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技術 防水・防湿コーティング剤

出願人 AGCセイミケミカル株式会社
発明者 平林涼
出願日 2016年1月25日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2016-011405
公開日 2017年8月3日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2017-132830
状態 特許登録済
技術分野 塗料、除去剤 対水表面処理用物質
主要キーワード プリント導体 未処理部品 押曲げ法 削減計画 被処理部品 調査報告書 アサヒクリン 防湿コーティング剤
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

生体および環境への影響が少ない炭素数が6の直鎖状パーフルオロアルキル基を有する化合物から得られる重合体を使用し、かつ撥水・撥油性能基材への追従性に優れ、かつ被膜不都合粘着性のない表面処理剤の提供。

解決手段

下記式(a)で表される化合物から導かれる単位(A)、および、下記式(b)で表される化合物から導かれる単位(B)を含有する共重合体、ならびに、溶媒を含む防水防湿コーティング剤であり、前記共重合体の全単位(100質量%)における前記単位(A)および前記単位(B)の含有量の合計が90質量%以上であり、前記防水・防湿コーティング剤からなる膜厚200μm〜350μmの被膜を形成した厚さ0.1mmのアルミ板について、JIS Z 2248記載の押曲げ法内側半径1mm)による180°曲げ試験を実施した際に前記被膜に割れ剥離を生じず、前記防水・防湿コーティング剤からなる被膜が20℃においてタック性を有しないことを特徴とする防水・防湿コーティング剤。CH2=C(CH3)−COO−(CH2)n−(CF2)6F 式(a)(式(a)中、nは0〜4の整数である。)CH2=C(CH3)−COO−(CH2)4H 式(b)

概要

背景

従来、フッ素系の表面処理剤として、炭素鎖長が8以上の直鎖状または末端分岐パーフルオロアルキル基を有する(メタアクリル酸エステル重合物が使用されてきた。これは、側鎖の(CF2)8F基の持つ結晶性が、高い撥水性能撥油性能を示すためであった。

米国環境保護庁(USEPA)が、野生動物や人の血液を含め、種々の環境から検出されるパーフロオロオクタン酸(PFOA)の安全性に関する予備リスク調査報告書を2003年3月に公開した。報告書では、PFOA発生の恐れのあるパーフルオロアルキル基の炭素数が8であるものについて、生体および環境への影響が指摘された。そして、2006年1月には、PFOAおよびその類縁物質ならびにこれらの前駆体物質の環境中への排出削減製品中の含有量削減計画への参加をフッ素樹脂メーカー等に提唱している。
ここで対象になる構造としては、下記に示される炭素数が8の直鎖状のパーフルオロアルキル基を有する化合物などが挙げられる(特許文献1参照)。
CH2=CH−COO−(CH2)2−(CF2)8F
CH2=C(CH3)−COO−(CH2)2−(CF2)8F

概要

生体および環境への影響が少ない炭素数が6の直鎖状のパーフルオロアルキル基を有する化合物から得られる重合体を使用し、かつ撥水・撥油性能、基材への追従性に優れ、かつ被膜不都合粘着性のない表面処理剤の提供。 下記式(a)で表される化合物から導かれる単位(A)、および、下記式(b)で表される化合物から導かれる単位(B)を含有する共重合体、ならびに、溶媒を含む防水防湿コーティング剤であり、前記共重合体の全単位(100質量%)における前記単位(A)および前記単位(B)の含有量の合計が90質量%以上であり、前記防水・防湿コーティング剤からなる膜厚200μm〜350μmの被膜を形成した厚さ0.1mmのアルミ板について、JIS Z 2248記載の押曲げ法内側半径1mm)による180°曲げ試験を実施した際に前記被膜に割れ剥離を生じず、前記防水・防湿コーティング剤からなる被膜が20℃においてタック性を有しないことを特徴とする防水・防湿コーティング剤。CH2=C(CH3)−COO−(CH2)n−(CF2)6F 式(a)(式(a)中、nは0〜4の整数である。)CH2=C(CH3)−COO−(CH2)4H 式(b)なし

