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技術 笠コンクリートブロックの施工装置及びその施工方法

出願人 備前工業株式会社株式会社フジショウ
発明者 山田常夫藤原新吾
出願日 2017年2月17日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2017-027924
公開日 2017年7月20日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2017-125396
状態 特許登録済
技術分野 護岸
主要キーワード 補強加工 メネジ筒 連続設置 横断面形 スパナ掛け 構成片 作業品質 アングル形状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月20日)のものです。
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図面 (12)

課題

笠コンクリートブロック鋼矢板上端部に配置する際に、底板を下から支える必要がない笠コンクリートブロックの施工工法を提供する。

解決手段

鋼矢板11とコンクリートブロック15の一側内面との間を仕切るために、鋼矢板11の上端部に吊り手部材を用いて底板を吊り下げ、鋼矢板11に沿って取り付ける工程、鋼矢板11の上端部13に高さ調節手段を用いて笠コンクリートブロック15を配置するとともに、笠コンクリートブロック15を配置する際に、その一側内面と底板との間に生じる隙間をなくすために、一側内面に固定した固定板35を用いて上記隙間を塞ぐ工程、鋼矢板11に沿って取り付けられた底板と、笠コンクリートブロック15の一側内面、天面、他側内面及び他側地盤によって囲まれる空所硬化材充填する工程を経ることを特徴とする笠コンクリートブロック15の施工工法。

概要

背景

河川湖沼或いは海辺護岸工事等では、鋼矢板を使用したものが多く見られる。鋼矢板を連続設置した鋼矢板壁では、腐食防止の手段として、或いは美観等を考慮して上端部を笠コンクリートブロックで覆う工事も行なわれる。笠コンクリートブロック内部にはコンクリートモルタルなどの硬化材充填するが、鋼矢板の形状、特に、屈曲部のR等はメーカーにより異なるので、コンクリート打設のために用意される底板と鋼矢板や笠コンクリート内壁面との間に、隙間ができることは避けられないという問題がある。硬化材を充填する空間の上面と前後両面は笠コンクリートブロックと鋼矢板で囲まれる。そして、鋼矢板の形状が一様でなく、鋼矢板壁が不規則になると、底板の配置だけで隙間を塞ぐことは困難である。

底板を支える場合、底板位置を垂直方向へ調節可能にすることは行なわれているが、水平方向の変位には備えがないことも少なくない。底板と鋼矢板等との間に隙間を生じていれば硬化材が漏出するという事態が起るので、このような場合、現場での対策も必要となるが、応急手当てであり好ましいことではない。また、鋼矢板の凹凸形状に合わせた平面形状に打ち抜いた底板を使用する場合には、金型製造のために、高額の設備投資を強いられるという経済性の問題も起こる。これは大企業にはともかく、中小の企業にとっては大きな問題となる。

特開2010−31559号の発明は、底板を、笠コンクリートブロックの上面開口部から挿入する施工方法を提案している。しかし、硬化材の重量に耐える底板を下から支える作業が必要であり、そのためには、底板の下位に底板支承具と底板載置用突部を配置しなければならない。底板の下位に上記支障具や突部を配置するには、ブロックの上面開口部から底板を挿入するが、それには次のような困難がある。
ア.笠コンクリートブロックは横断面の一辺が60cmほどの大きさであり、しかも、東日本大震災後は一辺が100cmほどに大型化しており、作業時には上面開口部上に身を乗り出して、底板を数か所の底板支障具や突部に載置しなければならない状況である。
イ.笠コンクリートブロックは一個当たり数百kgほどの重量物であり、震災後の型では1tを超えるほどまで重量が増大する傾向にあって、これを動かしながら作業すること出来ないため、底板を目的位置に正しく配置することが極めて困難である。
ウ.上記発明に記載されている底板は厚さ3mm以下、実施形態では厚さ1mmの軽量で扱い易い金属板であると記載されている。このような底板では、たとえ補強加工を施したとしても、硬化材の重量に耐える強度は限定され、大型化が進んでいる現状に対応することもできない。

