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技術 ガスタービン冷却系統、これを備えるガスタービン設備、ガスタービン冷却系統の制御方法

出願人 三菱日立パワーシステムズ株式会社
発明者 藤井智子矢部哲也東一也
出願日 2016年1月22日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-010765
公開日 2017年7月27日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-129103
状態 特許登録済
技術分野 ガスタービン、高圧・高速燃焼室
主要キーワード 保護指令 基準指令 変換形態 特性ライン サージ現象 吸込流量 最大変化率 冷却済み
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

負荷遮断時でも、ガスタービン1の高温部品を冷却することができる。

解決手段

ガスタービン冷却系統50は、空気圧縮機10で圧縮された圧縮空気を高温部品に導く冷却空気ライン51と、冷却空気ライン51中の圧縮空気を冷却する冷却器63と、冷却空気ライン51中の冷却空気を昇圧する昇圧機61と、冷却空気ライン51中の冷却空気を冷却空気ライン51中の上流側に戻すリターンライン56と、リターンライン56を流れる冷却空気の流量を調節するリターン弁58と、リターン弁58の開度を制御する制御装置100と、備える。制御装置100は、受付部101と、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けると、リターン弁58の開度を予め定めれた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の弁指令を第二弁指令として発生する第二弁指令発生部131と、を有する。

概要

背景

ガスタービンは、外気圧縮して圧縮空気を生成する空気圧縮機と、燃料を圧縮空気中で燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼ガスにより駆動するタービンと、を備えている。ガスタービンでは、燃焼器の燃焼筒や、タービンの動翼静翼等が高温の燃焼ガスに晒されるため、これらの高温部品を冷却して、これらの高温部品を燃焼ガスの熱から保護する必要がある。

以下の特許文献1には、ガスタービンの高温部品の一つである燃焼器の燃焼筒を冷却するための冷却系統が開示されている。この冷却系統は、ガスタービンの空気圧縮機で圧縮された圧縮空気を燃焼筒に導く冷却空気ラインと、冷却空気ライン中の圧縮空気を冷却して冷却空気にする冷却器と、冷却空気ライン中の冷却空気を昇圧する昇圧機と、を備えている。

概要

負荷遮断時でも、ガスタービン1の高温部品を冷却することができる。ガスタービン冷却系統50は、空気圧縮機10で圧縮された圧縮空気を高温部品に導く冷却空気ライン51と、冷却空気ライン51中の圧縮空気を冷却する冷却器63と、冷却空気ライン51中の冷却空気を昇圧する昇圧機61と、冷却空気ライン51中の冷却空気を冷却空気ライン51中の上流側に戻すリターンライン56と、リターンライン56を流れる冷却空気の流量を調節するリターン弁58と、リターン弁58の開度を制御する制御装置100と、備える。制御装置100は、受付部101と、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けると、リターン弁58の開度を予め定めれた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の弁指令を第二弁指令として発生する第二弁指令発生部131と、を有する。

目的

本発明は、負荷遮断時でも高温部品を冷却することができるガスタービン冷却系統、これを備えるガスタービン設備、ガスタービン冷却系統の制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

ガスタービン空気圧縮機圧縮された圧縮空気をガスタービン中で燃焼ガスに接する高温部品に導く冷却空気ラインと、前記冷却空気ライン中の前記圧縮空気を冷却して冷却空気にする冷却器と、前記冷却空気ライン中の前記冷却空気を昇圧する昇圧機と、前記冷却空気ライン中で前記昇圧機よりも前記高温部品側のラインである吐出ライン中の前記冷却空気を前記冷却空気ライン中で前記昇圧機よりも前記空気圧縮機側の吸気ラインに戻すリターンラインと、前記リターンラインに設けられ、前記リターンラインを流れる前記冷却空気の流量を調節するリターン弁と、前記吸気ラインを流れる前記冷却空気の状態量と前記吐出ラインを流れる前記冷却空気の状態量とを検知する検知器と、前記リターン弁の開度を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ガスタービンの負荷遮断を示す負荷遮断指令受け付ける受付部と、前記検知器で検知された前記状態量に応じた前記リターン弁の開度を示す第一弁指令を発生する第一弁指令発生部と、前記受付部が前記負荷遮断指令を受け付けると、前記検知器で検知された前記状態量に関わらず、前記リターン弁の開度を前記第一弁指令が示す開度以上の予め定めれた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の弁指令を第二弁指令として発生する第二弁指令発生部と、前記第二弁指令発生部が前記第二弁指令を発生している場合、前記第二弁指令に基づくリターン弁指令を前記リターン弁に出力し、前記第二弁指令発生部が前記第二弁指令を発生していない場合、前記ガスタービンの状態に応じて前記第一弁指令に基づくリターン弁指令を前記リターン弁に出力するリターン弁指令出力部と、を有する、ガスタービン冷却系統

請求項2

請求項1に記載のガスタービン冷却系統において、前記遮断時開度は、前記リターン弁の全開の開度である、ガスタービン冷却系統。

請求項3

請求項1又は2に記載のガスタービン冷却系統において、前記第二弁指令発生部は、前記受付部が前記負荷遮断指令を受け付けると、前記昇圧機のサージング発生の可能性が低くなったとされる予め定められている条件が満たされるまで、前記遮断時開度を維持する旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する、ガスタービン冷却系統。

請求項4

請求項3に記載のガスタービン冷却系統において、前記第二弁指令発生部は、前記予め定められた条件が満たされると、前記リターン弁の開度を前記遮断時開度から小さくする旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する、ガスタービン冷却系統。

請求項5

請求項4に記載のガスタービン冷却系統において、前記第一弁指令発生部は、前記検知器で検知された前記状態量がサージング発生の可能性が高まっていることを示す場合、前記リターン弁の開度が大きくなる開度を示す前記第一弁指令を発生し、前記検知器で検知された前記状態量がサージング発生の可能性が低下していることを示す場合、前記リターン弁の開度が小さくなる開度を示す前記第一弁指令を発生し、前記予め定められた条件が満たされたときの前記第二弁指令が示す開度の閉側への変化率は、サージング発生の可能性が低下しているときの前記第一弁指令が示す開度の閉側への最大変化率より大きい、ガスタービン冷却系統。

請求項6

請求項4又は5に記載のガスタービン冷却系統において、前記予め定められた条件が満たされたときの前記第二弁指令が示す開度の変化率は、予め定められた変化率である、ガスタービン冷却系統。

請求項7

請求項4又は5に記載のガスタービン冷却系統において、前記第二弁指令発生部は、前記予め定められた条件が満たされたとき、前記検知器で検知された前記状態量に応じて定めた開度を示す弁指令を前記第二弁指令として発生する、ガスタービン冷却系統。

請求項8

請求項4から7のいずれか一項に記載のガスタービン冷却系統において、前記予め定められている条件である第一条件が満たされた後、第二条件が満たされると、前記第二弁指令発生部は、前記第二弁指令の発生を中止する、ガスタービン冷却系統。

請求項9

請求項1から8のいずれか一項に記載のガスタービン冷却系統において、前記吸気ラインに設けられ、前記吸気ラインを流れる冷却空気の流量を調節する吸気弁を備え、前記制御装置は、前記受付部が前記負荷遮断指令を受け付けると、前記検知器で検知された前記状態量に関わらず、前記吸気弁の開度を予め定められた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の第一弁指令を発生する吸気弁指令発生部と、前記吸気弁指令発生部が発生した前記第一弁指令に基づく吸気弁指令を前記吸気弁に出力する吸気弁指令出力部と、を有する、ガスタービン冷却系統。

請求項10

請求項9に記載のガスタービン冷却系統において、前記吸気弁指令発生部が発生する前記第一弁指令が示す前記遮断時開度は、前記吸気弁の全開の開度である、ガスタービン冷却系統。

請求項11

請求項1から10のいずれか一項に記載のガスタービン冷却系統において、前記制御装置は、前記ガスタービンにかかる負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す基準指令を発生する基準指令発生部を備え、前記第一弁指令発生部は、前記昇圧機でのサージング発生が高まった場合、前記第一弁指令として、前記検知器で検知された前記状態量に応じて、前記基準指令が示す開度より大きな開度を示す指令を発生し、前記リターン弁指令出力部は、前記リターン弁に関する前記第一弁指令と前記第二弁指令と前記基準指令とのうち、いずれか一の指令を選択する選択部と、前記選択部が選択した前記一の指令を前記リターン弁の制御に合ったリターン弁指令に変換して、前記リターン弁指令を前記リターン弁に出力する指令変換部と、を有し、前記選択部は、前記第二弁指令と、前記リターン弁に関する前記第一弁指令又は前記基準指令との入力がある場合、前記第二弁指令を選択し、前記第二弁指令の入力がなく且つ前記第一弁指令と前記基準指令との入力がある場合、大きな開度を示す指令を選択し、前記指令変換部は、前記選択部が選択した一の指令が前記基準指令の場合、前記負荷が予め定められた値未満のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に対して負の相関性を持って変化する前記リターン弁の開度を示すリターン弁指令に変換し、前記負荷が前記予め定められた値以上のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に関わらず一定の開度を示すリターン弁指令に変換する、ガスタービン冷却系統。

請求項12

請求項9又は10に記載のガスタービン冷却系統において、前記制御装置は、前記ガスタービンにかかる負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す基準指令を発生する基準指令発生部を備え、前記第一弁指令発生部は、前記昇圧機でのサージング発生が高まった場合、前記第一弁指令として、前記検知器で検知された前記状態量に応じて、前記基準指令が示す開度より大きな開度を示す指令を発生し、前記リターン弁指令出力部は、前記リターン弁に関する前記第一弁指令と前記第二弁指令と前記基準指令とのうち、いずれか一の指令を選択する選択部と、前記選択部が選択した前記一の指令を前記リターン弁の制御に合ったリターン弁指令に変換して、前記リターン弁指令を前記リターン弁に出力する指令変換部と、を有し、前記選択部は、前記リターン弁に関する前記第二弁指令と、前記リターン弁に関する前記第一弁指令又は前記基準指令との入力がある場合、前記第二弁指令を選択し、前記第二弁指令の入力がなく且つ前記第一弁指令と前記基準指令との入力がある場合、大きな開度を示す一の指令を選択し、前記指令変換部は、前記選択部が選択した一の指令が前記基準指令の場合、前記負荷が予め定められた値未満のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に対して負の相関性を持って変化する前記リターン弁の開度を示すリターン弁指令に変換し、前記負荷が前記予め定められた値以上のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に関わらず一定の開度を示すリターン弁指令に変換し、前記吸気弁指令出力部は、前記吸気弁に関する前記第一弁指令と前記基準指令とのうち、いずれか一の指令を選択する選択部と、前記吸気弁指令出力部の前記選択部が選択した前記一の指令を前記吸気弁の制御にあった吸気弁指令に変換して、前記吸気弁指令を前記吸気弁に出力する指令変換部と、を有し、前記吸気弁指令出力部の前記選択部は、前記吸気弁に関する前記第一弁指令と前記基準指令との入力がある場合、大きな開度を示す一の指令を選択し、前記吸気弁指令出力部の前記指令変換部は、前記吸気弁指令出力部の前記選択部が選択した一の指令が前記基準指令の場合、前記負荷が前記予め定められた値未満のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に関わらず一定の開度を示す吸気弁指令に変換し、前記負荷が前記予め定められた値以上のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す吸気弁指令に変換する、ガスタービン冷却系統。

請求項13

請求項9、10及び12のいずれか一項に記載のガスタービン冷却系統において、前記吸気弁指令発生部は、前記昇圧機のサージング発生の可能性が低くなったと想定される条件が満たされた後であって、前記高温部品が十分に冷却された状態に戻ったと想定される条件が満たされると、前記吸気弁に関する前記第一弁指令の発生を中止する、ガスタービン冷却系統。

