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技術 遠心式送風機

出願人 サンデン・オートモーティブクライメイトシステム株式会社
発明者 川埼真俊
出願日 2016年1月28日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-014283
公開日 2017年8月3日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-133427
状態 特許登録済
技術分野 非容積形ポンプの構造
主要キーワード 渦巻流路 開き角α 巻き角 平面視中央 スクロール半径 巻き角θ 渦巻形状 半径方向外周側
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月3日)のものです。
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図面 (7)

課題

騒音を抑制した遠心式送風機を提供する。

解決手段

モータ20で回転駆動するファン10を収納し、ファン10の外周側に渦巻流路38が形成されたスクロールケーシング30を備えた送風機1において、スクロールケーシング30の外周壁36からファン10の径方向内方伸び段差40を設け、渦巻流路38の径方向の幅が、ファン10の軸方向における吸気口32a側とその反対側とで異なるようにする。

概要

背景

車両の空調装置等の送風ユニットに用いられる遠心式送風機は、外周に多数のブレードが列設されモータにより回転駆動する円筒形状のファンと、当該ファンを収納し当該ファンから放射状に吐出される空気流整流して一方向へ排出する渦巻形状スクロールケーシングとから構成されている。当該スクロールケーシングでは、ファンの外周側の回転軸方向断面、即ち内部の渦巻流路流路断面が例えば略矩形状に形成されている。

更に、例えば特許文献1に記載された遠心式送風機のスクロールケーシングは、ファンの回転軸の軸方向の位置でスクロール半径が異なり、吸気口側から吸気口とは反対側に向けてスクロール半径が徐々に大きくなるように設定されている。

概要

騒音を抑制した遠心式送風機を提供する。モータ20で回転駆動するファン10を収納し、ファン10の外周側に渦巻流路38が形成されたスクロールケーシング30を備えた送風機1において、スクロールケーシング30の外周壁36からファン10の径方向内方伸び段差40を設け、渦巻流路38の径方向の幅が、ファン10の軸方向における吸気口32a側とその反対側とで異なるようにする。

目的

本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

軸方向一端側に開口部を有する円筒形状をなし、軸線回りに回転することで、前記開口部から流体吸入し外周方向に排出するファンと、前記ファンを回転駆動するモータと、前記ファンを収納し、前記開口部に相対して設けられた吸気口を有する第1の側壁、前記ファンの軸方向にて前記第1の側壁と離間して形成された第2の側壁、及び前記第1の側壁と前記第2の側壁の外周縁とを連結してなり、前記ファンの軸線に対し所定の半径方向を基準位置とし周方向一方側への巻き角が増大するに伴って前記軸線との距離が増加する渦巻形状に形成された外周壁から構成され、前記第1の側壁、前記第2の側壁及び前記外周壁により前記ファンの外周側に渦巻流路が形成されたスクロールケーシングとを備え、前記スクロールケーシングの外周壁から前記ファンの径方向内方伸び前記渦巻流路を区切る段差を設け、前記スクロールケーシング内の前記渦巻流路の径方向の幅が、前記ファンの軸方向の前記第1の側壁側と前記第2の側壁側とで異なることを特徴とする遠心式送風機

請求項2

前記段差の前記径方向の幅は、前記渦巻流路の下流側に進むに伴って大きくなることを特徴とする請求項1に記載の遠心式送風機。

請求項3

前記外周壁は、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間を前記ファンの軸線と平行に延びて配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の遠心式送風機。

請求項4

前記渦巻流路の前記径方向の幅は、前記軸方向の前記第2の側壁側よりも前記第1の側壁側が大きく設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の遠心式送風機。

請求項5

前記スクロールケーシング内における前記段差の前記軸方向の位置は、前記スクロールケーシング内の前記渦巻流路の前記軸方向の長さがHである場合に、前記第2の側壁より前記軸方向に1/2H以下の距離に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の遠心式送風機。

請求項6

前記スクロールケーシング内における前記段差の前記軸方向の位置は、前記スクロールケーシング内の前記渦巻流路の前記軸方向の長さがHである場合に、前記第2の側壁より前記軸方向に1/2Hの距離に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の遠心式送風機。

請求項7

前記渦巻流路の前記径方向の幅は、前記軸方向の前記第1の側壁側よりも前記第2の側壁側が大きく設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の遠心式送風機。

