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技術 定着装置及び画像形成装置

出願人 株式会社リコー
発明者 藤本一平石井賢治岸和人関貴之吉永洋瀬戸隆澤田憲成清水美沙紀
出願日 2016年1月26日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-012644
公開日 2017年8月3日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-134169
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における定着
主要キーワード 形状拘束 低摩擦処理 中央領 中央範囲 照射角α 短手方向両側 長手方向中央領域 側部ヒータ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

安価な温度検知部材を用いて抵抗発熱体への通電を制御し、かつ、光沢ムラスジ状異常画像を発生させずに高画質画像を維持する。

解決手段

定着装置20は、定着部材21と、加圧部材22と、定着ニップNを形成するニップ形成部材24と、長手方向に異なる配光分布を有して定着部材を内側から加熱する第1及び第2熱源23A、23Bと、定着部材温度を検知する第1温度検知部材46a、46bと、ニップ形成部材と定着部材の内周とで挟持された熱移動補助部材27と、ニップ形成部材の両端部に設けられた抵抗発熱体26a,26bと、発熱体で加熱される定着部材の温度を検知する第2温度検知部材36a、36bとを有し、第2温度検知部材は最大画像保証幅よりも長手方向外側で定着部材に当接し、記録材サイズに応じて第1又は第2温度検知部材が選択され、選択された第1又は第2温度検知部材の検知温度に基づいて発熱体への通電が制御される。

概要

背景

プリンタ複写機ファクシミリなどの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化高速化についての市場要求が高まってきている。

画像形成装置のなかでも定着装置消費電力量が多く、省エネルギー化の余地が大きいため、様々な提案がなされており、例えば、低熱容量フィルム状に薄い無端ベルトを、支持体を兼ねる金属熱伝導体を介することなく、直接加熱する構成とし、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができる定着装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この定着装置では、無端状の定着ベルトの外周側に配置された加圧ローラと定着ベルトの内部(ループ内)に固定配置されたニップ形成部材とが定着ベルトを介して圧接することによって定着ニップを形成している。

一方、画像形成装置では、様々なサイズの記録材が用いられる。様々なサイズの記録材に対応するため、定着装置の定着熱源ヒータ)の長さを記録材の最大サイズに合わせると、小サイズの記録材を定着する場合に非通紙部である定着ベルト/ローラ端部の温度が上昇する。連続通紙時には端部が過昇温となるため、例えば記録材の搬送速度を遅くして生産性を落とす必要がある。

この問題に対処すべく、定着ベルト/ローラの内部に、例えばA4縦通紙幅(210mm)に対応するように中央部の配光分布が密なハロゲンヒータと、A3縦通紙幅のうちA4縦通紙幅に相当する部分を除く(即ち、297mm幅のうち中央の210mm部分を除く)端部付近の配光分布が密なハロゲンヒータとを備える定着装置が知られている。この定着装置は、小サイズの記録材の場合、中央部の配光分布が密なハロゲンヒータのみを点灯し、小サイズよりも大きい記録材の場合、両方のハロゲンヒータを点灯して定着を行う。

このような複数の熱源を用いる定着装置には、次のような問題がある。図14は、熱源として2本のハロゲンヒータを備える定着装置を示す模式図である。ハロゲンヒータ50Aは、定着ベルト60の長手方向中央部を加熱する中央ヒータであり、ハロゲンヒータ50Bは、定着ベルト60の長手方向両側部を加熱する側部ヒータである。図14に示すように、2本のハロゲンヒータ50は並列に配置されているため、一方のハロゲンヒータの輻射熱が他方のハロゲンヒータを加熱してしまい、加熱効率が低下してしまう。特に定着装置の小型化に伴って無端の定着ベルトも小径化し、定着装置の横断面におけるハロゲンヒータ間の距離が短くなる時には、そのような問題が深刻である。また、2本のヒータが小径化した定着ベルトの内部で支持部材の表面に配された反射部材に囲まれるように配置されているため、各ヒータの定着ベルトへの照射角が狭められていて、その点でも加熱効率が低下する。

これに対し、例えば特許文献2には、複数のハロゲンヒータをリフレクタで挟んだ両側に配置することで、複数のハロゲンヒータが互いに加熱し合う熱干渉を防止する構成が開示されている。

一方で、A3縦通紙幅(297mm)よりも幅の広い記録材(いわゆるノビ紙)に作像したいという市場ニーズもある。だが、用いるハロゲンヒータの配光分布をノビ紙の幅に合わせると、A3縦通紙以下の記録材に作像する場合には、連続通紙時に定着ベルト/ローラ端部の非通紙部が過昇温となり、やはり生産性の調整等が必要になり、スループットが低下してしまう。

そこで、定着ベルト/ローラのA3縦通紙幅(297mm)から両端部までを、定着ニップに配置した抵抗発熱体で加熱する定着装置が知られている。この定着装置では、定着ニップを形成するニップ形成部材の両端部に凹部を形成し、そこに抵抗発熱体を配置してニップ形成部材と抵抗発熱体を略同一高さとし、その上に熱移動補助部材を接触させて、熱移動補助部材を介して定着ベルトを加熱している。

これにより、いわゆるノビ紙を定着装置に通紙する際はハロゲンヒータと抵抗発熱体を点灯させることで定着ベルト/ローラの端まで高い温度を維持し、使用頻度が高いA3縦通紙幅では、ハロゲンヒータのみの加熱で対応できる。これにより、生産性の調整等が不要になり、スループットの低下を回避できる。

概要

安価な温度検知部材を用いて抵抗発熱体への通電を制御し、かつ、光沢ムラスジ状異常画像を発生させずに高画質画像を維持する。定着装置20は、定着部材21と、加圧部材22と、定着ニップNを形成するニップ形成部材24と、長手方向に異なる配光分布を有して定着部材を内側から加熱する第1及び第2熱源23A、23Bと、定着部材温度を検知する第1温度検知部材46a、46bと、ニップ形成部材と定着部材の内周とで挟持された熱移動補助部材27と、ニップ形成部材の両端部に設けられた抵抗発熱体26a,26bと、発熱体で加熱される定着部材の温度を検知する第2温度検知部材36a、36bとを有し、第2温度検知部材は最大画像保証幅よりも長手方向外側で定着部材に当接し、記録材サイズに応じて第1又は第2温度検知部材が選択され、選択された第1又は第2温度検知部材の検知温度に基づいて発熱体への通電が制御される。

