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技術 放射線検出装置、放射線検出システム、及び、放射線検出装置の製造方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 石田陽平小林玉樹佐々木慶人
出願日 2016年1月20日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-009064
公開日 2017年7月27日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-129462
状態 特許登録済
技術分野 放射線診断機器
主要キーワード 反射材層 電気化学的腐食 ショア硬さ 防湿材 大気曝露 検査用途 二次元マトリックス 透湿率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月27日)のものです。
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図面 (7)

課題

シンチレータ層の表面の突出部に起因する画質の低下を抑制しつつ、シンチレータ層の特性の劣化を抑制する。

解決手段

放射線検出装置1は、複数の光電変換素子112を有するセンサ基板11と、複数の柱状結晶121からなりセンサ基板11の一方の表面側に配置されるシンチレータ層12と、シンチレータ層12のセンサ基板11とは反対側に配置される接着層13と、柱状結晶121よりも硬く接着層13によりシンチレータ層12のセンサ基板11とは反対側に接合される硬質層14と、を有し、複数の柱状結晶121の少なくとも一部の先端部は硬質層14に接触している。

概要

背景

放射線検出装置は、入射した放射線に応じて光を発するシンチレータ層と、シンチレータ層が発した光を電気信号に変換する光電変換素子が設けられたセンサ基板とを有する。シンチレータ層は、例えば、放射線の入射により光を発する材料の柱状結晶からなり、蒸着法により形成される。シンチレータ層の形成の際に、不純物などの異物成長核となって柱状結晶が異常成長することがある。この場合、柱状結晶の異常成長部は、形成されたシンチレータ層の表面において局所的な突出部となる。局所的な突出部における発光量は他の部分と異なるため、シンチレータ層の表面に局所的な突起が存在すると、生成する画像の画質が低下する。このため、特許文献1には、シンチレータ層の製造方法として、形成したシンチレータ層の表面に平面性が良好なガラス板を配置し、このガラス板を加圧して突出部を押し込むことによりシンチレータ層の表面を平坦化する平坦化処理を行う方法が開示されている。

概要

シンチレータ層の表面の突出部に起因する画質の低下を抑制しつつ、シンチレータ層の特性の劣化を抑制する。放射線検出装置1は、複数の光電変換素子112を有するセンサ基板11と、複数の柱状結晶121からなりセンサ基板11の一方の表面側に配置されるシンチレータ層12と、シンチレータ層12のセンサ基板11とは反対側に配置される接着層13と、柱状結晶121よりも硬く接着層13によりシンチレータ層12のセンサ基板11とは反対側に接合される硬質層14と、を有し、複数の柱状結晶121の少なくとも一部の先端部は硬質層14に接触している。

目的

本発明が解決しようとする課題は、突出部による画質の低下を抑制しつつ、シンチレータ層の大気曝露による特性劣化を抑制することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

光電変換素子を有するセンサ基板と、複数の柱状結晶からなり、前記センサ基板の一方の表面に配置されるシンチレータ層と、前記シンチレータ層の前記センサ基板とは反対側に配置された接着層と、前記柱状結晶よりも硬く、前記接着層により前記シンチレータ層の前記センサ基板とは反対側に接合された硬質層と、を有し、複数の前記柱状結晶の少なくとも一部の先端部は、前記硬質層に接触していることを特徴とする放射線検出装置

請求項2

前記硬質層の前記シンチレータ層の側の表面は、電気的な絶縁性を有していることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。

請求項3

前記硬質層の前記接着層および前記シンチレータ層とは反対側に配置され、前記シンチレータ層が発する光を反射する反射層をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の放射線検出装置。

請求項4

前記反射層は、前記硬質層の前記シンチレータ層とは反対側の表面の直上に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の放射線検出装置。

請求項5

前記反射層を覆う反射層保護層をさらに有していることを特徴とする請求項3または4に記載の放射線検出装置。

請求項6

前記硬質層は、前記シンチレータ層が発する光を反射する反射層であることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線検出装置。

請求項7

前記硬質層を支持するベース層をさらに有し、前記ベース層は、前記シンチレータ層が発する光を反射する反射層であることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線検出装置。

請求項8

光電変換素子を有するセンサ基板と、複数の柱状結晶からなり、前記センサ基板の一方の表面に配置されるシンチレータ層と、前記シンチレータ層の前記センサ基板とは反対側に配置された被覆部材と、を有し、前記被覆部材は、前記柱状結晶よりも硬い硬質層と、前記硬質層の前記シンチレータ層の側の表面に積層する接着層と、を有し、前記被覆部材は、前記接着層により、前記シンチレータ層の前記センサ基板とは反対側に接合され、複数の前記柱状結晶の少なくとも一部の先端部は、前記被覆部材の前記硬質層に接触していることを特徴とする放射線検出装置。

請求項9

前記被覆部材は、前記硬質層の前記接着層が配置される側とは反対側の表面に配置され、前記シンチレータ層が発する光を反射する反射層をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の放射線検出装置。

請求項10

前記被覆部材は、前記反射層の表面を覆う反射層保護層をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の放射線検出装置。

請求項11

前記被覆部材は、前記硬質層を支持するベース層をさらに有し、前記ベース層が前記シンチレータ層が発する光を反射する反射層であることを特徴とする請求項8に記載の放射線検出装置。

