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図面 (13)

課題

本願は、ヒータマトリクス状に並べて個別に制御しなくても、シート状の被加熱物温度分布のばらつきを抑えながら昇温することができる熱可塑性炭素繊維材用加熱装置を開示する。

解決手段

位置決め部材に規定される位置に載置された熱可塑性炭素繊維材をベルトコンベアでヒータ付近に搬送することとし、当該ヒータは、搬送経路の方向に沿って延在する棒状のヒータであり、各ヒータの両端部が中心部よりも発熱密度が高くなるように異種素材棒材同士が接合されてなるヒータを平行に複数並べたヒータ群を形成し、更に、搬送経路の中心部側にあるヒータよりも搬送経路の両側部側にあるヒータの方が、通電量が増すように各ヒータを制御させる制御装置を設ける。

概要

背景

近年、炭素繊維を含有した炭素繊維材が普及しつつある。炭素繊維材には、焼成によって硬化する樹脂を用いた熱硬化性炭素繊維材と、加熱すると軟化する樹脂を用いた熱可塑性炭素繊維材とがある。現在普及している炭素繊維材の多くは熱硬化性炭素繊維材であるが、熱硬化性炭素繊維材は、廃棄処分が困難であり、また、金属材の加工において従来から広く用いられているプレス成形とは全く異なる手法で成形されるために、プレス成形で生産されていた部材の代替素材として適用することが容易でないといった種々の問題がある。そこで、最近は、廃棄処分が容易であり、また、プレス成形も容易な熱可塑性炭素繊維材が注目されつつある。熱可塑性炭素繊維材は、プレス成型時に加熱される。物品を加熱する装置は、例えば、飲食物やその他各種の分野で用いられている(例えば、特許文献1〜3を参照)。

概要

本願は、ヒータマトリクス状に並べて個別に制御しなくても、シート状の被加熱物温度分布のばらつきを抑えながら昇温することができる熱可塑性炭素繊維材用加熱装置を開示する。位置決め部材に規定される位置に載置された熱可塑性炭素繊維材をベルトコンベアでヒータ付近に搬送することとし、当該ヒータは、搬送経路の方向に沿って延在する棒状のヒータであり、各ヒータの両端部が中心部よりも発熱密度が高くなるように異種素材棒材同士が接合されてなるヒータを平行に複数並べたヒータ群を形成し、更に、搬送経路の中心部側にあるヒータよりも搬送経路の両側部側にあるヒータの方が、通電量が増すように各ヒータを制御させる制御装置を設ける。

目的

効果

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請求項1

加熱前のシート状の熱可塑性炭素繊維材が搭載される第1領域から、前記熱可塑性炭素繊維材が加熱される第2領域を経て、前記熱可塑性炭素繊維材がプレス成形される第3領域へ至る搬送経路を形成するベルトコンベアと、前記第1領域において前記ベルトコンベアに載置される前記熱可塑性炭素繊維材の載置位置を規定する位置決め部材と、前記第2領域において前記搬送経路の方向に沿って延在する棒状のヒータであり、各ヒータの両端部が中心部よりも発熱密度が高くなるように異種素材棒材同士が接合されてなるヒータを平行に複数並べたヒータ群と、前記ベルトコンベアおよび前記ヒータ群を制御する制御装置であり、前記第1領域に載置された前記熱可塑性炭素繊維材の中心が、前記ヒータ群の中心部に位置するように前記ベルトコンベアを動かして前記熱可塑性炭素繊維材を搬送させる第1の機能と、前記搬送経路の中心部側にあるヒータよりも前記搬送経路の両側部側にあるヒータの方が単位時間当たりの通電量が増すように前記各ヒータを制御させる第2の機能と、前記ベルトコンベアを動かして前記熱可塑性炭素繊維材を前記第2領域から前記第3領域へ搬送させる第3の機能と、を有する制御装置と、を備える熱可塑性炭素繊維材用加熱装置

