の反応を開始させ、それによって加工物表面をエッチングすることはできる。例えば、本出願の出願人に譲渡されたMusil他の「Electron Beam Processing」という名称の米国特許第6,753,538号明細書を参照されたい。他のタイプのビームを使用して、前駆体ガスと加工物の間の反応を開始させて、表面をエッチングすることもできる。このようなビームには、例えばEhrlichの「Laser−induced Etching of Multilayer Materials」という名称の米国特許第5,874,011号明細書に記載されているレーザ・ビーム、本出願の出願人に譲渡されたChandler他の「Charged Particle−beam Processing Using a Cluster Source」という名称の米国特許第8,835,880号明細書に記載されているクラスタ・ビームが含まれる。他のタイプのビーム、例えば中性原子または分子のビームを使用して、前駆体ガスと表面の間の反応を開始させることもできる。ビームは微小な点に集束させることができ、または、より大きな面積を処理するために幅広くすることができる。

0006

ビーム処理用のエッチング前駆体として有用であるために、ガス分子は、非常に特殊な特性を有しているべきである。ガス分子は、ビームと反応するのに十分な時間、表面に張り付いている必要があるが、表面をビームから隠す厚い層を形成してはならない。このガスは、ビームが存在しない場合に加工物の表面材料と自発的に反応すべきではない。前駆体解離生成物は、加工物材料と反応して揮発性化合物を形成すべきである。エッチング前駆体は通常、特定の加工物材料に対して特異的であり、そのため、エッチング前駆体を使用して、ある種の材料を選択的にエッチングすることができる。すなわち、いくつかの材料を他の材料よりも優先的にエッチングするビーム誘起エッチングは例えば、その下の層を破壊することなく1つの層を除去する。

0007

ビーム誘起エッチングに対しては、ハロゲンを含む前駆体ガスがしばしば使用される。これは、反応生成物が気体である傾向があり、真空ポンプによって試料真空室から除去することができるためである。塩素、ヨウ素などの元素ハロゲンが前駆体ガスとして使用されるが、元素ハロゲンには欠点がある。塩素ガスまたはフッ素ガスを導入すると、それらのガスの毒性と高い蒸気圧とが組み合わさるため、安全上の問題が生じる。さらに、塩素ガスはしばしば、加工物表面全体と化学的に反応し、望ましくないことに、イオン・ビーム位置に隣接する領域を攻撃することがあり、その結果、機械加工されたエリアと機械加工されていない領域の間のコントラスト不足することがある。さらに、塩素は、室の構築および室内の構成要素の構築に使用される典型的な材料の腐食も引き起こす。塩素および臭素は、ハロゲンと両立するハードウェアで取り扱う必要があり、そのようなハードウェアは通常、高価である。注意深く監視された実験室環境内であっても、高圧有毒ガスタンクの取り扱いは厄介であり、塩素漏れセンサの使用が必要となる。

0008

Swanson他の「Method of Semiconductor Device Manufacture」という名称の米国特許第5,188,705号明細書は、塩素およびフッ素の代わりにヨウ素蒸気を前駆体ガスとして使用することを記載している。ヨウ素は、荷電粒子ビーム・システム内における滞留時間が長い。このことは、室内の構成要素が、特に空気中の水蒸気にさらされた場合に、腐食する原因となる。

0009

元素ハロゲン・ガスのこれらの欠点のいくつかを回避するため、ハロゲンを含む他の前駆体ガスが前駆体ガスとして使用された。例えば、Chandlerの「IntegratedCircuit Rewiring Using Gas−Assisted FIB Etching」という名称の国際公開第00/022670号は、トリフルオロアセトアミドおよびトリフルオロ酢酸を前駆体ガスとして使用することを記載している。これらの化合物は、より低い毒性、およびより都合のよい材料取り扱い特性を有する。現在のところ、塩素源または臭素源として、同様の化合物は知られていない。一例として、トリクロロ酢酸は、有効なエッチング前駆体ガスではない。