請求項12

前記シンチレータ層の複数の前記柱状結晶はヨウ化セシウムの柱状結晶であり、前記硬質層は、モース硬度が3以上とショア硬さがD24以上の少なくとも一方を充足することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の放射線検出装置。

請求項13

請求項1から12のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、前記放射線検出装置によって得られた信号を処理する信号処理手段と、を有することを特徴とする放射線検出システム

請求項14

光電変換素子を有するセンサ基板の一方の表面に蒸着法を用いて形成された複数の柱状結晶からなるシンチレータ層のうちの異常成長した柱状結晶を、前記柱状結晶よりも硬い硬質層と、前記硬質層の前記シンチレータ層の側の表面に積層する接着層と、を有する被覆部材で、前記硬質層で前記異常成長した柱状結晶を押しつぶしつつ前記接着層で前記シンチレータ層と前記被覆部材とを貼り合わせる工程を有することを特徴とする放射線検出装置の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、放射線検出装置放射線検出システム、及び、放射線検出装置の製造方法に関する。

背景技術

0002

放射線検出装置は、入射した放射線に応じて光を発するシンチレータ層と、シンチレータ層が発した光を電気信号に変換する光電変換素子が設けられたセンサ基板とを有する。シンチレータ層は、例えば、放射線の入射により光を発する材料の柱状結晶からなり、蒸着法により形成される。シンチレータ層の形成の際に、不純物などの異物成長核となって柱状結晶が異常成長することがある。この場合、柱状結晶の異常成長部は、形成されたシンチレータ層の表面において局所的な突出部となる。局所的な突出部における発光量は他の部分と異なるため、シンチレータ層の表面に局所的な突起が存在すると、生成する画像の画質が低下する。このため、特許文献1には、シンチレータ層の製造方法として、形成したシンチレータ層の表面に平面性が良好なガラス板を配置し、このガラス板を加圧して突出部を押し込むことによりシンチレータ層の表面を平坦化する平坦化処理を行う方法が開示されている。

先行技術

0003

特開2006−335887号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献1に記載の方法では、シンチレータ層の突出部を平坦化する処理の後に、シンチレータ層を被覆する防湿保護層を形成する。このため、平坦化の処理が完了するまでに、形成したシンチレータ層が大気曝露によって特性劣化するおそれがある。上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、突出部による画質の低下を抑制しつつ、シンチレータ層の大気曝露による特性劣化を抑制することである。

課題を解決するための手段

0005

上記課題を解決するため、本発明は、光電変換素子を有するセンサ基板と、複数の柱状結晶からなり、前記センサ基板の一方の表面に配置されるシンチレータ層と、前記シンチレータ層の前記センサ基板とは反対側に配置された接着層と、前記柱状結晶よりも硬く、前記接着層により前記シンチレータ層の前記センサ基板とは反対側に接合された硬質層と、を有し、複数の前記柱状結晶の少なくとも一部の先端部は、前記硬質層に接触していることを特徴とする。

発明の効果

0006

本発明によれば、シンチレータ層の表面の突出部に起因する画質の低下を抑制しつつ、シンチレータ層の特性の劣化を抑制できる。

図面の簡単な説明

0007

第1の実施形態に係る放射線検出装置の断面模式図である。
第2の実施形態に係る放射線検出装置の断面模式図である。
第3の実施形態に係る放射線検出装置の断面模式図である。
第4の実施形態に係る放射線検出装置の断面模式図である。
放射線検出装置の製造方法を示す図である。
放射線検出システムの構成例を示す図である。

実施例

0008

以下に、本発明の各実施形態および実施例について、図面を参照して詳細に説明する。本発明において、放射線には、X線のみならず、α線β線γ線などのX線以外の電磁波も含まれるものとする。

0009

<放射線検出装置の第1の実施形態>
まず、放射線検出装置の第1の実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る放射線検出装置1aの構成例を模式的に示す断面図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る放射線検出装置1aは、センサ基板11と、シンチレータ層12と、接着層13と、硬質層14と、反射層15と、反射層保護層16とを有する。

0010

センサ基板11は、光電変換素子112を有する基板である。例えば、センサ基板11は、ガラス基板111と、このガラス基板111の表面に二次元マトリックス状に配列される複数の光電変換素子112と、これら複数の光電変換素子112を覆う保護膜113とを有する。このほか、センサ基板11は、光電変換素子112の電荷蓄積と放出を切替えるスイッチング素子と、スイッチング素子を駆動する信号を伝送する配線と、光電変換素子112が蓄積した電荷(電気信号)を取り出す配線とを有する。また、センサ基板11の周縁部には、スイッチング素子を駆動する信号を入力するための複数の駆動電極114と、光電変換素子112から電荷を読み出すための複数の読出電極115とが設けられる。

0011

シンチレータ層12は、センサ基板11の一方の表面に配置される。シンチレータ層12は、放射線が入射すると励起して光を発する。説明の便宜上、放射線の入射によりシンチレータ層12が発する光を、シンチレーション光と称する。シンチレータ層12は、複数の柱状結晶121からなる。例えば、シンチレータ層12は、ヨウ化セシウム(CsI)の複数の柱状結晶121からなる。ヨウ化セシウムには、特性の向上(発光効率の向上)のため、賦活剤としてタリウム(Tl)が微量添加されたタリウム活性化ヨウ化セシウムや、ナトリウムが微量添加されたナトリウム活性化ヨウ化セシウムなどが適用される。また、柱状結晶121どうしの間には隙間122が存在する。なお、シンチレータ層12は、複数の柱状結晶121からなり、それらの間に隙間122が存在する構成であればよく、ヨウ化セシウムの柱状結晶からなる構成に限定されない。例えば、シンチレータ層12には、ハロゲン化アルカリを主成分とする材料も適用できる。

