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技術 畜肉加工食品用粉末油脂組成物

出願人 日清オイリオグループ株式会社
発明者 山口貴宏窪田耕一
出願日 2016年1月21日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2016-009337
公開日 2017年7月27日 (4ヶ月経過) 公開番号 2017-127256
状態 未査定
技術分野 食用油脂 肉類、卵、魚製品
主要キーワード 混練生地 水分分離 畜肉原料 最終冷却 二次加熱 焼き餃子 カサ比重 結晶組成物

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課題

本発明の課題は、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を有し、ジューシーで肉の風味が豊かに感じられる畜肉加工食品製造するための粉末油脂組成物を提供することである。

解決手段

次の(a)の条件を満たす粉末状の油脂組成物含有する、畜肉加工食品用粉末油脂組成物とする。(a)全トリグリセリド含有量を100質量%とした場合、1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するXXX型トリグリセリドを65〜99質量%と、前記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの脂肪酸残基Yに置換した1種以上のX2Y型トリグリセリドを35〜1質量%とを含有する油脂組成物であって、前記炭素数xは8〜20から選択される整数であり、前記炭素数yは、それぞれ独立して、x+2〜x+12から選択される整数でありかつy≦22である。

背景

ハンバーグミートボール肉団子ミートローフ、シュウマイの具、ギョウザの具、肉まんの具、つくね、ハムソーセージなどの畜肉加工食品においては、味や風味とともに食感重要な要素となっている。例えば、ハンバーグ等の畜肉加工食品では、ジューシー感ソフト感が一般的に必要と考えられている。畜肉加工食品は食卓をにぎやかにする食品であり、様々な種類のものが知られているが、その種類に応じて様々な食感を有するものが求められている。

ところで、肉食が最近ブームとなっている。従来は痩身のために、野菜中心の生活をし、肉食はなるべく避けるというのが通常であったが、最近は、糖質の方が肥満の主な原因と考えられるようになり、脂身の少ない赤み肉(タンパク質)は、むしろ痩身につながるということで、体形維持のために肉が好んで食べられるようになってきている。そのため、畜肉加工食品を好んでよく食べる消費者の数も年々増加しているといえる。したがって、畜肉加工食品においても、従前のように、単なるジューシー感やソフト感といったオーソドックスな食感だけでなく、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感など、別の新しい食感が求められるようになってきている。そして、肉好きの消費者の嗜好満足するため、ある種の畜肉加工食品では、肉質肉汁の風味がより一層強く感じられるものも求められるようになってきている。
また一方で、昨今の課題としては、高騰をし続ける原材料コスト吸収するため、多くの加工食品企業において、畜肉グレードを落とすことやその代替品を用いることも珍しくなくなってきている。したがって、グレードの低い畜肉やその代替品を用いた場合であっても、本来の肉らしい食感を有し、ジューシーで肉の風味が良く感じられるようにする加工技術も求められている。

こうした状況の中、畜肉加工食品の品質や食感を改良する目的で、これまで粉末油脂を用いるいくつかの方法が提案されている。例えば、食用油脂5〜70質量%、20℃における2質量%水溶液の粘度が3〜600mPa・sであるメチルセルロース2〜10質量%、乳化剤0.5〜5質量%、及び水15〜92.5質量%からなる水中油型乳化組成物乾燥粉末化した粉末油脂を用いる、畜肉加工食品の製造法が知られている(特許文献1)。また、卵蛋白質である加熱凝固性蛋白質100重量部(固形分換算)に対して、油脂5〜50重量部からなる粉末乳化油脂組成物を用いる、畜肉加工食品の製造法が知られている(特許文献2)。
しかし、特許文献1は、ジューシー感やソフト感を求めるものであり、本発明のように身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を求めるものとは本質的に異なるものである。また、特許文献2は、卵蛋白質によって保水性結着性付与し、弾力性をもたせるものであり、本発明のように粉末油脂組成物によって身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を引き出すものとは本質的に異なるものである。したがって、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を有し、ジューシーで肉の風味が豊かに感じられる畜肉加工食品を製造できる粉末油脂組成物の開発が求められていた。

概要

本発明の課題は、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を有し、ジューシーで肉の風味が豊かに感じられる畜肉加工食品を製造するための粉末油脂組成物を提供することである。次の(a)の条件を満たす粉末状の油脂組成物含有する、畜肉加工食品用粉末油脂組成物とする。(a)全トリグリセリド含有量を100質量%とした場合、1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するXXX型トリグリセリドを65〜99質量%と、前記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの脂肪酸残基Yに置換した1種以上のX2Y型トリグリセリドを35〜1質量%とを含有する油脂組成物であって、前記炭素数xは8〜20から選択される整数であり、前記炭素数yは、それぞれ独立して、x+2〜x+12から選択される整数でありかつy≦22である。なし

目的

本発明の課題は、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を有し、ジューシーで肉の風味が豊かに感じられる畜肉加工食品を製造するための粉末油脂組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

以下の(a)の条件を満たす粉末状の油脂組成物含有する、畜肉加工食品用粉末油脂組成物。(a)全トリグリセリド含有量を100質量%とした場合、1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するXXX型トリグリセリドを65〜99質量%と、前記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの脂肪酸残基Yに置換した1種以上のX2Y型トリグリセリドを35〜1質量%とを含有する油脂組成物であって、前記炭素数xは8〜20から選択される整数であり、前記炭素数yは、それぞれ独立して、x+2〜x+12から選択される整数でありかつy≦22である。

請求項2

前記XXX型トリグリセリドが80〜99質量%と、前記1種以上のX2Y型トリグリセリドの合計が20〜1質量%とを含有する、請求項1に記載の粉末油脂組成物

請求項3

前記xが10〜18から選択される整数であり、前記yが、それぞれ独立して、x+2〜x+10から選択される整数でありかつy≦22である、請求項1または2に記載の粉末油脂組成物。

請求項4

前記xが10〜12から選択される整数であり、前記yが、それぞれ独立して、x+4〜x+8から選択される整数でありかつy≦22である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉末油脂組成物。

