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技術 抗神経成長因子抗体ならびにそれを調製および使用する方法

出願人 ネックスヴェットオーストラリアプロプライエタリーリミテッド
発明者 ゲアリングディヴィッド
出願日 2017年4月5日 (3年3ヶ月経過) 出願番号 2017-075108
公開日 2017年7月20日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-123870
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 微生物による化合物の製造 突然変異または遺伝子工学 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 動物,微生物物質含有医薬 非環式または炭素環式化合物含有医薬 生物学的材料の調査,分析 ペプチド又は蛋白質 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤
主要キーワード 挿入フレーム 最適選択 各特定位置 特定位 関連フレーム 外部定義 切除部分 感染対策
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月20日)のものです。
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図面 (15)

課題

ウマNGFのアンタゴニストとして作用し、高レベル結合親和性およびアビディティを保持していると同時にそれに対する中和抗体の産生を回避する、ウマにおける疼痛管理に用いる結合性メンバーの必要性がある。

解決手段

ウマに用いるのに適する抗体を調製する方法を提供する。またウマ神経成長因子(NGF)に特異的に結合し、p75またはTrkAウマNGF受容体に結合するウマNGFの能力中和するウマ化抗体を提供する。本発明は、それをコードする核酸、ならびに前記抗体および/または核酸を用いるウマにおける疼痛および関節炎治療する方法に及ぶ。

概要

背景

神経成長因子(NGF)は、アルファベータおよびガンマポリペプチド鎖からなる天然に存在する分泌タンパク質である。NGFは、ニューロトロフィンファミリーメンバーであり、多くの異なる役割関与している。NGFは、感覚および交感神経ニューロン生存および分化を促進し、2つの膜結合受容体である、低親和性NGF受容体p75ならびに貫膜チロシンキナーゼおよび高親和性NGF受容体TrkAを介してシグナルを伝達する。TrkAまたはp75へのNGFの結合は、感覚ニューロンにおける神経ペプチド上方制御をもたらす。

ヒトにおける疼痛および疼痛感受性治療するためのNGFアンタゴニストの使用が記載された(Cattaneo A., Curr. Op. Mol. Ther. 2010 12(1):94-106)。例えば、国際特許出願番号WO2006/131951は、ラットアルファD11(αD11)モノクローナル抗体ヒト化型を記載している。αD11抗体は、マウスNGFに対する結合特異性を有するが、NGFのヒトおよびラット型と結合することも公知である。ヒト抗マウス抗体(HAMA)反応がげっ歯類由来抗体に対して開始されることに起因する中和抗体の産生を最小限にするために、アルファD11(αD11)ラット由来モノクローナル抗体のヒト化が、ヒトへの投与前に必要である。さらに、マウス定常ドメインのヒト定常ドメインによる置き換えにより、下流エフェクター機能を選択することが可能となる。
ウマにおける疼痛管理は、現在のところ、局所および全身麻酔薬オピオイド鎮痛薬、α2アゴニスト非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)ならびにステロイドを含むいくつかのクラスの鎮痛薬投与により行われている。これらのそれぞれは、頻繁に投与する必要があり、有効性および安全性の限界も有する。したがって、癌性疼痛または関節炎を有するウマのような慢性疼痛苦しむウマに対する低頻度の投与で長時間持続し、有効であるような形の疼痛の軽減の必要がある。

NGFは、ウマ組織において発現することが公知であるが、ウマNGFに対するアンタゴニストは記載されておらず、疼痛を予防または緩和するためにウマにおけるNGF媒介性シグナル伝達阻害することが用いられてもいない。他の種において抗NGFアンタゴニストとして作用する公知の抗体をウマに使用することは、それに対する中和抗体の産生のため、実行可能でないと思われる。さらに、ウマ由来の定常ドメインとアルファD11などの公知の抗NGF抗体に由来する可変ドメインを含むキメラ抗体を製造した場合、ウマNGFに結合することが保証されない可能性がある。さらに、そのような抗体は、ウマに存在し得るが、抗体が最初に誘導された種に存在しない他の標的エピトープとの交差反応性を示す可能性がある。さらに、それに対する中和抗体の産生は、抗体の長期投与を制限するものとなり得る。これは、慢性疼痛に関連する状態または癌性状態を治療する場合に特に重要な要件である。同様に、CDR移植または関連技術を用いて抗NGF抗体のウマ化型を製造した場合にも、中和抗体の産生がもたらされる可能性があり、抗原結合親和性およびアビディティの低下がさらに示される可能性がある。したがって、ウマNGFのアンタゴニストとして作用し、高レベルの結合親和性およびアビディティを保持していると同時にそれに対する中和抗体の産生を回避する、ウマにおける疼痛管理に用いる結合性メンバーの本格的な必要性がある。

概要

ウマNGFのアンタゴニストとして作用し、高レベルの結合親和性およびアビディティを保持していると同時にそれに対する中和抗体の産生を回避する、ウマにおける疼痛管理に用いる結合性メンバーの必要性がある。ウマに用いるのに適する抗体を調製する方法を提供する。またウマ神経成長因子(NGF)に特異的に結合し、p75またはTrkAウマNGF受容体に結合するウマNGFの能力中和するウマ化抗体を提供する。本発明は、それをコードする核酸、ならびに前記抗体および/または核酸を用いるウマにおける疼痛および関節炎を治療する方法に及ぶ。

目的

本発明の第1の態様によれば、ウマに用いるのに適する抗体を調製する方法であって、 −ウマに存在する標的抗原に対する結合特異性を有する、ウマ以外の種のドナー抗体を提供する

効果

実績

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請求項1

ウマに用いるのに適する抗体を調製する方法であって、−ウマに存在する標的抗原に対する結合特異性を有する、ウマ以外の種のドナー抗体を提供するステップと、−ドナー抗体のフレームワーク領域のアミノ酸配列の各アミノ酸残基を1つまたは複数のウマ抗体のフレームワーク領域のアミノ酸配列における対応する位置に存在する各アミノ酸残基と比較して、1つまたは複数のウマ抗体のフレームワーク領域のアミノ酸配列内の対応する位置における1つまたは複数のアミノ酸残基と異なるドナー抗体のフレームワーク領域のアミノ酸配列内の1つまたは複数のアミノ酸残基を特定するステップと−ドナー抗体における1つまたは複数の特定されたアミノ酸残基を1つまたは複数のウマ抗体における対応する位置に存在する1つまたは複数のアミノ酸残基で置換するステップとを含む方法。

請求項2

1つまたは複数の特定されたアミノ酸残基を置換するステップが、1つまたは複数の特定されたアミノ酸残基を、1つまたは複数の置換されるアミノ酸残基との最高相同性を有する対応する位置に存在する1つまたは複数のアミノ酸残基で置換するステップを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

ドナー抗体の重鎖および/または軽鎖定常ドメインをウマ抗体由来の重および/または軽鎖の定常ドメインで置き換えるステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

重鎖の定常ドメインをHC2型ウマ定常ドメインで置き換える、請求項3に記載の方法。

請求項5

標的抗原が神経成長因子(NGF)である、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

ウマ神経成長因子(NGF)に特異的に結合することができる中和抗体またはその抗原結合性断片であって、配列番号1のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および/または配列番号2のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合性断片。

請求項7

キメラ抗体またはウマ化抗体である、請求項6に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項8

重鎖定常ドメインが下流エフェクター機能を媒介しないように、前記定常ドメインが選択され、またはアミノ酸置換もしくは欠失により修飾されている、請求項6または請求項7に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項9

重鎖がウマアイソタイプHC2またはHC6のものである、請求項8に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項10

重鎖がウマアイソタイプHC2のものである、請求項9に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項11

軽鎖が配列番号4のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項6から10のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項12

重鎖が配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8および配列番号9からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはそれとの少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項6から11のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項13

重鎖が配列番号5もしくは配列番号6のアミノ酸配列、またはそれとの少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項12に記載の抗体またはその抗原結合性断片。

請求項14

抗ウマNGF抗体またはそのウマNGF結合性断片であって、配列番号10のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR1フレームワーク領域、配列番号11のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR2フレームワーク領域、配列番号12のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR3フレームワーク領域、および配列番号13のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR4フレームワーク領域の少なくとも1つを含む軽鎖可変領域ならびに/または配列番号14のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR1フレームワーク領域、配列番号15のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR2フレームワーク領域、配列番号16のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR3フレームワーク領域、および配列番号17のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR4フレームワーク領域の少なくとも1つを含む重鎖可変領域を含む、抗ウマNGF抗体またはそのウマNGF結合性断片。

請求項15

V、S7がTであり、A9がEであり、L11がVであり、S12がTまたはAであり、A13がVであり、S14がTであり、E17がQであり、T18がRであり、T20がEであり、I21がI、L、MまたはVであり、E22がKであることからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾された配列番号10のFR1領域を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項14に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項16

D1がG、KまたはVであり、I2がF、N、SまたはTであり、V3がA、G、IまたはMであり、M4がL、QまたはVであり、T5がAまたはIであり、S7がFであり、A9がD、PまたはSであり、S10がF、LまたはTであり、L11がSであり、S12がEまたはVであり、A13がL、QまたはTであり、S14がAまたはPであり、L15がPまたはRであり、G16がRであり、T18がS、GまたはKであり、V19がAであり、T20がDまたはVであり、I21がTであり、E22がL、N、Q、R、SまたはTであることからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾された配列番号10のFR1領域を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項14に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項17

K5がRであり、Q8がEであり、S9がAであり、K11がRまたはEであり、L12がRであることからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾された配列番号11のFR2領域を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項14から16のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項18

Y2がFまたはHであり、Q3がRまたはSであり、Q4がH、K、RまたはVであり、K5がVであり、P6がI、LまたはSであり、S9がP、R、VまたはTであり、P10がLであり、K11がIまたはLであり、L12がA、E、G、H、QまたはWであり、L13がF、I、MまたはVであり、I14がF、T、MまたはVであり、Y15がA、C、D、E、F、G、H、Q、R、S、TまたはVであることからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾された配列番号11のFR2領域を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項14から16のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項19

S4がDであり、F6がYであり、D14がEであり、Y15がFであり、S16がTであり、N20がSであり、S24がAであり、S29がI、SまたはTであり、F31がYであることからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾された配列番号12のFR3領域を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項14から18のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項20

G1がDまたはFであり、V2がAまたはFであり、P3がLまたはSであり、S4がA、E、GまたはLであり、F6がLであり、S7がC、F、G、N、RまたはTであり、G8がAであり、S9がD、E、G、K、R、TまたはWであり、G10がA、RまたはVであり、S11がA、F、TまたはYであり、G12がEまたはTであり、T13がA、SまたはWであり、S16がAまたはVであり、L17がFまたはPであり、T18がA、I、SまたはVであり、I19がVであり、N20がD、GまたはTであり、S21がD、E、P、RまたはTであり、Q23がEまたはRであり、S24がEまたはTであり、E25がA、D、GまたはTであり、D26がNであり、V27がA、L、E、GまたはSであり、A28がGであり、S29がD、E、F、L、M、NまたはVであり、Y30がCであり、F31がH、S、T、VまたはWであることからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾された配列番号12のFR3領域を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項14から18のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項21

L9がIであるアミノ酸置換により修飾された配列番号13のFR4領域を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項14から20のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項22

F1がIまたはLであり、Q3がLであり、T5がSであり、K6がM、NまたはRであり、L7がMまたはVであり、E8がA、DまたはKであり、L9がF、MまたはVであり、K10がA、E、G、I、Q、R、TまたはVであることからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾された配列番号13のFR4領域を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項14から20のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項23

N13がKであるアミノ酸置換により修飾された配列番号14のFR1領域を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項14から22のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項24

K5がQであり、G10がDであり、L11がQであり、V12がMであり、N13がMまたはRであり、P14がIまたはSであり、S15がAまたはGであり、Q16がEであり、T17がAであり、S19がTであり、T21がSまたはVであり、T23がA、FまたはSであり、V24がIであり、S25がTであり、G26がAであり、F27がA、G、I、M、N、QまたはSであり、S28がD、H、I、L、NまたはPであり、L29がD、S、TまたはVであり、T30がE、I、NまたはRであることからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾された配列番号14のFR1領域を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項14から22のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項25

W12がFであるアミノ酸置換により修飾された配列番号15のFR2領域を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項14から24のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項26

V2がLであり、A5がP、SまたはVであり、K8がWであり、G9がRであり、L10がPまたはWであり、W12がE、H、R、VまたはYであり、G14がA、DまたはSであることからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾された配列番号15のFR2領域を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項14から24のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項27

T3がSであり、R6がKであり、F14がYであり、Q16がTであり、M17がLであり、R32がGであることからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾された配列番号16のFR3領域を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項14から26のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項28

A2がC、G、I、TまたはVであり得、T3がD、I、M、NまたはRであり得、I4がVであり、T5がI、LまたはSであり、R6がEまたはSであり、D7がEまたはNであり、T8がA、E、I、P、SまたはYであり、S9がE、G、KまたはTであり、K10がE、L、N、QまたはRであり、S11がG、K、NまたはRであり、Q12がE、HまたはRであり、V13がA、I、L、FまたはSであり、F14がL、R、S、TまたはVであり、L15がVであり、Q16がIであり、M17がVであり、N18がD、K、R、SまたはTであり、S19がD、E、G、K、MまたはTであり、L20がMまたはVであり、T21がSであり、S22がD、E、GまたはRであり、E23がDまたはGであり、T25がAであり、A26がSであり、V27がDであり、Y29がA、F、IまたはWであり、A31がE、G、I、S、TまたはVであり、R32がA、E、G、H、I、KまたはSであることからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾された配列番号16のFR3領域を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項14から26のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項29

Q3がPであるアミノ酸置換により修飾された配列番号17のFR4領域を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項14から28のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項30

重鎖がウマアイソタイプHC2のものである、請求項14から29のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体またはウマNGF結合性断片。

請求項31

請求項1から5のいずれか1項に記載の方法により調製される抗体またはその結合性断片。

請求項32

抗体が下流エフェクター機能を媒介せず、プロテインAへの結合により精製できる、1つまたは複数のウマ可溶性タンパク質に特異的に結合する抗体またはその結合性断片。

請求項33

抗体がウマHC2アイソタイプを有する重鎖を含む、請求項32に記載の抗体またはその結合性断片。

請求項34

1つまたは複数の可溶性タンパク質がCSFインターロイキン成長因子およびニューロトロフィンからなる群から選択される、請求項32または33に記載の抗体またはその結合性断片。

請求項35

1つまたは複数の可溶性タンパク質がNGFである、請求項34に記載の抗体またはその結合性断片。

請求項36

1×10-8以下の平衡解離定数(KD)を有する結合親和性でウマNGFに特異的に結合する、請求項6から35のいずれか1項に記載の抗体または結合性断片。

請求項37

ウマNGFへの抗体または断片の結合が、p75またはTrkAウマNGF受容体に結合するウマNGFの能力阻害する、請求項6から36のいずれか1項に記載の抗体または結合性断片。

請求項38

ウマにおいて免疫原性でない、請求項6から37のいずれか1項に記載の抗体または結合性断片。

請求項39

抗原結合性断片が単鎖Fv(scFv)抗体断片Fab抗体断片、Fab’抗体断片およびF(ab’)2抗体断片からなる群から選択される、請求項6から38のいずれか1項に記載の抗体または結合性断片。

請求項40

抗体が多重特異性または多価抗体である、請求項6から39のいずれか1項に記載の抗体または結合性断片。

請求項41

抗体がキメラ抗体またはウマ化抗体である、請求項6から40のいずれか1項に記載の抗体または結合性断片。

請求項42

ウマにおける疼痛治療、阻害または改善する方法であって、−治療有効量の、ウマ化抗体である抗ウマNGF抗体またはその抗原結合性断片を提供するステップと、−それを必要とするウマにそれを投与するステップとを含む、方法。

請求項43

抗ウマNGF抗体が請求項6から41のいずれか1項に記載の抗体である、請求項42に記載の方法。

請求項44

抗ウマNGF抗体が、配列番号1のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインおよび/または配列番号2のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、請求項42に記載の方法。

請求項45

抗ウマNGF抗体が、配列番号4のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含む軽鎖ならびに/または配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8もしくは配列番号9およびそれとの少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、請求項42に記載の方法。

請求項46

疼痛が神経障害性疼痛炎症性疼痛掻痒性疼痛、周術期疼痛、術後疼痛および外科手術後疼痛からなる群から選択される、請求項42から45のいずれか1項に記載の方法。

請求項47

術後疼痛が整形外科手術および軟組織外科手術からなる群から選択される、請求項46に記載の方法。

請求項48

ウマ対象における関節炎または関節炎状態の治療の方法であって、−治療有効量の、ウマ化抗体である抗ウマNGF抗体またはその抗原結合性断片を提供するステップと、−それを必要とするウマにそれを投与するステップとを含む、方法。

請求項49

抗ウマNGF抗体が請求項6から41のいずれか1項に記載の抗体である、請求項48に記載の方法。

請求項50

抗ウマNGF抗体が、配列番号1のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインおよび/または配列番号2のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、請求項48に記載の方法。

請求項51

抗ウマNGF抗体が、配列番号4のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の配列同一性を有する配列を有する軽鎖ならびに/または配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8もしくは配列番号9およびそれとの少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる重鎖を含む、請求項48に記載の方法。

