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技術 感光性樹脂組成物、ドライフィルム、プリント配線板、及び感光性樹脂組成物の製造方法

出願人 互応化学工業株式会社日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
発明者 樋口倫也橋本壯一荒井貴川里浩信稲葉真司
出願日 2016年1月19日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2016-008324
公開日 2017年7月27日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 2017-129687
状態 未査定
技術分野 フォトリソグラフィー用材料 高分子組成物 エポキシ樹脂 印刷回路の非金属質の保護被覆 プリント板の材料
主要キーワード 反応性溶液 空気吹 スピロ骨格 ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤 エアバブリング 湿潤塗膜 秒間噴射 支持体付き
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

アルカリ性水溶液による現像性に優れ、しかも硬化物に高い電気絶縁性耐メッキ性及び耐熱性を付与でき、安定性に優れる感光性樹脂組成物を提供する。

解決手段

感光性樹脂組成物は、カルボキシル基含有樹脂(A)と、エチレン性不飽和結合一分子中に少なくとも一つ有する不飽和化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、エポキシ化合物(D)と、有機フィラー(E)とを含有する。カルボキシル基含有樹脂(A)は、ビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ化合物を由来とするカルボキシル基含有樹脂(A1)を含む。エポキシ化合物(D)は、結晶性エポキシ樹脂(D1)を含む。有機フィラー(E)は、カルボキシル基を有する有機フィラー(E1)を含む。

概要

背景

従来、プリント配線板の製造のためには、ソルダーレジスト層メッキレジスト層エッチングレジスト層層間絶縁層等の電気絶縁性の層を形成するために種々の電気絶縁性の樹脂組成物が使用されており、樹脂組成物としては例えば感光性樹脂組成物が使用されている。

感光性樹脂組成物から形成される層に高い耐熱性を付与するために、感光性樹脂組成物にビスフェノールフルオレン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を配合することが提案されている。例えば特許文献1には、フルオレンエポキシメタアクリレート多価カルボン酸又はその無水物と反応させて得られるフルオレン骨格を備えるカルボキシル基含有樹脂を用いることが開示されている。

しかし、ビスフェノールフルオレン骨格を備えるカルボキシル基含有樹脂を含有する感光性樹脂組成物は現像性が良好でない場合が多く、感光性樹脂組成物をアルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物のうち少なくとも一方を含有するアルカリ性水溶液現像することは容易ではない。近年、作業環境の向上、廃棄物処理負担軽減などのために有機アミンを含有する現像液の使用が避けられるようになってきていることから、感光性樹脂組成物がアルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物のうち少なくとも一方を含有するアルカリ性水溶液で現像可能であることが強く求められている。

また、感光性樹脂組成物は、プリント配線板の製造時に適時に使用される場合があり、生産不良が生じないように、保存時の安定性が求められる。

概要

アルカリ性水溶液による現像性に優れ、しかも硬化物に高い電気絶縁性、耐メッキ性及び耐熱性を付与でき、安定性に優れる感光性樹脂組成物を提供する。感光性樹脂組成物は、カルボキシル基含有樹脂(A)と、エチレン性不飽和結合一分子中に少なくとも一つ有する不飽和化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、エポキシ化合物(D)と、有機フィラー(E)とを含有する。カルボキシル基含有樹脂(A)は、ビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ化合物を由来とするカルボキシル基含有樹脂(A1)を含む。エポキシ化合物(D)は、結晶性エポキシ樹脂(D1)を含む。有機フィラー(E)は、カルボキシル基を有する有機フィラー(E1)を含む。

目的

本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、ビスフェノールフルオレン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を用いながら、現像性に優れ、しかも安定性に優れる感光性樹脂組成物、前記感光性樹脂組成物を含有するドライフィルム、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含む層間絶縁層を備えるプリント配線板、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含むソルダーレジスト層を備えるプリント配線板、及び感光性樹脂組成物の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

カルボキシル基含有樹脂(A)と、エチレン性不飽和結合一分子中に少なくとも一つ有する不飽和化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、エポキシ化合物(D)と、有機フィラー(E)と、を含有し、前記カルボキシル基含有樹脂(A)は、下記式(1)で示され、式(1)中、R1〜R8は各々独立に水素炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲンであるビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(a1)と、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)を含むカルボン酸(a2)との反応物である中間体と、飽和又は不飽和の脂環式骨格を有する酸一無水物(a3−1)を含む酸無水物(a3)との反応物であるカルボキシル基含有樹脂であって、重量平均分子量が800〜5000の範囲内であり、多分散度が1.0〜2.9の範囲内である、カルボキシル基含有樹脂(A1)を含み、前記エポキシ化合物(D)は、結晶性エポキシ樹脂(D1)を含み、前記有機フィラー(E)は、カルボキシル基を有する有機フィラー(E1)を含む、感光性樹脂組成物

請求項2

前記酸一無水物(a3−1)は、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。

請求項3

前記酸無水物(a3)は、酸二無水物を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。

請求項4

前記カルボン酸(a2)は、多塩基酸を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。

請求項5

前記多塩基酸は、ジカルボン酸を含む、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。

請求項6

前記有機フィラー(E1)の平均一次粒子径が1μm以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。

請求項7

前記有機フィラー(E1)は、ゴム成分を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。

請求項8

前記ゴム成分は、架橋アクリルゴム架橋NBR、架橋MBS及び架橋SBRから選ばれる少なくとも1つの重合体を含む、請求項7に記載の感光性樹脂組成物。

請求項9

前記有機フィラー(E1)の含有量は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、1〜40質量部の範囲内である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。

請求項10

請求項1乃至9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を含有する、ドライフィルム

請求項11

請求項1乃至9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を含む層間絶縁層を備える、プリント配線板

請求項12

請求項1乃至9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を含むソルダーレジスト層を備える、プリント配線板。

請求項13

下記式(1)で示され、式(1)中、R1〜R8は各々独立に水素、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲンであるビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(a1)と、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)を含むカルボン酸(a2)とを反応させ、それにより得られた中間体と、飽和又は不飽和の脂環式骨格を有する酸一無水物(a3−1)を含む酸無水物(a3)とを反応させて、重量平均分子量が800〜5000の範囲内であり、多分散度が1.0〜2.9の範囲内である、カルボキシル基含有樹脂(A1)を調製する工程と、前記カルボキシル基含有樹脂(A1)を含む前記カルボキシル基含有樹脂(A)と、エチレン性不飽和結合を一分子中に少なくとも一つ有する不飽和化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、結晶性エポキシ樹脂(D1)を含むエポキシ化合物(D)と、カルボキシル基を有する有機フィラー(E1)を含む有機フィラー(E)と、を混合する工程と、を含む、感光性樹脂組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、感光性樹脂組成物ドライフィルムプリント配線板、及び感光性樹脂組成物の製造方法に関し、詳しくはプリント配線板にソルダーレジスト層メッキレジスト層エッチングレジスト層層間絶縁層等の電気絶縁性の層を形成するために適する感光性樹脂組成物、前記感光性樹脂組成物を含有するドライフィルム、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含む層間絶縁層を備えるプリント配線板、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含むソルダーレジスト層を備えるプリント配線板、及び前記感光性樹脂組成物の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、プリント配線板の製造のためには、ソルダーレジスト層、メッキレジスト層、エッチングレジスト層、層間絶縁層等の電気絶縁性の層を形成するために種々の電気絶縁性の樹脂組成物が使用されており、樹脂組成物としては例えば感光性樹脂組成物が使用されている。

0003

感光性樹脂組成物から形成される層に高い耐熱性を付与するために、感光性樹脂組成物にビスフェノールフルオレン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を配合することが提案されている。例えば特許文献1には、フルオレンエポキシメタアクリレート多価カルボン酸又はその無水物と反応させて得られるフルオレン骨格を備えるカルボキシル基含有樹脂を用いることが開示されている。

0004

しかし、ビスフェノールフルオレン骨格を備えるカルボキシル基含有樹脂を含有する感光性樹脂組成物は現像性が良好でない場合が多く、感光性樹脂組成物をアルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物のうち少なくとも一方を含有するアルカリ性水溶液現像することは容易ではない。近年、作業環境の向上、廃棄物処理負担軽減などのために有機アミンを含有する現像液の使用が避けられるようになってきていることから、感光性樹脂組成物がアルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物のうち少なくとも一方を含有するアルカリ性水溶液で現像可能であることが強く求められている。

0005

また、感光性樹脂組成物は、プリント配線板の製造時に適時に使用される場合があり、生産不良が生じないように、保存時の安定性が求められる。

先行技術

0006

特許第4508929号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、ビスフェノールフルオレン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を用いながら、現像性に優れ、しかも安定性に優れる感光性樹脂組成物、前記感光性樹脂組成物を含有するドライフィルム、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含む層間絶縁層を備えるプリント配線板、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含むソルダーレジスト層を備えるプリント配線板、及び感光性樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明に係る感光性樹脂組成物は、カルボキシル基含有樹脂(A)と、エチレン性不飽和結合一分子中に少なくとも一つ有する不飽和化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、エポキシ化合物(D)と、有機フィラー(E)と、を含有する。前記カルボキシル基含有樹脂(A)は、下記式(1)で示され、式(1)中、R1〜R8は各々独立に水素炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲンであるビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(a1)と、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)を含むカルボン酸(a2)との反応物である中間体と、飽和又は不飽和の脂環式骨格を有する酸一無水物(a3−1)を含む酸無水物(a3)との反応物であるカルボキシル基含有樹脂であって、重量平均分子量が800〜5000の範囲内であり、多分散度が1.0〜2.9の範囲内である、カルボキシル基含有樹脂(A1)を含む。前記エポキシ化合物(D)は、結晶性エポキシ樹脂(D1)を含む。前記有機フィラー(E)は、カルボキシル基を有する有機フィラー(E1)を含む。

0009

0010

本発明に係るドライフィルムは、前記感光性樹脂組成物を含有する。

0011

本発明に係るプリント配線板は、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含む層間絶縁層を備える。

0012

本発明に係るプリント配線板は、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含むソルダーレジスト層を備える。

0013

本発明に係る感光性樹脂組成物の製造方法は、カルボキシル基含有樹脂(A1)を調製する工程と、混合工程と、を含む。カルボキシル基含有樹脂(A1)を調製する工程では、下記式(1)で示され、式(1)中、R1〜R8は各々独立に水素、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲンであるビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(a1)と、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)を含むカルボン酸(a2)とを反応させ、それにより得られた中間体と、飽和又は不飽和の脂環式骨格を有する酸一無水物(a3−1)を含む酸無水物(a3)とを反応させて、重量平均分子量が800〜5000の範囲内であり、多分散度が1.0〜2.9の範囲内である、カルボキシル基含有樹脂(A1)を調製する。混合工程では、前記カルボキシル基含有樹脂(A1)を含む前記カルボキシル基含有樹脂(A)と、エチレン性不飽和結合を一分子中に少なくとも一つ有する不飽和化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、結晶性エポキシ樹脂(D1)を含むエポキシ化合物(D)と、カルボキシル基を有する有機フィラー(E1)を含む有機フィラー(E)と、を混合する。

