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技術 電源装置

出願人 コーセル株式会社
発明者 堀井一宏
出願日 2016年1月14日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2016-005002
公開日 2017年7月20日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2017-127119
状態 特許登録済
技術分野 静止型機器の保護 DC‐DCコンバータ
主要キーワード 電源出力線 シリアル通信モジュール 直列運転 配線工数 焼損事故 接続極性 出力電流目標値 シリーズレギュレータ回路
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月20日)のものです。
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図面 (10)

課題

複数の電源装置の何れかに異常が発生した場合でも、配線数を増やすことなく、正常な電源装置に異常発生通報して安全にシステムを停止可能とする。

解決手段

マスター電源装置10は、UARTモジュール24のTX端子からINF端子を介してスレーブ電源装置12に出力電圧目標値出力電流目標値設定情報を含むシリアル通信データ信号を送信して電力変換部14を動作させている。スレーブ電源装置12は、自身の異常を検出した場合に、異常検出通報部26のスイッチ素子32のオンによりINF端子をLレベル固定化し、マスター電源装置10からのシリアル通信データ信号の伝送を不能とする。マスター電源装置10の異常対応処理部30はUARTモジュール24のRX端子によるシリアル通信データ信号の所定の時間以上の受信停止を検出した場合にスレーブ電源装置12の異常と判定して動作を停止する。

概要

背景

アナログ電圧による制御)
従来、複数台電源装置並列運転もしくは直列運転で1つの電源ステムとして用いる場合、それぞれの電源装置の出力電圧出力電流バランスさせて用いる必要がある。複数の電源装置の出力電圧や出力電流をバランスさせずに直列運転や並列運転を行うと、複数台の電源装置の中の1台の電源装置に負荷が集中してしまう。

例えば、定格出力電流が20Aの電源装置を5台並列に接続した電源システムから60Aを出力させる場合を考える。もし、出力電圧や出力電流をバランスさせずに用いると、1台の電源装置が20Aを出力し、残りの4台の電源装置がそれぞれ10Aを出力するといった状態になり得る。

この状態では、1台の電源装置に負荷が集中している状態になっており、この電源装置の寿命が他の負荷が軽い電源装置に対して著しく短くなってしまう。電源システムの中の電源装置が1台でも故障してしまうとシステム全体が正常に動作しないことになるため、複数台の電源装置をバランスさせずに用いると、電源システムの寿命が著しく短くなる問題があった。

この問題を解決するため、複数台の電源装置の出力電圧や出力電流をバランスさせて用いる特許文献1の電源システムが開示されている。特許文献1の電源装置はVB端子とCB端子を備えており、複数台の電源装置を1つの電源システムとして用いるために、それぞれのVB端子とCB端子を接続する。VB端子は出力電圧をバランスさせるための信号の受け渡しを行う。CB端子は出力電流をバランスさせるための信号の受け渡しを行う。これにより電源システム内の電源装置の1台に負荷が集中することがなくなるため、電源システム内の電源装置の寿命を均等化することが可能となり、電源装置としての寿命を長くすることができる。

しかしながら、この電源システムでは、電源装置をバランスさせるために、VB端子とCB端子の2本を配線する必要があり、配線工数が大きくなる問題があった。また、VB端子とCB端子はアナログ信号電圧レベルで制御されているため、配線を引き回すと外来ノイズの影響を受けて誤動作してしまう可能性を持っていた。

シリアル通信による制御)
そこで、これらの問題を解決するために、バランス制御汎用UARTモジュールを用いたシリアル通信で実現する特許文献2の電源システムが開示されている。UARTモジュールは、汎用非同期受信送信機(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)モジュール略称である。特許文献2の電源システムを以下に示す。

UARTモジュールは、送信端子であるTX端子と受信端子であるRX端子を備えている。電源装置では、TX端子とRX端子を接続した通信端子INF端子とし、電源装置の外部に取り出されている。

並列もしくは直列運転を行う電源装置の全てのINF端子を接続する。接続された電源装置の中の1台をマスターとして設定し、残りの全てをスレーブとして設定する。マスターに設定された電源装置(以下「マスター電源装置」という)は、UARTモジュールのTX端子が有効になる。スレーブに設定された電源装置(以下「スレーブ電源装置」という)は、UARTモジュールのRX端子が有効になり、TX端子はハイインピーダンスに保持された状態になる。

マスター電源装置は、自身の出力電圧目標値からその設定情報を生成する。また、出力電流検出値から出力電流目標値の設定情報を生成する。そして、出力電圧目標値の設定情報及び出力電流目標値の設定情報をシリアル通信データ信号に含めてUARTモジュールのTX端子から送信し、このシリアル通信データ信号はINF端子から伝送線を介してスレーブ電源装置に送信される。

スレーブ電源装置は、シリアル通信データ信号を、INF端子を介してUARTモジュールのRX端子で受信する。これにより、スレーブ電源装置は、マスター電源装置から出力電圧目標値の設定値情報および出力電流目標値の設定情報を受信する。スレーブ電源装置は、受信した出力電圧目標値の設定情報に基づいて、自身の出力電圧目標値を設定する。また、受信した出力電流目標値の設定情報に基づいて、自身の出力電流目標値を設定する。

この動作により、スレーブ電源装置は、自身の出力電圧および出力電流がマスター電源装置と同一になるように制御され、負荷に対し並列接続された電源装置の出力電圧および出力電流がバランスする。

特許文献2の電源装置では、INF端子を1本の通信線により接続するだけで、複数の電源装置の出力電圧と出力電流をバランスさせることができ、少ない配線数で電源装置の出力電圧と出力電流をバランスさせることができる。また、シリアル通信データで出力電圧目標情報および出力電流情報の送信と受信が行われるため、配線を引き回したとしても、外来ノイズの影響を受けにくいと言う利点を持っている。

概要

複数の電源装置の何れかに異常が発生した場合でも、配線数を増やすことなく、正常な電源装置に異常発生通報して安全にシステムを停止可能とする。マスター電源装置10は、UARTモジュール24のTX端子からINF端子を介してスレーブ電源装置12に出力電圧目標値と出力電流目標値の設定情報を含むシリアル通信データ信号を送信して電力変換部14を動作させている。スレーブ電源装置12は、自身の異常を検出した場合に、異常検出通報部26のスイッチ素子32のオンによりINF端子をLレベル固定化し、マスター電源装置10からのシリアル通信データ信号の伝送を不能とする。マスター電源装置10の異常対応処理部30はUARTモジュール24のRX端子によるシリアル通信データ信号の所定の時間以上の受信停止を検出した場合にスレーブ電源装置12の異常と判定して動作を停止する。

目的

本発明は、並列運転もしくは直列運転を行う複数の電源装置の何れかに異常が発生した場合でも、配線数を増やすことなく、正常な電源装置に異常発生を通報して安全にシステムを停止させることを可能とする電源装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

電力変換部、制御部及びシリアル通信部を備え、前記電力変換部は、正負電源入力端子入力電源が接続されると共に正負の電源出力端子が正負の電源出力線を介して負荷に接続され、前記シリアル通信部は、送信端子受信端子通信端子に接続されることで、前記通信端子が通信線を介して他の電源装置の通信端子に相互に接続可能とされ、前記制御部は、マスターモードが設定された場合に、前記電力変換部に出力電圧目標値を設定して出力電圧が前記出力電圧目標値となるように調整させると共に、前記シリアル通信部により前記通信線を介して前記出力電圧目標値の設定情報及び出力電流検出値に基づく出力電流目標値の設定情報の何れか一方もしくは両方を含むシリアル通信データ信号を逐次送信すると同時に自身が送信した前記シリアル通信データ信号を前記シリアル通信部によって受信し、スレーブモードが設定された場合に、前記シリアル通信部で受信した前記シリアル通信データ信号から得られた前記出力電圧目標値及び出力電流検出値の設定情報に基づいて前記電力変換部の出力電圧及び出力電流が前記マスターモードに設定された他の電源装置の出力電圧及び出力電流に一致するように調整させる電源装置に於いて、前記制御部により自身の異常を検出した場合に、前記通信端子の信号状態所定レベル固定化して異常発生通報する異常検出通報部と、前記シリアル通信部により受信される前記シリアル通信データ信号を監視し、前記シリアル通信データ信号の所定の時間以上の受信停止を検出した場合に、自身又は外部の電源装置の異常と判定して所定の異常対応処理を実行する異常対応処理部と、が設けられたことを特徴とする電源装置。

請求項2

請求項1記載の電源装置に於いて、前記異常検出通報部は、前記通信端子と自身の電源グランド電位との間に接続されたスイッチ素子を備え、前記制御部は、自身の異常を検出した場合に前記スイッチ素子をオンして前記通信端子を介して通信線を前記自己の電源のグランド電位に固定化して前記シリアル通信データ信号の伝送を停止させることを特徴とする電源装置。

請求項3

請求項1記載の電源装置に於いて、前記異常検出通報部は、前記通信端子と前記グランドとの間に接続された第1のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子をオンオフ制御する第2のスイッチ素子と、を備え、前記制御部は、自身の異常を検出した場合に前記第2のスイッチ素子のオフにより前記第1のスイッチ素子がオン可能状態となり、自身の前記制御部が制御不能となった場合に前記第2スイッチ素子がオンできなくなることで前記第1のスイッチ素子がオン可能状態となり、前記通信端子を介して通信線を前記自己の電源のグランド電位に固定化して前記シリアル通信データ信号の伝送を停止させることを特徴とする電源装置。

請求項4

電力変換部、制御部及びシリアル通信部を備え、前記電力変換部は、正負の電源入力端子に入力電源が接続されると共に正負の電源出力端子に負荷が接続され、前記シリアル通信部の送信端子と受信端子は、絶縁回路部を介して通信端子と通信グランド端子に接続されることで、前記通信端子が他の電源の所定電位プルアップされた通信線を介して他の電源装置の通信端子に相互に接続可能とされると共に前記通信グランド端子が前記他の電源のグランド電位にプルダウンされた通信グランド線を介して前記他の電源装置の通信グランド端子に相互に接続可能とされ、前記制御部は、マスターモードが設定された場合に、前記電力変換部に出力電圧目標値を設定して出力電圧が前記出力電圧目標値となるように調整させると共に、前記シリアル通信部により前記通信線及び前記通信グランド線を介して前記出力電圧目標値の設定情報及び出力電流検出値に基づく出力電流目標値の設定情報の何れか一方もしくは両方を含むシリアル通信データ信号を逐次送信すると同時に自身が送信した前記シリアル通信データ信号を前記シリアル通信部によって受信し、スレーブモードが設定された場合に、前記シリアル通信部で受信した前記シリアル通信データ信号から得られた前記出力電圧目標値及び出力電流検出値の設定情報に基づいて前記電力変換部の出力電圧及び出力電流が前記マスターモードに設定された他の電源装置の出力電圧及び出力電流に一致するように調整させる電源装置に於いて、前記制御部により自身の異常を検出した場合に、前記送信端子、前記絶縁回路部及び前記通信端子を介して前記通信線の信号状態を所定レベルに固定化して異常発生を通報する異常検出通報部と、前記シリアル通信部により受信される前記シリアル通信データ信号を監視し、前記シリアル通信データ信号の所定の時間以上の受信停止を検出した場合に、他の電源装置の異常と判定して所定の異常対応処理を実行する異常対応処理部と、が設けられたことを特徴とする電源装置。

請求項5

請求項4記載の電源装置に於いて、前記シリアル通信部の送信端子と受信端子に接続された絶縁回路部は、自身の電源の所定電位と前記シリアル通信部の送信端子の間に発光素子を接続すると共に前記通信端子と前記通信グランド端子の間に受光スイッチ素子を接続した第1のフォトカプラと、前記通信端子と前記通信グランド端子の間に発光素子を接続すると共に前記自身の電源の所定電位と前記シリアル通信部の受信端子との間に受光スイッチ素子を接続した第2のフォトカプラと、を備え、前記異常検出通報部は、前記シリアル通信部の送信端子と自身のグランドとの間に接続されたスイッチ素子を備え、前記制御部は、自身の異常を検出した場合に前記スイッチ素子をオンして前記第1のフォトカプラの前記受光スイッチ素子をオンすることで前記通信線の信号状態を所定レベルに固定化して異常発生を通報することを特徴とする電源装置。

