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技術 揮発性閉鎖空間防害虫剤

出願人 理研香料ホールディングス株式会社
発明者 川上真人
出願日 2016年1月20日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-008688
公開日 2017年7月27日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-128530
状態 特許登録済
技術分野 捕獲、駆除 農薬・動植物の保存
主要キーワード 送風処理 角型パイプ 対照容器 コンテナ側面 各試験容器 合計結果 侵入防止効果 環状モノテルペン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月27日)のものです。
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課題

安心かつ安全である有効成分を含有し、部屋や収納空間等の閉鎖空間で十分効果を発揮する防害虫剤を提供すること。

解決手段

9個の炭素原子、1個の酸素原子、及び、水素原子のみからなり、2個以上の分岐アルキル基を有する1価アルコールを有効成分として含有し、閉鎖空間で使用して害虫を駆除するものであることを特徴とする揮発性閉鎖空間防害虫剤により課題を解決し、閉鎖空間で使用して害虫を駆除でき、上記害虫は、衛生害虫、不快害虫、衣服害虫、食品害虫文化財害虫、家屋害虫及びペット害虫よりなる群から選択される少なくとも1種の害虫であることが好ましい。

概要

背景

ダニ等の害虫忌避駆除に関する研究開発活発に行われており、これまでに多くの種類の害虫忌避剤駆除剤又は殺虫剤が開発されている。しかし、これらの害虫忌避剤等の有効成分として使用されている化合物は、害虫駆除効果が弱い場合がある、人体に悪影響を及ぼす場合がある等、問題のあるものが多かった。

安全性が高く、速効性があるとして、ピレスロイド系化合物を有効成分として含有する害虫防除剤又は殺生物剤が多く開発されている(特許文献1及び2)。しかし、近年ピレスロイド系化合物に耐性を示す害虫が出現するようになり問題となっている。

また、特許文献3には、精油を有効成分として含有する害虫駆除剤が開示されている。精油は植物から得られる芳香のある揮発性の油であり、香りもよく、安全性が高い。また、スプレー等の噴霧により直接害虫に接触させる必要がなく、精油を含有する害虫駆除剤の研究開発は活発に進められている一方、害虫駆除効果が弱いことが問題である。

また、特許文献4には、ケトン類エステル類アルコール類等を有効成分として含有する昆虫防除剤が開示されている。列挙されている有効成分には安全な物質もあるが、特許文献4の実施例では、試験化合物(有効成分)の蒸気により、すなわち揮発した有効成分により、害虫(ショウジョウバエ)が忌避できたとは言い切れない。
また、特許文献4の実施例等で確認された効果は、「昆虫の忌避」に限られている。

従って、有効成分の蒸気により害虫を駆除できる、「揮発性であって閉鎖空間で使用して防害虫効果のある剤」は、スプレー等の噴霧により直接害虫に接触させる必要がないため、その開発が望まれている。
また、忌避に限らず殺虫もでき、昆虫綱に属する害虫に限らず、例えば、ダニ、ツツガムシ等のクモに属する害虫に対しても有効で、また、安全な有効成分を含む揮発性閉鎖空間防害虫剤の開発が望まれている。

概要

安心かつ安全である有効成分を含有し、部屋や収納空間等の閉鎖空間で十分効果を発揮する防害虫剤を提供すること。9個の炭素原子、1個の酸素原子、及び、水素原子のみからなり、2個以上の分岐アルキル基を有する1価アルコールを有効成分として含有し、閉鎖空間で使用して害虫を駆除するものであることを特徴とする揮発性閉鎖空間防害虫剤により課題を解決し、閉鎖空間で使用して害虫を駆除でき、上記害虫は、衛生害虫、不快害虫、衣服害虫、食品害虫文化財害虫、家屋害虫及びペット害虫よりなる群から選択される少なくとも1種の害虫であることが好ましい。なし

目的

従って、有効成分の蒸気により害虫を駆除できる、「揮発性であって閉鎖空間で使用して防害虫効果のある剤」は、スプレー等の噴霧により直接害虫に接触させる必要がないため、その開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

9個の炭素原子、1個の酸素原子、及び、水素原子のみからなり、2個以上の分岐アルキル基を有する1価アルコールを有効成分として含有することを特徴とする揮発性閉鎖空間防害虫剤。

請求項2

2個又は3個の分岐メチル基を有する1価アルコールを有効成分として含有する請求項1に記載の揮発性閉鎖空間防害虫剤。

請求項3

引火点が70℃以上である1価アルコールを有効成分として含有する請求項1又は請求項2に記載の揮発性閉鎖空間防害虫剤。

請求項4

更に、(A)鎖状モノテルペンアルコール、(B)環式モノテルペンアルコール及び(C)環式モノテルペンケトンよりなる群から選ばれる1種以上の併用化合物を含有する請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の揮発性閉鎖空間防害虫剤。

請求項5

上記害虫が、衛生害虫、不快害虫、衣服害虫、食品害虫文化財害虫、家屋害虫及びペット害虫よりなる群から選択される少なくとも1種の害虫である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の揮発性閉鎖空間防害虫剤。

請求項6

上記害虫が、ゴキブリハエダニ、ガ、コイガタバコシバンムシカツオシムシコクヌスト、コクゾウムシ甲虫チャタテムシシミノミ及びチョウバエよりなる群から選択される少なくとも1種の害虫である請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の揮発性閉鎖空間防害虫剤。

請求項7

請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の揮発性閉鎖空間防害虫剤を担持体担持させてなるものであることを特徴とする固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物

