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技術 点火装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 三宅景子竹田俊一
出願日 2016年1月29日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-015525
公開日 2017年8月3日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-133459
状態 特許登録済
技術分野 内燃機関の点火装置
主要キーワード エネルギ投入 分配スイッチ 比較形態 エンジンシリンダー内 電子部品群 昇圧用ダイオード 昇圧用スイッチ 昇圧信号
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月3日)のものです。
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図面 (14)

課題

耐圧が低い還流ダイオードを用いることができる点火装置を提供すること。

解決手段

点火コイル2と、点火スイッチ3と、昇圧部4と、保護ダイオード5と、放電継続スイッチ6と、制御部12と、還流ダイオード7とを備える。制御部12は、点火スイッチ3がオンからオフ切り替わり点火プラグ10に火花放電Sが発生した後、放電継続スイッチ6をオンオフ動作させる。これにより、昇圧部4から、点火コイル2の一次巻線21に電流isを流し、火花放電Sを継続させる。放電継続スイッチ6をオンからオフに切り替えたときに、還流ダイオード7には、還流電流ifが流れる。還流ダイオード7は、保護ダイオード5と放電継続スイッチ6との間と、グランドとの間に接続している。

概要

背景

一次巻線二次巻線とを備える点火コイルを用いて、内燃機関点火プラグ点火する点火装置が知られている。上記一次巻線の一端は直流電源に接続しており、他端は点火スイッチに接続している。また、二次巻線には上記点火プラグが接続している。

点火スイッチをオンし、直流電源から一次巻線に一次電流を流した後、点火スイッチをオフすると、二次巻線に高い電圧が発生する。上記点火装置では、この電圧を用いて、点火プラグに火花放電を発生させている。

近年、内燃機関内の混合気気流によって火花放電が吹き消されることを抑制でき、着火性をより高めることができる点火装置の開発が行われている(下記特許文献1参照)。その背景には、内燃機関の燃費を向上するため、混合気をリーンにしたいという要求がある。リーン混合気着火しにくいため、混合気の気流速度を速くし、この気流によって点火プラグの火花放電を引き延ばして、着火性能を高める試みもされている。しかしながら、混合気をリーンにし、かつ気流速度を速くすると、火花放電が吹き消されやすくなる。そのため、吹き消えしない強さの火花放電を長時間発生でき、混合気の着火性を高めることができる点火装置の開発がされている。

特許文献1の点火装置では、一次巻線と点火スイッチとの間に、上記直流電源の電圧を昇圧する昇圧部を電気接続してある(図12参照)。また、昇圧部と一次巻線との間に、放電継続スイッチを設けてある。上記点火装置は、点火スイッチをオンからオフに切り替え、点火プラグに火花放電を発生させた後、放電継続スイッチをオンオフ動作させ、昇圧部から一次巻線に電流を流すよう構成されている。これにより、二次巻線に二次電流を発生させ、点火プラグに、吹き消えしない強さの火花放電が長時間、生じるようにしている。

また、点火スイッチには、還流ダイオード逆並列接続されている。上記放電継続スイッチをオンからオフに切り替えたとき、還流ダイオードを通って、一次巻線に還流電流が流れるよう構成されている。

概要

耐圧が低い還流ダイオードを用いることができる点火装置を提供すること。点火コイル2と、点火スイッチ3と、昇圧部4と、保護ダイオード5と、放電継続スイッチ6と、制御部12と、還流ダイオード7とを備える。制御部12は、点火スイッチ3がオンからオフに切り替わり、点火プラグ10に火花放電Sが発生した後、放電継続スイッチ6をオンオフ動作させる。これにより、昇圧部4から、点火コイル2の一次巻線21に電流isを流し、火花放電Sを継続させる。放電継続スイッチ6をオンからオフに切り替えたときに、還流ダイオード7には、還流電流ifが流れる。還流ダイオード7は、保護ダイオード5と放電継続スイッチ6との間と、グランドとの間に接続している。