請求項6

電力変換部、制御部及びシリアル通信部を備え、前記電力変換部は、正負の電源入力端子に入力電源が接続されると共に正負の電源出力端子に負荷が接続され、前記シリアル通信部の送信端子と受信端子は、絶縁回路部を介して通信端子と通信グランド端子に接続されることで、前記通信端子が他の電源の所定電位にプルアップされた通信線を介して他の電源装置の通信端子に相互に接続可能とされると共に前記通信グランド端子が前記他の電源のグランド電位にプルダウンされた通信グランド線を介して前記他の電源装置の通信グランド端子に相互に接続可能とされ、前記制御部は、マスターモードが設定された場合に、前記電力変換部に出力電圧目標値を設定して出力電圧が前記出力電圧目標値となるように調整させると共に、前記シリアル通信部により前記通信線及び前記通信グランド線を介して前記出力電圧目標値の設定情報及び出力電流検出値に基づく出力電流目標値の設定情報の何れか一方もしくは両方を含むシリアル通信データ信号を逐次送信すると同時に自身が送信した前記シリアル通信データ信号を前記シリアル通信部によって受信し、スレーブモードが設定された場合に、前記シリアル通信部で受信した前記シリアル通信データ信号から得られた前記出力電圧目標値及び出力電流検出値の設定情報に基づいて前記電力変換部の出力電圧及び出力電流が前記マスターモードに設定された他の電源装置の出力電圧及び出力電流に一致するように調整させる電源装置に於いて、前記制御部により自身の異常を検出した場合に、前記シリアル通信部の送信端子を無効化又は所定レベルに固定化することにより、前記送信端子、前記絶縁回路部及び前記通信端子を介して前記通信線の信号状態を所定レベルに固定化して異常発生を通報する異常検出通報部と、前記シリアル通信部により受信される前記シリアル通信データ信号を監視し、前記シリアル通信データ信号の所定の時間以上の受信停止を検出した場合に、他の電源装置の異常と判定して所定の異常対応処理を実行する異常対応処理部と、が設けられたことを特徴とする電源システム

請求項7

請求項6記載の電源装置に於いて、前記シリアル通信部の送信端子と受信端子に接続された絶縁回路部は、自身の制御用電源の所定電位と前記シリアル通信部の送信端子の間に発光素子を接続すると共に前記通信端子と前記通信グランド端子の間に受光スイッチ素子を接続した第1のフォトカプラと、前記通信端子と前記通信グランド端子の間に発光素子を接続すると共に前記自身の電源の所定電位と前記シリアル通信部の受信端子との間に受光スイッチ素子を接続した第2のフォトカプラと、を備え、前記異常検出通報部は、前記通信端子と前記通信グランド端子との間に接続され、前記第1のフォトカプラの前記受光スイッチ素子のオンによりオフされると共に前記第1のフォトカプラの前記受光スイッチ素子のオフによりオンされるスイッチ素子を備え、前記制御部は、自身の異常を検出した場合に前記シリアル通信部の送信端子をハイインピーダンス又は自身の制御用電源の所定電位に固定化させると共に、前記第1のフォトカプラの前記受光スイッチ素子のオフにより前記スイッチ素子をオンして前記通信線を所定信号ベルに固定化して前記シリアル通信データ信号の伝送を停止させることを特徴とする電源装置。

技術分野

0001

本発明は、複数台電源装置並列運転もしくは直列運転する電源ステムに用いる電源装置に関する。

背景技術

0002

アナログ電圧による制御)
従来、複数台の電源装置を並列運転もしくは直列運転で1つの電源システムとして用いる場合、それぞれの電源装置の出力電圧出力電流バランスさせて用いる必要がある。複数の電源装置の出力電圧や出力電流をバランスさせずに直列運転や並列運転を行うと、複数台の電源装置の中の1台の電源装置に負荷が集中してしまう。

0003

例えば、定格出力電流が20Aの電源装置を5台並列に接続した電源システムから60Aを出力させる場合を考える。もし、出力電圧や出力電流をバランスさせずに用いると、1台の電源装置が20Aを出力し、残りの4台の電源装置がそれぞれ10Aを出力するといった状態になり得る。

0004

この状態では、1台の電源装置に負荷が集中している状態になっており、この電源装置の寿命が他の負荷が軽い電源装置に対して著しく短くなってしまう。電源システムの中の電源装置が1台でも故障してしまうとシステム全体が正常に動作しないことになるため、複数台の電源装置をバランスさせずに用いると、電源システムの寿命が著しく短くなる問題があった。

0005

この問題を解決するため、複数台の電源装置の出力電圧や出力電流をバランスさせて用いる特許文献1の電源システムが開示されている。特許文献1の電源装置はVB端子とCB端子を備えており、複数台の電源装置を1つの電源システムとして用いるために、それぞれのVB端子とCB端子を接続する。VB端子は出力電圧をバランスさせるための信号の受け渡しを行う。CB端子は出力電流をバランスさせるための信号の受け渡しを行う。これにより電源システム内の電源装置の1台に負荷が集中することがなくなるため、電源システム内の電源装置の寿命を均等化することが可能となり、電源装置としての寿命を長くすることができる。

0006

しかしながら、この電源システムでは、電源装置をバランスさせるために、VB端子とCB端子の2本を配線する必要があり、配線工数が大きくなる問題があった。また、VB端子とCB端子はアナログ信号電圧レベルで制御されているため、配線を引き回すと外来ノイズの影響を受けて誤動作してしまう可能性を持っていた。

0007

シリアル通信による制御)
そこで、これらの問題を解決するために、バランス制御汎用UARTモジュールを用いたシリアル通信で実現する特許文献2の電源システムが開示されている。UARTモジュールは、汎用非同期受信送信機(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)モジュール略称である。特許文献2の電源システムを以下に示す。

0008

UARTモジュールは、送信端子であるTX端子と受信端子であるRX端子を備えている。電源装置では、TX端子とRX端子を接続した通信端子INF端子とし、電源装置の外部に取り出されている。

0009

並列もしくは直列運転を行う電源装置の全てのINF端子を接続する。接続された電源装置の中の1台をマスターとして設定し、残りの全てをスレーブとして設定する。マスターに設定された電源装置(以下「マスター電源装置」という)は、UARTモジュールのTX端子が有効になる。スレーブに設定された電源装置(以下「スレーブ電源装置」という)は、UARTモジュールのRX端子が有効になり、TX端子はハイインピーダンスに保持された状態になる。

0010

マスター電源装置は、自身の出力電圧目標値からその設定情報を生成する。また、出力電流検出値から出力電流目標値の設定情報を生成する。そして、出力電圧目標値の設定情報及び出力電流目標値の設定情報をシリアル通信データ信号に含めてUARTモジュールのTX端子から送信し、このシリアル通信データ信号はINF端子から伝送線を介してスレーブ電源装置に送信される。

0011

スレーブ電源装置は、シリアル通信データ信号を、INF端子を介してUARTモジュールのRX端子で受信する。これにより、スレーブ電源装置は、マスター電源装置から出力電圧目標値の設定値情報および出力電流目標値の設定情報を受信する。スレーブ電源装置は、受信した出力電圧目標値の設定情報に基づいて、自身の出力電圧目標値を設定する。また、受信した出力電流目標値の設定情報に基づいて、自身の出力電流目標値を設定する。

0012

この動作により、スレーブ電源装置は、自身の出力電圧および出力電流がマスター電源装置と同一になるように制御され、負荷に対し並列接続された電源装置の出力電圧および出力電流がバランスする。

0013

特許文献2の電源装置では、INF端子を1本の通信線により接続するだけで、複数の電源装置の出力電圧と出力電流をバランスさせることができ、少ない配線数で電源装置の出力電圧と出力電流をバランスさせることができる。また、シリアル通信データで出力電圧目標情報および出力電流情報の送信と受信が行われるため、配線を引き回したとしても、外来ノイズの影響を受けにくいと言う利点を持っている。

先行技術

0014

特開2007−143292号公報
特開2013−138557号公報

発明が解決しようとする課題

0015

しかしながら、シリアル通信により出力電圧目標値および出力電流目標値の設定情報を送受信する特許文献2の電源システムでは、複数の電源装置の内の1台が故障した場合でも、他の電源装置は動作を続けてしまう問題があった。

0016

例えば、複数台の電源装置が用いられている電源システムにおいて、1台の電源装置が故障した場合、動作を続けている他の電源装置から故障している電源装置に電流流し込まれて、最悪の場合は、焼損事故につながる。これを防ぐためには、電源装置の異常を知らせる端子を設けて配線を行うことが考えられるが、配線数が増えてしまう問題が発生する。

0017

本発明は、並列運転もしくは直列運転を行う複数の電源装置の何れかに異常が発生した場合でも、配線数を増やすことなく、正常な電源装置に異常発生通報して安全にシステムを停止させることを可能とする電源装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0018

(第1発明の電源装置)
本願の第1発明は、
電力変換部、制御部及びシリアル通信部を備え、
電力変換部は、正負電源入力端子入力電源が接続されると共に正負の電源出力端子が正負の電源出力線を介して負荷に接続され、
シリアル通信部は、送信端子と受信端子が通信端子に接続されることで、通信端子が通信線を介して他の電源装置の通信端子に相互に接続可能とされ、
制御部は、マスターモードが設定された場合に、電力変換部に出力電圧目標値を設定して出力電圧が出力電圧目標値となるように調整させると共に、シリアル通信部により通信線を介して出力電圧目標値の設定情報及び出力電流検出値に基づく出力電流目標値の設定情報の何れか一方もしくは両方を含むシリアル通信データ信号を逐次送信すると同時に自身が送信したシリアル通信データ信号をシリアル通信部によって受信し、スレーブモードが設定された場合に、シリアル通信部で受信したシリアル通信データ信号から得られた出力電圧目標値及び出力電流検出値の設定情報に基づいて電力変換部の出力電圧及び出力電流がマスターモードに設定された他の電源装置の出力電圧及び出力電流に一致するように調整させる電源装置に於いて、
制御部により自身の異常を検出した場合に、通信端子の信号状態所定レベル固定化して異常発生を通報する異常検出通報部と、
シリアル通信部により受信されるシリアル通信データ信号を監視し、シリアル通信データ信号の所定の時間以上の受信停止を検出した場合に、自身又は外部の電源装置の異常と判定して所定の異常対応処理を実行する異常対応処理部と、
が設けられたことを特徴とする。

0019

(第1発明の異常検出通報部1)
異常検出通報部は、通信端子と自身の電源のグランド電位との間に接続されたスイッチ素子を備え、
制御部は、自身の異常を検出した場合にスイッチ素子をオンして通信端子を介して通信線を自己の電源のグランド電位に固定化してシリアル通信データ信号の伝送を停止させる。

0020

(第1発明の異常検出通報部2)
異常検出通報部は、
通信端子とグランドとの間に接続された第1のスイッチ素子と、
第1のスイッチ素子をオンオフ制御する第2のスイッチ素子と、
を備え、
制御部は、自身の異常を検出した場合に第2のスイッチ素子のオフにより第1のスイッチ素子がオン可能状態となり、自身の制御部が制御不能となった場合に第2スイッチ素子がオンできなくなることにより第1のスイッチ素子がオン可能状態となり、通信端子を介して通信線を自己の電源のグランド電位に固定化してシリアル通信データ信号の伝送を停止させる。

0021

(第2発明の電源装置)
本願の第2発明は、
電力変換部、制御部及びシリアル通信部を備え、
電力変換部は、正負の電源入力端子に入力電源が接続されると共に正負の電源出力端子に負荷が接続され、
シリアル通信部の送信端子と受信端子は、絶縁回路部を介して通信端子と通信グランド端子に接続されることで、通信端子が他の電源の所定電位プルアップされた通信線を介して他の電源装置の通信端子に相互に接続可能とされると共に通信グランド端子が他の電源のグランド電位にプルダウンされた通信グランド線を介して他の電源装置の通信グランド端子に相互に接続可能とされ、
制御部は、マスターモードが設定された場合に、電力変換部に出力電圧目標値を設定して出力電圧が出力電圧目標値となるように調整させると共に、シリアル通信部により通信線及び通信グランド線を介して出力電圧目標値の設定情報及び出力電流検出値に基づく出力電流目標値の設定情報の何れか一方もしくは両方を含むシリアル通信データ信号を逐次送信すると同時に自身が送信したシリアル通信データ信号をシリアル通信部によって受信し、スレーブモードが設定された場合に、シリアル通信部で受信したシリアル通信データ信号から得られた出力電圧目標値及び出力電流検出値の設定情報に基づいて電力変換部の出力電圧及び出力電流がマスターモードに設定された他の電源装置の出力電圧及び出力電流に一致するように調整させる電源装置に於いて、
制御部により自身の異常を検出した場合に、送信端子、絶縁回路部及び通信端子を介して通信線の信号状態を所定レベルに固定化して異常発生を通報する異常検出通報部と、
シリアル通信部により受信されるシリアル通信データ信号を監視し、シリアル通信データ信号の所定の時間以上の受信停止を検出した場合に、他の電源装置の異常と判定して所定の異常対応処理を実行する異常対応処理部と、
が設けられたことを特徴とする。

0022

(第2発明の絶縁回路部と異常検出通報部)
シリアル通信部の送信端子と受信端子に接続された絶縁回路部は、
自身の電源の所定電位とシリアル通信部の送信端子の間に発光素子を接続すると共に通信端子と通信グランド端子の間に受光スイッチ素子を接続した第1のフォトカプラと、
通信端子と通信グランド端子の間に発光素子を接続すると共に自身の電源の所定電位とシリアル通信部の受信端子との間に受光スイッチ素子を接続した第2のフォトカプラと、
を備え、
異常検出通報部は、シリアル通信部の送信端子と自身のグランドとの間に接続されたスイッチ素子を備え、
制御部は、自身の異常を検出した場合にスイッチ素子をオンして第1のフォトカプラの受光スイッチ素子をオンすることで通信線の信号状態を所定レベルに固定化して異常発生を通報する。

