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課題

解決手段

人工AAVキャプシドがAAVクレードA以外のクレードに由来する別の親AAVからのAAVキャプシド配列が隣接するAAV1、AAV6、hu48R3及びhu44R2から選択されるAAVクレードAキャプシドの可変ループ領域IVおよび可変ループ領域Vにおよぶアミノ酸フラグメントから誘導される異種コンダクティング気道ターゲッティングペプチドを含み、かつ、特定のアミノ酸配列を持つ気道ターゲッティングペプチドを含み、発現カセットが少なくとも1つのAAV逆方向末端反復配列及びコンダクティング気道細胞における異種遺伝子発現を可能にする調節配列に機能するように連結された異種遺伝子を含む、AAVベクター

概要

背景

パルボウイルス科メンバーアデノ随伴ウイルス(AAV)は、4.7キロベースkb)〜6kbの一本鎖線状DNAゲノムを有する小型非エンベロープ二十面体ウイルスである。AAVは、精製されたアデノウイルスストックにおける混入物質として発見されたので、該ウイルスはディペンドウイルス属に割り当てられる。AAVの生活環には、感染後に、AAVゲノムが宿主ゲノムに組込まれる潜伏期およびアデノウイルスもしくは単純ヘルペスウイルス感染のいずれかの後に、組込まれたAAVゲノムが次にレスキューされ、複製され、そして感染性ウイルスパッケージングされる感染期包含される。非病原性非分裂細胞を包含する感染性の広範な宿主範囲および組換えの特性は、AAVを魅力的送達媒体にする。

AAVのキャプシドは、T=1正二十面体対称で配置される、1:1:10の予測比における、60コピー(合計)の3つのウイルスタンパク質(VP)、VP1、VP2およびVP3を含有する[非特許文献1]。3つのVPは同じmRNAから翻訳され、VP1はそのC末端領域の全VP2配列に加えてユニークN末端ドメインを含有する[非特許文献1、上記に引用]。VP2は、そのC末端のVP3に加えて追加のN末端配列を含有する。AAV2[非特許文献2]およびAAV4[非特許文献3]キャプシドのX線結晶構造、ならびにパルボウイルスキャプシドについて決定される全ての他の構造において、AAVキャプシドタンパク質におけるC末端ポリペプチド配列(〜530アミノ酸)のみが認められる。VP1のN末端ユニーク領域、VP1−VP2重複領域およびVP3の最初の14〜16のN末端残基は不規則である[非特許文献3および非特許文献2、上記に引用]。低温電子顕微鏡検査および画像再構成データは、完全なAAVキャプシドにおいて、VP1およびVP2タンパク質のN末端領域はキャプシドの内部に位置し[非特許文献4;非特許文献2、上記に引用]、そして受容体および抗体結合に利用できない[非特許文献5]ことを示唆する。従って、受容体結合および形質導入表現型は、VP1〜VP3の共通のC末端ドメイン内のアミノ酸配列により決定されると考えられる[非特許文献1、上記に引用]。VP1ユニーク領域は、核ターゲッティングのための核局在化配列を含有することに加えて、受容体結合後の核への輸送中のエンドソーム脱出に必要とされる機能性ホスホリパーゼA酵素を保有することが示されている[非特許文献6;非特許文献7]。

長年、異なる配列の6つのAAVのみが当該技術分野において既知であり、大部分は培養下のアデノウイルス調製物の混入物質として単離されている。最近になって、組織から得られる異なる配列の多数のAAVが研究者等により記述されており[非特許文献8;特許文献1]、そしてこれらのAAVは異なる血清型およびクレードに特性化されている[非特許文献9;特許文献2]。異なるAAVは異なるトランスフェクション効率を示し、そしてまた異なる細胞もしくは組織に対する親和性も示すことが報告されている。

アデノ随伴ウイルス血清型6(AAV6)は、マウスコンダクティング(conducting)気道上皮およびヒト気道上皮(HAE)細胞培養物の両方に効率良く形質導入することができる。非特許文献10。また、非特許文献11(AAV2/6、AAV
2/3およびAAV2の様々な偽型を比較する)および非特許文献12(AAV6、AAV2、AAV3およびAAV4からの感染性クローンを比較する)も参照。多数の新規AAV配列に基づくベクター形質導入効率はまた、インビボでマウス気道上皮、そしてインビトロでヒト繊毛気道上皮においても評価されている。[非特許文献13]。3つのベクターはマウス肺において効率の良い形質導入を示したが、マウスにおいて認められる高い形質導入はベクターの2つのみについてヒト細胞において再現可能であった。

インビボでの罹患気道上皮への治療遺伝子送達は、嚢胞性線維症(CF)気道疾患α−1−抗トリプシン(AAT)欠乏症慢性閉塞性肺疾患および肺高血圧症を包含する様々な肺疾患遺伝子治療の有望な選択肢である。[非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16]。しかしながら、現在、安全で且つ有効な治療ベクターは解明されないままである。

概要

異種コンダクティング気道ターゲッティング配列を含んでなる人工アデノ随伴ウイルス(AAV)キャプシドの提供。人工AAVキャプシドがAAVクレードA以外のクレードに由来する別の親AAVからのAAVキャプシド配列が隣接するAAV1、AAV6、hu48R3及びhu44R2から選択されるAAVクレードAキャプシドの可変ループ領域IVおよび可変ループ領域Vにおよぶアミノ酸フラグメントから誘導される異種コンダクティング気道ターゲッティングペプチドを含み、かつ、特定のアミノ酸配列を持つ気道ターゲッティングペプチドを含み、発現カセットが少なくとも1つのAAV逆方向末端反復配列及びコンダクティング気道細胞における異種遺伝子発現を可能にする調節配列に機能するように連結された異種遺伝子を含む、AAVベクター。なし

目的

本発明は、他の非肺細胞よりもむしろ、肺のコンダクティング気道細胞ならびに肺胞上皮細胞優先的に標的とするようにAAVキャプシドの改変を可能にする単離されたペプチドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

別のAAVからのAAVキャプシド配列が隣接するAAV1、AAV6、hu48R3およびhu44R2から選択されるAAVクレードキャプシド可変ループ領域IVおよびVにおよぶアミノ酸フラグメント由来の異種コンダクティング気道ターゲッティングペプチドを含んでなる人工AAVキャプシド。

請求項2

可変ループ領域IVおよびVが異種キャプシド配列の対応する可変ループ領域の天然の位置にあり、これらの対応する可変ループ領域が機能的に欠失している請求項1に記載の人工AAVキャプシド。

請求項3

人工AAVキャプシドがAAV6可変ループ領域のアミノ酸配列カルボキシおよび/もしくはアミノ末端に隣接する任意のスペーサーをさらに含んでなる請求項1に記載の人工AAVキャプシド。

請求項4

任意のスペーサーが1〜5個のアミノ酸を含んでなる請求項3に記載の人工AAVキャプシド。

請求項5

異種コンダクティング気道ターゲッティングペプチドが、AAVクレードAキャプシドの全長可変ループ領域IVおよびV、AAVクレードAキャプシドの領域IVのアミノ末端に隣接する領域からの少なくとも1〜12個のアミノ酸ならびにAAVクレードAキャプシドの領域Vのカルボキシ末端に隣接する領域からの少なくとも1〜12個のアミノ酸からなる請求項1に記載の人工AAVキャプシド。

請求項6

AAVキャプシド配列が単一のAAVにより提供される請求項1に記載の人工AAVキャプシド。

請求項7

単一のAAVがAAV9、AAV5、AAV2、AAV8およびAAVrh32.33よりなる群の中から選択される請求項1に記載の人工AAVキャプシド。

請求項8

人工AAVキャプシドがその中にパッケージングされた機能性AAV配列を有さない請求項1に記載の人工AAVキャプシド。

請求項9

人工AAVキャプシドがその中にパッケージングされた機能性配列を有さない請求項1に記載の人工AAVキャプシド。

請求項10

異種コンダクティング気道ターゲッティングペプチドが配列番号4:NRTQNQSGSAQNKDLLFSRGSPAGSVPKNW−LPGPCYRQRVSKTKTDNNNSNFTWTASKNLNGRESIINPGのアミノ酸配列を有する請求項1に記載の人工AAVキャプシド。

請求項11

キャプシドが:(a)AAV9キャプシド配列が隣接するAAV6(配列番号:1)の約アミノ酸447〜約472ないし(through)約アミノ酸489〜約510からなるAAV6キャプシドのフラグメント;(b)AAV6(配列番号:1)の約アミノ酸447〜約アミノ酸469;AAV6(配列番号:1)の約アミノ酸447〜約アミノ酸476;AAV6(配列番号:1)の約アミノ酸487〜約アミノ酸510を含んでなるIV〜Vからなる可変ループにおよぶ領域内のAAV6キャプシドの少なくとも1つのフラグメントを含んでなる請求項1に記載の人工AAVキャプシド

請求項12

AAV1、AAV6、hu44R2およびhu48R3から選択されるAAVクレードAキャプシドの可変ループ領域IVおよびV由来の異種コンダクティング気道ターゲッティングペプチドを含んでなる人工AAVキャプシド、およびキャプシドにパッケージングされた発現カセットを含んでなり、ここで、該発現カセットが少なくとも1つのAAV逆方向末端反復配列およびコンダクティング気道細胞における異種遺伝子発現を可能にする調節配列に操作可能に連結された異種遺伝子を含んでなるAAVベクター

請求項13

人工AAVキャプシドがAAV6可変ループ領域のアミノ酸配列のカルボキシおよび/もしくはアミノ末端に隣接する任意のスペーサーをさらに含んでなる請求項12に記載のAAVベクター。

請求項14

任意のスペーサーが1〜5個のアミノ酸を含んでなる請求項13に記載のAAVベクター。

請求項15

異種コンダクティング気道ターゲッティングペプチドがAAVクレードAキャプシドの全長可変ループ領域IVおよびV、AAVクレードAキャプシドの領域IVのアミノ末端に隣接する領域からの少なくとも1〜12個のアミノ酸ならびにAAVクレードAキャプシドの領域Vのカルボキシ末端に隣接する領域からの少なくとも1〜12個のアミノ酸からなる請求項12に記載のAAVベクター。

請求項16

異種遺伝子が疱性線維症の症状を処置するかもしくは改善するために有用な産物をコードする請求項12に記載のAAVベクター。

請求項17

異種遺伝子が機能性嚢疱性線維症膜貫通調節因子(CFTR)配列、アルファ−1抗トリプシン(A1AT)、サーファクタントタンパク質C(SPC)およびサーファクタントタンパク質D(SPD)よりなる群から選択される産物をコードする請求項12に記載のAAVベクター。