目的

本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、安価な温度検知部材を用いて抵抗発熱体への通電を制御し、かつ、光沢ムラやスジ状異常画像を発生させずに高画質画像を維持することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

回転可能な無端状の定着部材と、前記定着部材の外周側から当接する加圧部材と、前記定着部材の内側に配され、前記定着部材を介して前記加圧部材とで定着ニップを形成するニップ形成部材と、長手方向に異なる配光分布をそれぞれ有し、前記定着部材を内側から加熱する第1熱源及び第2熱源と、前記第1熱源及び前記第2熱源により加熱される前記定着部材の温度を検知する第1温度検知部材と、前記ニップ形成部材と前記定着部材の内周とで挟持され、前記定着部材の熱を長手方向に移動させるための熱移動補助部材と、前記ニップ形成部材の両端部に設けられ、前記熱移動補助部材を介して前記定着部材を加熱する抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体により加熱される前記定着部材の温度を検知する第2温度検知部材と、を有し、前記第2温度検知部材は、最大画像保証幅よりも長手方向外側にて前記定着部材に当接し、記録材サイズに応じて前記第1温度検知部材又は前記第2温度検知部材での検知温度が選択され、選択された前記検知温度に基づいて前記抵抗発熱体への通電が制御される、ことを特徴とする定着装置

請求項2

通紙される記録材が所定サイズ以下である場合には、前記第2温度検知部材の検知温度に基づいて前記抵抗発熱体への通電が制御され、通紙される記録材が所定サイズよりも大きい場合には、前記第1温度検知部材の検知温度に基づいて前記抵抗発熱体への通電が制御される、ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。

請求項3

前記第2温度検知部材の検知温度に基づいて前記抵抗発熱体への通電を制御する際、通紙開始から時間が経過するごとに、前記第2温度検知部材の検知温度の目標温度を高くする、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。

請求項4

前記第1温度検知部材は、前記定着部材とは非接触で、前記第1熱源の配光分布内に位置するように配置された温度検知部材と、前記定着部材とは非接触で、前記第2熱源の配光分布内に位置するように配置された温度検知部材である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置。

請求項5

前記第2温度検知部材は、前記最大画像保証幅よりも長手方向外側かつ最大通紙幅内に配置されている、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの一項に記載の定着装置。

請求項6

請求項1〜5のいずれか一項に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置

技術分野

0001

本発明は、定着装置及び当該定着装置を搭載した画像形成装置に関する。

背景技術

0002

プリンタ複写機ファクシミリなどの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化高速化についての市場要求が高まってきている。

0003

画像形成装置のなかでも定着装置は消費電力量が多く、省エネルギー化の余地が大きいため、様々な提案がなされており、例えば、低熱容量フィルム状に薄い無端ベルトを、支持体を兼ねる金属熱伝導体を介することなく、直接加熱する構成とし、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができる定着装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この定着装置では、無端状の定着ベルトの外周側に配置された加圧ローラと定着ベルトの内部(ループ内)に固定配置されたニップ形成部材とが定着ベルトを介して圧接することによって定着ニップを形成している。

0004

一方、画像形成装置では、様々なサイズの記録材が用いられる。様々なサイズの記録材に対応するため、定着装置の定着熱源ヒータ)の長さを記録材の最大サイズに合わせると、小サイズの記録材を定着する場合に非通紙部である定着ベルト/ローラ端部の温度が上昇する。連続通紙時には端部が過昇温となるため、例えば記録材の搬送速度を遅くして生産性を落とす必要がある。

0005

この問題に対処すべく、定着ベルト/ローラの内部に、例えばA4縦通紙幅(210mm)に対応するように中央部の配光分布が密なハロゲンヒータと、A3縦通紙幅のうちA4縦通紙幅に相当する部分を除く(即ち、297mm幅のうち中央の210mm部分を除く)端部付近の配光分布が密なハロゲンヒータとを備える定着装置が知られている。この定着装置は、小サイズの記録材の場合、中央部の配光分布が密なハロゲンヒータのみを点灯し、小サイズよりも大きい記録材の場合、両方のハロゲンヒータを点灯して定着を行う。

0006

このような複数の熱源を用いる定着装置には、次のような問題がある。図14は、熱源として2本のハロゲンヒータを備える定着装置を示す模式図である。ハロゲンヒータ50Aは、定着ベルト60の長手方向中央部を加熱する中央ヒータであり、ハロゲンヒータ50Bは、定着ベルト60の長手方向両側部を加熱する側部ヒータである。図14に示すように、2本のハロゲンヒータ50は並列に配置されているため、一方のハロゲンヒータの輻射熱が他方のハロゲンヒータを加熱してしまい、加熱効率が低下してしまう。特に定着装置の小型化に伴って無端の定着ベルトも小径化し、定着装置の横断面におけるハロゲンヒータ間の距離が短くなる時には、そのような問題が深刻である。また、2本のヒータが小径化した定着ベルトの内部で支持部材の表面に配された反射部材に囲まれるように配置されているため、各ヒータの定着ベルトへの照射角が狭められていて、その点でも加熱効率が低下する。

0007

これに対し、例えば特許文献2には、複数のハロゲンヒータをリフレクタで挟んだ両側に配置することで、複数のハロゲンヒータが互いに加熱し合う熱干渉を防止する構成が開示されている。

0008

一方で、A3縦通紙幅(297mm)よりも幅の広い記録材(いわゆるノビ紙)に作像したいという市場ニーズもある。だが、用いるハロゲンヒータの配光分布をノビ紙の幅に合わせると、A3縦通紙以下の記録材に作像する場合には、連続通紙時に定着ベルト/ローラ端部の非通紙部が過昇温となり、やはり生産性の調整等が必要になり、スループットが低下してしまう。