請求項14

請求項1から13のいずれか一項に記載のガスタービン冷却系統と、前記ガスタービンと、を備えるガスタービン設備

請求項15

ガスタービンの空気圧縮機で圧縮された圧縮空気をガスタービン中で燃焼ガスに接する高温部品に導く冷却空気ラインと、前記冷却空気ライン中の前記圧縮空気を冷却して冷却空気にする冷却器と、前記冷却空気ライン中の前記冷却空気を昇圧する昇圧機と、前記冷却空気ライン中で前記昇圧機よりも前記高温部品側のラインである吐出ライン中の前記冷却空気を前記冷却空気ライン中で前記昇圧機よりも前記空気圧縮機側の吸気ラインに戻すリターンラインと、前記リターンラインに設けられ前記リターンラインを流れる前記冷却空気の流量を調節するリターン弁と、を備えるガスタービン冷却系統の制御方法において、前記吸気ラインを流れる前記冷却空気の状態量と前記吐出ラインを流れる前記冷却空気の状態量とを検知する検知工程と、前記ガスタービンの負荷遮断を示す負荷遮断指令を受け付ける受付工程と、前記検知工程で検知された前記状態量に応じた前記リターン弁の開度を示す第一弁指令を発生する第一弁指令発生工程と、前記受付工程により前記負荷遮断指令を受け付けると、前記検知工程で検知された前記状態量に関わらず、前記リターン弁の開度を前記第一弁指令が示す開度以上の予め定めれた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の弁指令を第二弁指令として発生する第二弁指令発生工程と、前記第二弁指令発生工程で前記第二弁指令を発生している場合、前記第二弁指令に基づくリターン弁指令を前記リターン弁に出力し、前記第二弁指令発生工程で前記第二弁指令を発生していない場合、前記ガスタービンの状態に応じて前記第一弁指令に基づくリターン弁指令を前記リターン弁に出力するリターン弁指令出力工程と、を実行するガスタービン冷却系統の制御方法。

請求項16

請求項15に記載のガスタービン冷却系統の制御方法において、前記遮断時開度は、前記リターン弁の全開の開度である、ガスタービン冷却系統の制御方法。

請求項17

請求項15又は16に記載のガスタービン冷却系統の制御方法において、前記第二弁指令発生工程では、前記受付工程で前記負荷遮断指令を受け付けると、前記昇圧機でのサージング発生の可能性が低くなったとされる予め定められている条件が満たされるまで、前記遮断時開度を維持する旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する、ガスタービン冷却系統の制御方法。

請求項18

請求項17に記載のガスタービン冷却系統の制御方法において、前記第二弁指令発生工程では、前記予め定められた条件が満たされると、前記リターン弁の開度を前記遮断時開度から小さくする旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する、ガスタービン冷却系統の制御方法。

請求項19

請求項18に記載のガスタービン冷却系統の制御方法において、前記第一弁指令発生工程では、前記検知工程で検知された前記状態量がサージング発生の可能性が高まっていることを示す場合、前記リターン弁の開度が大きくなる開度を示す前記第一弁指令を発生し、前記検知工程で検知された前記状態量がサージング発生の可能性が低下していることを示す場合、前記リターン弁の開度が小さくなる開度を示す前記第一弁指令を発生し、前記予め定められた条件が満たされたときの前記第二弁指令が示す開度の閉側への変化率は、サージング発生の可能性が低下しているときの前記第一弁指令が示す開度の閉側への最大変化率より大きい、ガスタービン冷却系統の制御方法。

請求項20

請求項18又は19に記載のガスタービン冷却系統の制御方法において、前記予め定められた条件が満たされたときの前記第二弁指令が示す開度の変化率は、予め定められた変化率である、ガスタービン冷却系統の制御方法。

請求項21

請求項18又は19に記載のガスタービン冷却系統の制御方法において、前記第二弁指令発生工程では、前記予め定められた条件が満たされたとき、前記検知工程で検知された前記状態量に応じて定めた開度を示す弁指令を前記第二弁指令として発生する、ガスタービン冷却系統の制御方法。

請求項22

請求項18から21のいずれか一項に記載のガスタービン冷却系統の制御方法において、前記予め定められている条件である第一条件が満たされた後、第二条件が満たされると、前記第二弁指令発生工程では、前記第二弁指令の発生を中止する、ガスタービン冷却系統の制御方法。

請求項23

請求項15から22のいずれか一項に記載のガスタービン冷却系統の制御方法において、前記ガスタービン冷却系統は、前記吸気ラインに設けられ前記吸気ラインを流れる前記冷却空気の流量を調節する吸気弁を備え、前記受付工程により前記負荷遮断指令を受け付けると、前記検知工程で検知された前記状態量に関わらず、前記吸気弁の開度を予め定められた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の第一弁指令を発生する吸気弁指令発生工程と、前記吸気弁指令発生工程で発生した前記第一弁指令に基づく吸気弁指令を前記吸気弁に出力する吸気弁指令出力工程と、を実行するガスタービン冷却系統の制御方法。

請求項24

請求項23に記載のガスタービン冷却系統の制御方法において、前記吸気弁指令発生工程で発生する前記第一弁指令が示す前記遮断時開度は、前記吸気弁の全開の開度である、ガスタービン冷却系統の制御方法。

請求項25

請求項15から24のいずれか一項に記載のガスタービン冷却系統の制御方法において、前記ガスタービンにかかる負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す基準指令を発生する基準指令発生工程を実行し、前記第一弁指令発生工程では、前記昇圧機でのサージング発生が高まった場合、前記リターン弁に関する前記第一弁指令として、前記検知工程で検知された前記状態量に応じて、前記基準指令が示す開度より大きな開度を示す指令を発生し、前記リターン弁指令出力工程は、前記リターン弁に関する前記第一弁指令と前記第二弁指令と前記基準指令とのうち、いずれか一の指令を選択する選択工程と、前記選択工程で選択された前記一の指令を前記リターン弁の制御に合ったリターン弁指令に変換して、前記リターン弁指令を前記リターン弁に出力する指令変換工程と、を含み、前記選択工程では、前記第二弁指令と、前記リターン弁に関する前記第一弁指令又は前記基準指令との入力がある場合、前記第二弁指令を選択し、前記第二弁指令の入力がなく且つ前記第一弁指令と前記基準指令との入力がある場合、大きな開度を示す指令を選択し、前記指令変換工程では、前記選択工程で選択された一の指令が前記基準指令の場合、前記負荷が予め定められた値未満のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に対して負の相関性を持って変化する前記リターン弁の開度を示すリターン弁指令に変換し、前記負荷が前記予め定められた値以上のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に関わらず一定の開度を示すリターン弁指令に変換する、ガスタービン冷却系統の制御方法。

請求項26

請求項23又は24に記載のガスタービン冷却系統の制御方法において、前記ガスタービンにかかる負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す基準指令を発生する基準指令発生工程を実行し、前記第一弁指令発生工程では、前記昇圧機でのサージング発生が高まった場合、前記リターン弁に関する前記第一弁指令として、前記検知工程で検知された前記状態量に応じて、前記基準指令が示す開度より大きな開度を示す指令を発生し、前記リターン弁指令出力工程は、前記リターン弁に関する前記第一弁指令と前記第二弁指令と前記基準指令とのうち、いずれか一の指令を選択する選択工程と、前記選択工程で選択された前記一の指令を前記リターン弁の制御に合ったリターン弁指令に変換して、前記リターン弁指令を前記リターン弁に出力する指令変換工程と、を含み、前記選択工程では、前記第二弁指令と、前記リターン弁に関する前記第一弁指令又は前記基準指令との入力がある場合、前記第二弁指令を選択し、前記第二弁指令の入力がなく且つ前記第一弁指令と前記基準指令との入力がある場合、大きな開度を示す指令を選択し、前記指令変換工程では、前記選択工程で選択された一の指令が前記基準指令の場合、前記負荷が予め定められた値未満のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に対して負の相関性を持って変化する前記リターン弁の開度を示すリターン弁指令に変換し、前記負荷が前記予め定められた値以上のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に関わらず一定の開度を示すリターン弁指令に変換し、前記吸気弁指令出力工程は、前記吸気弁に関する前記第一弁指令と前記基準指令とのうち、いずれか一の指令を選択する選択工程と、前記吸気弁指令出力工程における前記選択工程で選択された前記一の指令を前記吸気弁の制御にあった吸気弁指令に変換して、前記吸気弁指令を前記吸気弁に出力する指令変換工程と、を含み、前記吸気弁指令出力工程における前記選択工程では、前記吸気弁に関する前記第一弁指令と前記基準指令との入力がある場合、大きな開度を示す一の指令を選択し、前記吸気弁指令出力工程における前記指令変換工程では、前記吸気弁指令出力工程における前記選択工程で選択された一の指令が前記基準指令の場合、前記負荷が前記予め定められた値未満のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に関わらず一定の開度を示す吸気弁指令に変換し、前記負荷が前記予め定められた値以上のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す吸気弁指令に変換する、ガスタービン冷却系統の制御方法。

請求項27

請求項26に記載のガスタービン冷却系統において、前記吸気弁指令発生工程では、前記昇圧機のサージング発生の可能性が低くなったと想定される条件が満たされた後であって、前記高温部品が十分に冷却された状態に戻ったと想定される条件が満たされると、前記吸気弁に関する前記第一弁指令の発生を中止する、ガスタービン冷却系統の制御方法。

技術分野

0001

本発明は、ガスタービン中で燃焼ガスに接する高温部品を冷却するためのガスタービン冷却系統、これを備えるガスタービン設備、ガスタービン冷却系統の制御方法に関する。

背景技術

0002

ガスタービンは、外気圧縮して圧縮空気を生成する空気圧縮機と、燃料を圧縮空気中で燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼ガスにより駆動するタービンと、を備えている。ガスタービンでは、燃焼器の燃焼筒や、タービンの動翼静翼等が高温の燃焼ガスに晒されるため、これらの高温部品を冷却して、これらの高温部品を燃焼ガスの熱から保護する必要がある。

0003

以下の特許文献1には、ガスタービンの高温部品の一つである燃焼器の燃焼筒を冷却するための冷却系統が開示されている。この冷却系統は、ガスタービンの空気圧縮機で圧縮された圧縮空気を燃焼筒に導く冷却空気ラインと、冷却空気ライン中の圧縮空気を冷却して冷却空気にする冷却器と、冷却空気ライン中の冷却空気を昇圧する昇圧機と、を備えている。

先行技術

0004

特開2014−070510号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ガスタービンの負荷遮断時には、ガスタービンの運転状態が急激に変化する。しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、負荷遮断時の対応について考慮されていない。

0006

そこで、本発明は、負荷遮断時でも高温部品を冷却することができるガスタービン冷却系統、これを備えるガスタービン設備、ガスタービン冷却系統の制御方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するための発明に係る一態様としてのガスタービン冷却系統は、
ガスタービンの空気圧縮機で圧縮された圧縮空気をガスタービン中で燃焼ガスに接する高温部品に導く冷却空気ラインと、前記冷却空気ライン中の前記圧縮空気を冷却して冷却空気にする冷却器と、前記冷却空気ライン中の前記冷却空気を昇圧する昇圧機と、前記冷却空気ライン中で前記昇圧機よりも前記高温部品側のラインである吐出ライン中の前記冷却空気を前記冷却空気ライン中で前記昇圧機よりも前記空気圧縮機側の吸気ラインに戻すリターンラインと、前記リターンラインに設けられ、前記リターンラインを流れる前記冷却空気の流量を調節するリターン弁と、前記吸気ラインを流れる前記冷却空気の状態量と前記吐出ラインを流れる前記冷却空気の状態量とを検知する検知器と、前記リターン弁の開度を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記ガスタービンの負荷遮断を示す負荷遮断指令受け付ける受付部と、前記検知器で検知された前記状態量に応じた前記リターン弁の開度を示す第一弁指令を発生する第一弁指令発生部と、前記受付部が前記負荷遮断指令を受け付けると、前記検知器で検知された前記状態量に関わらず、前記リターン弁の開度を予め定めれた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の弁指令を第二弁指令として発生する第二弁指令発生部と、前記第二弁指令発生部が前記第二弁指令を発生している場合、前記第二弁指令に基づくリターン弁指令を前記リターン弁に出力し、前記第二弁指令発生部が前記第二弁指令を発生していない場合、前記ガスタービンの状態に応じて前記第一弁指令に基づくリターン弁指令を前記リターン弁に出力するリターン弁指令出力部と、を有する。

0008

負荷遮断時には、空気圧縮機の吐出圧が急激に低下する。このため、冷却系統における昇圧機の吸気圧も、空気圧縮機の吐出圧の急激な低下に伴って、急激に低下する。一方、昇圧機の吐出圧は、冷却空気ライン等の存在により、空気圧縮機の吐出圧の低下に対して遅れて低下する。このため、負荷遮断直後では、一時的に、昇圧機の圧力比が高まる。よって、負荷遮断時には、昇圧機でのサージング発生の可能性が急激に高まる。

