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技術 血管弾性指標値測定装置、血圧測定装置及び血管弾性指標値測定方法

出願人 セイコーエプソン株式会社国立研究開発法人国立循環器病研究センター
発明者 水上博光上村和紀杉町勝
出願日 2016年1月20日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-009129
公開日 2017年7月27日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-127494
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置 脈拍・心拍・血圧・血流の測定
主要キーワード 校正制御 内外圧差 非加圧状態 時間変化波形 送出ライン 二階微分値 マンシェット ピーク時刻
関連する未来課題
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図面 (20)

課題

圧迫感を軽減した高精度な血管弾性指標値の測定を可能とする血管弾性指標値測定装置を提供する。

解決手段

血管弾性指標値測定装置1は、圧迫帯20と、第1の超音波センサー31を有するプローブ部30と、第1の血管弾性指標値算出部を有する本体装置10とを備える。圧迫帯20は、動脈である血管5が走行する被検者3の所定部位に装着され、カフ圧により前記所定部位を締め付けることができる。第1の超音波センサー31は、圧迫帯20により締め付けられる前記所定部位において血管5の血管径経皮的に測定する。第1の血管弾性指標値算出部は、前記カフ圧と前記血管径との対応関係を用いて血管の血管弾性指標値を算出する。

概要

背景

加圧血圧測定方法として、超音波を利用した非侵襲的血圧測定法が知られている。例えば、特許文献1には、血圧変化血管径との関係を非線形関係と捉え、血管弾性指標値の1つであるスティフネスパラメーターβと血管の直径とから血圧を算出する方法が開示されている。

概要

圧迫感を軽減した高精度な血管弾性指標値の測定を可能とする血管弾性指標値測定装置を提供する。血管弾性指標値測定装置1は、圧迫帯20と、第1の超音波センサー31を有するプローブ部30と、第1の血管弾性指標値算出部を有する本体装置10とを備える。圧迫帯20は、動脈である血管5が走行する被検者3の所定部位に装着され、カフ圧により前記所定部位を締め付けることができる。第1の超音波センサー31は、圧迫帯20により締め付けられる前記所定部位において血管5の血管径を経皮的に測定する。第1の血管弾性指標値算出部は、前記カフ圧と前記血管径との対応関係を用いて血管の血管弾性指標値を算出する。

目的

本発明は、上述した課題を解決するために考案されたものであり、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

動脈走行する被検者所定部位に装着され、カフ圧により前記所定部位を締め付け可能な圧迫帯と、前記圧迫帯により締め付けられる前記所定部位において前記動脈の血管径経皮的に測定するための第1の超音波センサーと、前記カフ圧と前記血管径との対応関係を用いて前記動脈の第1の血管弾性指標値を算出する第1の血管弾性指標値算出部と、を備えた血管弾性指標値測定装置

請求項2

前記第1の血管弾性指標値算出部は、異なる前記カフ圧での前記対応関係を用いて前記第1の血管弾性指標値を算出する、請求項1に記載の血管弾性指標値測定装置。

請求項3

前記第1の血管弾性指標値算出部は、一心周期中の所定の特徴期に係る前記血管径と前記カフ圧との前記対応関係を用いて前記第1の血管弾性指標値を算出する、請求項1または2に記載の血管弾性指標値測定装置。

請求項4

前記第1の血管弾性指標値算出部は、少なくとも、前記カフ圧、或いは、一心周期中のタイミングが異なる3以上の前記対応関係を用いて前記第1の血管弾性指標値を算出する、請求項1〜3の何れか一項に記載の血管弾性指標値測定装置。

請求項5

前記第1の血管弾性指標値算出部は、前記カフ圧が90[mmHg]以下での前記対応関係を用いて前記第1の血管弾性指標値を算出する、請求項1〜4の何れか一項に記載の血管弾性指標値測定装置。

請求項6

請求項1〜5の何れか一項に記載の血管弾性指標値測定装置と、前記血管弾性指標値測定装置により測定された第1の血管弾性指標値と、前記血管径とを用いて、血圧を算出する血圧算出部と、を備えた血圧測定装置

請求項7

前記第1の血管弾性指標値を校正するか否かを判定する校正判定部、を更に備え、前記校正判定部により肯定判定された場合に、前記血管弾性指標値測定装置に前記第1の血管弾性指標値を測定させ、前記血圧算出部が、校正された最新の前記第1の血管弾性指標値を用いて血圧を算出する、請求項6に記載の血圧測定装置。

請求項8

前記校正判定部は、前記血圧算出部により算出された血圧が所定の異常値条件を満たす場合に、校正すると判定する、請求項7に記載の血圧測定装置。

請求項9

前記第1の超音波センサーによる測定位置とは異なる位置で前記動脈の血管径を経皮的に測定するための第2の超音波センサーと、前記第1および第2の超音波センサーによる測定結果を用いて、拍動に伴う前記動脈の血管径変動の特徴期である第1時期の第1脈波伝播速度および第2時期の第2脈波伝播速度を測定し、前記第1脈波伝播速度、前記第2脈波伝播速度、および、前記第1時期並びに前記第2時期それぞれの前記血管径、を用いて前記動脈の第2の血管弾性指標値を測定する第2の血管弾性指標値測定部と、を更に備え、前記校正判定部は、前記血管弾性指標値測定装置により測定された第1の血管弾性指標値と、前記第2の血管弾性指標値測定部により測定された第2の血管弾性指標値とを比較して、校正するか否かを判定する、請求項7に記載の血圧測定装置。

請求項10

前記動脈の前記第1時期の第1血流速度および前記第2時期の第2血流速度を測定する血流速度測定部、を更に備え、前記第2の血管弾性指標値測定部は、前記第1脈波伝播速度の代わりに前記第1脈波伝播速度から前記第1血流速度を差し引いた速度、前記第2脈波伝播速度の代わりに前記第2脈波伝播速度から前記第2血流速度を差し引いた速度、を用いて前記第2の血管弾性指標値を測定する、請求項9に記載の血圧測定装置。

請求項11

前記血圧算出部は、前記第1の血管弾性指標値と、前記血管径とを用いて、前記第1脈波伝播速度から前記血流速測定部により測定された血流速度を差し引いた速度の2乗に比例し、且つ、前記血管径の逆数に比例する所定の演算処理を行って血圧を算出する、請求項10に記載の血圧測定装置。

請求項12

動脈が走行する被検者の所定部位に装着された圧迫帯のカフ圧を制御して、前記所定部位を締め付けることと、前記圧迫帯により締め付けられる前記所定部位において前記動脈の血管径を超音波により経皮的に測定することと、前記カフ圧と前記血管径との対応関係を用いて前記動脈の第1の血管弾性指標値を算出することと、を処理部が実行する血管弾性指標値測定方法

技術分野

0001

本発明は、動脈血管弾性指標値を測定する血管弾性指標値測定装置等に関する。

背景技術

0002

加圧血圧測定方法として、超音波を利用した非侵襲的血圧測定法が知られている。例えば、特許文献1には、血圧変化血管径との関係を非線形関係と捉え、血管弾性指標値の1つであるスティフネスパラメーターβと血管の直径とから血圧を算出する方法が開示されている。

先行技術

0003

特開2004−41382号公報

発明が解決しようとする課題

0004

血圧測定においては、非侵襲的な測定であっても精度良く血圧を測定したいという要望や、精度の良い血圧測定を一拍ごとの継続的な測定(常時測定或いは常時計測ともいう)として実現したいという要望がある。上述の特許文献1に開示された血圧測定方法によれば、血管径を高精度に測定することができれば、血圧の高精度な常時測定が実現できるようにも思われる。しかし、血圧の高精度な常時測定の実用化はそう単純ではない。

0005

実用化を困難とする原因の1つが、血管弾性指標値である。例えば、血管弾性指標値の1つであるスティフネスパラメーターβを用いた血圧測定法では、事前血圧計を用いた校正処理を行ってスティフネスパラメーターβを校正しておく必要がある。この校正処理では、信頼性の高い血圧計測法であるコロトコフ法やオシロメトリック法の採用が考えられる。そして、校正処理の後、非加圧で血圧を測定する間は、事前に校正したスティフネスパラメーターβを固定値として用いることができる。

0006

ところが、血管の硬さ(弾性)は、自律神経の働き等により変化するため、血管弾性指標値を固定値としなければならない従来手法では、血圧の測定精度が低下してしまう。すなわち、血管弾性指標値の校正から時間が経過するほど、測定された血圧の値の信頼性が低下し得る。そのため、常時測定の精度を保証できる時間には、自ずと限界があった。

0007

しかし、だからといって、校正処理の時間間隔を短くして高頻度に校正処理を行う場合も問題である。コロトコフ法やオシロメトリック法は、原理的に、収縮期血圧を超える圧力で計測部位を加圧し、血管を閉塞して血流途絶した上で徐々に血流を流すような加圧制御が必要となるため、ある程度の時間にわたる強い圧迫感を伴う。そのため、常時測定の間の校正処理が度重なると、非侵襲の常時測定を期待していた被検者重圧感を与えてしまい、被検者に負担を感じさせるおそれがある。例えば、就寝中に校正処理が発動すると、強い圧迫感により就寝が妨げられ、覚醒してしまいかねない。

0008

本発明は、上述した課題を解決するために考案されたものであり、その目的とするところは、圧迫感を軽減した高精度な血管弾性指標値の測定を可能とする技術を提案することである。

