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技術 方向性電磁鋼板製造方法、方向性電磁鋼板製造装置、及び方向性電磁鋼板

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 濱村秀行今井浩文
出願日 2016年1月15日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2016-006559
公開日 2017年7月20日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2017-125250
状態 特許登録済
技術分野 電磁鋼板の製造 軟質磁性材料
主要キーワード 限界角度θ 材料表 円柱ミラー レーザビーム照射装置 各平面鏡 集光光学部品 限界角度 集光形状
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

方向性電磁鋼板に形成される凹溝が、長手方向端部から短い距離で定常深さに達することが可能な方向性電磁鋼板製造方法、方向性電磁鋼板製造装置、及び方向性電磁鋼板を提供すること。

解決手段

複数の凹溝Uを形成する方向性電磁鋼板製造装置であって、レーザビームLBを照射するレーザビーム照射装置11と、レーザビームLBをスキャンする多面体ポリゴンミラー12と、回転駆動部13と、前記多面体ポリゴンミラー12の回転角度を検出する回転位置検出センサ14と、制御部15とを備え、前記制御部15は、前記レーザビームLBの出力と前記多面体ポリゴンミラー12の回転速度を前記多面体ポリゴンミラー12の回転角度と対応させて、前記照射されたレーザビームLBのエネルギー密度特定範囲内に制御するように構成されていることを特徴とする。

概要

背景

周知のように、方向性電磁鋼板は、圧延方向に沿って磁化された磁区磁壁を挟んで複数配列された構造を有している。このような方向性電磁鋼板の鉄損を改善するために、方向性電磁鋼板材料の表面に歪みを導入することにより、磁区を細分化する技術が実用化されている。

しかしながら、例えば、巻き鉄芯の場合には、その製造工程で歪み取り焼鈍を行うことから、焼鈍の際に導入された歪みの効果が消失して、磁区を充分に細分化することは困難である。

そこで、方向性電磁鋼板の磁区を細分化し、ヒステリシス損失の増加を抑えたまま渦電流損失を低下させて鉄損を改善するために、方向性電磁鋼板材料にレーザビーム照射して方向性電磁鋼板の表面に凹溝を形成する技術が実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。

このように、レーザビームを照射して方向性電磁鋼板材料に凹溝を形成する場合、生産性の観点から、方向性電磁鋼板材料を通板しながらレーザビームを照射することが一般的であり、方向性電磁鋼板材料の幅方向に複数のレーザビーム照射装置を設置して、多面体ポリゴンミラーによって、通板方向と略直交する方向にレーザビームをスキャンさせながら通板中の方向性電磁鋼板材料の表面に、多数の微細な凹溝を形成する(例えば、特許文献2、3参照。)。

概要

方向性電磁鋼板に形成される凹溝が、長手方向端部から短い距離で定常深さに達することが可能な方向性電磁鋼板製造方法、方向性電磁鋼板製造装置、及び方向性電磁鋼板を提供すること。複数の凹溝Uを形成する方向性電磁鋼板製造装置であって、レーザビームLBを照射するレーザビーム照射装置11と、レーザビームLBをスキャンする多面体ポリゴンミラー12と、回転駆動部13と、前記多面体ポリゴンミラー12の回転角度を検出する回転位置検出センサ14と、制御部15とを備え、前記制御部15は、前記レーザビームLBの出力と前記多面体ポリゴンミラー12の回転速度を前記多面体ポリゴンミラー12の回転角度と対応させて、前記照射されたレーザビームLBのエネルギー密度特定範囲内に制御するように構成されていることを特徴とする。

目的

本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、方向性電磁鋼板に形成される凹溝が、凹溝の長手方向端部から短い距離で凹溝底部の定常深さに達することが可能な方向性電磁鋼板製造方法、方向性電磁鋼板製造装置、及び方向性電磁鋼板を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

方向性電磁鋼板材料に圧延方向と交差する方向に間隔をあけて複数の凹溝を形成して方向性電磁鋼板を製造する方向性電磁鋼板製造方法であって、前記方向性電磁鋼板材料の表面に回転する多面体ポリゴンミラーを介してレーザビームスキャンさせながら前記凹溝を形成する際に、前記レーザビームの出力と前記多面体ポリゴンミラーの回転速度の少なくともいずれか一方を前記多面体ポリゴンミラーの回転方向位置と対応させて制御して、照射される前記レーザビームの前記方向性電磁鋼板材料の表面におけるエネルギー密度特定範囲内に制御しながら前記凹溝を加工することを特徴とする方向性電磁鋼板製造方法。

請求項2

方向性電磁鋼板材料に圧延方向と交差する複数の凹溝を加工する方向性電磁鋼板製造装置であって、レーザビームを照射するレーザビーム照射部と、前記レーザビーム照射部が照射したレーザビームを前記方向性電磁鋼板材料の表面にスキャンする多面体ポリゴンミラーと、前記多面体ポリゴンミラーを回転させる回転駆動部と、前記多面体ポリゴンミラーの回転方向位置を検出する回転位置検出部と、前記レーザビーム照射部と前記回転駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記照射されるレーザビームの前記方向性電磁鋼板材料の表面におけるエネルギー密度が特定範囲内となるように、前記レーザビームの出力と前記多面体ポリゴンミラーの回転速度の少なくともいずれか一方を前記多面体ポリゴンミラーの回転方向位置と対応させて制御するように構成されていることを特徴とする方向性電磁鋼板製造装置。