請求項18

気道ターゲッティングペプチドが:(a)AAV9キャプシド配列が隣接するAAV6(配列番号:1)の約アミノ酸447〜約472ないし約アミノ酸489〜約510からなるAAV6キャプシドのフラグメント;(b)AAV6(配列番号:1)の約アミノ酸447〜約アミノ酸469;AAV6(配列番号:1)の約アミノ酸447〜約アミノ酸476;AAV6(配列番号:1)の約アミノ酸487〜約アミノ酸510を含んでなるIV〜Vからなる可変ループにおよぶ領域内のAAV6キャプシドの少なくとも1つのフラグメント;(c)AAV6、配列番号:1の約アミノ酸447〜約アミノ酸521からなるAAV6キャプシドのフラグメントを含んでなる請求項12に記載のAAVベクター。

請求項19

コンダクティング気道上皮への送達のための部分に連結された請求項1に記載の人工AAVキャプシドを含んでなる気道ターゲッティング分子

請求項20

薬剤の製造における請求項19に記載の気道ターゲッティング分子の使用。

請求項21

請求項12に記載のAAVベクターおよび生理学的に適合する担体を含んでなる製薬学的組成物

請求項22

鼻腔内、経口もしくは気管内送達用に調合される請求項21に記載の組成物

請求項23

該方法がAAV1、AAV6、hu44R2およびhu48R3から選択されるAAVクレードAキャプシドの可変ループ領域IVおよびV由来の異種コンダクティング気道ターゲッティングペプチドをAAVに提供する工程を含んでなる、選択したAAVベクターの特異性をそれがコンダクティング気道細胞を標的とするように改変する方法。

請求項24

選択したクレードAAAVの可変ループ領域IVおよびVを含んでなる天然のAAVキャプシド領域が除去される請求項23に記載の方法。

請求項25

該方法が請求項12〜18のいずれかに記載のAAVベクターと細胞を接触させる工程を含んでなる、非肺細胞よりもむしろコンダクティング気道細胞を優先的に標的とする方法。

請求項27

薬剤の製造における請求項26に記載のAAVベクターの使用。

技術分野

0001

連邦支援の研究もしくは開発に関する記述
本研究は、国立衛生研究所からの財政支援、P01−HL051746により一部行われた。米国政府は、本発明におけるある種の権利を有し得る。

背景技術

0002

パルボウイルス科メンバーアデノ随伴ウイルス(AAV)は、4.7キロベースkb)〜6kbの一本鎖線状DNAゲノムを有する小型非エンベロープ二十面体ウイルスである。AAVは、精製されたアデノウイルスストックにおける混入物質として発見されたので、該ウイルスはディペンドウイルス属に割り当てられる。AAVの生活環には、感染後に、AAVゲノムが宿主ゲノムに組込まれる潜伏期およびアデノウイルスもしくは単純ヘルペスウイルス感染のいずれかの後に、組込まれたAAVゲノムが次にレスキューされ、複製され、そして感染性ウイルスパッケージングされる感染期包含される。非病原性非分裂細胞を包含する感染性の広範な宿主範囲および組換えの特性は、AAVを魅力的送達媒体にする。

0003

AAVのキャプシドは、T=1正二十面体対称で配置される、1:1:10の予測比における、60コピー(合計)の3つのウイルスタンパク質(VP)、VP1、VP2およびVP3を含有する[非特許文献1]。3つのVPは同じmRNAから翻訳され、VP1はそのC末端領域の全VP2配列に加えてユニークN末端ドメインを含有する[非特許文献1、上記に引用]。VP2は、そのC末端のVP3に加えて追加のN末端配列を含有する。AAV2[非特許文献2]およびAAV4[非特許文献3]キャプシドのX線結晶構造、ならびにパルボウイルスキャプシドについて決定される全ての他の構造において、AAVキャプシドタンパク質におけるC末端ポリペプチド配列(〜530アミノ酸)のみが認められる。VP1のN末端ユニーク領域、VP1−VP2重複領域およびVP3の最初の14〜16のN末端残基は不規則である[非特許文献3および非特許文献2、上記に引用]。低温電子顕微鏡検査および画像再構成データは、完全なAAVキャプシドにおいて、VP1およびVP2タンパク質のN末端領域はキャプシドの内部に位置し[非特許文献4;非特許文献2、上記に引用]、そして受容体および抗体結合に利用できない[非特許文献5]ことを示唆する。従って、受容体結合および形質導入表現型は、VP1〜VP3の共通のC末端ドメイン内のアミノ酸配列により決定されると考えられる[非特許文献1、上記に引用]。VP1ユニーク領域は、核ターゲッティングのための核局在化配列を含有することに加えて、受容体結合後の核への輸送中のエンドソーム脱出に必要とされる機能性ホスホリパーゼA酵素を保有することが示されている[非特許文献6;非特許文献7]。

0004

長年、異なる配列の6つのAAVのみが当該技術分野において既知であり、大部分は培養下のアデノウイルス調製物の混入物質として単離されている。最近になって、組織から得られる異なる配列の多数のAAVが研究者等により記述されており[非特許文献8;特許文献1]、そしてこれらのAAVは異なる血清型およびクレードに特性化されている[非特許文献9;特許文献2]。異なるAAVは異なるトランスフェクション効率を示し、そしてまた異なる細胞もしくは組織に対する親和性も示すことが報告されている。

0005

アデノ随伴ウイルス血清型6(AAV6)は、マウスコンダクティング(conducting)気道上皮およびヒト気道上皮(HAE)細胞培養物の両方に効率良く形質導入することができる。非特許文献10。また、非特許文献11(AAV2/6、AAV
2/3およびAAV2の様々な偽型を比較する)および非特許文献12(AAV6、AAV2、AAV3およびAAV4からの感染性クローンを比較する)も参照。多数の新規AAV配列に基づくベクター形質導入効率はまた、インビボでマウス気道上皮、そしてインビトロでヒト繊毛気道上皮においても評価されている。[非特許文献13]。3つのベクターはマウス肺において効率の良い形質導入を示したが、マウスにおいて認められる高い形質導入はベクターの2つのみについてヒト細胞において再現可能であった。

0006

インビボでの罹患気道上皮への治療遺伝子送達は、嚢胞性線維症(CF)気道疾患α−1−抗トリプシン(AAT)欠乏症慢性閉塞性肺疾患および肺高血圧症を包含する様々な肺疾患遺伝子治療の有望な選択肢である。[非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16]。しかしながら、現在、安全で且つ有効な治療ベクターは解明されないままである。

0007

US−2003−0138772−A1(July 24,2003)明細書
国際特許公開第WO 2005/033321号明細書

先行技術

0008

H−J Nam,et al.,J Virol.,81(22):12260−12271(Nov 2007)
Q.Xie,et al.,Proc Natl.Acad.Sci.USA 99:10405−10410(2002)
L.Govindasamy,et al.,J.Virol.,80:11556−11570
E.Padron,et al.,J.Virol.79:5047−5058(2005)
S.Kronenberg,et al.,J.Virol.,79:5296−5303(2005)
JC Grieger,et al,J.Virol.80:5199−5210(2006)
F.,Sonntag,et al,J.Virol.,80:11040−11054(2006)
G.Gao,et al.,Proc Natl Acad Sci USA,100(10):6081−6086(May 13,2003)
G.Gao,et al.,J.Virol.,78(12):6381−6388(June 2004)
CL Halbert et al.,“Adeno−associated virus Type 6(AAV6)Vectors Mediate Efficient Transduction of Airway Epithelial Cells in Mouse Lungs Compared to That of AAV2 Vectors”,J.Virol.,75(14):6615−6624(July 2001)
CL Halbert et al,J Virol,74(3):1524−1532(Feb 2000)
EA Rutledge et al,J Virol,72(1):309−319(Jan 1998)
MP Limberis et al.,Molecular Therapy,17(2):294−301(Feb 2009)
MK Aneja and C Rudolph,Curr Opin Mol Ther,8:432−438(2006)
PE Cruz et al,Pharmacogenomics,8:1191−1198(2007)
TR Flotte et al,Mol Ther,15:229−241(2007)

0009

本発明は、他の非肺細胞よりもむしろ、肺のコンダクティング気道細胞ならびに肺胞上皮細胞優先的に標的とするようにAAVキャプシドの改変を可能にする単離されたペプチドを提供する。

0010

1つの態様において、本発明はAAVクレードAキャプシドの可変ループ領域IVおよびVからのキャプシド領域由来の異種コンダクティング気道(heterologous
airway conducting)ターゲッティングペプチドを含んでなる人工AAVキャプシドを提供する。1つの態様において、クレードAキャプシドは、AAV1、AAV6およびhu48R3から選択される。

0011

別の態様において、本発明は記載の通りの人工キャプシドおよびキャプシドにパッケージングされた発現カセットを有するAAVベクターを提供する。

0012

さらに別の態様において、本発明は定義した通りの人工AAVキャプシドを含んでなるコンダクティング気道ターゲッティング部分を提供し、ここで、人工AAVキャプシドは、コンダクティング気道上皮への送達のための分子に連結される。さらに別の態様において、本発明は気道ターゲッティング部分および生理学的に適合する担体を含んでなる製薬学的組成物を提供する。

0013

さらなる態様において、本発明は、コンダクティング気道細胞を生来標的としない親AAVの特異性をそれにコンダクティング気道細胞を標的とする能力を与えるように改変する方法を提供する。別の態様において、本発明は、コンダクティング肺胞上皮細胞を生来標的としない親AAVの特異性をそれにこれらの細胞を標的とする能力を与えるように改変する方法を提供する。

0014

なおさらなる態様において、本発明は人工AAVキャプシドもしくはそれらを含んでなるAAVベクターを含んでなる培養下の宿主細胞を提供する。

0015

別の態様において、本発明はAAVベクターおよび生理学的に適合する担体を含んでなる組成物を提供する。

0016

なおさらなる態様において、本発明は非肺細胞よりもむしろコンダクティング気道細胞および肺胞上皮細胞を優先的に標的とする方法を提供する。該方法は、本明細書に記載の通りのAAVベクターと細胞を接触させることを含む。

0017

さらに別の態様において、本発明は、処置を必要とする患者に本発明に記載の通りの人工キャプシドを有するターゲッティング部分もしくはAAVベクターを送達することにより嚢胞性線維症(CF)気道疾患、α−1−抗トリプシン(AAT)欠乏症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および肺高血圧症を処置する方法を提供する。

0018

本発明のこのおよび他の利点は、以下の発明の詳細な記述から容易に明らかである。

図面の簡単な説明

0019

図1Aは、VP1およびVP2ユニーク領域ならびに9つの推定可変ループドメインを示すAAVキャプシド配列の概略図である。行われた交換は、A〜Fで示される。図1Bは、図1Aにおいて同定される領域に関連した、PCRによる個々のフラグメントの作製の概略図である。図1Cは、外側プライマーの存在下で図1Bにおいて例示した通り作製したフラグメント間で起こった、オーバーラップ伸長によるスプライシング(SOE)反応の概略図である。
図2は、vp1、vp2、vp3、8つのβ−バレル鎖および9つの可変ループドメインI、II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよびIXの位置を例示する、AAV6[配列番号:1]およびAAV9[配列番号:2]キャプシドのアミノ酸配列のアライメントである。