目的

以上のごとく、本態様によれば、耐圧が低い還流ダイオードを用いることができる点火装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一端(211)が直流電源(11)に接続した一次巻線(21)と、点火プラグ(10)に接続した二次巻線(22)とを備える点火コイル(2)と、上記一次巻線の他端(212)に接続した点火スイッチ(3)と、上記直流電源の電圧を昇圧する昇圧部(4)と、上記一次巻線と上記点火スイッチとの間にカソード端子が接続した保護ダイオード(5)と、該保護ダイオードのアノード端子と上記昇圧部との間に設けられた放電継続スイッチ(6)と、上記点火スイッチがオンからオフ切り替わり、上記点火プラグに火花放電(S)が発生した後、上記放電継続スイッチをオンオフ動作させることにより、上記昇圧部から上記一次巻線に電流(is)を上記他端側から流し、上記火花放電を同一の極性で継続させる制御部(12)と、上記放電継続スイッチをオンからオフに切り替えたときに上記一次巻線の還流電流(if)が流れる還流ダイオード(7)とを備え、該還流ダイオードは、上記保護ダイオードと上記放電継続スイッチとの間と、グランドとの間に接続している、点火装置(1)。

請求項2

互いに並列に接続された複数の上記点火コイルを備え、上記昇圧部から電流を、個々の上記点火コイルに予め定められた順序で流すよう構成され、上記複数の点火コイルに対して、上記昇圧部と上記放電継続スイッチと上記還流ダイオードとを共通化してある、請求項1に記載の点火コイル。

請求項3

互いに並列接続された複数の上記点火コイルを備え、該複数の点火コイルに対して上記昇圧部を共通化してあり、上記昇圧部から電流を、個々の上記点火コイルに予め定められた順序で流すよう構成され、上記昇圧部からの電流は、上記昇圧部の出力端子(49)に接続した共通経路と、該共通経路から分岐し個々の上記点火コイルに接続した分岐経路とを流れ、個々の該分岐経路に、上記保護ダイオードと上記放電継続スイッチとが設けられており、上記還流ダイオードは個々の上記分岐経路に接続している、請求項1に記載の点火装置。

請求項4

互いに並列接続された複数の上記点火コイルを備え、上記昇圧部からの電流を、個々の上記点火コイルに予め定められた順序で流すよう構成され、上記保護ダイオードと上記還流ダイオードと上記放電継続スイッチと上記昇圧部とからなる電子部品群(13)を、個々の上記点火コイルに個別に接続してある、請求項1に記載の点火装置。

請求項5

上記還流ダイオードはファストリカバリダイオードである、請求項1又は請求項2に記載の点火装置。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関点火装置に関する。

背景技術

0002

一次巻線二次巻線とを備える点火コイルを用いて、内燃機関の点火プラグ点火する点火装置が知られている。上記一次巻線の一端は直流電源に接続しており、他端は点火スイッチに接続している。また、二次巻線には上記点火プラグが接続している。

0003

点火スイッチをオンし、直流電源から一次巻線に一次電流を流した後、点火スイッチをオフすると、二次巻線に高い電圧が発生する。上記点火装置では、この電圧を用いて、点火プラグに火花放電を発生させている。

0004

近年、内燃機関内の混合気気流によって火花放電が吹き消されることを抑制でき、着火性をより高めることができる点火装置の開発が行われている(下記特許文献1参照)。その背景には、内燃機関の燃費を向上するため、混合気をリーンにしたいという要求がある。リーン混合気着火しにくいため、混合気の気流速度を速くし、この気流によって点火プラグの火花放電を引き延ばして、着火性能を高める試みもされている。しかしながら、混合気をリーンにし、かつ気流速度を速くすると、火花放電が吹き消されやすくなる。そのため、吹き消えしない強さの火花放電を長時間発生でき、混合気の着火性を高めることができる点火装置の開発がされている。

0005

特許文献1の点火装置では、一次巻線と点火スイッチとの間に、上記直流電源の電圧を昇圧する昇圧部を電気接続してある(図12参照)。また、昇圧部と一次巻線との間に、放電継続スイッチを設けてある。上記点火装置は、点火スイッチをオンからオフに切り替え、点火プラグに火花放電を発生させた後、放電継続スイッチをオンオフ動作させ、昇圧部から一次巻線に電流を流すよう構成されている。これにより、二次巻線に二次電流を発生させ、点火プラグに、吹き消えしない強さの火花放電が長時間、生じるようにしている。

0006

また、点火スイッチには、還流ダイオード逆並列接続されている。上記放電継続スイッチをオンからオフに切り替えたとき、還流ダイオードを通って、一次巻線に還流電流が流れるよう構成されている。

