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技術 テストケース作成装置

出願人 東日本旅客鉄道株式会社
発明者 寺本学新堀洋平岡田明正福田和人安倍孝典岡本渉安本高典河原敏宏
出願日 2016年1月6日 (3年9ヶ月経過) 出願番号 2016-000778
公開日 2017年7月13日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2017-122996
状態 未査定
技術分野 デバッグ/監視
主要キーワード 検知子 状態遷移パターン 差異量 イベント系列 作成数 状態イベント 保守部門 優先度設定処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月13日)のものです。
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図面 (20)

課題

徹底したシステム検証または徹底したシステム要求分析を行うのに適したテストケースを提供することのできるテストケース作成装置を提供する。

解決手段

このテストケース作成装置(1)は、システムに発生し得る複数のイベント発生パターンを生成するパターン生成部(11)と、生成された複数のイベント発生パターンの各々の希少度を計算する希少度計算部(12A)と、計算された希少度に基づいて、希少度の低いイベント発生パターンよりも希少度の高いイベント発生パターンに高い優先度が多く割り当てられるように、複数のイベント発生パターンに優先度を割り当てる優先度割当部(13A)と、割り当てられた優先度に応じて複数のイベント発生パターンの中からテストケース作成用のイベント発生パターンを選択し、選択されたイベント発生パターンに基づいてテストケースを作成するテストケース作成処理部(14)とを備えている。

概要

背景

以前より、システム検証を行うために、テストケースと呼ばれる動作試験パターンをシステムに適用して、システムの振る舞いを検証することが行われている。システム検証では、システムを構成するソフトウェアハードウェア、或いはこれらの両方が試験の対象となる。テストケースはテストシナリオと呼ばれることもある。
特許文献1には、システム検証を効率的に行うため、動作の重要性に応じて重みづけされたテストケースを作成するテストケース作成装置が提案されている。また、特許文献2には、テスト目的に即した試験したい部分について重点的に試験することが可能なテストシナリオを作成するテストシナリオ作成装置が提案されている。

また、特許文献3には、ソフトウェアの不具合を検証するために、過去に起きた障害状態遷移を参照して、設計者が検討していない状態遷移を指摘する状態遷移検証装置が提案されている。また、特許文献4には、あるシーケンスで障害が検出されたときに、このシーケンスと同一または類似するシーケンスを含むシナリオを作成してこの障害の関連動作の検証を行う検証支援装置が提案されている。

概要

徹底したシステム検証または徹底したシステムの要求分析を行うのに適したテストケースを提供することのできるテストケース作成装置を提供する。このテストケース作成装置(1)は、システムに発生し得る複数のイベント発生パターンを生成するパターン生成部(11)と、生成された複数のイベント発生パターンの各々の希少度を計算する希少度計算部(12A)と、計算された希少度に基づいて、希少度の低いイベント発生パターンよりも希少度の高いイベント発生パターンに高い優先度が多く割り当てられるように、複数のイベント発生パターンに優先度を割り当てる優先度割当部(13A)と、割り当てられた優先度に応じて複数のイベント発生パターンの中からテストケース作成用のイベント発生パターンを選択し、選択されたイベント発生パターンに基づいてテストケースを作成するテストケース作成処理部(14)とを備えている。

目的

本発明は、徹底したシステム検証または徹底したシステムの要求分析を行うのに適したテストケースを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

ステムに発生し得る複数のイベント発生パターンを生成するパターン生成部と、生成された前記複数のイベント発生パターンの各々の希少度を所定の式を用いて計算する希少度計算部と、計算された前記希少度に基づいて、希少度の低いイベント発生パターンよりも希少度の高いイベント発生パターンに高い優先度が多く割り当てられるように、前記複数のイベント発生パターンに優先度を割り当てる優先度割当部と、割り当てられた前記優先度に応じて前記複数のイベント発生パターンの中からテストケース作成用のイベント発生パターンを選択し、選択されたイベント発生パターンに基づいてテストケースを作成するテストケース作成処理部と、を備えたことを特徴とするテストケース作成装置

請求項2

前記イベント発生パターンには、互いに独立して発生し得る第1イベント系列および第2イベント系列が少なくとも一部の期間で重なった重畳部分が含まれ、前記希少度計算部は、前記第1イベント系列における前記重畳部分の標準経過時間と、前記第2イベント系列における前記重畳部分の標準経過時間との差に基づいて、前記希少度を計算することを特徴とする請求項1記載のテストケース作成装置。

請求項3

前記イベント発生パターンには、所定のイベント系列の一部のイベント欠落したパターンが含まれ、前記希少度計算部は、前記一部のイベントが欠落する発生確率に基づいて前記希少度を計算することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のテストケース作成装置。

請求項4

複数のイベント系列の発生頻度が表わされた統計データを記憶する統計データ記憶部を更に備え、前記希少度計算部は、前記統計データに基づいて前記イベント発生パターンの発生確率を計算し、前記発生確率に基づいて前記希少度を計算することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のテストケース作成装置。

請求項5

前記パターン生成部は、前記システムを構成する要素および前記システムに作用する要素のうち何れか複数の要素の各状態遷移パターン複合して前記複数のイベント発生パターンを生成し、前記希少度計算部は、前記複数のイベント発生パターンの各々を、前記複数の要素のうち1つの要素の状態の遷移を示す遷移イベントと、前記遷移イベントが生じたときの他の要素の状態とを組み合わせを表わす複数の状態イベントセットに分解するパターン分解部と、前記複数の状態イベントセットの各々の発生割合を計算する発生割合計算部と、を有し、前記イベント発生パターンに含まれる前記状態イベントセットの前記発生割合を総計して前記イベント発生パターンの前記希少度を計算することを特徴とする請求項1記載のテストケース作成装置。