0010

例えばMusil他の「Electron Beam Processing」という名称の米国特許第6,753,538号明細書に記載されているように、ビーム誘起エッチング用の前駆体ガスとしてXeF2が使用された。しかしながら、XeF2は、シリコンおよびTaNを含む多くの材料を自発的にエッチングする。XeF2は、腐食性および毒性が非常に高く、特別な取り扱い手順および安全手順を必要とする。XeF2は、残留炭素の除去および表面種の制御に使用される多くの一般的なガスと混合することができない。さらに、差動排気式のいくつかのビーム・システムでは、キセノンの劣悪なイオン・ゲッタポンピングのため、大量のXeF2は不安定性の原因となる。

0011

集束イオン・ビーム・エッチングの1つの用途は、透過電子顕微鏡TEM)で観察するための薄い試料の作製である。加工物表面に向かってビームを導いて薄い試料を形成する。エッチング支援ガスは通常、使用されない。加工物がIII−V族半導体化合物からなるとき、ビームは、V族元素(N、P、As...)を、III族元素(Ga、In)よりも速い速度でエッチングする。これは、V族元素の方がより揮発性であるためである。例えば、GaまたはInを含む加工物では、イオン・ビーム・スパッタリングの結果、試料中の余分なGaおよびInの拡散により、Gaの小滴およびIn結晶が形成されることがある。図1Aは、エッチングによってIn結晶102が形成された加工物104を示し、図1Bは、ガリウムの小滴210が形成された先行技術の同様の加工物208を示す。

0012

上述の問題のいくつかを解決するビーム誘起エッチング用のシステムを見出すことは有用であろう。

先行技術

0013

米国特許第6,753,538号明細書
米国特許第5,874,011号明細書
米国特許第8,835,880号明細書
米国特許第5,188,705号明細書
国際公開第2000/022670号
米国特許出願公開第2013/0248490号明細書
米国特許第7,241,361号明細書明細書
米国特許第9,150,961号明細書明細書

発明が解決しようとする課題

0014

したがって、本発明の目的は、改良されたビーム誘起エッチング法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

酸ハロゲン化官能基を含む前駆体ガスに加工物表面をさらし、加工物表面にビームを照射する。この前駆体ガスは、粒子ビームの存在下で反応して、加工物表面から材料を除去する。

0016

以上では、以下の本発明の詳細な説明をより十分に理解できるように、本発明の特徴および技術上の利点をかなりおおまかに概説した。以下では、本発明の追加の特徴および追加の利点を説明する。開示される着想および特定の実施形態を、本発明の同じ目的を達成するために他の構造体を変更しまたは設計するためのベースとして容易に利用することができることを当業者は理解すべきである。さらに、このような等価の構造体は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱しないことを当業者は理解すべきである。

0017

次に、本発明および本発明の利点のより完全な理解のため、添付図面に関して書かれた以下の説明を参照する。

図面の簡単な説明

0018

エッチング強化ガスがない条件で集束イオン・ビームを使用して処理した加工物上に形成されたインジウム結晶を示す図である。
エッチング強化ガスがない条件で集束イオン・ビームを使用して処理した加工物上に形成されたガリウムの小滴を示す図である。
本発明の好ましい実施形態の諸ステップを示す流れ図である。
エッチング・ガスを用いたエッチングおよびエッチング・ガスを用いないエッチングで処理した加工物の顕微鏡写真である。
本発明のいくつかの実施形態を実現する目的に使用することができる典型的なデュアル・ビーム・システムを概略的に示す図である。

実施例

0019

ハロゲンを含む潜在的な前駆体ガスとして多くの化合物が調べられた。トリクロロ酢酸中の炭素−塩素結合など、炭素−塩素結合の強度は高いため、このような多くの化合物の有用性は限られている。