請求項8

前記スクロールケーシング内における前記段差の前記軸方向の位置は、前記スクロールケーシング内の前記渦巻流路の前記軸方向の長さがHである場合に、前記第2の側壁より前記軸方向に1/2H未満の距離に設定されていることを特徴とする請求項7に記載の遠心式送風機。

請求項9

前記スクロールケーシング内における前記段差の前記軸方向の位置は、前記スクロールケーシング内の前記渦巻流路の前記軸方向の長さがHである場合に、前記第2の側壁より前記軸方向に1/3Hの距離に設定されていることを特徴とする請求項8に記載の遠心式送風機。

請求項10

前記段差は、前記スクロールケーシングの外周壁を前記軸方向の中間部で前記径方向の内方屈曲して形成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の遠心式送風機。

技術分野

0001

本発明は、遠心式送風機に関する。

背景技術

0002

車両の空調装置等の送風ユニットに用いられる遠心式送風機は、外周に多数のブレードが列設されモータにより回転駆動する円筒形状のファンと、当該ファンを収納し当該ファンから放射状に吐出される空気流整流して一方向へ排出する渦巻形状スクロールケーシングとから構成されている。当該スクロールケーシングでは、ファンの外周側の回転軸方向断面、即ち内部の渦巻流路流路断面が例えば略矩形状に形成されている。

0003

更に、例えば特許文献1に記載された遠心式送風機のスクロールケーシングは、ファンの回転軸の軸方向の位置でスクロール半径が異なり、吸気口側から吸気口とは反対側に向けてスクロール半径が徐々に大きくなるように設定されている。

先行技術

0004

特開2007−239598号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記のようにスクロールケーシング内の渦巻流路の流路断面が矩形状に形成されている遠心式送風機では、スクロールケーシング内の角部付近において、空気流の流速が低下して、流路断面内での流速分布が大きく偏り騒音の発生や効率低下を招くといった問題点がある。

0006

また、特許文献1のようにスクロールケーシングのスクロール半径をファンの回転軸の軸方向の位置で異なるように設定したとしても、スクロールケーシングの内部を周方向に流れる空気流の流量が排出口に向かって徐々に増加していくことから、空気流の流速分布が周方向位置に伴って変化し、例えば排気口側に向かうにつれて流速分布が大きく偏って、騒音発生を招く虞がある。

0007

本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、騒音を抑制させることのできる遠心式送風機を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記した目的を達成するために、本発明の遠心式送風機では、軸方向一端側に開口部を有する円筒形状をなし、軸線回りに回転することで、前記開口部から流体吸入し外周方向に排出するファンと、前記ファンを回転駆動するモータと、前記ファンを収納し、前記開口部に相対して設けられた吸気口を有する第1の側壁、前記ファンの軸方向にて前記第1の側壁と離間して形成された第2の側壁、及び前記第1の側壁と前記第2の側壁の外周縁とを連結してなり、前記ファンの軸線に対し所定の半径方向を基準位置とし周方向一方側への巻き角が増大するに伴って前記軸線との距離が増加する渦巻形状に形成された外周壁から構成され、前記第1の側壁、前記第2の側壁及び前記外周壁により前記ファンの外周側に渦巻流路が形成されたスクロールケーシングとを備え、前記スクロールケーシングの外周壁から前記ファンの径方向内方伸び前記渦巻流路を区切る段差を設け、前記スクロールケーシング内の前記渦巻流路の径方向の幅が、前記ファンの軸方向の前記第1の側壁側と前記第2の側壁側とで異なり、前記段差の前記径方向の幅が、前記渦巻流路の下流側に進むに伴って大きくなることを特徴とする。

0009

また、好ましくは、前記段差の前記径方向の幅が、前記渦巻流路の下流側に進むに伴って大きくなるとよい。

0010

また、好ましくは、前記渦巻流路の前記径方向の幅を、前記軸方向の前記第2の側壁側よりも前記第1の側壁側を大きく設定するとよい。

0011

また、好ましくは、前記外周壁が、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間を前記ファンの軸線と平行に延びて配設されているとよい。

0012

また、好ましくは、前記スクロールケーシング内における前記段差の前記軸方向の位置を、前記スクロールケーシング内の前記渦巻流路の前記軸方向の長さがHである場合に、前記第2の側壁より前記軸方向に1/2H以下の距離に設定するとよい。