請求項6

前記優先度割当部は、計算された前記希少度と、より上位の優先度が割り当てられているイベント発生パターンとのパターン重複度とに基づき、希少度が高く且つ前記パターン重複度が低いイベント発生パターンに高い優先度が多く割り当てられるように、前記複数のイベント発生パターンの各々に優先度を割り当てることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のテストケース作成装置。

技術分野

0001

本発明は、テストケースを作成するテストケース作成装置に関する。

背景技術

0002

以前より、システム検証を行うために、テストケースと呼ばれる動作試験パターンをシステムに適用して、システムの振る舞いを検証することが行われている。システム検証では、システムを構成するソフトウェアハードウェア、或いはこれらの両方が試験の対象となる。テストケースはテストシナリオと呼ばれることもある。
特許文献1には、システム検証を効率的に行うため、動作の重要性に応じて重みづけされたテストケースを作成するテストケース作成装置が提案されている。また、特許文献2には、テスト目的に即した試験したい部分について重点的に試験することが可能なテストシナリオを作成するテストシナリオ作成装置が提案されている。

0003

また、特許文献3には、ソフトウェアの不具合を検証するために、過去に起きた障害状態遷移を参照して、設計者が検討していない状態遷移を指摘する状態遷移検証装置が提案されている。また、特許文献4には、あるシーケンスで障害が検出されたときに、このシーケンスと同一または類似するシーケンスを含むシナリオを作成してこの障害の関連動作の検証を行う検証支援装置が提案されている。

先行技術

0004

特開2000−163116号公報
特開2006−112853号公報
特許第5153470号公報
特許第4893811号公報

発明が解決しようとする課題

0005

例えば鉄道保安システムの分野では、非常に稀な状況が重なった場合でも異常が生じないように徹底した検証が求められることがある。また、このような分野のシステム開発の際には、非常に稀な状況が重なった場合でも正常に機能するよう、システムに要求される仕様漏れなく分析することが求められることがある。
しかしながら、従来のテストケースの作成方法では、徹底したシステム検証或いは徹底したシステムの要求分析に適したテストケースを得ることは難しかった。例えば、一般的なテストケースの作成方法では、テストケースの網羅性に主眼が置かれている。様々な状況を網羅したテストケースには、一般的な状況を想定したテストケースが多く含まれるため、非常に稀な状況が重なった場合の検証を効率良く行うことは出来ない。

0006

また、特許文献1、2のテストケースの作成方法では、重点的に検証したい状況を予め設定しておく必要がある。よって、容易に想定できない状況をテストケースとして作成することは難しい。また、特許文献3、4のテストケースの作成方法では、過去の障害情報に沿ってテスト状況が設定される。よって、作成されるテストケースは従前の障害状況に似通ったものになってしまう。
本発明は、徹底したシステム検証または徹底したシステムの要求分析を行うのに適したテストケースを提供することのできるテストケース作成装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するため、本発明のテストケース作成装置は、システムに発生し得る複数のイベント発生パターンを生成するパターン生成部と、
生成された前記複数のイベント発生パターンの各々の希少度を所定の式を用いて計算する希少度計算部と、
計算された前記希少度に基づいて、希少度の低いイベント発生パターンよりも希少度の高いイベント発生パターンに高い優先度が多く割り当てられるように、前記複数のイベント発生パターンに優先度を割り当てる優先度割当部と、
割り当てられた前記優先度に応じて前記複数のイベント発生パターンの中からテストケース作成用のイベント発生パターンを選択し、選択されたイベント発生パターンに基づいてテストケースを作成するテストケース作成処理部と、
を備えたことを特徴としている。
この構成によれば、希少度の高いイベント発生パターンに基づくテストケースを優先して作成することができる。よって、稀な状況におけるシステム検証を効率的に行うことができる。

0008

ここで、前記イベント発生パターンには、互いに独立して発生し得る第1イベント系列および第2イベント系列が少なくとも一部の期間で重なった重畳部分が含まれ、
前記希少度計算部は、前記第1イベント系列における前記重畳部分の標準経過時間と、前記第2イベント系列における前記重畳部分の標準経過時間との差に基づいて、前記希少度を計算するように構成しても良い。
この構成によれば、時間的な観点から稀な状況となるイベント発生パターンのテストケースを優先して作成することができる。

0009

また、前記イベント発生パターンには、所定のイベント系列の一部のイベント欠落したパターンが含まれ、
前記希少度計算部は、前記一部のイベントが欠落する発生確率に基づいて前記希少度を計算するように構成しても良い。
この構成によれば、イベントの欠落という観点から稀な状況となるイベント発生パターンのテストケースを優先して作成できる。

0010

また、複数のイベント系列の発生頻度が表わされた統計データを記憶する統計データ記憶部を更に備え、
前記希少度計算部は、前記統計データに基づいて前記イベント発生パターンの発生確率を計算し、前記発生確率に基づいて前記希少度を計算するように構成しても良い。
この構成によれば、統計データに従って稀な状況と判断できるイベント発生パターンのテストケースを優先して作成できる。

0011

さらに、前記パターン生成部は、前記システムを構成する要素および前記システムに作用する要素のうち何れか複数の要素の各状態遷移パターン複合して前記複数のイベント発生パターンを生成し、
前記希少度計算部は、
前記複数のイベント発生パターンの各々を、前記複数の要素のうち1つの要素の状態の遷移を示す遷移イベントと、前記遷移イベントが生じたときの他の要素の状態とを組み合わせを表わす複数の状態イベントセットに分解するパターン分解部と、
前記複数の状態イベントセットの各々の発生割合を計算する発生割合計算部と、
を有し、前記イベント発生パターンに含まれる前記状態イベントセットの前記発生割合を総計して前記イベント発生パターンの前記希少度を計算するように構成しても良い。
この構成によれば、システムを構成する複数の要素の各状態遷移の関わり合いが稀な状況となるイベント発生パターンのテストケースを優先して作成できる。