請求項8

上記担持体が、シリカゼオライト、不織布、繊維、合成樹脂鉱物、合成鉱物、珪藻土活性白土ベントナイト、黒ボク土及び活性炭よりなる群から選ばれる担持体である請求項7に記載の固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物。

請求項9

請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の揮発性閉鎖空間防害虫剤を液体希釈してなるものであることを特徴とする液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物。

請求項10

請求項7又は請求項8に記載の固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物、又は、請求項9に記載の液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物を、1×10−3m3以上1×103m3以下の閉鎖空間に常温揮散させることを特徴とする害虫を駆除する方法。

技術分野

0001

本発明は、閉鎖空間で使用して害虫駆除する揮発性閉鎖空間防害虫剤に関するものである。

背景技術

0002

ダニ等の害虫の忌避や駆除に関する研究開発活発に行われており、これまでに多くの種類の害虫忌避剤駆除剤又は殺虫剤が開発されている。しかし、これらの害虫忌避剤等の有効成分として使用されている化合物は、害虫駆除効果が弱い場合がある、人体に悪影響を及ぼす場合がある等、問題のあるものが多かった。

0003

安全性が高く、速効性があるとして、ピレスロイド系化合物を有効成分として含有する害虫防除剤又は殺生物剤が多く開発されている(特許文献1及び2)。しかし、近年ピレスロイド系化合物に耐性を示す害虫が出現するようになり問題となっている。

0004

また、特許文献3には、精油を有効成分として含有する害虫駆除剤が開示されている。精油は植物から得られる芳香のある揮発性の油であり、香りもよく、安全性が高い。また、スプレー等の噴霧により直接害虫に接触させる必要がなく、精油を含有する害虫駆除剤の研究開発は活発に進められている一方、害虫駆除効果が弱いことが問題である。

0005

また、特許文献4には、ケトン類エステル類アルコール類等を有効成分として含有する昆虫防除剤が開示されている。列挙されている有効成分には安全な物質もあるが、特許文献4の実施例では、試験化合物(有効成分)の蒸気により、すなわち揮発した有効成分により、害虫(ショウジョウバエ)が忌避できたとは言い切れない。
また、特許文献4の実施例等で確認された効果は、「昆虫の忌避」に限られている。

0006

従って、有効成分の蒸気により害虫を駆除できる、「揮発性であって閉鎖空間で使用して防害虫効果のある剤」は、スプレー等の噴霧により直接害虫に接触させる必要がないため、その開発が望まれている。
また、忌避に限らず殺虫もでき、昆虫綱に属する害虫に限らず、例えば、ダニ、ツツガムシ等のクモに属する害虫に対しても有効で、また、安全な有効成分を含む揮発性閉鎖空間防害虫剤の開発が望まれている。

先行技術

0007

特開2014−156463号公報
特開2013−095744号公報
特開平11−060421号公報
特開2013−177342号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、安心かつ安全である有効成分を含有し、屋内収納空間等の閉鎖空間で十分効果を発揮する防害虫剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、前記の問題点や課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の化合物を有効成分として含有することにより、閉鎖空間内の害虫を駆除することができることを見出した。

0010

更に、上記特定の化合物と特定の化合物群から選ばれた化合物を混合して用いることによって、該化合物同士の相乗作用により、優れた害虫駆除効果を発揮することを見出して、本発明を完成するに至った。

0011

すなわち、本発明は、9個の炭素原子、1個の酸素原子、及び、水素原子のみからなり、2個以上の分岐アルキル基を有する1価アルコールを有効成分として含有することを特徴とする揮発性閉鎖空間防害虫剤を提供するものである。

0012

また、本発明は、上記揮発性閉鎖空間防害虫剤を担持体担持させてなるものであることを特徴とする固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物を提供するものである。

0013

また、本発明は、上記揮発性閉鎖空間防害虫剤を液体希釈してなるものであることを特徴とする液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物を提供するものである。

0014

また、本発明は、上記固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物又は液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物を、1×10−3m3以上1×103m3以下の閉鎖空間に常温揮散させることを特徴とする害虫を駆除する方法を提供するものである。

発明の効果

0015

本発明によれば、上記課題を解決し、安心かつ安全である有効成分を含有する揮発性閉鎖空間防害虫剤を提供できる。また、本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、持続性に優れて、長期間効果を発揮することができる。

0016

また、本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、有効成分が揮発することによって生じた蒸気によって防害虫効果を発揮するので、スプレー等で直接害虫に該揮発性閉鎖空間防害虫剤を触れさせる必要がない。また、該揮発性閉鎖空間防害虫剤は常温で使用することができ、加熱等する必要がないため、使用方法使用用途が広がる。また、加温、超音波照射等をすることにより効果を早めることも可能である。

0017

更に、スプレー剤等の噴霧装置を用いると、閉鎖空間内の狭い空間等までに十分有効成分を行き渡らせることは容易ではないが、本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、揮発した有効成分の蒸気により、閉鎖空間の隅々にまでかつ十分に防害虫効果を発揮することができ、該閉鎖空間内に存在する食品衣類家具家屋等を保護することができる。

0018

また、本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、昆虫を忌避することにとどまらず、殺虫もでき、昆虫綱に属する害虫に限らず、例えば、マダニイエダニ、ツツガムシ、ケダニ、ハダニコナダニ等のクモ綱ダニ目に属する害虫;ヤスデムカデダンゴムシ等の人間に不快感を与える不快害虫に対しても有効である。
また、本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、害虫駆除効果が十分にあるにもかかわらず、人体に悪影響を及ぼす場合が少ない。