0012

シンチレータ層12の形成には、蒸着法が適用される。なお、本発明の実施形態では、シンチレータ層12は、センサ基板11とは別に形成されてセンサ基板11に貼り合わせられるのではなく、蒸着法によってセンサ基板11の表面に直接に形成される。蒸着の条件、例えば、センサ基板11の温度、蒸着材料の配置位置、センサ基板11の配置位置などを適宜設定することにより、センサ基板11の表面に柱状結晶121を形成できるとともに、柱状結晶121どうしの間に隙間122を形成できる。

0013

蒸着の際に柱状結晶121が異常成長すると、異常成長した柱状結晶121の先端部が、その周囲の他の柱状結晶121よりも高くなることがある。その結果、シンチレータ層12の表面には、局所的に突出した突出部123が現れる。このような突出部123は、例えば、蒸着の際に、センサ基板11の表面に存在する不純物やゴミキズなどの異物や、蒸着材料の加熱時の材料突沸による異物などが成長核となり、柱状結晶121が異常成長することによって現れる。このような突出部123は、生成する放射線画像の画質の低下の原因となることから、押しつぶして平坦化する(後述)。

0014

接着層13は、シンチレータ層12の一方の表面であって、センサ基板11とは反対側の表面に配置され、シンチレータ層12と硬質層14とを接合する。接着層13は、放射線の吸収率およびシンチレーション光の透過率が高く、かつ、周囲の温度変化などといった環境変化に対して接着力の低下が小さいことが好ましい。例えば、接着層13には、シリコーン樹脂アクリル樹脂エポキシ樹脂などの樹脂や、ポリエステル系やポリオレフィン系やポリアミド系のホットメルト樹脂などの熱可塑性樹脂が適用できる。また、シンチレータ層12の柱状結晶121が潮解性を有する場合には、周縁部からの水分の侵入を抑制するため、接着層13が透湿性の低い材料からなることが好ましい。このような材料としては、例えば、ポリオレフィン樹脂などのホットメルト樹脂が挙げられる。なお、放射線検出装置1aの製造において、ラミネート処理により硬質層14を接合する方法を適用する場合には、接着層13には熱可塑性樹脂などの熱可塑性材料が適用される。

0015

硬質層14は、突出部123を押しつぶしてシンチレータ層12の表面を平坦化するために配置される。また、硬質層14は、シンチレータ層12と後述する反射層15とが直接接触しないようにする。硬質層14は、次の条件を充足する。(1)柱状結晶121よりも硬いこと。具体的には、硬質層14をシンチレータ層12の突出部123に押し当てた場合に、硬質層14が破壊したり穴が開いたりすることなく、突出部123を押しつぶすことができること。(2)シンチレーション光の透過率が高いこと。(3)反射層15との密着性が良いこと。(4)シンチレータ層12の側の表面が電気的な絶縁性を有すること。これら(1)〜(4)の条件を充足する材料として、例えば、ポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフタラート(PET)などの樹脂材料の膜や、二酸化ケイ素(SiO2)や窒化ケイ素(SiN)などの無機材料の膜が好適である。より具体的には、シンチレータ層12の材料にヨウ化セシウムが適用される場合には、硬質層14には、モース硬度が3以上とショア硬さがD24以上の少なくとも一方を充足するとともに、電気的な絶縁性を有する材料が適用される。この場合には、これらの条件を充足する材料として、ポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフタラート(PET)が適用できる。ただし、硬質層14は、前記(1)〜(4)の条件を充足すればよく、具体的な材料は前記材料に限定されない。

0016

反射層15は、硬質層14のシンチレータ層12とは反対側の表面に配置される。例えば、反射層15は、硬質層14の一方の表面の直上に配置され、硬質層14の表面に密着している。反射層15は、シンチレーション光を反射することにより、センサ基板11の光電変換素子112に入射するシンチレーション光の光量を増加させる。このため、反射層15には、シンチレーション光の反射率が高い材料が適用される。また、反射層15は、シンチレータ層12への水分の侵入を抑制する防湿層の機能も有する。さらに、反射層15は、放射線をシンチレータ層12に入射させるため、放射線の透過率が高い材料が適用される。このような機能のため、反射層15には、例えば、金属シート金属板、より具体的には、アルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)などのシートや板が適用できる。ただし、反射層15は、前述の条件を充足すればよく、これらの材料に限定されない。

0017

このほか、反射層15は複数の層からなる積層構造を有していてもよい。たとえば、反射層15は、基材層とこの基材層の表面に積層する反射材層とを有する構成であってもよい。この場合、基材層には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリイミド(PI)などの樹脂材料や、カーボンなどといった、放射線の透過率が高く透湿率が低い材料が適用できる。反射材層には、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などが適用される。反射層15が反射材層と基材層とを有する構成においては、反射材層が硬質層14の側に配置され、基材層がその反対側に配置される構成であることが好ましい。そして、反射材層が硬質層14の直上に配置され、硬質層14に密着していることが好ましい。