0013

また、好ましくは、前記スクロールケーシング内における前記段差の前記軸方向の位置を、前記スクロールケーシング内の前記渦巻流路の前記軸方向の長さがHである場合に、前記第2の側壁より前記軸方向に1/2Hの距離に設定するとよい。

0014

また、好ましくは、前記渦巻流路の前記径方向の幅を、前記軸方向の前記第1の側壁側よりも前記第2の側壁側を大きく設定するとよい。

0015

また、好ましくは、前記スクロールケーシング内における前記段差の前記軸方向の位置を、前記スクロールケーシング内の前記渦巻流路の前記軸方向の長さがHである場合に、前記第2の側壁より前記軸方向に1/2H未満の距離に設定するとよい。

0016

また、好ましくは、前記スクロールケーシング内における前記段差の前記軸方向の位置を、前記スクロールケーシング内の前記渦巻流路の前記軸方向の長さがHである場合に、前記第2の側壁より前記軸方向に1/3Hの距離に設定するとよい。

0017

また、好ましくは、前記段差を、前記スクロールケーシングの外周壁を前記軸方向の中間部で前記径方向の内方屈曲して形成するとよい。

発明の効果

0018

本発明の遠心式送風機によれば、スクロールケーシング内にファンの径方向に伸びる段差が設けられ、当該スクロールケーシング内の渦巻流路の径方向の幅が、ファンの軸方向の第1の側壁側と第2の側壁側とで異なることで、スクロールケーシングの外周側の一方の角部付近において流体の流通が阻止される構造となる。これにより、スクロールケーシング内の渦巻流路において流体の流速が低下する領域を減少させ、渦巻流路での流体の流速を均一化し、騒音を低減させることができる。

0019

更に、スクロールケーシング内における段差の幅が、スクロールケーシング内の渦巻流路の下流側に進むに伴って大きくすると、流速が低下する領域を渦巻流路の全周に亘って減少させ、スクロールケーシング内の全周に亘って流速を均一化し、騒音を更に低減することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の第1の実施形態の遠心式送風機の斜視図である。
本発明の第1の実施形態の遠心式送風機の軸方向吸気口側から視た平面図である。
本発明の第1の実施形態の遠心式送風機の断面図である。
本発明の第1の実施形態の遠心式送風機の騒音を測定した結果の一例を表すグラフである。
本発明の第2の実施形態の遠心式送風機の断面図である。
本発明の第2の実施形態の遠心式送風機の騒音を測定した結果の一例を表すグラフである。

実施例

0021

以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。

0022

図1は本発明の第1の実施形態の遠心式送風機の斜視図、図2は本発明の第1の実施形態の遠心式送風機の軸方向吸気口側から視た平面図、図3は本発明の第1の実施形態の遠心式送風機における図2のA−A線に沿う断面図である。

0023

第1の実施形態の遠心式送風機(以下、送風機1という)は、車両用空調装置の送風ユニットに用いられている。当該送風機1は、主としてファン10、モータ20及びスクロールケーシング30より構成されている。

0024

ファン10は、軸方向一端側に開口部11を有する円筒形状をなしており、軸方向に延びたブレード12が外周部分に多数列設されている。当該ブレード12は、平面視において、内周側から周方向一方側に向け湾曲しながら外周側へと延びた形状をなしている。ファン10の軸方向他端側には、外周縁部分が各ブレード12の他端の内周側部分と連結されており、中心に向かって軸方向一端側に膨出した略円錐形状をなすコーン部16が形成されている。また、当該コーン部16の中央部分にはボス孔16aが設けられており、当該ボス孔16aにモータ20の回転軸22が嵌合されている。

0025

モータ20は、ファン10のコーン部16内側に収納されるよう設けられており、電力が供給されることで回転軸22を介してファン10を周方向に回転駆動させる。

0026

そして、ファン10はモータ20により周方向一方側(右回り方向)に回転することで、開口部11から空気を吸入し、当該吸入した空気をブレード12により外周方向へ放射状に吐出する機能を有している。

0027

スクロールケーシング30は、平面視中央部分に上記ファン10及びモータ20を収納するものである。当該スクロールケーシング30は、ファン10の軸方向にて互いに離間して配置される第1の側壁32及び第2の側壁34と、ファン10の軸方向と平行をなし第1の側壁32及び第2の側壁34のそれぞれの外周縁を連結して延びる外周壁36とから構成されている。外周壁36は、渦巻部36a、平坦部36b、舌部36c、延長部36dから構成されている。

