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技術 内視鏡用センサシステム

出願人 国立大学法人鳥取大学株式会社日本マイクロシステム
発明者 植木賢上原一剛野澤誠子佐々木強丸本恵原田隼人中山裕美子
出願日 2016年1月29日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-014988
公開日 2017年8月3日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-131461
状態 特許登録済
技術分野 孔内観察装置 内視鏡
主要キーワード 加圧箇所 センサ検出感度 導電性金属線材 連結形状 ステンレススチール線 隣接箇所 アングル方向 表示出力内容
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図面 (13)

課題

内視鏡スコープへの加圧状態の方向性操作者直感的に判別することができるようにして、内視鏡スコープの挿入部を体腔内に挿入した際に生体組織穿孔等が生じてしまうのを未然に防止する。

解決手段

内視鏡スコープ11の挿入部に装着される圧力センサ21と、前記内視鏡スコープ11への加圧状態の方向性を判別し得る態様で前記圧力センサ21による加圧検知結果を報知する報知制御部22とを備えて、内視鏡用センサシステム2を構成する。

概要

背景

近年、手術用器具の一つとして、消化器系内視鏡検査に用いられる内視鏡スコープが知られている。内視鏡スコープについては、被術者(内視鏡検査の被検者)の体内に挿入される挿入部に圧力センサを装着して、その挿入部に加わる外力を圧力センサにより検知することで、内視鏡スコープによる腸管穿孔等を回避可能にすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

概要

内視鏡スコープへの加圧状態の方向性操作者直感的に判別することができるようにして、内視鏡スコープの挿入部を体腔内に挿入した際に生体組織に穿孔等が生じてしまうのを未然に防止する。内視鏡スコープ11の挿入部に装着される圧力センサ21と、前記内視鏡スコープ11への加圧状態の方向性を判別し得る態様で前記圧力センサ21による加圧検知結果を報知する報知制御部22とを備えて、内視鏡用センサシステム2を構成する。

目的

本発明は、内視鏡スコープへの加圧状態の方向性を操作者が直感的に判別することができる内視鏡用センサシステムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内視鏡スコープの挿入部に装着される圧力センサと、前記内視鏡スコープへの加圧状態の方向性判別し得る態様で前記圧力センサによる加圧検知結果を報知する報知制御部と、を備える内視鏡用センサシステム

請求項2

前記報知制御部は、表示出力音出力若しくは振動出力のいずれか一つ、またはこれら複数の組み合わせによって、報知を行うように構成されている請求項1に記載の内視鏡用センサシステム。

請求項3

前記報知制御部は、前記圧力センサからの加圧検知信号を受け取って処理するとともに、前記内視鏡スコープで撮像された画像データを受け取って処理する制御ボックス部と、前記制御ボックス部での処理内容に従いつつ、前記内視鏡スコープでの撮像画像と関連付けて、前記圧力センサによる加圧検知結果を表示出力するモニタ部と、を備える請求項1または2に記載の内視鏡用センサシステム。

請求項4

前記モニタ部は、少なくとも前記内視鏡スコープの上下各アングル方向に対応する二つの表示出力領域を有しており、前記二つの表示出力領域が前記上下各アングル方向の加圧検知結果を個別に表示出力するように構成されている請求項3に記載の内視鏡用センサシステム。

請求項5

前記モニタ部は、前記二つの表示出力領域に加えて、少なくとも前記内視鏡スコープの左右各アングル方向に対応する二つの表示出力領域を有しており、合わせて四つの表示出力領域が各アングル方向の加圧検知結果を個別に表示出力するように構成されている請求項4に記載の内視鏡用センサシステム。

請求項6

前記四つの表示出力領域は、前記内視鏡スコープでの撮像画像を表示出力する表示画面上に配置されている請求項5に記載の内視鏡用センサシステム。

請求項7

前記報知制御部は、前記圧力センサによる加圧検知結果を当該圧力センサが検知した加圧量に応じて段階的に報知するように構成されている請求項1から6のいずれか1項に記載の内視鏡用センサシステム。

請求項8

前記報知制御部は、前記圧力センサによる加圧検知結果についての段階的な報知を、少なくとも三つの段階に区分けして行うように構成されている請求項7に記載の内視鏡用センサシステム。

請求項9

各段階を区分けする加圧量の幅が、一つの段階あたり、0.29N以上30N以下に設定されている段階を含む請求項7または8に記載の内視鏡用センサシステム。

請求項10

各段階を区分けする加圧量の幅が、一つの段階あたり、0.39N以上1.96N以下に設定されている段階を含む請求項7または8に記載の内視鏡用センサシステム。

請求項11

各段階を区分けする加圧量の幅が、一つの段階あたり、0.39N以上0.59N以下に設定されている段階を含む請求項7または8に記載の内視鏡用センサシステム。

請求項12

各段階を区分けする加圧量の幅が、一つの段階あたり、0.39N以上0.59N以下に設定されている段階と、0.88N以上1.08N以下に設定されている段階とを含み、これらの各段階が混在する請求項7または8に記載の内視鏡用センサシステム。

請求項13

各段階を区分けする加圧量の幅が、当該各段階のそれぞれで個別に設定されている請求項7から12のいずれか1項に記載の内視鏡用センサシステム。

技術分野

0001

本発明は、手術用器具の一つである内視鏡スコープに用いられる内視鏡用センサシステムに関する。

背景技術

0002

近年、手術用器具の一つとして、消化器系内視鏡検査に用いられる内視鏡スコープが知られている。内視鏡スコープについては、被術者(内視鏡検査の被検者)の体内に挿入される挿入部に圧力センサを装着して、その挿入部に加わる外力を圧力センサにより検知することで、内視鏡スコープによる腸管穿孔等を回避可能にすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

国際公開第2012/153703号

発明が解決しようとする課題

0004

内視鏡スコープの挿入部に加わる外力を圧力センサで検知する場合には、その圧力センサによる加圧検知結果を、内視鏡検査の術者(内視鏡スコープの操作者)に効果的に伝える必要性がある。例えば、圧力センサにより検知された圧力値をそのまま数値で内視鏡スコープの操作者に提示しても、操作者は主として内視鏡スコープで撮像された画像に注視しながら操作を行うため、必ずしも操作者に対する注意喚起効果が有効に得られるとは限らない。注意喚起効果を高めるためには、特に腸管穿孔等を回避することを想定すると、内視鏡スコープの挿入部の先端をどの方向に進めればよいか(またはどの方向に進めてはならないか)を容易に判別可能にして、操作者にとってのナビゲーションとして機能させるようにすることが考えられる。

0005

そこで、本発明は、内視鏡スコープへの加圧状態の方向性を操作者が直感的に判別することができる内視鏡用センサシステムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。
本発明の一態様は、
内視鏡スコープの挿入部に装着される圧力センサと、
前記内視鏡スコープへの加圧状態の方向性を判別し得る態様で前記圧力センサによる加圧検知結果を報知する報知制御部と、
を備える内視鏡用センサシステムである。

発明の効果

0007

本発明によれば、内視鏡スコープへの加圧状態の方向性を操作者が直感的に判別することができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明に係る内視鏡用センサシステムを含むシステム全体の概略構成例を模式的に示す説明図である。
内視鏡スコープの概略構成例を模式的に示す説明図である。
本発明に係る内視鏡用センサシステムにおける圧力センサの一構成例を模式的に示す説明図(その1)であり、基本的な構成例を示す図である。
本発明に係る内視鏡用センサシステムにおける圧力センサの一構成例を模式的に示す説明図(その2)であり、圧力感応部の構成例を示す図である。
本発明に係る内視鏡用センサシステムにおける圧力センサの一構成例の基本的な製造手順を示す説明図である。
本発明に係る内視鏡用センサシステムにおける圧力センサの一構成例を模式的に示す説明図(その3)であり、感圧部材領域分割の構成例を示す図である。
本発明に係る内視鏡用センサシステムにおける圧力センサの一構成例について領域分割を行う場合の製造手順を示す説明図(その1)である。
本発明に係る内視鏡用センサシステムにおける圧力センサの一構成例について領域分割を行う場合の製造手順を示す説明図(その2)である。
本発明に係る内視鏡用センサシステムにおける圧力センサの一構成例について領域分割を行う場合の製造手順を示す説明図(その3)である。
本発明に係る内視鏡用センサシステムにおける制御ボックス部の機能構成例を示すブロック図である。
本発明に係る内視鏡用センサシステムにおける制御ボックス部のデータ記憶手段が記憶保持するデータの第一具体例を示す説明図である。
本発明に係る内視鏡用センサシステムにおける制御ボックス部のデータ記憶手段が記憶保持するデータの第二具体例を示す説明図である。

実施例

0009

以下、図面に基づき本発明に係る内視鏡用センサシステムについて説明する。

0010

(1)システム全体の構成
先ず、本発明が適用されるシステム全体の構成について説明する。
図1は、本発明に係る内視鏡用センサシステムを含むシステム全体の概略構成例を模式的に示す説明図である。

0011

(システム全体)
本実施形態で説明するシステムは、大別すると、内視鏡システム1と、内視鏡用センサシステム2と、を備えて構成されている。

0012

本実施形態では、これらの各システム1,2のうち、内視鏡用センサシステム2に大きな特徴がある。内視鏡システム1については、公知の構成のものを利用し得る。

0013

以下、これらの各システム1,2の構成について、順に詳しく説明する。

0014

(2)内視鏡システムの構成
先ず、内視鏡システム1の構成について説明する。ここでは、大腸内を撮像するように構成されたものを例に挙げて説明する。

0015

(内視鏡システム)
内視鏡システム1は、内視鏡スコープ11と、制御本体部12と、モニタ部(以下「第一モニタ部」という。)13と、DVDレコーダ14と、を備えて構成されている。そして、制御本体部12には、内視鏡スコープ11、第一モニタ部13およびDVDレコーダ14のそれぞれが、インタフェースケーブルを介して電気的に接続されている。

0016

(内視鏡スコープ)
内視鏡スコープ11は、手術用器具の一つとして大腸内の内視鏡検査に用いられるものである。
図2は、内視鏡スコープの概略構成例を模式的に示す説明図である。
図例のように、内視鏡スコープ11は、被術者(内視鏡検査の被検者)の体内に挿入される挿入部111と、挿入部111の屈曲操作等を術者(内視鏡スコープ11の操作者)が行うための操作部112と、を備えている。また、内視鏡スコープ11の挿入部111には、詳細を後述するように、圧力センサ21が装着されている。

0017

挿入部111は、樹脂材料からなる外皮によって被覆された長尺管状のもので、その先端側から先端部111a、湾曲部111bおよび軟性部111cが順に配されて構成されている。具体的には、挿入部111は、例えば、6〜13mm程度の管外周径を有し、先端から50mm程度までの範囲に先端部111aが配され、さらにそこから50〜100mm程度までの範囲に湾曲部111bが配され、全長が1000mm程度となるように構成されたものが一般的である。

