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技術 石炭の評価方法及びコークスの製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 土肥勇介深田喜代志松井貴永山幹也南里功美花田一利
出願日 2017年3月16日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2017-050781
公開日 2017年7月20日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-125206
状態 特許登録済
技術分野 コークス工業
主要キーワード 浸透距離 軟化溶融状態 回転強度試験 追加試験 石炭試料 コークス用原料 複数銘柄 全膨張率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月20日)のものです。
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図面 (9)

課題

軟化溶融特性の評価が難しかった石炭(特に非微粘結炭)の軟化溶融特性を確実に測定し、測定対象の石炭(特に非微粘結炭)を配合炭に使用した際に、コークス強度を大きく低下させないかを評価する方法を提供する。

解決手段

本発明の非微粘結炭の評価方法は、コークス用原料として用いられる非微粘結炭の評価方法であって、芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物が添加されて軟化溶融特性が向上した非微粘結炭の前記軟化溶融特性に関する物性値指標として、前記非微粘結炭のコークス強度に対する影響を評価する。

概要

背景

高炉装入されるコークスは高強度であることが求められる。よって、コークス用原料として、粘結性が高い石炭を使用することが望ましい。しかしながら、粘結性が高い石炭のみが採掘されることはなく、粘結性が低い石炭も採掘される。よって、性質の異なる複数種類銘柄)の石炭を配合して配合炭を作製し、該配合炭をコークス用原料とすることが通常である。石炭の粘結性とは、石炭が乾留される際に溶けて固まる性質であり、コークスを製造するうえで不可欠な性質である。粘結性は、石炭が軟化溶融した際の特性によって決定されることから、或る銘柄の石炭がコークス用原料として適しているか否かを評価する場合、石炭の軟化溶融特性に関する値(測定値推定値)を指標にすることが有効となる。

粘結性が高い石炭は価格が高く、粘結性が低い石炭は価格が低い場合が多いので、コークス用原料に、いわゆる非微粘結炭を積極的に使用することが原料コストを抑える点で有効である。しかしながら、非微粘結炭をコークス用原料として使用可能であるか評価すべきところ、その評価は容易ではない。なぜならば、非微粘結炭は、粘結性が低い(または無い)ので、JIS M 8801に規定されるギーセラープラストメータ法による石炭流動性試験方法やジラトメータ法などの粘結炭の粘結性を評価する方法では、非微粘結炭の軟化溶融特性に関する値を測定し難い(またはできない)からである。

上述の背景から、非微粘結炭の軟化溶融特性を測定(評価)する方法が開発されてきた。例えば、特許文献1及び特許文献2には、昇温速度の増加に伴い石炭の流動性が増加することを利用し、昇温速度をJIS M 8801で規定された3℃/分よりも速い5℃/分以上に設定した条件下でギーセラープラストメータ法による流動性測定を行うことが記載されている。特に、特許文献2では、昇温速度を速めて測定した非微粘結炭の最高流動度MF)と、該非微粘結炭を配合して作製した配合炭を乾留して得たコークスのCSR(熱間CO2反応後強度)との間に、良好な相関関係成立することから、特許文献2で提案する方法が、非微粘結炭がコークス用原料として使用可能であるかについての評価に有効であることが記載されている。

特許文献3には、非粘結炭の軟化溶融特性に関する値として、見掛け流動度推定する方法が記載されている。この方法では、粘結炭の流動度Aを測定し、非粘結炭と粘結炭とを含む配合炭の流動度Bを測定し、流動度Aに加えると、流動度Bとなるような見掛けの流動度Dを、非粘結炭の軟化溶融特性に関する値と推定する旨が記載されている。

概要

軟化溶融特性の評価が難しかった石炭(特に非微粘結炭)の軟化溶融特性を確実に測定し、測定対象の石炭(特に非微粘結炭)を配合炭に使用した際に、コークス強度を大きく低下させないかを評価する方法を提供する。 本発明の非微粘結炭の評価方法は、コークス用原料として用いられる非微粘結炭の評価方法であって、芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物が添加されて軟化溶融特性が向上した非微粘結炭の前記軟化溶融特性に関する物性値を指標として、前記非微粘結炭のコークス強度に対する影響を評価する。

目的

本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来から軟化溶融特性の評価が難しかった石炭(特に非微粘結炭)の軟化溶融特性を確実に測定し、測定対象の石炭を配合炭に使用した際に、コークス強度を大きく低下させないかを評価する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コークス用原料として用いられる非微粘結炭評価方法であって、芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物が添加されて軟化溶融特性が向上した非微粘結炭の前記軟化溶融特性に関する物性値指標として、前記非微粘結炭のコークス強度に対する影響を評価する、非微粘結炭の評価方法。