発明の詳細な記述

0020

本発明は、コンダクティング気道親和性をこの親和性を生来有さないAAVキャプシドに与える単離されたペプチドを提供する。コンダクティング気道親和性ペプチドは、非肺細胞および組織よりもむしろコンダクティング気道上皮ならびに肺胞上皮への人工AAVキャプシドのターゲッティングを可能にする。本明細書に記述される構築物罹患細胞のより特異的なターゲッティングを可能にしそして非標的、非肺細胞および組織の形質導入を最小限に抑えるかもしくはなくすので、これは治療および安全性の両方の点から望ましい。

0021

1つの態様において、本発明は異種コンダクティング気道細胞ターゲッティングペプチドを含んでなる人工アデノ随伴ウイルスキャプシドを提供する。このペプチドは、可変ループ領域IVおよび可変ループ領域Vを含むAAVキャプシド領域由来である。図2において容易に分かるように、可変ループ領域は相互に直接隣接せず、それらの間に他のAAVキャプシド配列を有する。本発明によれば、異種コンダクティング気道細胞ターゲッティングペプチドは、可変ループ領域IVのアミノ末端に位置するが可変ループ領域IIIを含まない機能性クレードA−AAVからのアミノ酸のいくつかをさらに含むことができる。機能性クレードA−AAVのこの領域には約57個のアミノ酸が存在するが、ターゲッティングペプチドは、可変ループIVのアミノ末端上に0、1〜5個のアミノ酸、もしくはいくつかの他のフラグメントを含有することができる。さらに、異種コンダクティング気道細胞ターゲッティングペプチドは、ペプチドのカルボキシ末端に位置するが可変ループ領域VIの任意のアミノ酸を含まない機能性クレードA−AAVからのアミノ酸のいくつかをさらに含むことができる。機能性クレードA−AAVのループVおよびVIの間のこの領域には約13個のアミノ酸が存在するが、ペプチドはこの領域の0、1〜5個、もしくはいくつかの他のフラグメントを含有することができる。

0022

1つの態様において、機能性クレードA AAVはAAV1、AAV6、hu44R2およびhu48R3[WO 2006/110689]から選択され、これらの全てはこの領域において同一のアミノ酸配列を共有する。人工AAVキャプシドは、親AAVにおいてこの領域に隣接するアミノ酸配列に非相同であるAAV可変ループIVおよび/もしくは可変ループV領域のカルボキシおよび/もしくはアミノ末端上のアミノ酸残基が隣接するこのペプチドを含有する。

0023

1つの態様において、コンダクティング気道細胞ターゲッティングペプチドは、機能性クレードA AAV以外であるAAVキャプシドの対応する可変ループ領域に設計される。結果は、親(供給源)AAVの親和性と異なるコンダクティング気道(および場合により肺胞上皮)に対する親和性および/もしくは形質導入効率を有する人工キャプシドである。そのような人工キャプシドは、様々な技術により作製することができる。

0024

本明細書において用いる場合、「親AAVキャプシド」は、本明細書に記載の通りの異種コンダクティング気道細胞ターゲッティングペプチドにより改変されるその天然の親和性を有するキャプシドをさす。1つの態様において、クレードAのメンバーの多くはある程度のコンダクティング気道親和性を示しているので、親AAVキャプシド配列の供給源はこのクレード以外のAAVである。機能性クレードA AAVには、AAV6、AAV1、hu44R2およびhu48R3が包含される。他のクレードA AAVには、とりわけ、hu.44、hu.46、hu.43およびhu.48が包含される[WO 2005/033321およびWO 2006/110689]。

0025

他のAAVクレードには、クレードB(AAV2によって代表される)、クレードC(AAV2−AAV3ハイブリッドによって代表される)、クレードD(AAV7によって代表される)、クレードE(AAV8によって代表される)およびクレードF(ヒトAAV9によって代表される)が包含される。前述のAAV3、AAV5、ならびにrh32/33およびrh34は明らかに相互に異なるが、本明細書に記述されるスクリーニングにおいて検出されず、そしてこれらのクレードのいずれにも含まれていない。AAVクレードのさらなる説明は、G.Gao,et al.,J.Virol.,78(12):6381−6388(June 2004)および国際特許公開第WO 2004/028817号および第WO 2005/033321号に提供される。後者の文書はまた新規のヒトAAV配列も提供し、それらは本明細書に引用することにより組み込まれる。

0026

しかしながら、別の態様において、親キャプシド配列は、任意の治療もしくは他の製品のベクターもしくは担体として用いられるAAVの送達を妨げるようなレベルでコンダクティング気道細胞に生来形質導入するAAVからである。

0027

1つの態様において、コンダクティング気道ターゲッティングペプチドは、機能性クレードAアデノ随伴ウイルスの可変ループ領域IVおよび可変ループ領域Vを包含する領域由来である。1つの態様において、機能性クレードA−AAVはAAV1、AAV6、hu44R2およびhu48R3から選択される。1つの態様においてそしてAAV6キャプシド、配列番号:1の番号付けを参照して、このペプチドは配列番号:1のAAV6キャプシドの約アミノ酸447〜約アミノ酸521に対応する。従って、1つの態様において、このターゲッティングペプチドはアミノ酸配列:配列番号:4:NRTQNQSGSAQNKDLLFSRGSPAGSVPKNWLPGPCYRQRVSKTKTDNNNSNFTWTASKNLNGRESIINPGを有する。AAV6アミノ酸位置に関して本明細書に提供される情報に基づいて、当業者は当該技術分野において既知である方法を用いて配列を整列することにより、そして/もしくはキャプシドの結晶構造により、他のクレードA AAVキャプシド配列の対応する配列を容易に決定することができる。

0028

別の態様において、コンダクティング気道ターゲッティングペプチドは、上記ペプチドのアミノおよび/もしくはカルボキシ末端から欠失させた約1〜約8個の残基を有する。さらに別の態様において、気道コンダクティング細胞ターゲッティングペプチドはこの領域内の機能性フラグメント、すなわち、所望のターゲッティングを与えるこの領域の内部フラグメントである。そのようなフラグメントは、少なくとも約65アミノ酸の長さ、少なくとも約50アミノ酸の長さ、少なくとも約45アミノ酸の長さであるかもしくはより短い可能性がある。好適には、そのようなフラグメントはAAV6キャプシド(配列番号:1)の番号付けを参照して、アミノ酸447〜469、アミノ酸447〜472、アミノ酸451〜469、アミノ酸451〜474からの可変ループIV範囲由来である。1つの態様において、これらのフラグメントは、クレードA AAVからの可変ループV配列に連結される。例えば、可変ループVはクレードA AAVのアミノ酸487〜521もしくは489〜532に及ぶことができ、または所望のターゲッティングを与えるその
フラグメントであることができる(例えば、487〜506;487〜510;489〜506、487〜510)。1つの態様において、可変ループIV〜V、すなわち、アミノ酸447〜510の領域範囲はコンダクティング気道コンダクティングペプチドとして用いられる。別の態様において、可変ループIVおよびV内のフラグメントは、連結するAAV6アミノ酸配列なしに、キメラ構築物において提供される。1つの態様において、キメラ構築物は他のAAV6キャプシド配列の不在下で(例えば、可変ループIV配列の不在下で)AAVもしくは別のクレードA AAVの可変ループ領域Vを含有する。AAV6アミノ酸位置に関して本明細書に提供される情報に基づいて、当業者は、配列を整列することによりそして/もしくはキャプシドの結晶構造により、他のクレードA AAVキャプシド配列の対応する配列を容易に決定することができる。

0029

さらに別の態様において、キメラキャプシドは、クレードA AAV(例えばAAV6)の他の可変ループ領域の不在下で、キメラキャプシドにおいて、AAV6の可変ループ領域5もしくは本明細書に記述されるようなそのフラグメントを含有する。なおさらなる態様において、キメラキャプシドはAAV6の可変ループ領域IVおよびVの両方の少なくともフラグメントを含有する。AAV6アミノ酸位置に関して本明細書に提供される情報に基づいて、当業者は、配列を整列することによりそして/もしくはキャプシドの結晶構造により、他のクレードA AAVキャプシド配列の対応する配列を容易に決定することができる。

0030

1つの態様において、気道コンダクティング気道ターゲッティングペプチドは、親AAVのキャプシドタンパク質における対応する領域に挿入することができる。本明細書に提供される情報を考慮して、当業者は別のAAV(例えば、クレードA AAV以外)の対応する可変領域を容易に特定することができる。本明細書における可変領域は、H−J Nam,et al.,J Virol,81(22):12260−12271(Nov 2007)に提供されるAAV8に関する構造情報と一致する。本明細書における図1〜2は、概略図およびAAV6キャプシドを含む典型的なアライメントを提供する。さらに他のキャプシドタンパク質アライメントは記述されているか[例えば、WO 03/042397 A1およびWO 2005/033321を参照]もしくは作成することができる。

0031

典型的に、アライメントがAAVキャプシドvp1タンパク質に基づいて作成される場合、アライメントは参照AAV配列(例えば、AAV2もしくはAAV6)に対してそのように同定される挿入および欠失を含有し、そしてアミノ酸残基の番号付けはアライメントに提供される参照スケールに基づく。しかしながら、任意の既定のAAV配列は、参照スケールより少ないアミノ酸残基を有し得る。本発明において、親AAVおよび参照ライブラリーの配列を説明する場合、「同じ位置」もしくは「対応する位置」という用語は、整列配列の参照スケールに関して、配列の各々における同じ残基番号に位置するアミノ酸をさす。しかしながら、アライメントから外される場合、AAV vp1タンパク質の各々は異なる残基番号に位置するこれらのアミノ酸を有し得る。

0032

アライメントは、様々な公的にもしくは商業的に入手可能な多配列アライメントプログラムのいずれかを用いて行われる。配列アライメントプログラムはアミノ酸配列に使用可能である、例えば「Clustal X」、「MAP」、「PIMA」、「MSA」、「BLCKMAKER」、「MEME」および「Match−Box」プログラム。当業者は必要に応じてこれらの設定を改変することができるが、一般に、これらのプログラムのいずれかがデフォルト設定で用いられる。あるいはまた、当業者は、参照アルゴリズムおよびプログラムにより提供されるもののような同一性もしくはアライメントのレベルを少なくとも提供する別のアルゴリズムもしくはコンピュータープログラムを利用することができる。例えば、J.D.Thomson et al,Nucl.Acids.Re
s.,“A comprehensive comparison of multiple sequence alignments”,27(13):2682−2690(1999)を参照。

