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技術 腎炎の鑑別方法

出願人 学校法人順天堂
発明者 鈴木仁鈴木祐介
出願日 2016年1月13日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-004054
公開日 2017年7月20日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-125720
状態 特許登録済
技術分野 ペプチド又は蛋白質 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 流水洗浄後 SPST 診療ガイドライン 腎炎患者 プレパラート SPS 抗原賦活 腎生検
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

IgA腎症及び紫斑病腎炎と他の腎炎との鑑別方法の提供。

解決手段

免疫グロブリンA1の重鎖遺伝子によってコードされるポリペプチドヒンジ領域におけるガラクトースが結合していないセリンスレオニン結合型糖鎖(以下、糖鎖異常IgA1)を特異的に認識し、当該糖鎖異常IgA1と結合するモノクローナル抗体又はその断片を用いて、腎炎患者由来腎組織沈着する糖鎖異常IgA1を検出することを特徴とする、IgA腎症及び紫斑病性腎炎と他の腎炎との鑑別方法。

概要

背景

IgA腎症は、世界で最も頻度の高い原発性糸球体腎炎で、約30〜40%は末期腎不全に至る予後不良の疾患である。IgA腎症は、このように予後不良であることから、確定診断及び定義は極めて重要である。最近、IgA腎症は、血尿蛋白尿等の尿所見を呈し、優位IgA沈着糸球体に認め、その原因となり得る基礎疾患が認められないものである、と定義されるようになった(非特許文献1)。

このように定義されていることからもわかるように、IgA腎症の診断には腎組織所見が必須である。糸球体のIgA沈着部位は主にメサンギウム領域で、多くはC3の沈着を同時に認める。一方で、IgA腎症では、腎糸球体にIgAが優位に沈着することが定義とされているものの、IgGIgM、あるいは両者が沈着するケースなど、多様性富む疾患であることも知られている。

近年、腎生検をすることなくIgA腎症を診断する試みが検討され、免疫グロブリンA1の重鎖遺伝子によってコードされるポリペプチドヒンジ領域におけるガラクトースが結合していないセリンスレオニン結合型糖鎖(以下、糖鎖異常IgA1)を特異的に認識し、当該糖鎖異常IgA1と結合するモノクローナル抗体を用いて、血中の糖鎖異常IgA1を測定することが可能となった。血中糖鎖異常IgA1、また血中糖鎖異常IgA1に対する自己抗体免疫複合体などを組み合わせてIgA腎症を診断する方法が報告された(特許文献1)。

概要

IgA腎症及び紫斑病腎炎と他の腎炎との鑑別方法の提供。免疫グロブリンA1の重鎖遺伝子によってコードされるポリペプチドのヒンジ領域におけるガラクトースが結合していないセリン/スレオニン結合型糖鎖(以下、糖鎖異常IgA1)を特異的に認識し、当該糖鎖異常IgA1と結合するモノクローナル抗体又はその断片を用いて、腎炎患者由来の腎組織に沈着する糖鎖異常IgA1を検出することを特徴とする、IgA腎症及び紫斑病性腎炎と他の腎炎との鑑別方法。なし

目的

本発明の課題は、IgA腎症及び紫斑病性腎炎と他の腎炎との新たな鑑別方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

免疫グロブリンA1の重鎖遺伝子によってコードされるポリペプチドヒンジ領域におけるガラクトースが結合していないセリンスレオニン結合型糖鎖(以下、糖鎖異常IgA1)を特異的に認識し、当該糖鎖異常IgA1と結合するモノクローナル抗体又はその断片を用いて、腎炎患者由来腎組織沈着する糖鎖異常IgA1を検出することを特徴とする、IgA腎症及び紫斑病腎炎と他の腎炎との鑑別方法

請求項2

腎炎患者由来の腎組織に沈着する糖鎖異常IgA1の検出が、抗体組織染色である請求項1記載の鑑別方法。

技術分野

0001

本発明は、種々の腎炎のうち、IgA腎症紫斑病性腎炎と他の腎炎とを区別して鑑別する方法に関する。

背景技術

0002

IgA腎症は、世界で最も頻度の高い原発性糸球体腎炎で、約30〜40%は末期腎不全に至る予後不良の疾患である。IgA腎症は、このように予後不良であることから、確定診断及び定義は極めて重要である。最近、IgA腎症は、血尿蛋白尿等の尿所見を呈し、優位IgA沈着糸球体に認め、その原因となり得る基礎疾患が認められないものである、と定義されるようになった(非特許文献1)。