0020

酸ハロゲン化物官能基を含む化合物を、ビーム誘起エッチング用の前駆体ガスとして使用することができることを本出願の出願人は見出した。この酸ハロゲン化物は例えば酸塩化物または酸臭化物とすることができる。例えば、ハロゲン化オキサリルは適当な前駆体を作る。分解生成物はCOおよび関連ハロゲンを含み、これらはともに揮発性である。例えば、塩化オキサリルおよび臭化オキサリルは有効な前駆体ガスである。ハロゲン化オキサリルの蒸気圧は、表面における滞留時間が、ビームが前駆体と反応することを可能にする十分な長さ、および真空室内の構成要素の腐食を低減させる十分な短さを有する滞留時間となるような蒸気圧である。

0021

酸ハロゲン化物を前駆体ガスとして使用すると、分子ハロゲンを使用する際の固有の危険が低減する。酸ハロゲン化物の腐食性は、このハロゲンのそれよりもはるかに低い傾向があり、このことは、より安価な材料からシステムを構築することを可能にする。例えば、ハロゲン化オキサリルは、316型または304型ステンレス鋼適合し、対照的に、元素臭素は、高価なハスタロイ・ハードウェア内で取り扱わなければならない。

0022

いくつかの用途では低分子量の酸ハロゲン化物が好ましい。低分子量の酸ハロゲン化物は、蒸気圧が高い傾向があり、システム内における滞留時間が短く、腐食を低減させるためである。高分子量の酸ハロゲン化物は、試料表面における重大な炭素付着を促進する傾向を有し、所望の材料除去競合する。

0023

前駆体ガス化合物は、1分子当たり2つ以上の酸ハロゲン化物官能基を有することができる。この前駆体ガスは、酸ハロゲン化物の混合物とすることができる。加えて、前駆体ガスは、異なるガスの混合物とすることができる。いくつかの実施形態では、前駆体ガス混合物が、酸ハロゲン化物に加えてアンモニア(NH3)を含む。アンモニアを加えると、エッチング生成物の揮発性を高めることができる。例えば、銅をエッチングするとき、アンモニアは、エッチング生成物であるハロゲン化銅の揮発性を高める。アンモニアはさらに、影響を受けやすい加工物材料が、荷電粒子ビームにはさらされずに、エッチング・ガスにさらされたときの自発的エッチング抵抗する抵抗性を提供することができる。

0024

酸ハロゲン化物エッチング前駆体ガスとして使用する目的には、シュウ酸の酸ハロゲン化物誘導体、特に塩化オキサリルおよび臭化オキサリルが好ましいことを本出願の出願人は見出した。ハロゲン化オキサリルのビーム誘起分解は、一酸化炭素および付随するハロゲン化物を生成する。

0025

下表1および2はそれぞれ、アルミニウムおよびシリコンの集束イオン・ビーム・エッチングについて、ガスによって支援されたイオン・ビーム・エッチングの、支援されていないエッチングに対するエッチング強化率を示す。例えば、強化値2は、支援なしのエッチングの2倍の速さでエッチングが進むことを意味する。

0026

0027

表1は、さまざまな電流密度でアルミニウムをエッチングしたときの塩化オキサリルおよび臭化オキサリルの相対エッチング強化率を示す。より大きなビーム電流は、加工物表面によって吸着された前駆体を減少させる傾向を有し、その結果、電流密度とエッチング速度の間の関係は非直線的になる。電流密度が高くなるにつれてエッチング速度は増大するが、強化値は低下する。エッチングは、液体金属イオン源からのガリウム・イオンの集束ビームを使用して実行した。ガリウム・イオンの入射エネルギーは30keVとした。表2は、表1の表と同様の表を、シリコンのエッチングについて示す。

0028

表3は、臭化オキサリルを使用したときのアルミニウム加工物からの材料の除去速度を示し、支援なしのエッチングとガス支援エッチングの間の相対的な材料除去速度を、さまざまなビーム電流について示す。