0009

そこで、定着ベルト/ローラのA3縦通紙幅(297mm)から両端部までを、定着ニップに配置した抵抗発熱体で加熱する定着装置が知られている。この定着装置では、定着ニップを形成するニップ形成部材の両端部に凹部を形成し、そこに抵抗発熱体を配置してニップ形成部材と抵抗発熱体を略同一高さとし、その上に熱移動補助部材を接触させて、熱移動補助部材を介して定着ベルトを加熱している。

0010

これにより、いわゆるノビ紙を定着装置に通紙する際はハロゲンヒータと抵抗発熱体を点灯させることで定着ベルト/ローラの端まで高い温度を維持し、使用頻度が高いA3縦通紙幅では、ハロゲンヒータのみの加熱で対応できる。これにより、生産性の調整等が不要になり、スループットの低下を回避できる。

発明が解決しようとする課題

0011

しかし、定着ベルト/ローラのA3縦通紙幅(297mm)から両端部までを、定着ニップに配置した抵抗発熱体で加熱する定着装置の場合、抵抗発熱体への通電を制御し、抵抗発熱体により加熱される定着ベルト/ローラを所望の温度に維持するためには、定着ベルト/ローラ用の温度検知部材を設置する必要がある。

0012

安価な温度検知部材として接触式サーミスタが知られているが、これを定着ベルトの外側に直接接触させると定着ベルトが傷つき、光沢ムラスジ状異常画像が発生するため、特に高い画質が必要となるカラープリンタでは用いられない。また、接触式サーミスタを定着ベルトの内側から当接する技術も知られているが、定着ベルトの内側にハロゲンヒータを有する定着装置では定着ベルトの内部が高温になるため、接触式サーミスタが高温に耐えられない。

0013

そこで非接触の温度検知部材としてNCセンササーモパイルを用いることになる。これにより、光沢ムラや異常画像は発生しないが、コストが高くなってしまう。

0014

本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、安価な温度検知部材を用いて抵抗発熱体への通電を制御し、かつ、光沢ムラやスジ状異常画像を発生させずに高画質画像を維持することを課題とする。

課題を解決するための手段

0015

この課題を解決するため、回転可能な無端状の定着部材と、前記定着部材の外周側から当接する加圧部材と、前記定着部材の内側に配され、前記定着部材を介して前記加圧部材とで定着ニップを形成するニップ形成部材と、長手方向に異なる配光分布をそれぞれ有し、前記定着部材を内側から加熱する第1熱源及び第2熱源と、前記第1熱源及び前記第2熱源により加熱される前記定着部材の温度を検知する第1温度検知部材と、前記ニップ形成部材と前記定着部材の内周とで挟持され、前記定着部材の熱を長手方向に移動させるための熱移動補助部材と、前記ニップ形成部材の両端部に設けられ、前記熱移動補助部材を介して前記定着部材を加熱する抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体により加熱される前記定着部材の温度を検知する第2温度検知部材と、を有し、前記第2温度検知部材は、最大画像保証幅よりも長手方向外側にて前記定着部材に当接し、記録材サイズに応じて前記第1温度検知部材又は前記第2温度検知部材での検知温度が選択され、選択された前記検知温度に基づいて前記抵抗発熱体への通電が制御される、ことを特徴とする定着装置を提案する。

発明の効果

0016

第2温度検知部材を最大画像保証幅よりも長手方向外側で定着部材に当接させることで、検知部材低コストに抑えることができる。また、熱移動補助部材により長手方向外側まで広がった定着部材の熱・温度を第2温度検知部材で検知して抵抗発熱体の温度を制御することで、ユーザーの使用する記録材の幅内では定着部材が傷つかず、光沢ムラやスジ状異常画像のない高画質画像を維持することができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。
定着装置の一実施形態を示す概略的な断面構成図である。
ニップ形成ユニット基本構成を示す斜視図である。
ニップ形成ユニット及びハロゲンヒータの構成を示す斜視図である。
第1温度検知部材及び第2温度検知部材の配置を示す模式図である。
定着装置のウォームアップ時での定着ベルトの長手方向温度分布を示す図である。
通紙開始からの経過時間ごとの定着ベルトの温度分布を示す図である。
ハロゲンヒータ及び端部ヒータ発熱部の配置を示す模式図である。
ハロゲンヒータ及び端部ヒータの各発熱部の位置関係を示す模式図である。
第2ハロゲンヒータの加熱出力を示すグラフ(第1パターン)である。
中央寄りに発熱部を有するハロゲンヒータと端部寄りに発熱部を有するハロゲンヒータの各加熱出力の状態を示すグラフである。
第1、第2ハロゲンヒータの加熱出力を示すグラフ(第2パターン)である。
第1、第2ハロゲンヒータの加熱出力の別例を示すグラフ(第3パターン)である。
熱源として2本のハロゲンヒータを備える従来技術に係る定着装置を示す模式図である。

実施例

0018

以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。この画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、そのプリンタ本体の中央には、中間転写ベルト30の展張方向に沿って4つの作像部4Y、4C、4M、4Kが並置して設けられている。各作像部4Y、4C、4M、4Kは、カラー画像色分解成分に対応するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容する以外は、同じ構成である。

0019

具体的に、それぞれ画像ステーションを構成する各作像部4Y、4C、4M、4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8などを備えている。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに色用符号を付し、その他の作像部4Y、4C、4Mにおいては符号を省略している。

0020

作像部4Y、4C、4M、4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源ポリゴンミラー、f−θレンズ反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光照射するようになっている。

0021

作像部4Y、4C、4M、4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36とを備える。更に、転写装置3は二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33、テンションローラ34、及びベルトクリーニング装置35を備えている。

0022

中間転写ベルト30は、無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33及びテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。

0023

4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、プリンタ本体の電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。

0024

二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にもプリンタ本体の電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。

