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図面 (6)

課題

発酵装置において、中和剤所要量を減らし、ひいては中和剤が系内に蓄積されるのを抑制又は防止する。

解決手段

主発酵槽11の培養液91中の微生物によって有価有機物発酵生成する。抽出手段20において、培養液91から有価有機物を抽出する。分解手段40において、前記抽出後の液中残留有機物を微生物によって発酵分解する。測定手段55によって、主発酵槽11における培養液91のpHを測定する。抽出手段20から分解手段40までにおける1又は複数箇所から液の一部を送液手段51によって主発酵槽11へ送る。pHの測定値に基づいて、制御手段59によって送液流量を制御する。

概要

背景

特許文献1には、バイオマスからエタノール等を発酵生成して取り出すシステムが開示されている。取り出した後の残液排水リサイクル処理し、その水をエタノール発酵の前液として使用している。pHが範囲外であった場合は、酸やアルカリ中和剤によってpHを調整することが記載されている。

概要

発酵装置において、中和剤の所要量を減らし、ひいては中和剤が系内に蓄積されるのを抑制又は防止する。主発酵槽11の培養液91中の微生物によって有価有機物を発酵生成する。抽出手段20において、培養液91から有価有機物を抽出する。分解手段40において、前記抽出後の液中残留有機物を微生物によって発酵分解する。測定手段55によって、主発酵槽11における培養液91のpHを測定する。抽出手段20から分解手段40までにおける1又は複数箇所から液の一部を送液手段51によって主発酵槽11へ送る。pHの測定値に基づいて、制御手段59によって送液流量を制御する。

目的

本発明は、上記事情に鑑み、発酵装置において、中和剤の所要量を減らし、ひいては中和剤が系内に蓄積されるのを抑制又は防止することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

液中微生物によって有機物発酵処理する発酵装置において、培養液中の微生物によって有価有機物を発酵生成する少なくとも1つの主発酵槽を含む生成手段と、前記生成手段から取り出した培養液から前記有価有機物を抽出する抽出手段と、前記抽出後の液中の残留有機物を微生物によって発酵分解する分解手段と、前記主発酵槽における前記培養液のpHを測定する測定手段と、前記抽出手段から前記分解手段の出口部までにおける1又は複数箇所から液の一部を前記主発酵槽へ送る送液手段と、前記pHの測定値に基づいて、前記送液手段の送液流量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする発酵装置。

請求項2

前記送液手段の上流端が、前記抽出手段の出口部、並びに前記分解手段の入口部、中途部、及び出口部のうち1又は複数箇所に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の発酵装置。

請求項3

前記分解手段が、前記抽出手段に接続された酸発酵槽と、前記酸発酵槽の下流側に設けられたメタン発酵槽とを含み、前記送液手段が、前記酸発酵槽と前記メタン発酵槽との間と、前記メタン発酵槽の出口部とのうち少なくとも一箇所に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の発酵装置。

請求項4

前記分解手段が還流路を含み、前記還流路の上流端が、前記メタン発酵槽の出口部に接続され、かつ前記還流路の下流端が、前記酸発酵槽の入口部に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の発酵装置。

請求項5

液中の微生物によって有機物を発酵処理する発酵方法において、培養液中の微生物によって有価有機物を発酵生成する生成工程と、前記生成工程後の培養液から前記有価有機物を抽出する抽出工程と、前記抽出工程後の液中の残留有機物を微生物によって発酵分解する分解工程と、前記生成工程における前記培養液のpHを測定する測定工程と、前記抽出工程から前記分解工程後までにおける1又は複数時点の液の一部を前記生成工程へ送る送液工程と、前記pHの測定値に基づいて、前記送液工程の送液流量を制御する制御工程とを備えたことを特徴とする発酵方法。

請求項6

前記培養液の原液を前記主発酵槽へ供給する供給工程を、更に備え、前記制御工程においては、前記pHの測定値に基づいて、前記送液流量及び前記原液の供給流量を制御することを特徴とする請求項5に記載の発酵方法。

請求項7

前記抽出工程後かつ前記分解工程前、並びに前記分解工程の途中及び後のうち1又は複数時点の液の一部を、前記pHの測定値に基づいて流量制御しながら前記生成工程へ送ることを特徴とする請求項5又は6に記載の発酵方法。