0012

また、前記優先度割当部は、計算された前記希少度と、より上位の優先度が割り当てられているイベント発生パターンとのパターン重複度とに基づき、希少度が高く且つ前記パターン重複度が低いイベント発生パターンに高い優先度が多く割り当てられるように、前記複数のイベント発生パターンの各々に優先度を割り当てるように構成しもてよい。
この構成によれば、稀な状況を示すものであっても同じようなイベント発生パターンのテストケースが多く作成されてしまうことを回避できる。よって、稀な状況におけるシステムの検証を効率的に行うことができる。

発明の効果

0013

本発明によれば、徹底したシステム検証または徹底したシステムの要求分析を行うのに適したテストケースを提供することのできるテストケース作成装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の実施の形態に係るテストケース作成装置を含んだシステムの構成例を示すシステム構成図である。
本発明の実施の形態に係るテストケース作成装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
第1テストケース作成部により実行されるテストケース作成処理の手順を示すフローチャートである。
図3のステップS1のイベント発生パターンの生成処理を説明する図である。
図3のステップS2の希少度の計算処理の第1例を説明する図である。
第1テストケース作成部の機能構成の第2例を示す機能ブロック図である。
希少度の計算処理の第2例を説明する図である。
第1テストケース作成部の機能構成の第3例を示す機能ブロック図である。
希少度の計算処理の第3例を説明する図である。
第1テストケース作成部の機能構成の第4例を示す機能ブロック図である。
第4例のテストケース作成処理の手順を示すフローチャートである。
図11のステップS11のイベント発生パターン生成処理を説明する図である。
図11のステップS12の「状態×イベント」セットに分解する処理を説明する図である。
図11のステップS13、S14の情報量djと希少度Diとの計算処理を説明する図である。
図11のステップS18の除外処理を説明する図である。
図11のステップS17で割当完了と判別された結果を説明する図である。
第2テストケース作成部により実行されるテストケース作成処理の手順を示すフローチャートである。
差異量計算処理および優先度設定処理の第1例を説明する図である。
差異量計算処理および優先度設定処理の第2例を説明する図である。
差異量計算処理および優先度設定処理の第3例を説明する図である。

実施例

0015

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るテストケース作成装置を含んだシステムの構成例を示すシステム構成図である。図2は、本発明の実施の形態に係るテストケース作成装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
本発明の実施の形態に係るテストケース作成装置1は、例えば通信ネットワークWを介して複数のクラインアントコンピュータ100と接続されるサーバコンピュータから構成される。複数のクライアントコンピュータ100は、通信ネットワークWを介してテストケース作成装置1に接続して、テストケースの作成指示および作成条件の指定を行うことができる。また、複数のクライアントコンピュータ100は、テストケース作成装置1が作成したテストケースを、通信ネットワークWを介してテストケースデータベース30から読み出すことができる。

0016

テストケース作成装置1は、複数の利用者協働してテストケースの作成処理を進められるように構成される。また、テストケース作成装置1は、作成したテストケースを複数の利用者の間で共有できるように構成される。協働および共有に係る複数の利用者としては、例えば、システム開発を行うユーザ開発部門、システムの保守を行うユーザ保守部門、システムの仕様の管理を行うユーザ仕様管理部門、および、ユーザ開発部門の依頼でシステムを具現化するメーカ等を適用することができる。これらの者が協働してテストケースを作成し、作成されたテストケースを共有することで、システムの要求分析、設計、製造、および仕様更新の段階など、様々な段階でシステムの検証を行って、各段階の作業に役立てることができる。

0017

図2に示すように、テストケース作成装置1は、テストケース作成部10、入力部21、出力部22、アクセス管理部23、およびテストケースデータベース30を備えている。これらの各機能ブロックは、CPU(中央演算処理装置)、メモリ記憶装置通信デバイスなどのハードウェアと、CPUが実行するソフトウェアとの協働によって構成される。
入力部21および出力部22は、通信ネットワークWを介してクライアントコンピュータ100との間でデータを入出力する。
アクセス管理部23は、認証情報に基づいて各クライアントコンピュータ100のアクセス管理を行う。テストケースの作成処理はプロジェクト毎に管理され、アクセス管理部23にはプロジェクト毎に協働および共有に係る複数の利用者の認証情報が設定される。アクセス管理部23は、この認証情報に基づいて利用者のアクセス権限を判断し、アクセス種別ごとに利用者がプロジェクトのデータにアクセスすることを許可又は禁止する。さらに、アクセス管理部23は、複数の利用者の同時アクセスによるデータの破壊又は不整合を防止する。