0025

ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシクリーニングブレードを有する。
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には補給用のトナーを収容した4つのトナーボトル2Y、2C、2M、2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y、2C、2M、2Kと各現像装置7との間には、周知のように補給路が設けられ、この補給路を介して各トナーボトル2Y、2C、2M、2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。

0026

一方、プリンタ本体の下部には、記録材としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11などが設けられている。ここで、記録材には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙など)、トレーシングペーパOHPシートなどが含まれる。また、周知のように、手差し給紙機構が設けられていてもよい。

0027

プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、二次転写ニップへ用紙Pを搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ12が配設されている。

0028

また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。更に、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。また、プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けられている。

0029

本実施形態に係るプリンタの基本的動作は次のようである。作像動作が開始されると、各作像部4Y、4C、4M、4Kにおける各感光体5が図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。

0030

また、作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。そして、各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。

0031

その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5上のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5上のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。各感光体5の表面は、その後、除電され、表面電位初期化される。

0032

画像形成装置の下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ12によってタイミングを計られ、二次転写ローラ36と二次転写バックアップローラ32との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。

0033

その後、中間転写ベルト30の周回走行に伴って、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ニップに達したときに、そのニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、除去されたトナーはプリンタ本体内に置かれた廃トナー収容器へと搬送され、回収される。

0034

その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にストックされる。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y、4C、4M、4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。

0035

図2は、定着装置20の一実施形態を示す概略的な断面構成図である。定着装置20は、薄肉で可撓性を有し回転可能な無端状で筒状の定着部材である定着ベルト21と、この定着ベルト21の外周側から当接する加圧部材である加圧ローラ22とを有している。定着ベルト21は、その内部(ループ内)に配された複数の定着熱源としてのハロゲンヒータ23A、23B(以下、第1ハロゲンヒータ23A、第2ハロゲンヒータ23Bともいう)の輻射熱によって加熱される。なお、ハロゲンヒータは、主たる熱源である定着熱源としての、輻射型熱源を代表するものである。

0036

更に定着ベルト21の内部には、定着ベルト21を介して加圧ローラ22とで定着ニップNを形成するニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持するステー部材25(支持部材)とが配されている。定着ベルト21の幅方向に渡って配されたニップ形成部材24が、ステー部材25によって固定支持されることで、加圧ローラ22からの圧力によってニップ形成部材24に撓みが生じることを防止し、加圧ローラ22の軸方向(長手方向)に渡って均一なニップ幅が得られるようになっている。なお、ニップ形成部材24は、機械的強度が高く耐熱温度200℃以上の耐熱性部材、特に耐熱性樹脂、例えばポリイミド(PI)樹脂ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、それらをガラス繊維強化したもので構成されている。これにより、トナー定着温度域で、熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定した定着ニップの状態を確保し、出力画質の安定化を図っている。また、ステー部材25やハロゲンヒータ23A、23Bは、その長手方向両端を、定着装置20の側板あるいは別途設けられたホルダ固定保持されている。ニップ形成部材24の長手方向両端部には、主たる熱源(定着熱源)とは別の端部ヒータ26a、26bが一体に取り付けられ、定着ベルト21の長手方向における両端部を加熱する。端部熱源は、定着ベルト21の周方向における定着ニップNの範囲内に位置する。端部ヒータとしては、一般的に、セラミックセータのような抵抗発熱体である接触伝熱型熱源が用いられる。

0037

定着ベルトの長手方向における熱移動を容易にする均熱部材とも称される熱移動補助部材27が、ニップ形成部材24と端部ヒータ26それぞれの定着ベルト21の内周面に対向する各面を覆うように配されており、小サイズ紙通紙時や端部ヒータ26点灯時に定着ベルト21の端部領域に熱が留まることを防止して、積極的に定着ベルト21の幅方向、即ち、熱移動補助部材27の長手方向に熱を移動させて、長手方向の温度不均一を解消させる。そのため、熱移動補助部材27は短時間で熱移動が可能となる熱伝導率の高い材料、例えば銅やアルミニウムなどで形成されている。図2描写では、熱移動補助部材27の定着ベルト21の内周面に対向する面が定着ベルト21に直接接触する面であり、ニップ形成面となっており、平坦状に形成されているが、凹形状やその他の形状であってもよい。凹形状のニップ形成面であると、用紙先端の排出方向が加圧ローラ寄りになり、分離性が向上してジャムの発生が抑制される。

0038

周知のように、定着装置20の用紙搬送方向下流側には、定着ベルト21から用紙Pを分離する分離部材41が配されている。さらに、加圧ローラ22を定着ベルト21へ加圧する解除可能な加圧手段も設けられている。

0039

低熱容量化を図るため、フィルムのように薄肉で小径化した無端状の定着ベルト21は、ニッケルやSUSなどの金属材料やポリイミドなどの樹脂材料で形成された内周側の基材と、PFAテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などで形成された外周側の離型層によって構成されている。基材と離型層の間に、シリコーンゴム発泡性シリコーンゴム、あるいはフッ素ゴムなどのゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。この弾性層の厚さを100μm程度にすれば、未定着トナーを押し潰して定着させるときに弾性層の弾性変形により、ベルト表面の微小凹凸を吸収でき、光沢ムラの発生を回避できる。低熱容量化の観点から、定着ベルト21は、全体として厚さ1mm以下に、直径20〜40mmに設定されている。そして、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さは、20〜50μm、100〜300μm、10〜50μmの範囲に設定されている。更に低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、更に望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよく、直径は30mm以下とするのが望ましい。

0040

断面T字状のステー部材25は定着ニップN側と反対側が起立した起立部25aを有しており、主たる熱源としてのハロゲンヒータ23A、23Bが起立部25aによって隔てられるように配置されている。ハロゲンヒータ23A、23Bは、一方が小サイズ紙に対応した長手方向中央部に発熱部を有するものであり、他方が大サイズ紙に対応して長手方向両端部に発熱部を有するものである。ハロゲンヒータ23A、23Bは、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、定着ベルト21の外側に設けられたセンサ46a、46bなどによるベルト表面の温度検知結果に基づいて行われる。このようなヒータの出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。センサによるベルト表面の温度検知結果に基づくヒータの出力制御については後述する。

