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技術 ぽん酢醤油調味料

出願人 株式会社MizkanHoldings株式会社Mizkan
発明者 鶴水良次
出願日 2016年1月14日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2016-005478
公開日 2017年7月20日 (2年1ヶ月経過) 公開番号 2017-123823
状態 特許登録済
技術分野 調味料
主要キーワード 解析性能 ジャケットタンク ナトリウムイオン含有量 鍋つゆ 酢酸分子 柑橘果物 ターゲットイオン 高温保存条件下
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月20日)のものです。
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課題

特別な容器を使用することなく、保存中のヒネ臭や加熱殺菌による劣化臭の発生が抑制され、加熱しても醤油ボディ感が失われずに保持されたぽん酢醤油調味料を提供すること。

解決手段

柑橘果汁食酢、及び醤油を含有するぽん酢醤油調味料であって、該調味料中の成分(a)〜(e)の含有量が以下の範囲であることを特徴とする、ぽん酢醤油調味料。(a)p−シメン:0.0006〜4.0ppm(b)カリウムイオン:0.02〜5.0質量%(c)ナトリウムイオン:0.5〜4.0質量%(d)酢酸:0.5〜3.5質量%(e)クエン酸:0.2〜4.5質量%

概要

背景

ゆずやすだちなどの柑橘果汁醤油を含有するぽん酢醤油は、鍋物を始め、醤油の代替として焼き魚餃子などにも使用される汎用性が高い調味料である。ぽん酢醤油は、柑橘果汁の爽やかな香りを特徴とする一方、製造時の加熱殺菌の際に柑橘果汁の風味劣化してしまうという問題や、開栓後に常温で保存されることが多いことから、保存中に柑橘果汁と醤油に由来するヒネ臭が発生するという問題があった。よって、ぽん酢醤油は、開栓後は直ぐに使いきるか、少なくとも冷蔵保存することが推奨される調味料である。また、ぽん酢醤油の容器については、開栓後は酸素中身液が接触する頻度が高いため、中身液と空気が触れないような工夫がされた容器が開発されており、例えば、2層構造の容器の内側部分が剥離して調味液が空気に触れにくくしたデラミボトルなどが知られている。しかしながら、冷蔵保存によればヒネ臭の発生はある程度遅らせることができるものの、保存期間が1カ月以上といった長期にわたるとヒネ臭の発生を完全に止めることはできない。また、開栓後に中身液と酸素を遮断する容器はヒネ臭の発生を抑制できるが、溶存酸素による劣化は完全に防ぐことができず、また容器の機構が複雑でコスト高の原因となる。

これまでぽん酢醤油の風味劣化を抑制する方法として、昆布だし汁を添加して発酵臭等の不快臭マスキングする方法が報告されているが(特許文献1)、長期保存によって発生するヒネ臭について検討したものではない。また、チアミン化合物の添加によって、ぽん酢醤油の長期保存による柑橘果汁の果汁感の減少を抑制する方法が報告されているが
(特許文献2)、ヒネ臭については何ら記載されていない。また、ジチオエーテルの添加によって醤油の香味を改善する方法が知られているが(特許文献3)、香味の改善は、加工段階味覚的に劣化した醤油に製造直後の醤油本来の香味を取戻すというものであり、長期保存によって発生するヒネ臭を抑制するものではない。また、特許文献3の香味改善の対象は醤油であり、柑橘果汁が含まれるぽん酢醤油ではないので、醤油と柑橘果汁の両方に由来するヒネ臭の発生を抑制するものではない。

一方、グレーフルーツなどの柑橘果汁飲料における光劣化異臭の原因として、柑橘特有テルペン類酸化成分として知られているp−シメンの増加が報告されている(非特許文献1)。また、p−シメンは、100℃にて30分で処理をしたみかん果汁保管中に経時的に増加することが報告されている(非特許文献2)。

概要

特別な容器を使用することなく、保存中のヒネ臭や加熱殺菌による劣化臭の発生が抑制され、加熱しても醤油のボディ感が失われずに保持されたぽん酢醤油調味料を提供すること。柑橘果汁、食酢、及び醤油を含有するぽん酢醤油調味料であって、該調味料中の成分(a)〜(e)の含有量が以下の範囲であることを特徴とする、ぽん酢醤油調味料。(a)p−シメン:0.0006〜4.0ppm(b)カリウムイオン:0.02〜5.0質量%(c)ナトリウムイオン:0.5〜4.0質量%(d)酢酸:0.5〜3.5質量%(e)クエン酸:0.2〜4.5質量%なし

目的

本発明の課題は、特別な容器を使用することなく、保存中のヒネ臭や加熱殺菌による劣化臭の発生が抑制されたぽん酢醤油調味料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

柑橘果汁食酢、及び醤油を含有するぽん酢醤油調味料であって、該調味料中の成分(a)〜(e)の含有量が以下の範囲であることを特徴とする、ぽん酢醤油調味料。(a)p−シメン:0.0006〜4.0ppm(b)カリウムイオン:0.02〜5.0質量%(c)ナトリウムイオン:0.5〜4.0質量%(d)酢酸:0.5〜3.5質量%(e)クエン酸:0.2〜4.5質量%

請求項2

カリウムイオンとナトリウムイオンの含有量の合計が0.5〜6.0質量%であって、カリウムイオンとナトリウムイオンの含有量の質量比(K/N)が0.03〜0.5である、請求項1に記載のぽん酢醤油調味料。