0014

発明の効果

0015

本発明によれば、ビスフェノールフルオレン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を含むことで耐熱性のある硬化物を形成でき、現像性に優れ、しかも安定性に優れた感光性樹脂組成物、前記感光性樹脂組成物を含有するドライフィルム、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含む層間絶縁層を備えるプリント配線板、前記感光性樹脂組成物の硬化物を含むソルダーレジスト層を備えるプリント配線板、及び感光性樹脂組成物の製造方法が得られる。

図面の簡単な説明

0016

図1Aから図1Eは、多層プリント配線板を製造する工程を示す断面図である。

0017

本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」と「メタクリル」のうち少なくとも一方を意味する。例えば、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとのうち少なくとも一方を意味する。

0018

本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、カルボキシル基含有樹脂(A)と、エチレン性不飽和結合を一分子中に少なくとも一つ有する不飽和化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、エポキシ化合物(D)と、有機フィラー(E)とを含有する。

0019

カルボキシル基含有樹脂(A)は、カルボキシル基含有樹脂(A1)を含有する。カルボキシル基含有樹脂(A1)は、下記式(1)で示され、式(1)中、R1〜R8は各々独立に水素、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲンであるビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(a1)と、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)を含むカルボン酸(a2)との反応物である中間体と、酸無水物(a3)との反応物である。カルボキシル基含有樹脂(A1)は、下記式(1)で示されるビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(a1)と、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)を含むカルボン酸(a2)とを反応させ、それにより得られた中間体と、酸無水物(a3)とを反応させることで合成される。酸無水物(a3)は、飽和又は不飽和の脂環式骨格を有する酸一無水物(a3−1)を含む。カルボキシル基含有樹脂(A1)は、重量平均分子量が800〜5000の範囲内であり、多分散度が1.0〜2.9の範囲内である。

0020

0021

式(1)中、R1〜R8は各々独立に水素、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲンである。すなわち、式(1)におけるR1〜R8の各々は、水素でもよいが、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲンでもよい。芳香環における水素が低分子量のアルキル基又はハロゲンで置換されても、カルボキシル基含有樹脂(A1)の物性に悪影響は与えられず、むしろ置換されることでカルボキシル基含有樹脂(A1)を含む感光性樹脂組成物の硬化物の耐熱性或いは難燃性が向上する場合もあるからである。

0022

本実施形態では、カルボキシル基含有樹脂(A1)がエポキシ化合物(a1)に由来する式(1)で示されるビスフェノールフルオレン骨格を有することで、感光性樹脂組成物の硬化物に高い耐熱性及び絶縁信頼性を付与できる。また、カルボキシル基含有樹脂(A1)が酸無水物(a3)に由来するカルボキシル基を有することで、感光性樹脂組成物に優れた現像性を付与できる。さらに、感光性樹脂組成物が、結晶性エポキシ樹脂(D1)を含有することで、硬化物の耐熱性及び現像性がさらに向上する。さらに、感光性樹脂組成物が、有機フィラー(E1)を含有することで、感光性樹脂組成物のチキソ性が高まり、感光性樹脂組成物の安定性が向上する。また、その硬化物に温度変化が繰り返されることがあったとしても、硬化物のクラックを生じ難くさせることができる。

0023

カルボキシル基含有樹脂(A1)について、より具体的に説明する。カルボキシル基含有樹脂(A1)を合成するためには、まず式(1)で示されるビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(a1)におけるエポキシ基(式(2)参照)の少なくとも一部と、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)を含むカルボン酸(a2)とを反応させることで、中間体を合成する。中間体の合成は、第一反応と規定される。中間体は、エポキシ基とカルボン酸(a2)との開環付加反応により生じた下記式(3)に示す構造を有する。すなわち、中間体は、式(3)に示す構造中に、エポキシ基と不飽和基含有カルボン酸(a2−1)を含むカルボン酸(a2)との開環付加反応により生じた二級水酸基を有する。式(3)において、Aはカルボン酸残基である。このAは、不飽和基含有カルボン酸残基を含む。

0024

0025

0026

次に、中間体中の二級の水酸基と、酸無水物(a3)とを反応させる。これにより、カルボキシル基含有樹脂(A1)を合成できる。中間体と酸無水物(a3)との反応は、第二反応と規定される。酸無水物(a3)は、飽和又は不飽和の脂環式骨格を有する酸一無水物(a3−1)を含む。また、酸無水物(a3)は、前記酸一無水物(a3−1)以外の酸一無水物(a3−2)、及び酸二無水物(a3−3)を含み得る。酸一無水物とは、一分子内における二つのカルボキシル基が脱水縮合した、酸無水物基を一つ有する化合物である。酸二無水物とは、一分子内における四つのカルボキシル基が脱水縮合した、酸無水物基を二つ有する化合物である。

0027

酸無水物(a3)が酸一無水物を含む場合、カルボキシル基含有樹脂(A1)は、式(1)で示されるビスフェノールフルオレン骨格と、下記式(4)に示す構造とを有する。

0028

式(4)に示す構造は、中間体の式(3)で示す構造中の二級の水酸基と、酸無水物(a3)における酸無水物基とが反応することで生じる。式(4)において、Aはカルボン酸残基であり、Bは酸一無水物の残基である。このAは、不飽和基含有カルボン酸残基を含む。

0029

0030

また、酸無水物(a3)が酸一無水物と酸二無水物との両方を含んでもよい。例えば、中間体中の二級の水酸基のうちの一部と酸一無水物とを反応させ、中間体中の二級の水酸基のうちの別の一部と酸二無水物とを反応させてもよい。この場合、合成されるカルボキシル基含有樹脂(A1)は、式(1)で示されるビスフェノールフルオレン骨格と、上記式(4)に示す構造と、下記式(5)に示す構造とを有する。

0031

式(5)に示す構造は、酸二無水物中の酸無水物基と、中間体における二つの二級の水酸基とが、それぞれ反応することで生じる。すなわち、式(5)に示す構造は、二つの二級の水酸基同士を酸二無水物が架橋することで生成する。なお、中間体の一つの分子中に存在する二つの二級の水酸基同士が架橋される場合と、中間体の二つの分子中にそれぞれ存在する二つの二級の水酸基同士が架橋される場合とが、ありうる。中間体の二つの分子中にそれぞれ存在する二つの二級の水酸基同士が架橋されると、分子量の増大が得られる。式(5)において、Aはカルボン酸残基であり、Dは酸二無水物残基である。このAは、不飽和基含有カルボン酸残基を含む。

0032

0033

カルボキシル基含有樹脂(A1)が、更に下記式(6)で示す構造を有することもありうる。式(6)で示す構造は、酸二無水物中の二つの酸無水物基のうち、一つのみが、中間体における二級の水酸基と反応することで生じる。式(6)において、Aはカルボン酸残基であり、Dは酸二無水物残基である。このAは、不飽和基含有カルボン酸残基を含む。

0034

0035

中間体の合成時にエポキシ化合物(a1)中のエポキシ基の一部が未反応のまま残存する場合、カルボキシル基含有樹脂(A1)は式(2)に示す構造、すなわちエポキシ基を有することがありうる。また、中間体における式(3)に示す構造の一部が未反応のまま残存する場合に、カルボキシル基含有樹脂(A1)は式(3)に示す構造を有することもありうる。

0036

ただし、本実施形態では、カルボキシル基含有樹脂(A1)の合成時の反応条件を最適化することで、カルボキシル基含有樹脂(A1)中の式(2)に示す構造、及び式(6)に示す構造を低減し、或いは殆どなくすことが可能である。

0037

以上により、カルボキシル基含有樹脂(A1)は、式(1)で示されるビスフェノールフルオレン骨格と、式(4)に示す構造を有し得る。さらに、カルボキシル基含有樹脂(A1)は、式(5)に示す構造を有することもできる。さらに、カルボキシル基含有樹脂(A1)は、式(2)に示す構造と、式(3)に示す構造と、式(6)に示す構造とのうち少なくとも一種を有することがある。

0038

また、エポキシ化合物(a1)自体が二級の水酸基を有する場合、すなわち例えば後述する式(7)においてn=1以上である場合には、カルボキシル基含有樹脂(A1)は、エポキシ化合物(a1)中の二級の水酸基と酸無水物(a3)とが反応することで生じる構造を有することもある。

0039

なお、上述のカルボキシル基含有樹脂(A1)の構造は技術常識に基づいて合理的に類推されたものであり、カルボキシル基含有樹脂(A1)の構造を分析によって同定することは現実にはできない。その理由は次の通りである。エポキシ化合物(a1)自体が二級の水酸基を有する場合(例えば式(7)においてnが1以上である場合)には、エポキシ化合物(a1)中の二級の水酸基の数によってカルボキシル基含有樹脂(A1)の構造が大きく変化してしまう。また、中間体と酸二無水物とが反応する際には、上述の通り、中間体の一つの分子中に存在する二つの二級の水酸基同士が酸二無水物で架橋される場合と、中間体の二つの分子中にそれぞれ存在する二つの二級の水酸基同士が酸二無水物で架橋される場合とが、ありうる。このため、最終的に得られるカルボキシル基含有樹脂(A1)は、互いに構造の異なる複数の分子を含み、カルボキシル基含有樹脂(A1)を分析してもその構造を同定できなくなる。

0040

カルボキシル基含有樹脂(A1)は、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)に由来するエチレン性不飽和基を有することで光反応性を有する。このため、カルボキシル基含有樹脂(A1)は感光性樹脂組成物に感光性、具体的には紫外線硬化性、を付与できる。また、カルボキシル基含有樹脂(A1)は、酸無水物(a3)に由来するカルボキシル基を有することで、感光性樹脂組成物に、アルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物のうち少なくとも一方を含有するアルカリ性水溶液による現像性を付与できる。

0041

カルボキシル基含有樹脂(A1)の重量平均分子量は800〜5000の範囲内である。重量平均分子量が800以上であると、感光性樹脂組成物から形成される皮膜タック性を抑制すると共に硬化物の絶縁信頼性及び耐メッキ性を向上できる。また、重量平均分子量が5000以下であると、感光性樹脂組成物のアルカリ性水溶液による現像性が特に向上する。重量平均分子量が1000〜5000の範囲内であればより好ましい。