0041

また、ステー部材25とハロゲンヒータ23A、23Bの間には反射部材28A、28Bが配されている。これにより、ハロゲンヒータ23A、23Bの定着ベルト21に対する加熱効率を上げると共に、ハロゲンヒータ23A、23Bからの輻射熱によりステー部材25が加熱されることによる無駄なエネルギー消費を抑制できる。反射部材28A、28Bを備える代わりに、ステー部材25表面に断熱若しくは鏡面処理を行っても同様の効果を得ることができる。

0042

加圧ローラ22は、芯金と、芯金の表面に設けられた発泡性シリコーンゴムやフッ素ゴムなどから成る弾性層と、弾性層の表面に設けられたPFAやPTFEなどから成る離型層によって構成されている。バネなどの加圧手段により加圧ローラ22が定着ベルト21に押し付けられ定着ベルト21と圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層が押し潰されることで、所定幅の定着ニップNが形成される。加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられたモータなどの駆動源によって回転駆動する。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力が定着ニップNで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転する。定着ベルト21は定着ニップNで挟み込まれて回転し、定着ニップN以外では両端部に配された側板フランジガイドされ、走行する。

0043

本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータなどの熱源を配設してもよい。弾性層はソリッドゴムでもよいが、加圧ローラの内部に熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。

0044

図3は、ニップ形成ユニットの基本構成を示す斜視図である。図3に示すように、ニップ形成ユニットは、ニップ形成部材24、ステー部材25、熱移動補助部材27、端部ヒータ26a、26bによって構成される。ニップ形成ユニットでは、ニップ形成部材24の、定着ニップN側と反対側の面が、ステー部材25の定着ニップN側の平面と一体化される。この際、それぞれの面にボスピンのような凹凸形状を形成させて、これらを形状拘束的に嵌め合わせるようにしてもよい。熱移動補助部材27は略直方体状のニップ形成部材24の、定着ベルト21の内周面に対向する面を覆うように嵌め合わされて一体化される。熱移動補助部材27とニップ形成部材24の一体構成は爪などを設けて噛み合わせればよいが、接着などを用いてもよい。ニップ形成部材24の長手方向の両端部には、段差部としての凹部24a、24bが形成され、これらの箇所には端部ヒータ26a、26bが収容され、固定されている。これら端部ヒータ26a、26bとハロゲンヒータ23A、23Bの位置関係については、後述する。

0045

熱移動補助部材27の定着ベルト21の内周面に対向する面はベルト摺接面27aとして構成されるが、機械的強度上、実質的にニップ形成面となるのはニップ形成部材24の加圧ローラ22に対向する面24cである。

0046

このように、本実施形態では、端部ヒータ26a、26bを、定着ニップを形成するために必要なニップ形成部材24に一体に設ける構成としたので、端部ヒータ26a、26bを定着ベルト21の内側に省スペースで配置できる。

0047

また、端部ヒータ26a、26bの定着ベルト21の内面に対向する面と、ニップ形成部材24の定着ベルト21に対向する面とは同一高さ(同一平面上)に位置するので、加圧ローラによる十分な加圧力が熱移動補助部材27を介して与えられる。

0048

これにより、定着ベルト21は、端部ヒータ26a、26bと間接的に密着した状態であるので、安定したベルト走行ができる。また、定着ベルト21と端部ヒータ26a、26bは、十分な接触圧で接しており、良好な加熱が維持される。これらの構成より、定着装置20の信頼性が向上する。

0049

さらに、端部ヒータ26a、26bによる定着ベルト21の加熱部位は、ニップ領域内ある。そのため、特許文献1のように定着ニップNとは異なる部位で加熱することによる未定着トナーの再溶融の問題(品質低下)を生じない。

0050

図4は、ニップ形成ユニット及びハロゲンヒータの構成を示す斜視図である。図4に示すように、ステー部材25は、断面が略L型の、第1部材25Aと第2部材25Bとからなり、断面が略T型に構成されている。そのため、剛性が高く、ニップ形成部材24が加圧ローラ22からの応力によって撓むことを防止できる。また、ステー部材25(第1部材25A及び第2部材25B)は、ニップ形成部材24の長手方向に直線的に延在し、ニップ形成部材24に固定されている。したがって、定着ニップNの長手方向全域に亘り、良好なニップ形成面を保つことができる。

0051

起立部25aの短手方向両側には、それぞれ第1ハロゲンヒータ23A、第2ハロゲンヒータ23Bが配置されている。すなわち、第1、第2ハロゲンヒータ23A、23Bは、起立部25aにより相互に遮られている。そのため、図14に示した定着装置のようにヒータ点灯時に互いのガラス管を加熱しないので、加熱効率が下がらない。また、第1、第2ハロゲンヒータ23A、23Bは、ステー部材25に囲まれていない(各ハロゲンヒータ23の中心はステー部材25が囲む空間の外側にある)ため、照射角α、β(図2参照)が鈍角となり、加熱効率を向上できる。

0052

なお、ステー部材25の断面形状は、略T型に限定されない。第1、第2ハロゲンヒータ23A、23Bを、起立部25aを挟み相互に仕切るような配置であればよく、第1部材25A及び第2部材25Bをハロゲンヒータの長手方向に曲線的に延在してもよい。また、第1部材25A及び第2部材25Bをニップ形成部材24のニップ形成面に対し、斜め方向に起立させてもよい。

0053

次に、端部ヒータ26の温度制御方法について説明する。
図2において、第1温度検知部材であるセンサ46a、46bがそれぞれ、定着ベルト21を介してハロゲンヒータ23A、23Bに対向配置され、定着ベルト21とは非接触で定着ベルト21の温度を検知する。非接触式の第1温度検知部材としては、応答性の速いサーモパイルやコストの安いNCセンサが用いられる。ハロゲンヒータ23A、23Bはそれぞれ、定着ベルト21を内側から加熱する第1熱源、第2熱源として機能する。センサ46a、46bは、ハロゲンヒータ23A、23Bにより主に加熱される定着ベルト温度を検知する。また、第2温度検知部材である端部センサ36a、36bが定着ベルト21の下側に当接している。第2温度検知部材としては、接触式サーミスタが用いられる。