0023

(第3発明の電源装置)
本願の第3発明は、
電力変換部、制御部及びシリアル通信部を備え、
電力変換部は、正負の電源入力端子に入力電源が接続されると共に正負の電源出力端子に負荷が接続され、
シリアル通信部の送信端子と受信端子は、絶縁回路部を介して通信端子と通信グランド端子に接続されることで、通信端子が他の電源の所定電位にプルアップされた通信線を介して他の電源装置の通信端子に相互に接続可能とされると共に通信グランド端子が他の電源のグランド電位にプルダウンされた通信グランド線を介して他の電源装置の通信グランド端子に相互に接続可能とされ、
制御部は、マスターモードが設定された場合に、電力変換部に出力電圧目標値を設定して出力電圧が出力電圧目標値となるように調整させると共に、シリアル通信部により通信線及び通信グランド線を介して出力電圧目標値の設定情報及び出力電流検出値に基づく出力電流目標値の設定情報の何れか一方もしくは両方を含むシリアル通信データ信号を逐次送信すると同時に自身が送信したシリアル通信データ信号をシリアル通信部によって受信し、スレーブモードが設定された場合に、シリアル通信部で受信したシリアル通信データ信号から得られた出力電圧目標値及び出力電流検出値の設定情報に基づいて電力変換部の出力電圧及び出力電流がマスターモードに設定された他の電源装置の出力電圧及び出力電流に一致するように調整させる電源装置に於いて、
制御部により自身の異常を検出した場合に、シリアル通信部の送信端子を無効化又は所定レベルに固定化することにより、送信端子、絶縁回路部及び通信端子を介して通信線の信号状態を所定レベルに固定化して異常発生を通報する異常検出通報部と、
シリアル通信部により受信されるシリアル通信データ信号を監視し、シリアル通信データ信号の所定の時間以上の受信停止を検出した場合に、他の電源装置の異常と判定して所定の異常対応処理を実行する異常対応処理部と、
が設けられたことを特徴とする。

0024

(第3発明の絶縁回路部と異常検出通報部)
シリアル通信部の送信端子と受信端子に接続された絶縁回路部は、
自身の制御用電源の所定電位とシリアル通信部の送信端子の間に発光素子を接続すると共に通信端子と通信グランド端子の間に受光スイッチ素子を接続した第1のフォトカプラと、
通信端子と通信グランド端子の間に発光素子を接続すると共に自身の電源の所定電位とシリアル通信部の受信端子との間に受光スイッチ素子を接続した第2のフォトカプラと、
を備え、
異常検出通報部は、通信端子と通信グランド端子との間に接続され、第1のフォトカプラの受光スイッチ素子のオンによりオフされると共に第1のフォトカプラの受光スイッチ素子のオフによりオンされるスイッチ素子を備え、
制御部は、自身の異常を検出した場合にシリアル通信部の送信端子をハイ・インピーダンス又は自身の制御用電源の所定電位に固定化させると共に、第1のフォトカプラの受光スイッチ素子のオフによりスイッチ素子をオンして通信線を所定信号ベルに固定化してシリアル通信データ信号の伝送を停止させる。

発明の効果

0025

第1発明は、電力変換部、制御部及びシリアル通信部を備え、電力変換部は、正負の電源入力端子に入力電源が接続されると共に正負の電源出力端子が正負の電源出力線を介して負荷に接続され、シリアル通信部は、送信端子と受信端子が通信端子に接続されることで、通信端子が通信線を介して他の電源装置の通信端子に相互に接続可能とされ、制御部は、マスターモードが設定された場合に、電力変換部に出力電圧目標値を設定して出力電圧が出力電圧目標値となるように調整させると共に、シリアル通信部により通信線を介して出力電圧目標値の設定情報及び出力電流検出値に基づく出力電流目標値の設定情報の何れか一方もしくは両方を含むシリアル通信データ信号を逐次送信すると同時に自身が送信したシリアル通信データ信号をシリアル通信部によって受信し、スレーブモードが設定された場合に、シリアル通信部で受信した前記シリアル通信データ信号から得られた出力電圧目標値及び出力電流検出値の設定情報に基づいて電力変換部の出力電圧及び出力電流がマスターモードに設定された他の電源装置の出力電圧及び出力電流に一致するように調整させる電源装置に於いて、制御部により自身の異常を検出した場合に、通信端子の信号状態を所定レベルに固定化して異常発生を通報する異常検出通報部と、シリアル通信部により受信されるシリアル通信データ信号を監視し、シリアル通信データ信号の所定の時間以上の受信停止を検出した場合に、自身又は外部の電源装置の異常と判定して所定の異常対応処理を実行する異常対応処理部とが設けられたため、並列運転を行う複数の電源装置の何れかに異常が発生した場合でも、電源装置の異常を知らせる端子や配線を設けなくても、シリアル通信部とその配線を利用して、複数の電源装置内の一台の電源装置の異常を全ての電源装置が判別して動作停止等の異常対応ができるようになり、低コストで、安全性の高い電源システムを構築することができる。

0026

(第1発明の異常検出通報部1による効果)
また、異常検出通報部は、通信端子と自身の電源のグランド電位との間に接続されたスイッチ素子を備え、制御部は、自身の異常を検出した場合にスイッチ素子をオンして通信端子を介して通信線を自己の電源のグランド電位に固定化してシリアル通信データ信号の伝送を停止させるようにしたため、異常を検出した場合に異常検出通報部のスイッチ素子をオンさせるという簡単な構成により、複数の電源装置内の1台の電源装置の異常を全ての電源装置が判定して動作停止等の異常対応ができる。

0027

(第1発明の異常検出通報部2による効果)
また、異常検出通報部は、通信端子とグランドとの間に接続された第1のスイッチ素子と、第1のスイッチ素子をオンオフ制御する第2のスイッチ素子と、を備え、制御部は、自身の異常を検出した場合に第2のスイッチ素子のオフにより第1のスイッチ素子がオン可能状態となり、自身の制御部が制御不能となった場合に第2スイッチ素子がオンできなくなることにより第1のスイッチ素子がオン可能状態となり、通信端子を介して通信線を自己の電源のグランド電位に固定化してシリアル通信データ信号の伝送を停止させるようにしたため、電源装置の制御部に対する制御用電源が消失もしくは故障する等して制御不能となる異常が発生した場合においても、異常検出通報部を動作させることが可能となり、複数の電源装置内の1台の電源装置の異常を全ての電源装置が判別して動作停止等の異常対応を行うことで、さらに安全な電源システムを作ることができる。

0028

(第2発明の電源装置による効果)
第2発明は、電力変換部、制御部及びシリアル通信部を備え、電力変換部は、正負の電源入力端子に入力電源が接続されると共に正負の電源出力端子に負荷が接続され、シリアル通信部の送信端子と受信端子は、絶縁回路部を介して通信端子と通信グランド端子に接続されることで、通信端子が他の電源の所定電位にプルアップされた通信線を介して他の電源装置の通信端子に相互に接続可能とされると共に通信グランド端子が他の電源のグランド電位にプルダウンされた通信グランド線を介して他の電源装置の通信グランド端子に相互に接続可能とされ、制御部は、マスターモードが設定された場合に、電力変換部に出力電圧目標値を設定して出力電圧が出力電圧目標値となるように調整させると共に、シリアル通信部により通信線及び通信グランド線を介して出力電圧目標値の設定情報及び出力電流検出値に基づく出力電流目標値の設定情報の何れか一方もしくは両方を含むシリアル通信データ信号を逐次送信すると同時に自身が送信したシリアル通信データ信号をシリアル通信部によって受信し、スレーブモードが設定された場合に、シリアル通信部で受信したシリアル通信データ信号から得られた出力電圧目標値及び出力電流検出値の設定情報に基づいて電力変換部の出力電圧及び出力電流がマスターモードに設定された他の電源装置の出力電圧及び出力電流に一致するように調整させる電源装置に於いて、制御部により自身の異常を検出した場合に、送信端子、絶縁回路部及び通信端子を介して通信線の信号状態を所定レベルに固定化して異常発生を通報する異常検出通報部と、シリアル通信部により受信されるシリアル通信データ信号を監視し、シリアル通信データ信号の所定の時間以上の受信停止を検出した場合に、他の電源装置の異常と判定して所定の異常対応処理を実行する異常対応処理部とが設けられたため、第1発明の電源装置では、シリアル通信データ信号の通信に使用する通信グランド線として、負の電源出力線を兼用していることから、通信端子及び通信グランド端子が絶縁されておらず、複数の電源装置を直列運転する場合に、各通信端子を通信線で相互に接続することができなかったが、第2発明では、シリアル通信部の送信端子と受信端子が絶縁回路部を介して通信端子と通信グランド端子に接続されることで、負荷に直列接続する正負の電源出力端子から絶縁され、複数の電源装置を直列運転する場合に、各電源装置の通信端子と通信グランド端子を通信線と通信グランド線により相互に接続することができ、複数の電源装置により並列運転する電源システムに加え、複数の電源装置により直列運転する電源システムを構築することが可能となる。

0029

また、電源装置の異常を知らせる端子や配線を設けなくても、絶縁された通信端子と通信グランド端子を相互に接続する通信線と通信グランド線をそのまま利用して、複数の電源装置内の1台の電源装置の異常を全ての電源装置が判別して動作停止等の異常対応ができるようになり、複数の電源装置により並列運転又は直列運転を行う場合に、低コストで、安全性の高い電源システムを構築することができる。

0030

(第2発明の絶縁回路部と異常検出通報部による効果)
また、シリアル通信部の送信端子と受信端子に接続された絶縁回路部は、自身の電源の所定電位とシリアル通信部の送信端子の間に発光素子を接続すると共に通信端子と通信グランド端子の間に受光スイッチ素子を接続した第1のフォトカプラと、通信端子と通信グランド端子の間に発光素子を接続すると共に自身の電源の所定電位とシリアル通信部の受信端子との間に受光スイッチ素子を接続した第2のフォトカプラと、を備え、異常検出通報部は、シリアル通信部の送信端子と自身のグランドとの間に接続されたスイッチ素子を備え、制御部は、自身の異常を検出した場合にスイッチ素子をオンして第1のフォトカプラの受光スイッチ素子をオンすることで通信線の信号状態を所定レベルに固定化して異常発生を通報することで、通信線と通信グランド線を電源装置から確実に絶縁分離し、複数の電源装置により並列運転する電源システムに加え、直列運転する電源システムを構築することが可能となる。

0031

また、異常を検出した場合に、異常検出通報部のスイッチ素子をオンさせるという簡単な構成により、複数の電源装置内の1台の電源装置の異常を全ての電源装置が検出して動作停止等の異常対応ができる。

0032

(第3発明の電源装置による効果)
本願の第3発明は、電力変換部、制御部及びシリアル通信部を備え、電力変換部は、正負の電源入力端子に入力電源が接続されると共に正負の電源出力端子に負荷が接続され、シリアル通信部の送信端子と受信端子は、絶縁回路部を介して通信端子と通信グランド端子に接続されることで、通信端子が他の電源の所定電位にプルアップされた通信線を介して他の電源装置の通信端子に相互に接続可能とされると共に通信グランド端子が他の電源のグランド電位にプルダウンされた通信グランド線を介して他の電源装置の通信グランド端子に相互に接続可能とされ、制御部は、マスターモードが設定された場合に、電力変換部に出力電圧目標値を設定して出力電圧が出力電圧目標値となるように調整させると共に、シリアル通信部により通信線及び通信グランド線を介して出力電圧目標値の設定情報及び出力電流検出値に基づく出力電流目標値の設定情報の何れか一方もしくは両方を含むシリアル通信データ信号を逐次送信すると同時に自身が送信したシリアル通信データ信号をシリアル通信部によって受信し、スレーブモードが設定された場合に、シリアル通信部で受信したシリアル通信データ信号から得られた出力電圧目標値及び出力電流検出値の設定情報に基づいて電力変換部の出力電圧及び出力電流がマスターモードに設定された他の電源装置の出力電圧及び出力電流に一致するように調整させる電源装置に於いて、制御部により自身の異常を検出した場合に、シリアル通信部の送信端子を無効化又は所定レベルに固定化することにより、送信端子、絶縁回路部及び通信端子を介して通信線の信号状態を所定レベルに固定化して異常発生を通報する異常検出通報部と、シリアル通信部により受信されるシリアル通信データ信号を監視し、シリアル通信データ信号の所定の時間以上の受信停止を検出した場合に、他の電源装置の異常と判定して所定の異常対応処理を実行する異常対応処理部と、が設けられたため、第2発明と同様に、通信端子および通信グランド端子が絶縁されていることで直列運転が可能になる特徴に加えて、電源装置の制御部に対する制御用電源が消失するもしくは故障する等して制御不能となる異常が発生した場合においても、異常検出通報部を動作させることが可能となり、複数の電源装置内の1台の電源装置の異常を全ての電源装置が判別して動作停止等の異常対応を行うことで、複数の電源装置で並列運転又は直列運転を行う場合に、更に安全な電源システムを構築することができる。