0019

また、本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、「鎖状モノテルペンアルコール環状モノテルペンアルコール及び環状モノテルペンケトンよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物」と併用することによって、特異的に種々の相乗効果を発揮し易い。
例えば、併用したときの合計の揮発量蒸発量)が、それぞれを単独使用したときの揮発量(蒸発量)よりも少なくできる;揮発量(蒸発量)を調整できる;多種の害虫に効果を発揮するようにできる;等の併用効果を発揮させ易いという有利な効果を奏する。

0020

また、本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、担持体に担持させて「固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物」として、又は、液体で希釈して「液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物」として使用すると特に効果を発揮する。
本発明の固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物又は液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物は、上記揮発性閉鎖空間防害虫剤が担持又は溶解されているので、閉鎖空間の適当な箇所に設置するという簡単なステップにより、目的の場所の害虫を駆除することができる。

0021

また、本発明の害虫を駆除する方法は、気化した有効成分によって害虫を駆除するので、使用したいスペースの大きさ等に関わらず、閉鎖空間全体かつ隅々に渡って害虫を駆除することができる。

0022

以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。

0023

<揮発性閉鎖空間防害虫剤>
本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、9個の炭素原子、1個の酸素原子、及び、水素原子のみからなり、2個以上の分岐アルキル基を有する1価アルコールを有効成分として含有し、閉鎖空間で使用して害虫を駆除するものであることを特徴とする。

0024

本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、有効成分が常温で揮発して気体となり、該気体により防害虫効果を発揮する。すなわち、該揮発性閉鎖空間防害虫剤自体を直接害虫に接触させることにより、防害虫効果を発揮するのではなく、該揮発性閉鎖空間防害虫剤に含まれる有効成分の揮発により生じた蒸気(気体)が害虫に作用することにより、防害虫効果が発揮される。かかる作用・原理、用途・使用方法等の相違によって、効果的な揮発性閉鎖空間防害虫剤は、効果的な接触型防害虫剤とは、その化学構造を異にする。

0025

本発明において「閉鎖空間」とは、「一定期間開放されない空間」を指す。具体的には、家屋、建物内等の屋内;貨物車飛行機電車等の乗り物内;タンスクローゼット押し入れ倉庫箱、コンテナ等の収納場所;等が挙げられる。

0026

本発明において「駆除」は、「忌避、防虫及び殺虫」という意味を含む。すなわち、本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、閉鎖空間内の害虫を「閉鎖空間内から忌避させる」、「閉鎖空間内への侵入を防止する」及び/又は「殺す」ことができる。
また、本発明において、「防害虫効果」とは、「害虫を忌避させる効果」、「目的の場所への害虫の侵入を防止する効果」及び/又は「害虫を殺す効果」という意味を含む。

0027

本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、害虫の駆除を目的に使用される。該害虫には、薬事法で規定されている「衛生害虫」及び衛生害虫以外の「不快害虫」が含まれる。また、これらには成虫のみならず幼虫も含まれる。
衛生害虫の例としては、ハエ、蚊、ブユノミシラミゴキブリ、イエダニ、屋内塵性ダニ類等が挙げられる。
不快害虫の例としては、ヤスデ、ダンゴムシ、ムカデ、クモ、ワラジムシカメムシチョウバエ等が挙げられる。
本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、不快害虫の駆除に用いられることが好ましい。

0028

また、本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、衣服害虫、食品害虫文化財害虫、家屋(建築)害虫及び/又はペット害虫の駆除に用いられることが好ましい。
衣服(繊維)害虫の例としては、カツオシムシ、イガ、コイガ等が挙げられる。
食品害虫の例として、コナダニ、イガ、コイガ、ノシメマダラメイガコクヌスト、コクゾウムシ、ガ、ダニ、チャタテムシ、ゴキブリ、タバコシバンムシ等が挙げられる。
文化財害虫の例としては、カツオブシムシ、チャタテムシ、コクゾウムシ、ヒラタキクイムシ、ナガシンクイムシシミヒョウモンムシ等が挙げられる。
家屋(建築)害虫の例としては、ヒメスカミキリ、ヤスデ、シミ、イガ、カツオブシムシ、チョウバエ等が挙げられる。
ペット害虫の例としては、ノミ、ダニ、ワクモ、蚊等が挙げられる。

0029

本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、ゴキブリ、ハエ、ダニ、ガ、コイガ、蚊、タバコシバンムシ、カツオブシムシ、コクヌスト、コクゾウムシ、甲虫、チャタテムシ、シミ、ノミ又はチョウバエの駆除に使用することがより好ましく、ゴキブリ、ハエ、ダニ、ガ、蚊又はタバコシバンムシに使用することが特に好ましい。使用対象には、成虫のみならず幼虫も含まれる。

0030

本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤の有効成分である脂肪族1価アルコールは、9個の炭素原子、1個の酸素原子、及び、水素原子のみからなり、2個以上の分岐アルキル基を有する。以下、これを単に「分岐C9脂肪族1価アルコール」と略記する場合がある。

0031

上記「分岐C9脂肪族1価アルコール」は、2個又は3個の分岐メチル基を有する1価アルコールであることが、前記本発明の効果を更に発揮するので好ましい。

0032

具体的には、好ましいものとして、例えば、3,6−ジメチル−1−ヘプチン−3−オール、3−エチル−1−ヘプチン−3−オール、3,5,5−トリメチル1−ヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、2−イソプロピルシクロヘキサノール、4−プロピルシクロヘキサノール等が挙げられる。
これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