0033

また、上記のプログラムに含有されるものを包含する、ヌクレオチド配列同一性を測定するために用いることができる当該技術分野において既知である多数のアルゴリズムも存在する。別の例として、ポリヌクレオチド配列GCバージョン6.1におけるプログラム、Fastaを用いて比較することができる。Fastaは、クエリーおよび検索配列間の最良重複の領域のアライメントおよび配列同一性パーセントを提供する。例えば、核酸配列間の配列同一性パーセントは、引用することにより本明細書に組み込まれる、GCGバージョン6.1において提供されるようなそのデフォルトパラメーター(6のワードサイズおよびスコアリングマトリックスのためのNOPAMファクター(factor))でFASTAを用いて決定することができる。同様に、アミノ酸アライメントを行うためにプログラムが利用可能である。当業者は、必要に応じてこれらの設定を改変することができるが、一般に、これらのプログラムはデフォルト設定で用いられる。あるいはまた、当業者は、参照アルゴリズムおよびプログラムにより提供されるもののような同一性もしくはアライメントのレベルを少なくとも提供する別のアルゴリズムもしくはコンピュータープログラムを利用することができる。

0034

上記の通り、気道コンダクティングペプチド配列は、異種キャプシド配列の対応する可変ループ領域の天然の位置に存在することができる。これは、例えば本明細書の実施例において例示されるかもしくは当該技術分野において既知であるもののような技術を用いて所望の領域を交換することを包含する当業者に既知である様々な技術によって成し遂げることができる。以下の実施例において説明する通り、これは典型的に異種キャプシド配列の対応する可変ループ領域を除くことを含む。しかしながら、例えば、改変されるアミノ酸のコドンに対する通常の部位特異的突然変異誘発技術を包含する他の適当な技術を用いることができる。典型的に、部位特異的突然変異誘発は、保存アミノ酸残基に所望のコドンを得るために必要とされる程度の少ない工程を用いて行われる。そのような方法は当業者に周知であり、そして公開された方法および/もしくは市販されているキット[例えば、StratageneおよびPromegaから入手可能]を用いて行うことができる。部位特異的突然変異誘発は、AAVゲノム配列に対して行うことができる。AAV配列は、便宜上、ベクター(例えばプラスミドバックボーン)により保有され得る。あるいはまた、当業者は当業者に既知である他の技術、例えば化学的に合成されたペプチドを挿入することなどを用いて親AAVを改変することができる。

0035

1つの態様において、可変ループ領域は機能的に欠失している。場合により、任意のスペーサーが気道コンダクティングターゲッティングペプチド可変(variable)のカルボキシおよび/もしくはアミノ末端に隣接する。ある種の態様において、スペーサーは天然に存在しない、すなわち、合成的にもしくは人工的に設計されるかもしくは製造されるポリペプチドであるという意味において非天然である外来アミノ酸配列である。これらのスペーサーは、クレードAキャプシド以外の供給源もしくはAAV以外の供給源由来である1〜5個のアミノ酸を含んでなることができる。1つの態様において、機能的欠失は選択した可変ループにおいて行われ、そしてそこに分子は挿入されない。これは様々な理由で、例えばキャプシドにおける他の部分に大きいインサートを入れるために所望され得る。そのような機能的に欠失したAAVは、AAVビリオンを製造するためにならびに他の用途に利用することができる。

0036

本発明の構築物によって、AAVもしくはAAVキャプシドの天然の親和性は改変される。従って、「改変された親和性」により、改変されたAAVキャプシドもしくはAAVベクターは、改変されるか、もしくはそれが由来する野生型ウイルスのものと異なる標的
細胞結合特異性を示すことが意図される。従って、1つの態様において、本発明は、本明細書に記載の通りの異種コンダクティング気道細胞ターゲッティングペプチドを提供することにより、選択したAAVベクターの特異性をそれがコンダクティング気道細胞を標的とするように改変する方法を提供する。別の態様において、ターゲッティングペプチドは肺胞上皮を標的とする能力をさらに与える。

0037

1つの態様において、キャプシド配列は単一のAAV供給源により提供される。適当なAAVは、例えば、AAV9、AAV5、AAV2、AAV8およびAAVrh32.22を包含する、通常はいかなる効率でもコンダクティング気道細胞に形質導入しないAAVの中から選択することができる。さらに他のAAVは、記述されているもの[WO 03/042397 A1;WO 2005/033321;WO 2006/110689]および特に、クレードA以外であるAAVの中から容易に選択することができる。あるいはまた、AAVキャプシドは1つより多くのAAV由来であることができる。

0038

1つの態様において、選択したAAVキャプシドはヘアピン結合モチーフ欠く。AAVは生来ヘアピン結合モチーフを欠くことができ、もしくはヘアピン結合モチーフはWO
2008/027084に記載のもののような方法を用いて取り除くことができる。例えば、人工キャプシドタンパク質もしくは人工キャプシドタンパク質を有するAAVベクターの生産、収量および/もしくは回収を高めるために、野生型AAV配列へのさらに他の改変を行うことができる。

0039

「機能性の」という用語は、必ずしも天然産物と同じレベルでではないが、その天然の機能を果たす産物(例えば、タンパク質もしくはペプチド)をさす。「機能性の」という用語はまた、産物をコードしそしてそれから所望の産物を発現することができる遺伝子をさすこともできる。「機能的欠失」は、その天然の機能を果たす産物の能力を損なう欠失をさす。

0040

他に特定されない限り(上記の通り)、フラグメントという用語には少なくとも8アミノ酸の長さ、少なくとも15アミノ酸の長さ、少なくとも25アミノ酸の長さのペプチドが包含される。しかしながら、他の所望の長さのフラグメントを所望の状況により容易に利用することができる。そのようなフラグメントは、組換えでもしくは他の適当な手段により、例えば化学合成により製造することができる。

0041

「同一性パーセント(%)」という用語は、タンパク質の全長もしくはそのフラグメントにわたって、アミノ酸配列に関して容易に決定することができる。好適には、フラグメントは少なくとも約8アミノ酸の長さであり、そして約700アミノ酸までであることができる。一般に、2つの異なるアデノ随伴ウイルス間の「同一性」、「相同性」もしくは「類似性」をさす場合、「同一性」、「相同性」もしくは「類似性」は「整列」配列に関して決定される。「整列」配列もしくは「アライメント」は、参照配列と比較した場合に欠いているかもしくは追加の塩基もしくはアミノ酸の補正を含むことが多い、多数の核酸配列もしくはタンパク質(アミノ酸)配列をさす。

0042

本明細書および請求項を通して用いる場合、「含んでなる」および「含有する」という用語ならびに他のバリアントの中でも「含んでなる(comprises)」、「含んでなる(comprising)」、「含有する(contains)」および「含有する(containing)」を包含するそのバリアントは、他の成分、要素、整数、工程などを含む。「からなる」もしくは「からなる(consisting of)」という用語は、他の成分、要素、整数、工程などを含まない。

0043

肺/コンダクティング気道ターゲッティング部分
1つの態様において、本発明は「空キャプシド」、すなわち、その中にパッケージングされた機能性配列を含有しないキャプシドである人工AAVキャプシドを提供する。言い換えれば、キャプシドはAAVウイルスゲノムを欠きそして/もしくは発現カセットを含有しない。1つの態様において、人工AAVキャプシドはその中にパッケージングされた機能性AAV配列を有さない。別の態様において、AAVは機能性AAV遺伝子コーディング配列および内在性もしくは異種発現カセットを含有しない。

0044

「空」AAVキャプシドは、異種分子のためのターゲッティングタンパク質として用いることができる。所望の治療もしくは免疫原性もしくは他の分子は、「リンカー」配列によって本発明の人工AAVキャプシドと結合することができる。

0045

1つの態様において、AAVキャプシドと分子間の化学架橋共有結合もしくは非共有結合によってである。しかしながら、当該技術分野において既知であるように、他の親和性結合対を利用することができる。当業者に既知である他の連結の中で、活性化ポリエチレングリコール(PEG)、マレイミドもしくはスクシンイミドエステルベース架橋剤もしくはSATA−SMC二官能性架橋剤が包含されるがこれらに限定されるものではない、当該技術分野において既知であるさらに他の共役化学が考えられそして本明細書の態様において用いることができる。さらなる態様において、興味のある分子は、Destito,et al.,Chem Biol 2007 October;14(10):1152−1162(2007)およびOh,et al.,Bioconjug Chem 2006;17:721−727(2006)に記載の通り、PEGリンカー(「スペーサー」)により空AAVキャプシドに連結することができる。

0046

別の態様において、興味のある分子は、Chatterji,et al.,Bioconj Chem;15:807−813(2004)に記載の通り、マレイミドおよびハロアセトアミド試薬を使用してN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルもしくはスルフヒドリル基を用いてAAV表面リシン残基化学修飾によって結合される。さらに別の態様において、表面カルボキシレート基特異的結合用に改変される。

0047

別の態様において、興味のある分子は免疫グロブリン分子のAAV結合ドメインによってAAVキャプシドに連結することができる。さらなる態様において、結合ドメインは免疫グロブリン分子のFab、Fab’、(Fab’)2もしくはFvフラグメントであることができる。結合ドメインは、上記のものを包含する任意の既知の手段により興味のある分子に連結することができる。1つの態様において、PEGリンカーは結合ドメインと興味のある分子の間に導入される。

0048

リンカー配列への結合を介した、DNAもしくはアミノ酸配列の導入のためのそのような構築技術は当該技術分野において既知であり、そしてタンパク質/遺伝子工学者の通常の技量の範囲内である。

0049

AAVキャプシドに連結しそして標的細胞に送達するための有用な分子には、例えば、嚢胞性線維症、α−1−抗トリプシン(AAT)欠乏症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺高血圧症、喘息肺癌のような症状を処置するために有用であるものを包含することができる。適当な分子の例には、遺伝子産物を発現する核酸を保有する非ウイルスベースのベクター(例えば、プラスミド、「のDNA」、コスミドなど)を包含することができる。適当な遺伝子産物の例には、発現カセットと関連して以下に記述するものが包含される。さらに、例えば、ステロイドステロイド誘導体免疫調節分子、酵素、タンパク質、小分子および他の化学部分を包含する、他の非核酸ベースの分子をこの態様において用いることができる。

0050

別の態様において、異種コンダクティング気道細胞ターゲッティング配列を含有する人工AAVキャプシドは、標的化細胞に産物を送達する発現カセットをその中にパッケージングしているベクターの製造において用いられる。

0051

コンダクティング気道ターゲッティングドメインを含有する人工AAVキャプシドを有するAAVベクター
1つの態様において、本発明は本発明の新規AAVキャプシドを有する組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)を作製する方法を提供する。そのような方法は、本明細書に定義した通りの本発明の新規AAVキャプシドタンパク質もしくはそのフラグメントをコードする核酸配列;機能性rep遺伝子;最小で、AAV逆方向末端反復(ITR)および導入遺伝子からなる発現カセット;ならびにAAVキャプシドタンパク質への発現カセットのパッケージングを可能にするための十分なヘルパー機能を含有する宿主細胞を培養することを含む。