請求項2

前記アミン系化合物が添加される前の前記非微粘結炭はギーセラー最高流動度MFが20ddpm以下である、請求項1に記載の非微粘結炭の評価方法。

請求項3

前記アミン系化合物はN,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンである、請求項1または請求項2に記載の非微粘結炭の評価方法。

請求項4

複数銘柄の非微粘結炭の各々について、芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物が添加されて軟化溶融特性が向上した非微粘結炭の前記軟化溶融特性に関する測定された物性値と、該物性値が測定された非微粘結炭を含む配合炭乾留して得られるコークスのコークス強度と、が得られており、前記物性値と前記コークス強度との関係式から、コークス強度の目標値に対応する物性値を特定し、特定した値以上の物性値が測定される非微粘結炭をコークス用原料として使用可能と評価する、非微粘結炭の評価方法。

請求項5

前記アミン系化合物が添加される前の非微粘結炭はギーセラー最高流動度MFが20ddpm以下である、請求項4に記載の非微粘結炭の評価方法。

請求項6

前記アミン系化合物はN,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンである、請求項4または請求項5に記載の非微粘結炭の評価方法。

請求項7

請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の非微粘結炭の評価方法を用いたコークスの製造方法であって、使用可能と評価された非微粘結炭を含む配合炭を乾留してコークスを製造する、コークスの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、コークス用原料として用いられる石炭評価方法、及び、該評価方法で評価された石炭を含む配合炭乾留してコークスを製造するコークスの製造方法に関する。

背景技術

0002

高炉装入されるコークスは高強度であることが求められる。よって、コークス用原料として、粘結性が高い石炭を使用することが望ましい。しかしながら、粘結性が高い石炭のみが採掘されることはなく、粘結性が低い石炭も採掘される。よって、性質の異なる複数種類銘柄)の石炭を配合して配合炭を作製し、該配合炭をコークス用原料とすることが通常である。石炭の粘結性とは、石炭が乾留される際に溶けて固まる性質であり、コークスを製造するうえで不可欠な性質である。粘結性は、石炭が軟化溶融した際の特性によって決定されることから、或る銘柄の石炭がコークス用原料として適しているか否かを評価する場合、石炭の軟化溶融特性に関する値(測定値推定値)を指標にすることが有効となる。

0003

粘結性が高い石炭は価格が高く、粘結性が低い石炭は価格が低い場合が多いので、コークス用原料に、いわゆる非微粘結炭を積極的に使用することが原料コストを抑える点で有効である。しかしながら、非微粘結炭をコークス用原料として使用可能であるか評価すべきところ、その評価は容易ではない。なぜならば、非微粘結炭は、粘結性が低い(または無い)ので、JIS M 8801に規定されるギーセラープラストメータ法による石炭流動性試験方法やジラトメータ法などの粘結炭の粘結性を評価する方法では、非微粘結炭の軟化溶融特性に関する値を測定し難い(またはできない)からである。

0004

上述の背景から、非微粘結炭の軟化溶融特性を測定(評価)する方法が開発されてきた。例えば、特許文献1及び特許文献2には、昇温速度の増加に伴い石炭の流動性が増加することを利用し、昇温速度をJIS M 8801で規定された3℃/分よりも速い5℃/分以上に設定した条件下でギーセラープラストメータ法による流動性測定を行うことが記載されている。特に、特許文献2では、昇温速度を速めて測定した非微粘結炭の最高流動度MF)と、該非微粘結炭を配合して作製した配合炭を乾留して得たコークスのCSR(熱間CO2反応後強度)との間に、良好な相関関係成立することから、特許文献2で提案する方法が、非微粘結炭がコークス用原料として使用可能であるかについての評価に有効であることが記載されている。

0005

特許文献3には、非粘結炭の軟化溶融特性に関する値として、見掛け流動度推定する方法が記載されている。この方法では、粘結炭の流動度Aを測定し、非粘結炭と粘結炭とを含む配合炭の流動度Bを測定し、流動度Aに加えると、流動度Bとなるような見掛けの流動度Dを、非粘結炭の軟化溶融特性に関する値と推定する旨が記載されている。

先行技術

0006

特開昭62−285051号公報
特開2000−73070号公報
特開平3−9991号公報
特開2014−43545号公報

発明が解決しようとする課題

0007

昇温速度を高めてギーセラープラストメータ法による流動性測定を行う特許文献1及び特許文献2に記載されている方法は、簡便であるが、測定値とコークス強度との関係の整合性疑問が残る。特許文献1には、昇温速度を高めたギーセラープラストメータ法により測定した流動性とコークス強度との関係は記載されていない。特許文献2には、昇温速度を速めて測定した非微粘結炭のMFと、該非微粘結炭を、非微粘結炭を除く石炭(以下適宜「残部石炭」)に外枠で配合して作製した配合炭を乾留して得たコークスのCSR(熱間CO2反応後強度)との間に、良好な相関関係が成立することが記載されてはいる。しかし、例示されている実施例中の非微粘結炭は、石炭化度ビトリニット平均最大反射率Ro)が0.96〜1.16の瀝青炭であり、極めて限定的で、瀝青炭以外の非微粘結炭に対しても同様に、非微粘結炭のMFとコークスの強度とに良好な相関関係が成立するかは不明である。

