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技術 副孔ランス

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 山田義博開澤昭英
出願日 2016年1月27日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-013279
公開日 2017年8月3日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-133062
状態 特許登録済
技術分野 炭素鋼又は鋳鋼の製造
主要キーワード 増加機構 円筒スリーブ 三重管 酸素供給管 熱伝達特性 酸化発熱 よどみ 冷却水用
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

ランス溶損を防止することの可能な副孔ランスを提供する。

解決手段

最内部にある中空部材であって、処理容器内酸素を供給する先端部の主孔及び側面部の副孔と連通する第1の円筒部と、第1の円筒部の外表面を覆い、第1の円筒部の外表面との間に冷却媒体が流れる第1の空間を形成する第2の円筒部と、第2の円筒部の外表面を覆い、第2の円筒部の外表面との間に第1の空間と連通し、冷却媒体が流れる第2の空間を形成する、最外部の第3の円筒部と、第2の円筒部に設けられ、第2の空間において副孔の上部側の冷却媒体の流速を速める流速増加機構と、を備える、副孔ランスが提供される。

概要

背景

転炉を用いたスクラップ溶解技術の1つとして、スクラップ溶解のための供給熱源に2次燃焼熱を利用する2次燃焼技術がある。炭素酸化発熱を利用する転炉製鋼法では、主としてC→COまでの反応熱を利用しているが、2次燃焼技術では当該反応熱よりはるかに大きいCO→CO2までの反応熱を利用することで、スクラップ比を向上させることを実現している。

転炉等の容器内部への酸素の供給は、容器内にランスを入れて行われる。COガスの反応熱を利用して熱効率を高めるランスの構造の一例として、特許文献1には、先端部と、側面部の複数の高さ位置に放射状のノズル孔を配置した上吹きランスが開示されている。かかる上吹きランスでは、先端部のノズル孔から溶銑湯面に向けて酸素ガスを供給して溶銑を脱燐処理するとともに、側面部の上方に配置されるノズル孔からは酸素ガスが転炉型用器の内壁面に向かって噴射され、内壁面の付着地金を溶解し、内壁面に付着した地金を除去する。

概要

ランスの溶損を防止することの可能な副孔ランスを提供する。最内部にある中空部材であって、処理容器内に酸素を供給する先端部の主孔及び側面部の副孔と連通する第1の円筒部と、第1の円筒部の外表面を覆い、第1の円筒部の外表面との間に冷却媒体が流れる第1の空間を形成する第2の円筒部と、第2の円筒部の外表面を覆い、第2の円筒部の外表面との間に第1の空間と連通し、冷却媒体が流れる第2の空間を形成する、最外部の第3の円筒部と、第2の円筒部に設けられ、第2の空間において副孔の上部側の冷却媒体の流速を速める流速増加機構と、を備える、副孔ランスが提供される。

目的

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

最内部にある中空部材であって、処理容器内酸素を供給する先端部の主孔及び側面部の副孔と連通する第1の円筒部と、前記第1の円筒部の外表面を覆い、前記第1の円筒部の外表面との間に冷却媒体が流れる第1の空間を形成する第2の円筒部と、前記第2の円筒部の外表面を覆い、前記第2の円筒部の外表面との間に前記第1の空間と連通し、前記冷却媒体が流れる第2の空間を形成する、最外部の第3の円筒部と、前記第2の円筒部に設けられ、前記第2の空間において前記副孔の上部側の前記冷却媒体の流速を速める流速増加機構と、を備える、副孔ランス

請求項2

前記流速増加機構は、前記第2の円筒部の外周面に設けられ、前記先端部と反対側である前記副孔の上部に配置される円筒スリーブである、請求項1に記載の副孔ランス。

請求項3

前記円筒スリーブの外表面には、前記副孔ランスの先端部側から上部側に向かって厚みが大きくなるように傾斜が形成されている、請求項2に記載の副孔ランス。

請求項4

前記円筒スリーブは、前記第2の円筒部の外周面に嵌め込まれて設けられる、請求項2または3に記載の副孔ランス。

請求項5

前記円筒スリーブは、前記第2の円筒部と一体形成される、請求項2または3に記載の副孔ランス。

請求項6

前記流速増加機構として、前記第2の円筒部には、前記先端部と反対側である前記副孔の上部に、前記第1の空間と前記第2の空間とを連通させる開口部が形成されている、請求項1に記載の副孔ランス。