概要

笠コンクリートブロックを鋼矢板の上端部に配置する際に、底板を下から支える必要がない笠コンクリートブロックの施工工法を提供する。鋼矢板11とコンクリートブロック15の一側内面との間を仕切るために、鋼矢板11の上端部に吊り手部材を用いて底板を吊り下げ、鋼矢板11に沿って取り付ける工程、鋼矢板11の上端部13に高さ調節手段を用いて笠コンクリートブロック15を配置するとともに、笠コンクリートブロック15を配置する際に、その一側内面と底板との間に生じる隙間をなくすために、一側内面に固定した固定板35を用いて上記隙間を塞ぐ工程、鋼矢板11に沿って取り付けられた底板と、笠コンクリートブロック15の一側内面、天面、他側内面及び他側地盤によって囲まれる空所に硬化材を充填する工程を経ることを特徴とする笠コンクリートブロック15の施工工法。

目的

本発明は前記の実情に鑑みてなされたもので、その課題は、笠コンクリートブロックを鋼矢板の上端部に配置する際に、底板を下から支える必要がない笠コンクリートブロックの施工装置を提供することである。また、本発明の他の課題は、鋼矢板と笠コンクリートブロックの位置の不揃いによって、底板と笠コンクリートブロックの一側内面との間隔が一様でない場合でも隙間を生じることがなく、硬化材を充填する空間を密閉状に閉塞して最適な施工が行なえるようにすることである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

鋼矢板上端部に笠コンクリートブロックを設置するための工法であって、鋼矢板とコンクリートブロックの一側内面との間を仕切るために、鋼矢板の上端部に吊り手部材を用いて底板吊り下げ、鋼矢板に沿って取り付ける工程、鋼矢板の上端部に高さ調節手段を用いて笠コンクリートブロックを配置するとともに、笠コンクリートブロックを配置する際に、その一側内面と底板との間に生じる隙間をなくすために、上記一側内面に固定した固定板を用いて上記隙間を塞ぐ工程、上記鋼矢板に沿って取り付けられた底板と、コンクリートブロックの一側内面、天面、他側内面及び他側地盤によって囲まれる空所硬化材充填する工程を経ることを特徴とする笠コンクリートブロックの施工工法

請求項2

笠コンクリートブロックを配置する際に、その一側内面と底板との間に生じる隙間をなくすために、上記一側内面に固定した笠側固定板を用いて上記隙間を塞ぐ工程において、底板と笠側固定板で覆い切れない隙間を補助部材により塞ぐことを特徴とする請求項1記載の笠コンクリートブロックの施工工法。

技術分野

0001

本発明は、鋼矢板壁笠コンクリートブロックを設置するために、鋼矢板壁の上端部に笠コンクリートブロックを取り付ける装置及びその施工方法に関するものである。

背景技術

0002

河川湖沼或いは海辺護岸工事等では、鋼矢板を使用したものが多く見られる。鋼矢板を連続設置した鋼矢板壁では、腐食防止の手段として、或いは美観等を考慮して上端部を笠コンクリートブロックで覆う工事も行なわれる。笠コンクリートブロック内部にはコンクリートモルタルなどの硬化材充填するが、鋼矢板の形状、特に、屈曲部のR等はメーカーにより異なるので、コンクリート打設のために用意される底板と鋼矢板や笠コンクリート内壁面との間に、隙間ができることは避けられないという問題がある。硬化材を充填する空間の上面と前後両面は笠コンクリートブロックと鋼矢板で囲まれる。そして、鋼矢板の形状が一様でなく、鋼矢板壁が不規則になると、底板の配置だけで隙間を塞ぐことは困難である。

0003

底板を支える場合、底板位置を垂直方向へ調節可能にすることは行なわれているが、水平方向の変位には備えがないことも少なくない。底板と鋼矢板等との間に隙間を生じていれば硬化材が漏出するという事態が起るので、このような場合、現場での対策も必要となるが、応急手当てであり好ましいことではない。また、鋼矢板の凹凸形状に合わせた平面形状に打ち抜いた底板を使用する場合には、金型製造のために、高額の設備投資を強いられるという経済性の問題も起こる。これは大企業にはともかく、中小の企業にとっては大きな問題となる。