0008

特許文献3に記載の方法によって、非微粘結炭について見掛けの流動度を推定し、見掛けの流動度が高い非微粘結炭をコークス原料として使用可能と評価し、その非微粘結炭を配合炭に含めたとしても、その配合炭を乾留して得たコークスの強度と、見掛けの流動度との関係は明確でなく、非微粘結炭が、コークス強度を大きく低下させることがなく、コークス用原料として使用可能であるかの評価に有効であるか明確ではない。特許文献3に記載の非粘結炭の見掛けの流動度を推定する方法は、配合炭の流動性に、石炭間の相互作用が影響することが知られているため、非粘結炭と組合せる粘結炭の銘柄によって、非粘結炭の流動性の推定値が変化し、前記評価には有効でない可能性もある。

0009

特許文献4には、コークス用原料として用いる石炭に、芳香環を有する1級もしくは2級のアミン系化合物を添加することで、石炭の流動性が向上することが開示されている。しかしながら、特許文献4は非微粘結炭の軟化溶融特性を評価する技術に関していない。

0010

本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来から軟化溶融特性の評価が難しかった石炭(特に非微粘結炭)の軟化溶融特性を確実に測定し、測定対象の石炭を配合炭に使用した際に、コークス強度を大きく低下させないかを評価する方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
(1)コークス用原料として用いられる石炭の評価方法であって、芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物が添加されて軟化溶融特性が向上した石炭の前記軟化溶融特性に関する物性値を指標として、前記石炭を評価する、石炭の評価方法。
(2)前記アミン系化合物が添加される前の前記石炭はギーセラー最高流動度MFが20ddpm以下である、上記(1)に記載の石炭の評価方法。
(3)前記アミン系化合物はN,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンである、上記(1)または上記(2)に記載の石炭の評価方法。
(4)複数銘柄の石炭の各々について、測定された物性値と、該物性値が測定された石炭を含む配合炭を乾留して得られるコークスのコークス強度と、が得られており、前記物性値と前記コークス強度との関係式から、コークス強度の目標値に対応する物性値を特定し、特定した値以上の物性値が測定される石炭をコークス用原料として使用可能と評価する、上記(1)ないし上記(3)のいずれか1項に記載の石炭の評価方法。
(5)上記(4)に記載の石炭の評価方法を用いたコークスの製造方法であって、使用可能と評価された石炭を含む配合炭を乾留してコークスを製造する、コークスの製造方法。

発明の効果

0012

本発明によれば、配合炭のうち、コークス強度を高位に保ち得る石炭(特に非微粘結炭)を評価することが可能となる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、評価対象の石炭のギーセラー最高流動度MFの常用対数値(log MF[log ddpm])と、配合炭から評価対象の石炭を除いた残部石炭のみから得られるコークスのドラム強度から、評価対象の石炭を含む配合炭から得られたコークスのドラム強度を減算して算出される差分ΔDI(DI(150/50)[−])と、の関係を示すグラフである。
図2は、昇温速度を高めた測定による石炭のlog MFとΔDIとの関係を示すグラフである。
図3は、配合炭中の評価対象の石炭の配合率[質量%]と配合炭のlog MFとの関係を示すグラフである。
図4は、図3のグラフに基づいて推定した評価対象の石炭のlog MF(推定log MF)とΔDIとの関係を示すグラフである。
図5は、ピッチが添加された評価対象の石炭のlog MFとΔDIとの関係を示すグラフである。
図6は、アミン系化合物が添加された評価対象の石炭のlog MFとΔDIとの関係を示すグラフである。
図7は、配合炭中の評価対象の石炭のlog MFとΔDIとの関係を示すグラフである。
図8は、アミン系化合物が添加された評価対象の石炭のlog MFとΔDIとの関係を示すグラフである。

実施例

0014

まずは、従来技術を用いた場合における、非微粘結炭の軟化溶融特性を測定することの困難さ及び非微粘結炭がコークス強度を高位に保つ石炭であるかを評価することの困難さについて説明する。

0015

評価対象の非微粘結炭の一例として、4種類の石炭(石炭A〜D)を準備し、石炭A〜Dについて、ビトリニット平均最大反射率Ro、揮発分VM及びギーセラー最高流動度MFを測定した。ビトリニット平均最大反射率Roは、JIS M 8816に規定される方法で求め、揮発分VMは、JIS M 8812に規定される方法で測定した。ギーセラー最高流動度MFは、JIS M 8801に規定される方法で求めた。石炭A〜DのRo[%]、VM[%乾燥基準]及びMF[ddpm]を表1に示す。表1のギーセラー最高流動度MFからわかるように、石炭A、石炭B及び石炭Dは非粘結炭であり、石炭Cは微粘結炭である。

