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技術 高機能舗装II型用混合物及び高機能II型舗装体

出願人 日本道路株式会社
発明者 遠藤桂立花徳啓
出願日 2016年1月15日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-006165
公開日 2017年7月20日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-125373
状態 特許登録済
技術分野 道路の舗装構造
主要キーワード 推奨温度範囲 ダレ量 高機能舗装 通過質量 フォームドアスファルト アスファルト舗装道路 現場到着 アスファルト含有量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

中温化剤を加えない高機能舗装II型用混合物標準的な混合温度範囲中の上限に近い温度範囲においてアスファルト混合物ダレ量が少ない、中温化剤を加えた高機能舗装II型用混合物、及びこれを用いて得られた高機能II型舗装体を提供する。

解決手段

高機能舗装II型用混合物は、骨材と、アスファルトと、滑材系中温化剤と、を含む。前記滑材系中温化剤は、アスファルト100質量%に対して、0.3〜1.2質量%含まれることが好ましい。また、前記骨材とアスファルトとの合計量100質量%中、前記骨材が93.9〜95.1質量%、前記アスファルトが4.9〜6.1質量%含まれることが好ましい。

概要

背景

近年、アスファルト舗装道路排水機能騒音低減機能を向上させる技術として、表層高機能舗装II型舗装体(以下、「高機能II型舗装体」という)を形成することが知られている。高機能II型舗装体は、表層の表面部をポーラスアスファルト混合物と同等のキメ深さを有する構造とすることにより高い排水性を示すとともに、表層の内部を砕石マスチックアスファルト合物と同等の密実さを有する構造とすることにより高い耐久性を示す舗装体である。例えば、特許文献1には、所定の粒度範囲かつ所定のアスファルト含有量アスファルト混合物転圧して形成した高機能II型舗装体が開示されている。

高機能II型舗装体は、一般的に、骨材アスファルト及びアスファルトバインダ等を含むアスファルト混合物(以下、「高機能舗装II型用混合物」という)を用いて形成される。この高機能舗装II型用混合物は、高機能II型舗装体を形成するためにある一定量のダレが生じるように作製される。なお、高機能舗装II型用混合物のダレ量が過剰であると、所望の高機能II型舗装体が得られない恐れがある。また、ダレ量は温度の上昇とともに増加する。このため、高機能舗装II型用混合物には、ダレ量が過剰にならないように、静的ダレ試験によって高機能舗装II型用混合物の混合温度の上限が定められている。

ここで、静的ダレ試験とは、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社が規定している「試験法249−2008アスファルト混合物の静的ダレ試験方法」を意味する。この静的ダレ試験方法は、具体的には、以下のようにして実施され、算出された付着損失量で評価される。付着損失量が小さいほど、ダレ量が少ないことを示す。はじめに、バットの底面に、所定のふるい目のふるいを平らに載置し、これらを加熱した後、対象とするアスファルト混合物をふるいの上に均一に敷均し、所定温度で1時間養生する。次に、バットからふるいとアスファルト混合物を除去した後、バットに付着したアスファルト量試験前に敷均したアスファルト混合物の質量で除した割合を付着損失量とする。

ところで、一般的に、上記高機能舗装II型用混合物は、出荷から現場到着までの時間がかかる場合や、寒冷期に施工する場合は、温度が低下して現場で施工しにくくなりやすい。このため、これらの場合には、現場で適切な施工を行うことができるように、温度低下を見込んで予め高い温度にして製造、出荷すること、具体的には、高機能舗装II型用混合物に定められた混合温度範囲中の上限に近い温度、例えば175〜185℃、で製造、出荷することが好ましい。しかし、高機能舗装II型用混合物を製造、出荷時に高温にすると、アスファルト混合物に含まれるアスファルトの粘度が低下して製造時や施工時にダレが生じやすくなるという問題がある。