請求項5

ゆるめ嵩密度が0.1〜0.6g/cm3である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉末油脂組成物。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉末油脂組成物を含有してなる、畜肉加工食品。

請求項7

前記粉末油脂組成物を畜肉加工食品中に0.1〜20質量%含有してなる、請求項6に記載の畜肉加工食品。

請求項8

請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉末油脂組成物を配合する、畜肉加工食品の製造法

請求項9

前記粉末油脂組成物を畜肉加工食品中に0.1〜20質量%配合する、請求項8に記載の畜肉加工食品の製造法。

請求項10

請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉末油脂組成物を有効成分とする、畜肉加工食品用の食感改良剤

技術分野

0001

本発明は、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を有し、ジューシーで肉の風味が豊かに感じられる畜肉加工食品製造するための粉末油脂組成物に関する。また、前記のごとき畜肉加工食品の製造方法にも関する。

背景技術

0002

ハンバーグミートボール肉団子ミートローフ、シュウマイの具、ギョウザの具、肉まんの具、つくね、ハムソーセージなどの畜肉加工食品においては、味や風味とともに食感が重要な要素となっている。例えば、ハンバーグ等の畜肉加工食品では、ジューシー感ソフト感が一般的に必要と考えられている。畜肉加工食品は食卓をにぎやかにする食品であり、様々な種類のものが知られているが、その種類に応じて様々な食感を有するものが求められている。

0003

ところで、肉食が最近ブームとなっている。従来は痩身のために、野菜中心の生活をし、肉食はなるべく避けるというのが通常であったが、最近は、糖質の方が肥満の主な原因と考えられるようになり、脂身の少ない赤み肉(タンパク質)は、むしろ痩身につながるということで、体形維持のために肉が好んで食べられるようになってきている。そのため、畜肉加工食品を好んでよく食べる消費者の数も年々増加しているといえる。したがって、畜肉加工食品においても、従前のように、単なるジューシー感やソフト感といったオーソドックスな食感だけでなく、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感など、別の新しい食感が求められるようになってきている。そして、肉好きの消費者の嗜好満足するため、ある種の畜肉加工食品では、肉質肉汁の風味がより一層強く感じられるものも求められるようになってきている。
また一方で、昨今の課題としては、高騰をし続ける原材料コスト吸収するため、多くの加工食品企業において、畜肉グレードを落とすことやその代替品を用いることも珍しくなくなってきている。したがって、グレードの低い畜肉やその代替品を用いた場合であっても、本来の肉らしい食感を有し、ジューシーで肉の風味が良く感じられるようにする加工技術も求められている。

0004

こうした状況の中、畜肉加工食品の品質や食感を改良する目的で、これまで粉末油脂を用いるいくつかの方法が提案されている。例えば、食用油脂5〜70質量%、20℃における2質量%水溶液の粘度が3〜600mPa・sであるメチルセルロース2〜10質量%、乳化剤0.5〜5質量%、及び水15〜92.5質量%からなる水中油型乳化組成物乾燥粉末化した粉末油脂を用いる、畜肉加工食品の製造法が知られている(特許文献1)。また、卵蛋白質である加熱凝固性蛋白質100重量部(固形分換算)に対して、油脂5〜50重量部からなる粉末乳化油脂組成物を用いる、畜肉加工食品の製造法が知られている(特許文献2)。
しかし、特許文献1は、ジューシー感やソフト感を求めるものであり、本発明のように身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を求めるものとは本質的に異なるものである。また、特許文献2は、卵蛋白質によって保水性結着性付与し、弾力性をもたせるものであり、本発明のように粉末油脂組成物によって身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を引き出すものとは本質的に異なるものである。したがって、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を有し、ジューシーで肉の風味が豊かに感じられる畜肉加工食品を製造できる粉末油脂組成物の開発が求められていた。

先行技術

0005

特開2009−183194号公報
特許第3381118号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の課題は、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を有し、ジューシーで肉の風味が豊かに感じられる畜肉加工食品を製造するための粉末油脂組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、様々な粉末油脂を添加した畜肉加工食品について鋭意研究を行った結果、特定の条件を満たす粉末油脂組成物を用いることによって、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を有し、ジューシーで肉の風味が豊かに感じられる畜肉加工食品が得られることを見出し、本発明を完成させた。

0008

すなわち、本発明の一態様によれば、以下の(a)の条件を満たす粉末状の油脂組成物含有する、畜肉加工食品用粉末油脂組成物を提供することができる。
(a)全トリグリセリド含有量を100質量%とした場合、1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するXXX型トリグリセリドを65〜99質量%と、前記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの脂肪酸残基Yに置換した1種以上のX2Y型トリグリセリドを35〜1質量%とを含有する油脂組成物であって、前記炭素数xは8〜20から選択される整数であり、前記炭素数yは、それぞれ独立して、x+2〜x+12から選択される整数でありかつy≦22である。
また、本発明の好ましい一態様によれば、前記XXX型トリグリセリドが80〜99質量%と、前記1種以上のX2Y型トリグリセリドの合計が20〜1質量%とを含有する、上記粉末油脂組成物を提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、前記xが10〜18から選択される整数であり、前記yが、それぞれ独立して、x+2〜x+10から選択される整数でありかつy≦22である、上記粉末油脂組成物を提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、前記xが10〜12から選択される整数であり、前記yが、それぞれ独立して、x+4〜x+8から選択される整数でありかつy≦22である、上記粉末油脂組成物を提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、ゆるめ嵩密度が0.1〜0.6g/cm3である、上記粉末油脂組成物を提供することができる。
さらに、本発明の一態様によれば、上記粉末油脂組成物を含有してなる、畜肉加工食品を提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、上記粉末油脂組成物を畜肉加工食品中に0.1〜20質量%含有してなる、畜肉加工食品を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、上記粉末油脂組成物を配合する、畜肉加工食品の製造法を提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、上記粉末油脂組成物を畜肉加工食品中に0.1〜20質量%配合する、畜肉加工食品の製造法を提供することができる。
さらに、本発明の一態様によれば、上記粉末油脂組成物を有効成分とする、畜肉加工食品用の食感改良剤を提供することができる。