0003

このように定義されていることからもわかるように、IgA腎症の診断には腎組織所見が必須である。糸球体のIgA沈着部位は主にメサンギウム領域で、多くはC3の沈着を同時に認める。一方で、IgA腎症では、腎糸球体にIgAが優位に沈着することが定義とされているものの、IgGIgM、あるいは両者が沈着するケースなど、多様性富む疾患であることも知られている。

0004

近年、腎生検をすることなくIgA腎症を診断する試みが検討され、免疫グロブリンA1の重鎖遺伝子によってコードされるポリペプチドヒンジ領域におけるガラクトースが結合していないセリンスレオニン結合型糖鎖(以下、糖鎖異常IgA1)を特異的に認識し、当該糖鎖異常IgA1と結合するモノクローナル抗体を用いて、血中の糖鎖異常IgA1を測定することが可能となった。血中糖鎖異常IgA1、また血中糖鎖異常IgA1に対する自己抗体免疫複合体などを組み合わせてIgA腎症を診断する方法が報告された(特許文献1)。

0005

国際公開第2011/081189号

先行技術

0006

エビデンスに基づくIgA腎症診療ガイドライン2014
Pediatr Nephrol 25:19-26, 2010
Nephrol Dial Transplant, 30:1315-21, 2015

発明が解決しようとする課題

0007

血中の糖鎖異常IgA1は、IgA腎症だけでなく紫斑病性腎炎(HSPN)でも有意に高値を示すが、その他の腎炎患者健常者と同等の値を示す症例もある(非特許文献2、3)。紫斑病性腎炎は、IgA腎症と同様に腎糸球体メサンギウム領域にIgA優位の沈着が認められ、組織学的にはIgA腎症と鑑別が困難であるだけではなく、感染を契機に尿所見異常が悪化すること、糖鎖異常IgA1の産生亢進など、病態もIgA腎症と極めて類似している。しかし、HSPNは紫斑先行所見とすることから、臨床上HSPNとIgA腎症の鑑別は可能である。腎生検組織上、IgA腎症と鑑別が困難な疾患として、ループス腎炎関節リウマチセリアック病肝硬変に伴うもの、HCV関連腎炎、HIV腎症などが挙げられる。

0008

従って、本発明の課題は、IgA腎症及び紫斑病性腎炎と他の腎炎との新たな鑑別方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

そこで本発明者は、IgA腎症及び紫斑病性腎炎と他の類似する腎炎とを明確に鑑別する手法を見出すべく検討した結果、糖鎖異常IgA1に特異的なモノクローナル抗体を用いて、血中でなく、腎炎患者の腎組織に沈着する糖鎖異常IgA1を検出すれば、IgA腎症及び紫斑病性腎炎と他の腎炎とが明確に区別できることを見出し、本発明を完成した。

0010

すなわち、本発明は、次の〔1〕及び〔2〕を提供するものである。

0011

〔1〕糖鎖異常IgA1を特異的に認識し、当該糖鎖異常IgA1と結合するモノクローナル抗体又はその断片を用いて、腎炎患者由来の腎組織に沈着する糖鎖異常IgA1を検出することを特徴とする、IgA腎症及び紫斑病性腎炎と他の腎炎との鑑別方法。
〔2〕腎炎患者由来の腎組織に沈着する糖鎖異常IgA1の検出が、抗体組織染色である〔1〕記載の鑑別方法。

発明の効果

0012

本発明方法によれば、腎生検組織にてIgA腎症と鑑別が困難であった、ループス腎炎、関節リウマチ、セリアック病、肝硬変に伴うもの、HCV関連腎炎、HIV腎症等が、IgA腎症及び紫斑病性腎炎と明確に鑑別できる。従って、早期に正確な治療計画を立てることができる。

図面の簡単な説明

0013

血中の糖鎖異常IgA1の検出結果を示す図である。
腎組織への糖鎖異常IgA1の沈着を検出した結果を示す。
腎組織への糖鎖異常IgA1の沈着を検出した結果を示す。
腎組織への糖鎖異常IgA1の沈着を検出した結果を示す。

0014

本発明方法に用いられるモノクローナル抗体は、免疫グロブリンA1の重鎖遺伝子によってコードされるポリペプチド(IgA1重鎖)のヒンジ領域におけるガラクトースが結合していないセリン/スレオニン結合型糖鎖(糖鎖異常IgA1)を特異的に認識し、当該糖鎖異常IgA1と結合するモノクローナル抗体である。このようなモノクローナル抗体の例としては、WO2011/081189に記載のモノクローナル抗体が挙げられる。

0015

前記糖鎖異常IgA1が、α−N−アセチルガラクトサミン−セリン/スレオニン(以下、Tn抗原)又はシアリルTn抗原から選ばれる糖鎖異常IgA1であるのが好ましい。

0016

IgA1重鎖のアミノ酸配列を配列番号1に示す。ヒンジ領域は、配列番号1のVPSTPPTPSPSTPPTPSPSである(Mol Cell Proteomics 9: 2545-2557, 2010)。