0018

なお、反射層15が基材層を有する構成においては、基材層がシンチレータ層12の周囲を覆うように変形させることができないリジッドな層であってもよい。この場合には、後述する第2の実施形態のように、シンチレータ層12の周囲を防湿材18によって囲むことにより、シンチレータ層12への水分の侵入を抑制する(図2参照)。防湿材18には、透湿率が低く、遮光性が高い材料が適用される。例えば、防湿材18には、黒色に着色されたエポキシ樹脂やシリコーン樹脂など、不透明の樹脂材料が好適である。

0019

さらに、反射層15のシンチレータ層12とは反対側の表面には、反射層15を被覆する反射層保護層16が配置される構成であってもよい。例えば、反射層15が金属材料などといった腐食性を有する材料からなる場合には、反射層15を反射層保護層16で被覆することにより、反射層15の腐食を抑制する。また、反射層15の機械的強度が低い場合には、反射層保護層16により反射層15を保護する。なお、反射層15が腐食性を有さず、反射層15の機械的強度が高い場合には、反射層保護層16が配置されなくてもよい。ただし、反射層15を薄くすることにより放射線の透過率を高めることができる場合には、反射層15を薄くし、反射層15よりも放射線の透過率が高い材料からなる反射層保護層16が配置される構成とすることが好ましい。この場合、反射層保護層16として、例えば、厚さが5〜100μmのポリエチレンテレフタラート(PET)やポリエチレン(PE)など膜が適用できる。

0020

センサ基板11の周縁部に配置される駆動電極114と読出電極115には、それぞれ、フレキシブル配線101が接続される。そして、センサ基板11には、これらのフレキシブル配線101を介して、駆動用回路基板102や読出回路基板103が接続される。なお、センサ基板11の周縁部には、これらのフレキシブル配線101が接続されるため、シンチレータ層12と、硬質層14と、反射層15と、反射層保護層16とは配置されない。

0021

図1に示すように、センサ基板11の一方の表面にシンチレータ層12が配置される。そして、シンチレータ層12の両面のうち、センサ基板11の側とは反対側には、接着層13が配置される。接着層13は、柱状結晶121の隙間122に入り込んでいる。ただし、接着層13は、柱状結晶121どうしの隙間122の厚さ方向の全域にわたって入り込んでいなくてよい。例えば、図1に示すように、接着層13は、柱状結晶121の先端部(硬質層14の側の端部)において、柱状結晶121どうしの間の隙間122に入り込んでいればよい。接着層13の両面のうちのシンチレータ層12の側とは反対側には、硬質層14が配置される。そして、硬質層14は、接着層13によりシンチレータ層12の一方の表面に接合される。硬質層14の両面のうちの接着層13およびシンチレータ層12の側とは反対側の表面には、反射層15が配置される。なお、反射層15は、硬質層14の直上に配置され、硬質層14に密着している構成であることが好ましい。さらに、反射層15の両面のうちの硬質層14とは反対側の表面には、反射層保護層16が配置されていてもよい。

0022

シンチレータ層12の突出部123であるシンチレータ層12の複数の柱状結晶121のうちの少なくとも一部の柱状結晶121の先端部は、硬質層14に接触している。具体的には、突出部123である異常成長した柱状結晶121の先端部は、硬質層14によって押しつぶされて平坦化部124となり、この平坦化部124の表面が硬質層14に接触している。なお、突出部123を押しつぶして平坦化部124を形成する工程については後述する。

0023

このような構成によれば、硬質層14によってシンチレータ層12の突出部123が平坦化される。このため、局所的な突出部123に起因して生じる発光量の不均一を抑制して画質の低下を抑制できる。

0024

また、硬質層14によってシンチレータ層12の突出部123を押しつぶす構成であるため、反射層15をシンチレータ層12に接触させることなく、反射層15とシンチレータ層12とを接近させることができる。すなわち、反射層15が金属などの電気的な導体である場合には、シンチレータ層12の電気化学的腐食を抑制するため、シンチレータ層12と反射層15とが接触しないようにする。シンチレータ層12の表面に突出部123が存在する場合において、反射層15と突出部123が接触しないようにするためには、反射層15とシンチレータ層12との距離を、突出部123の高さよりも大きくしなければならない。これに対して、第1の実施形態では、突出部123が硬質層14によって押しつぶされるともに、反射層15とシンチレータ層12との間に硬質層14が介在する。このような構成であると、反射層15をシンチレータ層12に直接接触させることなく、反射層15をシンチレータ層12に接近させることができる。特に、硬質層14の直上に反射層15が配置される構成であると、シンチレータ層12と反射層15とを接触させることなく、これらの距離をさらに小さくできる。

0025

したがって、このような構成によれば、生成する放射線画像の鮮鋭度MTF)と検出量子効率DQE)を向上させることができる。また、撮影する範囲の全域にわたって発光量および鮮鋭度のムラを小さくできる。また、反射層15に金属などの導体が適用される場合であっても、シンチレータ層12の電気化学的腐食が抑制される。