課題を解決するための手段

0009

以上の課題を解決するための第1の発明は、動脈が走行する被検者の所定部位に装着され、カフ圧により前記所定部位を締め付け可能な圧迫帯と、前記圧迫帯により締め付けられる前記所定部位において前記動脈の血管径を経皮的に測定するための第1の超音波センサーと、前記カフ圧と前記血管径との対応関係を用いて前記動脈の第1の血管弾性指標値を算出する第1の血管弾性指標値算出部と、を備えた血管弾性指標値測定装置である。

0010

この第1の発明によれば、所定部位に装着された圧迫帯のカフ圧により所定部位が締め付けられて血管弾性指標値が測定されることとなるが、超音波センサーによって経皮的に測定された血管径と、カフ圧との対応関係を用いて血管弾性指標値が算出されるため、血流を途絶するほどのカフ圧は必要とされない。また、カフ圧による締め付けにより、拍動に伴う血管径の変動幅が大きくなるため、血管径血圧特性から、血管弾性指標値の測定精度を向上させることができる。よって、圧迫感を軽減した高精度な血管弾性指標値の測定を実現することができる。

0011

また、第2の発明は、第1の発明において、前記第1の血管弾性指標値算出部が、異なる前記カフ圧での前記対応関係を用いて前記第1の血管弾性指標値を算出する、血管弾性指標値測定装置である。

0012

この第2の発明によれば、異なるカフ圧におけるカフ圧と血管径との対応関係を用いて血管弾性指標値を算出することができる。

0013

また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記第1の血管弾性指標値算出部が、一心周期中の所定の特徴期に係る前記血管径と前記カフ圧との前記対応関係を用いて前記第1の血管弾性指標値を算出する、血管弾性指標値測定装置である。

0014

この第3の発明によれば、例えば、収縮期拡張期重複切痕期といった一心周期中の特徴期における血管径とカフ圧との対応関係を用いて血管弾性指標値を算出することができる。

0015

また、第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明において、前記第1の血管弾性指標値算出部が、少なくとも、前記カフ圧、或いは、一心周期中のタイミングが異なる3以上の前記対応関係を用いて前記第1の血管弾性指標値を算出する、血管弾性指標値測定装置である。

0016

この第4の発明によれば、カフ圧と血管径との対応関係として、少なくとも、カフ圧、或いは、一心周期中のタイミングが異なる3以上の対応関係を用いて血管弾性指標値を算出することができる。

0017

また、第5の発明は、第1〜第4の何れかの発明において、前記第1の血管弾性指標値算出部が、前記カフ圧が90[mmHg]以下での前記対応関係を用いて前記第1の血管弾性指標値を算出する、血管弾性指標値測定装置である。

0018

この第5の発明によれば、血管弾性指標値を算出する際のカフ圧は、90[mmHg]以下とされる。このカフ圧は、拡張期血圧正常値範囲の上限程度以下であるため、コロトコフ法やオシロメトリック法の血圧測定のような圧迫感を被検者に与えることはない。

0019

また、第6の発明は、第1〜第5の何れかの発明の血管弾性指標値測定装置と、前記血管弾性指標値測定装置により測定された第1の血管弾性指標値と、前記血管径とを用いて、血圧を算出する血圧算出部と、を備えた血圧測定装置である。

0020

この第6の発明によれば、第1〜第5の何れかの発明の血管弾性指標値測定装置により測定された血管弾性指標値と、第1の超音波センサーの測定結果に基づく血管径とを用いた、一拍ごとの継続的な血圧測定(常時測定)を実現することができる。

0021

また、第7の発明は、第6の発明において、前記第1の血管弾性指標値を校正するか否かを判定する校正判定部を更に備え、前記校正判定部により肯定判定された場合に、前記血管弾性指標値測定装置に前記第1の血管弾性指標値を測定させ、前記血圧算出部が、校正された最新の前記第1の血管弾性指標値を用いて血圧を算出する、血圧測定装置である。

0022

この第7の発明によれば、血管弾性指標値を用いた、一拍毎の継続的な血圧測定(常時測定)を行っている間に、血管弾性指標値の校正が必要と判定された場合には、第1〜第5の何れかの発明の血管弾性指標値測定装置による血管弾性指標値の測定が行われる。このため、常時測定の間の校正処理に対して、被検者に与える重圧感や圧迫感を軽減させることができる。

0023

また、第8の発明は、第7の発明において、前記校正判定部が、前記血圧算出部により算出された血圧が所定の異常値条件を満たす場合に、校正すると判定する、血圧測定装置である。

0024

この第8の発明によれば、算出した血圧の値でもって、校正処理が必要が否かを判定することが可能となる。

0025

また、第9の発明は、第7の発明において、前記第1の超音波センサーによる測定位置とは異なる位置で前記動脈の血管径を経皮的に測定するための第2の超音波センサーと、前記第1および第2の超音波センサーによる測定結果を用いて、拍動に伴う前記動脈の血管径変動の特徴期である第1時期の第1脈波伝播速度および第2時期の第2脈波伝播速度を測定し、前記第1脈波伝播速度、前記第2脈波伝播速度、および、前記第1時期並びに前記第2時期それぞれの前記血管径、を用いて前記動脈の第2の血管弾性指標値を測定する第2の血管弾性指標値測定部と、を更に備え、前記校正判定部が、前記血管弾性指標値測定装置により測定された第1の血管弾性指標値と、前記第2の血管弾性指標値測定部により測定された第2の血管弾性指標値とを比較して、校正するか否かを判定する、血圧測定装置である。

0026

この第9の発明によれば、拍動に伴う血管径変動の特徴期である第1時期の第1脈波伝播速度と、第2時期の第2脈波伝播速度と、その第1時期並びに第2時期それぞれの血管径とを用いて、第2の血管弾性指標値を算出することができる。第1脈波伝播速度、第2脈波伝播速度、血管径の何れも、非加圧下において測定することができるため、非加圧下における血管弾性指標値の測定を実現することができる。そして、この第2の血管弾性指標値に基づいて、血管弾性指標値の校正が必要か否かを判定することができる。

0027

また、第10の発明は、前記動脈の前記第1時期の第1血流速度および前記第2時期の第2血流速度を測定する血流速度測定部、を更に備え、前記第2の血管弾性指標値測定部が、前記第1脈波伝播速度の代わりに前記第1脈波伝播速度から前記第1血流速度を差し引いた速度、前記第2脈波伝播速度の代わりに前記第2脈波伝播速度から前記第2血流速度を差し引いた速度、を用いて前記第2の血管弾性指標値を測定する、第9の発明の血圧測定装置である。

0028

この第10の発明によれば、第2の血管弾性指標値の測定に当たり、脈波伝播速度に血流速度の影響が表れている場合に、その影響を低減させることができる。

0029

また、第11の発明は、前記血圧算出部が、前記第1の血管弾性指標値と、前記血管径とを用いて、前記第1脈波伝播速度から前記血流速測定部により測定された血流速度を差し引いた速度の2乗に比例し、且つ、前記血管径の逆数に比例する所定の演算処理を行って血圧を算出する、第10の発明の血圧測定装置である。

0030

この第11の発明によれば、血圧を、第1脈波伝播速度から血流速度を差し引いた速度の2乗に比例し、且つ、血管径の逆数に比例する所定の演算処理を行って算出することができる。第1脈波伝播速度に血流速度の影響が表れている場合に、その影響を低減させることができるため有用である。

0031

また、第12の発明は、動脈が走行する被検者の所定部位に装着された圧迫帯のカフ圧を制御して、前記所定部位を締め付けることと、前記圧迫帯により締め付けられる前記所定部位において前記動脈の血管径を超音波により経皮的に測定することと、前記カフ圧と前記血管径との対応関係を用いて前記動脈の第1の血管弾性指標値を算出することと、を処理部が実行する血管弾性指標値測定方法である。

0032

この第12の発明によれば、第1の発明と同様の作用効果を奏する血管弾性指標値測定方法を実現することができる。

図面の簡単な説明

0033

血圧測定装置の全体構成を説明するための図。
処理の流れの全体概要を説明するための図。
血管径血圧特性の例を示すグラフ
血管径と血管壁内外圧差の特性の例を示すグラフ。
カフ圧を徐々に大きくした場合の血管径の変化と、カフ圧増加時にも変化しない被検者の血圧を示すグラフ。
圧迫帯に対する第1超音波センサーおよび第2超音波センサーの位置関係を説明するための図。
第1超音波センサーおよび第2超音波センサーによる超音波計測の様子を説明するための図。
第1血管径D1と第2血管径D2の時系列波形例であって、(1)血管径波形、(2)血管径を時間で二階微分した加速度波形、(3)拡張期の加速度波形の拡大を示す図。
血圧測定装置の機能構成例を示すブロック図。
血管径ログデータのデータ構成例を示す図。
加圧時カフ圧ログデータのデータ構成例を示す図。
中間データのデータ構成例を示す図。
血圧ログデータのデータ構成例を示す図。
血圧測定装置における主たる処理の流れを説明するためのフローチャート
血圧算出処理の流れを説明するためのフローチャート。
変形例におけるプローブ部の構成例を示す図。
変形例における血圧測定装置の機能構成例を示すブロック図。
変形例における中間データのデータ構成例を示す図。
変形例における血圧測定装置が実行する主たる処理の流れを説明するためのフローチャート。
変形例における血圧測定装置が実行する血圧算出処理の流れを説明するためのフローチャート。