発明の効果

0009

本発明によれば、特定の条件を満たす粉末油脂組成物を添加することによって、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を有し、ジューシーで肉の風味が豊かに感じられる畜肉加工食品を製造することができる。これにより、従来の畜肉加工食品では満足できなかった人々の需要に応えることができる。

0010

以下、本発明の「畜肉加工食品」について順を追って記述する。
本発明において「畜肉加工食品」とは、畜肉を主原料とし、副原料混和して練り、得られた混練生地成型した後、加熱処理することによって得られる食品を意味する。畜肉の種類は、通常食用に供される畜肉であれば、特に制限されるものではないが、容易入手観点から、牛肉豚肉鶏肉であることが好ましい。また、畜肉の形状は、練り合わせられる形状であれば、特に制限されるものではないが、挽肉ミンチ)であることが好ましい。本発明の「畜肉加工食品」としては、例えば、牛肉、豚肉、肉、鶏肉等のハム類、ソーセージ類、ハンバーグ類、パテ類、ミートボール類、餃子類、シュウマイ類等の各種惣菜類をはじめ、これらの缶詰瓶詰等各種の食品等が挙げられる。より具体的な例を挙げれば、ハンバーグ、ミートボール、肉団子、ミートローフ、シュウマイの具、餃子の具、春巻きの具、肉まんの具、つくね、ハム、ソーセージ等が挙げられる。本発明では特に、ハンバーグ、餃子の具が好ましい。副原料は、タマネギパン粉等の通常畜肉加工食品に用いられるものを利用することができる。その他に、塩や醤油ポークエキス等の調味料も添加してもよい。さらに、嗜好性を高めるために、副原料として、食品への添加物として慣用されている各種の調味成分を添加することができる。このような調味成分として、例えば、チーズバジル等のハーブ類等が挙げられる。なお、包装形態は、特に制限されないが、一般的にはレトルトパウチが挙げられる。

0011

<油脂組成物>
本発明は、全トリグリセリド含有量を100質量%とした場合、1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種類又はそれ以上のXXX型トリグリセリドを65〜99質量%と、前記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの脂肪酸残基Yに置換した1種以上のX2Y型トリグリセリドを35〜1質量%とを含有する油脂組成物であって、前記炭素数xは8〜20から選択される整数であり、前記炭素数yは、それぞれ独立して、x+2〜x+12から選択される整数でありかつy≦22である条件から選ばれる、油脂組成物に関する。上記2種類のトリグリセリドを上記質量%にて含む当該油脂組成物は、乳化剤、賦形剤等の添加剤を含めることなく、容易に粉末状の油脂組成物となる。本発明の油脂組成物及び粉末油脂組成物については、先に出願したPCT/JP2015/070850(特願2014−149168号)において詳しく説明されているので、詳細は割愛する。なお、前記出願の内容は、本明細書の中に取り込まれる。以下、本発明の油脂組成物及び粉末油脂組成物の特徴を要約して説明する。

0012

<XXX型トリグリセリド>
本発明の油脂組成物は、全トリグリセリド含有量を100質量%とした場合、その含有量が65〜99質量%である、単一種又は複数種、好ましくは単一種(1種類)のXXX型トリグリセリドを含む。当該XXX型トリグリセリドは、1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するトリグリセリドであり、各脂肪酸残基Xは互いに同一である。ここで、当該炭素数xは8〜20から選択される整数であり、好ましくは10〜18から選択される整数、より好ましくは10〜16から選択される整数、更に好ましくは10〜12から選択される整数である。
脂肪酸残基Xは、飽和あるいは不飽和の脂肪酸残基であってもよい。具体的な脂肪酸残基Xとしては、例えば、カプリル酸カプリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸及びアラキジン酸等の残基が挙げられるがこれに限定するものではない。脂肪酸としてより好ましくは、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸であり、さらに好ましくは、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸及びパルミチン酸であり、殊更好ましくは、カプリン酸及びラウリン酸である。
XXX型トリグリセリドは、油脂組成物中の全トリグリセリドを100質量%とした場合、65〜99質量%含まれる。XXX型トリグリセリドの含有量として好ましくは、75〜99質量%であり、より好ましくは80〜99質量%であり、更に好ましくは83〜98質量%であり、特に好ましくは85〜98質量%であり、殊更好ましくは90〜98質量%である。

0013

<X2Y型トリグリセリド>
本発明の油脂組成物は、上記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの脂肪酸残基Yに置換したX2Y型トリグリセリドを1種以上含む。ここで、1つのX2Y型トリグリセリドに含まれる各脂肪酸残基Xは互いに同一であり、かつXXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xとも同一である。当該1つのX2Y型トリグリセリドに含まれる脂肪酸残基Yの炭素数yはx+2〜x+12でありかつy≦22である条件から選ばれる整数である。炭素数yは、好ましくはy=x+2〜x+10を満たし、より好ましくはy=x+4〜x+8を満たす条件から選ばれる整数である。また、炭素数yの上限値は、好ましくはy≦20であり、より好ましくはy≦18である。本発明の油脂組成物は複数、例えば、2種類〜5種類、好ましくは3〜4種類のX2Y型トリグリセリドを含んでいてもよく、その場合の各X2Y型トリグリセリドの定義は上述の通りである。各X2Y型トリグリセリドの脂肪酸残基Yの炭素数yは、上述の範囲内から、各X2Y型トリグリセリドごとにそれぞれ独立して選択される。例えば、本発明の油脂組成物を、トリカプリンパームステアリン極度硬化油とをエステル交換して製造する場合は、xは共通してx=10であるが、yはそれぞれy=12、14、16及び18である4種類のX2Y型トリグリセリドを含む。
脂肪酸残基Yは、飽和あるいは不飽和の脂肪酸残基であってもよい。具体的な脂肪酸残基Yとしては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸等の残基が挙げられるがこれに限定するものではない。脂肪酸としてより好ましくは、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸であり、さらに好ましくは、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸である。
このX2Y型トリグリセリドの脂肪酸残基Yは、1位〜3位の何れに配置していてもよい。
X2Y型トリグリセリドは、油脂組成物中の全トリグリセリドを100質量%とした場合、35〜1質量%含まれる。X2Y型トリグリセリドの含有量としては、例えば、25〜1質量%であり、好ましくは20〜1質量%であり、より好ましくは17〜1質量%であり、更に好ましくは15〜2質量%であり、殊更好ましくは10〜2質量%である。本発明の油脂組成物に複数のX2Y型トリグリセリドが含まれる場合、上記X2Y型トリグリセリドの量は、含まれるX2Y型トリグリセリドの合計量である。