請求項2

前記制御装置は、予め設定された制御量に従って前記ベルトコンベアを作動させる、請求項1に記載の熱可塑性炭素繊維材用加熱装置。

請求項3

前記第3領域の付近には、前記ベルトコンベアから繰り出される前記熱可塑性炭素繊維材の端部が当接して前記熱可塑性炭素繊維材を把持するストッパ機構が備わっており、前記位置決め部材は、前記熱可塑性炭素繊維材を前記第2領域から前記第3領域へ搬送中の前記ベルトコンベアが前記制御装置に予め設定された制御量に従って停止した際に、前記熱可塑性炭素繊維材の進行方向側の端部が前記ストッパ機構に当接する位置となるように、前記第1領域における前記熱可塑性炭素繊維材の載置位置を規定する、請求項2に記載の熱可塑性炭素繊維材用加熱装置。

技術分野

0001

本発明は、熱可塑性炭素繊維材用加熱装置に関する。

背景技術

0002

近年、炭素繊維を含有した炭素繊維材が普及しつつある。炭素繊維材には、焼成によって硬化する樹脂を用いた熱硬化性炭素繊維材と、加熱すると軟化する樹脂を用いた熱可塑性炭素繊維材とがある。現在普及している炭素繊維材の多くは熱硬化性炭素繊維材であるが、熱硬化性炭素繊維材は、廃棄処分が困難であり、また、金属材の加工において従来から広く用いられているプレス成形とは全く異なる手法で成形されるために、プレス成形で生産されていた部材の代替素材として適用することが容易でないといった種々の問題がある。そこで、最近は、廃棄処分が容易であり、また、プレス成形も容易な熱可塑性炭素繊維材が注目されつつある。熱可塑性炭素繊維材は、プレス成型時に加熱される。物品を加熱する装置は、例えば、飲食物やその他各種の分野で用いられている(例えば、特許文献1〜3を参照)。

先行技術

0003

特許第3898100号公報
特許第4382725号公報
特許第4412671号公報

発明が解決しようとする課題

0004

熱可塑性炭素繊維材は、加熱された状態でも高強度なのでプレス機に求められる加圧力は大きい。また、炭素繊維材は、熱硬化性のものと熱可塑性のものとを問わず、鉄等の材料に比べて非常に高価である。よって、熱可塑性炭素繊維材をプレスする際は、熱可塑性炭素繊維材を適正な温度に昇温することが求められる。そして、熱可塑性炭素繊維材の温度分布のばらつきを抑えて均等に昇温することは、プレスする熱可塑性炭素繊維材の寸法の大きさに比例して困難になる。

0005

ここで、熱可塑性炭素繊維材の温度分布のばらつきを抑えて均等に昇温する方策として、例えば、熱可塑性炭素繊維材の表面に対向する位置にマトリクス状に配列された多数のヒータを配置し、熱可塑性炭素繊維材の表面温度分布に応じて各ヒータを制御する手法を採ることも考えられるが、熱可塑性炭素繊維材の表面に対向する位置にマトリクス状に配列されたヒータが障害物となるため、熱可塑性炭素繊維材の表面温度の分布を計測することは容易でない。また、多数のヒータを各々独立して制御する装置を構成すると、装置構成が複雑になって装置が高価になる。

0006

そこで、本願は、ヒータをマトリクス状に並べて個別に制御しなくても、シート状の被加熱物の温度分布のばらつきを抑えながら昇温することができる熱可塑性炭素繊維材用加熱装置を開示する。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するため、本発明では、位置決め部材に規定される位置に載置された熱可塑性炭素繊維材をベルトコンベアでヒータ付近に搬送することとし、当該ヒータは、搬送経路の方向に沿って延在する棒状のヒータであり、各ヒータの両端部が中心部よりも発熱密度が高くなるように異種素材棒材同士が接合されてなるヒータを平行に複数並べた
ヒータ群を形成し、更に、搬送経路の中心部側にあるヒータよりも搬送経路の両側部側にあるヒータの方が、通電量が増すように各ヒータを制御させる制御装置を設けることにした。

