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技術 金属粒子担持繊維および金属粒子担持繊維の製造方法

出願人 大明化学工業株式会社
発明者 藤田隆之小高篤志
出願日 2016年1月18日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2016-007312
公開日 2017年7月27日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2017-128818
状態 特許登録済
技術分野 無機繊維 繊維製品の化学的、物理的処理 無消耗性電極 触媒
主要キーワード 担持構造 金属粒子数 アルミナ長繊維 無機長繊維 ムライト相 担持強度 Ni微粒子 酸化アルミニウム換算
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月27日)のものです。
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図面 (17)

課題

可撓性を有するとともに、全体にわたって金属粒子を適正に分布させて担持することのできる金属粒子担持繊維、およびその製造方法を提供すること。

解決手段

金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。無機長繊維の直径は、5μm〜50μmであり、その表面の全体にわたって金属粒子が担持されている。無機長繊維は、アルミナ長繊維であり、金属粒子はニッケル粒子である。かかる金属粒子担持繊維の製造方法では、無機長繊維の表面に金属塩を含む処理液を接触させる接触工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを行う。

概要

背景

触媒等の技術分野では、触媒作用を有する金属粒子担体担持させた構成が提案されている。例えば、アルミナ等の球状多孔質体硝酸ニッケル水溶液含浸した後、加熱および還元を行って、球状多孔質体にニッケル粒子を担持させた構成が提案されている(特許文献1参照)。また、繊維シートの表面に金属酸化物層湿式法により形成するとともに、かかる金属酸化物層の表面または内部に活性金属を担持させた構成が提案されている(特許文献2参照)。

概要

可撓性を有するとともに、全体にわたって金属粒子を適正に分布させて担持することのできる金属粒子担持繊維、およびその製造方法を提供すること。金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。無機長繊維の直径は、5μm〜50μmであり、その表面の全体にわたって金属粒子が担持されている。無機長繊維は、アルミナ長繊維であり、金属粒子はニッケル粒子である。かかる金属粒子担持繊維の製造方法では、無機長繊維の表面に金属塩を含む処理液を接触させる接触工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを行う。

目的

本発明の課題は、可撓性を有するとともに、全体にわたって金属粒子を適正に分布させて担持することのできる金属粒子担持繊維、およびその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子と、を有することを特徴とする金属粒子担持繊維。

請求項2

前記無機長繊維は、アルミナ長繊維であることを特徴とする請求項1に記載の金属粒子担持繊維。

請求項3

前記無機長繊維の表面が平坦面になっていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属粒子担持繊維。

請求項4

前記無機長繊維の表面に凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属粒子担持繊維。

請求項5

前記無機長繊維は、表面が花弁状の凹凸形状を有する金属酸化物層になっていることを特徴とする請求項4に記載の金属粒子担持繊維。

請求項6

前記無機長繊維は、表面が金属酸化物多孔層になっていることを特徴とする請求項4に記載の金属粒子担持繊維。

請求項7

前記無機長繊維は、γアルミナ相からなることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の金属粒子担持繊維。

請求項8

前記無機長繊維は、ムライト相、またはムライト相を含む混合相からなることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の金属粒子担持繊維。

請求項9

前記金属粒子は、銅粒子ニッケル粒子鉄粒子モリブデン粒子コバルト粒子白金粒子パラジウム粒子ロジウム粒子、またはルテニウム粒子であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の金属粒子担持繊維。

請求項10

無機長繊維の表面に金属塩を含む処理液を接触させる接触工程と、酸素を含む雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する焼成工程と、を有することを特徴とする金属粒子担持繊維の製造方法。

請求項11

前記接触工程の前に、前記無機長繊維の表面に凹凸を形成する表面処理工程を有することを特徴とする請求項10に記載の金属粒子担持繊維の製造方法。

請求項12

前記無機長繊維は、アルミナ長繊維であり、前記表面処理工程は、前記アルミナ長繊維の表面を花弁状の凹凸形状を有するベーマイト層とする水熱処理工程であることを特徴とする請求項11に記載の金属粒子担持繊維の製造方法。

