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技術 廃水処理方法、廃水処理装置

出願人 株式会社コンヒラ
発明者 越前浩
出願日 2016年1月22日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2016-011132
公開日 2017年7月27日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-127848
状態 特許登録済
技術分野 触媒 水、廃水又は下水の加熱処理
主要キーワード 電動ボールバルブ 吸気処理 スチーム供給口 フレーム脚 有機系消泡剤 液面レベルセンサー マイクロ波加熱方式 排気ブロアー
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

廃水から1,4−ジオキサンを効率よく確実に分離することが可能な廃水処理方法、及び廃水処理装置を提供する。

解決手段

廃水処理装置10は、廃水を貯留する処理槽21と、処理槽21内の廃水を加熱する熱交換器22と、熱交換器22による加熱によって廃水から生じた蒸気を処理槽21から外部へ排出する送気ブロアー25と、処理槽21に水を供給する給水部28と、加熱及び給水を制御する制御盤30と、を備える。制御盤30は、前記蒸気の排出によって濃縮した処理槽21に残留する廃水における1,4−ジオキサンの濃度が予め定められた濃度値以下になるまで廃水に対する加熱及び処理槽21への給水を繰り返し行うように加熱及び給水を制御する。

概要

背景

1,4−ジオキサン(1,4−dioxane:C4H8O2)は、常温において水や溶媒に溶解するため、従来から有機溶剤に添加される反応剤や安定剤として用いられている。また、1,4−ジオキサンは、界面活性剤PET樹脂の製造工程で副生成物として生成されることが知られている。詳細には、界面活性剤中の1,4−ジオキサンは、シャンプー皮膚洗浄剤に使用されている主な洗浄基材であるアルキルエーテルサルフェート(alkyl ether sulphate;AES)の生産の際に、アルコールエトキシレート(alcohol ethoxylate:AE)の硫酸化にともない反応副生産物として生成される。

1,4−ジオキサンは、健康に対する影響として、人に対して発がん性リスクがあると考えられている。少なくとも、動物実験では発がん性を有することが判明しており、国際がん研究機関(IARC)においても、人に対する発がん性の可能性がある、と認定している。このような健康リスクを考慮して、我が国では、2012年5月には1,4−ジオキサンの規制値を0.5mg/Lとする排水基準施行されている。

従来、1,4−ジオキサンを分解処理する方法として、例えば、1,4−ジオキサン分解菌と称される微生物を用いて生物的に1,4−ジオキサンを分解する処理方法(特許文献1参照)や、促進酸化法又はフェントン酸化法を用いて1,4−ジオキサンを分解処理する方法(特許文献2参照)が知られている。しかしながら、1,4−ジオキサンは水溶性難分解性物質であり、廃水などに溶解している状態では、生物的に1,4−ジオキサンを分解する上述の従来方法や、促進酸化法又はフェントン酸化法を用いて1,4−ジオキサンを分解する上述の従来方法では、廃水に含まれる1,4−ジオキサンを十分に分解することはできない。

概要

廃水から1,4−ジオキサンを効率よく確実に分離することが可能な廃水処理方法、及び廃水処理装置を提供する。廃水処理装置10は、廃水を貯留する処理槽21と、処理槽21内の廃水を加熱する熱交換器22と、熱交換器22による加熱によって廃水から生じた蒸気を処理槽21から外部へ排出する送気ブロアー25と、処理槽21に水を供給する給水部28と、加熱及び給水を制御する制御盤30と、を備える。制御盤30は、前記蒸気の排出によって濃縮した処理槽21に残留する廃水における1,4−ジオキサンの濃度が予め定められた濃度値以下になるまで廃水に対する加熱及び処理槽21への給水を繰り返し行うように加熱及び給水を制御する。

目的

本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、廃水から1,4−ジオキサンを効率よく確実に分離することが可能な廃水処理方法、及び廃水処理装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

1,4−ジオキサンを含む廃水を処理する廃水処理方法であって、貯留槽貯留された前記廃水を加熱して前記廃水から蒸気を生じさせ、その蒸気を排出することにより前記廃水を濃縮する一次濃縮工程と、前記一次濃縮工程後に前記貯留槽に残留した前記廃水に加水して希釈した後に、希釈後の前記廃水を再び加熱して前記廃水から蒸気を生じさせ、その蒸気を排出することにより前記廃水を濃縮する二次濃縮工程と、を含み、前記二次濃縮工程は、濃縮後に前記貯留槽に残留する前記廃水における1,4−ジオキサンの濃度が予め定められた濃度値以下になるまで前記廃水に対する希釈及び濃縮を行うことを特徴とする廃水処理方法。

請求項2

前記二次濃縮工程は、前記廃水に対する希釈時の加水及び濃縮時の加熱を制御する制御工程を含み、前記制御工程は、前記貯留槽における前記廃水の水位が予め定められた下限水位まで減少すると、前記廃水に対する加熱を停止して、前記廃水の水位が予め定められた上限水位に到達するまで前記貯留槽に水を供給し、その後、前記廃水の水位が前記下限水位になるまで前記廃水に対する加熱を行う請求項1に記載の廃水処理方法。

請求項3

前記二次濃縮工程は、前記制御工程において希釈時の加水及び濃縮時の加熱を前記濃度値に対応して予め定められた設定回数繰り返すことにより、濃縮後に前記貯留槽に残留する前記廃水における1,4−ジオキサンの濃度を前記濃度値以下にする請求項2に記載の廃水処理方法。

請求項4

前記一次濃縮工程及び前記二次濃縮工程で排出された前記蒸気に含まれる1,4−ジオキサンを触媒によって酸化分解する酸化分解工程を更に含む請求項1から3のいずれかに記載の廃水処理方法。

請求項5

前記濃度値は、0.5mg/Lである請求項1から4のいずれかに記載の廃水処理方法。

請求項6

1,4−ジオキサンを含む廃水を処理する廃水処理装置であって、前記廃水を貯留する貯留槽と、前記貯留槽内の前記廃水を加熱する加熱部と、前記加熱部による加熱によって前記廃水から生じた蒸気を前記貯留槽から外部へ排出する排出部と、前記貯留槽に水を供給する給水部と、前記加熱部による加熱及び前記給水部による水の供給を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記蒸気の排出によって濃縮した前記貯留槽に残留する前記廃水における1,4−ジオキサンの濃度が予め定められた濃度値以下になるまで前記廃水に対する加熱及び前記貯留槽への水の供給を繰り返し行うように前記加熱部及び前記給水部を制御する廃水処理装置。