請求項52

関節炎または関節炎状態が免疫媒介性多発性関節炎関節リウマチおよび変形性関節症からなる群から選択される状態を含む、請求項48から51のいずれか1項に記載の方法。

請求項53

関節炎または関節炎状態の治療が、関節炎または関節炎状態に関連する、または起因する疼痛を改善すること、阻害すること、低減すること、抑制することまたはその発症遅延させることを含む、請求項48から52のいずれか1項に記載の方法。

請求項54

ウマ対象におけるウマNGFの発現の増大またはNGFに対する感受性の増大により引き起こされる、関連する、またはそれをもたらす状態の治療の方法であって、−治療有効量の、ウマ化抗体である抗ウマNGF抗体またはその抗原結合性断片を提供するステップと、−それを必要とするウマにそれを投与するステップとを含む、方法。

請求項55

抗ウマNGF抗体が請求項6から41のいずれか1項に記載の抗体である、請求項54に記載の方法。

請求項56

抗ウマNGF抗体が、配列番号1のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインおよび/または配列番号2のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、請求項54に記載の方法。

請求項57

抗ウマNGF抗体が、配列番号4のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の配列同一性を有する配列を有する軽鎖ならびに/または配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8もしくは配列番号9およびそれとの少なくとも85%のアミノ酸同一性を有する配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる重鎖を含む、請求項54に記載の方法。

請求項58

ウマにおけるNGFにより増殖するように誘導される腫瘍およびそれに関連する状態の治療の方法であって、−治療有効量の、ウマ化抗体である抗ウマNGF抗体またはその抗原結合性断片を提供するステップと、−それを必要とするウマにそれを投与するステップとを含む、方法。

請求項59

抗ウマNGF抗体が請求項6から41のいずれか1項に記載の抗体である、請求項58に記載の方法。

請求項60

抗ウマNGF抗体が、配列番号1のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインおよび/または配列番号2のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、請求項58に記載の方法。

請求項61

抗ウマNGF抗体が、配列番号4のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖ならびに/または配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8もしくは配列番号9およびそれとの少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる重鎖を含む、請求項58に記載の方法。

請求項62

腫瘍が自己分泌型または傍分泌型NGFにより増殖するように誘導される、請求項58から61のいずれか1項に記載の方法。

請求項63

腫瘍が骨肉腫である、請求項62に記載の方法。

請求項64

少なくとも1つのさらなる治療薬同時投与するステップをさらに含む、請求項42から63のいずれか1項に記載の方法。

請求項65

少なくとも1つの治療薬が鎮痛薬、NSAID、オピオイドコルチコステロイドおよびステロイドからなる群から選択される、請求項64に記載の方法。

請求項66

少なくとも1つの治療薬が抗生物質抗真菌治療薬、抗原虫治療薬および抗ウイルス治療薬からなる群から選択される、請求項64に記載の方法。

請求項67

少なくとも1つの治療薬が炎症のメディエーター阻害薬PG受容体アンタゴニスト免疫抑制薬シクロスポリン抗炎症性グルココルチコイド認知機能不全または認知障害の治療に用いる薬剤抗高血圧薬心血管機能不全の治療に用いられる化合物利尿薬血管拡張薬ベータアドレナリン受容体アンタゴニストアンジオテンシンII変換酵素阻害薬、カルシウムチャネル遮断薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、フェニルブタゾンヒアルロン酸多硫酸化グリコサミノグリカン、インターロイキン1受容体アンタゴニスト、IRAPジクロフェナクおよび疾患修飾性変形性関節症薬からなる群から選択される、請求項64に記載の方法。

請求項68

抗体または抗原結合性断片を約0.01mg/kg体重〜約10mg/kg体重の範囲の用量でウマに投与する、請求項42から67のいずれか1項に記載の方法。

請求項69

抗体または抗原結合性断片を約0.03mg/kg体重〜約3mg/kg体重の範囲の用量でウマに投与する、請求項42から67のいずれか1項に記載の方法。

請求項70

治療有効量の請求項6から41のいずれか1項に記載の抗ウマNGFウマ化抗体またはその結合性断片を、少なくとも1つの薬学的に許容される担体賦形剤または希釈剤一緒に含む、ウマにおける疼痛、または疼痛をもたらすもしくはそれによって引き起こされる状態を治療するための医薬組成物

請求項71

少なくとも1つの鎮痛薬、NSAID、オピオイド、コルチコステロイドまたはステロイドをさらに含む、請求項70に記載の医薬組成物。

請求項72

疼痛をもたらす状態が関節リウマチ、炎症、掻痒症、変形性関節症、急性疼痛慢性疼痛、外科手術による疼痛および外科手術後疼痛からなる群から選択される、請求項70または71に記載の医薬組成物。

請求項73

請求項6から41のいずれか1項に記載の抗体または抗原結合性断片をコードする単離核酸

請求項74

配列番号1のアミノ酸配列を有する抗ウマNGFウマ化抗体もしくは抗体断片の軽鎖可変ドメインまたは配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖をコードする単離核酸。

請求項75

配列番号2のアミノ酸配列を有する抗ウマNGFウマ化抗体もしくは抗体断片の重鎖可変ドメインまたは配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8および配列番号9からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖をコードする単離核酸。

請求項76

1つまたは複数の調節配列作動可能に連結した請求項73から75のいずれか1項に記載の単離核酸。

請求項77

請求項73から75のいずれか1項に記載の核酸を含む発現ベクター

請求項78

1つまたは複数の調節配列をさらに含む、請求項77に記載の発現ベクター。

請求項79

プラスミドまたはレトロウイルスベクターである、請求項77または78に記載の発現ベクター。

請求項80

請求項77から79のいずれか1項に記載の発現ベクターを組み込んだ宿主細胞

請求項81

請求項80に記載の宿主細胞を培養して、細胞がウマ化抗ウマNGF中和抗体を発現することを可能にするステップを含む、ウマ化抗ウマNGF中和抗体を製造する方法。

請求項82

治療有効量の請求項73から75のいずれか1項に記載の核酸をウマに投与するステップを含む、ウマにおける疼痛を治療、改善、または阻害する方法。

請求項83

ウマにおける疼痛の治療または予防に用いる、請求項6から41のいずれか1項に記載の抗体もしくは抗体結合性断片、請求項70から72のいずれか1項に記載の医薬組成物、請求項73から76のいずれか1項に記載の核酸または請求項77から79に記載の発現ベクター。

請求項84

疼痛が急性疼痛、慢性疼痛、周術期疼痛、術後疼痛、炎症性疼痛、掻痒性疼痛、整形外科手術に起因する疼痛、軟組織外科手術に関連する疼痛、癌または癌性状態に関連する慢性疼痛および関節リウマチ、免疫媒介性多発性関節炎または変形性関節症に関連するまたは起因する疼痛からなる群から選択される、請求項83に記載の抗体もしくは抗体結合性断片。

請求項85

関節炎の治療に用いる、請求項6から41のいずれか1項に記載の抗体もしくは抗体結合性断片、請求項70から72のいずれか1項に記載の医薬組成物、請求項73から76のいずれか1項に記載の核酸または請求項77から79に記載の発現ベクター。

請求項86

関節炎が変形性関節症、免疫媒介性多発性関節炎または関節リウマチである、請求項85に記載の抗体。

請求項87

ウマにおけるNGFにより増殖するように誘導される腫瘍およびそれに関連する状態の治療に用いる、請求項6から41のいずれか1項に記載の抗体もしくは抗体結合性断片、請求項70から72のいずれか1項に記載の医薬組成物、請求項73から76のいずれか1項に記載の核酸または請求項77から79に記載の発現ベクター。

請求項88

腫瘍が骨肉腫である、請求項87に記載の抗体。

請求項89

ウマにおける疼痛の治療または予防用の医薬の調製における、請求項6から41のいずれか1項に記載の抗体もしくは抗体結合性断片、請求項70から72のいずれか1項に記載の医薬組成物、請求項73から76のいずれか1項に記載の核酸または請求項77から79に記載の発現ベクターの使用。

請求項90

疼痛が急性疼痛、慢性疼痛、周術期疼痛、術後疼痛、炎症性疼痛、掻痒性疼痛、整形外科手術に起因する疼痛、軟組織外科手術に関連する疼痛、卵巣子宮摘出処置に起因する疼痛、癌または癌性状態に関連する慢性疼痛および関節リウマチ、免疫媒介性多発性関節炎または変形性関節症に関連するまたは起因する疼痛からなる群から選択される、請求項89に記載の抗体または抗体結合性断片の使用。

請求項91

ウマにおける関節炎の治療、阻害、改善または予防用の医薬の調製における、請求項6から41のいずれか1項に記載の抗体もしくは抗体結合性断片、請求項70から72のいずれか1項に記載の医薬組成物、請求項73から76のいずれか1項に記載の核酸または請求項77から79に記載の発現ベクターの使用。

請求項92

関節炎が変形性関節症、免疫媒介性多発性関節炎または関節リウマチである、請求項91に記載の抗体または抗体結合性断片の使用。

請求項93

ウマにおけるNGFにより増殖するように誘導される腫瘍およびそれに関連する状態の治療用の医薬の調製における、請求項6から41のいずれか1項に記載の抗体もしくは抗体結合性断片、請求項70から72のいずれか1項に記載の医薬組成物、請求項73から76のいずれか1項に記載の核酸または請求項77から79に記載の発現ベクターの使用。

請求項94

腫瘍が骨肉腫である、請求項93に記載の抗体または抗体結合性断片の使用。

請求項95

請求項6から41のいずれか1項に記載の抗ウマNGF中和モノクローナル抗体またはその断片を産生する細胞系またはその派生もしくは子孫細胞

請求項96

請求項6から41のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体または結合性断片およびそれの使用説明書を含む、ウマにおける疼痛の治療用、または疼痛に関連する状態の治療用、または変形性関節症、炎症、掻痒症、免疫媒介性多発性関節炎もしくは関節リウマチの治療、改善もしくは阻害用のキット

請求項97

抗ネコNGFモノクローナル抗体または結合性断片の検出に用いる、請求項6から41のいずれか1項に記載の抗ウマNGF抗体または結合性断片を含む診断キット

技術分野

0001

本発明は、ウマ神経成長因子アンタゴニストとして作用する抗体およびその断片に関する。本発明は、それを調製する方法、疼痛などの神経成長因子に関連する状態、ウマにおける疼痛の発生をもたらす疼痛関連障害および状態を治療するうえでのこれらの抗体および断片の治療的使用に及ぶ。

背景技術

0002

神経成長因子(NGF)は、アルファベータおよびガンマポリペプチド鎖からなる天然に存在する分泌タンパク質である。NGFは、ニューロトロフィンファミリーメンバーであり、多くの異なる役割関与している。NGFは、感覚および交感神経ニューロン生存および分化を促進し、2つの膜結合受容体である、低親和性NGF受容体p75ならびに貫膜チロシンキナーゼおよび高親和性NGF受容体TrkAを介してシグナルを伝達する。TrkAまたはp75へのNGFの結合は、感覚ニューロンにおける神経ペプチド上方制御をもたらす。

0003

ヒトにおける疼痛および疼痛感受性を治療するためのNGFアンタゴニストの使用が記載された(Cattaneo A., Curr. Op. Mol. Ther. 2010 12(1):94-106)。例えば、国際特許出願番号WO2006/131951は、ラットアルファD11(αD11)モノクローナル抗体ヒト化型を記載している。αD11抗体は、マウスNGFに対する結合特異性を有するが、NGFのヒトおよびラット型と結合することも公知である。ヒト抗マウス抗体(HAMA)反応がげっ歯類由来抗体に対して開始されることに起因する中和抗体の産生を最小限にするために、アルファD11(αD11)ラット由来モノクローナル抗体のヒト化が、ヒトへの投与前に必要である。さらに、マウス定常ドメインのヒト定常ドメインによる置き換えにより、下流エフェクター機能を選択することが可能となる。
ウマにおける疼痛管理は、現在のところ、局所および全身麻酔薬オピオイド鎮痛薬、α2アゴニスト非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)ならびにステロイドを含むいくつかのクラスの鎮痛薬投与により行われている。これらのそれぞれは、頻繁に投与する必要があり、有効性および安全性の限界も有する。したがって、癌性疼痛または関節炎を有するウマのような慢性疼痛苦しむウマに対する低頻度の投与で長時間持続し、有効であるような形の疼痛の軽減の必要がある。

0004

NGFは、ウマ組織において発現することが公知であるが、ウマNGFに対するアンタゴニストは記載されておらず、疼痛を予防または緩和するためにウマにおけるNGF媒介性シグナル伝達阻害することが用いられてもいない。他の種において抗NGFアンタゴニストとして作用する公知の抗体をウマに使用することは、それに対する中和抗体の産生のため、実行可能でないと思われる。さらに、ウマ由来の定常ドメインとアルファD11などの公知の抗NGF抗体に由来する可変ドメインを含むキメラ抗体を製造した場合、ウマNGFに結合することが保証されない可能性がある。さらに、そのような抗体は、ウマに存在し得るが、抗体が最初に誘導された種に存在しない他の標的エピトープとの交差反応性を示す可能性がある。さらに、それに対する中和抗体の産生は、抗体の長期投与を制限するものとなり得る。これは、慢性疼痛に関連する状態または癌性状態を治療する場合に特に重要な要件である。同様に、CDR移植または関連技術を用いて抗NGF抗体のウマ化型を製造した場合にも、中和抗体の産生がもたらされる可能性があり、抗原結合親和性およびアビディティの低下がさらに示される可能性がある。したがって、ウマNGFのアンタゴニストとして作用し、高レベルの結合親和性およびアビディティを保持していると同時にそれに対する中和抗体の産生を回避する、ウマにおける疼痛管理に用いる結合性メンバーの本格的な必要性がある。

課題を解決するための手段

0005

広範な努力の後に、本発明者は、驚くべきことにウマNGFに特異的に結合するウマ化抗体およびそれに由来する結合性断片を製造した。全く予期しないことに、ウマNGFへの本発明の抗体および結合性断片の結合により、高親和性TrkA受容体またはp75受容体に対するウマNGFの結合が阻害されることによってウマNGFの生物学的活性が奪われることを本明細書で示す。これにより、ひいては、感覚ニューロンにおける神経ペプチドの上方制御が妨げられ、疼痛の感覚が減少または除去されるという効果が結果として得られる。抗体は、実質的に免疫原性でない、すなわち、ウマ対象に投与した場合に中和抗体がそれらに対して誘導されないように、組換えDNA法を用いて製造した。例えば、CDR移植などの標準的な方法を用いて抗体を製造しなかったので、そのような所見は、全く意外であり、予期されないことである。

0006

本発明の第1の態様によれば、ウマに用いるのに適する抗体を調製する方法であって、 −ウマに存在する標的抗原に対する結合特異性を有する、ウマ以外の種のドナー抗体を提供するステップと、
−ドナー抗体のフレームワーク領域のアミノ酸配列の各アミノ酸残基を1つまたは複数のウマ抗体のフレームワーク領域のアミノ酸配列における対応する位置に存在する各アミノ酸残基と比較して、1つまたは複数のウマ抗体のフレームワーク領域のアミノ酸配列内の対応する位置における1つまたは複数のアミノ酸残基と異なるドナー抗体のフレームワーク領域のアミノ酸配列内の1つまたは複数のアミノ酸残基を特定するステップと
−ドナー抗体における1つまたは複数の特定されたアミノ酸残基を1つまたは複数のウマ抗体における対応する位置に存在する1つまたは複数のアミノ酸残基で置換するステップと
を含むまたは本質的にそれらのステップからなる方法を提供する。

0007

発明者は、修飾された抗体が、フレームワーク領域内のいずれの位置においても、ウマにおける当該位置において外来性であるようなアミノ酸を含まないような方法でウマに用いるドナー抗体を修飾する方法を特定した。したがって、修飾抗体は、標的抗原に対するドナー抗体の特異性および親和性を保持しているが、重要なことに潜在的に外来性であるエピトープが形成されないように修飾されている。したがって、修飾抗体は、ウマにおいて外来性とみなされず、したがって、特に長期投与後の抗体の有効性の中和をもたらす可能性があるウマにおける免疫応答を誘導しない。
特定の実施形態において、1つまたは複数の特定されたアミノ酸残基を置換するステップは、1つまたは複数の特定されたアミノ酸残基を、1つまたは複数の置換されるアミノ酸残基との最高相同性を有する対応する位置に存在する1つまたは複数のアミノ酸残基で置換するステップを含む。
特定の実施形態において、該方法は、ドナー抗体の重鎖および/または軽鎖の定常ドメインをウマ抗体に由来する重鎖および/または軽鎖の定常ドメインで置き換えるステップをさらに含む。一般的に、重鎖の定常ドメインをHC2型ウマ定常ドメインで置き換える。
特定の実施形態において、標的抗原は、神経成長因子(NGF)である。
本発明の第1の態様の方法は、CDR移植を含まない。本発明の第1の態様の方法により調製される抗体は、ドナー抗体のCDR、本発明の第1の態様の方法により調製されるウマ化フレームワーク領域およびウマ定常ドメインを含む。
本発明は、以下で述べるような本発明の第1の態様により調製される抗体に及ぶ。