0014

<その他のトリグリセリド>
本発明の油脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、上記XXX型トリグリセリド及びX2Y型トリグリセリド以外の、その他のトリグリセリドを含んでいてもよい。その他のトリグリセリドは、複数の種類のトリグリセリドであってもよく、合成油脂であっても天然油脂であってもよい。合成油脂としては、トリカプリル酸グリセリルトリカプリン酸グリセリル等が挙げられる。天然油脂としては、例えば、ココアバターヒマワリ油菜種油大豆油綿実油等が挙げられる。本発明の油脂組成物中の全トリグリセリドを100質量%とした場合、その他のトリグリセリドは、1質量%以上、例えば、5〜30質量%程度含まれていても問題はない。その他のトリグリセリドの含有量は、例えば、0〜30質量%、好ましくは0〜18質量%、より好ましくは0〜15質量%、更に好ましくは0〜8質量%である。

0015

<その他の成分>
本発明の油脂組成物は、上記トリグリセリドの他、任意に乳化剤、香料脱脂粉乳全脂粉乳砂糖デキストリン等のその他の成分を含んでいてもよい。これらその他の成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、油脂組成物の全質量を100質量%とした場合、0〜70質量%、好ましくは0〜65質量%、より好ましくは0〜30質量%である。その他成分は、その90質量%以上が、平均粒径が1000μm以下である紛体であることが好ましく、平均粒径が500μm以下の紛体であることがより好ましい。なお、ここでいう平均粒径は、レーザー回折散乱法(ISO133201及びISO9276-1)によって測定した値である。
但し、本発明の好ましい油脂組成物は、実質的に油脂のみからなることが好ましい。ここで油脂とは、実質的にトリグリセリドのみからなるものである。また、「実質的に」とは、油脂組成物中に含まれる油脂以外の成分または油脂中に含まれるトリグリセリド以外の成分が、油脂組成物または油脂を100質量%とした場合、例えば、0〜15質量%、好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0〜5質量%であることを意味する。

0016

<粉末油脂組成物>
本発明の粉末油脂組成物は、上記油脂組成物中に含まれるトリグリセリドを融解して溶融状態の上記油脂組成物を得、この油脂組成物を冷却することにより、噴霧ミル等の粉砕機による機械粉砕等特別の加工手段を採らなくても、粉末状の油脂組成物(粉末油脂組成物)を得ることができる。より具体的には、上記XXX型トリグリセリドと上記X2Y型トリグリセリドを含有する油脂組成物を任意に加熱・融解して溶融状態の油脂組成物を得、その後冷却して溶融状態の油脂組成物よりも体積が増加した空隙を有する固形物を形成する。得られた該固形物をにかける等により外部より軽く衝撃を加えて粉砕する(ほぐす)ことで容易に粉末油脂組成物を得ることができる。後述するように、衣の分散性を考慮した場合、本発明では、低融点タイプの粉末油脂組成物を用いることが好ましい。

0017

<粉末油脂組成物の物性>
本発明の粉末油脂組成物は、常温(20℃)で粉末状の固体である。
本発明の粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度は、例えば実質的に油脂のみからなる場合、0.1〜0.6g/cm3、好ましくは0.15〜0.5g/cm3であり、より好ましくは0.2〜0.4g/cm3である。ここで「ゆるめ嵩密度」とは、粉体を自然落下させた状態の充填密度である。ゆるめ嵩密度(g/cm3)の測定は、例えば、内径15mm×25mLのメスシリンダーに、当該メスシリンダーの上部開口端から2cm程度上方から粉末油脂組成物の適量を落下させて疎充填し、充填された質量(g)の測定と容量(mL)の読み取りを行い、mL当たりの当該粉末油脂組成物の質量(g)を算出することで求めることができる。また、ゆるめ嵩密度は、(株)蔵持科学器械製作所のカサ比重測定器を使用し、JIS K-6720(又はISO 1060-1及び2)に基づいて測定したカサ比重から算出することもできる。具体的には、試料120mLを、受器(内径40mm×高さ85mmの100mL円柱形容器)の上部開口部から38mmの高さの位置から、該受器に落とす。受器から盛り上がった試料はすり落とし、受器の内容積(100mL)分の試料の質量(Ag)を量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求めることができる。
ゆるめ嵩密度(g/mL)=A(g)/100(mL)
測定は3回行ってその平均値を取ることが好ましい。

0018

<粉末油脂組成物の製造方法>
本発明の粉末油脂組成物は、以下の工程、
(a)全トリグリセリド含有量を100質量%とした場合、1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するXXX型トリグリセリドを65〜99質量%と、前記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つを炭素数yの脂肪酸残基Yに置換したX2Y型トリグリセリドを35〜1質量%とを含有する油脂組成物であって、前記炭素数xは8〜20から選択される整数であり、前記炭素数yは、それぞれ独立して、x+2〜x+12から選択される整数でありかつy≦22である、油脂組成物を調製する工程、
(b)前記油脂組成物を加熱し、前記油脂組成物中に含まれるトリグリセリドを融解して溶融状態の前記油脂組成物を得る任意の工程、
(d)溶融状態の前記油脂組成物を冷却して粉末油脂組成物を得る工程、
を含む方法によって製造することができる。
また、上記工程(b)と(d)の間に、工程(c)として粉末生成を促進するための任意工程、例えば(c1)シーディング工程、(c2)テンパリング工程、及び/又は(c3)予備冷却工程を含んでいてもよい。さらに上記工程(d)で得られる粉末油脂組成物は、工程(d)の冷却後に得られる固形物を粉砕して粉末状の油脂組成物を得る工程(e)によって得られるものであってもよい。