請求項7

前記制御部は、前記貯留槽における前記廃水の水位が予め定められた下限水位まで減少すると前記加熱部による加熱を停止するとともに前記給水部による給水を開始し、前記廃水の水位が予め定められた上限水位に到達すると前記給水部による給水を停止するとともに前記加熱部による加熱を開始して前記廃水の水位が前記下限水位になるまで前記廃水に対する加熱を行う請求項6に記載の廃水処理装置。

請求項8

前記貯留槽から排出された前記蒸気に含まれる1,4−ジオキサンを触媒によって酸化分解する酸化分解部を更に備える請求項6又は7に記載の廃水処理装置。

請求項9

前記濃度値は、0.5mg/Lである請求項6から8のいずれかに記載の廃水処理装置。

技術分野

0001

本発明は、1,4−ジオキサンを含む廃水を処理する廃水処理方法及び廃水処理装置に関する。

背景技術

0002

1,4−ジオキサン(1,4−dioxane:C4H8O2)は、常温において水や溶媒に溶解するため、従来から有機溶剤に添加される反応剤や安定剤として用いられている。また、1,4−ジオキサンは、界面活性剤PET樹脂の製造工程で副生成物として生成されることが知られている。詳細には、界面活性剤中の1,4−ジオキサンは、シャンプー皮膚洗浄剤に使用されている主な洗浄基材であるアルキルエーテルサルフェート(alkyl ether sulphate;AES)の生産の際に、アルコールエトキシレート(alcohol ethoxylate:AE)の硫酸化にともない反応副生産物として生成される。

0003

1,4−ジオキサンは、健康に対する影響として、人に対して発がん性リスクがあると考えられている。少なくとも、動物実験では発がん性を有することが判明しており、国際がん研究機関(IARC)においても、人に対する発がん性の可能性がある、と認定している。このような健康リスクを考慮して、我が国では、2012年5月には1,4−ジオキサンの規制値を0.5mg/Lとする排水基準施行されている。

0004

従来、1,4−ジオキサンを分解処理する方法として、例えば、1,4−ジオキサン分解菌と称される微生物を用いて生物的に1,4−ジオキサンを分解する処理方法(特許文献1参照)や、促進酸化法又はフェントン酸化法を用いて1,4−ジオキサンを分解処理する方法(特許文献2参照)が知られている。しかしながら、1,4−ジオキサンは水溶性難分解性物質であり、廃水などに溶解している状態では、生物的に1,4−ジオキサンを分解する上述の従来方法や、促進酸化法又はフェントン酸化法を用いて1,4−ジオキサンを分解する上述の従来方法では、廃水に含まれる1,4−ジオキサンを十分に分解することはできない。

先行技術

0005

特開2012−161737号公報
特開2005−058854号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、1,4−ジオキサンは、大気中に気体として存在する状態においては、酸化触媒によって比較的速やかに分解されることが分かっている。そのため、廃水から1,4−ジオキサンを除去するためには、まず、廃水から1,4−ジオキサンを気化させて蒸気として分離する必要がある。従来、処理槽貯留された廃水を100℃以上に加熱して水とともに1,4−ジオキサン(沸点101.1℃)を蒸発させる方法が知られている。しかしながら、水や1,4−ジオキサンの蒸発とともに、廃水が他の不純物などによって高濃度化すると、廃水の沸点が高くなり、それ以上の温度で加熱すると、他の不純物が気化して大気に放出するという問題が生じる。また、低温加熱では、濃縮した廃水から1,4−ジオキサンを気化させることができず、廃水における1,4−ジオキサンの含有量を前記規制値以下とすることができないという問題が生じる。

0007

本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、廃水から1,4−ジオキサンを効率よく確実に分離することが可能な廃水処理方法、及び廃水処理装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一実施形態に係る廃水処理方法は、1,4−ジオキサンを含む廃水を処理する方法である。前記廃水処理方法は、貯留槽に貯留された前記廃水を加熱して前記廃水から蒸気を生じさせ、その蒸気を排出することにより前記廃水を濃縮する一次濃縮工程と、前記一次濃縮工程後に前記貯留槽に残留した前記廃水に加水して希釈した後に、希釈後の前記廃水を再び加熱して前記廃水から蒸気を生じさせ、その蒸気を排出することにより前記廃水を濃縮する二次濃縮工程と、を含む。前記二次濃縮工程は、濃縮後に前記貯留槽に残留する前記廃水における1,4−ジオキサンの濃度が予め定められた濃度値以下になるまで前記廃水に対する希釈及び濃縮を行う。

0009

前記二次濃縮工程は、前記廃水に対する希釈時の加水及び濃縮時の加熱を制御する制御工程を含む。前記制御工程は、前記貯留槽における前記廃水の水位が予め定められた下限水位まで減少すると、前記廃水に対する加熱を停止して、前記廃水の水位が予め定められた上限水位に到達するまで前記貯留槽に水を供給し、その後、前記廃水の水位が前記下限水位になるまで前記廃水に対する加熱を行う。

0010

前記二次濃縮工程は、前記制御工程において希釈時の加水及び濃縮時の加熱を前記濃度値に対応して予め定められた設定回数繰り返すことにより、濃縮後に前記貯留槽に残留する前記廃水における1,4−ジオキサンの濃度を前記濃度値以下にする。