0016

0017

非微粘結炭(石炭A〜D)が配合炭に含まれる場合における、コークスの強度に対する非微粘結炭の影響を、乾留試験炉を用いて調査した。配合炭中の非微粘結炭の配合率を20質量%とし、残部石炭は、各銘柄のRoの各銘柄の配合割合を重みとする加重平均値が1.03、MFの常用対数値(log MF)の平均(各銘柄の配合割合を重みとする加重平均値)が2.3である石炭(残部石炭)を準備し、石炭A〜Dの各々と残部石炭とを混合して、4種類の配合炭を作製した。

0018

配合炭の嵩密度乾燥重量基準)は、930kg/m3となるように乾留缶充填した。ここで、石炭をコークス炉炭化室の上部から装炭する一般的なコークス炉操業において、装炭後の石炭の嵩密度は700〜800kg/m3程度であるが、本乾留試験では、配合炭による違いを際立たせるために、高めの嵩密度の条件を採用して試験を行った。なお、実コークス炉においても、非微粘結炭のような劣質な石炭を使用しつつ、乾留後のコークス強度を維持する目的で、装炭時の嵩密度を機械的な操作によって高める操業(例えばスタンプチャージ)も行われているため、配合炭の嵩密度(乾燥重量基準)を930kg/m3と設定した試験は、高嵩密度で乾留した場合の結果を予測する上で好ましい条件である。

0019

乾留缶の上に10kgのを乗せた状態で、炉内温度1050℃の電気炉内で6時間乾留した後、電気炉から取り出して、窒素冷却し、コークスを得た。JIS K 2151の回転強度試験法に基づき、回転速度15rpmで150回、回転後の粒径15mm以上のコークスの質量割合を測定し、回転前との質量比×100となるドラム強度指数DI(150/15)[−]を、コークスの強度として評価した。また、残部石炭のみを、配合炭の場合と同様に乾留してコークスを得、ドラム強度DI(150/15)[−]を算出した。

0020

非微粘結炭のコークス原料としての評価は、石炭A〜Dを含む配合炭から得られたコークスのドラム強度から、残部石炭のみから得られるコークスのドラム強度を減算して算出される差分ΔDIで評価した。負のΔDIは、その非微粘結炭の添加により、残部石炭から得られるコークスよりも強度が低下したことを表す。

0021

石炭A〜DのlogMFとΔDIとの関係を図1に示す。石炭A、石炭B及び石炭DのMFは0(ゼロ)ddpmであるが、便宜的に、図1のグラフでは、石炭A、石炭B及び石炭Dのlog MFを「0」と表している。

0022

図1のグラフから、少なくとも石炭A、石炭B、石炭Dが含まれる配合炭から得られるコークスの強度は、残部石炭のみから得られるコークスの強度よりも減少していることがわかる。また、非微粘結炭(石炭A〜D)のlogMFの値はあまり変わらないにも拘わらず、非微粘結炭を含まない残部石炭のみから得られるコークスの強度を基準として、配合炭に含まれる非微粘結炭の種類によっては、配合炭から得られるコークスの強度の減少幅(図1のΔDI)は異なることがわかる。すなわち、単に、非微粘結炭の軟化溶融特性に関する物性値(ギーセラー最高流動度MF)を測定するだけでは、コークス強度に対する非微粘結炭の種類の影響を評価することは難しいことがわかる。

0023

そこで、従来技術を示す特許文献1及び特許文献2に記載の昇温速度を高めてMFを測定する方法を試みた。ギーセラープラストメータ法では、石炭試料をセットしたレトルトを、300℃に保持したハンダ浴に浸漬し、3℃/minで昇温する。本発明者らは、昇温速度を高めるために、石炭試料をセットしたレトルトを、550℃に保持したハンダ浴に浸漬し、流動性を測定した。この条件で試料内の温度を測定したところ、約75℃/minの昇温速度であった。

0024

測定結果を表2に示す。また、logMFとコークス強度との関係を図2に示す。図2のグラフから、銘柄間の流動性の差は確認されるが、log MFが大きくなるほどにはΔDIが大きくならず、log MFとΔDIとに良好な正相関関係が成立するか確認できなかった。