0052

AAVキャプシドにAAV発現カセットをパッケージングするために宿主細胞において培養される必要がある成分は、トランスに宿主細胞に提供することができる。あるいはまた、必要とされる成分(例えば、発現カセット、rep配列、cap配列および/もしくはヘルパー機能)の1つもしくはそれ以上は、当業者に既知である方法を用いて必要とされる成分の1つもしくはそれ以上を含有するように設計されている安定な宿主細胞により提供することができる。最も好適には、そのような安定な宿主細胞は誘導性プロモーターの制御下で必要とされる成分(1つもしくは複数)を含有する。しかしながら、必要とされる成分(1つもしくは複数)は構成的プロモーターの制御下であることができる。適当な誘導性および構成的プロモーターの例は、導入遺伝子との使用に適当な調節要素の説明において、本明細書に提供される。さらに別の代替物において、選択した安定な宿主細胞は構成的プロモーターの制御下の選択した成分(1つもしくは複数)および1つもしくはそれ以上の誘導性プロモーターの制御下の他の選択した成分(1つもしくは複数)を含有することができる。例えば、293細胞(これは構成的プロモーターの制御下でE1ヘルパー機能を含有する)由来であるが、誘導性プロモーターの制御下でrepおよび/もしくはcapタンパク質を含有する安定な宿主細胞を作製することができる。さらに他の安定な宿主細胞は、当業者により作製されることができる。

0053

発現カセット、rep配列、cap配列、および本発明のrAAVを製造するために必要とされるヘルパー機能は、その上に保有する配列を導入する任意の遺伝要素の形態においてパッケージング宿主細胞に送達することができる。選択した遺伝要素は、本明細書に記述されるものを包含する任意の適当な方法により送達することができる。本発明の任意の態様を構築するために使用する方法は、核酸操作における技量を有する者に既知であり、そして遺伝子工学、組換え工学および合成技術が包含される。例えば、Sambrook et al,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NYを参照。同様に、rAAVビリオンを作製する方法は周知であり、そして適当な方法の選択は本発明への制約ではない。例えば、K.Fisher et al,J.Virol.,70:520−532(1993)および米国特許第5,478,745号を参照。

0054

他に特定されない限り、AAV ITRおよび本明細書に記述される他の選択したAAV成分は、AAV2、AAV7、AAV9もしくは別のAAV配列[例えば、WO 03/042397 A1;WO 2005/033321;WO 2006/110689]を包含するがこれらに限定されるものではない、任意のAAVの中から容易に選択することができる。これらのITRもしくは他のAAV成分は、AAV配列から当業者に利用可能な技術を用いて容易に単離することができる。そのようなAAVは、学術的、商業的
もしくは公的供給源(例えば、American Type Culture Collection,Manassas,VA)から単離されるかもしくは得ることができる。あるいはまた、AAV配列は、文献においてもしくは例えばGenBank登録商標)、PubMed(登録商標)などのようなデータベースにおいて入手可能であるような公開された配列を参照して合成もしくは他の適当な手段によって得ることができる。

0055

A.発現カセット
発現カセットは、最小で、少なくとも1つのAAV逆方向末端反復配列、導入遺伝子およびその調節配列からなる。1つの態様において、5’AAV逆方向末端反復(ITR)および3’ITRの両方が発現カセットに含まれる。1つの望ましい態様において、発現カセットは、AAVキャプシド配列を提供したもの以外のAAV配列からのITRを含有する。例えば、AAV2 ITRを含有する偽型ベクターを便宜上使用することができる。しかしながら、他の適当な供給源からのITRを選択することができる。キャプシドタンパク質にパッケージングされそして選択した宿主細胞に送達されるのはこの発現カセットである。

0056

1.導入遺伝子
導入遺伝子は、興味のあるポリペプチド、ペプチド、タンパク質、酵素もしくは他の産物をコードする、導入遺伝子に隣接するベクター配列に非相同である核酸配列である。1つの態様において、発現カセットは核酸配列、例えばRNAを保有する。望ましいRNA分子には、tRNA、dsRNA、RNAi、リボソームRNA触媒RNA、siRNA、低分子ヘアピンRNA、トランス−スプライシングRNAおよびアンチセンスRNAが包含される。有用なRNA配列の1例は、処置した動物において標的化核酸配列の発現を抑制するかもしくは失わせる配列である。典型的に、適当な標的配列には腫瘍標的およびウイルス疾患が包含される。これは、例えば癌治療およびワクチンに有用であり得る。

0057

核酸コーディング配列は、宿主細胞における導入遺伝子転写、翻訳および/もしくは発現を可能にするように調節成分に操作可能に連結される。

0058

本発明の構築物を用いて任意の様々な産物を送達することができるが、本発明はコンダクティング気道細胞と関連する症状の診断、処置およびワクチン接種、ならびにその症候の改善において有用な産物の送達に特に適している。そのような症状には、嚢胞性線維症、α−1−抗トリプシン(AAT)欠乏症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および肺高血圧症が包含されるがこれらに限定されるものではない。適当な遺伝子産物には、機能性疱性線維症膜貫通調節因子(CFTR)配列、α−1−抗トリプシン、分泌型白血球プロテアーゼ阻害剤サーファクタントタンパク質C(SPC)、サーファクタントタンパク質D(SPD)、ならびに免疫賦活剤、例えば、インターロイキン12のような例えばインターロイキン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GMCSF)、インターフェロン−βのようなインターフェロン、および単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV−TK)を包含することができる。他の遺伝子産物には、とりわけ、例えばp53、FUS1を包含する癌治療法、RNAiを包含するRNAを包含することができる。さらに他の適当な発現産物は、当業者により容易に選択されることができる。

0059

2.調節要素
発現カセットについて上記に同定した主要要素に加えて、ベクターにはまた、プラスミドベクタートランスフェクションしたもしくは本発明により製造されるウイルスに感染した細胞におけるその転写、翻訳および/もしくは発現を可能にするように導入遺伝子に操作可能に連結される通常の制御要素も含まれる。本明細書において用いる場合、「操作可能に連結された」配列には、興味のある遺伝子と隣接する発現制御配列および興味のある遺伝子を制御するためにトランスにもしくは離れて作用する発現制御配列の両方が包含
される。

0060

発現制御配列には、適切な転写開始終結プロモーターおよびエンハンサー配列;スプライシングおよびポリアデニル化ポリA)シグナルのような効率の良いRNAプロセシングシグナル;細胞質mRNAを安定させる配列;翻訳効率を高める配列(すなわち、コザック共通配列);タンパク質安定性を高める配列;ならびに必要に応じて、コードされる産物の分泌を高める配列が包含される。天然の、構成的、誘導性および/もしくは組織特異的であるプロモーターを包含する多数の発現制御配列が当該技術分野において既知であり、そして利用することができる。

0061

構成的プロモーターの例には、レトロウイルスラウス肉腫ウイルス(RSV)LTRプロモーター(場合によりRSVエンハンサーを有する)、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(場合によりCMVエンハンサーを有する)[例えば、Boshart et al,Cell,41:521−530(1985)を参照]、SV40プロモーター、ジヒドロ葉酸還元酵素プロモーター、β−アクチンプロモーターホスホグリセロールキナーゼ(PGK)プロモーターおよびEF1プロモーター[Invitrogen]が包含されるがこれらに限定されるものではない。誘導性プロモーターは遺伝子発現の調節を可能にし、そして外から供給される化合物、温度のような環境因子、もしくは特定の生理状態、例えば急性期、細胞の特定の分化状態の存在により、または複製細胞においてのみ調節することができる。誘導性プロモーターおよび誘導系は、Invitrogen、ClontechおよびAriadを包含するがこれらに限定されるものではない、様々な商業的供給源から入手可能である。多数の他の系は記述されており、そして当業者により容易に選択されることができる。外から供給される化合物により調節される誘導性プロモーターの例には、亜鉛誘導性ヒツジメタロチオニンMT)プロモーター、デキサメタゾン(Dex)誘導性マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、T7ポリメラーゼプロモーター系[国際特許公開第WO 98/10088号];エクジソン昆虫プロモーター[No et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:3346−3351(1996)]、テトラサイクリン抑制系[Gossen et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:5547−5551(1992)]、テトラサイクリン誘導系[Gossen et al,Science,268:1766−1769(1995)、また、Harvey et al,Curr.Opin.Chem.Biol.,2:512−518(1998)も参照]、RU486誘導系[Wang et al,Nat.Biotech.,15:239−243(1997)およびWang et al,Gene Ther.,4:432−441(1997)]およびラパマイシン誘導系[Magari et al,J.Clin.Invest.,100:2865−2872(1997)]が包含される。これに関連して有用であり得る誘導性プロモーターの他のタイプは、特定の生理状態、例えば温度、急性期、細胞の特定の分化状態により、もしくは複製細胞においてのみ調節されるものである。

0062

別の態様において、導入遺伝子の天然のプロモーターが用いられる。天然のプロモーターは、導入遺伝子の発現が天然の発現を模倣することが所望される場合に好ましい可能性がある。天然のプロモーターは、導入遺伝子の発現が時間的にもしくは発生的に、または組織特異的に、または特定の転写刺激応答して調節されなければならない場合に用いることができる。さらなる態様において、他の天然の発現制御要素、例えばエンハンサー要素、ポリアデニル化部位もしくはコザック共通配列もまた天然の発現を模倣するために用いることができる。

0063

導入遺伝子の別の態様には、組織特異的プロモーターに操作可能に連結された遺伝子が包含される。例えば、肺組織に特異的なそして利用可能な場合、コンダクティング気道細
胞に特異的なプロモーターを用いることができる。そのようなプロモーターの例には、とりわけ、例えば、フォークヘッドボックスJ1(FOXJ1)プロモーター、ポリユビキチンプロモーターUbC、SAMポイント(pointed)ドメイン含有ETS転写因子(SPDEF)プロモーター、クララ細胞分泌タンパク質/ウテログロビン(CCSP/UG)プロモーターを包含することができる。他の肺特異的遺伝子プロモーターには、とりわけ、例えばサーファクタントタンパク質B(SPB)、サーファクタントタンパク質C(SPC)およびサーファクタントタンパク質A(SPA)、外生ヒト癌胎児性抗原CEA)プロモーター、甲状腺転写因子1(TTF1)ならびにヒトサーファクタントタンパク質A1(hSPA1)を包含することができる。

0064

場合により、治療的に有用な導入遺伝子を保有するプラスミドはまた、とりわけ、ジェネティシンハイグロマイシンもしくはピューロマイシン(purimycin)耐性をコードする配列を包含する選択可能なマーカーもしくはレポーター遺伝子を含むこともできる。そのような選択可能なレポーターもしくはマーカー遺伝子(好ましくは、本発明の方法によりレスキューされるウイルスゲノムの外側に位置する)は、細菌細胞におけるプラスミドの存在を示すために用いることができる、例えばアンピシリン耐性。プラスミドの他の成分には、複製起点を包含することができる。これらのおよび他のプロモーターおよびベクター要素の選択は慣例的であり、そして多数のそのような配列が利用可能である。