目的

本発明は、生体および環境への影響が少ない炭素数が6の直鎖状のパーフルオロアルキル基を有する化合物から得られる重合体を使用し、かつ撥水・撥油性能、基材への追従性に優れ、かつ被膜に不都合な粘着性のない表面処理剤の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記式(a)で表される化合物から導かれる単位(A)、および、下記式(b)で表される化合物から導かれる単位(B)を含有する共重合体、ならびに、溶媒を含む防水防湿コーティング剤であり、前記共重合体の全単位(100質量%)における前記単位(A)および前記単位(B)の含有量の合計が90質量%以上であり、前記防水・防湿コーティング剤からなる膜厚200μm〜350μmの被膜を形成した厚さ0.1mmのアルミ板について、JISZ2248記載の押曲げ法内側半径1mm)による180°曲げ試験を実施した際に前記被膜に割れ剥離を生じず、前記防水・防湿コーティング剤からなる被膜が20℃においてタック性を有しないことを特徴とする防水・防湿コーティング剤。(ただし、前記被膜は、前記防水・防湿コーティング剤を120℃で2時間乾燥させて得たものであり、タック性を有しないとは、前記被膜に20gf/cm2の力で薬包紙を15秒間押しつけた後、薬包紙の剥離に要する力が0.03gf以下であることを意味する。)CH2=C(CH3)−COO−(CH2)n−(CF2)6F式(a)(式(a)中、nは0〜4の整数である。)CH2=C(CH3)−COO−(CH2)4H式(b)

請求項2

前記式(a)のnが2である請求項1に記載の防水・防湿コーティング剤。

請求項3

前記重合体において、前記単位(A)および単位(B)の質量比(A)/(B)が、80/20〜10/90である、請求項1または2に記載の防水・防湿コーティング剤。

請求項4

前記重合体において、前記単位(B)の含有量が20〜40質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の防水・防湿コーティング剤。

請求項5

前記重合体の質量平均分子量(ポリメチルメタクリレート換算)が1×104〜1×107である請求項1〜4のいずれかに記載の防水・防湿コーティング剤。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載の防水・防湿コーティング剤からなる被膜を有する基材

請求項7

請求項6に記載された基材を用いた製品

技術分野

0001

本発明は、各種基材防水撥油性および防湿性を付与する防水・防湿コーティング剤に関する。

背景技術

0002

従来、フッ素系の表面処理剤として、炭素鎖長が8以上の直鎖状または末端分岐パーフルオロアルキル基を有する(メタアクリル酸エステル重合物が使用されてきた。これは、側鎖の(CF2)8F基の持つ結晶性が、高い撥水性能撥油性能を示すためであった。

0003

米国環境保護庁(USEPA)が、野生動物や人の血液を含め、種々の環境から検出されるパーフロオロオクタン酸(PFOA)の安全性に関する予備リスク調査報告書を2003年3月に公開した。報告書では、PFOA発生の恐れのあるパーフルオロアルキル基の炭素数が8であるものについて、生体および環境への影響が指摘された。そして、2006年1月には、PFOAおよびその類縁物質ならびにこれらの前駆体物質の環境中への排出削減製品中の含有量削減計画への参加をフッ素樹脂メーカー等に提唱している。
ここで対象になる構造としては、下記に示される炭素数が8の直鎖状のパーフルオロアルキル基を有する化合物などが挙げられる(特許文献1参照)。
CH2=CH−COO−(CH2)2−(CF2)8F
CH2=C(CH3)−COO−(CH2)2−(CF2)8F

先行技術

0004

特開平10−303536号公報

発明が解決しようとする課題

0005

このような状況において、PFOAの発生の恐れを減らすために、パーフルオロアルキル基の炭素数を6以下に短くしたもの、具体的には、前記式中の(CF2)8Fを、(CF2)6Fまたは(CF2)4Fなどに置換した化合物を代替品として用いることが考えられる。しかし、本発明者等の検討において、炭素数が8の直鎖状のパーフルオロアルキル基を、そのまま6以下にしただけの場合は、重合体中のパーフルオロアルキル基に起因する結晶性が損なわれることが明らかになっている。