0033

(第3発明の絶縁回路部と異常検出通報部による効果)
また、シリアル通信部の送信端子と受信端子に接続された絶縁回路部は、自身の制御用電源の所定電位とシリアル通信部の送信端子の間に発光素子を接続すると共に通信端子と通信グランド端子の間に受光スイッチ素子を接続した第1のフォトカプラと、通信端子と通信グランド端子の間に発光素子を接続すると共に自身の電源の所定電位とシリアル通信部の受信端子との間に受光スイッチ素子を接続した第2のフォトカプラと、を備え、異常検出通報部は、通信端子と通信グランド端子との間に接続され、第1のフォトカプラの受光スイッチ素子のオンによりオフされると共に第1のフォトカプラの受光スイッチ素子のオフによりオンされるスイッチ素子を備え、制御部は、自身の異常を検出した場合にシリアル通信部の送信端子をハイ・インピーダンス又は自身の制御用電源の所定電位に固定化させると共に、第1のフォトカプラの受光スイッチ素子のオフによりスイッチ素子をオンして通信線を所定信号レベルに固定化してシリアル通信データ信号の伝送を停止させるようにしたため、絶縁回路部としてフォトカプラを用いることで、通信線と通信グランド線を電源装置から確実に絶縁分離し、複数の電源装置により並列運転する電源システムに加え、複数の電源装置により直列運転する電源システムを構成することが可能となる。

0034

また、異常を検出した場合のみならず、電源装置の制御部に対する制御用電源が消失もしくは故障する等して制御不能となる異常が発生した場合においても、送信端子のグランド電位(Lレベルの電位)への落ち込みに対し、絶縁回路部を介してスイッチ素子をオンさせるという簡単な構成により、複数の電源装置内の1台の電源装置の異常を全ての電源装置が検出して動作停止等の異常対応ができる。

図面の簡単な説明

0035

第1発明による電源システムの第1実施形態を示した回路ブロック
図1の電源装置に設けたUARTモジュールの機能構成の概略を示したブロック図
図1の第1発明でマスター電源装置と複数のスレーブ電源装置による並列運転の接続構成を示したブロック図
第1発明による電源システムの第2実施形態を示した回路ブロック図
並列運転を行う第2発明による電源システムの実施形態を示したブロック図
図5の第2発明でマスター電源装置と複数のスレーブ電源装置による並列運転の接続構成を示したブロック図
直列運転を行う第2発明による電源システムの実施形態を示したブロック図
図7の第2発明でマスター電源装置と複数のスレーブ電源装置による直列運転の接続構成を示したブロック図
第3発明による電源システムの実施形態を示した回路ブロック図

実施例

0036

[第1発明による電源装置の第1実施形態]
図1は本願第1発明による電源装置を用いた電源システムの第1実施形態を示した回路ブロック図、図2図1の電源装置に設けたUARTモジュールの機能構成の概略を示したブロック図、図3図1の第1発明でマスター電源装置と複数のスレーブ電源装置による並列運転の接続構成を示したブロック図である。

0037

(電源システム構成概要
図1に示すように、本実施形態の電源システムは、本願第1発明による電源装置をマスター電源装置10とスレーブ電源装置12となるように設定を行った2台の電源装置で構成し、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の正負の電源入力端子である+Vin端子と−Vin端子に入力電源18が並列に接続され、また、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の正負の電源出力端子である+Vo端子と−Vo端子が正負の電源出力線を介して負荷20に並列に接続され、マスター電源装置10とスレーブ電源装置12の並列運転により負荷20に電源を供給している。

0038

ここで、図1にあっては、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の2台で電源システムを構成しているが、図3に示すように、マスター電源装置10と複数台のスレーブ電源装置12で電源システムを構成して並列運転を行っても良い。

0039

並列運転を行う場合、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の各出力電圧Voは同じとなり、各出力電流Ioは、負荷20に流す定格電流Iratedを電源装置の台数nで割った(Irated/n)となる。

0040

図1に示すマスター電源装置10及びスレーブ電源装置12は、電源装置としての構成は同じであり、マスターモードを設定した場合にマスター電源装置10として機能し、スレーブモードを設定した場合にスレーブ電源装置12として機能する点で相違している。以下の説明では、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12を区別する必要がないときは、電源装置10及び電源装置12として説明する場合がある。

0041

(電源装置の構成)
図1に示す電源装置10及び電源装置12は、電力変換部14およびこれを制御する制御回路部であるデジタルプロセッサ16を備える。電源装置10は、外部の入力電源18から+Vin端子および−Vin端子に入力電圧が入力され、+Vo端子および−Vo端子から外部の負荷20に出力電圧を供給する。

0042

電力変換部14は、電源装置10及び電源装置12に入力された入力電圧を所定の電圧に変換することで出力電圧を生成し、負荷20に供給する。電源装置10及び電源装置12の出力電圧は、デジタルプロセッサ16からの出力電圧目標値Vrに基づいて決定される。また、電力変換部14が外部に供給している出力電圧および出力電流は、出力電圧検出値Voおよび出力電流検出値Ioとしてデジタルプロセッサ16が取得している。出力電流検出値Ioは電流検出器35で検出される。電流検出器35は、例えば、電流検出抵抗カレントトランス等の電流電圧変換を行う素子で構成され、電源装置10及び電源装置12の出力電流を直接検出するものでも良いし、電力変換部14内に流れる電流から出力電流に比例する電流を検出するものでも良い。

0044

デジタルプロセッサ16は、内部に、CPU部22、シリアル通信部として機能するUARTモジュール24、および、異常検出通報部26を備えている。CPU部22にはプログラムの実行により実現される機能として、制御部28と異常対応処理部30が設けられている。

0045

また、CPU部22、UARTモジュール24、および、異常検出通報部26は、一部もしくはすべてを独立した回路として構成しても良い。また、図示されていないが、CPU部22が動作するためのプログラムが記録されたメモリおよび電力変換部14や外部との信号を入出力するためのI/OインターフェースADコンバータ等も備えている。

0046

UARTモジュール24は、シリアル通信を行うモジュールであり、シリアル通信データ信号を送信する送信端子であるTX端子、シリアル通信データ信号を受信する受信端子であるRX端子を備える。TX端子とRX端子はUARTモジュール24の外部で接続され、電源装置10及び電源装置12の通信端子であるINF端子に接続される。

0047

UARTモジュール24のTX端子は、Hレベル(制御用電源のプラス側電位Vccの電圧レベル)およびLレベル(制御用電源のグランド側の電圧レベル)の信号の組み合わせで構成されるシリアル通信データ信号を送信する。

0048

なお、図示されていないが、TX端子は必要に応じて、プルアップ抵抗が接続される。また、必要に応じて電流を制限するための抵抗ノイズを除去するためのコンデンサを接続しても良い。

0049

電源装置10のINF端子は、通信線34を介して他の電源装置12のINF端子に接続される。また、UARTモジュール24のグランドは、電力変換部14の−Vo端子に対するグランドに接続されている。これにより、負荷20に対し並列接続している−Vo端子に外部接続した負の電源出力線は、電源装置10及び電源装置12に設けたUARTモジュール24のグランドを相互に接続する通信グランド線を兼用している。このため、電源装置10及び電源装置12のシリアル通信の配線は、通常2本必要とするが、本実施形態では、INF端子を相互に接続する通信線34の1本だけで良い。

0050

UARTモジュール24は、CPU部22からの指示で、シリアル通信データ信号を送信する機能および受信したシリアル通信データ信号をCPU部22に引き渡す機能を備える。

0051

図2はUARTモジュール24の機能構成の概略であり、送信変換部40、送信アンプ42、受信アンプ44及び受信変換部46を備える。送信変換部40はCPU部22から例えば8bitの通信情報が入力され、通信情報に、スタートビットパリティビットストップビット等を付加した通信フレームを生成し、通信フレームを、シフトレジスタを用いることでシリアル通信データに変換し、送信アンプ42からHレベルとLレベルでなるシリアル通信データ信号としてTX端子を介して出力する。

0052

シリアル通信データ信号の通信情報は、出力電圧目標値Vrの設定情報又は出力電流検出値Ioに基づく出力電流目標値Irの設定情報と、通信情報の種類を識別する識別情報が含まれる構成としている。また、送信アンプ42の送信動作を停止して無効化することが可能な構成となっており、無効化した状態では、TX端子はハイ・インピーダンスの出力状態となる。CPU部22の指示による出力電圧目標値Vrの設定情報又は出力電流目標値Irの設定情報を含むシリアル通信データ信号の送信は、所定の送信周期で逐次行われる。

0053

受信アンプ44は、RX端子を介してシリアル通信データ信号を受信して受信変換部46に出力する。受信変換部46は、シリアル通信データ信号をシフトレジスタに格納することで、シリアル通信データ信号から通信フレームを復元し、通信フレームから通信情報取り出してCPU部22に転送する。

0054

再び図1を参照するに、電源装置10及び電源装置12の異常検出通報部26は、スイッチ素子32を備え、CPU部22からの指示によりスイッチ素子32が動作される。スイッチ素子32はTX端子とRX端子を接続したINF端子とグランドとの間に接続され、CPU部22に設けた制御部28の指示でオン、オフされる。

0055

電源装置12が正常な場合、制御部28の指示でスイッチ素子32はオフされており、INF端子をグランドから切り離すことで、UARTモジュール24からのシリアル通信データ信号の外部に対する送受を可能としている。これに対し制御部28で電源装置12の異常が検出された場合はスイッチ素子32がオンされ、INF端子をグランドに接続し、INF端子に外部から接続している通信線34をグランドレベル、即ちLレベルに引き込んで固定化し、これによりINF端子を経由したシリアル通信ができない状態として、シリアル通信データ信号の通信を強制的に停止させ、これによって電源装置12に異常が発生したことを他の電源装置に通報可能とする。

0056

なお、図1の電源装置10及び電源装置12では、異常検出通報部26に設けたスイッチ素子32の制御にデジタルプロセッサ16内のCPU部22に備えられたI/Oインターフェースを使用しているが、デジタルプロセッサ16の外部にスイッチ素子32を設けて、異常検出通報部26としても良い。

0057

異常検出通報部26に対応してCPU部22には異常対応処理部30の機能が設けられる。異常対応処理部30は、UARTモジュール24により受信されるシリアル通信データ信号を監視しており、シリアル通信データ信号の受信が所定の時間以上停止したことを検出した場合に、他の電源装置の異常と判定して電源装置の動作を停止させる等の所定の異常対応処理を実行する。

0058

なお、以上説明した電源装置10および電源装置12は同一の構成及び機能を備え、下記のように設定を行うことでマスター電源装置10となるかスレーブ電源装置12となるかが決定される。

0059

(マスター電源装置とスレーブ電源装置)
電源装置10及び電源装置12には、マスターとして動作するかスレーブとして動作するかを外部から指示するための端子であるM/S端子を備えている。マスター電源装置10はM/S端子に対する外部指示によりマスターモードが設定された電源装置であり、また、スレーブ電源装置12は、M/S端子に対する外部指示によりスレーブモードが設定された電源装置である。

0060

また、M/S端子を用いないで、図示されていないデジタルプロセッサ16のメモリ部に、マスターとして動作するかスレーブとして動作するかの情報をあらかじめ書き込んでおいて動作させることもできる。

0061

本発明の電源システム内では、1台の電源装置をマスター電源装置10に設定し、他の電源装置をスレーブ電源装置12に設定する。

0062

(マスター電源装置に固有な構成)
マスター電源装置10の制御部28は、自身の電力変換部14に予め設定された出力電圧目標値Vrを設定して、出力電圧が出力電圧目標値Vrとなるようにスイッチングオンデューティーを調整させる。

0063

また、マスター電源装置10の制御部28は、出力電流目標値Vrの設定情報および電流検出器35で検出している自身の出力電流検出値Ioに基づく出力電流目標値Irの設定情報をUARTモジュール24に通信情報として転送し、これを含むシリアル通信データ信号を生成してTX端子からINF端子を経由して外部のスレーブ電源装置12に送信させる。

0064

マスター電源装置10のUARTモジュール24は、TX端子からシリアル通信データ信号を送信すると同時に、自身が送信するシリアル通信データ信号をRX端子から受信する。

0065

マスター電源装置10からスレーブ電源装置12に送信されるシリアル通信データ信号は、出力電圧目標値Vrの設定情報と出力電流目標値Irの設定情報の何れか一方、もしくは、両方でも良いし、その他の情報を合わせて出力するものでも良い。この際、並列運転を行う電源システムにおいては、マスター電源装置10とスレーブ電源装置12の出力電流をバランスさせる動作を行うために、出力電流目標値Irの設定情報が送信されていることが望ましい。