請求項13

前記処理液にアルミナの前駆体を含ませておき、前記加熱工程では、前記無機長繊維の表面に、金属が固溶した遷移アルミナ多孔層を形成することを特徴とする請求項10に記載の金属粒子担持繊維の製造方法。

請求項14

紡糸原液に金属塩を含ませておき、前記紡糸原液を延伸して無機長繊維を得る紡糸工程と、酸素を含む雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する焼成工程と、を有することを特徴とする金属粒子担持繊維の製造方法。

請求項15

無機長繊維の表面に気相成膜法によって金属層を形成する金属層形成工程と、酸素を含む雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する焼成工程と、を有することを特徴とする金属粒子担持繊維の製造方法。

請求項16

前記無機長繊維は、アルミナ長繊維であることを特徴とする請求項10、11、13、14または15に記載の金属粒子担持繊維の製造方法。

請求項17

前記無機長繊維は、γアルミナ相からなることを特徴とする請求項10乃至16の何れか一項に記載の金属粒子担持繊維の製造方法。

請求項18

前記無機長繊維は、ムライト相、またはムライト相を含む混合相からなることを特徴とする請求項10乃至16の何れか一項に記載の金属粒子担持繊維の製造方法。

請求項19

前記金属粒子は、銅粒子、ニッケル粒子、鉄粒子、モリブデン粒子、コバルト粒子、白金粒子、パラジウム粒子、ロジウム粒子、またはルテニウム粒子であることを特徴とする請求項10乃至18の何れか一項に記載の金属粒子担持繊維の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、表面に金属粒子担持した繊維、およびその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

触媒等の技術分野では、触媒作用を有する金属粒子を担体に担持させた構成が提案されている。例えば、アルミナ等の球状多孔質体硝酸ニッケル水溶液含浸した後、加熱および還元を行って、球状多孔質体にニッケル粒子を担持させた構成が提案されている(特許文献1参照)。また、繊維シートの表面に金属酸化物層湿式法により形成するとともに、かかる金属酸化物層の表面または内部に活性金属を担持させた構成が提案されている(特許文献2参照)。

先行技術

0003

特開2012−187485号公報
特開2015−93224号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献1に記載の触媒では、担体が可撓性を有していないため、触媒等の形状が限られるという問題がある。これに対して、特許文献2に記載の触媒は、可撓性を有しているが、繊維シートの表面に金属酸化物層を湿式法により形成するため、繊維間が金属酸化物層で塞がれるという問題がある。かかる状態になると、繊維間に活性金属が十分に担持されにくいという問題点がある。

0005

以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、可撓性を有するとともに、全体にわたって金属粒子を適正に分布させて担持することのできる金属粒子担持繊維、およびその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明に係る金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子と、を有することを特徴とする。

0007

本発明は、無機長繊維自身の表面に金属粒子が担持された金属粒子担持繊維になっているため、可撓性を有している。それ故、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。

0008

本発明において、前記無機長繊維は、例えば、アルミナ長繊維である。この場合、前記無機長繊維は、γアルミナ相からなる態様を採用することができる。また、前記無機長繊維は、ムライト相、またはムライト相を含む混合相からなる態様を採用してもよい。

0009

本発明において、前記金属粒子は、例えば、銅粒子、ニッケル粒子、鉄粒子モリブデン粒子コバルト粒子白金粒子パラジウム粒子ロジウム粒子、またはルテニウム粒子である。

0010

本発明において、前記無機長繊維の表面が平坦面になっている態様を採用することができる。

0011

本発明において、前記無機長繊維の表面に凹凸が形成されている態様を採用してもよい。

0012

本発明において、前記無機長繊維は、表面が花弁状の凹凸形状を有する金属酸化物層になっている態様を採用してもよい。また、前記無機長繊維は、表面が金属酸化物多孔層になっている態様を採用してもよい。

0013

本発明に係る金属粒子担持繊維の製造方法は、無機長繊維の表面に金属塩を含む処理液を接触させる接触工程と、酸素を含む雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する焼成工程と、を有することを特徴とする。