これに対して、従来、アスファルト混合物に、アスファルト混合物の製造や施工をより低温で可能にする成分である中温化剤を添加する技術が知られている。本技術は高機能舗装II型用混合物にも適用可能であり、この中温化剤を添加する技術によれば、運搬中や施工中に高機能舗装II型用混合物に温度低下が生じるときでも、中温化作用により高機能舗装II型用混合物に充分な施工性を付与することができる。ここで、中温化作用とは、中温化剤を配合しない場合に比較して高機能舗装II型用混合物の製造や施工をより低温で可能にする作用を意味する。なお、出荷時までに高機能舗装II型用混合物に混合するタイプであるプラントミックスタイプの中温化剤としては、アスファルトの粘度を調整する粘弾性調整系中温化剤、アスファルト内に微発泡を発生させる発泡系中温化剤、及びアスファルトとアスファルトで被覆された骨材との間の潤滑性を高める滑材系中温化剤が知られている。

概要

中温化剤を加えない高機能舗装II型用混合物の標準的な混合温度範囲中の上限に近い温度範囲においてアスファルト混合物のダレ量が少ない、中温化剤を加えた高機能舗装II型用混合物、及びこれを用いて得られた高機能II型舗装体を提供する。高機能舗装II型用混合物は、骨材と、アスファルトと、滑材系中温化剤と、を含む。前記滑材系中温化剤は、アスファルト100質量%に対して、0.3〜1.2質量%含まれることが好ましい。また、前記骨材とアスファルトとの合計量100質量%中、前記骨材が93.9〜95.1質量%、前記アスファルトが4.9〜6.1質量%含まれることが好ましい。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、中温化剤を加えない高機能舗装II型用混合物の標準的な混合温度範囲中の上限に近い温度範囲においてアスファルト混合物のダレ量が少ない、中温化剤を加えた高機能舗装II型用混合物、及びこれを用いて得られた高機能II型舗装体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

骨材と、アスファルトと、滑材中温化剤と、を含むことを特徴とする高機能舗装II型用混合物

請求項2

前記滑材系中温化剤は、アスファルト100質量%に対して、0.3〜1.2質量%含まれることを特徴とする請求項1に記載の高機能舗装II型用混合物。

請求項3

前記骨材とアスファルトとの合計量100質量%中、前記骨材が93.9〜95.1質量%、前記アスファルトが4.9〜6.1質量%含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の高機能舗装II型用混合物。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の高機能舗装II型用混合物を用いて得られたことを特徴とする高機能II型舗装体

技術分野

0001

本発明は、高機能舗装II型用混合物及びこれを用いて形成された高機能II型舗装体に関する。

背景技術

0002

近年、アスファルト舗装道路排水機能騒音低減機能を向上させる技術として、表層に高機能舗装II型の舗装体(以下、「高機能II型舗装体」という)を形成することが知られている。高機能II型舗装体は、表層の表面部をポーラスアスファルト混合物と同等のキメ深さを有する構造とすることにより高い排水性を示すとともに、表層の内部を砕石マスチックアスファルト合物と同等の密実さを有する構造とすることにより高い耐久性を示す舗装体である。例えば、特許文献1には、所定の粒度範囲かつ所定のアスファルト含有量アスファルト混合物転圧して形成した高機能II型舗装体が開示されている。

0003

高機能II型舗装体は、一般的に、骨材アスファルト及びアスファルトバインダ等を含むアスファルト混合物(以下、「高機能舗装II型用混合物」という)を用いて形成される。この高機能舗装II型用混合物は、高機能II型舗装体を形成するためにある一定量のダレが生じるように作製される。なお、高機能舗装II型用混合物のダレ量が過剰であると、所望の高機能II型舗装体が得られない恐れがある。また、ダレ量は温度の上昇とともに増加する。このため、高機能舗装II型用混合物には、ダレ量が過剰にならないように、静的ダレ試験によって高機能舗装II型用混合物の混合温度の上限が定められている。

0004

ここで、静的ダレ試験とは、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社が規定している「試験法249−2008アスファルト混合物の静的ダレ試験方法」を意味する。この静的ダレ試験方法は、具体的には、以下のようにして実施され、算出された付着損失量で評価される。付着損失量が小さいほど、ダレ量が少ないことを示す。はじめに、バットの底面に、所定のふるい目のふるいを平らに載置し、これらを加熱した後、対象とするアスファルト混合物をふるいの上に均一に敷均し、所定温度で1時間養生する。次に、バットからふるいとアスファルト混合物を除去した後、バットに付着したアスファルト量試験前に敷均したアスファルト混合物の質量で除した割合を付着損失量とする。