0029

いくつかの前駆体の比較的に高い蒸気圧、特に塩素化合物の比較的に高い蒸気圧はシステム腐食を低減させるが、このような高い蒸気圧はまた、吸着された前駆体層をより急速に減少させる。すなわち、吸着された前駆体は、吸着によってガス分子が補充されるよりも速く脱離しまたはビームと反応し、これによって、ビームのドウェル点に供給された前駆体は使い尽くされる。ビーム電流密度が高いほど前駆体は速く減少する。

0030

加工物を冷却して、表面における前駆体分子の滞留時間を長くすることによって、いくつかの前駆体について、表面の被覆率を向上させることができる。加工物が冷却されると、前駆体分子は表面に吸着し、より長い時間、残留する。すなわち、熱的に脱離しない。しかしながら、その温度は、反応生成物の脱離を抑制するほどには低くないことが好ましい。また、その温度は、前駆体ガスの凝縮点よりも高い温度であるべきである。加工物表面に集まった凝縮した材料は、その同じ表面からの反応生成物の脱離を妨害する。脱離が進まない場合、材料の再付着および表面部位の競合が起こることがあり、このことが、表面に新たな前駆体分子が到達することを妨げることがある。加工物表面の凝縮した材料はさらに、その表面の特徴部分の画像化を妨げ、いつエッチングが十分に進んだかを確認することを難しくする。

0031

いくつかの実施形態では、前駆体の表面被覆率を高め、高い電流密度でもエッチング速度を強化するために、加工物を、室温よりも低い温度に冷却する。例えば、約0℃以下、マイナス10℃以下、または20℃以下に加工物を冷却することができる。表1および2に示されているように、こうすることは、塩化オキサリルを用いてエッチングするときに特に有用である。これは、塩化オキサリルの蒸気圧が高いことに起因する。

0032

表1および2は、加工物を冷却することによる塩化オキサリル・エッチングの強化を示す。脱離は、熱的過程と非熱的過程の両方によって起こり、粒子によって刺激されたこのような脱離は、反応生成物が脱離する最低温度理論的に決定することを困難にする。最適温度は、さまざまな加工物温度でエッチング速度を測定し、エッチング速度を最適化することによって、実験的に決定することができる。

0033

いくつかの実施形態では、他の酸ハロゲン化物が使用される。例えば、塩化アセチルまたは臭化アセチルを前駆体ガスとして使用することができる。加えて、酸ハロゲン化物前駆体ガスは、ガリウムの小滴、インジウム結晶などの残留物の形成を抑制するなど、エッチング速度を増大させる利点以外の他の利点を提供することができる。

0034

図2は、好ましいビーム・エッチング・プロセスの諸ステップを示す。このプロセスは、ステップ200で、SEM、透過電子顕微鏡(TEM)、集束イオン・ビーム・システム、またはレーザ・システムなどの装置内に加工物を装填することから始まる。ステップ202で、前駆体ガスを選択する。任意選択のステップ204で、選択した前駆体ガスの特性および加工物材料の特性によって決定される温度まで、加工物表面を冷却する。ステップ206で、選択した前駆体ガスを加工物表面に供給する。前駆体ガスは、例えば本出願の出願人に譲渡されたRasmussen他の「Multiple Gas Injection System」という名称の米国特許出願公開第2013/0248490号明細書に記載されているように、加工物の処理対象領域の近くに置かれた針によって加工物に向かって導くことができる。前駆体ガスが針を通して加工物に導かれるとき、その流量は、ガス注入がなければ通常約10−8ミリバールである真空室内の背景圧力が、約5.5×10−5ミリバールに上昇するような流量である。