0025

0026

次いで、従来技術を示す特許文献3の内容を応用して、非微粘結炭の見掛けの流動度(ギーセラー最高流動度)を推定し、推定したギーセラー最高流動度に基づいてコークス強度に対する非微粘結炭の影響を評価できるかを検討した。評価対象の非微粘結炭に粘結炭を添加した配合炭を作製して配合炭のMFを評価することとし、配合炭から石炭A〜Dを除く残部石炭として、粘結炭である石炭E及び石炭Fを準備した。石炭E及び石炭FのRo、VM及びMFを表3に示す。

0027

0028

石炭A〜D:残部石炭E、F=25質量%:75質量%で配合炭を作製し、配合炭のギーセラー最高流動度MFを測定した。また、石炭A〜D:残部石炭E,F=50質量%:50質量%として配合炭を作製し、配合炭のギーセラー最高流動度MFを測定した。石炭A〜Dの配合率が0質量%の場合、配合炭は石炭Eまたは石炭Fのみからなり、その場合のギーセラー最高流動度MFの常用対数値log MFは、表3のMFから求まる。配合炭中の石炭A〜Dの配合率[質量%]及びlog MF[log ddpm]の関係を図3に示す。図3において、石炭Eを残部石炭とする配合炭における石炭A〜Dの配合率とギーセラー最高流動度MFとの関係を図3(a)に示し、石炭Fを残部石炭とする配合炭における石炭A〜Dの配合率とギーセラー最高流動度MFとの関係を図3(b)に示す。

0029

図3(a)及び図3(b)のグラフにおける白抜きの点は、石炭A〜Dの各々につき、0質量%、25質量%、50質量%となる配合率と、それに対応するlogMFとのデータセットから、外挿して得られるデータをプロットしたものである。配合率100質量%となる配合炭は石炭A〜Dのみからなり、白抜きの点におけるlog MFを、石炭A〜Dのlog MF(推定log MF)と推定する。

0030

石炭A〜Dの推定logMFと差分ΔDIとの関係を図4に示す。図4のグラフからは推定log MFとコークス強度とに相関関係を確認できず、特許文献3の内容を応用して非微粘結炭のギーセラー最高流動度を推定したところで、非微粘結炭の種類(石炭A〜D)によるコークス強度に対する影響を評価することは難しいことがわかる。

0031

更には、粘結性を向上させる機能を発揮すると従前から知られる粘結材(アスファルトピッチ及びコールタールピッチ)を石炭A〜Dに10質量%添加して石炭A〜Dの最高流動度MFを測定し、図1のグラフを得た場合と同様にして、粘結材を添加して測定したlog MFとΔDIとの関係を調査した。

0032

logMFとΔDIとの関係を図5に示す。粘結材が添加された石炭A〜Dの最高流動度MFが0ddpmである場合には、log MFを0として図5のグラフに示してある。石炭A、石炭C、石炭Dに上記2種類の粘結材を加えて測定したMFの値が等しかったので、プロットされた点が重なっている。図5のグラフからも、log MFとΔDIとの間に相関関係を確認することはできなかった。非微粘結炭に粘結材を添加して非微粘結炭の軟化溶融特性を向上させたとしても、非微粘結炭の種類(石炭A〜D)によるコークス強度に対する影響を評価することは難しいことがわかる。

0033

以上の通り、従来技術では、コークス強度への非微粘結炭の影響を評価することは難しい。本発明者らは、この評価を可能とするべく調査した結果、特許文献4には、芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物を添加して石炭の流動性を向上させる、石炭の改質方法が記載されていることを確認した。本発明者らは、このアミン系化合物を前記評価に用い得るかを鋭意検討した結果、芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物が添加された非微粘結炭の軟化溶融特性に関する物性値が、前記コークスの強度と正相関することを発見し、本発明の完成に至った。

0034

すなわち、本発明は、評価対象の非微粘結炭に、芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物を添加することで、非微粘結炭の軟化溶融特性を向上させ、向上させた軟化溶融特性に関する物性値を指標として、非微粘結炭を評価するものである。

0035

芳香環を有する1級もしくは2級のアミン系化合物としては、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンが好ましい。前記アミン系化合物としては、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン以外にも、石炭に添加して石炭の軟化溶融特性(流動性)を向上させることができる化合物を用いることができる。具体的には、特許文献4に例示されているフェノチアジンカルバゾール、N-フェニル-1-ナフチルアミンなどを用いることができる。

0036

アミン系化合物のうち、MFの向上効果が高い物質の探索と法則性とを本発明者らが更に調査した結果、沸点の高い物質は、添加された石炭の軟化溶融特性が向上することを知見した。沸点が高い物質ほど、石炭が軟化溶融特性を示す350〜550℃の温度範囲で、より多く残存することになり、石炭の軟化溶融特性をより精度良く表すものと推察される。前記アミン系化合物のうち、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンは沸点が高い。