0009

そこで、当該冷却系統では、受付部が負荷遮断指令を受け付けると、第二弁指令発生部が第二弁指令を発生する。この第二弁指令は、検知器で検知された状態量に関わらず、リターン弁の開度を予め定めれた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の弁指令である。第二弁指令発生部が第二弁指令を発生すると、リターン弁指令出力部は、この第二弁指令に基づくリターン弁指令をリターン弁に出力する。この結果、負荷遮断直後に、リターン弁の開度は、遮断時開度へ強制的に大きくなる。

0010

リターン弁の開度が大きくなると、リターンラインを流れる冷却空気の流量が多くなるため、昇圧機を流れる冷却空気の体積流量は増加する。このため、リターン弁の開度が大きくなると、昇圧機の体積吸込流量が増加する。また、リターン弁の開度が大きくなると、昇圧機の吐出圧と吸気圧との差が小さくなり、昇圧機の圧力比が小さくなる。よって、リターン弁の開度が大きくなると、サージング発生の可能性が低下する。

0011

従って、当該冷却系統では、負荷遮断時における昇圧機でのサージング発生の可能性を抑えることができる。このため、当該冷却系統によれば、負荷遮断時でも高温部品に冷却空気を送り、この高温部品を冷却することができる。

0012

ここで、前記ガスタービン冷却系統において、前記遮断時開度は、前記リターン弁の全開の開度であってもよい。

0013

当該冷却系統では、遮断時開度がリターン弁の全開の開度であるため、負荷遮断直後にリターン弁の開度は全開になる。このため、リターンラインを流れる冷却空気の流量が多くなり、負荷遮断時における昇圧機でのサージング発生の可能性をより抑えることができる。

0014

また、以上のいずれかの前記ガスタービン冷却系統において、前記第二弁指令発生部は、前記受付部が前記負荷遮断指令を受け付けると、前記昇圧機のサージング発生の可能性が低くなったとされる予め定められている条件が満た条件が満たされるまで、前記遮断時開度を維持する旨の弁指令を前記第二弁指令として発生してもよい。

0015

当該冷却系統では、昇圧機でのサージング発生の可能性が低くなったとされる条件が満たされるまで、リターン弁の開度が遮断時開度に維持される。

0016

また、前記条件が満たされるまで、遮断時開度を維持する旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する、前記ガスタービン冷却系統において、前記第二弁指令発生部は、前記予め定められた条件が満たされると、前記リターン弁の開度を前記遮断時開度から小さくする旨の弁指令を前記第二弁指令として発生してもよい。

0017

リターン弁の開度を遮断時開度にしても、昇圧機から吐出ラインを経て高温部品に冷却空気が供給される。しかしながら、リターン弁の開度を遮断時開度にすると、昇圧機から吐出された冷却空気の一部がリターン弁を通ることになり、高温部品に供給される冷却空気の流量は減少する。このため、高温部品は焼損する可能性が生じる。

0018

しかしながら、当該冷却系統では、負荷遮断指令を受け付けてから昇圧機でのサージング発生の可能性が低くなったとされる条件を満たすと、リターン弁の開度が小さくなる。この結果、昇圧機から吐出ラインを経て高温部品に供給される冷却空気の流量が増加し、高温部品の焼損を抑えることができる。

0019

また、前記条件が満たされると、リターン弁の開度を前記遮断時開度から小さくする旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する、前記ガスタービン冷却系統において、前記第一弁指令発生部は、前記検知器で検知された前記状態量がサージング発生の可能性が高まっていることを示す場合、前記リターン弁の開度が大きくなる開度を示す前記第一弁指令を発生し、前記検知器で検知された前記状態量がサージング発生の可能性が低下していることを示す場合、前記リターン弁の開度が小さくなる開度を示す前記第一弁指令を発生し、前記予め定められた条件が満たされたときの前記第二弁指令が示す開度の閉側への変化率は、サージング発生の可能性が低下しているときの前記第一弁指令が示す開度の閉側への最大変化率より大きくてもよい。

0020

当該冷却系統では、負荷遮断指令を受け付けてから昇圧機でのサージング発生の可能性が低くなったとされる条件を満たすと、リターン弁の開度が急激に小さくなる。この結果、昇圧機から吐出ラインを経て高温部品に供給される冷却空気の流量が急的に増加し、高温部品の焼損をより抑えることができる。

0021

また、前記条件が満たされると、リターン弁の開度を前記遮断時開度から小さくする旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する前記ガスタービン冷却系統において、前記予め定められた条件が満たされたときの前記第二弁指令が示す開度の変化率は、予め定められた変化率であってもよい。

0022

また、前記条件が満たされると、リターン弁の開度を前記遮断時開度から小さくする旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する、前記ガスタービン冷却系統において、前記第二弁指令発生部は、前記予め定められた条件が満たされたとき、前記検知器で検知された前記状態量に応じて定めた開度を示す弁指令を前記第二弁指令として発生してもよい。

0023

また、前記条件が満たされると、リターン弁の開度を前記遮断時開度から小さくする旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する、いずれかの前記ガスタービン冷却系統において、前記予め定められている条件である第一条件が満たされた後、第二条件が満たされると、前記第二弁指令発生部は、前記第二弁指令の発生を中止してもよい。

0024

当該冷却系統では、第二条件が満たされると、第一弁指令に基づくリターン弁指令がリターン弁に出力される。

0025

以上のいずれかの前記ガスタービン冷却系統において、前記吸気ラインに設けられ、前記吸気ラインを流れる冷却空気の流量を調節する吸気弁を備え、前記制御装置は、前記受付部が前記負荷遮断指令を受け付けると、前記検知器で検知された前記状態量に関わらず、前記吸気弁の開度を予め定められた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の第一弁指令を発生する吸気弁指令発生部と、前記吸気弁指令発生部で発生した前記第一弁指令に基づく吸気弁指令を前記吸気弁に出力する吸気弁指令出力部と、を有してもよい。

0026

当該冷却系統では、受付部が負荷遮断指令を受け付けると、吸気弁指令出力部が吸気弁の開度を予め定めれた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の吸気弁指令を吸気弁に出力する。このため、当該冷却系統では、負荷遮断直後に、吸気弁の開度は、遮断時開度へ強制的に大きくなる。吸気弁の開度が大きくなると、昇圧機を流れる冷却空気の体積流量が増加する。このため、当該冷却系統では、この吸気弁の動作によっても、負荷遮断時におけるサージング発生を抑えることができる。また、当該冷却系統では、吸気弁の開度が大きくなることにより、昇圧機を流れる冷却空気の体積流量が増加すると共に、吐出ラインを経て高温部品に供給される冷却空気の体積流量も増加するので、高温部品の焼損を抑えることができる。特に、当該冷却系統では、リターン弁が遮断時開度になったことに起因した、高温部品に供給される冷却空気流量の減少を、この吸気弁の強制開により相殺することできる。

0027

前記吸気弁を備える前記ガスタービン冷却系統において、前記吸気弁指令発生部で発生する前記第一弁指令が示す前記遮断時開度は、前記吸気弁が全開の開度であってもよい。

0028

当該冷却系統では、遮断時開度が吸気弁の全開の開度であるため、負荷遮断直後に吸気弁の開度は全開になる。このため、当該冷却系統では、昇圧機を流れる冷却空気の体積流量が増加すると共に、吐出ラインを経て高温部品に供給される冷却空気の体積流量も増加するので、負荷遮断時における昇圧機でのサージング発生の可能性を抑えつつ、高温部品を冷却することができる。

0029

以上のいずれかのガスタービン冷却系統において、前記制御装置は、前記ガスタービンにかかる負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す基準指令を発生する基準指令発生部を備え、前記第一弁指令発生部は、前記昇圧機でのサージング発生が高まった場合、前記第一弁指令として、前記検知器で検知された前記状態量に応じて、前記基準指令が示す開度より大きな開度を示す指令を発生し、前記リターン弁指令出力部は、前記リターン弁に関する前記第一弁指令と前記第二弁指令と前記基準指令とのうち、いずれか一の指令を選択する選択部と、前記選択部が選択した前記一の指令を前記リターン弁の制御に合ったリターン弁指令に変換して、前記リターン弁指令を前記リターン弁に出力する指令変換部と、を有し、前記選択部は、前記第二弁指令と、前記リターン弁に関する前記第一弁指令又は前記基準指令との入力がある場合、前記第二弁指令を選択し、前記第二弁指令の入力がなく且つ前記第一弁指令と前記基準指令との入力がある場合、大きな開度を示す指令を選択し、前記指令変換部は、前記選択部が選択した一の指令が前記基準指令の場合、前記負荷が予め定められた値未満のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に対して負の相関性を持って変化する前記リターン弁の開度を示すリターン弁指令に変換し、前記負荷が前記予め定められた値以上のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に関わらず一定の開度を示すリターン弁指令に変換してもよい。

0030

当該ガスタービン冷却系統では、負荷が予め定められた値未満の場合であって、リターン弁指令出力部が基準指令に基づくリターン弁指令を出力した場合、リターン弁の開度が負荷の増加に連れて次第に小さくなる。リターン弁の開度が小さくなると、リターンラインを流れる冷却空気の流量が少なくなるので、高温部品に送られる冷却空気の流量が多くなる。このため、この場合、リターン弁の制御により、負荷が大きくなるに連れて、高温部品に送る冷却空気の流量を多くすることができる。

0031

前記吸気弁を備える、以上のいずれかの前記ガスタービン冷却系統において、前記制御装置は、前記ガスタービンにかかる負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す基準指令を発生する基準指令発生部を備え、前記第一弁指令発生部は、前記昇圧機でのサージング発生が高まった場合、前記第一弁指令として、前記検知器で検知された前記状態量に応じて、前記基準指令が示す開度より大きな開度を示す指令を発生し、前記リターン弁指令出力部は、前記リターン弁に関する前記第一弁指令と前記第二弁指令と前記基準指令とのうち、いずれか一の指令を選択する選択部と、前記選択部が選択した前記一の指令を前記リターン弁の制御に合ったリターン弁指令に変換して、前記リターン弁指令を前記リターン弁に出力する指令変換部と、を有し、前記選択部は、前記リターン弁に関する前記第二弁指令と、前記リターン弁に関する前記第一弁指令又は前記基準指令との入力がある場合、前記第二弁指令を選択し、前記第二弁指令の入力がなく且つ前記第一弁指令と前記基準指令との入力がある場合、大きな開度を示す一の指令を選択し、前記指令変換部は、前記選択部が選択した一の指令が前記基準指令の場合、前記負荷が予め定められた値未満のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に対して負の相関性を持って変化する前記リターン弁の開度を示すリターン弁指令に変換し、前記負荷が前記予め定められた値以上のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に関わらず一定の開度を示すリターン弁指令に変換し、前記吸気弁指令出力部は、前記吸気弁に関する前記第一弁指令と前記基準指令とのうち、いずれか一の指令を選択する選択部と、前記吸気弁指令出力部の前記選択部が選択した前記一の指令を前記吸気弁の制御にあった吸気弁指令に変換して、前記吸気弁指令を前記吸気弁に出力する指令変換部と、を有し、前記吸気弁指令出力部の前記選択部は、前記吸気弁に関する前記第一弁指令と前記基準指令との入力がある場合、大きな開度を示す一の指令を選択し、前記吸気弁指令出力部の前記指令変換部は、前記吸気弁指令出力部の前記選択部が選択した一の指令が前記基準指令の場合、前記負荷が前記予め定められた値未満のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に関わらず一定の開度を示す吸気弁指令に変換し、前記負荷が前記予め定められた値以上のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す吸気弁指令に変換してもよい。

0032

当該ガスタービン冷却系統では、負荷が予め定められた値未満の場合であって、リターン弁指令出力部が基準指令に基づくリターン弁指令を出力した場合、リターン弁の開度が負荷の増加に連れて次第に小さくなる。リターン弁の開度が小さくなると、リターンラインを流れる冷却空気の流量が少なくなるので、高温部品に送られる冷却空気の流量が多くなる。このため、この場合、リターン弁の制御により、負荷が大きくなるに連れて、高温部品に送る冷却空気の流量を多くすることができる。

0033

さらに、当該ガスタービン冷却系統では、負荷が予め定められた値以上の場合であって、吸気弁指令出力部が基準指令に基づく吸気弁指令を出力した場合、吸気弁の開度が負荷の増加に連れて次第に大きくなる。吸気弁の開度が大きくなると、高温部品に送られる冷却空気の流量が多くなる。このため、この場合、吸気弁の制御により、負荷が大きくなるに連れて、高温部品に送る冷却空気の流量を多くすることができる。