0018

先端部111aの端面には、少なくとも投光部および画像取得部(ただし、いずれも不図示)が設けられている。そして、投光部から照射した光が腸壁反射され、その反射光を画像取得部で受光することにより、腸内画像を取得するように構成されている。投光部としては、制御本体部12の光源からの光を導くように挿入部111内に配されたライトガイドや、先端部111aに配された発光素子(例えばLED)等、の公知の構成を使用し得る。また、画像取得部の構成は、特に限定されないが、先端部111aに設けられた対物レンズで腸壁からの反射光を集光し、この光を対物レンズの結像位置に配置された撮像素子(例えばCCD)によって受光し、そこで得られた画像信号を挿入部111内に設けられた信号線を通じて制御本体部12に送る構成のものが一例として挙げられる。なお、先端部111aの端面には、投光部および画像取得部の他に、処置具出し入れ吸引口を兼ねた鉗子口(ただし不図示)や、水や空気を送り出すノズル(ただし不図示)等が設けられていてもよい。

0019

湾曲部111bは、操作部112の操作に応じて屈曲するように構成された部分である。さらに詳しくは、湾曲部111bは、その内部に間接コマ(ただし不図示)が配されているとともに、その間接コマが挿入部111内を通るワイヤ(ただし不図示)によって操作部112と連結されている。このような構成により、湾曲部111bは、操作部112での操作内容に応じて、上アングル(いわゆる「アップアングル」と同義)方向、下アングル(いわゆる「ダウンアングル」と同義)方向、左アングル(いわゆる「レフトアングル」と同義)方向、および、右アングル(いわゆる「ライトアングル」と同義)方向の各方向に屈曲し得るようになっている。また、屈曲する量(曲率)についても、操作部112での操作内容次第で調整し得るようになっている。

0020

軟性部111cは、湾曲部111bに連なる部分で、信号線やワイヤ等を内包しつつ、屈曲可能な柔軟性(可撓性)を有して構成されたものである。ただし、軟性部111cは、操作部112の操作に応じて屈曲する湾曲部111bとは異なり、能動的な屈曲を実現可能とする機能は有していない。すなわち、軟性部111cは、周囲の状況(例えば、大腸の腸管形状)に応じて受動的に屈曲し得るものに過ぎない。

0021

(制御本体部)
また図1において、制御本体部12は、例えばCPU、RAM、ROM等を組み合わせて構成されたコンピュータ装置からなるもので、予めインストールされている所定プログラムを実行することで、内視鏡スコープ11を含む内視鏡システム1全体の動作制御を行うものである。具体的には、制御本体部12は、内視鏡スコープ11の先端部111aの投光部から光を照射するように動作指示を与えたり、その先端部111aの撮像素子で得られた画像信号を受け取って必要な画像処理記録処理等を行ったりする。

0022

(第一モニタ部)
第一モニタ部13は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置からなるもので、主として内視鏡スコープ11で取得された画像を内視鏡スコープ11の操作者に対して表示出力するものである。

0023

(DVDレコーダ)
DVDレコーダ14は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)の記録再生装置からなるもので、主として内視鏡スコープ11で取得された画像を必要に応じて記録媒体であるDVDに記録するものである。なお、記録媒体は、画像を記録可能なものであれば、DVD以外のものであっても構わない。また、DVDレコーダ14は、必須の構成ではなく、内視鏡システム1が備えていない場合もあり得る。

0024

(内視鏡システムの使用態様
ここで、以上のような構成の内視鏡システム1の使用態様について簡単に説明する。

0025

内視鏡システム1は、内視鏡スコープ11の挿入部111を被術者(内視鏡検査の被検者)の体内(具体的には腸管内)に挿入して使用する。挿入部111の挿入は、例えば、被術者の肛門から大腸へ向けて行う。このとき、大腸や小腸等は屈曲した複雑な管路形状を有しているため、挿入部111の挿入にあたり、術者(内視鏡スコープ11の操作者)は、必要に応じて内視鏡スコープ11の操作部112を操作して挿入部111の湾曲部111bを屈曲させながら、挿入部111の押し込み操作を行う。

0026

ただし、挿入部111の押し込み操作を行う場合には、その挿入部111が体内組織(具体的には、例えば腸壁)と接触してしまうおそれがある。挿入部111と腸壁等との接触は、場合によっては腸管穿孔に繋がる可能性があり、その発生を未然に回避すべきである。
しかしながら、腸壁等との接触が発生し得る箇所は、挿入部111の先端部111aで撮像可能な領域範囲から外れていることが多く、術者の手に伝わる感触のみによって腸壁等との接触の有無を判断することが非常に困難である。

0027

以上のことを鑑み、本実施形態で説明する内視鏡システム1については、内視鏡スコープ11の挿入部111と腸壁等との接触を検知可能にするために、内視鏡用センサシステム2が付随して用いられるように構成されている。

0028

(3)内視鏡用センサシステムの構成
次に、内視鏡用センサシステム2の構成について説明する。内視鏡用センサシステム2は、上述した内視鏡システム1に付随して用いられるものである。

0029

(内視鏡用センサシステム)
内視鏡用センサシステム2は、圧力センサ21と、報知制御部22と、ポータブルレコーダ23と、を備えて構成されている。また、これらのうち、報知制御部22は、制御ボックス部24と、モニタ部(以下「第二モニタ部」という。)25と、を備えて構成されている。そして、制御ボックス部24には、圧力センサ21と第二モニタ部25とが、インタフェースケーブルを介して電気的に接続されている。さらに、制御ボックス部24は、内視鏡システム1の第一モニタ部13ともインタフェースケーブルを介して電気的に接続するようになっている。また、第二モニタ部25には、ポータブルレコーダ23がインタフェースケーブルを介して電気的に接続されている。

0030

(圧力センサ)
圧力センサ21は、腸壁等の体内組織との接触による加圧を検知するものである。加圧検知は、圧力を受けることで生じた変形量に応じて電気的特性が変化する弾性体からなる感圧部材を利用して行う。つまり、圧力センサ21は、感圧部材の電気的特性の変化を利用して、加圧による圧力値の大きさを電気信号として取り出すように構成されている。このような構成で加圧検知を行えば、センサ大型化を抑制しつつ簡素な構成で必要十分な感度分解能等が得られるようになり、内視鏡スコープ11の挿入部111に装着する上で非常に好適なものとなる。

0031

圧力センサ21は、内視鏡スコープ11の挿入部111に装着されている。センサ装着箇所としては、例えば、腸壁等の体内組織との接触が生じ易い先端部111aが挙げられる。ただし、先端部111aに限定されるものではなく、先端部111aと合わせて、または先端部111aに代えて、湾曲部111bや軟性部111c等に装着されていてもよい。湾曲部111bや軟性部111c等についても、体内組織との接触が生じ得るからである。
また、圧力センサ21の挿入部111への装着は、管状の挿入部111の外周を囲うように圧力センサ21を配した状態で行うことが考えられる。ただし、必ずしも挿入部111の外周への装着に限定されるものではなく、柔軟性を有する外皮に被覆された挿入部111の管内に包含されるように装着されたものであってもよい。

0032

なお、以下の説明では、内視鏡スコープ11の挿入部111の先端部111aの外周を囲うように圧力センサ21が装着されている場合を例に挙げる。また、圧力センサ21の具体的な構成については、詳細を後述する。

0033

(報知制御部)
報知制御部22は、圧力センサ21による加圧検知結果を、内視鏡スコープ11の操作者に対して報知するものである。ただし、報知制御部22は、操作者に対する報知を、内視鏡スコープ11への加圧状態の方向性を判別し得る態様で行うようになっている。ここで、「加圧状態の方向性を判別」とは、内視鏡スコープ11に対して加圧があった場合に、加圧された方向をわかるようにすること、または加圧を回避するための方向(すなわち加圧検知の反対方向)をわかるようにすることを意味する。

0034

また、報知制御部22は、表示(例えば光)出力、音出力若しくは振動出力のいずれか一つ、またはこれら複数の組み合わせによって、報知を行うように構成されている。つまり、報知制御部22は、視覚によって認識できる画像または光の表示出力、聴覚によって認識できる音出力、触覚によって認識できる振動出力、またはこれらを適宜組み合わせたものによって、操作者に対する報知を行うのである。より具体的には、液晶ディスプレイ等の表示装置、ランプ警報ブザーバイブレーションシステム等を利用して、センサ検知結果の出力を行うことが考えられる。
なお、以下の説明では、表示出力と音出力とを組み合わせて行う場合を例に挙げる。

0035

また、報知制御部22は、圧力センサ21による加圧検知結果を、その圧力センサ21が検知した加圧量に応じて、段階的に報知するように構成されている。ここで、「段階的」とは、複数の段階を踏まえることを意味する。つまり、報知制御部22は、二つ以上の段階を利用して報知を行うのである。
より好ましくは、報知制御部22は、圧力センサ21による加圧検知結果についての段階的な報知を、少なくとも三つの段階に区分けして行うように構成されている。具体的には、例えば三段階〜六段階のいずれか、より好適には四段階に区分けして、センサ検知結果の出力を行うことが考えられる。
なお、センサ検知結果の段階的な報知に関しては、その詳細を後述する。

0036

以上のような報知を行うために、報知制御部22は、制御ボックス部24と、第二モニタ部25と、を備えて構成されている。

0037

(制御ボックス部)
制御ボックス部24は、例えばCPU、RAM、ROM等を組み合わせて構成されたコンピュータ装置からなるもので、予めインストールされている所定プログラムを実行することで、操作者に対する報知内容を制御するものである。具体的には、制御ボックス部24は、圧力センサ21からの加圧検知信号を受け取って処理するとともに、内視鏡スコープ11で撮像された画像データを第一モニタ部13から受け取って処理することで、圧力センサ21に対する加圧量および加圧位置やその加圧状態の方向性等を認識して、第二モニタ部25における表示出力内容を決定し、その決定した内容による表示出力を第二モニタ部25に指示するように構成されている。さらに、制御ボックス部24は、圧力センサ21による加圧検知結果について、第二モニタ部25での表示出力に加えて、図示しないスピーカ装置を用いて音による出力を行うように構成されている。

0038

(第二モニタ部)
第二モニタ部25は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置からなるもので、制御ボックス部24での処理内容に従いつつ、内視鏡スコープ11での撮像画像と関連付けて、圧力センサ21による加圧検知結果を表示出力するものである。ここで、「撮像画像と関連付け」とは、撮像画像に対する加圧方向がわかるように、撮像画像と加圧方向との関係を明確化することを意味する。このように関連付けられた出力結果を参照することで、内視鏡スコープ11の操作者は、内視鏡スコープ11への加圧状態の方向性を判別し得るようになる。

0039

かかる態様の表示出力を行うために、第二モニタ部25は、内視鏡スコープ11での撮像画像を出力する画像領域25aと、その画像領域25aの周囲に配された複数の表示出力領域25b,25c,25d,25eとを有している。各表示出力領域25b,25c,25d,25eは、いずれも、圧力センサ21による加圧検知結果を出力するためのものであり、段階的な報知に対応し得るものである。