0018

テストケース作成部10は、テストケースの作成条件と作成指示とを外部から受けて、これらに基づいてテストケースを作成する。テストケースの作成条件には、例えばイベント発生パターンを生成するための前提条件、優先度の割当数又はテストケースの作成数などが含まれる。テストケース作成部10は、イベント発生パターンの希少度に基づいてテストケースを作成する第1テストケース作成部10Aと、イベント発生パターンの差異量に基づいてテストケースを作成する第2テストケース作成部10Bとを有する。
第1テストケース作成部10Aは、外部から与えられた前提条件に従って複数のイベント発生パターンを生成するイベント発生パターン生成部11と、各イベント発生パターンの希少度を計算する希少度計算部12Aと、計算された希少度に応じてイベント発生パターンに優先度を割り当てる優先度割当部13Aと、優先度に応じて選択されたイベント発生パターンからテストケースを作成するテストケース作成処理部14とを有する。
第2テストケース作成部10Bは、外部から与えられた前提条件に従って複数のイベント発生パターンを生成するイベント発生パターン生成部11と、各イベント発生の差異量を計算する差異量計算部12Bと、計算された差異量に応じてイベント発生パターンに優先度を割り当てる優先度割当部13Bと、優先度に応じて選択されたイベント発生パターンからテストケースを作成するテストケース作成処理部14とを有する。
ここで、イベント発生パターンとは、システムの構成要素或いはシステムに作用する要素に発生する複数のイベントが、時系列に並べられたパターンを意味する。イベント発生パターンには、2つ以上のイベントが同時に発生するパターンが含まれていてもよい。また、テストケースとはシステム検証の際にシステムを試験動作する手順を示すものである。
テストケースデータベース30は、テストケース作成部10により作成されたテストケース、および、テストケースの作成条件等が格納される。

0019

<希少度に基づくテストケース作成処理−第1例−>
続いて、踏切保安システム検証対象とした場合を例にとってテストケース作成処理の詳細を説明する。
図3は、第1テストケース作成部により実行されるテストケース作成処理の手順を示すフローチャートである。図4は、図3のステップS1のイベント発生パターンの生成処理を説明する図である。図4(a)は検証対象のシステム構成の一例を示し、図4(b)〜(d)は生成されたイベント発生パターンの例を示す。

0020

第1テストケース作成部10Aは、図3のフローチャートに示すように、イベント発生パターン生成部11、希少度計算部12A、優先度割当部13A、およびテストケース作成処理部14が、それぞれステップS1〜S4の処理を順次実行してテストケースを作成する。
ステップS1のイベント発生パターン生成処理では、先ず、利用者が、イベント発生パターンの前提条件をイベント発生パターン生成部11に与える。前提条件としては、システムの構成要素、システムに作用する要素、各要素に発生し得る個々のイベント、個々のイベントの発生順序又は同時発生の有無などイベント発生パターン上の制約条件などが含まれる。

0021

例えば、図4(a)のような踏切保安システムが検証対象であれば、システムの構成要素として、2つの警報開始点通過列車用のA点、停車列車用のE点)、および警報終了点B点)の検知子h1〜h3が与えられる。また、システムに作用する要素として、2つの列車k1,k2(「列車1」、「列車2」と記す)が与えられる。また、個々のイベントとしては、2つの列車の各々がA点、E点、B点へ進入するイベントと、A点、E点、B点から進出するイベント等が与えられる。さらに、制約条件として、イベントの発生順序の制約(「列車1」と「列車2」の各々は、A進入、A進出、E進入、E進出、B進入、B進出と並ぶなど)と、イベントの同時発生の可能性の有無などが設定される。これらの前提条件は、利用者が任意に指定することができる。

0022

なお、イベント発生パターン生成部11は、個々のイベントと、発生パターン上の制約条件とが既知であれば処理を実行できる。よって、イベント発生パターン生成部11に与える前提条件からは、システムの構成要素、および、システムに作用する要素を省いてもよい。
イベント発生パターン生成部11は、図4(b)〜図4(d)に示すように、与えられた前提条件を満たす範囲で、個々のイベントの順番を変えていくことで、前提条件を満たす全てのイベント発生パターンを生成する。

0023

図5は、図3のステップS2の希少度の計算処理の第1例を説明する図である。図5(a)はイベント間標準時間の一例を、図5(b)と図5(c)とは2つのイベント発生パターンにおける希少度の計算例の図を示している。
希少度の計算処理(図3のステップS2)では、希少度計算部12Aが、イベント発生パターン生成部11が作成した複数のイベント発生パターンの各々の希少度を算出する。第1例の希少度の計算処理では、希少度計算部12Aは、複数のイベント系列が少なくとも一部の期間で重なっている重畳部分を検出し、1つのイベント系列の重畳部分の標準時間と、他のイベント系列の重畳部分の標準時間との差に基づいて、希少度が計算される。
ここで、イベント系列とは複数のイベントが所定の順番で並んだ列を意味し、図5(a)の例では、「列車1」がA点、E点、B点を順に通過する際のイベントの列と「列車2」がA点、E点、B点を順に通過する際のイベントの列との2つのイベント系列が該当する。
第1例の希少度の計算処理を行う場合には、図5(a)に示すように、イベント間の標準時間が、予め利用者から希少度計算部12Aに与えられる。

0024

希少度の計算対象が、図5(b)のイベント発生パターンである場合、希少度計算部12Aは、「列車1」のB進入−B進出の部分と、「列車2」のA進入−E進出の部分とが重畳部分であると検出する。
この重畳部分では、「列車1」の連続する2つのイベント間に挟まれて、「列車2」の連続する複数のイベントが生起している。ここでは、標準時間”5秒”で生起する2つのイベント間に、標準時間”20秒”で生起する複数のイベントが挟まれていており、この時間差によって標準から外れ希少な状況であることを認識できる。
このような場合、希少度計算部12Aは、挟まれた複数のイベントが生起する標準時間”20秒”よりも、挟んでいる2つのイベントが生起する標準時間”5秒”が短いか判別し、短い場合に、前者と後者との差”15秒”を希少度として計算する。なお、挟まれた複数のイベントが生起する標準時間よりも、挟んでいる2つのイベントが生起する標準時間が長い場合には、希少な状況でないので希少度はゼロとすればよい。