0034

前記吸気弁を備える、以上のいずれかの前記ガスタービン冷却系統において、前記吸気弁指令発生部は、前記昇圧機のサージング発生の可能性が低くなったと想定される条件が満たされた後であって、前記高温部品が十分に冷却された状態に戻ったと想定される条件が満たされると、前記吸気弁に関する前記第一弁指令の発生を中止してもよい。

0035

当該冷却系統では、高温部品が十分に冷却された状態に戻ったと想定される条件が満たされるまで、吸気弁の開度が遮断時開度に維持される。

0036

上記目的を達成するための発明に係る一態様としてのガスタービン設備は、
以上のいずれかのガスタービン冷却系統と、前記ガスタービンと、を備える。

0037

上記目的を達成するための発明に係る一態様としてのガスタービン冷却系統の制御方法は、
ガスタービンの空気圧縮機で圧縮された圧縮空気をガスタービン中で燃焼ガスに接する高温部品に導く冷却空気ラインと、前記冷却空気ライン中の前記圧縮空気を冷却して冷却空気にする冷却器と、前記冷却空気ライン中の前記冷却空気を昇圧する昇圧機と、前記冷却空気ライン中で前記昇圧機よりも前記高温部品側のラインである吐出ライン中の前記冷却空気を前記冷却空気ライン中で前記昇圧機よりも前記空気圧縮機側の吸気ラインに戻すリターンラインと、前記リターンラインに設けられ前記リターンラインを流れる前記冷却空気の流量を調節するリターン弁と、を備えるガスタービン冷却系統の制御方法において、
前記吸気ラインを流れる前記冷却空気の状態量と前記吐出ラインを流れる前記冷却空気の状態量とを検知する検知工程と、前記ガスタービンの負荷遮断を示す負荷遮断指令を受け付ける受付工程と、前記検知工程で検知された前記状態量に応じた前記リターン弁の開度を示す第一弁指令を発生する第一弁指令発生工程と、前記受付工程により前記負荷遮断指令を受け付けると、前記検知工程で検知された前記状態量に関わらず、前記リターン弁の開度を予め定めれた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の弁指令を第二弁指令として発生する第二弁指令発生工程と、前記第二弁指令発生工程で前記第二弁指令を発生している場合、前記第二弁指令に基づくリターン弁指令を前記リターン弁に出力し、前記第二弁指令発生工程で前記第二弁指令を発生していない場合、前記ガスタービンの状態に応じて前記第一弁指令に基づくリターン弁指令を前記リターン弁に出力するリターン弁指令出力工程と、を実行する。

0038

前述したように、負荷遮断時には、昇圧機でのサージング発生の可能性が急激に高まる。当該冷却系統の制御方法では、受付工程で負荷遮断指令を受け付けると、第二弁指令発生工程で第二弁指令を発生する。この第二弁指令は、検知工程で検知された状態量に関わらず、リターン弁の開度を予め定めれた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の弁指令である。第二弁指令発生工程で第二弁指令を発生すると、リターン弁指令出力工程では、この第二弁指令に基づくリターン弁指令をリターン弁に出力する。この結果、負荷遮断直後に、リターン弁の開度は、遮断時開度へ強制的に大きくなる。

0039

リターン弁の開度が大きくなると、リターンラインを流れる冷却空気の流量が多くなるため、昇圧機を流れる冷却空気の体積流量は増加する。このため、リターン弁の開度が大きくなると、昇圧機の体積吸込流量が増加する。また、リターン弁の開度が大きくなると、昇圧機の吐出圧と吸気圧との差が小さくなり、昇圧機の圧力比が小さくなる。よって、リターン弁の開度が大きくなると、サージング発生の可能性が低下する。

0040

従って、当該冷却系統の制御方法では、負荷遮断時における昇圧機でのサージング発生の可能性を抑えることができる。このため、当該冷却系統の制御方法によれば、負荷遮断時でも高温部品に冷却空気を送り、この高温部品を冷却することができる。

0041

ここで、前記ガスタービン冷却系統の制御方法において、前記遮断時開度は、前記リターン弁が全開の開度であってもよい。

0042

また、以上のいずれかの前記ガスタービン冷却系統の制御方法において、前記第二弁指令発生工程では、前記受付工程で前記負荷遮断指令を受け付けると、前記昇圧機でのサージング発生の可能性が低くなったとされる予め定められている条件が満たされるまで、前記遮断時開度を維持する旨の弁指令を前記第二弁指令として発生してもよい。

0043

また、前記条件が満たされるまで、遮断時開度を維持する旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する、前記ガスタービン冷却系統の制御方法において、前記第二弁指令発生工程では、前記予め定められた条件が満たされると、前記リターン弁の開度を前記遮断時開度から小さくする旨の弁指令を前記第二弁指令として発生してもよい。

0044

また、前記条件が満たされると、リターン弁の開度を前記遮断時開度から小さくする旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する、前記ガスタービン冷却系統の制御方法において、前記第一弁指令発生工程では、前記検知工程で検知された前記状態量がサージング発生の可能性が高まっていることを示す場合、前記リターン弁の開度が大きくなる開度を示す前記第一弁指令を発生し、前記検知工程で検知された前記状態量がサージング発生の可能性が低下していることを示す場合、前記リターン弁の開度が小さくなる開度を示す前記第一弁指令を発生し、前記予め定められた条件が満たされたときの前記第二弁指令が示す開度の閉側への変化率は、サージング発生の可能性が低下しているときの前記第一弁指令が示す開度の閉側への最大変化率より大きくてもよい。

0045

また、前記条件が満たされると、リターン弁の開度を前記遮断時開度から小さくする旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する、前記ガスタービン冷却系統の制御方法において、前記予め定められた条件が満たされたときの前記第二弁指令が示す開度の変化率は、予め定められた変化率であってもよい。

0046

また、前記条件が満たされると、リターン弁の開度を前記遮断時開度から小さくする旨の弁指令を前記第二弁指令として発生する、前記ガスタービン冷却系統の制御方法において、前記第二弁指令発生工程では、前記予め定められた条件が満たされたとき、前記検知工程で検知された前記状態量に応じて定めた開度を示す弁指令を前記第二弁指令として発生してもよい。

0047

また、前記条件が満たされると、リターン弁の開度を前記遮断時開度から小さくする旨の弁指令を前記第二弁指令として発生するする、いずれかの前記ガスタービン冷却系統の制御方法において、前記予め定められている条件である第一条件が満たされた後、第二条件が満たされると、前記第二弁指令発生工程では、前記第二弁指令の発生を中止してもよい。

0048

以上のいずれかの前記ガスタービン冷却系統の制御方法において、前記ガスタービン冷却系統は、前記吸気ラインに設けられ前記吸気ラインを流れる前記冷却空気の流量を調節する吸気弁を備え、前記受付工程により前記負荷遮断指令を受け付けると、前記検知工程で検知された前記状態量に関わらず、前記吸気弁の開度を予め定められた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の第一弁指令を発生する吸気弁指令発生工程と、前記吸気弁指令発生工程で発生した前記第一弁指令に基づく吸気弁指令を前記吸気弁に出力する吸気弁弁指令出力工程と、を実行してもよい。

0049

前記吸気弁指令発生工程を実行する前記ガスタービン冷却系統の制御方法において、前記吸気弁指令発生工程で発生する前記第一弁指令が示す前記遮断時開度は、前記吸気弁の全開の開度であってもよい。

0050

以上のいずれかの前記ガスタービン冷却系統の制御方法において、前記ガスタービンにかかる負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す基準指令を発生する基準指令発生工程を実行し、前記第一弁指令発生工程では、前記昇圧機でのサージング発生が高まった場合、前記リターン弁に関する前記第一弁指令として、前記検知工程で検知された前記状態量に応じて、前記基準指令が示す開度より大きな開度を示す指令を発生し、前記リターン弁指令出力工程は、前記リターン弁に関する前記第一弁指令と前記第二弁指令と前記基準指令とのうち、いずれか一の指令を選択する選択工程と、前記選択工程で選択された前記一の指令を前記リターン弁の制御に合ったリターン弁指令に変換して、前記リターン弁指令を前記リターン弁に出力する指令変換工程と、を含み、前記選択工程では、前記第二弁指令と、前記リターン弁に関する前記第一弁指令又は前記基準指令との入力がある場合、前記第二弁指令を選択し、前記第二弁指令の入力がなく且つ前記第一弁指令と前記基準指令との入力がある場合、大きな開度を示す指令を選択し、前記指令変換工程では、前記選択工程で選択された一の指令が前記基準指令の場合、前記負荷が予め定められた値未満のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に対して負の相関性を持って変化する前記リターン弁の開度を示すリターン弁指令に変換し、前記負荷が前記予め定められた値以上のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に関わらず一定の開度を示すリターン弁指令に変換してもよい。

0051

前記吸気弁を備える、以上のいずれかの前記ガスタービン冷却系統の制御方法において、前記ガスタービンにかかる負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す基準指令を発生する基準指令発生工程を実行し、前記第一弁指令発生工程では、前記昇圧機でのサージング発生が高まった場合、前記リターン弁に関する前記第一弁指令として、前記検知工程で検知された前記状態量に応じて、前記基準指令が示す開度より大きな開度を示す指令を発生し、前記リターン弁指令出力工程は、前記リターン弁に関する前記第一弁指令と前記第二弁指令と前記基準指令とのうち、いずれか一の指令を選択する選択工程と、前記選択工程で選択された前記一の指令を前記リターン弁の制御に合ったリターン弁指令に変換して、前記リターン弁指令を前記リターン弁に出力する指令変換工程と、を含み、前記選択工程では、前記第二弁指令と、前記リターン弁に関する前記第一弁指令又は前記基準指令との入力がある場合、前記第二弁指令を選択し、前記第二弁指令の入力がなく且つ前記第一弁指令と前記基準指令との入力がある場合、大きな開度を示す指令を選択し、前記指令変換工程では、前記選択工程で選択された一の指令が前記基準指令の場合、前記負荷が予め定められた値未満のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に対して負の相関性を持って変化する前記リターン弁の開度を示すリターン弁指令に変換し、前記負荷が前記予め定められた値以上のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に関わらず一定の開度を示すリターン弁指令に変換し、前記吸気弁指令出力工程は、前記吸気弁に関する前記第一弁指令と前記基準指令とのうち、いずれか一の指令を選択する選択工程と、前記吸気弁指令出力工程における前記選択工程で選択された前記一の指令を前記吸気弁の制御にあった吸気弁指令に変換して、前記吸気弁指令を前記吸気弁に出力する指令変換工程と、を含み、前記吸気弁指令出力工程における前記選択工程では、前記吸気弁に関する前記第一弁指令と前記基準指令との入力がある場合、大きな開度を示す一の指令を選択し、前記吸気弁指令出力工程における前記指令変換工程では、前記吸気弁指令出力工程における前記選択工程で選択された一の指令が前記基準指令の場合、前記負荷が前記予め定められた値未満のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に関わらず一定の開度を示す吸気弁指令に変換し、前記負荷が前記予め定められた値以上のとき、前記基準指令を、前記負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す吸気弁指令に変換してもよい。

0052

また、前記吸気弁を備える、以上のいずれかの前記ガスタービン冷却系統の制御方法において、前記吸気弁指令発生工程では、前記昇圧機のサージング発生の可能性が低くなったと想定される条件が満たされた後であって、前記高温部品が十分に冷却された状態に戻ったと想定される条件が満たされると、前記吸気弁に関する前記第一弁指令の発生を中止してもよい。

発明の効果

0053

本発明の一態様では、負荷遮断時における昇圧機でのサージング発生の可能性を抑えることができる。このため、本発明の一態様によれば、負荷遮断時でも高温部品に冷却空気を送り、この高温部品を冷却することができる。

図面の簡単な説明

0054

本発明に係る一実施形態におけるガスタービン設備の系統図である。
本発明に係る一実施形態におけるスプリット制御考え方を示す説明図である。
本発明に係る一実施形態における昇圧機の特性を示すグラフである。
本発明に係る一実施形態における制御装置の機能ブロック図である。
本発明に係る一実施形態における制御装置の動作を示すフローチャートである。
本発明に係る一実施形態におけるガスタービン設備の各部の動作等を示すタイミングチャートである。
本発明に係る一実施形態の変形例における制御装置の機能ブロック図である。

実施例

0055

「実施形態」
以下、本発明に係るガスタービン設備の一実施形態について、図1図6を参照して詳細に説明する。

0056

本実施形態のガスタービン設備は、図1に示すように、ガスタービン1と、ガスタービン1の高温部品を冷却するガスタービン冷却系統(以下、単に冷却系統とする)50と、を備えている。