0065

導入遺伝子、プロモーター/エンハンサーおよびAAV ITRの組み合わせは、本明細書において参照しやすいように発現カセットと呼ばれる。本明細書における教示が提供されていると、そのような発現カセットの設計は通常の技術を用いることにより行うことができる。

0066

3.パッケージング宿主細胞への発現カセットの送達
発現カセットは、パッケージング宿主細胞に送達される任意の適当なベクター、例えばプラスミド上に保有することができる。本発明において有用なプラスミドは、それらが原核細胞哺乳類細胞もしくは両方における複製および場合により組込みに適当であるように設計することができる。これらのプラスミド(もしくは5’AAV ITR−異種分子−3’AAV ITRを保有する他のベクター)は、真核生物および/もしくは原核生物における発現カセットの複製を可能にする配列ならびにこれらの系の選択マーカーを含有する。選択可能なマーカーもしくはレポーター遺伝子には、とりわけ、ジェネティシン、ハイグロマイシンもしくはピューロマイシン(purimycin)耐性をコードする配列を包含することができる。プラスミドはまた、アンピシリン耐性のような、細菌細胞におけるベクターの存在を示すために用いることができるある種の選択可能なレポーターもしくはマーカー遺伝子を含有することもできる。プラスミドの他の成分には、複製起点およびアンプリコン、例えばエプスタイン・バーウイルス核抗原を用いるアンプリコン系を包含することができる。このアンプリコン系もしくは他の同様のアンプリコン成分は、細胞における高コピーエピソーム複製を可能にする。好ましくは、発現カセットを保有する分子は細胞にトランスフェクションされ、そこでそれは一時的に存在し得る。あるいはまた、発現カセット(5’AAV ITR−異種分子−3’ITRを保有する)は、染色体にもしくはエピソームとしてのいずれかで、宿主細胞のゲノムに安定に組込まれることができる。ある種の態様において、発現カセットは、場合により頭−頭、頭−尾もしくは尾−尾コンカテマーにおいて、多コピーで存在することができる。適当なトランスフェクション技術は既知であり、そして宿主細胞に発現カセットを送達するために容易に利用することができる。

0067

一般に、トランスフェクションにより発現カセットを含んでなるベクターを送達する場合、ベクターは約1x104の細胞〜約1x1013の細胞、もしくは約1x105の細胞に
約5μg〜約100μgのDNA、約10μg〜約50μgのDNAの量において送達される。しかしながら、宿主細胞に対するベクターDNAの相対量は、選択したベクター、送達方法および選択した宿主細胞のような因子を考慮に入れることができる当業者により調整されることができる。

0068

B.RepおよびCap配列
発現カセットに加えて、宿主細胞は宿主細胞において本発明の新規AAVキャプシドタンパク質(もしくはそのフラグメントを含んでなるキャプシドタンパク質)の発現を導く配列および発現カセットに存在するAAV ITRの供給源と同じ供給源もしくは交差相補供給源のrep配列を含有する。AAV capおよびrep配列は、上記の通りのAAV供給源から独立して得ることができ、そして上記の通りの当業者に既知である任意の方法において宿主細胞に導入することができる。さらに、AAVベクターをシュードタイピングする場合、必須のrepタンパク質の各々をコードする配列は異なるAAV供給源(例えば、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV7、AAV8、AAV9、または本明細書に記述されるかもしくは当該技術分野において既知である他のAAV配列の1つ)により供給されることができる。例えば、rep78/68配列はAAV2からであることができ、一方、rep52/40配列はAAV8からであることができる。

0069

1つの態様において、宿主細胞は上記のもののような適当なプロモーターの制御下のキャプシドタンパク質を安定に含有する。最も望ましくは、この態様において、キャプシドタンパク質は誘導性プロモーターの制御下で発現される。別の態様において、キャプシドタンパク質はトランスに宿主細胞に供給される。トランスに宿主細胞に送達する場合、キャプシドタンパク質は、宿主細胞において選択したキャプシドタンパク質の発現を導くために必要な配列を含有するプラスミドによって送達することができる。最も望ましくは、トランスに宿主細胞に送達する場合、キャプシドタンパク質を保有するプラスミドはまた、rAAVをパッケージングするために必要とされる他の配列、例えばrep配列も保有する。

0070

別の態様において、宿主細胞は上記のもののような適当なプロモーターの制御下のrep配列を安定に含有する。最も望ましくは、この態様において、必須のrepタンパク質は誘導性プロモーターの制御下で発現される。別の態様において、repタンパク質はトランスに宿主細胞に供給される。トランスに宿主細胞に送達する場合、repタンパク質は、宿主細胞において選択したrepタンパク質の発現を導くために必要な配列を含有するプラスミドによって送達することができる。

0071

従って、1つの態様において、repおよびcap配列は単一の核酸分子上で宿主細胞にトランスフェクションすることができ、そしてエピソームとして細胞において安定に存在する。別の態様において、repおよびcap配列は細胞の染色体に安定に組込まれる。別の態様は、宿主細胞において一過性発現されるrepおよびcap配列を有する。例えば、そのようなトランスフェクションのための有用な核酸分子は、5’から3’に、プロモーター、プロモーターとrep遺伝子配列開始部位との間に置かれる任意のスペーサー、AAV rep遺伝子配列およびAAVcap遺伝子配列を含んでなる。

0072

場合により、repおよび/もしくはcap配列は、宿主細胞に導入される他のDNA配列を含有するベクター上で供給されることができる。例えば、ベクターは、発現カセットを含んでなるrAAV構築物を含有することができる。ベクターは、ヘルパー機能、例えば、アデノウイルスタンパク質E1、E2aおよびE4 ORF6をコードする遺伝子、ならびにVAIRNAの遺伝子の1つもしくはそれ以上を含んでなることができる。

0073

好ましくは、この構築物において使用するプロモーターは、当業者に既知であるかもし
くは上記に説明した通りの構成的、誘導性もしくは天然のプロモーターのいずれかであることができる。1つの態様において、AAV P5プロモーター配列が用いられる。これらの配列のいずれかを提供するためのAAVの選択は、本発明を限定しない。

0074

別の好ましい態様において、repのプロモーターは導入遺伝子調節要素に関連して上記で説明するような誘導性プロモーターである。rep発現のための1つの好ましいプロモーターはT7プロモーターである。T7プロモーターにより調節されるrep遺伝子およびcap遺伝子を含んでなるベクターは、T7ポリメラーゼを構成的もしくは誘導的のいずれかで発現する細胞にトランスフェクションされるかもしくは形質転換される。1998年3月12日に公開された国際特許公開第WO 98/10088を参照。

0075

スペーサーは、ベクターの設計における任意の要素である。スペーサーは、プロモーターとrep遺伝子ATG開始部位との間に置かれるDNA配列である。スペーサーは任意の所望の設計を有することができ;すなわち、それはヌクレオチドランダムな配列であることができ、あるいはまた、それはマーカー遺伝子のような遺伝子産物をコードすることができる。スペーサーは、典型的に開始/終結およびポリA部位を含む遺伝子を含有することができる。スペーサーは、原核生物もしくは真核生物からの非コーディングDNA配列、反復非コーディング配列、転写制御のないコーディング配列または転写制御を有するコーディング配列であることができる。スペーサー配列の2つの典型的な供給源はλファージラダー配列もしくは酵母ラダー配列であり、これらはとりわけ例えばGibcoもしくはInvitrogenから市販されている。スペーサーは、rep52、rep40およびcap遺伝子産物を通常レベルで発現したままで、rep78およびrep68遺伝子産物の発現を減らすために十分な任意のサイズのものであることができる。従って、スペーサーの長さは約10bp〜約10.0kbp、好ましくは約100bp〜約8.0kbpの範囲においてであることができる。組換えの可能性を減らすために、スペーサーは好ましくは2kbp未満の長さであり;しかしながら、本発明はそのように限定されない。

0076

repおよびcapを提供する分子(1つもしくは複数)は一時的に(すなわち、トランスフェクションによって)宿主細胞に存在することができるが、repおよびcapタンパク質の一方もしくは両方ならびにそれらの発現を制御するプロモーター(1つもしくは複数)は、例えばエピソームとしてもしくは宿主細胞の染色体への組込みにより、宿主細胞において安定に発現されることが好ましい。本発明の態様を構築するために用いる方法は、上記の参考文献に記述されるもののような通常の遺伝子工学もしくは組換え工学技術である。本明細書は、本明細書に提供される情報を用いて、特定の構築物の説明に役立つ実例を提供するが、当業者は、スペーサー、P5プロモーター、ならびに少なくとも1つの翻訳開始および終結シグナル、ならびにポリアデニル化部位の任意の付加を包含する他の要素の選択を用いて、他の適当な構築物を選択しそして設計することができる。

0077

本発明の別の態様において、repもしくはcapタンパク質は宿主細胞により安定に提供することができる。

0078

C.ヘルパー機能
パッケージング宿主細胞はまた、本発明のrAAVをパッケージングするためにヘルパー機能も必要とする。場合により、これらの機能はヘルペスウイルスにより供給されることができる。最も望ましくは、必要なヘルパー機能は上記のもののようなヒトもしくは非ヒト霊長類アデノウイルス供給源から各々提供され、そして/もしくはAmerican
Type Culture Collection(ATCC),Manassas,VA(US)を包含する様々な供給源から入手可能である。1つの現在好ましい態様において、宿主細胞はE1a遺伝子産物、E1b遺伝子産物、E2a遺伝子産物および/もし
くはE4 ORF6遺伝子産物を供給されそして/もしくは含有する。宿主細胞はVAI
RNAのような他のアデノウイルス遺伝子を含有することができるが、これらの遺伝子は必要とされない。好ましい態様において、他のアデノウイルス遺伝子もしくは遺伝子機能は宿主細胞に存在しない。

0079

アデノウイルスE1a、E1b、E2aおよび/もしくはE4 ORF6遺伝子産物ならびに任意の他の所望のヘルパー機能は、細胞におけるそれらの発現を可能にする任意の手段を用いて提供することができる。これらの産物をコードする配列の各々は別個のベクター上であることができ、または1つもしくはそれ以上の遺伝子は同じベクター上であることができる。ベクターは、プラスミド、コスミドおよびウイルスを包含する、当該技術分野において既知であるかもしくは上記に開示される任意のベクターであることができる。ベクターの宿主細胞への導入は、とりわけ、トランスフェクション、感染、電気穿孔リポソーム送達、膜融合技術、高速DNA被覆ペレットウイルス感染およびプロトプラスト融合を包含する、当該技術分野において既知であるかもしくは上記に開示した通りの任意の手段により成し遂げることができる。アデノウイルス遺伝子の1つもしくはそれ以上は、宿主細胞のゲノムに安定に組込まれるか、エピソームとして安定に発現されるか、もしくは一過性発現されることができる。遺伝子産物は全て一過性で、エピソーム上で発現されるかもしくは安定に組込まれることができ、または遺伝子産物のあるものは安定に発現されることができ、一方、あるものは一過性発現される。さらに、アデノウイルス遺伝子の各々のプロモーターは、構成的プロモーター、誘導性プロモーターもしくは天然のアデノウイルスプロモーターから独立して選択することができる。プロモーターは、生物もしくは細胞の特定の生理状態により(例えば、分化状態によりまたは複製もしくは静止細胞において)または他の手段により、例えば外から加える因子により調節することができる。