実施例

0034

以下、本発明を適用した一実施形態について説明するが、本発明の適用可能な形態が以下の実施形態に限られるものではないことは勿論である。

0035

図1は、本実施形態における血圧測定装置1の全体構成を説明するための図であり、血圧測定装置1の取り付け状態を示す図である。圧迫帯20を破線で示し、圧迫帯20の透過図として示している。
血圧測定装置1は、所定の動脈である血管5が走行する被検者3の所定部位に装着されて、一拍毎の血圧測定(常時測定)に用いられる装置である。本実施形態では、所定部位を上腕部とし、血管5を上腕動脈とすることとするが、動脈の血管径を超音波で計測可能な部位であれば、上腕部以外の部位であってもよい。例えば頸動脈鎖骨下動脈大動脈などを測定対象として、当該動脈の走行する部位を所定部位としてもよい。

0036

また、血圧測定装置1は、空気圧膨張するカフを内蔵するマンシェット(或いはカフ帯や単にカフとも呼ばれる)と呼ばれる圧迫帯20と、圧迫帯20の外側に装備される本体装置10と、圧迫帯20の内側(被検者3の皮膚面に当接する側)に位置し、血管5の血管径を経皮的に測定するための超音波を送受するプローブ部30とを備えた一体型の構成となっている。勿論、一体型ではなく、本体装置10を有線又は無線で接続した分離型の構成とし、被検者3に装着する装着物の重量を軽量化することとしてもよい。また、血圧測定装置1は、血管弾性指標値の測定機能を有することから血管弾性指標値測定装置ということもできる。

0037

圧迫帯20は、カフに空気を送り込む加圧部21(図9参照)と、カフ圧を測定する圧力センサー22(図9参照)とを内蔵するマンシェットである。加圧部21は、本体装置10からの制御信号に基づいてカフ圧を上昇させ、装着部位である上腕部を全周から均一に締め付ける。圧力センサー22は、現在のカフ圧を本体装置10へ随時出力する。

0038

プローブ部30は、同一仕様の超音波センサーとして第1超音波センサー31と第2超音波センサー32とを有する。第1超音波センサー31および第2超音波センサー32は、薄型アレイセンサーであり、被検者3へ超音波パルス発信照射し、その反射波を受信する。

0039

プローブ部30は、全体として小型かつ薄型の形状を有しており、圧迫帯20の所定位置に設ける構成とすることもできるし、圧迫帯20とは別体として構成することもできる。後者の例では、例えば、プローブ部30を被検者3の皮膚に貼り付け可能な構成とし、プローブ部30を皮膚に貼り付けた上に、圧迫帯20を装着することとする。図1では、この後者の例を示しており、粘着台座34に第1超音波センサー31および第2超音波センサー32が設けられている例を示している。

0040

他方、前者の例では、例えば、プローブ部30を圧迫帯20の内側(被検者3に接触する接触面或いは接触面寄り)に配置し、圧迫帯20の装着と同時に被検者3の所定位置に装着される構成とすることができる。この場合には、粘着台座34を省略することとしてもよい。何れの場合も、少なくともプローブ部30の一方の超音波センサーが、圧迫帯20の幅方向中央部に位置するように装着部位に装着される構成が好適である。一方の超音波センサーは、血管弾性指標値の校正に利用され、本実施形態は第1超音波センサー31とすることとする。

0041

本体装置10は、操作入力部200や表示部400等(図9参照)を有する一種コンピューター制御装置であり、圧迫帯20およびプローブ部30を制御する。圧迫帯20の制御は校正処理において実行され、毎拍の血圧測定、すなわち常時測定においては圧迫帯20の加圧制御は行われない。他方、プローブ部30の制御は、校正処理および毎拍の血圧測定において実行される。プローブ部30の測定結果に基づき、血管5の血管径をリアルタイムに測定し、校正された血管弾性指標値と、測定した血管径とを用いて血圧を算出する。

0042

また、本体装置10は、毎拍の血圧測定の際に、血管弾性指標値の校正が必要か否かを判定する処理を実行する。具体的には、プローブ部30の測定結果から脈波伝播速度を求め、測定した血管径および脈波伝播速度を用いて血管5の血管弾性指標値を算出する。ここで算出される血管弾性指標値はあくまで校正が必要か否かの判定用の値とされる。本実施形態では、この校正要否判定用に算出される血管弾性指標値のことを「第2の血管弾性指標値」と呼称し、血圧測定に用いられる血管弾性指標値のことを「第1の血管弾性指標値」と呼称することとする。
また、本実施形態では、血管弾性指標値をスティフネスパラメーターβとすることとして説明する。

0043

上述した処理の流れを図2を参照して説明すると、まず、測定開始時には、第1の血管弾性指標値を測定する校正処理を行う(ステップA2)。校正処理では、本体装置10は、圧迫帯20にカフへの空気注入を行わせて加圧させ、上腕部を締め付ける。そして、プローブ部30の測定結果に基づく血管5の血管径と、カフ圧との対応関係に基づいて第1の血管弾性指標値を測定する。この第1の血管弾性指標値の測定の原理については詳細に後述する。

0044

校正処理の後は加圧を解除して、非加圧下での測定となる。まず、プローブ部30の測定結果に基づいて第2の血管弾性指標値を算出する(ステップA4)。この第2の血管弾性指標値の算出方法の原理についても詳細に後述する。

0045

次いで、校正処理を行うべきか否かの要否を判定する(ステップA6)。例えば、第1の血管弾性指標値と、第2の血管弾性指標値との差が所定の閾値条件を満たすか否かで、校正処理が必要か否かを判定する。校正処理が必要と判定された場合には(ステップA6:YES)、校正処理が再度実行され、第1の血管弾性指標値が更新される。校正処理が不要と判定された場合には(ステップA6:NO)、ステップA8に移行して、血圧測定処理が実行される。この血圧測定処理は、校正された最新の第1の血管弾性指標値と、プローブ部30の測定結果に基づく血管径とを用いて、一拍毎に血圧を算出する処理である。

0046

以上の処理を、血圧計測の終了指示がなされるまで繰り返し実行する(ステップA2〜A10)。ステップA4の第2の血管弾性指標値算出処理や、ステップA8の血圧測定処理は、非加圧下のもと、毎拍実行される。

0047

[第1の血管弾性指標値の測定の原理]
次に、校正処理における第1の血管弾性指標値の測定の原理について説明する。
非加圧状態での血管径血圧特性は、例えば図3に示すような非線形特性を有することが知られている。測定血圧P、収縮期血圧Ps、拡張期血圧Pd、測定血管径D、収縮期血管径Ds、拡張期血管径Dd、スティフネスパラメーターβの間には、式(1)および式(2)の関係がある。

0048

よって、血管径血圧特性を求めることは、スティフネスパラメーターβを算出することを意味する。スティフネスパラメーターβを算出するためには、収縮期血圧Psおよび拡張期血圧Pdの2つの血圧と、それぞれの血圧における収縮期血管径Dsおよび拡張期血管径Ddが分かればよいことになる(図3中の白丸プロット)。

0049

一旦校正されたスティフネスパラメーターβは、第1の血管弾性指標値として、図2に示すように、毎拍の血圧測定に利用されることから、より正確なスティフネスパラメーターβを算出する必要がある。

0050

ここで、圧迫帯20により被検者3の上腕部が圧迫されて加圧された場合を考えると、血管径と血管壁内外圧差(Transmural pressure)の特性は図4のようになる。すなわち、血管径血圧特性の曲線自体は変わらない。しかし、血管壁にかかる実効的な血管壁内外圧差は収縮期および拡張期とも、収縮期血圧Psおよび拡張期血圧Pdからそれぞれカフ圧Pf分下がり、その分、血管径血圧特性の曲線に沿って、収縮期血管径Dsおよび拡張期血管径Ddも下がる。図4中の白丸のプロットが、非加圧時の収縮期および拡張期のプロットであり、黒丸のプロットが、加圧時の収縮期および拡張期のプロットである。

0051

着目すべきは、収縮期血管径Dsと拡張期血管径Ddとの間の血管径Dの変化幅脈動幅)であり、非加圧時の変化幅ΔD1よりも加圧時の変化幅ΔD2の方が大きいことである。血管壁にかかる実効的な血管壁内外圧差は、収縮期血圧Psおよび拡張期血圧Pdからそれぞれカフ圧Pf分下がるのみで、変化幅ΔPdsに変わりはない。しかし、血管径と血管壁内外圧差の特性の非線形特性から、加圧によって、血管径Dの変化幅が大きくなる。これは、プローブ部30で直接的に計測できるものが血管径Dであることに対して、プラスの作用効果として働く。すなわち、プローブ部30による血管径Dの計測精度自体は加圧状態であろうと非加圧状態であろうと変わらない。しかし、加圧によって、計測対象である血管5の血管径Dが大きく変化するため、結果的に血管径Dの計測精度が非加圧時に比べて向上することを意味するからである。血管径と血管壁内外圧差の特性に鑑みれば、非加圧時に比べて加圧時は、血管壁内外圧差の少しの違いが、血管径Dの大きな違いとして表れることとなる。従って、加圧によって、血圧Pに対する算出精度が向上し、ひいてはスティフネスパラメーターβの算出精度を向上させることができる。

0052

図5は、カフ圧Pfを徐々に大きくしていった時の血管径Dを、血圧Pおよびカフ圧Pfとともに示した図である。計測部位における血管5の実効的な血管壁内外圧差(=血圧P−カフ圧Pf)は、カフ圧Pfの上昇にともなって徐々に減少する。これは、図4の血管径と血管壁内外圧差の特性において、白丸のプロット点は、被検者3の血圧Pが一定の時、カフ圧Pfを血管外から印加すると、実効的な血管壁内外圧差が血圧Pからカフ圧Pf分減少するため、特性曲線上、黒丸のプロット点へ移動することと同じ現象である。