0057

ガスタービン1は、外気Aを圧縮して圧縮空気を生成する空気圧縮機10と、燃料供給源からの燃料Fを圧縮空気中で燃焼させて燃焼ガスGを生成する燃焼器20と、燃焼ガスGにより駆動するタービン30と、を備える。

0058

空気圧縮機10は、軸線Arを中心として回転する圧縮機ロータ12と、この圧縮機ロータ12を覆う圧縮機車室17と、を有する。また、タービン30は、軸線Arを中心として回転するタービンロータ32と、このタービンロータ32を覆うタービン車室37と、を有する。圧縮機ロータ12とタービンロータ32とは、同一の軸線Ar上に位置し、互いに連結されてガスタービンロータ2を成す。ガスタービン1は、さらに、圧縮機車室17とタービン車室37との間に配置されている中間車室6を備える。この中間車室6には、燃焼器20が取り付けられている。圧縮機車室17と中間車室6とタービン車室37とは、互いに連結されてガスタービン車室7を成す。なお、以下では、軸線Arが延びる方向を軸方向、軸方向でタービン30に対して空気圧縮機10が存在する側を軸方向上流側、軸方向上流側の反対側を軸方向下流側とする。

0059

タービンロータ32は、ロータ軸33と、このロータ軸33に設けられている複数の動翼列34と、を有する。複数の動翼列34は、軸方向に並んでいる。各動翼列34は、それぞれ、軸線Arに対する周方向に並んでいる複数の動翼35を有する。タービン30は、さらに、タービン車室37の内周側に固定されている複数の静翼列38を有する。静翼列38は、いずれかの動翼列34の軸方向上流側に配置されている。各静翼列38は、それぞれ、軸線Arに対する周方向に並んでいる複数の静翼39を有する。タービン車室37の内周側とロータ軸33の外周側との間の環状の空間は、燃焼ガスGが流れる燃焼ガス流路31を形成する。

0060

燃焼器20は、燃焼ガスGをタービン30の燃焼ガス流路31に送る燃焼筒22と、この燃焼筒22内に燃料F及び圧縮空気を噴出する燃料噴出器21とを有している。燃料噴出器21には、ここに燃料Fを送る燃料ライン25が接続されている。この燃料ライン25には、ここを流れる燃料Fの流量を調節する燃料弁26が設けられている。

0061

ガスタービン1を構成する各種部品のうち、燃焼器20の燃焼筒22、動翼35、及び静翼39は、いずれも燃焼ガスGに曝される高温部品を成す。

0062

ガスタービンロータ2には、発電機40が接続されている。この発電機40は、遮断器41及び変圧器42を介して電力系統45と電気的に接続されている。

0063

冷却系統50は、冷却空気ライン51と、リターンライン56と、昇圧機61と、冷却器63と、吸気弁57と、リターン弁58と、検知器64と、リターン弁58及び吸気弁57の動作を制御する制御装置100と、を備える。

0064

冷却空気ライン51は、中間車室6に接続されていると共に、高温部品の一つである燃焼筒22に接続されている。この冷却空気ライン51は、空気圧縮機10から中間車室6内に流入した圧縮空気を燃焼筒22に導く。冷却器63は、冷却空気ライン51中の圧縮空気を冷却して冷却空気にする。この冷却器63は、例えば、冷却空気ライン51中の圧縮空気と冷却媒体とを熱交換させて、この圧縮空気を冷却する熱交換器である。なお、ここでの冷却器63は、熱交換器であるが、例えば、冷却器は、圧縮空気が内部を通るラジエターと、このラジエターに空気を送るファンとを有するものであってもよい。昇圧機61は、冷却空気ライン51中の冷却空気を昇圧する。この昇圧機61は、例えば、遠心圧縮機又は軸流圧縮機である。昇圧機61は、モータ62で駆動する。なお、以下では、冷却空気ライン51中で、中間車室6から昇圧機61までの部分を吸気ライン52、昇圧機61から燃焼筒22までの部分を吐出ライン55とする。さらに、吸気ライン52中で、中間車室6から冷却器63までの部分を未冷却吸気ライン53、冷却器63から昇圧機61までの部分を冷却済み吸気ライン54とする。リターンライン56は、吐出ライン55と未冷却吸気ライン53とを接続する。このリターンライン56は、吐出ライン55中の冷却空気を未冷却吸気ライン53に戻すためのラインである。リターン弁58は、リターンライン56に設けられている。このリターン弁58は、吐出ライン55を流れる冷却空気の流量を調節可能なように弁開度が制御される。吸気弁57は、冷却済み吸気ライン54に設けられている。この吸気弁57は、冷却済み吸気ライン54を流れる冷却空気、つまり昇圧機61が吸い込む冷却空気の流量を調節する。

0065

検知器64は、冷却済み吸気ライン54を流れる冷却空気の温度Tiを検知する吸気温度計65と、冷却済み吸気ライン54を流れる冷却空気の圧力Piを検知する吸気圧力計66と、吐出ライン55を流れる冷却空気の温度Toを検知する吐出温度計67,70と、吐出ライン55を流れる冷却空気の圧力Poを検知する吐出圧力計68,71と、吐出ライン55を流れる冷却空気の体積流量Foを検知する吐出流量計69,72と、を有する。吐出温度計67、吐出圧力計68、及び吐出流量計69は、いずれも、吐出ライン55中で、リターンライン56との接続位置よりも燃焼筒22側に設けられている。また、吐出温度計70、吐出圧力計71、及び吐出流量計72は、いずれも、吐出ライン55中で、リターンライン56との接続位置よりも昇圧機61側に設けられている。

0066

図2を用いて、冷却系統50から燃焼筒22に供給される冷却空気の流量を制御する方法を以下に説明する。
前述したように、中間車室6から抽気された圧縮空気は、吸気ライン52に設けた冷却器63で冷却され、吸気弁57を経て昇圧機61に吸引される。昇圧機61で昇圧された冷却空気は、一部の冷却空気がリターン弁58を有するリターンライン56から未冷却吸気ライン53に戻され、残りの冷却空気は、吐出ライン55を経て燃焼筒22に供給される。リターンライン56は、昇圧機61がサージ域に入るのを防止するため、昇圧機61の保護のために設けるラインである。昇圧機61の通常運転時における吐出ライン55を流れる冷却空気の流量は、吸気弁57とリターン弁58の制御で調整される。但し、吸気弁57とリターン弁58を独立に制御するのは、相互干渉により制御が不安定になる。そこで、制御弁の相互干渉を避けるため、制御弁に対する弁操作指令を、冷却空気の高負荷流量域と低負荷流量域に区分けして冷却空気の流量制御を行う方法(スプリット制御と呼ぶ)が、一般的である。

0067

図2は、吸気弁57とリターン弁58の組み合わせによる吐出ライン55を流れる冷却空気のスプリット制御の考え方を示したものである。
縦軸は、吸気弁57又はリターン弁58の弁開度(%)を示す。横軸は、通常運転時の吸気弁57又はリターン弁58に出力される弁操作指令(%)を示す。なお、ここでの弁操作指令とは、図4を用いて後述するBVO等の弁指令である。但し、この弁操作指令には、RVO2を含まない。実線は、吸気弁57を示し、点線はリターン弁58を示す。図2に示すように、前述した冷却空気の高負荷流量域と低負荷流量域を区分するスプリット点Pは、通常は弁操作指令が50%の点である。スプリット点Pに対して弁操作指令が50%未満の領域は低負荷流量域であり、スプリット点Pに対して弁操作指令が50%以上の領域は高負荷流量域である。なお、スプリット点Pの位置を示す弁操作指令50%は一例であり、この値に限定されない。

0068

冷却空気が高負荷流量域の場合は、吸気弁57に対する弁操作指令に基づく弁開度により、吐出ライン55を流れる冷却空気量が調節される(吸気弁制御領域)。なお、この領域では、リターン弁58は全閉となる。すなわち、スプリット点Pより冷却空気量が多い高負荷流量域では、ガスタービン1の負荷の増大と共に冷却空気の必要量が増加するので、弁操作指令の増加と共に、吸気弁57の弁開度が大きくなり、冷却空気量が増加する。ガスタービン1の負荷が減少する場合は、弁操作指令の減少と共に、吸気弁57の弁開度が小さくなり、スプリット点Pで最小開度になる。吸気弁57の最小開度は、通常20%であり、この開度で一定となる。但し、最少開度20%は一例であり、この値に限定されない。

0069

一方、冷却空気がスプリット点Pより低負荷流量域の場合は、吸気弁57は、最少開度に維持される。ガスタービン1の負荷が減少すると共に、吐出ライン55を流れる冷却空気量を更に減少させるためには、弁操作指令をスプリット点Pから更に小さくする必要がある。しかし、昇圧機61を流れる冷却空気量が低下すると、昇圧機61はサージ域に入るおそれがある。そのため、昇圧機61をサージ現象から保護するため、リターン弁58が開き始める。この領域は、昇圧機61の保護を目的としたアンチサージ制御の領域である。つまり、吐出ライン55を流れる冷却空気量をより小さい流量で調節しつつ、アンチサージの観点から昇圧機61を流れる冷却空気の流量を一定量確保するように、リターン弁58の弁開度が制御される(リターン弁制御領域)。この結果、吐出ライン55を流れる冷却空気量を制御すると共に、昇圧機61を流れる冷却空気量を一定流量確保できるので、昇圧機61のサージ現象が回避される。なお、前述したように、この低負荷流量域では、吸気弁57は最小開度である一定の開度が維持され、吐出ライン55を流れる冷却空気量は、リターン弁58の弁開度で調節される。

0070

次に、昇圧機の体積流量と圧力比の関係について、図3を用いて説明する。
冷却空気の圧力を高める昇圧機61において、昇圧機61が吸い込む冷却空気の体積流量と、昇圧機61の圧力比(=吐出圧/吸気弁の入口圧)と、吸気弁の開度と、の間には、一定の関係がある。
このため、図3に示すように、昇圧機61の特性を示す手段として、体積流量を横軸にとり、圧力比を縦軸にとり、吸気弁の開度をパラメータにとったグラフで、昇圧機61の特性を示すことができる。昇圧機61は、一般的に、体積流量の増加に伴って圧力比が低下する特性を持っている。図3では、吸気弁57の開度をパラメータとして、その開度を変えた異なる3本の特性ラインL1、L2、L3を一例として示している。具体的には、吸気弁の開度100%の時の特性ラインL1(100)、吸気弁の開度50%の時の特性ラインL2(50)、吸気弁の開度20%の時の特性ラインL3(20)である。昇圧機61の圧力比と吸気弁57の開度が定まれば、昇圧機61を流れる冷却空気の体積流量が決定できる。

0071

昇圧機61は、吸気弁の開度が一定であれば、その開度に応じた特性ライン上の点で運転される。特性ラインL2(50) を一例に挙げて説明する。特性ラインL2(50) 上の運転点X1は、吸気弁57の開度が50%に維持されていれば、特性ラインL2(50) に沿ってこの特性ライン上を移動する。特性ラインL2(50) 上の点で、最も圧力比が高く、最も体積流量が小さい点、すなわち、特性ライン上で圧力比が高い側の端の点Xsは、最も体積流量が小さく、昇圧機61にサージングが発生し得る運転点である。このため、吸気弁57の開度の異なる複数の特性ラインの点Xsを結んだラインは、サージラインLsと呼ばれる。また、サージラインLs に対して、サージング発生点Xsより体積流量で余裕を持たせたラインは、コントロールラインLco と呼ばれる。

0072

昇圧機61は、通常運転時は、負荷指令からの冷却空気の目標流量に基づき運転される。昇圧機61の通常の運転点X1は、コントロールラインLco より体積流量が大きい領域で、吸気弁57の開度に応じた特性ライン上で運転される。燃焼器20の運転条件の変動により、冷却空気の必要流量が低下して、運転点X1がコントロールラインLco上の点X2に達した場合、サージングから昇圧機61を保護するため、昇圧機61は、アンチサージ制御の運転に入る。アンチサージ制御とは、昇圧機61をサージングから保護するため、昇圧機61を流れる冷却空気の流量がコントロールラインLcoから更に低下しないように制御する方法である。具体的には、運転点X1がコントロールラインLcoに達した場合、通常運転時の操作条件とは異なる操作条件が制御装置に与えられ、リターン弁58が開き始める。リターン弁58が開くことにより、昇圧機61を流れる冷却空気の流量が減少することなく一定量確保される。すなわち、昇圧機61の運転点X1が、コントロールラインLcoより体積流量が更に低下して、サージ領域、すなわち、サージラインLsとコントロールラインLcoの間のサージングの発生が高い領域に入ることなく、コントロールライン上に維持されるように、リターン弁58の開度が制御される。