0025

希少度の計算対象が、図5(c)のイベント発生パターンである場合、希少度計算部12Aは、「列車2」のA進入−A進出の部分と、「列車1」のE進入−B進出の部分とが重畳部分であると検出する。
この重畳部分では、「列車2」の連続する2つのイベント間に挟まれて、「列車1」の連続する複数のイベントが生起している。この場合、標準時間”5秒”で生起する2つのイベント間に、標準時間”40秒”で生起する複数のイベントが挟まれていており、この時間差によって標準から外れた希少な状況であることを認識できる。

0026

このような場合、希少度計算部12Aは、挟まれた複数のイベントが生起する標準時間”40秒”よりも、挟んでいる2つのイベントが生起する標準時間”5秒”が短いか判別し、短い場合に、前者と後者との差”35秒”を希少度として計算する。
1つのイベント発生パターンに上記のような重畳部分が複数箇所ある場合、希少度計算部12Aは、複数の重畳部分について同様に希少度を計算し、これらの総和を、イベント発生パターンの全体の希少度として計算してもよいし、重み付けを付加した総和を行って、全体の希少度を計算してもよい。或いは、複数の重畳部分の希少度の中から最大値を採って、イベント発生パターンの全体の希少度としてもよい。

0027

優先度割当処理図3のステップS3)では、優先度割当部13Aが、計算された希少度に基づいて、各イベント発生パターンに優先度を割り当てていく。優先度割当部13Aは、希少度の値が大きい順に各イベント発生パターンに上位の優先度から割り当てていけばよい。なお、上位の優先度から順に割り当てていく過程において、優先度の割り当てられていないイベント発生パターンと、既に優先度が割り当てられているイベント発生パターンとの重複度を判定し、重複している割合が大きなものは低い優先度を割り当てるか、優先度を割り当てないような補正処理を行ってもよい。また、重複度を判定する場合に、希少な状況を表わす部分に絞って重複度の判定を行うようにしてもよい。このような補正処理により、希少な状況であっても同じ状況のテストケースが重複して作成されてしまうのを回避することができる。これにより、互いに重複しない多くの希少な状況を効率的に検証するのに適したテストケースを作成することが可能となる。

0028

テストケース作成処理(図3のステップS4)では、テストケース作成処理部14が、優先度の高い順にイベント発生パターンをテストケース作成用として選択し、選択されたイベント発生パターンで各要素が動作する試験動作の手順をテストケースとして作成する。テストケース作成処理部14は、優先度が割り当てられたイベント発生パターンの全部についてテストケースを作成する必要はなく、優先度の高い方から所定数或いは利用者による設定数のテストケースを作成するようにしてもよい。

0029

<希少度に基づくテストケース作成処理−第2例−>
図6は、第1テストケース作成部の機能構成の第2例を示す機能ブロック図である。図7は、希少度の計算処理の第2例を説明する図である。図7(a)はシステム構成のデバイス故障率を示しており、図7(b)は、一部のイベントが欠落したイベント発生パターンの希少度の計算方法の説明図を示している。
希少度に基づく第2例のテストケース作成処理においては、先ず、第1例と同様のイベント発生パターン生成処理(図3のステップS1)が実行される。ただし、第2例では、生成されるイベント発生パターンとして、イベントの一部が欠落したイベント発生パターンが含まれても良いように、前提条件が設定される。例えば、前提条件として、欠落が生じえるイベント個数、或いは、欠落が生じえるイベント内容などが利用者から与えられる。

0030

また、希少度に基づく第2例のテストケース作成処理においては、図7(a)に示すように、デバイスの故障率など、予め利用者が個々のイベントが欠落する確率が定義される。欠落の確率の定義は、例えば、個々イベントが欠落する確率と、複数のイベントがセットで欠落する確率とが、別々に定義されていてもよい。図6に示すように、第2例において、第1テストケース作成部10Aには、希少度計算部12Aが参照できる欠落確率データベース15が設けられ、ここに利用者が定義した欠落確率の情報が格納される。
第2例の希少度の計算処理(図3のステップS2)では、希少度計算部12Aは、イベントの一部が欠落するイベント発生パターンがあった場合に、定義された欠落の確率からイベント発生パターンの希少度を計算する。

0031

例えば、図7(b)に示すように、或るイベント発生パターンに、欠落確率”1%”のイベントと、欠落確率”2%”のイベントが欠落している場合、希少度計算部12Aは、先ず、総合した欠落確率を計算する。また、希少度、すなわち或る事象Eがどれほど生起しにくいかの尺度は、事象Eの発生確率がP(E)であれば、−logP(E)と表わすことができる。よって、希少度計算部12Aは、図7(b)のイベント発生パターンの希少度を、総合した欠落確率”1%×2%”から−log2(0.01×0.02)≒12.3と計算する。希少度計算部12Aは、このようにして各イベント発生パターンの希少度を計算していく。
なお、第2例の希少度の計算処理は、例えば、第1例の希少度の計算処理など、他の希少度の計算処理と併用してもよい。併用する場合、計算処理ごとに得られた希少度を重み付けして総和をとることで全体の希少度を計算すればよい。

0032

第2例の優先度割当処理(図3のステップS3)とテストケース作成処理(図3のステップS4)とは、第1例の場合と同様である。
第2例の希少度に基づくテストケース作成処理によれば、機器故障等によりイベントの欠落が生じる場合を含んだ稀な状況なテストケースを作成することができる。

0033

<希少度に基づくテストケース作成処理−第3例−>
図8は、第1テストケース作成部の機能構成の第3例を示す機能ブロック図である。図9は、希少度の計算処理の第3例を説明する図である。図9(a)はパターンAの希少度の計算方法を説明する図、図9(b)はパターンBの希少度の計算方法を説明する図を示している。