0019

(a)油脂組成物の調製工程I
工程(a)で調製される油脂組成物は、上述したとおりのXXX型トリグリセリド(1種類又はそれ以上)とX2Y型トリグリセリド(1種類又はそれ以上)とを、上述した質量%で含有するものである。具体的には、例えば、1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するXXX型トリグリセリド(1種類又はそれ以上)と、1位〜3位に炭素数yの脂肪酸残基Yを有するYYY型トリグリセリド(1種類又はそれ以上)とを別々に入手し、XXX型トリグリセリド/YYY型トリグリセリドの質量比で90/10〜99/1にて混合して反応基質を得(ここで、前記炭素数xは8〜20から選択される整数であり、前記炭素数yはx+2〜x+12から選択される整数でありかつy≦22である)、前記反応基質を加熱し、触媒存在下でエステル交換反応する工程を経て得られる。
(a)油脂組成物の調製工程II
本発明の工程(a)で調製される油脂組成物の製造方法としては、さらに以下に示すようなXXX型トリグリセリドとX2Y型トリグリセリドを同時かつ直接合成する方法を挙げることができる。すなわち、本調製工程IIは、XXX型トリグリセリドとX2Y型トリグリセリドを得るために、XXX型トリグリセリドとYYY型トリグリセリドとを別々に合成してエステル交換するということはせず、双方のトリグリセリドを製造するための原料(脂肪酸または脂肪酸誘導体グリセリン)を、例えば単一の反応容器投入し、同時かつ直接合成する。
(a)油脂組成物の調製工程III
油脂組成物は、さらに65〜99質量%の範囲外にあるXXX型トリグリセリド及び/または35〜1質量%の範囲外にあるX2Y型トリグリセリドを含む油脂組成物を調製した後、XXX型トリグリセリド又はX2Y型トリグリセリドを更に添加することによって65〜99質量%のXXX型トリグリセリドと35〜1質量%のX2Y型トリグリセリドとを含む油脂組成物を得てもよい(希釈による油脂組成物の調製)。例えば、50〜70質量%のXXX型トリグリセリドと50〜30質量%のX2Y型トリグリセリドとを含む油脂組成物を得た後、所望量のXXX型トリグリセリドを添加して65〜99質量%のXXX型トリグリセリドと35〜1質量%のX2Y型トリグリセリドとを含む油脂組成物を得てもよい。

0020

(b)溶融状態の前記油脂組成物を得る工程
上記(d)工程の前に、上記工程(a)で得られた油脂組成物は、調製された時点で溶融状態にある場合、加熱せずにそのまま冷却されるが、得られた時点で溶融状態にない場合は、任意に加熱され、該油脂組成物中に含まれるトリグリセリドを融解して溶融状態の油脂組成物を得る。
ここで、油脂組成物の加熱は、上記油脂組成物中に含まれるトリグリセリドの融点以上の温度、特にXXX型トリグリセリド及びX2Y型トリグリセリドを融解できる温度、例えば、70〜200℃、好ましくは、75〜150℃、より好ましくは80〜100℃であることが適当である。また、加熱は、例えば、0.5〜3時間、好ましくは、0.5〜2時間、より好ましくは0.5〜1時間継続することが適当である。

0021

(d)溶融状態の油脂組成物を冷却して粉末油脂組成物を得る工程
上記工程(a)又は(b)で得られた溶融状態の油脂組成物は、さらに冷却されて粉末油脂組成物を形成する。
ここで、「溶融状態の油脂組成物を冷却」とは、溶融状態の油脂組成物を、当該油脂組成物の融点より低い温度に保つことを意味する。「油脂組成物の融点より低い温度」とは、例えば、当該融点より1〜30℃低い温度、好ましくは当該融点より1〜20℃低い温度、より好ましくは当該融点より1〜15℃低い温度である。溶融状態にある油脂組成物の冷却は、例えばxが8〜10のときは最終温度が、好ましくは10〜30℃、より好ましくは15〜25℃、更に好ましくは18〜22℃の温度になるように冷却することによって行われる。冷却における最終温度は、例えばxが11又は12のときは、好ましくは30〜40℃、より好ましくは32〜38℃、更に好ましくは33〜37℃であり、xが13又は14のときは、好ましくは40〜50℃、より好ましくは42〜48℃、更に好ましくは44〜47℃であり、xが15又は16のときは、好ましくは50〜60℃、より好ましくは52〜58℃、更に好ましくは54〜57℃であり、xが17又は18のときは、好ましくは60〜70℃、より好ましくは62〜68℃、更に好ましくは64〜67℃であり、xが19又は20のときは、好ましくは70〜80℃、より好ましくは72〜78℃、更に好ましくは74〜77℃である。上記最終温度において、例えば、好ましくは2時間以上、より好ましくは4時間以上、更に好ましくは6時間〜2日間静置することが適当である。場合によっては、例えばXXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの炭素数xが8〜12の場合など、比較的粉体化に時間を要するものは、特に以下の(c)工程を使用しない場合、例えば2〜8日間、具体的には3〜7日間、より具体的には約6日間静置しなければならない場合もある。