請求項8

前記分解工程が、前記抽出工程後の液を酸発酵させる酸発酵工程と、前記酸発酵工程後の液をメタン発酵させるメタン発酵工程とを含み、前記酸発酵工程後かつ前記メタン発酵工程前、及び前記メタン発酵工程後のうち1つ又は両方の時点の液の一部を、前記pHの測定値に基づいて流量制御しながら前記生成工程へ送ることを特徴とする請求項5又は6に記載の発酵方法。

請求項9

前記メタン発酵工程後の液の他の一部を前記酸発酵工程前の液に混合する還流工程を、更に備えたことを特徴とする請求項8に記載の発酵方法。

請求項10

前記生成工程の培養液に中和剤を添加する添加工程と前記抽出工程後かつ前記分解工程前の液から固形物を分離して排出する分離排出工程と、を更に備え、前記分解工程が、嫌気処理工程と、前記嫌気処理工程後の好気処理工程とを含み、前記中和剤の添加量を、前記分離排出工程において排出される排出物中の前記中和剤の量と、前記好気処理工程に入る液中の前記中和剤の量との和と一致させることを特徴とする請求項5〜9の何れか1項に記載の発酵方法。

技術分野

0001

本発明は、発酵装置及び発酵方法に関し、特に液中微生物によって有機物発酵生成及び発酵分解等の発酵処理を行なう装置及び方法に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、バイオマスからエタノール等を発酵生成して取り出すシステムが開示されている。取り出した後の残液排水リサイクル処理し、その水をエタノール発酵の前液として使用している。pHが範囲外であった場合は、酸やアルカリ中和剤によってpHを調整することが記載されている。

先行技術

0003

特開2004−121055号公報

発明が解決しようとする課題

0004

前掲特許文献では必要に応じて中和剤を投入しているが、投入した中和剤は本処理では除去できないことが多く、中和剤が系内に蓄積し、培養その他に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑み、発酵装置において、中和剤の所要量を減らし、ひいては中和剤が系内に蓄積されるのを抑制又は防止することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

前記課題を解決するため、本発明装置は、液中の微生物によって有機物を発酵処理する発酵装置において、
培養液中の微生物によって有価有機物を発酵生成する少なくとも1つの主発酵槽を含む生成手段と、
前記生成手段から取り出した培養液から前記有価有機物を抽出する抽出手段と、
前記抽出後の液中の残留有機物を微生物によって発酵分解する分解手段と、
前記主発酵槽における前記培養液のpHを測定する測定手段と、
前記抽出手段から前記分解手段の出口部までにおける1又は複数箇所から液の一部を前記主発酵槽へ送る送液手段と、
前記pHの測定値に基づいて、前記送液手段の送液流量を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする。
本発明方法は、液中の微生物によって有機物を発酵処理する発酵方法において、
培養液中の微生物によって有価有機物を発酵生成する生成工程と、
前記生成工程後の培養液から前記有価有機物を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程後の液中の残留有機物を微生物によって発酵分解する分解工程と、
前記生成工程における前記培養液のpHを測定する測定工程と、
前記抽出工程から前記分解工程後までにおける1又は複数時点の液の一部を前記生成工程へ送る送液工程と、
前記pHの測定値に基づいて、前記送液工程の送液流量を制御する制御工程と
を備えたことを特徴とする。

0006

通常、抽出後の液や、分解中ないしは分解後の液のpHは、生成手段(生成工程)における培養液のpHと異なる。これらpHの異なる液を、中和剤の代わりに培養液に混ぜることによって、培養液のpHを調節できる。これによって、中和剤の添加量を少なくでき、或いは中和剤添加を不要にできる。したがって、系内に中和剤が蓄積されるのを抑制又は防止できる。加えて、培養液のリサイクル率を高めることができ、培養液の原液供給流量を減らすことができる。

0007

前記送液手段が、前記抽出手段の出口部、並びに前記分解手段の入口部、中途部、及び出口部のうち1又は複数箇所に接続されていることが好ましい。
前記抽出工程後かつ前記分解工程前、並びに前記分解工程の途中及び後のうち1又は複数時点の液の一部を、前記pHの測定値に基づいて流量制御しながら前記生成工程へ送ることが好ましい。
これによって、培養液のpHが所望の値になるよう調節できる。