0011

本発明の廃水処理方法は、前記一次濃縮工程及び前記二次濃縮工程で排出された前記蒸気に含まれる1,4−ジオキサンを触媒によって酸化分解する酸化分解工程を更に含む。

0012

前記一次濃縮工程及び前記二次濃縮工程は、前記酸化分解に伴う酸化熱が前記触媒の耐熱温度以下となる蒸気発生量となるような温度で前記廃水を加熱する。

0013

前記濃度値は、0.5mg/Lである。

0014

本発明の他の実施形態に係る廃水処理装置は、1,4−ジオキサンを含む廃水を処理する廃水処理装置である。前記廃水処理装置は、前記廃水を貯留する貯留槽と、前記貯留槽内の前記廃水を加熱する加熱部と、前記加熱部による加熱によって前記廃水から生じた蒸気を前記貯留槽から外部へ排出する排出部と、前記貯留槽に水を供給する給水部と、前記加熱部による加熱及び前記給水部による水の供給を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記蒸気の排出によって濃縮した前記貯留槽に残留する前記廃水における1,4−ジオキサンの濃度が予め定められた濃度値以下になるまで前記廃水に対する加熱及び前記貯留槽への水の供給を繰り返し行うように前記加熱部及び前記給水部を制御する。

0015

前記制御部は、前記貯留槽における前記廃水の水位が予め定められた下限水位まで減少すると前記加熱部による加熱を停止するとともに前記給水部による給水を開始する。また、前記制御部は、前記廃水の水位が予め定められた上限水位に到達すると前記給水部による給水を停止するとともに前記加熱部による加熱を開始して前記廃水の水位が前記下限水位になるまで前記廃水に対する加熱を行う。

0016

本発明の廃水処理装置は、前記貯留槽から排出された前記蒸気に含まれる1,4−ジオキサンを触媒によって酸化分解する酸化分解部を更に備える。

0017

前記加熱部は、前記酸化分解に伴う酸化熱が前記触媒の耐熱温度以下となる蒸気発生量となるような温度で前記廃水を加熱する。

0018

前記濃度値は、0.5mg/Lである。

発明の効果

0019

本発明によれば、廃水から1,4−ジオキサンを効率よく確実に分離することが可能である。

図面の簡単な説明

0020

図1は、本発明の実施形態に係る廃水処理装置10を示す斜視図である。
図2は、廃水処理装置10の構成を示すシステム系統図である。
図3は、廃水処理装置10の制御システム構成を示すブロック図である。
図4は、廃水処理装置10における廃水の濃縮分解処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図5は、廃水処理装置10における廃水の濃縮分解処理の手順の一例を示すフローチャートである。

実施例

0021

以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。

0022

[廃水処理装置10]
図1は、廃水処理装置10の外観を示す斜視図である。図2は、廃水処理装置10の構成を示すシステム系統図である。図3は、廃水処理装置10の制御システム構成を示すブロック図である。本実施形態に係る廃水処理装置10は、1,4−ジオキサンを含む廃水を処理することが可能な装置である。この廃水処理装置10は、例えば、界面活性剤やPET樹脂の製造工場下水処理工場に設置されて用いられる。

0023

図1及び図2に示されるように、廃水処理装置10は、大別すると、廃水濃縮装置11と、分解処理装置12とを有しており、廃水濃縮装置11から分解処理装置12へ蒸気を含む気体を送り込むことができるように、廃水濃縮装置11と分解処理装置12とが連結ダクト14によって連結されている。

0024

[廃水濃縮装置11]
廃水濃縮装置11は、処理槽21(本発明の貯留槽の一例)と、熱交換器22(本発明の加熱部の一例)と、スチーム供給部23と、送気ブロアー24と、バブリング管25と、エアー供給部26と、消泡剤供給部27と、給水部28と、排出ポンプ29と、制御盤30とを備えている。

0025

処理槽21は、処理対象である廃水を貯留するためのものであり、略直方体形状に形成されている。処理槽21の内部に所定量の廃水が貯留される。本実施形態では、処理層21の高さサイズは1400mmであり、その容積は2100リットルである。また、処理槽21に貯留される廃水は、少なくとも、1,4−ジオキサンおよび水を含むものである。前記廃水における水の含有率は、概ね80%〜99%程度であり、そのため、前記廃水の粘性は比較的低い。なお、前記廃水には、1,4−ジオキサンおよび水以外の不純物が含まれていてもよい。

0026

本実施形態では、処理対象である廃水は、別途設置された廃水タンク81に貯留されている。この廃水タンク81は、処理槽21よりも高い位置に設置されており、配管81Aによって処理槽21の底部に接続されている。配管81Aには、電動駆動によって開閉される電動弁81Bが設けられている。この電動弁81Bが制御盤30の制御部100によって制御されて開けられると、廃水タンク81から処理槽21に廃水が供給され、閉じられると、廃水の供給が停止される。

0027

処理槽21の底部には複数のフレーム脚16が設けられており、フレーム脚16が廃水濃縮装置11の架台であるベースフレーム15に取り付けられている。これにより、処理槽21は、フレーム脚16によって、ベースフレーム15から上方へ所定高さを隔てた位置に設けられている。

0028

処理槽21に貯留される廃水は、例えば、工場などにおいて工業生産に水が使用され、その使用後に廃棄される汚水(所謂工業排水)である。このような廃水は、そのままの状態で河川や海に排出されると自然環境汚染することになるため、自然環境に排出可能な程度まで浄化してから河川や海に排出されなければならない。特に、界面活性剤やPET樹脂の製造工場からの工業排水には、1,4−ジオキサンが含まれているため、このような廃水を河川や海を含む水域公共用水域)に排出する場合は、水質汚濁防止法で定められた排水基準(0.5mg/L)をクリアするように所定の分解処理を施す必要がある。

0029

熱交換器22は、処理槽21内に貯留された廃水を加熱するものであり、処理槽21の内部に設けられている。熱交換器22は、例えば、液状又は気体状の熱媒体循環流通させるパイプを有するラジエターである。熱交換器22は、処理槽21の内部において高さ方向の中間位置よりも下方に設けられており、処理槽21に廃水が貯留された状態でその全部が廃水中に配置される。熱交換器22に後述のスチーム供給部23から高温スチームが供給されることにより、熱交換器22において廃水と高温スチームとの間で熱交換がなされて、前記廃水が加熱される。前記廃水が加熱されることによって、廃水に含まれている水や1,4−ジオキサンが蒸気になる。