0053

図5戻り、拍動にともなって、血圧Pは脈動し、血管径Dも脈動している。しかし、カフ圧Pfが徐々に大きくなると、血圧Pに変化がないものの、実効的な血管壁内外圧差が小さくなるので、血管径Dは、大きさが小さくなり、かつ、その脈動幅(振幅ともいえる)が徐々に大きくなっていく。これは、血管径血圧特性、あるいは、血管径と血管壁内外圧差の特性の非線形特性に基づくものである。

0054

ここで、カフ圧Pfが異なる、時刻t1〜t4でのカフ圧Pf(t1)〜(t4)およびその時の収縮期血管径Ds(t1)〜(t4)をサンプリング値として、式(1)に代入すると、以下の式(3−1)〜(3−4)が得られる。



なお、式(3−1)において、カフ圧Pf(t1)はゼロ(非加圧)のため、収縮期血管径Ds(t1)ではなく、非加圧時の収縮期血管径Dsとしている。

0055

式(3−1)〜(3−4)において、未知数は収縮期血圧Ps、拡張期血圧Pd、スティフネスパラメーターβの3つである。そのため、式(3−1)〜(3−4)の非線形連立方程式解くことで、収縮期血圧Ps、拡張期血圧Pd、スティフネスパラメーターβを求めることができる。

0056

非線形連立方程式を解く演算処理としては、任意の数値解析手法を用いることができる。コンピューターによる数値計算に好適な反復法による求根アルゴリズムとして、ニュートン法ニュートンラフソン法などが知られており、これらのアルゴリズムを採用することも可能である。勿論、非線形最小二乗法などの他のアルゴリズムを採用することもできる。

0057

例えば一例を挙げると次のような数値計算を採用することができる。
式(3−1)の両辺から、式(3−2)の両辺それぞれを減算すると次の式(4)が得られる。

0058

同様に、式(3−3)の両辺から、式(3−4)の両辺それぞれを減算すると次の式(5)が得られる。

0059

式(4)の両辺を、式(5)の両辺それぞれで除算すると次の式(6)となる。

0060

ここで、式(6)の左辺から右辺を減算した値を誤差Erと定義する。

0061

誤差Erに、スティフネスパラメーターβの候補値を順次代入していき、誤差Erが最小になった候補値が、スティフネスパラメーターβとなる。ここで求めたスティフネスパラメーターβが第1の血管弾性指標値となり、第1の血管弾性指標値が校正されたこととなる。

0062

求めたスティフネスパラメーターβを式(4)に代入することで、拡張期血圧Pdを求めることができ、スティフネスパラメーターβと拡張期血圧Pdを式(1)に代入することで、収縮期血圧Psを求めることができる。従って、第1の血管弾性指標値の校正とあわせて、血圧を測定することも可能である。

0063

なお、未知数は3個であるため、サンプリング値は最低3つあればよい。すなわち、カフ圧Pfと血管径Dとの3以上の対応関係を用いて、血管弾性指標値であるスティフネスパラメーターβを算出することができる。

0064

また、上記の算出例では、サンプリング値を、カフ圧Pfが異なる収縮期の血管径Dとしたが、カフ圧Pfが異なる拡張期や重複切痕期の血管径Dとしてもよい。また、カフ圧Pfが同一で一心周期中の異なるサンプルタイミング(例えば、拡張期、収縮期、重複切痕期)での血管径Dをサンプリング値としてもよい。要は、式(1)に代入して解を導出可能な連立方程式が成立するサンプリング値であることが、サンプリング値の要件となる。そのため、少なくとも、カフ圧Pf、或いは、一心周期中のタイミングが異なる3以上のカフ圧Pfと血管径Dとの対応関係を用いることで、第1の血管弾性指標値であるスティフネスパラメーターβを算出することができる。

0065

また、サンプリング値は3つや4つに限らず、5つ以上でもよい。コンピューターによる数値計算では、方程式が多いほど、反復計算収束計算)による収束が早くなる。

0066

更には、サンプリング数を固定とせずに、収束計算でスティフネスパラメーターβが求められた時点で校正を終了とすることも可能である。具体的には、カフ圧Pfを徐々に印加していく過程でサンプリング値の取得と方程式の追加とを行ってスティフネスパラメーターβの暫定値を算出する反復計算を繰り返し、算出された暫定値が所定の収束条件(例えば過去の暫定値と今回の暫定値の差が一定以下となったことを収束条件とする、等)を満たしたと判断されるときに、暫定値をスティフネスパラメーターβの値と確定して、カフ圧Pfの印加を停止して校正を終了することとしてもよい。この場合、例えば、1心拍で3個のサンプリング値を取得できるのならば、カフ圧Pfを印加する直前の1心拍分のサンプリング値で得られた方程式と、少しのカフ圧Pfを印加した時の1心拍分のサンプリング値で得られた方程式との、計2心拍分のデータからスティフネスパラメーターβを算出する可能性も、理論的にはあり得る。

0067

また、図5の例では、カフ圧Pfを一定の速度で加圧していく例を示したが、ステップ状(階段状)に徐々に加圧することとしてもよい。その場合、例えば、複数拍の間、同一のカフ圧Pfとして、拍が異なる同一の特徴期(収縮期、拡張期、重複切痕期)の血管径Dを複数測定して、その平均値を、1つのサンプリング値として用いることとしてもよい。

0068

また、本原理において特徴的な点の1つは、カフ圧Pfが拡張期血圧Pdを超えない状態で、血管径Dを測定することである。カフ圧Pfが拡張期血圧Pdを超えない状態であっても、血管径Dの脈動幅が大きく変化するため、上述したスティフネスパラメーターβの算出精度の向上という作用効果が働くからである(図5参照)。コロトコフ法やオシロメトリック法は、原理的に、収縮期血圧Psを超える圧力で計測部位を加圧し、血管を閉塞して血流を途絶した上で徐々に血流を流すような加圧制御が必要となる。しかし、本実施形態の原理によれば、非加圧時に比べて血管径Dの脈動幅を大きくすることができるカフ圧Pfであればよいため、カフ圧Pfは、収縮期血圧Psは言うまでもなく、拡張期血圧Pdを超える必要すらない。

0069

より具体的には、カフ圧Pfの上限を、拡張期血圧の正常値範囲である90[mmHg]以下としても、本原理の作用効果を得ることができる。エアマッサージ器による気室圧力は最高130[mmHg]程度であるため、本原理によるカフ圧Pfは、エアマッサージ器以下の圧力であり、コロトコフ法やオシロメトリック法とは比べものにならない弱い締め付け力である。

0070

よって第1の血管弾性指標値の校正時に被検者3に与える圧迫感・重圧感は、コロトコフ法やオシロメトリック法に比べて大幅に軽減することができる。

0071

以上のように、カフ圧Pfを制御して計測部位を軽く締め付けて、その計測部位における血管5の血管径Dを超音波により経皮的に測定し、カフ圧Pfと血管径Dとの対応関係を用いて第1の血管弾性指標値であるスティフネスパラメーターβを算出・校正することができる。

0072

[第2の血管弾性指標値の算出および血圧算出の原理]
次に、第2の血管弾性指標値の算出の原理について説明する。
図1において、第1超音波センサー31および第2超音波センサー32は、走査面を平行にして所定のセンサー間距離Lp(好適には10mm〜30mm程度)だけ離して固定されており、同じ血管5の血管短軸方向断面を測定するように構成されている。

0073

粘着台座34を設ける場合について説明すると、粘着台座34は、皮膚面に着脱可能な粘着層を有しており、被検者3が身体を動かしても容易にずれたり剥がれたりしない。粘着台座34は、第1超音波センサー31と第2超音波センサー32とが血管5(本実施形態では上腕動脈)の短軸を描出できるように、且つ第1超音波センサー31が心臓側(上流側)で第2超音波センサー32が指先側(下流側)になるように、貼り付けされる。なお、粘着台座34を設けずに、圧迫帯20の内側(被検者3の皮膚に当接する側)に第1超音波センサー31および第2超音波センサー32を設ける場合も、第1超音波センサー31と第2超音波センサー32とは、センサー間距離Lpだけ離して、血管5の血管短軸方向断面を測定するような姿勢で設けられる。

0074

なお、第1超音波センサー31と第2超音波センサー32を一体の粘着台座34に搭載せずにそれぞれ別個の粘着台座34に搭載する構成としてもよい。

0075

図6に、血管5の血管長軸方向断面において、圧迫帯20に対する第1超音波センサー31および第2超音波センサー32の位置関係を模式的に示す。図6に示すように、本実施形態では、少なくとも、第1超音波センサー31が、圧迫帯20の幅方向(図6に向かって左右方向)の中心部に位置するように、第1超音波センサー31および第2超音波センサー32が配置される。これは、第1超音波センサー31が、上述した第1の血管弾性指標値の校正時に用いられるためであり、血管5のうち、圧迫帯20による締め付け力が周囲から均等かつ十分に加えられた位置の血管径を計測するためである。

0076

これに対して、第2の血管弾性指標値の算出は、非加圧で行われる。従って、第2超音波センサー32は、血管5の血管径を計測できる位置であれば、圧迫帯20に対する相対位置に制限はない。