請求項3

解離型酢酸濃度が0.002〜1.0質量%である、請求項1または2に記載のぽん酢醤油調味料。

請求項4

クエン酸と酢酸の含有量の質量比(クエン酸/酢酸)が0.2〜10.0である、請求項1〜3のいずれかに記載のぽん醤油調味料

請求項5

ロイシンの含有量が0.03〜0.5質量%である、請求項1〜4のいずれかに記載のぽん醤油調味料。

請求項6

pHが1.9〜4.5である、請求項1〜5のいずれかに記載のぽん酢醤油調味料。

請求項7

柑橘果汁、食酢、及び醤油を含有するぽん酢醤油調味料に、成分(a)〜(e)を以下の範囲で含有させることを特徴とする、ぽん酢醤油調味料のヒネ臭の抑制方法。(a)p−シメン:0.0006〜4.0ppm(b)カリウムイオン:0.02〜5.0質量%(c)ナトリウムイオン:0.5〜4.0質量%(d)酢酸:0.5〜3.5質量%(e)クエン酸:0.2〜4.5質量%

技術分野

0001

本発明は保存中のヒネ臭や加熱殺菌による劣化臭の発生が抑制され、加熱しても醤油ボディ感が失われずに保持されたぽん酢醤油調味料に関する。

背景技術

0002

ゆずやすだちなどの柑橘果汁と醤油を含有するぽん酢醤油は、鍋物を始め、醤油の代替として焼き魚餃子などにも使用される汎用性が高い調味料である。ぽん酢醤油は、柑橘果汁の爽やかな香りを特徴とする一方、製造時の加熱殺菌の際に柑橘果汁の風味劣化してしまうという問題や、開栓後に常温で保存されることが多いことから、保存中に柑橘果汁と醤油に由来するヒネ臭が発生するという問題があった。よって、ぽん酢醤油は、開栓後は直ぐに使いきるか、少なくとも冷蔵保存することが推奨される調味料である。また、ぽん酢醤油の容器については、開栓後は酸素中身液が接触する頻度が高いため、中身液と空気が触れないような工夫がされた容器が開発されており、例えば、2層構造の容器の内側部分が剥離して調味液が空気に触れにくくしたデラミボトルなどが知られている。しかしながら、冷蔵保存によればヒネ臭の発生はある程度遅らせることができるものの、保存期間が1カ月以上といった長期にわたるとヒネ臭の発生を完全に止めることはできない。また、開栓後に中身液と酸素を遮断する容器はヒネ臭の発生を抑制できるが、溶存酸素による劣化は完全に防ぐことができず、また容器の機構が複雑でコスト高の原因となる。

0003

これまでぽん酢醤油の風味劣化を抑制する方法として、昆布だし汁を添加して発酵臭等の不快臭マスキングする方法が報告されているが(特許文献1)、長期保存によって発生するヒネ臭について検討したものではない。また、チアミン化合物の添加によって、ぽん酢醤油の長期保存による柑橘果汁の果汁感の減少を抑制する方法が報告されているが
(特許文献2)、ヒネ臭については何ら記載されていない。また、ジチオエーテルの添加によって醤油の香味を改善する方法が知られているが(特許文献3)、香味の改善は、加工段階味覚的に劣化した醤油に製造直後の醤油本来の香味を取戻すというものであり、長期保存によって発生するヒネ臭を抑制するものではない。また、特許文献3の香味改善の対象は醤油であり、柑橘果汁が含まれるぽん酢醤油ではないので、醤油と柑橘果汁の両方に由来するヒネ臭の発生を抑制するものではない。

0004

一方、グレーフルーツなどの柑橘果汁飲料における光劣化異臭の原因として、柑橘特有テルペン類酸化成分として知られているp−シメンの増加が報告されている(非特許文献1)。また、p−シメンは、100℃にて30分で処理をしたみかん果汁保管中に経時的に増加することが報告されている(非特許文献2)。

0005

特開2004−49104号公報
特開2009−142194号公報
特開2014−083032号公報

先行技術

0006

東洋食品工業短大・東洋食品研究所研究報告書, 27, 65−69(2009)
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書, 21, 91−104(1996)

発明が解決しようとする課題

0007

従って、本発明の課題は、特別な容器を使用することなく、保存中のヒネ臭や加熱殺菌による劣化臭の発生が抑制されたぽん酢醤油調味料を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、ぽん酢醤油調味料において、p−シメンの含有量、ならびに、カリウムイオンナトリウムイオン酢酸、及びクエン酸の含有量を所定の範囲に調整することで、保存中のヒネ臭や加熱殺菌による劣化臭の発生が抑制され、かつ、加熱しても醤油のボディ感が失われずに保持される効果も得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。これまでp−シメンはネガティブな香りとして知られており、調味料などに積極的に添加するといった動機は持てない成分であった。また、p−シメンの含有によって調味料の保存時のヒネ臭や加熱殺菌時の劣化臭を抑制するといった知見は全く知られていなかった。