0033

中でも、十分に防害虫効果を発揮する、安価に手に入る、合成が容易である等の点で、3,6−ジメチル−1−ヘプチン−3−オール、3−エチル−1−ヘプチン−3−オール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、3,3,5−トリメチル−1−シクロヘキサノール又は2,6−ジメチル−4−ヘプタノールがより好ましい。

0034

更には、2個又は3個の分岐メチル基を有する1価アルコールであることが特に好ましい。具体的には、上記点等から、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、3,3,5−トリメチル−1−シクロヘキサノール又は2,6−ジメチル−4−ヘプタノールが特に好ましい。

0035

また、本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、限定されるわけではないが、「(A)鎖状モノテルペンアルコール、(B)環式モノテルペンアルコール及び(C)環式モノテルペンケトンよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物」を含有していることが好ましい。以下、この「 」内を「併用化合物」と略記する場合がある。

0036

(A)鎖状モノテルペンアルコールの具体例としては、シトロネロールゲラニオールネロールリナロールジヒドロリナロール、ムゴールミルセノールジヒドロミルセノールオシメノール、ラバンジュロール等が挙げられ、これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。

0037

(B)環式モノテルペンアルコールの具体例としては、イソプレゴールメントールテルピネオール、ジヒドロテルピネオール、テルピネオール−4、カルベオール、ジヒドロカルベオール、ペリラアルコールミルテノール、ノボール、ピノカルベオール、フェンキルアルコールボルネオールイソボルネオールツヤノール等が挙げられ、これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。

0038

(C)環式モノテルペンケトンの具体例としては、カルボンメントンイソメントンカンファ等が挙げられ、これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。

0039

また、(A)、(B)、(C)同士を併用(混合)して、「分岐C9脂肪族1価アルコール」に併用してもよい。

0040

本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、前記分岐C9脂肪族1価アルコールと上記併用化合物とを組み合わせて使用することによって、特異的に幾つかの相乗効果を発揮し易い。
例えば、併用したときの合計の揮発量・蒸発量(使用量)が、それぞれを単独使用したときの揮発量・蒸発量(使用量)よりも少なくできる;揮発量(蒸発量)を調整できるため臭いが強くならない;芳香を加える等して臭質を調整できる;多種の害虫に効果を発揮するようにできる;防害虫効果が低い化合物で増量して使用し易くできる;衣類等に付着した臭いが該衣類等を通風環境においたときに取れ易い(抜け易い);等の併用化合物との併用効果を、前記した本発明における分岐C9脂肪族1価アルコールは特異的に発揮する。

0041

上記併用化合物を併用する場合は、上記併用化合物の、揮発性閉鎖空間防害虫剤全体に対する含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
揮発性閉鎖空間防害虫剤に含まれる有効成分である分岐C9脂肪族1価アルコールの防害虫効果を更に高め、十分かつ持続的に防害虫効果を発揮する等の効果を含め、前記した本発明の効果を更に有効に発揮させるため、揮発性閉鎖空間防害虫剤全体を100質量部としたときに、併用化合物は、その合計量として、2〜90質量部含有されることが好ましく、5〜80質量部含有されることがより好ましく、10〜75質量部含有されることが更に好ましく、30〜70質量部含有されることが特に好ましく、40〜60質量部の含量で配合することが最も好ましい。

0042

また、上記分岐C9脂肪族1価アルコール及び併用化合物の質量比は、特に制限はなく、分岐C9脂肪族1価アルコールの防害虫効果を更に高める、十分かつ持続的に防害虫効果を発揮する等の点より、1:9〜9:1が好ましく、3:7〜7:3がより好ましく、4:6〜6:4が特に好ましい。

0043

本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、前記成分に加えて、「その他の成分」を含有することができる。「その他の成分」としては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶剤防腐剤保留剤、界面活性剤色素消臭剤酸化防止剤抗菌剤防カビ剤高分子ポリマーゲル化剤有機溶媒無機物香料、精油、着色剤等が挙げられる。

0044

本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、例えば、後記する担持体に担持させる方法;多孔質体に担持させる方法;濾紙、不織物等の繊維体に担持させる方法;溶媒ゲル等に混合させる方法;等により使用することができる。
また、剤型は使用目的に応じ、固形の剤型、液体の剤型、ペースト剤ゲル剤エアゾール剤マイクロカプセル剤等の剤型で利用することができる。
簡単に設置することができる、狭い空間にも設置することができる等の点で、固体の剤型で使用することが好ましい。

0045

<固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物>
本発明の固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物(以下、単に「固体状組成物」と略記する場合がある)は、前記した本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤を担持体に担持させてなるものであることを特徴とする。

0046

上記担持体は、揮発性閉鎖空間防害虫剤を担持し、気化した揮発性閉鎖空間防害虫剤を閉鎖空間中に揮散させることができればよいが、担持体の好ましい例として、シリカタルクアルミナゼオライトケイ酸カルシウム珪藻土アロフェンパーライト活性炭炭水化物吸水性樹脂合成樹脂、不織布、繊維等が挙げられる。
該揮発性閉鎖空間防害虫剤の有する効果を十分に発揮させる点で、シリカゲル等のシリカ、ゼオライト、不織布、繊維、吸水性樹脂等の合成樹脂、鉱物、合成鉱物、珪藻土、活性白土ベントナイト、黒ボク土、活性炭等がより好ましく、シリカゲル等のシリカ、ゼオライト、不織布、繊維、吸水性樹脂等の合成樹脂、活性炭;等を使用することが特に好ましい。

0047

本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤を担持体に担持させて固体状組成物とすることによって、蒸気圧の比較的高い分岐C9脂肪族1価アルコール及び/又は併用化合物を徐放性にする、液体の流出を抑えて取り扱い易くする、防害虫効果や安全性を調整する、臭いを低減する;等の効果がある。