0006

そのため、炭素数が6の直鎖状のパーフルオロアルキル基を有するアクリル酸エステルの重合体は、撥水撥油性能を示すものの独特粘着性を有することが分った。

0007

特に防水・防湿コーティング剤として電子部品基板に処理された場合、独特の粘着性がトラブルの原因となる。具体的には、生産時の不具合ほこり異物の付着を原因とする不具合などが挙げられる。

0008

また、近年、部品の小型や印刷技術などの進歩により、柔軟な薄いフィルムプリント導体回路を形成し、柔軟性と屈曲性があり大きく変形させることが可能なフレキシブル基板が普及してきている。フレキシブル基板は、空間を60%〜90%節約でき、しかも実装に自由度を持てることから、電子機器の小型化、軽量化のニーズに欠かせない技術になっている。

0009

電子基板絶縁性防湿コートは、電子機器の信頼性を高める上では、必要不可欠な技術となっている。しかしながら、従来の防水・防湿コーティング剤では、基材への追従性が低くフレキシブル基板では、基板を極端湾曲させると絶縁性防湿コートに亀裂や剥離が生じてしまう。

0010

本発明は、生体および環境への影響が少ない炭素数が6の直鎖状のパーフルオロアルキル基を有する化合物から得られる重合体を使用し、かつ撥水・撥油性能、基材への追従性に優れ、かつ被膜不都合な粘着性のない表面処理剤の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者は上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、炭素数が6の直鎖状のパーフルオロアルキル基を有するメタクリル酸エステルメタクリル酸ノルマルブチルとの共重合体が、不都合な粘着性を有さず、かつ撥水・撥油性能を有し、さらには基材への追従性が良好であり、平滑性も改善した被膜を与えることを見出した。

0012

すなわち、本発明は以下の表面処理剤を提供する。
(1)下記式(a)で表される化合物から導かれる単位(A)、および、下記式(b)で表される化合物から導かれる単位(B)を含有する共重合体、ならびに、溶媒を含む防水・防湿コーティング剤であり、
前記共重合体の全単位(100質量%)における前記単位(A)および前記単位(B)の含有量の合計が90質量%以上であり、
前記防水・防湿コーティング剤からなる膜厚200μm〜350μmの被膜を形成した厚さ0.1mmのアルミ板について、JIS Z 2248記載の押曲げ法内側半径1mm)による180°曲げ試験を実施した際に前記被膜に割れや剥離を生じず、
前記防水・防湿コーティング剤からなる被膜が20℃においてタック性を有しないことを特徴とする防水・防湿コーティング剤。
(ただし、前記被膜は、前記防水・防湿コーティング剤を120℃で2時間乾燥させて得たものであり、タック性を有しないとは、前記被膜に20gf/cm2の力で薬包紙を15秒間押しつけた後、薬包紙の剥離に要する力が0.03gf以下であることを意味する。)
CH2=C(CH3)−COO−(CH2)n−(CF2)6F 式(a)
(式(a)中、nは0〜4の整数である。)
CH2=C(CH3)−COO−(CH2)4H 式(b)

0013

(2)前記式(a)のnが2である(1)に記載の防水・防湿コーティング剤。

0014

(3)前記重合体において、前記単位(A)および単位(B)の質量比(A)/(B)が、80/20〜10/90である、(1)または(2)に記載の防水・防湿コーティング剤。

0015

(4)前記重合体において、前記単位(B)の含有量が20〜40質量%である、(1)〜(3)のいずれかに記載の防水・防湿コーティング剤。

0016

(5)前記重合体の質量平均分子量(ポリメチルメタクリレート換算)が1×104〜1×107である(1)〜(4)のいずれかに記載の防水・防湿コーティング剤。

0017

(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の防水・防湿コーティング剤からなる被膜を有する基材。

0018

(7)(6)に記載された基材を用いた製品。

発明の効果

0019

本発明の防水・防湿コーティング剤は、パーフルオロアルキル基の炭素数を6以下に抑えつつも、上記式(a)および式(b)で特定されるメタクリル化合物から導かれる構成単位を含む重合体を使用することで、高い撥水性能、撥油性能を有することができる。さらに、被膜の粘着性がなく、基材への追従性に優れたまま平滑性の改善ができる防水・防湿コーティング剤を提供することができる。