0035

ステップ208で、あるパターンに従って加工物表面にビームを照射する。前駆体ガスは、イオン・ビームの存在下で反応して、加工物表面から材料を除去する。加工物は、ビームが衝突したところだけがエッチングされ、そのため、ビームのスポット・サイズに匹敵する分解能を有するパターンをエッチングすることができる。一実施形態では、このビームが、液体金属イオン源からのガリウム・イオン・ビームである。ビーム・エネルギーは通常30keVであり、このビームを、200ナノ秒ドウェル時間、150%のオーバラップ、1から10pA/μm2の間の範囲のパターン電流密度で操作する。他のビーム・パラメータも可能である。場合によっては、低ビーム・エネルギーの使用が選択性をより良好にし、材料除去の効率を増大させることがある。FEIcompanyのVionプラズマイオン源などのプラズマ・イオン源からのアルゴン・イオンまたは他のイオンのビームを使用することもできる。他の実施形態では、イオン・エネルギーが約1keVから50keVの間、より好ましくは約20keVから40keVの間である。加工物表面に前駆体ガスを供給することを提供する任意のビーム生成システムも可能である。このビームは、幅の狭いもしくは幅の広い集束ビーム、または幅の狭いもしくは幅の広い平行ビームとすることができる。ステップ210で、加工物にビームを導くのをやめる。

0036

図3は、2つのエッチピットを有する加工物表面306を示す。1つのピット302は、支援なしのエッチングを使用して作製したものであり、1つのピット304は、ガス支援エッチング用の本発明の実施形態に基づく酸ハロゲン化物前駆体を使用して作製したものである。それぞれのエッチ・ピットの作製には同様のビーム・ドーズを使用した。ピット304は、ピット302よりも深く、ピット302よりも滑らかな表面を有しており、酸ハロゲン化物前駆体ガスによって支援されたイオン・ビーム・エッチングの有効性を実証している。

0037

図4は、本発明を実施するのに適した典型的なデュアル・ビーム・システム410を示す。デュアル・ビーム・システム410は、2つの荷電粒子ビーム源および2つの荷電粒子ビーム・カラムを有するが、単一のビームだけが必要である。デュアル・ビーム・システム410は、垂直に装着された走査電子顕微鏡(「SEM」)441と、垂直から約52度の角度に装着された集束イオン・ビーム(FIB)システム411とを含む。適当なデュアル・ビーム・システムは例えば、本出願の出願人である、米オレゴン州HillsboroのFEICompanyから市販されている。適当なハードウェアの一例を以下に示すが、本発明は、特定のタイプのハードウェアで実現されることに限定されない。

0038

デュアル・ビーム・システム410に、走査電子顕微鏡441と電源および制御ユニット445が備わっている。陰極452と陽極454の間に電圧印加することによって陰極452から電子ビーム443が放出される。電子ビーム443は、集束レンズ456および対物レンズ458によって微細なスポットに集束する。電子ビーム443は、偏向コイル460によって試験体を2次元的に走査する。集束レンズ456、対物レンズ458および偏向コイル460の動作は電源および制御ユニット445によって制御される。

0039

試料室426内の可動式X−Yステージ425上にある加工物422上に電子ビーム443を焦束させることができる。ステージ425は、液体窒素源ペルチエ冷却器などの冷却器427に熱導管428によって接続されていることが好ましい。電子ビーム中の電子が加工物422に当たると、2次電子が放出される。それらの2次電子は、後に論じる2次電子検出器440によって検出される。任意選択の後方錯乱電子検出器462は後方錯乱電子を検出することができる。TEM試料ホルダ424およびステージ425の下に位置する任意選択のSTEM検出器463は、ビームの経路443の外にステージ425が動かされたときに、TEM試料ホルダ上に装着された試料を透過した電子を集めることができる。

0040

FIBシステム411は、イオン集束カラム416を含む排気されたハウジングを備え、イオン集束カラム416は下試料真空室426に接続する。イオン集束カラム416は、イオン源414およびイオン光学要素を含み、イオン光学要素は、引出し電極415、集束要素417および偏向要素420を含み、これらのイオン光学要素は協働して、集束イオン・ビーム418を生成し、それを加工物422に向かって導く。イオン集束カラム416の軸は、電子顕微鏡441の軸から52度傾いている。