請求項3

方向性電磁鋼板材料に圧延方向と交差する複数の凹溝が前記圧延方向に間隔をあけて形成された方向性電磁鋼板であって、前記方向性電磁鋼板材料の前記凹溝の端部における表面から定常深さの50%に到達するまでの前記表面に沿った長さが5.0mm以下に形成されていることを特徴とする方向性電磁鋼板。

技術分野

0001

本発明は、方向性電磁鋼板製造方法、方向性電磁鋼板製造装置、及び方向性電磁鋼板に関する。

背景技術

0002

周知のように、方向性電磁鋼板は、圧延方向に沿って磁化された磁区磁壁を挟んで複数配列された構造を有している。このような方向性電磁鋼板の鉄損を改善するために、方向性電磁鋼板材料の表面に歪みを導入することにより、磁区を細分化する技術が実用化されている。

0003

しかしながら、例えば、巻き鉄芯の場合には、その製造工程で歪み取り焼鈍を行うことから、焼鈍の際に導入された歪みの効果が消失して、磁区を充分に細分化することは困難である。

0004

そこで、方向性電磁鋼板の磁区を細分化し、ヒステリシス損失の増加を抑えたまま渦電流損失を低下させて鉄損を改善するために、方向性電磁鋼板材料にレーザビーム照射して方向性電磁鋼板の表面に凹溝を形成する技術が実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。

0005

このように、レーザビームを照射して方向性電磁鋼板材料に凹溝を形成する場合、生産性の観点から、方向性電磁鋼板材料を通板しながらレーザビームを照射することが一般的であり、方向性電磁鋼板材料の幅方向に複数のレーザビーム照射装置を設置して、多面体ポリゴンミラーによって、通板方向と略直交する方向にレーザビームをスキャンさせながら通板中の方向性電磁鋼板材料の表面に、多数の微細な凹溝を形成する(例えば、特許文献2、3参照。)。

先行技術

0006

特開平7−220913号公報
国際公開第2011/125672号
国際公開第2012/033197号

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、多面体ポリゴンミラーを用いてレーザビームをスキャンする場合、多面体ポリゴンミラーに入射されるレーザビームは点光源ではなく、所定の大きさを有していることから、図9Aに示すように、多面体ポリゴンミラーを構成する各平面鏡中央寄り反射されたレーザビームは方向性電磁鋼板材料の表面の一ケ所に集光されるものの、多面体ポリゴンミラーの角部(平面鏡の向きが変位する部分)で反射されたレーザビームは、隣接する二つのミラーのそれぞれに応じて分割して反射されてしまい、方向性電磁鋼板材料の表面に到達するレーザビームが分散してしまう。

0008

その結果、多面体ポリゴンミラーの角部近傍で反射されたレーザビームは、多面体ポリゴンミラーの各平面鏡の中央寄りで反射され一ケ所に集光されたレーザビームに比較して、エネルギー密度が実質的に小さくなり、図9Bに示すように、凹溝の深さが長手方向端部に近づくにつれて凹溝底部の定常深さに比較して次第に浅くなる傾向がある。

0009

その結果、図9Cに示すように、レーザビーム照射によって形成する凹溝の長手方向端部近傍をラップさせて、凹溝の深さ不足補完することにより鉄損を改善させる技術が用いられている。
しかしながら、凹溝の長手方向端部近傍をラップさせるためにはレーザビーム照射装置の設置台数の増加を招き、ひいては方向性電磁鋼板の製造コストが増大するという問題が生じる。

0010

本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、方向性電磁鋼板に形成される凹溝が、凹溝の長手方向端部から短い距離で凹溝底部の定常深さに達することが可能な方向性電磁鋼板製造方法、方向性電磁鋼板製造装置、及び方向性電磁鋼板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

そこで、本発明の発明者らは、方向性電磁鋼板材料の表面に凹溝が、多面体ポリゴンミラーの角部近傍で反射されたレーザビームによって形成される凹溝の長手方向端部近傍の深さを短い距離で凹溝底部の定常深さに到達させることが可能な方向性電磁鋼板の製造技術について鋭意研究した結果、多面体ポリゴンミラーの角部近傍で反射され方向性電磁鋼板材料の表面に到達する際のレーザビームのエネルギー密度を制御することによって実現可能であるとの知見を得た。

0012

上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、方向性電磁鋼板材料に圧延方向と交差する方向に間隔をあけて複数の凹溝を形成して方向性電磁鋼板を製造する方向性電磁鋼板製造方法であって、前記方向性電磁鋼板材料の表面に回転する多面体ポリゴンミラーを介してレーザビームをスキャンさせながら前記凹溝を形成する際に、前記レーザビームの出力と前記多面体ポリゴンミラーの回転速度の少なくともいずれか一方を前記多面体ポリゴンミラーの回転方向位置と対応させて制御して、前記照射されるレーザビームの前記方向性電磁鋼板材料の表面におけるエネルギー密度を特定範囲内に制御しながら前記凹溝を加工することを特徴とする。