0009

すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)柑橘果汁、食酢、及び醤油を含有するぽん酢醤油調味料であって、該調味料中の成分(a)〜(e)の含有量が以下の範囲であることを特徴とする、ぽん酢醤油調味料。
(a)p−シメン:0.0006〜4.0ppm
(b)カリウムイオン:0.02〜5.0質量%
(c)ナトリウムイオン:0.5〜4.0質量%
(d)酢酸:0.5〜3.5質量%
(e)クエン酸:0.2〜4.5質量%
(2)カリウムイオンとナトリウムイオンの含有量の合計が0.5〜6.0質量%であって、カリウムイオンとナトリウムイオンの含有量の質量比(K/N)が0.03〜0.5である、(1)に記載のぽん酢醤油調味料。
(3)解離型酢酸濃度が0.002〜1.0質量%である、(1)または(2)に記載のぽん酢醤油調味料。
(4)クエン酸と酢酸の含有量の質量比(クエン酸/酢酸)が0.2〜10.0である、(1)〜(3)のいずれかに記載のぽん醤油調味料
(5)ロイシンの含有量が0.03〜0.5質量%である、(1)〜(4)のいずれかに記載のぽん醤油調味料。
(6)pHが1.9〜4.5である、(1)〜(5)のいずれかに記載のぽん酢醤油調味料。
(7)柑橘果汁、食酢、及び醤油を含有するぽん酢醤油調味料に、成分(a)〜(e)を以下の範囲で含有させることを特徴とする、ぽん酢醤油調味料のヒネ臭の抑制方法
(a)p−シメン:0.0006〜4.0ppm
(b)カリウムイオン:0.02〜5.0質量%
(c)ナトリウムイオン:0.5〜4.0質量%
(d)酢酸:0.5〜3.5質量%
(e)クエン酸:0.2〜4.5質量%

発明の効果

0010

本発明によれば、流通販売提供段階(特に、常温流通商品、または、常温〜高温陳列販売もしくは飲食店等で提供される商品)や開栓後の保存中のヒネ臭の発生、及び加熱殺菌による劣化臭の発生が抑制されたぽん酢醤油調味料が提供される。本発明のぽん酢醤油調味料は、一般家庭用のみならず、充填量が大きく、中身液を使い切るまでの期間が長期間にわたる産業用としても有用である。また、本発明のぽん酢醤油調味料は、空気遮断のための機構を設けていない簡素な容器や、酸素透過性が高い樹脂を一部又は全部に使用した容器などであっても、また冷蔵保存しない流通・販売形態であっても、長期間の保存が可能である。

0011

以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のぽん酢醤油調味料(以下、「本発明の調味料」という)は、主原料として柑橘果汁、食酢、及び醤油を含有する調味料であって、該調味料中の成分(a)〜(e)の含有量が以下の範囲であることを特徴とする。
(a)p−シメン:0.0006〜4.0ppm
(b)カリウムイオン:0.02〜5.0質量%
(c)ナトリウムイオン:0.5〜4.0質量%
(d)酢酸:0.5〜3.5質量%
(e)クエン酸:0.2〜4.5質量%

0012

本発明の調味料は、柑橘果汁、食酢、及び醤油を含有し、かつ、該調味料中の上記成分(a)〜(e)の含有量が上記の所定の範囲であれば特に限定はされず、例えば、ぽん酢醤油、調味酢、つゆ類(天つゆ、麺つゆ鍋つゆ等)、ドレッシング等が挙げられる。特にヒネ臭は、高温で揮発して目立つため、本発明の調味料は、食材を高温の状態で喫食する際に、また、加熱調理する際に使用するのに適している。例えば、本発明の調味料は、揚げ物焼き物ステーキ、焼き魚、餃子等)のような熱い食材にかける、しゃぶしゃぶや湯豆腐のように熱い食材を浸す野菜炒めや鍋物のように食材とともに加熱する、パスタソースのように熱い食材と和えるという態様で使用するのに特に有用である。

0013

本発明の調味料における「柑橘果汁」は、一般的に「柑橘」と呼ばれる果物の搾であればいかなるものでもよく、例えば、ゆず果汁、みかん果汁、キンカン果汁、かぼす果汁、すだち果汁、レモン果汁、だいだい果汁、夏みかん果汁、はっさく果汁、ゆこう果汁、ポンカン果汁、マンリン果汁、シークワーサー果汁、ザボン果汁、バンペイユ果汁、ライム果汁、グレープフルーツ果汁デコポン果汁、日向夏果汁ネーブルオレンジ果汁などを用いることができる。特にゆず果汁、かぼす果汁、すだち果汁、レモン果汁、だいだい果汁などは風味の劣化が早いため、本発明の効果を得る上で好ましい。これらの柑橘果汁は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上併用すると劣化臭が顕著に目立つため本発明がより有用である。ここで、柑橘果汁とは、上記の柑橘果物の実や皮を絞ったり潰したりすることにより得られる液体のことを広く指す。本発明に使用される柑橘果汁は、実や皮が取り除かれたものでも、残っている状態のものでもよいが、実や皮が含まれる柑橘果汁は皮に由来するオイル分が劣化の要因となり劣化臭がより発生しやすいため、実や皮が含まれる果汁、特にゆず果汁などを使用する場合に本発明は特に有用である。また、本発明に使用される柑橘果汁は、冷凍されていない液体状の果汁であっても、冷凍して固形化した柑橘果汁であってもよい。本発明の調味料における柑橘果汁の含有量は、本発明の調味料において必要とされるクエン酸の含有量と柑橘果汁の種類に応じて適宜調整すればよいが、例えば、0.3〜20.0質量%が好ましく、0.5〜15.0質量%がより好ましい。