0034

希少度に基づく第3例のテストケース作成処理においても、第1例と同様にイベント発生パターン生成処理(図3のステップS1)が実行される。
第3例においては、第1テストケース作成部10Aに、図8に示すように、希少度計算部12Aが参照できる統計データベース16が設けられ、ここにイベント発生パターンの発生頻度を参照できる統計データが格納される。統計データは、過去の実績データが膨大にある場合には、過去の実績データから作成してもよいし、過去の実績データが少ない場合には、過去の実績を模擬するシミュレーションにより膨大な回数でイベントを発生させることで作成してもよい。統計データベースには、例えば膨大な回数のイベント発生パターンが含まれる母集団が格納されていればよい。希少度の計算対象のイベント発生パターンが、母集団の中にどの頻度で含まれているかを参照することで、イベント発生パターンの発生頻度を得ることができる。

0035

第3例の希少度の計算処理(図3のステップS2)では、希少度計算部12Aが、このような統計データを利用して、イベント発生パターンの発生頻度から希少度を計算する。例えば図9(a)、(b)のパターンA、Bのイベント発生パターンが計算対象である場合、希少度計算部12Aは、先ず、統計データベース16の中から、パターンA、Bの発生頻度を得る。例えば、統計データの母数が10,000回であり、パターンAが200回現れ、パターンBが5回現れているとする。この場合、パターンAの発生確率は200/10,000=2%、パターンBの発生確率は5/10,000=0.05%と得られる。希少度、すなわち或る事象Eがどれほど生起しにくいかの尺度は、事象Eの発生確率がP(E)であれば、−logP(E)と表わすことができる。希少度計算部12Aは、上述のように得られた発生確率から、パターンAの希少度を−log2(0.02)≒5.6、パターンBの希少度を−log2(0.0005)≒11.0と計算する。希少度計算部12Aは、このようにして各イベント発生パターンの希少度を計算していく。

0036

なお、統計データは、イベント発生パターンの全体が現れるような統計データとせずに、イベント発生パターンを構成する部分的なパターンがどのような確率で発生するのかが示される統計データとしてもよい。そして、部分的なパターンから1つのイベント発生パターンの発生確率を計算し、これから上述のように希少度が計算されてもよい。また、イベント発生パターンの母集団は、実績データまたはシミュレーションデータとせずに、ガウス分布データなど特定の分布データから利用者が作成して与えてもよい。
また、第3例の希少度の計算処理は、例えば、第1例および第2例の希少度の計算処理など、他の希少度の計算処理と併用してもよい。併用する場合、イベント発生パターンを統計データに含まれる部分と、含まれない部分とに分け、含まれる部分を第3例の計算処理を用いて希少度を計算し、含まれない部分を第1例および第2例の何れか又は両方の計算処理を用いて希少度を計算し、各計算処理ごとに得られた希少度を重み付けして総和をとることで全体の希少度とすればよい。

0037

第3例の優先度割当処理(図3のステップS3)とテストケース作成処理(図3のステップS4)とは、第1例の場合と同様である。
第3例の希少度計算処理によれば、実績に即した統計データから希少度を計算することで、実績に即して稀と判断できる状況を優先したテストケースを作成することができる。

0038

<希少度に基づくテストケース作成処理−第4例−>
図10は、第1テストケース作成部の機能構成の第4例を示す機能ブロック図である。図11は、第4例の第1テストケース作成部により実行されるテストケース作成処理の手順を示すフローチャートである。図12は、ステップS11のイベント発生パターン生成処理を説明する図である。図13は、ステップS12の「状態×イベント」セットに分解する処理を説明する図である。図14は、ステップS13、S14の情報量djと希少度Diの計算処理とを説明する図である。図15は、ステップS18の除外処理を説明する図である。図16は、ステップS17で割当完了となった結果を説明する図である。

0039

第4例においては、図10に示すように、希少度計算部12Aが、パターン分解部121と、発生割合計算部122とを含んでいる。パターン分解部121と発生割合計算部122の機能については後に説明する。
第4例のテストケース作成処理では、図11に示すように、先ず、イベント発生パターン生成部11が複数のイベント発生パターンを生成する(ステップS11)。イベント発生パターン生成部11には、図12(a)および図12(b)に示すように、システムの構成要素或いはシステムに作用する要素である複数の要素の状態遷移モデルが、利用者により与えられる。例えば、図12の例では、踏切警報器の押しボタンの状態遷移モデル(a)と、復帰ボタンの状態遷移モデル(b)とが与えられている。押しボタンには非押下の状態と押下中の状態とが定義され、復帰ボタンには非押下の状態、長押し前の状態、および長押し後の状態が定義されている。また、状態遷移モデルには、各要素が1つの状態から別の状態へ遷移する遷移イベントが定義されている。具体的には、「押し開始」とは操作者が押しボタンを押す遷移イベントを示し、「押し解除」とは押しボタンを押した操作者が押ボタンを放す遷移イベントを示す。また、「復帰開始」とは操作者が復帰ボタンを押す遷移イベントを示し、「復帰解除1、2」とは復帰ボタンを押した操作者が復帰ボタンを放す遷移イベントを示す。「復帰3秒」とは復帰ボタンを押して長押し前から長押し後となった遷移イベントを示す。「復帰解除1」と「復帰解除2」の遷移イベントは、復帰ボタンが長押し後に非押下となるか、復帰ボタンが長押し前に非押下となるかを区別している。