0008

したがって、本発明のさらなる態様によれば、ウマ神経成長因子(NGF)に特異的に結合するウマ化抗体またはその結合性断片を提供する。一般的に、ウマ化抗体またはその結合性断片は、それに結合するとき、NGFの生物学的機能を中和する。すなわち、NGFへのウマ化抗体またはその結合性断片の結合により、TrkA受容体またはp75受容体に結合するNGFの能力が奪われる。特定の実施形態において、ウマ化抗体またはその結合性断片は、1×10-8以下の結合親和性KDでNGFに結合する。一般的に、ウマ化抗体は、ウマにおいて免疫原性でない。

0009

特定の実施形態において、ウマ化抗体は、本発明の第1の態様の抗体を調製する方法により調製する。
本発明のさらなるまたは関連態様において、ウマ神経成長因子(NGF)に特異的に結合することができ、抗体または抗体結合性断片が配列番号1またはそれとの少なくとも85、90、95もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる、中和抗体またはその抗原結合性断片を提供する。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。

0010

いくつかの実施形態において、中和抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、キメラ抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、ウマ化抗体、すなわち、ウマ対象に投与された場合にそれに対する中和抗体が産生されないように脱免疫化(de-immunised)されたアミノ酸配列を有する抗体である。特定の実施形態において、ウマ化抗体は、本発明の第1の態様の抗体を調製する方法により調製する。一般的に、抗体の重鎖定常ドメインは、該定常ドメインが下流エフェクター機能を媒介しないように、選択するか、またはアミノ酸置換もしくは欠失により修飾する。一般的に前記重鎖は、ウマHC2またはHC6重鎖である。これらのアイソタイプは、エフェクター機能を欠いていることが示された(Lewis et al, Mol Immunol. 2008 Feb; 45(3); 818-827)。さらにより一般的には、前記重鎖は、ウマHC2重鎖である。このアイソタイプは、本発明者らによりプロテインAに結合させることによって精製できることが示された。
特定の実施形態において、抗体または抗体結合性断片は、配列番号4またはそれとの少なくとも85、90、95もしくは99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。

0011

さらなるまたは関連態様において、ウマ神経成長因子(NGF)に特異的に結合することができ、抗体または抗体結合性断片が配列番号2のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85、90、95もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖(heavy)可変領域を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる、中和抗体またはその抗原結合性断片を提供する。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。

0012

一般的に、重鎖の可変領域(VH)は、少なくとも1つの免疫グロブリン定常ドメインを含むさらなるアミノ酸配列に結合している。特定の実施形態において、免疫グロブリン定常ドメインは、本発明のウマ化抗体の完全な重鎖を形成するためにサブクラスIgG免疫グロブリンG)の抗体に由来する。7つの異なるウマ免疫グロブリンガンマ(IgG)重鎖定常ドメインは、公知である。一般的に、前記定常ドメインは、CH1、CH2およびCH3ならびに前記CH1およびCH2ドメイン間に位置する適切なリンカー(または「ヒンジ」)を含む。一般的に、本発明の抗ウマNGF抗体は、定常ドメインに結合した重鎖可変ドメインを含み、該定常ドメインは、例えば、補体結合ADCCFc受容体結合または同類のものなどの下流エフェクター機能を媒介しない。そのような重鎖は、HC2またはHC6アイソタイプを有する重鎖を含み得、配列番号5、6または7のアミノ酸配列を有し得る。より一般的には、前記重鎖はウマHC2重鎖である。

0013

特定の実施形態において、抗体または抗体結合性断片は、ウマ定常ドメインIgG2(HC2)に関連する配列番号6もしくはウマ定常ドメインIgG6(HC6)に関連する配列番号7のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85、90、95もしくは99%のアミノ酸同一性を有する配列を含む重鎖を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。
特定のさらなる実施形態において、抗体または結合性断片は、当該残基のグリコシル化を防ぐために定常ドメインにおける少なくとも1つの残基を置換または欠失させた重鎖を含み得る。定常ドメインの残基の脱グリコシル化により、細胞上に備わったFc受容体(FcR)に対する定常ドメイン(Fcドメイン)の結合が妨げられることによって下流エフェクター機能が制限され得る。したがって、特定のさらなる実施形態において、抗体または抗体結合性断片は、配列番号8(IgG2(HC2)の脱グリコシル化異形)もしくは配列番号9(IgG6(HC6の脱グリコシル化異形)のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。

0014

さらなるまたは関連態様において、本発明は、ウマ神経成長因子(NGF)に特異的に結合することができ、抗体または抗体結合性断片が軽鎖および重鎖を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる、中和抗体またはその抗原結合性断片におよび、軽鎖の可変領域(VL)は、配列番号1のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85、90、95もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、重鎖の可変領域(VH)は、配列番号2のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85、90、95もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列と同じまたは実質的に相同であるアミノ酸配列を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。

0015

特定の実施形態において、抗体または結合性メンバーは、配列番号4のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85%、より好ましくは95%、より好ましくは少なくとも98%の同一性を有する配列を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる軽鎖を含む。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。
特定の実施形態において、抗体または結合性メンバーは、配列番号5、配列番号6もしくは配列番号7のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85%、より好ましくは90%、最も好ましくは少なくとも98%の同一性を有する配列を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる重鎖を含む。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。

0016

一般的に、抗体の重鎖定常ドメインは、該定常ドメインが下流エフェクター機能を媒介しないように選択するか、またはアミノ酸置換もしくは欠失により修飾する。一般的に、前記重鎖は、ウマHC2またはHC6重鎖である。より一般的には、前記重鎖は、ウマHC2重鎖である。特定の実施形態において、抗体または結合性メンバーは、配列番号5もしくは配列番号6のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85%、より好ましくは90%、最も好ましくは少なくとも98%の同一性を有する配列を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる重鎖を含む。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。配列番号5および配列番号6は、エフェクター機能を欠いていることが示されたが、プロテインAカラムを用いて精製することができる、HC2重鎖を含む。これは、HC2重鎖を有する抗体を製造に際して大規模に精製することを可能にするものであり、したがって、利点である。

0017

特定の実施形態において、抗体は、少なくとも1つのリポーター分子コンジュゲートさせることができる。
特定のさらなる実施形態において、定常ドメインにおける少なくとも1つの残基は、当残基のグリコシル化を防ぐために、置換または欠失させることができる。したがって、特定のさらなる実施形態において、抗体または抗体結合性断片は、配列番号8もしくは配列番号9のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85%、より好ましくは90%、最も好ましくは少なくとも98%の同一性を有する配列を含む重鎖を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。

0018

発明者は、ウマ化重および軽鎖可変ドメインを形成するために相補性決定領域(CDR)と組み合わせることができる一連のフレームワーク領域(FR)をさらに定義した。ウマ重および軽鎖ドメインのそれぞれは、FR1、FR2、FR3およびFR4と呼ばれる4つのフレームワーク領域を有する。
抗体分子は、CDR1、CDR2およびCDR3領域ならびに関連挿入フレームワーク領域を含む重鎖可変ドメインを含み得る。重鎖可変ドメイン(VH)CDRは、HCDRとして公知であり、これらのCDRは、Kabat番号付けステムによる以下の位置に見いだされる:HCDR1−Kabat残基31〜35、HCDR2−Kabat残基50〜65、HCDR3−Kabat残基95〜102(Kabat EA et al. (1991) Sequences of proteins of immunological interest, 5th edition. Bethesda: US Department of Health and Human Services)。

0019

さらに、抗体は、CDR1、CDR2およびCDR3領域ならびに関連挿入フレームワーク領域を含む軽鎖可変ドメインをさらに含む。軽鎖可変ドメイン(VL)CDRは、LCDRとして公知であり、これらのCDRは、Kabat番号付けシステムによる以下の位置に見いだされる:LCDR1−Kabat残基24〜34、LCDR2−Kabat残基50〜56、LCDR3−Kabat残基89〜97。
軽または重鎖可変ドメインは、以下の配列でCDRが介在している4つのフレームワーク領域FR1、FR2、FR3およびFR4を含む:FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4。

0020

さらなるまたは関連態様において、本発明は、抗NGF抗体またはそのNGF抗原結合性断片に及び、抗体または抗体結合性断片は、
配列番号10のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR1フレームワーク領域、
配列番号11のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR2フレームワーク領域、
配列番号12のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR3フレームワーク領域、および
配列番号13のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR4フレームワーク領域
の少なくとも1つを含む軽鎖可変領域
ならびに/あるいは
配列番号14のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR1フレームワーク領域、
配列番号15のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR2フレームワーク領域、
配列番号16のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR3フレームワーク領域、および
配列番号17のアミノ酸配列からなるまたはそれを含むFR4フレームワーク領域
の少なくとも1つを含む重鎖可変領域
を含む。

0021

一般的に、軽および重鎖CDRは、NGF、好ましくはウマNGFに対する結合特異性を有する抗体に由来する。
一般的に、本発明のウマ化抗ウマNGF抗体の製造には、軽または重鎖可変ドメインのフレームワーク領域に復帰突然変異を導入する必要はない。
特定の実施形態において、上述の前記少なくとも1つのフレームワーク領域を含む軽鎖可変ドメインは、ウマ由来の軽鎖定常ドメイン、一般的に軽鎖カッパ定常ドメインに結合しているが、ラムダ軽鎖に結合していてもよい。特定の実施形態において、前記軽鎖は、配列番号10のアミノ酸配列を有するFR1領域、配列番号11のアミノ酸配列を有するFR2領域、配列番号12のアミノ酸配列を有するFR3領域および配列番号13のアミノ酸配列を有するFR4領域または前述のものとの少なくとも85、90、95もしくは98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含む。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約5アミノ酸、好ましくは約10アミノ酸の長さにわたる。

0022

特定のさらなる実施形態において、上述のフレームワーク領域の少なくとも1つを含む重鎖可変領域は、ウマ由来の重鎖定常ドメインに結合している。特定の実施形態において、定常ドメインのアミノ酸配列は、定常ドメインが脱グリコシル化されるように、翻訳後修飾を欠き、またはN結合グリコシル化もしくはO結合グリコシル化を受け得る任意もしくはすべての残基を除去するために修飾することができる。特定の実施形態において、重鎖は、配列番号14のアミノ酸配列を有するFR1領域、配列番号15のアミノ酸配列を有するFR2領域、配列番号16のアミノ酸配列を有するFR3領域および配列番号17のアミノ酸配列を有するFR4領域または前述のものとの少なくとも85、90、95もしくは98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含む。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約5アミノ酸、好ましくは約10アミノ酸の長さにわたる。

0023

特定のさらなる実施形態において、修飾は、本明細書で述べたフレームワーク領域に対して行うことができる。すなわち、発明者は、各フレームワーク領域におけるいくつかの残基について、所定の位置のえり抜きのアミノ酸が存在することを確認した。重要なことに、これらのフレームワーク領域の修飾は、相補性決定領域の立体配座の変化をもたらさない。その理由は、これにより、得られる抗体の結合特異性および/または親和性が変化する可能性があるためである。特定の実施形態において、本発明は、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域のフレームワーク領域のアミノ酸残基への2以上のアミノ酸置換の導入に及ぶ。

0024

したがって、特定のさらなる実施形態において、本発明は、以下のアミノ酸置換(アミノ酸をそれらの1文字コードによって表す)の1つまたは複数により修飾された配列番号10のアミノ酸配列を含むFR1領域を有する軽鎖可変ドメインを含む、抗体またはその抗原結合性断片のようなポリペプチドに及ぶ:2位におけるアミノ酸残基I(I2)がアミノ酸残基Vにより置き換えられ、S7がTであり、A9がEであり、L11がVであり、S12がTまたはAであり、A13がVであり、S14がTであり、E17がQであり、T18がRであり、T20がEであり、I21がI、L、MまたはVであり、E22がKである。さらに、1つまたは複数の以下の置換をさらに行うことができる:D1がG、KまたはVであり、I2がF、N、SまたはTであり、V3がA、G、IまたはMであり、M4がL、QまたはVであり、T5がAまたはIであり、S7がFであり、A9がD、PまたはSであり、S10がF、LまたはTであり、L11がSであり、S12がEまたはVであり、A13がL、QまたはTであり、S14がAまたはPであり、L15がPまたはRであり、G16がRであり、T18がS、GまたはKであり、V19がAであり、T20がDまたはVであり、I21がTであり、E22がL、N、Q、R、SまたはTである。

0025

特定のさらなる実施形態において、配列番号11のアミノ酸配列を有する軽鎖FR2領域は、以下のアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾することができる:K5がRであり、Q8がEであり、S9がAであり、K11がRまたはEであり、L12がRである。
さらに、1つまたは複数の以下の置換をさらにもたらすことができる:Y2がFまたはHであり、Q3がRまたはSであり、Q4がH、K、RまたはVであり、K5がVであり、P6がI、LまたはSであり、S9がP、R、VまたはTであり、P10がLであり、K11がIまたはLであり、L12がA、E、G、H、QまたはWであり、L13がF、I、MまたはVであり、I14がF、T、MまたはVであり、Y15がA、C、D、E、F、G、H、Q、R、S、TまたはVである。

0026

特定のさらなる実施形態において、配列番号12のアミノ酸配列を有する軽鎖FR3領域は、以下のアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾することができる:S4がDであり、F6がYであり、D14がEであり、Y15がFであり、S16がTであり、N20がSであり、S24がAであり、S29がI、SまたはTであり、F31がYである。さらに、1つまたは複数の以下の置換をさらにもたらすことができる:G1がDまたはFであり、V2がAまたはFであり、P3がLまたはSであり、S4がA、E、GまたはLであり、F6がLであり、S7がC、F、G、N、RまたはTであり、G8がAであり、S9がD、E、G、K、R、TまたはWであり、G10がA、RまたはVであり、S11がA、F、TまたはYであり、G12がEまたはTであり、T13がA、SまたはWであり、S16がAまたはVであり、L17がFまたはPであり、T18がA、I、SまたはVであり、I19がVであり、N20がD、GまたはTであり、S21がD、E、P、RまたはTであり、Q23がEまたはRであり、S24がEまたはTであり、E25がA、D、GまたはTであり、D26がNであり、V27がA、L、E、GまたはSであり、A28がGであり、S29がD、E、F、L、M、NまたはVであり、Y30がCであり、F31がH、S、T、VまたはWである。

0027

特定のさらなる実施形態において、配列番号13のアミノ酸配列を有する軽鎖FR4領域は、以下のアミノ酸置換により修飾することができる:L9がIである。さらに、1つまたは複数の以下の置換をさらにもたらすことができる:F1がIまたはLであり、Q3がLであり、T5がSであり、K6がM、NまたはRであり、L7がMまたはVであり、E8がA、DまたはKであり、L9がF、MまたはVであり、K10がA、E、G、I、Q、R、TまたはVである。
特定のさらなる実施形態において、配列番号14のアミノ酸配列を有する重鎖FR1領域は、以下のアミノ酸置換により修飾することができる:N13がKであり得る。さらに、1つまたは複数の以下の置換をさらにもたらすことができる:K5がQであり得、G10がDであり得、L11がQであり得、V12がMであり得、N13がMまたはRであり得、P14がIまたはSであり得、S15がAまたはGであり得、Q16がEであり得、T17がAであり得、S19がTであり得、T21がSまたはVであり得、T23がA、FまたはSであり得、V24がIであり得、S25がTであり得、G26がAであり得、F27がA、G、I、M、N、QまたはSであり得、S28がD、H、I、L、NまたはPであり得、L29がD、S、TまたはVであり得、T30がE、I、NまたはRであり得る。

0028

特定のさらなる実施形態において、配列番号15のアミノ酸配列を有する重鎖FR2領域は、以下のアミノ酸置換により修飾することができる:W12がFである。さらに、1つまたは複数の以下の置換をさらにもたらすことができる:V2がLであり得、A5がP、SまたはVであり得、K8がWであり得、G9がRであり得、L10がPまたはWであり得、W12がE、H、R、VまたはYであり得、G14がA、DまたはSであり得る。

0029

特定のさらなる実施形態において、配列番号16のアミノ酸配列を有する重鎖FR3領域は、以下のアミノ酸置換の1つまたは複数により修飾することができる:T3がSであり、R6がKであり、F14がYであり、Q16がTであり、M17がLであり、R32がGである。さらに、A2がC、G、I、TまたはVであり得、T3がD、I、M、NまたはRであり得、I4がVであり、T5がI、LまたはSであり、R6がEまたはSであり、D7がEまたはNであり、T8がA、E、I、P、SまたはYであり、S9がE、G、KまたはTであり、K10がE、L、N、QまたはRであり、S11がG、K、NまたはRであり、Q12がE、HまたはRであり、V13がA、I、L、FまたはSであり、F14がL、R、S、TまたはVであり、L15がVであり、Q16がIであり、M17がVであり、N18がD、K、R、SまたはTであり、S19がD、E、G、K、MまたはTであり、L20がMまたはVであり、T21がSであり、S22がD、E、GまたはRであり、E23がDまたはGであり、T25がAであり、A26がSであり、V27がDであり、Y29がA、F、IまたはWであり、A31がE、G、I、S、TまたはVであり、R32がA、E、G、H、I、KまたはSである。