0030

スチーム供給部23は、処理槽21内の熱交換器22に高温スチーム(飽和蒸気)を供給するためのものであり、処理槽21の近傍に設けられている。処理槽21の側壁には、熱交換器22に連通しているスチーム供給口21Aが設けられている。スチーム供給部23は、高圧(例えば、0.4MPa)のスチームを供給するスチーム源23Aを有しており、スチーム源23Aから配管23Bを通じてスチーム供給口21Aに高温スチームを供給している。本実施形態では、概ね120℃の高温スチームがスチーム供給口21Aに供給される。配管23Bには、スチーム量調整用の電動弁23Cが設けられている。電動弁23Cは、例えば電動ボールバルブである。電動弁23Cは、制御盤30が備える制御部100によって開閉角が制御されて、配管23Bを流れるスチーム量の流量が調整される。なお、処理槽21の底部には、熱交換器22に連通しているスチーム排出口21Bが設けられており、熱交換器22で生じたドレン水を排出するためのスチームトラップ83がスチーム排出口21Bに接続されている。

0031

スチーム源23Aは、例えば、スチームを生成する蒸気ボイラーである。本実施形態では、スチーム源23Aは、工場において他の用途のために設置された既存の蒸気ボイラーなどであり、既存の前記蒸気ボイラーのスチーム供給経路から分岐されて配管23Bに流入した高圧スチームがスチーム供給口21Aに供給されている。

0032

送気ブロアー24は、電気駆動される送風機である。送気ブロアー24は、熱交換器22による加熱によって処理槽21内の廃水から生じた蒸気を処理槽21から外部へ排出する。送気ブロアー24は、後述の排気ブロアー45とともに、本発明の排出部を構成している。図1に示されるように、送気ブロアー24は、処理槽21の上面に取り付けられている。送気ブロアー24から処理槽21の上面に配管24Aが接続されており、この配管24Aを通じて送気ブロアー24から空気が処理槽21の内部の空気層送り込まれる。本実施形態では、連結ダクト14が処理槽21の上面に接続されているため、処理槽21の前記空気層に送り込まれた空気は、前記空気層に存在する蒸気とともに連結ダクト14に入り込み、処理槽21の外部に排出される。なお、連結ダクト14に入り込んだ蒸気は、連結ダクト14を通って分解処理装置12に送り込まれる。

0033

なお、本実施形態では、送気ブロアー24及び排気ブロアー45によって本発明の排気部を実現する構成を例示するが、本発明の排気部はこの構成に限られない。例えば、前記排気部として、送気ブロアー24及び排気ブロアー45のいずれか1つが設けられていればよい。

0034

バブリング管25は、処理槽21の廃水中に気泡を発生させて液中上昇流を生じさせるものである。バブリング管25は、処理槽21の底面に設置されており、詳細には、処理槽21において熱交換器22よりも下方に配置されている。バブリング管25には、気泡が送出される複数のノズル孔を有している。処理槽21の外部にはエアー供給部26が設けられており、このエアー供給部26とバブリング管25とが配管26Aによって接続されている。

0035

エアー供給部26は、配管26Aを通じてバブリング管25に空気を供給するものである。エアー供給部26は、所定圧圧縮空気を収容するエアータンク26Bを有しており、エアータンク26Bの空気をバブリング管25に供給できるように、エアータンク26Bとバブリング管25との間を配管26Aが接続されている。配管26Aには、空気の供給量を調整するための電動弁26Cが設けられている。電動弁26Cは、例えば電動ボールバルブである。電動弁26Cは、制御盤30の制御部100によって開閉角が制御されて、配管26Aを流れる空気供給量の流量が調整される。バブリング管25に空気が供給されると、バブリング管25の前記ノズル孔から気泡が発生する。このように気泡を発生させることはバブリングと称されている。前記バブリングによって発生した気泡は、熱交換器22の周辺を通って上昇する。このとき、熱交換器22の周辺に上昇流が生じ、処理槽21の内壁面の周辺には下降流が生じる。つまり、処理槽21の廃水は、前記上昇流と前記下降流とによる循環流動の状態になる。その結果、熱交換器22から廃水への伝熱が促進され、処理槽21内の廃水全体に効率よく均一に熱が伝達する。

0036

消泡剤供給部27は、消泡剤を収容する収容ボックス27Aと、収容ボックス27Aと処理槽21とを連結する配管27Bと、配管27Bに設けられた電動弁27Cとを備える。後述の泡検出センサー33によって処理槽21内に泡が発生したと判定されると、電動弁27Cが開けられて、収容ボックス27Aから配管27Bを通じて前記消泡剤が処理槽21内に投入される。消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤有機系消泡剤などが適用可能である。

0037

給水部28は、処理槽21に工業用水などの水を供給するものであり、処理槽21の近傍に設けられている。処理槽21の側壁には、処理槽21の内部に連通している給水口21Cが設けられている。給水部28は、工業用水道から延びる給水管28Aを有しており、この給水管28Aが処理槽21の給水口21Cに接続されている。給水部28は、工業用水道から給水管28Aを通じて給水口21Cに水を供給している。給水口21Cに供給された水は、処理槽21内に貯留される。給水管28Aには、水の供給量を調整するための電動弁28Bが設けられている。電動弁28Bは、例えば電動ボールバルブである。電動弁28Bは、制御盤30の制御部100によって開閉角が制御されて、給水管28Aを流れる水量が調整される。

0038

排出ポンプ29は、処理槽21の下側に設けられている。具体的には、排出ポンプ29は、処理槽21の下方においてベースフレーム15の上面に固定されている。排出ポンプ29は、必要に応じて処理槽21に貯留されている廃水を外部へ排出するためのポンプである。そのため、排出ポンプ29の吸込口には、処理槽21の底部から延びる排水管84が接続されている。本実施形態では、排出ポンプ29は、別に設置されている外部タンク82(図2参照)に廃水を排出する。したがって、排出ポンプ29の吐出口には、外部タンク82に至る排水管85が連結されている。この排出ポンプ29は、制御盤30の制御部100によって駆動制御される。

0039

制御盤30は、熱交換器22による廃水の加熱の制御、及び、給水部28による処理槽21への給水量の制御を行う。図1及び図2に示されるように、制御盤30は、ベースフレーム15に設置された自立型ボックス形状キャビネット30Aを有しており、更に、その内部に、シーケンサーなどの制御部100、操作部105、液晶モニター106、メーター表示部107、ヒーター制御部108などが搭載されている。キャビネット30Aの正面の上部には開閉可能な扉30Bが設けられており、この扉30Bが開けられると、操作部105、液晶モニター106、圧力値などを表示するためのメーター表示部107などが現れる。