0004

特開2010−31559号の発明は、底板を、笠コンクリートブロックの上面開口部から挿入する施工方法を提案している。しかし、硬化材の重量に耐える底板を下から支える作業が必要であり、そのためには、底板の下位に底板支承具と底板載置用突部を配置しなければならない。底板の下位に上記支障具や突部を配置するには、ブロックの上面開口部から底板を挿入するが、それには次のような困難がある。
ア.笠コンクリートブロックは横断面の一辺が60cmほどの大きさであり、しかも、東日本大震災後は一辺が100cmほどに大型化しており、作業時には上面開口部上に身を乗り出して、底板を数か所の底板支障具や突部に載置しなければならない状況である。
イ.笠コンクリートブロックは一個当たり数百kgほどの重量物であり、震災後の型では1tを超えるほどまで重量が増大する傾向にあって、これを動かしながら作業すること出来ないため、底板を目的位置に正しく配置することが極めて困難である。
ウ.上記発明に記載されている底板は厚さ3mm以下、実施形態では厚さ1mmの軽量で扱い易い金属板であると記載されている。このような底板では、たとえ補強加工を施したとしても、硬化材の重量に耐える強度は限定され、大型化が進んでいる現状に対応することもできない。

先行技術

0005

特開2010−31559号

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は前記の実情に鑑みてなされたもので、その課題は、笠コンクリートブロックを鋼矢板の上端部に配置する際に、底板を下から支える必要がない笠コンクリートブロックの施工装置を提供することである。また、本発明の他の課題は、鋼矢板と笠コンクリートブロックの位置の不揃いによって、底板と笠コンクリートブロックの一側内面との間隔が一様でない場合でも隙間を生じることがなく、硬化材を充填する空間を密閉状に閉塞して最適な施工が行なえるようにすることである。

課題を解決するための手段

0007

前記の課題を解決するため、本発明は、鋼矢板の上端部に笠コンクリートブロックを設置するための装置として、鋼矢板と笠コンクリートブロックの一側内面との間を仕切るために、鋼矢板の上端部に吊り下げる吊り手部材を用いて、鋼矢板に沿って取り付けた底板と、底板と笠コンクリートブロックの一側内面との間に生じる隙間を塞ぐために、笠コンクリートブロックの一側内面に固定した固定板とを具備して構成するという手段を講じたものである。

0008

本発明における底板は、硬化材打設のための底部の型枠の一部として鋼矢板側に取り付けられる。底板を鋼矢板側に取り付けることで、笠コンクリートブロックを最後に配置する工法も可能になる。底板は、アセンブリー即ち複数個部品を組み合わせる一群のものとして構成することができる。アセンブリー構造では、底板が複数個の部品から組み合わされるため、複雑な平面形状の底板を、単純な形態の部品から構成することが可能になり、金型製造のために、高額の設備投資を強いられることがない。しかも、単純な形態の部品は安価に製造でき、発明の実施の容易化に寄与する。

0009

本発明の装置において、底板は、鋼矢板と笠コンクリートブロックの一側内面との間を仕切るために、鋼矢板の上端部に吊り下げる吊り手部材を用いて、鋼矢板に沿って取り付けられている。底板は全面的に鋼矢板側に支持された状態に取り付けられ、従って、本発明の施工方法では、後述するように、笠コンクリートブロックを鋼矢板の上端部に降ろすだけで底板との位置関係が決まり、不可避的に生じざるをえない隙間を完全にふさぐことができるのである。

0010

なお、笠コンクリートブロックは海境界部分に位置するものとして説明するが、海は時に河川、湖沼、或いは崖下等の側であり、陸は或いは崖等の側である。よって、笠コンクリートブロックの一側内面とは海(川)側を指し、また、他側内面とは陸(岸)側を指すといって良い。

0011

本発明において、底板は鋼矢板の凹部を吊り手部材と共に閉塞する手段であり、底板により閉塞しきれない隙間を笠側固定板と補助部材によって塞ぐものである。底板は、笠コンクリートブロックの配置方向とほぼ平行な側部に折り曲げて形成した補強片を有し、吊り手部材との係合のために、その補強片の折り曲げ部にスリットを設けた構成とすることができる。底板の上記側部に、例えば、ほぼ直角に折り曲げて補強片を形成することで、底板構成片構造強度を著しく向上することができ、板厚が同じ場合でもより大重量に耐える。

0012

笠側固定板は、底板と笠コンクリートブロックの一側内面との間に生じる隙間を塞ぐために、笠コンクリートブロックの凹部側である一側内面に固定されている。この構成のために、笠側固定板の大きさは、特に、底板と笠コンブロック内面との間隔に応じて決めることができる。従って、底板との重なりを十分に取れるので隙間ができることはなく、硬化材の漏れの恐れが解消する。