0040

さらに、イベント発生パターン生成部11には、利用者から、イベント発生パターンに含めない遷移イベントの順番を制約条件として与えることができる。この制約条件は、順番として生じえない遷移イベントの順番、或いは、テストケースに含めなくてよいと判断した遷移イベントの順番など、利用者が任意に設定可能である。図12の例では、テストケースに含めなくてよいと判断した制約条件として、押しボタンが「押し解除」から「押し開始」となる遷移イベントの順番、復帰ボタンが「復帰解除」から「復帰開始」となる遷移イベントの順番、および復帰ボタンが「復帰3秒」から「復帰開始」となる遷移イベントの順番が、設定されている。

0041

このような情報が与えられると、イベント発生パターン生成部11は、定義された複数の遷移イベント(図12(c))を、制約条件に合致するものを除外した全てのパターンで並べることで、複数のイベント発生パターン(図12(d))を生成する。
なお、図12(d)のイベント発生パターンでは、「復帰解除1」と「復帰解除2」とは同じイベントとして作成し、次のような削除処理を後から行うことで、イベント発生パターンの整合を図っている。すなわち、イベント発生パターン生成部11は、複数のイベント発生パターンを生成した後、発生し得ない遷移イベントが含まれる場合に、各イベント発生パターンからこの遷移イベントを削除する。図12(d)の例では、「復帰解除」後に「復帰3秒」の遷移イベントが発生し得ないので、この場合の「復帰3秒」の遷移イベントを削除している。

0042

イベント発生パターンが生成されたら、次に、希少度計算部12Aのパターン分解部121が、複数のイベント発生パターンを「状態×イベント」セットに分解する(図11のステップS12)。
ここで、「状態×イベント」セットとは、複数の要素の状態遷移モデルのうち、1つの要素の遷移イベントと、この遷移イベントが発生したときの他の要素の状態とを組み合わせたものを意味する。例えば、図13(b)に示すように、復帰ボタンの遷移イベント(「復帰開始」、「復帰3秒」・・・)と、この遷移イベントが発生したときの押しボタンの状態(「押下中」)とを組み合わせたものが、複数の「状態×イベント」セットとなる。また、図13(c)に示すように、押しボタンの遷移イベント(「押し開始」、「押し解除」)と、この遷移イベントが発生したときの復帰ボタンの状態(「長押し前」、「長押し後」)と組み合わせたものが、複数の「状態×イベント」セットとなる。
図13(b)と図13(c)の例では、押しボタンの「非押下」の状態と、復帰ボタンの「非押下」の状態とは、利用者によって、稀な状況でなく計数しないで良い状態として省くように設定されている。このように、計数の対象とするか否かは任意に設定できる。

0043

パターン分解部121は、各イベント発生パターンに、上記のように定義された「状態×イベント」セットが含まれているか逐次判定する。この判定結果の一例を示したのが、図13(b)および図13(c)の表である。図13(b)、図13(c)の各行は、図13(a)に示されるイベント発生パターンの行に対応している。図13(b)および図13(c)の「●」の欄が、対応する行に示されたイベント発生パターンに、対応する列に示された「状態×イベント」セットが含まれることを示している。
例えば、10行目のパターンNo.10のイベント発生パターンには、図13(b)の10行目の1つの「●」の欄により、押しボタンの「押下中」の状態と復帰ボタンの「復帰開始」の遷移イベントとの組み合わせが含まれていることが示されている。加えて、このイベント発生パターンには、図13(c)の10行目の1つの「●」の欄により、復帰ボタンの「長押し前」の状態と押しボタンの「押し解除」の遷移イベントとの組み合わせが含まれていることが示されている。

0044

また、例えば3行目のパターンNo.3のイベント発生パターンには、図13(b)の3つの「●」の欄により、押しボタンの状態と、復帰ボタンの遷移イベントとの組み合わせが含まれていることが示されている。具体的には、このイベント発生パターンには、押しボタンの「押下中」の状態と、復帰ボタンの「復帰開始」、「復帰3秒」、「復帰解除1」の遷移イベントとの組み合わせが含まれている。
また、例えば4行目、5行目のパターンNo.4、No.5のイベント発生パターンには、図13(c)の各行の2つの「●」の欄により、復帰ボタンの状態と、押しボタンの遷移イベントとの組み合わせが含まれていることが示されている。具体的には、パターンNo4のイベント発生パターンには、復帰ボタンの「長押前」の状態と、押しボタンの「押し開始」、「押し解除」の遷移イベントとの組み合わせが含まれている。また、パターンNo5のイベント発生パターンには、復帰ボタンの「長押後」の状態と、押しボタンの「押し開始」、「押し解除」の遷移イベントとの組み合わせが含まれている。

0045

「状態×イベント」セットへの分解がなされたら、次に、希少度計算部12Aの発生割合計算部122は、各「状態×イベント」セットの情報量djを計算する(図11のステップS13)。情報量djとは、その事象の発生しにくさの尺度を示すものであり、その事象の発生割合がP(E)であれば、−logP(E)と表わすことができる。発生割合計算部122は、図14(b)および図14(c)の下から2行目に示すように、先ず、この表の各列に含まれている「●」の個数を計数する。次に、発生割合計算部122は、次式(1)に従って、全てのイベント発生パターンのうち各「状態×イベント」セットが含まれているパターンの割合をP(E)として、各「状態×イベント」セットの情報量djを計算する。ここで、添え字「j」により、複数の「状態×イベント」セットのうちの一つを表わしている。この計算結果は、図14(b)および図14(c)の最下行に示されている。