0040

具体的には、第二モニタ部25は、少なくとも内視鏡スコープ11の上下各アングル方向に対応する二つの表示出力領域25b,25cを有するとともに、これら二つの表示出力領域25b,25cが画像領域25aの上方側と下方側のそれぞれに分けて配されており、これら二つの表示出力領域25b,25cが上下各アングル方向の加圧検知結果を個別に表示出力するように構成されている。
さらに詳しくは、第二モニタ部25は、上述した二つの表示出力領域25b,25cに加えて、少なくとも内視鏡スコープ11の左右各アングル方向に対応する二つの表示出力領域25d,25eを有するとともに、これら二つの表示出力領域25d,25eが画像領域25aの左方側と右方側のそれぞれに分けて配されており、合わせて四つの表示出力領域25b,25c,25d,25eが各アングル方向の加圧検知結果を個別に表示出力するように構成されている。

0041

これらの各表示出力領域25b,25c,25d,25eは、第二モニタ部25が有する表示画面25f上に配置されている。つまり、各表示出力領域25b,25c,25d,25eは、内視鏡スコープ11での撮像画像を表示出力する画像領域25aと同一画面上に配置されたものである。したがって、各表示出力領域25b,25c,25d,25eは、第二モニタ部25における表示出力機能を利用して構成されることになる。

0042

なお、ここでは、各表示出力領域25b,25c,25d,25eが第二モニタ部25の表示画面25f上に配置される場合を例に挙げるが、必ずしもこれに限定されることはなく、例えば表示画面25fの周囲にLEDパネル等の表示出力装置付設することによって各表示出力領域25b,25c,25d,25eを実現することも考えられる。

0043

また、ここでは、内視鏡システム1における第一モニタ部13とは別に、内視鏡用センサシステム2が個別に第二モニタ部25を備える場合を例に挙げるが、第一モニタ部13と第二モニタ部25とは、一つのモニタ部で兼用されるものであってもよい。つまり、画像領域25aおよび各表示出力領域25b,25c,25d,25eは、第一モニタ部13において実現されるものであってもよい。また、第一モニタ部13と第二モニタ部25に加えて、さらに他のモニタ部を備えて構成されていてもよく、その場合には多数人で内視鏡スコープ11での撮像画像や圧力センサ21による加圧検知結果等を観察し得るようになる。

0044

(ポータブルレコーダ)
ポータブルレコーダ23は、例えば小型デジタル録画機からなるもので、主として内視鏡スコープ11での撮像画像と圧力センサ21による加圧検知結果とを関連付けた状態で必要に応じて内蔵された半導体メモリに記録するものである。なお、記録は、画像等を記録可能であれば、半導体メモリ以外のものを利用して行っても構わない。また、ポータブルレコーダ23は、必須の構成ではなく、内視鏡用センサシステム2が備えていない場合もあり得る。

0045

(4)圧力センサの一具体例
次に、内視鏡用センサシステム2を構成する圧力センサ21の一具体例について説明する。ここでは、圧力センサ21の一具体例として、内視鏡スコープ11の挿入部111の先端部111aの外周を囲うように装着されるものを例に挙げる。

0046

(圧力センサの基本的な構成例)
図3および図4は、圧力センサの一構成例を模式的に示す説明図である。

0047

図3に示すように、圧力センサ21は、内視鏡スコープ11の挿入部111における被検出箇所(体内組織との接触を検知すべき箇所)に装着される装着部分21aと、その装着部分21aから挿入部111に沿って制御本体部12まで延びる信号線21bと、を有して構成されている。

0048

(装着部分の構成)
装着部分21aは、加圧を検知するための圧力感応部(ただし不図示)を備えつつ、挿入部111の被検出箇所である先端部111aに装着されるように構成された部分であり、さらに詳しくは、先端部111aの外周を全周にわたって囲う環状に形成された部分である。なお、ここでいう「環状」とは、圧力感応部が全周にわたって連続している必要はなく、圧力感応部以外の構成部品も含めて装着部分21aが環状であれば、圧力感応部が周方向分断されているような構成も含む。以下、環状に形成された装着部分21aのことを単に「環状部分」という。

0049

環状部分21aは、当該環状部分21aが備える圧力感応部により外部からの加圧検知を行う。ただし、圧力感応部は、その周方向において複数の加圧検知領域に分割されており、各加圧検知領域が個別に外部からの加圧検知を行い得るように構成されている。具体的には、圧力感応部は、内視鏡スコープ11の挿入部111の上アングル方向(図中における矢印A参照)に対応する加圧検知領域と、下アングル方向(図中における矢印B参照)に対応する加圧検知領域と、左アングル方向(図中における矢印C参照)に対応する加圧検知領域と、右アングル方向(図中における矢印D参照)に対応する加圧検知領域との、少なくとも四つの加圧検知領域に分割されているものとする。なお、各加圧検知領域の位置と挿入部111の各アングル方向とは、挿入部111への環状部分21aの装着後においては、互いの関係が固定的であるものとする。

0050

加圧検知領域の分割数は、上述したように上下左右の各アングル方向に対応する四つであれば、第二モニタ部25における各表示出力領域25b,25c,25d,25eの数と同数となり、当該各表示出力領域25b,25c,25d,25eのそれぞれに個別に対応し得るようになる。ただし、加圧検知領域の分割数は、四つ以上(例えば、十二分割)であってもよい。領域分割数が増えれば、検知可能な加圧の方向性についての分解能を高くすることができる。その一方で、分解能を抑えれば、信号線21bの数の増大を抑制できるので、特に挿入部111に沿わせる信号線21bに関する構成の簡素化や小型化等を容易に実現し得るようになる。加圧検知領域の分割数は、これらのことを考慮しつつ、適宜設定されたものであればよい。なお、加圧検知領域の分割数が各表示出力領域25b,25c,25d,25eの数よりも多い場合には、例えば、分割されたうちの幾つかの加圧検知領域から一つの検出信号を取り出すように構成したり、または各加圧検知領域からの検出信号について制御ボックス部24にて平均化処理を行ったりすることで、各表示出力領域25b,25c,25d,25eに対応させることが考えられる。
圧力感応部における加圧検知領域の領域分割については、さらに詳細を後述する。

0051

(圧力感応部の詳細)
ここで、環状部分21aにおける圧力感応部の構成例について詳細に説明する。
環状部分21aは、例えば、図4(a)に示すような断面構造を有している。図4(a)は、図3中におけるE−E断面を模式的に示している。
図例のように、環状部分21aは、第一電極211と感圧部材212と第二電極213とが順に積層されてなる積層体を備えている。積層体は、フィルム部材214によって覆われている。つまり、環状部分21aは、フィルム部材214によって覆われた積層体を円環状に配することによって構成されている。このとき、積層体は、その積層方向が円環の周方向とほぼ直交するように(すなわち円環の径方向に沿うように)するように配置される。

0052

第一電極211は、細径の線状導電性材料(例えば、銀線金線ステンレススチール線等、径が約100〜500μm程度の導電性金属線材)によって形成され、ある一方向である環状部分21aの周方向に沿って延びるリング状に配設されたものである。

0053

感圧部材212は、圧力を受けることで生じた変形量に応じて電気的特性が変化する弾性体からなるもので、第一電極211の周囲を全周にわたって被覆するチューブ状に形成されたものである。つまり、チューブ状に形成された感圧部材212の中空孔に、第一電極211が挿入されるように構成されている。
感圧部材212において変化する「電気的特性」としては、具体的には電気抵抗静電容量、電圧等が挙げられるが、ここでは電気抵抗が変化するように感圧部材212が構成されている場合を例に挙げる。つまり、感圧部材212を構成する弾性体は、圧力を受けることで生じた変形量に応じて電気抵抗が変化する感圧導電性ゴムからなるものである。このような感圧式導電性ゴムの材料自体については、例えば導電材を含む感圧エストラマのような公知技術を利用して形成されたものであればよく、ここではその詳細な説明を省略する。

0054

第二電極213は、第一電極211の延在方向である一方向とは交差する方向に延びる線状電極からなるものである。第二電極213の延在方向としては、例えば第一電極211の延在方向と略直交する方向が挙げられるが、必ずしもこれに限定されることはなく、第一電極211の延在方向とは平行でなく、必ず交差する方向であればよい。また、第二電極213については、その延在方向に沿って複数のものを所定の間隔で並ぶように配列させることが考えられるが、その配列数が特に限定されることはなく、適宜設定されたものであればよい。配列数が多ければ検出分解能を向上させ得るようになり、配列数が少なければセンサ構成の複雑化を抑制し得るようになる。

0055

このような第二電極213は、例えば異方導電性布213aによって形成することが考えられる。異方導電性布213aは、図4(b)に示すように、非導電性繊維織物213bにおける縦糸または横糸の一部を予め定めた一定の間隔で導電性糸213cに置換したもの、または非導電性繊維の織物213bに予め定めた一定の間隔で導電性糸213cを縫い込んだものである。非導電性繊維としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を用いることが考えられるが、PET以外であっても非導電性のものであれば種類を問わない。ただし、非導電性繊維は、耐熱性および化学的耐性を有することが望ましい。一方、導電性糸213cは、銀糸、金糸、ステンレススチール糸、炭素繊維銀めっきナイロン糸等の細径で導電性および柔軟性を有するものであれば使用することができ、その径は非導電性繊維の繊維径と同程度とすることが望ましい。非導電性繊維および導電性糸213cの径は、数μm〜数十μm程度とすることが考えられる。このような構成によれば、異方導電性布213aとして、例えば厚さが50μm程度で非常に柔軟性に富んだものが得られる。このような異方導電性布213aを用いれば、導電性糸213cが第二電極213として機能することになる。第二電極213となる導電性糸213cの配置間隔は、特に臨界的限度はないが、圧力分布高分解能で測定できるようにするためには0.5〜1.0mm程度とすればよく、用途によっては1〜数cm程度となるようにすることもできる。

0056

フィルム部材214は、積層体の保護膜として機能するもので、防水性絶縁性、化学的耐性および柔軟性等を有した樹脂材料からなるフィルム材(例えば、30μm程度の厚さのポリウレタンフィルム材)によって形成されている。

0057

以上のような積層体を用いて構成された環状部分21aでは、当該積層体のいずれかの箇所が外力によって加圧されると、その加圧箇所の感圧部材212が圧力を受けることで変形する。感圧部材212が変形すると、その変形量に応じて感圧部材212における電気抵抗、すなわち感圧部材212が介在する第一電極211と第二電極213との間の電気抵抗が変化する。したがって、このような構成の環状部分21aを用いれば、第一電極211と第二電極213との間の電気抵抗の大きさをモニタリングすることで、その圧力センサ5に対する加圧を検知することができるようになる。つまり、圧力値を電気抵抗値として取り出すことができ、簡素な構成で必要十分な感度や分解能等が得られる。なお、圧力値を電気抵抗値として取り出すために、第一電極211と第二電極213のそれぞれには、信号線21bが接続されている。

0058

(環状部分の基本的な製造手順)
ここで、上述した構成の環状部分21aの基本的な製造手順を説明する。
図5は、圧力センサの一構成例の基本的な製造手順を示す説明図である。