0080

D.宿主細胞およびパッケージング細胞系
宿主細胞自体は、原核(例えば細菌)細胞、ならびに昆虫細胞酵母細胞および哺乳類細胞を包含する真核細胞を包含する任意の生物有機体から選択することができる。特に望ましい宿主細胞は、A549、WEHI、3T3、10T1/2、BHK、MDCK、COS1、COS7、BSC1、BSC40、BMT10、VERO、WI38、HeLa、293細胞(これは機能性アデノウイルスE1を発現する)、Saos、C2C12、L細胞HT1080、HepG2のような細胞ならびにヒト、サル、マウス、ラットウサギおよびハムスターを包含する哺乳類由来の初代線維芽細胞肝細胞および筋芽細胞を包含するがこれらに限定されるものではない任意の哺乳類種の中から選択される。細胞を提供する哺乳類種の選択は本発明の制約ではなく;また哺乳類細胞のタイプ、すなわち、線維芽細胞、肝細胞、腫瘍細胞などもそうでない。使用する細胞の必要条件は、それがE1、E2aおよび/もしくはE4 ORF6以外のアデノウイルス遺伝子を保有せず;それがrAAVの製造中に混入ウイルスの相同的組換えをもたらし得る他のウイルス遺伝子を含有せず;そしてそれがDNAの感染もしくはトランスフェクションおよびトランスフェクションしたDNAの発現ができることである。好ましい態様において、宿主細胞は、細胞に安定にトランスフェクションされたrepおよびcapを有するものである。

0081

本発明において有用な1つの宿主細胞は、repおよびcapをコードする配列で安定に形質転換され、そしてアデノウイルスE1、E2aおよびE4ORF6 DNAならびに上記の通りの発現カセットを保有する構築物でトランスフェクションされる宿主細胞である。B−50(国際特許出願公開第WO 99/15685号)もしくは米国特許第5,658,785号に記述されるもののような、安定なrepおよび/もしくはcap発現細胞系もまた同様に用いることができる。別の望ましい宿主細胞は、E4 ORF6を発現するために十分である最小のアデノウイルスDNAを含有する。さらに他の細胞系は、本発明の新規シングルトン修正(singleton−corrected)AAV
cap配列を用いて構築することができる。

0082

本発明の宿主細胞の製造は、選択したDNA配列のアセンブリのような技術を伴う。このアセンブリは、通常の技術を利用して成し遂げることができる。そのような技術には、周知でありそして上記に引用したSambrook et al.に記述されるcDNAおよびゲノムクローニングポリメラーゼ連鎖反応と組み合わせた、アデノウイルスおよびAAVゲノムの重複するオリゴヌクレオチド配列の使用、合成方法、ならびに所望のヌクレオチド配列を提供する任意の他の適当な方法が包含される。

0083

宿主細胞への分子(プラスミドもしくはウイルスとして)の導入はまた、当業者に既知でありそして本明細書を通して説明した通りの技術を用いて成し遂げることもできる。好ましい態様において、標準的なトランスフェクション技術、例えば、CaPO4トランスフェクションもしくは電気穿孔、および/またはヒト胎児腎臓細胞系HEK 293(トランスに作用するE1タンパク質を提供する機能性アデノウイルスE1遺伝子を含有するヒト腎臓細胞系)のような細胞系へのハイブリッドアデノウイルス/AAVベクターによる感染が用いられる。

0084

製薬学的組成物およびその使用
気道ターゲッティング分子を含有する製薬学的組成物は本明細書に記述され、それらは気道コンダクティング上皮への送達のための部分に連結された人工AAVキャプシドおよび生理学的に適合する担体を含んでなる。他の製薬学的組成物は、生理学的に適合する担体と共に本明細書に記載の通りの人工AAVキャプシドを含有するAAVベクターを含有する。これらの組成物は、非肺細胞よりもむしろ、コンダクティング気道細胞を優先的に標的とするためにそして肺胞上皮を標的とするために適している。1つの態様において、これらの組成物は鼻腔内、経口もしくは気管内送達に適当な担体と調合される。しかしながら、他の調合および送達経路を選択することができる。

0085

人工AAVキャプシドを含有する組換えベクターは、公開された方法に従って宿主細胞に送達することができる。好ましくは生理学的に適合する担体に懸濁したrAAVは、ヒトもしくは非ヒト哺乳類患者に投与することができる。適当な担体は、導入ウイルスが指示される適応を考慮して当業者により容易に選択されることができる。例えば、1つの適当な担体には食塩水が包含され、これは様々な緩衝溶液と調合することができる(例えばリン酸緩衝食塩水)。他の典型的な担体には、滅菌食塩水、ラクトースショ糖リン酸カルシウムゼラチンデキストラン寒天ペクチンピーナッツ油ゴマ油および水が包含される。

0086

場合により、組成物は、AAVおよび担体(1つもしくは複数)に加えて、防腐剤もしくは化学安定剤のような他の通常の製薬学的成分を含有することができる。適当な典型的な防腐剤には、クロロブタノールソルビン酸カリウムソルビン酸二酸化硫黄没食子酸プロピルパラベンエチルバニリングリセリンフェノールおよびパラクロロフェノールが包含される。適当な化学安定剤には、ゼラチンおよびアルブミンが包含される。

0087

ベクターもしくはAAVターゲッティング部分は、過度の悪影響なしに、もしくは医学的に許容しうる生理学的効果を有して治療利益を与えるために十分な量において投与され、それは医療分野における当業者により決定されることができる。通常のそして製薬学的に許容しうる投与経路には、所望の臓器(例えば肺)への直接送達、経口、吸入、鼻腔内、気管支内動脈内、眼球内静脈内、筋肉内、皮下、皮内および他の非経口投与経路が包含されるがこれらに限定されるものではない。投与の経路は、必要に応じて、組み合わせることができる。

0088

ウイルスベクターもしくはターゲッティング部分の投薬量は、処置する症状、患者の年齢、体重および健康のような因子により主に決まり、従って患者間で異なり得る。例えば、ウイルスベクターの治療的に有効なヒト投薬量は、一般に、
約1x109〜1x1016ゲノムウイルスベクターの濃度を含有する約0.1mL〜約100mLの溶液の範囲においてである。大きい臓器(例えば、肝臓、筋肉、心臓および肺)への送達のための好ましいヒト投薬量は、約1〜100mLの容量で、約5x1010〜5x1013のAAVゲノムであることができる。眼への送達のための好ましい投薬量は、約0.1mL〜1mLの容量で、約5x109〜5x1012ゲノムコピーである。例えば、気道コンダクティング細胞ターゲッティング部分の治療的に有効なヒト投薬量は、一般に、約100μg〜約10mgの部分の範囲においてである。これは溶液中で、例えば約0.1mL〜約100mLの溶液中で送達することができる。ウイルスベクターおよびターゲッティング部分の両方について、投薬量は任意の副作用に対する治療効果バランスを保つように調整することができ、そしてそのような投薬量は、組換えベクターを用いる治療用途により異なり得る。導入遺伝子の発現のレベルおよび/または治療もしくはワクチン分子の循環半減期は、投薬量の頻度を決定するためにモニターすることができる。場合により、治療目的のために記述されるものと同様の投与処方計画を本発明の組成物を用いる免疫に利用することができる。

0089

本発明のAAV由来の構築物による送達のための治療製品および免疫原性製品の例を以下に提供する。これらの構築物は、本明細書に記載の通り、様々な治療もしくはワクチン処方計画に用いることができる。さらに、これらのベクターは、所望の治療および/もしくはワクチン処方計画において1つもしくはそれ以上の他のベクターもしくは有効成分と組み合わせて送達することができる。

0090

以下の実施例は一例にすぎず、そして本発明への制約ではない。

0091

AAV6/9キメラキャプシドを有するAAV
A.可変ループ領域IV〜Vを有するAAVキメラの構築
AAV6およびAAV9キャプシドの特定のドメインをオーバーラップ伸長によるPCRスプライシングを用いて交換した(図1A〜C)。この方法は、各ベクターキャプシドにおいて交換される領域を増幅するためのプライマーの使用を伴う。これらのプライマーは、PCR産物末端相補的配列を含有するように異種キャプシド配列に相補的な10〜15塩基対の5’突出を有するように設計される。これは、キメラキャプシド配列を生じるように外側の5’および3’末端に相補的な1組のプライマーを用いる第二のPCR反応においてフラグメントが一緒に連結されることを可能にした。Fはフォワードプライマーを、そしてRはリバースプライマーをさす。

0092

AAV6 VL IV〜V
5’-AGCCTGGACCGRCTATGAATCC-3’ F 配列番号:5
5’-GCCATAGCAGGTCCAGGGTTGAT-3’ R 配列番号:6

0093

AAV9 VP1〜VL IV
5’-AGACGCGGAAGCTTCGATCAACTAC-3’ F 配列番号:7
5’-GGATTCATYAGYCGGTCCAGGCT-3’ R 配列番号:8

0094

AAV9 VL V−末端
5’-ATCAACCCTGGACCTGCTATGGC-3’ F 配列番号:9
5’-ACCTCTAGTCCTGCAGGTTTAAACG-3’ R 配列番号:10

0095

12のキメラを構築し、それらはVP1およびVP2ユニーク領域ならびにキャプシドの9つの推定表面可変ループ領域の交換を含んだ。

0096

次に、これらのキメラキャプシド配列を制限酵素認識部位消化によりAAV2 rep遺伝子を含有するプラスミドにクローン化し、そして次に、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターから発現されそしてAAV2逆方向末端反復(ITR)が隣接するGFPを含有するプラスミドに加えてAdVヘルパープラスミドと一緒に、293細胞にトランスフェクションした。これらのベクターのうち6つをCMVプロモーターからGFPもしくはニワトリβ−アクチン(CB)プロモーターからnLacZのいずれかを発現する大規模製造および精製に進めた。ウイルス力価は、ウシ成長ホルモン(bGF)ポリA特異的プライマーおよびプローブを用いてTaqManリアルタイムPCRにより決定した。

0097

B.ヒト気道上皮細胞培養物の形質導入
次に、これらの6つのベクターの形質導入プロフィールをヒト気道上皮(HAE)細胞培養物で調べてヒトコンダクティング気道に形質導入するそれらの能力を決定した[TE
Gray,et al.Am J Respir Cell Mol Biol,14:104−12(1996)]。初代HAE細胞(Lonza)を24ウェルトランスウェルプレート上に〜50,000細胞/ウェルでまいた。いったん完全にコンフルエントになると、これらの細胞を気液界面で少なくとも4週間培養し、その後で適切な細胞分化を与えるように実験において使用した。HAE細胞のAAV形質導入を調べるために、GFPを発現する6つのAAVキメラに加えてコントロールとしてAAV2/6およびAAV2/9を50μl中1x1011ゲノムコピー(GC)/ウェルでHAE細胞の頂端表面に加えた。ベクターを2時間後に取り除き、そして細胞を気液界面で維持した。GFP発現を5日後に評価した。