0013

笠側固定板はほぼL字型の断面形状を有し、笠コンクリートブロックの一側内面に固定されるL字型の角部に補強手段のリブを有することが望ましい。笠側固定板は底板と共に硬化材の重量に耐えるものであり、アングル形状の角部の補強により耐荷重強度をより一層高めることができる。

0014

さらに、本発明は、鋼矢板とコンクリートブロックの一側内面との間を仕切るために、鋼矢板の上端部に吊り手部材を用いて底板を吊り下げ、鋼矢板に沿って取り付ける工程、鋼矢板の上端部に高さ調節手段を用いて笠コンクリートブロックを配置する工程、笠コンクリートブロックを配置する際に、その一側内面と底板との間に不可避的に生じる隙間をなくすために、上記一側内面に固定した笠側固定板を用いて上記隙間を塞ぐ工程、上記鋼矢板に沿って取り付けられた底板と、コンクリートブロックの一側内面、天面、他側内面及び他側地盤によって囲まれる空所に硬化材を充填する工程を経る、鋼矢板の上端部に笠コンクリートブロックを設置するための工法を含む。

0015

笠コンクリートブロックを配置する際に、その一側内面と底板との間に不可避的に生じる隙間をなくすために、上記一側内面に固定した笠側固定板を用いて上記隙間を塞ぐ工程において、底板と笠側固定板で覆い切れない隙間を補助部材により塞ぐことができる。補助部材は僅かな隙間を塞ぐ目的で用いるので、底板側の部材に、例えば接着により取り付けることができる。

発明の効果

0016

本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであり、笠コンクリートブロックを鋼矢板の上端部に配置する際に、底板を下から支える必要がなく、作業性が著しく向上するという効果を奏する。また、本発明によれば、鋼矢板と笠コンクリートブロックの位置の不揃いによって、底板と笠コンクリートブロックの一側内面との間隔が一様でない場合でも隙間を完全に塞ぐことができ、硬化材を充填する空間は密閉状に閉塞されて最適な施工が行なえるようになる。

発明を実施するための最良の形態

0017

下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。
<装置的構成>
図1は本発明に係る笠コンクリートブロックの施工装置及びその施工方法を示すもので、鋼矢板壁は鋼矢板11を複数個連続して地盤打ち込むことで形成され、その表面には凹凸12が打ち込み方向にあらわれ、上端13に達している。

0018

笠コンクリートブロック15は、鋼矢板11の上端部に、本発明に係る笠コンクリートブロックの施工装置10を用いて設置される。図示の笠コンクリートブロック15は、ほぼ門型横断面形状を有し、ブロック上面には所定の間隔で開口14が形成されており、開口14の間は本発明に係る装置によって支えられる上面又は天面16の部分である。笠コンクリートブロック15は平行な側面17、18を有し、その側面17、18の内面、鋼矢板壁、底板20及び天面16にて囲まれる、硬化材の充填空間19を形成することになる(図5参照)。

0019

本発明における底板20は、複数個の部材を組み合わせて鋼矢板11の凹凸12に適合する平面形状を構成し、笠コンクリートブロック15の内壁面に取り付けられる底板20として構成されている。実施形態の底板20は、複数個の底板部材から成るものとして構成した例(図2図3等)と、単一の部材から成るものとして構成した例(図4A、B)が示されている。

0020

複数個から成る例では、鋼矢板11の台形状の空間に納まるように大小の台形状に形成された底板部材20−1、20−2、20−3によって、底板20が構成されている。各々の底板部材20−1、20−2、20−3は図3に示すように、笠コンクリートブロック15の配置方向とほぼ平行な前後側部を上下に折り曲げて形成した補強片20a、20bを有している。このような底板部材20−1、20−2、20−3は底板20をより小さく扱い易く分割しつつ、補強構造により硬化材の重量に耐える強度を発揮する。

0021

また、後述する吊り手部材25との係合のために、補強片20a、20bの折り曲げ部の端部にスリット21を形成している。スリット21は、底板部材20−1、20−2、20−3の斜辺に位置しており、補強片20a、20bを含む端部が、後述する吊り手部材25に乗って支えられるように構成されている。吊り手部材25との係合により、底板20が安定して載置されるようになる。

0022

単一の部材から成る構造の例では、底板20の形態はより単純である。図4A及びBにその形態を示したように、底板20は、鋼矢板11の台形状の空間に納まる大きさの台形状に形成されており、かつ、前後側部を上下に折り曲げて形成した補強片20a、20bを有している。また、後述する吊り手部材25との係合のために、補強片20a、20bの折り曲げ部の端部に形成したスリット21を有している。