先行技術

0007

特開2014−218997号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、上記点火装置では、点火スイッチをオフしたときに一次巻線に生じる高いフライバック電圧が、還流ダイオードに加わる。そのため、一次巻線のフライバック電圧に耐えられるように、耐圧が充分に高い還流ダイオードを用いる必要がある。一般に、耐圧が高い還流ダイオードは、順方向に流れる電流、すなわち還流電流が比較的少ない傾向がある。そのため、耐圧が高い還流ダイオードを用いる場合、充分な量の還流電流を流せるように、還流ダイオードを大型化せざるを得なくなる。そのため、点火装置が大型化したり、製造コストが高くなったりする問題が生じやすい。

0009

本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、耐圧が低い還流ダイオードを用いることができる点火装置を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0010

本発明の一態様は、一端(211)が直流電源(11)に接続した一次巻線(21)と、点火プラグ(10)に接続した二次巻線(22)とを備える点火コイル(2)と、
上記一次巻線の他端(212)に接続した点火スイッチ(3)と、
上記直流電源の電圧を昇圧する昇圧部(4)と、
上記一次巻線と上記点火スイッチとの間にカソード端子が接続した保護ダイオード(5)と、
該保護ダイオードのアノード端子と上記昇圧部との間に設けられた放電継続スイッチ(6)と、
上記点火スイッチがオンからオフに切り替わり、上記点火プラグに火花放電(S)が発生した後、上記放電継続スイッチをオンオフ動作させることにより、上記昇圧部から上記一次巻線に電流(is)を上記他端側から流し、上記火花放電を同一の極性で継続させる制御部(12)と、
上記放電継続スイッチをオンからオフに切り替えたときに上記一次巻線の還流電流(if)が流れる還流ダイオード(7)とを備え、
該還流ダイオードは、上記保護ダイオードと上記放電継続スイッチとの間と、グランドとの間に接続している、点火装置(1)にある。

発明の効果

0011

上記点火装置においては、上記還流ダイオードを、上記保護ダイオードと放電継続スイッチとの間と、グランドとの間に接続してある。
そのため、耐圧が低い還流ダイオードを用いることが可能になる。すなわち、点火スイッチをオンからオフに切り替えると、上述したように、一次巻線に高いフライバック電圧が発生する。そのため、昇圧部及び放電継続スイッチを設ける場合、これらをフライバック電圧から保護するため、充分に高い耐圧を有する保護ダイオードが必要になる。本形態では、保護ダイオードと放電継続スイッチとの間に、還流ダイオードを接続してある。そのため、還流ダイオードに一次巻線のフライバック電圧が加わることを防止でき、還流ダイオードに加わる電圧を、昇圧部の出力電圧程度に抑制することが可能になる。したがって、耐圧が低い還流ダイオードを用いることが可能になる。耐圧が低い還流ダイオードは、大きな順方向電流(還流電流)を流すことができるため、耐圧が低い還流ダイオードを用いることにより、還流ダイオードを小型化することが可能になる。したがって、点火装置を小型化でき、点火装置の製造コストを低減することができる。

0012

以上のごとく、本態様によれば、耐圧が低い還流ダイオードを用いることができる点火装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。

0013

なお、上記「火花放電を同一の極性で継続させる」とは、点火プラグに火花放電が発生した瞬間に流れた二次電流と同じ向きに、追加二次電流(昇圧部から一次巻線に電流を流すことによって生じた二次電流)を流し、火花放電を継続させることを意味する。

図面の簡単な説明

0014

実施形態1における、点火装置の回路図。
実施形態1における、点火スイッチをオンした状態での、点火装置の回路の一部。
実施形態1における、点火スイッチをオフした瞬間での、点火装置の回路の一部。
実施形態1における、放電継続スイッチをオンしている状態での、点火装置の回路の一部。
実施形態1における、還流電流が流れている状態での、点火装置の回路の一部。
実施形態1における、点火装置のタイムチャート
図6のタイムチャートの一部拡大図
実施形態2における、点火装置の回路図。
実施形態2における、点火装置のタイムチャート。
実施形態3における、点火装置の回路図。
実施形態4における、点火装置の回路図。
比較形態1における、点火装置の回路図。
比較形態2における、二次電流の時間変化を表したグラフ