0008

詳細には、本発明は、熱可塑性炭素繊維材用加熱装置であって、加熱前のシート状の熱可塑性炭素繊維材が搭載される第1領域から、熱可塑性炭素繊維材が加熱される第2領域を経て、熱可塑性炭素繊維材がプレス成形される第3領域へ至る搬送経路を形成するベルトコンベアと、第1領域においてベルトコンベアに載置される熱可塑性炭素繊維材の載置位置を規定する位置決め部材と、第2領域において搬送経路の方向に沿って延在する棒状のヒータであり、各ヒータの両端部が中心部よりも発熱密度が高くなるように異種素材の棒材同士が接合されてなるヒータを平行に複数並べたヒータ群と、ベルトコンベアおよびヒータ群を制御する制御装置であり、第1領域に載置された熱可塑性炭素繊維材の中心が、ヒータ群の中心部に位置するようにベルトコンベアを動かして熱可塑性炭素繊維材を搬送させる第1の機能と、搬送経路の中心部側にあるヒータよりも搬送経路の両側部側にあるヒータの方が単位時間当たりの通電量が増すように各ヒータを制御させる第2の機能と、ベルトコンベアを動かして熱可塑性炭素繊維材を第2領域から第3領域へ搬送させる第3の機能と、を有する制御装置と、を備える。

0009

上記の熱可塑性炭素繊維材用加熱装置であれば、棒状のヒータを平行に配列するという、ヒータをマトリクス状に配列したものより簡素な構成でありながら、両端部が中心部よりも多く発熱するように区画されたヒータを用いているが故に、比較的大型のシート状の熱可塑性炭素繊維材であっても、温度分布のばらつきを抑えながら昇温することができる。

0010

なお、上記の制御装置は、予め設定された制御量に従ってベルトコンベアを作動させるものであってもよい。ベルトコンベアが予め設定された制御量に従って作動されるものであれば、熱可塑性炭素繊維材の位置を検出しなくても、両端部が中心部よりも発熱密度が高くなるように異種素材の棒材同士が接合されてなるヒータで構成されるヒータ群に対し、熱可塑性炭素繊維材を適切な位置関係に配置することができる。

0011

また、上記の第3領域の付近には、ベルトコンベアから繰り出される熱可塑性炭素繊維材の端部が当接して熱可塑性炭素繊維材を把持するストッパ機構が備わっており、位置決め部材は、熱可塑性炭素繊維材を第2領域から第3領域へ搬送中のベルトコンベアが制御装置に予め設定された制御量に従って停止した際に、熱可塑性炭素繊維材の進行方向側の端部がストッパ機構に当接する位置となるように、第1領域における熱可塑性炭素繊維材の載置位置を規定するものであってもよい。このように構成される熱可塑性炭素繊維材用加熱装置であれば、加熱された熱可塑性炭素繊維材がプレス機の適切な位置に搬送できるので、プレスの歩留まりを向上させることができる。

発明の効果

0012

上記の熱可塑性炭素繊維材用加熱装置であれば、ヒータをマトリクス状に並べて個別に制御しなくても、シート状の被加熱物の温度分布のばらつきを抑えながら昇温することができる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、熱可塑性炭素繊維材用加熱システムを示した図である。
図2は、加熱装置コンベアとヒータとの位置関係を示した図である。
図3は、加熱炉の内部構造を示した図である。
図4は、ヒータを示した図である。
図5は、ヒータの制御方法解説する図である。
図6は、搬送装置のコンベアとプレス機とストッパ機構との位置関係を示した図である。
図7は、ストッパ機構を示した図である。
図8は、ストッパ機構の動作説明図である。
図9は、加熱システムにおける熱可塑性炭素繊維材の動きを示した図である。
図10は、プレス機の付近における熱可塑性炭素繊維材の状態を示した第1の図である。
図11は、プレス機の付近における熱可塑性炭素繊維材の状態を示した第2の図である。
図12は、ストッパの横方向の位置調整の様子を示した図である。

実施例

0014

以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本願発明の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。