0042

カルボキシル基含有樹脂(A1)の多分散度は1.0〜2.9の範囲内である。この場合、感光性樹脂組成物から形成される硬化物の良好な絶縁信頼性及び耐メッキ性(例えば無電解ニッケル金メッキ処理時白化耐性)を確保しながら、感光性樹脂組成物に優れた現像性を付与できる。カルボキシル基含有樹脂(A1)の多分散度が1.1〜2.8の範囲内であることがより好ましく、多分散度が1.2〜2.7であることが更に好ましい。なお、多分散度は、カルボキシル基含有樹脂(A1)の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比の値(Mw/Mn)である。

0043

カルボキシル基含有樹脂(A1)の固形分酸価は60〜140mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の現像性が特に向上する。酸価が80〜135mgKOH/gの範囲内であればより好ましく、酸価が90〜130mgKOH/gの範囲内であれば更に好ましい。

0044

カルボキシル基含有樹脂(A1)の分子量は、酸二無水物の架橋によって調整され得る。この場合、酸価と分子量とが調整されたカルボキシル基含有樹脂(A1)が得られる。すなわち、酸無水物(a3)中に含まれる酸二無水物の量を制御することで、カルボキシル基含有樹脂(A1)の分子量及び酸価を容易に調整できる。なお、カルボキシル基含有樹脂(A1)の分子量は、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィによる次の条件での測定結果から算出される。

0045

GPC装置:昭和電工社製 SHODEX SYSTEM11、
カラム:SHODEX KF−800P,KF−005,KF−003,KF−001の4本直列
移動相:THF、
流量:1ml/分、
カラム温度:45℃、
検出器RI
換算ポリスチレン

0046

カルボキシル基含有樹脂(A1)の原料、並びにカルボキシル基含有樹脂(A1)の合成時の反応条件について詳しく説明する。

0047

エポキシ化合物(a1)は、例えば下記式(7)に示す構造を有する。式(7)中のnは、例えば0〜20の範囲内の数である。カルボキシル基含有樹脂(A1)の分子量を適切に制御するためには、nの平均は0〜1の範囲内であることが特に好ましい。nの平均が0〜1の範囲内であれば、酸無水物(a3)が酸二無水物を含有する場合でも、過剰な分子量の増大が抑制されやすくなる。

0048

0049

カルボン酸(a2)は、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)を含む。カルボン酸(a2)は、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)のみを含んでいてもよい。あるいは、カルボン酸(a2)は、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)と、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)以外のカルボン酸を含んでいてもよい。

0050

不飽和基含有カルボン酸(a2−1)は、例えばエチレン性不飽和基を1個のみ有する化合物を含有できる。より具体的には、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)は、例えばアクリル酸メタクリル酸、ω−カルボキシポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレートクロトン酸桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−メタクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、β−カルボキシエチルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、及び2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有できる。好ましくは、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)がアクリル酸を含有する。

0051

カルボン酸(a2)は、多塩基酸(a2−2)を含むことが好ましい。多塩基酸(a2−2)は、1分子内において2つ以上の水素原子金属原子と置換可能な酸である。多塩基酸(a2−2)は、カルボキシル基を2つ以上有することが好ましい。この場合、エポキシ化合物(a1)は、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)及び多塩基酸(a2−2)の両方と反応する。エポキシ化合物(a1)の2つの分子中に存在するエポキシ基を多塩基酸(a2−1)が架橋することで、分子量の増大が得られる。それにより、感光性樹脂組成物から形成される皮膜のタック性を更に制御すると共に硬化物の絶縁信頼性及び耐メッキ性を更に向上できる。

0052

多塩基酸(a2−2)は、ジカルボン酸を含むことが好ましい。例えば、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シュウ酸マロン酸、コハク酸、グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸テレフタル酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有できる。好ましくは、多塩基酸(a2−2)が4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸を含有する。

0053

エポキシ化合物(a1)とカルボン酸(a2)とを反応させるに当たっては、公知の方法が採用され得る。例えばエポキシ化合物(a1)の溶剤溶液にカルボン酸(a2)を加え、更に必要に応じて熱重合禁止剤及び触媒を加えて攪拌混合することで、反応性溶液を得る。この反応性溶液を常法により好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜120℃の温度で反応させることで、中間体を得ることができる。溶剤は、例えばメチルエチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエンキシレン等の芳香族炭化水素類、及び酢酸エチル酢酸ブチルセロソルブアセテートブチルセロソルブアセテートカルビトールアセテートブチルカルビトールアセテートジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。熱重合禁止剤は例えばハイドロキノン及びハイドロキノンモノメチルエーテルのうち少なくとも一方を含有する。触媒は例えばベンジルジメチルアミントリエチルアミン等の第3級アミン類トリメチルベンジルアンモニウムクロライドメチルトリエチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、トリフェニルフォスフィン、及びトリフェニルスチビンからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。

0054

触媒が特にトリフェニルフォスフィンを含有することが好ましい。すなわち、トリフェニルフォスフィンの存在下で、エポキシ化合物(a1)とカルボン酸(a2)とを反応させることが好ましい。この場合、エポキシ化合物(a1)におけるエポキシ基とカルボン酸(a2)との開環付加反応が特に促進され、95%以上、或いは97%以上、或いはほぼ100%の反応率転化率)を達成することが可能である。このため、式(3)に示す構造を有する中間体が高い収率で得られる。また、感光性樹脂組成物の硬化物を含む層におけるイオンマイグレーションの発生が抑制され、硬化物を含む層の絶縁信頼性が更に向上する。

0055

エポキシ化合物(a1)とカルボン酸(a2)とを反応させる際のエポキシ化合物(a1)のエポキシ基1モルに対するカルボン酸(a2)の量は0.5〜1.2モルの範囲内であることが好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の優れた感光性と安定性が得られる。同様の観点から、エポキシ化合物(a1)のエポキシ基1モルに対する不飽和基含有カルボン酸(a2−1)の量が0.5〜1.2モルの範囲内であることが好ましい。あるいは、カルボン酸(a2)が、不飽和基含有カルボン酸(a2−1)以外のカルボン酸を含む場合には、エポキシ化合物(a1)のエポキシ基1モルに対する不飽和基含有カルボン酸(a2−1)の量が0.5〜0.95モルの範囲内であってもよい。また、カルボン酸(a2)が、多塩基酸(a2−1)を含む場合、エポキシ化合物(a1)のエポキシ基1モルに対する多塩基酸(a2−1)の量は0.025〜0.25モルの範囲内であることが好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の優れた感光性と安定性が得られる。

0056

エポキシ化合物(a1)とカルボン酸(a2)とを、エアバブリング下で反応させることも好ましい。この場合、不飽和基付加重合反応を抑制して、中間体の分子量の増大及び中間体の溶液のゲル化を抑制できる。また、最終生成物であるカルボキシル基含有樹脂(A1)の過度な着色を抑制できる。

0057

このようにして得られる中間体は、エポキシ化合物(a1)におけるエポキシ基とカルボン酸(a2)におけるカルボキシル基とが反応することで生成した水酸基を備える。

0058

酸一無水物(a3−1)は、飽和又は不飽和の脂環式骨格を有する。酸一無水物(a3−1)は、酸無水物基を一つ有する。すなわち、式(4)におけるBが酸一無水物(a3−1)の残基を含むことが好ましい。脂環式骨格は、例えばシクロアルカン骨格シクロアルケン骨格二環式骨格多環式骨格スピロ骨格などの脂環式骨格のうち少なくとも一種を含有する。酸一無水物(a3−1)における酸無水物基は、脂環式骨格に直接結合されていることが好ましい。酸一無水物(a3−1)は、芳香環を含まなくてもよい。

0059

酸一無水物(a3−1)は、例えば1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物メチルヘキサヒドロフタル酸無水物からなる群から選択される一種以上の化合物を含有できる。特に酸一無水物が1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸を含有することが好ましい。すなわち、式(4)におけるBが1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸残基を含むことが好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の良好な現像性を確保しながら、感光性樹脂組成物から形成される皮膜のタック性を更に抑制すると共に硬化物の絶縁信頼性及び耐メッキ性を更に向上できる。酸一無水物全体に対して、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸は20〜100モル%の範囲内であることが好ましく、40〜100モル%の範囲内であることがより好ましいが、これに限られない。

0060

酸一無水物(a3−1)は、カルボキシル基を有する酸一無水物を含有していてもよい。この場合、酸一無水物(a3−1)は、カルボキシル基を有し、かつ、脂環式骨格を有する酸一無水物を含む。脂環式骨格は、シクロアルカン骨格が好ましく、シクロヘキサン骨格がさらに好ましい。カルボキシル基は、脂環式骨格に直接結合されていることが好ましい。たとえば、酸一無水物(a3−1)は、トリカルボン酸の無水物であってよい。

0061

酸一無水物(a3−1)がシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物を含有していてもよい。すなわち、式(4)におけるBがシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物残基を含んでいてもよい。この場合、式(4)が示す構造が、二つのカルボキシル基と、脂環式骨格とを有することになり(Bがカルボキシル基を含むため)、感光性樹脂組成物から形成される皮膜のタック性を抑制し硬化物の絶縁信頼性及び耐メッキ性を向上できると共に、良好な現像性を確保できる。二つのカルボキシル基は、酸一無水物(a3−1)にもともと含まれるものと、酸一無水物(a3−1)の反応で生成するものとに由来する。また、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物は水溶性が高く、反応性もよいことから、カルボキシル基含有樹脂(A1)を容易に製造することができる。

0062

酸無水物(a3)は、前記酸一無水物(a3−1)以外の酸無水物を含んでいてよい。酸無水物(a3)は、酸一無水物(a3−1)以外の酸一無水物(a3−2)、及び酸二無水物(a3−3)の少なくとも一方を含み得る。

0063

酸一無水物は、酸無水物基を一つ有する化合物である。酸一無水物は、ジカルボン酸の無水物を含有できる。酸一無水物は、例えばフタル酸無水物コハク酸無水物メチルコハク酸無水物、マレイン酸無水物シトラコン酸無水物グルタル酸無水物、及びイタコン酸無水物からなる群から選択される一種以上の化合物を含有できる。

0064

酸二無水物は、酸無水物基を二つ有する化合物である。酸二無水物は、テトラカルボン酸の無水物を含有できる。酸二無水物は、例えば1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、9,9’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルフルオレン二無水物グリセリンビスアンヒドロトリメリテートモノアセテートエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニルナフト〔1,2−c〕フラン−1,3−ジオン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物及び3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有できる。特に酸二無水物が3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含有することが好ましい。すなわち、式(5)及び式(6)におけるDが3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物残基を含むことが好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の良好な現像性を確保しながら、感光性樹脂組成物から形成される皮膜のタック性を更に抑制すると共に硬化物の絶縁信頼性及び耐メッキ性を更に向上できる。酸二無水物全体に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は20〜100モル%の範囲内であることが好ましく、40〜100モル%の範囲内であることがより好ましいが、これに限られない。