0040

制御部100は、CPU101、ROM102、RAM103、EEPROM104等を有するコンピューターであり、廃水処理装置10を統括的に制御する。ROM102に制御プログラムが記憶されており、CPU101が前記制御プログラムを読み出した実行することによって、後述の濃縮分解処理が実行される。なお、濃縮分解処理については後述する。

0041

制御部100に、操作部105、液晶モニター106、メーター表示部107、及びヒーター制御部108が接続されており、互いに信号やデータの相互通信が可能に構成されている。

0042

ヒーター制御部108は、分解処理装置12に備えられた後述のヒーター42を加熱制御する。本実施形態では、ヒーター制御部108は、分解処理装置12の酸化触媒43の入口温度が350℃となるようにヒーター42をPID制御する。

0043

処理槽21には、温度センサー32、泡検出センサー33、液面レベルセンサー34が設けられている。

0044

温度センサー32は、処理槽21に貯留されている廃水の温度を検出するものであり、例えば、測温抵抗体熱電対、或いはサーミスタなどで構成されている。温度センサー32は、検出対象の温度に応じたセンサー信号を制御盤30の制御部100に送る。制御部100は、そのセンサー信号に基づいて検出対象の温度を算出し、その温度情報を液晶モニター106に表示する。また、制御部100は、検出された温度が予め定められた設定温度となるように、スチーム供給部23の電動弁23Cを制御する。設定温度の情報は、EEPROM104に記憶されている。本実施形態では、前記設定温度は105℃に設定されている。制御部100は、検出された廃水の温度に基づいて電動弁23Cをフィードバック制御する。具体的には、制御部100は、検出温度が前記設定温度未満の場合に、電動弁23Cを制御してスチーム量を増加させる。また、検出温度が前記設定温度を超えている場合に、電動弁23Cを制御してスチーム量を減少させる。

0045

泡検出センサー33は、処理槽21に貯留されている廃水の液面に泡が生じているかどうかを検出するものであり、例えば、処理槽21の一方の側壁に設けられた発光素子と、その側壁に対向する他方の側壁に設けられた受光素子とにより構成されている。処理槽21には、貯留される廃水の上限水位が定められており、本実施形態では、処理槽21の容積(2100リットル)に対して約64%に相当する水位に定められている。具体的には、処理槽21の底面から900mmの位置が前記上限水位に定められている。前記発光素子及び前記受光素子は、前記上限水位よりも少し上方の位置、具体的には、前記上限位置よりも150mm高い位置に設けられている。

0046

前記発光素子は、例えば発光ダイオードである。前記受光素子は、例えばフォトトランジスタである。発光素子から受光素子に光が照射されており、その照射光に応じた電圧信号が制御部100に送られる。廃水の液面に泡が生じると、前記光が遮られ、前記電圧信号の電圧レベルが低下する。制御部100は、前記電圧レベルが閾値未満になった場合に、液面に泡が生じていると判定する。本実施形態では、発生した泡が液面から離れて連結ダクト14を通って分解処理装置12に送られると、分解処理装置12が停止したり故障したりするおそれがある。そのため、制御部100は、泡が生じていると判定した場合に、電動弁27Cを制御して、消泡剤供給部27から処理槽21に消泡剤を供給する。

0047

液面レベルセンサー34は、処理槽21に貯留されている廃水の液面の位置を検出するものであり、例えば、フロートスイッチタイプのものや静電容量を用いたものなどが考えられる。液面レベルセンサー34は、廃水の液面が処理槽21に定められた前記上限水位、或いは、下限水位に達したか否かを検出する。本実施形態では、前記下限水位は、処理槽21の容積(2100リットル)に対して約57%に相当する水位に定められている。具体的には、処理槽21の底面から800mmの位置が前記下限水位に定められている。液面レベルセンサー34は、廃水の液面の水位に対応するセンサー信号を制御部100に送り、制御部100は、そのセンサー信号のレベルが前記上限水位や前記下限水位に対応するレベル値であるか否かによって、液面が前記上限水位、或いは前記下限水位に達したか否かを判定する。

0048

連結ダクト14には、温度センサー35が設けられている。温度センサー35は、連結ダクト14と処理槽21の上面との連結部の近傍に設けられている。温度センサー35は、処理槽21から連結ダクト14に入り込んだ直後の気体の温度を検出するものであり、例えば、測温抵抗体などで構成されている。温度センサー35は、検出対象の温度に応じたセンサー信号を制御部100に送る。制御部100は、そのセンサー信号に基づいて検出対象の温度を算出し、その温度情報を液晶モニター106に表示する。

0049

[分解処理装置12]
分解処理装置12は、筐体41と、ヒーター42と、酸化触媒43と、排気ダクト44と、排気ブロアー45と、温度センサー46と、温度センサー47と、を備えている。

0050

筐体41は、鉛直方向に延びる断面四角形筒形状に形成されている。筐体41は、ベースフレーム15とは別の架台48に設けられている。筐体41の上部に排気ダクト44が取り付けられている。また、筐体41の下部には、連結ダクト14が接続されている。連結ダクト14から送られてきた蒸気は、筐体41の内部を通って上方へ案内されて、排気ダクト44に流入する。つまり、筐体41の内部では、下部から上方へ向かう気流が生じる。

0051

ヒーター42は、筐体41の内部の気体(蒸気及び空気)を加熱するものである。ヒーター42は、例えばハロゲンヒーターである。ヒーター42は、筐体41内の気体を加熱するものであれば、抵抗加熱方式赤外線加熱方式、マイクロ波加熱方式誘電加熱方式誘導加熱方式のいずれの加熱方式のものであってもよい。ヒーター42は、制御部100によって加熱制御されている。

0052

酸化触媒43は、筐体41の内部においてヒーター42の上側に設けられている。酸化触媒43は、白金を主成分とする金属触媒であり、ハニカム構造を有する所謂メタルハニカム触媒である。ハニカム構造の内部を連結ダクト14から送り込まれた蒸気を含む気体が通ることによって、その気体に含まれている1,4−ジオキサンと酸化触媒43とが酸化反応して、1,4−ジオキサンが完全に分解される。具体的には、1,4−ジオキサンが分解されて、水蒸気(水)と二酸化炭素が生成される。また、前記気体にVOCガスが含まれている場合は、VOCガスと酸化触媒43とが酸化反応して、VOCガスが完全に分解される。なお、酸化触媒43が設けられている分解処理装置12は、本発明の酸化分解部の一例である。