0008

前記分解手段が、前記抽出手段に接続された酸発酵槽と、前記酸発酵槽の下流側に設けられたメタン発酵槽とを含むことが好ましい。前記送液手段が、前記酸発酵槽と前記メタン発酵槽との間と、前記メタン発酵槽の出口部とのうち少なくとも一箇所に接続されていることが好ましい。
前記分解工程が、前記抽出工程後の液を酸発酵させる酸発酵工程と、前記酸発酵工程後の液をメタン発酵させるメタン発酵工程とを含むことが好ましい。前記酸発酵工程後かつ前記メタン発酵工程前、及び前記メタン発酵工程後のうち1つ又は両方の時点の液の一部を、前記pHの測定値に基づいて流量制御しながら前記生成工程へ送ることが好ましい。
これによって、培養液のpHが確実に所望の値になるよう調節できる。

0009

前記分解手段が還流路を含み、前記還流路の上流端が、前記メタン発酵槽の出口部に接続され、かつ前記還流路の下流端が、前記酸発酵槽の入口部に接続されていることが好ましい。
前記培養方法が、前記メタン発酵後の液の他の一部を前記酸発酵前の液に混合する還流工程を、更に備えていることが好ましい。
メタン発酵後の液は、酸発酵前の液よりもpHが高い。この高pH液を酸発酵槽に戻すことによって、酸発酵槽(酸発酵工程中の液)のpHが必要以上に低くなるのを抑えることができる。これによって、酸発酵槽(酸発酵工程中の液)に中和剤を別途投入しなくても、良好な酸発酵を行わせることができる。別途の中和剤が不要であるから、それが蓄積されることもない。

0010

前記発酵方法が、前記培養液の原液を前記主発酵槽へ供給する供給工程を、更に備え、
前記制御工程においては、前記pHの測定値に基づいて、前記送液流量及び前記原液の供給流量を制御することが好ましい。
これによって、主発酵槽(生成工程)の培養液のpHを所望になるよう制御できるだけでなく、主発酵槽(生成工程)への液供給流量を一定に保持することができる。ひいては、系の液流路を流れる液流量を一定に保つことができる。

0011

前記発酵方法が、前記生成工程の培養液に中和剤を添加する添加工程と
前記抽出工程後かつ前記分解工程前の液から固形物を分離して排出する分離排出工程と、
を更に備え、
前記分解工程が、嫌気処理工程と、前記嫌気処理工程後の好気処理工程とを含み、
前記中和剤の添加量を、前記分離排出工程において排出される排出物中の前記中和剤の量と、前記好気処理工程に入る液中の前記中和剤の量との和と一致させることが好ましい。
これによって、中和剤が系内に蓄積されるのを一層確実に防止できる。前記好気処理工程に入る液中に前記中和剤由来アンモニア等が含まれていたとしても、好気処理によってこれを分解することができる。

発明の効果

0012

本発明によれば、中和剤の所要量を減らすことができる。ひいては、中和剤が系内に蓄積されるのを抑制又は防止できる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、本発明の第1実施形態に係る発酵装置の概略構成を示す回路図である。
図2は、本発明の第2実施形態に係る発酵装置の概略構成を示す回路図である。
図3は、本発明の第3実施形態に係る発酵装置の概略構成を示す回路図である。
図4は、本発明の第4実施形態に係る発酵装置の概略構成を示す回路図である。
図5は、本発明の第5実施形態に係る発酵装置の概略構成を示す回路図である。

実施例

0014

以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る発酵装置1を示したものである。発酵装置1は、原液供給手段2と、生成手段10と、抽出手段20と、固液分離手段30と、分解手段40と、これらを繋ぐ液流路9とを備えている。液流路9の流れ方向に沿って、原液供給手段2、生成手段10、抽出手段20、固液分離手段30、分解手段40の順に配置されている。液流路9は、隣り合う2つの手段2,10,20,30,40間の液路9a,9b,9c,9d、並びに分解手段40の内部及び下流側の液路9e,9f,9gを含む。
図示は省略するが、各液路9a〜9gには送液ポンプが設けられている。

0015

原液供給手段2には、培養原液90が蓄えられている。培養原液90の殆どは、水(H2O)である。これにビタミンリン酸等の栄養素が溶解されている。培養原液90は、酸性である。
原液供給手段2と生成手段10とが、原液供給路9aによって接続されている。

