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図面 (16)

課題

正常時には定常損失がゼロであり事故発生時には高速電流路遮断することができる高電圧遮断可能な低コスト回路遮断装置を実現する。

解決手段

回路遮断装置1は、第1の外部接続端子T1を有する第1のインダクタ11と、第1のインダクタ11に直列に接続され、機械遮断器24とこれに並列に接続されるスナバ回路25と機械的遮断器24およびスナバ回路25からなる並列回路に直列に接続される機械的断路器26とからなる開閉器12と、第1のインダクタ11と開閉器12とを接続する配線から分岐した配線上に設けられ、内部の半導体スイッチをスイッチング動作させることにより所定の直流電流を出力する半導体電力変換器13と、半導体電力変換器13に対して直列に接続される第2のインダクタ14とを備え、半導体電力変換器13および第2のインダクタ14が同一配線上に位置してなるユニットが開閉器12に対して並列に接続される。

概要

背景

近年、直流を用いた給電システムが注目されている。直流給電システムは、既存の交流給電ステムと比較して変換器損失送電損失および設置コストを低減できる利点がある。日本では、例えば、直流380[V]、変換器容量500[kW]クラスの直流給電システム、路面電車(600[V]、750[V])や直流電車(1000[V]、1500[V])用の直流給電システムなどが実用化されている。また、数10[kV]以上の高圧用途では、例えば将来の大規模洋上風力発電システムの導入を想定し、電圧形変換器を用いた多端子直流送電システムHVDC:high−voltage direct−current)の導入が期待されている。

直流給電システムにおいて地絡事故短絡事故が発生した場合、過電流が発生する。事故発生からの電流増加率([A/s])は、直流給電システムが有する直流インダクタンス反比例する。例えば電圧形変換器を用いて直流電圧を生成した場合、直流インダクタンスが小さいため、過電流が生じる恐れがあるので、高速に動作可能な直流遮断器を設置する必要がある。

直流遮断器は、機械スイッチ方式、半導体スイッチ方式、およびハイブリッド方式の3種類に分類できる。

このうち、機械スイッチ方式は、例えば、真空遮断器ガス遮断器もしくは空気吹遮断器などの機械的遮断器(サーキットブレーカCircuit Breaker)とLC共振回路とを用いて電流を遮断するものである(例えば、非特許文献1参照。)。機械スイッチ方式では、パワーデバイスを使用しないため定常損失は発生しない。

また、半導体スイッチ方式は、パワーデバイス(電力用半導体素子)を用いて遮断器を構成することで、高速な遮断時間(1[ms]以下)を実現する(例えば、非特許文献2参照。)。

また、ハイブリッド方式は、高速動作可能な機械的遮断器とパワーデバイスとを併用することで、電流の高速遮断と損失低減両立する点に特長があり、各種回路が提案されている(例えば、非特許文献3参照。)。図15は、一般的なハイブリッド方式の回路遮断装置を例示する回路図である。例えば図15に示すように、ハイブリッド方式の回路遮断装置100は、電流制限用インダクタ151、機械的遮断器(サーキットブレーカ:Circuit Breaker)152、転流補助半導体スイッチ153、主半導体スイッチ154、アレスタ(非線形抵抗)155より主回路を構成する。正常時は電流制限用インダクタ151、機械的遮断器152、転流補助半導体スイッチ153を介して負荷電力を供給し、地絡短絡などの事故時には転流補助半導体スイッチ153をターンオフすることで主半導体スイッチ154に転流する。転流補助半導体スイッチ153の必要耐圧は主半導体スイッチ154の数%程度であるため、半導体スイッチ方式と比較し定常損失を低減できる利点がある。また、転流に必要な時間は0.2[ms]以下であり、1[ms]以内に開極可能な機械的遮断器152を用いることで、遮断時間を2[ms]以下にすることができる。

概要

正常時には定常損失がゼロであり事故発生時には高速に電流路を遮断することができる高電圧遮断可能な低コストの回路遮断装置を実現する。回路遮断装置1は、第1の外部接続端子T1を有する第1のインダクタ11と、第1のインダクタ11に直列に接続され、機械的遮断器24とこれに並列に接続されるスナバ回路25と機械的遮断器24およびスナバ回路25からなる並列回路に直列に接続される機械的断路器26とからなる開閉器12と、第1のインダクタ11と開閉器12とを接続する配線から分岐した配線上に設けられ、内部の半導体スイッチをスイッチング動作させることにより所定の直流電流を出力する半導体電力変換器13と、半導体電力変換器13に対して直列に接続される第2のインダクタ14とを備え、半導体電力変換器13および第2のインダクタ14が同一配線上に位置してなるユニットが開閉器12に対して並列に接続される。

目的

本発明の目的は、上記問題に鑑み、正常時には定常損失がゼロであり事故発生時には高速に電流路を遮断することができる、直流高電圧を遮断可能な低コストの回路遮断装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

第1の外部接続端子を有する第1のインダクタと、前記第1のインダクタに対して直列に接続され、前記第1のインダクタが接続される側とは反対側に第2の外部接続端子を有する開閉器であって、指令に応じて開極して電流路遮断する機械遮断器と、前記機械的遮断器に対して並列に接続されるスナバ回路と、前記機械的遮断器と前記スナバ回路とからなる並列回路に対して直列に接続され、指令に応じて開極して電流路を遮断する機械的断路器とからなる開閉器と、前記第1のインダクタと前記開閉器とを接続する配線から分岐した配線上に設けられる、1個もしくは互いにカスケード接続された複数個半導体電力変換器であって、内部に設けられた半導体スイッチを指令に応じてスイッチング動作させることにより、所定の直流電流を出力する半導体電力変換器と、前記半導体電力変換器に対して直列に接続される第2のインダクタと、を備え、前記半導体電力変換器および前記第2のインダクタが同一配線上に位置してなるユニットが、前記開閉器に対して並列に接続されることを特徴とする回路遮断装置

請求項2

前記半導体電力変換器は、前記半導体スイッチのスイッチング動作により、前記第2のインダクタまたは当該半導体電力変換器とは異なる他の前記半導体電力変換器が接続される第1の直流側と該第1の直流側とは反対側の第2の直流側とのうち一方から入力された直流電流を所望の大きさおよび極性の直流電流に変換してもう一方に出力するDCDCコンバータであって、直流電流の入出力方向を前記第1の直流側と前記第2の直流側との間で双方向に切換え可能なDCDCコンバータと、前記DCDCコンバータの前記第2の直流側に並列に接続されるエネルギー蓄積部と、前記エネルギー蓄積部に並列に接続され、前記エネルギー蓄積部に印加された直流電圧が、予め設定された電圧以下の場合は所定の抵抗値を示し、それ以外の場合は前記所定の抵抗値よりも低い抵抗値を示す非線形抵抗と、を有する、請求項1に記載の回路遮断装置。

請求項3

前記エネルギー蓄積部は、コンデンサと、前記コンデンサに対して直列に接続され、前記コンデンサに流入する充電電流を阻止する逆阻止ダイオードとからなる、請求項1または2に記載の回路遮断装置。

請求項4

前記エネルギー蓄積部は、前記非線形抵抗に並列に接続される第1のコンデンサと、前記第1のコンデンサの静電容量より大きい静電容量と前記第1のコンデンサの充電電圧よりも低い充電電圧とを有する第2のコンデンサと、前記第2のコンデンサに対して直列に接続され、前記第2のコンデンサに流入する充電電流を阻止する逆阻止ダイオードと、を有し、前記第2のコンデンサと前記逆阻止ダイオードとからなる直列回路が、前記第1のコンデンサに対して並列に接続される、請求項1または2に記載の回路遮断装置。