0022

(c)粉末生成促進工程
さらに、上記工程(a)又は(b)と(d)との間に、(c)粉末生成を促進するための任意工程として、工程(d)で使用する溶融状態の油脂組成物に対し、シーディング法(c1)、テンパリング法(c2)及び/又は(c3)予備冷却法による処理を行ってもよい。
ここで、(c1)シーディング法とは、粉末の核(種)となる成分を溶融状態にある油脂組成物の冷却時に少量添加して、粉末化を促進する方法である。具体的には、例えば、工程(b)で得られた溶融状態にある油脂組成物に、当該油脂組成物中のXXX型トリグリセリドと炭素数が同じXXX型トリグリセリドを好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含む油脂粉末を核(種)となる成分として準備する。この核となる油脂粉末を、溶融状態にある油脂組成物の冷却時、当該油脂組成物の温度が、例えば、最終冷却温度±0〜+10℃、好ましくは+5〜+10℃の温度に到達した時点で、当該溶融状態にある油脂組成物100質量部に対して0.1〜1質量部、好ましくは0.2〜0.8質量部添加することにより、油脂組成物の粉末化を促進する方法である。
(c2)テンパリング法とは、溶融状態にある油脂組成物の冷却において、最終冷却温度で静置する前に一度、工程(d)の冷却温度よりも低い温度、例えば5〜20℃低い温度、好ましくは7〜15℃低い温度、より好ましくは10℃程度低い温度に、好ましくは10〜120分間、より好ましくは30〜90分間程度冷却することにより、油脂組成物の粉末化を促進する方法である。
(c3)予備冷却法とは、前記工程(a)又は(b)で得られた溶融状態の油脂組成物を、工程(d)にて冷却する前に、工程(a)又は(b)の溶融状態の温度よりも低く、工程(d)の冷却温度よりも高い温度で一旦予備冷却する方法である。工程(d)の冷却温度より高い温度とは、例えば、工程(d)の冷却温度よりも2〜40℃高い温度、好ましくは3〜30℃高い温度、より好ましくは4〜30℃高い温度、さらに好ましくは5〜10℃程度高い温度であり得る。前記予備冷却する温度を低く設定すればするほど、工程(d)の冷却温度における本冷却時間を短くすることができる。すなわち、予備冷却法とは、シーディング法やテンパリング法と異なり、冷却温度を段階的に下げるだけで油脂組成物の粉末化を促進できる方法であり、工業的に製造する場合に利点が大きい。

0023

(e)固形物を粉砕して粉末油脂組成物を得る工程
上記工程(d)の冷却によって粉末油脂組成物を得る工程は、より具体的には、工程(d)の冷却によって得られる固形物を粉砕して粉末油脂組成物を得る工程(e)によって行われてもよい。
詳細に説明すると、まず、上記XXX型トリグリセリドと上記X2Y型トリグリセリドを含有する油脂組成物を融解して溶融状態の油脂組成物を得、その後冷却して溶融状態の油脂組成物よりも体積が増加した空隙を有する固形物を形成する。空隙を有する固形物となった油脂組成物は、軽い衝撃を加えることで粉砕でき、固形物が容易に崩壊して粉末状となる。
ここで、軽い衝撃を加える手段は特に特定されないが、振る、篩に掛ける等により、軽く振動(衝撃)を与えて粉砕する(ほぐす)方法が、簡便で好ましい。

0024

<粉末油脂組成物に含まれるその他の成分>
本発明の粉末油脂組成物は、任意に乳化剤、タンパク質、澱粉酸化防止剤等のその他の成分を含んでいてもよい。例えば、粉末油脂組成物に対し、乳化作用のあるものを加えることによって、粉末油脂組成物の水系への分散性を向上させることができる。これらその他の成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、粉末油脂組成物の全質量を100質量%とした場合、0〜70質量%、好ましくは0〜65質量%、より好ましくは0〜30質量%である。
但し、本発明の好ましい粉末油脂組成物は、実質的に油脂のみからなることが好ましい。ここで油脂とは、実質的にトリグリセリドのみからなるものである。また、「実質的に」とは、粉末油脂組成物中に含まれる油脂以外の成分または油脂中に含まれるトリグリセリド以外の成分が、油脂組成物または油脂を100質量%とした場合、例えば、0〜15質量%、好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0〜5質量%であることを意味する。

0025

<粉末油脂組成物の含有量>
本発明の畜肉加工食品は、粉末油脂組成物を加えた後の畜肉加工食品の全質量を100質量%としたときに、畜肉加工食品中に上記粉末油脂組成物を0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは1〜10質量%含有する。
0.1質量%未満では、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感がでないし、肉本来の風味を引き出すこともできない。一方、20質量%を超える場合は、エグ味が出てしまい好ましい味にならない。

0026

<畜肉加工食品に含まれる食用油脂>
本発明の畜肉加工食品は、上記粉末油脂組成物のほか、任意の食用油脂を含むことができる。このような食用油脂としては、食用油マーガリンファットスプレッド、及びショートニングなどが挙げられ、これらの一種又は2種以上を併用することができる。前記食用油脂の原料としては、例えば、ヤシ油パーム核油パーム油パーム分別油パームオレインパームスーパーオレイン等)、シア脂シア分別油、サル脂、サル分別油、イリッペ脂、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油ひまわり油米油コーン油ゴマ油オリーブ油乳脂、ココアバター等やこれらの混合油加工油脂等を使用することができる。特に、畜肉系では、ゴマ油、コーン油を使用することが好ましい。これら食用油脂の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、粉末油脂組成物の全質量を100質量%とした場合、0〜100質量%、好ましくは0〜75質量%、より好ましくは0〜50質量%である。

0027

<畜肉加工食品に含まれるその他の成分>
本発明の畜肉加工食品においては、製造する食品の種類により、、羊、鶏などの畜肉又はこれらの加工品から適宜最適なものが選択して使用される。多くの場合、これらの畜肉は細かくカットされミンチにされている。この他、必要に応じて、野菜類魚介類乳製品又はこれらの加工品を適宜加えることができる。
さらに、保水性、結着性、食感等における品質向上を目的として、畜肉加工食品に一般的に添加されるその他の成分を使用することができる。例えば、大豆蛋白、卵蛋白カゼイン乳蛋白、血液蛋白等の結着材料だけでなく、香辛料重合リン酸塩などの結着補強剤亜硝酸塩などの発色剤カゼインナトリウムなどの乳化安定剤アスコルビン酸塩などの酸化防止剤、食塩、糖類、グルタミン酸ナトリウムなどの調味料、ソルビン酸カリなどの保存料、それに甘味料などが適宜使用され、これらに限定されない。
本発明の畜肉加工食品に含まれるその他の成分の含量は、品質向上効果等を見ながら、当業者であれば適宜決定できる。