0048

本発明の固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物中の揮発性閉鎖空間防害虫剤の含有量は、使用する担持体の種類、用途等により適宜設定することができる。該固体状組成物全体を100質量部とすると、0.01〜70質量部含有させることが好ましく、0.1〜60質量部含有させることが好ましく、1〜50質量部含有させることが好ましい。

0049

本発明の固体状組成物の剤型は、特に限定されないが、例えば、粉剤粒剤錠剤、ゲル剤、カプセル剤等が挙げられる。
また、公知の手法により、該揮発性閉鎖空間防害虫剤を担持体に担持させることによって、該固体状組成物を得ることができる。

0050

<液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物>
本発明の液体状揮発性閉鎖空間防害虫組成物(以下、単に「液体状組成物」と略記する場合がある)は、前記した本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤を液体に溶解又は分散させてなることを特徴とする。

0051

例えば、上記液体としては、メタノールエタノール等のアルコール;プロピレングリコール等のグリコールアセトン等のケトン;ジエチルエーテル等のエーテル;水;等が挙げられる。これらの液体は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0052

上記液体状組成物は揮発性閉鎖空間防害虫剤の他に、使用目的に応じて、他の溶剤、乳化剤分散剤懸濁剤等を含有させることができる。
上記乳化剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤陽イオン性界面活性剤陰イオン性界面活性剤両性界面活性剤等が挙げられる。

0053

本発明の液体状揮発性閉鎖空間防害虫組成物中の揮発性閉鎖空間防害虫剤の含有量は、使用用途等により適宜設定することができる。該液体状組成物全体を100質量部とすると、0.01〜70質量部含有させることが好ましく、0.1〜60質量部含有させることが好ましく、1〜50質量部含有させることが好ましい。

0054

本発明の液体状組成物の剤型は、特に限定されないが、例えば、油剤液剤)、乳剤水和剤、ペースト剤、ゲル剤、カプセル剤等が挙げられる。
また、本発明の液体状組成物は、公知の手法により製造することができる。また、液体状組成物をそのまま揮散させてもよく、芯棒、濾紙、不繊布フェルト等に染み込ませて揮散させてもよい。

0055

<害虫を駆除する方法>
本発明の害虫を駆除する方法は、上記固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物又は液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物を、閉鎖空間中で使用し、該固体状又は液体状組成物中の揮発性閉鎖空間防害虫剤を常温で揮散させることを特徴とする。

0056

上記閉鎖空間の大きさは、特に限定はないが、上限に関しては、閉鎖空間内全体かつ隅々まで防害虫作用を発揮させる点で、下限に関しては本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、忌避剤としてより防害虫剤・害虫駆除剤として機能する点で、1×10−3m3以上1×103m3以下が好ましく、0.1m3以上5×102m2以下がより好ましく、1m3以上200m3以下が特に好ましく、10m3以上100m3以下が更に好ましい。

0057

本発明の害虫を駆除する方法(以下、単に「本発明の方法」と略記する場合がある)において使用する固体状又は液体状組成物の量には特に制限がなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0058

また、該固体状又は液体状組成物を閉鎖空間中で使用する期間は、閉鎖空間の大きさ、所望の効果の程度等に応じて適宜選択することができるが、1時間〜12か月使用することが好ましく、3時間〜6か月以上使用することがより好ましく、8時間〜3か月使用することが特に好ましい。
また、本発明の方法は、害虫の侵入を未然に防止するために使用してもよいし、殺害虫目的で使用してもよい。

0059

本発明の方法は、例えば、上記固体状又は液体状組成物を、そのまま又は通気性のある容器に入れて閉鎖空間中に静置させ、固体状又は液体状組成物中の揮発性閉鎖空間防害虫剤を自然に揮散させればよい。必要に応じて、上記固体状又は液体状組成物に対して加熱処理送風処理等を行うことにより、該固体状又は液体状組成物に含まれる揮発性閉鎖空間防害虫剤を揮発させてもよい。

0060

以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。

0061

実施例1
以下、評価例1〜6によって、本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤等に関しモデル評価を行った。以下の評価例では比較的狭い空間でモデル評価を行っているが、該空間の体積を拡大させても本発明の効果が完全に発揮されることは別途実験で確かめられている。

0062

評価例1
[ゴキブリに対する効果]
試験箱として534mm×348mm×292mm(高さ)のポリプロピレン製コンテナを用いた。コンテナの内壁の上部1/2にゴキブリの逃亡を防止するために、ワセリンを塗布した。
観察が容易になるように、90mmφ×7mm(高さ)の透明なポリスチレン製ペトリディシュシェルター(4ヶ所に10mm×7mmの大きさの出入口を有する)を使用した。
内容積が4.3Lである225mm×153mm×125mm(高さ)の半透明ポリプロピレン製容器を2個準備し、コンテナ内に置いた。各容器の底部の中央部に40mm×8mm(高さ)の出入口を1ヶ所設けて、透明なプラスチック40mm×50mm×8mm(高さ)の通路で接続した。各容器の内壁の上部1/3にゴキブリの逃亡を防止するために、ワセリンを塗布した。

