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技術 DHA入りムースの製造方法

出願人 マルハニチロ株式会社国立研究開発法人水産研究・教育機構国立大学法人東京海洋大学
発明者 柿崎裕介代田和也本多真基宮田昌明岡崎惠美子
出願日 2016年1月20日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2016-009140
公開日 2017年7月27日 (4ヶ月経過) 公開番号 2017-127246
状態 未査定
技術分野 肉類、卵、魚製品 食品の着色及び栄養改善
主要キーワード 軟化度 非加熱処理 タチウオ 加工食材 ユニバーサルデザインフード エクセルファイル 裁断片 低速攪拌

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図面 (2)

課題

HA含有油性成分を体内への吸収効率の高い油滴径で含み、咀嚼し易く、食事により手軽にDHAの効率良い摂取が可能なDHA含有ムースを提供すること

解決手段

ムース中にDHA含有油性成分の油滴に径を少なくとも20μmとすることによって、DHAの良好な体内吸収性を得る。

背景

ドコサヘキサエン酸(DHA)及びエイコサペンタエン酸(EPA)等の高度不飽和脂肪酸は、機能栄養成分として種々の食品の成分として利用されており、また、DHA、EPAについては、動脈硬化の予防、高脂血症改善血栓の抑制等の効果が臨床的に認められるとの報告があり、高脂血症治療剤などの医薬品や各種サプリメントの有効成分として利用されている。
DHA、EPAを手軽にかつ安全に摂取する方法としては、アジサバなどのDHA、EPAを比較的多量に含むそのものを調理して食べる方法や、DHA、EPAを含む魚油を摂取する方法等がある。
幼児高齢者病人要介護者等を含む、咀嚼機能が低い人にとっては、焼き魚、煮魚等の調理した魚を摂食することが難しい場合がある。また、魚油については、酸化し易く、酸化防止のためにカプセル化エマルジョン化を行う必要があり、風味観点からも、そのまま利用することは難しい場合がある。
調理魚の摂食し易い形態としては、すり身またはムース製品を挙げることができる。すり身またはムース製品は、軟らかさの程度を調節でき、また、嗜好に応じた各種の味付けが可能であり、摂食し易い。そこで、すり身中に魚油を多量に含有させることができれば、魚油を含むすり身製品はDHA、EPA摂取用の食品としての利用価値が向上する。

特許文献1には、すり身中に魚油を多量に含有させ、かつ乳化状態を安定化させることを目的として、魚肉すり身魚肉水溶性タンパク質を魚油と共に加えて乳化混合して魚肉乳化すり身を得る方法が開示されている。
一方、特許文献2には、植物抽出物を含有する油滴を含むO/W型エマルジョンとすることにより、植物抽出物を胃中分解させることなく腸管に運び効率的に体内吸収させることが可能であること、すなわち、エマルジョン化により油滴中の成分の吸収効率の向上が可能である点について開示されている。特許文献2には、腸管での吸収効率の観点からの乳化物中に含まれる油成分の油滴径に関して、平均粒子径として100nm以下との記載がある。また、特許文献2には、油成分として魚油が利用できることについて記載されている。
乳化すり身中の魚油の粒径については、特許文献3には、真空容器内の真空条件下においてすり身と魚油を混合乳化することによって、細菌の繁殖を抑えて、魚肉すり身の品質の低下を防ぎ、攪拌による魚肉すり身の昇温を遅らせて、乳化に必要な擂潰を確保でき、魚油粒子を油滴径10μm以下で均一に微細化できることについて開示されている。

概要

DHA含有油性成分を体内への吸収効率の高い油滴径で含み、咀嚼し易く、食事により手軽にDHAの効率良い摂取が可能なDHA含有ムースを提供することムース中にDHA含有油性成分の油滴に径を少なくとも20μmとすることによって、DHAの良好な体内吸収性を得る。

目的

例えば、特許文献3では10μm以下の油滴径とするために、酸化を防いで目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

ドコサヘキサエン酸(DHA含有ムース製造方法において、DHA含有油性成分の存在下で、魚介類及び肉類から選択された少なくとも1種の水及びタンパク質を含有する乳化物調製用食材乳化処理して、径が20μm以上のDHA含有油滴を含む乳化物を得る乳化工程と、前記乳化物を加熱してDHA含有ムースを得る加熱工程とを有することを特徴とするDHA含有ムースの製造方法。