0016

生成手段10は、少なくとも1つの主発酵槽11を含む。主発酵槽11には、原液供給手段2からの培養原液90が培養液91となって溜められている。培養液91中で本発酵用嫌気性微生物が培養されている。

0017

詳細な図示は省略するが、主発酵槽11には、基質が供給される。基質は、有機物か無機物かを問わず、嫌気性微生物のエネルギー源になる物質であればよい。本発酵用嫌気性微生物は、基質からエタノールや酢酸等の有機物を発酵生成する。

0018

培養液91の組成は、培養原液90の組成と同じではなく、本発酵用嫌気性微生物の代謝によって消費される成分や、生産される成分(前記エタノールその他の発酵生成物等)が含まれている。培養液91は、培養原液90よりも弱い酸性である。

0019

主発酵槽11には中和剤添加手段60が付設されている。中和剤添加手段60は、中和剤源61と、添加路62を含む。中和剤源61には、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、アンモニア(NH3)等のアルカリ性の中和剤が蓄えられている。中和剤源61からの添加路62が、主発酵槽11に接続されている。

0020

生成手段10と抽出手段20が、培養液送出路9bによって接続されている。
抽出手段20は、1又は複数段蒸留塔21を含む。最終段の蒸留塔21からの留出蒸気路22が、精製装置(図示省略)へ延びている。また、缶出液出口23からの抽出残液路9cが、固液分離手段30へ延びている。

0021

固液分離手段30は、例えばフィルター脱水機31を含む。フィルター脱水機31から固形物排出路34が系外へ延びている。
固液分離手段30の液出口と分解手段40とが、分離済液路9dによって接続されている。

0022

分解手段40は、嫌気処理部41と、好気処理部44(後処理部)を備えている。嫌気処理部41は、酸発酵槽42と、メタン発酵槽43を含む。分離済液路9dの下流端が酸発酵槽42に接続されている。酸発酵槽42(副発酵槽)には、固形物分離後の液93(酸発酵対象液)が溜められている。酸発酵槽42内の酸発酵対象液93において、酸発酵菌が培養されている。

0023

分解手段40における酸発酵槽42の下流側に、酸発酵済液路9eを介してメタン発酵槽43が接続されている。メタン発酵槽43(副発酵槽)には、酸発酵処理後の液94(メタン発酵対象液)が溜められている。メタン発酵槽43内の液94において、メタン発酵菌が培養されている。

0024

分解手段40におけるメタン発酵槽43の下流側には、好気処理部44が設けられている。メタン発酵槽43と好気処理部44とがメタン発酵済液路9fによって接続されている。

0025

液流路9におけるpHは、培養原液90において最も低く、培養液91、抽出残液92、酸発酵処理後の液94、メタン発酵処理後の液95の順に高くなっている。

0026

発酵装置1は、pH調節手段50を更に備えている。pH調節手段50は、送液手段51と、pH測定器55(pH測定手段)と、コントローラ59(制御手段)を含む。送液手段51は、送液路52と、送液ポンプ53を有している。送液路52の上流端は、メタン発酵済液路9f(分解手段40の中途部)に接続されている。すなわち、送液手段51が、抽出手段20から分解手段40の出口部までにおける一箇所に接続されている。メタン発酵処理後の液95の一部95bが、送液路52へ分流可能になっている。送液路52の中途部に送液ポンプ53が設けられている。送液路52の下流端は、原液供給路9aに接続され、ひいては主発酵槽11に接続されている。

0027

主発酵槽11にpH測定器55が接続されている。pH測定器55によって、培養液91のpH値が測定される。pH測定器55の出力信号線がコントローラ59に接続されている。コントローラ59の制御信号線が送液ポンプ53に接続されている。コントローラ59は、マイクロコンピュータや、送液ポンプ53の駆動回路を含む。

0028

発酵装置1は、次のように動作する。
<供給工程>
原液供給手段2から培養原液90を主発酵槽11へ供給する。この原液90が、主発酵槽11内の培養液91に注ぎ足される。