0077

図7は、第1超音波センサー31および第2超音波センサー32による超音波計測の様子を示した断面図である。第1超音波センサー31および第2超音波センサー32は、それぞれ内蔵する発信部から数MHz〜数十MHzの超音波パルス信号やバースト信号を血管5に向けて送出し、内蔵する受信部で血管5の前壁5aおよび後壁5pそれぞれから反射波を受信する。そして、本体装置10は、前壁5aからの受信波と、後壁5pからの受信波との到達時間差から血管5の直径、すなわち第1超音波センサー31で測定した第1血管径D1と、第2超音波センサー32で測定した第2血管径D2とを算出する。超音波の送出および反射波の受信は極く短い時間間隔で連続的に行われる。このため、第1血管径D1と第2血管径D2との算出も連続的に行うことができる。この結果、血管径が時系列に変化する波形が得られる。

0078

図8は、第1血管径D1と第2血管径D2の時系列波形例であって、(1)血管径波形、(2)血管径を時間で二階微分した加速度波形、(3)拡張期の加速度波形の拡大図、に相当する。なお、波形は理解を容易にするために簡略化している。

0079

図8(1)によれば、第1血管径D1と第2血管径D2の変化から拡張期Td、収縮期Ts、重複切痕期Tnが分かる。また、第1超音波センサー31は、第2超音波センサー32よりも心臓側に配置されているため、心臓収縮に伴う圧力波は第1超音波センサー31の方が早く検知する。そのため、第1血管径D1は第2血管径D2より拡張収縮のタイミングが早い。

0080

しかし、実際の血管径の変化は図8(1)に示したように拡張期Td、収縮期Ts、重複切痕期Tnが明確に現れるとは限らない。特に、収縮期Tsのピークはその時点を明確に特定できないケースがある。

0081

そこで、本実施形態では、第2の血管弾性指標値の算出では、収縮期Tsのピークではなく、拡張期Tdおよび重複切痕期Tnのピークを検出して利用する。具体的には、第1血管径D1および第2血管径D2を逐一、時刻tで二階微分し、それぞれの径変化の加速度を求める。そして、二階微分値が所定のピーク条件(例えば基準値を超えること)を満たすピークを見つけることで、拡張期Tdおよび重複切痕期Tnを検出する。本手法によれば、拡張期Tdおよび重複切痕期Tnを確実に見つけることができる。二階微分は、所定の微分演算の一例である。

0082

なお、二階微分値を用いることは副次的に血管径測定ロバスト性を高めることになる。すなわち、第1超音波センサー31や第2超音波センサー32から送出される超音波の方向(以下「送出ライン」という)が血管5の短軸方向断面の中心を通る場合、送出ライン上に現れる血管径の変動が最も大きくなるため、血管径の変化がはっきりと波形に現れる。しかし、送出ラインが、短軸方向断面の中心からずれてしまうと血管径の変動が小さくなるため、波形がなまってしまう。微分演算を行わずに血管径波形のピークから拡張期Tdおよび重複切痕期Tnを見つける構成では、被検者3が身体を動かすことで、血管5に対する送出ラインがずれてしまい、血管径波形のピークが表出し難くなって、拡張期Tdおよび重複切痕期Tnを見つけられずに継続的な測定が途切れる可能性がある。しかし、本実施形態のように二階微分すると、送出ラインが血管5の短軸方向断面の中心を通っていない状態であっても、血管5の壁部を捉えてさえいれば加速度波形には明確なピークが表出する。つまり、被検者3の体動に対する高いロバスト性が得られる。被検者3が身体を動かしたとしても継続的な血圧測定が途切れる可能性は従来技術よりも遙かに小さくなる。

0083

微分演算として二階微分を行うこととして説明するが、一回微分を行って拡張期Tdおよび重複切痕期Tnを検出することとしてもよい。一回微分であっても、従来技術に比べて、被検者3の体動に対するロバスト性は高いものとなる。

0084

さて、第1血管径D1および第2血管径D2それぞれの二階微分値のピーク時刻t11,t12の差から脈波伝播時間差Δtが得られる。脈波伝播時間差Δtが得られたならば、この脈波伝播時間差Δtとセンサー間距離Lpとから脈波伝播速度PWVを求める。この脈波伝播速度PWVの算出を、ピーク時刻t13,t14の差についても行う。ピーク時刻t11,t12は、拡張期Tdに対応する時刻(時期)であり、ピーク時刻t13,t14は、重複切痕期Tnに対応する時刻である。拡張期Tdおよび重複切痕期Tnそれぞれの脈波伝播速度PWVである、拡張期脈波伝播速度PWVdおよび重複切痕期脈波伝播速度PWVnを算出すると、次に、「第2の血管弾性指標値算出式」に、拡張期血管径Ddおよび重複切痕期血管径Dnと、拡張期脈波伝播速度PWVdおよび重複切痕期脈波伝播速度PWVnとを代入して第2の血管弾性指標値である第2のスティフネスパラメーターβjを求める。

0085

第2の血管弾性指標値は、第1の血管弾性指標値の校正(更新)を必要とするか否かの判断指標値である。校正処理の要否判定は、例えば、第1の血管弾性指標値であるスティフネスパラメーターβ(以下、第1の血管弾性指標値であるスティフネスパラメーターβのことを適宜「第1のスティフネスパラメーターβ」という)と、第2のスティフネスパラメーターβjとの差が、所定の許容条件を満たす場合には、校正処理を不要と判定し、許容条件を満たさない場合には校正処理が必要と判定する。許容条件は、例えば、第1のスティフネスパラメーターβと、第2のスティフネスパラメーターβjとの差に対する閾値条件としてもよいし、第1のスティフネスパラメーターβと、第2のスティフネスパラメーターβjとの差を第1のスティフネスパラメーターβで割った割合に対する閾値条件としてもよい。

0086

校正処理が不要と判定された場合(図2のステップA6:NO)には、校正されていた最新の第1のスティフネスパラメーターβと、脈波伝播速度PWVとを用いて、「血圧算出式」に基づいて血圧Pを求める。

0087

では次に、本実施形態の「血圧算出式」および「第2の血管弾性指標値算出式」について説明する。
非加圧状態での血管径血圧特性は、式(1)で表されることを上述した。この式(1)を用いても血圧を算出することができるが、式(1)を用いて血圧を算出する場合には、測定された血管径Dの値がべき乗(累乗ともいう)の指数として作用するため、血管径Dの少しの測定誤差が、測定される血圧Pの値に大きく影響を及ぼしてしまう。このため、被検者3の体動に対するロバスト性に劣るため、一拍ごとの継続的な測定(常時測定)には式(1)は不向きである。

0088

さて、脈波伝播速度PWVと血管弾性との関係として、メーンズ・コルベークの式である式(8)が知られている。但し、血管の壁厚h、血管半径r、血液密度ρ、増分弾性係数Einc、とする。増分弾性係数Eincは、式(9)で表される。

0089

ここで、式(8)に式(9)を代入して整理すると式(10)が得られる。

0090

また、式(1)をDで微分して整理すると式(11)が得られる。

0091

そして、式(10)に式(11)を代入すると式(12)となり、当該式を変形することで、本実施形態の「血圧算出式」である式(13)が得られる。本実施形態の「血圧算出式」は、第1のスティフネスパラメーターβと、血管径Dと、脈波伝播速度PWVとの関係を示す式となる。






式(13)において血液密度ρの変化は極めて小さいため、定数として扱うことができる。

0092

次に、本実施形態の「第2の血管弾性指標値算出式」について説明する。
ある第1時期T1での血管径D1および脈波伝播速度PWV1と、第2時期T2での血管径D2および脈波伝播速度PWV2とを求めることができた場合に、これらの値を式(13)に代入すると、式(14)および式(15)の関係式が得られる。

0093

ここで、式(15)を式(14)で除算すると、式(16)が得られる。

0094

式(2)は、収縮期・拡張期に限定せず任意の時相で成立する。つまり、式(16)を式(2)に代入すると、式(17)が得られる。

0095

この式(17)が本実施形態の「第2の血管弾性指標値算出式」である。本実施形態の「第2の血管弾性指標値算出式」は、2つの時期における血管径Dおよび脈波伝播速度PWVから、第2のスティフネスパラメーターβjを算出できることを示している。2つの時期は任意に定めることができるが、本実施形態では、血管径波形のうち、拡張期Tdおよび重複切痕期Tnの2つの時期を用いる。すなわち、第1時期T1を拡張期Td、第2時期T2を重複切痕期Tnとして、拡張期血管径Ddおよび重複切痕期血管径Dnと、拡張期脈波伝播速度PWVdおよび重複切痕期脈波伝播速度PWVnとを「第2の血管弾性指標値算出式」に代入することで、第2の血管弾性指標値である第2のスティフネスパラメーターβjを算出することができる。勿論、第1時期T1を重複切痕期Tnとし、第2時期を拡張期Tdとしてもよい。また、重複切痕期Tn或いは拡張期Tdの代わりに、収縮期Tsとしてもよい。

0096

拡張期Tdおよび重複切痕期Tnは、同一拍内の時期として採用することができるため、1拍毎の第2のスティフネスパラメーターβjの継続的な測定(常時測定)が可能となる。すなわち、非加圧下で、第1の血管弾性指標値の校正要否を判定するためのリファレンス参照値)となる第2の血管弾性指標値を毎拍測定することができる。

0097

また、式(13)に基づき血圧を測定するため、被検者3の体動に対するロバスト性を高めることができる。すなわち、式(1)に基づいて血圧を計測する場合には、血管径Dの値がべき乗の指数となって作用する。このため、被検者3が身体を動かして血管径Dの測定に誤差が混入すると、算出される血圧値に与える影響は甚大となる。一方、本実施形態の式(13)では、血管径Dの値は、べき乗の指数として用いられておらず、またべき乗される値でもない。従って、血管径Dの測定誤差が、算出される血圧値に与える影響は、従来よりも遙かに小さくて済むため、被検者3の体動に対するロバスト性を高めることができる。