請求項2

前記DHA含有油性成分と前記乳化物調製用食材を含む混合物を乳化処理する請求項1に記載のDHA含有ムースの製造方法。

請求項3

前記混合物中の水分量が、35〜99質量%である請求項2に記載のDHA含有ムースの製造方法。

請求項4

前記DHA含有油性成分が、前記乳化物調製用食材に対して、0より大きく20質量%以下の量で配合されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のDHA含有ムースの製造方法。

請求項5

前記乳化物が、径が20〜30μmのDHA含有油滴を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のDHA含有ムースの製造方法。

請求項6

前記魚介類が、魚類甲殻類頭足類貝類から選択される請求項1乃至5のいずれか1項に記載のDHA含有ムースの製造方法。

請求項7

前記肉類が、及び鶏から選択される請求項1乃至5のいずれか1項に記載のDHA含有ムースの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、DHA含有油性成分を吸収性に優れた油滴径で含むムース製造方法に関する。

背景技術

0002

ドコサヘキサエン酸(DHA)及びエイコサペンタエン酸(EPA)等の高度不飽和脂肪酸は、機能栄養成分として種々の食品の成分として利用されており、また、DHA、EPAについては、動脈硬化の予防、高脂血症改善血栓の抑制等の効果が臨床的に認められるとの報告があり、高脂血症治療剤などの医薬品や各種サプリメントの有効成分として利用されている。
DHA、EPAを手軽にかつ安全に摂取する方法としては、アジサバなどのDHA、EPAを比較的多量に含むそのものを調理して食べる方法や、DHA、EPAを含む魚油を摂取する方法等がある。
幼児高齢者病人要介護者等を含む、咀嚼機能が低い人にとっては、焼き魚、煮魚等の調理した魚を摂食することが難しい場合がある。また、魚油については、酸化し易く、酸化防止のためにカプセル化エマルジョン化を行う必要があり、風味観点からも、そのまま利用することは難しい場合がある。
調理魚の摂食し易い形態としては、すり身またはムース製品を挙げることができる。すり身またはムース製品は、軟らかさの程度を調節でき、また、嗜好に応じた各種の味付けが可能であり、摂食し易い。そこで、すり身中に魚油を多量に含有させることができれば、魚油を含むすり身製品はDHA、EPA摂取用の食品としての利用価値が向上する。

0003

特許文献1には、すり身中に魚油を多量に含有させ、かつ乳化状態を安定化させることを目的として、魚肉すり身魚肉水溶性タンパク質を魚油と共に加えて乳化混合して魚肉乳化すり身を得る方法が開示されている。
一方、特許文献2には、植物抽出物を含有する油滴を含むO/W型エマルジョンとすることにより、植物抽出物を胃中分解させることなく腸管に運び効率的に体内吸収させることが可能であること、すなわち、エマルジョン化により油滴中の成分の吸収効率の向上が可能である点について開示されている。特許文献2には、腸管での吸収効率の観点からの乳化物中に含まれる油成分の油滴径に関して、平均粒子径として100nm以下との記載がある。また、特許文献2には、油成分として魚油が利用できることについて記載されている。
乳化すり身中の魚油の粒径については、特許文献3には、真空容器内の真空条件下においてすり身と魚油を混合乳化することによって、細菌の繁殖を抑えて、魚肉すり身の品質の低下を防ぎ、攪拌による魚肉すり身の昇温を遅らせて、乳化に必要な擂潰を確保でき、魚油粒子を油滴径10μm以下で均一に微細化できることについて開示されている。

先行技術

0004

特開平10−99053号公報
特開2007−8832号公報
特開2011−177090号公報

発明が解決しようとする課題

0005

乳化物に含まれる油滴を腸管まで到達させて油滴に含まれる成分の腸管での吸収効率を得る場合の油滴の大きさとしては、特許文献2には100nm以下の油滴サイズが開示されている。
しかしながら、すり身における油滴の分散媒は、特許文献2に開示されるO/W型エマルジョンでの水と異なり、魚肉をすり潰した固形分を含むものであり、すり身中での吸収効率の良い油滴の大きさをO/W型エマルジョンから予測することは困難である。更に、すり身中の油滴の大きさをO/W型エマルジョンと同じように100nm以下とするには、特殊な乳化装置を必要とする。例えば、特許文献3では10μm以下の油滴径とするために、酸化を防いで目的とする粒径まで攪拌を行うことを可能とする真空条件を乳化混合に用いている。