0028

渦巻部36aは、ファン10の軸線CLを中心軸とし所定の半径方向を基準位置(θ=0度)として、当該基準位置からのファン10の回転方向への角度θ(以下、巻き角θという)が増大するに伴って、軸線CLからの距離が大きくなるよう湾曲し、開き角αで拡大する対数螺旋形状をなしている。

0029

また、渦巻部36aは基準位置から所定の角度位置である巻き終わり部に亘って延びており、当該巻き終わり部からは接線方向に向かって平坦に延びた平坦部36bが形成されている。また、基準位置部分において、渦巻部36aから半径方向外周側に向け湾曲した舌部36cが形成されおり、当該舌部36cからは上記平坦部36bと離間するように半径方向外周側に延びる延長部36dが形成されている。

0030

そして、当該外周壁36とファン10の外周との間の空間を渦巻流路38とし、当該渦巻流路38の終端は、当該外周壁36の平坦部36b及び延長部36dの端部分と第1の側壁32及び第2の側壁34により開口した排出口38aをなしている。

0031

渦巻部36aにおける対数螺旋形状は、例えば基準位置(θ=0度)での半径(スクロール半径)rをr0、開き角をαとすると、基準位置から巻き終わり部までの間の任意の巻き角θの位置における半径rが以下の式(1)により規定される。

0032

r=r0・exp(θ・tanα)・・・(1)

0033

第2の側壁34は、ファン10に面する中央面34aと、渦巻流路38に面する外周面34bと、垂直面34cとから構成されている。当該第2の側壁34の中央面34a及び外周面34bはそれぞれ軸方向に対して垂直をなしており、中央面34aはファン10の第2の側壁34側端部近傍に位置し、外周面34bは中央面34aよりも軸方向でファン10とは反対側に位置している。また当該中央面34aにはモータ支持孔34dが形成されており、当該モータ支持孔34dにはブラケット24を介してモータ20が支持されている。垂直面34cは、中央面34aの外周縁から外周面34bの内周縁に亘って、軸方向に平行をなし周方向に延びた面をなしている。

0034

第1の側壁32は、ファン10の開口部11に面して設けられた吸気口32aを有する中央面32bと、渦巻流路38に面する外周面32cと、垂直面32dとから構成されている。

0035

第1の側壁32の吸気口32aはファン10の開口部11より僅かに小径円孔をなしている。中央面32b及び外周面32cは軸線CLに対してそれぞれ垂直をなし、中央面32bはファン10の端部近傍に位置し、外周面32cは平面視において中央面32bよりも外周側、軸方向において中央面32bよりも外方に位置している。垂直面32dは、中央面34aの外周縁から軸線CLに平行して外周面34bの内周縁に亘って周方向に延びた面をなしている。

0036

更に、本実施形態のスクロールケーシング30は、外周壁36が軸方向中間部において径方向内方に屈曲して、軸線CLとは垂直に伸びる段差40が設けられ、第1の側壁32側(吸気口32a側)と第2の側壁34側とで、開き角αが異なるように設定されている。

0037

本発明の第1の実施形態においては、スクロールケーシング30の第1の側壁32側の渦巻部36aの開き角αがα1(例えば5度)であり、第2の側壁34側の渦巻部36aの開き角αが、α1より小さいα2(例えば4度)である。したがって、スクロールケーシング30内の渦巻流路38の径方向の幅が、第1の側壁32側の方が第2の側壁34側よりも大きくなる。そして、スクロールケーシング30内の渦巻流路38の軸方向寸法をHとすると、第2の側壁34からの軸方向の距離(以下、第2の側壁34からの高さという)が1/2Hの位置において、開き角αがα2からα1に切り換わっており、段差40が形成されている。

0038

この段差40は、渦巻部36aにおいて全周に亘って設けられ、更に平坦部36bにおいては、渦巻部36aと平坦部36bとの接続位置における段差40の幅Wのまま一定に形成されている。

0039

即ち、外周壁36は、渦巻部36aの始点である舌部36cとの接続位置(基準位置:θ=0)において段差40の幅Wが0であり、当該基準位置から渦巻部36aの終点である平坦部36bとの接続位置(巻き終わり部)まで、周方向下流側(排出口38a側)に進むに伴って段差40の幅Wが徐々に大きくなる。