請求項5

前記第2のインダクタは、互いにカスケード接続された複数個の前記半導体電力変換器のうちのいずれかの半導体電力変換器に直列に接続される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回路遮断装置。

請求項6

前記第1の外部接続端子もしくは前記第2の外部接続端子に接続された外部配線上において過電流が発生したか否かを検知する過電流検知部と、前記機械的遮断器および前記機械的断路器に対する開極動作ならびに前記半導体電力変換器の電力変換動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記過電流検知部による過電流の検知後、前記機械的遮断器に対して開極動作の開始を指令する機械的遮断器用開極指令を出力する第1の指令手段と、前記過電流検知部による過電流の検知後、前記機械的遮断器用開極指令に基づき前記機械的遮断器の開極動作が完了するまでの間に前記機械的遮断器に流れる電流を略ゼロに収束させる直流電流を、前記半導体電力変換器に出力させる電力変換指令を出力する第2の指令手段と、前記機械的遮断器用開極指令が出力されてから所定の期間経過後、前記機械的断路器に対して開極動作の開始を指令する機械的断路器用開極指令を出力する第3の指令手段と、前記機械的遮断器の開極動作が完了した時に、前記半導体電力変換器内の前記半導体スイッチをオフするオフ指令を出力する第4の指令手段と、を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の回路遮断装置。

請求項7

前記スナバ回路は、スナバ用コンデンサスナバ抵抗との直列回路からなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の回路遮断装置。

請求項8

前記半導体スイッチは、オン時に一方向に電流を通す半導体スイッチング素子と、該半導体スイッチング素子に逆並列に接続された帰環ダイオードと、を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の回路遮断装置。

請求項9

前記機械的遮断器は、固定接触子と、前記固定接触子に接触する閉路位置と前記固定接触子から分離される開路位置との間を移動可能な可動接触子と、を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の回路遮断装置。

技術分野

0001

本発明は、地絡短絡などの事故発生時に電流路遮断する回路遮断装置に関し、特に、機械スイッチ方式と半導体スイッチ方式とを併用したハイブリッド方式の回路遮断装置に関する。

背景技術

0002

近年、直流を用いた給電システムが注目されている。直流給電システムは、既存の交流給電ステムと比較して変換器損失送電損失および設置コストを低減できる利点がある。日本では、例えば、直流380[V]、変換器容量500[kW]クラスの直流給電システム、路面電車(600[V]、750[V])や直流電車(1000[V]、1500[V])用の直流給電システムなどが実用化されている。また、数10[kV]以上の高圧用途では、例えば将来の大規模洋上風力発電システムの導入を想定し、電圧形変換器を用いた多端子直流送電システムHVDC:high−voltage direct−current)の導入が期待されている。

0003

直流給電システムにおいて地絡事故短絡事故が発生した場合、過電流が発生する。事故発生からの電流増加率([A/s])は、直流給電システムが有する直流インダクタンス反比例する。例えば電圧形変換器を用いて直流電圧を生成した場合、直流インダクタンスが小さいため、過電流が生じる恐れがあるので、高速に動作可能な直流遮断器を設置する必要がある。

0004

直流遮断器は、機械スイッチ方式、半導体スイッチ方式、およびハイブリッド方式の3種類に分類できる。

0005

このうち、機械スイッチ方式は、例えば、真空遮断器ガス遮断器もしくは空気吹遮断器などの機械的遮断器(サーキットブレーカCircuit Breaker)とLC共振回路とを用いて電流を遮断するものである(例えば、非特許文献1参照。)。機械スイッチ方式では、パワーデバイスを使用しないため定常損失は発生しない。

0006

また、半導体スイッチ方式は、パワーデバイス(電力用半導体素子)を用いて遮断器を構成することで、高速な遮断時間(1[ms]以下)を実現する(例えば、非特許文献2参照。)。

0007

また、ハイブリッド方式は、高速動作可能な機械的遮断器とパワーデバイスとを併用することで、電流の高速遮断と損失低減両立する点に特長があり、各種回路が提案されている(例えば、非特許文献3参照。)。図15は、一般的なハイブリッド方式の回路遮断装置を例示する回路図である。例えば図15に示すように、ハイブリッド方式の回路遮断装置100は、電流制限用インダクタ151、機械的遮断器(サーキットブレーカ:Circuit Breaker)152、転流補助半導体スイッチ153、主半導体スイッチ154、アレスタ(非線形抵抗)155より主回路を構成する。正常時は電流制限用インダクタ151、機械的遮断器152、転流補助半導体スイッチ153を介して負荷電力を供給し、地絡や短絡などの事故時には転流補助半導体スイッチ153をターンオフすることで主半導体スイッチ154に転流する。転流補助半導体スイッチ153の必要耐圧は主半導体スイッチ154の数%程度であるため、半導体スイッチ方式と比較し定常損失を低減できる利点がある。また、転流に必要な時間は0.2[ms]以下であり、1[ms]以内に開極可能な機械的遮断器152を用いることで、遮断時間を2[ms]以下にすることができる。

先行技術

0008

B・バックマン(B.Bachmann)、G・モーザ(G.Mauthe)、E・ルーオス(E.Ruoss)、H・P・リップス(H.P.Lips)著、「500kV風冷式高圧直流給電回路遮断装置(Development of a 500kV AirblastHVDCCircuit Breaker)」、(米国)、米国電気電子学会トランザクションIEEE Transactions)、電気機器およびシステム(Power Apparatus and Systems)、Vol.PAS−104、No.9、pp.2460−2466、1985年9月
C・メイヤーズ(C.Meyer)、S・シュレーダー(S.Schroder)、R・W・デドンカー(R.W.De Doncker)著、「分散電力システムを有する中電圧システムのためのソリッドステート回路遮断装置および電流制限器(Solid−State Circuit Breakers and Current Limiters For Medium−Voltage Systems Having Distributed Power Systems)」、(米国)、米国電気電子学会トランザクション(IEEE Transactions)、パワーエレクトロン(Power Electron)、Vol.19、No.5、pp.1333-1340、2004年9月
M・シュトイラー(M.Steurer)、K・フレーリッヒ(K.Frohlich)、W・ホラウス(W.Holaus)、K・カルテネッガー(K.Kaltenegger)著、「新しい中電圧用ハイブリッド電流制限回路遮断装置:原理および試験結果(A Novel Hybrid Current−Limiting Circuit Breaker For Medium Voltage:Principle and Test Results」、(米国)、米国電気電子学会トランザクション(IEEE Transactions)、パワーデリ(Power Deli)、Vol.18、No.2、pp.460−467、2003年4月

発明が解決しようとする課題

0009

機械スイッチ方式による回路遮断装置は、パワーデバイスを使用しないため定常損失は発生しない利点があるものの、電流遮断までの所要時間(開極時間)が30〜100[ms]と長いため、直流インダクタンスが大きい電流形変換器には適用できるが、電圧形変換器への適用は困難である。

0010

また、半導体スイッチ方式による回路遮断装置は、内部の半導体スイッチには定常的に電流が流れるため、定常損失が発生する問題がある。また、電流遮断時には内部の半導体スイッチに直流電圧以上の高電圧印加されるため、複数のパワーデバイスを直列接続することで高耐圧化を図る必要がある。この場合、半導体スイッチのオン電圧増加が問題となる。例えば、直流320[kV]の場合、半導体スイッチのオン電圧は100[V]以上となる。半導体スイッチには定常的に電流が流れるため、オン電圧に起因する損失低減が課題となる。