0026

さらに、このような構成によれば、シンチレータ層12の突出部123を押しつぶす工程以降において、シンチレータ層12の大気曝露を抑制できるから、シンチレータ層12の特性の劣化を抑制できる。このように、シンチレータ層12の突出部123に起因する画質の低下を抑制しつつ、シンチレータ層12の大気曝露による特性劣化を抑制できる。さらに、シンチレータ層12の突出部123を押しつぶす工程と、シンチレータ層12を保護する保護する各層の形成とを、同じ工程で行うことができる。このため、放射線検出装置1aの製造工程の削減を図ることができ、製造コストの削減を図ることができる。

0027

また、硬質層14はシンチレータ層12よりも硬いから、硬質層14にシンチレータ層12の突出部123が接触しても硬質層14の損傷が防止される。したがって、シンチレータ層12の突出部123が硬質層14を貫通して反射層15と直接接触するが防止される。このため、反射層15が電気的な導体である場合に、シンチレータ層12の突出部123が反射層と接触することによる電気化学的腐食が抑制される。なお、本実施形態では、硬質層14の全体が電気的な絶縁性を有する樹脂材料から形成される構成を示すが、このような構成に限定されない。硬質層14は、シンチレータ層12の側の表面が電気的な絶縁性を有していればよい。

0028

<放射線検出装置の第2の実施形態>
次に、放射線検出装置の第2の実施形態について、図2を参照して説明する。図2は、第2の実施形態に係る放射線検出装置1bの構成例を模式的に示す断面図である。なお、第1の実施形態と共通の構成には、第1の実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。第2の実施形態は、放射線検出装置1bがベース層17を有し、このベース層17が反射層15の機能を有する形態である。図2に示すように、第2の実施形態に係る放射線検出装置1bは、センサ基板11と、シンチレータ層12と、接着層13と、硬質層14と、ベース層17と、防湿材18とを有する。センサ基板11と、シンチレータ層12と、接着層13と、硬質層14の構成および配置は、第1の実施形態と同じである。ただし、第1の実施形態では、シンチレータ層12の周縁部が接着層13を含む各層により覆われるのに対し、第2の実施形態では、シンチレータ層12の周縁部が防湿材18により囲まれる。

0029

ベース層17は、接着層13と硬質層14とを支持する。ベース層17には、放射線の透過率が高く透湿率が低い材料からなる層が適用される。また、ベース層17は、シンチレータ層12の突出部123が押し当てられた場合であっても、窪みなどが形成されず、かつ、全体として平板状の形状を維持する硬さを有している。例えば、ベース層17には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリイミド(PI)などの樹脂材料や、カーボンなどといった、放射線の透過率が高く透湿率が低い材料からなるシートや平板が適用できる。

0030

防湿材18は、周縁部からシンチレータ層12への水分の侵入を抑制する。防湿材18は、透湿率が低く、遮光性の高い材料が適用される。例えば、防湿材18には、黒色に着色されたエポキシ樹脂やシリコーン樹脂など、不透明の樹脂材料が適用される。

0031

なお、反射層15の配置に代えて反射層15の機能を有するベース層17が配置される構成と、シンチレータ層12の周縁部が防湿材18に囲まれる構成のほかは、第1の実施形態と同じ構成でよい。特に、シンチレータ層12の複数の柱状結晶121のうちの少なくとも一部の柱状結晶121の先端部(すなわち、突出部123)が硬質層14に接触している構成も、第1の実施形態と同じである。そして、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。

0032

<第3の実施形態>
次に、放射線検出装置の第3の実施形態について、図3を参照して説明する。図3は、第3の実施形態に係る放射線検出装置1cの構成例を模式的に示す断面図である。第3の実施形態は、硬質層14が反射層15の機能を有する形態である。なお、第1の実施形態と共通の構成には、第1の実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。図3に示すように、第3の実施形態に係る放射線検出装置1cは、センサ基板11と、シンチレータ層12と、接着層13と、硬質層14とを有する。センサ基板11と、シンチレータ層12と、接着層13の構成および配置は、第1の実施形態と同じでよい。

0033

第3の実施形態において、硬質層14は反射層15の機能を有する。このため、硬質層14は、柱状結晶121よりも硬く、かつ、シンチレーション光の反射率が高い構成が適用される。例えば、硬質層14には、二酸化チタン(TiO2)やアルミナ(Al2O3)やジルコニア(ZrO2)や酸化イットリウム(Y2O3)などといった、白色で光の反射率が高い材料の粉末を含有するシートが適用される。そして、このシートには、第1の実施形態と同様に、ポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフタラート(PET)などの樹脂材料のシートが適用できる。なお、第1の実施形態と同様に、シンチレータ層12の材料にヨウ化セシウムが適用される場合には、硬質層14には、モース硬度が3以上とショア硬さがD24以上の少なくとも一方を充足する材料が適用される。この場合には、これらの条件を充足する材料として、ポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフタラート(PET)が適用できる。ただし、第3の実施形態における硬質層14は、前記構成に限定されない。前記のとおり、硬質層14は、柱状結晶121よりも硬く、かつ、放射線の透過率およびシンチレーション光の反射率が高い構成であればよく、具体的な材料は限定されない。

0034

このほか、硬質層14が、可撓性を有するシート状ではなく、リジッドな板状の構成であってもよい。この場合、第2の実施形態のように、シンチレータ層12の周囲を防湿材18によって囲むことにより、シンチレータ層12への水分の侵入を抑制する(図2参照)。