技術分野

0001

本発明は、転炉等の容器内部にガスを供給する副孔ランスに関する。

背景技術

0002

転炉を用いたスクラップ溶解技術の1つとして、スクラップ溶解のための供給熱源に2次燃焼熱を利用する2次燃焼技術がある。炭素酸化発熱を利用する転炉製鋼法では、主としてC→COまでの反応熱を利用しているが、2次燃焼技術では当該反応熱よりはるかに大きいCO→CO2までの反応熱を利用することで、スクラップ比を向上させることを実現している。

0003

転炉等の容器内部への酸素の供給は、容器内にランスを入れて行われる。COガスの反応熱を利用して熱効率を高めるランスの構造の一例として、特許文献1には、先端部と、側面部の複数の高さ位置に放射状のノズル孔を配置した上吹きランスが開示されている。かかる上吹きランスでは、先端部のノズル孔から溶銑湯面に向けて酸素ガスを供給して溶銑を脱燐処理するとともに、側面部の上方に配置されるノズル孔からは酸素ガスが転炉型用器の内壁面に向かって噴射され、内壁面の付着地金を溶解し、内壁面に付着した地金を除去する。

先行技術

0004

特開2007−51349号公報

発明が解決しようとする課題

0005

転炉等の容器内部に入れて使用されるランスは、容器内が高温であるため、ランスが熱により損傷しないように冷却機構が設けられている。ランスの冷却機構は、通常、酸素が流れる管の周囲に冷却水路を設けて構成されている。例えば、上記特許文献1に記載の上吹きランスでは、図12に示すように、側面部に形成されるノズル孔14へ酸素を供給する酸素供給管の外周に内管12と外管13とを設け、内管12と外管13との間に形成される空間に冷却水を流している。

0006

ここで、上記特許文献1に記載の上吹きランスは脱燐処理に利用されるものであるが、脱燐処理では入熱が大きくないため、上吹きランスの溶融は起こらない。特許文献1の、側面部に形成された酸素を排出するノズル孔14は、地金切りを目的として利用されている。一方、ランスを2次燃焼技術に利用する場合には、入熱が大きくなり、ランスの溶融が発生する可能性が高くなる。したがって、図12に示したランスを2次燃焼技術に利用した場合、内管12と外管13との間に形成される空間をランスの先端側から上部側へ流れる冷却水は、側面部に形成されるノズル孔14の上部の領域Sにおいてよどみ冷却効率を著しく低下させてしまう。領域Sにおける冷却水のよどみの発生とこれによる冷却効率の低下は脱燐処理においても発生しているが、2次燃焼技術に適用すると入熱量が多くなるため、冷却効率の低下が顕著となる。このため、外部の熱によって領域Sの外側の外管13が溶けて損傷し、水漏れが発生する可能性が高くなる。

0007

そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ランスの溶損を防止することが可能な、新規かつ改良された副孔ランスを提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、最内部にある中空部材であって、処理容器内に酸素を供給する先端部の主孔及び側面部の副孔と連通する第1の円筒部と、第1の円筒部の外表面を覆い、第1の円筒部の外表面との間に冷却媒体が流れる第1の空間を形成する第2の円筒部と、第2の円筒部の外表面を覆い、第2の円筒部の外表面との間に第1の空間と連通し、冷却媒体が流れる第2の空間を形成する、最外部の第3の円筒部と、第2の円筒部に設けられ、第2の空間において副孔の上部側の冷却媒体の流速を速める流速増加機構と、を備える、副孔ランスが提供される。