0011

また、上述のハイブリッド方式の回路遮断装置は、転流補助半導体スイッチの必要耐圧は主半導体スイッチの数%程度であるため半導体スイッチ方式と比較して定常損失を低減でき、また、機械スイッチ方式と比較しても遮断時間を短縮することができる利点がある。しかしながら、転流補助半導体スイッチには正常時に依然として定常電流が流れるため、定常損失をゼロにはできない。

0012

また、今後の高電圧直流給電システムの適用範囲の拡大に伴い、直流高電圧を遮断可能な低コストの直流遮断システムの開発が望まれる。

0013

従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、正常時には定常損失がゼロであり事故発生時には高速に電流路を遮断することができる、直流高電圧を遮断可能な低コストの回路遮断装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

上記目的を実現するために、本発明においては、回路遮断装置は、第1の外部接続端子を有する第1のインダクタと、第1のインダクタに対して直列に接続され、第1のインダクタが接続される側とは反対側に第2の外部接続端子を有する開閉器であって、指令に応じて開極して電流路を遮断する機械的遮断器と、機械的遮断器に対して並列に接続されるスナバ回路と、機械的遮断器とスナバ回路とからなる並列回路に対して直列に接続され、指令に応じて開極して電流路を遮断する機械的断路器とからなる開閉器と、第1のインダクタと開閉器とを接続する配線から分岐した配線上に設けられる、1個もしくは互いにカスケード接続された複数個半導体電力変換器であって、内部に設けられた半導体スイッチを指令に応じてスイッチング動作させることにより、所定の直流電流を出力する半導体電力変換器と、半導体電力変換器に対して直列に接続される第2のインダクタと、を備え、半導体電力変換器および第2のインダクタが同一配線上に位置してなるユニットが、開閉器に対して並列に接続される。

0015

ここで、半導体電力変換器は、半導体スイッチのスイッチング動作により、第2のインダクタまたは当該半導体電力変換器とは異なる他の半導体電力変換器が接続される第1の直流側とこの第1の直流側とは反対側の第2の直流側とのうち一方から入力された直流電流を所望の大きさおよび極性の直流電流に変換してもう一方に出力するDCDCコンバータであって、直流電流の入出力方向を第1の直流側と第2の直流側との間で双方向に切換え可能なDCDCコンバータと、DCDCコンバータの第2の直流側に並列に接続されるエネルギー蓄積部と、エネルギー蓄積部に並列に接続され、エネルギー蓄積部に印加された直流電圧が、予め設定された電圧以下の場合は所定の抵抗値を示し、それ以外の場合は所定の抵抗値よりも低い抵抗値を示す非線形抵抗と、を有するようにしてもよい。

0016

また、エネルギー蓄積部は、コンデンサと、このコンデンサに対して直列に接続され、コンデンサに流入する充電電流を阻止する逆阻止ダイオードとからなるようにしてもよい。

0017

また、エネルギー蓄積部は、非線形抵抗に並列に接続される第1のコンデンサと、第1のコンデンサの静電容量より大きい静電容量と第1のコンデンサの充電電圧よりも低い充電電圧とを有する第2のコンデンサと、第2のコンデンサに対して直列に接続され、第2のコンデンサに流入する充電電流を阻止する逆阻止ダイオードと、を有し、第2のコンデンサと逆阻止ダイオードとからなる直列回路が、第1のコンデンサに対して並列に接続されるようにしてもよい。

0018

また、第2のインダクタは、互いにカスケード接続された複数個の半導体電力変換器のうちのいずれかの半導体電力変換器に直列に接続されるようにしてもよい。

0019

また、回路遮断装置は、第1の外部接続端子もしくは第2の外部接続端子に接続された外部配線上において過電流が発生したか否かを検知する過電流検知部と、機械的遮断器および機械的断路器に対する開極動作ならびに半導体電力変換器の電力変換動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、過電流検知部による過電流の検知後、機械的遮断器に対して開極動作の開始を指令する機械的遮断器用開極指令を出力する第1の指令手段と、過電流検知部による過電流の検知後、機械的遮断器用開極指令に基づき機械的遮断器の開極動作が完了するまでの間に機械的遮断器に流れる電流を略ゼロに収束させる直流電流を、半導体電力変換器に出力させる電力変換指令を出力する第2の指令手段と、機械的遮断器用開極指令が出力されてから所定の期間経過後、機械的断路器に対して開極動作の開始を指令する機械的断路器用開極指令を出力する第3の指令手段と、機械的遮断器の開極動作が完了した時に、半導体電力変換器内の半導体スイッチをオフするオフ指令を出力する第4の指令手段と、を有する。

0020

また、上述のスナバ回路は、スナバ用コンデンサスナバ抵抗との直列回路からなるようにしてもよい。

0021

また、半導体スイッチは、オン時に一方向に電流を通す半導体スイッチング素子と、この半導体スイッチング素子に逆並列に接続された帰環ダイオードと、を有するようにしてもよい。

0022

また、機械的遮断器は、固定接触子と、固定接触子に接触する閉路位置と固定接触子から分離される開路位置との間を移動可能な可動接触子と、を有するようにしてもよい。

発明の効果

0023

本発明によれば、正常時には定常損失がゼロであり事故発生時には高速に電流路を遮断することができる、直流高電圧を遮断可能な低コストの回路遮断装置を実現することができる。

0024

本発明による回路遮断装置は、機械的遮断器および機械的断路器ならびに半導体電力変換器を備えるいわゆるハイブリッド遮断器であるが、正常時は機械的遮断器および機械的断路器はオンされて電源側から負荷側に電力が供給され、半導体電力変換器はダイオード動作するのみであるので、正常時の回路遮断装置の定常損失をゼロにすることができる。

0025

また、本発明によれば、地絡事故や短絡事故により過電流が発生した場合、機械的遮断器および機械的断路器ならびに半導体電力変換器の動作を適宜制御することにより、高速に電流路を遮断することができる。

0026

また、本発明によれば、電流路の機械的遮断手段として、機械的遮断器と機械的断路器とスナバ回路との組合せを用いるので、機械的遮断器および機械的断路器がともに開極した状態においては、スナバ回路が並列に接続された機械的遮断器の機械接点間に印加される電圧は、機械的断路器の機械的接点間に印加される電圧より小さくなる。すなわち、本発明によれば、回路遮断時において開閉器に印加される電圧の大部分を、価格の安い機械的断路器に印加させるので、直流高電圧を遮断可能な低コストの回路遮断装置を実現することができる。

0027

また、本発明によれば、カスケード接続する半導体電力変換器の個数を適宜調整することによっても回路遮断装置の高耐圧化が可能である。

0028

また、本発明によれば、半導体電力変換器内のDCDCコンバータを4象限DCDCコンバータとして構成することにより、直流電流の振幅および極性に関わりなく電流路を遮断することができる。

図面の簡単な説明

0029

本発明の第1の実施例による回路遮断装置を示す回路図である。
本発明の第1の実施例による回路遮断装置における半導体電力変換器を説明する回路図である。
本発明の第1の実施例による回路遮断装置における第2のインダクタの配置例を説明する回路図(その1)である。
本発明の第1の実施例による回路遮断装置における第2のインダクタの配置例を説明する回路図(その2)である。
本発明の第1の実施例による回路遮断装置における第2のインダクタの配置例を説明する回路図(その3)である。
本発明の第1の実施例による回路遮断装置における制御系を説明するブロック図である。
本発明の第1の実施例による回路遮断装置の動作フローを示すフローチャートである。
本発明の第1の実施例による回路遮断装置内の半導体電力変換器における変換器電流を制御するための電力変換指令を説明する制御ブロック図である。
シミュレーションおよび実験に用いた回路パラメータを説明する図である。
本発明の第1の実施例による回路遮断装置の実験波形を示す図である。
図10拡大波形(機械的遮断器および機械的断路器が開極する前後の波形)を示す図である。
本発明の第1の実施例による回路遮断装置のシミュレーション波形を示す図である。
図12の拡大波形(機械的遮断器および機械的断路器が開極する前後の波形)を示す図である。
本発明の第2の実施例による回路遮断装置を説明する回路図である。
一般的なハイブリッド方式の回路遮断装置を例示する回路図である。