0041

半導体デバイスから試料を抜き取り、TEM試料ホルダへ移動させることができるように、ステージ425はさらに、1つまたは複数のTEM試料ホルダ424を支持することができる。ステージ425は、水平面(XおよびY軸)内で移動することができ、かつ垂直に(Z軸)移動することができることが好ましい。ステージ425はさらに約60度傾くことができ、Z軸を軸に回転することができる。いくつかの実施形態では、別個TEM試料ステージ(図示せず)を使用することができる。このようなTEM試料ステージもX、YおよびZ軸に沿って可動であることが好ましい。ステージ425上に加工物422を挿入するため、および内部ガス供給リザーバが使用される場合には内部ガス供給リザーバの整備作業のために、扉461を開くことができる。システムが真空状態にある場合に開かないように、この扉はインタロックされる。

0042

イオン集束カラム416およびSEM411の内部を排気するためにイオン・ポンプ(図示せず)が使用される。下試料真空室426は、真空コントローラ432の制御の下、ターボ分子および機械ポンピング・システム430によって排気される。この真空システムは、下試料真空室426内に、約1×10−7ミリバールから7×10−4ミリバールの間の真空を提供する。前駆体ガスが使用される場合には、室の背景圧力が通常、前駆体に応じて約10−5ミリバールないし10−4ミリバールに上昇することがある。

0043

イオン・ビーム418にエネルギーを与え集束させるため、高電圧電源が適当な電圧を印加する。液体金属イオン源414と、約1keVから60keVのイオン・ビーム418を形成しそれを加工物に向かって導くイオン・ビーム集束カラム416内の適当な電極とに高電圧電源434が接続されている。パターン発生器438によって提供される所定のパターンに従って動作する偏向コントローラおよび増幅器436が偏向板420に結合されており、それによって、対応するパターンを加工物422の上面に描くようにイオン・ビーム418を手動または自動で制御することができる。いくつかのシステムでは、当技術分野ではよく知られているように、偏向板が、最後のレンズの前に置かれる。イオン・ビーム集束カラム416内のビーム・ブランキング電極(図示せず)は、ブランキングコントローラ(図示せず)がブランキング電極にブランキング電圧を印加したときに、イオン・ビーム418を、加工物422ではなくブランキング絞り(図示せず)に衝突させる。

0044

液体金属イオン源414は通常、ガリウムの金属イオン・ビームを提供する。イオン・ミリング、強化されたエッチングもしくは材料付着によって加工物422を改変するため、または加工物422を画像化するために、源を通常、加工物422の位置における幅が1/10マイクロメートル未満のビームに集束させることができる。このイオン源を、本出願の出願人に譲渡されたKeller他の「Magnetically Enhanced,Inductively Coupled Plasma Source for a Focused Ion Beam System」という名称の米国特許第7,241,361号明細書に記載されているプラズマ源などのプラズマ源とすることもできる。プラズマ・イオン源を使用して、アルゴン、キセノン、ヘリウムなどのさまざまなイオン種からビームを形成することができる。

0045

2次イオンまたは2次電子の放出を検出する目的に使用されるエバハートソーンリー(Everhart Thornley)検出器、マルチチャンネルプレートなどの荷電粒子検出器440が、ビデオ回路442に接続されており、ビデオ回路442は、ビデオモニタ444に駆動信号を供給し、コントローラ419またはSEM制御ユニット445から偏向信号を受け取る。下室426内における荷電粒子検出器440の場所は実施形態によって変更することができる。例えば、後方散乱電子検出器は通常、電子ビームと同軸であり、電子ビームが通り抜けることを可能にする穴を含む。他の実施形態では、最終レンズを通過させ、次いで、集めるために軸から逸らした2次粒子を集めることができる。