0013

この発明に係る方向性電磁鋼板製造方法によれば、方向性電磁鋼板材料の表面に回転する多面体ポリゴンミラーを介してレーザビームをスキャンさせながら凹溝を形成する際に、レーザビームの出力と多面体ポリゴンミラーの回転速度の少なくともいずれか一方を多面体ポリゴンミラーの回転方向位置と対応させて制御することにより、照射されるレーザビームの方向性電磁鋼板材料の表面におけるエネルギー密度が特定範囲内に制御されるので、凹溝の長手方向における端部近傍目標凹溝深さ(例えば、凹溝底部の定常深さ)に形成することができる。
その結果、凹溝の長手方向における端部から短い距離で、凹溝底部の定常深さとすることができる。

0014

また、本発明において、例えば、多面体ポリゴンミラーの回転方向位置と対応させてレーザビームの出力を制御する場合には、通板速度が一定のままでも、凹溝の長さ方向端部近傍の延在方向に変化を与えることなく、凹溝の長手方向端部近傍に所望のエネルギー密度のレーザビームを照射することができ、その結果、凹溝の長手方向端部近傍における凹溝の深さを凹溝端部から短い距離で凹溝底部の定常深さに到達させることができる。

0015

また、本発明において、多面体ポリゴンミラーの回転方向位置と対応させて多面体ポリゴンミラーの回転速度を制御する場合には、レーザビームの出力を変えることなく、凹溝の長手方向端部近傍に所望のエネルギー密度のレーザビームを照射することができ、その結果、凹溝の長手方向端部近傍における凹溝の深さを凹溝端部から短い距離で凹溝底部の定常深さに到達させることができる。

0016

また、本発明において、多面体ポリゴンミラーの回転方向位置と対応させて、レーザビームの出力と多面体ポリゴンミラーの回転速度の双方を制御する場合には、凹溝の長手方向端部近傍に所望のエネルギー密度のレーザビームを効率的に照射することができ、その結果、凹溝の長手方向端部近傍における凹溝の深さを凹溝端部から短い距離で凹溝底部の定常深さに到達させることができる。

0017

この明細書においてエネルギー密度とは、レーザビームによる単位面積あたりのエネルギー照射量のことをいい、具体的には、レーザビーム出力を方向性電磁鋼板材料表面に形成された照射面積で除した値である。
そして、照射されるレーザビームの方向性電磁鋼板材料の表面におけるエネルギー密度を特定範囲内に制御するとは、多面体ポリゴンミラーの回転方向位置における対象範囲(エネルギー密度を調整しようとする対象範囲)内で、多面体ポリゴンミラーの回転方向位置に関係なく、方向性電磁鋼板材料の表面におけるレーザビームのエネルギー密度を、対象範囲内の各位置において予め設定した特定範囲内(上限と下限の間)に制御することをいう。
なお、レーザビームのエネルギー密度を特定範囲内に制御することには、エネルギー密度と一義的に対応するパラメータを特定範囲内に制御することを含むことはいうまでもない。
ここで、定常加工時におけるレーザビームのエネルギー密度は、レーザビーム出力を(スキャン速度×(照射ビーム直径)×(π/4))(=照射面積)で除した値となる。
換えると、照射されたレーザビームが平面鏡の角部近傍で分散して反射された場合に、凹溝加工予定部の対象とする部分(対象とするタイミング)に方向性電磁鋼板材料表面の到達するレーザビームのエネルギー密度、及び多面体ポリゴンミラーの一つの平面鏡で分割(又は分散)されることなく反射(全反射)されて方向性電磁鋼板材料の表面に到達する定常加工時のレーザビームのエネルギー密度を、ともに予め設定した特定範囲内(上限と下限の間)に制御することをいう。
なお、レーザビームのエネルギー密度を特定範囲内とする対象部分(回転方向位置の範囲)又はタイミング等は任意に設定することができる。すなわち、凹溝の長手方向における端部近傍のどの範囲を凹溝底部の定常深さとするか、又は端部近傍の深さをどのようなプロフィールとするかについては任意に設定することができる。

0018

また、この明細書において、凹溝端部とは、定常加工時のレーザビームのスキャン方向及びスキャン速度と方向性電磁鋼板材料の通板速度とに基づいて形成される方向性電磁鋼板の表面において凹溝の定常加工された部分が延在する方向における端部をいう。すなわち、凹溝の端部近傍が、凹溝が定常加工された部分の延在方向に対して変化する方向に形成されている場合には、凹溝が定常加工された方向において最も外方とされた部分を端部という。

0019

また、この明細書において、凹溝底部の定常深さとは、凹溝が定常加工された部分の深さを意味しており、凹溝底部の深さが一定でない場合は、例えば、凹溝底部において最も浅い部分の深さを意味するものとする。なお、凹溝底部の定常深さについては、凹溝底部の平均深さ、最大深さ、最小深さ等、任意に設定することができる。

0020

また、この明細書において、方向性電磁鋼板材料とは、凹溝が形成されていない方向性電磁鋼板の材料をいい、方向性電磁鋼板とは所定の範囲に凹溝が形成された製品としての方向性電磁鋼板をいう。
また、方向性電磁鋼板材料の一部に凹溝が加工された場合は、凹溝が加工されていない部分を方向性電磁鋼板材料とし、凹溝が加工された部分を方向性電磁鋼板として記載する場合があるものとする。