0040

以下、このように構成された送風機1の作用を説明する。

0041

当該送風機1では、モータ20に電力が供給されることで、回転軸22を介してファン10が回転する。当該ファン10の回転により吸気口32aからファン10内周側に空気が吸入される。そして、ファン10内周側の空気がブレード12を介して放射状に外周側へと吐出され、当該空気はスクロールケーシング30内の渦巻流路38により排出口38aへ整流されて排出される。

0042

更に、第1の実施形態では、渦巻部36aの第2の側壁34側の開き角αが、渦巻部36aの第1の側壁32側の開き角αより小さく形成されているので、スクロールケーシング30の外周側の一方の角部41a付近における渦巻流路38が削られており、角部41a付近での空気の流通が阻止されるような形状となっている。

0043

ところで、本実施形態の送風機1では、ファン10の軸方向にて互いに離間して配置される第1の側壁32及び第2の側壁34と、第1の側壁32及び第2の側壁34のそれぞれの外周縁の間をファン10の軸線CLと平行に延びる外周壁36とからスクロールケーシング30が構成されており、このスクロールケーシング30の内部に断面が矩形状の渦巻流路38がファン10の外周側に形成されている。このような矩形状の渦巻流路38を空気が流通する構造では、スクロールケーシング30の外周側の角部41a、41b付近において、流体である空気とスクロールケーシング30の内壁面との摩擦により、渦巻流路38の断面上において当該角部41a、41b付近以外の領域よりも空気の流速が低下する。そこで、本実施形態では、スクロールケーシング30の外周側の一方の角部41a付近での空気の流通を阻止するような形状とすることで、空気の流速が低下する領域を減らし、渦巻部36a内での流速を均一化し、騒音を低減することができる。

0044

図4は、第1の実施形態の送風機1の騒音を測定した結果の一例を表すグラフである。本図においては、段差40の位置を変更して、流量に対する騒音(比騒音)を夫々示している。なお、図4内において、◆を結ぶ実線は第2の側壁34からの高さが1/6Hの位置に、×を結ぶ実線は第2の側壁34からの高さが1/3Hの位置に、●を結ぶ実線は第2の側壁34からの高さが1/2Hの位置に、◇を結ぶ破線は第2の側壁34からの高さが2/3Hの位置に、○を結ぶ破線は第2の側壁34からの高さが5/6Hの位置に、それぞれ段差40が設けられたものを示す。また、参考例として、★を結ぶ一点鎖線は段差40がなく開き角αが5度のものを示し、☆を結ぶ2点鎖線は段差40がなく開き角αが4度のものを示す。

0045

図4に示すように、段差40を設けることで、流量が動作範囲内において、段差40を有しない参考例よりも騒音(比騒音)が低下する。更に、段差40の位置を変更することで騒音が変化するが、第2の側壁34からの高さを1/2H以下にすることで騒音が低下し、特に第2の側壁34からの高さが1/3Hあるいは1/2Hの位置に段差40を設けた場合に騒音が大幅に低下する。

0046

これは、角部41a付近での空気の流通を阻止する形状とすることで騒音が低下するものの、スクロールケーシング30内の渦巻流路38の流路面積過度に減少させてしまうと、渦巻流路38での流速が全体的に上昇してしまうことから、騒音が逆に増加してしまうためである。本実施形態では、段差40の位置を上記のように1/3Hあるいは1/2Hの位置といった適切な位置に設定することで、渦巻流路38での流速の上昇を抑えた上で流速の均一化を図り、騒音を大幅に低減させることができる。

0047

また、本実施形態では、ファン10の全周に亘って外方の渦巻流路38に空気が排出されるので、スクロールケーシング30内の渦巻流路38において舌部36cから周方向下流側に進むに伴って空気の流量が増加していく。したがって段差40のない従来例では、渦巻流路38を舌部36cから周方向下流側に進むに伴って、スクロールケーシング30の外周側の角部41a付近において、他の領域と流速差が増加する領域が拡大する。

0048

これに対し、本実施形態では、スクロールケーシング30における段差40の幅Wが、舌部36cから周方向下流側に進むに伴って徐々に大きくなるので、流速差が大きい領域を渦巻流路38の全周に亘って減少させ、スクロールケーシング30内の渦巻流路38の全周に亘って流速を均一化し、騒音を更に低減することができる。