0014

本発明の調味料における「食酢」は、米や麦などの穀物や果汁を原料として生産される醸造酢をいい、例えば、米酢穀物酢玄米酢、黒酢粕酢麦芽酢、はと麦酢、大豆酢等)、果実酢りんご酢、ぶどう酢、レモン酢カボス酢、梅酢ワイン酢、バルサミコ酢等)、酒精酢、中国酢などを用いることができる。特に穀物酢、酒精酢などがすっきりとした風味を持ち、食材との相性の点で好ましい。これらの食酢は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらの食酢の酸度は、1.5〜20.0%程度である。本発明の調味料における食酢の含有量は、本発明の調味料に必要とされる酢酸の含有量と食酢の種類に応じて適宜調整すればよいが、例えば、2.0%〜35.0質量%が好ましく、5.0〜30.0質量%がより好ましく、7.0〜25.0質量%が最も好ましい。

0015

本発明の調味料における「醤油」は、一般的に「醤油」と呼ばれる調味料であればいかなるものでもよく、例えば、醸造醤油濃口醤油、薄口醤油、たまり醤油、再仕込醤油白醤油など)、塩分の含有量を通常の醸造醤油より減少させた減塩醤油または低食塩醤油アミノ酸混合醤油、昆布醤油、土佐醤油、刺身醤油、魚醤油が挙げられる。本発明においては、柑橘果汁との相性の点から濃口醤油が好ましい。本発明の調味料における醤油の含有量は、本発明の調味料に必要とされるナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量、ならびに醤油の種類やpHに応じて適宜調整すればよいが、例えば、2.0〜50.0質量%が好ましく、5.0〜45.0質量%がより好ましい。

0016

本発明の調味料は、主原料である柑橘果汁、食酢、及び醤油のほかに、本発明の効果をを損なわない範囲で、調味料に通常用いられる一般的な原料や添加物を含有させてもよい。例えば、塩、味噌、みりん、酒、油、ごま、香味野菜、糖類(砂糖果糖ブドウ糖水飴異性化液糖等)、甘味料ステビアアスパルテームアセスルファムK、スクラロース等)、増粘安定剤(大豆多糖類ペクチンカラギーナンジェランガムキサンタンガムグアーガム等)、酸化防止剤(トコフェロール塩酸システイン等)、風味原料(鰹だし、昆布だし昆布エキス畜肉エキス家禽エキス魚介エキス、果汁等)、酸味料(クエン酸、乳酸リンゴ酸酒石酸等)、旨味調味料(たん白加水分解物酵母エキス等)、アミノ酸系調味料グリシンアラニングルタミン酸ナトリウム等)、核酸系調味料イノシン酸ナトリウムグアニル酸ナトリウム等)、有機酸系調味料(コハク酸ナトリウム等)、スパイス類ハーブ類等の香辛料pH調整剤、酸化防止剤、着色料香料等が挙げられる。

0017

本発明の調味料の形状は、液体状、固形状、粉末状、ペースト状、ゲル状、ムース状スプレー状のいずれであってもよい。また、本発明の調味料は、調理時に水やだしなどを加えて最適な濃度に調整して用いる濃縮タイプ、調味料をそのまま料理に使用するストレートタイプ、また、調味料を粉末状態で食品に使用する粉末タイプのいずれのタイプであってもよい。特にストレートタイプのものが風味の劣化が早くなる傾向があるため、本発明の効果を得る上で好ましい。

0018

以下、本発明の調味料に含有される成分(a)〜(e)について説明する。

0019

(成分(a):p−シメン)
本発明の調味料における「p−シメン(慣用名:4−イソプロピルトルエン英文表記:4-Isopropyltoluene)」は分子式C10H14(分子量:134.22)を有し、下記の構造式で示される公知の物質である。また、CAS登録番号は99−87−6である。

0020

0021

本発明の調味料において、p−シメンとは、原料または添加物に由来するp−シメンをいい、p−シメンの含有量とは、柑橘果汁由来のp−シメン、別途添加するp−シメンの合計の濃度をいう。

0022

本発明の調味料においてp−シメンの含有量は、0.0006〜4.0ppm、好ましくは0.001〜1.0ppm、より好ましくは0.001〜0.5ppm、さらに好ましくは0.001〜0.1ppm、最も好ましくは0.001〜0.05ppmである。p−シメンの含有量を上記範囲にすることによって、ヒネ臭を顕著に抑制する効果が得られる。p−シメンの含有量が4.0ppmよりも高いとマスキング効果が高くなりすぎ、好ましい柑橘感までマスキングされてしまうため望ましくない。また、p−シメンの含有量が0.0006ppmよりも低いとヒネ臭の抑制効果が得られず、調味料全体の風味の劣化が早まるため好ましくない。p−シメンの含有量は、以下のGCMS分析法によって測定することができる。

0023

まず、等量の試薬特級ジクロロメタン試料固形物の場合は適当量の水などによく均質化したもの)と充分に混合し、試料中の成分を抽出する。得られた抽出液硫酸ナトリウムによって脱水した後、スプリットレス注入法によってガスクロマトグラフィー分析装置注入し、分析を行う。

0024

ガスクロマトグラフィー分析装置としては、キャピラリーカラムが接続でき、一般的なガスクロマトグラフィー分析装置としての性能を有するものならば如何なるものでも用いることができるが、例えばHP6890 SeriesGCSystem(Agilent社製)等を用いることができる。また、キャピラリーカラムは、一般的な分析に使用するものなら特に制限はないが、内膜ジメチルポリシロキサンジフェニルシアプロピルフェニルポリエチレングリコールテレフタル酸修飾ポリエチレングリコールなどを含むものがよく、例えばTC−WAX(内径0.25mm、長さ60m、膜厚0.25μm)(GL−Sciences社製)等を用いることができる。試料注入口の温度は200℃に設定し、移動相としてヘリウムガスを用いる。昇温プログラムは50℃にて5分保持し、その後、5℃/分にて230℃まで昇温した後、230℃にて20分保持とする。その後、質量分析計にかけて分子量を求め、p−シメンの関連イオンで確認、定量を行う。