0015

図1は、熱可塑性炭素繊維材用加熱システム(以下、単に「加熱システム」という)を示した図である。加熱システム1は、加熱装置2と、加熱装置2から送り出される熱可塑性炭素繊維材をプレス機100へ搬送する搬送装置3とを備える。プレス機100は、加熱された平らな熱可塑性炭素繊維材を圧縮成形する装置であり、様々な金型が装着可能である。加熱システム1は、横幅と長さが共に約1メートル前後の大きさを有するシート状の熱可塑性炭素繊維材を加熱するシステムであり、例えば、自動車ボンネットドアといった各種の部材をプレス可能な大きさを有する。

0016

加熱装置2は、ヒータを内蔵した加熱炉4と、熱可塑性炭素繊維材を搬送するコンベア5とを備える。コンベア5は、加熱前のシート状の熱可塑性炭素繊維材を搭載するための第1領域26R1と、熱可塑性炭素繊維材が加熱される加熱炉4内の第2領域26R2とを形成するベルトコンベアである。また、搬送装置3は、熱可塑性炭素繊維材を搬送するコンベア6と、コンベア6に運搬される熱可塑性炭素繊維材を把持するストッパ機構7とを備え、加熱装置2が加熱した熱可塑性炭素繊維材を、プレス機100がある第3領域26R3へ搬送する。

0017

加熱装置2のコンベア5は、コンベア5の下側から上側へ向かう熱の放射を妨げにくい金網状のベルトを用いたものが好ましく、例えば、食品を取り扱うコンベア等で多用されるいわゆるチョネットが好適である。コンベア5の第1領域26R1には、熱可塑性炭素繊維材の載置位置を規定する枠8(本願でいう「位置決め部材」の一例である)が取り付けられている。枠8は、加熱システム1に加熱させる熱可塑性炭素繊維材の形と大きさに合わせた内寸を有しており、熱可塑性炭素繊維材の種類に応じた適宜のものがコンベア5に装着される。コンベア5,6を制御する制御装置は、コンベア5,6を規定の制御量に従って動かすので、枠8は、制御装置がコンベア5,6を規定の制御量に従って動かすと、熱可塑性炭素繊維材が第2領域26R2や第3領域26R3における規定の位置になるよう、第1領域26R1において熱可塑性炭素繊維材を載置すべき位置を規定する。

0018

図2は、加熱装置2のコンベア5とヒータとの位置関係を示した図である。図2に示されるように、加熱炉4の内部には、棒状のヒータを多数並べたヒータ群9が配置されている。コンベア5は、ヒータ群9の中を通過する搬送路を形成している。コンベア5は、加熱装置2内を周回する無端状のベルトを図示しない駆動装置類で回し、熱可塑性炭素繊維材を加熱炉4の内外へ搬送する。なお、加熱装置2には、熱可塑性炭素繊維材が出入りする加熱炉4の出入口に、加熱炉4内の熱が漏出するのを抑制する電動式の扉が備わっていてもよい。

0019

図3は、加熱炉4の内部構造を示した図である。加熱炉4の内部に配置されているヒータ群9は、図3に示すように、コンベア5の上側と下側に並べた多数の棒状のヒータ10によって構成されている。各ヒータ10は、コンベア5の搬送経路の方向に沿って長手方向が延在するように配置されている。なお、図3では、図面が不鮮明になるのを防ぐため、コンベア5の上側と下側にヒータ10が12本ずつ描かれているが、本実施形態の加熱システム1では、後述するように、コンベア5の上側と下側にはヒータ10が24本ずつ備わっている。

0020

加熱炉4には、ヒータ10から放たれる赤外線がコンベア5の熱可塑性炭素繊維材Wへ当たるように、ヒータ群9の上側と下側に反射鏡11,12が備わっている。反射鏡11,12は、棒状のヒータ10から放射状に放たれる赤外線が熱可塑性炭素繊維材Wへ向かって反射するよう、互いに平行に配列されたヒータ10に沿って波打波形板材で形成されている。コンベア5の上側と下側に各々配置される2つの反射鏡11,12のうち、コンベア5の上側に配置される反射鏡12の中心部には放射温度計で熱可塑性炭素繊維材Wの表面温度を測定するための開口部13が設けられている。