0015

上記点火装置は、自動車の内燃機関の点火プラグを点火するための、車両用点火装置とすることができる。

0016

(実施例1)
上記点火装置に係る実施形態について、図1図7を用いて説明する。図1に示すごとく、本形態の点火装置1は、点火コイル2と、点火スイッチ3と、昇圧部4と、保護ダイオード5と、放電継続スイッチ6と、制御部12と、還流ダイオード7とを備える。点火コイル2は、一次巻線21と二次巻線22とを備える。一次巻線21の一端211は直流電源11に接続し、他端212は点火スイッチ3に接続している。点火コイル2の二次巻線22には、点火プラグ10が接続している。

0017

昇圧部4は、直流電源11の電圧を昇圧する。保護ダイオード5のカソード端子Kは、一次巻線21と点火スイッチ3との間に接続している。放電継続スイッチ6は、保護ダイオード5のアノード端子Aと昇圧部4との間に設けられている。

0018

制御部12は、図2図3に示すごとく、点火スイッチ3がオンからオフに切り替わり、点火プラグ10に火花放電Sが発生した後、放電継続スイッチ6をオンオフ動作させる。これにより、図4に示すごとく、昇圧部4から一次巻線21に、電流isを他端212側から流し、火花放電Sを同一の極性で継続させるよう構成されている。

0019

図5に示すごとく、放電継続スイッチ6をオンからオフに切り替えたときに、還流ダイオード7には、一次巻線21の還流電流ifが流れる。還流ダイオード7のカソードは、保護ダイオード5と放電継続スイッチ6との間に接続している。

0020

本形態の点火装置1は、自動車のエンジンに点火するための、車両用点火装置である。図1に示すごとく、昇圧部4は、チョークコイル41と、昇圧用スイッチ42と、昇圧用ダイオード43と、コンデンサ44とを備える、DC−DCコンバータである。

0021

図1に示すごとく、昇圧用スイッチ42と放電継続スイッチ6とは、MOSFETからなる。また、点火スイッチ3はIGBT素子である。昇圧用スイッチ42と放電継続スイッチ6と点火スイッチ3とのゲート端子は、ドライブ回路14に接続している。このドライブ回路14に、制御部12が接続している。制御部12は、ECU(図示しない)からの指令に基づいて、点火信号VIG、昇圧信号VB、放電継続信号VDを発生する。点火信号VIG、昇圧信号VB、放電継続信号VDは、それぞれ、点火スイッチ3、昇圧用スイッチ42、放電継続スイッチ6をオンオフ動作させるための信号である。

0022

昇圧用スイッチ42のソース端子、及びコンデンサ44は接地されている。また、還流ダイオード7のアノード端子、点火スイッチ3のエミッタ端子、直流電源11の負電極112も接地されている。

0023

上述したように、点火コイル2の二次巻線22には、点火プラグ10が接続している。また、二次巻線22には、二次用ダイオード17と、シャント抵抗15とが接続している。シャント抵抗15には、二次電流i2を測定するための電流測定部16が接続している。電流測定部16による二次電流i2の測定値は、制御部12にフィードバックされる。制御部12は、この測定値を用いて、放電継続スイッチ6のデューティー比を制御している。

0024

次に、点火プラグ10を点火する際の、各電子部品の動作について説明する。点火する際は、まず、放電継続スイッチ6をオフにした状態で、昇圧用スイッチ42をオンオフ動作させる。これにより、直流電源11の電圧を昇圧し、コンデンサ44に電荷を蓄える。

0025

その後、図2に示すごとく、点火スイッチ3をオンにする。これにより、直流電源11から一次巻線21に一次電流i1を流す。このとき二次巻線22に二次電圧が発生するが、上述したように二次用ダイオード17が設けられているため、二次巻線22には二次電流i2が流れない。

0026

一次巻線21に一次電流i1を流すと、一次巻線21がエネルギ(1/2・Li12)を蓄える。その後、図3に示すごとく、点火スイッチ3をオフにすると、一次電流i1が急に減少する。このとき、一次巻線21に蓄えられたエネルギが二次巻線22に伝わり、二次巻線22に高い二次電圧が発生する。二次電圧が発生し、点火プラグ10のギャップ間放電が発生すると、二次電流i2が流れる。この二次電流i2によって、点火プラグ10の火花放電Sが継続する。

0027

図4に示すごとく、火花放電Sが発生した後、放電継続スイッチ6(図1参照)をオンし、昇圧部4から一次巻線21に電流isを流す。そのため、この電流isによって、二次巻線22に二次電流i2が加算され、火花放電Sが継続する。