0006

本発明の目的は、DHA含有油性成分を体内への吸収効率の高い油滴径で含み、咀嚼し易く、食事により手軽にDHAの効率良い摂取が可能なDHA含有ムースを提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明にかかるドコサヘキサエン酸(DHA)含有ムースの製造方法は、
DHA含有油性成分の存在下で、魚介類及び肉類から選択された少なくとも1種の水及びタンパク質を含有する乳化物調製用食材乳化処理して、径が20μm以上のDHA含有油滴を含む乳化物を得る乳化工程と、
前記乳化物を加熱してDHA含有ムースを得る加熱工程と、
を有することを特徴とする。

発明の効果

0008

本発明によれば、径が少なくとも20μmであるDHA含有油性成分の油滴がムースに含まれていることによって、DHAの体内への良好な吸収性を得ることができる。
更に、本発明によれば、咀嚼し易く、食事から手軽にDHAを効率よく摂取可能な軟化食品としてのDHA含有ムースを提供することができる。

図面の簡単な説明

0009

マウスへの魚油及び魚ムース試料のそれぞれの投与前後における血中DHA濃度の変化を示す図である。

0010

本発明にかかるムースは、加熱処理により得られるムース中に多数のDHA含有油性成分が、DHAの体内への吸収性が向上する油滴径で分散した構造を有する。ムース中にDHA含有油性成分からなる油滴が包含されているため、ムース生産時から摂食時までの間において油滴中のDHAが空気と直接触れて酸化されることによる機能低下を防ぐことで油滴中のDHAの有効量を確保することができる。更に、油滴が体内吸収性を向上可能な径を有することで、体内へのDHAの吸収効率を向上させることができる。
本発明にかかるムースは、咀嚼容易な軟化度を有することができ、本発明にかかるムースは、ユニバーサルデザインフード区分2(物性規格は硬さ上限値が5×104N/m2)を満たすやわらかさに仕上げることができる。従って、咀嚼能力が低い幼児や、咀嚼の能力が低下したり、咀嚼困難である老人、病人、要介護者等においても咀嚼可能であり、これらの人々においても食事から簡便にDHAを効率良く摂取することが可能となる。

0011

本発明にかかるムースは、水及びタンパク質を含有する食材と、DHA含有油性成分を少なくとも用いて得られ、油滴径が少なくとも20μmのDHA含有油性成分を含む乳化物を加熱処理することにより得ることができる。
本発明にかかるムースに含まれるDHA含有油滴が、少なくとも20μmの径を有することによって、体内へのDHAの取り込み効率を向上させることができる。従来技術においては、DHA含有油滴の径は小さければ小さいほど良いとされてきたが、本発明においてはDHA含有油滴の径を20μm以上とすることにより、10μm以下の径の油滴よりも体内へのDHAの吸収性が向上しており、このDHA吸収性の向上は従来技術からは予測し得ない。

0012

以下、本発明にかかるムースの製造方法について説明する。
ムース製造用の乳化物を得るための食材(乳化物調製用食材)としては、水及びタンパク質を含む食材を利用することができる。このような乳化物調製用食材としては、魚介類及び肉類から選択された少なくとも1種の食材を用いることができる。魚介類としては、魚類甲殻類頭足類貝類等の水産物を挙げることができる。
魚類としては、タラホキサワラ、アジ、ホッケ、カレイ、サバ、サケイワシタイ、グチ、エソ、タチウオ、ママカリ、サメ等を挙げることができる。甲殻類としては、各種のエビカニを挙げることができる。頭足類としては、各種のイカタコ等を挙げることができる。貝類としては、アサリハマグリホタテ等を挙げることができる。
また、肉類としては、、鶏等から得られる畜肉素材を挙げることができる。
食材の形態としては、フィレブロック等の身の固まり、貝類の剥き身や柱、これらを裁断細粒化あるいはすり潰し等の処理を行って得られるミンチ、すり身などの加工食材を挙げることができる。
魚介類及び肉類の部位としては、例えば、スケトウダラなどの白身魚の筋肉部等、目的に応じて選択することができる。
これらの乳化物調製用食材は、DHA含有油性成分の存在下での乳化工程に対して、タンパク質と水分を供給できるものであればよく、65〜90質量%、好ましくは70〜80質量%の水分含量を有する食材が好ましい。
また、乳化物調製用食材のタンパク質含有量は、目的とする乳化物を得ることができるタンパク質量を提供できる含有量であればよく、特に限定されないが、例えば、0.1〜30質量%、好ましくは10〜25質量%のタンパク質含量の食材を用いることができる。