0030

特定のさらなる実施形態において、配列番号17のアミノ酸配列を有する重鎖FR4領域は、以下のアミノ酸置換により修飾することができる:Q3がPである。
本発明の上述の態様の特定の実施形態において、抗体は、モノクローナル抗体である。一般的に、抗体は、ウマ抗体である。
本発明の上述の態様の特定のさらなる実施形態において、本発明のウマ化NGF中和抗体、またはそれに由来する結合性断片は、1×10-8以下の平衡解離定数(KD)を有する結合親和性でウマNGF(神経成長因子)に特異的に結合する。さらに、該ウマ化抗体がウマに存在する他のエピトープに対して交差反応性でないこと、さらに、それらをウマに投与した場合に本発明の抗体に対する中和抗体が発生しないことが好ましい。さらに、抗体の定常ドメインが、補体結合および活性化、ADCCならびにFc受容体結合および活性化を含むが、これらに限定されない下流エフェクター機能を媒介しないことが好ましい。

0031

特定のさらなる実施形態において、重鎖の定常領域のアミノ酸配列の修飾は、本発明の抗体に対して行うことができる。前記修飾は、1つまたは複数のアミノ酸残基の付加、置換または欠失を含み得る。前記アミノ酸変化は、一般的に抗体の機能特性修正するために行われる。例えば、アミノ酸修飾は、例えば、Fc受容体に結合する、補体を活性化する、またはADCCを誘導する抗体の能力を妨げることによって、抗体の定常ドメインにより媒介される下流エフェクター機能を妨げるために行うことができる。さらに、修飾は、ウマに投与する場合の抗体の循環半減期を修正するために、重鎖定常ドメインのヒンジ領域に対して行うことができる。
一般的に、抗体の重鎖定常ドメインは、該定常ドメインが下流エフェクター機能を媒介しないように選択するか、またはアミノ酸置換もしくは欠失により修飾する。一般的に前記重鎖は、ウマHC2またはHC6重鎖である。さらにより一般的には、前記重鎖は、ウマHC2重鎖である。
さらなるまたは関連態様において、本発明は、1つまたは複数のウマ可溶性タンパク質に特異的に結合する抗体またはその結合性断片に及び、抗体は、下流エフェクター機能を媒介せず、抗体は、プロテインAへの結合により精製される。

0032

特定の実施形態において、CSFインターロイキン成長因子およびニューロトロフィンからなる群から選択される。特定の実施形態において、1つまたは複数の可溶性タンパク質は、ニューロトロフィンである。特定の実施形態において、1つまたは複数の可溶性タンパク質は、NGFである。

0033

特定の実施形態において、抗体は、抗体が下流エフェクター機能を媒介しないように選択されたまたはアミノ酸置換もしくは欠失により修飾された重鎖を含む。
特定の実施形態において、抗体は、HC2アイソタイプを有する重鎖を含む。HC2アイソタイプを含む抗体は、エフェクター機能を欠き、プロテインAカラムまたはプロテインAアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製できることが示された。
特定の実施形態において、抗体は、例えば、プロテインAカラムまたはプロテインAアフィニティークロマトグラフィーを用いたプロテインAへの結合による精製後に得られた抗体である。
特定の実施形態において、抗体は、軽鎖および重鎖を含み、軽鎖の可変領域(VL)は、配列番号1のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85、90、95もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、重鎖の可変領域(VH)は、配列番号2のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85、90、95もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列と同じまたは実質的に相同であるアミノ酸配列を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。

0034

特定の実施形態において、抗体は、配列番号4のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85%、より好ましくは95%、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸同一性を有する配列を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる軽鎖を含む。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。
特定の実施形態において、抗体は、配列番号5もしくは配列番号6のアミノ酸配列またはそれとの少なくとも85%の同一性、より好ましくは90%、最も好ましくは少なくとも98%の同一性を有する配列を含む、それからなるまたは本質的にそれからなる重鎖を含む。特定の実施形態において、前記同一性は、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは約20アミノ酸、より好ましくは約25アミノ酸の長さにわたる。
特定の実施形態において、抗体は、モノクローナル抗体である。一般的に、抗体は、ウマ化抗体である。

0035

特定のさらなる実施形態において、本発明の抗体、またはそれに由来する結合性断片は、1×10-8以下の平衡解離定数(KD)を有する結合親和性でウマNGF(神経成長因子)に特異的に結合する。さらに、抗体がウマに存在する他のエピトープに対して交差反応性でないこと、さらに、それらをウマに投与した場合に本発明の抗体に対する中和抗体が発生しないことが好ましい。
特定の実施形態において、抗体、またはその抗原結合性断片は、下流エフェクター機能を媒介しない。一般的に、抗体または結合性断片は、ウマ重鎖サブタイプHC2を有する。
特定の実施形態において、ウマ化抗体は、本発明の第1の態様の抗体を調製する方法に従って調製する。
本発明は、ウマNGFに結合し、ウマp75およびTrkA受容体に結合するその能力を奪う抗体断片に及ぶ。

0036

特定の実施形態において、本発明の抗体のいずれかの抗体結合性断片は、フレキシブルリンカーにより連結されて単鎖抗体を形成する本発明の重鎖および軽鎖配列を含み得る。単鎖Fv(scFv)は、VHおよびVLドメインを含む。VHおよびVLドメインは、結合して標的結合部位を形成する。これらの2つのドメインは、ペプチドリンカーによって共有結合により連結されている。scFv分子は、軽鎖可変ドメインがN末端において必要である場合にはVL−リンカー−VHの形態を、またはVHドメインがN末端において必要である場合にはVH−リンカー−VLとしての形態を有し得る。したがって、特定のさらなる実施形態において、抗原結合性断片は、単鎖Fv(scFv)抗体断片である。特定のさらなる実施形態において、抗体結合性断片は、Fab抗体断片、Fab’抗体断片、F(ab’)2抗体断片、Fv抗体断片、sFV抗体断片および同類のものからなるが、これらに限定されない群から選択される。

0037

特定のさらなる実施形態において、本発明は、併用療法用の異なる結合特異性を有する他の抗体と連結または結合した本発明の抗NGF抗体または結合性断片を含む多重特異性または多価抗体を提供する。多重特異性抗体は、第1のNGFエピトープに特異的な少なくとも1つの抗体または結合性断片およびウマNGF上に存在する他のエピトープまたは異なる抗体に特異的な少なくとも1つの結合部位を含む。多価抗体は、同じNGFエピトープに対する結合特異性を有する抗体または抗体結合性断片を含む。したがって、特定の実施形態において、本発明は、本発明のウマ化抗体の4つ以上のFv領域またはFab領域を含む抗体融合タンパク質に及ぶ。さらなる実施形態は、本明細書で述べる抗体に由来する1つまたは複数のFab領域ならびにウマNGFに特異的な抗体の1つまたは複数のFabまたはFv領域を含む抗体融合タンパク質に及ぶ。特定のさらなる実施形態において、本発明は、本発明による抗体またはその結合性断片が第2の標的に対する結合特異性を有する第2の抗体またはその結合性断片に連結されていて、前記標的がウマNGFでない、二重特異性抗体に及ぶ。好ましくは、前記第2の標的は、p75またはTrkA受容体を介するNGF媒介性シグナル伝達を妨げることを促進する。そのような多価、二重特異性または多重特異性抗体は、当業者に周知であると思われる様々な組換え法により作製することができる。

0038

本発明のさらに他の態様において、配列番号1のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインおよび/または配列番号2のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含む抗ニューロトロフィン中和抗体を提供する。特定の実施形態において、ニューロトロフィンは、ウマ神経成長因子(NGF)である。
本発明のさらに他の態様は、ウマにおける疼痛を治療、阻害または改善する方法であって、
−治療有効量の、ウマ化抗体である抗ウマNGF抗体またはその抗原結合性断片を提供するステップと、
−それを必要とするウマにそれを投与するステップと
を含む、方法を提供する。

0039

特定の実施形態において、ウマ化抗体は、配列番号1のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも95%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインおよび/または配列番号2のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも95%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
特定の実施形態において、ウマ化抗体は、配列番号4のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む軽鎖ならびに/または配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8もしくは配列番号9および前述のものとの少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%のアミノ酸同一性を有する配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、それからなるもしくは本質的にそれからなる重鎖を含む。
特定の実施形態において、ウマ化抗体またはその抗原結合性断片は、本発明の前述の態様によって提供されるもののいずれかである。

0040

特定の実施形態において、疼痛は、神経障害性疼痛である。特に、疼痛は、術後または外科手術後疼痛であり得る。術後疼痛は、ウマにおける整形外科手術軟組織外科手術卵巣子宮摘出処置および同類のものを含むが、これらに限定されない手術処置後に生じ得る。特定のさらなる実施形態において、疼痛は、癌および癌性状態に関連する慢性疼痛(腫瘍疼痛)である。特定のさらなる実施形態において、疼痛は、炎症、掻痒症関節リウマチまたは変形性関節症に関連する、または起因する。特定のさらなる実施形態において、疼痛は、手掌足底疼痛(palmar foot pain)、挫傷(subsolar brusing)、蹄葉炎、蹄膿瘍展示外傷(post showing trauma)、レース後外傷(post race trauma)、舟状骨症候群および近位けい靭帯炎に関連する、または起因する。

0041

本発明のさらなる態様によれば、ウマ対象における関節炎の治療の方法であって、
−治療有効量の本発明による抗ウマNGF抗体またはその抗原結合性断片を提供するステップと、
−それを必要とするウマにそれを投与するステップと
を含む、方法を提供する。
特定の実施形態において、抗体は、ウマ化抗体である。特定の実施形態において、ウマ化抗体は、配列番号1もしくは配列番号3のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変ドメインおよび/または配列番号2もしくは配列番号4のアミノ酸配列もしくはそれとの少なくとも85%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。

0042

特定の実施形態において、関節炎または関節炎状態は、免疫介在性多発性関節炎、関節リウマチ、変形性関節症および関連状態からなる群から選択される状態を含む。
一般的に、関節炎または関節炎状態の治療は、関節炎状態に関連する、または起因する疼痛を改善すること、阻害すること、低減すること、抑制することまたはその発症遅延させることを含む。
本発明のさらなる態様は、ウマ対象における神経成長因子(NGF)に対する感受性の増大により引き起こされる、関連する、またはそれをもたらす状態の治療の方法であって、
−治療有効量の本発明による抗ウマNGF抗体またはその抗原結合性断片を提供するステップと、
−それを必要とするウマにそれを投与するステップと
を含む、方法を提供する。

0043

本発明のさらなる態様によれば、ウマにおけるNGFにより増殖するように誘導される腫瘍およびそれに関連する状態の治療の方法であって、
−治療有効量の本発明による抗ウマNGF抗体またはその抗原結合性断片を提供するステップと、
−それを必要とするウマにそれを投与するステップと
を含む、方法を提供する。
特定の実施形態において、腫瘍は、骨肉腫である。特定の実施形態において、腫瘍は、自己分泌型または傍分泌型NGFにより増殖するように誘導される。
特定の実施形態において、本発明の前述の方法は、本発明の抗NGF抗体の有効性を増大させ、かつ/または補完し得る少なくとも1つのさらなる薬剤同時投与するステップをさらに含む。例えば、抗体またはその抗原結合性断片は、少なくとも1つの鎮痛薬、NSAID、オピオイドコルチコステロイド、ステロイド、ヒアルロナンまたはヒアルロン酸とともに同時投与することができる。
適切な鎮痛薬の例は、ブトルファノールブプレノルフィンフェンタニルフルニキシンメグルミンメルジンモルヒネナルブフィンおよびそれらの誘導体を含むが、これらに限定されない。適切なNSAIDsは、アセトアミノフェンアセチルサリチル酸カルプロフェンエトドラクケトプロフェンメロキシカムフィロコキシブ、ロベナコキシブ、デラコキシブなどを含むが、これらに限定されない。

0044

特定のさらなる実施形態において、少なくとも1つのさらなる薬剤は、抗生物質抗真菌薬抗原虫薬抗ウイルス薬または同様な治療薬から選択される1つまたは複数の群であり得る治療上有効な薬剤であり得る。さらに、少なくとも1つのさらなる薬剤は、PG受容体アンタゴニストなどの炎症のメディエーター単数または複数)の阻害薬シクロスポリンなどの免疫抑制薬抗炎症性グルココルチコイドであり得る。特定のさらなる態様において、少なくとも1つのさらなる薬剤は、高齢ウマにおいてますます優勢になり得る記憶喪失または関連状態などの認知機能不全または障害の治療に用いられる薬剤であり得る。さらに、少なくとも1つのさらなる薬剤は、例えば、高血圧心筋虚血うっ血性心不全などを治療するための抗高血圧薬または心血管機能不全の治療に用いられる他の化合物であり得る。さらに、少なくとも1つのさらなる薬剤は、利尿薬血管拡張薬ベータアドレナリン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシンII変換酵素阻害薬、カルシウムチャネル遮断薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、フェニルブタゾン、ヒアルロン酸、多硫酸化グリコサミノグリカン、インターロイキン1受容体アンタゴニスト、IRAPジクロフェナクおよび疾患修飾性変形性関節症薬であり得る。

0045

特定の実施形態において、抗体または抗原結合性断片は、約0.01mg/kg体重〜約10mg/kg体重、特に0.03mg/kg体重〜約3mg/kg体重の範囲の用量で前述の方法の一部としてウマに投与する。
様々なさらなる態様において、本発明は、本発明のいずれかの前述の態様による抗体またはその結合性断片を含む組成物に及ぶ。特定の実施形態において、組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体をさらに含む。
本発明のさらなる態様は、薬学的に有効な量の本発明による抗ウマNGFウマ化抗体を、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤一緒に含む、ウマにおける疼痛、または慢性疼痛をもたらす、もしくはそれによって引き起こされる状態を治療するための医薬組成物を提供する。特定の実施形態において、組成物は、少なくとも1つの鎮痛薬、NSAID、オピオイド、コルチコステロイドまたはステロイドをさらに含み得る。

0046

様々なさらなる態様において、本発明は、本発明の抗体または抗体結合性断片をコードする単離核酸に及ぶ。
したがって、本発明のさらに他の態様は、本発明の前述の態様のいずれかによる抗体または抗原結合性断片をコードする単離核酸を提供する。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは、抗ウマNGFウマ化抗体の軽鎖可変ドメインまたは配列番号1のアミノ酸配列を有する抗体断片または配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖をコードする。
特定のさらなる実施形態において、ポリヌクレオチドは、抗ウマNGFウマ化抗体の重鎖可変ドメインまたは配列番号2のアミノ酸配列を有する抗体断片または配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8もしくは配列番号9のアミノ酸配列を有する重鎖をコードする。

0047

特定の実施形態において、単離核酸は、それに作動可能に連結した1つまたは複数の調節配列をコードする核酸をさらに含む。
さらなる態様において、本発明の重および/または軽鎖可変ドメインあるいは重および/または軽鎖定常ドメインをコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを提供する。特定の実施形態において、発現ベクターは、1つまたは複数の調節配列をさらに含む。特定の実施形態において、ベクターは、プラスミドまたはレトロウイルスベクターである。
さらに他の態様は、本発明の前述の態様の発現ベクターを組み込んだ宿主細胞を提供する。本発明のさらなる態様は、本発明の前述の態様のいずれかの抗体を産生する宿主細胞を提供する。

0048

本発明のさらに他の態様は、本発明の前述の態様の宿主細胞を培養して、細胞がウマ化抗ウマNGF中和抗体を発現することを可能にするステップを含む、ウマ化抗ウマNGF中和抗体を製造する方法を提供する。

0049

本発明のさらに他の態様は、適切な宿主細胞中で本発明の抗体の軽および/または重鎖を発現する本発明の前述の態様の1つまたは複数のポリヌクレオチド/核酸またはベクターを発現させるステップと、宿主細胞中で一緒に、または異なる宿主細胞中で別個に発現させることができる、発現ポリペプチドを回収するステップと、抗体を単離するステップとを含む、本発明による抗ウマNGFウマ化抗体を製造する方法を提供する。
本発明のさらに他の態様は、ウマにおける疼痛を治療する、改善するまたは抑制する方法であって、本発明の前述の態様のいずれかによる有効量のポリヌクレオチドをウマに投与するステップを含む、方法を提供する。
本発明のさらに他の態様は、ウマにおける疼痛の治療、予防または改善に用いる本発明の前述の態様のいずれかによる抗体もしくは抗体結合性断片、または本発明の前述の態様による医薬組成物、または本発明の前述の態様による核酸、または本発明の前述の態様のいずれかによるベクターを提供する。

0050

特定の実施形態において、疼痛は、急性疼痛である。さらなる実施形態において、疼痛は、慢性疼痛である。さらに、疼痛は、術後疼痛、またはウマにおける整形外科手術、軟組織外科手術、卵巣子宮摘出処置および同類のものを含み得るが、これらに限定されない、いずれかの手術処置に起因する疼痛であり得る。特定のさらなる実施形態において、疼痛は、癌または癌性状態に関連する慢性疼痛である。特定のさらなる実施形態において、疼痛は、炎症、掻痒症、関節リウマチまたは変形性関節症に関連する、または起因する。疼痛は、手掌足底疼痛、蹄底挫傷、蹄葉炎、蹄膿瘍、展示後外傷、レース後外傷、舟状骨症候群および近位けい靭帯炎に関連する、または起因する。