0035

第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。

0036

<第4の実施形態>
次に、放射線検出装置の第4の実施形態について、図4を参照して説明する。図4は、第4の実施形態に係る放射線検出装置1dの構成例を模式的に示す断面図である。第4の実施形態は、シンチレータ層12の一方の表面(センサ基板11とは反対側の表面)に配置される各層が一体に接合した被覆部材3を形成している形態である。ここでは、被覆部材3がシート状である構成を例に示す。

0037

図4に示すように、第4の実施形態に係る放射線検出装置1dは、センサ基板11と、このセンサ基板11の一方の表面に配置されるシンチレータ層12とを有する。さらに、放射線検出装置1dは、シンチレータ層12のセンサ基板11とは反対側の表面に配置されるシート状の被覆部材3とを有する。シート状の被覆部材3は、接着層13と、硬質層14と、反射層15と、反射層保護層16とからなり、これらの各層が前記記載の順に積層している。そして、シート状の被覆部材3は、接着層13の側がシンチレータ層12の側に位置する向きで、シンチレータ層12の一方の表面に配置され、接着層13によりシンチレータ層12に接合される。この被覆部材3の各層は、第1〜第3の実施形態に係る放射線検出装置1a〜1cの対応する各層の機能を有する。さらに、この被覆部材3は、全体として、シンチレータ層12を保護する保護層としての機能を有する。

0038

被覆部材3の接着層13と硬質層14と反射層15と反射層保護層16は、第1の実施形態における接着層13と硬質層14と反射層15と反射層保護層16のそれぞれと共通の構成が適用できる。そして、被覆部材3がシンチレータ層12に接合された状態では、第4の実施形態に係る放射線検出装置1dと第1の実施形態に係る放射線検出装置1aは、同じ構成となる。例えば、被覆部材3がシンチレータ層12に接合された状態では、第1の実施形態と同様に、接着層13がシンチレータ層12の柱状結晶121どうしの隙間122に入り込んでいる。さらに、第1の実施形態と同様に、シンチレータ層12の複数の柱状結晶121のうちの少なくとも一部の柱状結晶121の先端部は、硬質層14に接触している。すなわち、突出部123の表面は硬質層14によって押しつぶされて平坦化部124となり、この平坦化部124の表面が硬質層14に接触している。

0039

被覆部材3の構成の一例として、接着層13には、厚さが50μmのホットメルト樹脂などの熱可塑性樹脂が適用できる。硬質層14には、厚さが15μmのポリエチレンのシートが適用できる。反射層15には、厚さが20μmのアルミニウムのシートが適用できる。反射層保護層16には、厚さが12μmのポリエチレンテレフタラート(PET)のシートが適用できる。そして、これらの各層が積層しており、一体に接合している。なお、前記の各層の材質および厚さは一例であり、この材質および厚さに限定されるものではない。

0040

また、図4においては、被覆部材3が反射層15と反射層保護層16を有する構成を示したが、このような構成に限定されない。例えば、反射層15が腐食性を有さない場合には、被覆部材3が反射層保護層16を有さない構成であってもよい。また、被覆部材3において硬質層14が反射層15の機能を有し、反射層15が含まれない構成であってもよい。この場合には、被覆部材3がシンチレータ層12に接合された状態では、第4の実施形態に係る放射線検出装置1dは、第3の実施形態に係る放射線検出装置1cと同じ構成となる。

0041

さらに、被覆部材3が、硬質層14および反射層15を支持するベース層17を有していてもよい。例えば、ベース層17には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリイミド(PI)などの樹脂材料や、カーボンなどといった、放射線の透過率が高く透湿率が低い材料が適用できる。そして、その表面に反射層15が配置される。反射層15には、例えば、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などが適用される。反射層15は、例えば、蒸着法によってベース層17の表面にアルミニウムや銀を蒸着させることにより形成される。さらに、反射層15の表面に、硬質層14が貼り合わせられることにより、被覆部材3が製造される。このように、硬質層14と反射層15とは、ベース層17の表面に積層して配置され、ベース層17により支持される。

0042

このほか、ベース層17が反射層15の機能を有していてもよい。この場合には、例えば、被覆部材3は、硬質層14として厚さが2μmのアクリル樹脂を有し、ベース層17として厚さが300μmのアルミニウム板を有する構成が適用できる。さらにこの場合には、被覆部材3には単体の反射層15が含まれていなくてよい。

0043

このように、被覆部材3は、少なくとも接着層13と硬質層14を有していればよい。そして、被覆部材3は、例えば全体としてシート状の構成が適用できる。ただし、被覆部材3は、シート状である構成に限定されない。また、被覆部材3には、反射層15または反射層15の機能を有する層が含まれる構成であることが好ましい。

0044

第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。また、シンチレータ層12の一方の表面に積層して配置される各層を予め一体化した被覆部材3を用いることにより、放射線検出装置1dの製造工程の簡素化を図ることができる。

0045

なお、前記各実施形態では、シンチレータ層12が配置される側から入射した放射線を検出できる構成を示したが、このような構成に限定されない。本発明は、いわゆる裏面照射型の放射線検出装置にも適用できる。この場合、接着層13と、硬質層14と、反射層15と、反射層保護層16とは、前記各実施形態と同じ構成でよい。ただし、いわゆる裏面照射型の放射線検出装置においては、放射線は前記各層を透過しないため、前記各層は放射線の透過率が高くなくてもよい。