0013

食材からの水分の供給が十分でない場合には、食材のミンチやすり身への加工時に、あるいは乳化工程前及び/または乳化工程時に水を添加することができ、上記の水分含量に相当する水分が乳化物調製用食材とともに乳化工程に供給されるように水分を補充することができる。乳化物調製用食材からの水分と補充した水分の合計量は、乳化物調製用食材の全体の量に対して、好ましくは35〜99質量%、より好ましくは60〜80質量%となるように調整することができる。
ミンチやすり身の製造方法は特に限定されず、乳化工程に利用できるミンチやすり身が提供できる製造方法が利用できる。すり身の製造方法としては、魚肉、畜肉等の食材に食塩を加えてすり潰して混練することによってすり身を得る方法を挙げることができる。
なお、乳化物調製用の水分及びタンパク質を含む食材の裁断片細粒、ミンチ、すり身などの加工食材とする場合には、食材は非加熱条件、例えば、好ましくは0〜50℃、より好ましくは10〜20℃の温度条件下で加工することが望ましい。
また、これらの加工食材の調製時には、魚油、植物油、魚油以外の動物油の少なくとも1種を必要に応じて添加することができる。

0014

DHA含有油性成分を乳化物に供給する材料としては、DHA含有油性成分を含む各種食材自体、並びにDHAを含む各種の食用として利用し得る油などの少なくとも1種を用いることができる。
DHAを含む各種の油としては、魚介類、藻類微生物由来のDHA及びEPAを含む油を挙げることができ、マグロカツオ、イワシ、サバ、サンマ等から得られるDHA含有量の高い魚油が好ましい。更に、DHA含有油としては、含有される油性成分の内DHAが15〜80質量%であるものが好ましい。
更に、DHA含有油性成分としては、乳化工程時に液体である材料を用いることが好ましい。

0015

少なくとも、水、DHA含有油性成分及び食材から供給されるタンパク質を用いてムース調製用の乳化物を得ることができる。水は、タンパク質含有食材から供給することができ、また、先に述べたように、必要に応じて水を更に添加してもよい。
乳化物調製用食材に対するDHA含有油性成分の割合としては、目的とする乳化物を得ることができるように設定すればよく、特に限定されないが、乳化物調製用食材に対して0質量%より大きく20質量%以下、すなわち20質量%までの量での範囲から選択させた量で添加することが好ましい。
乳化処理は、擂潰機混練機攪拌機フードカッター等の機器の少なくとも1種を用いて行うことができる。また、減圧脱気雰囲気下で乳化処理を行ってもよい。
乳化処理の条件は、径が少なくとも20μmであるDHA含有油性成分の油滴が生じるように設定される。例えば、攪拌機の攪拌回転数や処理時間を調節することによりDHA含有油性成分から得られる油滴の径を制御することができる。
また、攪拌機の回転数及び処理時間を含む乳化条件を各種用意して乳化を行い、乳化物中に目的する油滴径が得られる条件を予め選択しておき、この選択された乳化条件を用いて乳化を行うことにより、目的とする油滴径を有する乳化物を得ることができる。また、得られた乳化物における油滴径を測定することで目的とする油滴径を有する乳化物が得られたかどうかを確認する品質管理を行うことができる。
このような乳化処理条件を用いることで、20μm以上の、好ましくは20〜30μmの範囲のDHA含有油滴を含む乳化物を得ることができる。
また、乳化物には20μm未満の径のDHA含有油滴が含まれていてもよく、乳化物は油滴径の分布の主要な部分が、20μm以上、好ましくは20〜30μmである油滴径分布を含むものが好ましい。乳化物中のDHA含有油滴の径の分布としては、油滴径が広い分布、例えば1〜100μmの範囲に入る分布を有しており、かつ粒度分布ピークが20〜30μmの範囲内にある油滴径分布が好ましい。
乳化物に含まれるDHA含有油滴の平均径は、20〜50μmの範囲にあることが好ましい。