0066

マスター電源装置10では、自身がUARTモジュール24のTX端子から送信したシリアル通信データ信号は、自身のUARTモジュール24のRX端子で受信されるように構成されており、CPU部22に設けた異常対応処理部30で、自身がTX端子から送信したシリアル通信データ信号と自身がRX端子から受信したシリアル通信データ信号が一致していることを監視している。そして、自身がTX端子から送信したシリアル通信データ信号が自身のRX端子によって所定の時間以上受信できなかったことを検出した場合に、スレーブ電源装置12の異常と判定して動作を停止させる等の所定の異常対応処理を行う。

0067

マスター電源装置10は自身の異常を検出した場合、UARTモジュール24のTX端子からシリアル通信データ信号を送信する動作を停止する。この動作により、スレーブ電源装置12は、マスター電源装置10の異常を検出することが可能となる。

0068

(スレーブ電源装置に固有な構成)
スレーブ電源装置12は、スレーブモードに設定されると、UARTモジュール24の送信機能が停止され、TX端子がハイ・インピーダンスに保持されるように動作する。従って、スレーブ電源装置12のUARTモジュール24のTX端子は、INF端子で送受信されるシリアル通信データ信号に影響を及ぼすことが無い。スレーブ電源装置12では、マスター電源装置10から送信されたシリアル通信データ信号をINF端子を介してUARTモジュール24のRX端子で受信する。

0069

スレーブ電源装置12の制御部28は、UARTモジュール24で受信したシリアル通信データ信号から得られたマスター電源装置10の出力電圧目標値Vrを自身の出力電圧目標値として設定し、自身の出力電圧がマスター電源装置10の出力電圧と同じになるように制御を行う。

0070

また、スレーブ電源装置12の制御部28は、UARTモジュール24で受信したシリアル通信データ信号から得られたマスター電源装置10の出力電流検出値Ioに対応した出力電流目標値Irに基づいて、自身の出力電流がマスター電源装置10の出力電流と同じになるように出力電圧を調整する制御を行う。具体的には、スレーブ電源装置12が自身の出力電流検出値Ioとマスターから引き渡された出力電流目標値Irを比較し、自身の出力電流が大きければ、自身の出力電圧を低下させ、自身の出力電流が小さければ、自身の出力電圧を上昇させる制御を行う。

0071

スレーブ電源装置12のUARTモジュール24は、マスター電源装置10から送信されたシリアル通信データ信号をINF端子を介してRX端子から受信する。UARTモジュール24のRX端子から受信されたマスター電源装置10が送信したシリアル通信データ信号は、CPU部22に設けた異常対応処理部30で監視されており、異常対応処理部30はシリアル通信データ信号がRX端子で所定の時間以上受信できなかったときは、異常と判定して動作を停止させる等の所定の異常対応処理を行う。

0072

[電源システムの動作]
次に図1の並列運転を行う電源システムの動作を正常運転時と異常発生時に分けて説明すると次のようになる。

0073

(正常運転の場合の動作)
図1に示すように、マスター電源装置10は、自身に設定している出力電圧目標値Vrの設定情報および自身で検出している出力電流検出値Ioに基づく出力電流目標値Irの設定情報を、シリアル通信データ信号によりUARTモジュール24のTX端子からINF端子を経由して外部に逐次送信する。マスター電源装置10から送信されるシリアル通信データ信号は、出力電圧目標値Vrの設定情報と出力電流目標値Irの設定情報の何れか一方、もしくは、両方でも良いし、その他の情報を合わせて出力するものでも良い。

0074

スレーブ電源装置12は、UARTモジュール24のTX端子が無効化され、ハイ・インピーダンスで保持されており、INF端子を介して入力されたシリアル通信データ信号をUARTモジュール24のRX端子で受信する。

0075

スレーブ電源装置12のCPU部22の制御部28は、UARTモジュール24からマスター電源装置10が送信した出力電圧目標値Vrの設定情報を受け取ると、マスター電源装置10の出力電圧目標値Vrを自身の出力電圧目標値として設定し、自身の出力電圧がマスター電源装置10の出力電圧と同じになるように制御を行う。また、CPU部22の制御部28は、出力電流目標値Irの設定情報を受け取ると、自身の出力電流がマスター電源装置10の出力電流と同じになるように出力電圧を調整する制御を行う。

0076

(スレーブ電源装置に異常が発生した場合の動作)
スレーブ電源装置12に異常が発生した場合、スレーブ電源装置12の異常検出通報部26のスイッチ素子32がオンするように制御が行われる。これにより、スレーブ電源装置12のINF端子は、Lレベルに保持された状態となる。スレーブ電源装置12のINF端子がLレベルに保持されると、通信線34で接続されているマスター電源装置10のINF端子もLレベルに保持されることになる。

0077

マスター電源装置10は、UARTモジュール24のTX端子からシリアル通信データ信号を送信する際に、自身が送信したシリアル通信データ信号をRX端子で受信しており、マスター電源装置10のINF端子がLレベルに保持されると、UARTモジュール24のTX端子がシリアル通信データ信号を送信していても、RX端子でシリアル通信データ信号を受信できない状態となる。

0078

マスター電源装置10の異常対応処理部30は、自身で送信したシリアル通信データ信号をRX端子で所定の時間以上受信できないことを検出した場合、スレーブ電源装置12に異常が発生したことを判定し、自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作を行う。

0079

(複数のスレーブ電源装置の何れかに異常が発生した場合の動作)
図3に示すように、マスター電源装置10と2台以上のスレーブ電源装置12により並列運転が行われている場合において、1台のスレーブ電源装置12に異常が発生した場合、異常が発生したスレーブ電源装置12の異常検出通報部26のスイッチ素子32がオンされ、INF端子がLレベルに保持され、正常に動作しているマスター電源装置10及び他のスレーブ電源装置12のINF端子もLレベルに保持された状態となる。

0080

これにより正常に動作しているマスター電源装置10及び他のスレーブ電源装置12の異常対応処理部30は、マスター電源装置10が逐次送信しているシリアル通信データ信号を受信できなくなり、シリアル通信データ信号をRX端子で所定の時間以上受信できないことを検出した場合、マスター電源装置10又は他のスレーブ電源装置12に異常が発生したことを判定し、自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作を行う。

0081

(マスター電源装置に異常が発生した場合の動作)
マスター電源装置10に異常が発生した場合、UARTモジュール24のTX端子からシリアル通信データ信号を送信する動作を停止することで、TX端子からINF端子を経由してスレーブ電源装置12に向けて送信していたシリアル通信データ信号を停止させるか、もしくは、マスター電源装置10に設けた異常検出通報部26のスイッチ素子32をオンさせることで、INF端子がLレベルに保持され、TX端子からINF端子を経由してスレーブ電源装置12に向けて送信していたシリアル通信データ信号を停止させる。

0082

これにより正常に動作しているスレーブ電源装置12の異常対応処理部30は、シリアル通信データ信号をRX端子で所定の時間以上受信できないことになり、マスター電源装置10に異常が発生したことを検出し、自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作が行われる。

0083

(第1発明の第1実施形態によるメリット
本実施形態によれば、マスター電源装置10と1又は複数のスレーブ電源装置12で構成された電源システムで、新たに異常を知らせる端子や配線を設けなくとも、システム内の1台の電源装置で発生した異常を他の全ての電源装置に通報して判定させて電源システムを停止させることができるようになり、低コストで、安全性の高い電源システムを構築することができる。

0084

[第1発明による電源システムの第2実施形態]
図4は第1発明による電源システムの第2実施形態を示した回路ブロック図であり、本実施形態は、電源装置における制御用電源の停止等で制御不能となった場合にも、他の電源装置に異常を通報して対応可能としたことを特徴とする。

0085

(システム構成の概要)
図4に示すように、本実施形態の電源システムは、図1の第1実施形態と同様に、例えばマスター電源装置10とスレーブ電源装置12の2台で構成し、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の正負の電源入力端子である+Vin端子と−Vin端子に入力電源18が並列に接続され、また、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の正負の電源出力端子である+Vo端子と−Vo端子が正負の電源出力線を介して負荷20に並列に接続され、並列運転により負荷20に電源を供給している。

0086

また、マスター電源装置10とスレーブ電源装置12のシリアル通信に使用するINF端子は通信線34により相互に接続されている。更に、シリアル通信に使用する通信グランド線は、負荷20に対し並列接続している−Vo端子に外部接続した負の電源出力線で兼用している。

0087

(電源装置の構成)
図4に示すように、本実施形態の電源装置10及び電源装置12は、図1に示した第1実施形態の電源装置10及び電源装置12に対して、異常検出通報部26の構成が異なり、それ以外は同じになることから、同一符号を付して、その説明は省略する。

0088

図4に示す異常検出通報部26は、スイッチ素子32、PNPトランジスタ36及び抵抗38から構成される。PNPトランジスタ36は、同様の働きをする素子であれば良く、P−チャネルのMOS—FET等を使用しても良い。

0089

スイッチ素子32の一端はPNPトランジスタ36のベースに接続され、スイッチ素子32の他端は、制御用電源のプラス側電位Vccに接続される。スイッチ素子32は、CPU部22からの指示により動作させることができる。

0090

PNPトランジスタ36は、コレクタがグランドに接続され、エミッタがUARTモジュール24のRX端子とTX端子を接続してINF端子に至るラインに接続され、更に、ベースとグランド間に抵抗38が接続されている。

0091

図1の第1実施形態では、異常検出通報部26のスイッチ素子32は、電源装置10及び電源装置12に異常が発生した場合にオンするように制御されていたが、本実施例の電源装置10及び電源装置12では、正常に動作している場合、CPU部22に設けた制御部28により、スイッチ素子32をオンさせ、異常を検出した場合にスイッチ素子32をオフさせるように制御を行う。

0092

異常検出によりスイッチ素子32がオフされた状態においては、UARTモジュール24のTX端子からのシリアル通信データ信号の送信により、INF端子がLレベルからHレベルになろうとすると、抵抗38を介してPNPトランジスタ36のエミッタ、ベース、抵抗38及びグランドの経路で電流が流れて、PNPトランジスタ36がオンする動作となり、INF端子がLレベルに保持される。

0093

従って、異常を検出した状態では、UARTモジュール24のTX端子からシリアル通信データ信号の送信を行っても、INF端子はLレベルのまま保持されることになり、シリアル通信データ信号は伝送されず、RX端子は、シリアル通信データ信号を受信することができない。

0094

電源装置10及び電源装置12が正常に動作している場合、スイッチ素子32はオンされており、PNPトランジスタ36のベースがHレベルとなるため、INF端子がHレベルとなっても、PNPトランジスタ36のエミッタからベースに電流が流れることができなくなり、PNPトランジスタ36がオフに保持される。

0095

従って、電源装置10及び電源装置12が正常に動作している状態で、UARTモジュール24のTX端子からシリアル通信データ信号の送信を行うと、PNPトランジスタ36はオフに保持されているため、INF端子を経由したシリアル通信データ信号の送受信が可能となり、RX端子がシリアル通信データ信号を受信することができる。

0096

[電源システムの動作]
次に図4の並列運転を行う電源システムの動作を正常運転時と異常発生時に分けて説明すると次のようになる。

0097

(正常運転の場合の動作)
図4に示すマスター電源装置10は、図1の第1実施形態と同様に、自身の出力電圧目標値Vrの設定情報や出力電流検出値Ioに基づく出力電流Irの設定情報を含むシリアル通信データ信号を、UARTモジュール24のTX端子からINF端子を経由して外部に送信する。このとき、マスター電源装置10に設けた異常検出通報部26のスイッチ素子32が正常状態でオンしているため、TX端子からINF端子を経由してシリアル通信データ信号を外部のスレーブ電源装置12に送信することができる。

0098

スレーブ電源装置12は、UARTモジュール24のTX端子が無効化され、ハイ・インピーダンスで保持されており、INF端子を介して入力されてきたシリアル通信データ信号をUARTモジュール24のRX端子で受信する。正常状態ではスレーブ電源装置12でも異常検出通報部26のスイッチ素子32がオン状態であるため、PNPトランジスタ36はオフに保持されており、RX端子からシリアル通信データ信号を受信することができる。

0099

スレーブ電源装置12のCPU部22の制御部28は、図1の第1実施形態と同様に、UARTモジュール24からマスター電源装置10が送信した出力電圧目標値Vrの設定情報と出力電流目標値Irの設定情報を受け取り、自身の出力電圧がマスター電源装置10の出力電圧と同じになり、且つ自身の出力電流がマスター電源装置10の出力電流と同じになるように出力電圧を調整する制御を行う。

0100

(スレーブ電源装置に異常が発生した場合の動作)
スレーブ電源装置12に異常が発生した場合、異常検出通報部26のスイッチ素子32がオフするように制御が行われ、PNPトランジスタ36はオン可能状態となり、TX端子からのシリアル通信データ信号の送信でINF端子がHレベルに変化しようとすると、PNPトランジスタ36がオン状態となってINF端子がLレベルに保持された状態となる。スレーブ電源装置12のINF端子がLレベルに保持されると、マスター電源装置10のINF端子もLレベルに保持されることになる。