0005

ところで、一般的に、上記高機能舗装II型用混合物は、出荷から現場到着までの時間がかかる場合や、寒冷期に施工する場合は、温度が低下して現場で施工しにくくなりやすい。このため、これらの場合には、現場で適切な施工を行うことができるように、温度低下を見込んで予め高い温度にして製造、出荷すること、具体的には、高機能舗装II型用混合物に定められた混合温度範囲中の上限に近い温度、例えば175〜185℃、で製造、出荷することが好ましい。しかし、高機能舗装II型用混合物を製造、出荷時に高温にすると、アスファルト混合物に含まれるアスファルトの粘度が低下して製造時や施工時にダレが生じやすくなるという問題がある。

0006

これに対して、従来、アスファルト混合物に、アスファルト混合物の製造や施工をより低温で可能にする成分である中温化剤を添加する技術が知られている。本技術は高機能舗装II型用混合物にも適用可能であり、この中温化剤を添加する技術によれば、運搬中や施工中に高機能舗装II型用混合物に温度低下が生じるときでも、中温化作用により高機能舗装II型用混合物に充分な施工性を付与することができる。ここで、中温化作用とは、中温化剤を配合しない場合に比較して高機能舗装II型用混合物の製造や施工をより低温で可能にする作用を意味する。なお、出荷時までに高機能舗装II型用混合物に混合するタイプであるプラントミックスタイプの中温化剤としては、アスファルトの粘度を調整する粘弾性調整系中温化剤、アスファルト内に微発泡を発生させる発泡系中温化剤、及びアスファルトとアスファルトで被覆された骨材との間の潤滑性を高める滑材系中温化剤が知られている。

先行技術

0007

特許第4069194号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、粘弾性調整系中温化剤を加えた高機能舗装II型用混合物は、中温化剤を加えない高機能舗装II型用混合物の標準的な混合温度範囲、特に上限に近い温度範囲においてはアスファルトの粘度が過剰に低下しやすい。このため、粘弾性調整系中温化剤を加えた高機能舗装II型用混合物は、上記標準的な混合温度範囲内において、アスファルトやアスファルトモルタル分が過剰に流動化してダレ量が多くなりやすい。また、発泡系中温化剤を加えた高機能舗装II型用混合物は、泡のベアリング効果により、アスファルトやアスファルトモルタル分が過剰に流動化してダレ量が多くなりやすい。

0009

このため、粘弾性調整系中温化剤や発泡系中温化剤を加えた高機能舗装II型用混合物は、上記標準的な混合温度範囲内ではアスファルトの粘度が低下し過ぎてダレ量が過剰になりやすいという問題があった。

0010

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、中温化剤を加えない高機能舗装II型用混合物の標準的な混合温度範囲中の上限に近い温度範囲においてアスファルト混合物のダレ量が少ない、中温化剤を加えた高機能舗装II型用混合物、及びこれを用いて得られた高機能II型舗装体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明の第1の態様に係る高機能舗装II型用混合物は、骨材と、アスファルトと、滑材系中温化剤と、を含むことを特徴とする。

0012

本発明の第2の態様に係る高機能舗装II型用混合物は、前記滑材系中温化剤が、アスファルト100質量%に対して、0.3〜1.2質量%含まれることを特徴とする。

0013

本発明の第3の態様に係る高機能舗装II型用混合物は、前記骨材とアスファルトとの合計量100質量%中、前記骨材が93.9〜95.1質量%、前記アスファルトが4.9〜6.1質量%含まれることを特徴とする。

0014

本発明の第4の態様に係る高機能II型舗装体は、前記高機能舗装II型用混合物を用いて得られたことを特徴とする。

発明の効果

0015

本発明に係る高機能舗装II型用混合物は、中温化剤を加えない高機能舗装II型用混合物の標準的な混合温度範囲中の上限に近い温度範囲においてアスファルト混合物のダレ量が少ない。また、本発明に係る高機能II型舗装体は、標準的な混合温度範囲内でダレ量が少ない高機能舗装II型用混合物を用いるため、施工性が良好である。