0053

温度センサー46は、筐体41の内部における酸化触媒43の下側の温度(触媒入口温度)を検出するものである。また、温度センサー47は、筐体41の内部における酸化触媒43の上側の温度(触媒出口温度)を検出するものである。温度センサー46,47は、検出対象の温度に応じたセンサー信号を制御部100に送る。制御部100は、そのセンサー信号に基づいて検出対象の温度を算出し、その温度情報を液晶モニター106に表示する。また、ヒーター制御部108は、温度センサー46で検出された温度が予め定められた目標温度(例えば350℃)となるように、ヒーター42を加熱制御する。前記目標温度の情報は、EEPROM104に記憶されている。

0054

排気ブロアー45は、電気駆動される送風機である。排気ブロアー45は、架台48に取り付けられている。排気ブロアー45は、排気ダクト44内に排出方向へ空気を送風することにより、筐体41の内部に負圧を生じさせる。この負圧によって、処理槽21内の廃水から生じた蒸気が処理槽21から連結ダクト14を通じて筐体41に吸引吸気)される。つまり、排気ブロアー45は、処理槽21内の廃水から生じた蒸気を処理槽21から外部へ排出する役割を担っている。

0055

[濃縮分解処理]
次に、図5及び図6のフローチャートを参照して、制御部100によって実行される濃縮分解処理の手順の一例について説明する。ここで、前記濃縮分解処理は、廃水濃縮装置11において処理槽21内の廃水を蒸発させて濃縮しつつ、蒸発した蒸気に含まれる1,4−ジオキサンやVOCガスを分解する処理である。前記濃縮分解処理が行われることによって、本発明の廃水処理方法が実現される。図中のS11、S12、・・・は処理手順(ステップ)の番号を表している。各ステップにおける処理は、制御部100によって、より詳細にはCPU101がROM102内の制御プログラムを実行することによって行われる。ここで、本実施形態においては、制御部100が濃縮分解処理を実行することによって、本発明の廃水処理方法が実現される。なお、以下の説明では、処理槽21に廃水が貯留されていないものとする。

0056

まず、ステップS11では、制御部100は、電動弁81Bを制御して、電動弁81Bを開位置から閉位置に作動する。これにより、廃水タンク81のヘッド圧水頭圧)によって、廃水タンク81から処理槽21に廃水が供給される。

0057

ステップS12では、制御部100は、廃水が処理槽21における前記上限水位まで供給されたかどうかを判定する。この判定処理は、液面レベルセンサー34からのセンサー信号に基づいて行われる。制御部100は、廃水の液面が前記上限水位に到達したと判定すると(S12のYES)、電動弁81Bを開位置から閉位置に戻して、廃水タンク81からの廃水の供給を停止する(S13)。なお、ステップS12において、廃水の液面が前記上限水位に到達したと判定されるまで、廃水の供給は継続される。

0058

廃水の供給が停止されると、次のステップS14では、一次加熱蒸発処理が実行される。前記一次加熱蒸気処理は、処理槽21に貯留された廃水を加熱して前記廃水から蒸気を生じさせ、その蒸気を排出することにより前記廃水を濃縮する処理である。前記一次加熱蒸発処理を行う工程が、本発明の一次濃縮工程である。ステップS14における一次加熱蒸発処理は、スチーム供給部23から高温スチームを熱交換器22に供給するスチーム供給処理(S141)、前記バブリングを行うバブリング処理(S142)、処理槽21の空気層に空気を送り込む送気処理(S143)、排気ブロアー45による吸気処理(S144)、そして、ヒーター42による加熱処理(S145)を含む。

0059

ステップS141(スチーム供給処理)では、制御部100は、スチーム供給部23の電動弁23Cを制御して電動弁23Cを閉位置から開位置に作動する。これにより、高温スチームが熱交換器22に供給されて、処理槽21内の廃水が加熱される。ここで、高温スチームの供給量を増減させて廃水の温度を調整する場合は、電動弁23Cの開閉角が制御される。本実施形態では、制御部100は、処理槽21の廃水の温度が105℃となるように、電動弁23Cの開閉角を制御する。なお、高圧スチームの供給を停止する場合は、電動弁23Cが開位置から閉位置に作動される。

0060

ステップS142(バブリング処理)では、制御部100は、エアー供給部26の電動弁26Cを制御して電動弁26Cを閉位置から開位置に作動する。これにより、空気がバブリング管25に供給されて、バブリング管25から気泡が発生する。

0061

ステップS143(送気処理)では、制御部100は、送気ブロアー24を駆動して、処理槽21の空気層に空気を送り込む。これにより、前記空気層に送り込まれた空気とともに空気層内の気体が連結ダクト14へ流れ込み、連結ダクト14を通って筐体41に流入する。

0062

ステップS144(吸気処理)では、制御部100は、排気ブロアー45を駆動して、排気ダクト44に空気を送り込む。これにより、排気ダクト44の負圧によって連結ダクト14から筐体41内に空気が流入する。

0063

ステップS145(加熱処理)では、制御部100は、ヒーター制御部108にヒーター42による加熱を行わせる。つまり、ヒーター制御部108は、PID制御によって、酸化触媒43の入口温度が前記目標温度(350℃)となるようにヒーター42を加熱する。この加熱によって、筐体41に入り込んだ蒸気を含む気体は、350℃まで加熱されて、酸化触媒43による酸化反応が促進される。

0064

ステップS14の一次加熱蒸発処理が行われることにより、廃水が加熱されると、廃水に含まれる水が蒸気となって連結ダクト14に流入する。また、水と沸点がほとんど同じ1,4−ジオキサンも蒸気となって連結ダクト14に流入する。また、廃水にVOCが含まれている場合も、そのVOCが蒸気(VOCガス)となって連結ダクト14に流入する。その後、筐体41に流入する。筐体41に流入した気体は、ヒーター42によって350℃まで加熱され、酸化触媒43を通る際に酸化触媒43との酸化反応によって水蒸気と二酸化炭素に分解される。このように、酸化触媒43に気体を供給させて気体に含まれる1,4−ジオキサンやVOCガスを酸化して分解する処理を行う工程が本発明の酸化分解工程である。