0065

中間体と酸無水物(a3)とを反応させるに当たっては、公知の方法が採用され得る。例えば中間体の溶剤溶液に酸無水物(a3)を加え、更に必要に応じて熱重合禁止剤及び触媒を加えて攪拌混合することで、反応性溶液を得る。この反応性溶液を常法により好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜120℃の温度で反応させることで、カルボキシル基含有樹脂(A1)を得ることができる。溶剤、触媒及び重合禁止剤としては、適宜のものが使用でき、中間体の合成時に使用した溶剤、触媒及び重合禁止剤をそのまま使用することもできる。

0066

触媒が特にトリフェニルフォスフィンを含有することが好ましい。すなわち、トリフェニルフォスフィンの存在下で、中間体と、酸無水物(a3)とを反応させることが好ましい。この場合、中間体における二級の水酸基と酸無水物(a3)との反応が特に促進され、90%以上、95%以上、97%以上、或いはほぼ100%の反応率(転化率)を達成することが可能である。このため、式(4)に示す構造を有するカルボキシル基含有樹脂(A1)が高い収率で得られる。また、感光性樹脂組成物の硬化物を含む層におけるイオンマイグレーションの発生が抑制され、硬化物を含む層の絶縁信頼性が更に向上する。

0067

中間体と、酸無水物(a3)とを、エアバブリング下で反応させることも好ましい。この場合、生成されるカルボキシル基含有樹脂(A1)の過度な分子量増大が抑制されることで、感光性樹脂組成物のアルカリ性水溶液による現像性が特に向上する。

0068

感光性樹脂組成物中の、カルボキシル基含有樹脂(A1)以外の成分について説明する。

0069

上述の通り、感光性樹脂組成物は、カルボキシル基含有樹脂(A)と、エチレン性不飽和結合を一分子中に少なくとも一つ有する不飽和化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、エポキシ化合物(D)と、有機フィラー(E)とを含有する。

0070

カルボキシル基含有樹脂(A)は、カルボキシル基含有樹脂(A1)のみを含有してもよく、カルボキシル基含有樹脂(A1)以外のカルボキシル基含有樹脂を更に含有してもよい。カルボキシル基含有樹脂(A1)以外のカルボキシル基含有樹脂は、ビスフェノールフルオレン骨格を有さないカルボキシル基含有樹脂(以下、カルボキシル基含有樹脂(F)ともいう)を含む。

0071

カルボキシル基含有樹脂(F)は、例えば、カルボキシル基を有し光重合性を有さない化合物(以下、(F1)成分という)を含有できる。(F1)成分は、例えばカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むエチレン性不飽和単量体重合体を含有する。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、アクリル酸、メタクリル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート等の化合物を含有できる。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、ペンタエリスリトールトリアクリレートペンタエリスリトールトリメタクリレート等と二塩基酸無水物との反応物も含有できる。エチレン性不飽和単量体は、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、直鎖又は分岐脂肪族或いは脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)の(メタ)アクリル酸エステル等の、カルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物を更に含有してもよい。

0072

カルボキシル基含有樹脂(F)は、カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物(以下、(F2)成分という)を含有してもよい。(F2)成分は、例えば一分子中に二個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(g1)とエチレン性不飽和化合物(g2)との反応物である中間体と、多価カルボン酸及びその無水物の群から選択される少なくとも一種の化合物(g3)との反応物である樹脂(第一の樹脂(g)という)を含有する。第一の樹脂(g)は、例えばエポキシ化合物(g1)中のエポキシ基と、エチレン性不飽和化合物(g2)中のカルボキシル基とを反応させて得られた中間体に化合物(g3)を付加させて得られる。エポキシ化合物(g1)は、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂フェノールノボラック型エポキシ樹脂等の適宜のエポキシ樹脂を含有できる。エポキシ化合物(g1)は、エチレン性不飽和化合物(h)の重合体を含有してもよい。エチレン性不飽和化合物(h)は、例えばグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する化合物(h1)を含有し、或いは更に2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート等のエポキシ基を有さない化合物(h2)を含有する。エチレン性不飽和化合物(g2)は、アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。化合物(g3)は、例えばフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等の多価カルボン酸と、これらの多価カルボン酸の無水物とからなる群から選択される一種以上の化合物を含有する。

0073

(F2)成分は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を含有するエチレン性不飽和単量体の重合体とエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物との反応物である樹脂(第二の樹脂(i)という)を含有してもよい。エチレン性不飽和単量体はカルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物を更に含有してもよい。第二の樹脂(i)は、重合体におけるカルボキシル基の一部にエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる。エチレン性不飽和単量体は、カルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物を更に含有してもよい。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等の化合物を含有する。カルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物は、例えば2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、直鎖又は分岐の脂肪族或いは脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)の(メタ)アクリル酸エステル等の化合物を含有する。エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物は、グリシジル(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。

0074

カルボキシル基含有樹脂(A)は、カルボキシル基含有樹脂(A1)のみ、又はカルボキシル基含有樹脂(A1)とカルボキシル基含有樹脂(F)とを含有する。カルボキシル基含有樹脂(A)は、カルボキシル基含有樹脂(A1)を30質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがより好ましく、100質量%含有することが更に好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の硬化物の耐熱性及び絶縁信頼性を特に向上させることができる。また、感光性樹脂組成物から形成される皮膜のタック性を十分に抑制することができる。更に、感光性樹脂組成物のアルカリ性水溶液による現像性を確保することができる。

0075

不飽和化合物(B)は、感光性樹脂組成物に光硬化性を付与できる。不飽和化合物(B)は、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;並びにジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε—カプロラクトン変性ペンタエリストールヘキサアクリレート等、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有できる。

0076

特に不飽和化合物(B)が、三官能の化合物、すなわち一分子中に不飽和結合を3つ有する化合物を含有することが好ましい。この場合、感光性樹脂組成物から形成される皮膜を露光・現像する場合の解像性が向上すると共に、感光性樹脂組成物のアルカリ性水溶液による現像性が特に向上する。三官能の化合物は、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート及びε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート及びエトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有できる。

0077

不飽和化合物(B)が、リン含有化合物リン含有不飽和化合物)を含有することも好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の硬化物の難燃性が向上する。リン含有不飽和化合物は、例えば2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート(具体例として共栄社化学株式会社製の品番ライトエステルP−1M、及びライトエステルP−2M)、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート(具体例として共栄社化学株式会社製の品番ライトアクリレートP−1A)、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルフォスフェート(具体例として大八工業株式会社製の品番MR−260)、並びに昭和高分子株式会社製のHFAシリーズ(具体例としてジペンタエリストールヘキサアクリレートとHCAとの付加反応物である品番HFAー6003、及びHFA−6007、カプロラクトン変性ジペンタエリストールヘキサアクリレートとHCAとの付加反応物である品番HFAー3003、及びHFA−6127等)からなる群から選択される一種以上の化合物を含有できる。

0078

不飽和化合物(B)が、プレポリマーを含有してもよい。プレポリマーは、例えばエチレン性不飽和結合を有するモノマー重合させてからエチレン性不飽和基を付加して得られるプレポリマー、並びにオリゴ(メタ)アクリレートプレポリマー類からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有できる。オリゴ(メタ)アクリレートプレポリマー類は、例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、及びスピラン樹脂(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。

0079

光重合開始剤(C)は、例えばアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C1)を含有する。すなわち、感光性樹脂組成物は例えばアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C1)を含有する。この場合、感光性樹脂組成物がカルボキシル基含有樹脂(A1)を含有するにもかかわらず、感光性樹脂組成物を紫外線で露光する場合に感光性樹脂組成物に高い感光性を付与できる。また、感光性樹脂組成物の硬化物を含む層におけるイオンマイグレーションの発生が抑制され、硬化物を含む層の絶縁信頼性が更に向上する。

0080

アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C1)は、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−エチル−フェニルフォスフィネート等のモノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、並びにビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤からなる群から選択される一種以上の成分を含有できる。特にアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C1)が2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含有することが好ましく、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C1)が2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドのみを含有することも好ましい。

0081

光重合開始剤(C)がアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C1)に加えてヒドロキシケトン系光重合開始剤(C2)を含有することが好ましい。すなわち感光性樹脂組成物がヒドロキシケトン系光重合開始剤(C2)を含有することが好ましい。この場合、ヒドロキシケトン系光重合開始剤(C2)を含有しない場合と比べて、感光性樹脂組成物に更に高い感光性を付与できる。これにより、感光性樹脂組成物から形成される塗膜に紫外線を照射して硬化させる場合、塗膜をその表面から深部に亘って十分に硬化させることが可能となる。ヒドロキシケトン系光重合開始剤(C2)としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、フェニルグリオキシックアシッドメチルエステル、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンが挙げられる。

0082

アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C1)とヒドロキシケトン系光重合開始剤(C2)との質量比は、1:0.01〜1:10の範囲内であることが好ましい。この場合、感光性樹脂組成物から形成される塗膜の表面付近における硬化性と深部における硬化性とを、バランス良く向上させることができる。

0083

光重合開始剤(C)がビス(ジエチルアミノベンゾフェノン(C3)を含有することも好ましい。すなわち、感光性樹脂組成物がアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C1)及びビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(C3)を含有し、或いはアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C1)、ヒドロキシケトン系光重合開始剤(C2)及びビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(C3)を含有することも好ましい。この場合、感光性樹脂組成物から形成される塗膜を部分的に露光してから現像する場合、露光されない部分の硬化が抑制されることで、解像性が特に高くなる。このため感光性樹脂組成物の硬化物で非常に微細パターンを形成することが可能となる。特に、感光性樹脂組成物から多層プリント配線板の層間絶縁層を作製すると共にこの層間絶縁層にスルーホールのための小径の穴をフォトリソグラフィー法で設ける場合(図1参照)、小径の穴を精密且つ容易に形成することが可能となる。

0084

ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(C3)は、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(C1)に対して0.5〜20質量%の範囲内であることが好ましい。ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(C3)が0.5質量%以上であると、解像性が特に高くなる。また、ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(C3)が20質量%以下であると、感光性樹脂組成物の硬化物の電気絶縁性をビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(C3)が阻害しにくい。

0085

感光性樹脂組成物は、更に公知の光重合促進剤増感剤等を含有してもよい。例えば感光性樹脂組成物は、ベンゾインとそのアルキルエーテル類アセトフェノンベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン類2−メチルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン類;2,4−ジイソプロピルキサントン等のキサントン類;並びに2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等の窒素原子を含む化合物からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。感光性樹脂組成物が、光重合開始剤(C)と共に、p−ジメチル安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合促進剤や増感剤等を含有してもよい。感光性樹脂組成物が、必要に応じて、可視光露光用の光重合開始剤及び近赤外線露光用の光重合開始剤のうちの少なくとも一種を含有してもよい。感光性樹脂組成物が、光重合開始剤(C)と共に、レーザ露光法用増感剤である7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン誘導体カルボシアニン色素系、キサンテン色素系等を含有してもよい。