0014

本発明に係る金属粒子担持繊維の製造方法では、前記接触工程の前に、前記無機長繊維の表面に凹凸を形成する表面処理工程を有する態様を採用することができる。

0015

本発明に係る金属粒子担持繊維の製造方法では、前記無機長繊維は、アルミナ長繊維であり、前記表面処理工程は、前記アルミナ長繊維の表面を花弁状の凹凸形状を有するベーマイト層とする水熱処理工程である態様を採用することができる。

0016

本発明に係る金属粒子担持繊維の製造方法では、前記処理液にアルミナの前駆体を含ませておき、前記加熱工程では、前記無機長繊維の表面に、金属が固溶した遷移アルミナ多孔層を形成する態様を採用することができる。

0017

本発明に係る金属粒子担持繊維の別の製造方法は、紡糸原液に金属塩を含ませておき、前記紡糸原液を延伸して無機長繊維を得る紡糸工程と、酸素を含む雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する焼成工程と、を有することを特徴とする。

0018

本発明に係る金属粒子担持繊維のさらに別の製造方法は、無機長繊維の表面に気相成膜法によって金属層を形成する金属層形成工程と、酸素を含む雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で前記無機長繊維を加熱する焼成工程と、を有することを特徴とする。

発明の効果

0019

本発明は、無機長繊維自身の表面に金属粒子が担持された金属粒子担持繊維になっているため、可撓性を有している。それ故、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の実施例1に係る金属粒子担持繊維を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例1に係る金属粒子担持繊維を1000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例1に係る金属粒子担持繊維のX線回折結果を示す説明図である。
本発明の実施例2に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を2000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例2に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例2に係る金属粒子担持繊維に用いた無機長繊維の表面を500倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例2に係る金属粒子担持繊維に用いた無機長繊維の表面を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例3に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例3に係る金属粒子担持繊維の表面(遷移アルミナ多孔層)の一部を破断した内部を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例4に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を2500倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例4に係る金属粒子担持繊維の表面を10000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例4に係る金属粒子担持繊維のX線回折結果を示す説明図である。
本発明の実施例5に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を1000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例5に係る金属粒子担持繊維の表面を10000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例6に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の実施例6に係る金属粒子担持繊維の表面を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。

実施例

0021

以下、本発明に係る実施例を説明しながら、本発明を実施するための形態を説明する。これらの実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲はこれら実施例の記載に限定されるものではない。

0022

[実施例1]
図1は、本発明の実施例1に係る金属粒子担持繊維を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図2は、本発明の実施例1に係る金属粒子担持繊維を1000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図3は、本発明の実施例1に係る金属粒子担持繊維のX線回折結果を示す説明図である。

0023

図1および図2に示すように、本例の金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。無機長繊維の直径は、5μm〜50μmである。無機長繊維の表面は平坦面になっており、かかる表面の全体にわたって金属粒子が担持されている。本例において、無機長繊維は、アルミナ長繊維であり、γアルミナ相とムライト(Mullite)相との混合相になっている。ムライトは、単鎖構造を持つアルミノケイ酸塩鉱物であり、化学式は通常、3Al2O3・2SiO2で表される。金属粒子はニッケル粒子である。従って、金属粒子担持繊維は、水素製造用触媒炭化水素改質触媒燃料電池の触媒等として用いることができる。また、金属粒子として、銅粒子、コバルト粒子、鉄粒子を用いた場合も、水素製造用触媒、炭化水素改質触媒、燃料電池の触媒等として用いることができる。また、モリブデン粒子やコバルト粒子を用いた場合、石油精製用触媒として用いることができる。

0024

かかる金属粒子担持繊維は、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。また、金属粒子担持繊維は、可撓性を有しているので、微細パイプの中に配置することができる等、小型の装置への適用に適している。また、金属粒子担持繊維は、可撓性を有しているため、クロ
ス、スリーブロール等の構造体をつくることも可能である。