0059

環状部分21aの製造にあたっては、先ず、図5(a)に示すように、第一電極211の周囲を感圧部材212で被覆して、第一電極211と感圧部材212とが同心状に配置されてなるものを形成する。第一電極211および感圧部材212の全体の軸方向長さは、環状部分21aの周長と同程度とする。なお、感圧部材212による第一電極211の被覆は、チューブ状の感圧部材212の中空孔に第一電極211を挿入することで行うことが考えられるが、必ずしもこれに限定されることはなく、通常の絶縁単線の製造方法と同様に長尺状の被覆体を形成した後に当該被覆体を所定長さに切断することにより作製してもよい。

0060

感圧部材212による第一電極211の被覆体を形成した後は、次いで、所定サイズの異方導電性布213aを用意し、異方導電性布213aの複数の導電性糸213cが第一電極211と直交するように、形成した被覆体を異方導電性布213aの略中央部に載置する。そして、被覆体の載置位置を中心にして、その両側に位置する異方導電性布213aのうちの一方側を折り返し、その一方側の異方導電性布213aを他方の側の異方導電性布213aに短絡しないように重ね合わせる。これにより、異方導電性布213aは、図5(b)に示すように、感圧部材212による第一電極211の被覆体を一方の端縁側に挟んで折り畳まれた状態となる。折り畳まれた異方導電性布213aでは、複数の導電性糸213cのそれぞれが第二電極213を構成する。なお、折り畳まれた異方導電性布213aの間には、折り畳まれた状態の安定化のために、両面テープ接着剤または粘着材を設けてもよい。

0061

異方導電性布213aを折り畳んだ状態とした後は、次いで、図5(c)に示すように、第一電極211および第二電極213のそれぞれに対して個別に信号線21bを接続する。信号線21bとしては、例えばエナメル線等の表面が絶縁された金属線を用いる。なお、信号線21bについては、そのうちの半数を一方の側に(図中における左側)に纏めるように折り曲げ、残りの半数を反対側に纏めるように折り曲げることが考えられる。このようにすれば、複数本の信号線21bが接続されている場合であっても、環状部分21aを構成した際に、その環状部分21aから延びる信号線21bの位置を一箇所に纏めることが可能となるからである。また、信号線21bについては、それぞれの位置が安定するようにするため、粘着テープによって固定するようにしてもよい。さらに、信号線21bについては、表面が絶縁された金属線に代えてフレキシブルプリント配線基板を用いてもよい。

0062

その後は、図5(d)に示すように、第一電極211および感圧部材212を挟んで折り畳まれた状態とされた異方導電性布213aと、そこから延びる信号線21bの一部とを、フィルム部材214によって被覆する。このフィルム部材214は、内面側に粘着材が塗布されているものやヒートシール性フィルムからなるもの等を使用すると、被覆が容易となる。フィルム部材214による被覆後は、その最大厚さ(第一電極211および感圧部材212の配置箇所の厚さ)が、例えば0.9〜1.2mm程度となる。

0063

そして、フィルム部材214による被覆後は、その被覆後の構造体が円環状となるように成形する。これにより、図3に示した環状部分21aが得られることになる。また、第一電極211は実質的にリング状になるとともに、第一電極211、感圧部材212および第二電極213からなる積層体についても環状に配置されることになる。さらに、信号線21bの位置を一箇所に纏めることが可能となる。

0064

なお、このようにして得られる環状部分21aは、図4(a)に示した平坦面の側が内周面に位置し、第一電極211および感圧部材212による突出部分が存在する側が外周面に位置するように成型することが好ましい。そのほうが外部からの加圧を検知する上で好適だからである。

0065

(領域分割の詳細)
ところで、環状部分21aは、上述したように、圧力感応部が少なくとも四つの加圧検知領域に分割されている。ここで、環状部分21aにおける圧力感応部の領域分割について詳細に説明する。
図6は、領域分割の構成例を示す説明図である。

0066

ここでは、図6(a)に示すように、挿入部111の外周を囲うように配された第一電極211および感圧部材212が、四つの加圧検知領域である領域I〜領域IVに分割されている場合を例に挙げる。

0067

領域I〜領域IVに分割された第一電極211および感圧部材212を直線状に展開すると、図6(b)に示すようになる。つまり、領域分割された環状部分21aは、感圧領域215と非感圧領域216とを備えることになる。図例では、領域I〜領域IVのそれぞれに対応して四つの感圧領域215が配され、各感圧領域215の間に非感圧領域216が介在するように配された、いわゆる四分割に構成された場合を示している。ただし領域分割数が四分割に限定されることはなく、八分割、十二分割等とすることも考えられる。領域分割数が多ければ(例えば十二分割)、環状部分21aを円形に近づけることができ、挿入部111の外周への適合性が高くなり、センサ検出感度の向上が図れる。一方、領域分割数が少なければ(例えば四分割)、センサ構成の複雑化を抑制でき、製造コストの低減が図れる。また、感圧領域215と非感圧領域216は必ずしも同数である必要はなく、感圧領域215同士が連続して配置されるような構成もあり得る。ただし、非感圧領域216同士が連続する構成はない。

0068

(感圧領域)
感圧領域215は、加圧による変形量に応じて電気抵抗値が変化する感圧部材212を用いて加圧検知を行うように構成された領域である。つまり、感圧領域215では、当該領域内の全域にわたって第一電極211、感圧部材212および第二電極213の積層体が配されて構成されている。ただし、感圧領域215を構成する感圧部材212は、隣り合う感圧領域215における感圧部材212とは連続しておらず、各感圧領域215の間で分断されている。

0069

(非感圧領域)
非感圧領域216は、当該非感圧領域216を挟んで隣り合う感圧領域215同士を連結する領域である。ただし、非感圧領域216には、感圧領域215とは異なり、感圧部材212が配されていない。つまり、非感圧領域216は、環状部分21aの周方向に沿って延びる第一電極211は存在するが、少なくとも感圧部材212が配されていないことから、加圧検知を行う機能を有していない。

0070

また、非感圧領域216は、各領域215,216の並び方向、すなわち環状部分21aの周方向に伸縮性を有して構成されている。具体的には、非感圧領域216の部分においては、当該非感圧領域216に存在する第一電極211が、環状部分21aの周方向への伸縮性を付与する連結形状に形成されている。「伸縮性を付与する連結形状」とは、環状部分21aに沿って延びるリング状を維持しつつ、その環状部分21aの周方向への伸縮を吸収する緩み(弛み)を有して感圧領域215の部分同士を連結するように構成された形状のことをいい、具体的にはループ状、V字状、U字状、またはこれらに準ずる結線形状のことをいう。

0071

(加圧検知)
以上のように、環状部分21aが感圧領域215と非感圧領域216とに領域分割された構成では、各感圧領域215が分断されて連続していないことから、それぞれの感圧領域215が独立して動作することが可能である。例えば、図6(c)に示すように、領域IIの感圧領域215に対して外部からの強い圧力が局所的に作用した場合には、その感圧領域215が他の感圧領域215の影響を受けることなく独立して加圧検知を行う。そして、その感圧領域215と隣り合う領域I,IIIの感圧領域215に対して、局所的な加圧の影響が及んでしまうこともない。つまり、各感圧領域215の独立性担保されるので、局所的な加圧を適切に検出し得るようになり、その局所的な加圧箇所の隣接箇所対極箇所等でのセンサ誤動作を防止できるようになる。さらに、局所的な加圧を検出し得ることから、ある方向のみから環状部分21aに対して加圧があった場合であっても、その加圧状態の方向性を判別可能に検出することができるようになる。

0072

また、非感圧領域216が伸縮性を有する構成では、環状部分21aの装着箇所(すなわち、挿入部111における被装着箇所)の外形に変形が生じても、その変形に追従し得るようになる。例えば、外部からの局所的な加圧により加圧箇所が凹むように挿入部111の被装着箇所が変形したり、屈曲により挿入部111の被装着箇所が変形した場合であっても、非感圧領域216が伸縮することでその変形に環状部分21aが追従し得るようになり、その変形の影響が感圧領域215に及んでしまうことがない。つまり、非感圧領域216が伸縮性を有していれば、挿入部111の被検出箇所が変形しても、その変形に追従し得るようになり、被検出箇所の変形に起因するセンサ誤検出等が生じるのを抑制できるようになる。

0073

(領域分割された環状部分の製造手順)
ここで、感圧領域215と非感圧領域216とに領域分割された環状部分21aの製造手順を説明する。なお、領域分割を行う場合であっても、基本的な製造手順は、既に説明した通りである(例えば図5参照)。
図7図9は、領域分割を行う場合における圧力センサの一構成例の製造手順を示す説明図である。

0074

領域分割された環状部分21aの製造にあたっては、先ず、既に基本的な製造手順として説明したように、第一電極211の周囲を感圧部材212で被覆して、第一電極211と感圧部材212とが同心状に配置されてなるものを形成する。ただし、このとき、感圧部材212については、図7に示すように、全体の軸方向長さを分割したものを、領域分割数に応じた個数(領域分割数の自然数倍に相当する個数)用意する。図例では、十二個の感圧部材212を用いて四分割された領域を構成する場合、すなわち一つの領域が三つの感圧部材212で構成されており、これら三つの感圧領域212から一つの検出信号が取り出される場合を示している。そして、用意した感圧部材212のそれぞれ(すなわち十二個)が軸方向に沿って並ぶように一列に配置する。
また、第一電極211については、伸縮性を付与する連結形状であるループ状部211aを、複数箇所(例えば三箇所)に設ける。このループ状部211aは、感圧部材212で被覆されず露出したままとなる。つまり、第一電極211におけるループ状部211a以外の部分が感圧部材212で被覆される。ループ状部211aは、各感圧部材212の間にそれぞれ配置してもよいが、センサ構成の複雑化や非感圧領域216の増大等を抑制するため、図例のように三つの感圧部材212置きに配置することが考えられる。なお、ループ状部211aは、伸縮性を付与し得るものであれば、V字状、U字状、またはこれらに準ずる結線形状のものであってもよい。

0075

ループ状部211aを有する第一電極211を各感圧部材212で被覆してなる被覆体を形成した後は、次いで、図8に示すように、所定サイズの異方導電性布213aを用意し、異方導電性布213aの複数の導電性糸213cが第一電極211と直交するように、形成した被覆体を異方導電性布213aに挟んで当該異方導電性布213aを折り畳む。折り畳まれた異方導電性布213aでは、複数の導電性糸213cのそれぞれが第二電極213を構成する。
このとき、ループ状部211aについては、伸縮性が阻害されないように、異方導電性布213aによって覆われないようにする。つまり、異方導電性布213aは、ループ状部211aの箇所で分断されたものとなる。異方導電性布213aの分断は、異方導電性布213aの折り畳み後に切断することによって行ってもよいし、分断後のサイズの異方導電性布213aを予め用意することで行ってもよい。
また、隣り合う感圧部材212同士の間については、各感圧領域215の独立性が阻害されないように、異方導電性布213aに切り込み213dを入れることが好ましい。

0076

異方導電性布213aを折り畳んだ状態とした後は、次いで、第一電極211および第二電極213に対して信号線21bを接続する。
このとき、異方導電性布213aには、感圧部材212が配置されていない箇所(例えば感圧部材212同士の間)を通る導電性糸213cを信号線21bと導通させないために、その導電性糸213cを含む一部領域を切除して切欠き部213eを形成する。切欠き部213eを形成しておけば、例えば感圧部材212が配置されていない箇所を通る導電性糸213cが解れて第一電極211との接触が生じても、電気的短絡が生じてしまうことがない。