0021

請求項2に記載の発明は、方向性電磁鋼板材料に圧延方向と交差する複数の凹溝を加工する方向性電磁鋼板製造装置であって、レーザビームを照射するレーザビーム照射部と、前記レーザビーム照射部が照射したレーザビームを前記方向性電磁鋼板材料の表面にスキャンする多面体ポリゴンミラーと、前記多面体ポリゴンミラーを回転させる回転駆動部と、前記多面体ポリゴンミラーの回転方向位置を検出する回転位置検出部と、前記レーザビーム照射部と前記回転駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記照射されるレーザビームの前記方向性電磁鋼板材料の表面におけるエネルギー密度が特定範囲内となるように、前記レーザビームの出力と前記多面体ポリゴンミラーの回転速度の少なくともいずれか一方を前記多面体ポリゴンミラーの回転方向位置と対応させて制御するように構成されていることを特徴とする。

0022

この発明に係る方向性電磁鋼板製造装置によれば、レーザビーム照射部と、レーザビームを方向性電磁鋼板材料の表面にスキャンする多面体ポリゴンミラーと、多面体ポリゴンミラーを回転させる回転駆動部と、多面体ポリゴンミラーの回転方向位置を検出する回転位置検出部と、制御部とを備え、制御部が、方向性電磁鋼板材料の表面に照射されるレーザビームのエネルギー密度が特定範囲内となるように、レーザビームの出力と多面体ポリゴンミラーの回転速度の少なくともいずれか一方を、多面体ポリゴンミラーの回転方向位置と対応させて制御するように構成されているので、凹溝の長手方向端部まで凹溝底部の定常深さを加工するために必要なエネルギー密度が確保される。
その結果、凹溝の長手方向端部近傍における凹溝の深さを凹溝端部から短い距離で凹溝底部の定常深さに到達させることができる。
また、凹溝のラップ長さを小さくすることが可能となり、設置台数を少なくすることができる。

0023

請求項3に記載の発明は、方向性電磁鋼板材料に圧延方向と交差する複数の凹溝が前記圧延方向に間隔をあけて形成された方向性電磁鋼板であって、前記方向性電磁鋼板材料の前記凹溝の端部における表面から定常深さの50%に到達するまでの前記表面に沿った長さが5.0mm以下に形成されていることを特徴とする。

0024

この発明に係る方向性電磁鋼板によれば、方向性電磁鋼板材料の前記凹溝の端部における表面から定常深さの50%に到達するまでの前記表面に沿った長さが5.0mm以下に形成されているので、鉄損を効率的に改善して、凹溝のラップ長さを小さくすることができる。
その結果、凹溝のラップ長さを小さくすることが可能となり、設置台数を少なくすることができる。

発明の効果

0025

この発明に係る方向性電磁鋼板製造方法、方向性電磁鋼板製造装置によれば、凹溝の長手方向端部に所望の凹溝深さを加工するのに必要なレーザビームのエネルギー密度を確保することができる。また、凹溝の長手方向における端部から凹溝底部の定常深さに到達するまでの距離を短くすることができる。
この発明に係る方向性電磁鋼板によれば、鉄損を効率的に改善して、凹溝のラップ長さを小さくすることができる。

図面の簡単な説明

0026

本発明の第1実施形態に係る方向性電磁鋼板製造装置の概略構成の一例を説明する斜視図である。
本発明の第1実施形態に係る凹溝加工装置の概略構成の一例を説明する斜視図である。
本発明の第1実施形態に係る多面体ポリゴンミラーの概略構成を説明する図であり、(A)は多面体ポリゴンミラーを構成する平面鏡の回転方向基準位置に対する回転角を示す図であり、(B)は多面体ポリゴンミラーにおける全反射限界角度θcを説明する正面図であり、(C)は多面体ポリゴンミラーにおける全反射限界角度θcを説明する側面図である。
本発明の第1実施形態に係る方向性電磁鋼板製造装置の制御を説明する図であり、多面体ポリゴンミラーの回転方向位置とレーザビームの出力の関係の一例を示す図である。
本発明の第1実施形態に係る方向性電磁鋼板に形成された凹溝の概略構成を説明する図であり、凹溝の板厚方向における深さを凹溝の長手方向に沿って示した断面図である。
本発明の第1実施形態に係る方向性電磁鋼板に形成された凹溝の構成を説明する図であり、凹溝の長手方向における端部近傍の詳細を凹溝の長手方向に沿って示した断面図である。
本発明の第1実施形態に係る方向性電磁鋼板製造装置の効果を説明する図であり、板幅1200mmの方向性電磁鋼板を製造するのに必要な台数を、多面体ポリゴンミラーを構成する平面鏡の数に応じて示す図である。
本発明の第2実施形態に係る方向性電磁鋼板製造装置の制御を説明する図であり、多面体ポリゴンミラーの回転方向位置と多面体ポリゴンミラーの回転速度の関係の一例を説明する図である。
本発明の第2実施形態に係る方向性電磁鋼板に形成された凹溝の概略構成を説明する図であり、凹溝の板厚方向における深さを凹溝の長手方向に沿って示した断面図である。
本発明の第1実施形態に係る方向性電磁鋼板に形成された凹溝の構成を説明する図であり、凹溝の長手方向における端部近傍の詳細を凹溝の長手方向に沿って示した断面図である。
従来の方向性電磁鋼板製造装置の動作と問題点について説明する図である。
従来の方向性電磁鋼板製造装置によって製造された方向性電磁鋼板の凹溝の概略構成を説明する図である。
従来の方向性電磁鋼板製造装置によって製造された方向性電磁鋼板における凹溝の問題点について説明する図である。