0029

<生成工程(培養工程)>
主発酵槽11の培養液91において、本発酵用嫌気性微生物を培養する。本発酵用嫌気性微生物は、エタノール(C2H5OH)等の有価有機物を発酵生成する。副産物として、酢酸等の酸性有機化合物も生成される。したがって、培養液91のpHは低くなる傾向がある。

0030

<添加工程>
この培養液91に中和剤添加手段60から適量の中和剤を添加する。これによって、培養液91のpHが必要以上に低下するのを防止でき、本発酵用嫌気性微生物の発酵活動を促進できる。

0031

主発酵槽11内の培養液91の一部を培養液送出路9bへ取り出し、蒸留塔21へ送る。
<抽出工程>
蒸留塔21においては、培養液91を蒸留することでエタノール(有価有機物)を抽出する。抽出したエタノールを留出蒸気路22から取り出し、更に精製して種々の利用に供する。

0032

抽出後の残液92は、前記本発酵用嫌気性微生物の屍骸等のバイオマス、その他の残留有機物(COD(Chemical Oxygen Demand)成分)を含む。この抽出後残液92を抽出残液路9cによってフィルター脱水機31へ送る。

0033

<分離排出工程>
フィルター脱水機31においては、抽出残液92を圧搾して固液分離する。固形物は、脱水ケーキ状態となって固形物排出路34から系外へ排出される。固形物を含む排出物には、前記中和剤の一部が混じっている。
固形物分離後の液93を、分離済液路9dによって分解手段40へ送る。

0034

<分解工程>
分解手段40では、嫌気処理部41において嫌気処理工程を行ない、その後、好気処理部44において好気処理工程を行なう。嫌気処理工程としては、先ず酸発酵槽42において酸発酵工程を行ない、次に、メタン発酵槽43においてメタン発酵工程を行なう。

0035

<嫌気処理工程〜酸発酵工程>
酸発酵槽42では、酸発酵菌の酸発酵によって液93中の残留有機物を分解する。このとき、酸が生成されるため、酸発酵槽42のpHは、メタン発酵槽43よりも低い。
酸発酵処理後の液94を、酸発酵済液路9eによってメタン発酵槽43へ送る。

0036

<嫌気処理工程〜メタン発酵工程>
メタン発酵槽43では、メタン発酵菌のメタン発酵によって液94中の残留有機物を分解する。このとき、炭酸ガスメタンが生成されるために、メタン発酵槽43のpHは比較的高い。
酸発酵処理及びメタン発酵処理によってCODを低下させることができる。メタン発酵処理後の液95のうち後記還流液95bを除く液95aを、メタン発酵済液路9fによって好気処理部44へ送る。

0037

<好気処理工程>
好気処理部44では、好気性微生物によって液95a中の有機物を好気的に分解処理する。これによって、CODを環境放出基準まで低下させることができる。液95a中に中和剤添加手段60からの中和剤由来のアンモニアが含まれていたとしても、好気処理によってこれを分解することができる。
<液放出工程>
好気処理後の廃液96が、廃液路9gによって系外に下水として放出される。廃液96には、前記中和剤の一部が混じっている。これによって、前記分離排出工程における中和剤排出及び好気処理による分解等と相俟って、中和剤が発酵装置1の系内に蓄積されるのを防止できる。

0038

<添加量設定工程>
好ましくは、固形物排出路34からの排出物中の中和剤の流量Q34と、好気処理部44に入る液95a中の中和剤の流量Q95aとの和が、中和剤添加手段60の中和剤添加流量Q60とほぼ等しくなるように設定する。
Q34+Q95a≒Q60 (式1)
これによって、発酵装置1内における中和剤量平衡に維持することができる。また、添加流量Q60を一定に保持でき、主発酵槽11のpH値を中和剤添加手段60にフィードバックする必要が無い。

0039

さらに、pH調節手段50によって主発酵槽11のpHを調節する。
<測定工程>
詳しくは、pH測定器55によって主発酵槽11のpHを測定する。測定結果をコントローラ59に入力する。
<制御工程>
コントローラ59は、pH測定器55のpH測定値に基づいて送液ポンプ53の出力を制御する。
<送液工程>
送液ポンプ53の駆動によって、メタン発酵処理後の液95の一部(還流液95b)が送液路52へ分流される。さらに、送液ポンプ53の出力調節によって、還流液95bの流量が制御される。還流液95bは、原液供給路9aにおいて原液供給手段2からの培養原液90と合流して、培養原液90と共に主発酵槽11へ供給される。