0077

その後は、ループ状部211aによる伸縮性が阻害されないようにしつつ、異方導電性布213a等をフィルム部材214で被覆し、その被覆後の構造体が円環状となるように成形する。これにより、感圧部材212の配置箇所が感圧領域215として機能し、感圧部材212が配置されておらずループ状部211aが設けられた箇所が非感圧領域216として機能するように、領域分割がされた環状部分21aが得られることになる。

0078

なお、上述した例では、ループ状部211aが位置する非感圧領域216において異方導電性布213aが完全に分断されており、また電気的短絡防止のために切欠き部213eが形成されている場合を説明したが、異方導電性布213aは、このような構成のものには限定されない。
例えば、図9に示すように、異方導電性布213aは、ループ状部211aによる伸縮性が阻害されなければ、非感圧領域216において完全に分断されたものではなく、ループ状部211aに対応して一部箇所のみが切除された構成のものであってもよい。
また、異方導電性布213aは、切欠き部213eが形成されておらずに、感圧部材212が配置されていない箇所を通る導電性糸213cが当該異方導電性布213aから引き抜かれたもの、すなわち導電性糸213cが配されていない領域213fを有して構成されたものであってもよい。

0079

いずれの構成であっても、異方導電性布213aは、第二電極213を構成する導電性糸213cが感圧領域215に対応する位置のみに配置されたものであればよい。「感圧領域215に対応する位置のみ」とは、非感圧領域216に対応する位置、および、連続配置された感圧領域215と感圧領域215との間に相当する位置を排除する構成を意味する。具体的には、上述したように、導電性糸213cを含む異方導電性布213aの一部を切除する切欠き部213eを設けたり、異方導電性布213aから導電性糸213cを引き抜いたりすることで実現することが考えられる。
このように、導電性糸213cが感圧領域215に対応する位置のみに配置されていれば、非感圧領域216に対応する位置や、連続配置された感圧領域215と感圧領域215との間に相当する位置等には、第二電極213が存在しないことになる。したがって、環状部分21aを周方向に領域分割する場合であっても、電気的短絡等が発生するおそれを排除することができ、電気的短絡等の発生に起因するセンサ誤検出等が生じるのを抑制することができる。

0080

(環状部分の挿入部への装着)
以上の手順で製造される環状部分21aは、内視鏡スコープ11の挿入部111に装着される。挿入部111における被装着箇所としては、既に説明したように、先端部111aが挙げられるが、先端部111a以外の湾曲部111bまたは軟性部111cであってもよい。

0081

挿入部111への環状部分21aの装着は、例えば、両面テープ、接着剤または粘着材を利用して行うことが考えられる。ただし、感圧領域215のみが被装着箇所に対して位置固定され、非感圧領域216については伸縮性が阻害されないように配置することが望ましい。なお、非感圧領域216におけるループ状部211aには、外部との電気的短絡を防止するための絶縁処理(例えば、線材被服処理)が施されるものとする。

0082

(5)報知制御部による処理動作
次に、以上のような圧力センサ21による加圧検知結果を内視鏡スコープ11の操作者に対して報知する際に報知制御部22が行う処理動作例について具体的に説明する。

0083

報知処理動作の概要
内視鏡スコープ11の挿入部111に装着された圧力センサ21は、その圧力センサ21に対する外部からの加圧を検知する。そのとき、圧力センサ21を構成する環状部分21aは、第一電極211が周方向に延びるリング状に形成されているとともに、その略全周を被覆するように感圧部材212が配されていることから、どの方向から外圧が加わっても、そのことを検知することができる。しかも、環状部分21aは、領域分割されており、各感圧領域215の独立性が担保されているので、どの感圧領域215に外圧が加わったかによって加圧状態の方向性についても判別可能に検知することができる。

0084

このような圧力センサ21による加圧検知結果について、報知制御部22は、内視鏡スコープ11の操作者に対して効果的に(すなわち注意喚起効果の実効性を担保しつつ)伝える必要性がある。

0085

効果的であると言えるためには、圧力センサ21(すなわち、内視鏡スコープ11の挿入部111)への加圧状態の方向性を、操作者が直感的に判別できるようにすべきである。具体的には、内視鏡スコープ11の操作者は主として内視鏡スコープ11で撮像された画像に注視しながら上アングル操作、下アングル操作、左アングル操作または右アングル操作等の各操作を行うため、内視鏡スコープ11からみた加圧方向を判別し得る態様で圧力センサ21の加圧検知結果を報知すべきである。このようにすれば、内視鏡スコープ11の挿入部111の先端をどの方向に進めればよいか(またはどの方向に進めてはならないか)を操作者が容易に判別することが可能となり、操作者にとってのナビゲーションとして機能させ得るようになるので、操作者にとっては非常に有用なものとなる。

0086

また、その他にも、効果的であると言えるためには、圧力センサ21(すなわち、内視鏡スコープ11の挿入部111)への加圧量を、操作者が直感的に判別できるようにすべきである。ここで、「加圧量」とは、圧力センサ21に対する加圧の大きさを特定する量のことをいう。代表的な一例としては、単位Nまたは単位kgfで表される力(圧力×面積)の大きさの値が挙げられるが、必ずしも力の大きさの値には限られず、単位面積当たりの圧力値であってもよいし、時間の概念を加味した累積値等であってもよい。
圧力センサ21への加圧量を直感的に判別し得るようにするためには、例えばその圧力センサ21による加圧検知結果を加圧量に応じて段階的に報知することが考えられるが、その場合であっても、各段階をどのように区切るかによっては、必ずしも注意喚起効果の実効性が得られないおそれがある。つまり、注意喚起効果の実効性を担保するためには、具体的にどの程度の加圧量で各段階を区切るかについて適切に設定する必要がある。

0087

これらのことを踏まえた上で、報知制御部22は、制御ボックス部24および第二モニタ部25を用いて、以下に説明するように圧力センサ21による加圧検知結果の報知処理動作を行う。

0088

(制御ボックス部の機能構成
ここで、報知制御部22が報知処理動作を行う上で必要となる、制御ボックス部24の機能構成について説明する。以下に説明する制御ボックス部24の機能は、いずれも、制御ボックス部24にインストールされている所定プログラムを実行するソフトウエア処理によって実現されるものである。

0089

図10は、制御ボックス部の機能構成例を示すブロック図である。
制御ボックス部24は、圧力センサ21からの加圧検知信号を受け取って処理する信号処理手段24aと、圧力センサ21による加圧検知結果について報知処理動作を行う上で必要となるデータを記憶保持するデータ記憶手段24bと、信号処理手段24aでの信号処理結果とデータ記憶手段24bにおける記憶保持データとに基づき圧力センサ21による加圧検知結果を報知する際の報知態様を決定する態様決定手段24cと、第一モニタ部13から受け取った画像データ(すなわち、内視鏡スコープ11での撮像内容を特定する画像データ)と態様決定手段24cによる報知態様の決定結果とに基づき第二モニタ部25で表示すべき画像を形成して当該第二モニタ部25に出力させる画像処理手段24dとしての機能を有している。

0090

(報知処理動作の手順)
以上のような機能構成の制御ボックス部24を備えた報知制御部22では、以下のような手順で報知処理動作を行う。

0091

圧力センサ21による加圧検知結果は、加圧検知信号として制御ボックス部24に入力される。圧力センサ21からの加圧検知信号を受け取ると、制御ボックス部24では、先ず、信号処理手段24aがその加圧検知信号を処理する。具体的には、信号処理手段24aは、圧力センサ21の環状部分21aを構成する各感圧領域215のそれぞれから電気信号を受け取って、各感圧領域215における電極211,213間の電気抵抗値をモニタリングする。そして、予め設定されている演算式を用いて電気抵抗値を圧力センサ21に対する加圧量(例えば、単位Nで表される加圧力の大きさ)に換算することで、各感圧領域215における加圧量の変動を監視する。したがって、信号処理手段24aにおける信号処理後においては、圧力センサ21に対する加圧量やその加圧状態の方向性等を認識し得るようになる。

0092

このとき、制御ボックス部24では、報知処理動作を行う上で必要となるデータをデータ記憶手段24bが記憶保持しているものとする。データ記憶手段24bによる記憶保持データとしては、例えば、圧力センサ21による加圧検知結果を加圧量に応じて段階的に報知する場合に各段階を区分けする加圧量の幅に関するデータ等が挙げられる。なお、記憶保持データの詳細については、具体例を挙げて後述する。このような記憶保持データは、報知処理動作を行う際にデータ記憶手段24bが記憶保持していれば、書き換え可能に設定されたものであってもよい。

0093

信号処理手段24aにおける信号処理後、制御ボックス部24では、態様決定手段24cが圧力センサ21による加圧検知結果を報知する際の報知態様を決定する。具体的には、加圧検知結果の報知にあたり、態様決定手段24cは、例えば加圧状態の方向性を判別し得るように、第二モニタ部25における各表示出力領域25b,25c,25d,25eのいずれを用いて表示出力動作を行うかを決定する。また、態様決定手段24cは、例えばどの程度の大きさで加圧がされているか判別し得るように、各表示出力領域25b,25c,25d,25eがどの段階に対応する表示出力動作を行うかを決定する。

0094

その後、制御ボックス部24では、画像処理手段24dが第二モニタ部25で表示すべき画像を形成し、その形成した画像を第二モニタ部25に出力させる。この画像処理手段24dからの指示に従い、第二モニタ部25は、圧力センサ21による加圧検知結果を、(イ)加圧状態の方向性を判別し得るように内視鏡スコープ11での撮像画像と関連付けた状態で、しかも(ロ)圧力センサ21が検知した加圧量に応じて段階的に、内視鏡スコープ11の操作者に対して表示出力することになる。

0095

以上のように、圧力センサ21による加圧検知結果について、報知制御部22では、(イ)加圧状態の方向性を判別し得る態様で、しかも(ロ)加圧量に応じて段階的に、報知処理動作を行うのである。
以下に、上記(イ)および(ロ)について具体例を挙げつつ、さらに詳しく説明する。

0096

(イ:加圧状態の方向性)
既に説明したように、圧力センサ21を構成する環状部分21aは、内視鏡スコープ11の挿入部111の上アングル方向(図3中の矢印A参照)、下アングル方向(図3中にの矢印B参照)、左アングル方向(図3中の矢印C参照)、右アングル方向(図3中の矢印D参照)のそれぞれに個別に対応するように、分割された複数の感圧領域215を有している。このことを利用して、報知制御部22は、以下に述べる第一具体的態様または第二具体的態様のような報知処理動作を行う。