0025

質量分析計(MS)は、一般的なマススペクトル解析性能を有するものならば如何なるものでも用いることができるが、質量分析方式としては、四重極型、イオントラップ型、飛行時間型タンデム型のものが好ましく、例えば5973 Mass Selective Detector(Agilent社製)等を用いることができる。また、試料のイオン化法は一般的な方法が採用できるが、好ましくは電子イオン化法EI)、エレクトロスプレーイオン化法ESI)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)、化学イオン化法(CI)、電解脱離法(FD)などが良く、例えば電子イオン化法:EI+、フラグメンテーター電圧:70Vの条件で分析を行うことができる。また、スキャンモードターゲットイオンサイズ119、確認イオンサイズ134、91にて行うことでマススペクトル解析が可能である。

0026

なお、定量マーカーは、p−シメンの標品(東京化成工業社製)を試薬特級ジクロロメタンによって10ppmに希釈したものを用い、上記のクロマトグラフィー条件にて分析に供する。そのクロマトグラフパターンから保持時間20.003分付近ピークをp−シメンのものと判定し、その試料と標品とのターゲットイオンのピーク面積の比較によって、試料中の成分の定量を行うことができる。

0027

(成分(b):カリウムイオン)
本発明の調味料において、カリウムイオンとは、原料または添加物に由来するカリウムイオンをいい、カリウムイオンの含有量とは、柑橘果汁や醤油由来のカリウムイオン、別途添加するカリウム塩由来のカリウムイオンの合計の濃度をいう。カリウム塩としては、飲食品に適用可能なカリウム塩であれば特に限定はされないが、例えば、塩化カリウムリン酸カリウムリン酸水素カリウムメタリン酸カリウムグルタミン酸カリウム酒石酸カリウム等が挙げられる。これらのカリウム塩は、昆布だし等の食材として添加することもできるが、上記のカリウム塩を高純度食品添加物の状態で添加することで、カリウムイオン以外の成分が添加されずカリウムイオン濃度の調整が簡単であるため、より好ましい。カリウムイオンの含有量は、原子吸光光度計を用いて測定することができる。

0028

本発明の調味料におけるカリウムイオンの含有量は、0.02〜5.0質量%、好ましくは0.04〜5.0質量%、より好ましくは0.1〜3.5質量%、最も好ましくは0.2〜3.0質量%である。カリウムイオンの含有量が上記範囲であると、加熱しても醤油のボディ感が失われずに保持され好ましい。カリウムイオンの含有量が5.0質量%よりも高いと調味料に苦味刺激のあるカリウム味が顕れるので好ましくない。また、カリウムイオンの含有量が0.02質量%よりも低いと、調味料がパンチ欠ける風味になるので、好ましくない。

0029

(成分(c):ナトリウムイオン)
本発明の調味料において、ナトリウムイオンとは、原料または添加物に由来するナトリウムイオンをいい、ナトリウムイオンの含有量とは、醤油由来のナトリウムイオン、別途添加するナトリウム塩由来のナトリウムイオンの合計の濃度をいう。ナトリウム塩としては、飲食品に適用可能なナトリウム塩であれば特に限定はされないが、例えば、塩化ナトリウム炭酸ナトリウム炭酸水素ナトリウムリン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウムクエン酸ナトリウムグルコン酸ナトリウム酒石酸ナトリウム安息香酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウムアルギン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等が挙げられる。これらのナトリウム塩は、食塩、風味原料(鰹だし、昆布だし、昆布エキス、畜肉エキス、家禽エキス、魚介エキスなど)、アミノ酸系調味料(グルタミン酸ナトリウム等)、核酸系調味料(イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等)、有機酸系調味料(コハク酸ナトリウム等)として添加される。ナトリウムイオンの含有量は、原子吸光光度計を用いて測定することができる。

0030

本発明の調味料におけるナトリウムイオンの含有量は、0.5〜4.0質量%、好ましくは1.0〜4.0質量%、さらに好ましくは1.0〜3.6質量%、最も好ましくは1.0〜2.0質量%である。ナトリウムイオンの含有量が上記範囲であると、調味料の食材へのなじみが良いので好ましい。ナトリウムイオンの含有量が4.0質量%よりも高いと調味料の甘みが弱く感じられるので好ましくない。また、ナトリウムイオンの含有量が0.5質量%よりも低いと調味料全体の風味の劣化が早まるため、好ましくない。

0031

(成分(d):酢酸)
本発明の調味料において、酢酸とは、原料または添加物に由来する酢酸分子(CH3COOH)と酢酸イオン(CH3COO-)をいい、酢酸の含有量とは、これらを合計した濃度をいう。特に、食品である食酢由来の酢酸であることが好ましい。本発明の調味料における酢酸の含有量は、0.5〜3.5質量%、好ましくは0.6〜3.0質量%、より好ましくは0.7〜2.5質量%である。酢酸の含有量が上記範囲であると、ぽん酢醤油特有の風味が高まるため好ましい。酢酸の含有量が3.5質量%よりも高いと酸味酢酸臭が柑橘臭よりも際立ちやすく、調味料全体の香りのバランス崩れてしまうので好ましくない。また、酢酸の含有量が0.5%よりも低いと、調味料の味がぼやけてしまうため好ましくない。