0065

酸化触媒43における酸化反応に伴い発生する熱によって、酸化触媒43周辺の気体が約400℃〜450℃に昇温される。すなわち、酸化触媒43を通過した気体の温度は、触媒入口温度(例えば350℃)から50℃〜100℃だけ温度上昇する。この状態で、排気ダクト44から気体が外部に排出される。なお、400℃〜450℃という高温の状態で気体が排出されるのではなく、排気ブロアー45によって排気ダクト44内に送風された空気によって希釈されつつ冷却されてから大気に排出される。

0066

前記一次加熱蒸発処理が行われることにより、処理槽21内の廃水の貯留量は徐々に減少する。次のステップS15では、制御部100は、処理槽21の廃水が前記下限水位まで減少したかどうかを判定する。この判定処理は、液面レベルセンサー34からのセンサー信号に基づいて行われる。制御部100は、廃水の液面が前記下限水位まで減少したと判定すると(S15のYES)、前記スチーム供給処理(S141)及び前記バブリング処理(S142)を停止する。

0067

そして、次のステップS16では、制御部100は、前記一次加熱蒸発処理を行った回数カウントアップして、RAM103に記憶する。

0068

次のステップS17では、制御部100は、カウントアップした処理回数が予め定められた設定回数であるか否かを判定する。本実施形態では、前記設定回数が100回に設定されている。なお、この設定回数の設定値は任意であり、廃水における水の含有率や処理槽21の容積、加熱される廃水の設定温度(本実施形態では、例えば105℃)などに応じて定められる。ステップS17において処理回数が前記設定回数未満であると判定されると、制御部100は、ステップS11〜S16の各手順の処理を繰り返す。本実施形態では、上述したように、前記上限水位は底面から900mmの位置であり、前記下限水位は底面から800mmの位置に設定されており、前記上限水位から前記下限水位までの容量は約150リットルである。したがって、ステップS11〜S16の各手順の処理は、処理槽21内の廃水に含まれる水及び1,4−ジオキサンが蒸発して150リットル減少する度に繰り返し行われる。一方、ステップS17において処理回数が前記設定回数であると判定されると、制御部100は、図5のステップS18以降の処理を実行する。

0069

ステップS11〜S17の処理が繰り返し行われると、処理槽21に残留している前記下限水位未満の廃水は、蒸気として除去されなかった不純物が濃縮された廃水となる。以下、このように濃縮された廃水を濃縮廃水と称する。前記濃縮廃水は、水の含有量が少ないため、前記濃縮廃水の沸点は水の沸点よりも高くなっており、前記設定温度(105℃)よりも高くなっている場合がある。この場合、前記濃縮廃水に、蒸発することができなかった1,4−ジオキサンが含まれる。このような濃縮廃水に1,4−ジオキサンが含まないようにするためには、前記設定温度を更に高い値に変更して、廃水の温度を高くすることが考えられる。しかしながら、廃水の温度を高くすると、液面に気泡が生じ易くなる。また、廃水が高温化すると処理槽21の空気層に廃水のミストが生じ易くなる。仮に、液面から分離した気泡や前記ミストが連結ダクト14を通って筐体41に流入すると、蒸気が筐体41に流入する場合に比べて、酸化反応する物質量が増大するため、酸化反応に伴い発生する熱量も増大し、酸化触媒43の出口温度が酸化触媒43の耐熱温度を超えるおそれがある。この場合、酸化触媒43が劣化したり、分解処理装置12が故障したりするという問題が生じる。

0070

このような問題に対して、本実施形態では、前記濃縮廃水から1,4−ジオキサンを完全に除去するために、加熱する廃水の設定温度を105℃に維持したままで、後述するステップS18以降の処理が行われる。

0071

ステップS18では、制御部100は、電動弁28Bを制御して、電動弁28Bを開位置から閉位置に作動する。これにより、工業用水などの水が給水管28Aを通じて処理槽21に供給(給水)される。この給水動作によって、処理槽21内に残留していた前記濃縮廃水が水によって希釈される。

0072

ステップS12では、制御部100は、処理槽21における希釈された濃縮廃水(以下、被処理水という。)が前記上限水位まで供給されたかどうかを判定する。制御部100は、被処理水の液面が前記上限水位に到達したと判定すると(S19のYES)、電動弁28Bを開位置から閉位置に戻して、給水部28からの水の供給を停止する(S20)。なお、ステップS20において、被処理水の液面が前記上限水位に到達したと判定されるまで、水の供給は継続される。

0073

前記濃縮廃水が水で希釈されると、希釈後の被処理水内の不純物(水以外の物質)の濃度が低下し、被処理水全体の沸点が前記設定温度未満に低下する。このため、前記設定温度を維持した状態で被処理水を加熱したとしても、被処理水に含まれている水および1,4−ジオキサンが蒸発する。

0074

その後、制御部100は、ステップS21において、上述のステップS14の一次加熱蒸発処理と同じ内容の二次加熱蒸発処理を実行する。前記二次加熱蒸発処理は、前記一次加熱蒸発処理が前記設定回数(本実施形態では、例えば100回)行われた後に処理槽21に残留した被処理水に加水して希釈した後に、希釈後の被処理水を再び加熱して前記被処理水から蒸気を生じさせ、その蒸気を排出することにより前記被処理水を濃縮する処理である。二次加熱蒸発処理が前記一次加熱蒸発処理と異なるところは、被処理水に廃水を加えるのではなく、水を加えて被処理水を希釈してから、被処理水を加熱する点である。前記二次加熱蒸発処理を行う工程が、本発明の二次濃縮工程である。前記二次加熱蒸発処理が実行されることにより、被処理水の加熱、蒸発、分解が行われて、被処理水に含まれていた1,4−ジオキサンやVOCが更に除去される。また、前記二次加熱蒸発処理が行われることにより、処理槽21内の被処理水の貯留量は徐々に減少して再び濃縮される。