0054

図5は、第1温度検知部材及び第2温度検知部材の配置を示す模式図である。
図示のように、センサ46aは、ハロゲンヒータ23Aの配光分布(発熱領域)内に位置するように長手方向中央部に配置される。センサ46bは、ハロゲンヒータ23Bの配光分布(発熱領域)内に位置するように長手方向端部内側に配置される。センサ46bは、ハロゲンヒータ23Aの配光分布よりも長手方向外側に位置している。

0055

端部センサ36a、36bは、画像形成装置の最大画像保証幅よりも外側に配置されている。例えば最大通紙幅がA3ノビサイズだった場合、A3ノビに対する最大画像保証幅の外側となる。これは、接触式サーミスタである端部センサ36a、36bを通紙範囲内の定着ベルト21に当接させると定着ベルト表面が傷つき、定着した画像に光沢スジオフセット等の異常画像が発生するためである。端部センサ36a、36bを最大画像保証幅の外側に配置することで、ユーザーの使用する用紙幅内では定着ベルトが傷つかず、従って定着画像に悪影響が出ることが防止される。これは、センサ46a、46bを定着ベルト21とは非接触で配置している理由と同じである。ここで、最大画像保証幅とは、画像形成装置において画質を保証する領域である。例えば、最大通紙幅を有するサイズの用紙に対して両端2mmの作像出来ない、もしくは画質が保証できない幅(画像欠け幅)があった場合に、最大画像保証幅の値は、最大通紙幅−4mmとなる。

0056

図6は、定着装置20のウォームアップ時での定着ベルト21の長手方向温度分布を示す。ここでは、図5における左端部での温度分布を示しており、対称的である右端部での温度分布は省略している。
ウォームアップ時は、通紙範囲内で定着ベルト21をなるベく長手方向に均一な温度に維持したいが、定着ベルト21の外側にある部品(側板やフランジなど)により熱を奪われるためベルト端部の温度が低下しやすい。よって図6において、A3ノビ用紙幅の最も外側における、端部センサ36aで検知される定着ベルト21の温度Teが、内側におけるセンサ46bで検知される温度T1となるべく同じになるように、端部ヒータ26の通電・加熱を制御する。

0057

しかしながら、実際には端部センサ36aの検知範囲と端部ヒータ26aの発熱領域とが長手方向に完全には一致しないため、温度T2と実際に維持したい温度Teとの間には差が生じる。端部センサ36aが端部ヒータ26aよりも長手方向外側にずれると温度T2は温度Teよりも低くなっていく。図6のように端部センサ36aが端部ヒータ26aの発熱領域外に位置してこの発熱領域より外側の温度T2を検知している場合には差はより顕著になる。

0058

図6では、熱移動補助部材27が設置されている場合と設置されていない場合の温度分布を表している。熱移動補助部材27が無い場合には、端部ヒータ26aで生じた熱が長手方向には広がり難く、端部センサ36aで検知される温度T3は大きく下がり、温度T3と温度Teの間に大きな差が生じる。このような状況では、温度T3が少し変わるだけでも温度Teが大きく変化してしまい(つまり温度Teの変化に対して温度T3の変化の感度が悪い)、端部センサ36aでの検知温度に基づく端部ヒータ26aの通電制御は難しくなる。

0059

しかし、熱移動補助部材27がある場合には、端部ヒータ26aで生じた熱が長手方向外側に十分広がり、温度Teと端部センサ36aで検知される温度T2の差が小さくなる。そのため、端部センサ36aで温度T2を監視しながら端部ヒータ26aの通電制御を行うことで、温度Teを狙いの温度に制御することが可能になる。

0060

なお、前述のようにT2とTeとの差は、端部センサ36aと端部ヒータ26aとの長手方向の位置の違いにより生じるため、端部センサ36aの設定位置を出来るだけ端部ヒータ26aの発熱範囲に近づけることでも小さくなる。そこで図5では、端部センサ36a,36bは最大画像保証幅よりも長手方向外側かつ最大通紙幅内に配置されている。

0061

ところで、定着装置20には様々なサイズの用紙が通紙されるため、用紙サイズに応じて端部ヒータ26a,26bの温度制御に用いる温度センサを変更する必要がある。すなわち、用紙サイズに応じてセンサ46a、46b又は端部センサ36a、36bでの検知温度を選択し、選択した検知温度に基づいて端部ヒータへの通電を制御する。以下では、これについて説明する。なお、センサの選択と端部ヒータへの通電は、プリンタ本体に設けられた電源部により制御される。

0062

ハロゲンヒータ23Bの発熱領域内に収まるA3サイズ以下の用紙の通紙時には、端部ヒータ26が主に加熱する定着ベルト21の箇所は用紙Pに熱を奪われないため低い通電率でよく、温度Teと温度T2の差も小さいため、端部センサ36a、36bの検知温度に基づいて端部ヒータ26a,26bの通電制御が可能である。

0063

一方、A3サイズよりも大きい用紙の通紙時には、端部ヒータ26a,26bが主に加熱する定着ベルト21の箇所は用紙Pに熱を奪われるため端部ヒータ26a,26bには高い通電率が必要である。ところが、端部センサ36a、36bの設置箇所通紙範囲外であるため、この部分の定着ベルト21は用紙Pに熱を奪われず、端部センサ36a、36bで検知される温度T2は高く、実際に維持したい温度Teと温度T2の差は小さくなる。よって、この温度T2に基づけば、端部ヒータ26a,26bは低い通電率しか要しないこととなり、結果として低い通電率で端部ヒータ26a,26bを制御してしまう。このため、A3ノビ用紙内の端部の定着ベルト温度(温度Te)が低下し、コールドオフセット等の異常画像が発生してしまう。