0025

このような構成の金属粒子担持繊維の製造方法では、無機長繊維の表面に金属塩を含む処理液を接触させる接触工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを有する。その際の無機長繊維の結晶相、無機長繊維の表面層、還元前(焼結工程前)の金属の状態、焼結工程における還元温度は、表1に示す通りである。また、得られた金属粒子担持繊維における金属粒子数粒子形状、担持強度担持構造は、表2に示す通りである。なお、表1および表2には、後述する実施例2、3、4、5、6の条件や結果も示してある。

0026

0027

0028

本例では、まず、コータミン60W(花王株式会社の登録商標)と塩化ニッケル水塩と水を所定量混合し、コータミン60W=15wt%、Ni=1wt%の処理液を作製する。コータミン60Wは、塩化セチルトリメチルアンモニウムの30wt%溶液である。

0029

次に、接触工程では、直径10μmのアルミナ長繊維からなる無機長繊維を処理液に浸漬する。

0030

次に、加熱工程では、酸素を含有する雰囲気中で、105℃で1時間乾燥して乾燥繊維を得た後、乾燥繊維を電気炉内(酸素を含有する雰囲気中)において温度500℃で0.
5時間、温度が1210℃で1時間、焼成する。焼成後の無機長繊維をX線回折および電子顕微鏡観察により観察したところ、無機長繊維の表面にNiを含む酸化物層が形成されていた。

0031

次に、焼成工程では、無機長繊維を、カーボン充填したこう中(還元雰囲気)内で温度が1050℃で1時間焼成し、Niを含む酸化物層を還元する。かかる還元後の無機長繊維を電子顕微鏡観察、X線回折、およびEDX分析により評価した結果、図1図2および図3等に示す結果が得られた。かかる分析結果によれば、アルミナ長繊維(無機長繊維)の表面に300nmの均一なNi微粒子が高密度に担持されていた。

0032

[実施例2]
図4は、本発明の実施例2に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を2000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図5は、本発明の実施例2に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図6は、本発明の実施例2に係る金属粒子担持繊維に用いた無機長繊維の表面を500倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図7は、本発明の実施例2に係る金属粒子担持繊維に用いた無機長繊維の表面を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。

0033

図4および図5に示すように、本例の金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。金属粒子はニッケル粒子である。本例では、図4図5図6および図7に示すように、無機長繊維の表面に凹凸が形成されている。より具体的には、無機長繊維は、γアルミナ相からなるアルミナ長繊維であり、無機長繊維の表面は、花弁状の凹凸形状を有するベーマイト層または遷移アルミナ層からなる金属酸化物層になっている。このため、金属粒子は、花弁状の凹凸の表面および内部にわたって分布し、担持されている。

0034

かかる金属粒子担持繊維は、実施例1と同様、可撓性を有しているため、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。

0035

このような構成の金属粒子担持繊維の製造方法では、無機長繊維の表面に金属塩を含む処理液を接触させる接触工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを有する。

0036

また、本例では、接触工程の前に、無機長繊維の表面に凹凸を形成する表面処理工程を行う。本例において、無機長繊維は、γアルミナ相からなるアルミナ長繊維であるため、表面処理工程は、アルミナ長繊維の表面を花弁状の凹凸形状を有するベーマイト層とする水熱処理工程である。

0037

その際の無機長繊維の結晶相、無機長繊維の表面層、還元前(焼結工程前)の金属の状態、焼結工程における還元温度は、表1に示す通りである。また、得られた金属粒子担持繊維における金属粒子数、粒子形状、担持強度、担持構造は、表2に示す通りである。

0038

本例では、まず、コータミン60W(花王株式会社の登録商標)と塩化ニッケル六水塩と水を所定量混合し、コータミン60W=15wt%、Ni=1wt%の処理液を作製する。コータミン60Wは、塩化セチルトリメチルアンモニウムの30wt%溶液である。

0039

次に、表面処理工程(水熱処理工程)において、γアルミナ相からなるアルミナ長繊維(直径30μm)と水とをフッ素樹脂系の容器に入れ、温度が140℃で1.5時間、水熱処理を行う。その結果、図6および図7に示すように、無機長繊維の表面には、花弁状
の凹凸が形成される。次に、接触工程では、アルミナ長繊維を処理液に浸漬する。