図面の簡単な説明

0016

実施例1の骨材の合成粒度分布を示すグラフである。
アスファルト量が最適アスファルト量OAC:Optimum Asphalt Content)の場合の高機能舗装II型用混合物の付着損失量を示すグラフである。
アスファルト量がOAC+0.5質量%の場合の高機能舗装II型用混合物の付着損失量を示すグラフである。
高機能舗装II型用混合物で使用するアスファルト単体と、前記アスファルトに本発明に係る滑材系中温化剤を加えたアスファルトの動粘度を示すグラフである。

0017

[高機能舗装II型用混合物]
以下、本実施形態の高機能舗装II型用混合物は、骨材と、アスファルトと、滑材系中温化剤と、を含む。

0018

(骨材)
本実施形態の高機能舗装II型用混合物中に含まれる骨材としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。具体的には、骨材として、砕石、玉砕、砂利鉄鋼スラグ、砂、再生骨材硬質骨材等を用いることができる。骨材は、種々の粒径を有するものの混合物であることが好ましい。骨材は、例えば、ふるい目の呼び寸法19.0mm、13.2mm、4.75mm、2.36mm、0.6mm、0.3mm、0.15mm、及び0.075mmにおけるふるいの通過質量百分率が、それぞれ、100質量%、95〜100質量%、30〜38質量%、22〜27質量%、17〜21質量%、15〜18質量%、10〜13質量%、及び9〜11質量%となる粒度範囲になるようにする。なお、この粒度範囲は、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社が発行している、設計要領第一集舗装編に記載されているものと同一である。

0019

(アスファルト)
本実施形態の高機能舗装II型用混合物中に含まれるアスファルトとしては、高機能舗装II型用混合物に通常用いられる公知のものを用いることができる。具体的には、アスファルトとして、石油アスファルトポリマー改質アスファルト等を用いることができる。ここで、ポリマー改質アスファルトとは、ゴム熱可塑性エラストマーを単独又は併用したアスファルトである。

0020

(滑材系中温化剤)
本実施形態の高機能舗装II型用混合物中に含まれる滑材系中温化剤としては、公知の滑材系中温化剤を用いることができる。このうち、エーテル型非イオン性界面活性剤からなる滑材系中温化剤は、高機能舗装II型用混合物中に酸、アルカリ無機塩類が存在しても滑材としての機能が劣化しにくいため好ましい。また、エーテル型非イオン性界面活性剤からなる滑材系中温化剤の中では、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤からなる滑材系中温化剤、やポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル系界面活性剤からなる滑材系中温化剤が、低起泡性であるため好ましい。さらに、エーテル型非イオン性界面活性剤からなる滑材系中温化剤の中、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤からなる滑材系中温化剤は、中温化の作用が大きいためより好ましい。このポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤からなる滑材系中温化剤としては、例えば、日本道路株式会社製セミホットサポート登録商標)が用いられる。セミホットサポートは、常温において白色フレーク固体であり、融点53℃、引火点が279℃である。

0021

本実施形態の高機能舗装II型用混合物は、上記骨材、アスファルト、及び滑材系中温化剤からなる。

0022

(滑材系中温化剤の配合量)
本実施形態の高機能舗装II型用混合物において、滑材系中温化剤は、アスファルト100質量%に対して、通常0.3〜1.2質量%、好ましくは0.5〜1.0質量%、より好ましくは0.6〜0.8質量%含まれる。滑材系中温化剤の配合量が、上記範囲内にあると、本実施形態の高機能舗装II型用混合物の標準的な混合温度範囲中の上限に近い温度範囲においてアスファルト混合物のダレ量が少ない。

0023

一方、滑材系中温化剤の配合量が0.3質量%未満であると中温化作用が十分に発現しない。また、滑材系中温化剤の配合量が1.2質量%を超えると、1.2質量%以下の場合に比較して中温化作用があまり向上せず経済的でない。