0046

米テキサス州DallasのOmniprobe,Inc.のAutoProbe 200(商標)、ドイツReutlingenのKleindiek NanotechnikのModel MM3Aなどのマイクロマニピュレータ447は、真空室内の物体を正確に移動させることができる。真空室内に置かれた部分449のX、Y、Zおよびθ制御を提供するため、マイクロマニピュレータ447は、真空室の外側に配置された精密圧電ポジショナまたは精密電動機448を備えることができる。小さな物体を操作するため、マイクロマニピュレータ447に別のエンドエフェクタを取り付けることができる。本明細書に記載された実施形態では、このエンド・エフェクタが細いプローブ450である。

0047

システム410は、酸塩化物、酸臭化物などの酸ハロゲン化物を含む前駆体ガスの源を含む。このガス源は例えば、塩化オキサリル、臭化オキサリル、塩化アセチルまたは臭化アセチルの源とすることができる。ガス蒸気を導入しそのガス蒸気を加工物422に向かって導くため、下室426内へガス送達システム446が延びている。1つのガス注入システムが、参照によって本明細書に組み込まれている、本出願の出願人に譲渡されたRasmussen他の「Multiple Gas Injection System」という名称の米国特許出願公開第2013/0248490号明細書に記載されている。本明細書に記載された酸ハロゲン化物の一部、例えば塩化オキサリルおよび臭化オキサリルは、室温で液体である。それらの液体は、ガス注入システムに接続された容器内に貯蔵され、それらの容器はそれぞれ、ガス源を構成する液体を含んでいる。塩化オキサリルおよび臭化オキサリルは、室温において、処理のための十分なガスが液体容器から流出するのに十分な高い蒸気圧を有し、その流れを絞って所望の流量にするために、ニードル弁またはパルス幅変調方式マイクロ弁を使用することができる。Chandler他の「Gas Delivery for Beam Processing Systems」という名称の米国特許第9,150,961号明細書は、ガス源として使用される液体を保持する多数の容器を格納することができるキャビネットを含み、パルス幅変調方式のマイクロ弁を使用して流量を制御する、別のガス送達システムを記載している。

0048

システム・コントローラ419は、デュアル・ビーム・システム410のさまざまな部分の動作を制御する。従来のユーザ・インタフェース(図示せず)にコマンドを入力することにより、ユーザは、システム・コントローラ419を介して、イオン・ビーム418または電子ビーム443で所望の通りに走査することができる。あるいは、プログラムされた命令に従って、システム・コントローラ419が、デュアル・ビーム・システム410を制御することもできる。いくつかの実施形態では、デュアル・ビーム・システム410が、関心領域を自動的に識別する、米マサチューセッツ州NatickのCognex Corporationから市販されているソフトウェアなどの画像認識ソフトウェアを含み、このシステムは、本発明に従って試料を手動でまたは自動的に抜き取ることができる。例えば、このシステムは、多数のデバイスを含む半導体ウェーハ上の同様の特徴部分の位置を自動的に突き止め、異なる(または同じ)デバイス上のそれらの特徴部分の試料を取ることができる。

0049

以上の説明では、集束イオン・ビームを使用して前駆体を活性化することを記載したが、本発明は、活性化を提供する特定のタイプのビームに限定されない。例えば、レーザ・ビームまたはクラスタ・ビームを使用することもできる。電子ビームが適当であることもある。

0050

本発明および本発明の利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に、さまざまな変更、置換および改変を加えることができることを理解すべきである。さらに、本出願の範囲が、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。特許請求の範囲における用語「または」の使用は、「排他的なまたは」であることを意図したものではない。すなわち、選択肢組合せも特許請求の範囲に含まれる。当業者なら本発明の開示から容易に理解するように、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し、または実質的に同じ結果を達成する既存のまたは今後開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを、本発明に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを含むことが意図されている。

0051

302、304エッチ・ピット
306加工物表面
410デュアル・ビーム・システム
411集束イオン・ビーム・システム
414イオン源
418 集束イオン・ビーム
419 システム・コントローラ
422加工物
424TEM試料ホルダ
425 X−Yステージ

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