0009

流速増加機構は、第2の円筒部の外周面に設けられ、先端部と反対側である副孔の上部に配置される円筒スリーブであってもよい。

0010

円筒スリーブの外表面には、副孔ランスの先端部側から上部側に向かって厚みが大きくなるように傾斜が形成されてもよい。

0011

円筒スリーブは、第2の円筒部の外周面に嵌め込まれて設けられてもよい。

0012

あるいは、円筒スリーブは、第2の円筒部と一体形成されてもよい。

0013

また、流速増加機構として、第2の円筒部に、先端部と反対側である副孔の上部に、第1の空間と第2の空間とを連通させる開口部を形成してもよい。

発明の効果

0014

以上説明したように本発明によれば、ランスの溶損を防止することが可能となる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の第1の実施形態に係る副孔ランスの側面断面図であり、図3のA−A切断線における断面図である。
同実施形態に係る副孔ランスの側面断面図であり、図3のB−B切断線における断面図である。
同実施形態に係る副孔ランスの平面断面図であり、図1のC−C切断線における断面図である。
同実施形態に係る副孔ランスの副孔周りの構成を説明する概略部分斜視図である。
同実施形態の変形例である副孔ランスの側面断面図であり、図3のA−A切断線における断面図に対応する。
同実施形態の変形例である副孔ランスの側面断面図であり、図3のB−B切断線における断面図に対応する。
本発明の第2の実施形態に係る副孔ランスの側面断面図であり、図9のD−D切断線における断面図である。
同実施形態に係る副孔ランスの側面断面図であり、図9のE−E切断線における断面図である。
同実施形態に係る副孔ランスの平面断面図であり、図7のF−F切断線における断面図である
同実施形態に係る副孔ランスの副孔周りの構成を説明する概略部分斜視図である。
比較例として、冷却媒体の流速増加機構を備えていない副孔ランスの構成を示す側面断面図である。
従来のランス側面部のノズル孔(副孔)の上部に生じるよどみを説明する説明図である。

0016

以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。

0017

<1.第1の実施形態>
[1−1.副孔ランスの構成]
まず、図1図4に基づいて、本発明の第1の実施形態に係る副孔ランス100の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態に係る副孔ランス100の側面断面図であり、図3のA−A切断線における断面図である。図2は、本実施形態に係る副孔ランス100の側面断面図であり、図3のB−B切断線における断面図である。図3は、本実施形態に係る副孔ランス100の平面断面図であり、図1のC−C切断線における断面図である。図4は、本実施形態に係る副孔ランス100の副孔周りの構成を説明する概略部分斜視図である。

0018

本実施形態に係る副孔ランス100は、図1図3に示すように、同心円上に配置された第1の円筒部110、第2の円筒部120、第3の円筒部130と、主孔102と、副孔140と、円筒スリーブ150とからなる。副孔ランス100の、容器内部に挿入される側の端部を、以下では副孔ランス100の先端部という。副孔ランス100は例えば鋼管からなるが、少なくとも最外部に位置する第3の円筒部130の、副孔140より先端部分を銅で形成することで、1000℃程度の高温環境下においても溶融せず、副孔ランス100の耐久性を高めることができる。

0019

第1の円筒部110は、副孔ランス100の最内部にある中空部材である。第1の円筒部110には、副孔ランス100の先端部の主孔102及び側面部の副孔140と連通しており、酸素供給源(図示せず。)から送入された酸素を主孔102及び副孔140から処理容器内に供給する。

0020

第2の円筒部120は、第1の円筒部110の外表面を覆う中空部材である。第1の円筒部110の外表面と第2の円筒部120の内表面とによって、冷却媒体が流れる第1の空間が形成されている。冷却媒体としては、例えば水が用いられる。第1の空間は、副孔ランス100の先端部において、後述する第2の空間と連通されている。

0021

第3の円筒部130は、第2の円筒部120の外表面を覆う中空部材であって、副孔ランス100の最外部に位置する。第2の円筒部120の外表面と第3の円筒部130の内表面とによって、冷却媒体が流れる第2の空間が形成されている。上述したように、第2の空間は、副孔ランス100の先端部において第1の空間と連通されている。本実施形態に係る副孔ランス100では、図1図2及び図4に示すように、冷却媒体は、上部側から第1の空間から流入されて先端部に向かって流れた後、先端部において第1の空間から第2の空間へ流入し、先端側から上部側へ向かって流れる。第1の空間及び第2の空間に冷却媒体を循環させることで、副孔ランス100が冷却され、溶損を防止する。

0022

主孔102は、副孔ランス100の先端部に形成された開口であり、周方向に1または複数形成されている。主孔102は、第1の円筒部110の内部と外界とを連通させる部分であり、第1の円筒部110を流れてきた酸素は主孔102を介して副孔ランス100の略長手方向に排出される。主孔102から排出される酸素は、例えば、容器内の溶銑に対して吹き付けられる。

0023

副孔140は、副孔ランス100の側面部に形成された開口であり、図3に示すように、周方向に放射状に複数設けられている。図3の例では、副孔140として、6つの副孔140a〜140fが設けられている。副孔140は、主孔102と同様、第1の円筒部110の内部と外界とを連通させる部分であり、第1の円筒部110を流れてきた酸素は副孔140を介して副孔ランス100の径方向に排出される。このとき、副孔140は、図1及び図4に示すように、第1の円筒部110から第3の円筒部130へ向かうにつれて先端側へ向かうように斜めに形成されてもよい。副孔140から排出される酸素は、例えば、容器内のCOガスに対して吹き付けられる。