0063

一方の容器内には、ゴキブリの汚染させたシェルター(予め飼育箱で一夜放置してゴキブリが定着しやすくさせた)を2個、水及びを設置し、他方の容器には、ゴキブリの糞で汚染されてない、新しいシェルターを2個、水及び餌を設置した。
供試虫チャバネゴキブリの雄成虫50頭と雌成虫50頭の計100頭)を試験箱(コンテナ)内に放飼し、観察が容易になるように、透明なプラスチック板を載せて密閉状態にし、一昼夜、供試虫を容器に馴らした。ゴキブリの糞で汚染させたシェルター側に多くのゴキブリが棲息しているのを確認して、プラスチック板を静かに外し、試験物質20mgを染み込ませた20mmφの濾紙を32mmφ×15mm(高さ)のシャーレに入れて、ゴキブリの糞で汚染させたシェルターの近くに置き、再度プラスチック板を被せた。
その後、シェルター及び試験箱内に潜伏する供試虫の個体数を経時的に観察した。

0064

試験物質として、2,6−ジメチル−4−ヘプタノールを用いたときの結果を表1に示す。表1中、駆除率(%)は、以下の式(1)を用いて算出した。
以下、本評価例において、試験物質を設置した試験容器を「検体容器」、試験物質を設置していない試験容器を「対照容器」とする。
駆除率(%)
=(対照容器内の虫数−検体容器内の虫数)/対照容器内の虫数×100・・・(1)

0065

0066

表1中、「試験直前」とは、試験物質を検体容器内に設置する直前、「設置直後」とは、試験物質を検体容器内に設置直後を指し、「3時間後」、「8時間後」、「24時間後」はそれぞれ、試験物質を検体容器内に設置してから3時間後、8時間後、24時間後のことを指す。
表1の結果より、2,6−ジメチル−4−ヘプタノールはゴキブリを追い出す(駆除させる)効果を有することがわかった。また、試験物質を設置してから24時間後には、ゴキブリを全て追い出すことが確認された。

0067

また、試験物質として、3種類の分岐C9脂肪族1価アルコールを用いたときの結果を表2に示す。また、参考例として、モノテルペンアルコール(シトロネロール、メントール)及びモノテルペンケトン(カンファ)をそれぞれ単独で使用したときの結果も示す。また、比較例として、直鎖アルコールであるn−ノナノールを用いたときの結果も示す。

0068

0069

表2の結果より、時間経過と共に、各試験物質のゴキブリ追い出し(駆除)効果が認められた。駆除に要する時間は、各試験物質で異なっていたが、試験物質を設置してから24時間後には、表2中の試験物質全てにおいて、ゴキブリをほぼ全て追い出すことが確認された。

0070

また、分岐C9脂肪族1価アルコールをモノテルペンアルコール(シトロネロール、メントール)又はモノテルペンケトン(カルボン)と併用することにより、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール又は3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール単独使用の場合と比較して、初期の追い出し(駆除)効果が高まっていた。この結果は、上記分岐C9脂肪族1価アルコールと、モノテルペンアルコール又はモノテルペンケトンとの相乗効果によるものと考えられる。

0071

評価例2
コバエに対する評価]
試験箱として582mm×900mm×600mm(高さ)のベニヤ板製コンテナを用いた。コンテナ側面の2面は金網張り、上部は観察が容易になるように透明なプラスチック板を設置した。天切(235mm×235mm×345mm(高さ):容積19.0L)を試験容器として2個試験箱内に置いた。
一方の試験容器(検体容器)内には試験物質を入れた容器(55mmφの濾紙に試験物質200mgをしみ込ませた後、60mmφ×16mm(高さ)のシャーレに入れたもの)及び誘引物を入れた容器を置いた 。他方の試験容器(対照容器)内には、誘引物を入れた容器のみを置いた。
それぞれの試験容器内に設置された誘引物を入れた容器の上に捕虫のための粘着紙(98mm×79mm:4ヶ所に5mmφ穴有り)を置いてから約10分後に、約100頭のコバエ(ショウジョウバエ)を試験箱内に放飼した。
放飼してから、約24時間後に粘着紙で捕獲されたハエの数及び試験容器内に侵入しているコバエの数を調べた。

0072

試験物質として、2,6−ジメチル−4−ヘプタノールを用いたときの結果を表3に示す。表3中、駆除率(%)は、以下の式(1)を用いて算出した。
駆除率(%)
=(対照容器内の虫数−検体容器内の虫数)/対照容器内の虫数×100・・・(1)

0073

0074

表3の結果、2,6−ジメチル−4−ヘプタノールは、コバエに対して駆除効果を示し、侵入防止効果が認められた。

0075

また、試験物質として、3種類の分岐C9脂肪族1価アルコールを用いたときの結果を表4に示す。また、参考例として、モノテルペンアルコール(シトロネロール、メントール)及びモノテルペンケトン(カンファ)をそれぞれ単独で使用したときの結果も示す。また、比較例として、直鎖アルコールであるn−ノナノールを用いたときの結果も示す。

0076

0077

表4中の試験物質全てにおいて、コバエに対する侵入防止効果が認められた。

0078

また、分岐C9脂肪族1価アルコールをモノテルペンアルコール(シトロネロール、メントール)又はモノテルペンケトン(カンファ)と併用した結果、上記分岐C9脂肪族1価アルコール単独使用の場合と比較して、侵入防止率が高くなっていた。
この結果は、上記分岐C9脂肪族1価アルコールと、モノテルペンアルコール又はモノテルペンケトンとの相乗効果によるものと考えられる。