0049

図5は、本発明の第2の実施形態の遠心式送風機(送風機50)の断面図である。

0050

本発明の第2の実施形態の送風機50におけるスクロールケーシング51では、第1の側壁32側の渦巻部36aの開き角αがα2(例えば4度)であり、第2の側壁34側の渦巻部36aの開き角αが、α2より大きいα1(例えば5度)である。そして、渦巻流路38の軸方向寸法をHとすると、第2の側壁34からの高さが1/3Hの位置において、開き角αがα1からα2に切り換わっており、段差40が形成されている。

0051

第2の実施形態の送風機50においては、スクロールケーシング51の外周側の2つの角部41a、41bのうち、第1の側壁32側の角部41b付近の渦巻流路38を削って、角部41b付近での空気の流通を阻止する構造となっており、第1の実施形態と同様に、スクロールケーシング51内の渦巻流路38での流速を均一化し、騒音を低減することができる。

0052

図6は、第2の実施形態の送風機50の騒音を測定した結果の一例を表すグラフである。本図においても、段差40の位置を変更して、流量に対する騒音(比騒音)を夫々示している。なお、図6内において、◆を結ぶ実線は第2の側壁34からの高さが1/6Hの位置に、×を結ぶ実線は第2の側壁34からの高さが1/3Hの位置に、●を結ぶ実線は第2の側壁34からの高さが1/2Hの位置に、◇を結ぶ破線は第2の側壁34からの高さが2/3Hの位置に、○を結ぶ破線は第2の側壁34からの高さが5/6Hの位置に、それぞれ段差40が設けられたものを示す。また、参考例として、★を結ぶ一点鎖線は段差40がなく開き角αが5度のものを示し、☆を結ぶ2点鎖線は段差40がなく開き角αが4度のものを示す。

0053

図6に示すように、第2の実施形態においても、段差40を設けることで、流量が動作範囲内において、段差40を有しない参考例よりも騒音(比騒音)が低下する。更に、段差40の位置を変更することで騒音が変化するが、第2の側壁34からの高さを1/2H未満にすることで騒音が低下し、特に第2の側壁34からの高さが1/3Hの位置に段差40を設けた場合に、最も騒音が低下する。

0054

本実施形態においても第1の実施形態と同様に、スクロールケーシング30の外周側の一方の角部41b付近の渦巻流路38が削られて、当該角部41b付近での空気の流通を阻止する形状にするとともに、渦巻流路38の流路面積を過度に減少させてしまわないように段差40の位置が設定されている。更に、本実施形態では、第2の側壁34からの高さが1/3Hの位置に段差40を設定した場合に、騒音が大幅に低下する。しかし、第2の側壁34からの高さが1/2Hの位置に段差40を設定した場合には、第1の実施形態程度には騒音は低下しない。

0055

これは、ファン10から渦巻流路38に排出された空気は、第2の側壁34側に多く流入し、その多くは角部41b付近で反転し、渦巻部36aの第2の側壁34側の内壁面に沿って第1の側壁32側へ向かって移動する。そして、段差40によって第1の側壁32側への移動が遮られ、径方向内方へ折り返される。ここで、段差40の位置が第2の側壁34から1/2Hにある場合には、この径方向内方へ折り返した空気がファン10に向かい、ファン10から排出された空気と干渉してしまう。これにより、段差40の位置が第2の側壁34から1/2Hの高さにある場合には、騒音が比較的大きくなってしまう。段差40の位置が第2の側壁34から1/3Hの位置である場合には段差40に沿って進む空気の干渉が比較的抑えられ、上記第1の実施形態と同様に騒音低下の効果が得られる。

0056

なお、本発明の遠心式送風機は、以上の実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、スクロールケーシング30、51の部材をファン10側に屈曲させて、スクロールケーシング30、51内の角部(41aまたは41b)付近の空気の流通を阻止するようにしているが、例えばスクロールケーシング内に断面矩形状の詰め物をして当該角部付近のスペースを埋めるようにしてもよい。

0057

また、外周壁36における段差40の位置については、遠心式送風機のファンの形状及び大きさ、スクロールケーシングの全体の大きさ、ファンとスクロールケーシングとの相対位置、流量の動作範囲等の各種条件に応じて、試験等を実施し騒音を確認して、適宜設定すればよい。

0058

また、本発明は、車両用空調装置の送風ユニット以外でも、各種用途の遠心式送風機に広く適用可能である。

0059

1、50送風機(遠心式送風機)
10ファン
11 開口部
20モータ
30、51スクロールケーシング
32 第1の側壁
32a吸気口
34 第2の側壁
36外周壁
38渦巻流路
40 段差

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