0032

(成分(e):クエン酸)
本発明の調味料において、クエン酸とは、原料または添加物に由来するクエン酸分子とクエン酸イオンをいい、クエン酸の含有量とは、これらの合計濃度をいう。クエン酸は、一般的には酸味料またはpH調整剤として添加される。

0033

本発明の調味料においてクエン酸の含有量は、0.2〜4.5質量%、好ましくは0.37〜3.6質量%、より好ましくは0.4〜1.5質量%である。クエン酸の含有量が上記範囲であると、柑橘果汁の味の質が向上するため好ましい。クエン酸の含有量が4.5質量%よりも高いと調味料全体の味のバランスが崩れてしまうので好ましくない。また、クエンの含有量が0.2質量%よりも低いと柑橘果汁が劣化しやすくなる傾向があるので好ましくない。

0034

(カリウムイオンとナトリウムイオンの含有量の合計と割合)
本発明の調味料は、柑橘類総合的な風味向上効果を得るために、カリウムイオンとナトリウムイオン含有量の合計及びカリウムイオンとナトリウムイオンの割合を所定の範囲に調整することが好ましい。具体的には、カリウムイオンとナトリウムイオンの含有量の合計は、0.5〜6.0質量%、好ましくは1.0〜6.0質量%、より好ましくは1.0〜4.0質量%である。また、カリウムイオンとナトリウムイオンの含有量の合計を上記の濃度に調整することに加えて、カリウムイオンとナトリウムイオンの含有量の質量比(K/N)を調整することで、カリウム味を顕著に感じにくくする効果が得られる。具体的には、カリウムイオンとナトリウムイオンの含有量の質量比(K/N)が0.03〜0.5、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.1〜0.3であると望ましい。

0035

(解離型酢酸濃度)
酢酸分子は水溶液中で解離型非解離型共鳴状態になっていることが知られている。すなわち解離型酢酸濃度を〔A−〕、プロトン濃度を〔H+〕、非解離型酢酸濃度を〔AH〕とすると、下式の状態で両者が平衡状態共存する。

0036

〔AH〕⇔〔H+〕+〔A−〕(式1)

0037

一方、解離型酢酸濃度〔A−〕は以下の計算式によりpHと酢酸濃度により求めることができる。

0038

pH=4.76+log10〔A−〕/〔AH〕(式2)

0039

本発明の調味料は、調味料全体の風味の低減を緩やかにする効果を得るために、解離型酢酸濃度〔A−〕を所定の範囲に調整することが好ましい。具体的には、解離型酢酸濃度が0.002〜1.0質量%、好ましくは0.005〜0.9質量%、より好ましくは0.01〜0.8質量%、さらに好ましくは0.02〜0.75質量%、最も好ましくは0.05〜0.7質量%となるように酢酸濃度とpHが調整されることが望ましい。本発明の調味料は、風味と呈味のバランス、上記の解離型酢酸濃度の観点から、そのpHは1.9〜4.5、好ましくは2.5〜4.5、より好ましくは3.0〜4.2である。

0040

(クエン酸と酢酸の含有量の割合)
本発明の調味料は、柑橘の総合的な風味の向上効果を得るために、クエン酸と酢酸の含有量の質量比(クエン酸/酢酸)を所定の範囲に調整することが好ましい。具体的には、クエン酸/酢酸は、0.2〜10.0、好ましくは0.3〜9.0、より好ましくは0.4〜8.2、さらに好ましくは0.5〜7.5、最も好ましくは1.0〜6.5である。クエン酸/酢酸が0.2よりも低いと、加熱時に酢酸の酸臭が目立つので好ましくない。また、クエン酸/酢酸が10.0よりも高いと、喫食時にクエン酸の収斂味が強くなりすぎるため、好ましくない。

0041

(ロイシンの含有量)
本発明の調味料において、ロイシンとは、原料または添加物に由来するロイシンをいい、ロイシンの含有量とは、醤油由来のロイシン、別途添加するロイシンの合計の濃度をいう。ロイシンを別途添加する場合、一般的にはアミノ酸系調味料として添加される。

0042

本発明の調味料においては、ぽん酢醤油調味料の風味を深みを高めるために、ロイシンの含有量を所定の範囲に調整することが好ましい。具体的には、ロイシンの含有量は、0.03〜0.5質量%、好ましくは0.04〜0.21質量%である。ロイシンの含有量が0.03質量%よりも少ないと、ぽん酢醤油調味料の風味に深みが十分に出ず好ましくない。また、ロイシンの含有量が0.50質量%よりも多いと、ロイシンの苦味のある味が調味料に顕れ好ましくない。ロイシンの含有量は、市販のアミノ酸分析装置を用いて測定することができる。

0043

本発明の調味料は、保存中に「ヒネ臭」が発生しない、もしくは発生しにくい。ここで、「保存」には、流通・販売段階の保存と開栓後の保存の両方が包含される。また、「ヒネ臭」とは、ぽん酢醤油調味料の保存中に柑橘果汁や醤油の成分の酸化反応によって生成する独特の臭いであり、醤油と柑橘果汁それぞれ単独の劣化臭とは異なり、またp−シメンそのものの香気とも異なる。「ヒネ臭」は日本酒の「老香(ひねか)」と類似し、常温〜高温保存条件下で顕著に発生する。