0016

乳化物の調製に、必要に応じて、水及び/または各種食品用添加剤必要量添加することができる。水及び/または各種食品用添加剤は、先に述べた乳化物調製用の加工食材の調製時、乳化工程前及び乳化工程時の各段階の少なくとも1つの段階において乳化物調製用の食材、DHA油性成分、及びこれらの混合物のいずれかに対して添加、混合することができる。
食品用添加剤としては、小麦大豆などから調製される植物タンパク、乳・タンパク等の増量剤でんぷん加工でんぷんアルギン酸グアーガム等のゲル化剤ソルビトール等の結着剤レシチンソルビタン脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤マルトースやソルビトール、トレハロース等の糖類(単糖多糖水飴糖アルコールデキストリン含む)、各種調味料、各種着色料、各種ビタミン等の栄養補助剤などを挙げることができる。これらから選択された少なくとも1種の添加剤を用いることができる。これらの添加剤は、最終的に得られる目的とするムース構造を損なわない、あるいはムース構造を更に向上させ、かつ、目的とする食品添加剤の機能を得ることができる量で用いることができる。
乳化処理時の温度範囲は、ムースに目的とする柔らかさや組織構造が得られるように設定することができ、高温での加熱を避ける非加熱処理での温度範囲、例えば0℃〜50℃、好ましくは10〜20℃の範囲とすることができる。
ムース調製前の乳化物には、必要に応じて肉類、野菜類穀類種実類海藻類豆腐チーズ等の加工食品などを適当な大きさ及び形状で添加することができる。

0017

乳化物を加熱処理することによって、本発明にかかるDHA含有ムースを得ることができる。
乳化物の加熱処理は、目的とする軟化度を有し、DHA含有油性成分の良好な体内吸収性を得るための油滴径が保持されているDHA含有ムースが得られるように設定される。
加熱処理は、蒸煮焼成オーブン加熱熱湯温湯での加熱、電子レンジなどの電磁波、IHなどの電磁誘導ジュール加熱等の各種加熱手段により行うことができる。また、必要に応じて、容器内に乳化物を詰めて、開封状態で、あるいは密封状態で加熱処理することができる。
加熱処理の条件は、ムース内中心温度が目的とするDHA含有油性成分の油滴径とムースの軟化度を満たすように設定することが好ましい。加熱処理時のムース内中心温度は、60℃〜120℃の範囲が好ましい。
加熱処理後のDHA含有ムースは、温かい状態で、あるいは室温または冷蔵温度まで冷却してDHA含有ムース製品とすることができる。あるいは、冷却後のDHA含有ムースを凍結処理して冷凍保存可能な製品としてもよい。
乳化物の有するDHA含有油滴の径は、上記の加熱処理によってもDHA含有ムース中に維持される。また、DHA含有ムースを冷凍保存後解凍した状態においても同様に乳化処理時に形成されたDHA含有油滴の径は維持される。これはタンパク質や水分が固形化することで油滴の外周が固められて油の移動が無くなるためと思われる。
本発明にかかるDHA含有ムースに含まれる体内吸収に適した径を有するDHA含有油滴が、体内の腸管まで到達して効率良く吸収されることで、DHAの効率的な摂取が可能となる。

0018

以下、実施例及び試験例により本発明を更に詳細に説明する。
(油滴径測定方法
サンプルを1g試験管にとり、4gの0.1質量%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)溶液を加え、細いスパーテルで穏やかに混合した後、内容物が沈殿するまで静置した。浮遊物を吸い込まないように注意しながら、上澄みをパスツールピペットで吸い上げスライドガラスに適量乗せ、カバーガラスを被せてプレパラートを作製した。
デジタルマイクスコープ(VHX−5000:キーエンス社)にて、画像解析を行った。画像は油滴が約100個程度になるような枚数撮影し、解析した油滴径(直径)に関するデータはエクセルファイルで出力した後、最大径を粒度分布で示した。

0019

(実施例1)
カッターミキサー工舎、200L)に真空ポンプを接続して使用し、減圧条件下で乳化処理を行った。
カッターミキサー中に、調味料と水を入れ、真空引き(−0.08MPa)状態で、1500rpmで15秒、引き続き3000rpmで60秒撹拌を行った。
次に、原料(魚肉)を添加し、真空引き(−0.08MPa)状態で、1500rpmで10秒、3000rpmで240秒撹拌を行った。
更に、魚油(マルハニチロ(株)製、DHA含有量19質量%)や消泡剤投入し、真空引き(−0.08MPa)状態で、1500rpmで20秒撹拌を行った。
得られた乳化物に対して1.5mm通過のストレイナーでろ過処理を行った後、ストレイナーを通過した乳化物を自動充填機にて容器に充填した。連続型スチーム蒸煮機にて容器内の乳化物を蒸煮(中心温度75℃以上)し、冷却後、−30℃の冷凍庫内で1時間冷凍し、その後に包装をして冷凍保管した。