実施例

0030

本発明による回路遮断装置は、第1のインダクタと、機械的遮断器と、半導体電力変換器と、第2のインダクタと、を備える。第1のインダクタは、一端に第1の外部接続端子を有する。機械的遮断器は、指令に応じて開極して電流路を遮断するものであり、第1のインダクタに対して直列に接続され、第1のインダクタが接続される側とは反対側に第2の外部接続端子を有する。半導体電力変換器は、内部に設けられた半導体スイッチを指令に応じてスイッチング動作させることにより所定の直流電流を出力するものであり、第1のインダクタと機械的遮断器とを接続する配線から分岐した配線上に、単独でもしくは複数個が互いにカスケード接続された状態で設けられる。第2のインダクタは、半導体電力変換器もしくは機械的遮断器に対して直列に接続される。第1のインダクタおよび第2のインダクタのうち、いずれか一方が事故電流制限用インダクタであり、もう一方が電流制御用インダクタである。以下、具体的な回路構成について、第1〜第3の実施例にて説明する。

0031

図1は、本発明の第1の実施例による回路遮断装置を示す回路図であり、図2は、本発明の第1の実施例による回路遮断装置における半導体電力変換器を説明する回路図である。以降、異なる図面において同じ参照符号が付されたものは同じ機能を有する構成要素であることを意味するものとする。

0032

本発明の第1の実施例による回路遮断装置1は、第1のインダクタ11と、開閉器12と、半導体電力変換器13と、第2のインダクタ14と、を備える。本発明の第1の実施例による回路遮断装置1は、適用される直流給電システムに対して半導体電力変換器13が直列になるよう設置される。本実施例では、回路遮断装置1が直流遮断器として動作する場合について説明する。この場合、回路遮断装置1は、第1のインダクタ11が電源側になり、かつ開閉器12が負荷側になるよう、直流給電システム上に設置される。

0033

第1のインダクタ11は、一端に第1の外部接続端子T1を有する。第1の外部接続端子T1には電源側の回路が接続される。

0034

開閉器12は、第1のインダクタ11に対して直列に接続され、第1のインダクタ11が接続される側とは反対側に第2の外部接続端子T2を有する。第2の外部接続端子T2には負荷側の回路が接続される。開閉器12は、機械的遮断器(Circuit Breaker)24と、スナバ回路25と、機械的断路器(Disconnecting Switch)26とを備える。

0035

機械的遮断器24は、機械的遮断器用指令に応じて開極して電流路を遮断する。機械的遮断器24は、固定接触子とこの固定接触子に接触する閉路位置と固定接触子から分離される開路位置との間を移動可能な可動接触子とを有し、指令に応じて可動接触子が固定接触子から分離して開極し、電流路を遮断する。機械的遮断器24の例としては、真空遮断器、ガス遮断器もしくは空気吹付遮断器などがある。

0036

スナバ回路25は、機械的遮断器24に対して並列に接続される。本実施例では、スナバ回路25を、スナバ用コンデンサ51(静電容量CS)とスナバ用抵抗52(抵抗値RS)とを直列に接続したRCスナバ回路で構成するが、これ以外の構成でスナバ回路を実現してもよい。スナバ回路25をRCスナバ回路とした場合、各回路パラメータはシミュレーションや実験により適宜設定すればよいが、一例を挙げると、スナバ用コンデンサ51の静電容量CSは9.6[nF]、スナバ用抵抗52の抵抗値RSは1560[Ω]に設定される。

0037

機械的断路器26は、機械的断路器用指令に応じて開極して電流路を遮断する。機械的断路器26は、機械的遮断器24とは異なり、消弧能力を持たず、電流路に電流が流れているときは開閉を行わず、無負荷状態で電流路を開閉するものである。機械的断路器26は、DSもしくはジスコンとも称される。

0038

このように、本発明では、開閉器12内の電流路遮断手段として、機械的遮断器24および機械的断路器26を組み合わせて用いる。このような構成をとることで、開閉器12全体として印加される電圧は、機械的遮断器24に印加される電圧と機械的断路器26に印加される電圧とに分圧されることになる。機械的遮断器24および機械的断路器26がともに開極した状態においては、スナバ回路25が並列に接続された機械的遮断器24の機械接点間に印加される電圧は、機械的断路器26の機械的接点間に印加される電圧よりも小さくなる。また、一般に機械的断路器26の価格は機械的遮断器24の価格よりも大幅に安い。したがって、回路遮断時において開閉器12に印加される電圧の大部分を、価格の安い機械的断路器26に印加させる本発明による回路遮断装置1は、直流電圧が超高圧の場合(例えば250[kV])にも対応することができる。

0039

半導体電力変換器13は、第1のインダクタ11と開閉器12とを接続する配線から分岐した配線上に、単独でもしくは複数個が互いにカスケード接続された状態で設けられる。なお、本明細書では、半導体電力変換器13が1個の場合は第2のインダクタ14が接続される側を「第1の直流側」と称し、複数個の半導体電力変換器13が互いにカスケード接続される場合は当該半導体電力変換器13とは異なる他の半導体電力変換器13が接続される側を同じく「第1の直流側」と称する。また、「第1の直流側」とは反対側の直流側を、「第2の直流側」と称する。一例として、図1では、複数個(N個、ただしNは2以上の整数)の半導体電力変換器13が第1の直流側にて互いにカスケード接続された場合を示している。カスケード接続する半導体電力変換器13の個数を適宜調整するだけで回路遮断装置1の高耐圧化を容易に実現できる。

0040

半導体電力変換器13は、DCDCコンバータ21と、エネルギー蓄積部22と、非線形抵抗23と、を有し、DCDCコンバータ21の内部に設けられた半導体スイッチを指令に応じてスイッチング動作させることにより所定の直流電流を出力する。

0041

半導体電力変換器13内のDCDCコンバータ21は、いわゆる4象限DCDCコンバータとして構成される。すなわち、DCDCコンバータ21は、半導体スイッチSのスイッチング動作により、第1の直流側および第2の直流側のうち一方から入力された直流電流を所望の大きさおよび極性の直流電流に変換してもう一方に出力するものであり、直流電流の入出力方向は、第1の直流側と第2の直流側との間で双方向に切換え可能である。半導体電力変換器13内のDCDCコンバータ21を4象限DCDCコンバータとして構成することにより、直流電流の振幅および極性に関わりなく電流路を遮断することができる。半導体スイッチは、オン時に一方向に電流を通す半導体スイッチング素子Sと、この半導体スイッチング素子Sに逆並列に接続された帰環ダイオードDとで構成される。半導体スイッチング素子Sの例としては、IGBTサイリスタGTO(Gate Turn−OFFthyristor:ゲートターンオフサイリスタ)、トランジスタなどがあるが、スイッチング素子の種類自体は本発明を限定するものではなく、その他の半導体素子であってもよい。

0042

半導体電力変換器13内のエネルギー蓄積部22は、DCDCコンバータ21の第2の直流側に並列に接続される。本実施例では、エネルギー蓄積部22は、直流コンデンサ53と、直流コンデンサ53に対して直列に接続され、直流コンデンサ53に流入する充電電流を阻止する逆阻止ダイオード54と、の直列回路からなる。直流コンデンサ53を初期充電するために、初期充電回路別途設ける必要があるが、ここでは図示を省略している。