0040

ここで、還流液95bのpHは、主発酵槽11の培養液91のpHよりも高い。また、培養原液90のpHは、還流液95bのpHよりも低く、更には培養液91のpHよりも低い。したがって、還流液95bの流量を増減させることによって、培養液91のpHを所望の値になるように調節できる。つまり、主発酵槽11のpHを、主発酵槽11よりも後段の液流路9の液を用いて調節することができる。これによって、培養液91内の発酵性微生物によるエタノールの発酵生成を良好かつ安定的に行なうことができる。
しかも、還流液95bが中和剤の代わりになるから、中和剤添加手段60からの中和剤の供給流量Q60を十分に小さくできる。したがって、発酵装置1内に中和剤が蓄積されるのを一層確実に抑制又は防止することができる。
更には、液95bを主発酵槽11へ戻すことによって培養液91のリサイクル率を高めることができる。したがって、培養原液90の供給流量を減らすことができる。

0041

次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の実施形態と重複する内容に関しては、図面に同一符号を付して説明を簡略化する。
[第2実施形態]
図2は、本発明の第2実施形態を示したものである。
発酵装置1Bにおいては、生成手段10が複数(図では2つ)の主発酵槽11,11を含む。これら主発酵槽11,11は、互いに並列に配置されている。原液供給路9aが複数に分岐して、各主発酵槽11に接続されている。各主発酵槽11に添加路62が接続されている。各主発酵槽11から培養液送出路9bが引き出されている。これら培養液送出路9b,9bが互いに合流して、抽出手段20に接続されている。

0042

送液手段51の送液路52は、共通路部分52aと、複数の個別路部分52b,52bとを有している。共通路部分52aが、メタン発酵済液路9fから分岐して延びている。共通路部分52aから複数の個別路部分52b,52bが分岐されている。各個別路部分52bに送液ポンプ53が設けられている。個別路部分52bは、主発酵槽11と一対一に対応している。各個別路部分52bが、対応する原液供給路9aを介して、対応する主発酵槽11に接続されている。

0043

各主発酵槽11にpH測定器55が設けられている。これらpH測定器55の出力信号線が、1つのコントローラ59に接続されている。コントローラ59の複数の制御信号線が、それぞれ対応する個別路部分52bの送液ポンプ53に接続されている。

0044

発酵装置1Bによれば、主発酵槽11ごとに、培養液91のpHを測定し、その測定値に応じて、対応する送液ポンプ53の出力を操作する。ひいては、対応する個別路部分52bにおける還流液95bの流量を調節する。これによって、各主発酵槽11のpHを所望の値になるように制御できる。

0045

[第3実施形態]
図3は、本発明の第3実施形態を示したものである。
発酵装置1Cにおいては、コントローラ59の制御信号線が、送液ポンプ53だけではなく、原液供給路9aの原液供給ポンプ2Pにも接続されている。(なお、他の実施形態(図1〜2,4〜5)においても、原液供給ポンプ2Pは存在するが、その図示が省略されている。)

0046

発酵装置1Cによれば、コントローラ59によって送液ポンプ53の出力及び原液供給ポンプ2Pの出力を互いに調節する。したがって、還流液95bの流量と、培養原液90の流量とをそれぞれ調節でき、更にはこれら液95b,90の流量比を互いに調節でき、ひいては混合後のpHを調節することができる。これによって、主発酵槽11のpHを一層確実に所望になるように制御できる。しかも、液95b,90の合計流量を一定に維持することで、主発酵槽11への液供給流量を一定に保持することができる。この結果、液流路9(3b〜3f)を流れる液流量を一定に保つことができる。

0047

[第4実施形態]
図4に示すように、送液手段51の上流端は、抽出手段20から分離手段40までの液流路9(9c〜9f)の一箇所だけでなく、複数箇所に接続されていてもよい。抽出工程から分解工程までにおける複数時点の液92〜95の一部を主発酵槽11に戻してもよい。