0073

昇圧機61の何らかの運転条件の変動で、運転点X1がサージラインLsに達した場合は、リターン弁58は強制的に開とされ、昇圧機61を流れる冷却空気の流量が増加して、昇圧機61のサージングが回避される。

0074

なお、コントロールラインLco上のアンチサージ制御の領域で運転されていた昇圧機61は、圧力比が低下して通常運転の領域に入った場合、通常運転時の目標流量に基づき吐出ライン55を流れる冷却空気の流量が調節される。

0075

制御装置100は、図4に示すように、受付部101と、基準指令発生部110と、リターン弁指令発生部120と、吸気弁指令発生部140と、リターン弁指令出力部151と、吸気弁指令出力部155と、を有する。

0076

受付部101は、検知器64で検知された冷却空気の状態量を受け付けると共に、上位制御装置160からの負荷指令LO及び負荷遮断指令LCを受け付ける。ここで、負荷指令LOは、ガスタービン1にかける負荷、言い換えるとガスタービン1の出力を示す指令である。また、負荷遮断とは、ガスタービンロータ2に接続されている発電機40と電力系統45との間の電気的な接続を断つことである。従って、負荷遮断指令LCとは、発電機40と電力系統45との間の電気的な接続を断つ旨を示す指令である。

0077

上述の通常運転時の制御装置の構成を以下に説明する。
基準指令発生部110は、目標流量発生部111と、流量偏差演算部113と、PI制御部114と、を有する。目標流量発生部111は、負荷指令LOが示す負荷に応じた昇圧機61の目標流量を求める。この目標流量は、負荷指令LOが示す負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する値である。すなわち、負荷指令LOが示す負荷が大きくなると、目標流量も大きくなる。なお、冷却済み吸気ライン54を流れる冷却空気の体積流量を検知する吸気流量計を設け、この吸気流量計からも目標流量を求めてもよい。流量偏差演算部113は、目標流量発生部111で求められた目標流量に対する、吐出流量計72で検知された体積吐出流量の流量偏差Δを求める。PI制御部114は、流量偏差Δに応じた比例・積分動作分を求め、この比例・積分動作分に応じた吸気弁57又はリターン弁58の開度を示す弁操作指令BVOを発生する。しかしながら、この負荷の変化に対して正の相関性を持って変化するパラメータであれば、他のパラメータに応じて昇圧機61の目標流量を定めてもよい。例えば、発電機40の出力計70で検知された出力に応じて目標流量を定めてもよい。また、目標流量の代りに、この目標流量を圧力に換算した目標圧力を用い、この目標圧力と検出された吐出圧力との圧力偏差を求めてもよい。この場合、PI制御部114は、この圧力偏差に応じた比例・積分動作分を求め、この比例・積分動作分に応じた弁操作指令BVOを発生してもよい。

0078

リターン弁指令発生部120は、第一弁指令発生部121と、第二弁指令発生部131とを有する。第一弁指令発生部121は、前述した昇圧機61のアンチサージ制御の領域におけるリターン弁58の開度を示す第一弁指令RVO1を発生する。第二弁指令発生部131は、負荷遮断指令LCを受け付けた際に、リターン弁58の開度を予め定められた遮断時開度へ強制的に大きくする旨の弁指令である第二弁指令RVO2を発生する。

0079

第一弁指令発生部121は、昇圧機61のアンチサージ制御を分担し、昇圧機61をサージングから保護するための昇圧機保護指令発生部の役割を果たす。すなわち、昇圧機61の運転点X1がコントロールラインLco に達した場合、通常運転時の操作条件とは異なる目標流量が制御装置に与えられる。第一弁指令発生部121は、吐出流量計72で検出された体積流量Foから算出した吸込流量と目標流量との偏差Δを求め、流量偏差Δに応じた比例・積分動作分を求め、これに応じた開度を示す第一弁指令RVO1を出力する。

0080

第二弁指令発生部131は、直後指令発生部132と、開度減少指令発生部133と、第一条件記憶部134と、第二条件記憶部135と、変化率記憶部136と、タイマー137と、を有する。直後指令発生部132は、負荷遮断指令LCを受け付けた直後に、予め定めた遮断時開度を示す弁指令を第二弁指令RVO2として出力する。変化率記憶部136は、リターン弁58の開度の単位時間当たりの減少量である変化率rが記憶されている。開度減少指令発生部133は、変化率記憶部136に記憶されている変化率rで変化するリターン弁58の開度を示す弁指令を第二弁指令RVO2として出力する。第一条件記憶部134は、負荷遮断指令LCを受け付けてから昇圧機61でのサージング発生の可能性が低くなったと想定される時間である第一時間T1が記憶されている。第二条件記憶部135は、第一時間T1より長い時間である第二時間T2が記憶されている。タイマー137は、負荷遮断指令LCを受け付けてから第一時間T1経過するまでをカウントすると共に、第二時間T2経過するまでをカウントする。直後指令発生部132は、負荷遮断指令LCを受け付けてからタイマー137が第一時間T1の経過を認識するまで、第二弁指令RVO2を発生する。開度減少指令発生部133は、タイマー137が第一時間T1の経過を認識してから第二時間T2の経過を認識するまで、第二弁指令RVO2を出力する。

0081

吸気弁指令発生部140は、第一弁指令発生部141と、第三条件記憶部142と、タイマー143と、を有する。第一弁指令発生部141は、負荷遮断指令LCを受け付けた直後に、予め定めた遮断時開度を示す弁指令を第一弁指令SVO1として出力する。第三条件記憶部142は、負荷遮断指令LCを受け付けてから燃焼筒22が十分に冷却されている状態に戻ったと想定される時間である第三時間T3(>T1,T2)が記憶されている。タイマー143は、負荷遮断指令LCを受け付けてから第三時間T3経過するまでをカウントする。第一弁指令発生部141は、負荷遮断指令LCを受け付けてからタイマー143が第三時間T3の経過を認識するまで、第一弁指令SVO1を発生する。

0082

リターン弁指令出力部151は、選択部152と、指令変換部153と、を有する。選択部152は、リターン弁指令発生部120からの第一弁指令RVO1及び第二弁指令RVO2と、基準指令発生部110から基準指令BVOとのうち、いずれか一の指令を選択する。選択部152は、第二弁指令RVO2の他に、第一弁指令RVO1又は基準指令BVOが入力した場合、第二弁指令RVO2を選択する。選択部152は、第一弁指令RVO1と基準指令BVOとが入力した場合、開度として大きな開度を示す指令を選択する。指令変換部153は、選択部152が選択した一の指令をリターン弁58の制御に合ったリターン弁指令RVOに変換して、このリターン弁指令RVOをリターン弁58に出力する。この指令変換部153は、選択部152が選択した一の指令が基準指令BVOの場合、弁指令の指令値が予め定められた値未満のとき、基準指令BVOを、負荷の変化に対して負の相関性を持って変化するリターン弁58の開度を示すリターン弁指令RVOに変換する。弁指令の指令値が予め定められた値以上のとき、基準指令BVOを、弁指令の変化に関わらず一定の開度を示すリターン弁指令RVOに変換する。

0083

吸気弁指令出力部155も、選択部156と、指令変換部157と、を有する。選択部156は、吸気弁指令発生部140からの第一弁指令SVO1と、基準指令発生部110から基準指令BVOとのうち、いずれか一の指令を選択する。選択部156は、第一弁指令SVO1と基準指令BVOとが入力された場合、第一弁指令SVO1を選択する。言い換えると、選択部156は、第一弁指令SVO1と基準指令BVOとが入力した場合、開度として大きな開度を示す一の指令を選択する。指令変換部157は、選択部156が選択した一の指令を吸気弁57の制御に合った吸気弁指令SVOに変換して、この吸気弁指令SVOを吸気弁57に出力する。この指令変換部157は、選択部156が選択した一の指令が基準指令BVOの場合、弁指令の指令値が予め定められた値未満のとき、基準弁指令を、弁指令の変化に関わらず一定の開度を示す吸気弁指令SVOに変換する。弁指令の指令値が予め定められた値以上のとき、基準指令BVOを、弁指令の変化に対して正の相関性を持って変化する吸気弁57の開度を示す吸気弁指令SVOに変換する。

0084

ここで、リターン弁指令出力部151の指令変換部153及び吸気弁指令出力部155の指令変換部157における基準指令BVOの変換形態について、図4を用いて具体的に説明する。ここでは、弁指令に関する前述の予め定められた値を50%とする。なお、弁指令に関する前述の予め定められた値は、リターン弁58の弁特性等に応じて定まる値であるため、この値に限定されない。

0085

リターン弁指令出力部151の指令変換部153は、弁指令の指令値が予め定められた50%未満の場合、基準指令BVOを、基準指令BVOが示す開度及び弁指令の変化に対して負の相関性を持って変化する開度を示すリターン弁指令RVOに変換する。言い換えると、指令変換部153は、基準指令BVOを、基準指令BVOが示す開度及び弁指令の指令値が増加するに連れてリターン弁58の開度が小さくなるリターン弁指令RVOに変換する。弁指令の指令値が0%の場合、このリターン弁指令RVOが示す開度は例えば100%である。また、弁指令の指令値が50%以上の場合、このリターン弁指令RVOが示す開度は例えば0%で一定である。

0086

吸気弁指令出力部155の指令変換部157は、弁指令の指令値が予め定められた50%以上のとき、基準指令BVOを、基準指令BVOが示す開度及び弁指令の変化に対して正の相関性を持って変化する開度を示す吸気弁指令SVOに変換する。言い換えると、指令変換部157は、この場合、基準指令BVOを、基準指令BVOが示す開度及び弁指令の指令値が増加するに連れて吸気弁57の開度が大きくなる吸気弁指令SVOに変換する。弁指令の指令値が50%の場合、この吸気弁指令SVOが示す開度は例えば20%である。また、弁指令の指令値が50%未満の場合、この吸気弁指令SVOが示す開度は例えば20%で一定である。

0087

次に、図5に示すフローチャートに従って、制御装置100の動作について説明する。

0088

検知器64は、常時、冷却空気の状態量を検知し、これを制御装置100に送る(検知工程)。

0089

制御装置100の受付部101は、上位制御装置160から負荷指令LO及び負荷遮断指令LCを受け付けると共に、検知器64で検知された冷却空気の状態量を随時受け付ける(S1:受付工程)。

0090

制御装置100の基準指令発生部110は、受付部101が受け付けた負荷指令等に応じた基準指令BVOを発生する(S2:基準指令発生工程)。制御装置100のリターン弁指令発生部120は、受付部101が受け付けた状態量等に応じたリターン弁58用の弁指令を発生する(S3:リターン弁指令発生工程)。また、このリターン弁指令発生工程(S3)と並行して、制御装置100の吸気弁指令発生部140は、受付部101が受け付けた状態量等に応じた吸気弁57用の弁指令を発生する(S4:吸気弁指令発生工程)。

0091

基準指令発生工程(S2)では、基準指令発生部110の目標流量発生部111が、負荷指令LOが示す負荷に応じた昇圧機61の目標流量を発生する。この目標流量は、前述したように、負荷指令LOが示す負荷の変化に対して正の相関性を持って変化する値である。基準指令発生部110の流量偏差演算部113は、吐出流量計69で検知された吐出流量Foと目標流量との偏差Δを求める。基準指令発生部140のPI制御部114は、流量偏差Δに応じた比例・積分動作分を求め、この比例・積分動作分に応じたリターン弁58及び吸気弁57に対する基準指令BVOを発生する。

0092

リターン弁指令発生工程(S3)では、前述のように、昇圧機61のアンチサージ制御を分担する。すなわち、図3に示すように、昇圧機61の運転点X1がコントロールラインLcoに達した場合、通常運転時の操作条件とは異なる目標流量が制御装置に与えられる。リターン弁指令発生部120の第一弁指令発生部121は、吐出流量計72で検出された体積流量Foと目標流量との偏差Δを求める。そして、この流量偏差Δに応じた比例・積分動作分を求め、これに応じたリターン弁58の開度を示す弁指令を第一弁開度指令ROV1として出力する。

0093

また、リターン弁指令発生工程(S3)では、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けると、リターン弁58用の第二弁指令発生部131がリターン弁58用の第二弁指令RVO2を発生する(S3b:第二弁指令発生工程)。なお、この第二弁指令発生工程(S3b)の詳細については後述する。