0020

(比較例1)
カッターミキサー(愛工舎、200L)に真空ポンプを接続して使用し、減圧条件下で乳化処理を行った。
カッターミキサー中に、調味料と水を入れ、真空引き(−0.08MPa)状態で、1500rpmで15秒、引き続き3000rpmで60秒撹拌を行った。
次に、魚油(マルハニチロ(株)製、DHA含有量19質量%)や消泡剤を投入し、真空引き(−0.08MPa)状態で、1500rpmで10秒、引き続き3000rpmで60秒撹拌を行った。
更に、原料(魚肉)を添加し、真空引き(−0.08MPa)状態で、1500rpmで10秒、引き続き3000rpmで240秒撹拌を行った。
得られた乳化物に対して1.5mm通過のストレイナーでろ過処理を行った後、ストレイナーを通過した乳化物を自動充填機にて容器に充填した。連続型のスチーム蒸煮機にて容器内の乳化物を蒸煮(中心温度75℃以上)し、冷却後、−30℃の冷凍庫内で1時間冷凍し、その後に包装をして冷凍保管した。
(比較例2)
カッターミキサー(愛工舎、200L)に真空ポンプを接続して使用し、減圧条件下で乳化処理を行った。
カッターミキサー中に、調味料と水を入れ、真空引き(−0.08MPa)状態で、1500rpmで15秒、引き続き3000rpmで60秒撹拌を行った。
次に、サラダ油や消泡剤を投入し、真空引き(−0.08MPa)状態で、1500rpmで10秒、引き続き3000rpmで60秒撹拌を行った。
更に、原料(魚肉)を添加し、真空引き(−0.08 MPa)状態で、1500rpmで10秒、引き続き3000rpmで240秒撹拌を行った。
得られた乳化物に対して1.5mm通過のストレイナーでろ過処理を行った後、ストレイナーを通過した乳化物を自動充填機にて容器に充填した。連続型のスチーム蒸煮機にて容器内の乳化物を蒸煮(中心温度75℃以上)し、冷却後、−30℃の冷凍庫内で1時間冷凍し、その後に包装をして冷凍保管した。

0021

実験例1)
実験用マウスとしての雄性ICRマウス(7週齢)を4群(1群4匹)に分け、AIN−93M飼料組成における大豆油コーン油に変えた飼料(オリエンタ酵母(株)製)で4週間飼育して順化を行い、11週齢で試験を開始した。
試験用試料として、次の4種のそれぞれを個々に用いて以下に示す投与量で用いた。なお、実施例1、比較例1、比較例2で得られた冷凍ムースは解凍してマウスへの投与を行った。
(1)魚油(マルハニチロ(株)製、DHA含有量19質量%);投与量0.6g/kg(マウス体重)
(2)ムース油滴大:実施例1で得た魚ムース(低速攪拌ムース);投与量15g/kg(マウス体重)
(3)ムース油滴小:比較例1で得た魚ムース(高速攪拌ムース);投与量15g/kg(マウス体重)
(4)ムース魚油添加なし:比較例2で得た魚ムース; 投与量15g/kg(マウス体重)
各試験用試料を上記の各量で各実験用マウスに単回投与した。投与前、並びに投与後1時間及び2時間後に、各実験用マウスから、尾採血による血液採取を行い、得られた血液から調製した血清中のDHAの量を測定し、投与前後のDHA濃度の変化を比較した。
得られた結果を図1に示す。

実施例

0022

図1は、各試験試料について、投与前の血清中のDHA濃度を1とした場合の投与後1時間及び2時間後の血清中のDHA濃度(各群の数値は4個体の平均値)の変化を示した図である。図1に示す通り、魚油を単独で摂取した群よりも、ムースの状態で同量摂食した群でDHAの内体への吸収性は高くなった。また、油滴サイズが小さいムースよりも油滴サイズが大きいムースでDHAの体内への吸収性は高くなった。
以上の結果から、ムースに含まれるDHA含有油性成分の油滴径は、小さ過ぎずに適度の大きさを有することがDHAの体内への吸収性の向上に対して効果的であるとの結論を得た。

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