0064

このような異常画像の発生を防止する為に、用紙Pに熱を奪われる定着ベルト21の箇所を検知しているセンサ46bでの検知温度に基づいて、端部ヒータ26a,26bへの通電を制御する。結果として、端部ヒータ26a,26bは用紙に熱を奪われた分を補う程度に高い通電率で発熱し、A3ノビ用紙内の端部の定着ベルト温度(温度Te)を十分高く維持することができる。

0065

これは、ハロゲンヒータ23Bと端部ヒータ26の発熱密度(長手方向1mmあたり換算したときのワット数)が略同じであるために、ハロゲンヒータ23Bと同じ通電率で加熱すれば、温度T1と温度Teが略同じになるためである。また、ハロゲンヒータ23Bと端部ヒータ26の発熱密度が略同じであるのは、ウォームアップ時に両ヒータとも同じぐらいの時間で所望の温度まで達するようにして、無駄な電力・加熱時間を低減させるためでもある。

0066

ところで、A3サイズ以下の用紙の通紙時に、端部センサ36a、36bの検知結果に基づいて端部ヒータ26a,26bを制御する場合には、通紙開始からの時間に応じて、端部センサ36a、36bの制御目標温度を変更する必要がある。以下ではこれを説明する。

0067

図7は、通紙開始からの経過時間ごとの定着ベルト21の温度分布を示す。横軸は定着ベルトの長手方向長さ、縦軸は温度を示す。図中、t1<t2<t3である。時刻t1が通紙開始直後の時間を示す。
通紙開始直後の時刻t1では、定着ベルト21の外側にある部品(側板やフランジなど)により熱を奪われるためベルト端部の温度が低下しやすく、温度Teと温度T2に大きめの差が生じているが、差は時刻t2、t3となるごとに小さくなっている。これは、定着ベルト21の外側にある部品も徐々に温まってくるため、部品により奪われる熱量が少なくなってくるからである。よって、温度Teを一定に保つための温度T2は、通紙開始から時間が経過するごとに高くしていく必要がある。時刻t1では制御すべき温度T2は低いが、時刻t2、t3となるごとに制御すべき温度T2を高くする。すなわち、端部センサ36aの検知温度に基づいて端部ヒータ26aへの通電を制御する際、通紙開始から時間が経過するごとに、端部センサ36aの検知温度の目標温度を高くする。温度T2を通紙開始直後から同じ温度に制御・固定すると、温度Teは時間が経過するごとに低くなり(温度Teと温度T2の差が小さくなり)、コールドオフセット等の異常画像が発生してしまう。

0068

続いて、A3ノビなどの特殊サイズの記録材に対応できる熱源の配置構成について説明する。
図8は、ハロゲンヒータ及び端部ヒータの発熱部の配置を示す模式図である。図8に示すように、長手方向における中央部の配光分布が密である第1ハロゲンヒータ23Aと、長手方向における両端部の配光分布が密である第2ハロゲンヒータ23Bが、配置されている。すなわち、第1ハロゲンヒータ23Aは、定着ベルト21の中央範囲を加熱し、第2ハロゲンヒータ23Bは、定着ベルト21の側部範囲を加熱する。

0069

第1ハロゲンヒータ23Aの発熱部40Aは、例えばA4縦サイズなどの小サイズの記録材に対応し、第2ハロゲンヒータ23Bの発熱部40Bは、第1ハロゲンヒータ23AでカバーできないA3縦サイズなどの使用可能な最大定形サイズの記録材の側部範囲をカバーする。すなわち、両ハロゲンヒータの発熱部40A、40Bからなる発熱部40は、最大定形サイズの紙幅に対応し、最大定形サイズより大きいノビサイズの紙幅をカバーしていない。

0070

一方、端部ヒータ26a、26bは、第2ハロゲンヒータ23Bの長手方向両端部に対応する位置にあり、最大定形サイズより大きいノビサイズ紙幅の両端部を加熱する発熱部42a、42bを有する。また、端部ヒータ26a、26bの発熱部42a、42bの一部は、ハロゲンヒータ23Bの発熱部40Bと重なる。これにより、定着装置20は、最大定形サイズより大きいノビサイズ紙幅の両端にも対応できる。

0071

ここで、ハロゲンヒータ及び端部ヒータの実際に出力する熱量(加熱出力)について説明する。図9は、第2ハロゲンヒータ23B及び端部ヒータ26bの各発熱部の位置関係と各ヒータの加熱出力の様子を示す模式図である。図9の上部は、第2ハロゲンヒータ23Bの発熱部の右側端部の状態を、図9の下部は、端部ヒータ26bの発熱部の左側の状態を示している。

0072

一般に、ハロゲンヒータは、発熱部(フィラメント螺旋状に巻いた部分)の長手方向端部において加熱出力が低下する。これは、フィラメントの巻き密度によっても変わり、巻く密度が疎であるとより低下しやすい。図9の上部に示すように、第2ハロゲンヒータ23Bの発熱部40Bは、所定の加熱出力を100(%)出力する部分から、熱量のダレが生じて加熱出力が50%になる部分までと定義するのが一般的である。

0073

また、端部ヒータ26bも、図9の下部に示すように、発熱部42b(発熱パターン37が設けられた部分)の長手方向端部において加熱出力が低下する。すわなち、端部において所定の加熱出力に対して100%の出力がされず、加熱出力のダレが生じる。

0074

このため、第2ハロゲンヒータ23B及び端部ヒータ26bの端部で加熱出力の落ち込み(ダレ)が生じると、特に最大定形サイズよりも大きいノビサイズの記録材の端部で、良好な定着が行われないおそれがある。

0075

そこで本実施形態では、図9に示すように、第2ハロゲンヒータ23Bの発熱部40Bにおける加熱出力が低減し始める境界Bhと、端部ヒータ26bの発熱部42bにおける加熱出力が低減し始める境界Bcとを合致する。実際の装置では、第2ハロゲンヒータ23Bと端部ヒータ26bは、空間上離れて配置されているので、投影する状態で、長手方向において互いの境界Bh、Bcが合致することである。なお、もう一方の端部ヒータ26aも同様である。