0094

吸気弁指令発生工程(S4)では、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けると、吸気弁57用の第一弁指令発生部141が予め記憶されている遮断時開度を示す第一弁指令SVO1を発生する(S4a:第一弁指令発生工程)。この遮断時開度は、例えば、吸気弁57の全開の開度である。なお、遮断時開度は、第一弁指令SVO1を発生した時点での基準指令BVOに基づく吸気弁指令SVOが示す開度よりも大きな開度であればよく、例えば、開度90%であってもよい。

0095

リターン弁指令出力部151は、リターン弁指令RVOをリターン弁58に出力する(S5:リターン弁指令出力工程)。吸気弁指令出力部155は、吸気弁指令SVOを吸気弁57に出力する(S6:吸気弁指令出力工程)。

0096

リターン弁指令出力工程(S5)では、リターン弁指令出力部151の選択部152が、リターン弁58に関する第一弁指令RVO1、第二弁指令RVO2、基準指令BVOのうち、いずれか一の指令を選択する(S5a:選択工程)。選択部152は、いずれか複数の指令を受け付けると、基本的に、複数の指令のうち、リターン弁58の開度として最も大きな開度を示す指令を選択する。リターン弁指令出力工程(S5)では、さらに、リターン弁指令出力部151の指令変換部153が、選択工程(S5a)で選択された一の指令をリターン弁58の制御にあったリターン弁指令RVOに変換して、このリターン弁指令RVOをリターン弁58に出力する(S5b:指令変換工程)。

0097

吸気弁指令出力工程(S6)では、吸気弁指令出力部155の選択部156が、吸気弁57に関する第一弁指令SVO1と基準指令BVOとのうち、いずれかの一の指令を選択する(S6a:選択工程)。選択部156は、いずれか複数の指令を受け付けると、複数の指令のうち、吸気弁57の開度として大きな開度を示す指令を選択する。吸気弁指令出力工程(S6)では、さらに、吸気弁指令出力部155の指令変換部157が、選択工程(S6a)で選択された一の指令を吸気弁57の制御にあった吸気弁指令SVOに変換して、この吸気弁指令SVOを吸気弁57に出力する(S6b:指令変換工程)。

0098

例えば、図3に示すように、昇圧機61の運転点X1,X3が、コントロールラインLcoより圧力比が低く且つ体積流量が多い側に位置し、且つリターン弁指令発生部120が第二弁指令RVO2を発生していない場合、リターン弁指令出力工程(S5)における選択工程(S5a)では、リターン弁58に関する第一弁指令RVO1と基準指令BVOとのうち、基準指令BVOを選択する。また、昇圧機61の運転点X1,X3がコントロールラインLcoより圧力比が低く且つ体積流量が多い側に位置し、且つ吸気弁指令発生部140が第一弁指令SVO1を発生していない場合、吸気弁指令出力工程(S6)における選択工程(S6a)では、基準指令BVOを選択する。

0099

基準指令BVOに基づくリターン弁指令RVOがリターン弁58に出力されると、リターン弁58の開度は、このリターン弁指令RVOが示す開度になる。基準指令BVOに基づくリターン弁指令RVOが示す開度は、図2を用いて前述したように、弁指令の指令値が0%の場合、例えば100%で、弁指令の指令値が50%に近づくに連れて次第に小さくなり、弁指令の指令値が50%であると、例えば0%になる。弁指令の指令値が大きくなるに連れて、リターン弁58の開度が小さくなると、リターンライン56を流れる冷却空気が少なくなり、逆に、吐出ライン55を流れる冷却空気が多くなる。よって、弁指令の指令値が50%未満の場合、指令値が大きくなるに連れて、リターン弁58の開度が小さくなり、燃焼筒22に供給される冷却空気の流量が多くなる。一方、弁指令の指令値が50%以上になると、指令値が大きくなっても、リターン弁58の開度が例えば0%に維持される。

0100

基準指令BVOに基づく吸気弁指令SVOが吸気弁57に出力されると、吸気弁57の開度は、この吸気弁指令SVOが示す開度になる。基準指令BVOに基づく吸気弁指令SVOが示す開度は、図2を用いて前述したように、弁指令の指令値が50%未満の場合、例えば20%で一定である。また、弁指令の指令値が50%以上の場合、基準指令BVOに基づく吸気弁指令SVOが示す開度は、指令値が大きくなるに連れて、次第に大きくなる。吸気弁57の開度が大きくなると、吐出ライン55を流れる冷却空気が多くなる。よって、弁指令の指令値が50%以上の場合、負荷が大きくなるに連れて、吸気弁57の開度が大きくなり、燃焼筒22に供給される冷却空気の流量が多くなる。

0101

以上のように、本実施形態では、昇圧機61の運転点が、コントロールラインLcoより圧力比が低く且つ体積流量が多い側に位置し、且つ弁指令の指令値が50%未満の場合、指令値が大きくなるに連れて、リターン弁58の開度を小さくして、燃焼筒22に供給される冷却空気の流量を多くする。また、本実施形態では、昇圧機61の運転点が、コントロールラインLcoより圧力比が低く且つ体積吸気流量が多い側に位置し、且つ弁指令の指令値が50%以上の場合、指令値が大きくなるに連れて、吸気弁57の開度を大きくして、燃焼筒22に供給される冷却空気の流量を多くする。

0102

図3に示すように、昇圧機61の運転点X1、X3がコントロールラインLco に達した場合、昇圧機61はアンチサージ制御の運転に入り、通常運転時の操作条件とは異なる目標流量が制御装置に与えられ、リターン弁58の開度が開く方向の第一弁指令RVO1を発生する。このため、第一弁指令RVO1が示す開度は基準指令BVOが示す開度より大きくなる。よって、リターン弁指令出力工程(S5)における選択工程(S5a)では、第一弁指令RVO1と基準指令BVOとを受け付けても、大きな開度を示す第一弁指令RVO1を選択する。リターン弁指令出力工程(S5)における指令変換工程(S5b)では、この第一弁指令RVO1をリターン弁58の制御に合ったリターン弁指令RVOに変換して、このリターン弁指令RVOをリターン弁58に出力する。

0103

なお、弁指令の指令値が50%未満の場合も、50%以上の場合も、昇圧機61の運転点がコントロールラインLco上、又はサージ領域内に位置するようになり、昇圧機61でサージングの発生が高まると、リターン弁指令発生部120からのリターン弁58の開度を大きくする第一弁指令RVO1に基づくリターン弁指令RVOがリターン弁58に出力される。

0104

一方、昇圧機61でサージングの発生が高まっても、吸気弁指令出力工程(S6)では、吸気弁指令発生工程(S4)で第一弁指令SVO1が発生されない限り、基準指令BVOに基づく吸気弁指令SVOが吸気弁57に出力される。

0105

第一弁指令RVO1に基づくリターン弁指令RVOがリターン弁58に出力されると、リターン弁58の開度が大きくなり、リターンライン56を流れる冷却空気の流量が多くなる。この結果、燃焼筒22に供給される冷却空気の流量は多くならないものの、昇圧機61を通過する冷却空気の流量が多くなる上に、昇圧機61の圧力比が小さくなる。このため、昇圧機61でのサージング発生が抑えられる。

0106

以上のように、本実施形態では、昇圧機61の運転点X1、X3がコントロールラインLco上の点X2、X4、又はサージ領域内に位置するようになり、昇圧機61でサージング発生が高まった場合、専ら、リターン弁58の開度が制御されて、サージング発生が抑えられる。

0107

ところで、負荷遮断指令LCが出力されると、上位制御装置160等からの指示で遮断器41が開き、発電機40と電力系統45との間の電気的接続が断たれる。さらに、上位制御装置160等からの指示で燃料弁26が閉じ、燃焼器20への燃料供給が断たれる。この結果、負荷遮断時には、空気圧縮機10の吐出圧が急激に低下する。このため、昇圧機61の吸気圧も、空気圧縮機10の吐出圧の急激な低下に伴って、急激に低下する。一方、昇圧機61の吐出圧は、冷却空気ライン51の存在により、空気圧縮機10の吐出圧の低下に対して遅れて低下する。このため、負荷遮断直後では、一時的に、昇圧機61の圧力比が高まる。よって、負荷遮断時には、昇圧機61でのサージング発生の可能性が急激に高まる。

0108

負荷遮断時、昇圧機61でのサージング発生の可能性が高まるため、リターン弁58に関する第一弁指令RVO1が示す開度も大きくなる。リターン弁指令発生部120の第一弁指令発生部121は、負荷遮断後に検知器64によって検知された各種状態量に応じて、第一弁指令RVO1を発生する。このため、リターン弁指令発生部120の第一弁指令発生部121は、負荷遮断が発生した場合、昇圧機61の運転点X1、X3がコントロールラインLcoに達して初めて第一弁指令RVO1を発生し、サージラインLsに達してリターン弁58を強制的に開とする第一弁指令RVO1を発生する。この結果、昇圧機61のサージングを回避できるが、応答性が悪い。

0109

そこで、リターン弁指令発生工程(S3)では、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けると、検知器64によって検知された各種状態量に関わらず、前述したように、直ちに、リターン弁58用の第二弁指令発生部131がリターン弁58用の第二弁指令RVO2を発生する(S3b:第二弁指令発生工程)。リターン弁指令出力工程(S5)における選択工程(S5a)では、第二弁指令RVO2が発生すると、他の指令に優先して、この第二弁指令RVO2を選択する。リターン弁指令出力工程(S5)における指令変換工程(S5b)では、この第二弁指令RVO2をリターン弁58の制御に合ったリターン弁指令RVOに変換して、このリターン弁指令RVOをリターン弁58に出力する。

0110

本実施形態では、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けると、負荷指令が示す負荷の値に関係なく、リターン弁指令出力工程(S5)では、第二弁指令RVO2に基づくリターン弁指令RVOをリターン弁58に出力する。

0111

リターン弁58用の第二弁指令発生工程(S3b)では、負荷遮断指令LCを受けると、直ちに、直後指令発生部132が予め記憶されている遮断時開度を示す第二弁指令RVO2を発生する。この遮断時開度は、例えば、リターン弁58の全開の開度である。なお、遮断時開度は、第二弁指令RVO2を発生した時点での第一弁指令RVO1が示す開度よりも大きな開度であればよく、例えば、開度90%であってもよい。

0112

このため、図6に示すように、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けると(t0)、リターン弁58の開度は、直ちに、遮断時開度まで大きくなる。

0113

リターン弁58用の第二弁指令発生工程(S3b)では、タイマー137により、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けたときからの時間がカウントされる。直後指令発生部132は、図6に示すように、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けたとき(t0)から、タイマー137によりカウントされた時間が第一時間T1に至るまで、遮断時開度を示す第二弁指令RVO2を発生し続ける。

0114

タイマー137によりカウントされた時間が第一時間T1に至ると、直後指令発生部132は、遮断時開度を示す第二弁指令RVO2の発生を中止する。この替りに、タイマー137によりカウントされた時間が第一時間T1に至ると、開度減少指令発生部133が第二弁指令RVO2を発生する。開度減少指令発生部133は、遮断時開度と、変化率記憶部136に記憶されている変化率rとを用いて、第一時間T1経過後の各時刻におけるリターン弁58の開度を示す第二弁指令RVO2を発生する。すなわち、開度減少指令発生部133は、遮断時開度から一定の変化率rで開度が小さくなる第二弁指令RVO2を発生する。この閉側への変化率rは、サージング発生の可能性が低下しているときの第一弁指令RVO1が示す開度の閉側への最大変化率より大きい。

0115

開度減少指令発生部133は、タイマー137によりカウントされた時間が第二時間T2(>T1)に至るまで、第二弁指令RVO2を発生する。タイマー137によりカウントされた時間が第二時間T2に至ると、開度減少指令発生部133は、第二弁指令RVO2の発生を中止する。

0116

リターン弁指令出力工程(S5)では、第二弁指令発生部131の直後指令発生部132及び開度減少指令発生部133から第二弁指令RVO2が発生している間、この第二弁指令RVO2に基づくリターン弁指令RVOをリターン弁58に出力する。この結果、図6に示すように、タイマー137によりカウントされた時間が第一時間T1に至ってから第二時間に至るまで、リターン弁58の開度は、一定の変化率rで小さくなる。