0097

例えば、第一具体的態様においては、上アングル方向に対応する感圧領域215で加圧を検知した場合であれば、加圧された方向が上アングル方向であることをわかるようにすべく、第二モニタ部25の画像領域25aにて表示される撮像画像からみて上アングル方向に位置する表示出力領域25bを用い、その表示出力領域25bの表示色または表示パターン点灯、点滅等)を可変させて、圧力センサ21による加圧検知結果についての報知を行う。これと同様に、下アングル方向に対応する感圧領域215で加圧を検知した場合であれば、画像領域25aでの表示画像からみて下アングル方向に位置する表示出力領域25cを用いて報知を行う。左アングル方向に対応する感圧領域215で加圧を検知した場合であれば、画像領域25aでの表示画像からみて左アングル方向に位置する表示出力領域25dを用いて報知を行う。右アングル方向に対応する感圧領域215で加圧を検知した場合であれば、画像領域25aでの表示画像からみて右アングル方向に位置する表示出力領域25eを用いて報知を行う。

0098

また、例えば、第二具体的態様においては、上アングル方向に対応する感圧領域215で加圧を検知した場合であれば、加圧を回避するための方向(すなわち加圧検知の反対方向)が下アングル方向であることをわかるようにすべく、第二モニタ部25の画像領域25aにて表示される撮像画像からみて下アングル方向に位置する表示出力領域25cを用い、その表示出力領域25cの表示色または表示パターン(点灯、点滅等)を可変させて、圧力センサ21による加圧検知結果についての報知を行う。これと同様に、下アングル方向に対応する感圧領域215で加圧を検知した場合であれば、画像領域25aでの表示画像からみて上アングル方向に位置する表示出力領域25bを用いて報知を行う。左アングル方向に対応する感圧領域215で加圧を検知した場合であれば、画像領域25aでの表示画像からみて右アングル方向に位置する表示出力領域25eを用いて報知を行う。右アングル方向に対応する感圧領域215で加圧を検知した場合であれば、画像領域25aでの表示画像からみて左アングル方向に位置する表示出力領域25dを用いて報知を行う。

0099

このように、第一具体的態様または第二具体的態様のいずれの場合においても、報知制御部22は、圧力センサ21(すなわち、内視鏡スコープ11の挿入部111)への加圧状態の方向性を判別し得る態様で、その圧力センサ21による加圧検知結果を報知する。したがって、その報知内容を参照すれば、内視鏡スコープ11の操作者は、挿入部111に対してどの方向から加圧がされているかを直感的に判別することができる。さらには、内視鏡スコープ11の挿入部111の先端をどの方向に進めればよいか(またはどの方向に進めてはならないか)を容易に判断することが可能となる。このように、内視鏡スコープ11の操作者にとっては、その報知内容を参照することで、挿入部111を腸管内等に挿入する際のナビゲーションとして機能させ得るようになるので非常に有用なものとなり、挿入部111と腸壁等の体内組織との接触により穿孔等が生じてしまうのを未然に防止することが可能となる。

0100

さらに詳しくは、報知制御部22は、制御ボックス部24と第二モニタ部25とを備える。そして、制御ボックス部24は、圧力センサ21からの加圧検知信号を受け取って処理するとともに、内視鏡スコープ11で撮像された画像データを受け取って処理する。また、第二モニタ部25は、制御ボックス部24での処理内容に従いつつ、内視鏡スコープ11での撮像画像と関連付けて(すなわち、撮像画像に対する加圧方向がわかるように、撮像画像と加圧方向との関係を明確化した状態で)、圧力センサ21による加圧検知結果を表示出力する。
したがって、制御ボックス部24および第二モニタ部25を備えた報知制御部22によれば、制御ボックス部24が圧力センサ21からの加圧検知信号と内視鏡スコープ11で撮像された画像データとの両方を受け取って処理するので、内視鏡スコープ11からみた加圧方向を判別し得るように、内視鏡スコープ11での撮像画像と圧力センサ21による加圧検知結果とを互いに関連付けることができる。そして、制御ボックス部24での処理内容に従いつつ、第二モニタ部25が内視鏡スコープ11での撮像画像と関連付けて圧力センサ21による加圧検知結果を表示出力するので、その第二モニタ部25による出力結果を参照すれば、内視鏡スコープ11の操作者は、挿入部111に対してどの方向から加圧がされているかを直感的に判別することができる。

0101

特に、報知制御部22を構成する第二モニタ部25は、少なくとも内視鏡スコープ11の上下各アングル方向に対応する二つの表示出力領域25b,25cを有しており、これら二つの表示出力領域25b,25cが上下各アングル方向の加圧検知結果を個別に表示出力する。さらに詳しくは、第二モニタ部25は、上述した二つの表示出力領域25b,25cに加えて、少なくとも内視鏡スコープ11の左右各アングル方向に対応する二つの表示出力領域25d,25eを有しており、合わせて四つ表示出力領域25b,25c,25d,25eが各アングル方向の加圧検知結果を個別に表示出力する。このことは、以下に点で非常に有用である。
内視鏡スコープ11の挿入部111と腸壁等の体内組織との接触は、特に当該挿入部111を屈曲させるように内視鏡スコープ11の操作部112をアングル操作したときに生じることが多い。さらに詳しくは、上下アングル操作が多用され、特に上アングル操作が多用される。その場合であっても、上下各アングル方向のそれぞれに対応するように二つの表示出力領域25b,25cが配され、さらに望ましくは上下左右の各アングル方向に対応する四つの表示出力領域25b,25c,25d,25eが配されていれば、各表示出力領域25b,25c,25d,25eにおける表示出力結果を参照することで、内視鏡スコープ11の操作者は、アングル操作により生じた挿入部111と生体組織との接触を容易かつ確実に認識することができる。

0102

以上のような報知を実現可能にする各表示出力領域25b,25c,25d,25eは、内視鏡スコープ11での撮像画像を表示出力する画像領域25aと同一画面上、すなわち第二モニタ部25の表示画面25f上に配置されている。このように、第二モニタ部25の表示画面25f上に各表示出力領域25b,25c,25d,25eが配置されていれば、その表示画面25fの表示出力機能を利用して各表示出力領域25b,25c,25d,25eが構成されることになる。つまり、表示画面25fを制御する画像処理手段24dでのソフトウエア処理によって各表示出力領域25b,25c,25d,25eを構成することが可能となり、表示画面25fとは別にLEDパネル等の表示出力機能を用意する必要がない。したがって、システム構成の簡素化が図れるとともに、第二モニタ部25として既存のディスプレイ装置をそのまま利用することも可能となりシステム構成の汎用性等を高めることも可能となる。

0103

なお、ここでは、各表示出力領域25b,25c,25d,25eを利用して加圧状態の方向性を判別可能にする場合を例に挙げたが、第二モニタ部25での表示出力に加えて、または第二モニタ部25での表示出力に代えて、音による出力を行う場合であれば、複数のスピーカ装置を用意し、これらのスピーカ装置から選択的に出力を行うことで、加圧状態の方向性を判別可能にしてもよい。

0104

(ロ:段階的な報知処理)
続いて、加圧量に応じて段階的に報知処理動作を行う場合について詳しく説明する。

0105

報知制御部22は、圧力センサ21による加圧検知結果を、その圧力センサ21が検知した加圧量に応じて、段階的に報知する。ここでいう「段階的」は、二つ以上の段階を利用して報知を行うことを意味する。そのため、「段階的」には、例えば「安全」と「危険」の二つの段階に区分けして報知を行う場合も含まれる。
このような段階的な報知を行えば、その報知内容を参照することで、内視鏡スコープ11の操作者は、挿入部111に対する加圧が危険なものであるか否か(すなわち体内組織に損傷を与える強さであるか否か)を直感的に判別することができる。したがって、内視鏡スコープ11の操作者に対する注意喚起効果が向上し、内視鏡スコープ11の挿入部111を体腔内に挿入した際に生体組織に穿孔等が生じてしまうのをより一層有効に防止することができる。

0106

より好ましくは、報知制御部22は、圧力センサ21による加圧検知結果についての段階的な報知を、少なくとも三つの段階に区分けして行うことが考えられる。
内視鏡スコープ11の挿入部111と生体組織との接触が生じても、必ずしもそれが直ちに穿孔等に繋がるわけではない。この点、少なくとも三つの段階に区分けして段階的な報知を行えば、内視鏡スコープ11の操作者にとっては、挿入部111と生体組織との接触が危険なものであるか否かのみならず、どの程度の大きさの加圧であるかを容易かつ確実に認識することができ、穿孔等が生じてしまうのを未然に防止する上で非常に有用なものとなる。つまり、少なくとも三つの段階に区分けすれば、危険に至るまでの過程についても段階的に報知されることになり、それぞれの段階についてきめ細やかに直感的かつ詳細に判別できるようになるので、注意喚起効果の更なる向上が期待できる。
ここでいう「少なくとも三つの段階」は、三段階以上で、現実的には多くても六段階程度である。区分けする段階の数が多すぎると、加圧の程度が判別し難くなり、注意喚起効果が薄れるからである。つまり、報知制御部22は、具体的には三段階〜六段階のいずれかに区分けをして、センサ検知結果の出力を行うことが考えられる。例えば、三段階である場合には、「正常(非接触)」「加圧あり(要注意)」「異常(危険)」の各段階を含むことが想定される。

0107

また、より一層好適な具体例として、報知制御部22は、圧力センサ21による加圧検知結果についての段階的な報知を、四つの段階に区分けして行うことが考えられる。四つの段階は、「正常(非接触)」「加圧量小」「加圧量大(要注意)」「異常(危険)」の各段階を含むことが想定される。このように、四つの段階に区分けしてセンサ検知結果の出力を行えば、加圧の程度の判別の容易さを担保しつつ、内視鏡スコープ11の操作者に対する注意喚起効果を十分に確保することが可能である。

0108

以上のような各段階への区分けは、加圧量の値を基準にして各段階の幅を規定することによって行われる。つまり、各段階について個別に規定された加圧量の上限値および下限値によって、各段階が区分けされることになる。このように規定された各段階についての加圧量の上限値および下限値は、各段階を区分けする加圧量の幅に関するデータとして設定されて、制御ボックス部24のデータ記憶手段24bに記憶保持される。

0109

データ記憶手段24bへのデータの記憶保持にあたり、各段階を区分けする加圧量の幅(以下、単に「ステップ幅」という。)については、当該各段階のそれぞれで個別に設定されていてもよい。各段階のステップ幅を当該各段階のそれぞれで個別に設定することが可能であれば、各段階のステップ幅を均等(線形設定)にしたり、または不均等(非線形設定)にしたりすることができ、システム構成の柔軟性や汎用性等を高めることができる。例えば、各段階のステップ幅を不均等に設定すれば、例えば特に注意喚起が必要となる範囲はステップ幅を密にするといったことが実現可能となり、注意喚起効果を高める上で非常に有用なものとなる。

0110

(記憶保持データの詳細)
ここで、制御ボックス部24のデータ記憶手段24bが記憶保持するデータ、すなわち各段階のステップ幅を規定するデータについて、具体例を挙げて詳しく説明する。
なお、以下に挙げる加圧量の具体的な値は、圧力センサ21の環状部分21aにおける一つの感圧領域215に対して加圧される力の大きさ(単位N)を表しているものとする。