0024

円筒スリーブ150は、第2の空間に設けられる円筒部材であり、副孔140の上部に設けられる。円筒スリーブ150は、例えば鋼管を加工して形成される。円筒スリーブ150は、図11を用いて説明したように、副孔140の上部に生じる冷却媒体のよどみを解消するために設けられる部材である。第2の空間を流れる冷却媒体は、副孔ランス100の先端側から上部側に向かって流れるが、第2の空間を貫通する副孔140によって冷却媒体の流れが妨げられ、副孔140の上部によどみが生じる。よどみが発生すると、当該部分で冷却媒体である冷却水は膜沸騰し、副孔ランス100への熱伝達特性が悪化する。このため、副孔140の上部では副孔ランス100が十分に冷却されず、溶損する可能性がある。そこで、本実施形態に係る副孔ランス100は、冷却媒体の流速増加機構として円筒スリーブ150を設けることで、副孔140の上部に生じる冷却媒体のよどみを解消する。

0025

具体的には、円筒スリーブ150は、その内径が第2の円筒部120の外径と略同一であり、第2の円筒部120の外周に嵌め込むように設けられる。冷却媒体が、第2の空間のうち、熱の影響を受けやすい第3の円筒部130側を流れるようにするためである。円筒スリーブ150は、放射状に設けられた各副孔140に対応して複数の切欠き152が形成されている。また、円筒スリーブ150の外径は、中心軸方向(副孔ランス100の長手方向)において、副孔ランス100の先端側から上部側に向かって大きくなるように、円筒スリーブ150の外周面に傾斜を設けてもよい。円筒スリーブ150の外周面に傾斜を設けることで、第2の空間の円筒スリーブ150の設置位置を通過する冷却媒体の流れを円滑にすることができる。

0026

副孔ランス100に円筒スリーブ150を取り付ける際には切欠き152の開口側が副孔ランス100の先端側を向くようにし、副孔ランス100の上部側から円筒スリーブ150を第2の円筒部120を挿通させて、切欠き152に副孔140の上部に嵌め込む。これにより、副孔140の上部側の、径方向における第2の空間の幅は、他の部分に比べて小さくなる。すなわち、副孔140の上部側の流路が狭くなり、当該部分を通過する冷却媒体の流速を速めることができる。

0027

副孔140の上部側での径方向における第2の空間の幅は、冷却媒体の流れを妨げない範囲で小さく設定すればよく、例えば、円筒スリーブ150が設けられていない部分の幅(すなわち、第3の円筒部130の内径と第2の円筒部120の外径との差)の1/2程度とすればよい。

0028

すなわち、本実施形態に係る副孔ランス100は、第1の円筒部110である酸素供給管と、第1の円筒部110の外側に中心軸が共通するように配置された冷却水用の第2の円筒部120である内管と、第3の円筒部である外管を備える。第1の円筒部110と第2の円筒部120とにより形成される空間は、冷却水をランス先端羽口に供給する第1の空間となる。また、第2の円筒部と第3の円筒部とにより形成される空間は、第1の空間と連通し、冷却水がランス先端の羽口から流入する第2の空間となる。そして、副孔ランス100の長手方向における副孔140の位置には、第2の円筒部120の外周に接するように円筒スリーブ150が設けられる。

0029

このように、本実施形態に係る副孔ランス100は、冷却媒体の流速増加機構として、副孔140の上部側での径方向における第2の空間の幅を狭めるための円筒スリーブ150を備えることで、簡単な構造で、冷却媒体の流速を増加させ、副孔ランス100の副孔140を構成する鋼管部を強冷却する。これにより、副孔ランス100の溶損を防止し、水漏れしないようにすることができる。

0030

[1−2.変形例]
図1図4に示した副孔ランス100では、円筒スリーブ150を第2の円筒部120に嵌め込む構成としたが、本発明はかかる例に限定されず、第2の円筒部と円筒スリーブとを一体に形成してもよい。図5及び図6に、第2の円筒部と円筒スリーブとを一体形成した副孔ランス100Aの構成例を示す。図5は、本実施形態に係る副孔ランス100の変形例である副孔ランス100Aの側面断面図であり、図3のA−A切断線における断面図に対応する。図6は、副孔ランス100Aの側面断面図であり、図3のB−B切断線における断面図に対応する。