0079

評価例3
[ダニに対する効果]
162mm×112mm×85mm(高さ)のAS樹脂製容器内部底面にダニ飽和培地推定密度50000〜60000個体/g)を約50g入れ均一に拡げた。ダニ(コナヒョウヒダニ)培地の上に無処理の黒上質紙を静かに設置し、黒上質紙の中央部に、試験物質を染み込ませた8mmφの濾紙を置いた。濾紙は、No.514Aを用い、裏面にラミネートされた剥離紙を接着し、黒上質紙に試験物質が移動しないようにした。
試験物質を設置してから、経時的に1時間後まで観察を行い、無処理の黒上質紙上に移動したダニ数計測し駆除効果を判定した。駆除距離を判定するために、予め黒上質紙上に試験物質を染み込ませた濾紙の外縁から5mm間隔で同心円を白線作図した。試験物質はマイクロシリンジを用いて濾紙に染み込ませた(4μL/0.50cm2≒80g/m2)。評価試験は25℃下で行った。

0080

試験物質として、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール及び3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールを用いた。また、モノテルペンアルコール(リナロール、カルベオール)及びモノテルペンケトン(カルボン)をそれぞれ単独で使用したときの空間的駆除作用、及び虫忌避剤として知られている市販品及びDEETの空間的駆除作用も調べた。試験物質ごとに3回試験を行った結果を表5に示す。表中の数値は一区3連の平均値を表す。また、比較例として、直鎖アルコールであるn−ノナノールを用いたときの結果も示す。
表5中、括弧内の数値は、死んでいたダニの数を示す。

0081

0082

表5中、「15分後」、「30分後」、「60分後」はそれぞれ、試験物質を黒上質紙上に設置してから15分後、30分後、60分後のことを指す。また、表の数値が小さい程(侵入したダニの数が少ない程)、供試物質(試験物質)は高い侵入防止効果を有するといえる。
表5中の2つの試験物質すべて、ダニに対して駆除作用を示し、侵入防止効果が認められた。市販品及びDEETには空間的駆除効果は認めらなかった。また、上記試験物質には殺ダニ効果も認められた。

0083

また、2個以上の分岐アルキル基を有する分岐C9脂肪族1価アルコールである2,6−ジメチル−4−ヘプタノール又は3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールをモノテルペンアルコール(リナロール、カルベオール)又はモノテルペンケトン(カルボン)と併用することにより、上記分岐C9脂肪族1価アルコール単独使用の場合と比較して、高い侵入防止効果が認められた。この結果は、上記分岐C9脂肪族1価アルコールと、モノテルペンアルコール又はモノテルペンケトンとの相乗効果によるものと考えられる。

0084

評価例4
[コイガに対する効果]
ウール布(約3cm×3cm:約0.2g)を入れた茶こし(金属製球型容器:約6cmφ)をガラス容器(容量:1450mL)に接しないように吊し、コイガの幼虫10頭をガラス容器に入れた。そのガラス容器に試験物質を投入したものを試験区、投入しなかったものを対照区とし、試験開始3週間後のコイガの幼虫の致死数及びウール布の摂食量から、致死効果及び摂食阻害効果を調べた。試験は各区2連ずつ行った。
試験区には、15%試験物質を含むシリカゲルを、不織布(40mm×40mm)に4g充填させたものを投入した。

0085

摂食阻害率は以下の式(2)を用いて算出した。
摂食阻害率(%)=(対照区の摂食量(g)−試験区の摂食量(g))/対照区の摂食量(g)×100・・・(2)
試験物質として、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール及び3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールを使用した。結果を表6に示す。また、参考例として、モノテルペンアルコール(ネロール、メントール)及びモノテルペンケトン(カンファ)をそれぞれ単独で使用したときの結果も示す。また、比較例として、直鎖アルコールであるn−ノナノールを用いたときの結果も示す。

0086

0087

表6の結果、2つの試験物質すべて、コイガに対して駆除作用を示し、摂食阻害効果が認められた。また、上記試験物質にはコイガ幼虫に対して致死効果が認められた。

0088

また、2個以上の分岐アルキル基を有する分岐C9脂肪族1価アルコールである2,6−ジメチル−4−ヘプタノール又は3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールをモノテルペンアルコール(ネロール、メントール)又はモノテルペンケトン(カンファ)と併用した結果、上記分岐C9脂肪族1価アルコール単独使用の場合と比較して、摂食阻害率が高くなっていた。
この結果は、上記分岐C9脂肪族1価アルコールと、モノテルペンアルコール又はモノテルペンケトンとの相乗効果によるものと考えられる。

0089

評価例5
[蚊に対する効果]
試験箱として850mm×1500mm×820mm(高さ)のベニヤ板製コンテナを用いた。コンテナ側面の2面は金網を張り、上部は観察が容易になるように透明なプラスチック板を設置した。色のデコパネ製で作製された2つの試験容器(360mm×360mm×400mm(高さ):容積51.84L)を試験箱内に置いた。各試験容器の中央部に、265mm×200mm×170mm(高さ)のメタルラックを置いた。
一方の試験容器内のラック上には試験物質及び誘引剤の入った容器をそれぞれ設置した。試験物質は、55mmφの濾紙に500mg染み込ませた後、60mmφ×16mm(高さ)のシャーレに入れたものを設置した。他方の試験容器(対照容器)内のラック上には誘引剤の入った容器のみを設置した。

0090

各試験容器に設置された誘引剤の入った容器の上に捕集のための粘着紙(98mm×79mm:4カ所に5mmφの穴有り)を置き、粘着紙を置いてから約10分後に、約100頭の蚊(アカイエカ)を試験箱内に放飼した。
放飼してから約16時間後に粘着紙に捕獲された蚊の数及び各試験容器内に侵入している蚊の数を数えた。