0043

半導体電力変換器13内の非線形抵抗23は、エネルギー蓄積部22に並列に接続され、エネルギー蓄積部22に印加された直流電圧が、予め設定された電圧(以下、「動作電圧」と称する。)以下の場合は所定の抵抗値を示し、それ以外の場合は所定の抵抗値よりも低い抵抗値を示す素子である。非線形抵抗23の例としては、MOV(Metal Oxide Variable Resistor)(「バリスタ」あるいは「アレスタ」とも称する)がある。非線形抵抗23の動作電圧は、使用するパワーデバイスの電圧定格に制限される。例えば、3.3[kV]耐圧のパワーデバイスを使用する場合、非線形抵抗23の動作電圧VClampは3.3[kV]以下に設定する必要がある。

0044

直流コンデンサ22と非線形抵抗23とは並列に接続されているので、第1のインダクタ11および第2のインダクタ14に蓄積されたエネルギーによって直流コンデンサ22が充電される際には、直流コンデンサ22の充電電圧が徐々に上昇して非線形抵抗23の動作電圧に達すると、その後は直流コンデンサ22の充電電圧は非線形抵抗23の動作電圧にてクランプされ、第1のインダクタ11および第2のインダクタ14に蓄積されたエネルギーは非線形抵抗23にて消費される。なお、エネルギー蓄積部22および非線形抵抗23については、上述のような直流コンデンサ22の充電および非線形抵抗23による消費の一連の動作を行うものであれば他の素子で実現してもよく、例えば、2次電池あるいは電気二重層キャパシタなどに置き換えてもよい。

0045

第2のインダクタ14は、半導体電力変換器13に対して直列に接続される。複数個の半導体電力変換器13が互いにカスケード接続される場合は、第2のインダクタ14は、互いにカスケード接続された複数個の半導体電力変換器13のうちのいずれかの半導体電力変換器に直列に接続される。図3図5は、本発明の第1の実施例による回路遮断装置における第2のインダクタの配置例を説明する回路図である。例えば、図3および図4に示すように、第2のインダクタ14は、カスケード接続の両端に位置する半導体電力変換器13のうちのいずれかの半導体電力変換器13の、当該半導体電力変換器13が接続されていない側に設置される。また例えば、図5に示すように、第2のインダクタ14は、互いに隣接した半導体電力変換器13の間に設置される。

0046

なお、半導体電力変換器13が1個の場合は、第2のインダクタ14は単に当該半導体電力変換器13に直列に接続される。

0047

複数個の半導体電力変換器13がカスケード接続される場合および半導体電力変換器13が1個の場合のいずれの場合であっても、半導体電力変換器13および第2のインダクタ14が同一配線上に位置してなるユニットは、開閉器12に対して並列に接続される。すなわち、半導体電力変換器13および第2のインダクタ14が同一配線上に位置してなるユニットは、第1のインダクタ11と開閉器12との接続点Aに接続される。

0048

本発明の第1の実施例では、上述のように第1のインダクタ11、開閉器12、半導体電力変換器13および第2のインダクタ14を結線する。第1の外部接続端子T1および第2の外部接続端子T2それぞれに対応してグランド端子G1およびG2が設けられる。

0049

なお、本実施例では、回路遮断装置1が直流遮断器として動作する場合について説明したが、回路遮断装置2は直流遮断器として動作するほかに交流遮断器としても動作可能であり、この場合は、端子G1およびG2は第1の外部接続端子T1および第2の外部接続端子T2の極性とは反対の極性を有する端子となる。また、回路遮断装置1が交流遮断器として動作する場合、半導体電力変換器13内のDCDCコンバータ21は、DCACコンバータ直流交流変換器)として動作する。この場合、DCACコンバータの直流側は上述の「第2の直流側」に相当し、交流側は上述の「第1の直流側」に相当する。

0050

図1に示す例では、第1の外部接続端子T1およびグランド端子G1からなる側を電源側とし、第2の外部接続端子T2およびグランド端子G2からなる側を負荷側としている。したがって、第1のインダクタ11は事故電流制限用インダクタとして機能し、第2のインダクタ14は電流制御用インダクタとして機能する。

0051

これ以降、電源側直流電圧をVdc、負荷電圧をvL、機械的遮断器24の両端に現れる電圧をvCB、機械的断路器26の両端に現れる電圧をvDS、半導体電力変換器13のカスケード接続される側の半導体電力変換器13の合計電圧をvHBで表す。また、各半導体電力変換器13に並列に接続された直流コンデンサの電圧をvC1、・・・、vCNで表す(ただし、Nは自然数)。非線形抵抗23の両端に現れる電圧をvMOVで表す。また、第1の外部接続端子T1から接続点Aに流れる電流を電源電流iSとし、接続点Aから第2の外部接続端子T2に流れる電流を負荷電流iCBとし、接続点Aから半導体電力変換器13へ流れる電流を変換器電流iConとする。なお、図中の電圧および電流については、それぞれ矢印の向きを正としている。

0052

図6は、本発明の第1の実施例による回路遮断装置における制御系を説明するブロック図である。回路遮断装置1は、その制御系として、過電流検出部31および制御部32を有する。

0053

過電流検知部31は、第2の外部接続端子T2に接続された負荷側の外部配線上において過電流が発生したか否かを検知する。本実施例では、第2の外部接続端子T2およびグランド端子G2からなる側を負荷側としたので、過電流検知部31は、第2の外部接続端子T2に接続された負荷側の外部配線上の過電流の発生の有無を検知するものとしたが、第1の外部接続端子T1およびグランド端子G1からなる側を負荷側とした場合は、過電流検知部31は、第1の外部接続端子T1に接続された負荷側の外部配線上の過電流の発生の有無を検知するようにすればよい。過電流検出部31による過電流発生の検知は公知の方法で実現すればよい。例えば、地絡や短絡などの事故が発生すると電源電流iSが増加するので、電流検出器(図示せず)を用いて電源電流iSを常時監視し、電源電流iSが定格電流より所定の値だけ大きくなった場合に「過電流発生」と判定する。過電流発生の判断に用いられる基準電流値は、例えば定格電流120%に設定するなど、必要に応じて適宜設定すればよい。

0054

制御部32は、開閉器12内の機械的遮断器24および機械的断路器26に対する開極動作ならびに半導体電力変換器13の電力変換動作を制御する。すなわち、制御部32は、過電流検知部31による過電流の検知後、機械的遮断器24に対して開極動作の開始を指令する機械的遮断器用開極指令を出力する第1の指令手段41と、過電流検知部31による過電流の検知後、機械的遮断器用開極指令に基づき機械的遮断器24の開極動作が完了するまでの間に機械的遮断器24に流れる電流を略ゼロに収束させる直流電流を、半導体電力変換器13に出力させる電力変換指令を出力する第2の指令手段42と、機械的遮断器用開極指令が出力されてから所定の期間経過後、機械的断路器26に対して開極動作の開始を指令する機械的断路器用開極指令を出力する第3の指令手段43と、機械的遮断器24の開極動作が完了した時に、半導体電力変換器13内の半導体スイッチSをオフする指令を出力する第4の指令手段44と、を有する。

0055

第1の指令手段41、第2の指令手段42、第3の指令手段43および第4の指令手段44は、例えばソフトウェアプログラム形式構築されてもよく、あるいは各種電子回路とソフトウェアプログラムとの組み合わせで構築されてもよい。例えばこれらの手段をソフトウェアプログラム形式で構築する場合は、制御部32内の演算処理装置はこのソフトウェアプログラムに従って動作することで上述の各手段の機能が実現される。