0117

第二弁指令発生部131の直後指令発生部132及び開度減少指令発生部133が第二弁指令RVO2の発生を中止した時点、つまり、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けたときから第二時間T2経過した時点では、昇圧機61でのサージング発生の可能性が低くなっている。このため、この時点でのリターン弁58に関する第一弁指令RVO1が示す開度よりも、基準指令BVOが示す開度の方が大きくなる。よって、リターン弁指令出力工程(S5)における選択工程(S5a)では、第一弁指令RVO1と基準指令BVOとのうち、基準指令BVOを選択する。リターン弁指令出力工程(S5)における指令変換工程(S5b)では、この基準指令BVOに基づくリターン弁指令RVOをリターン弁58に出力する。

0118

負荷遮断時における昇圧機61でのサージング発生を抑えるという観点からは、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けた後、リターン弁58の開度を遮断時開度にし、その後も、遮断時開度を維持し続けていても何ら支障はない。しかしながら、リターン弁58の開度を遮断時開度にすると、昇圧機61から吐出ライン55を経て燃焼筒22に供給される冷却空気の流量が減少し、燃焼筒22が焼損するおそれがある。

0119

そこで、本実施形態では、負荷遮断指令LCを受け付けてから昇圧機61でのサージング発生の可能性が低くなったと想定される第一時間T1が経過すると、リターン弁58の開度を一定の変化率rで小さくしている。この結果、昇圧機61から吐出ライン55を経て燃焼筒22に供給される冷却空気の流量が増加し、燃焼筒22の焼損を抑えることができる。特に、本実施形態では、リターン弁58の閉側への変化率rが、サージング発生の可能性が低下しているときの第一弁指令RVO1が示す開度の閉側への最大変化率より大きいため、リターン弁58の開度が急激に小さくなる。このため、本実施形態では、燃焼筒22に供給される冷却空気の流量が負荷遮断直後に一時的に少なくなるものの、この冷却空気の流量が急激に回復する。よって、本実施形態では、燃焼筒22の焼損をより抑えることができる。

0120

吸気弁指令発生工程(S4)における第一弁指令発生工程(S4a)では、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けると、検知器64によって検知された各種状態量に関わらず、前述したように、直ちに、吸気弁57用の第一弁指令発生部141が吸気弁57用の第一弁指令SVO1を発生する。吸気弁指令出力工程(S6)における選択工程(S6a)では、この第一弁指令SVO1が発生すると、他の指令に優先して、この第一弁指令SVO1を選択する。吸気弁指令出力工程(S6)における指令変換工程(S6b)では、この第一弁指令SVO1を吸気弁57の制御に合った吸気弁指令SVOに変換して、この吸気弁指令SVOを吸気弁57に出力する。この結果、吸気弁57は、図6に示すように、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けると(t0)、直ちに、遮断時開度、この場合は全開になる。よって、昇圧機61を流れる冷却空気の体積流量が急激に増加する。このため、本実施形態では、この吸気弁57の動作によっても、負荷遮断時におけるサージング発生を抑えることができる。また、本実施形態では、吸気弁57の強制開により、昇圧機61を流れる冷却空気の体積流量が急激に増加すると共に、吐出ライン55を経て燃焼筒22に供給される冷却空気の体積流量も増加するので、燃焼筒22の焼損を抑えることができる。特に、本実施形態では、リターン弁58が遮断時開度になったことに起因した、燃焼筒22に供給される冷却空気流量の減少を、この吸気弁57の強制開により相殺することできる。よって、本実施形態では、この観点からも、燃焼筒22の焼損を抑えることができる。

0121

吸気弁57の第一弁指令発生工程(S4a)では、タイマー143により、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けたときからの時間がカウントされる。第一弁指令発生工程(S4a)では、図6に示すように、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けたときから(t0)、タイマー143によりカウントされた時間が第三時間T3(>T2)に至るまで、遮断時開度を示す第一弁指令SVO1を発生し続ける。吸気弁57の第一弁指令発生工程(S4a)では、タイマー143によりカウントされた時間が第三時間T3に至ると、第一弁指令SVO1の発生を中止する。吸気弁57の第一弁指令発生工程(S4a)での第一弁指令SVO1の発生が中止されると、つまり、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けたときから第三時間(T3)経過すると、吸気弁指令出力工程(S6)では、基準指令BVOに基づく吸気弁指令SVOを吸気弁57に出力する。

0122

以上のように、本実施形態では、負荷遮断時における昇圧機61のサージング発生の可能性を低下させつつ、高温部品である燃焼筒22を冷却することができる。

0123

なお、本実施形態では、昇圧機61でのサージング発生の可能性が低くなったとされる予め定められている第一条件として、第一時間T1を採用している。しかしながら、この第一条件としては、検知器64で検知された状態量により定まる昇圧機61の現状の運転点が、サージング発生の可能性が低い領域に至ることを条件としてもよい。すなわち、第一条件は、昇圧機61でのサージング発生の可能性が低くなったとされる条件であれば、如何なる条件でもよい。また、本実施形態では、第二条件として、第二時間T2を採用している。しかしながら、この第二条件としては、吐出流量計69で検知される吐出流量が第一条件を満たした時点における吐出流量よりも多い流量に至ることを条件としてもよい。

0124

「変形例」
以上で説明したガスタービン設備の一実施形態の変形例について、図7を参照して詳細に説明する。

0125

本変形例のガスタービン設備は、制御装置100aの構成が上記実施形態における制御装置100の構成と異なることを除いて、上記実施形態のガスタービン設備と同じである。よって、以下では、本変形例の制御装置100aについて説明する。

0126

本変形例の制御装置100aも、上記実施形態の制御装置100と同様、受付部101と、基準指令発生部110と、リターン弁指令発生部120aと、吸気弁指令発生部140と、リターン弁指令出力部151と、吸気弁指令出力部155と、を有する。リターン弁指令発生部120aは、上記実施形態におけるリターン弁指令発生部120と同様に、第一弁指令発生部121と、第二弁指令発生部131aとを有する。第二弁指令発生部131aは、上記実施形態における第二弁指令発生部131と同様、直後指令発生部132と、開度減少指令発生部133aと、タイマー137と、第一条件記憶部134と、第二条件記憶部135aと、を有する。但し、本変形例の開度減少指令発生部133aは、上記実施形態の開度減少指令発生部133と異なる。また、本変形例の第二条件記憶部135aには、上記実施形態の第二条件記憶部135と異なり、予め定められた吐出流量Q2が第二条件として記憶されている。

0127

本変形例の開度減少指令発生部133aは、圧力比演算部211と、目標流量発生部212と、流量演算部213と、流量偏差演算部214と、PI制御部215と、を有する。
圧力演算部211は、吸気圧力計66、吐出圧力計71で検知された吸気圧Pi、吐出圧Poから圧力比を求める。目標流量発生部212は、昇圧機61の圧力比に対する体積吸気流量を求める。流量演算部213は、吸気温度Ti、吸気圧Pi、吐出温度To、吐出圧Po、吐出流量計72で検知された体積流量Foを用いて、昇圧機61の体積吸気流量を求める。流量偏差演算部214は、目標流量に対する体積吸気流量との偏差Δを求める。PI制御部215は、流量偏差Δに応じたリターン弁58の比例・積分動作分の開度補正量を求め、第二弁指令RVO2を発生する。

0128

但し、開度減少指令発生部133aのPI制御部215における比例ゲイン及び積分ゲインは、基準指令発生部110のPI制御部114における比例ゲイン及び積分ゲインと異なっている。具体的には、このPI制御部215により求められる比例・積分動作分の開度補正量が、基準指令発生部110のPI制御部114により求められる比例・積分動作分の開度補正量よりも、大きくなるよう、このPI制御部215における比例ゲイン及び積分ゲインが設定されている。

0129

本変形例でも、タイマー137によりカウントされた時間が第一時間T1に至ると、開度減少指令発生部133aが第二弁指令RVO2を発生する。タイマー137によりカウントされた時間が第一時間T1になった時点でのリターン弁58の開度は、遮断時開度である。また、タイマー137によりカウントされた時間が第一時間T1になった時点では、昇圧機61でのサージング発生の可能性が低くなっている。このため、開度減少指令発生部133aは、時間経過に伴って次第に小さくなる開度を示す第二弁指令RVO2を発生する。リターン弁指令出力部151は、上記実施形態と同様、直後指令発生部132及び開度減少指令発生部133aからの第二弁指令RVO2に基づくリターン弁指令RVOをリターン弁58に出力する。

0130

本変形例では、第一時間T1経過後において、目標流量発生部212が求める目標流量、及び/又は流量演算部213が求める体積吸気流量が変化すると、流量偏差演算部214が求める流量偏差Δが変化する。この流量偏差Δが変化すると、PI制御部215が求めるリターン弁58の比例・積分動作分の開度補正量も変化するため、第一時間T1経過後のリターン弁58の開度変化率が一定ではない。よって、本変形例では、上記実施形態のように、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けたときから第二時間T2経過しても、高温部品に送られる冷却空気の流量が高温部品の冷却に十分でない場合がある。また、逆に、受付部101が負荷遮断指令LCを受け付けたときから第二時間T2経過する前に、高温部品に送られる冷却空気の流量が高温部品の冷却に十分になる場合もある。そこで、本変形例では、第二条件記憶部135aには、第二条件として、高温部品の冷却に十分な予め定めた吐出流量Q2が記憶されている。

0131

開度減少指令発生部133aは、吐出流量計72で検知された吐出流量が第二条件記憶部135aに記憶されている吐出流量Q2になると、第二弁指令RVO2の発生を中止する。リターン弁指令出力部151は、上記実施形態と同様、開度減少指令発生部133aが第二弁指令RVO2の発生を中止すると、基準指令BVOに基づくリターン弁指令RVOをリターン弁58に出力する。

0132

以上のように、本変形例でも、負荷遮断指令LCを受け付けてから昇圧機61でのサージング発生の可能性が低くなったと想定される第一時間T1が経過すると、リターン弁58の開度が小さくなる。この結果、本変形例でも、昇圧機61から吐出ライン55を経て燃焼筒22に供給される冷却空気の流量が、負荷遮断後には減少するものの、第一時間T1が経過すると、この冷却空気の流量が増加し、燃焼筒22の焼損を抑えることができる。

0133

前述したように、開度減少指令発生部133aのPI制御部215における比例ゲイン及び積分ゲインは、PI制御部215により求められる比例・積分動作分の開度補正量が、基準指令発生部110のPI制御部114により求められる比例・積分動作分の開度補正量よりも、大きくなるよう設定されている。このため、開度減少指令発生部133aからの第二弁指令RVO2で定まるリターン弁58の閉側への変化率は、サージング発生の可能性が低下しているときの基準指令BVOで定まる開度の閉側への最大変化率より大きくなる。従って、本変形例でも、上記実施形態と同様、第一時間T1経過後、リターン弁58の開度は急激に小さくなる。このため、本変形例でも、負荷遮断直後に低下した冷却空気の流量が急激に回復する。

0134

「その他の変形例」
上記実施形態及び上記変形例において、制御装置100,100aと上位制御装置160とは別体であるが、これらは一体であってもよい。

0135

上記実施形態及び上記変形例の冷却系統50は、高温部品としての燃焼筒22に冷却空気を送る。しかしながら、冷却系統50は、高温部品であれば、燃焼筒22以外の部品に冷却空気を送ってもよい。例えば、タービン30の動翼35や静翼39に冷却空気を送ってもよい。

0136

1:ガスタービン、2:ガスタービンロータ、6:中間車室、7:ガスタービン車室、10:空気圧縮機、12:圧縮機ロータ、17:圧縮機車室、20:燃焼器、21:燃料噴出器、22:燃焼筒、25:燃料ライン、26:燃料弁、30:タービン、31:燃焼ガス流路、32:タービンロータ、33:ロータ軸、34:動翼列、35:動翼、37:タービン車室、38:静翼列、39:静翼、40:発電機、41:遮断器、50:ガスタービン冷却系統、51:冷却空気ライン、52:吸気ライン、53:未冷却吸気ライン、54:冷却済み吸気ライン、55:吐出ライン、56:リターンライン、57:吸気弁、58:リターン弁、61:昇圧機、63:冷却器、64:検知器、65:吸気温度計、66:吸気圧力計、67,70:吐出温度計、68,71:吐出圧力計、69,72:吐出流量計、100,100a:制御装置、101:受付部、120、120a:リターン弁指令発生部、121:第一弁指令発生部、131、131a:第二弁指令発生部、132:直後指令発生部、133、133a:開度減少指令発生部、137:タイマー、140:吸気弁指令発生部、141:第一弁指令発生部、143:タイマー、110:基準指令発生部、151:リターン弁指令出力部、152,156:選択部、153,157:指令変換部、155:吸気弁指令出力部、160:上位制御装置

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