0076

これにより、ハロゲンヒータ23Bと両端部ヒータ26a、26bの重なる領域において、加熱出力が低下せず、所定の加熱出力の100%を維持できる。したがって、特に最大定形サイズよりも大きいノビサイズの記録材の両端部においても、良好な定着が保証できる。

0077

このように本実施形態では、第2ハロゲンヒータ23Bの境界Bhと、端部ヒータ26bの境界Bcが合致することとしている。しかし、上述したように、ニップ形成ユニットは熱伝導率のよい熱移動補助部材27を有するので、ある程度の加熱出力の落ち込みを均すことができる。そのため、両端部ヒータ26a、26bの加熱出力が低減し始める境界の配置に所定の許容範囲を設けてもよい。

0078

次に、端部ヒータの中央寄り発熱部端部(加熱出力が低減し始める境界Bc)をどのように設定するかについて、加熱出力のグラフを用いて、3つのパターンで説明する。境界Bcを設定する位置は所定の許容範囲を有している。

0079

(第1パターン)
図10は、第2ハロゲンヒータの加熱出力を示すグラフである。グラフの描写は、説明の都合上、一方の端における出力を示している。図10において、縦軸は所定の加熱出力に対する出力割合(%)であり、横軸は第2ハロゲンヒータ23Bの長手方向の位置である。加熱出力のグラフは長手方向に凸状のピークを有する曲線を描いている。

0080

図10に示す加熱出力の場合、端部ヒータ26の境界Bc(発熱部42bにおける長手方向中央寄りの加熱出力が低減し始める境界)は、第2ハロゲンヒータにおいて加熱出力が長手方向端部寄りに位置する、ピークの加熱出力の40%になる箇所から、長手方向中央寄りに位置する、ピークの加熱出力の80%になる箇所までの範囲(図中Aで示す範囲)に設定される。端部ヒータ26の境界Bcをこのような範囲に設定すれば、端部ヒータ26と第2ハロゲンヒータ23Bの端部における加熱出力を許容範囲内にできる。

0081

(第2パターン)
図11は、中央範囲に発熱部を有するハロゲンヒータと、側部範囲に発熱部を有するハロゲンヒータのそれぞれの加熱出力の状態を示すグラフである。第1ハロゲンヒータ23Aに該当する中央範囲に発熱部を有するハロゲンヒータの加熱出力を破線のグラフで示し、第2ハロゲンヒータ23Bに該当する側部範囲に発熱部を有するハロゲンヒータの加熱出力を実線で示す。長手方向に異なる配光分布を有し、したがってそれぞれ異なる加熱出力パターンを有する複数のハロゲンヒータによって、トータル的な加熱出力のパターンも異なる状態となり得る。

0082

図12は、第1、第2ハロゲンヒータの合算状態の加熱出力を示すグラフである。図12に示すように、加熱出力のグラフは、両端部近傍において出力割合が100%まで立ち上がり長手方向中央領域においてもほぼ100%でなだらかとなっている。

0083

ここで、加熱出力がほぼ100%の範囲を長さ(B)とし、出力割合がほぼ100%から40%になる範囲を長さ(C)する。このとき、端部ヒータ26の境界Bcは、出力割合が加熱出力の40%になる箇所から、長手方向中央に向けて(C+B×1/10)を満たす長さDまでの範囲に配置される。端部ヒータ26の境界Bcをこのような範囲に配置すれば、端部ヒータ26と第2ハロゲンヒータ23Bの端部における加熱出力を許容範囲内にできる。

0084

(第3パターン)
図13は、第1、第2ハロゲンヒータの加熱出力の別例を示すグラフである。図13に示すように、グラフの中央領域はなだらかであるが、その両端部では、中央領域と比較して高くなっている。第2ハロゲンヒータ23Bの発熱部のフィラメントが、第1ハロゲンヒータ23Aの発熱部のフィラメントよりも密に巻かれていると、このような形となる。

0085

ここで、加熱出力がほぼ100%である両端で挟まれる範囲を長さ(B’)とし、出力割合がほぼ100%から40%になる範囲を長さ(C)する。このとき、端部ヒータ26の境界Bcは、出力割合が加熱出力の40%になる箇所から、長手方向中央に向けて(C+B’×1/10)を満たす長さD’までの範囲内に配置される。端部ヒータ26の境界Bcをこのような範囲に配置すれば、端部ヒータ26と第2ハロゲンヒータ23Bの端部における加熱出力を許容範囲内にできる。

0086

続いて、本発明の定着装置において、有利な構成について説明する。
熱移動補助部材27は定着ベルト21の内面と摺接しているため、銅やアルミニウムなどの金属材料をそのまま用いると摩擦係数が大きくなる。摩擦係数が大きいと、ユニットトルクが大きくなり、装置の寿命が短くなるなどの問題を生じる。

0087

そのため、熱移動補助部材27の定着ベルト21との対向する(接する)ベルト摺接面27a(図3参照)は平滑であり、更に低摩擦処理が施されていることが望ましい。具体的には、PFAやPTFEのようなフッ素系の塗装コーティングを施すことにより、熱移動補助部材27と定着ベルト21内面の間の摩擦を低減する。また、熱移動補助部材27と定着ベルト21内面の間にフッ素グリースシリコーンオイルなどの潤滑剤を塗布することも望ましく、摩擦を更に低減できる。

0088

以上、本発明を実施形態に基づいて説明した。本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜変更可能である。また、本発明の定着装置を備える画像形成装置としては複写機あるいはプリンタに限らず、ファクシミリや複数の機能を備える複合機であってもよい。

0089

20定着装置
21定着ベルト(定着部材)
22加圧ローラ(加圧部材)
23Aハロゲンヒータ(第1熱源)
23B ハロゲンヒータ(第2熱源)
24ニップ形成部材
26a、26b端部ヒータ(抵抗発熱体)
27熱移動補助部材
36a、36b 端部センサ(第2温度検知部材)
46a、46bセンサ(第1温度検知部材)
N定着ニップ
P 用紙(記録材)

先行技術

0090

特開2010−32631号公報
特開2010−78839号公報

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