0028

また、図5に示すごとく、放電継続スイッチ6をオフすると、昇圧部4からの電流isの供給は停止する。そして、一次巻線21のインダクタンスによって発生した還流電流ifが還流ダイオード7を通り、一次巻線21に流れる。還流電流ifは、一次巻線21を流れた後、直流電源11に伝わる。そして、グランドを介して、還流ダイオード7に戻る。

0029

本形態では、還流ダイオード7としてファストリカバリダイオードを用いている。これにより、放電継続スイッチ6をオフからオンに切り替えたときに、還流ダイオード7が速くリカバリするようにしている。これによって、昇圧部4から還流ダイオード7を介してグランドへ流れる漏れ電流を少なくし、より多くの電流isが一次巻線21に流れるようにしている。
なお、「ファストリカバリダイオード」とは、半導体にAuやPt等の重金属拡散させたり、電子線を照射したりすることにより、逆回復時間を短くしたダイオードを意味する。

0030

次に、図6のタイムチャートを用いて、点火信号VIG、コンデンサ電圧VC、一次電流i1、二次電流i2、昇圧信号VB、放電継続信号VDの波形について説明する。火花放電Sを発生させる際には、制御部12は、時刻t1〜t2の間に、点火信号VIGを発生する。そのため、点火スイッチ3がオンになり、一次巻線21に一次電流i1が流れる。また、制御部12は、時刻t1〜t2の間に、昇圧信号VBを発生する。そのため、昇圧用スイッチ42がオンオフ動作し、コンデンサ44の電圧(コンデンサ電圧VC)が徐々に上昇する。

0031

制御部12は、時刻t2において、点火信号VIGを停止する。そのため、点火スイッチ3がオフになり、二次巻線22に高い二次電圧が発生する。これに伴い、点火プラグ10に火花放電Sが発生し、二次電流i2が流れる。

0032

その後、制御部12は、時刻t3〜t4において、放電継続信号VDを発生する。そのため、放電継続スイッチ6がオンオフ動作する。放電継続スイッチ6がオンのときは、上述したように、昇圧部4から電流isが一次巻線21に流れる。また、放電継続スイッチ6がオフのときは、一次巻線21のインダクタンスによって発生した還流電流ifが、還流ダイオード7を通り、一次巻線21に流れる。そのため、時刻t3〜t4は、二次電流i2は大きく減少せず、火花放電Sが同一の極性で継続する。

0033

図7に、二次電流i2の波形を拡大したグラフを示す。同図に示すごとく、時刻t2〜t4の間において、二次電流i2は、火花放電がエンジンシリンダー内の気流等で吹き消される、所謂吹き消え限界電流ithを、僅かに超えた値を維持している。吹き消え限界電流ithは、吹き消えしない強さの火花放電Sを維持できる最低限の電流値である。そのため、エネルギ消費量を低減しつつ、長時間にわたって、強い火花放電Sを発生させることができる。

0034

次に、本形態の作用効果について説明する。図1に示すごとく、本形態では、還流ダイオード7を、保護ダイオード5と放電継続スイッチ6との間と、グランドとの間に接続してある。
そのため、還流ダイオード7の耐圧を低くすることができる。すなわち、点火スイッチ3をオンからオフに切り替えると、一次巻線21に、例えば600V程度の高いフライバック電圧が発生する。そのため、昇圧部4及び放電継続スイッチ6を設ける場合、これらをフライバック電圧から保護するため、充分に高い耐圧を有する保護ダイオード5が必要になる。本形態では、保護ダイオード5と放電継続スイッチ6との間に、還流ダイオード7を接続してある。そのため、還流ダイオード7に一次巻線21のフライバック電圧が加わることを防止でき、還流ダイオード7に加わる電圧を、昇圧部4の出力電圧より若干高い値、例えば250V程度に抑制することが可能になる。したがって、耐圧が低い還流ダイオード7を用いることができる。耐圧が低い還流ダイオード7は、大きな順方向電流(還流電流if)を流すことができるため、耐圧が低い還流ダイオード7を用いることにより、還流ダイオード7を小型化することが可能になる。したがって、点火装置1を小型化でき、点火装置1の製造コストを低減することができる。