0021

図4は、ヒータ10を示した図である。ヒータ10は、図4に示されるように、棒状の電熱ヒータであり、両端に接続される電線を通じて印加される両極間の電位差により発熱する。ヒータ10は、ハロゲンヒータよりも中赤外線を効果的に放射できるカーボンヒータが好ましい。ヒータ10は、外気に触れやすい加熱炉4の出入口付近に放射される中赤外線の放射量が加熱炉4の中心部付近より高くなるよう、2種類の発熱体が用いられており、異種素材の棒材同士を接合して1本の棒材を形成している。すなわち、ヒータ10は、中心区画14と外側区画15,16の3つの区画に区分されており、外側区画15,16にある発熱体が中心区画14の発熱体よりも高い熱量(例えば、2割程度)を発するに構成されている。中心区画14の発熱体と外側区画15,16の発熱体とは直列に接合されており、外観上は1本の発熱体を形成している。なお、熱可塑性炭素繊維材Wの温度の均一性を高めたい場合、中赤外線よりも遠赤外線の方が一般的には好ましい。しかし、遠赤外線を放つヒータは、中赤外線を放つヒータよりも昇温時間が長い。よって、遠赤外線を放つヒータを用いると、オンオフ制御による温度調整が難しい。そこで、本実施形態では、中赤外線を放つヒータ10を採用している。

0022

図5は、ヒータ10の制御方法を解説する図である。ヒータ群9は、既述したように、コンベア5の上側と下側に24本ずつ配置された計48本のヒータ10で構成されている。加熱システム1は、各種の工場に引き込まれている配電線各相に対応する3つのヒータ10を一つのグループとし、48本のヒータ10を16個のグループ(Gr1〜16)に分けてオンオフ制御している。

0023

各ヒータ10のオンオフ制御は、例えば、次のようにして行われる。すなわち、各ヒータ10のオンオフ制御を司る制御器は、例えば、2秒を1サイクルとするオンオフ制御を前提とし、1サイクル中にヒータ10の通電オンにする時間(以下、単に「オン時間」という)の長さがグループ毎に個別に設定されている。例えば、コンベア5の上側にあるヒータ10から放射される赤外線は、コンベア5の下側にあるヒータ10から照射される赤外線のようにコンベア5で遮られることなく熱可塑性炭素繊維材Wへ照射される。よって、コンベア5の上側にあるヒータ10を配下に有するグループ(Gr1〜8)のオン時間は、例えば、コンベア5の下側にあるヒータ10を配下に有するグループ(Gr9〜16)のオン時間より短い時間に設定される。また、コンベア5の中心部に比べて周囲へ放熱しやすいコンベア5の両側部分に位置するグループ(例えば、Gr1,8,9,16)のオン時間は、例えば、中心部側にある他のグループのオン時間より短い時間に設定される。加熱システム1の制御装置は、ヒータの制御器がこのようなパターンの通電を行って
いる間、図示しない放射温度計が開口部13を通じて検出する熱可塑性炭素繊維材Wの表面温度を監視し、熱可塑性炭素繊維材Wが適当な温度に一定時間達したことを確認したら、ヒータの通電を停止させてプレス機100への熱可塑性炭素繊維材Wの搬送を行う。

0024

なお、上記の制御方法は、単なる一例であり、各ヒータ10は上記と異なる各種の制御方法に従って通電されてもよい。

0025

図6は、搬送装置3のコンベア6とプレス機100とストッパ機構7との位置関係を示した図である。図6に示されるように、搬送装置3は、プレス機100に備わっている上側の金型(上型)と下側の金型(下型)との間を通り抜けるような搬送経路を実現する装置であり、加熱炉4から繰り出される熱可塑性炭素繊維材Wがコンベア6に載るよう、加熱装置2のコンベア5の下流側に隣接配置される。また、ストッパ機構7は、コンベア6の下流側に配置されるプレス機100の付近に配置される。