0031

図5及び図6に示すように、本実施形態の一変形例である副孔ランス100Aは、第2の円筒部120の外径が、副孔140の上部側で他の部分よりも大きくなっている。この大径部分を、大径部122ともいう。大径部122を設けることで、副孔140の上部側の、径方向における第2の空間の幅は、他の部分に比べて小さくなる。すなわち、副孔140の上部側の流路が狭くなり、当該部分を通過する冷却媒体の流速を速めることができる。大径部122は、冷却媒体の流速増加機構として機能する。

0032

副孔140の上部側での径方向における第2の空間の幅は、副孔ランス100と同様、冷却媒体の流れを妨げない範囲で小さく設定すればよく、例えば、大径部122以外での幅(すなわち、第3の円筒部130の内径と第2の円筒部120の外径との差)の1/2程度とすればよい。

0033

大径部122の外径は、図1図4に示した円筒スリーブ150と同様、中心軸方向(副孔ランス100の長手方向)において、副孔ランス100Aの先端側から上部側に向かって大きくなるようにして、大径部122の外周面に傾斜を設けてもよい。これにより、第2の空間の大径部122を通過する冷却媒体の流れを円滑にすることができる。

0034

<2.第2の実施形態>
[2−1.副孔ランスの構成]
次に、図7図10に基づいて、本発明の第2の実施形態に係る副孔ランス200の構成について説明する。本実施形態に係る副孔ランス200は、第1の実施形態と比較して、第2の空間において副孔の上部側の冷却媒体の流速を速めるために、円筒スリーブ等を設けて流路を狭めるのではなく、第2の円筒部の副孔の上部に開口部を設ける点で相違する。以下では、第1の実施形態との相違点について主に説明し、第1の実施形態と同一構成の部材についての詳細な説明は省略する。

0035

なお、図7は、本実施形態に係る副孔ランス200の側面断面図であり、図9のD−D切断線における断面図である。図8は、本実施形態に係る副孔ランス200の側面断面図であり、図9のE−E切断線における断面図である。図9は、本実施形態に係る副孔ランス200の平面断面図であり、図7のF−F切断線における断面図である。図10は、本実施形態に係る副孔ランス200の副孔周りの構成を説明する概略部分斜視図である。

0036

本実施形態に係る副孔ランス200は、図7図9に示すように、同心円上に配置された第1の円筒部210、第2の円筒部220、第3の円筒部230と、主孔202と、副孔240とからなる。第1の円筒部210、第3の円筒部230、主孔202及び副孔240の構成は、第1の実施形態に係る第1の円筒部110、第3の円筒部130、主孔102及び副孔140の構成と同一である。なお、本実施形態においても、副孔ランス200の、容器内部に挿入される側の端部を、副孔ランス200の先端部という。

0037

第1の円筒部210は、副孔ランス200の最内部にある中空部材である。第1の円筒部210には、副孔ランス200の先端部の主孔202及び側面部の副孔240と連通しており、酸素供給源(図示せず。)から送入された酸素を主孔202及び副孔240から処理容器内に供給する。

0038

第2の円筒部220は、第1の円筒部210の外表面を覆う中空部材である。第1の円筒部210の外表面と第2の円筒部220の内表面とによって、冷却水等の冷却媒体が流れる第1の空間が形成されている。第1の空間は、副孔ランス200の先端部において、後述する第2の空間と連通されている。また、本実施形態に係る第2の円筒部220は、当該第2の円筒部220を貫通する副孔240の上部側に、冷却媒体の流速増加機構として、第1の空間と第2の空間とを連通させる開口部225が形成されている。

0039

第3の円筒部230は、第2の円筒部220の外表面を覆う中空部材であって、副孔ランス200の最外部に位置する。第2の円筒部220の外表面と第3の円筒部230の内表面とによって、冷却媒体が流れる第2の空間が形成されている。上述したように、第2の空間は、副孔ランス200の先端部において第1の空間と連通されている。

0040

本実施形態において、冷却媒体は、上部側から第1の空間から流入されて先端部に向かって流れた後、先端部において第1の空間から第2の空間へ流入し、先端側から上部側へ向かって流れる。第1の空間及び第2の空間に冷却媒体を循環させることで、副孔ランス200が冷却され、溶損を防止する。また、冷却媒体は、副孔ランス200の先端部で第1の空間から第2の空間へ流れ込むだけでなく、第2の円筒部220に形成された開口部225からも第1の空間から第2の空間へ流れ込む。この開口部225を介した冷却媒体の流れにより、第2の空間における副孔240の上部側の冷却媒体の流速を速めることができる。これにより、従来、第2の空間において副孔240の上部側に生じていた冷却媒体のよどみを解消することができる。