0040

次に、加熱工程では、酸素を含有する雰囲気中において、105℃で1時間乾燥して乾燥繊維を得た後、乾燥繊維を電気炉内(酸素を含有する雰囲気中)において温度500℃で0.5時間、温度が900℃で1時間、焼成する。焼成後の無機長繊維をX線回折、電子顕微鏡観察、およびEDX分析により観察したところ、無機長繊維の表面における花弁状の凹凸形状を有する遷移アルミナ層にNiが固溶した状態になっていた。

0041

次に、焼成工程では、無機長繊維を、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で温度が900℃で1時間焼成し、Niを含む酸化物層を還元する。かかる還元後の無機長繊維を電子顕微鏡観察、X線回折、およびEDX分析により評価した結果、無機長繊維の表面に花弁状の凹凸が形成され、かかる凹凸の表面および内部に粒径が150nmの均一なNi微粒子が高密度に担持されていることが確認された。

0042

なお、本例では、水熱反応により凹凸を形成したが、後述する実施例3のように、多孔質材料またはその前駆体を繊維表面に付与して凹凸を形成する方法を採用してもよい。また、無機長繊維の表面を酸処理することにより凹凸を形成する方法、スパッタリングにより凹凸を形成する方法、機械的に傷をつけて凹凸を形成する方法を採用してもよい。

0043

[実施例3]
図8は、本発明の実施例3に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図9は、本発明の実施例3に係る金属粒子担持繊維の表面(遷移アルミナ多孔層)の一部を破断した内部を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。

0044

図8および図9に示すように、本例の金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。金属粒子はニッケル粒子である。無機長繊維は、γアルミナとムライトとの混合相からなるアルミナ長繊維である。また、無機長繊維は、表面が遷移アルミナ多孔層からなる金属酸化物多孔層になっており、遷移アルミナ多孔層の表面および内部に金属粒子が分布し、担持されている。

0045

かかる金属粒子担持繊維は、実施例1と同様、可撓性を有しているため、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。

0046

このような構成の金属粒子担持繊維の製造方法では、無機長繊維の表面に金属塩を含む処理液を接触させる接触工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを有する。

0047

また、本例では、処理液にアルミナの前駆体を含ませておき、加熱工程では、無機長繊維の表面に、金属が固溶した遷移アルミナ多孔層を形成する。

0048

その際の無機長繊維の結晶相、無機長繊維の表面層、還元前(焼結工程前)の金属の状態、焼結工程における還元温度は、表1に示す通りである。また、得られた金属粒子担持繊維における金属粒子数、粒子形状、担持強度、担持構造は、表2に示す通りである。

0049

本例では、コータミン60W(花王株式会社の登録商標)、アルミナゾル(AS100:商品名:日産化学工業株式会社製)、塩化ニッケル六水塩および水を所定量計量し、自転公転式混合機で混合した。処理液の組成はコータミン60W=10wt%、アルミナゾル(酸化アルミニウム換算)=5.6wt%、Ni=1wt%であった。ここで、アルミ
ゾルは、アルミナの前駆体である。次に、接触工程では、直径10μmのアルミナ長繊維を処理液に浸漬する。

0050

次に、加熱工程では、酸素を含有する雰囲気中において、105℃で1時間乾燥して乾燥繊維を得た後、乾燥繊維を電気炉内(酸素を含有する雰囲気中)において温度500℃で0.5時間、温度が900℃で1時間、焼成する。焼成後の無機長繊維をX線回折、電子顕微鏡観察、およびEDX分析により観察したところ、無機長繊維の表面にNiが固溶した遷移アルミナ多孔質層が形成されていた。