0044

本発明の調味料はまた、加熱殺菌による劣化臭が発生しない、もしくは発生しにくい。ここで、「加熱殺菌による劣化臭」とは、短時間の加温により発生するものであり、長期間の保存によって発生する「ヒネ臭」とは発生メカニズムが異なり、香りの質としては醤油や柑橘のフレッシュ感が失われたような香りである。本発明の調味料を加熱殺菌する場合、工業的によく用いられる殺菌方法を用いることができる。殺菌方法の具体例としては、ジャケットタンク蛇管タンクプレートヒーターなどの熱交換器を用いる方法や、蒸気混入したりする方法や、高温高圧条件下でのレトルト殺菌等を挙げることができる。加熱殺菌の条件としては、65℃〜95℃、好ましくは70℃〜85℃で、1秒〜5分、好ましくは30秒〜2分が例示できる。加熱殺菌の時間は、所定の時間を達温として所定の温度帯ホールドする時間のことをいう。

0045

本発明の調味料は、加熱後に醤油の「ボディ感」を強く感じることができるぽん酢醤油調味料である。ここで、「ボディ感」とは、味に豊かさ、まろやかさ、膨らみのある感覚をいい、ワインの「ボディ感」とも類似するものである。

0046

ぽん酢醤油調味料の醤油の「ボディ感」は加熱により失われやすく、「ボディ感」を持つぽん酢醤油調味料を得るためにはアセプティック充填などの殺菌工程を持たない製造方法を用いる必要があり、産業的に不便であった。本発明によれば、殺菌工程をもつぽん酢醤油調味料においても、醤油の「ボディ感」が失われず保持されるため、好ましい。

0047

本発明の調味料を充填する容器には、あらゆる容器が使用できる。例えば、製造からの賞味期限が4ヶ月よりも長いロングライフ常温保存容器、一部または全部に樹脂を使用した容器、開栓後に容器開口部を密封して複数回に亘って使用することができる非使い切り容器、中身液が漏出しない程度の再密封可能なキャップや栓などの機構を持つ再密封可能な容器など、中身のぽん酢醤油調味液が劣化しやすい容器であっても使用できる。

0048

また、本発明の調味料の保存の方法も限定されず、常温保存であって冷蔵保存であってもよい。特に常温で流通・保存されるドライグロサリー製品として提供しても、中身液の劣化が進まない。

0049

本発明の調味料は、上記の原料及び添加物を用い、該調味料中の上記の特定の成分が所定の範囲になるように含有させる以外は、通常のぽん酢醤油の製造方法に従えばよい。例えば、原料のうち、固体原料を水や酢などの液体原料攪拌混合した後、次いで残りの液体原料を添加し、混合機で混合しながら固体原料を溶解させ、その後、加熱滅菌処理をして冷却し、容器に充填することにより製造できる。ドライグロサリー製品の場合は、容器内の微生物汚染を防止するために、容器を無菌状態にした後に同じく無菌状態の中身液を充填するアセプティック充填、加熱滅菌後の中身液を高温状態で容器に充填し、中身液の熱で容器内の微生物を制御するホットパック充填、中身液充填後の容器をパストライザーレトルト釜で加熱して容器内の微生物を制御する充填後殺菌等の方法により充填が行われるが、特にホットパック充填のように容器内に高温の中身液を充填しても、劣化臭が発生しない。

0050

以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。

0051

(参考例)成分の測定方法
以下の実施例において、試料中のp-シメンの測定は、次の方法で行った。
まず、試料を5ml採り、等量の試薬特級ジクロロメタンを試料と充分に混合し、試料中の成分を抽出した。得られた抽出液を硫酸ナトリウムによって脱水した後、スプリットレス注入法によってガスクロマトグラフィー分析装置に1μL注入し、分析を行った。ガスクロマトグラフィー分析装置は、HP6890 SeriesGCSystem(Agilent社製)を使用し、キャピラリーカラムは、TC−WAX(内径0.25mm、長さ60m、膜厚0.25μm)(GL−Sciences社製)を使用した。該ガスクロマトグラフィー分析装置の試料注入口の温度は200℃に設定し、移動相としてヘリウムガスを用いた。昇温プログラムは50℃にて5分保持し、その後、5℃/分にて230℃まで昇温した後、230℃にて20分保持した。その後、質量分析計にかけて、分子量を求め、p−シメンの関連イオンで確認、定量を行った。

0052

質量分析計(MS)は、5973 Mass Selective Detector(Agilent社製)を使用し、イオン化:EI+、フラグメンテーター電圧:70Vの条件で行った。検出はスキャンモードでターゲットイオンサイズ119、確認イオンサイズ134、91にて行うことでマススペクトル解析を行った。

0053

定量マーカーとして、p−シメンの標品(東京化成工業社製)を試薬特級ジクロロメタンによって10ppmに希釈したものを用い、上記のクロマトグラフィー条件にて分析に供した。得られたクロマトグラフパターンから保持時間20.003分付近のピークをp−シメンのものと判定し、試料と標品とのターゲットイオンのピーク面積の比較によって、試料中の成分の定量を行った。

0054

(実施例1)カリウムイオン及びナトリウムイオンの含有量の検討
(1)試験品の調製 表1−1に示す処方で各原料を十分に混合し、加熱殺菌し、70℃でガラス瓶に充填して樹脂製のキャップにて密封し、キャップ裏部に液が接触するように転倒攪拌した後、自然放冷し、試験品のぽん酢醤油調味料を調製した。また、得られた試験品の一部については、既報(業界の動向賞味期限延長」技術の考え方JAS情報,503,2−5(2011))を参考に44℃にて30日間保存することによって24℃120日間相当の劣化度合い再現するサンプルを調製し、「保存時のヒネ臭」の官能検査に供した。また、上記の各原料の混合液の一部を混合直後サンプリングして加熱殺菌処理なしのサンプルを調製し、「非加熱時のヒネ臭」及び「非加熱時の柑橘感」の官能検査に供した。