0041

第2の円筒部220の開口部225の形状は特に限定されるものではないが、例えば、第2の円筒部220を貫通する副孔240の外形に沿った形状としてもよい。具体的には、開口部225は、スリット幅が5mm程度、円弧の角度θが20°以上180°以下となるように形成され、一例として、副孔240の外形に沿って上部側のみ開口させた半円円弧形状としてもよい。この際、第1の空間から主孔方向(すなわち、副孔ランス200の先端側)へ流れる冷却水の流量が減少し、主孔202近辺の冷却効率が低下しないように、開口部225の形状は設計される。

0042

主孔202は、副孔ランス200の先端部に形成された開口であり、周方向に1または複数形成されている。主孔202は、第1の円筒部210の内部と外界とを連通させる部分であり、第1の円筒部210を流れてきた酸素は主孔202を介して副孔ランス200の略長手方向に排出される。

0043

副孔240は、副孔ランス200の側面部に形成された開口であり、図9に示すように、周方向に放射状に複数設けられている。図9の例では、副孔240として、6つの副孔240a〜240fが設けられている。副孔240は、主孔202と同様、第1の円筒部210の内部と外界とを連通させる部分であり、第1の円筒部210を流れてきた酸素は副孔240を介して副孔ランス200の径方向に排出される。このとき、副孔240は、図7及び図10に示すように、第1の円筒部210から第3の円筒部230へ向かうにつれて先端側へ向かうように斜めに形成されてもよい。

0044

このように、本実施形態に係る副孔ランス200は、冷却媒体の流速増加機構として、第2の円筒部220の副孔140の上部側に開口部225を設けることで、簡単な構造で、冷却媒体の流速を増加させ、副孔ランス200の副孔240を構成する鋼管部を強冷却する。これにより、副孔ランス200の溶損を防止し、水漏れしないようにすることができる。

0045

実施例として、副孔を備える副孔ランスにおいて冷却水を流したときの、第2の円筒部における副孔の上部側の温度をシミュレーションした。実施例1として、第1の実施形態として説明した円筒スリーブを備える副孔ランスについて、実施例2として、第2の実施形態として説明した第2の円筒部に開口部を設けた副孔ランスについて、第2の円筒部における副孔の上部側の温度を検証した。また、比較例として、図11に示すような、流速増加機構を備えていない副孔ランス10(すなわち、第1の実施形態に係る副孔ランスで、円筒スリーブを設けないもの)について、第2の円筒部における副孔の上部側の温度を検証した。副孔ランス10は、第1の円筒部11、第2の円筒部12、第3の円筒部13の三重管からなり、側面に放射状に貫通する副孔14が形成されている。副孔ランス10の先端部には実施例1、2と同様、主孔が形成されている。

0046

シミュレーションでは、第1の空間へ流入される冷却媒体を25℃の冷却水とし、第1の空間から第2の空間を流れるものとした。また、第1の円筒部、第2の円筒部及び第3の円筒部の融点は1085℃とし、表面に付着する溶融地金の温度を1600℃とした。シミュレーション結果を下記表1に示す。

0047

0048

表1に示すように、実施例1、2では、副孔の上部での冷却媒体の流速が比較例よりも数倍速くなった。その結果、比較例では、第2の円筒部の副孔の上部温度が溶接地金の融点より高く、副孔ランスが溶損する可能性があったが、実施例1、2では、第2の円筒部の副孔の上部温度が溶接地金の融点より低くなり、副孔ランスの溶損を防止することができることがわかった。したがって、上記実施形態の構成によれば、副孔を構成する鋼管部を適切に冷却することができ、副孔ランスの溶損、溶損による水漏れの発生を防止することができる。

0049

以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

実施例

0050

例えば、上記実施形態で説明した副孔ランスは、2次燃焼処理用のランスとしてだけでなく、脱燐処理を行うためのランスへの適用も可能である。

0051

100、100A、200 副孔ランス
102、202 主孔
110、210 第1の円筒部
120、220 第2の円筒部
122 大径部
130、230 第3の円筒部
140、240 副孔
150円筒スリーブ
152切欠き
225 開口部

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