0037

以下、アミン系化合物が添加された非微粘結炭の軟化溶融特性に関する物性値が、非微粘結炭を含む配合炭から得られるコークスの強度と正相関するかを示す実験を説明する。この実験においては、軟化溶融特性に関する物性値として、JIS M 8801に規定されているギーセラープラストメータ法で測定されるギーセラー最高流動度MFを採用し、アミン系化合物として、前述のN,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンを採用することとした。

0038

前述の石炭A〜Dにアミン系化合物を、石炭の5質量%分または10質量%分、石炭と振り替えて添加し、ギーセラー最高流動度MFを測定した。ギーセラー最高流動度MFの測定値を表4に示す。

0039

0040

表4に示すMFから、アミン系化合物の非添加時にはMFを測定できなかった非微粘結炭であっても、アミン系化合物を10質量%添加することで、軟化溶融特性が向上し、MFを測定可能となる場合が多くなったことがわかる。一方で、5質量%添加した場合には、軟化溶融特性を向上させることができたとしても、石炭の銘柄によっては、軟化溶融特性を確実に向上させることが難しく、MFを測定できない場合もあることがわかる。

0041

次に、複数の石炭を混合して、加重平均Roが1.03、加重平均logMFが2.3である石炭(残部石炭)を準備し、石炭A〜Dの配合割合を20質量%として、石炭A〜Dの各々と残部石炭とを混合して4種類の配合炭を作製した。図1のグラフを得た場合と同様に、4種類の配合炭からコークスを得て、ドラム強度を測定し、また、残部石炭のみ乾留してコークスを得て、ドラム強度を測定し、ΔDIを算出した。なお、配合炭中には、軟化溶融特性を向上させるN,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンは含まれていないこととなる。

0042

N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンを5質量%または10質量%添加して測定したlogMFとΔDIとの関係を図6に示す。ここで、石炭Bは、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンを5質量%添加または10質量%添加のどちらの場合もlog MFが0であり、プロットが重なっている。図6のグラフから、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンを10質量%添加して測定したlog MFが高いほど、石炭A、石炭B、石炭DについてはΔDIのマイナス幅が小さくなっていることがわかり、また、石炭CについてはΔDIがプラスとなっていることがわかる。

0043

よって、図6のグラフからは、アミン系化合物を添加して測定したギーセラー最高流動度と、非微粘結炭を含む配合炭から得られるコークスの強度とが、正相関することがわかる。それらが正相関することは、芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物を石炭に添加して測定された流動性に基づいて、軟化溶融特性に関する値を測定し難い(またはできない)非微粘結炭のコークス用原料としての使用可能性を判断し得ることを示唆している。

0044

本発明者らは、芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物を非微粘結炭に添加して測定された流動性と、該非微粘結炭を配合した配合炭のコークス強度との間に、良好な正相関が得られることの成否を検証するために、評価する非微粘結炭の種類を変えた追加実験を行った。表5に評価対象の非微粘結炭を示す。表5に示す石炭G〜Iは、ギーセラー最高流動度MFが低い微粘粘結炭である。

0045

0046

追加試験では、微粘結炭(石炭G〜I)が配合炭に含まれる場合における、コークスの強度に対する微粘結炭の影響を、乾留試験炉を用いて調査した。配合炭の平均品位を目標値に揃える実際の操業を想定して、非微粘結炭を含む配合炭全体の平均品位が揃うように、配合炭全体から評価対象の非微粘結炭を除いた残部の石炭構成、品位を調整することとした。具体的には、配合炭中の非微粘結炭の配合率を0質量%もしくは15質量%とし、配合炭の平均品位は、Roの平均が1.05、MFの常用対数値(log MF)の平均が2.5となるように、残部石炭を調整して、表5に示す3種の石炭を含む配合炭の3種類と、表5に示す石炭を含まない配合炭の1種類との合計4種類の配合炭を作製した。

0047

配合炭の嵩密度(乾燥重量基準)が、コークス炉炭化室の上部から石炭を装入する一般的な操業レベルの725kg/m3となるように乾留缶に充填し、乾留缶の上に10kgの錘を乗せた状態で炉内温度1050℃の電気炉内で6時間乾留した後、電気炉から取り出して、窒素冷却し、コークスを得た。JIS K 2151の回転強度試験法に基づき、回転速度15rpmで150回、回転後の粒径15mm以上のコークスの質量割合を測定し、回転前との質量比×100となるドラム強度指数DI(150/15)[−]を、コークスの強度として評価した。

0048

非微粘結炭のコークス原料としての評価は、石炭G〜Iを含む配合炭から得られたコークスのドラム強度から、石炭G〜Iを含まない配合炭から得られたコークスのドラム強度を減算して算出される差分ΔDIで評価した。負のΔDIは、その非微粘結炭の添加により、石炭G〜Iを含まない配合炭から得られるコークスよりも強度が低下したことを表している。