0101

マスター電源装置10は、UARTモジュール24のTX端子からシリアル通信データ信号を送信する際に、自身が送信したシリアル通信データ信号をRX端子で受信しており、マスター電源装置10のINF端子がLレベルに保持されると、自身のUARTモジュール24のTX端子がシリアル通信データ信号を送信していても、RX端子でシリアル通信データ信号を受信できない状態となる。

0102

従って、マスター電源装置10の異常対応処理部30は、自身で送信したシリアル通信データ信号をRX端子で所定の時間以上受信できないことを検出した場合、スレーブ電源装置12に異常が発生したことを判定し、自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作を行う。

0103

一方、図1に示した第1実施形態の異常検出通報部26にあっては、制御用電源が故障してCPU部22による制御が不能となる異常が発生した場合、制御用電源のプラス電位Vccが失われて、スイッチ素子32をオンできないため、INF端子をLレベルに保持させて検出した異常を外部に通報する動作ができない。

0104

これに対し本実施形態のスレーブ電源装置12に設けた異常検出通報部26は、制御用電源の故障等により制御不能となる異常が発生してプラス電位Vccが失われた場合にも、スイッチ素子32がオフとなることにより、PNPトランジスタ36が動作可能状態となり、INF端子から受信するシリアル通信データ信号がLレベルからHレベルに変化するときにPNPトランジスタ36がオンして、INF端子をLレベルに保持させることができる。

0105

これによりマスター電源装置10のINF端子もLレベルに保持され、自身で送信したシリアル通信データ信号をRX端子で受信できなくなり、マスター電源装置10の異常対応処理部30は、シリアル通信データ信号を所定の時間以上受信できないことを検出した場合に、スレーブ電源装置12に異常が発生したことを判別し、自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作が行われ、電源システムを更に安全なものにすることができる。

0106

(複数のスレーブ電源装置の何れかに異常が発生した場合の動作)
図3に示すように、マスター電源装置10と2台以上のスレーブ電源装置12による並列運転が行われている場合において、1台のスレーブ電源装置12に異常が発生した場合、その異常検出通報部26のスイッチ素子32がオフするように制御が行われ、PNPトランジスタ36はオン可能状態となり、マスター電源装置10からのシリアル通信データ信号の受信でINF端子がHレベルに変化しようとすると、PNPトランジスタ36がオン状態となってINF端子がLレベルに保持された状態となる。

0107

これにより正常に動作しているマスター電源装置10及び他のスレーブ電源装置12のINF端子もLレベルに保持された状態となり、マスター電源装置10が逐次送信しているシリアル通信データ信号を受信できなくなり、それぞれの異常対応処理部30は、シリアル通信データ信号をRX端子で所定の時間以上受信できないことを検出した場合に、他の電源装置に異常が発生したことを判定し、自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作が行われる。

0108

また、スレーブ電源装置12の1台で制御用電源が故障してCPU部22による制御が不能となる異常が発生した場合にも、同様に、異常検出通報部26が動作し、マスター電源装置10及び他のスレーブ電源装置12を停止させる等の所定の異常対応動作ができる。スレーブ電源装置12の制御用電源の故障だけでなく、スレーブ電源装置12の入力電源の配線が断線する等で、制御用電源が消失した場合でも、同様に、異常検出通報部26が動作する。

0109

(マスター電源装置に異常が発生した場合の動作)
マスター電源装置10に異常が発生した場合、UARTモジュール24のTX端子からシリアル通信データ信号を送信する動作を停止することで、TX端子からINF端子を経由してスレーブ電源装置12に向けて送信していたシリアル通信データ信号を停止させるか、もしくは、マスター電源装置10に設けた異常検出通報部26のスイッチ素子32をオフさせることでPNPトランジスタ36がオン可能状態となり、INF端子がLレベルに保持され、TX端子からINF端子を経由してスレーブ電源装置12に向けて送信していたシリアル通信データ信号を停止させる。

0110

これにより正常に動作しているスレーブ電源装置12の異常対応処理部30は、シリアル通信データ信号をRX端子で所定の時間以上受信できないことになり、マスター電源装置10に異常が発生したことを検出し、自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作が行われる。

0111

また、マスター電源装置10の1台で制御用電源が消失もしくは故障する等してCPU部22による制御が不能となる異常が発生した場合にも、同様に、異常検出通報部26が動作し、マスター電源装置10及び他のスレーブ電源装置12を停止させる等の所定の異常対応動作ができる。

0112

(第1発明の第2実施形態によるメリット)
本実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様、マスター電源装置10と1又は複数のスレーブ電源装置12で構成された電源システムで、新たに異常を知らせる端子や配線を設けなくとも、システム内の一台の電源装置で発生した異常を他の全ての電源装置が判定して電源システムを停止できるようになり、低コストで、安全性の高い電源システムを構築することができる。

0113

更に、電源装置の制御回路部であるデジタルプロセッサ16に対する制御用電源が消失もしくは故障する等してCPU部22による制御が不能となる異常が発生した場合においても、異常検出通報部26を動作させることが可能であるため、さらに安全な電源システムを作ることができる。

0114

[第2発明による電源システムの実施形態]
図5は並列運転を行う第2発明による電源システムの実施形態を示したブロック図、図6図5の第2発明でマスター電源装置と複数のスレーブ電源装置による並列運転の接続構成を示したブロック図、図7は直列運転を行う第2発明による電源システムの実施形態を示したブロック図、図8図7の第2発明でマスター電源装置と複数のスレーブ電源装置による直列運転の接続構成を示したブロック図である。

0115

第2発明にあっては、図5及び図6に示す複数の電源装置の並列運転に加え、図7及び図8に示す直列運転を行う電源システムが構築できることを特徴とする。

0116

(並列運転を行う電源システムの概要)
図5に示すように、並列運転を行う電源システムは、図1に示した第1発明の実施形態と同様に、例えばマスター電源装置10とスレーブ電源装置12の2台で構成し、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の+Vin端子と−Vin端子に入力電源18が並列に接続され、また、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の+Vo端子と−Vo端子が正負の電源出力線を介して負荷20に並列に接続され、マスター電源装置10とスレーブ電源装置12の並列運転を行うことにより、負荷20に電源を供給している。

0117

また、マスター電源装置10とスレーブ電源装置12は、シリアル通信のため、+Vo端子と−Vo端子に対し絶縁された通信端子であるINF1端子と通信グランド端子であるINF2端子を備え、別電源のプラス電位Vcc2に抵抗66を介してプルアップされた通信線62により各INF1端子を相互に接続し、別電源のグランドGNDにプルダウンされた通信グランド線64により各INF2端子を相互に接続している。

0118

スレーブ電源装置12を2台以上設ける場合には、図6に示すように、マスター電源装置10及び複数のスレーブ電源装置12の+Vin端子と−Vin端子に入力電源18が並列接続され、また、マスター電源装置10及び複数のスレーブ電源装置12の+Vo端子と−Vo端子が正負の電源出力線を介して負荷20に並列接続され、並列運転により負荷20に電源を供給している。

0119

また、マスター電源装置10と複数のスレーブ電源装置12のシリアル通信のため、+Vin端子と−Vin端子に対し絶縁されたINF1端子とINF2端子を備え、通信線62と通信グランド線64により、各々のINF1端子とINF2端子を相互に接続している。

0120

(直列運転を行う電源システムの概要)
図7に示すように、直列運転を行う電源システムは、図5の実施形態と同様に、例えばマスター電源装置10とスレーブ電源装置12の2台で構成し、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の+Vin端子と−Vin端子に入力電源18が並列に接続され、また、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の+Vo端子と−Vo端子が電源出力線を介して負荷20に直列に接続され、マスター電源装置10とスレーブ電源装置12の直列運転を行うことにより、負荷20に電源を供給している。

0121

マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の負荷20に対する直列接続は、マスター電源装置10の+Vo端子が負荷20のプラス端子に接続され、マスター電源装置10の−Vo端子がスレーブ電源装置12の+Vo端子に接続され、スレーブ電源装置12の−Vo端子が負荷20のマイナス端子に接続されている。

0122

また、スレーブ電源装置12を2台以上設ける場合には、図8に示すように、マスター電源装置10及び複数のスレーブ電源装置12の+Vin端子と−Vin端子に入力電源18が並列に接続され、また、マスター電源装置10及び複数のスレーブ電源装置12の+Vo端子と−Vo端子が負荷20に対し直列に接続され、マスター電源装置10とスレーブ電源装置12の直列運転を行うことにより、負荷20に電源を供給している。

0123

直列運転を行う場合、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の各出力電圧Voは、負荷20の定格電圧Vratedを電源装置の台数nで割った(Vrated/n)となり、各出力電流Ioは同じとなる。

0124

また、マスター電源装置10と複数のスレーブ電源装置12のシリアル通信のため、+Vin端子と−Vin端子に対し絶縁されたINF1端子とINF2端子を備え、通信線62と通信グランド線64により、各々のINF1端子とINF2端子を相互に接続している。

0125

(電源装置の構成)
図5及び図7に示すマスター電源装置10とスレーブ電源装置12の構成は同じになることから、以下では、電源装置10及び電源装置12として構成を説明する。

0126

図5に示すように、本実施形態の電源装置10及び電源装置12は、図1に示した第1実施形態の電源装置10及び電源装置12における絶縁されていない通信端子であるINF端子に代えて、絶縁回路部48により絶縁された通信端子であるINF1端子と通信グランド端子であるINF2端子が設けられていることが異なり、それ以外は、図1の実施形態と同じになることから、同一符号を付して、その説明を省略する。

0127

図5に示すように、電源装置10及び電源装置12のデジタルプロセッサ16に設けたUARTモジュール24のTX端子及びRX端子と、外部端子となるINF1端子及びINF2端子との間には、絶縁回路部48が設けられる。絶縁回路部48は、第1のフォトカプラ50と第2のフォトカプラ52で構成される。

0128

UARTモジュール24のTX端子には、第1のフォトカプラ50の発光素子であるLED54のカソードが接続され、LED54のアノードは、制御用電源のプラス側電位Vccに接続される。UARTモジュール24のRX端子には第2のフォトカプラ52の受光スイッチ素子であるフォトトランジスタ60のエミッタが接続され、コレクタは制御用電源のプラス側電位Vccに接続される。

0129

第1のフォトカプラ50の受光スイッチ素子であるフォトトランジスタ56のコレクタと第2のフォトカプラ52の発光素子であるLED58のアノードが接続されてINF2端子として外部に取り出され、第1のフォトカプラ50のフォトトランジスタ56のエミッタと第2のフォトカプラ52のLED58のカソードが接続されてINF2端子として外部に取り出されている。

0130

異常検出通報部26は、図1の実施形態と同様にスイッチ素子32を備え、CPU部22からの指示によりスイッチ素子32を動作させる。スイッチ素子32の一端は、TX端子に接続され、他端はグランドに接続されている。

0131

図示されていないが、RX端子は、必要であればプルダウン抵抗を接続しても良い。また、第1のフォトカプラ50に設けたLED54及び第2のフォトカプラ52に設けたフォトトランジスタ60と制御用電源のプラス側電位Vccを接続するラインにも、必要であれば電流制限のための抵抗を設けても良い。

0132

(絶縁回路部のシリアル通信による動作)
図5及び図7の電源装置10及び電源装置12におけるシリアル通信データ信号を送受信する場合の絶縁回路部48の動作は次のようになる。

0133

UARTモジュール24によるシリアル通信データ信号の送信動作によりTX端子がHレベルを出力すると、第1のフォトカプラ50のLED54は消灯し、フォトトランジスタ56がオフとなる。このときINF1端子とINF2端子の間は、INF1端子に接続した通信線62が抵抗66を介して別電源のプラス電位Vccに接続され、INF2端子が別電源のグランドGNDに接続されていることから、Hレベルとなる。

0134

UARTモジュール24のTX端子がLレベルを出力すると、第1のフォトカプラ50のLED54は点灯し、フォトトランジスタ56がオンとなる。このとき、INF1端子とINF2端子の間はLレベルとなる。

0135

INF1端子とINF2端子の間がHレベルのとき、第2のフォトカプラ52のLED58が点灯し、フォトトランジスタ60がオンとなる。このとき、RX端子はHレベルとなる。INF1端子とINF2端子の間がLレベルのとき、第2のフォトカプラ52のLED58が消灯し、フォトトランジスタ60がオフとなる。このとき、RX端子はLレベルとなる。

0136

マスター電源装置10は、図1の実施形態と同様に、自身の出力電圧目標値Vrの設定情報および自身の出力電流検出値Ioに基づく出力電流目標値Irの設定情報の何れか一方、もしくは、両方でも良いし、その他の情報を合わせた情報をシリアル通信データ信号としてUARTモジュール24のTX端子から第1のフォトカプラ50を介してINF1端子およびINF2端子から外部に送信する。

0137

この際、並列運転を行う電源システムにおいては、マスター電源装置10とスレーブ電源装置12の出力電流をバランスさせる動作を行うために、出力電流目標値Irの設定情報が送信されていることが望ましい。直列運転を行う電源システムにおいては、マスター電源装置10とスレーブ電源装置12の出力電圧をバランスさせる動作を行うために、出力電圧目標値Vrの設定情報が送信されていることが望ましい。