0020

本明細書において、式(a)で表される化合物を化合物(a)とも記す。他の式で表される化合物も同様に表記することがある。
なお本明細書中、(メタ)アクリレートとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの両方またはどちらか一方を表す。

0021

本発明の防水・防湿コーティング剤の必須成分である重合体(以下、「本発明の重合体」ともいう。)は、下記化合物(a)から導かれる単位(A)および下記化合物(b)から導かれる単位(B)を含有する。
CH2=C(CH3)−COO−(CH2)n−(CF2)6F 式(a)
式(a)中、nは0〜4の整数である。
CH2=C(CH3)−COO−(CH2)4−H 式(b)

0022

化合物(a)において、nはいずれも0〜3であることが好ましく、2であることがより好ましい。

0023

本発明の重合体は、単位(A)および単位(B)を併せ持つことにより、単位(A)単独の場合と同様の高い撥水性能、撥油性能を維持しつつ、単位(A)単独では不十分な被膜の平滑性を補っている。また、単位(B)単独では撥油性能が著しく低下してしまう。

0024

撥水性能の指標には、防水・防湿コーティング剤を用いて形成した被膜の水接触角を用いる。水の接触角は大きいほど優れており、110度以上であると好ましい。
撥油性能の指標には、防水・防湿コーティング剤を用いて形成した被膜のノルマルヘキサデカン(HD)接触角を用いる。ノルマルヘキサデカン(HD)の接触角は大きいほど優れており、60度以上であると好ましく、70度以上であると特に好ましい。

0025

化合物(a)は1種でも複数種であってもよい。なお本発明において、重合体における各単位の質量比率は、重合に使用した原料がすべて単位を構成するとみなした値である。したがって、たとえば単位(A)の質量比率(全単位質量に対する、そこに含まれる単位(A)の質量の百分率)は、実質的に、重合に使用した化合物(a)質量の、重合原料化合物の全質量に対する割合として求められる。重合体において、他の単位の質量比率も同様に求められる。

0026

単位(A)および単位(B)の質量比(A)/(B)は、前記単位(A)の質量比率と、単位(B)の質量比率との合計を、100としたときの(A)、(B)それぞれの値を意味する。単位(A)と単位(B)の質量比(A)/(B)としては、10/90から90/10の範囲が好ましく、10/90から80/20の範囲が好ましく、60/40から80/20の範囲がより好ましい。上記の範囲内であれば、撥水撥油性能、被膜の追従性、重合体の粘着性、処理後の被膜の平滑性、これら全てにおいて良好である。

0027

本発明の重合体において、上記単位(A)および単位(B)の含有量の合計は、90質量%以上であり、95質量%以上であることが好ましい。
本発明の重合体において、上記単位(A)の含有量は、20〜80質量%であることが好ましく、60〜80質量%であることがより好ましい。
本発明の重合体において、上記単位(B)の含有量は、20〜80質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。

0028

本発明の重合体は、上記単位(A)および単位(B)と共重合しうる化合物から導かれる単位(C)を含んでいてもよい。単位(C)の質量比率は10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5重量%以下である。その他の単位(C)の質量比率が10質量%を超えてしまうと、被膜の追従性や粘着性を著しく低下させてしまう。

0029

他の単位(C)は、上記(A)、単位(B)を形成する化合物と共重合しうる化合物から導かれる単位であれば特に限定されない。これらの化合物としては、炭素数8以上の長鎖アルキルの(メタ)アクリル酸エステル、炭素数7以下の短鎖アルキルの(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキシル基フェニル基イソボルニル基ノルボルニル基等の環状炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。
なお、防水・防湿コーティング剤であるため、極性の強い水酸基カルボキシル基エポキシ基ポリエチレングリコールなどの有機基をもつ単位は好ましくない。