0098

機能構成の説明]
次に、本実施形態を実現するための機能構成について説明する。
図9は、本実施形態の血圧測定装置1の機能構成例を示すブロック図である。血圧測定装置1は、本体装置10と、圧迫帯20と、プローブ部30とを備える。本体装置10は、処理部100と、操作入力部200と、表示部400と、音出力部430と、通信部450と、記憶部500とを備える。

0099

圧迫帯20は、カフを有するマンシェット(或いは単にカフとも呼ばれる)であり、処理部100からの制御信号に従ってカフ圧Pfを制御する加圧部21と、カフ圧を随時計測して処理部100に出力する圧力センサー22とを備える。加圧部21によるカフ圧Pfの上限は、140[mmHg]以下、或いは、90[mmHg]以下とされる。

0100

プローブ部30は、第1超音波センサー31および第2超音波センサー32を有する。第1超音波センサー31および第2超音波センサー32は、処理部100から出力される発信制御信号に基づいて超音波測定のための超音波の発信・照射と、その反射波の受信とを行う。例えば、超音波振動素子や当該素子ドライバー回路により実現される。

0101

処理部100は、血圧測定装置1を統括制御して、被検者3の生体情報の測定に係る各種演算処理を行う。処理部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のマイクロプロセッサーや、ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、IC(Integrated Circuit)メモリーなどの電子部品によって実現される。そして、各機能部との間でデータの入出力制御を行い、所定のプログラムやデータ、操作入力部200からの操作入力信号等に基づいて各種の演算処理を実行して被検者3の生体情報(本実施形態では血管弾性指標値や血圧)を算出する。

0102

処理部100は、超音波測定制御部102と、血管径測定部104と、特徴期判定部106と、心拍判定部108と、第1の血管弾性指標値算出部112を含む校正制御部110と、脈波伝播速度測定部116と、第2の血管弾性指標値算出部122と、血圧算出部124と、校正判定部127と、表示情報生成部132と、計時部134とを有する。

0103

超音波測定制御部102は超音波測定を統合的に制御する。具体的には、第1超音波センサー31および第2超音波センサー32による超音波の発信と受信の制御、並びに反射波の受信信号増幅してデジタル信号に変換する処理等を行う。

0104

血管径測定部104は、超音波の受信信号に基づいて血管5(本実施形態では上腕動脈)の血管径を連続的に測定する。この連続的な測定によって血管径の時間変化波形が得られることになる。本実施形態では、校正処理の実行中か否かに関わらず、第1超音波センサー31の受信信号から第1血管径D1を測定するとともに、第2超音波センサー32の受信信号から第2血管径D2を測定することとする。なお、血管径の測定にあたり、受信信号から血管5の前壁5aおよび後壁5pを検出し(図2参照)、前壁5aから後壁5pまでの距離差を求めるが、これ以外の方法で血管径を測定してもよい。

0105

また、血管径測定部104が測定した血管径の時間変化波形に基づいて、特徴期判定部106が第1時期、第2時期および第3時期を判定する。本実施形態では、第1時期を拡張期Td、第2時期を重複切痕期Tn、第3時期を収縮期Tsとするが、第1〜第3時期を何れの特徴期としてもよいことは勿論である。特徴期判定部106は、第1血管径D1に対応する拡張期Td、重複切痕期Tnおよび収縮期Tsと、第2血管径D2に対応する拡張期Td、重複切痕期Tnおよび収縮期Tsとを判定する。血管径測定部104は、この特徴期判定部106によって判定された特徴期の血管径を特定する。具体的には変化する第1血管径D1のうち、拡張期Tdに対応する拡張期血管径Ddと、重複切痕期Tnに対応する重複切痕期血管径Dnと、収縮期Tsに対応する収縮期血管径Dsとを特定する。また、第2血管径D2のうち、拡張期に対応する拡張期血管径Ddと、重複切痕期に対応する重複切痕期血管径Dnと、収縮期Tsに対応する収縮期血管径Dsとを特定する。

0106

特徴期判定部106は、血管径の時間変化波形に所定の微分演算を施し、脈波の特徴期である拡張期Td、重複切痕期Tnおよび収縮期Tsを判定する。本実施形態では、二階微分を行い、二階微分値が基準以上のピークであることを示すピーク条件を満たした時点(時期)を検出することで拡張期Tdと重複切痕期Tnの特徴期を判定する。また、収縮期Tsについては、血管径の時間変化波形から周期的に表れるピーク値を検出することで判定する。

0107

心拍判定部108は、特徴期判定部106の結果から超音波測定結果における心拍の区切りを判定する。心拍数を算出する機能を含むとしてもよい。

0108

校正制御部110は、校正処理を実行するための機能部であり、血圧測定の開始時、および、校正判定部127により校正が必要と判定された場合に、校正処理を実行する。校正制御部110は、圧迫帯20のカフ圧Pfを上昇させて被検者3の計測部位を締め付け、第1の血管弾性指標値算出部112が、カフ圧Pfと血管径Dとの対応関係を用いて血管5の第1の血管弾性指標値である第1のスティフネスパラメーターβを算出することで、第1の血管弾性指標値を校正する。

0109

脈波伝播速度測定部116は、血管5における脈波伝播速度PWVを測定する。本実施形態では、拡張期Td、重複切痕期Tnおよび収縮期Tsのそれぞれについて、当該特徴期における脈波伝播時間差Δtを算出し、当該時間差Δtとセンサー間距離Lpとから脈波伝播速度PWVを求める。すなわち、拡張期脈波伝播速度PWVd、重複切痕期脈波伝播速度PWVnおよび収縮期脈波伝播速度PWVsを求める。

0110

第2の血管弾性指標値算出部122は、(1)血管径測定部104によって特定された第1血管径D1に係る拡張期血管径Ddおよび重複切痕期血管径Dnか、或いは、第2血管径D2に係る拡張期血管径Ddおよび重複切痕期血管径Dnと、(2)脈波伝播速度測定部116によって測定された拡張期脈波伝播速度PWVdおよび重複切痕期脈波伝播速度PWVnとを、式(17)に代入して、第2の血管弾性指標値である第2のスティフネスパラメーターβjの値を求める。

0111

血圧算出部124は、血管径測定部104により測定された血管径Dと、脈波伝播速度測定部116により測定された脈波伝播速度PWVと、第1の血管弾性指標値算出部112により算出された第1のスティフネスパラメーターβとを変数とする所定の演算処理を行って血圧を算出する。本実施形態では、血圧が脈波伝播速度の2乗に比例し、且つ、血管径Dの逆数に比例する式(13)による演算処理を行って血圧を算出する。

0112

より具体的には、式(13)を用いて拡張期血圧Pdと重複切痕期血圧Pnとを求めるが、拡張期血圧Pdを求める際には、血圧算出部124は、測定された拡張期血管径Dd、拡張期脈波伝播速度PWVd、第1のスティフネスパラメーターβを式(13)に代入することで拡張期血圧Pdを求める。このとき、式(13)中の血管径Dには、測定された拡張期血管径Ddの値が代入される。

0113

また、重複切痕期血圧Pnを求める際には、血圧算出部124は、測定された重複切痕期血管径Dn、重複切痕期脈波伝播速度PWVn、第1のスティフネスパラメーターβ、拡張期血管径Ddを式(13)に代入することで重複切痕期血圧Pnを求める。このとき、式(13)中の血管径Dには、測定された重複切痕期血管径Dnの値が代入される。

0114

式(13)中の血管径Dに代入する値は、第1血管径D1および第2血管径D2のどちらの値でもよい。

0115

また、血圧算出部124は、収縮期血管径Dsを式(1)に代入することで収縮期血圧Psを求める。但し、この時に用いる式(1)中の拡張期血管径Ddおよび拡張期血圧Pdは、先の式(13)に代入した拡張期血管径Ddおよび式(13)を用いて求めた拡張期血圧Pdを用いることができる。

0116

なお、式(1)中の拡張期血管径Ddおよび拡張期血圧Pdの代わりに、重複切痕期血管径Dnおよび重複切痕期血圧Pnを用いてもよい。

0117

また、別の方法を用いて収縮期血圧Psを求めてもよい。例えば、拡張期血圧Pdと重複切痕期血圧Pnとを用いた所定の収縮期血圧推定演算を行って収縮期血圧Psを算出する。具体的には重複切痕期血圧Pnを平均動脈圧とみなして、拡張期血圧Pdと重複切痕期血圧Pnとから収縮期血圧Psを求める。

0118

校正判定部127は、第1の血管弾性指標値の校正が必要か否かを判定する機能部である。本実施形態では、第1の血管弾性指標値である第1のスティフネスパラメーターβと、毎拍算出される第2の血管弾性指標値である第2のスティフネスパラメーターβjとを比較して、校正の要否を判定することとする。比較方法は、第1のスティフネスパラメーターβと、第2のスティフネスパラメーターβjとの差に基づく許容条件(閾値条件)を満たすか否かで判定する方法や、第1のスティフネスパラメーターβと、第2のスティフネスパラメーターβjとの差を、第1のスティフネスパラメーターβで割った割合に基づく許容条件(閾値条件)を満たすか否かで判定する方法を採用することができる。

0119

なお、別の方法として、血圧算出部124で算出された血圧の履歴に基づいて、血圧が大きく変化したか否かで校正の要否を判定することとしてもよい。

0120

表示情報生成部132は、血圧測定に必要な各種操作画面や測定結果を表示するための画像を生成し表示部400へ出力する。表示部400は、表示情報生成部132からの画像データを表示する装置である。