0026

コンベア6は、加熱装置2のコンベア5と同様、加熱された熱可塑性炭素繊維材Wへの接触面積が小さい金網状のベルトを用いたものが好ましく、例えば、いわゆるチョコネットが好適である。コンベア6は、加熱装置2側にある第1ローラ17R1の上側と、ストッパ機構7側にある第2ローラ17R2の上側との間に跨るベルトが、熱可塑性炭素繊維材Wを搬送する搬送路を形成する。そして、コンベア6のベルトの周長は、第1ローラ17R1と第2ローラ17R2を周回する長さよりも長く設定されており、第1ローラ17R1の下側と第2ローラ17R2の下側との間に引き回される余剰分のベルトについては、第3ローラ17R3と第4ローラ17R4の間に架け渡されている。

0027

そして、搬送装置3は、制御器からの指令に応じて第2ローラ17R2をストッパ機構7側へ動かしたり元の位置へ戻したりするローラ移動機構27を備えている。ローラ移動機構27は、第2ローラ17R2と共に第3ローラ17R3も移動する。よって、第2ローラ17R2と第3ローラ17R3が共にストッパ機構7側へ移動すると、第2ローラ17R2の移動に伴って増大する第1ローラ17R1と第2ローラ17R2との間の距離に応じた分のベルトが、第3ローラ17R3の移動に伴って減少する第3ローラ17R3と第4ローラ17R4との間の距離に応じた分のベルトで補われる。もっとも、ローラ移動機構27が作動中は、コンベア6のベルト自体も図示しない駆動装置類で回されるので、厳密には、ローラ移動機構27の作動前後で、第3ローラ17R3と第4ローラ17R4との間に架け渡されていたベルトが第1ローラ17R1と第2ローラ17R2との間に移動するわけではない。

0028

また、搬送装置3には、ストッパ機構7側のベルト端部を斜め下方へ傾斜させる角度可変機構18が備わっている。角度可変機構18は、第2ローラ17R2よりもやや加熱装置2側に配置された第5ローラ17R5を中心にしてベルト端部が折り下がるように、第5ローラ17R5を中心にして第2ローラ17R2を回転移動させる機構である。角度可変機構18の駆動機構としては電動モータエアーシリンダ等の各種機構が適用可能であるが、電動モータであれば適切な動作速度を実現できるので好適である。

0029

図7は、ストッパ機構7を示した図である。ストッパ機構7は、熱可塑性炭素繊維材Wの進行方向側の端部が載る受け板19と、受け板19の上面へ向かって把持部20を出し入れする伸縮装置21とを有するストッパ22を備える。また、ストッパ機構7は、ずれ防止部材28を備える。受け板19は、熱可塑性炭素繊維材Wの端部が当接することになる支柱23(本願でいう「当接部」の一例である)に固定されている。なお、図7では、3つのストッパ22を備えるストッパ機構7が図示されているが、ストッパ機構7は、2つ以下のストッパ22を備えるものであってもよいし、4つ以上のストッパ22を備えるものであってもよい。また、ストッパ機構7は、各ストッパ22を載置する架台24と、
ずれ防止部材28を載置する架台29と、架台24と架台29を各々独立してコンベア6の搬送方向に沿って前後させるスライド装置25とを備える。伸縮装置21やスライド装置25は、図示しない制御器からの指示に応じて作動する。

0030

図8は、ストッパ機構7の動作説明図である。ストッパ機構7は、通常、伸縮装置21が縮んで把持部20が上に上がっており、スライド装置25が架台24をプレス機100側へ寄せた状態になっている(図8(A)を参照)。そして、コンベア6が加熱装置2からプレス機100へ搬送した熱可塑性炭素繊維材Wの進行方向側の端部が受け板19と把持部20との間に進入し、当該端部が支柱23に接触するタイミングで伸縮装置21が伸び、把持部20で当該端部を受け板19に押圧する(図8(B)を参照)。これにより、熱可塑性炭素繊維材Wは各ストッパ22に把持された状態になる。そして、各ストッパ22が熱可塑性炭素繊維材Wを把持している状態でコンベア6による移送が完了し、コンベア6のベルトがプレス機100から退避すると、伸縮装置21が縮んで把持部20が熱可塑性炭素繊維材Wから離れる(図8(C)を参照)。これにより、熱可塑性炭素繊維材Wは各ストッパ22による把持が解除された状態になる。各ストッパ22による把持が解除されると、スライド装置25は、架台29を動かさずに架台24のみをプレス機100の反対側へ寄せ、各ストッパ22を熱可塑性炭素繊維材Wから離す(図8(D)を参照)。このとき、ずれ防止部材28は、熱可塑性炭素繊維材Wの縁に接触しているため、熱可塑性炭素繊維材Wがストッパ22に少々粘着していても、熱可塑性炭素繊維材Wの位置ずれが防止される。次に、スライド装置25は、架台29を架台24と共に動かし、ずれ防止部材28と各ストッパ22を熱可塑性炭素繊維材Wから離す(図8(E)を参照)。