0049

石炭G〜IのlogMFとΔDIとの関係を図7に示す。図7のグラフから、石炭H及び石炭Iが含まれる配合炭から得られるコークスの強度は、石炭H及び石炭Iを含まない配合炭から得られるコークスの強度よりも減少していることがわかる。また、非微粘結炭(石炭H、石炭I)のlog MFの値は石炭Hの方が低いにも拘わらず、非微粘結炭を含まない配合炭から得られるコークスの強度を基準として、石炭Hを含む配合炭から得られるコークスの強度の減少幅(図7のΔDI)は、石炭Iを含む配合炭から得られるコークスの強度の減少幅よりも小さくなることがわかる。やはり、単に、非微粘結炭の軟化溶融特性に関する物性値(ギーセラー最高流動度)を測定するだけでは、コークス強度に対する非微粘結炭の種類の影響を正確に評価することは難しいことがわかる。

0050

次に、前述の石炭G〜Iにアミン系化合物としてN,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンを、石炭の10質量%分、石炭と振り替えて添加し、ギーセラー最高流動度MFを測定した。ギーセラー最高流動度MFの測定結果を表6に示す。

0051

0052

表6に示すMFから、非添加時のMFに比べて、アミン系化合物を10質量%添加することでMFは増大しており、アミン系化合物を添加することで、軟化溶融特性が向上されることがわかる。また、表5に示したlog MFの序列に比較して、表6のアミン系化合物を添加して測定したlog MFの序列が異なっていることがわかる。

0053

また、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンを10質量%添加して測定したlogMFとΔDIとの関係を図8に示す。図8のグラフから、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンを10質量%添加して測定したlog MFが高いほど、ΔDIのマイナス幅が小さくなっていることがわかる。

0054

図6のグラフが得られた実験と本追加実験とからわかるように、石炭の種類及びコークス製造の際の嵩密度の条件を変更しても、アミン系化合物を添加して測定したギーセラー最高流動度と、微粘結炭を含む配合炭から得られるコークスの強度とが、正相関する。したがって、芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物を石炭に添加して測定された流動性によって、軟化溶融特性に関する値を測定し難い(またはできない)非微粘結炭のコークス用原料としての使用可能性を確かに評価できることが明らかになった。

0055

芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物の石炭への添加により、石炭の流動性が向上することは特許文献4に記載されているものの、芳香環を有する1級もしくは2級アミン系化合物を石炭に添加して測定された石炭の流動性により、その石炭のコークス原料としての優劣が評価可能であることは知られていなかった。本発明の方法により従来は評価できなかった石炭の優劣が評価でき、或る石炭がコークス用原料として使用可能であるか否かが明確に判定できる。

0056

評価対象の石炭がコークス用原料として使用可能であるかについての判定は以下のように行えばよい。図6図8のように、複数の銘柄の石炭の各々につき、石炭の軟化溶融特性に物性値(ギーセラー最高流動度)と該石炭を添加した配合炭から得られるコークスの強度とのデータセットが複数得られており、石炭の軟化溶融特性に関する物性値とコークスの強度とが正相関していれば、石炭(特に非微粘結炭)を、コークス用原料として用いられる石炭として使用可能であるかについて、以下の通りに評価できる。

0057

[I]複数のデータセットから、測定された軟化溶融特性に関する物性値とコークス強度との関係式を得ることができる。例えば、図6図8において最小自乗法やグラフ上にフリーハンド検量線を描くことで、前記関係式を導くことができる。

0058

[II]上記[I]で導いた関係式から、コークス強度(ΔDI)の目標値に対応する物性値を特定する。目標値とは、高炉操業に使用可能な想定できる強度の値であり、予め定めることが可能な値である。例えば、乾留試験を行って求めたデータセットに基づいて、非微粘結炭を添加した配合炭から得られるコークスの強度と、残部配合炭から得られるコークスの強度との差(例えば△DI)を予測することができる。非微粘結炭を添加する残部配合炭から得られるコークスの強度が知られていれば、残部配合炭から得られるコークスの強度に予測された△DIを加算することで、非微粘結炭を添加した配合炭から得られるコークスの強度を特定することができる。そして、このように特定された非微粘結炭を添加した配合炭から得られるコークスの強度が、コークスに要求される強度を上回っていれば、その非微粘結炭はコークス用原料として使用可能と評価することができる。更に、非微粘結炭を添加した配合炭から得られるコークスの強度がコークスに要求される強度と等しくなる、軟化溶融特性に関する物性値を特定することもできる。

0059

[III]新たな測定対象の石炭について軟化溶融特性に関する物性値を測定し、その測定値が特定した物性値以上である場合には、その石炭を含む配合炭から得られるコークスは、好適なコークス強度を有するものと判断できる。特に、上記[I]のデータセットが得られた配合炭における石炭の配合率で、残部石炭に、新たな測定対象の石炭を配合して配合炭を作製する場合、該配合炭から製造されるコークスは、所定の目標値以上のコークス強度を有すると期待できる。