0091

試験物質として2,6−ジメチル−4−ヘプタノールを用いたときの結果を表7に示す。試験容器の設置場所による差を除くため、試験物質を含む容器(検体容器)と対照容器を置き換え反復試験を行い、合計結果を表7に示す。
表7中、侵入防止率は、以下の式(3)を用いて算出した。
侵入防止率(%)=(無処理区への侵入数−処理区への侵入数)/無処理区への侵入数×100・・・(3)

0092

0093

表7の結果、2,6−ジメチル−4−ヘプタノールは、蚊に対して駆除効果を示し、侵入防止効果が認められた。

0094

また、試験物質として、3種類の分岐C9脂肪族1価アルコールを用いたときの結果を表8に示す。また、参考例として、モノテルペンアルコール(シトロネロール、ペリラアルコール)及びモノテルペンケトン(メントン)をそれぞれ単独で使用したときの結果も示す。また、比較例として、直鎖アルコールであるn−ノナノールを用いたときの結果も示す。

0095

0096

表8中の試験物質全てにおいて、蚊(アカイエカ)に対する侵入防止効果が認められた。

0097

また、分岐C9脂肪族1価アルコールをモノテルペンアルコール(シトロネロール、ペリラアルコール)又はモノテルペンケトン(メントン)と併用した結果、上記分岐C9脂肪族1価アルコール単独使用の場合と比較して、侵入防止率が高くなっていた。
この結果は、上記分岐C9脂肪族1価アルコールと、モノテルペンアルコール又はモノテルペンケトンとの相乗効果によるものと考えられる。

0098

評価例6
[タバコシバンムシに対する効果]
2つのポリスチレン製カップ(11cmφ(底面は10cmφ)、6.8cm(高さ))を準備し、それぞれの底部の中央部に20mm×10mm(高さ)の出入り口を1ヶ所設けて、透明なプラスチックの角型パイプ(40mm×100mm×10mm(高さ))の通路で接続した。パイプの中央部に40mmφの穴を開け、底面の部分をカットしたディスポカップ(70mmφ×40mmφ、68mm(高さ))を取り付けた。
パイプの中央部の側面に注射針を取り付けて空気の吸入ができるようにした。また、タバコシバンムシの逃亡を防ぐため、2個のカップ及びディスポカップに、透明なプラスチック板を載せて密閉に近い状態にして評価試験を行った。
一方のカップ(検体容器)に試験物質50mgを含浸させた8mmφ濾紙を設置し、1時間経過後に吸入口から空気の吸引を50mL/minで行い、20頭のタバコシバンムシを放した。タバコシバンムシを放してから1時間後のタバコシバンムシの存在位置を調べた。

0099

試験物質として、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールを使用したとき(4回の反復試験を実施)の結果を表9に示す。
表9中、侵入防止率は、以下の式(4)を用いて算出した。
侵入防止率(%)=(対照容器内の虫数−検体容器内の虫数)/対照容器内の虫数×100・・・(4)

0100

0101

表9の結果、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールは、タバコシバンムシに対して駆除効果を示し、侵入防止効果が認められた。

0102

また、試験物質として、3種類の分岐C9脂肪族1価アルコールを用いたときの結果を表10に示す。また、参考例として、モノテルペンアルコール(リナロール、メントール)及びモノテルペンケトン(カルボン)をそれぞれ単独で使用したときの結果も示す。また、比較例として、直鎖アルコールであるn−ノナノールを用いたときの結果も示す。

0103

0104

表10中の試験物質全てにおいて、タバコシバンムシに対する侵入防止効果が認められた。

0105

また、分岐C9脂肪族1価アルコールをモノテルペンアルコール(リナロール、メントール)又はモノテルペンケトン(カルボン)と併用した結果、上記分岐C9脂肪族1価アルコール単独使用の場合と比較して、侵入防止率が高くなっていた。
この結果は、上記分岐C9脂肪族1価アルコールと、モノテルペンアルコール若しくはモノテルペンケトンとの相乗効果によるものと考えられる。

0106

実施例2
以下の製造例1〜4と評価例7及び8によって、揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物の製造と評価を行った。
上述のとおり、実施例1は揮発性閉鎖空間防害虫剤の有効成分の害虫駆除効果の評価である。実施例2に実際に使用する形態での例を示す。
製造例1
[固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物の作製]
75質量部のシリカゲルに、25質量部の2,6−ジメチル−4−ヘプタノールを加えて混合し担持させ、固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物を得た。

0107

製造例2
[固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物の作製]
70質量部の活性炭に、25質量部の3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールと、5質量部の下記併用化合物とを、それぞれ混合し担持させ、それぞれ固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物を得た。
併用化合物:シトロネロール、ネロール、リナロール、カルボン、メントン

0108

製造例3
[液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物の作製]
95質量部の2,6−ジメチル−4−ヘプタノールに、5質量部の2−オクタノールを混合し、液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物を得た。

0109

製造例4
[液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物の作製]
95質量部の3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールに、4質量部の2−オクタノールと1質量部のリナロールとを混合し、液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物を得た。

0110

評価例7
製造例1及び2で得られた固体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物を評価例5と同じように評価したところ、評価例5と同様の効果が得られた。

実施例

0111

評価例8
製造例3及び4で得られた液体状揮発性閉鎖空間防害虫剤組成物を瓶に入れ、芯吸い上げ式のフェルトを用いて評価例5と同じように評価したところ、評価例5と同様の効果が得られた。

0112

本発明の揮発性閉鎖空間防害虫剤は、閉鎖空間において害虫を駆除する効果を有するので、本発明は、閉鎖空間に存在するものを害虫から守ることができ、防虫剤製造業界、建築業界、家具業界、運輸業界等の分野で広く利用可能である。

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