0121

計時部134は、測定時刻の計時を行う。計時方法は適宜選択可能であるが、例えばシステムクロックを利用することができる。

0122

操作入力部200は、ユーザーによる各種操作入力を受け付け、操作入力に応じた操作入力信号を処理部100へ出力する。操作入力部200は、ボタンスイッチやレバースイッチダイヤルスイッチトラックパッドマウスタッチパネルなどにより構成される。

0123

音出力部430は、処理部100から出力される音声信号に基づく音を放音する装置であり、スピーカーである。血圧が所定の異常値に達した場合などに報知音を発生させることとすると好適である。

0124

通信部450は、血圧測定装置1の外部装置と通信を行うための通信機である。通信は、有線であっても無線であっても構わない。各種の測定データを外部装置へ送信することができる。

0125

記憶部500は、ICメモリーやハードディスク光学ディスクなどの記憶媒体により実現され、各種プログラムや、処理部100の演算過程のデータなどの各種データを記憶する。なお、処理部100と記憶部500とを別体とし、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信回線を介して通信接続する構成で実現しても良い。例えばその場合、記憶部500は、インターネットに接続されたサーバー記憶装置として実現することも可能である。

0126

そして、記憶部500は、血圧測定プログラム510と、血管径ログデータ520と、加圧時カフ圧ログデータ530と、中間データ540と、第1の血管弾性指標値561と、第2の血管弾性指標値562と、血圧ログデータ570とを記憶する。勿論、これら以外にも、各種判定用のフラグや、計時用カウンター値などを適宜記憶することができる。

0127

血圧測定プログラム510は、処理部100が実行することにより、超音波測定制御部102、血管径測定部104、特徴期判定部106、心拍判定部108、第1の血管弾性指標値算出部112を有する校正制御部110、脈波伝播速度測定部116、第2の血管弾性指標値算出部122、血圧算出部124、校正判定部127、表示情報生成部132、計時部134等の機能を実現する。なお、これらの機能部の何れかを電子回路などのハードウェアで実現することも可能である。

0128

また、血圧測定プログラム510には、サブルーチンプログラムとして、第1の血管弾性指標値を測定する第1の血管弾性指標値測定処理(校正処理ともいえる)を実現するための第1の血管弾性指標値測定プログラム512と、第2の血管弾性指標値を測定する第2の血管弾性指標値測定処理を実現するための第2の血管弾性指標値測定プログラム514と、が含まれる。

0129

血管径ログデータ520は、測定開始から終了まで、極く短い時間間隔で連続的に行われるプローブ部30による超音波の送出および反射波の受信によって得られた血管5の血管径に係る各種データを格納する。具体的には、図10に示すように、超音波測定周期毎の測定時刻521と対応づけて、当該時刻における拍動を識別するための拍動番号522(例えば、測定開始から何回目の拍動であるかを示す値)と、その時に測定された第1血管径523および第2血管径524と、第1血管径二階微分値525と、第2血管径二階微分値526とを格納する。勿論、これら以外のデータも適宜格納することができる。図10においては、測定時刻521が「t001」「t002」「t003」「t004」と徐々に経過しているが、拍動番号522が何れも「1」となっているため、同一の拍動に係るデータであることを示している。第1血管径523および第2血管径524を時系列に見ることで、血管径の時間変化波形が得られる。また、「t001」と「t002」において、第1血管径二階微分値525と第2血管径二階微分値526とが“NULL”となっているのは、時刻「t001」よりも前にデータがなく、二階微分値の算出に必要なデータが得られていないためである。

0130

拍動番号522は、心拍判定部108による心拍の判定に基づいて格納され、第1血管径523および第2血管径524は、血管径測定部104の測定結果が格納される。第1血管径二階微分値525および第2血管径二階微分値526は、特徴期判定部106が特徴期を判定する際に算出される値である。

0131

加圧時カフ圧ログデータ530は、校正制御部110による校正処理(第1の血管弾性指標値測定処理)において、圧迫帯20のカフ圧Pfが制御された際に圧力センサー22によって検出されたカフ圧Pfのデータを格納する。具体的には、図11に示すように、血管径ログデータ520の測定時刻521(図10参照)に対応する測定時刻531と対応づけて、当該時刻における拍動番号532(血管径ログデータ520の拍動番号522に対応)と、その時のカフ圧Pfとを格納する。

0132

中間データ540は、特徴期判定部106により判定された特徴期に係るデータを格納する。具体的には、図12に示すように、血管径ログデータ520の拍動番号522に対応する拍動番号541と対応付けて、当該拍動における第1血管径D1に係る拡張期血管径551a、重複切痕期血管径551bおよび収縮期血管径551cと、第2血管径D2に係る拡張期血管径552a、重複切痕期血管径552bおよび収縮期血管径552cと、拡張期脈波伝播速度553a、重複切痕期脈波伝播速度553bおよび収縮期脈波伝播速度553cとを格納する。

0133

第1血管径D1に係る拡張期血管径551a、重複切痕期血管径551bおよび収縮期血管径551cと、第2血管径D2に係る拡張期血管径552a、重複切痕期血管径552bおよび収縮期血管径552cとは、血管径測定部104によって特定された特徴期の血管径が格納される。拡張期脈波伝播速度553a、重複切痕期脈波伝播速度553bおよび収縮期脈波伝播速度553cは、脈波伝播速度測定部116によって算出された脈波伝播速度が格納される。

0134

第1の血管弾性指標値561は、第1の血管弾性指標値算出部112によって算出された最新の第1の血管弾性指標値(本実施形態ではスティフネスパラメーターβの値)を格納する。第1の血管弾性指標値561は、校正処理を実行する毎に更新される。

0135

第2の血管弾性指標値562は、第2の血管弾性指標値算出部122によって算出された最新の第2の血管弾性指標値(本実施形態は第2のスティフネスパラメーターβjの値)を格納する。第2の血管弾性指標値562は、毎拍更新される。

0136

なお、第1の血管弾性指標値561および第2の血管弾性指標値562を、拍動番号(血管径ログデータ520の拍動番号522に対応)と対応付けて履歴的に記録するログデータを更に記憶部500に記憶させることとしてもよい。

0137

血圧ログデータ570は、図13に示すように、血圧算出部124によって算出された拡張期血圧572、収縮期血圧573、重複切痕期血圧574を、血管径ログデータ520の拍動番号522に対応する拍動番号571と対応付けて格納する。すなわち、一拍ごとの血圧が格納される。

0138

[処理の流れの説明]
次に、血圧測定装置1の動作について説明する。
図14は、本実施形態における血圧測定装置1における主たる処理の流れを説明するためのフローチャートであり、血圧測定プログラム510を実行することで実現される処理の流れを示す。なお、圧迫帯20やプローブ部30は予め被検者3の所定位置に設置されているものとする。

0139

まず、処理部100は、プローブ部30を用いた超音波測定を開始し、血管径Dの測定および記録を開始する(ステップS2)。また、血管径Dの二階微分値の算出および記録を開始する(ステップS4)。ステップS2,S4により、血管径ログデータ520へデータが格納されていく。

0140

また、処理部100は、血管径ログデータ520に基づいて第1血管径D1および第2血管径D2の特徴期を判定する処理を開始し(ステップS6)、第1血管径D1および第2血管径D2それぞれについて、血管径Dの変動に基づいて心拍の区切りを判定する心拍の判定を開始する(ステップS8)。判定した心拍の識別情報は、測定開始からの心拍の番号として、血管径ログデータ520の拍動番号522に格納されていく。また、特徴期それぞれの第1血管径D1および第2血管径D2は、中間データ540に格納されていく。

0141

次いで、処理部100は、校正処理である第1の血管弾性指標値測定処理を実行する(ステップS12〜S16)。すなわち、加圧部21にカフ圧Pfを上昇させるカフ圧制御を開始し(ステップS12)、圧力センサー22から得られるカフ圧Pfを加圧時カフ圧ログデータ530に格納していく。そして、第1の血管弾性指標値を算出するために必要なデータを得るとカフ圧制御を終了して(ステップS14)、非加圧に戻す。そして、加圧時カフ圧ログデータ530と血管径ログデータ520とを参照して、同じ測定時刻のカフ圧Pfと第1血管径D1との対応関係を用いて、第1の血管弾性指標値であるスティフネスパラメーターβを算出する(ステップS16)。算出されたスティフネスパラメーターβの値は、第1の血管弾性指標値561に更新・格納される。

0142

次に、処理部100は、第1の血管弾性指標値の校正が必要か否かを判定するための第2の血管弾性指標値を測定する処理を実行する(ステップS22〜S26)。すなわち、処理部100は、第1血管径D1に係る拡張期と、第2血管径D2に係る拡張期との時間差すなわち拡張期脈波伝播時間Δtdを求め、この拡張期脈波伝播時間Δtdと、予め分かっているセンサー間距離Lpとから拡張期脈波伝播速度PWVdを算出する(ステップS22)。

0143

また、処理部100は、第1血管径D1に係る重複切痕期と、第2血管径D2に係る重複切痕期との時間差すなわち重複切痕期脈波伝播時間Δtnを求め、この重複切痕期脈波伝播時間Δtnと、予め分かっているセンサー間距離Lpとから重複切痕期脈波伝播速度PWVnを算出する(ステップS22)。これら算出した脈波伝播速度は、中間データ540に格納される。