0031

上記の加熱装置2や搬送装置3は、各機器動作パターンを予め規定したシーケンスに従って出力される制御装置からの制御信号を受けて作動する。例えば、加熱装置2のコンベア5および搬送装置3のコンベア6は、当該制御装置に予め設定されている制御量に従って作動し、熱可塑性炭素繊維材Wを規定の位置に動かす。

0032

図9は、加熱システム1における熱可塑性炭素繊維材Wの動きを示した図である。すなわち、加熱システム1は、コンベア5の第1領域26R1に加熱前の熱可塑性炭素繊維材Wが搭載された後にオペレータが行う加熱開始操作を受けると、コンベア5を作動させて熱可塑性炭素繊維材Wを加熱炉4内に搬入する(図9(A)→(B))。そして、加熱システム1は、ヒータ群9を通電して熱可塑性炭素繊維材Wを加熱した後は、コンベア5とコンベア6を作動させて熱可塑性炭素繊維材Wをプレス機100へ搬送しながら、ローラ移動機構27を作動させてコンベア6がストッパ機構7側へ繰り延びるようにコンベア6を延伸させ、そして、コンベア6の下流側の端部がストッパ22の受け板19と把持部20との間に向けて折り下げるように角度可変機構18を適当なタイミングで作動させる(図9(B)→(C))。そして、熱可塑性炭素繊維材Wの進行方向側の端部が支柱23に接触するタイミングでコンベア6を停止すると共に、伸縮装置21を伸ばして熱可塑性炭素繊維材Wをストッパ22で把持する(図9(C)→(D))。加熱システム1は、熱可塑性炭素繊維材Wをストッパ22で把持した後、再びコンベア6とローラ移動機構27を作動させてコンベア6を加熱装置2側へ収縮させる(図9(D)→(E))。熱可塑性炭素繊維材Wは加熱されて柔軟な状態になっているため、プレス機100の下型に覆いかぶさった状態になる。加熱システム1は、コンベア6を加熱装置2側へ収縮させたらコンベア6とローラ移動機構27を停止させ、角度可変機構18を作動させてコンベア6の下流側の端部の角度を元に戻す。また、加熱システム1は、ストッパ22による把持を解除し、ストッパ22をプレス機100の反対側へ寄せる(図9(E)→(F))。

0033

図10は、プレス機100の付近における熱可塑性炭素繊維材Wの状態を示した第1の図である。加熱システム1は、コンベア6の下流側の端部がストッパ22の受け板19と把持部20との間に向けて折り下げるように角度可変機構18を適当なタイミングで作動
させた後、熱可塑性炭素繊維材Wの進行方向側の端部が支柱23に接触するタイミングでコンベア6を停止する(図10(A)→(B))。そして、加熱システム1は、伸縮装置21を伸ばして熱可塑性炭素繊維材Wをストッパ22で把持し、再びコンベア6とローラ移動機構27を作動させてコンベア6を加熱装置2側へ収縮させる(図10(B)→(C))。

0034

図11は、プレス機100の付近における熱可塑性炭素繊維材Wの状態を示した第2の図である。加熱システム1は、コンベア6を加熱装置2側へ収縮させた後、伸縮装置21を縮めて各ストッパ22による把持を解除する(図10(C)→図11(D))。そして、加熱システム1は、ずれ防止部材28を動かさずにスライド装置25で架台24のみをプレス機100の反対側へ寄せる(図11(D)→(E))。次に、加熱システム1は、ずれ防止部材28を架台24と共に動かし、ずれ防止部材28と各ストッパ22を熱可塑性炭素繊維材Wから完全に離す(図11(E)→(F))。