0111

例えば、各段階を区分けする加圧量の幅については、一つの段階あたり、0.29N(=30gf)以上30N(=3059gf)以下に設定されている段階を含むようにすることが考えられる。一つの段階を0.29N〜30Nの幅で区分けすれば、注意喚起の効果を良好に得られるからである。
さらに詳しくは、一つの段階を0.29N未満の幅で区分けすると、各段階の区分けが細かくなり過ぎて、注意喚起の効果が小さくなることから、好ましくない。一方、一つの段階が30Nを超える幅で区分けすると、各段階の区分けが粗くなり過ぎて、注意喚起の効果が小さくなることから、好ましくない。また、例えば「安全」と「危険」の二段階の場合を想定すると、一つの段階が30Nを超える幅で区分けした場合には、穿孔等が生じ得る加圧量を超えてもそのことが報知されずに、穿孔等を有効に防止できないおそれが生じてしまう。
なお、かかるステップ幅については、このように設定された段階を一つ以上含んでいればよく、必ずしも全ての段階が満足している必要はない。例えば、「異常(危険)」の段階については、下限値のみが設定されていれば足り、ステップ幅で規定する必要性が小さいからである。

0112

また、より一層好適には、例えば、各段階を区分けする加圧量の幅について、一つの段階あたり、0.39N(=40gf)以上1.96N(=200gf)以下に設定されている段階を含むにすることが考えられる。一つの段階を0.39N〜1.96Nの幅で区分けすれば、特に少なくとも三つの段階に区分けする場合、より具体的には四つの段階に区分けする場合に、より一層好適に注意喚起の効果が得られるからである。
なお、かかるステップ幅についても、上述した場合と同様に、このように設定された段階を一つ以上含んでいればよく、必ずしも全ての段階が満足している必要はない。

0113

以上のことを踏まえた上で、データ記憶手段24bが記憶保持するデータについては、以下に説明する第一具体例または第二具体例のように設定することが考えられる。
図11および図12は、データ記憶手段が記憶保持するデータの具体例を示す説明図である。

0114

第一具体例としては、図11に示すように、段階1〜4の四つの段階に区分けした場合が挙げられる。
段階1〜3については、それぞれを区分けするステップ幅が均等に設定されている。具体的には、段階1が0N(=0gf)以上0.49N(=50gf)未満、段階2が0.49N(=50gf)以上0.98N(=100gf)未満、段階3が0.98N(=100gf)以上1.47N(=150gf)未満といったように、それぞれのステップ幅が0.49N(=50gf)となるように設定されている。段階4については、下限値のみが設定されており、1.47N(=150gf)以上に設定されている。
また、段階1〜4のそれぞれについては、対応する色表示が個別に設定されている。具体的には、段階1が「青」、段階2が「緑」、段階3が「黄」、段階4が「赤」に設定されている。
第一具体例では、以上のような内容のデータが、例えばテーブル形式で、制御ボックス部24のデータ記憶手段24bによって記憶保持される。

0115

また、第二具体例ついても、図12に示すように、段階1〜4の四つの段階に区分けされている。
ただし、第二具体例では、第一具体例の場合とは異なり、それぞれを区分けするステップ幅が不均等に設定されている。具体的には、段階1が0N(=0gf)以上0.49N(=50gf)未満、段階2が0.49N(=50gf)以上0.98N(=100gf)未満、段階3が0.98N(=100gf)以上1.96N(=200gf)未満となるように設定されている。段階4については、下限値のみが設定されており、1.96N(=200gf)以上に設定されている。
また、段階1〜4のそれぞれについては、対応する色表示が個別に設定されている。具体的には、段階1が「青」、段階2が「緑」、段階3が「黄」、段階4が「赤」に設定されている。
第二具体例では、以上のような内容のデータが、例えばテーブル形式で、制御ボックス部24のデータ記憶手段24bによって記憶保持される。

0116

以上のように、第一具体例または第二具体例では、段階4を除き、段階1〜3のそれぞれについて、各段階のステップ幅を0.49N(=50gf)で均一に、または0.49N(=50gf)のステップ幅と0.98N(=100gf)のステップ幅が混在するように設定されている。つまり、ステップ幅の設定値のばらつきを考慮して±10gf程度のマージン幅を加味すると、第一具体例または第二具体例では、各段階を区分けする加圧量の幅について、一つの段階あたり0.39N(=40gf)以上0.59N(=60gf)以下に設定されている段階を含むように、各段階のステップ幅が設定されることになる。さらに、第二具体例では、0.39N(=40gf)以上0.59N(=60gf)以下に設定されている段階に加えて、一つの段階あたり0.88N(=90gf)以上1.08N(=110gf)以下に設定されている段階を含み、これらの各段階が混在することになる。このように各段階を区分けするステップ幅を設定すれば、加圧量に応じて段階的に報知処理動作を行う場合であっても、各段階のステップ幅が適切に設定されたことになり、注意喚起効果の実効性が得られるようになる。

0117

(報知処理動作の具体例)
続いて、データ記憶手段24bにおける記憶保持データを基にして行う報知処理動作について具体的に説明する。ここでは、データ記憶手段24bにおける記憶保持データとして、上述した第一具体例のデータが設定されている場合を例に挙げる。

0118

例えば、圧力センサ21の環状部分21aを構成する各感圧領域215のうち、ある一つの感圧領域215に対して加圧があった場合について考える。
このとき、その加圧について認識した加圧量が0N以上0.49N未満であれば、制御ボックス部24では、データ記憶手段24bにおける記憶保持データを参照しつつ、認識した加圧量が段階1に該当すると判断する。そして、第二モニタ部25の各表示出力領域25b,25c,25d,25eのうち、ある一つの感圧領域215に対応するものについて、その表示色を「青」とすることを決定し、そのような表示出力動作を行うことを第二モニタ部25に指示する。
また、その加圧について認識した加圧量が0.49N以上0.98N未満であれば、制御ボックス部24では、データ記憶手段24bにおける記憶保持データを参照しつつ、認識した加圧量が段階2に該当すると判断する。そして、第二モニタ部25の各表示出力領域25b,25c,25d,25eのうち、ある一つの感圧領域215に対応するものについて、その表示色を「緑」とすることを決定し、そのような表示出力動作を行うことを第二モニタ部25に指示する。
また、その加圧について認識した加圧量が0.98N以上1.47N未満であれば、制御ボックス部24では、データ記憶手段24bにおける記憶保持データを参照しつつ、認識した加圧量が段階3に該当すると判断する。そして、第二モニタ部25の各表示出力領域25b,25c,25d,25eのうち、ある一つの感圧領域215に対応するものについて、その表示色を「黄」とすることを決定し、そのような表示出力動作を行うことを第二モニタ部25に指示する。
また、その加圧について認識した加圧量が1.47N以上であれば、制御ボックス部24では、データ記憶手段24bにおける記憶保持データを参照しつつ、認識した加圧量が段階4に該当すると判断する。そして、第二モニタ部25の各表示出力領域25b,25c,25d,25eのうち、ある一つの感圧領域215に対応するものについて、その表示色を「赤」とすることを決定し、そのような表示出力動作を行うことを第二モニタ部25に指示する。
このとき、制御ボックス部24は、音による出力を合わせて行うようにしてもよい。ただし、音による出力は、必ずしも全ての段階に対応して行う必要はない。具体的には、例えば特に注意喚起が必要な段階4の場合にのみ警報音を出力する、といった態様で音による出力を行うことが考えられる。

0119

このような報知処理動作を、制御ボックス部24は、圧力センサ21の環状部分21aを構成する各感圧領域215のそれぞれについて個別に行う。したがって、第二モニタ部25においては、各表示出力領域25b,25c,25d,25eのうちの複数が同時に段階2〜4に対応した表示色での表示出力動作を行うこともあり得る。

0120

以上のような報知処理動作によって行われる第二モニタ部25での表示出力内容を参照すれば、内視鏡スコープ11の操作者は、内視鏡スコープ11からみた加圧の方向性を直感的に判別できることに加えて、その加圧がどの程度の大きさのものであるかを直感的に判別することができる。しかも、加圧の大きさを判別するために区分けした各段階のステップ幅が適切に設定されていることから、内視鏡スコープ11の操作者に対する注意喚起効果の実効性が得られるようになる。したがって、内視鏡スコープ11の操作者は、内視鏡スコープ11の挿入部111を腸管内等に挿入した際に、体内組織との接触の発生の有無のみならず、その接触の強さ、すなわちその接触による圧力センサ21に対する加圧量についても、的確に把握し得るようになる。つまり、内視鏡スコープ11の操作者は、例えば、体内組織に対する接触の強さを調整(加減)したり、接触の強さが体内組織に損傷を与える強さであるか否かを判断する、といったことを行い得るようになる。

0121

また、以上に説明した例では、(イ)加圧状態の方向性を判別し得る態様で、しかも(ロ)加圧量に応じて段階的に、報知処理動作を行う。したがって、第二モニタ部25に四つ表示出力領域25b,25c,25d,25eだけが存在する場合であっても、その表示出力内容を参照した内視鏡スコープ11の操作者は、腸管の穿孔等が生じてしまうのを回避するために、上下左右の各アングル方向の他にも、これらの間の斜め方向に向けて内視鏡スコープ11の挿入部111を屈曲または移動させればよい、といった判断を直感的に行い得るようになる。つまり、上記(イ)および(ロ)を組み合わせて行えば、上下左右以外の方向についても間接的に教示し得るようになるので、内視鏡スコープ11の操作者に対する注意喚起効果を向上させ得るだけではなく、内視鏡スコープ11の挿入部111を腸管内等に挿入する際のナビゲーションとして機能させる上で非常に有効なものとなる。

0122

なお、以上のような第二モニタ部25での表示出力内容については、内視鏡スコープ11での撮像画像と同期させて、内視鏡スコープ11の挿入部111の体内挿入時のログ情報として、ポータブルレコーダ23で記憶保持することが考えられる。このようにすれば、内視鏡スコープ11によって観察可能となった腸管内等の様子のみならず、その腸管内等での挿入部111と体組織との接触の有無や強さ等についても、これらを互いに関連付けつつ、ログ情報によって事後的に検証することが可能となる。

0123

(評価)
本実施形態の内視鏡システム1および内視鏡用センサシステム2について、を用いた動物実験有用性を検証したところ、以下のような結果が得られた。
検証は、複数人医師内視鏡操作熟練者非熟練者のそれぞれを含む。)に豚の腸管内へのスコープ挿入を、例えばスコープを腸管内に80cm程度押し込む条件で行ってもらい、本実施形態で説明した報知処理動作を行う場合と行わない場合とのそれぞれについて、挿入時の最大押圧力と挿入時間とを測定することによって行った。
その結果、報知処理動作有りの場合は、報知動作無しの場合に比べて、挿入時の最大押圧力が、熟練医師で0〜0.29N(=0〜30gf)程度、非熟練医師で平均0.42N(=43gf)程度減少していることがわかった。また、報知処理動作有りの場合は、報知動作無しの場合に比べて、挿入時間が、熟練医師で平均36秒程度、非熟練医師で平均200秒程度減少していることがわかった。
これらの検証結果から、少なくとも本実施形態の内視鏡用センサシステム2を用いれば、内視鏡スコープ11の操作者にとっては、内視鏡スコープ11への加圧状態の方向性や大きさ等を直感的に判別し得るようになるので、非常に有用であることがわかる。