0017

さらに具体的には、ハイブリドーマKM4137(FERM BP−11214)、KM4140(FERM BP−11215)、KM4144(FERM BP−11216)及びKM55から選ばれるハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体が好ましい。

0018

これらのモノクローナル抗体は、WO2011/081189に記載の方法により製造することができる。

0019

前記モノクローナル抗体は、遺伝子組み換え抗体であってもよく、さらにヒト型キメラ抗体ヒト化抗体及びヒト抗体から選ばれる抗体であってもよい。

0020

前記モノクローナル抗体の断片としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、一本鎖抗体(scFv)、二量化V領域(Diabody)、ジスルフィド安定化V領域(dsFv)及びCDRを含むペプチドから選ばれる抗体断片が挙げられる。

0021

本発明においては、前記のモノクローナル抗体を用いて、腎炎患者由来の腎組織に沈着する糖鎖異常IgA1を検出する。腎炎患者としては、IgA腎症や紫斑病性腎炎を含む急性又は慢性の糸球体腎炎、すなわち溶連菌感染後糸球体腎炎、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、ANCA関連腎炎、ループス腎炎、関節リウマチ、セリアック病、肝硬変に伴うもの、HCV関連腎炎、HIV腎症等が挙げられる。腎炎患者由来の腎組織としては、腎炎患者の腎臓から採取した組織が用いられる。

0022

腎炎患者由来の腎組織に沈着する糖鎖異常IgA1を検出する手段としては、前記モノクローナル抗体を用いる抗体組織染色法が好ましい。より具体的には、腎組織と前記モノクローナル抗体を反応させた後、FITCなどの蛍光標識ペルオキシダーゼなどの酵素標識ビオチン標識などを施した抗イムノグロブリン抗体又は結合断片を反応させた後、該標識を可視化し、顕微鏡にて顕鏡する方法が挙げられる。

0023

腎組織に糖鎖異常IgA1の沈着が認められる場合には、IgA腎症又は紫斑病性腎炎と鑑別できる。一方、腎組織に糖鎖異常IgA1の沈着が認められない場合には、IgA腎症及び紫斑病性腎炎以外の腎炎と鑑別できる。
従来の腎組織へのIgAの沈着では、IgA腎症及び紫斑病性腎炎以外の腎炎、例えば、ループス腎炎、関節リウマチ、セリアック病、肝硬変に伴うもの、HCV関連腎炎、HIV腎症等も陽性になるが、本発明によればIgA腎症及び紫斑病性腎炎と他の腎炎とが正確に鑑別できる。

0024

次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。

0025

参考例1
(血中の糖鎖異常IgA1測定)
血中糖鎖異常IgA1値は、KM55を用いたELISA法により測定する。まず96wellのELISAプレートにKM55を固相化する。1%のBovine serum albumin(BSA)PBS溶液にてブロッキング後に、血清サンプルを反応させる。ペルオキシダーゼ標識の抗ヒトIgA1抗体で同定する(Nephrol Dial Transplant. 30: 1315-1321, 2015)。

0026

その結果を図1に示す。図1の結果から、IgA腎症であっても血中の糖鎖異常IgA1陰性患者もあり、一方血中の糖鎖異常IgA1陽性であっても他の腎炎患者である例も存在する。

0027

実施例1
(腎組織の糖鎖IgA1沈着の測定)
パラフィンブロックの腎生検組織を3μmに薄切し、プレパラートサンプルをのせ、脱パラフィンを行う。5分間、流水洗浄後プロテアーゼ溶液:Protease from Bacillus licheniformis(SIGMA P5380)を用いて室温2時間で抗原賦活処理を行う。5分間、流水洗浄後、Protein Block Serum Free(Dako X090930)を用いて室温30分でブロッキングする。KM55抗体を抗体希釈液:REAL Antibody Diluent(Dako S2022)を用いて100μg/mlに希釈して反応させる(37℃、30分)。0.05%Tween+PBS溶液(PBS−T)にて3回洗浄後、Alexa Fluor 555 Goat anti-RatIgG(Invitrogen A21434)を1000倍希釈で反応させる(37℃、30分)。PBS−Tにて3回洗浄後、プレパラートに封入剤を用いてカバーガラスをかける。

実施例

0028

その結果を図2図4に示す。図2図4から明らかなように、本発明のモノクローナル抗体を用いて腎組織への糖鎖異常IgA1の沈着を検出すれば、IgA腎症と紫斑病性腎炎と他の腎炎が正確に鑑別できる。

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