0056

図7は、本発明の第1の実施例による回路遮断装置の動作フローを示すフローチャートである。ここでは一例として、時刻t0で負荷側に地絡もしくは短絡の事故が発生して過電流が発生した場合を考える。

0057

回路遮断装置1は、負荷側に過電流が発生していないとき、正常動作を行う(ステップS101)。すなわち正常時では開閉器12内の機械的遮断器24および機械的断路器26はオンされて電源側から負荷側に電力が供給される。このとき、半導体電力変換器13内の各ダイオードDが機能することにより、半導体電力変換器13そのものはダイオードとして動作し、変換器電流iConはゼロとなる。したがって、正常時の回路遮断装置1の定常損失はゼロである。なお、半導体電力変換器13内のコンデンサCは初期充電されているものとする。

0058

正常時においては、キルヒホッフの電流則より、負荷電流iCBと電源電流iSとは等しく、すなわち「iCB=iS」である。また、第1のインダクタL1における電圧降下は、正常時ではゼロとなるため、負荷電圧vLと電源側直流電圧Vdcとは等しく、すなわち「vL=Vdc」である。

0059

ステップS102において、過電流検知部31は、第2の外部接続端子T2に接続された負荷側の外部配線上において過電流が発生したか否かを検知する。過電流検知部31が過電流を検知しなかったときはステップS101に戻り正常動作を継続する。過電流検知部31が過電流を検知したときはステップS103へ進む。

0060

例えば時刻t1で過電流検知部31が過電流の発生を検知したと仮定する。このとき、回路遮断装置1について、開閉器12における電圧降下を無視すると、式1に示される回路方程式成立する。

0061

0062

式1から、電源電流iSおよび負荷電流iCBは式2のように表される。ただし、式2において、I0は時刻t0における電流を表す。

0063

0064

式2から分かるように、電源電流iSおよび負荷電流iCBは「Vdc/L1」の傾きで1次関数的に増加する。すなわち、第1のインダクタ11のインダクタンスL1を増加させれば事故時の電流増加率を抑制できる。短絡や地絡事故が発生すると電源電流iSは増加するため、過電流検知部31は、電流検出器(図示せず)を用いて電源電流iSを常時監視し、電源電流iSが定格電流より所定の値だけ大きくなった場合(例えば定格電流120%)に「過電流発生」と判定する(時刻t1)。事故発生から事故判断に要する時間「t1−t0」は電源側直流電圧Vdc、第1のインダクタのインダクタンスL1、負荷、基準電流値などに依存する。

0065

ステップS102において過電流検知部31が過電流を検知したとき、ステップS103において、制御部32の第2の指令手段42は、開極指令が出力されてから機械的遮断器24の開極動作が完了するまでの間に機械的遮断器24に流れる電流を略ゼロに収束させる直流電流を、半導体電力変換器13に出力させる電力変換指令を出力する。

0066

また、ステップS102において過電流検知部31が過電流を検知したとき、ステップS103において、制御部32の第1の指令手段41は、機械的遮断器24に対して開極動作の開始を指令する機械的遮断器用開極指令を出力する。

0067

なお、ステップS103における処理とステップS104における処理は同時に実行してもよく、またあるいは、ステップS103とステップS104の処理の順番入れ替えて実行してもよい。

0068

ステップS104において機械的遮断器24に機械的遮断器用開極指令を与えると、機械的遮断器24は開極動作を開始するが(ステップS105)、しかしながら直ちに開極動作を完了するのではなく、機械的遮断器24の機械的構造に起因する遅れ時間が発生し、実際には第1の指令手段41による機械的遮断器用開極指令の出力から少し遅れて機械的遮断器24は開極動作を完了する。例えば、直流電圧が数10[kV]クラスでは1[ms]以下、数100[kV]クラスでは2[ms]程度の遅れ時間が発生する。上述のように、機械的遮断器24は電流が非常に小さい値(例えば数[mA]〜数十[mA])の時に電流路を遮断することが可能であるため、機械的遮断器24を流れる負荷電流iCBをできるだけゼロになるようにする必要がある。そこで、ステップS103において、制御部32の第2の指令手段42は、開極指令が出力されてから機械的遮断器24の開極動作が完了するまでの間に機械的遮断器24に流れる電流を略ゼロに収束させる直流電流を、半導体電力変換器13に出力させる電力変換指令を出力する。半導体電力変換器13内のDCDCコンバータ21内にある半導体スイッチの半導体スイッチング素子Sは受信した電力変換指令に基づいてPWMスイッチング動作を行う。これにより、半導体電力変換器13は電圧vHBを出力する制御電圧源として動作することと等価になる。このとき、式3のような回路方程式が成立する。

0069

0070

本発明の第1の実施例では、制御電圧源については、一例としてPI制御にて実現し、vHBを式4で与える。式4において、Kpは比例ゲインを表し、KI積分ゲインを表し、i*Conは変換器電流の指令値を表す。なお、本実施例ではPI制御を適用したが、PI制御以外の電流制御を適用してもよい。

0071

0072

式4において、右辺フィードバック制御(PI)に相当する。式4を式3に代入すると式5が得られる。

0073

0074

式5に示すように、変換器電流iConはその指令値i*Conに対して2次遅れ応答する。このとき、変換器電流の指令値i*ConをiSに設定して変換器電流iConを電源電流iSに一致させる制御を行えば、負荷電流iCBをゼロにすることができる。負荷電流iCBをゼロにするのに要する時間(すなわち、変換器電流iConを電源電流iSに一致させるのに要する時間)は、半導体電力変換器13のキャリア周波数等価スイッチング周波数ディジタル制御手法に依存する。例えば低損失かつ高スイッチング周波数動作を実現可能な高圧SiCMOSFETを用いれば、負荷電流iCBをゼロにするのに要する時間を1[ms]以下に実現することは十分可能である。

0075

以上を踏まえ、式4に基づく電力変換指令の生成原理を説明すると次の通りである。図8は、本発明の第1の実施例による回路遮断装置内の半導体電力変換器における変換器電流を制御するための電力変換指令を説明する制御ブロック図である。変換器電流の制御では、フィードバック制御を使用する。フィードバック制御に係るブロックB1では、電流検出器(図示せず)によって検出された変換器電流iConと電流検出器(図示せず)によって検出された電源電流iSの差分に対しPI制御を適用することで偏差「iCon−iS」を抑制する。ブロックB1の出力より各半導体電力変換器13に対する電力変換指令v*jが生成される。各半導体電力変換器13に対する電力変換指令v*jは、ブロックB4jにて直流コンデンサ電圧vCj(ただし、j=1〜N)で規格化した後、一般的なPWM変調法(三角波比較)を適用して各半導体電力変換器13内の半導体スイッチSへ与えられる。ここで、各半導体電力変換器13のPWM制御に用いられる三角波キャリア初期位相を180°/N移相する「位相シフトPWM」を適用すれば、等価スイッチング周波数を増加できる。具体的には、キャリア周波数をfCとすると、等価スイッチング周波数は2NfCとなる。等価スイッチング周波数を高く設定することで、電流制御系の向上と電流制御インダクタとしての第2のインダクタ14のインダクタンスの低減を実現できる。

0076

一般に、高圧用途の半導体電力変換器のスイッチング周波数は、スイッチング損失低減の観点から数100[Hz]に設定される。一方、本発明の第1の実施例による回路遮断装置1内の半導体電力変換器13は事故発生時のみPWM動作を行うため、スイッチング損失の増大は問題とならない。半導体電力変換器13として例えば3.3[kV]/1500[A]のSiCパワーモジュール(SiCMOSFETとSiC SBD(Schottky Barrier Diode))を使用した場合、PWM変調には数[kHz]のキャリア周波数適用が想定され、電流制御性の向上が期待できる。同一キャリア周波数を想定した場合、半導体電力変換器13のカスケード数が多くなるような高圧用途において電流制御性が向上する。