0023

底板20を取り付けるために、鋼矢板11の上端部から吊り下げる吊り手部材25が用いられる(図5参照)。吊り手部材25は、上部に鋼矢板壁11の上端13に取り付ける係止部22を有し、これと反対向きの吊り元23を下部に有する吊り具24と、上記吊り元23に上部にて揺動可能に取り付け、下部にて底板の支承板30に可動的に取り付けられる吊り26と、上記支承板30とから成る。24aはボルトとして図示された止め具であり、係止部22にて吊り具24を鋼矢板11の上端部13に止め付けている。

0024

上記吊り元23と支承板30には小孔23a、30aが形成されており、小孔23a、30aに挿通するおねじ棒から成る吊り杆26と上下のナット27a、27bを用いて、揺動可能或いは可動的に取り付けている(図6参照)。28は固定ナットを示す。上記支承板30の小孔30aは、吊り元23の小孔23aの位置よりも僅かな距離だけ充填空間19の中心方向へ入り込んだ位置にあり、硬化材の充填時に硬化材の荷重により支承板30が揺動して鋼矢板11の方向へ押されるように構成されている。

0025

支承板30は側辺に他部材(特に、鋼矢板11)と接触するように折り曲げ形成された補強を兼ねる接触片29を有し、強度と安定性の向上を図っており、また、鋼矢板11の凹凸12に適合するように手曲げ可能に形成された細長帯板状の部材から成っている(図7A参照)。支承板30は、折り曲げるために設けた切り込み部31を有しており、手曲げ加工をより容易に行なえるように構成されている。切り込み部31における曲げ加工により、各溝両側の部分は相互に重なることになる(図2等参照)。32は切欠き部で、鋼矢板11に繋ぎ部11aがある場合に抵触を避けるために、支承板30の端部外側に形成されている。

0026

底板20と笠コンクリートブロック15の一側内面15Aとの間に生じる隙間を塞ぐために、笠コンクリートブロック15の一側内面15Aに笠側固定板35が固定される。笠側固定板35は、図7Bに示すように、上記一側内面15Aに固定される縦片部33と底板20の上面に乗る横片部34とから成り、横断面がほぼ直角のL字型のいわゆるアングル材形状を有している。

0027

上記縦片部33には一側内面15Aに固定するボルト36の通し孔33aが形成されており、また、横辺部34は底板20と笠コンクリートブロック15の一側内面15Aとの間に生じる隙間を塞ぐために必要十分な、任意の幅に形成されている。なお、L字型の角部には、補強手段37として公知のリブ等を設けることができ、これにより耐荷重強度がより一層高められる(図7B鎖線図示参照)。

0028

底板20と笠側固定板35で覆い切れない隙間が生じる場合に、その隙間を塞ぐ補助部材38が用意されている(図2参照)。補助部材38は、図7Cに示すように、左右に隣接する底板20、20と隙間なく重なる長さと、鋼矢板11の凸と底板20と笠コンクリートブロック15の一側内面15Aとの間に納まる幅を有する長方形の平面形状を有している。また、側辺には他部材(特に、鋼矢板11)と接触するように折り曲げ形成された補強を兼ねる接触片39を有している。

0029

補助部材38の設置には、ガムテープ等の接着テープ接着剤を使用して、底板20に固着することもできるが、一部を折り曲げることで固定することも可能である。図12によりその例を説明すると、上記接触片39とは反対側の外側辺を下方へ折り曲げるとともに、その両側に切り込みを入れて折り曲げ片38a、38bを設けられるようにする。取り付けの際、両端は支承板30に載置され、外側両端の部分を図12Bに矢印で示すように外方へ折り曲げて折り曲げ片38a、38bとし、その部分は笠側固定板35の下、長過ぎる分は笠コンクリートブロック側面18の下に配置するようにすれば良い。

0030

笠コンクリートブロック15には、現在、一般的に使用されているものが使用される。特に、本発明は東日本大震災以降大型化しつつある笠コンクリートブロックについても十分に対応することができるように構成されている。笠コンクリートブロック15の高さ調節手段40として高さ調節式支持具が用いられる(図5参照)。また、図8に詳細に示されているように、高さ調節手段を構成する支持具40は、鋼矢板11の上端13に取り付けるフック状の係止部41と、この係止部41に設けた、メネジ筒42に対して上下動可能に設けられた支持杆43とを一体に有している。