0060

但し、図6のグラフにおける、5質量%添加時の点からわかるように、アミン系化合物の添加量が少な過ぎると、非微粘結炭の軟化溶融特性を十分に向上させることができず、軟化溶融特性に関する評価が適正に行いにくい場合があることがわかる。よって、アミン系化合物及び非微粘結炭の種類によっては、軟化溶融特性を向上させる上で、適正なアミン系化合物の添加割合が存在することが推察される。そこで、本発明者らは、アミン系化合物及び非微粘結炭の銘柄によって異なる、軟化溶融特性を向上させる上での最適な添加量を特定する方法を検討した。

0061

添加するアミン系化合物の種類及び添加量は、次のように定めることができる。
[1]添加すべきアミン系化合物として、石炭に添加して流動性向上効果が見られるものを選定する。
[2]評価対象の複数種類の石炭(好ましくはMFが0の非粘結炭)に、選定したアミン化合物の任意の量を添加してMFを測定する。
[3A]評価対象の石炭のMFに違いが認められる場合には、そのときの量及び選定したアミン化合物を、評価で使用できるものと特定できたことになる。
[3B]評価対象の石炭のMFに違いが認められない場合には、アミン系化合物の添加量を増やすか、あるいは、[1]で選定したアミン系化合物よりも高い沸点を有するアミン系化合物を添加して再度[2]の測定を行う。

0062

アミン系化合物の種類及びその種類に対応する適当な添加量を特定できれば、その量のアミン系化合物を非微粘結炭に添加して、石炭の軟化溶融特性に関する物性値を測定し、測定値を指標にして、コークス用原料として用いられる石炭として使用可能か評価すればよい。同一のアミン系化合物添加条件で石炭の軟化溶融特性に関する物性値を測定し、その測定値と、その石炭を含む配合炭を乾留して得られるコークス強度との相関を予め求めておけば、コークス原料としての使用可否を知られていない石炭に関しても労力のかかる乾留試験を行うことなく、より測定が容易なアミン系化合物を添加した軟化溶融特性に関する物性値に基づいて、その石炭のコークス原料としての使用可能性を判断できるようになる。そして、使用可能と評価される石炭を含む配合炭を乾留することで、強度が高位に保たれるコークスを製造することが可能となる。

0063

アミン系化合物が添加される前の石炭としては、ギーセラー最高流動度MFが20ddpm以下となる非微粘結炭であることが好ましい。ギーセラー最高流動度MFが0ddpmの石炭を非粘結炭といい、ギーセラー最高流動度MFで100ddpm程度以下となる石炭を、微粘結炭ということが通常である。JIS法によるギーセラー最高流動度の測定値は整数値をとるため、MFが10ddpm以下の場合は測定精度が劣る。したがって、MFが10ddpm以下の石炭に本発明の方法を適用することは特に効果が大きい。更に、MFが0の非粘結炭については石炭の軟化溶融特性の違いを評価できない。アミン系化合物を添加したMF測定によって石炭のコークス化性に及ぼす軟化溶融特性の違いを評価可能になるという本発明の効果が特に顕著となる石炭は、ギーセラー最高流動度MFが無い、あるいは、極端に低い非微粘結炭である。よって、本発明は、アミン系化合物を添加したときに、軟化溶融特性の向上効果が顕著となるギーセラー最高流動度MFがより低い石炭(MF≦20ddpm)を評価対象とすることが好ましい。

0064

本実施形態においては、軟化溶融特性に関する物性値として、ギーセラー最高流動度MFを採用したが、本発明において、軟化溶融特性に関する物性値は、特にギーセラー最高流動度MFに限定されるものではなく、軟化溶融特性に関する物性とは、軟化溶融状態にある石炭の膨張性接着性浸透性、粘度などであり、物性値としては、具体的には、ジラトメータによる全膨張率比容積浸透距離動的粘弾性などを採用できる。

0065

本実施形態においては、複数の銘柄の石炭の各々につき、石炭の軟化溶融特性に関する物性値とコークス強度とを直接測定しているが、本発明は、必ずしも、これらを直接測定する必要はない。石炭の軟化溶融特性に関する物性値とコークス強度とのデータセットが第三者により得られており、そのデータセットを提供されれば、物性値とコークス強度との関係式を求めることができ、石炭をコークス用原料として使用可能か評価できる。

0066

以上の通り、本発明の評価方法によって、非微粘結炭を含む配合炭から得られるコークスにおけるコークス強度への非微粘結炭の影響を評価でき、配合炭のうち、コークス強度を高位に保ち得る石炭(非微粘結炭)を評価することが可能となる。

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