0055

0056

(2)官能評価方法
(1)で調製した試験品について、「カリウム味」、「加熱後の香りのまろやかさ」、「加熱後の醤油のボディ感」、「加熱後/非加熱時の柑橘感」、「加熱殺菌時の劣化臭」、「非加熱時/保存時のヒネ臭」の官能検査を行った。官能検査は熟練したパネル10名にて行い、各試験項目評価基準は以下のとおりとした。なお、評価基準の「3」は、熟練したパネルが通常のぽん酢醤油と比べて「変化がない」と評価できるレベルである。

0057

(カリウム味)、
1:強く感じる、2: やや感じる、3:感じない、4:ほとんど感じない、5:まったく感じない
(加熱後の香りのまろやかさ)
1:まったくない、2: ほとんどない、3:普通、4:ある、5:非常にある
(加熱後の醤油のボディ感)
1:弱い、2: やや弱い、3:普通、4:やや強い、5:強い
(加熱後/非加熱時の柑橘感)
1:弱い、2: やや弱い、3:普通、4:やや強い、5:強い
(加熱殺菌時の劣化臭)
1:強い、2: やや強い、3:普通、4:やや弱い、5:弱い
(非加熱時/保存時のヒネ臭)
1:強い、2: やや強い、3:普通、4:やや弱い、5:弱い

0058

(3)結果
調味料分析値官能評価結果を下記表1−2に示す。

0059

0060

表1−2に示すように、「保存時のヒネ臭」及び「加熱殺菌時の劣化臭」が弱く、「カリウム味」が感じられず、かつ「加熱後の香りのまろやかさ」、「加熱後の醤油のボディ感」、「加熱後の柑橘感」についても良い評価となった試験品は、カリウムイオンの含有量が0.02〜5.0質量%、ナトリウムイオンの含有量が0.5〜4.0質量%の範囲であった(No.2〜7、9〜12)。なお、これらの試験品のp−シメン含有量は、いずれも0.0006〜4.0ppmの範囲内であった。これに対し、カリウムイオンの含有量及びナトリウムイオンの含有量が上記範囲を下回る試験品(No.1)は「保存時のヒネ臭」及び「加熱殺菌時の劣化臭」が強く、「加熱後の香りのまろやかさ」がなく、「加熱後の醤油のボディ感」が弱かった。また、カリウムイオンの含有量が上記範囲を超える試験品(No.8)は「カリウム味」が感じられ、ナトリウムイオンの含有量が上記範囲を超える試験品(試験No.13)が「保存時のヒネ臭」及び「加熱殺菌時の劣化臭」が強く感じられた。また、原料ゆず果汁を微生物汚染しない密閉環境で44℃で30日間保存することによって24℃で120日間保存に相当する劣化度合いを再現したサンプルを調製し(No.10)、未保存のゆず果汁を使用したサンプル(No.9)と共に評価した結果、非特許文献2に記載された傾向とは異なり、44℃で保存後のゆず果汁の方がp−シメン量が減少する傾向が認められた。No.10では非加熱時/加熱後の柑橘感がNo.9に比べて低い値となったものの、ヒネ臭の発生抑制などの本発明の効果には顕著な差は認められなかった。すなわち、最終的な調味料中の各成分値が所望の値になるものであれば、加熱処理などを施した柑橘果汁を用いることができる。また、柑橘果汁を保存した際に発生するオフフレーバーの発生と、本発明で定義したぽん酢醤油調味料のヒネ臭発生傾向が一致しないことから、これらの臭気の生成は異なるメカニズムであると推測される。

0061

(実施例2)p−シメンの含有量の検討
(1)試験品の調製
表2−1に示す処方(p−シメンの添加により含有量を変更)で各原料を十分に混合し、実施例1と同様にして試験品を調製した。

0062

0063

(2)官能評価方法
(1)で調製した試験品について、実施例1と同様に「カリウム味」、「加熱後の香りのまろやかさ」、「加熱後の醤油のボディ感」、「加熱後/非加熱時の柑橘感」、「加熱殺菌時の劣化臭」、「非加熱時/保存時のヒネ臭」の官能検査を行い、評価した。

0064

(3)結果
調味料分析値と官能評価結果を下記表2−2に示す。

実施例

0065

表2−2に示すように、「保存時のヒネ臭」及び「加熱殺菌時の劣化臭」が弱く、「カリウム味」が感じられず、かつ「加熱後の香りのまろやかさ」、「加熱後の醤油のボディ感」、「加熱後の柑橘感」についても良い評価となった試験品は、p−シメンの含有量が0.0006〜4.0ppmの範囲であった(No.15〜19)。これに対し、p−シメンの含有量が上記範囲を下回る試験品(No.14)は「保存時のヒネ臭」及び「加熱殺菌時の劣化臭」が強く、p−シメンの含有量が上記範囲を上回る試験品(試験No.20)は「非加熱時の柑橘感」及び「加熱後の柑橘感」が弱かった。

0066

本発明は、容器の種類を問わず長期保存が可能なぽん酢醤油調味料の製造分野において利用できる。

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