0048

図4に示す第4実施形態の発酵装置1Dにおいては、送液手段51が、2つ(複数)の送液路52d,52fを含む。送液路52dは、分離済液路9dから分岐されている。すなわち、送液路52dの上流端が、固液分離手段30と分解手段40との間(ないしは分解手段40の入口部)に接続されている。送液路52fは、第1実施形態の送液路52と同じく、メタン発酵済液路9fから分岐されることで、メタン発酵槽43の出口部(分解手段40の中途部)に接続されている。

0049

各送液路52d,52fに送液ポンプ53が設けられている。コントローラ59の制御信号線が、各送液ポンプ53に接続されている。コントローラ59によって、2つ(複数)の送液ポンプ53が出力制御される。

0050

送液路52d,52fは、送液ポンプ53よりも下流側において互いに合流して、共通路52cとなっている。共通路52cが、原液供給路9aに接続され、ひいては主発酵槽11に接続されている。

0051

発酵装置1Dによれば、固液分離後(抽出工程後かつ分解工程前)の液93の一部(還流液93b)を送液路52dへ分流させるとともに、メタン発酵処理後の液95の一部(還流液95b)を送液路52fへ分流させることができる。還流液95bのpHは、還流液93bのpHよりも高い。更に、コントローラ59が、pH測定器55による主発酵槽11のpH測定値に基づいて、各送液路52d,52fの送液ポンプ53の出力を調節する。これによって、還流液93b,95bの流量をそれぞれ調節でき、更にはこれら還流液93b,95bの流量比を互いに調節でき、ひいては混合後のpHを調節することができる。還流液93b,95bは、共通路52cにおいて互いに合流し、更に原液供給路9aにおいて培養原液90と合流して、主発酵槽11に導入される。これによって、主発酵槽11のpHを所望の値になるように制御できる。

0052

[第5実施形態]
図5は、本発明の第5実施形態を示したものである。
発酵装置1Eにおいては、送液手段51が、2つ(複数)の送液路52e,52fを含む。送液路52eは、酸発酵済液路9eから分岐されている。送液路52eの上流端が、酸発酵槽42とメタン発酵槽43との間(ないしは酸発酵槽42の出口部)に接続されている。送液路52fは、第1実施形態の送液路52と同じく、メタン発酵済液路9fから分岐されることで、メタン発酵槽43の出口部に接続されている。

0053

各送液路52e,52fに送液ポンプ53が設けられている。コントローラ59の制御信号線が、各送液ポンプ53に接続されている。コントローラ59によって、2つ(複数)の送液ポンプ53が出力制御される。

0054

送液路52e,52fは、送液ポンプ53よりも下流側において互いに合流して、共通路52cとなっている。共通路52cが、原液供給路9aに接続され、ひいては主発酵槽11に接続されている。

0055

発酵装置1Eの分解手段40には、還流路45が設けられている。還流路45の上流端は、メタン発酵済液路9fに接続され、ひいてはメタン発酵槽43の出口部に接続されている。還流路45の下流端は、分離済液路9dに接続され、ひいては酸発酵槽42の入口部(分解手段40の入口部)に接続されている。

0056

発酵装置1Eによれば、酸発酵処理後の液94の一部(還流液94b)を送液路52eへ分流させるとともに、メタン発酵処理後の液95の一部(還流液95b)を送液路52fへ分流させることができる。還流液95bのpHは、還流液94bのpHよりも高い。更に、コントローラ59が、pH測定器55による主発酵槽11のpH測定値に基づいて、各送液路52e,52fの送液ポンプ53の出力を調節する。これによって、還流液94b,95bの流量をそれぞれ調節でき、更にはこれら還流液94b,95bの流量比を互いに調節でき、ひいては混合後のpHを調節することができる。還流液94b,95bは、共通路52cにおいて互いに合流し、更に原液供給路9aにおいて培養原液90と合流して、主発酵槽11に導入される。これによって、主発酵槽11のpHを所望の値になるように制御できる。

0057

さらに、発酵装置1Eによれば、メタン発酵処理後の液95の他の一部(他の還流液95d)を還流路45へ分流させる。この還流液95dを、還流路45を経て、分離済液路9dの液93と合流させて、酸発酵槽42へ戻す。還流液95dのpHは、酸発酵対象液93のpHよりも高い。したがって、酸発酵槽42のpHが必要以上に低くなるのを抑えることができる。これによって、酸発酵槽42に中和剤を別途投入しなくても、良好な酸発酵を維持することができる。別途の中和剤が不要であるから、それが蓄積されることもない。