実施例

0027

<第1実施形態>
以下、図1から図6を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る方向性電磁鋼板製造装置の概略構成の一例を説明する図である。図1において、符号1は方向性電磁鋼板製造装置を、符号10は凹溝加工装置を、符号20は通板装置を、符号Wは方向性電磁鋼板材料及び方向性電磁鋼板を示している。また、図2に示した符号Pは、凹溝Uと凹溝Uのピッチを示している。

0028

方向性電磁鋼板製造装置1は、図1図2に示すように、例えば、複数の凹溝加工装置10と、通板装置20とを備えている。
複数の凹溝加工装置10は、例えば、方向性電磁鋼板W材料に形成する凹溝の長さ及び位置に基づいて方向性電磁鋼板材料Wの幅方向位置、すなわち通板装置20の通板方向と略直交する方向の位置が設定されるとともに、凹溝加工装置10の寸法に基づいて通板方向位置が設定されている。

0029

通板装置20は、圧延された方向性電磁鋼板材料Wを長手方向(この実施例では、例えば、圧延方向)に沿って通板するようになっている。

0030

凹溝加工装置10は、例えば、図2に示すように、レーザビーム照射装置(レーザビーム照射部)11と、コリメータ11Aと、集光レンズ11Bと、多面体ポリゴンミラー12と、ポリゴンミラー駆動モータ(回転駆動部)13と、回転位置検出センサ(回転位置検出部)14と、制御部15とを備えている。

0031

レーザビーム照射装置11は、制御部15の指示よって、指示に応じた出力のレーザビームLBを照射するようになっている。
レーザビーム照射装置11は、例えば、連続照射方式、パルス照射方式のいずれを用いることも可能である。

0032

コリメータ11Aは、レーザビーム照射装置11が照射したレーザビームLBの半径を調整するようになっている。

0033

集光レンズ11Bは、多面体ポリゴンミラー12によってスキャンされたレーザビームLBを、方向性電磁鋼板材料Wの表面に集光させて、照射されたレーザビームLBが凹溝Uを加工するのに適した所望のエネルギー密度とするようになっている。

0034

多面体ポリゴンミラー12は、ポリゴン外接半径Rに応じて配置された複数(N)枚の平面鏡を備えており、このN枚の平面鏡は、回転軸O1周りに等間隔(360°/N 間隔)で配置されている。

0035

また、多面体ポリゴンミラー12を構成するN枚の平面鏡は、回転軸O1周りに回転可能とされていて、それぞれの平面鏡は照射されたレーザビームLBを反射して、多面体ポリゴンミラー12の回転角度(回転方向位置)に対応して反射されたレーザビームLBを順次向きを変えることにより、方向性電磁鋼板材料Wの表面にレーザビームLBをスキャンするようになっている。
この実施の形態では、多面体ポリゴンミラー12は、例えば、8枚の平面鏡を備えている。

0036

ポリゴンミラー駆動モータ13は、多面体ポリゴンミラー12と連結されていて、制御部15からの指示に基づいて、多面体ポリゴンミラー12を回転駆動するようになっている。
また、ポリゴンミラー駆動モータ13は、制御部15の指示に基づいて回転数(回転速度)を変えることが可能とされている。

0037

回転位置検出センサ14は、例えば、ポリゴンミラー駆動モータ13の駆動軸と連結されていて、ポリゴンミラー駆動モータ30を介して多面体ポリゴンミラー12の回転角度(回転方向位置)を検出するようになっている。

0038

制御部15は、レーザビーム照射装置11、ポリゴンミラー駆動モータ13、回転位置検出センサ14と通板装置20と接続されており、回転位置検出センサ14から多面体ポリゴンミラー12の回転角度信号(回転方向位置信号)が、通板装置20から通板速度信号が入力されるとともに、レーザビーム照射装置11、ポリゴンミラー駆動モータ13に信号を出力するようになっている。

0039

第1実施形態では、制御部15は、例えば、多面体ポリゴンミラー12の回転角度に基づいて、レーザビームLBの出力を算出し、レーザビーム照射装置11に照射するレーザビームLBの出力を指示するようになっている。

0040

具体的には、例えば、回転位置検出センサ14から入力された多面体ポリゴンミラー12の回転角度θを算出し、算出した多面体ポリゴンミラー12の回転角度θに基づいてレーザビームLBの出力を算出し、レーザビーム照射装置11に対し指示するようになっている。

0041

以下、図3を参照して、制御部15における多面体ポリゴンミラー12の回転角度の算出について説明する。
図3は、第1実施形態に係る多面体ポリゴンミラー12の概略構成を説明する図であり、図3(A)は、多面体ポリゴンミラー12を構成する平面鏡の回転角度の基準位置と回転角度の関係を示す図であり、図3(B)は、多面体ポリゴンミラーにおける全反射限界角度θcを説明する正面図であり、図3(C)は、多面体ポリゴンミラーにおける全反射限界角度θcを説明する側面図である。全反射限界角度θcは、定常加工に適用される範囲である。