0024

(骨材とアスファルトの配合量)
本実施形態の高機能舗装II型用混合物において、骨材とアスファルトとの合計量100質量%中、通常、骨材が93.9〜95.1質量%、アスファルトが4.9〜6.1質量%含まれる。骨材とアスファルトとの配合量が上記範囲内にあると、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社が定める規格満足するため好ましい。

0025

(最適アスファルト量)
本実施形態の高機能舗装II型用混合物において、OACは、通常4.9〜6.1質量%である。本実施形態の高機能舗装II型用混合物の最適アスファルト量が上記範囲内にあると、高機能舗装II型用混合物は、中温化剤を加えない高機能舗装II型用混合物の標準的な混合温度範囲中の上限に近い温度範囲においてアスファルト混合物のダレ量が少ない。なお、最適アスファルト量は、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社が発行している、「設計要領第一集舗装編」に則って試験を行うことにより機械的に算出される。

0026

なお、従来の粘弾性調整系中温化剤や発泡系中温化剤を加えた高機能舗装II型用混合物は、アスファルト混合物中のアスファルトの組成が最適アスファルト量(OAC)より少しでも多くなると、ダレ量が過剰になりやすい。これに対し、本実施形態の高機能舗装II型用混合物は、アスファルト混合物中のアスファルトの組成が最適アスファルト量(OAC)より多くなっても、ダレ量の増加が少なく、ダレ量の安定性が高い。

0027

(製造方法)
本実施形態の高機能舗装II型用混合物は、例えば、以下のようにして製造される。はじめに、骨材を加熱し、骨材を計量する。次に、骨材をドライミキシングした後、所定量のアスファルトを噴射し、ウェットミキシングする。これに、滑材系中温化剤を所定量投入すると、本実施形態の高機能舗装II型用混合物が得られる。なお、滑材系中温化剤の投入は、ウェットミキシング時に行うことが好ましい。

0028

[高機能II型舗装体]
本実施形態の高機能II型舗装体は、上記高機能舗装II型用混合物を用いて得られたものである。具体的には、本実施形態の高機能II型舗装体は、上記高機能舗装II型用混合物を用いて作製した、高機能II型舗装体の表層である。

0029

以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

0030

[実施例1]
(高機能舗装II型用混合物の調製)
<骨材>
表1及び図1に示す合成粒度分布を有する骨材を用意した。

0031

0032

<アスファルト>
ポリマー改質II型アスファルト(ニチレキ株式会社製、商品ポリファルトSS)を用意した。

0033

<アスファルト混合物>
予め上記骨材と上記アスファルトとを用いた配合設計をしたところ、OAC(最適アスファルト量)が5.0%であることが分かった。そこで、上記骨材を所定量計量した後、ドライミキシングし、これにOACが5.0%になる量の上記アスファルトを所定量添加してウェットミキシングした。すなわち、骨材95質量部に対してアスファルトが5質量部添加されるようにした。

0034

次に、骨材とアスファルトとの混合物に、滑材系中温化剤である、日本道路株式会社製滑材系中温化剤セミホットサポート(登録商標)(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤、常温において白色フレーク状固体、融点53℃、引火点279℃)を、混合物中のアスファルト100質量部に対して0.7質量部添加してウェットミキシングしたところ、高機能舗装II型用混合物が得られた。表2に高機能舗装II型用混合物の組成を示す。

0035

0036

<静的ダレ試験>
得られた高機能舗装II型用混合物について、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社が規定している、NEXCO試験方法第2編アスファルト舗装関係試験方法の「試験法249−2008アスファルト混合物の静的ダレ試験方法」を用いて静的ダレ試験を行った。
この静的ダレ試験方法は、具体的には、以下のようにして実施した。はじめに、バットの平らな底面に、φ0.5mmの金属線を用いた金属網からなる、ふるい目4.5mm、直径19cmのふるいを平らに載置した。次に、バット及びふるいを試験温度に加熱した後、混合により作製されたアスファルト混合物を素早くふるいの上に均一に敷均し、試験温度で1時間養生した。この後、ふるいとアスファルト混合物を除去した後、バットに付着した付着物の質量MLを試験前に敷均したアスファルト混合物の質量MBで除した割合を付着損失量(質量%)とした。なお、試験温度は、使用したアスファルトのメーカー推奨温度範囲内の175℃、180℃、185℃の3点とし、各試験温度でそれぞれ静的ダレ試験を行った。図2に、静的ダレ試験の結果を示す。
なお、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社では、付着損失量と同値である静的ダレ付着損失率が4質量%以下が基準値となっている。