0124

(6)本実施形態の効果
本実施形態で説明した内視鏡用センサシステム2によれば、以下に述べるいずれか一つまたは複数の効果が得られる。

0125

(a)本実施形態においては、内視鏡スコープ11への加圧状態の方向性を判別し得る態様で、報知制御部22が圧力センサ21による加圧検知結果を報知する。したがって、その報知内容を参照すれば、内視鏡スコープ11からみた加圧方向を判別し得るようになるので、内視鏡スコープ11の操作者は、挿入部111に対してどの方向から加圧がされているかを直感的に判別することができ、内視鏡スコープ11の挿入部111を腸管等の体腔内に挿入した際に生体組織に穿孔等が生じてしまうのを未然に防止することができる。

0126

(b)また、本実施形態においては、表示出力、音出力若しくは振動出力のいずれか一つ、またはこれら複数の組み合わせによって、報知を行う。つまり、内視鏡スコープ11の操作者に対して注意喚起を促し易い手段を用いて報知を行う。したがって、内視鏡スコープ11の操作者にとっては、報知内容を容易に判別することができ、注意喚起効果を向上させる上で好ましいものとなる。

0127

(c)また、本実施形態においては、報知制御部22が制御ボックス部24と第二モニタ部25とを備えて構成されている。そして、制御ボックス部24が圧力センサ21からの加圧検知信号と内視鏡スコープ11で撮像された画像データとの両方を受け取って処理するので、内視鏡スコープ11からみた加圧方向を判別し得るように、内視鏡スコープ11での撮像画像と圧力センサ21による加圧検知結果とを互いに関連付けることができる。さらには、制御ボックス部24での処理内容に従いつつ、第二モニタ部25が内視鏡スコープ11での撮像画像と関連付けて圧力センサ21による加圧検知結果を表示出力するので、その第二モニタ部25による出力結果を参照すれば、内視鏡スコープ11の操作者は、挿入部111に対してどの方向から加圧がされているかを直感的に判別することができる。

0128

(d)また、本実施形態においては、報知制御部22を構成する第二モニタ部25が、少なくとも内視鏡スコープ11の上下各アングル方向に対応する二つの表示出力領域25b,25cを有している。さらに詳しくは、第二モニタ部25は、上述した二つの表示出力領域25b,25cに加えて、少なくとも内視鏡スコープ11の左右各アングル方向に対応する二つの表示出力領域25d,25eを有している。したがって、内視鏡スコープ11の操作部112をアングル操作する際に、上下アングル操作が多用され、特に上アングル操作が多用される場合であっても、各表示出力領域25b,25c,25d,25eにおける表示出力結果を参照することで、内視鏡スコープ11の操作者は、アングル操作により生じた挿入部111と生体組織との接触を容易かつ確実に認識することができる。

0129

(e)また、本実施形態においては、各表示出力領域25b,25c,25d,25eが内視鏡スコープ11での撮像画像を表示出力する表示画面25f上に配置されている。つまり、第二モニタ部25の表示画面25fによる表示出力機能を利用して各表示出力領域25b,25c,25d,25eが構成される。したがって、ソフトウエア処理によって各表示出力領域25b,25c,25d,25eを構成することが可能となり、表示画面25fとは別にLEDパネル等の表示出力機能を用意する必要がないので、システム構成の簡素化が図れるとともに、第二モニタ部25として既存のディスプレイ装置をそのまま利用することも可能となりシステム構成の汎用性等を高めることも可能となる。

0130

(f)また、本実施形態においては、報知制御部22が、圧力センサ21による加圧検知結果を、その圧力センサ21が検知した加圧量に応じて、段階的に報知する。このような段階的な報知を行うことで、内視鏡スコープ11の操作者は、挿入部111に対する加圧が危険なものであるか否か(すなわち体内組織に損傷を与える強さであるか否か)を直感的に判別することができる。したがって、内視鏡スコープ11の操作者に対する注意喚起効果が向上し、内視鏡スコープ11の挿入部111を体腔内に挿入した際に生体組織に穿孔等が生じてしまうのをより一層有効に防止することができる。

0131

(g)また、本実施形態においては、報知制御部22が、圧力センサ21による加圧検知結果についての段階的な報知を、少なくとも三つの段階(好ましくは四つの段階)に区分けして行う。このように、少なくとも三つの段階に区分けして段階的な報知を行えば、内視鏡スコープ11の操作者にとっては、挿入部111と生体組織との接触が危険なものであるか否かのみならず、どの程度の大きさの加圧であるかを容易かつ確実に認識することができるので、注意喚起効果の更なる向上が期待でき、穿孔等が生じてしまうのを未然に防止する上で非常に有用なものとなる。

0132

(h)また、本実施形態においては、圧力センサ21による加圧検知結果についての段階的な報知を行うにあたり、各段階をどのように区切るかについて、すなわち各段階を区分けする加圧量の幅について、具体的な数値の例を挙げて明確に規定している。つまり、本実施形態では、具体的にどの程度の加圧量で各段階を区切るかについて適切に設定した例を明示している。このように、本実施形態によれば、各段階のステップ幅が適切に設定されているので、注意喚起効果の実効性が得られるようになる。このことは、複数人の医師による有用性の検証結果において、挿入時の最大押圧力および挿入時間のいずれも減少していることからも明らかである。

0133

(j)また、本実施形態で説明したように、各段階を区分けする加圧量の幅(ステップ幅)が当該各段階のそれぞれで個別に設定されている場合には、各段階のステップ幅を均等(線形設定)にしたり、または不均等(非線形設定)にしたりすることができ、システム構成の柔軟性や汎用性等を高めることができる。

0134

(7)変形例等
以上に、本発明の実施形態について具体例を挙げて説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。

0135

(圧力感応部)
例えば、上述した実施形態では、圧力センサ21の感圧部材212を構成する弾性体が感圧式導電性ゴムからなり、その感圧部材212における電気抵抗の変化を利用して圧力センサ21が加圧検知を行う場合を例に挙げたが、本発明がこれに限定されることはない。つまり、圧力センサ21は、圧力を受けることで生じた変形量に応じて電気的特性が変化するように構成されており、その電気的特性の変化を利用して加圧検知を行うものであればよい。ここでいう「電気的特性」が変化する圧力センサには、上述した実施形態で説明した電気抵抗が変化するものの他に、例えば、静電容量式の圧力センサや、圧力の大きさに応じた電圧を発生させる圧電素子等が含まれる。
また、感圧部材212を含む積層体についても、上述した実施形態では、チューブ状の感圧部材212によって第一電極211が被覆されるように構成される場合を例に挙げたが、本発明がこれに限定されることはなく、単に第一電極211と第二電極213との間に感圧部材212が介在しているだけのものであってもよい。少なくとも第一電極211と感圧部材212と第二電極213とが順に積層された積層体を備えていれば、圧力センサ21が加圧検知を行うことが可能だからである。
さらに、積層体を構成する第二電極213についても、必ずしも異方導電性布213aによって形成されたものである必要はなく、第一電極211と交差する方向に延びるものであれば、例えば導電性金属線材からなる線状電極を並べて構成されたものであってもよい。

0136

(センサ装着箇所)
また、上述した実施形態では、圧力センサ21の一具体例として、内視鏡スコープ11の挿入部111の先端部111aの外周を囲うように装着されるものを例に挙げている。先端部111aの外周へのセンサ装着を行う場合には、上述した実施形態で説明したように、被検出箇所に装着される装着部分21aを環状に形成することが好ましい。
ただし、圧力センサ21は、内視鏡スコープ11の挿入部111における湾曲部111bや軟性部111c等の外周に装着されていてもよい。湾曲部111bや軟性部111c等についても、体内組織との接触が生じ得るからである。
また、圧力センサ21は、挿入部111の外周ではなく、挿入部111の管内に包含されるように装着されるものであってもよい。挿入部111の管内に包含されていても、挿入部111の外皮が柔軟性を有していれば、その挿入部111への外部からの加圧を検知し得るからである。なお、その場合、圧力センサ21の装着部分21aは、必ずしも環状に形成されている必要はなく、例えば平面状に形成されていてもよい。

0137

(表示出力パターン
また、上述した実施形態では、加圧量に応じた段階的な報知処理動作を行う場合に、第二モニタ部25において、各表示出力領域25b,25c,25d,25eの表示色を段階1であれば「青」、段階2であれば「緑」、段階3であれば「黄」、段階4であれば「赤」といった具合に、順次可変させることを例に挙げている。
ただし、各表示出力領域25b,25c,25d,25eでの表示出力内容は、上述したような色表示の可変に限定されるものではなく、例えば点灯/点滅等の表示表示出力パターン切り替えるものであってもよいし、これと色表示の可変とを組み合わせたものであってもよい。
また、各表示出力領域25b,25c,25d,25e自体についても、上述した実施形態で説明したように第二モニタ部25の表示画面25fによる表示出力機能を利用して構成されたものに限定されることはなく、例えば表示画面25fに付設されたLEDパネル等の表示出力装置によって構成されるものであってもよい。

0138

(方向性に関する撮像画像との関連付け)
また、上述した実施形態では、第二モニタ部25において、画像領域25aの周囲に配された四つの表示出力領域25b,25c,25d,25eにより、内視鏡スコープ11での撮像画像と関連付けて、圧力センサ21による加圧検知結果を表示出力する場合を例に挙げている。つまり、画像領域25aに対する各表示出力領域25b,25c,25d,25eの配置を利用し、圧力センサ21による加圧検知があったら、その加圧があった方向に対応する表示出力領域25b,25c,25d,25eの表示を可変させている。
ただし、加圧状態の方向性に関して、撮像画像との関連付けは、他の態様によるものであっても構わない。具体的には、例えば、各表示出力領域25b,25c,25d,25eでの表示可変に代えて、または当該表示可変と合わせて、圧力センサ21による加圧検知があったら、画像領域25aの周囲に、または画像領域25aにおける表示画像に重ねて、その加圧の方向と大きさがわかるような「矢印画像」を表示するようにしてもよい。

0139

(ステップ幅を規定する加圧量)
また、上述した実施形態では、段階的な報知を行う際の各段階のステップ幅を規定する加圧量について、その具体的な値が単位Nまたは単位kgfで表される力の大きさである場合を例に挙げている。
ただし、各段階のステップ幅を規定する加圧量は、必ずしも力の大きさの値には限られず、単位Paまたは単位N/m2で表される単位面積当たりの圧力値であってもよい。また、その他にも、時間の概念を加味した累積値(時間積分値)を用いることが考えられる。その場合には、例えば、ある大きさの力が予め規定された許容時間以上作用すると、該当する段階のランクが変わる、といったものになる。

0140

1…内視鏡システム、2…内視鏡用センサシステム、11…内視鏡スコープ、21…圧力センサ、21a…環状部分(環状の装着部分)、21b…信号線、22…報知制御部、24…制御ボックス部、24a…信号処理手段、24b…データ記憶手段、24c…態様決定手段、24d…画像処理手段、25…第二モニタ部、25a…画像領域、25b,25c,25d,25e…表示出力領域、25f…表示画面、111…挿入部、112…操作部、211…第一電極、212…感圧部材、213…第二電極、213a…異方導電性布、214…フィルム部材、215…感圧領域、216…非感圧領域

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