0098

この実験により、AAV9キャプシド中にAAV6キャプシドの可変ループ領域IV〜V(配列番号:1のアミノ酸447〜521)を交換すること(swapping)(AAV2/9−6VL IV〜V)はAAV6のものと同様の形質導入を与え、一方、AAV9は通常はコンダクティング気道に形質導入しないことが示された。逆に、AAV6キャプシド中にAAV9の相同領域を交換すること(AAV2/6−9VL IV〜V)は、HAE細胞を効率良く形質導入するAAV6の能力を取り除いた。これは、AAV6キャプシドのこのドメインがコンダクティング気道親和性にとって重要であることを示す。さらに、同じ結果は他のキメラでは観察されなかったので、この現象はAAV6の可変ループ領域IV〜Vに特異的である。

0099

C.マウス肺のインビボ形質導入
これらのベクターの形質導入プロフィールはまた、鼻腔内点滴後にマウス肺においても調べられた。nLacZを発現する1x1011GCの各キメラに加えてコントロールとしてAAV2/6およびAAV2/9を50μlの総容量のリン酸緩衝食塩水(PBS)においてC57Bl/6マウスに鼻腔内送達した。21日後に、肺を最適切断温度OCT)化合物およびPBSの1:1混合物膨張させ、取り除き、そして切断およびβ−gal発現の染色のためにOCTにおいて凍結させた。

0100

この場合もやはり、AAV9キャプシド中にAAV6キャプシドの可変ループ領域IV〜Vを交換することは、コンダクティング気道上皮に対する新規親和性をAAV9に与えることが認められた。そして逆に、AAV6キャプシド中にAAV9の相同領域を交換することはAAV6形質導入を除去した。

0101

総合すると、これらの研究によりコンダクティング気道形質導入に重要なAAV6キャプシドのドメインが同定されたことが示される。可変ループ領域IV〜V(AAV6のアミノ酸447〜521)は、キャプシドの正二十面体3回転軸表面露出突起上に位置し、そして形質導入に必要な細胞相互作用を決定し得る。

0102

AAV9キャプシドにおいてAAV6ナローVL IVおよびナローVL Vを有するAAV6/9キメラ
A.可変ループ領域IV〜Vを有するAAVキメラの構築
実施例1に記載の方法を使用して、オーバーラップ伸長によるPCRスプライシングを用いてAAV9の対応する領域を取り除いたAAV9キャプシド中にAAV6可変ループIVおよび可変ループVのナローフラグメントを挿入した。Fはフォワードプライマーを、そしてRはリバースプライマーをさす。

0103

AAV9 VP1−VL IVナロー
5-’AGACGCGGAAGCTTCGATCAACTAC-3’ F 配列番号:11
5’-TCCGGACTGATTCTG/AGTCTTTGAGAGAT-3’ R 配列番号:12

0104

AAV6 VL IVナロー
5’-ATCTCTCAAAGACT/CAGAATCAGTCCGGA-3’ F 配列番号:13
5’-ACAGCCATGTT/AGCTGGAGACCC-3’ R 配列番号:14

0105

AAV9 VL IVナロー−VL Vナロー
5’-GGGTCTCCAGCT/AACATGGCTGT-3’ F 配列番号:15
5’-TAGAAACGCGCTGTTGTCGGTAGCTGG-3’ R 配列番号:16

0106

AAV6 VL Vナロー
5’-GCTACCGACAACAGCGCGTTTCT-3’ F 配列番号:17
5’-CCAAGAAGAAGC/ACCAGTCCAGGTA-3’ R 配列番号:18

0107

AAV9 VL Vナロー−末端
5’-TACCTGGACTGGT/GCTTCTTCTTGG-3’ F 配列番号:19
5’-ACCTCTAGTCCTGCAGGTTTAAACG-3’ R 配列番号:20

0108

ナローAAV6VL−IVナローは、配列番号:1のアミノ酸配列450〜469に対応する。ナローAAV6VL−Vナローは、配列番号:1のアミノ酸配列487〜505に対応する。得られるキメラキャプシドは、AAV6VL−IVナローのカルボキシ末端とAAV6VL−Vナローのアミノ末端の間に位置するアミノ酸配列を包含する、AAV6可変ループ領域の各々のアミノおよびカルボキシ末端の両方に隣接するAAV9キャプシド配列を含有する。

0109

構築したキメラキャプシド配列を制限酵素認識部位消化によりAAV2 rep遺伝子を含有するプラスミドにクローン化し、そして次に、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターから発現されそしてAAV2逆方向末端反復(ITR)が隣接するホタルルシフェラーゼ(ffluc)を含有するプラスミドに加えてAdVヘルパープラスミドと一緒に、6ウェルプレートにおいて293細胞にトランスフェクションした。トランスフェクションの1日後に培地を交換し、そしてトランスフェクションの3日後に細胞溶解物を集めた。溶解物を3回凍結融解し、そして遠沈して細胞残屑を除いた。次に、SV40ポリA特異的プライマーおよびプローブを用いて定量的PCRによりベクターゲノムコピー
(GC)を滴定した。

0110

ffluc発現カセットを保有する得られるキメラAAVウイルス粒子は、約1x1011ゲノムコピー/mLのレベルで力価を示し、これは同じ発現カセット、しかしそれぞれ完全なAAV6もしくはAAV9キャプシドを含有したAAV2/6およびAAV2/9コントロールで認められる力価の中間である。

0111

インビトロ形質導入を調べるために、293細胞を96ウェルプレートにおいて1x105細胞/ウェルでまいた。1x109GCの各ベクターを100μlの総容量の培地において三重反復で細胞に加えた。一晩のインキュベーション後に、ベクターを取り除きそして新しい培地で置き換えた。形質導入後72時間で、ffluc発現を発光イメージングにより調べた。

0112

上記の通り作製した1つのキメラ構築物、ナロー可変ループIV領域およびナロー可変ループV領域(AAV6のアミノ酸487〜505)を有するAAV2/9を小規模力価でそして293細胞におけるインビトロ形質導入について試験した。約1x1011ゲノムコピー/mLの力価が認められ;これらの力価はAAV2/6コントロールで認められるものより高いが、認められるAAV2/9コントロールより低い。AAV6可変ループIV領域およびナロー可変ループV領域を有するキメラAAV2/9のインビトロ形質導入レベルは、AAV2/6で認められるものより低かったが、AAV2/9のものより高かった。

0113

これらの結果によりナローIVおよびナローVを有するキメラAAV6の形質導入レベルはAAV2/9よりわずかに高くそしてAAV2/6より低いことが示された。

0114

これらの構築物について大規模製造が行われており、そしてそれらは実施例1に記載の通りマウス肺において評価される。

0115

AAV9キャプシドにおいてAAV6可変ループVを有するAAV6/9キメラ
実施例1に記載の方法を使用して、オーバーラップ伸長によるPCRスプライシングを用いてAAV9の対応する領域が取り除かれるAAV9キャプシド中にAAV6可変ループVのナローフラグメントを挿入した(AAV6ループIVの不在下で)。Fはフォワードプライマーを、そしてRはリバースプライマーをさす。

0116

キメラキャプシド構築物の1つは、AAV9キャプシドにおいてAAV6の可変ループVのナローフラグメントのみを含有する:AAV9のアミノ酸1〜486、AAV6(配列番号:1)のアミノ酸487〜505およびAAV9のアミノ酸487〜736。以下のプライマーをこの構築物に利用する。

0117

AAV6 VL Vナローのみのキメラ:
AAV9 VP1−VL Vナロー
5’-AGACGCGGAAGCTTCGATCAACTAC-3’ F 配列番号:27
5-’TAGAAACGCGCTGTTGTCGGTAGCTGG-3’ R 配列番号:28

0118

他のキメラキャプシド構築物は、AAV9キャプシドの対応する領域に挿入されたAAV6の可変ループVおよび可変ループIVの両方のナローフラグメントを含有する。

0119

AAV6 VL Vナロー(配列番号:1のアミノ酸487〜505をコードする領域を増幅する)
5’-GCTACCGACAACAGCGCGTTTCT-3’ F 配列番号:29
5’-CCAAGAAGAAGC/ACCAGTCCAGGTA-3’ R 配列番号:30

0120

AAV9 VL Vナロー−末端
5’-TACCTGGACTGGT/GCTTCTTCTTGG-3’ F 配列番号:31
5’-ACCTCTAGTCCTGCAGGTTTAAACG-3’ R 配列番号:32

0121

1つのキメラ構築物、ナロー可変ループV領域(AAV6のアミノ酸487〜505)を有するAAV2/9を小規模力価でそして293細胞におけるインビトロ形質導入について試験した。それはAAV2/6よりわずかに低い力価(〜3x1010)、しかしAAV2/6と同様のインビトロ形質導入を有する。

0122

AAV9キャプシドにおいてAAV6 VL IVフラグメントを有するAAV6/9キメラ
実施例1に記載の方法を使用して、オーバーラップ伸長によるPCRスプライシングを用いてAAV9の対応する領域が取り除かれるAAV9キャプシド中にAAV6可変ループIVの改変されたナローフラグメントを挿入する。以下のプライマーを利用する。Fはフォワードプライマーを、そしてRはリバースプライマーをさす。

0123

AAV9 VP1−VL IVブロード
5’-AGACGCGGAAGCTTCGATCAACTAC-3’ F 配列番号:33
5-’GGATTCATYAGYCGGTCCAGGCT-3’ R 配列番号:34

0124

AAV6 VL IVブロードLおよびナローR(AAV6のアミノ酸447〜469をコードする領域を増幅する)
5’-AGCCTGGACCGRCTRATGAATCC-3’ F 配列番号:35
5’-ACAGCCATGTT/AGCTGGAGACCC-3’ R 配列番号:36

0125

AAV9 VL IVナロー−末端
5’-GGGTCTCCAGCT/AACATGGCTGT-3’ F 配列番号:37
5’-ACCTCTAGTCCTGCAGGTTTAAACG-3’ R 配列番号:38

0126

AAV6可変ループVの不在下で、AAV6可変ループIVもしくはそのナローフラグメントのみを含有するキメラ構築物で悪い形質導入結果が認められた。しかしながら、VL IV領域のアミノ末端に追加のアミノ酸を含有する別の構築物が作製されている。この構築物はAAV6アミノ酸447〜469を含有する。

0127

本明細書に引用する全ての公開は、引用することにより本明細書に組み込まれる。本発明は特に好ましい態様に関して記述されているが、本発明の精神から逸脱せずに改変を行えることが理解される。そのような改変は、添付の請求項の範囲内に入るものとする。

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