0046

<放射線検出装置の製造方法>
次に、放射線検出装置の製造方法について説明する。ここでは、第4の実施形態に係る放射線検出装置1dを主な例に用いて説明する。図5は、放射線検出装置1dの製造方法の工程を模式的に示す断面図である。なお、センサ基板11の製造工程など、従来公知の方法が適用できる工程については、説明を省略する。

0047

(a)柱状結晶形成工程
図5(a)に示すように、センサ基板11の一方の表面に、シンチレータ層12を形成する。本発明の実施形態では、蒸着法を用いて、センサ基板11の一方の表面に、直接にシンチレータ層12を形成する。シンチレータ層12の材料として、例えば、タリウム添加ヨウ化セシウム(CsI:Tl)やナトリウム添加ヨウ化セシウムを用い、柱状結晶121からなるシンチレータ層12を、センサ基板11の一方の表面に直接に形成する。この際、センサ基板11の表面に不純物やゴミやキズなどの異物が存在したり、蒸着材料の突沸によって異物がセンサ基板11の表面に付着したりすると、このような異物を成長核として柱状結晶121が異常成長することがある。そして、異常成長した柱状結晶121は、その周囲に存在する異常成長していない柱状結晶121に比較して高く(厚く)なる。その結果、シンチレータ層12の表面に、局所的に突出する突出部123が現れる。

0048

(b)被覆部材貼り合わせ工程
図5(b)に示すように、接着層13によって、シート状の被覆部材3をシンチレータ層12の一方の表面に接合する。この工程では、被覆部材3の硬質層14によって異常成長した柱状結晶121を押しつぶしつつ、接着層13によってシンチレータ層12と被覆部材3とを貼り合わせて接合する。接合方法としては、真空ラミネート処理が適用できる。具体的には、真空容器内で被覆部材3をシンチレータ層12に押し付ける(加圧する)とともに加熱し、接着層13を溶融させてシンチレータ層12の一方の表面に接合する。この際、ガラス板5などの表面が平坦な部材を用いて加圧することにより、被覆部材3の変形を防止して平面に維持する。被覆部材3の加圧により、被覆部材3の硬質層14が、シンチレータ層12の突出部123、すなわち、異常成長した柱状結晶121の先端部を押しつぶす。被覆部材3の硬質層14は柱状結晶121よりも硬いことから、被覆部材3を加圧すると、硬質層14が破損することなく、シンチレータ層12の突出部123を押しつぶすことができる。なお、反射層15および反射層保護層16は、硬質層14の接着層13が配置される側(シンチレータ層12に接合される側)とは反対側に配置されるから、反射層15および反射層保護層16の破損が防止される。

0049

図5(c)は、加圧後の状態を模式的に示す。図5(c)に示すように、上記方法によって被覆部材3をシンチレータ層12の一方の表面に接合すると、加圧によって突出部123(すなわち、異常成長した柱状結晶121の先端部)が押しつぶされる。このため、図5(c)に示すように、異常成長した柱状結晶121の先端部がその周囲に移動するとともに、硬質層14の形状に倣って平坦となる。これにより、平坦化部124が形成される。すなわち、平坦化部124は、異常成長した柱状結晶121の先端部がその周辺に移動することによって形成される。押しつぶされた柱状結晶121の先端部(平坦化部124)は、硬質層14に接触した状態となる。このように、シンチレータ層12の複数の柱状結晶121のうち、少なくとも一部の柱状結晶121の先端部は、硬質層14に接触している状態となる。

0050

また、上記方法によって被覆部材3をシンチレータ層12の一方の表面に接合すると、接着層13がシンチレータ層12の柱状結晶121どうしの隙間122に入り込む。接着層13がシンチレータ層12の柱状結晶121どうしの隙間122に入り込むことにより、接着層13とシンチレータ層12との接触面積を大きくし、接合強度の向上を図ることができる。さらに、このような構成であると、平坦化部124の周囲が接着層13に囲まれた状態となるから、平坦化部124の移動を抑制できる。

0051

なお、第2の実施形態のように、ベース層17を有する放射線検出装置1bの製造においては、被覆部材3の加圧の際にガラス板5などを用いなくてもよい。例えば、ベース層17にアルミニウム板やカーボン板が適用され、かつ、ベース層17がシンチレータ層12の突出部123を押しつけられても変形しない程度の厚さを有していれば、このベース層17がガラス板5の機能を果たす。このため、この場合には、加圧の際にガラス板5を用いなくてもよく、ベース層17を介して加圧すればよい。

0052

また、貼り合わせ工程において、シンチレータ層12と被覆部材3との間に気泡が存在しないようにすることが好ましい。気泡の発生を防止するため、真空中において被覆部材3とシンチレータ層12とを貼り合わせることが好ましい。

0053

その後、センサ基板11の駆動電極114と読出電極115のそれぞれにフレキシブル配線101を接続し、センサ基板11と駆動用回路基板102および読出用回路基板103とを、フレキシブル配線101により接続する。これにより、放射線検出装置1dが完成する。