0075

本実施形態では、後述するように、ステップS18〜S24の手順が繰り返し行われることによって、処理槽21に残留する被処理水における1,4−ジオキサンの濃度が予め定められた目標濃度値以下になるまで前記被処理水に対する希釈、蒸発、分解、濃縮を繰り返し行う。

0076

具体的には、制御部100は、次のステップS22において、処理槽21の被処理水が前記下限水位まで減少したかどうかを判定する。この判定処理は、液面レベルセンサー34からのセンサー信号に基づいて行われる。制御部100は、被処理水の液面が前記下限水位まで減少したと判定すると(S22のYES)、ステップS21における前記スチーム供給処理及び前記バブリング処理を停止する。

0077

そして、次のステップS23では、制御部100は、給水によって前記濃縮廃水を希釈した希釈回数をカウントアップして、RAM103に記憶する。

0078

次のステップS24では、制御部100は、カウントアップした希釈回数が予め定められた設定回数であるか否かを判定する。本実施形態では、前記設定回数が5回に設定されている。なお、この設定回数の設定値は任意であり、被処理水における水の含有率や処理槽21の容積、加熱される被処理水の設定温度(本実施形態では、例えば105℃)などに応じて定められる。ステップS24において希釈回数が前記設定回数未満であると判定されると、制御部100は、ステップS18〜S24の各手順の処理を繰り返す。ここで、ステップS18〜S24の各手順の処理は、処理槽21内の廃水に含まれる水及び1,4−ジオキサンが蒸発して150リットル減少する度に繰り返し行われる。一方、ステップS24において希釈回数が前記設定回数であると判定されると、制御部100は、ステップS25に進む。

0079

前記設定回数(本実施形態では、例えば5回)は、処理槽21に残留する被処理水における1,4−ジオキサンの濃度値として予め定められた前記目標濃度値に対応する回数に定められている。具体的には、前記設定回数は、ステップS18〜S21における希釈処理と、ステップS22〜23における加熱分解処理とが行われることによって、液面が前記下限水位未満となった後の濃縮された被処理水に1,4−ジオキサンが含まれていない、又は、含まれているとしても0.5mg/L以下の濃度しか含まれていないと評価できる回数に設定されている。この設定回数としては、処理対象となる被処理水に対してステップS18〜ステップS24までの処理が行われるたびに、ステップS22において液面が前記下限水位未満と判定されたときに残留した被処理水から1,4−ジオキサンの濃度を実測し、その実測値が実質的にゼロになったとき、或いは、0.5mg/L以下になったときの実測回数を用いることができる。このような回数に前記設定回数が定められているため、ステップS24において希釈回数が前記設定回数であると判定されたときの処理槽21内の被処理水には、1,4−ジオキサンが全く含まれていないか、又は、水質汚濁防止法で定められた排水基準(0.5mg/L)以下しか含まれない状態となる。

0080

ステップ25では、制御部100は、排出ポンプ29を駆動させて、また、必要に応じて配管85に設けられた電動弁(不図示)を開けて、処理槽21に残留した濃縮後の被処理水を外部タンク82に排出する。これにより、排出ポンプ29によって、被処理水が処理槽21から排水管84及び排水管85を通って外部タンク82に流入する。

0081

以上説明したように、上述の実施形態の廃水処理装置10においては、前記一次加熱蒸発処理が設定回数(100回)行われ、その後に、濃縮後に処理槽21に残留する被処理水における1,4−ジオキサンの濃度が予め定められた前記目標濃度値以下になるまで前記二次加熱蒸発処理が設定回数(5回)行われる。このため、処理対象である廃水から1,4−ジオキサンを効率よく確実に分離して分解することが可能となる。また、最終的に、水質汚濁防止法で定められた排水基準(0.5mg/L)以下の濃縮された濃縮廃水が得られるため、この濃縮廃水を産業廃棄物処理法に則って適切に廃棄処理を行うことが可能になる。

0082

[実施例]
以下、上述の実施形態に係る廃水処理装置10を用いて、下記の条件で廃水処理を行った実施例について説明する。処理対象は、水、1,4−ジオキサン、及び界面活性剤を含む含水率95〜99%の廃水である。また、処理槽21内の廃水の温度が105℃となるように加熱制御を行った。この場合、処理槽21における蒸発平均速度は、120リットル/hである。前記触媒入口温度の設定温度は350℃とした。また、送気ブロアー24を調整して、廃水濃縮装置11から分解処理装置12の酸化触媒43に流入する気体の流量を427m3/hとした。この条件で、廃水処理装置10を用いて前記廃水に対して前記一次加熱蒸発処理を100回行い、更に、前記二次加熱蒸発処理を5回行った結果、最終的に排出される濃縮廃水に含まれる1,4−ジオキサンの濃度は、前記排水基準である0.5mg/L以下であることが確認できた。なお、酸化触媒43の入口の気体に含まれる1,4−ジオキサンの含有率が1.432ppmであるのに対して、酸化触媒43出口排気に含まれる1,4−ジオキサンの含有率が5.0ppm以下であることも確認できた。

0083

なお、上述の実施形態では、本発明の廃水処理装置として、廃水濃縮装置11及び分解処理装置12を含む廃水処理装置10を例示して説明したが、本発明はこの構成に限られない。例えば、本発明の廃水処理装置は、上述した廃水濃縮装置11のみで構成されたものとして捉えても良い。

0084

また、上述の実施形態では、水の含有率が概ね80%〜99%の粘性の低い廃水を処理する例について説明したが、処理対象となる廃水は、水の含有率が80%未満のものでもよい。この場合、廃水が加熱されると、その粘性によって泡立ちが増大したり、場合によっては突沸するおそれがあるため、廃水に対する加熱温度を低下することにより、上述の実施形態の廃水処理装置10でも処理可能である。

0085

10:廃水処理装置
11:廃水濃縮装置
12:分解処理装置
21:処理槽
22:熱交換器
23:スチーム供給部
24:送気ブロアー
25:バブリング管
26:エアー供給部
27:消泡剤供給部
28:給水部
29:排出ポンプ
30:制御盤
42:ヒーター
43:酸化触媒
44:排気ダクト
45:排気ブロアー
46:温度センサー
47:温度センサー

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