0086

エポキシ化合物(D)は、感光性樹脂組成物に熱硬化性を付与できる。エポキシ化合物(D)は、結晶性エポキシ樹脂(D1)を含有する。結晶性エポキシ樹脂(D1)は、融点を有するエポキシ樹脂である。結晶性エポキシ樹脂(D1)は、感光性樹脂組成物に熱硬化性を付与できる。さらに、結晶性エポキシ樹脂(D1)は、硬化物の耐熱性及び現像性を向上させる。

0087

結晶性エポキシ樹脂は、例えば、1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ハイドロキノン型結晶性エポキシ樹脂(具体例として新日鉄住金化学株式会社製の品名YDC−1312)、ビフェニル型結晶性エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品名YX−4000)、ジフェニルエーテル型結晶性エポキシ樹脂(具体例として新日鉄住金化学株式会社製の品番YSLV−80DE)、ビスフェノール型結晶性エポキシ樹脂(具体例として新日鉄住金化学株式会社製の品名YSLV−80XY)、テトラキスフェノールエタン型結晶性エポキシ樹脂(具体例として日本化薬株式会社製の品番GTR−1800)、ビスフェノールフルオレン型結晶性エポキシ樹脂(具体例として式(7)に示す構造を有するエポキシ樹脂)からなる群から選択される一種以上の成分を含有することが好ましい。

0088

結晶性エポキシ樹脂は、1分子中に2個のエポキシ基を有していてもよい。この場合、温度変化が繰り返される中で、硬化物にクラックを更に生じ難くさせることができる。

0089

結晶性エポキシ樹脂は150〜300g/eqのエポキシ当量を有することが好ましい。このエポキシ当量は、1グラム当量のエポキシ基を含有する結晶性エポキシ樹脂のグラム重量である。

0090

結晶性エポキシ樹脂の融点としては、例えば70〜180℃が挙げられる。特に結晶性エポキシ樹脂(D1)が、融点110℃以下の結晶性エポキシ樹脂を含有することが好ましい。この場合、感光性樹脂組成物のアルカリ性水溶液による現像性が特に向上する。融点が110℃以下の結晶性エポキシ樹脂(D1)は、例えばビフェニル型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品番YX4000)、ビフェニルエーテル型エポキシ樹脂(具体例として新日鉄住金化学株式会社製の品番YSLV−80DE)、及びビスフェノール型エポキシ樹脂(具体例として新日鉄住金化学製の品番YSLV−80XY)、ビスフェノールフルオレン型結晶性エポキシ樹脂(具体例として式(7)に示す構造を有するエポキシ樹脂)からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。

0091

エポキシ化合物(D)は、結晶性エポキシ樹脂(D1)以外のエポキシ化合物を含んでいてもよい。結晶性エポキシ樹脂(D1)以外のエポキシ化合物には、非晶性エポキシ樹脂(D2)が含まれる。非晶性エポキシ樹脂(D2)は、融点を有さないエポキシ樹脂である。非晶性エポキシ樹脂(D2)は、感光性樹脂組成物に熱硬化性を付与できる。非晶性エポキシ樹脂(D2)は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有することが好ましい。

0092

非晶性エポキシ樹脂(D2)は、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON N−775)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON N−695)、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON N−865)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品番jER1001)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品番jER4004P)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON EXA−1514)、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(具体例として日本化薬株式会社製の品番NC−3000)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(具体例として新日鉄住金化学株式会社製の品番ST−4000D)、ナフタレン型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON HP−4032、EPICLON HP−4700、EPICLON HP−4770)、ターシャリーブチルカテコール型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON HP−820)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(具体例としてDIC製の品番EPICLON HP−7200)、アダマンタン型エポキシ樹脂(具体例として出光興産株式会社製の品番ADAMANTATE X−E−201)、特殊二官能型エポキシ樹脂(具体例として、三菱化学株式会社製の品番YL7175−500、及びYL7175−1000;DIC株式会社製の品番EPICLONTSR−960、EPICLON TER−601、EPICLON TSR−250−80BX、EPICLON 1650−75MPX、EPICLON EXA−4850、EPICLON EXA−4816、EPICLON EXA−4822、及びEPICLON EXA−9726;新日鉄住金化学株式会社製の品番YSLV−120TE)、ゴム状コアシェルポリマー変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(具体例として株式会社カネカ製の品番MX−156)、並びにゴム状コアシェルポリマー変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(具体例として株式会社カネカ製の品番MX−136)からなる群から選択される一種以上の成分を含有することが好ましい。

0093

上記のようなエポキシ化合物(結晶性又は非晶性のエポキシ化合物)がリン含有エポキシ樹脂を含有してもよい。この場合、感光性樹脂組成物の硬化物の難燃性が向上する。リン含有エポキシ樹脂としては、リン酸変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON EXA−9726、及びEPICLON EXA−9710)、新日鉄住金化学株式会社製の品番エポトートFX−305等が挙げられる。

0094

エポキシ化合物(D)は、結晶性エポキシ樹脂(D1)のみ、又は結晶性エポキシ樹脂(D1)と非晶性エポキシ樹脂(D2)とを含有する。エポキシ化合物(D)は、結晶性エポキシ樹脂(D1)を10質量%以上含有することが好ましく、30質量%以上含有することがより好ましく、50質量%含有することが更に好ましい。この場合、感光性樹脂組成物のアルカリ性水溶液による現像性を向上することができ、感光性樹脂組成物の硬化物の耐熱性及び絶縁信頼性を特に向上させることができる。

0095

有機フィラー(E)は、有機フィラー(E1)を含む。有機フィラー(E1)は、カルボキシル基を有する。有機フィラー(E1)のカルボキシル基は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の重合性不飽和二重結合を有するカルボン酸モノマーを重合あるいは架橋させることで得られる。有機フィラー(E1)は、感光性樹脂組成物のチキソ性を高めるため、感光性樹脂組成物の安定性(特に保存安定性)を向上させる。さらに、有機フィラー(E1)は、カルボキシル基を有するため、硬化物の現像性を向上させると共に、結晶性エポキシ樹脂(D1)の相溶性を向上させ、結晶化を防ぐことができる。有機フィラー(E1)のカルボキシル基含有量は特に制限されないが、有機フィラー(E1)の酸価が、酸−塩基滴定による酸価で1〜60mgKOH/gであることが好ましい。酸価が1mgKOH/gより小さいと感光性樹脂組成物の安定性及び硬化物の現像性が低下するおそれがある。酸価が60mgKOH/gより大きいと硬化物の耐湿信頼性が低下するおそれがある。有機フィラー(E1)の酸価は3〜40mgKOH/gであることがより好ましい。

0096

有機フィラー(E1)は、平均一次粒子径が1μm以下であることが好ましい。有機フィラー(E1)の平均一次粒子径が1μm以下となることで、感光性樹脂組成物のチキソ性が効率よく高まる。そのため、感光性樹脂組成物の安定性がさらに向上する。有機フィラー(E1)の平均一次粒子径は、その下限は特に限定されないが、例えば、0.001μm以上であることが好ましい。平均一次粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置により、D50として測定される。有機フィラー(E1)の平均一次粒子径が0.4μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることがさらに好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の安定性がさらに向上すると共に、露光時の散乱が抑えられるため解像性がさらに向上する。

0097

有機フィラー(E1)は、感光性樹脂組成物中において最大粒子径が1.0μm未満で分散されていることが好ましく、0.5μm未満で分散されていることがより好ましい。最大粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置により、D50として測定される。あるいは、最大粒子径は、硬化物を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより測定される。有機フィラー(E1)は、感光性樹脂組成物中において凝集することがある(たとえば二次粒子を形成し得る)が、その場合、最大粒子径は凝集後の粒子のサイズを意味する。分散状態での有機フィラー(E1)の最大粒子径が前記の範囲であると、感光性樹脂組成物の安定性がさらに向上すると共に、露光時の散乱が抑えられるため解像性がさらに向上する。なお、粒子の凝集が起こった場合、最大粒子径は、通常、平均一次粒子径よりも大きい。

0098

有機フィラー(E1)は、水酸基を有してもよい。有機フィラー(E1)が、水酸基を有することで、感光性樹脂組成物における有機フィラー(E1)の分散性が向上する。

0099

有機フィラー(E1)は、ゴム成分を含むことが好ましい。ゴム成分は、感光性樹脂組成物の硬化物に柔軟性を付与できる。ゴム成分は、樹脂により構成され得る。ゴム成分は、架橋アクリルゴム、架橋NBR、架橋MBS及び架橋SBRから選ばれる少なくとも1つの重合体を含むことが好ましい。この場合、ゴム成分により効果的に感光性樹脂組成物の硬化物に柔軟性が付与され、温度変化が繰り返される中でクラックを生じ難くさせることができる。NBRは、一般的に、ブタジエンアクリロニトリル共重合体であり、ニトリルゴム分類される。MBSは、一般的に、メチルメタアクリレート、ブタジエン、スチレンの3成分で構成される共重合体であり、ブタジエン系ゴムに分類される。SBRは、一般的に、スチレンとブタジエンとの共重合体であり、スチレンゴムに分類される。有機フィラー(E1)の具体例として、JSR株式会社製の品番XER−91−MEKが挙げられる。この有機フィラーは、平均一次粒子径0.07μmのカルボキシル基を有する架橋ゴム(NBR)であり、架橋ゴムの含有割合15%のメチルエチルケトン分散液で提供され、その酸価が10.0mgKOH/gである。このように、有機フィラー(E1)は、分散液で配合されてもよい。ゴム成分は、分散液で配合され得る。また、有機フィラー(E1)の具体例として、上記の他に、JSR株式会社製の品番XER−32、XER−92等が挙げられる。また、カルボキシル基及び水酸基を有する架橋ゴム(SBR)の分散液としてJSR株式会社製の品番XSK−500等が挙げられる。

0100

有機フィラー(E)は、前記有機フィラー(E1)以外の有機フィラーをさらに含んでいてもよい。前記有機フィラー(E1)以外の有機フィラーは、カルボキシル基を有さなくてよい。前記有機フィラー(E1)以外の有機フィラーは、平均一次粒子径が1μmより大きくてよい。ただし、チキソ性を効率よく得る観点、結晶性エポキシ樹脂の相溶性を向上させる観点、及び高解像性を得る観点から、感光性樹脂組成物は、前記有機フィラー(E1)以外の有機フィラーを含まなくてよい。

0101

有機フィラー(E)は、有機フィラー(E1)のみ、又は有機フィラー(E1)と有機フィラー(E1)以外の有機フィラーとを含有する。有機フィラー(E)は、有機フィラー(E1)を30質量%以上含有することが好ましく、50質量%以上含有することがより好ましく、100質量%含有することが更に好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の安定性を特に向上させることができる。