0051

本発明のさらに他の態様は、治療または変形性関節症および/または関節リウマチに用いる本発明の前述の態様のいずれかによる抗体もしくは抗体結合性断片、または本発明の前述の態様による医薬組成物、または本発明の前述の態様による核酸、または本発明の前述の態様のいずれかによるそれを含むベクターを提供する。
本発明のさらに他の態様は、ウマにおけるNGFにより増殖するように誘導された腫瘍およびそれに関連する状態、特に骨肉腫の治療に用いる本発明の前述の態様のいずれかによる抗体もしくは抗体結合性断片、または本発明の前述の態様による医薬組成物、または本発明の前述の態様のいずれかによる核酸もしくはそれを含むベクターを提供する。特定の実施形態において、腫瘍は、自己分泌型または傍分泌型NGFにより増殖するように誘導される。
本発明のさらに他の態様は、ウマにおける疼痛の治療または予防用の医薬の調製における本発明の前述の態様のいずれかによる抗体もしくは抗体結合性断片、または本発明の前述の態様による医薬組成物、または本発明の前述の態様による核酸、または本発明の前述の態様のいずれかによるそれを含むベクターの使用を提供する。

0052

疼痛は、急性または慢性疼痛であり得る。特定の実施形態において、疼痛は、慢性疼痛である。さらに、疼痛は、術後疼痛、またはウマにおける整形外科手術、軟組織外科手術および同類のものを含み得るが、これらに限定されない、いずれかの手術処置に起因する疼痛であり得る。特定のさらなる実施形態において、疼痛は、癌または癌性状態に関連する慢性疼痛である。特定のさらなる実施形態において、疼痛は、炎症、掻痒症、関節リウマチまたは変形性関節症に関連する、または起因し、さらに手掌足底疼痛、蹄底挫傷、蹄葉炎、蹄膿瘍、展示後外傷、レース後外傷、舟状骨症候群および近位けい靭帯炎に関連する、または起因する。
本発明のさらに他の態様は、ウマにおける関節リウマチまたは変形性関節症の治療、阻害、改善または予防用の医薬の調製における、本発明の前述の態様のいずれかによる抗体もしくは抗体結合性断片、または本発明の前述の態様による医薬組成物、または本発明の前述の態様による核酸、または本発明の前述の態様のいずれかによるそれを含むベクターの使用を提供する。

0053

本発明のさらに他の態様は、ウマにおけるNGFにより増殖するように誘導された腫瘍およびそれに関連する状態、特に骨肉腫の治療用の医薬の調製における本発明の前述の態様のいずれかによる抗体もしくは抗体結合性断片、または本発明の前述の態様による医薬組成物、または本発明の前述の態様のいずれかによる核酸もしくはそれを含むベクターの使用を提供する。特定の実施形態において、腫瘍は、自己分泌型または傍分泌型NGFにより増殖するように誘導される。
さらに他の態様において、本発明による抗ウマNGF中和モノクローナル抗体またはその断片を産生する細胞系、またはその派生もしくは子孫細胞を提供する。

0054

本発明のさらに他の態様は、本発明の前述の態様のいずれかによる抗ウマNGF抗体およびそれの使用説明書を含む、ウマにおける疼痛の治療用、または疼痛に関連する状態の治療用、または変形性関節症、関節リウマチ、炎症、掻痒症、手掌足底疼痛、蹄底挫傷、蹄葉炎、蹄膿瘍、展示後外傷、レース後外傷、舟状骨症候群および近位けい靭帯炎に関連する疼痛の治療、改善もしくは阻害用キットを提供する。
本発明のさらに他の態様は、前記抗体の濃度を測定するのに用いるin vitro、ex vivoおよびin vivoでの体液中の抗ウマNGFモノクローナル抗体検出用診断キットを提供する。キットは、本発明の抗体のいずれかまたはその結合性断片を含み得る。キットは、それの使用説明書を含み得る。

図面の簡単な説明

0055

マウスおよびウマNGFへの本発明により産生させたウマ化抗体の結合を示すグラフである。
重鎖に特異的な抗ウマポリクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティングにより明らかにされた本発明のウマ化抗体のプロテインA精製を示すゲル(A)およびSDS−Pageを用いたウマ化抗体の精製の結果を示すゲル(B)を示す図である。
ウマ化抗体によるTF−1細胞のNGF誘導性増殖の抑制を示すグラフである。
抗原捕捉ウマ化抗体により誘導される補体沈着欠如を示すグラフである。
ウマ化抗NGFの軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)を示す図である。Kabat番号付けにより同定された3つのCDR領域下線が引かれている。特定の残基の上のアスタリスクは、ラットaD11抗マウスNGFモノクローナル抗体との配列の差異を示す。
ウマ化抗NGFの重鎖可変ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)を示す図である。Kabat番号付けにより同定された3つのCDR領域に下線が引かれている。特定の残基の上のアスタリスクは、ラットaD11抗マウスNGFモノクローナル抗体との配列の差異を示す。
ウマ化抗NGF軽鎖可変ドメインウマカッパ軽鎖(eqN−kLC)抗体のアミノ酸配列(配列番号4)を示す図である。可変ドメイン残基は、肉太字で示されている。
ウマ化抗NGF重鎖可変ドメインウマIgG−2重鎖(eqN−HC2(IgG2))のアミノ酸配列(配列番号6)を示す図である。可変ドメイン残基は、肉太字で示されている。
HC6重鎖定常ドメインを有するウマ化抗NGF重鎖可変ドメインウマIgG−6重鎖(eqN−HC6(IgG2))のアミノ酸配列(配列番号7)を示す図である。可変ドメイン残基は、肉太字で示されている。
ウマ化抗NGF MAbsのHC2およびHC6アイソタイプ変異型のプロテインAアフィニティークロマトグラフィープロファイルの比較を示す図である。図10AおよびCに2型(HC2、図10A)および6型(HC6、図10C)抗体のCHOトランスフェクタント上清負荷後のUV吸光度黒色線)および伝導度プロファイル(灰色線)を示す。図10BおよびDにカラムからの抗体の回収(定量的ELISAにより測定)を示し、実質的にすべてのHC2抗体がカラムに結合し、特異的溶出により回収された(図10B)が、HC6抗体のいずれもカラムにより結合されなかった(図10D)ことを示す。
ウマ化抗NGF MAbsのHC2およびHC6アイソタイプ変異型のプロテインAアフィニティークロマトグラフィープロファイルの比較を示す図である。図10AおよびCに2型(HC2、図10A)および6型(HC6、図10C)抗体のCHOトランスフェクタント上清の負荷後のUV吸光度(黒色線)および伝導度プロファイル(灰色線)を示す。図10BおよびDにカラムからの抗体の回収(定量的ELISAにより測定)を示し、実質的にすべてのHC2抗体がカラムに結合し、特異的溶出により回収された(図10B)が、HC6抗体のいずれもカラムにより結合されなかった(図10D)ことを示す。
ウマ化抗NGF MAbsのHC2およびHC6アイソタイプ変異型のプロテインAアフィニティークロマトグラフィープロファイルの比較を示す図である。図10AおよびCに2型(HC2、図10A)および6型(HC6、図10C)抗体のCHOトランスフェクタント上清の負荷後のUV吸光度(黒色線)および伝導度プロファイル(灰色線)を示す。図10BおよびDにカラムからの抗体の回収(定量的ELISAにより測定)を示し、実質的にすべてのHC2抗体がカラムに結合し、特異的溶出により回収された(図10B)が、HC6抗体のいずれもカラムにより結合されなかった(図10D)ことを示す。
ウマ化抗NGF MAbsのHC2およびHC6アイソタイプ変異型のプロテインAアフィニティークロマトグラフィープロファイルの比較を示す図である。図10AおよびCに2型(HC2、図10A)および6型(HC6、図10C)抗体のCHOトランスフェクタント上清の負荷後のUV吸光度(黒色線)および伝導度プロファイル(灰色線)を示す。図10BおよびDにカラムからの抗体の回収(定量的ELISAにより測定)を示し、実質的にすべてのHC2抗体がカラムに結合し、特異的溶出により回収された(図10B)が、HC6抗体のいずれもカラムにより結合されなかった(図10D)ことを示す。
本発明の方法に対応した方法により調製された抗イヌNGFモノクローナル抗体がイヌにおける炎症性疼痛を低減することを示すグラフである。

0056

広範な実験の後に、発明者は、ラット抗マウスNGFモノクローナル抗体(MAb)αD11アミノ酸配列を選び、これを用いて非免疫原性抗NGF抗体を製造した。キメラまたはウマ化抗体であってよい、得られた抗体は、標準的CDR移植技術を用いて製造されるものでなく、驚くべきことにウマNGFに対する高親和性結合を示すことが示されている。さらに驚くべきことに、該抗体は、細胞ベース受容体TrkAおよびp75へのNGFの結合を非常に特異的に阻害することによってウマNGFの生物学的機能を中和することが示されている。さらに、意外にも、ウマに投与した場合、それに対する中和抗体が産生されないことも発見された。したがって、本発明の非免疫原性抗体は、ウマにおける慢性疼痛の長期緩和に適している。

0057

本発明者が用いた本発明の抗体の重および軽鎖可変ドメインを生成する方法は、本発明者の解析に基づいて、それを非改変の形でウマに投与した場合に抗体に対する中和抗体が発生することにつながり得る免疫原性エピトープの存在を低減すると同時に、CDR領域の立体配座を保持し、したがって、結合特異性およびアビディティを維持する残基による軽および重鎖可変ドメインのフレームワーク領域内に存在する特異的ラット(ドナー)アミノ酸残基の置換をもたらす。具体的には、本発明の抗体を調製する方法(PETisationとして公知)は、ドナー抗体のフレームワーク領域の配列をウマ由来の抗体または抗体のプールの配列と比較することによってドナー(例えば、ラット)抗体のフレームワーク領域の配列を、ウマへの投与の適合性について評価するステップを含む。比較は、ドナー配列標的配列の単一メンバーとの間であってもよいが、標的配列のプールとの比較が好ましいことは明らかである。その理由は、これにより、標的種における各Kabat位置における天然選択肢の数が拡大されるからである。これにより、ドナーと標的との間の「一致」の可能性が増加するだけでなく、一致が存在しない場合には置き換えの選択肢も拡大される。結果として、ドナーとできる限り近い特性による置き換えを選択することができる。ドナー配列とウマ配列がKabat番号または対応する位置において異なる場合、ウマにおける当該位置において自然であることが公知であるアミノ酸残基により問題のアミノ酸残基を置換するようにドナー配列を修飾する。

0058

ドナー免疫グロブリンフレームワーク領域に存在するアミノ酸残基の置換が必要な場合、一般的にこれは、アミノ酸残基を、ウマにおけるKabat位置において自然であり、ドナー配列における置換されるアミノ酸とサイズ、電荷および疎水性ができる限り密接に関連するアミノ酸残基で置き換えるという保存的置換の原則を用いて行われる。その意図は、ドナー抗体の3次元構造擾乱または分裂を全くもたらさない、または少なくとも最小限もたらすような置き換えを選択することである。特定の状況においては、明確な選択肢がなく、各選択が利点と不利な点を有する。最終的な決定には、様々な代替配列の3次元モデリングまたは発現が必要となり得る。しかし、一般的に、明快優先度が得られる。この処置の結果として、ドナー配列の変更は、当該残基が標的において外来性であり、置き換えアミノ酸がそれが置き換えるものとできる限り密接に関連する場合にのみ行われる。したがって、外来エピトープの形成が回避されるが、全体的な3次元構造が保存され、結果として、親和性および特異性も保存される。

0059

軽および重鎖定常領域は、一般的にウマ(標的)由来抗体に由来する。重鎖定常ドメインは、それらが下流エフェクター機能を媒介しないように、選択するか、または修飾する。本発明により製造される抗体に対する中和抗体が全く産生されないか、または最小限産生されることが全く驚くべきことに見いだされたので、該抗体は、長い循環半減期および反復投与の選択肢という関連利点を有することが驚くべきことに見いだされた。さらに、フレームワーク残基の置換がCDR領域の3次元配座に影響を及ぼさないような方法で行われるので、結合特異性の変化はない。

0060

ハイブリッドマウス−ウマキメラ抗体は公知であるが、文献に記載された完全にウマ化されたモノクローナル抗体の例は、現在のところ存在しない。したがって、そのような抗体を製造することができ、治療上の有用性を有することが示されたことは、極めて予想外である。

0061

4つの主要なIgGアイソタイプがヒトおよびマウスに存在し、命名法は同様であるが、それらは、プロテインAおよびプロテインGなどの細菌産物に対する親和性、補体依存性細胞溶解(CDC)を活性化するそれらの能力および抗体依存性細胞障害(ADCC)による標的細胞の殺滅を誘導するそれらの能力を含む挙動および機能が異なる。腫瘍学または感染対策におけるような、抗体をそれらの同族抗原を有する標的細胞を除去するためにデザインする場合、CDCおよびADCC活性または「武装」定常ドメインを有するIgGアイソタイプの選択が臨床上有益であると考えられる(例えば、ヒト医療用途ではヒトIgG1アイソタイプが上述の目的のために好ましい)。これに反して、免疫系の活性化は、炎症、疼痛または自己免疫の緩和におけるような他の状況では望ましくないと考えられ、したがって、最小限のCDCおよびADCC活性を有するヒトIgGアイソタイプが好ましい(例えば、そのようなヒト医療用途ではIgG4アイソタイプがしばしば好ましい)。いくつかの異なる免疫グロブリンガンマ(IgG)重鎖定常ドメインアイソタイプが単一カッパおよびラムダ定常ドメイン配列とともにウマ免疫系において記載された。7つのウマ重鎖定常ドメインIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG5、IgG6およびIgG7は、それにより媒介される機能活性に関して特徴付けられた。CDCおよびADCC活性定常ドメインを有するIgG4アイソタイプの選択は、腫瘍学または感染対策におけるような、抗体を同族抗原を有する標的細胞を除去するためにデザインする場合には有益であると考えられ、例えば、ヒト医療用途ではヒトIgG1アイソタイプが好ましい。これに反して、免疫系の活性化は、炎症、疼痛または自己免疫の緩和におけるような他の状況では望ましくないと考えられ、したがって、最小限または「非武装」のCDCおよびADCC活性を有するヒトIgGアイソタイプが好ましく、例えば、ヒト医療用途ではIgG4アイソタイプが選択されると思われる。ウマMAbアイソタイプは、より広いスペクトルの活性を有し、そのため、武装または非武装重鎖の選択は、同様な価値があると推測される。

0062

本発明の抗体は、ウマ由来の重および軽鎖定常ドメインを含む。さらに、相補性決定領域は、ラットαD11抗マウスNGF抗体に由来する。αD11抗体は、Cattaneoら(Cattaneo A,Rapposelli B, Calissano P. (1988) “Three distinct types of monoclonal antibodies after long-term immunization of rats with mouse nerve growth factor”. J Neurochem 50(4):1003-1010)によって最初に記載された。アルファD11抗体は、その後Rubertiら(Ruberti F. et al. (1993) “Cloning and Expression of an Anti-Nerve Growth Factor (NGF) Antibody for Studies Using the Neuroantibody Approach”. Cellular and Molecular Neurobiology. 13(5):559-568)によってクローニングされた。

0063

αD11抗体由来のCDR領域は、抗体がウマに投与される場合にそれに対する中和抗体が産生されることを妨げると同時に、CDR三次構造を、したがって結合特異性を保存すると本発明者により判断されたフレームワーク領域配列と組み合わされている。

0064

軽および重鎖可変領域のそれぞれは、FR1〜FR4と呼ばれる4つのフレームワーク領域を含む。これらのフレームワーク領域のそれぞれについて、本発明者は、各特定位置の好ましいアミノ残基(いわゆる好ましい残基)、およびさらに当位置に備えることもできる代替アミノ酸残基を特定した。下の表1〜8に軽および重鎖のそれぞれの4つのフレームワーク領域を示す。表に当該特定フレームワーク領域に対する、およびさらに完全重または軽鎖可変ドメインの長さにそった特定の残基の位置を同定するのに用いられるKabat番号付けシステムよるアミノ酸位置を示す。群1残基として示す残基または複数の残基は、好ましい残基であり、一方、群2残基は、代替残基である。しかし、これらは、当該特定位置に関連して群1に示す残基に対して一般的に好ましくないと思われる。アミノ酸残基は、1文字命名方式を用いて同定する。

0065

0066

0067

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0070

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0073

したがって、本発明のウマ化抗体は、例えば、第1の種に由来する完全可変領域および第2の種に由来する定常ドメインからなるキメラモノクローナル抗体と、または重および軽鎖可変領域の相補性決定領域(CDR)が、ドナー抗体に由来し、標的抗体に由来するフレーム領域(FR)および定常領域(CR)に導入されたアミノ酸残基を含む、CDR移植ウマ化抗体と、またはウマ生殖系列配列と異なっている。