0138

また、マスター電源装置10はUARTモジュール24のTX端子からシリアル通信データ信号を送信すると同時に、自身が送信するシリアル通信データ信号を、INF1端子及びINF2端子側から第2のフォトカプラ52を介してRX端子から受信する。そして、マスター電源装置10では、自身がUARTモジュール24のTX端子から送信したシリアル通信データ信号を、自身のUARTモジュール24のRX端子で受信できるように構成されており、CPU部22に設けた異常対応処理部30で、自身がTX端子から送信したシリアル通信データ信号と自身がRX端子から受信したシリアル通信データ信号が一致していることを監視している。そして、自身がTX端子から送信したシリアル通信データ信号が自身のRX端子によって所定の時間以上受信できないことを検出した場合は、スレーブ電源装置12の異常と判定して自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作を行う。

0139

スレーブ電源装置12は、UARTモジュール24のTX端子がハイ・インピーダンスもしくはHレベルで保持されるように動作することで、スレーブ電源装置12のUARTモジュール24のTX端子は、INF1端子とINF2端子間で送受信されるシリアル通信データに影響を及ぼすことが無い。そして、INF1端子及びINF2端子から第2のフォトカプラ52を介して入力されたシリアル通信データ信号をUARTモジュール24のRX端子で受信する。

0140

スレーブ電源装置12の制御部28は、UARTモジュール24からマスター電源装置10が送信した出力電圧目標値Vrの設定情報と出力電流目標値Irの設定情報を受け取り、自身の出力電圧がマスター電源装置10の出力電圧と同じになり、且つ自身の出力電流がマスター電源装置10の出力電流と同じになるように、出力電圧を調整する制御を行う。

0141

また、スレーブ電源装置12は、自身に異常が発生した場合、異常検出通報部26のスイッチ素子32を動作させて、第1のフォトカプラ50のLED54を点灯させ、フォトトランジスタ56をオンさせることにより、INF1端子とINF2端子の間をLレベルに保持させ、通信線62と通信グランド線64によるマスター電源装置10からのシリアル通信データ信号の伝送をできなくすることで、マスター電源装置10が自身で送信したシリアル通信データ信号をマスター電源装置10が受信できないようにして、マスター電源装置10に対してスレーブ電源装置12に異常が有ったことを通報する。

0142

更に、スレーブ電源装置12のCPU部22に設けられた異常対応処理部30は、所定の時間以上、シリアル通信データ信号を受信できないことを検出した場合、他の電源装置の異常と判定して自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作を行う。

0143

[並列運転および直列運転を行う電源システムの動作]
次に図5の並列運転を行う電源システムの動作、及び、図7の直列運転を行う電源システムの動作を正常運転時と異常発生時に分けて説明すると次のようになる。

0144

(正常運転の場合)
図5及び図7に示すマスター電源装置10は、図1の第1実施形態と同様に、自身の出力電圧目標値Vrの設定情報や出力電流検出値Ioに基づく出力電流目標値Irの設定情報を含むシリアル通信データ信号をUARTモジュール24のTX端子から第1のフォトカプラ50を介してINF1端子及びINF2端子から外部に送信する。

0145

このとき、マスター電源装置10に設けた異常検出通報部26のスイッチ素子32が正常状態でオフしているため、第1のフォトカプラ50はTX端子からのシリアル通信データ信号をINF1端子及びINF2端子の間に出力することができ、通信線62及び通信グランド線64を経由してシリアル通信データ信号を外部のスレーブ電源装置12に送信することができる。

0146

スレーブ電源装置12は、UARTモジュール24のTX端子が無効化され、ハイ・インピーダンスで保持、または、Hレベルで保持されているため、第1のフォトカプラ50に設けたLED54は消灯が保持されて動作せず、また、正常状態では、異常検出通報部26のスイッチ素子32がオフしているため、第1のフォトカプラ50に設けたLED54の消灯が保持されて動作せず、INF1端子とINF2端子で受信されたシリアル通信データ信号は、第2のフォトカプラ52の動作によりRX端子に送られてUARTモジュール24で受信される。

0147

スレーブ電源装置12のCPU部22は、UARTモジュール24からマスター電源装置10が送信した出力電圧目標値Vrの設定情報と出力電流目標値Irの設定情報を受け取り、自身の出力電圧がマスター電源装置10の出力電圧と同じになり、且つ自身の出力電流がマスター電源装置10の出力電流と同じになるように出力電圧を調整する制御を行う。

0148

(スレーブ電源装置に異常が発生した場合)
スレーブの電源装置12に異常が発生した場合、異常検出通報部26のスイッチ素子32がオンするように制御が行われる。これにより第1のフォトカプラ50のLED54が点灯してフォトトランジスタ56がオンし、INF1端子とINF2端子間がLレベルに保持される。スレーブ電源装置12のINF1端子とINF2端子間がLレベルに保持されると、通信線62と通信グランド線64を介して接続しているマスター電源装置10のINF1端子とINF2端子間もLレベルに保持されることになる。

0149

マスター電源装置10は、UARTモジュール24のTX端子からシリアル通信データ信号を送信する際に、自身が送信したシリアル通信データ信号をINF1端子とINF2端子側から第2のフォトカプラ52を介してRX端子で受信しており、マスター電源装置10のINF1端子とINF2端子間がLレベルに保持されると、自身のUARTモジュール24のTX端子がシリアル通信データ信号を送信していても、RX端子でシリアル通信データ信号を受信できない状態となる。

0150

従って、マスター電源装置10の異常対応処理部30は、自身で送信したシリアル通信データ信号をRX端子で所定の時間以上受信できないことを検出した場合、スレーブ電源装置12に異常が発生したことを判定し、自信の動作を停止させる等の所定の異常対応動作が行われる。

0151

(複数のスレーブ電源装置の何れかに異常が発生した場合の動作)
図6に示すように、マスター電源装置10と2台以上のスレーブ電源装置12により並列運転が行われている場合、及び、図8に示すように、マスター電源装置10と2台以上のスレーブ電源装置12により直列運転が行われている場合において、1台のスレーブ電源装置12に異常が発生すると、その異常検出通報部26のスイッチ素子32がオンするように制御が行われ、第1のフォトカプラ50のLED54が点灯してフォトトランジスタ56がオンし、INF1端子とINF2端子間がLレベルに保持される。

0152

これにより正常に動作しているマスター電源装置10及び他のスレーブ電源装置12は、通信線62と通信グランド線64を経由してマスター電源装置10が逐次送信しているシリアル通信データ信号を受信できなくなり、それぞれの異常対応処理部30は、シリアル通信データ信号をRX端子で所定の時間以上受信できないことを検出した場合、他のスレーブ電源装置12に異常が発生したことを判定し、電源装置の動作を停止させる等の所定の異常対応動作を行う。

0153

(マスター電源装置に異常が発生した場合の動作)
マスター電源装置10に異常が発生した場合、UARTモジュール24のTX端子からシリアル通信データ信号を送信する動作を停止することで、TX端子からINF端子1およびINF2端子を経由してスレーブ電源装置12に向けて送信していたシリアル通信データ信号を停止させるか、もしくは、マスター電源装置10に設けた異常検出通報部26のスイッチ素子32がオンするように制御が行われ、第1のフォトカプラ50のLED54が点灯してフォトトランジスタ56がオンし、INF1端子とINF2端子間がLレベルに保持されることで、TX端子から第1のフォトカプラ50を介してINF1端子及びINF2端子を経由してスレーブ電源装置12に向けて送信していたシリアル通信データ信号を停止させる。

0154

これにより正常に動作しているスレーブ電源装置12の異常対応処理部30は、シリアル通信データ信号をRX端子で所定の時間以上受信できないことを検出した場合、スレーブ電源装置12に異常が発生したことを判定し、自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作を行う。

0155

(第2発明の実施形態によるメリット)
図1に示した第1発明の実施形態では、マスター電源装置10とスレーブ電源装置12の間でのシリアル通信はINF端子を通信線34で接続し、通信グランド線64は、−Vo端子を接続するマイナス電源出力線で兼用されており、直列運転を行う電源システムでは、絶縁されていないINF端子をシリアル伝送に使用することができない。

0156

これに対し第2発明の実施形態にあっては、負荷20に対し直列接続される+Vo端子と−Vo端子に対し、シリアル通信に使用するINF1端子とINF2端子がフォトカプラを用いた絶縁回路部48により絶縁されており、図7及び図8に示したように、複数の電源装置の出力を負荷に直列接続して直列運転を行う電源システムを構築することが可能になる。

0157

また、マスター電源装置10と1又は複数のスレーブ電源装置12で構成された電源システムで、新たに異常を知らせる端子や配線を設けなくとも、システム内の1台の電源装置で発生した異常を他の全ての電源装置が検出できるようになり、低コストで、安全性の高い電源システムを構築することができる。

0158

[第3発明による電源システムの実施形態]
図9は第3発明による電源システムの実施形態を示した回路ブロック図であり、本実施形態は、第2発明の実施形態と同様に、直列運転を行う電源システムの構築に加え、電源装置における制御用電源の停止等で制御不能となった場合にも、他の電源装置に異常を通報して安全に電源システムを停止できることを特徴とする。

0159

(並列運転および直列運転を行う電源システムの概要)
図9に示すように、並列運転を行う電源システムは、図5に示した第2発明の実施形態と同様に、例えばマスター電源装置10とスレーブ電源装置12の2台で構成し、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の+Vin端子と−Vin端子に入力電源18が並列接続され、また、マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12の+Vo端子と−Vo端子が正負の電源出力線を介して負荷20に並列接続され、マスター電源装置10とスレーブ電源装置12の並列運転を行うことにより、負荷20に電源を供給している。

0160

また、マスター電源装置10とスレーブ電源装置12のシリアル通信のため、図5に示した第2発明の実施形態と同様に、+Vin端子と−Vin端子に対し絶縁された通信端子であるINF1端子と通信グランド端子であるINF2端子を備え、別電源のプラス電位Vcc2に抵抗66を介してプルアップされた通信線62により各INF1端子を相互に接続し、別電源のグランドGNDにプルダウンされた通信グランド線64により各INF2端子を相互に接続している。

0161

なお、直列運転を行う場合の電源システムの接続構成は、図7に示した第2発明の実施形態と同じになる。

0162

(電源装置の構成)
図9に示す電源装置10及び電源装置12は、図5に示した第2発明の実施形態による電源装置10及び電源装置12に対して、異常検出通報部26の構成が異なり、それ以外は同じになることから、同一符号を付して、その説明は省略する。

0163

図9に示すように、本実施形態の電源装置10及び電源装置12に設けた異常検出通報部26は、CPU部22から制御されるスイッチ素子を持たず、絶縁回路部48の第1のフォトカプラ50の出力側にスイッチ素子を設けた回路となっており、TX端子に接続されている第1のフォトカプラ50、NPNトランジスタ70、抵抗72から構成される。なお、NPNトランジスタ70は、N−チャネルのMOS—FET等の同様の働きをする素子を用いても良い。

0164

UARTモジュール24のTX端子は第1のフォトカプラ50のLED54のアノードに接続され、カソードがグランドに接続される。このLED54の接続は、図5の実施形態と接続する極性が異なる。第1のフォトカプラ50のフォトトランジスタ56のコレクタが抵抗72の一端とNPNトランジスタ70のベースに接続される。抵抗72の他端とNPNトランジスタ70のコレクタがINF1端子に接続され、更に、INF1端子には、第2のフォトカプラ52のLED58のアノードが接続される。

0165

第2のフォトカプラ52のLED58のカソード、NPNトランジスタ70のエミッタ及び第1のフォトカプラ50のフォトトランジスタ56のエミッタがINF2端子に接続される。さらには、第2のフォトカプラ52のフォトトランジスタ60のコレクタが制御用電源のプラス電位Vccに接続され、エミッタがRX端子に接続される。

0166

なお、図示されていないが、RX端子は、必要であればプルダウン抵抗を接続しても良い。また、第2のフォトカプラ52のフォトトランジスタ60と制御用電源のプラス電位Vccを接続するラインにも必要であれば電流制限のための抵抗を設けても良い。

0167

(絶縁回路部のシリアル通信による動作)
図9の電源装置10及び電源装置12におけるシリアル通信データ信号を送受信するときの絶縁回路部48による動作は次のようになる。

0168

UARTモジュール24によるシリアル通信データ信号の送信動作によりTX端子がHレベルを出力すると、第1のフォトカプラ50のLED54が点灯し、フォトトランジスタ56がオンとなり、NPNトランジスタ70がオフすることで、INF1端子とINF2端子の間はHレベルとなる。

0169

UARTモジュール24のTX端子がLレベルを出力すると、第1のフォトカプラ50のLED54は消灯し、フォトトランジスタ56がオフとなり、NPNトランジスタ70がオンすることで、INF1端子とINF2端子の間はLレベルとなる。