0037

[比較例1]
滑材系中温化剤セミホットサポートを添加しない以外は、実施例1と同様にして、高機能舗装II型用混合物を得た。表2に高機能舗装II型用混合物の組成を示す。
得られた高機能舗装II型用混合物について、実施例1と同様にして静的ダレ試験を行った。図2に、静的ダレ試験の結果を示す。
また、高機能舗装II型用混合物に使用したアスファルト、および前記アスファルトに中温化剤を加えたアスファルトの動粘度をおよそ120〜190℃にて測定した。図4に、動粘度の測定結果を示す。

0038

[比較例2]
混合物中のアスファルト100質量部に対して滑材系中温化剤セミホットサポートを0.7質量部添加することに代えて、混合物中のアスファルト100質量部に対して粘弾性調整系中温化剤を5.0質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、高機能舗装II型用混合物を得た。表2に高機能舗装II型用混合物を製造する際に使用したアスファルトと中温化剤の組み合わせを示す。
得られた高機能舗装II型用混合物について、実施例1と同様にして静的ダレ試験を行った。図2に、静的ダレ試験の結果を示す。

0039

[比較例3]
混合物中のアスファルト100質量部に対して滑材系中温化剤セミホットサポートを0.7質量部添加することに代えて、混合物中のアスファルト100質量部に対して発泡系中温化剤と同じ効果が得られる水を2.0質量部添加したフォームドアスファルト技術を用いた以外は、実施例1と同様にして、高機能舗装II型用混合物を得た。表2に高機能舗装II型用混合物を製造する際に使用したアスファルトと中温化剤の組み合わせを示す。
得られた高機能舗装II型用混合物について、実施例1と同様にして静的ダレ試験を行った。図2に、静的ダレ試験の結果を示す。

0040

[実施例2]
アスファルト混合物中のアスファルト量をOAC+0.5質量%の5.5質量%とした以外は、実施例1と同様にして、高機能舗装II型用混合物を得た。表2に高機能舗装II型用混合物の組成を示す。
得られた高機能舗装II型用混合物について、実施例1と同様にして静的ダレ試験を行った。図3に、静的ダレ試験の結果を示す。

0041

[比較例4]
アスファルト混合物中のアスファルト量をOAC+0.5質量%の5.5質量%とした以外は、比較例1と同様にして、高機能舗装II型用混合物を得た。表2に高機能舗装II型用混合物の組成を示す。
得られた高機能舗装II型用混合物について、実施例1と同様にして静的ダレ試験を行った。図3に、静的ダレ試験の結果を示す。

0042

[比較例5]
アスファルト混合物中のアスファルト量をOAC+0.5質量%の5.5質量%とした以外は、比較例2と同様にして、高機能舗装II型用混合物を得た。表2に高機能舗装II型用混合物を製造する際に使用したアスファルトと中温化剤の組み合わせを示す。
得られた高機能舗装II型用混合物について、実施例1と同様にして静的ダレ試験を行った。図3に、静的ダレ試験の結果を示す。

0043

[比較例6]
アスファルト混合物中のアスファルト量をOAC+0.5質量%の5.5質量%とした以外は、比較例3と同様にして、高機能舗装II型用混合物を得た。表2に高機能舗装II型用混合物の組成を示す。
得られた高機能舗装II型用混合物について、実施例1と同様にして静的ダレ試験を行った。図3に、静的ダレ試験の結果を示す。