0074

ウマ化抗体がCDRが由来する親(ドナー)抗体の結合特性を実質的に保持していることが好ましい。それは、ウマ化抗体が、CDRが由来するドナー抗体と同じまたは実質的に同じ抗原結合親和性およびアビディティを示すことを意味する。理想的には、ウマ化抗体の親和性は、標的エピトープに対するドナー抗体の親和性の10%以上、好ましくは約30%以上であり、最も好ましくは親和性は、親(ドナー)抗体の50%以上である。抗原結合親和性を検定する方法は、当技術分野で周知であり、半最大結合アッセイ競合アッセイおよびScatchard分析を含む。

0075

上文で定義したように、本発明は、本発明のウマ化抗体に由来する結合性メンバーまたは抗原結合性断片に及ぶ。そのような抗原結合性断片は、ウマNGFに特異的に結合する能力を保持している抗体の1つまたは複数の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体の断片によって果たされ得ることが示された。特定の実施形態において、結合性メンバーまたは抗原結合性断片は、単離結合性メンバーであり得る。本発明の結合性メンバーまたは抗原結合性断片は、本発明の抗体の断片、例えば、重もしくは軽鎖のみなどの完全にウマ化された抗体分子の断片、あるいは、例えば、重および/または軽鎖の可変ドメインを含み得る。特定の実施形態において、結合性メンバーは、一般的に抗体VHおよび/またはVLドメインを含み、からなりまたはから本質的になり得る。結合性メンバーのVHドメインも本発明の一部として提供する。VHおよびVLドメインのそれぞれの中に3つの相補性決定領域(「CDR」)ならびに4つの関連フレームワーク領域(「FRs」)が存在する。VHドメインは、一般的に3つのHCDR(重鎖相補性決定領域)を含み、VLドメインは、一般的に3つのLCDR(軽鎖相補性領域)を含む。したがって、結合性メンバーは、順にVH CDR1(またはHCDR1)、CDR2(HCDR2)およびCDR3(HCDR3)領域ならびに複数の関連フレームワーク領域を含み得る。結合性メンバーは、VL CDR1、CDR2およびCDR3ドメインならびに関連フレームワーク領域を含むVLドメインをさらにまたは代わりになるべきものとして含み得る。VHまたはVLドメインは、一般的に、次の配列で3つの相補性決定領域が組み入れられている4つのフレームワーク領域FR1、FR2、FR3およびFR4を含む:FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4。

0076

図5に本発明による抗NGF抗体の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列を示す。CDR1、CDR2およびCDR3領域に下線が引かれている。さらに図6に本発明による抗NGF抗体の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列を示す。CDR1、CDR2およびCDR3領域に下線が引かれている。

0077

図5および6において、軽鎖可変ドメイン(図5)および重鎖可変ドメイン(図6)の残基は、Kabatら(Kabat, E.A., Wu, T.T., Perry, H., Gottesman, K. and Foeller, C.(1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition. NIH Publication No. 91-3242, Kabat et al. (1971) Ann. NY Acad, Sci. 190:382-391)によって考案された番号付けシステムに従って好都合に番号付けすることができる。Kabatの番号付けシステムは、抗体の重および軽鎖可変領域またはその抗原結合性部分における他のアミノ酸残基より可変性(すなわち、超可変性)であるアミノ酸残基を番号付けするシステムを意味する。Kabat番号付けシステムは、一般的に可変ドメインにおける残基(おおよそ軽鎖の残基1〜104および重鎖の残基1〜113)に言及する場合に用いられる。この番号付けシステムは、明確に述べる場合にのみ本明細書で用いる。これは、Kabatの残基表示が、本明細書に示した当該の配列に示された本発明の重および軽鎖可変領域のアミノ酸残基の直線的番号付け(linear numbering)に必ずしも直接的に対応するとは限らないためである。特に、実際の線状アミノ酸配列は、重または軽鎖の基本可変ドメイン構造の構造成分(フレームワーク領域であろうと相補性決定領域(CDR)であろうと)の短縮またはそれへの挿入に対応する厳格なKabat番号付けより少数のまたは付加的なアミノ酸を含み得る。残基の正確なKabat番号付けは、Kabat番号付けが適用された標準配列を有する抗体の配列における残基のアライメントによって所定の抗体について決定することができる。

0078

図6に重鎖可変ドメインのアミノ酸配列を示す。これは、配列番号2にも示されている。しかし、図6において、番号付けは、アミノ酸残基80、80A、80Bおよび80Cを考慮するものであり、これらがKabat番号付け規定であるのに対して、配列番号2においては、直線的番号付けが連続的に続き、当残基80、80A、80Bおよび80Cが80、81、82および83と順次示されている。同じことが図7におけるKabat残基100、100A、100B、100C、100D、100Eおよび100Fに当てはまる

0079

上文で述べたように、抗体結合性断片は、Fab断片、Fab’断片およびscFv(単鎖可変断片)、またはペプチド模倣体由来のもの、二重特異性抗体もしくは関連多価誘導体を含むが、これらに限定されない群から選択することができる。
特定の実施形態において、抗体結合性断片は、ヘテロ四量体抗体のVL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる、FabまたはF(ab’)2断片である。特定の実施形態において、VLドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を有し、VHドメインは、配列番号2のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態において、CLおよびCH1ドメインは、ウマ免疫グロブリンのCLおよびCH1ドメイン、特にIgG2(HC2)またはIgG6(HC6)ウマ由来定常ドメインのアミノ酸配列に基づいている。
Fab、Fab’およびF(ab’)2断片の組換え産生に用いた技術は、当業者に周知であり、国際PCT特許公開WO92/22324およびSawai et al., “Direct Production of the Fab Fragment Derived From the Sperm Immobilizing Antibody Using Polymerase Chain Reaction andcDNAExpression Vectors”, 1995, AJRI34:26-34に開示されているものを含む。scFv(単鎖Fv断片)を製造するのに用いることができる技術の例は、その内容が参照により組み込まれる、Huston et al., “Protein Engineering of Single-Chain Fv Analogs and Fusion Proteins”, Methodsin Enzymology, vol. 203:46-88(1991)に開示されている。

0080

特定の実施形態において、抗体断片は、Morimotoの方法(Morimoto et al., “Single-step purification of F(ab’)2 fragments of mouse monoclonal antibodies (immunoglobulins G1) by hydrophobic interaction high performance liquid chromatography using TSKgel Phenyl-5PW” Journal of Biochemical and Biophysical Methods24:107-117(1992))に従ってタンパク質分解消化により全長抗体から得ることができる。抗体断片は、宿主細胞により直接産生させることもできる(Carter et al., “High level Escherichia coli expression and production of a bivalent humanized antibody fragment” Bio/Technology 10:163-167(1992))。

0081

ウマNGFに対する結合特異性を有し、ウマNGF機能拮抗するウマ化モノクローナル抗体を提供することに加えて、本発明はさらに、配列番号1に定義されているVL(軽鎖可変)領域のアミノ酸配列および配列番号2に定義されているVH(重鎖可変)領域のアミノ酸配列に基づく結合性ドメインの対を含む抗体以外の結合性メンバーに及ぶ。特に、本発明は、本発明の抗体のウマ化抗体のVLまたはVH領域のいずれかに基づく単一結合性ドメインに及ぶ。
したがって、本発明の特定のさらなる実施形態において、本発明のヒト化抗体に由来する単一結合性ドメインを含む、それからなるまたは本質的にそれからなる結合性メンバーを提供する。特定の実施形態において、単一結合性ドメインは、配列番号2または配列番号4に定義されているVH(重鎖可変ドメイン)のアミノ酸配列に由来する。そのような結合性ドメインは、ウマNGFへの標的因子として用いることができる。

0082

特定の実施形態において、例えば、血清半減期、補体結合、Fc受容体結合および/または抗原依存性細胞障害を変化させ得るFc領域の修飾を含めることによる、さらなる工学技法を用いて、抗体を修飾することができる。さらに、特定の実施形態において、グリコシル化パターンの変化を有する抗体または抗体断片を製造することができる。特定の実施形態において、本発明の抗体を改変して、抗体がグリコシル化される程度を増大または低下させる。ポリペプチドのグリコシル化は、一般的にN結合型またはO結合型のいずれかである。N結合型は、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を意味する。Xがプロリンを除くアミノ酸である、トリペプチド配列アスパラギン−X−セリンおよびアスパラギン−X−トレオニンは、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素的結合の認識配列である。したがって、ポリペプチドにおけるこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在により、可能なグリコシル化部位が生じる。O結合グリコシル化は、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリシンを用いることもできるが、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはトレオニンへの糖N−アセチルガラクトサミン(N-aceylgalactosamine)、ガラクトースまたはキシロースの1つの結合を意味する。本発明者は、脱グリコシル化ウマ定常ドメインを提供した。これらは、本明細書で配列番号8または配列番号9と定義されている。

0083

特定のさらなる実施形態において、本発明の抗ウマNGF抗体は、抗体をポリエチレングリコール(PEG)誘導体と反応させることによりPEG化することができる。特定の実施形態において、抗体は、脱フコシル化されており、したがって、フコース残基を欠いている。

0084

特定の実施形態において、抗体の生物学的特性の修正は、(a)例えば、シートまたはらせんの立体配座のような、置換の部位のポリペプチド骨格の構造、(b)標的部位分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖のバルクに影響を及ぼす置換を選択することによって達成することができる。アミノ酸は、それらの側鎖の特性の類似性に従って以下のように分類することができる(A. L. Lehninger, in Biochemistry, 2nd Ed., 73-75, Worth Publishers, New York (1975)):(1)非極性:Ala(A)、Val(V)、Leu(L)、Ile(I)、Pro(P)、Phe(F)、Trp(W)、Met(M);(2)非荷電極性:Gly(G)、Ser(S)、Thr(T)、Cys(C)、Tyr(Y)、Asn(N)、Gln(Q);(3)酸性:Asp(D)、Glu(E);(4)塩基性:Lys(K)、Arg(R)、His(H)。あるいは、天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づいて以下のように群に分けることができる:(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;(3)酸性:Asp、Glu;(4)塩基性:His、Lys、Arg;(5)鎖の配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーと他のクラスのメンバーとの交換を伴う。そのような置換残基も保存的置換部位または残りの(例えば、非保存的)部位に導入される可能性がある。

0085

様々なさらなる態様において、本発明は、パートナー分子に結合した本発明の抗ウマNGF抗体またはその抗原結合性部分を含むイムノコンジュゲートに及ぶ。特定の実施形態において、そのような抗体−パートナー分子コンジュゲートは、ペプチジルリンカー、ヒドラジンリンカーまたはジスルフィドリンカーなどの化学的リンカーによりコンジュゲートされる。特定の実施形態において、結合パートナーは、エフェクター分子、標識、薬物または担体分子である。本発明の抗体をペプチジルおよび非ペプチジル結合パートナーの両方に結合させるための適切な技術は、当業者に周知である。適切な標識の例としては、放射性標識などの検出可能な標識、または西ワサビペルオキシダーゼなどの酵素標識、またはビオチンなどの化学構成部分などがある。あるいは、標識は、機能的標識、例えば、リシン、またはプロドラッグ抗体結合部位において活性薬に変換することができるプロドラッグであり得る。

0086

様々なさらなる態様において、本発明は、本発明のウマ化抗体、抗体断片および結合性メンバーをコードするポリヌクレオチド、特に単離ポリヌクレオチドに及ぶ。本明細書で定義するように、「ポリヌクレオチド」は、一本および二本鎖RNAならびに一本および二本鎖領域の混合物であるRNAを制限なく含む、非修飾RNAもしくはDNA、または修飾RNAもしくはDNAであり得る、ポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを含む。本発明のポリヌクレオチド、例えば、本発明のポリペプチドまたは複数のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、その対立遺伝子変異体および/または中もしくは高緊縮性の条件下でそのようなヌクレオチド配列ハイブリダイズするポリヌクレオチドを含むそれらの相補体を含む。

0087

本発明はさらに、本発明のウマNGF抗体に基づくドメイン抗体ナノボディ(nanobody)、ユニボディ(unibody)、ヴァーサボディ(versabody)およびデュカリン(duocalin)などの抗体模倣体に及ぶ。様々な抗体模倣技術が当業者に公知である。例えば、いわゆるドメイン抗体(Domantis、UK)は、ヒト抗体の軽または重鎖の可変領域に対応する抗体の小機能性結合ユニットである。そのようなドメイン抗体の製造のための指示は、米国特許第6,291,158号、米国特許第6,582,915号および米国特許第6,593,081号に見いだすことができる。ナノボディは、ラクダ科動物に見いだされる天然重鎖抗体独特な構造および機能特性を含む抗体由来の治療用タンパク質である。ユニボディは、IgG4抗体のヒンジ領域の除去に基づくさらなる抗体断片技術である。ヒンジ領域の欠失により、伝統的なIgG4抗体のサイズのほぼ半分であり、1価結合性領域を有する分子が生ずる。ユニボディは、不活性であり、したがって、免疫応答を誘導しないというIgG4抗体の特性を保存している。

0088

さらなる結合性分子は、アフィボディ(affibody)分子(米国特許第5,831,012号)、DARPins(デザインされたアンキリン反復タンパク質)(国際PCT特許出願公開WO02/20565)およびアンチカリン(anticalin)(米国特許第7,250,297号およびWO99/16873)などである。ベラボディ(verabody)は、さらなる抗体模倣技術である。ヴァーサボディ(Amunix、米国特許出願公開第2007/0191272)は、タンパク質が一般的に示す疎水性コアを置き換える高ジスルフィド結合密度足場を形成する15%を超えるシステイン残基を有する3〜5kDaの微小タンパク質と呼ばれる小タンパク質である。

0089

アビマー(avimer)は、他のタイプの抗体模倣体である。アビマーは、ヒト血清タンパク質のファミリーの組換えにより得られる。それらは、それぞれが特定の標的部位に結合するようにデザインされたモジュラー結合ドメインから構成されている単一タンパク質鎖である。アビマーは、単一タンパク質標的上の部位および/または複数のタンパク質標的上の部位に同時に結合することができる。多点結合またはアビディティとして公知である、この結合メカニズムは、細胞と分子が体内相互作用する方法を模倣し、アンタゴニストおよびアゴニストの発生を支援し、複数の機能および強力な活性を有する薬物を生じさせる。アビマーライブラリーは、参照により本明細書に組み込まれるWO2004/044011および例えば、US2005/0053973に従って製造することができる。アビマーライブラリーはまた、Avidia Inc、Mountain View、California、USAにより市販されている。

0090

抗体の製造
本発明の抗体および結合性メンバーは、化学合成により完全にまたは部分的に製造することができる。例えば、本発明の抗体および結合性メンバーは、標準的液体ペプチド合成などの当業者に周知である技術により、または固相ペプチド合成法により調製することができる。あるいは、抗体および結合性メンバーは、液相ペプチド合成技術を用いて溶液中で、またはさらに固相、液相および溶液化学組合せにより、調製することができる。
本発明はさらに、所望のペプチドまたはポリペプチドがコードされることができるように、適切な発現システムにおける本発明の抗体を構成する少なくとも1つのアミノ酸をコードする核酸の発現による本発明の抗体または結合性メンバーの製造に及ぶ。例えば、本発明の抗体を得るために、アミノ酸軽鎖をコードする核酸およびアミノ酸重鎖をコードする第2の核酸を発現させることができる。
したがって、本発明の特定のさらなる態様において、本発明の抗体または結合性メンバーを形成するアミノ酸配列をコードする核酸を提供する。

0091

一般的に、本発明の抗体または結合性メンバーを形成するアミノ酸配列をコードする核酸は、単離もしくは精製された形態で、または1つもしくは複数の調節配列を除いて、それと自然に結合し得る物質が実質的にない形態で提供することができる。本発明の抗体または結合性メンバーを発現する核酸は、完全にまたは部分的に合成することができ、DNA、cDNAおよびRNAを含み得るが、これらに限定されない。
本発明の抗体または結合性メンバーをコードする核酸配列は、Sambrook et al.“Molecular Cloning”, A laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Volumes 1-3, 2001 (ISBN-0879695773)およびAusbel et al. Short Protocols in Molecular Biology. John Wiley and Sons, 4th Edition, 1999 (ISBN-0471250929)に記載されているような当業者に周知である技術を用いて当業者により容易に調製することができる。前記技術は、(i)核酸の試料増幅するためのポリメラーゼ連鎖反応PCR)の使用、(ii)化学合成またはcDNA配列の調製を含む。本発明の抗体または結合性メンバーをコードするDNAは、コーディングDNAを選び、発現させる部分の両側の適切な制限酵素認識部位を同定し、DNAから前記部分を切り取るステップを含む、当業者に公知の適切な方法で発生させ、用いることができる。次いで、切除部分を適切なプロモーターに作動可能に連結し、市販の発現システムなどの適切な発現システムで発現させることができる。あるいは、DNAの関連する部分を適切なPCRプライマーを用いて増幅することができる。DNA配列の修飾は、部位特異的突然変異誘発により行うことができる。