0102

感光性樹脂組成物はメラミンを含有してもよい。この場合、感光性樹脂組成物の硬化物と銅などの金属との間の密着性が高くなる。このため、感光性樹脂組成物が、プリント配線板用絶縁材料として特に適する。また、感光性樹脂組成物の硬化物の耐メッキ性、すなわち無電解ニッケル/金メッキ処理時の白化耐性が向上する。

0103

感光性樹脂組成物は、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤は、感光性樹脂組成物の液状化又はワニス化、粘度調整塗布性の調整、造膜性の調整などの目的で使用される。

0104

有機溶剤は、例えばエタノールプロピルアルコールイソプロピルアルコールヘキサノールエチレングリコール等の直鎖、分岐、2級或いは多価のアルコール類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソンケミカル社製)等の石油芳香族混合溶剤セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトールブチルカルビトール等のカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類;並びにジアルキルグリコールエーテル類からなる群から選択される一種以上の化合物を含有できる。

0105

感光性樹脂組成物中の成分の量は、感光性樹脂組成物が光硬化性を有しアルカリ性溶液で現像可能であるように、適宜調整される。

0106

カルボキシル基含有樹脂(A)は、感光性樹脂組成物の固形分量に対して5〜85質量%の範囲内であれば好ましく、10〜75質量%の範囲内であればより好ましく、30〜60質量%の範囲内であれば更に好ましい。また、カルボキシル基含有樹脂(A1)は、感光性樹脂組成物の固形分量に対して5〜85質量%の範囲内であれば好ましく、10〜75質量%の範囲内であればより好ましく、30〜60質量%の範囲内であれば更に好ましい。

0107

不飽和化合物(B)は、カルボキシル基含有樹脂(A)に対して1〜50質量%の範囲内であれば好ましく、10〜45質量%の範囲内であればより好ましく、21〜40質量%の範囲内であれば更に好ましい。

0108

光重合開始剤(C)は、カルボキシル基含有樹脂(A)に対して0.1〜30質量%の範囲内であることが好ましく、1〜25質量%の範囲内であれば更に好ましい。

0109

エポキシ化合物(D)の量に関しては、エポキシ化合物(D)に含まれるエポキシ基の当量の合計が、カルボキシル基含有樹脂(A)に含まれるカルボキシル基1当量に対して0.7〜2.5の範囲内であることが好ましく、0.7〜2.3の範囲内であればより好ましく、0.7〜2.0の範囲内であれば更に好ましい。また、結晶性エポキシ樹脂(D1)に含まれるエポキシ基の当量の合計が、カルボキシル基含有樹脂(A)に含まれるカルボキシル基1当量に対して0.7〜2.5の範囲内であることが好ましく、0.7〜2.3の範囲内であればより好ましく、0.7〜2.0の範囲内であれば更に好ましい。

0110

有機フィラー(E)の含有量は、カルボキシル基含有樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、1〜40質量部の範囲内であることが好ましい。有機フィラー(E)の含有量がこの範囲となることで、感光性樹脂組成物のチキソ性が高まり、安定性が向上する。有機フィラー(E)の含有量は、カルボキシル基含有樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、5〜20質量部の範囲内であることがより好ましく、10〜17質量部の範囲内であることが更に好ましい。また、有機フィラー(E1)の含有量は、カルボキシル基含有樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、1〜40質量部の範囲内であることが好ましい。有機フィラー(E1)の含有量がこの範囲となることで、感光性樹脂組成物のチキソ性が効率よく高まり、安定性が効果的に向上する。有機フィラー(E1)の含有量は、カルボキシル基含有樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、5〜20質量部の範囲内であることがより好ましく、10〜17質量部の範囲内であることが更に好ましい。

0111

感光性樹脂組成物がメラミンを含有する場合、メラミンはカルボキシル基含有樹脂(A)に対して0.1〜10質量%の範囲内であることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲内であれば更に好ましい。

0112

感光性樹脂組成物が有機溶剤を含有する場合、有機溶剤の量は、感光性樹脂組成物から形成される塗膜を乾燥させる際に速やかに有機溶剤が揮散するように、すなわち有機溶剤が乾燥膜に残存しないように、調整されることが好ましい。特に、感光性樹脂組成物全体に対して、有機溶剤が0〜99.5質量%の範囲内であることが好ましく、15〜60質量%の範囲内であれば更に好ましい。なお、有機溶剤の好適な割合は、塗布方法などにより異なるので、塗布方法に応じて割合が適宜調節されることが好ましい。

0113

なお、固形分量とは、感光性樹脂組成物から溶剤などの揮発性成分を除いた、全成分の合計量のことである。

0114

本発明の主旨を逸脱しない限りにおいて、感光性樹脂組成物は、上記成分以外の成分を更に含有してもよい。

0115

例えば、感光性樹脂組成物が無機充填材無機フィラー)を含有してもよい。この場合、感光性樹脂組成物から形成される膜の硬化収縮が低減する。無機充填材は、例えば硫酸バリウム結晶性シリカナノシリカカーボンナノチューブタルクベントナイト水酸化アルミニウム水酸化マグネシウム、及び酸化チタンからなる群から選択される一種以上の材料を含有できる。無機充填材に酸化チタン、酸化亜鉛等の白色の材料を含有させることで、感光性樹脂組成物及びその硬化物を白色化してもよい。感光性樹脂組成物中の無機充填材の割合は適宜設定されるが、カルボキシル基含有樹脂(A)に対して0〜300質量%の範囲内であることが好ましい。

0116

感光性樹脂組成物は、カプロラクタムオキシムマロン酸エステル等でブロックされたトリレンジイソシアネート系、モルホリンジイソシアネート系、イソホロンジイソシアネート系及びヘキサメチレンジイソシアネート系のブロックドイソシアネートメラミン樹脂n−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂ブチル化メラミン尿素共縮合樹脂、ベンゾグアナミン系共縮合樹脂等のアミノ樹脂;前記以外の各種熱硬化性樹脂紫外線硬化性エポキシ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、脂環型等のエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加して得られる樹脂;並びにジアリルフタレート樹脂フェノキシ樹脂ウレタン樹脂フッ素樹脂等の高分子化合物からなる群から選択される一種以上の樹脂を含有してもよい。

0117

感光性樹脂組成物は、エポキシ化合物(D)を硬化させるための硬化剤を含有してもよい。硬化剤は、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;アジピン酸ヒドラジド、セバシン酸ヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルフォスフィン等のリン化合物;酸無水物;フェノール;メルカプタンルイス酸アミン錯体;及びオニウム塩からなる群から選択される一種以上の成分を含有できる。これらの成分の市販品の例として、四国化成株式会社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物商品名)、サンアプロ株式会社製のU−CAT3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物及びその塩)が挙げられる。

0118

感光性樹脂組成物は、メラミン以外の密着性付与剤を含有してもよい。密着性付与剤としては、例えばグアナミンアセトグアナミン、ベンゾグアナミン、並びに2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体が、挙げられる。

0119

感光性樹脂組成物は、硬化促進剤着色剤シリコーン、アクリレート等の共重合体;レベリング剤シランカップリング剤等の密着性付与剤;チクソトロピー剤;重合禁止剤;ハレーション防止剤難燃剤消泡剤酸化防止剤界面活性剤;並びに高分子分散剤からなる群から選択される一種以上の成分を含有してもよい。

0120

感光性樹脂組成物中のアミン化合物の含有量はできるだけ少ないことが好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の硬化物からなる層の電気絶縁性が損なわれにくい。特にカルボキシル基含有樹脂(A)に対してアミン化合物が6質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であれば更に好ましい。

0121

上記のような感光性樹脂組成物の原料が配合され、例えば三本ロールボールミルサンドミル等を用いる公知の混練方法によって混練されることにより、感光性樹脂組成物が調製され得る。感光性樹脂組成物の原料に液状の成分、粘度の低い成分等が含まれる場合には、原料のうち液状の成分、粘度の低い成分等を除く部分をまず混練し、得られた混合物に、液状の成分、粘度の低い成分等を加えて混合することで、感光性樹脂組成物を調製してもよい。

0122

保存安定性等を考慮して、感光性樹脂組成物の成分の一部を混合することで第一剤を調製し、成分の残部を混合することで第二剤を調製してもよい。すなわち、感光性樹脂組成物は、第一剤と第二剤とを備えてもよい。この場合、例えば、感光性樹脂組成物の成分のうち不飽和化合物(B)及び有機溶剤の一部及び熱硬化性成分を予め混合して分散させることで第一剤を調製し、感光性樹脂組成物の成分のうち残部を混合して分散させることで第二剤を調製してもよい。この場合、適時必要量の第一剤と第二剤とを混合して混合液を調製し、この混合液を硬化させて硬化物を得ることができる。

0123

本実施形態による感光性樹脂組成物は、プリント配線板用の電気絶縁性材料として適している。特に感光性樹脂組成物は、ソルダーレジスト層、メッキレジスト層、エッチングレジスト層、層間絶縁層等の、電気絶縁性の層を形成するために適している。

0124

感光性樹脂組成物が厚み25μmの皮膜に成形された場合に、皮膜が炭酸ナトリウム水溶液で現像可能であることが好ましい。この場合、十分に厚みの大きい電気絶縁性の層を感光性樹脂組成物からフォトリソグラフィー法で作製することが可能であるため、感光性樹脂組成物を、プリント配線板における層間絶縁層、ソルダーレジスト層等を作製するために広く適用可能である。勿論、感光性樹脂組成物から厚み25μmより薄い電気絶縁性の層を作製することも可能である。

0125

皮膜が炭酸ナトリウム水溶液で現像可能であることは、次の方法で確認できる。適当な基材上に感光性樹脂組成物を塗布することで湿潤塗膜を形成し、この湿潤塗膜を80℃で40分加熱することで、厚み25μmの皮膜を形成する。この皮膜に紫外線を透過する露光部と紫外線を遮蔽する非露光部とを有するネガマスクを直接当てがった状態で、ネガマスクを介して皮膜に500mJ/cm2の条件で紫外線を照射する。露光後の皮膜に30℃の1%Na2CO3水溶液を0.2MPaの噴射圧で90秒間噴射してから、純水を0.2MPaの噴射圧で90秒間噴射する。この処理後の皮膜を観察した結果、皮膜における非露光部に対応する部分が除去されて残渣が認められない場合に、現像可能であると判断できる。

0126

以下に、本実施形態による感光性樹脂組成物から形成された層間絶縁層を備えるプリント配線板を製造する方法の一例を、図1Aから図1Eを参照して説明する。本方法では、層間絶縁層にフォトリソグラフィー法でスルーホールを形成する。