0051

次に、焼成工程では、無機長繊維を、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で温度が900℃で1時間焼成し、Niを含む酸化物層を還元する。かかる還元後の無機長繊維を電子顕微鏡観察、X線回折、およびEDX分析により評価した結果、無機長繊維の表面に遷移アルミナ多孔質層が形成され、かかる遷移アルミナ多孔質層の表面に粒径が200nmの均一なNi微粒子が担持されていることが確認された。また、遷移アルミナ多孔質層の一部を破断して内部を観察したところ、遷移アルミナ多孔質層の内部にも、粒径が200nmの均一なNi微粒子が担持されていることが確認された。

0052

[実施例4]
図10は、本発明の実施例4に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を2500倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図11は、本発明の実施例4に係る金属粒子担持繊維の表面を10000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図12は、本発明の実施例4に係る金属粒子担持繊維のX線回折結果を示す説明図である。

0053

図10および図11に示すように、本例の金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。金属粒子はニッケル粒子である。無機長繊維は、アルミナ長繊維からなる。

0054

かかる金属粒子担持繊維は、実施例1と同様、可撓性を有しているため、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。

0055

このような構成の金属粒子担持繊維の製造方法では、紡糸原液に金属塩を含ませておき、紡糸原液を延伸して無機長繊維を得る紡糸工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを有する。

0056

その際の無機長繊維の結晶相、無機長繊維の表面層、還元前(焼結工程前)の金属の状態、焼結工程における還元温度は、表1に示す通りである。また、得られた金属粒子担持繊維における金属粒子数、粒子形状、担持強度、担持構造は、表2に示す通りである。

0057

本例では、紡糸工程において、水、ポリビニルアルコール塩基性塩化アルミニウムコロイダルシリカ、および塩化ニッケル六水塩を所定量混合し、Al2O3:SiO2=75:25、Ni=2%の組成となる紡糸原液を作製した。次に、紡糸原液を延伸して紡糸し、アルミナ長繊維からなる無機長繊維を得た。

0058

次に、加熱工程では、酸素を含有する雰囲気中において、105℃で1時間乾燥して乾燥繊維を得た後、乾燥繊維を温度900℃で3時間、仮焼成し、その後、温度が1210℃で1時間、焼成する。焼成後の無機長繊維をX線回折、およびEDX分析により観察したところ、無機長繊維は、ムライト相、γアルミナ相、Niスピネル相の混合相からなることが確認された。

0059

次に、焼成工程では、無機長繊維を、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で温度が1050℃で1時間焼成し、Niを含む酸化物層を還元する。かかる還元後の無機長繊維を電子顕微鏡観察、X線回折(図12参照)、およびEDX分析により評価した結果、無機長繊維の表面に粒径が300nmの均一なNi微粒子が高密度に担持されていることが確認された。

0060

[実施例5]
図13は、本発明の実施例5に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を1000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図14は、本発明の実施例5に係る金属粒子担持繊維の表面を10000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。

0061

図13および図14に示すように、本例の金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。金属粒子はニッケル粒子である。無機長繊維は、アルミナ長繊維からなる。

0062

かかる金属粒子担持繊維は、実施例1と同様、可撓性を有しているため、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。

0063

このような構成の金属粒子担持繊維の製造方法では、実施例4と同様、紡糸原液に金属塩を含ませておき、紡糸原液を延伸して無機長繊維を得る紡糸工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを有する。その際の無機長繊維の結晶相、無機長繊維の表面層、還元前(焼結工程前)の金属の状態、焼結工程における還元温度は、表1に示す通りである。また、得られた金属粒子担持繊維における金属粒子数、粒子形状、担持強度、担持構造は、表2に示す通りである。

0064

本例では、紡糸工程において、実施例4と同様な方法で紡糸し、アルミナ長繊維からなる無機長繊維を得た。次に、加熱工程では、酸素を含有する雰囲気中において、105℃で1時間乾燥して乾燥繊維を得た後、乾燥繊維を温度900℃で3時間、焼成した。焼成後の無機長繊維をX線回折、およびEDX分析により観察したところ、無機長繊維は、Niが均一に固溶したγアルミナ相からなることが確認された。