0044

図2及び3より、以下のことが分かった。
第1に、中温化剤を含まない高機能舗装II型用混合物(比較例1及び4)は、OACの場合(比較例1)の175℃、180℃、185℃における付着損失量が2〜4質量%以下であるが、OAC+0.5質量%の場合(比較例4)の175℃、180℃、185℃における付着損失量は基準値である4質量%程度、あるいはそれ以上まで上昇する。これらの結果より、中温化剤を含まない高機能舗装II型用混合物は、OACの場合(比較例1)は比較的ダレにくいものの、OACよりもアスファルト量が増加することによりダレやすくなることが分かった。

0045

第2に、滑材系中温化剤を含む高機能舗装II型用混合物(実施例1及び2)は、OACの場合(実施例1)とOAC+0.5質量%の場合(実施例2)との両方の場合において、175℃、180℃、185℃における付着損失量がほぼ1質量%以下と極めて低い。これらの結果より、滑材系中温化剤を含む高機能舗装II型用混合物は、極めてダレにくいとともに、このダレにくさがアスファルト量の増加の影響を受けずに安定して発現されることが分かった。

0046

第3に、粘弾性調整系中温化剤を含む高機能舗装II型用混合物(比較例2及び5)は、OACの場合(比較例2)及びOAC+0.5質量%の場合(比較例5)において、中温化剤を含まない高機能舗装II型用混合物(比較例1及び4)よりも付着損失量が大きくなっている。このため、粘弾性調整系中温化剤を含む高機能舗装II型用混合物は、中温化剤を含まない高機能舗装II型用混合物よりもダレやすいことが分かった。また、図2及び3より、粘弾性調整系中温化剤を含む高機能舗装II型用混合物(比較例2及び5)は、温度が上昇すること及びOACよりもアスファルト量が増加することにより、非常にダレやすくなることが分かった。

0047

第4に、発泡系中温化剤と同じ効果が得られる水を含む高機能舗装II型用混合物(比較例3及び6)は、OACの場合(比較例3)及びOAC+0.5質量%の場合(比較例6)において、中温化剤を含まない高機能舗装II型用混合物(比較例1及び4)よりも付着損失量が大きくなっている。このため、発泡系中温化剤と同じ効果が得られる水を含む高機能舗装II型用混合物は、中温化剤を含まない高機能舗装II型用混合物よりもダレやすいことが分かった。また、図2及び3より、発泡系中温化剤と同じ効果が得られる水を含む高機能舗装II型用混合物(比較例3及び6)は、温度が上昇すること及びOACよりもアスファルト量が増加することにより、ダレやすくなることが分かった。

0048

実施例1及び2、並びに比較例1〜6の結果より、滑材系中温化剤を含む高機能舗装II型用混合物(実施例1及び2)が、ダレ対策に最も有用であることが分かった。

0049

[実施例3〜5]
骨材を配合せず、アスファルトと滑材系中温化剤セミホットサポートとを含む混合物を作製し、動粘度を測定した。アスファルトとしては、実施例1と同じポリマー改質II型アスファルトを用いた。滑材系中温化剤セミホットサポートの添加量は、ポリマー改質II型アスファルト100質量部に対して、0.4質量部(実施例3)、0.8質量部(実施例4)、及び1.2質量部(実施例5)とした。表3にアスファルトの組成を示す。図4に動粘度の測定結果を示す。

0050

0051

図4に示されるように、滑材系中温化剤を含む実施例3〜5の高機能舗装II型用混合物に用いられるアスファルトの動粘度と、中温化剤を含まない比較例1の高機能舗装II型用混合物に用いられるアスファルトの動粘度とは、片対数グラフ上でほぼ同一直線状に位置する。このため、滑材系中温化剤を含む高機能舗装II型用混合物(実施例3〜5)に用いられるアスファルトは、中温化剤を含まない高機能舗装II型用混合物(比較例1)に用いられるアスファルトと同様の特性を有しており、滑材系中温化剤がアスファルトを改質しないことが分かった。

実施例

0052

以上、本発明を実施形態によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。

0053

本実施形態に係る高機能舗装II型用混合物は、例えば、高速道路等のアスファルト舗装道路の表層の原料として使用することができる。また、本実施形態に係る高機能II型舗装体は、例えば、高速道路等のアスファルト舗装道路の表層として使用することができる。

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