0077

図5に戻ると、ステップS105において、機械的遮断器24は、制御部32内の第2の指令手段42からの開極指令に応じて開極動作を開始する。上述のように機械的遮断器24は電流が非常に小さい値(例えば数[mA]〜数十[mA])の時に電流路を遮断することが可能であるが、ステップS103における機械的遮断器24に流れる電流を略ゼロにする処理は、機械的遮断器用開極指令が出力されてから機械的遮断器24の開極動作が完了するまでに要する時間よりも十分短い時間に実行される。

0078

機械的遮断器24の開極動作が完了した後(すなわち第1の指令手段41により機械的遮断器用開極指令が出力されてから所定の期間経過後)、制御部32内の第3の指令手段43は、ステップS106において、機械的断路器26に対して開極動作の開始を指令する機械的断路器用開極指令を出力する(時刻t2)。なお、機械的遮断器24が機械的遮断器用開極指令を受信してから開極動作が完了するまでに要する時間は実験や機械的遮断器24の仕様書などにより知ることができるので、第3の指令手段43による機械的断路器用開極指令を出力するタイミングは、その時間を考慮して、第1の指令手段41により機械的遮断器用開極指令が出力されてから所定の期間経過後に設定すればよい。

0079

ステップS107において、機械的断路器26は、第3の指令手段43からの機械的断路器用開極指令に応じて開極動作を開始する。

0080

機械的断路器26の開極動作が完了した後、ステップS108において、制御部32内の第4の指令手段44は、半導体電力変換器13内の全ての半導体スイッチSをオフする指令を出力する(時刻t3)。制御部32内の第3の指令手段43によるオフ指令を受信して半導体電力変換器13内の全ての半導体スイッチSはターンオフし、電力変換動作は終了する。これにより、半導体電力変換器13内の各ダイオードDのみが機能することになる。このとき、第1のインダクタ11および第2のインダクタ14の蓄積エネルギーは、帰環ダイオードDを介して直流コンデンサ22および非線形抵抗23に放出される。直流コンデンサ22と非線形抵抗23とは並列に接続されているので、半導体スイッチSのターンオフ後(すなわち時刻t3以降の期間)は、第1のインダクタ11および第2のインダクタ14の蓄積エネルギーによって直流コンデンサ22が充電され、電圧vcは、徐々に上昇した後、非線形抵抗23の動作電圧VClampでクランプされる。直流コンデンサ22が当該動作電圧まで充電された後は、蓄積エネルギーは非線形抵抗23にて消費される。

0081

蓄積エネルギーによって直流コンデンサ22が非線形抵抗23の動作電圧まで充電されるまでは、式6に示す回路方程式が成立する。

0082

0083

式6より、直流コンデンサ22の電圧vCおよび電源電流iS(=iCon)は2階定数係数線形微分方程式解くことで算出できる。

0084

直流コンデンサ22が当該動作電圧まで充電された後は、式7に示す回路方程式が成立する。式7において、非線形抵抗23の動作電圧をVClampとする。

0085

0086

式7より、電源電流iSおよび変換器電流iConは1階定数係数線形微分方程式を解くことで算出できる。

0087

次に、本発明の第1の実施例による回路遮断装置のシミュレーション結果および実験結果について説明する。図9は、シミュレーションおよび実験に用いた回路パラメータを説明する図である。シミュレーションには「PSCAD/EMTDC」を使用した。定格直流電源電圧Vdcは300[V]、定格電源電流ISは150[A]、負荷Rは2[Ω]とした。第1のインダクタ(事故時電流制限用インダクタ)のインダクタンスL1は、電流増加率Vdc/L1が50[A/ms]となるよう6[mH]とした。また、半導体電力変換器13の個数Nは3個とした。半導体電力変換器13の三角波キャリアには位相シフトPWMを適用した。半導体電力変換器13の半導体スイッチング素子にはIGBTを用いた。単位静電定数Hは、直流コンデンサの全静電エネルギーを変換器容量で規格化した値(単位は[s])であり、式8で表せる。式8においてPは定格容量(単位は[W])である。

0088

0089

また、半導体スイッチング素子のデッドタイムは4[μs]とした。また、事故発生の判断に用いられる基準電流値は定格電流120%に設定した。また、非線形抵抗23は、動作電圧VClampを300[V]とし、印加される電圧が300[V]以下の場合は無限大の抵抗値を示し、300[V]以上は抵抗値がゼロを示すものとした。

0090

図10は、本発明の第1の実施例による回路遮断装置の実験波形を示す図である。また、図11は、図10の拡大波形(機械的遮断器および機械的断路器が開極する前後の波形)を示す図である。図10および後述する図12において、接続点Aから第2の外部接続端子T2に流れる負荷電流iCB、接続点Aから半導体電力変換器13へ流れる変換器電流iCon、機械的遮断器24の両端に現れる電圧vCB、機械的断路器26の両端に現れる電圧vDSを示す。図11および後述する図13において、接続点Aから第2の外部接続端子T2に流れる負荷電流iCB、機械的遮断器24の両端に現れる電圧vCB、機械的断路器26の両端に現れる電圧vDSを示す。回路遮断装置1に抵抗負荷(2[Ω])を接続したときに時刻t0の時点で回路遮断装置1の至近端で短絡事故が発生した場合を考える。

0091

短絡事故が発生する時刻t0以前における半導体電力変換器13は、半導体電力変換器13内の各ダイオードDが機能することにより、半導体電力変換器13そのものはダイオードとして動作する。この場合、負荷電流iCBは電源電流iSと同じ150[A]となり、キルヒホッフの電流則より変換器電流iConは0[A]となる。

0092

時刻t0において短絡事故が発生したとき、開閉器12に流れる電流をゼロに収束させる直流電流を半導体電力変換器13に出力させる電力変換指令を出力する。これにより半導体電力変換器13内の半導体スイッチSは受信した電力変換指令に基づいてPWMスイッチング動作を行い、変換器電流iConは増加する。

0093

図10および図11に示すように、時刻t1で機械的遮断器24が開極すると機械的遮断器24にはサージ電圧が発生するが、機械的遮断器24に並列に接続されたスナバ回路25により、サージ電圧は−40[V]に抑制できる。時刻t2以降も、半導体電力変換器13は電力変換動作を継続するので、スナバ回路25を介して負荷電流iLが流れる。スナバ回路25を流れる電流は、スナバ用コンデンサ51があるため、直流成分は流れず、交流成分のみ流れる。交流電流のpeak−to−zeroの値は約1.5[A]である。時刻t2における負荷電流iCBは0[A]であり、機械的断路器26はサージ電圧を発生することなく開極している。半導体電力変換器13の電力変換動作開始から電流遮断までの所要時間「t4−t0」は6.8[ms]であり、回路遮断装置1により高速遮断を実現できていることがわかる。