0035

上記の加熱システム1であれば、棒状のヒータ10を加熱炉4内に平行に配列するという、ヒータをマトリクス状に配列したものより簡素な構成でありながら、両端部が中心部よりも多く発熱するように区画された棒状のヒータ10を用いているが故に、比較的大型のシート状の熱可塑性炭素繊維材Wであっても、温度分布のばらつきを抑えながら昇温することができる。よって、上記の加熱システム1であれば、熱可塑性炭素繊維材Wを、温度分布のばらつきを抑えて適正な温度に昇温することが可能であり、プレス機100においてプレスの歩留まりを向上させることができる。

0036

また、上記の加熱システム1であれば、加熱炉4で適正な温度に加熱された熱可塑性炭素繊維材Wが加熱炉4からプレス機100へ可及的速やかに搬送可能であり、且つ、加熱されて柔軟な状態になっているシート状の熱可塑性炭素繊維材Wが角度可変機構18とストッパ22との連携によってプレス機100の適正な場所に位置決めされる。よって、プレス機100における熱可塑性炭素繊維材Wの位置ずれに起因する成形不良を抑制し、プレス機100においてプレスの歩留まりを向上させることができる。

0037

なお、枠8の位置や大きさ、各ストッパ22の位置は、熱可塑性炭素繊維材Wの寸法や形状に応じて適宜調整することが望ましい。図11は、ストッパ22の横方向の位置調整の様子を示した図である。架台24に固定されているストッパ22は、例えば、ストッパ22を架台24に固定しているネジを緩め、架台24に設けられている溝に沿って動かして適宜の位置に調整されること好ましい。ストッパ機構7にストッパ22が3つ備わっている場合、例えば、中間にあるストッパ22は熱可塑性炭素繊維材Wの中心線が位置する辺りに固定され、他の2つのストッパ22は熱可塑性炭素繊維材Wの角の付近に固定されることが好ましい。なお、コンベア5,6は、熱可塑性炭素繊維材Wを進行方向に沿って移動するだけなので、進行方向に対する横方向の位置関係は、加熱装置2に設置される枠8が規定する載置位置に応じることになる。

0038

また、例えば、第5ローラ17R5付近のように、熱可塑性炭素繊維材Wが曲がる部分には、熱可塑性炭素繊維材Wの意図しない挙動跳ね上がり等)を上側から押さえつけるための補助的なローラが設けられていてもよい。

0039

また、上記の加熱システム1は、1枚の熱可塑性炭素繊維材Wを加熱する使用形態のみならず、例えば、熱可塑性炭素繊維材Wの一部に、小さい他の熱可塑性炭素繊維材を重ね合わせた状態のものを加熱してもよい。

0040

また、各ヒータ10を制御する制御器には、形状や厚さ、寸法の互いに異なる様々な熱可塑性炭素繊維材の種類毎に用意された加熱レシピが記憶されており、オペレータによる
加熱レシピの切り替え操作受け付け可能になっていてもよい。

0041

1・・加熱システム:2・・加熱装置:3・・搬送装置:4・・加熱炉:5,6・・コンベア:7・・ストッパ機構:8・・枠:9・・ヒータ群:10・・ヒータ:11,12・・反射鏡:13・・開口部:14・・中心区画:15,16・・外側区画:17R1・・第1ローラ:17R2・・第2ローラ:17R3・・第3ローラ:17R4・・第4ローラ:17R5・・第5ローラ:18・・角度可変機構:19・・受け板:20・・把持部:21・・伸縮装置:22・・ストッパ:23・・支柱:24,29・・架台:25・・スライド装置:26R1・・第1領域:26R2・・第2領域:26R3・・第3領域:27・・ローラ移動機構:28・・ずれ防止部材:100・・プレス機:W・・熱可塑性炭素繊維材

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