0030

本発明の重合体の分子量は特に限定されないが、質量平均分子量(Mw)(ポリメチルメタクリレート換算)で1×104〜1×107であることが好ましく、1×104〜1×106であることがより好ましく、5×104〜1×106であることが特に好ましい。

0031

本発明の重合体は、重合形態など特に制限されない。共重合体である場合の重合形態は特に制限されず、ランダムブロック、グラフトなどのいずれでもよいがランダム重合体であることが好ましい。

0032

重合体の製造方法も特に限定されず、各種の公知の方法を採用し得る。例えば、各化合物中の不飽和基に基づき付加重合させることができる。重合に際しては、公知の不飽和化合物の付加重合条件を適宜に採択して行うことができる。例えば重合開始源として有機過酸化物アゾ化合物過硫酸塩等の通常の開始剤が利用できる。

0033

本発明の防水・防湿コーティング剤から得られた被膜は高い追従性を有する。このため、フレキシブル基板に用いた際に基板を湾曲させても被膜に亀裂や剥離を生じない。追従性は、本発明の防水・防湿コーティング剤を用いて膜厚200μm〜350μmの被膜を形成した厚さ0.1mmのアルミ板について、JIS Z 2248記載の押曲げ法(内側半径1mm)による180°曲げ試験を実施することにより評価できる。前記曲げ試験を行っても前記被膜に割れや剥離を生じないものは追従性が高いと言える。
なお、この被膜は、前記防水・防湿コーティング剤を120℃で2時間乾燥させて得たものである(以下、本明細書において同様)。

0034

本発明の防水・防湿コーティング剤から得られた被膜は不都合な粘着性を有しない。これは「前記被膜が20℃においてタック性を有しない」とも表記できる。タック性を有しないことは、前記被膜に20gf/cm2の力で薬包紙を15秒間押しつけた後、薬包紙の剥離に要する力が0.03gf以下であることにより評価できる。前記の値である場合、粘着性が低いため、異物の付着等の不具合を防止することができる。

0035

また、本発明の防水・防湿コーティング剤は、得られた被膜が平滑性を有することも特徴とする。これにより、均一な膜厚で被膜を形成することができ基板に均一な撥水・撥油・防湿の性能を付与することができる。平滑性は被膜の外観を確認することにより評価できる。

0036

前記単位(A)のみからなる重合体を用いたコーティング剤は、高い追従性を有するとともにタック性を有しない優れたコーティング剤であるが、平滑性が著しく劣っており、均一な膜厚で被膜を得ることが非常に困難である。これに対し、本発明の重合体は単位(A)と単位(B)の両方を有することにより、前記追従性とタック性を維持したまま、平滑性も改善した防水・防湿コーティング剤となる。

0037

本発明の防水・防湿コーティング剤は、被膜成分として上記のような特定の重合体を含み、該重合体を溶媒中に含む液状形態である。
本発明の防水・防湿コーティング剤の製造方法も限定されない。例えば本発明の重合体を公知の溶媒に溶解させて得ることができる。また、例えば化合物(a)および化合物(b)を溶媒に添加し、この溶媒を重合媒体とする溶液重合によって本発明の重合体を製造し、本発明の重合体を含む前記溶媒を得て、これを本発明の防水・防湿コーティング剤とすることもできる。乳化重合させることで本発明の重合体を含む溶液を得て、これを本発明の防水・防湿コーティング剤とすることもできる。ここで得られた本発明の重合体を分離し、他の溶媒に溶解させてもよい。また、重合原料の化合物がガスである場合には、圧力容器を用いて、加圧下に連続供給してもよい。

0038

本発明の防水・防湿コーティング剤を形成する溶媒は、本発明の重合体を溶解または分散できるものであればよく、特に限定されず、各種有機溶剤、水またはこれらの混合媒体などが挙げられる。一般的な有機溶剤である酢酸エチル酢酸ブチルアセトンメチルエチルケトンなどの極性の強い溶剤使用可能であるが、非処理物への材質影響と重合物の溶解性の観点から、フッ素系溶剤を使用するのが好ましい。フッ素系溶剤としては、ハイドロフルオロカーボン(HFC)またはハイドロフルオロエーテル(HFE)が挙げられる。使用可能なフッ素系溶剤の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。