0170

INF1端子とINF2端子の間がHレベルのとき、第2のフォトカプラ52のLED58が点灯し、フォトトランジスタ60がオンとなり、UARTモジュール24のRX端子はHレベルとなる。INF1端子とINF2端子の間がLレベルのとき、第2のフォトカプラ52のLED58が消灯し、フォトトランジスタ60がオフとなり、UARTモジュール24のRX端子はLレベルとなる。

0171

マスター電源装置10は、図5の実施形態と同様に、自身の出力電圧目標値Vrの設定情報および自身の出力電流検出値Ioに基づく出力電流目標値Irの設定情報の何れか一方、もしくは、両方でも良いし、その他の情報を合わせた情報をシリアル通信データ信号としてUARTモジュール24のTX端子から第1のフォトカプラ50及びNPNトランジスタ70を介してINF1端子およびINF2端子から外部に送信する。

0172

マスター電源装置10に設けたUARTモジュール24のTX端子は、シリアル通信データ信号を送信していない場合は、Hレベルとなっている。これにより第1のフォトカプラ50のLED54が点灯してフォトトランジスタ56をオンさせ、フォトトランジスタ56のオンによりNPNトランジスタ70がオフとなり、INF1端子とINF2端子間をHレベルとしている。

0173

また、マスター電源装置10はUARTモジュール24のTX端子からシリアル通信データ信号を送信すると同時に、自身が送信するシリアル通信データ信号を、INF1端子及びINF2端子側から第2のフォトカプラ52を介してRX端子から受信する。そして、マスター電源装置10では、自身がUARTモジュール24のTX端子から送信したシリアル通信データ信号を、自身のUARTモジュール24のRX端子で受信できるように構成されており、CPU部22に設けた異常対応処理部30で、自身がTX端子から送信したシリアル通信データ信号と自身がRX端子から受信したシリアル通信データ信号が一致していることを監視している。そして、自身がTX端子から送信したシリアル通信データ信号が自身のRX端子によって所定の時間以上受信できないことを検出した場合は、スレーブ電源装置12の異常と判定して自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作を行う。

0174

スレーブ電源装置12は、UARTモジュール24のTX端子がHレベルで保持されるように動作することで、スレーブ電源装置12のUARTモジュール24のTX端子は、INF1端子とINF2端子間で送受信されるシリアル通信データに影響を及ぼすことが無い。そして、INF1端子及びINF2端子から第2のフォトカプラ52を介して入力されたシリアル通信データ信号をUARTモジュール24のRX端子で受信する。スレーブ電源装置12の制御部28は、UARTモジュール24からマスター電源装置10が送信した出力電圧目標値Vrの設定情報と出力電流目標値Irの設定情報を受け取り、自身の出力電圧がマスター電源装置10の出力電圧と同じになり、且つ自身の出力電流がマスター電源装置10の出力電流と同じになるように、出力電圧を調整する制御を行う。

0175

また、スレーブ電源装置12は、自身に異常が発生した場合、UARTモジュール24のTX端子を無効化し、ハイ・インピーダンスの状態とする。なお、自身に異常が発生した場合、TX端子がLレベル出力を保持する設定としても良い。

0176

これにより、第1のフォトカプラ50のLED54を消灯してフォトトランジスタ56をオフさせ、NPNトランジスタ70がオン可能な状態となり、これにより、INF1端子とINF2端子間をLレベルに保持させ、通信線62と通信グランド線64によるマスター電源装置10からのシリアル通信データ信号の伝送をできなくすることで、マスター電源装置が自身で送信したシリアル通信データ信号が受信できないようにして、マスター電源装置10に対してスレーブ電源装置12に異常が有ったことを通報する。

0177

また、スレーブ電源装置12の制御用電源が故障して制御不能となる異常が発生すると、制御用電源のプラス電位Vccが失われ、TX端子がHレベルを維持できなくなり、第1のフォトカプラ50のLED54が消灯してフォトトランジスタ56をオフさせ、NPNトランジスタ70がオン可能な状態となる。これにより、INF1端子とINF2端子間をLレベルに保持させ、通信線62と通信グランド線64によるマスター電源装置10からのシリアル通信データ信号の伝送をできなくして、通信停止させる。

0178

更に、スレーブ電源装置12のCPU部22に設けられた異常対応処理部30は、所定の時間以上、シリアル通信データ信号を受信できないことを検出した場合、外部の電源装置の異常と判定して自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作を行う。

0179

[電源システムの動作]
次に図9の並列運転を行う電源システムの動作を正常運転時と異常発生時に分けて説明すると次のようになる。

0180

(正常運転の場合)
図9に示すマスター電源装置10は、図5の実施形態と同様に、自身の出力電圧目標値Vrの設定情報や出力電流検出値Ioに基づく出力電流目標値Irの設定情報を含むシリアル通信データ信号を、UARTモジュール24のTX端子から第1のフォトカプラ50を介してINF1端子及びINF2端子から外部に送信する。このとき、スレーブ電源装置12のTX端子がHレベルとなっているため、INF1端子とINF2端子間がLレベルで保持されることが無く、マスター電源装置10から通信線62と通信グランド線64を経由してシリアル通信データ信号をスレーブ電源装置12に送信することができる。

0181

スレーブ電源装置12は、UARTモジュール24のTX端子がHレベルに保持されており、第1のフォトカプラ50のLED54は点灯が保持され、フォトトランジスタ56のオンによりNPNトランジスタ70がオフの状態となっており、INF1端子とINF2端子で受信されたシリアル通信データ信号は、第2のフォトカプラ52の動作によりRX端子に送られてUARTモジュール24で受信される。

0182

スレーブ電源装置12のCPU部22は、UARTモジュール24からマスター電源装置10が送信した出力電圧目標値Vrの設定情報と出力電流目標値Irの設定情報を受け取り、自身の出力電圧がマスター電源装置10の出力電圧と同じになり、且つ自身の出力電流がマスター電源装置10の出力電流と同じになるように出力電圧を調整する制御を行う。

0183

(スレーブに異常が発生した場合)
図9に示したスレーブ電源装置12に異常が発生した場合、CPU部22の制御部28は、UARTモジュール24のTX端子を無効化することでTX端子をハイ・インピーダンスもしくはLレベルの設定とし、第1のフォトカプラ50のLED54を消灯させる。これにより、フォトトランジスタ56がオフし、NPNトランジスタ70がオン可能な状態となり、INF1端子とINF2端子間がLレベルに保持される。

0184

スレーブ電源装置12のINF1端子とINF2端子間がLレベルに保持されると、通信線62と通信グランド線64を経由してマスター電源装置10のINF1端子とINF2端子間もLレベルに保持されることになる。

0185

また、スレーブ電源装置12の制御用電源が故障してCPU部22による制御が不能となり、制御用電源のプラス電位Vccが失われた場合、UARTモジュール24のTX端子がハイ・インピーダンスもしくはLレベルとなり、第1のフォトカプラ50のLED54が消灯する。これにより、フォトトランジスタ56がオフし、NPNトランジスタ70がオン可能な状態となることで、INF1端子とINF2端子間がLレベルに保持されることになる。

0186

マスター電源装置10は、UARTモジュール24のTX端子からシリアル通信データ信号を送信する際に、自身が送信したシリアル通信データ信号をINF1端子とINF2端子側から第2のフォトカプラ52を介してRX端子で受信しており、スレーブ電源装置12の異常発生によりマスター電源装置10のINF1端子とINF2端子間がLレベルに保持されると、自身のUARTモジュール24のTX端子がシリアル通信データ信号を送信していても、RX端子でシリアル通信データ信号を受信できない状態となる。

0187

従って、マスター電源装置10の異常対応処理部30は、自身で送信したシリアル通信データ信号をRX端子で所定の時間以上受信できないことを検出した場合、スレーブ電源装置12に異常が発生したことを判定し、自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作が行われる。

0188

(複数のスレーブ電源装置の何れかに異常が発生した場合の動作)
図6に示したと同様に、図9の実施形態でマスター電源装置10と2台以上のスレーブ電源装置12により並列運転が行われている場合において、1台のスレーブ電源装置12に異常が発生すると、CPU部22の制御部28は、UARTモジュール24のTX端子をLレベルに設定もしくは無効化してTX端子をハイ・インピーダンスに設定することで、第1のフォトカプラ50のLED54を消灯させる。これにより、フォトトランジスタ56がオフし、NPNトランジスタ70がオン可能な状態となり、INF1端子とINF2端子間がLレベルに保持される。

0189

これにより正常に動作しているマスター電源装置10及び他のスレーブ電源装置12は、通信線62と通信グランド線64を経由してマスター電源装置10が逐次送信しているシリアル通信データ信号を受信できなくなり、それぞれの異常対応処理部30は、シリアル通信データ信号をRX端子で所定の時間以上受信できないことを検出した場合、他の電源装置に異常が発生したことを判定し、自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作ができる。

0190

また、スレーブ電源装置12の制御用電源が故障してCPU部22による制御が不能となり、制御用電源のプラス電位Vccが失われた場合にも、INF1端子とINF2端子間がLレベルに保持され、マスター電源装置10は、スレーブ電源装置12に異常が発生したことを判定して、電源装置を停止させる等の所定の異常対応動作ができる。スレーブ電源装置12の制御用電源の故障だけでなく、スレーブ電源装置12の入力電源の配線が断線する等で、制御用電源が消失した場合でも、同様の動作を行う。

0191

(マスター電源装置に異常が発生した場合の動作)
図9に示したマスター電源装置10に異常が発生した場合、CPU部22の制御部28は、UARTモジュール24のTX端子を無効化することでTX端子をLレベルに設定もしくはハイ・インピーダンスに設定することで、第1のフォトカプラ50のLED54を消灯させる。これにより、フォトトランジスタ56がオフし、NPNトランジスタ70がオン可能な状態となり、INF1端子とINF2端子間がLレベルに保持される。

0192

これにより正常に動作しているスレーブ電源装置12の異常対応処理部30は、シリアル通信データ信号をRX端子で所定の時間以上受信できないことを検出した場合に、他の電源装置に異常が発生したことを判定し、自身の動作を停止させる等の所定の異常対応動作を行う。

0193

また、マスター電源装置10の制御用電源が消失もしくは故障する等してCPU部22による制御が不能となり、制御用電源のプラス電位Vccが失われた場合にも、INF1端子とINF2端子間がハイ・インピーダンスもしくはLレベルに保持され、スレーブ電源装置12は、マスター電源装置10に異常が発生したことを判定して、電源装置を停止させる等の所定の異常対応動作ができる。

0194

(第3発明の実施形態によるメリット)
第3発明の実施形態によれば、第2発明の実施形態と同様に、負荷20に対し直列接続される+Vo端子と−Vo端子に対し、シリアル通信に使用するINF1端子とINF2端子がフォトカプラを用いた絶縁回路部48により絶縁されており、複数の電源装置の出力を負荷に直列接続して直列運転を行う電源システムを構築することが可能になる。

0195

また、第3発明の実施形態によれば、第2発明の実施形態と同様に、マスター電源装置10と1又は複数のスレーブ電源装置12で構成された電源システムで、新たに異常を知らせる端子や配線を設けなくとも、システム内の1台の電源装置で発生した異常を他の全ての電源装置が検出できるようになり、低コストで、安全性の高い電源システムを構築することができる。

0196

更に、第3発明の実施形態によれば、電源装置の制御回路部であるデジタルプロセッサ16に対する制御用電源が消失もしくは故障する等してCPU部22による制御が不能となる異常が発生した場合においても、異常検出通報部26を動作させることが可能であるため、さらに安全な電源システムを作ることができる。

0197

[本発明の変形例]
マスター電源装置10及びスレーブ電源装置12に設けたUARTモジュール24の電圧レベルは、上記の実施形態の電圧レベルに限定されるもので無く、逆極性で用いることが可能である。

0198

例えば、上記の実施形態では、TX端子は通信を行っていない場合をHレベルとしているが、これをLレベルとしても良い。この際、TX端子に接続される素子の極性を逆にしてやればよい。例えば、第2発明や第3発明の実施例形態では、第1及び第2のフォトカプラ50,52のLED54,58の接続極性反転させることで実現できる。

0199

また、UARTモジュール24のRX端子では、第1及び第2のフォトカプラ50,52に設けていているフォトトランジスタ56,60の接続を変更してやればよい。

0200

また、上記の実施形態は、シリアル通信部として、UARTモジュール24を使用しているが、これに限定されず、適宜のシリアル通信モジュールを使用しても良い。

0201

また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。

0202

10:マスター電源装置
12:スレーブ電源装置
14:電力変換部
16:デジタルプロセッサ
18:入力電源
20:負荷
22:CPU部
24:UARTモジュール
26:異常検出通報部
28:制御部
30:異常対応処理部
32:スイッチ素子
34,62:通信線
35:電流検出器
36:PNPトランジスタ
38,66,72:抵抗
40:送信変換部
42:送信アンプ
44:受信アンプ
46:受信変換部
48:絶縁回路部
50:第1のフォトカプラ
52:第2のフォトカプラ
54,58:LED
56,60:フォトトランジスタ
64:通信グランド線
70:NPNトランジスタ

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