0058

本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、第1実施形態(図1)において、送液路52の上流端は、液流路9における抽出手段20から分解手段40の出口部までの部分に接続されていればよく、メタン発酵済液路9fに限られず、抽出残液路9c(抽出手段20の出口部)、分離済液路9d(分離手段40の入口部)、酸発酵済液路9e(分離手段40の中途部)、又は廃液路9g(分離手段40の出口部)に接続されていてもよい。送液手段51が、メタン発酵工程後の液95の一部に代えて、抽出工程後かつ分離工程前の液92若しくは93の一部、分離工程の途中ないしは酸発酵工程後かつメタン発酵工程前の液94の一部、又は分離工程後の液96の一部を主発酵槽11へ送るようになっていてもよい。第2、第3実施形態等でも同様である。

0059

第2実施形態(図2)において、主発酵槽11,11の数(n)は、3つ以上(n≧3)であってもよい。必ずしも全て(n個)の主発酵槽11についてpH調節手段50によってpH調節する必要はなく、一部(m個、1≦m<n)の主発酵槽11についてだけpH調節手段50によってpH調節することにしてもよい。
第2実施形態(図2)において、コントローラ59が、pH測定器55及び送液ポンプ53ごとに設けられていてもよい。
第2実施形態において、複数の主発酵槽11,11が互いに直列に接続されていてもよい。

0060

第4実施形態(図4)において、送液路52dの上流端が、液路9dに代えて、液路9c,9e,9fに接続されていてもよく、送液路52fの上流端が、液路9fに代えて、液路9d,9e,9gに接続されていてもよい。
第5実施形態(図5)において、送液路52eの上流端が、液路9eに代えて、液路9c,9d,9fに接続されていてもよく、送液路52fの上流端が、液路9fに代えて、液路9d,9e,9gに接続されていてもよい。
第4、第5実施形態(図4図5)において、抽出手段20から分解手段40の出口部までの間の3以上の箇所の液92〜96の一部を主発酵槽11へ送ってもよい。つまり、抽出工程から分解工程後までにおける3つ以上の時点の液92〜96の一部を主発酵槽11へ送ってもよい。
抽出手段20が、複数段の蒸留塔を含む場合、ある段の蒸留塔から次の段の蒸留塔へ向かう液の一部を主発酵槽11へ送ってもよい。

0061

複数の実施形態の独自構成を組み合わせてもよい。例えば、第2実施形態(図2)及び第5実施形態(図5)においても、第3実施形態(図3)と同様に、送液ポンプ53に加えて、原液供給ポンプ2Pの出力をも制御してもよい。第1〜第3実施形態(図1図3)においても、分解手段40に第5実施形態(図5)と同様の還流路45を設けてもよい。

0062

主発酵槽11がアルカリ性である場合は、中和剤添加手段60の中和剤として、酢酸、乳酸等の酸性中和剤を用いてもよい。
有価有機物としては、エタノールの他、ブタノール、酢酸ないしはアセテート、その他の有機化合物であってもよい。

0063

本発明は、例えば産業廃棄物焼却処理で生じる一酸化炭素からエタノールを合成するエタノール生成システムに適用できる。

0064

1発酵装置
1B,1C,1D,1E 発酵装置
2原液供給手段
2P原液供給ポンプ
9液流路
9a〜9g液路
10 生成手段
11主発酵槽
20 抽出手段
30固液分離手段
34固形物排出路
40 分解手段
41嫌気処理部
42酸発酵槽
43メタン発酵槽
44好気処理部
45還流路
50pH調節手段
51 送液手段
52 送液路
53 送液ポンプ
55pH測定器(測定手段)
59コントローラ(制御手段)
60中和剤添加手段
52d,52e,52f 送液路
90培養原液
91培養液
92 抽出後残液(抽出工程後かつ分離工程前の液)
93b還流液(抽出工程後かつ分離工程前の液の一部)
94b 還流液(分離工程の途中(酸発酵工程後かつメタン発酵工程前)の液の一部)
95d 他の還流液(メタン発酵工程後の液の他の一部)
92a 好気処理部(好気処理工程)に入る液
95b 還流液(分離工程の途中(メタン発酵工程後)の液の一部)
96廃液(分離工程の出口部の液)

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