0039

m−キシレンヘキサフルオリド(以下、m−XHFと記す。)
p−キシレンヘキサフルオリド
CF3CH2CF2CH3
CF3CH2CF2H
C6F13OCH3
C6F13OC2H5
C6F13CH2CH3
C3F7OCH3
C3F7OC2H5
C6F13H
CF2HCF2CH2OCF2CF2H
CF3CFHCFHCF2CH3
CF3(OCF2CF2)n(OCF2)mOCF2H
C8F17OCH3
C7F15OCH3
C4F9OCH3
C4F9OC2H5
C4F9CH2CH3
CF3CH2OCF2CF2CF2H
(上記例示中、添字mおよびnは、それぞれ独立に、1〜20の整数を表す。)
およびこれらの混合物
たとえばCF3(CF2)3OC2H5と(CF3)2CFCF2OC2H5とのハイドロフルオロエーテル混合物がノベックHFE7200(3M社製)の商品名で入手可能である。

0040

本発明の防水・防湿コーティング剤の濃度は、本発明の重合体の濃度が1〜20質量%であるのが好ましい。本発明の防水・防湿コーティング剤における本発明の重合体の濃度は最終的濃度であればよく、重合直後の重合体を含む溶液中の重合体濃度固形分濃度)が20質量%を超えていてもなんら差し支えない。高濃度の重合体を含む溶液は、最終的に上記好ましい濃度となるように適宜に希釈することができる。希釈した溶液は、そのまま表面処理剤とすることができる。
希釈溶剤としては、前記使用可能なフッ素系溶剤が挙げられる。

0041

定性、性能および外観等に悪影響を与えない範囲であれば、前記した以外の他の溶剤成分を含んでいてもよい。このような助溶剤としては、アルコール系溶剤メタノールエタノールイソプロピルアルコール等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、炭化水素系溶剤ヘキサンヘプタンオクタン等)、環式炭化水素溶剤(シクロヘキサンメチルシクロヘキサンエチルシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素溶剤トルエンキシレン等)、テルペン系溶剤メンタンテルピンピネンリモネン等)がある。
これらの溶剤は、臭気、乾燥速度、濡れ性などを調整する事ができる。

0042

本発明の防水・防湿コーティング剤は、安定性、性能および外観等に悪影響を与えない範囲であれば、前記した以外の他の成分を含んでいてもよい。このような他の成分としては、例えば被膜表面腐食を防止するためのpH調整剤防錆剤、防水・防湿コーティング剤を希釈して使用する場合に液中の重合体の濃度管理をする目的や未処理部品との区別をするための染料、染料の安定剤、難燃剤消泡剤および帯電防止剤等が挙げられる。

0043

本発明の防水・防湿コーティング剤は、撥水撥油防湿性能を付与したい部分に塗布して被膜を形成して利用することができる。該被膜は、本発明の防水・防湿コーティング剤から溶媒が除去されて形成されるものであり、主として、本発明の重合体からなるものである。ここで、主としてとは、該被膜が、本発明の重合体のみから形成されていてもよく、前記のように悪影響を与えない範囲で他の成分を含んでいてもよいことを意味する。被覆方法としては一般的な被覆加工方法が採用できる。例えば浸漬塗布スプレー塗布ローラー塗布等による塗布等の方法がある。

0044

本発明の防水・防湿コーティング剤の塗布後は、溶媒の沸点以上の温度で乾燥を行うことが好ましい。無論、被処理部品の材質などにより加熱乾燥が困難な場合には、加熱を回避して乾燥すべきである。なお、熱処理の条件は、塗布する表面処理剤の組成や、塗布面積等に応じて選択すればよい。

0045

以下に本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断わりのない限り、以下の実施例の記載において「%」で表示されるものは「質量%」を表すものとする。
以下の実施例で使用する化合物を表1に示す。使用した化合物は、市場から試薬として入手することができるものまたは、既知合成法によって容易に合成できるものである。