0094

図12は、本発明の第1の実施例による回路遮断装置のシミュレーション波形を示す図である。また、図13は、図12の拡大波形(機械的遮断器および機械的断路器が開極する前後の波形)を示す図である。シミュレーションでは、図10および図11を参照して説明した実験の際に使用した回路パラメータと同じものを使用した。図10および図11に示す実験結果と図12および図13に示すシミュレーション結果とを比較すると、変換器電流iConについて、シミュレーションでは傾きが連続的であるのに対して、実験では不連続に変化していることが分かる。その理由として、第2のインダクタ14に使用する鉄心非線形磁気飽和特性の影響が挙げられる。より詳細にいえば、変換器電流iConが大きくなるほど第2のインダクタ14のインダクタンス値は低減する。第2のインダクタ14の非線形性の影響は変換器電圧vCBと負荷電流iCBにも表れている。図11に示す実験結果と図13に示すシミュレーション結果とを比較すると、変換器電圧vCBと負荷電流iCBの振幅は実験の方が大きい。なお、機械的遮断器24の開極時に発生するサージ電圧のピーク値は開極時の電流値が大きいほど大きくなる。図13から分かるように、実験では電力変換動作を終了(すべての半導体スイッチング素子をターンオフ)した時刻t3で、機械的断路器26の両端に現れる電圧vDSにはサージ電圧が発生している。これは、実験に使用した半導体電力変換器13のIGBTモジュール内部インダクタンスと回路実装に伴う配線インダクタンスに起因するものである。シミュレーションでは、これらのインダクタンスを考慮していないためサージ電圧は発生していない。

0095

図21は、本発明の第2の実施例による回路遮断装置を説明する回路図である。

0096

本発明の第2の実施例による回路遮断装置2において、エネルギー蓄積部22は、非線形抵抗23に並列に接続される第1のコンデンサ55と、第1のコンデンサ55の静電容量より大きい静電容量と第1のコンデンサ55の充電電圧よりも低い充電電圧とを有する第2のコンデンサ56と、第2のコンデンサ56に対して直列に接続され、第2のコンデンサ56に流入する充電電流を阻止する逆阻止ダイオード54と、を有する。第2のコンデンサ56と逆阻止ダイオード54とからなる直列回路が、第1のコンデンサ55に対して並列に接続される。第1のコンデンサ55はスナバ用コンデンサとして機能し、第2のコンデンサ56放電用コンデンサとして機能する。

0097

このように、第2の実施例は、図1に示した第1の実施例におけるエネルギー蓄積部22内の直流コンデンサ53および逆阻止ダイオード54に対して(図14の第2のコンデンサ56および逆阻止ダイオード54に対応)に対して並列に、第1のコンデンサ55を接続したものである。これにより、スナバ用コンデンサとして機能する第1のコンデンサ55の静電容量C1は、放電用コンデンサとして機能する第2のコンデンサ56の静電容量C2のとは無関係にサージ電圧抑制という本来の機能に限定することが可能となり、図1に示した実施例におけるエネルギー蓄積部22に比べて、大幅に小さくすることができる。一例を挙げると、放電用コンデンサとして機能する第2のコンデンサ56の静電容量C2を0.2[F]、充電電圧を40[V]に設定し、スナバ用コンデンサとして機能する第1のコンデンサ55の静電容量C1を0.1[μF]に設定することができる。

0098

本発明の第2の実施例による回路遮断装置2の動作を説明すると次の通りである。半導体電力変換器13内のエネルギー蓄積部22内の第1のコンデンサ55および第2のコンデンサ56について、初期充電回路(図示せず)によって予め充電しておく。短絡事故が発生する時刻t0以前の正常時の回路遮断装置2では、開閉器12内の機械的遮断器24および機械的断路器26はオンされて電源側から負荷側に電力が供給される。このとき、半導体電力変換器13内の各ダイオードDが機能することにより、半導体電力変換器13そのものはダイオードとして動作し、変換器電流iConはゼロとなり、電源電流iSと負荷電流iCBは同一となる。このとき、第1のコンデンサ55および第2のコンデンサ56の電圧はともに初期充電回路によって予め充電された値となる。

0099

時刻t0で過電流検知部31が過電流の発生を検知した直後は、電源電流iSおよび負荷電流iCBは式2に示すように「Vdc/L1」の傾きで1次関数的に増加する。過電流検知部31は、電源電流iSが定格電流より所定の値大きくだけなった場合(例えば定格電流120%)に「過電流発生」と判定する。すると、制御部32の第1の指令手段41は、機械的遮断器24に対して開極動作の開始を指令する機械的遮断器用開極指令を出力する。上述のように、機械的遮断器24に機械的遮断器用開極指令を与えても機械的遮断器24は直ちに開極動作を完了するのではなく、実際には少し遅れて開極動作を完了する。

0100

制御部32の第2の指令手段42は、機械的遮断器用開極指令が出力されてから機械的遮断器24の開極動作が完了するまでの間に機械的遮断器24に流れる電流を略ゼロに収束させる直流電流を、半導体電力変換器13に出力させる電力変換指令を出力する。半導体電力変換器13内のDCDCコンバータ21内にある半導体スイッチの半導体スイッチング素子Sは受信した電力変換指令に基づいてPWMスイッチング動作を行う。これにより、エネルギー蓄積部22内の第2のコンデンサ56に蓄積されていたエネルギーがDCDCコンバータ21によって変換されて、半導体電力変換器13から機械的遮断器24に流れる電流を略ゼロに収束させる直流電流が出力される。機械的遮断器24の開極動作が完了した後(すなわち第1の指令手段41により機械的遮断器用開極指令が出力されてから所定の期間経過後)、制御部32内の第3の指令手段43は、機械的断路器26に対して開極動作の開始を指令する機械的断路器用開極指令を出力する。これにより、機械的断路器26は、第3の指令手段43からの機械的断路器用開極指令に応じて開極動作を開始する。機械的断路器26の開極動作が完了したとき、制御部32内の第4の指令手段44は、半導体電力変換器13内の全ての半導体スイッチSをオフする指令を出力する。制御部32内の第4の指令手段44によるオフ指令を受信して半導体電力変換器13内の全ての半導体スイッチSはターンオフし、電力変換動作は終了する。これにより、半導体電力変換器13内の各ダイオードDのみが機能することになる。このとき、第1のインダクタ11および第2のインダクタ14の蓄積エネルギーは、帰環ダイオードDを介して第1のコンデンサ55に放出され、第1のコンデンサ55の電圧は徐々に上昇する。第1のコンデンサ55の電圧が第2のコンデンサ56の電圧よりも大きくなると、逆阻止ダイオード54が第2のコンデンサ56に充電電流が流れ込むことを阻止するので、第2のコンデンサ56をDCDCコンバータ21の第2の直流側から電気的に切り離すことができる。第1のコンデンサ55の静電容量C1は第2のコンデンサ56の静電容量C2よりも小さいので、第1のコンデンサ55の電圧は急速に立ち上がる。第1のコンデンサ55の電圧が上昇し、非線形抵抗23の動作電圧VClampに達すると、第1のインダクタ11および第2のインダクタ14の蓄積エネルギーは非線形抵抗23にて消費される。上述のように、第1のコンデンサ55の電圧は急速に立ち上がるので、非線形抵抗23の動作電圧VClampに到達する時間を、図1の第1の実施例の場合に比べて大幅に短縮でき、結果的に遮断時間を大幅に短縮することが可能となる。上述した以外の回路構成および動作については図1の第1の実施例の場合と同様であるので、説明は省略する。

0101

1、2回路遮断装置
11 第1のインダクタ
12開閉器
13半導体電力変換器
14 第2のインダクタ
T1 第1の外部接続端子
T2 第2の外部接続端子
21DCDCコンバータ
22エネルギー蓄積部
23非線形抵抗
24機械的遮断器
25スナバ回路
26 機械的断路器
31過電流検出部
32 制御部
41 第1の指令手段
42 第2の指令手段
43 第3の指令手段
44 第4の指令手段
51スナバ用コンデンサ
52スナバ用抵抗
53直流コンデンサ
54逆阻止ダイオード
55 第1のコンデンサ
56 第2のコンデンサ

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