0042

制御部15における多面体ポリゴンミラー12の回転角度θ°は、例えば、回転位置検出センサ14から入力された回転角度信号に基づいて、レーザビームLBを反射する平面鏡の基準(θ=0°)に対する回転角に基づいて算出する。

0043

すなわち、図3(A)に示すように、回転軸O1から平面鏡の(回転方向の中央)に垂線を下した位置を回転角度の基準(回転角度θ=0°)とし、この基準(θ=0°)に対する多面体ポリゴンミラー12の回転角度θ°によって平面鏡の向きを算出する。

0044

図3(A)に示した(θ=180°/N)は、1枚の平面鏡における基準(θ=0°)から角部までの回転角度を示しており、θ=(180°/N)を超えると、回転方向後方側(又は前方側)の平面鏡で反射することとなる。

0045

次に、各平面鏡における全反射限界角度θcについて説明する。
各平面鏡における全反射限界角度θcは、例えば、図3(B)、図3(C)に示すように、照射されたレーザビームLBが角部で分散(分割)されることなく一つの平面鏡で全反射されるときに、レーザビームLBの焦点の中心が位置される最大の角度を意味している。ここで、φは平面鏡におけるレーザビームLBの半径である。

0046

次いで、回転角度θと対応するレーザビームLBの出力について説明する。
第1実施形態においては、各平面鏡における全反射限界角度θcの範囲内でのエネルギー密度に、θcの範囲外においても合わせるようにする。このためのレーザビームLBの出力は、回転角度θを〔数式1〕に代入して算出する。
なお、対象とするレーザビームLBは集光形状が丸とし、回転角度θは、凹溝Uのプロフィールに基づいて任意に設定することができる。
〔数式1〕
(−θc)<θ<(+θc)の範囲では
レーザビーム出力P(θ)=P0
(−180/N)≦θ≦(−θc)及び(+θc)≦θ≦(180/N)の範囲では
レーザビーム出力P(θ)=P0+{P0/〔(180/N)−θc〕×(|θ|−θc)}
ここで、
平面鏡の回転角度θにおけるレーザビーム出力:P(θ)
定常時のレーザビーム出力:P0
多面体ポリゴンミラーに入射するビームの半径:φ
多面体ポリゴンミラーを構成する平面鏡の数(面数):N
ポリゴン外接半径:R
多面体ポリゴンミラーの一面でレーザビームを全反射可能な全反射限界角度:θc
ただし、θc=sin−1[2×R×sin(360/N)−φ]/R であり、レーザビームを多面体ポリゴンミラーを構成する1つの平面鏡によって全反射することが可能な限界の角度(中心角)で示される。

0047

八面体ポリゴンミラーへの適用例〕
以下、第1実施形態を八面体ポリゴンミラー(N=8)に適用する場合のレーザビームの照射条件の一例について説明する。
<照射条件>
定常時のレーザビーム出力:P0=1000W
八面体ポリゴンミラーに入射するビームの半径:φ=10mm
八面体ポリゴンミラーを構成する平面鏡の数(面数):N=8
ポリゴン外接半径:R=75mm
全反射限界角度:θc=14.4(°)
定常時のポリゴンミラーの回転速度V0=800rpm(800×360(°/分)
焦点距離f=200mm
定常加工時に方向性電磁鋼板Wに照射されるレーザビームの直径0.03mm
照射ピッチ5mm
レーザビーム照射長さL=312mm
スキャン速度33.3m/s
定常加工時のエネルギー密度1.27J/mm2

0048

第1実施形態に係るレーザビームLBの出力は、図4に示すとおりであり、数式に示すと以下のとおりである。図4は、八面体ポリゴンミラーの回転角度θ°とレーザビームの出力の関係を示す図である。

0049

(−14.4°)<θ<(+14.4°)の範囲
レーザビーム出力P(θ)=P0=1000W
(−22.5°)≦θ≦(−14.4°) 及び(+14.4°)≦θ≦(+22.5°)の範囲
レーザビーム出力P=1000+{123.5×(|θ|−14.4)}

0050

その結果、図5A図5Bに示すプロフィールを備えた凹溝Uを加工することができる。図5Aは、第1実施形態に係る方向性電磁鋼板Wに形成された凹溝Uの概略構成を説明する図であり、図5Bは、凹溝Uの長手方向における端部近傍の詳細を示す図である。

0051

<凹溝の形態>
凹溝Uの端部から端部までの長さ(=レーザビーム照射長さ)L=312mm)
凹溝Uの定常深さHの50%以上(=D)である底部の長さL0=302mm
凹溝底部の定常深さ(凹溝底部を100%とした場合の深さ)H=30μm
凹溝の端部から凹溝の端部における表面から定常深さの50%の深さD(=H/2)=15μm
その結果、凹溝Uの端部から定常深さの50%の深さD(=H/2)に到達するまでの長さ=((L−L0)/2)≦5.0mm

0052

以上のように、従来の方向性電磁鋼板Wに比較して、長さ方向端部から定常深さである底部までの長さを大幅に短くすることができる。
その結果、方向性電磁鋼板Wの鉄損を改善することができ、凹溝Uをラップ量≦5mmとすることができる。