0028

<本発明の畜肉加工食品の製造法>
本発明の畜肉加工食品の製造は、例えば、畜肉原料と副原料を全て混合槽に添加して、市販のニーダー等を用いて混練することにより、混錬生地を作るところから始まる。その際、原料の組成や配合、混練時間等は、目的とする畜肉加工食品の品質等を考慮して当業者であれば適宜決定することができる。このとき、本発明の粉末油脂組成物を配合することができる。
次に、混錬生地の成形を行う。成形は機械成形器)を用いて行うこともできるし、手で行うこともできる。なお、成形の手法によっては、加熱処理による加熱縮み方向が分散され、収縮率も小さくなるため、やわらかく、ほぐれやすい食感を有し、適度な肉粒感を有する畜肉加工食品を製造することも可能である。
本発明において上記のごとく成形された物を加熱する方法は、通常の畜肉加工食品の製造方法に用いられる方法であれば、特に限定されない。加熱する方法として、例えば、鉄板オーブン等を用いて焼成する方法や、フライヤー等を用いて揚げる方法、スチーマー等を用いて蒸す方法、電子レンジ等を用いて加熱する方法等が挙げられる。これらの方法は、適宜組み合わせて使用してもよい。有害微生物による食中毒を防止するため、成型物中心温度が65℃以上、好ましくは70〜80℃になるまで加熱することが好ましい。例えば、焼き目つきハンバーグの場合、まず、フライパンで焼成することにより、成型物の表面に焼き目をつけた後、オーブンで焼成し、さらにスチーマーで蒸して、成型物の中心温度が65℃以上、好ましくは70〜80℃程度の規定の温度となるように加熱することにより、製造することができる。
このようにして得られた畜肉加工食品は、レトルトパウチ包装され、レトルト処理二次加熱等を経て、流通に付されるのが一般的である。

0029

<畜肉加工食品用食感改良剤>
ところで、以上述べたように、本発明に用いる粉末油脂組成物は、畜肉加工食品の食感を身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を有し、ジューシーで肉の風味が豊かなものへ改変するから、本発明は、上記粉末油脂組成物を有効成分とする、畜肉加工食品用の食感改質剤にも関する。以下に示すように、本発明の畜肉加工食品用食感改良剤を混錬生地に配合することにより、畜肉加工食品を身の引き締まった適度に噛み応えのある食感を有し、ジューシーで肉の風味が豊かなものへ変換する食感改良効果を達成することができる。
本発明の畜肉加工食品用食感改良剤は、上述の粉末油脂組成物を含有する。本発明の畜肉加工食品用食感改良剤は、少量で効果を発揮するため、上記の粉末油脂組成物を、好ましくは60質量%以上含有し、より好ましくは80質量%以上含有し、さらに好ましくは100質量%以上含有する。
また、本発明の畜肉加工食品用食感改良剤は、有効成分であると上述した粉末油脂組成物を含有したものであればよく、この他に本発明の効果を損なわない範囲で、大豆油、菜種油などの油脂、デキストリン、澱粉等の賦形剤、品質改良剤等の他の成分を含有させたものであってもよい。
但し、本発明の好ましい畜肉加工食品用食感改良剤は、実質的に当該粉末油脂組成物のみからなることが好ましい。また「実質的に」とは、畜肉加工食品用食感改良剤中に含まれる粉末油脂組成物以外の成分が、畜肉加工食品用食感改良剤を100質量%とした場合、例えば、0〜15質量%、好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0〜5質量%であることを意味する。

0030

次に、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。また。以下において「%」とは、特別な記載がない場合、質量%を示す。

0031

原料油脂
(1)粉末油脂組成物A(融点約28℃):
〔x=10、y=18、テンパリング法〕
攪拌機温度計窒素ガス吹込管及び水分分離機を備えた500mLの四つ口フラスコに、グリセリン(阪本薬品工業社製)44.1g(0.479mol)と、ステアリン酸(Palmac98−18(アシッドケム社製))25.9g(0.091mol)とカプリン酸(Palmac99−10(アシッドケム社製))266.0g(1.544mol)を仕込み窒素気流下、250℃の温度で15時間反応させた。過剰のカプリン酸を190℃、減圧下にて留去した後、脱色・濾過脱臭を行い、50℃において淡黄色液状反応物を245g得た(XXX型:80.6質量%、X2Y型:17.3質量%)。得られた反応物60gとトリカプリン(日清オイリグループ(株)製)140gを混合し原料油脂とした(XXX型:94.0質量%、X2Y型:5.2質量%)。原料油脂を80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、10℃恒温槽にて1時間冷却した後、20℃恒温槽にて12時間静置し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させた後、ほぐすことで粉末状の結晶組成物を得た(ゆるめ嵩密度:0.3g/cm3、平均粒径116μm)。このようにして製造した粉末油脂組成物を以下の実施例で用いた。
(2)粉末油脂組成物B(融点約44℃)
〔x=12、y=18、テンパリング法〕
攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管及び水分分離機を備えた500mLの四つ口フラスコに、グリセリン(阪本薬品工業社製)38.8g(0.421mol)と、ステアリン酸(Palmac98−18(アシッドケム社製))26.2g(0.092mol)とラウリン酸(Palmac99−10(アシッドケム社製))271.3g(1.354mol)を仕込み、窒素気流下、250℃の温度で15時間反応させた。過剰のラウリン酸を220℃、減圧下にて留去した後、脱色・濾過、脱臭を行い、50℃において淡黄色液状の反応物を242g得た(XXX型:78.3質量%、X2Y型:19.2質量%)。得られた反応物60gとトリラウリン(日清オイリオグループ(株)製)140gを混合し原料油脂とした(XXX型:93.1質量%、X2Y型:5.8質量%)。原料油脂を80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、28℃恒温槽にて0.5時間冷却した後、35℃恒温槽にて12時間静置し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させた後、ほぐすことで粉末状の結晶組成物を得た(ゆるめ嵩密度:0.3g/cm3、平均粒径130μm)。このようにして製造した粉末油脂組成物を以下の実施例で用いた。
ここで、ゆるめ嵩密度は、(株)蔵持科学器械製作所のカサ比重測定器を使用し、JIS K-6720(又はISO 1060-1及び2)に基づいて測定したカサ比重から算出した。具体的には、試料120mLを、受器(内径40mm×高さ85mmの100mL円柱形容器)の上部開口部から38mmの高さの位置から、該受器に落とした。続いて、受器から盛り上がった試料をすり落とし、受器の内容積(100mL)分の試料の質量(Ag)を秤量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求めた。
ゆるめ嵩密度(g/mL)=A(g)/100(mL)
測定は3回行って、その平均値を測定値とした。
ここで、平均粒径は、日機装株式会社製 MicrotracMT3300ExII)でレーザー回折散乱法(ISO133201、ISO9276-1)に基づいて測定した。
(3)油脂粉末
油脂粉末(日清オイリオグループ株式会社製:商品名:ジュピターP1)