0144

次に、処理部100は、同一の拍動番号に係る、拡張期血管径Ddおよび重複切痕期血管径Dn(第1血管径D1の血管径でも、第2血管径D2の血管径でもよい)と、拡張期脈波伝播速度PWVdおよび重複切痕期脈波伝播速度PWVnとを用いて、式(17)から、第2の血管弾性指標値である第2のスティフネスパラメーターβjの値を算出する(ステップS26)。算出された第2のスティフネスパラメーターβjの値は、第2の血管弾性指標値562に更新・格納される。

0145

そして、処理部100は、第1の血管弾性指標値561と、第2の血管弾性指標値562とを比較して、校正が必要か否かを判定する(ステップS32)。校正が必要と判定された場合には(ステップS32:YES)、ステップS12に移行して再度、第1の血管弾性指標値561を測定し直す。

0146

また、校正が不要と判定された場合には(ステップS32:NO)、処理部100は、血圧算出処理を行う(ステップS40)。

0147

図15は、本実施形態における血圧算出処理の流れを説明するためのフローチャートである。
処理部100は、第1の血管弾性指標値561である第1のスティフネスパラメーターβと、血圧測定の対象の拍(拍動番号)における拡張期血管径Ddおよび拡張期脈波伝播速度PWVdを用いて、式(13)から、拡張期血圧Pdを算出する(ステップS42)。なお、式(13)の血圧算出式の変数である血管径Dには、拡張期血管径Ddが代入される。

0148

また、処理部100は、第1の血管弾性指標値561である第1のスティフネスパラメーターβと、血圧測定の対象の拍(拍動番号)における拡張期血管径Dd、重複切痕期血管径Dn、および重複切痕期脈波伝播速度PWVnとを用いて、式(13)から、重複切痕期血圧Pnを算出する(ステップS44)。なお、式(13)の血圧算出式の変数である血管径Dには、重複切痕期血管径Dnが代入される。

0149

また、処理部100は、収縮期血圧Psを算出する(ステップS46)。収縮期血圧Psの算出は、例えば、血管径ログデータ520に基づいて、現在測定対象となっている拍動番号522のデータの中から収縮期を判定して収縮期血管径Dsを特定し、この収縮期血管径Dsを式(1)に代入することで収縮期血圧Psを求めることができる。或いは、ステップS44で求めた重複切痕期血圧Pnを平均動脈圧とみなして、この重複切痕期血圧Pnと、ステップS42で求めた拡張期血圧Pdとから収縮期血圧Psを求めることとしてもよい。

0150

処理部100は、ステップS42〜S46で求めた拡張期血圧Pd、重複切痕期血圧Pn、収縮期血圧Psを血圧ログデータ570に記憶するとともに、表示部400に表示させる(ステップS48)。この時、心拍数や血管径、第1の血管弾性指標値などの情報も一緒に表示させてもよい。また、重複切痕期血圧Pnの表示は省略するとしてもよい。

0151

図14に戻り、処理部100は、血圧測定を終了するまで、ステップS22〜S40の処理を、心拍ごとに繰り返し実行する。

0152

以上、本実施形態によれば、圧迫帯20のカフ圧Pfにより計測部位が締め付けられ、プローブ部30によって経皮的に測定された血管径Dと、カフ圧Pfとの対応関係を用いて第1の血管弾性指標値が測定されて校正される。しかし、このカフ圧Pfは、収縮期血圧の正常値範囲の上限値である140[mmHg]を超えることはないのは勿論のこと、拡張期血圧の正常値範囲である90[mmHg]を超える圧力とする必要もない。したがって、第1の血管弾性指標値の校正時に被検者3に与える圧迫感・重圧感は、コロトコフ法やオシロメトリック法に比べて大幅に軽減することができる。

0153

また、カフ圧による締め付けにより、拍動に伴う血管径の変動幅が大きくなるため、血管弾性指標値の測定精度を向上させることができる。よって、圧迫感を軽減した高精度な血管弾性指標値の測定を実現することができる。

0154

なお、本発明を適用可能な形態は上述した実施形態に限るものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。

0155

(A)
例えば、血圧測定装置1は、血管弾性指標値測定装置でもあるとして説明したが、血圧まで測定せずに、血管弾性指標値を測定する専用装置として構成することもできる。その場合には、図9の機能構成図における血圧算出部124の機能を削除すればよい。

0156

(B)
脈波伝播速度PWVは、血流速度Vの10倍程度と言われるが、測定対象とする血管の違いや測定位置、血管の弾性の程度によって、脈波伝播速度PWVに血流速度Vの影響が及ぶ可能性がある。すなわち、上述した実施形態の「血圧算出式」である式(13)や、「第2の血管弾性指標値算出式」である式(17)で用いる脈波伝播速度PWVに血流速度Vが影響している場合がある。

0157

そこで、脈波伝播速度PWVの代わりに、脈波伝播速度PWVから血流速度Vを差し引いた速度を用いて「血圧算出式」を定義した式(18)や、「第2の血管弾性指標値算出式」を定義した式(19)を採用した方が良い場合があることが分かった。つまり、ある第1時期T1での血管径D1および脈波伝播速度PWV1および血流速度V1と、第2時期T2での血管径D2および脈波伝播速度PWV2および血流速度V2とを求めることができた場合に、これらの値を式(19)に代入すると、第2の血管弾性指標値である第2のスティフネスパラメーターβjを算出することができる。

0158

この場合の変形例について、図16図20を参照して説明する。上述した実施形態と同じ構成箇所、同じ処理ステップには同じ符号を付している。
図16は、本変形例におけるプローブ部300の構成例を示す図である。図7に対応する図として示している。プローブ部300は、第1超音波センサー31と第2超音波センサー32との間に、血管5に流れる血液の血流速度Vを測定するための第3超音波センサー33を備える。血流速度Vの測定は、例えば、超音波ドップラー法を用いることで実現できる。

0159

図17は、本変形例における血圧測定装置2の機能構成例を示すブロック図である。本体装置12は、処理部100に、血流速度測定部118を更に備えた構成を有する。血圧測定装置2において、超音波測定制御部102は、第1超音波センサー31および第2超音波センサー32に加え、第3超音波センサー33による超音波の発信と受信とを制御する。血流速度測定部118は、この超音波測定制御部102の制御によって第3超音波センサー33から送信された超音波の周波数および受信された超音波の周波数に基づき、超音波ドップラー法により血流速度Vを測定する。血流速度Vの測定は、血管径の測定時刻521(図10参照)と同じタイミングで行われ、測定時刻毎の血流速度Vとして、血流速度ログデータ542に記憶される。

0160

また、特徴期判定部106により判定された特徴期に係る血流速度Vが、血流速度ログデータ542から選択されて、中間データ543に記憶される。図18は、中間データ543のデータ構成の一例を示す図である。上述した実施形態の中間データ543(図12参照)のデータ構成に加えて、特徴期の一例である拡張期、重複切痕期および収縮期の血流速度Vとして、拡張期血流速度544a、重複切痕期血流速度544bおよび収縮期血流速度554cが、拍動番号541に対応付けて各拍動毎に中間データ543に格納される。

0161

図19は、血圧測定装置2が実行する主たる処理の流れを説明するためのフローチャートである。図14に示したフローチャートのステップS2に代えて、血管径および血流速度Vの測定と記録を開始している(ステップS3)。

0162

また、ステップS26の第2の血管弾性指標値の算出においては、式(19)を用いて血管弾性指標値を算出する。すなわち、拡張期脈波伝播速度PWVdの代わりに、拡張期脈波伝播速度PWVdから拡張期血流速度Vdを差し引いた速度を用い、重複切痕期脈波伝播速度PWVnの代わりに、重複切痕期脈波伝播速度PWVnから重複切痕期血流速度Vnを差し引いた速度を用いて第2の血管弾性指標値である第2のスティフネスパラメーターβjを算出する(ステップS26)。このようにすることで、第2の血管弾性指標値の算出に当たり、脈波伝播速度に血流速度が影響している場合にその影響を低減させることができる。

0163

図20は、血圧測定装置2が実行する血圧算出処理の流れを説明するためのフローチャートである。図15に示したフローチャートのステップS42,S44をそれぞれステップS43,S45に置き換えている。
すなわち、ステップS43では、第1のスティフネスパラメーターβと、血圧測定の対象の拍(拍動番号)における拡張期血管径Ddおよび拡張期脈波伝播速度PWVdから拡張期血流速度Vdを差し引いた速度とを用いて、拡張期血圧Pdを算出する(ステップS43)。このときに用いる算出式は、式(18)である。

0164

また、ステップS45では、第1のスティフネスパラメーターβと、血圧測定の対象の拍(拍動番号)における拡張期血管径Dd、重複切痕期血管径Dn、および重複切痕期脈波伝播速度PWVnから重複切痕期血流速度Vnを差し引いた速度とを用いて、重複切痕期血圧Pnを算出する(ステップS45)。このときに用いる算出式も、式(18)である。

0165

式(18)は、言うなれば、脈波伝播速度PWVから血流速度Vを差し引いた速度の2乗に比例し、且つ、血管径Dの逆数に比例する所定の演算処理を行って血圧を算出する式である。このようにすることで、血圧の算出に当たり、脈波伝播速度に血流速度が影響している場合のその影響を低減させることができる。

0166

3…被検者、5…血管、1…血圧測定装置、10…本体装置、20…圧迫帯、30…プローブ部、31…第1超音波センサー、32…第2超音波センサー、100…処理部、102…超音波測定制御部、104…血管径測定部、106…特徴期判定部、108…心拍判定部、110…校正制御部、112…第1の血管弾性指標値算出部、116…脈波伝播速度測定部、122…第2の血管弾性指標値算出部、124…血圧算出部、127…校正判定部

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