0065

次に、焼成工程では、無機長繊維を、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で温度が900℃で1時間焼成し、Niを含む酸化物層を還元する。かかる還元後の無機長繊維を電子顕微鏡観察、X線回折、およびEDX分析により評価した結果、無機長繊維の表面に粒径が80nmの均一なNi微粒子が高密度に担持されていることが確認された。

0066

このように本形態では、無機長繊維がγアルミナ相からなるため、加熱工程では、700℃〜1000℃で焼成して、Ni固溶γアルミナを形成し、その後の還元処理によって、金属を均一に分布させることができる。これに対して、実施の形態4のように、無機長繊維がγ−ムライトからなる場合、1000℃〜1400℃で焼成してNi複合酸化物(Niスピネル)を形成し、その後の還元処理によって、金属を均一に分布させることができる。

0067

[実施例6]
図15は、本発明の実施例6に係る金属粒子担持繊維の無機長繊維の表面を5000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図16は、本発明の実施例6に係る金属粒子担持繊維の表面を20000倍に拡大した電子顕微鏡写真である。

0068

図15および図16に示すように、本例の金属粒子担持繊維は、無機長繊維と、無機長繊維の表面に担持された金属粒子とを有している。無機長繊維は、アルミナ長繊維からなる。金属粒子は白金粒子である。従って、金属粒子担持繊維を水素製造用触媒、炭化水素改質触媒、燃料電池の触媒、自動車排気ガス浄化触媒として用いることができる。また、パラジウム粒子を用いた場合も、水素製造用触媒、炭化水素改質触媒、燃料電池の触媒、自動車排気ガス浄化触媒として用いることができる。また、ロジウム粒子やルテニウム粒子を用いてもよい。

0069

かかる金属粒子担持繊維は、実施例1と同様、可撓性を有しているため、各種形状の構造物を構成するのに適している。また、繊維シートにおける繊維間等、金属粒子が担持されにくい箇所がないので、全体にわたって金属粒子を担持することができる。

0070

このような構成の金属粒子担持繊維の製造方法では、無機長繊維の表面に気相成膜法によって金属層を形成する金属層形成工程と、酸素を含む雰囲気内で無機長繊維を加熱する加熱工程と、還元雰囲気内で無機長繊維を加熱する焼成工程とを行う。その際の無機長繊維の結晶相、無機長繊維の表面層、還元前(焼結工程前)の金属の状態、焼結工程における還元温度は、表1に示す通りである。また、得られた金属粒子担持繊維における金属粒子数、粒子形状、担持強度、担持構造は、表2に示す通りである。

0071

本例では、まず、直径10μmのアルミナ長繊維の表面にスパッタリング法(気相成膜法)によって白金層コーティングした。次に、加熱工程において、電気炉内(酸素を含有する雰囲気内)で、温度380℃で1時間焼成した。

0072

次に、焼成工程では、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で温度が760℃で1時間焼成し、還元処理を行った。かかる還元後の無機長繊維を電子顕微鏡観察、X線回折、およびEDX分析により評価した結果、無機長繊維の表面に粒径が50nmの均一な白金微粒子が高密度に担持されていることが確認された。

0073

かかる方法によれば、白金パラジウムロジウムルテニウム等のように、金属酸化物を還元する方法を適用できない場合でも、250℃〜600℃で焼成すれば金属粒子を無機長繊維に均質に分布させることができる。

0074

[他の実施例]
上記実施例では、カーボンを充填したこう鉢中(還元雰囲気)内で焼成したが、水素、水素と窒素混合ガス等を利用した還元雰囲気内での加熱を利用してもよい。

0075

上記実施例では、無機長繊維を単体の状態で全ての工程を行ったが、途中の工程までは、無機長繊維を単体の状態で行い、無機長繊維に金属を付与した後や、加熱工程の後、無機長繊維に凹凸を付与する処理の後等、工程の途中で無機長繊維によってスリーブやクロス等の構造物を形成し、その後、残りの工程を行ってもよい。

0076

上記実施例では、1種類の金属粒子を担持させたが、2種類以上の金属粒子を組み合わせて添加し、担持させてもよい。

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