0035

仮に、図12に示すごとく、従来のように還流ダイオード7を点火スイッチ3に逆並列接続した場合、一次巻線21のフライバック電圧が還流ダイオード7に加わってしまう。そのため、高い耐圧を有する還流ダイオード7を用いる必要が生じる。耐圧が高い還流ダイオード7は、大きな順方向電流(還流電流if)を流しにくいため、充分な量の還流電流ifを流すためには、還流ダイオード7を大型化する必要がある。したがって、点火装置1が大型化しやすくなり、点火装置1の製造コストが上昇しやすい。これに対して、図1に示すごとく、本形態のように、保護ダイオード5と放電継続スイッチ6との間に還流ダイオード7を接続すれば、耐圧が低い還流ダイオード7を用いることができ、上述した問題を解決することができる。

0036

また、還流ダイオード7の耐圧を低くすることができれば、還流ダイオード7として、ファストリカバリ特性を備えたものを用いやすくなる。そのため、昇圧部4からのエネルギ投入を効率化しやすい。

0037

また、本形態では、点火スイッチ3をオンからオフに切り替えて火花放電Sを発生させた後、昇圧部4から一次巻線21に電流isを流している。そのため、図7に示すごとく、吹き消え限界電流ith以上の二次電流i2を長時間にわたって流すことができ、点火プラグ10に、吹き消えしない強さの火花放電Sを長時間発生させることができる。

0038

仮に、本形態のように昇圧部4から一次巻線21に電流isを流さなかったとすると、図13に示すごとく、二次電流i2が短時間で吹き消え限界電流ith以下になってしまい、僅かな時間(t2〜t5)しか、吹き消えしない強さの火花放電Sを発生させることができなくなる。また、図13の場合、二次電流i2は時刻t2から単調に減少するため、時刻t2における二次電流i2のピーク値ipを高くする必要が生じる。したがって、ピーク値ipを高くするために、点火コイル2を大型化する必要が生じ、点火コイル2の製造コストが上昇しやすくなる。また、点火プラグ10の電極劣化しやすくなる等の問題も生じる。

0039

これに対して、本形態のように、昇圧部4を設け、この昇圧部4から一次巻線21に電流isを流せば、図7に示すごとく、長時間にわたって吹き消え限界電流ith以上の二次電流i2を流すことができ、火花放電Sを維持することができる。そのため、混合気の着火性能を高めることができる。また、本形態では、時刻t2における二次電流i2のピーク値ipを低減できるため、点火コイル2を小型化できる。また、点火プラグ10の電極の劣化を抑制できる。

0040

また、本形態では、還流ダイオード7としてファストリカバリダイオードを用いている。放電継続スイッチ6をオフからオンに切り替えると、還流ダイオード7に逆バイアスが加わり、還流ダイオード7にリカバリ電流が流れる。そのため、リカバリ電流が多い還流ダイオード7を用いると、昇圧部4の電流isの一部がリカバリ電流となって還流ダイオード7に流れてしまい、一次巻線21に供給できる電流isの量が低減するおそれがある。しかし、還流ダイオード7としてファストリカバリダイオードを用いれば、短時間でリカバリするため、リカバリ電流の量を低減できる。したがって、昇圧部4から一次巻線21に多くの電流isを流すことができ、二次電流i2の量を増やすことができる。そのため、火花放電Sを継続させやすい。

0041

以上のごとく、本形態によれば、耐圧が低い還流ダイオードを用いることができる点火装置を提供することができる。

0042

以下の実施形態においては、図面に用いた符号のうち、実施形態1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施形態1と同様の構成要素等を表す。

0043

(実施形態2)
本形態は、点火装置1の回路構成を変更した例である。図8に示すごとく、本形態の点火装置1は、互いに並列に接続した複数の点火コイル2を備える。個々の点火コイル2に、点火プラグ10が接続している。また、本形態では、複数の点火コイル2に対して、昇圧部4及び放電継続スイッチ6を共通化してある。

0044

また、本形態では、複数の点火コイル2に対して、還流ダイオード7を共通化してある。すなわち、個々の点火コイル2の一次巻線21を流れる還流電流ifが、共通の還流ダイオード7を通るよう構成してある。

0045

本形態の点火装置1は、複数の気筒を有する内燃機関に用いられる。点火プラグ10は、個々の気筒に取り付けられている。点火装置1は、個々の点火プラグ10を、予め定められた順序で点火する。また、点火した後、火花放電Sを継続させるため、点火した点火プラグ10に接続した点火コイル2に、昇圧部4から電流isを流すよう構成されている。