0053

また、図6に示すように、方向性電磁鋼板製造装置に設置する凹溝加工装置10の設置台数を大幅に削減することができる。図6は、第1実施形態に係る方向性電磁鋼板製造装置の効果を説明する図であり、板幅1200mmの方向性電磁鋼板材料Wを加工する場合の、多面体ポリゴンミラーの平面鏡の面数と、凹溝加工装置10の設置台数の関係を示す図である。

0054

図6に示すように、第1実施形態に係る方向性電磁鋼板製造装置1によれば、八面体ポリゴンミラーを備えた凹溝加工装置11が、1台当り20mmの改善が可能であるとすると、従前の八面体ポリゴンミラーを備えた凹溝加工装置1では5台が必要とされていた凹溝加工装置10の設置台数を4台に削減することができ、24面体ポリゴンミラーの場合には、従前16台が必要とされていた設置台数を13台に削減することができる。以上のように、ポリゴン面数が多くなるほど、その効果は大きくなる。

0055

第1実施形態に係る方向性電磁鋼板製造方法、方向性電磁鋼板製造装置1によれば、多面体ポリゴンミラー12の回転角度θと対応させてレーザビームLBの出力を制御するので、通板速度が一定のままでも、凹溝Uの長さ方向端部近傍の延在方向に変化を与えることなく、凹溝Uの端部近傍に所望のエネルギー密度のレーザビームLBを照射することができる。
その結果、凹溝Uの長手方向端部近傍における凹溝Uの深さを凹溝端部から短い距離で凹溝底部の定常深さに到達させることができる。すなわち、凹溝Uにおける定常深さの底部を長くすることができる。

0056

また、第1実施形態に係る方向性電磁鋼板Wによれば、方向性電磁鋼板材料の前記凹溝の端部における表面から定常深さの50%に到達するまでの前記表面に沿った長さが5.0mm以下に形成することができるので、鉄損を効率的に改善することができる。

0057

<第2実施形態>
次に、図1図2図7図8A図8Bを参照して、本発明の第2実施形態に係る方向性電磁鋼板製造装置について説明する。

0058

第2実施形態に係る方向性電磁鋼板製造装置1Aは、例えば、複数の凹溝加工装置10Aと、通板装置20とを備えている。
凹溝加工装置10Aは、例えば、レーザビーム照射装置(レーザビーム照射部)11と、多面体ポリゴンミラー12と、ポリゴンミラー駆動モータ(回転駆動部)13と、回転位置検出センサ(回転位置検出部)14と、制御部15Aとを備えている。第2実施形態に係る方向性電磁鋼板製造装置1Aが第1実施形態と異なるのは、凹溝加工装置10Aが制御部15に代えて制御部15Aを備えている点であり、その他は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。

0059

制御部15Aは、レーザビーム照射装置11、ポリゴンミラー駆動モータ13、回転位置検出センサ14と通板装置20と接続されており、回転位置検出センサ14から多面体ポリゴンミラー12の回転角度信号(回転方向位置信号)が、通板装置20から通板速度信号が入力されるとともに、レーザビーム照射装置11、ポリゴンミラー駆動モータ13に信号を出力するようになっている。

0060

第2実施形態では、制御部15Aは、例えば、多面体ポリゴンミラー12の回転角度に基づいて、ポリゴンミラー駆動モータ13の回転速度(回転数)を制御するように構成されている。

0061

具体的には、例えば、回転位置検出センサ14から入力された多面体ポリゴンミラー12の回転角度(回転方向位置)θを算出し、多面体ポリゴンミラー12の回転角度θに基づいて、多面体ポリゴンミラー12の回転速度を算出して、ポリゴンミラー駆動モータ13に指示するようになっている。

0062

次いで、各平面鏡における全反射限界角度θcの範囲内でのエネルギー密度に、θcの範囲外においても合わせるようにするための、回転角度θと対応するポリゴンミラー駆動モータ13の回転速度について説明する。
ポリゴンミラー駆動モータ13の回転速度は、回転角度θを〔数式2〕に代入して算出する。
なお、対象とする回転角度θは、凹溝Uのプロフィールに基づいて任意に設定することができる。
〔数式2〕
(−θc)<θ<(+θc)の範囲では
V(θ)=V0
(−180/N)≦θ≦(−θc)及び(+θc)≦θ≦(180/N)の範囲では
V(θ)=V0+{V0/[(180°/N)−θc]×(θ−θc)}
で表される。
ここで、
平面鏡の回転角度θにおける多面体ポリゴンミラーの回転速度:V(θ)
定常時の多面体ポリゴンミラーの回転速度:V0
多面体ポリゴンミラーに入射するビームの半径:φ
多面体ポリゴンミラーを構成する平面鏡の数(面数):N
ポリゴン外接半径:R
多面体ポリゴンミラーの一面でレーザビームを全反射可能な全反射限界角度:θc
ただし、θc=sin−1[2×R×sin(360/N)−φ]/R であり、レーザビームを多面体ポリゴンミラーを構成する1つの平面鏡によって全反射することが可能な限界の角度(中心角)で示される。