0032

<その他の原材料>
実施例における、合挽きメンチ、鶏メンチ、豚脂、タマネギ、食塩、砂糖、パン粉、グルタミン酸ソーダペッパー、なつめぐ、醤油、並びに、豚ひき肉キャベツニラガラスープニンニク、餃子の皮はいずれも市販されているものを用いた。

0033

[実施例1〜3]
<ハンバーグの製造>
下記表1〜2の配合に従って、実施例1〜2、比較例1のハンバーグを製造した。
具体的には、市販の合挽きメンチ、鶏胸ミンチをボウル入れて、食塩、砂糖、パン粉、グルタミン酸ソーダ、ペッパー、なつめぐ、醤油を加えてよく混錬した。さらに、本発明の粉末油脂組成物又は油脂粉末と、豚脂とタマネギを加えてさらによく掻き混ぜた。こうして得られた混錬生地を150gずつ取り分けて、小判型のハンバーグ成形器を用いて成形した。これを熱したフライパンの上にのせ、常法により、ハンバーグを製造した(中心温度は70℃以上)。

0034

0035

0036

<ハンバーグの評価
上記で製造した、実施例1〜2と比較例1のハンバーグについて、以下の評価方法に従って評価した。

0037

<ハンバーグの評価方法>
(1)食感の評価方法
以下の基準に従って、熟練した5名のパネラーにより、総合的に評価した。
○:身の引き締まった適度に噛み応えのある食感がある
△:上記と比べてやや噛み応えにかけ、ややソフトな食感がある
×:やわらかくソフトな食感がある
(2)ジューシー感の評価方法
以下の基準に従って、熟練した5名のパネラーにより、総合的に評価した
○:中身がジューシーでおいしい
△:上記と比べてジューシー感にややかける
×:ジューシー感がない
(3)肉の風味の評価方法
以下の基準に従って、評価した
○:肉の豊かな風味が感じられ、うまみがある
△:上記と比べてやや肉の風味にかける
×:肉の風味が弱く、うまみを感じない

0038

表1〜2の結果から明らかであるように、本発明の粉末油脂組成物を用いて製造したハンバーグ(実施例1〜2)は、市販の油脂粉末を用いて製造した従来のハンバーグ(比較例1)と比較して、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感が得られた。これは従前のハンバーグには見られない新たな食感である。また、比較例と比較して、強いジューシー感が感じられた。ハンバーグにおいてジューシー感は非常に重要な要素であり、本発明の粉末油脂組成物を用いることによって、より好ましいハンバーグが製造できることが判明した。さらに、驚くべきことに、本発明の粉末油脂組成物を用いた場合には、比較例と比較して、肉の豊かな風味が感じられ、うまみを感じとることができた。これにより、ハンバーグにおいて、いわゆる、肉肉しい味を求める消費者の需要を満たすことができる。

0039

[実施例3〜4]
<餃子の具の製造>
下記表3〜4の配合に従って、実施例3〜4、比較例2の餃子の具を製造した。
具体的にはまず、細かく刻んだキャベツ、ニラと、豚ひき肉と、醤油、ガラスープ、食塩、にんにくを含む調味料とをボウルに入れて良く掻き混ぜて練った。次に、具の約3%に相当する本発明の粉末油脂組成物又は油脂粉末を加えてさらによく練った。餃子の皮1枚に対し、前記のごとく得られた具を10gずつ包み込み、常法により、焼き餃子を製造した。

0040

0041

0042

<餃子の具の評価>
上記で製造した、実施例3〜4と比較例2の餃子の具について、実施例1〜2と同様に、上記評価方法に従って評価した。

実施例

0043

表3〜4の結果から明らかであるように、本発明の粉末油脂組成物を用いて製造した場合の餃子の具(実施例3〜4)は、市販の油脂粉末で製造した従来のもの(比較例2)と比較して、身の引き締まった適度に噛み応えのある食感があり、これは従前の餃子の具には見られない新たな食感であった。また、比較例と比較して、ジューシー感のある餃子の具が得られた。餃子の具においてジューシー感は非常に重要な要素であり、本発明の粉末油脂組成物を用いることによって、より好ましい餃子の具が製造できることが判明した。さらに、驚くべきことに、本発明の粉末油脂組成物を用いた場合には、比較例と比較して、多少油っぽさはあるものの、それを上回る肉の豊かな風味が感じられ、肉の匂いや肉のうまみを十分に感じることができた。餃子の具において、これまでとは異なる食感や風味を求める消費者の需要を満たすことができる。

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