0054

このように、シンチレータ層12の突出部123を押しつぶす工程以降において、シンチレータ層12の大気曝露を抑制できるから、シンチレータ層12の特性の劣化を抑制できる。さらに、シンチレータ層12の突出部123を押しつぶす工程と、シンチレータ層12を保護する保護する各層の形成とを同じ工程で行うことができる。このため、製造工程の削減を図ることができ、製造コストの削減を図ることができる。

0055

<放射線検出システムの実施形態>
次に、放射線検出システム6000の実施形態について、図6を参照して説明する。図6は、本発明の実施形態に係る放射線検出システム6000の構成例を模式的に示す図である。本発明の実施形態に係る放射線検出システム6000には、本発明の各実施形態に係る放射線検出装置1a〜1dが適用される。

0056

図6に示すように、X線チューブ6050で発生したX線6060(放射線)は、被検者6061の撮影対象部位6062を透過し、放射線検出装置1a〜1dに入射する。この入射したX線には被検者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応してシンチレータ層12が発光し、これをセンサ基板11の光電変換素子112が光電変換して、電気的情報を得る。この情報はデジタルに変換され信号処理手段となるイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室の表示手段となるディスプレイ6080で観察できる。

0057

また、この情報は電話、LAN、インターネットなどのネットワーク6090等の伝送処理手段により遠隔地転送でき、別の場所のドクタールームなどの表示手段となるディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の記録手段に保存することができ、遠隔地の医師診断することも可能である。また記録手段となるフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。

0058

<第1の実施例>
次に、本発明の第1の実施例について説明する。まず、蒸着法によって、センサ基板11の一方の表面にシンチレータ層12を形成した。蒸着法により別基板上に形成したシンチレータ層12の中心部の膜厚測定を行った結果、膜厚は600μmであった。また、膜厚の測定後のサンプルのシンチレータ層12の表面を走査型電子顕微鏡(SEM:ScanningElectronMicroscope)により観察したところ、柱状結晶121の間に隙間122が形成されていることが確認できた。また異常成長した柱状結晶121による突出部123の存在も確認できた。

0059

第1の実施例では、接着層13と硬質層14と反射層15と反射層保護層16とを有する被覆部材3を作成した。被覆部材3の接着層13は、厚さが50μmのホットメルト樹脂とした。硬質層14は、厚さが15μmのポリエチレン樹脂とした。反射層15は、厚さが20μmのアルミニウムシートとした。反射層保護層16は、厚さが20μmのポリエチレンテレフタラート(PET)とした。

0060

そして、このような構成の被覆部材3を、真空ラミネート処理により、センサ基板11の一方の表面に配置されたシンチレータ層12に接合した。具体的には、真空容器内で被覆部材3を加圧および加熱してホットメルト樹脂を溶融させた。この際、被覆部材3の反射層保護層16の側に厚さ約1mmのガラス板5を押し当てながら加圧した。接着条件は、真空度を1hPaとし、圧力を1.0MPaとし、被覆部材3の表面温度を100℃とした。

0061

前記条件でラミネート処理を行った後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面観察した。この観察において、突出部123である異常成長した柱状結晶121の先端部のみが押しつぶされ、平坦化部124が形成されたことが確認された。また、硬質層14と反射層15と反射層保護層16は、平坦化部124が接触している箇所において若干の形状変化(凸形状)が観察されたが、ピンホールの形成などの異常は観察されなかった。このように、硬質層14と反射層15と反射層保護層16が保護層としての機能を維持していることが確認された。この状態において、複数の柱状結晶121の先端から硬質層14までの平均距離を測定したところ、30μmであった。また、ホットメルト樹脂からなる接着層13が、柱状結晶121の隙間122に約25μm程度入り込んでいることが確認された。このように、SEMによる断面観察によれば、本発明の各実施形態の構成が得られていることが確認された。

0062

<第2の実施例>
次に、第2の実施例について説明する。第2の実施例は、硬質層14の一方の表面に反射層15の機能を有するベース層17が配置される構成の実施例である。この実施例では、硬質層14は厚さが2μmのアクリル樹脂とし、ベース層17は厚さが300μmのアルミニウム板とした。なお、接着層13は、第1の実施例と同じとした。また、その他の条件も第1の実施例と同じとした。

0063

接着層13と硬質層14とベース層17とからなる被覆部材3を作成し、作成した被覆部材3を、第1の実施例を同じ条件のラミネート処理により、シンチレータ層12に貼り合わせた。ただし、第2の実施例では、ベース層17が第1の実施例におけるガラス板5の機能を果たすため、ガラス板5を用いずに加圧した。前記条件でラミネート処理を行った後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面観察したところ、第1の実施例と同様の構成が得られたことが確認された。

0064

このように、本発明の実施例によれば、本発明の構成が得られることが確認された。

0065

以上、本発明の実施形態および実施例を、図面を参照して詳細に説明したが、前記実施形態および実施例は、本発明の実施にあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前述した実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。

0066

本発明の放射線検出装置は、医療用の放射線検出装置や、非破壊検査装置等の放射線を利用した医療用以外の分析検査用途の装置への応用が可能である。

0067

1a,1b,1c,1d:放射線検出装置、11:センサ基板、111:ガラス基板、112:光電変換素子、113:保護膜、12:シンチレータ層、121:柱状結晶、122:隙間、123:突出部、124:平坦化部、13:接着層、14:硬質層、15:反射層、16:反射層保護層

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