0031

実施形態では、フック状に形成した係止部41に高ナットなどから成るメネジ筒42を溶接等の手段により取り付け、上記係止部41は、幅広に形成するとともに、止め具44として2個のボルトを螺合させた構成を有する。また、支持杆43はボルト構成を有しており、その上部にスパナ掛け43aを設け、さらに端部43bは丸く成形し、笠コンクリートブロック15に当たった状態でも軽快に回すことができるようになっている。

0032

しかしながら、丸い端部43bの場合、コンクリートとの接触が点接触となり、当たり面に損傷の恐れがある。そこで、図9に示すように、支持杆43の上端に板状の接触片45をスパナ掛け43aと一体に設け、損傷の恐れを減ずることができる。なお、スパナ掛け43aにはボルトを使用し、その頭に接触片45を固着しネジ部にて支持杆43の上端にねじ込んで形成することができる。本発明の装置10に用いる部材中、強度を負担する部材については、鋼板或いは鋼材を使用するものと考えて良い。
<施工方法>

0033

上記の構成を有する笠コンクリートブロックの施工装置10は、次の工程に従って施工する。施工現場は陸と河川との境界にあり、鋼矢板11の上端部13に配置された、笠コンクリートブロック15の一側内面15Aが川側、他方内面15Bが陸側である(図10等参照)。
底板取り付け工程:鋼矢板11と笠コンクリートブロック15の一側内面15Aとの間を仕切るために、鋼矢板11の上端部13に吊り手部材25を用いて底板20を吊り下げ、鋼矢板11に沿って取り付ける。
上記底板20は鋼矢板11に吊り下げられた支承板30に取り付けられる、しかし、鋼矢板11が連なっている壁自体が直線的に施工され難く、そのため底板20の鋼矢板11とは反対側の部分の位置が特に不揃いになり、それが隙間の原因を作っている(なお、隙間は千差万別であるので符号を付していない。)。
笠コン配置工程:鋼矢板11の上端部13に高さ調節手段40を用いて笠コンクリートブロック15を配置する。それとともに、笠コンクリートブロック15を配置する際に、その一側内面15Aと底板20との間に不可避的に生じる隙間をなくすために、上記一側内面15Aに固定した笠側固定板35を用いて上記隙間を塞ぐ。
笠側固定板35には、従って、幅の異なる何種類かのものが用意されている。幅とは鋼矢板11の一方内面Aと鋼矢板11との間の方向の寸法であるが、さらに、補助部材38をもちいて塞ぎ切れない隙間が閉塞される。
硬化材充填工程:上記鋼矢板11に沿って取り付けられた底板20と、コンクリートブロック15の一側内面15A、他側内面15B、天面15C、他側地盤15Dによって囲まれる充填空間19に硬化材46を充填する。
なお、作業の手順は任意に変更することができる。

0034

以下、さらに各工程について具体的に説明する。底板取り付け工程では支承板30を加工する。手曲げ可能な帯板状の部材から成る支承板30を、鋼矢板11の凹凸12に適合させて曲げ加工する。この加工工程は、図7Aに示した切り込み部31による支承板30の折り曲げ部分が脆弱化されているので容易に実施することができる。折り曲げ部分は上下に重なるままにしておいても、邪魔し合うことがない。

0035

支承板30を取り付けるには、鋼矢板壁11の上端部13に吊り手部材25を係止し、その吊り手部材25の下部に、支承板30を揺動可能に取り付ける(図6参照)。上記支承板30の小孔30aは、吊り元23の小孔23aの位置よりも僅かな距離だけ充填空間19の中心方向へ入り込んだ位置にあり、充填材充填時に充填材の荷重により支承板30が揺動して鋼矢板11の方向へ押されるので、鋼矢板11と支承板30の接触片29とが接触を保つように作用する。

0036

底板20は鋼矢板11の凹部に取り付ける。底板20を取り付ける際には、底板20に形成されたスリット21、21を支承板30に嵌合させることで行なう(図5B参照)。底板20が複数個から構成されている場合には、鋼矢板11の台形状の凹部に納まるように大小の台形状に形成された底板部材20−1、20−2、20−3を順に配置する。配置には補強片20a、20bを設けた部辺分が接触することを確認し、必要があれば底板部材20−1、20−2、20−3の辺部が上下に重なり合っても良い。