0092

本発明の抗体または結合性メンバーをコードする核酸配列は、上述のような少なくとも1つの核酸を含むプラスミド、ベクター、転写または発現カセットの形の構築物として提供することができる。構築物は、上述のような1つまたは複数の構築物を含む組換え宿主細胞内に含めることができる。発現は、適切な核酸配列を含む組換え宿主細胞を適切な条件下で培養することによって好都合に達成することができる。発現後、抗体または抗体断片を適切な技術を用いて単離および/または精製し、適宜用いることができる。
様々な異なる宿主細胞におけるポリペプチドのクローニングおよび発現のためのシステムは、周知である。適切な宿主細胞は、細菌、哺乳類細胞酵母昆虫およびバキュロウイルスシステムなどである。異種ポリペプチドの発現のために当技術分野で利用できる哺乳類細胞系は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒーラ(HeLa)細胞、ベビーハムスター腎細胞およびNS0マウスミエローマ細胞などである。一般的な好ましい細菌ホストは、大腸菌(E. coli)である。大腸菌などの原核細胞における抗体および抗体断片の発現は、当技術分野で十分に確立されている。培養真核細胞における発現も結合性メンバーの製造のための選択肢として当業者が利用できる。

0093

抗体の製造のための一般的技術は、当業者に周知であり、そのような方法は、例えば、Kohler and Milstein (1975) Nature 256:495-497、米国特許第4,376,110号、Harlow and Lane, Antibodies: a Laboratory Manual, (1988) Cold Spring Harborにおいて論じられている。組換え抗体分子の調製のための技術は、上述の参考文献に、また例えば、欧州特許第0,368,684号にも記載されている。
本発明の特定の実施形態において、抗体または結合性メンバーの重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメインをコードする挿入断片を含む組換え核酸を用いる。定義により、そのような核酸は、エンコード一本鎖核酸、前記コーディング核酸およびそれに対する相補性核酸からなる二本鎖核酸、これらの相補性(一本鎖)核酸自体を含む。

0094

さらに、抗体の重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメインをコードする核酸は、天然重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメインをコードする真性配列を有する酵素的にまたは化学的に合成された核酸またはその突然変異体であり得る。

0095

本発明の抗体は、組換え手段により、直接的にだけでなく、好ましくはシグナル配列であるか、または成熟タンパク質もしくはポリペプチドのN末端に特異的切断部位を有する他のポリペプチドである、異種ポリペプチドとの融合ポリペプチドとしても製造することができる。選択される異種シグナル配列は、好ましくは宿主細胞によって認識され、処理される(すなわち、シグナルペプチダーゼにより切断される)ものである。天然抗体シグナル配列を認識せず、処理しない原核宿主細胞については、シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼペニシリナーゼ、lppまたは熱安定性エンテロトキシンIIリーダーの群から選択される原核シグナル配列により置換される。

0096

「単離された」という用語は、本発明のウマ化抗体、またはそれに由来する結合性メンバー、またはそれをコードするポリペプチドに関して用いる場合、前記抗体、結合性メンバーまたは核酸(ポリヌクレオチド)が単離および/または精製された形で提供される状態、すなわち、それらが、それらの自然環境から分離、単離または精製され、実質的に純粋もしくは均一な形で、または核酸の場合、要求される機能を有するポリペプチドをコードする配列以外の起源の核酸を含まないもしくは実質的に含まない形で提供される状態を意味する。したがって、そのような単離された抗体、結合性メンバーおよび単離された核酸は、それらが、それらの自然環境で、または調製がin vitroもしくはin vivoで実施される組換えDNA技術による場合にはそれらが調製される環境(例えば、細胞培養)でともに見いだされる他のポリペプチドもしくは核酸などの、それらが天然で会合している物質を含まないもしくは実質的に含まない。

0097

抗体、結合性メンバーおよび核酸は、希釈剤またはアジュバントを用いて製剤化することができ、それでも実際的な目的のために単離された形で提供されるとみなされる。例えば、抗体および結合性メンバーは、イムノアッセイ用のマイクロタイタープレート被覆するために用いる場合にはゼラチンもしくは他の担体と混合することができ、または診断もしくは治療に用いる場合には薬学的に許容される担体もしくは希釈剤と混合される。抗体または結合性メンバーは、自然にまたは異種真核細胞の系によりグリコシル化され得る(例えば、CHOもしくはNSO細胞、またはそれらは、非グリコシル化(脱グリコシル化)され得る(例えば、原核細胞中の発現により産生される場合)。
抗ウマNGFウマ化抗体分子を含む異種製剤も本発明の一部を構成する。例えば、そのような製剤は、全長重鎖およびC末端リシンを欠く重鎖を有し、様々な程度のグリコシル化および/またはピログルタミン酸残基を形成するためのN末端グルタミン酸環化などの誘導体化アミノ酸を有する抗体の混合物であり得る。
医薬組成物
一般的に本発明の医薬組成物は、液体製剤凍結乾燥製剤液体として再構成される凍結乾燥製剤またはエアゾール製剤として製剤化される。特定の実施形態において、製剤中の抗体は、約0.5mg/ml〜約250mg/ml、約0.5mg/ml〜約45mg/ml、約0.5mg/ml〜約100mg/ml、約100mg/ml〜約200mg/mlまたは約50mg/ml〜約250mg/mlの濃度である。

0098

特定の実施形態において、製剤は、緩衝液をさらに含む。一般的に製剤のpHは、約pH5.5〜約pH6.5である。特定の実施形態において、緩衝液は、約4mM〜約60mMのヒスチジン緩衝液、約5mM〜約25mMのコハク酸緩衝液または約5mM〜25mMの酢酸緩衝液を含み得る。特定の実施形態において、緩衝液は、約10mM〜300mMの濃度、一般的に約125mMの濃度の塩化ナトリウムおよび約5mM〜50mM、一般的に25mMの濃度のクエン酸ナトリウムを含む。特定の実施形態において、製剤は、0%〜約0.2%の濃度の界面活性剤をさらに含み得る。特定の実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート85およびそれらの組合せからなるが、これらに限定されない群から選択される。好ましい実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート20であり、約125mMの濃度の塩化ナトリウムおよび約25mMの濃度のクエン酸ナトリウムをさらに含み得る。

0099

投与
本発明の抗体または結合性メンバーは、単独で投与することができるが、好ましくは意図する投与経路によって選択される適切な薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を一般的に含む医薬組成物として投与する。適切な医薬担体の例としては、水、グリセロールエタノールなどがある。
本発明のモノクローナル抗体または結合性メンバーは、治療を必要とするウマ患者に適切な経路により投与することができる。一般的に、組成物は、注射または注入により非経口的に投与することができる。好ましい非経口投与経路の例は、静脈内、心臓内動脈内、腹腔内、筋肉内、洞内、皮下、経粘膜吸入または経皮を含むが、これらに限定されない。投与経路は、局所および経腸、例えば、粘膜(を含む)、経口、直腸をさらに含み得る。

0100

組成物を注射用組成物として送達する実施形態において、例えば、静脈内、皮内または皮下適用において、有効成分は、発熱物質不含有であり、適切なpH、等張性および安定性を有する非経口で許容できる水溶液の形であり得る。当業者は、例えば、塩化ナトリウム注射剤リンゲル液または乳酸加リンゲル液などの等張性媒体を用いて適切な溶液を調製することができる。保存剤、安定剤、緩衝化剤抗酸化剤および/または他の添加剤を必要に応じて含めることができる。
組成物はまた、血液を含む特定の組織に入れたマイロスフェアリポソーム、他の微粒子系送達システムまたは徐放性製剤により投与することができる。

0101

上述の技術およびプロトコールならびに本発明に従って用いることができる他の技術およびプロトコールの例は、全開示が参照により本明細書に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th edition, Gennaro, A.R., Lippincott Williams & Wilkins; 20th edition ISBN 0-912734-04-3およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems; Ansel, H.C. et al. 7th Edition ISBN 0-683305-72-7に見いだすことができる。
本発明の抗体および組成物は、一般的に「治療有効量」で対象に投与され、これは、組成物が投与される対象に対して便益を示すのに十分な量である。実際の投与量ならびに投与の速度および時間的経過は、治療される状態の性質および重症度、ならびに治療を受ける対象の年齢性別および体重などの因子、ならびに投与経路に依存し、またそれらを十分に参考にして決定することができる。組成物の特性、例えば、その結合活性およびin vivoでの血漿寿命、製剤中の抗体または結合性メンバーの濃度、ならびに送達の経路、部位および速度にさらなる十分な考慮を払うべきである。

0102

投与計画は、本発明の抗体または組成物の1回投与、あるいは抗体または組成物の複数回投与量を含み得る。抗体または抗体含有組成物はさらに、本発明の抗体または結合性メンバーが治療するために投与される状態の治療のために用いられる他の治療薬および医薬と連続してまたは別個に投与することができる。
対象に施行することができる投与計画の例は、1μg/kg/日〜20mg/kg/日、1μg/kg/日〜10mg/kg/日、10μg/kg/日〜1mg/kg/日を含むが、これらに限定されない群から選択することができる。特定の実施形態において、用量は、抗体の1μg/ml〜100μg/mlの血漿濃度が得られるようなものである。しかし、投与される組成物の実際の量ならびに投与の速度および時間的経過は、治療される状態の性質および重症度に依存する。療法の処方、例えば、用量等に関する決定は、最終的に臨床獣医および他の獣医の責任の範囲内にあり、その裁量によるものであり、一般的に治療される障害、個々の患者の状態、送達部位投与方法および開業医に公知の他の因子を考慮に入れる。

0103

定義
別途定義しない限り、本明細書で用いたすべての技術および科学用語は、本発明の分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。用語の意味および適用範囲は、明確であるべきであるが、多義性がある場合、本明細書に示す定義が辞書または外部定義優先する。
本明細書を通して、文脈上他の状態が要求されない限り、用語「含む(comprise)」もしくは「包含する(include)」、または「含む(comprises)」もしくは「含むこと(comprising)」、「包含する(includes)」もしくは「包含すること(including)」などの変形形態は、記載された整数または整数の群の包含を意味するが、他の整数または整数の群の除外は意味しないと理解される。

0104

本明細書で用いているように、「a」、「an」および「the」などの用語は、文脈上他の状態が明確に要求されない限り、単数形および複数形の指示対象を含む。したがって、例えば、「活性薬(an active agent)」または「薬理学的に活性な薬剤(a pharmacologically active agent)」への言及は、単一の活性薬ならびに組み合わされた2種以上の活性薬の混合物を含み、一方で「担体(a carrier)」への言及は、2種以上の担体の混合物ならびに単一の担体などを含む。さらに、文脈上他の状態が要求されない限り、単数形の用語は、複数状態を含むものとし、複数形の用語は、単数状態を含むものとする。

0105

本明細書で定義したように、「疼痛」という用語は、実際もしくは潜在的組織損傷に伴う、またはそのような損傷に関して表現される不愉快な感覚的および感情的経験を意味する。
術中または術後疼痛に関連して、米国動物福祉法(Animal Welfare Act 2002. AWA regulations, CFR, Title 9 (動物および動物製品(Animals and Animal Products)), Chapter 1 (農務省動植物防疫局(Animal and Plant Health Inspection Service, Department of Agriculture)). Subchapter A (動物福祉(Animal Welfare), Parts 1-4)は、有痛性処置を、当該処置が施された人間における軽度または瞬間的な疼痛または苦痛以上のもの、すなわち、注射または他の比較的重要でない処置によって引き起こされる疼痛を超える疼痛を引き起こすと合理的に予想されるような処置と定義している。したがって、ウマが有痛性外科処置を受ける場合、動物は術後鎮痛薬の投与を受けるべきである。
さらなる例において、ウマは、関節炎、例えば、多発性関節炎、関節リウマチ、炎症、掻痒症、変形性関節症または癌性もしくは悪性腫瘍状態などの関連症状の結果としての顕著または慢性疼痛を経験している可能性がある。

0106

侵害受容」という用語は、侵害刺激知覚を意味する。本明細書で定義したように、「神経障害性疼痛」(「神経痛」としても公知)は、神経からのシグナルに関連する問題によってもたらされる疼痛である。それは、体性感覚系を冒す病変または疾患の結果として生じ得る。神経障害性疼痛の原因が存在し、それは、自発的に起こる感覚異常と呼ばれる異常な感覚に関連し得る。あるいは、それは、通常疼痛を引き起こさないような接触または刺激によって疼痛が始まったり、悪化したりするときに生ずる異痛症に関連し得る。例えば、三叉神経痛がある場合には、顔面へのわずかな接触が疼痛を誘発することがあり、あるいは糖尿病性神経障害がある場合には、寝具の圧力が疼痛を誘発することがある。神経障害性疼痛は、通常疼痛を引き起こさないような接触または刺激によって疼痛が始まったり、悪化したりする異痛症にも起因し得る。例えば、対象が三叉神経痛を有する場合には、顔面へのわずかな接触が疼痛を誘発することがある。痛覚過敏に関連する神経障害性疼痛は、激しい痛みが、通常わずかな不快感をもたらすような刺激または接触に起因することを意味するが、錯感覚は、例えば、ピンや針などの疼痛を引き起こす部位と接触しているものが存在していないときでさえ不快感または苦痛な感覚が起こることを意味する。他の形の神経障害性疼痛は、皮膚におけるアレルギーまたは炎症反応に関連し得る掻痒症または痒みならびに組織損傷および修復過程に起因する炎症性疼痛を伴う。

0107

本明細書で定義したように、「NGF中和抗体」という用語または類似の用語は、NGFの生物学的活性化またはシグナル伝達を中和することができる抗体を言う。拮抗抗体または遮断抗体と呼ばれることがある中和抗体は、特異的に、好ましくは選択的にNGFに結合し、NGFの1つまたは複数の生物学的活性を阻害する。例えば、中和抗体は、細胞膜結合TrkAまたはp75受容体など、その標的リガンドへのNGFの結合を阻害し得る。
本明細書で用いているように、「生物学的活性」という用語は、分子の1つまたは複数の固有の生物学的特性(in vivoで認められるような天然に存在するか、または組換え手段によりもたらされるもしくは可能になるかにかかわりなく)を意味する。生物学的特性は、受容体結合および/または活性化、細胞シグナル伝達または細胞増殖の誘導、細胞成長の抑制、サイトカイン産生の誘導、アポトーシスの誘導および酵素活性を含むが、これらに限定されない。

0108

「相補性決定領域(CDR)」という用語は、本明細書で用いているように、Kabatら(Kabat, E.A.,Wu, T.T., Perry, H., Gottesman, K. and Foeller, C. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition. NIH Publication No. 91-3242)によって概説されたように天然免疫グロブリン結合部位の天然Fv領域の結合親和性と特異性とを合わせて定めるアミノ酸配列を意味する。「フレームワーク領域(FR)」という用語は、本明細書で用いているように、CDRの間に介在しているアミノ酸配列を意味する。抗体のこれらの部分は、CDRを適切な配向に保持する役割を果たす(CDRが抗原に結合することを可能にする)。

0109

「定常領域(CR)」という用語は、本明細書で用いているように、エフェクター機能を付与する抗体分子の部分を意味する。本発明において、定常領域は、一般的にウマ定常領域、すなわち、対象のウマ化抗体の定常領域がウマ免疫グロブリンに由来することを意味する。重鎖定常領域は、ウマ重鎖アイソタイプから選択することができる。
「キメラ抗体」という用語は、本明細書で用いているように、一般的に異なる種のものである、2つの異なる抗体に由来する配列を含む抗体を意味する。最も一般的には、キメラ抗体は、標的エピトープに特異的に結合するドナー種に由来する可変ドメインおよび抗体を投与すべき標的種から得られた抗体に由来する定常ドメインを含む。
「免疫原性」という用語は、本明細書で用いているように、受容者に投与したときに免疫応答(体液性または細胞性)を誘発する標的タンパク質または治療用部分の能力の尺度を意味する。本発明は、対象ウマ化抗体の免疫原性に関係する。好ましくは、本発明の抗体は、免疫原性を有さない、すなわち、ウマに投与したときにそれらに対して中和抗体が産生されず、さらに、抗体のFc領域によってエフェクター機能が媒介されない。

0110

「同一性」または「配列同一性」という用語は、本明細書で用いているように、整列配列における特定のアミノ酸残基の位置において、アミノ酸残基が整列配列間で同じであることを意味する。「類似性」または「配列類似性」という用語は、本明細書で用いているように、整列配列における特定の位置において、アミノ酸残基が配列間で類似した種類のものであることを示す。例えば、ロイシンは、イソロイシンまたはバリン残基に置換することができる。これは、保存的置換と呼ばれることがある。好ましくは、本発明のアミノ酸配列がそれに含まれているアミノ酸残基のいずれかの保存的置換により修飾される場合、これらの変化は、非修飾抗体と比較したとき、得られる抗体の結合特異性または機能的活性に影響を及ぼさない。

0111

本発明の(天然)ポリペプチドおよびその機能的誘導体に関する配列同一性は、配列を整列させ、最大の百分率の相同性を達成するために必要な場合にギャップを導入した後、配列同一性の一部として保存的置換を考慮せずに、対応する天然ポリペプチドの残基と同一である候補配列におけるアミノ酸残基の百分率に関するものである。NまたはC末端の伸長も挿入も、配列同一性または相同性を減少させると解釈しないものとする。2つ以上のアミノ酸配列のアライメントを実施し、それらの配列同一性または相同性を判定するための方法およびコンピュータプログラムは、当業者に周知である。例えば、2つのアミノ酸配列の同一性または類似性の百分率は、アルゴリズム、例えば、BLAST(Altschul et al. 1990)、FASTA(Pearson & Lipman 1988)またはSmith−Watermanアルゴリズム(Smith & Waterman 1981)を用いて容易に計算することができる。