0127

まず、図1Aに示すようにコア材1を用意する。コア材1は、例えば少なくとも一つの絶縁層2と少なくとも一つの導体配線3とを備える。コア材1の一面上に設けられている導体配線3を、以下、第一の導体配線3という。図1Bに示すように、コア材1の第一の導体配線3が設けられている面上に、感光性樹脂組成物から皮膜4を形成する。皮膜4の形成方法として、塗布法ドライフィルム法が挙げられる。

0128

塗布法では、例えばコア材1上に感光性樹脂組成物を塗布して湿潤塗膜を形成する。感光性樹脂組成物の塗布方法は、公知の方法、例えば浸漬法スプレー法スピンコート法、ロールコート法カーテンコート法、及びスクリーン印刷法からなる群から選択される。続いて、感光性樹脂組成物中の有機溶剤を揮発させるために、例えば60〜120℃の範囲内の温度下で湿潤塗膜を乾燥させて、皮膜4を得ることができる。

0129

ドライフィルム法では、まずポリエステル製などの適宜の支持体上に感光性樹脂組成物を塗布してから乾燥することで、支持体上に感光性樹脂組成物を含むドライフィルムを形成する。これにより、ドライフィルムと、ドライフィルムを支持する支持体とを備える支持体付きドライフィルムが得られる。この支持体付きドライフィルムにおけるドライフィルムをコア材1に重ねてから、ドライフィルムとコア材1に圧力をかけ、続いて支持体をドライフィルムから剥離することで、ドライフィルムを支持体上からコア材1上へ転写する。これにより、コア材1上に、ドライフィルムからなる皮膜4が設けられる。

0130

皮膜4を露光することで図1Cに示すように部分的に光硬化させる。そのために、例えばネガマスクを皮膜4に当てがってから、ネガマスクを介して皮膜4に紫外線を照射する。ネガマスクは、紫外線を透過させる露光部と紫外線を遮蔽する非露光部とを備え、非露光部はスルーホール10の位置と合致する位置に設けられる。ネガマスクは、例えばマスクフィルム乾板等のフォトツールである。紫外線の光源は、例えばケミカルランプ低圧水銀灯中圧水銀灯高圧水銀灯超高圧水銀灯キセノンランプ及びメタルハライドランプからなる群から選択される。

0131

なお、露光方法として、ネガマスクを用いる方法以外の方法が採用されてもよい。例えば光源から発せられる紫外線を皮膜4上の露光すべき部分のみに照射する直接描画法で皮膜を露光してもよい。直接描画法に適用される光源は、例えば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)、並びにg線、h線及びi線のうちの二種以上の組み合わせからなる群から選択される。

0132

また、ドライフィルム法では、支持体付きドライフィルムにおけるドライフィルムをコア材1に重ねてから、支持体を剥離することなく、支持体を透過させて紫外線をドライフィルムからなる皮膜4に照射することで皮膜4を露光し、続いて現像処理前に皮膜4から支持体を剥離してもよい。

0133

続いて、皮膜4に現像処理を施すことで、図1Cに示す皮膜4の露光されていない部分5を除去し、これにより、図1Dに示すようにスルーホール10が形成される位置に穴6を設ける。現像処理では、感光性樹脂組成物の組成に応じた適宜の現像液を使用できる。現像液は、例えばアルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物のうち少なくとも一方を含有するアルカリ性水溶液、又は有機アミンである。アルカリ性水溶液は、より具体的には例えば炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸アンモニウム炭酸水素ナトリウム炭酸水素カリウム炭酸水素アンモニウム水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化アンモニウム水酸化テトラメチルアンモニウム及び水酸化リチウムからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。アルカリ性水溶液中の溶媒は、水のみであっても、水と低級アルコール類等の親水性有機溶媒との混合物であってもよい。有機アミンは、例えばモノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミンモノイソプロパノールアミンジイソプロパノールアミン及びトリイソプロパノールアミンからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。

0134

現像液は、アルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物のうち少なくとも一方を含有するアルカリ性水溶液であることが好ましく、炭酸ナトリウム水溶液であることが特に好ましい。この場合、作業環境の向上及び廃棄物処理の負担軽減を達成できる。

0135

続いて、皮膜4を加熱することで熱硬化させる。加熱の条件は、例えば加熱温度120〜200℃の範囲内、加熱時間30〜120分間の範囲内である。このようにして皮膜4を熱硬化させると、層間絶縁層7の強度、硬度耐薬品性等の性能が向上する。

0136

必要により、加熱前と加熱後のうちの一方又は両方で、皮膜4に更に紫外線を照射してもよい。この場合、皮膜4の光硬化を更に進行させることができる。

0137

層間絶縁層7の厚みは、特に限定されないが、10〜50μmの範囲内であってよい。

0138

以上により、コア材1上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなる層間絶縁層7が設けられる。この層間絶縁層7上に、アディティブ法などの公知の方法で、第二の導体配線8及びホールめっき9を設けることができる。これにより、図1Eに示すように、第一の導体配線3、第二の導体配線8、第一の導体配線3と第二の導体配線8との間に介在する層間絶縁層7、並びに第一の導体配線3と第二の導体配線8とを電気的に接続するスルーホール10を備えるプリント配線板11が得られる。なお、図1Eにおいて、ホールめっき9は穴6の内面を覆う筒状の形状を有するが、穴6の内側全体にホールめっき9が充填されていてもよい。

0139

本実施形態による感光性樹脂組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるプリント配線板を製造する方法の一例を説明する。

0140

まず、コア材を用意する。コア材は、例えば少なくとも一つの絶縁層と少なくとも一つの導体配線とを備える。コア材の導体配線が設けられている面上に、感光性樹脂組成物から皮膜を形成する。皮膜の形成方法として、塗布法とドライフィルム法が挙げられる。塗布法とドライフィルム法としては、上記の層間絶縁層を形成する場合と同じ方法を採用できる。皮膜を露光することで部分的に光硬化させる。露光方法も、上記の層間絶縁層を形成する場合と同じ方法を採用できる。続いて、皮膜に現像処理を施すことで、皮膜の露光されていない部分を除去し、これにより、コア材上に、皮膜の露光された部分が残存する。続いて、コア材上の皮膜を加熱することで熱硬化させる。現像方法及び加熱方法も、上記の層間絶縁層を形成する場合と同じ方法を採用できる。必要により、加熱前と加熱後のうちの一方又は両方で、皮膜に更に紫外線を照射してもよい。この場合、皮膜の光硬化を更に進行させることができる。

0141

ソルダーレジスト層の厚みは、特に限定されないが、10〜50μmの範囲内であってよい。

0142

以上により、コア材上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるソルダーレジスト層が設けられる。これにより、絶縁層とその上の導体配線とを備えるコア材、並びにコア材における導体配線が設けられている面を部分的に覆うソルダーレジスト層を備える、プリント配線板が得られる。

0143

(1)カルボキシル基含有樹脂の合成:合成例A−1〜A−5及びB−1〜B−4
還流冷却器温度計空気吹き込み管及び攪拌機取付け四つ口フラスコ内に、表1中の「第一反応」欄に示す成分を加えて、これらをエアバブリング下で攪拌することで混合物を調製した。この混合物をフラスコ内でエアバブリング下で攪拌しながら、「反応条件」欄に示す反応温度及び反応時間で加熱した。これにより、中間体の溶液を調製した。

0144

続いて、フラスコ内の中間体の溶液に表1の「第二反応」欄に示す成分を投入し、エアバブリング下で攪拌しながら「反応条件(1)」欄に示す反応温度及び反応時間で加熱した。合成例A−1、B−1、B−2及びB−4については、さらに、エアバブリング下で攪拌しながら「反応条件(2)」欄に示す反応温度及び反応時間で加熱した。これにより、カルボキシル基含有樹脂の65質量%溶液を得た。カルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量、Mw/Mn(多分散度、すなわち重量平均分子量/数平均分子量)及び酸価は表1中に示す通りである。成分間のモル比も表1に示している。

0145

なお、表1中の(a1)及び(b1)欄に示す成分の詳細は次の通りである。「(b1)」は、ビスフェノールフルオレン骨格を有さないエポキシ化合物を意味する。
・エポキシ化合物1:式(7)で示され、式(7)中のR1〜R8がすべて水素であるエポキシ当量250g/eqのビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物。
・エポキシ化合物2:式(7)で示され、式(7)中のR1〜R8がすべて水素であるエポキシ当量252g/eqのビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物。
・エポキシ化合物3:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、品番YDC−700−5、エポキシ当量203g/eq)。

0146

(2)感光性樹脂組成物の調製:実施例1〜12、比較例1〜11
後掲の表に示す成分を混合して3本ロールで混練してから、フラスコ内で撹拌混合することで、感光性樹脂組成物を得た(表2〜表4参照)。感光性樹脂組成物は穴径5μmのフィルター加圧ろ過した。なお、表に示される成分の詳細は次の通りである。
・不飽和化合物A:トリメチロールプロパントリアクリレート
・不飽和化合物B:ε−カプロラクトン変性ペンタエリストールヘキサアクリレート、日本化薬株式会社製、品番KAYARADDPCA−20。
・光重合開始剤A:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、BASF社製、品番IrgacureTPO。
・光重合開始剤B:1−ヒドロキシ-シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製、品番Irgacure 184。
・光重合開始剤C:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン。
・結晶性エポキシ樹脂A:ビフェニル型結晶性エポキシ樹脂、三菱化学株式会社製、品番YX−4000、融点105℃、エポキシ当量187g/eq。
・結晶性エポキシ樹脂B:ビスフェノール型結晶性エポキシ樹脂、新日鉄住金化学株式会社製、品番YSLV−80XY、融点75〜85℃、192g/eq。
・非晶性エポキシ樹脂Aの溶液:長鎖炭素鎖含有ビスフェノールA型エポキシ樹脂、DIC製、品番EPICLON EXA−4816、液状樹脂、エポキシ当量410g/eqを溶剤ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートで、固形分90%に溶解した溶液。固形分90%換算のエポキシ当量は455.56g/eq。
・非晶性エポキシ樹脂Bの溶液:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、DIC製、品番EPICLON N−695、軟化点90〜100℃、エポキシ当量214g/eqを溶剤ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートで、固形分75%に溶解した溶液。固形分75%換算のエポキシ当量は285.33g/eq。
・非晶性エポキシ樹脂Cの溶液:非晶性のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製、品番NC−3000、軟化点53〜63℃、エポキシ当量280g/eqを溶剤ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートで、固形分80%に溶解した溶液。固形分80%換算のエポキシ当量は350g/eq。
・有機フィラーAの分散液:平均一次粒子径0.07μmのカルボキシル基を有する架橋ゴム(NBR)、JSR株式会社製、品番XER−91−MEK、ゴムの含有割合15%のメチルエチルケトン分散液、酸価10.0mgKOH/g。
・有機フィラーBの分散液:カルボキシル基変性水素化ニトリルゴムポリマー、JSR株式会社製、品番XER−32−MEK、線状粒子、ゴムの含有割合17%のメチルエチルケトン分散液。
・有機フィラーCの分散液:平均一次粒子径0.07μmのカルボキシル基及び水酸基を有する架橋ゴム(SBR)、JSR株式会社製、品番XSK−500、ゴムの含有割合15%のメチルエチルケトン分散液。
・メラミン:日産化学工業株式会社製、微粉メラミン
・酸化防止剤:ヒンダードフェノール系酸化防止剤、BASF社製、品番IRGANOX 1010。
・着色剤:フタロシアニンブルー
・消泡剤:信越シリコーン株式会社製、品番KS−66。
・シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・界面活性剤:DIC製、品番メガファックF−477。
・溶剤:メチルエチルケトン。