0037

補助部材38を設置する時点では、底板20が支承板30に支えられて、ほぼ平面性を保った状態にある。笠側固定板35は笠コンクリートブロック15に、既に取り付けられているので、底板20、笠側固定板35などの位置関係を観察し、隙間の有無を確認して隙間があれば、その上に補助部材38を乗せて隙間を塞げば良い。その際、各部の位置を確認した上で底板20に結合する。結合作業は、ガムテープ等の接着テープ類を用い、可動板22の全辺部を覆うように貼り付けることで行なえる。接着剤を用いるときは、可動板22の全辺部が閉塞状態になるように接着剤を塗布して可動板22を結合する。

0038

次に、笠コンクリートブロック15の配置について説明する。笠コンクリートブロック15は、クレーン等を用いて吊り下げ、鋼矢板11の上端部13に配置する。笠コンクリートブロック15の配置時には、支持杆43が笠コンクリートブロック15の天面15Cに当接させ、ほぼ水平、かつ、一直線状に並ぶように調節する。上記支承板30にて鋼矢板11の凹凸12に適合する平面形状の底板20を適切に受け支えるために、高さ調節式支持具40が使用されている。図10において、高さ調節式支持具40を鋼矢板11の陸側に配置しているので図5とは反対の位置関係にあるが、高さ調節式支持具40は鋼矢板11の上端部13の任意の位置に設置される。

0039

笠コンクリートブロック15の配置後の作業は、開口14からブロック内部の充填空間19に向かって行う作業である。しかし、本発明の施工方法によれば、笠コンクリートブロック15の高さ調節を上記の如く容易に行なうことができ、また、笠側固定板35は笠コンクリートブロック15に、予め取り付けられているので、煩雑な作業は殆ど行なう必要がない。なお、図5等において、符号47は地盤に施工された砕石等から成る地盤構造を示しており、その上位に施工されている笠コンクリートブロック15と硬化材46等の一部は、地盤構造47を基礎に施工されている。

0040

本発明によれば、鋼矢板11に吊り手部材25を用いて底板20を取り付けた後、補助部材38を必要な箇所に取り付けて隙間を塞ぎ、笠コンクリートブロック15を設置することで、段取り作業が終わる。あとは、硬化材46を笠コンクリートブロック15にて囲まれる充填空間19に充填するだけで全ての作業がほぼ完了する。このように、本発明によれば、鋼矢板壁11に対する笠コンクリートブロック15の設置作業を非常に効率的に行なうことができる。特に、本発明の装置及び工法によれば、作業品質も高く保たれ、作業時間も短時間で済む。

図面の簡単な説明

0041

本発明に係る施工装置及び施工方法によって施工される笠コンクリートブロックの一例を示す斜視説明図である。
同上の装置による施工状態を示す平面説明図である。
同上における底板を示すもので、Aは平面図、BはAに対する正面図、CはAのIIIC−IIIC線断面図である。
同じく底板の他の例を示すもので、Aは平面説明図、Bは正面説明図である。
本発明に係る施工装置を用いて笠コンクリートブロックを鋼矢板に配置した状態を示す断面説明図である。
本発明に用いる吊り手部材を示す断面説明図である。
同じく本発明に用いる部材に関するもので、Aは支承板、Bは笠側固定板、Cは補助部材を示す説明図である。
同じく高さ調節式支持具を示す断面説明図である。
同じく高さ調節式支持具の他の例を示す断面説明図である。
本発明における硬化材充填後の状態を示す断面図である。
本発明の装置による施工状態の変形例を示すもので、Aは平面説明図、Bは補助部材の、外方から見た側面図である。

0042

10笠コンクリートブロックの施工装置
11鋼矢板
12凹凸
13上端部
14 開口
15 笠コンクリートブロック
16 上面
17、18 側面
19充填空間
20底板、20−1、20−2、20−3底板部材
21スリット
22係止部
23 吊り元
24 吊り具
25 吊り手部材
26 吊り杆
27a、27b、28ナット
29、39接触片
30支承板
31切り込み部
32切欠き部
33縦片部、34横片部
35笠側固定板
36、37補強手段
38補助部材
40高さ調節式支持具
41地盤処理構造
42メネジ筒
43スパナ掛け
44止め具
45 接触片
46硬化材
47 地盤構造

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