0046

0047

[実施例1〜17および比較例1〜13]
密閉容器に、モノマー濃度を30%、開始剤濃度を0.2%、反応溶剤となるメタキシレンヘキサフロライド(m-XHF)を仕込み、70℃で18時間以上反応を行い、重合体1〜9および比較重合体1〜13を得た。各重合体のモノマーの仕込みは、表2に記載の質量比で行なった。
これらの重合体は、約30%のm-XHF溶液で得られた。それを表3に示すようにm-XHFおよびリモネンで希釈して、重合体濃度が10%となるように濃度調整して、防水・防湿コーティング剤である実施例1〜17および比較例1〜13とした。

0048

粘着性評価、追従性評価、重合体の分子量測定は、前記約30%の重合体溶液を用いて評価した。平滑性評価と接触角測定は、防水・防湿コーティング剤を用いて評価した。
粘着性評価、追従性評価、平滑性評価、接触角測定、重合体の分子量測定は、以下に示す方法で実施した。

0049

[被膜の粘着性評価]
重合体1〜9および比較重合体1〜13の前記約30%重合体溶液を、それぞれ、アルミカップ(φ45mm)に約2gずつ採取し、120℃の乾燥機で2時間乾燥させた。乾燥後、形成された被膜の上に薬包紙(25×25mm、約0.025g)を置き、その上に100gの分銅(φ24mm)を置いた。15秒後、分銅を取り除き薬包紙の張り付き具合を確認した。
アルミカップをさかさまにした際に、薬包紙が落ちてくるものを○。落ちずに被膜に張り付いているものを×とした。評価結果を表2に記載した。

0050

[被膜の追従性評価]
重合体1〜9および比較重合体1〜13の前記約30%重合体溶液を、それぞれ、アルミカップ(φ45mm)に約2gずつ採取し、120℃の乾燥機で2時間乾燥させた。この操作により、アルミカップに厚さ約200〜350μmのコーティング被膜を形成させた。その後、アルミカップで押曲げ法(内側半径1mm)による180°曲げ試験を実施し、被膜の状態を確認した。被膜の割れや剥離が確認されなかったものを○、割れや剥離が確認されたものを×とした。評価結果を表2に記載した。

0051

[平滑性評価]
各防水・防湿コーティング剤を、それぞれ、25×25mmに区切った銅板に100μLたらし、均一に塗り伸ばした。その後、室温で乾燥させ外観を確認した。処理液が乾燥時に収縮しながら乾燥し、薄膜部分が生じてしまったものを×、薄膜部分が発生しなかったものを○とした。評価結果を表3に記載した。

0052

[接触角測定]
各防水・防湿コーティング剤に、室温下で、ガラス板を浸漬した。そして1分後に取り出し、120℃の乾燥機で5分間乾燥させ、各被膜を有する各ガラス板を得た。
次に各々の種類の被膜を形成した各ガラス板の被膜上に、水、n−ヘキサデカン(HD)を滴下し、接触角を測定した。
水およびHDの接触角の測定には、自動接触角計OCA−20[Data Physics社製]を用いた。評価結果を表3に記載した。

0053

[質量平均分子量の測定]
重合体1〜9および比較重合体1〜13を、溶液中の重合体の濃度が約1%になるように、アサヒクリンAK−225SEC1(旭硝子(株)製)を用いて希釈し、測定サンプルとした。昭和電工株式会社製Shodex GPC−104を用いて、以下の条件でGPCを測定した。評価結果を表2に記載した。
<GPC測定条件
分析カラムLF−604(充填剤スチレンジビニルベンゼン共重合体,昭和電工株式会社製)×2
リファレンスカラム:KF600RH(充填剤:なし,昭和電工株式会社製)×2
移動層:AK−225SEC1
流量:0.3ml/min
カラム温度:40℃
標準物質:ポリメチルメタクリレート

0054

0055

実施例

0056

単位(A)および単位(B)を有する本発明の防水・防湿コーティング剤のみ、撥水撥油性能を維持しつつ、被膜の追従性、粘着性、平滑性の問題点を全て解決できることが分かった。

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