0112

本明細書で用いているように、第2のアミノ酸残基との「最高相同性」を有するアミノ酸残基への言及は、第2のアミノ酸残基と共通の大部分の特性および性質を有するアミノ酸残基を意味する。アミノ酸残基が第2のアミノ酸残基との最高相同性を有するかどうかを判定する際に、一般的に、例えば、電荷、極性、疎水性、サイドアーム(side arm)の質量およびサイドアームの大きさなどであるが、これらに限定されない因子の評価を行うことができる。
「対応する位置」という用語は、本明細書で用いているように、2つの配列の間の最大の配列同一性を可能にするように2つの配列を整列させた場合に、第1の配列における指定されたアミノ酸残基に対応する位置における第2の配列に存在するアミノ酸残基が、第1の配列における位置と同じ位置である第2の配列における位置を指すものであることを意味する。対応する位置におけるアミノ酸残基は、同じKabat番号付けを有する。

0113

「本質的にそれからなる」または「本質的にそれからなること」という用語は、本明細書で用いているように、付加的な特徴または要素がウマNGFに対する結合特異性を有する抗体または抗体断片の能力に実質的に影響を及ぼさないならば、ポリペプチドが、記載されているものを超える付加的な特徴または要素を有していてもよいことを意味する。すなわち、ポリペプチドを含む抗体または抗体断片は、ウマNGFに結合し、ウマNGFの機能活性に拮抗する抗体または抗体断片の能力を妨げない付加的な特徴または要素を有していてもよい。そのような修飾は、抗体の免疫原性を低減するためにアミノ酸配列に導入することができる。例えば、指定された配列から本質的になるポリペプチドは、配列のいずれかの末端または両末端に1つ、2つ、3つ、4つ、5つ以上の付加、欠失または置換アミノ酸を含んでいてもよく、ただし、これは、これらのアミノ酸が、ウマNGFへの結合における抗体または抗体断片の役割を妨げない、阻害、遮断または妨害せず、その生物学的機能を奪わないという条件のもとである。同様に、本発明のウマNGF拮抗抗体に寄与するポリペプチド分子は、1つまたは複数の官能基で化学的に修飾されていてもよく、ただし、これは、そのような官能基が、ウマNGFに結合し、その機能に拮抗する抗体または抗体断片の能力を妨げないという条件のもとである。
本明細書で用いているように、「有効量」または「治療有効量」という用語は、p75および/またはTrkA受容体へのウマNGFの結合を抑制するのに必要な本発明の薬剤、結合化合物、小分子、融合タンパク質またはペプチド模倣薬の量を意味する。

0114

「ポリペプチド」、「ペプチド」または「タンパク質」という用語は、隣接する残基のアルファアミノ基とカルボキシ基との間のペプチド結合により1つが他に連結された線状の一連のアミノ酸残基を示すために本明細書において同義で用いる。アミノ酸残基は、通常天然「L」異性体の形である。しかし、「D」異性体の形における残基は、所望の機能特性がポリペプチドにより保持されている限り、L−アミノ酸残基に置換することができる。

0115

本明細書で定義したように、「抗体」は、対象の標的抗原、この場合には、組換えにより調製することができる、または免疫グロブリン遺伝子もしくは免疫グロブリン遺伝子の断片により遺伝的にコードされる、1つまたは複数のポリペプチドを有するウマ神経成長因子に特異的に結合する抗原結合性タンパク質を含む。「抗体」という用語は、モノクローナルおよびキメラ抗体、特にウマ化抗体を含み、ポリクローナル抗体またはあらゆるクラスもしくはサブタイプの抗体をさらに含む。「抗体」はさらに、ハイブリッド抗体、二重特異性抗体、ヘテロ抗体に、抗原結合性を保持するその機能的断片に及ぶ。
「に特異的に結合する」という語句は、タンパク質の異種集団に存在する特定のタンパク質または標的への結合を意味する。したがって、特定のイムノアッセイ条件で存在する場合、抗体は、特定のタンパク質、この場合、ウマNGFに結合し、試料中に存在する他のタンパク質に有意な量で結合しない。

0116

本明細書で定義したように、「ウマ」は、と呼ばれることもある。ウマは、三命名法による名称エクウス・フェルス・カルバッルス(Equus ferus caballus)を有する亜種に属し、これらは、有蹄(有蹄類哺乳動物である。ウマは、ウマ科の亜種であり、その中に分類される種を含み、公知の300品種以上の馬に及ぶ。
例示の目的のために記載するものであって、本発明に対する制限であると解釈されることを意図するものでない以下の実施例に関して、本発明を述べることとする。

0117

(例1)
抗体の製造
それぞれ配列番号1および配列番号2のウマ化軽鎖および重鎖可変ドメインをC末端ウマ定常重鎖または定常軽鎖ドメインに結合させることによって全抗体配列を製造した。ウマ化αD11 VHドメインを2種のウマ重鎖定常ドメインHC2(IgG2)およびHC6(IgG6)と、ウマ化αD11 VLドメインをウマカッパ軽鎖定常ドメインと組み合わせた。全長成熟抗体鎖の配列を配列番号4(カッパ定常ドメインを有する軽鎖)および6(HC2定常ドメインを有する重鎖)に示す。
コドン最適選択および完全な化学遺伝子合成ならびに哺乳類細胞発現ベクターpcDNA3.1+へのクローニングにより、組み合わせたアミノ酸配列を哺乳類細胞中で発現可能な形に変換した。得られたcDNAsをCHO細胞トランスフェクトし、例2〜5に詳述するように上清を分析した。

0118

(例2)
マウスおよびウマNGFへの抗体の結合の測定
ウマ化重および軽鎖cDNAsをCHO細胞にトランスフェクトし、上清を採取し、ELISA法でウマまたはマウスNGFと反応させた。インキュベーションおよび洗浄ステップの後、結合ウマ抗体を、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)に結合したヤギ抗ウマIgG特異的ポリクローナル抗体との反応性により検出し、TMBを用いて展開した。得られた生成物光学濃度を450nmで測定し、モック空ベクタートランスフェクト上清の生成物(図1で「モック」と表示)と比較した。結果を図1のグラフに示す。マウスNGFへの結合をHC2(IgG2定常ドメイン)ウマ化抗体(eqN−HC2+eqN−kLC−1と呼ぶ)について示す。グラフの第2の部分に、eqN−kLC−1軽鎖およびeqN−HC2(IgG2)定常鎖を含むeqN−HC2+eqN−kLC−1抗体のウマNGFへの結合を示す。

0119

(例3)
ウマ化抗体の精製
実施例2から得られた上清をプロテインAカラムを用いて精製し、SDS−PAGEにより分離し、抗ウマIgGポリクローナル抗体HRPとの反応性について試験した。SDS−PAGEゲルはまた、クーマシーブルーで染色して、重および軽鎖を検出した。抗ウマIgGポリクローナル抗体製剤は、ウマ重鎖を主として認識する。結果を図2AおよびBに示す。
結果は、抗ウマポリクローナル抗体HRPを用いて展開したウエスタンブロットにより示されているように、プロテインAによる2型重鎖を有するウマ抗NGFの精製を示すものである。ピーク画分をクーマシー染色SDS−PAGEにより分析した。重および軽鎖のある程度の分解がSDS−PAGEにより明らかである。クーマシーブルー染色ゲル(図2B)は、重および軽鎖ならびに完全抗体(70のMW)の存在を示している。

0120

(例4)
ウマ化抗体によるTF−1細胞のNGF誘導性増殖の阻害
実施例2のCHO細胞トランスフェクタント上清(「アンタゴニスト」)の連続希釈物を1.0ng/mLのNGFの存在下でTF−1細胞とともにインキュベートした。結果として起こった増殖をチミジン取込みにより測定した。
結果を図3に示す。計算3〜8ng/mLのモノクローナル抗体(MAb)(eqN−kLC−1軽鎖およびeqN−HC2(IgG2)定常鎖を含む抗体)で50%阻害が認められた。

0121

(例5)
抗原捕捉ウマ化抗体により誘導される補体沈着
実施例2のプロテインA精製トランスフェクタント上清を0.1ng/mL NGFで被覆したプレートとともにインキュベートして、抗体を捕捉した。プレートを洗浄し、抗体を捕捉するために0.1ng/mL NGFで被覆した。プレートを洗浄し、次いで、ヒト血清とともにインキュベートし、抗ヒトC1qポリクローナル抗体HRPの結合および上述のような展開により、結合補体C1qを測定した。抗原捕捉「eqN−HC2+eqN−kLC−1」へのC1qの結合を陽性対照としてのヒトIgG1Fcドメインを有する抗NGF MAbおよび陰性対照としてのIgG4変異体と比較した。

0122

補体結合法:
プレートを100μl/ウエルの5μg/mlマウスNGFで被覆し、5%BSA/PBSブロックした。被覆ウエルを、PBS/1%BSAで希釈した組換えウマ抗NGFIgGを含む細胞培養上清(100μl/ウエル)とともに室温で1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、0.5mM MgCl2、2mM CaCl2、0.05%Tween−20、0.1%ゼラチンおよび0.5%BSAを含むベロナール緩衝生理食塩水で1/100に希釈した100μl/ウエルのヒト血清とともに室温で1時間インキュベートした。洗浄後、プレートを100μlのPBS/1%BSA中1/800希釈のヒツジ抗C1q−HRP(Serotec)とともにインキュベートした。洗浄後、プレートを100μl TMB基質(Thermo Scientific)の添加により展開した。100μlの2N H2SO4の添加により、展開を停止し、450nmで吸光度を読み取った。
結果を図4のグラフに示す。これらの結果は、驚くべきことにウマ化HC2抗体(eqN−kLC−1軽鎖およびeqN−HC2重鎖(IgG2定常ドメイン重鎖)を含む抗体)へのC1qの結合がないことを示すものである。したがって、この結果は、NGFが可溶性メディエーターであるので、重鎖定常ドメインHC2型(ウマIgG2由来定常ドメイン)を有するウマ化抗体がNGFへの拮抗に用いるのに適することを示すものである。
したがって、本発明の抗体がHC2のウマ由来重鎖(IgG2ウマ重鎖定常ドメインサブタイプ)を有する場合、ウマNGFへの抗体の結合が補体活性化またはADCCなどの他の下流エフェクター機能をもたらさないことが全く驚くべきことにここに実証されている。したがって、前記抗体は、膜結合TrkAまたはp75受容体へのウマNGFの結合を妨げることによってウマNGFの生物学的機能活性に拮抗するに際して、関連下流細胞内シグナル伝達カスケードを阻害する。さらに、NGFの発現が神経などの近くで頻繁に起こるとき、HC2(IgG2)サブタイプのウマ由来重鎖を有する本発明のNGF拮抗または中和抗体は、より広い免疫応答をリクルートすることなく、ウマNGFの生物学的活性を奪うことができる。そのような機能特性は、予想外であり、それにもかかわらず非常に望ましい。

0123

(例6)
プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを用いるウマIgGアイソタイプHC2(HC6でない)の優先的精製
ウマ化αD11のHC2およびHC6変異体のトランスフェクションにより得られたCHO細胞上清をプロテインAアフィニティーカラム上に負荷し(図2により)、抗体を含む溶出画分をELISAによりNGFへの結合により定量した。図10においてわかるように、HC2アイソタイプ(HC6アイソタイプでない)がプロテインAクロマトグラフィーを用いて回収された。これらのデータから、ウマ抗NGF免疫グロブリンのHC2(HC6でない)アイソタイプの精製における有用なツールであり得ることが示唆される。

0124

(例7)
抗ウマNGFモノクローナル抗体−安全性および発熱
本発明の抗ウマNGFモノクローナル抗体をCHO細胞中で発現させ、プロテインAクロマトグラフィーおよび/またはサイズ排除クロマトグラフィーの組合せにより精製し、緩衝液をリン酸緩衝生理食塩水に交換する。抗体を0.01〜10mg/kg体重でウマに静脈内注射し、獣医による目視検査、体重、体温および血漿生化学の変化により毒性の徴候について評価する。これらまたは血漿生化学分析対象物に変化が認められると予想されない。

0125

(例8)
in vivoでの抗ウマNGFモノクローナル抗体の血漿薬物動態−血清半減期および免疫原性
本発明の抗ウマNGFモノクローナル抗体をCHO細胞中で発現させ、プロテインAクロマトグラフィーおよび/またはサイズ排除クロマトグラフィーの組合せにより精製し、緩衝液をリン酸緩衝生理食塩水に交換する。抗体を0.01〜10mg/kg体重の範囲でウマに静脈内注射し、血漿試料を次の2週間にわたって種々の時点に採取する。希釈血漿試料を、標的としてのNGFおよび抗ウマポリクローナル抗体−西洋ワサビペルオキシダーゼ二次試薬を用いてELISAにより抗ウマNGF抗体濃度について評価する。測定される血漿濃度は、組織分布(アルファ)相および数日の消失(ベータ)相を有する、2相動態と一致する。
100時間から300時間までの間に抗ウマNGF抗体濃度の血漿中濃度の急激な低下がないことが予想される。これは、ウマ血液中に組換え抗NGFモノクローナル抗体に対する先在性の中和抗体が存在せず、また注入後にそのような中和抗体が発生しないことも示すものである。

0126

(例9)
抗ウマNGFモノクローナル抗体はin vivoでの変形性関節症による炎症性疼痛を低減する
変形性関節症ウマの群に0.01〜10mg/kg体重のこの患者の抗ウマNGFモノクローナル抗体または溶媒対照としてのリン酸緩衝生理食塩水を静脈内または関節内注射する(=0日目)。ウマを視覚採点法により4〜14日間にわたり跛行について評価する(例えば、スコア0、無跛行(完全な体重支持);スコア1、軽度の跛行(完全な体重支持はないが、十分に歩行している);スコア2、中等度の跛行(わずかに体重を支持し、十分な歩行はできない);スコア3、重度の跛行(無体重支持))。観察は、どのウマがどの注射を受けるかについて盲検化する。
跛行は、溶媒対照と比較して抗ウマNGFモノクローナル抗体の投与を受けたウマにおいて注入後の時間にわたり減少すると予想され、これにより、抗ウマNGFモノクローナル抗体が溶媒単独で認められるのと比べてウマにおける疼痛の低減に効果があることがわかる。

0127

(例10)
in vivoでの炎症性疼痛の低減における抗イヌNGFモノクローナル抗体の効果を示す比較例
抗体療法
本発明の抗体を調製する方法をイヌに用いるのに適するイヌ化抗体を製造するのに適用した。イヌ化αD11 VLドメインをイヌカッパ軽鎖定常ドメインと組み合わせ、イヌ化αD11 VHドメインをイヌ重鎖アイソタイプと組み合わせた。重および軽鎖を発現する発現ベクターに由来する抗イヌNGFモノクローナル抗体をCHO細胞中で発現させ、イオン交換クロマトグラフィー疎水性相互作用クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーの組合せにより精製し、緩衝液をリン酸緩衝生理食塩水に交換した。

0128

炎症のイヌモデル
すべての実験は、施設内倫理委員会(CRL、Ireland)の事前承認を得て実施した。約24時間後に始まり、イヌが一時的に跛行になることをもたらす、自己消散性炎症を発生させるために、ビーグル犬の1つの後肢足蹠カオリンを注射した(=−1日目)。このモデルにおいて、カオリンに対する最初の炎症反応が減退したときに、イヌは約1〜2週間にわたって徐々に跛行状態が少なくなり、その後に完全に回復する。
3匹のイヌの群に200μg/kg体重の抗イヌNGFモノクローナル抗体または溶媒対照としてのリン酸緩衝生理食塩水を静脈内注射した(=0日目)。イヌを視覚採点法により7日間にわたり跛行について評価した(スコア0、無跛行(完全な体重支持);スコア1、軽度の跛行(完全な体重支持はないが、十分に歩行している);スコア2、中等度の跛行(わずかに体重を支持し、十分な歩行はできない);スコア3、重度の跛行(無体重支持))。観察は、どのウマがどの注射を受けるかについて盲検化した。

0129

結果を図11に示す。跛行スコアは、溶媒対照と比較して抗NGFモノクローナル抗体の投与を受けたイヌにおいて注射後3日目までに低下したことから、抗NGFモノクローナル抗体が溶媒単独で認められたのと比べてイヌにおける疼痛の低減に効果があったことがわかる。活性の遅延は、約30時間の遅い組織分布(アルファ)相を示した抗イヌNGFモノクローナル抗体の血漿薬物動態および足蹠部位の比較的に不十分な血管分布と一致している。図11に示す結果は、本発明の方法に対応する方法により調製された抗イヌNGF抗体がイヌにおける炎症性疼痛を低減し、跛行の必然的な減少が伴っていることを示している。

実施例

0130

本明細書で言及したすべての文書は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の記述した実施形態の様々な修正形態および変形形態は、本発明の範囲から逸脱することなく当業者に明らかである。本発明を特定の好ましい実施形態に関連して記述したが、請求した本発明をそのような特定の実施形態に必要以上に限定すべきでないことを理解すべきである。実際、当業者に明らかである本発明を実施する記載された形態の様々な修正は、本発明の範囲内にあるものとする。

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