0147

(3)テストピースの作製
実施例5を除く各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を用いる場合は、次のようにしてテストピースを作製した。

0148

厚み35μmの銅箔を備えるガラスエポキシ銅張積層板(FR−4タイプ)を用意した。このガラスエポキシ銅張積層板にサブトラクティブ法で導体配線としてライン幅スペース幅が50μm/50μmであるくし型電極を形成し、これによりコア材を得た。このコア材の導体配線における厚み1μm程度の表層部分を、エッチング剤(メック株式会社製の有機酸系マイクロエッチング剤、品番CZ−8100)で溶解除去することにより、導体配線を粗化した。このコア材の一面全面に感光性樹脂組成物をスピンコート法で塗布することで、湿潤塗膜を形成した。この湿潤塗膜を80℃で40分加熱して予備乾燥することで、膜厚25μmの皮膜を形成した。この皮膜に、直径50μmの円形形状を含むパターンの非露光部を有するネガマスクを直接当てがった状態で、ネガマスクを介して皮膜に500mJ/cm2の条件で紫外線を照射した。露光後の皮膜に現像処理を施した。現像処理に当たっては、皮膜に30℃の1%Na2CO3水溶液を0.2MPaの噴射圧で90秒間噴射した。続いて皮膜に純水を0.2MPaの噴射圧で90秒間噴射することで洗浄した。これにより、皮膜における露光されていない部分を除去して、穴を形成した。続いて、皮膜を160℃で60分間加熱してから、皮膜に1000mJ/cm2の条件で紫外線を照射した。これにより、コア材上に感光性樹脂組成物の硬化物からなる層を形成した。これによりテストピースを得た。

0149

実施例5の感光性樹脂組成物を用いる場合は、次のようにしてテストピースを作製した。

0150

感光性樹脂組成物を、ポリエチレンテレフタレート製フィルム上にアプリケータで塗布してから、95℃で25分加熱することで乾燥させることにより、フィルム上に厚み25μmのドライフィルムを形成した。

0151

厚み35μmの銅箔を備えるガラスエポキシ銅張積層板(FR−4タイプ)を用意した。このガラスエポキシ銅張積層板にサブトラクティブ法で導体配線としてライン幅/スペース幅が50μm/50μmであるくし型電極を形成し、これによりコア材を得た。このコア材の導体配線における厚み1μm程度の表層部分を、エッチング剤(メック株式会社製の有機酸系マイクロエッチング剤、品番CZ−8100)で溶解除去することにより、導体配線を粗化した。このコア材の一面全面にドライフィルムを真空ラミネーター加熱ラミネートした。加熱ラミネートの条件は、0.5MPa、80℃、1分間である。これにより、コア材上にドライフィルムからなる膜厚25μmの皮膜を形成した。この皮膜に、ポリエチレンテレフタレート製のフィルム上から、直径50μmの円形形状を含むパターンの非露光部を有するネガマスクを直接当てがった状態で、ネガマスクを介して皮膜に500mJ/cm2の条件で紫外線を照射した。なお、露光後、現像前に、ドライフィルム(皮膜)からポリエチレンテレフタレート製のフィルムを剥離した。露光後の皮膜に現像処理を施した。現像処理に当たっては、皮膜に30℃の1%Na2CO3水溶液を0.2MPaの噴射圧で90秒間噴射した。続いて皮膜に純水を0.2MPaの噴射圧で90秒間噴射することで洗浄した。これにより、皮膜における露光されていない部分を除去して、穴を形成した。続いて、皮膜を160℃で60分間加熱してから、皮膜に1000mJ/cm2の条件で紫外線を照射した。これにより、コア材上に感光性樹脂組成物の硬化物(ドライフィルムの硬化物ともいえる)からなる層を形成した。これによりテストピースを得た。

0152

(4)評価試験
(4−1)タック性
実施例5を除く各実施例及び比較例について、テストピースの作製時に、皮膜の露光後に皮膜からネガマスクを取り外す際の皮膜の粘着性の程度を、次に示すように評価した。
A:皮膜からネガマスクを取り外す際に抵抗感じられず、ネガマスクを取り外した後の皮膜には貼付痕が認められない。
B:皮膜からネガマスクを取り外す際に抵抗が感じられ、ネガマスクを取り外した後の皮膜には貼付痕が認められた。
C:皮膜からネガマスクを取り外すことが困難であり、無理にネガマスクを取り外すと皮膜が破損した。

0153

なお、タック性の評価がCである比較例2及び6については、(4−3)〜(4−8)の評価を行っていない。

0154

(4−2)現像性
実施例5を除く各実施例及び比較例について、プリント配線板の一面全面に感光性樹脂組成物をスピンコート法で塗布することで、湿潤塗膜を形成した。この湿潤塗膜を80℃で40分又は60分加熱することで、厚み25μmの皮膜を形成した。この皮膜に、露光することなく現像処理を施した。現像処理に当たっては、皮膜に30℃の1%Na2CO3水溶液を0.2MPaの噴射圧で90秒間噴射してから、純水を0.2MPaの噴射圧で90秒間噴射した。処理後のプリント配線板を観察し、その結果を次のように評価した。
A:湿潤塗膜の加熱時間が40分、60分のいずれの場合でも、皮膜が全て除去されている。
B:湿潤塗膜の加熱時間が40分である場合には皮膜が全て除去されたが、60分では皮膜の一部がプリント配線板上に残存した。
C:湿潤塗膜の加熱時間が40分、60分のいずれの場合でも、皮膜の一部がプリント配線板上に残存した。

0155

現像性の評価がCである比較例3、4、7、8、10及び11については、下記(4−3)〜(4−8)の評価を行っていない。

0156

実施例5の現像性については、テストピース作製時の現像により判断した。実施例5は、テストピース作製時の露光後の現像工程において、問題なく現像できていた。

0157

(4−3)解像性
各実施例及び比較例について、テストピースにおける硬化物からなる層に形成された穴を観察し、その結果を次のように評価した。
A:穴の底の直径が40μm以上である。
B:穴の底の直径が25μm以上40μm未満である。
C:穴の底の直径が25μm未満である、あるいは、明確な穴が形成されない。

0158

(4−4)耐メッキ性
各実施例及び比較例のテストピースの導体配線における外部に露出する部分の上に、市販の無電解ニッケルメッキ浴を用いてニッケルメッキ層を形成してから、市販の無電解金メッキ浴を用いて金メッキ層を形成した。これにより、ニッケルメッキ層及び金メッキ層からなる金属層を形成した。硬化物からなる層及び金属層を目視で観察した。また、硬化物からなる層に対してセロハン粘着テープ剥離試験をおこなった。その結果を次のように評価した。
A:硬化物からなる層及び金属層の外観に異常は認められず、セロハン粘着テープ剥離試験による硬化物からなる層の剥離は生じなかった。
B:硬化物からなる層に変色が認められるが、セロハン粘着テープ剥離試験による硬化物からなる層の剥離は生じなかった。
C:硬化物からなる層の浮き上がりが認められ、セロハン粘着テープ剥離試験による硬化物からなる層の剥離が生じた。

0159

(4−5)線間絶縁性
各実施例及び比較例のテストピースにおける導体配線(くし型電極)にDC30Vのバイアス電圧印加しながら、テストピースを121℃、97%R.H.の試験環境下に150時間曝露した。この試験環境下における硬化物からなる層のくし型電極間の電気抵抗値を常時測定し、その結果を次の評価基準により評価した。
A:試験開始時から150時間経過するまでの間、電気抵抗値が常に106Ω以上を維持した。
B:試験開始時から100時間経過するまでは電気抵抗値が常に106Ω以上を維持したが、試験開始時から150時間経過する前に電気抵抗値が106Ω未満となった。
C:試験開始時から100時間経過する前に電気抵抗値が106Ω未満となった。

0160

(4−6)層間絶縁性
各実施例及び比較例のテストピースにおける硬化物からなる層の上に導電テープを貼り付けた。この導電テープにDC100Vのバイアス電圧を印加しながら、テストピースを121℃、97%R.H.の試験環境下に60時間曝露した。この試験環境下における硬化物からなる層の導体配線と導電テープとの間の電気抵抗値を常時測定し、その結果を次の評価基準により評価した。
A:試験開始時から60時間経過するまでの間、電気抵抗値が常に106Ω以上を維持した。
B:試験開始時から50時間経過するまでは電気抵抗値が常に106Ω以上を維持したが、試験開始時から60時間経過する前に電気抵抗値が106Ω未満となった。
C:試験開始時から50時間経過する前に電気抵抗値が106Ω未満となった。

0161

(4−7)PCT
各実施例及び比較例のテストピースを121℃、100%R.H.の環境下で100時間放置した後、硬化物からなる層の外観を次の評価基準により評価した。
A:硬化物からなる層に異常は見られなかった。
B:硬化物からなる層に変色が見られた。
C:硬化物からなる層に大きな変色が見られ、一部膨れが発生していた。

0162

(4−8)冷熱サイクル耐性
各実施例及び比較例のテストピースを温度変化させ、−65℃で10分(低温条件)と、150℃で10分(高温条件)とを経たもの1サイクルとして、500サイクル及び1000サイクルの温度サイクル試験を行った。その後、硬化物からなる層の外観を次の評価基準により評価した。
A:1000サイクルでクラックが見られなかった。
B:500サイクルでクラックが見られないが、1000サイクルでクラックが見られた。
C:500サイクルでクラックが見られた。

0163

(4−9)安定性
各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を4℃で1週間保管して、結晶物(結晶性エポキシ樹脂の結晶化により生じる)の有無を確認し、次の評価基準により評価した。
A:4℃で1週間保管後において、結晶性エポキシ樹脂由来の結晶物が生じなかった。
B:4℃で3日間保管後において、結晶性エポキシ樹脂由来の結晶物は生じていないが、4℃で1週間保管後において、結晶性エポキシ樹脂由来の結晶物が生じた。
C:4℃で3日間保管後において、結晶性エポキシ樹脂由来の結晶物が生じた。

0164

以上の評価試験の結果を下記表2〜表4に示す。

0165

0166

0167

実施例

0168

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