0063

〔八面体ポリゴンミラーへの適用例〕
以下、第2実施形態を八面体ポリゴンミラー(N=8)に適用する場合のレーザビームの照射条件の一例を示す。
<照射条件>
定常時のレーザビーム出力:P0=1000W
八面体ポリゴンミラーに入射するビームの半径:φ=10mm
八面体ポリゴンミラーを構成する平面鏡の数(面数):N=8
ポリゴン外接半径:R=75mm
全反射限界角度:θc=14.4(°)
定常時のポリゴンミラーの回転速度V0=800rpm(800×360(°/分)
焦点距離f=200mm
定常加工時に方向性電磁鋼板Wに照射されるレーザビームの直径0.03mm
照射ピッチ5mm、
レーザビーム照射長さL=312mm
スキャン速度33.3m/s
定常加工時のエネルギー密度1.27J/mm2

0064

第2実施形態に係る八面体ポリゴンミラー12の回転速度V(θ)は、図7に示すとおりであり、以下の数式により示される。図7は、八面体ポリゴンミラーの回転角度θ°と八面体ポリゴンミラー12の回転速度V(θ)の関係を示す図である。

0065

(−14.4°)<θ<(+14.4°)の範囲では
V(θ)=V0=800rpm
(−22.5°)≦θ≦(−14.4°)及び(+14.4°)≦θ≦(+22.5°)の範囲では
V(θ)=800+{123.5×(|θ|−14.4)}
である。

0066

その結果、図8A図8Bに示すプロフィールを備えた凹溝Uを加工することができる。図8Aは、第2実施形態に係る方向性電磁鋼板Wに形成された凹溝Uの概略構成を説明する図であり、図8Bは、凹溝Uの長手方向における端部近傍の詳細を示す図である。

0067

<凹溝の形態>
凹溝Uの端部から端部までの長さ(=レーザビーム照射長さ)L=312mm)
凹溝Uの定常深さHの50%以上(=D)である底部の長さL0=302mm
凹溝底部の定常深さ(凹溝底部を100%とした場合の深さ)H=30μm
凹溝の端部から凹溝の端部における表面から定常深さの50%の深さD(=H/2)=15μm
その結果、凹溝Uの端部から定常深さの50%の深さD(=H/2)に到達するまでの長さ=((L−L0)/2)≦5.0mm

0068

以上のように、従来の方向性電磁鋼板Wに比較して、長さ方向端部から定常深さである底部までの長さを大幅に短くすることができる。
その結果、方向性電磁鋼板Wの鉄損を改善することができ、凹溝Uをラップ量≦5.0mmにでき、鉄損を効率的に改善することができる。

0069

第2実施形態に係る方向性電磁鋼板製造方法、方向性電磁鋼板製造装置1Aによれば、多面体ポリゴンミラー12の回転角度θと対応させて多面体ポリゴンミラー12の回転速度V(θ)を制御するので、レーザビームLBの出力を変えることなく、凹溝Uの端部近傍に所望のエネルギー密度のレーザビームLBを照射することができる。

0070

その結果、凹溝Uの長手方向端部近傍における凹溝Uの深さを凹溝端部から短い距離で凹溝底部の定常深さに到達させることができる。すなわち、凹溝Uにおける定常深さの底部を長くすることができる。

0071

また、第2実施形態に係る方向性電磁鋼板Wによれば、凹溝Uの端部における表面から凹溝Uの定常深さの50%に到達するまでの表面に沿った長さが5.0mm以下に形成することができるので、鉄損を効率的に改善することができる。

0072

なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。

0073

例えば、第1実施形態においては、多面体ポリゴンミラー12の回転角度θと対応させてレーザビームの出力P(θ)を制御し、第2実施形態においては、多面体ポリゴンミラー12の回転角度θと対応させて多面体ポリゴンミラー12の回転速度V(θ)を制御する場合について説明したが、例えば、多面体ポリゴンミラー12の回転角度θと対応させて、レーザビームの出力P(θ)及び多面体ポリゴンミラー12の回転速度V(θ)の双方を制御して、方向性電磁鋼板材料Wの表面に照射されるレーザビームLBのエネルギー密度を特定範囲内に制御する構成としてもよい。

0074

また、一実施形態においては、レーザ溝加工装置10を構成する集光光学部品として集光レンズ11Bを用いる場合について説明したが、集光レンズ11Bに代えて、ミラーを用いてもよい。

0075

また、一実施形態においては、レーザビームLBの集光形状を丸である場合について説明したが、例えば、コリメータ11Aとポリゴンミラー12の間に円柱レンズあるいは円柱ミラーを挿入して、一軸(例えばスキャン方向径)のビーム半径を変更することにより、集光形状を楕円にして適用してもよい。

0076

この発明に係る方向性電磁鋼板製造方法、方向性電磁鋼板製造装置、及び方向性電磁鋼板によれば、方向性電磁鋼板に形成される凹溝が、凹溝の長手方向端部から短い距離で凹溝底部の定常深さに達することができるので、産業利用可能である。

0077

W方向性電磁鋼板材料、方向性電磁鋼板
U凹溝
1方向性電磁鋼板製造装置
10 凹溝加工装置
11レーザビーム照射装置(レーザビーム照射部)
11Aコリメータ
11B集光レンズ(集光光学部品)
12多面体ポリゴンミラー
13ポリゴンミラー駆動モータ(回転駆動部))
14回転位置検出センサ(回転方向位置検出部)
15 制御部

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