0046

昇圧部4の電流isは、放電継続スイッチ6が設けられた共通経路8Cと、該共通経路8Cから分岐し個々の点火コイル2に接続した分岐経路8Bとを流れる。保護ダイオード5は、個々の分岐経路8Bに設けられている。還流ダイオード7は、共通経路8Cに接続している。

0047

また、個々の分岐経路8Bには、分配スイッチ80が設けられている。制御部12は、点火プラグ10に火花放電Sを発生させた後、放電継続スイッチ6をオンオフさせると共に、所定の分配スイッチ80をオンする。これにより、点火した点火プラグ10に接続した点火コイル2に、昇圧部4の電流isを流すよう構成されている。

0048

図9に、本形態のタイムチャートを示す。同図に示すごとく、制御部12は、放電継続スイッチ6をオンオフ動作させる期間(t3〜t4)、所定の分配スイッチ80をオンするための信号(VS)を発生する。放電継続スイッチ6および分配スイッチ80がオンになっている間は、昇圧部4から電流isが、これらのスイッチ6,80を通って、所定の点火コイル2に流れる。また、放電継続スイッチ6がオフになり、かつ分配スイッチ80がオンになっている間は、還流ダイオード7から還流電流ifが、分配スイッチ80を通って、所定の点火コイル2に流れる。

0049

本形態の作用効果について説明する。本形態では、複数の点火コイル2に対して、還流ダイオード7を共通化してある。そのため、還流ダイオード7の数を、点火コイル2の数よりも減らすことができる。したがって、部品点数を低減することができ、点火装置1の製造コストを低減することができる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。

0050

なお、本形態では、還流ダイオード7を共通経路8Cに接続してあるが、本発明はこれに限るものではない。例えば還流ダイオード7を、分岐経路8Bにおける、分配スイッチ80よりも放電継続スイッチ6側の部位に接続してもよい。また、本形態では還流ダイオード7を1個のみ設けているが、本発明はこれに限るものではなく、還流ダイオード7を複数個設けてもよい。

0051

(実施形態3)
本形態は、点火装置1の回路構成を変更した例である。図10に示すごとく、本形態の点火装置1は、互いに並列に接続された複数の点火コイル2を備える。また、複数の点火コイル2に対して、昇圧部4を共通化してある。点火装置1は、昇圧部4の電流isを、必要な点火コイル2に流すよう構成されている。昇圧部4の電流isは、昇圧部4の出力端子49に接続した共通経路8Cと、該共通経路8Cから分岐し個々の点火コイル2に接続した分岐経路8Bとを流れる。個々の分岐経路8Bに、保護ダイオード5及び放電継続スイッチ6が設けられている。還流ダイオード7は、個々の分岐経路8Bに接続している。還流ダイオード7は、保護ダイオード5と放電継続スイッチ6との間に接続している。

0052

本形態の作用効果について説明する。本形態においても、還流ダイオード7が、保護ダイオード5と放電継続スイッチ6との間に接続しているため、還流ダイオード7に、一次巻線21の高いフライバック電圧が加わることを抑制できる。そのため、耐圧が低い還流ダイオード7を用いることができる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。

0053

(実施形態4)
本形態は、点火装置1の回路構成を変更した例である。図11に示すごとく、本形態の点火装置1は、互いに並列に接続された複数の点火コイル2を備える。昇圧部4からの電流isを、個々の点火コイル2に、予め定められた順序で流すよう構成されている。また、保護ダイオード5と還流ダイオード7と放電継続スイッチ6と昇圧部4とからなる電子部品群13を、個々の点火コイル2に個別に接続してある。還流ダイオード7は、保護ダイオード5と放電継続スイッチ6との間に接続している。

実施例

0054

本形態の作用効果について説明する。本形態においても、還流ダイオード7が、保護ダイオード5と放電継続スイッチ6との間に接続しているため、還流ダイオード7に、一次巻線21の高いフライバック電圧が加わることを抑制できる。そのため、耐圧が低い還流ダイオード7を用いることができる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。

0055

1点火装置
12 制御部
2点火コイル
21一次巻線
22二次巻線
3点火スイッチ
4 昇圧部
5保護ダイオード
6放電継続スイッチ
7 還流ダイオード

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