0046

次に、第1テストケース作成部10Aは、ステップS14〜ステップS18のループ処理移行する。ループ処理では、1回のループごとに1つのイベント発生パターンを選択し、上位から1つずつ優先度を割り当てていく。以下、具体的に説明する。
先ず、希少度計算部12Aは、図14(d)に示すように、複数の「状態×イベント」セットの情報量djに基づいて、各イベント発生パターンの希少度Diを計算する(図11のステップS14)。ここで、添え字「i」により、複数のイベント発生パターンのうちの一つを表わしている。情報量djは、その事象の発生しにくさの尺度を、加算可能に表わした値であるので、次式(2)のように、希少度Diは各イベント発生パターンに含まれる1つ又は複数の「状態×イベント」セットの情報量djを加算して求めることができる。



なお、図14(b)〜(d)の例は、1回目のループ処理において第1位の優先度を割り当てる際の処理を示している。詳細は図11のステップS18のところで説明するが、2回目以降のループ処理では、図15(b)〜(d)に示すように、情報量djの加算の対象となる「状態×イベント」セットの一部が除外される(除外された「状態×イベント」セットを図15において「○」により示している)。よって、2回目以降のループ処理のステップS14では、図15(b)〜(d)に示すように、「○」の示された「状態×イベント」セットを除いて、「●」の示された「状態×イベント」セットを対象に、式(2)の計算が行われる。

0047

次に、希少度計算部12Aは、図14(d)の2列目に示されるように、イベント発生パターンの希少度が同値となった場合に備えて、各イベント発生パターンの基準パターンからの距離を計算する(図11のステップS15)。基準パターンからの距離は、任意の1つのイベント発生パターンを基準パターンとして、各遷移イベントを何回並べ替えれば基準パターンと同一になるかを示す値である。ここでは、1行目(パターンNo.1)のイベント発生パターンを基準パターンとしている。

0048

希少度と距離とが計算されたら、次に、優先度割当部13Aは、希少度Diと距離Liとに基づいて、希少度の高い1つのイベント発生パターンを選択して、選択されたイベント発生パターンに優先度を割り当てる(図11のステップS16)。ここで選択するイベント発生パターンは、希少度Diが最大のイベント発生パターンである。また、希少度Diが最大で同値となる複数のイベント発生パターンがある場合には、距離Liが最も小さいイベント発生パターンを選択する。
なお、希少度Diが同値となる複数のイベント発生パターンがあった場合に、その中の1つを選ぶ方法は、どのような方法でもよく、上記の距離Liに大きな意味はない。例えば、距離が最も大きいイベント発生パターンを選択しても、距離が任意の値に一番近いイベント発生パターンを選択してもよい。ここで、希少度Diが最大のイベント発生パターンが選択から外れても、次のループ処理で、再度、イベント発生パターンの希少度Diが再計算されることで、選択価値が高ければ選択されることになるし、選択価値が低ければ選択されないことになる。

0049

続いて、希少度Diが最大のイベント発生パターンを選択したら、優先度割当部13Aは、現状で残っている中で最上位の優先度を割り合てる。すなわち、1回目のループ処理の割り当てであれば第1位の優先度を割り当て、2回目のループ処理の割り当てであれば第2位の優先度を割り当てる。図14の具体例では、パターンNo.16のイベント発生パターンが、希少度Diが最大で距離Liが最小なため、第1位の優先度が割り当てられる(図15の「優先度1位」の行を参照)。
次に、優先度割当部13Aは、優先度を割り当てる個数が上限または規定数に達して割当完了となるか判別する(図11のステップS17)。

0050

その結果、割当完了でなければ、希少度計算部12Aは、各イベント発生パターンに含まれる「状態×イベント」セットの判定結果の表から、直前に優先度を割り当てたイベント発生パターンに含まれる「状態×イベント」セットについての判定結果を除外する(図11のステップS18)。
具体的には、図14(b)、(c)と図15(b)、(c)とに示すように、パターンNo.16に含まれている3つの「状態×イベント」セットについて、「●」の判定結果を除外している。図15(b)、図15(c)の「○」が除外された欄を示している。
この処理は、上位のイベント発生パターンと重複するイベント発生パターンに高い優先度が割り当てられないようにするためのものである。この処理により、次に希少度Diを計算する際に、既に優先度が割り当てられているイベント発生パターンに含まれている「状態×イベント」セットがあっても、この「状態×イベント」セットが、次に計算するイベント発生パターンの希少度Diに寄与しなくなる。

0051

図11のステップS18の除外処理を行ったら、ステップS14〜ステップS18の処理が、ステップS17で割当完了と判別されるまで繰り返される。ステップS14において、2回目以降の希少度Diを計算する際には、ステップS18で除外された「状態×イベント」セットについての情報量djの加算は行わない。具体的には、図15(d)に示すように、残りのイベント発生パターンの希少度Diを計算するのに、除外された「状態×イベント」セットの情報量djの加算が行われない。
そして、計算された希少度Diに基づいて、イベント発生パターンに次の優先度が割り当てられる。

0052

このような繰り返し処理によって、図16に示すように、希少度Diが高く重複度の低い複数のイベント発生パターンが選択されて優先度が割り当てられることになる。
そして、繰り返し処理の途中、ステップS17で割当完了と判別されたら、テストケース作成処理部14が優先度の高い順にイベント発生パターンに応じたテストケースを作成し、一連のテストケース作成処理を終了する。
第4例のテストケース作成処理によれば、システムに関わる複数の要素の状態遷移の情報を利用者から与えられることで、複数の要素の状態遷移が期間をクロスして発生する複数のイベント発生パターンの中から、希少度の高いテストケースを作成することができる。

0053

<差異量に基づくテストケース作成処理−第1例−>
続いて、第2テストケース作成部10B(図2を参照)によるテストケース作成処理の説明を行う。このテストケース作成処理は、第1テストケース作成部10Aによる希少度に基づくテストケース作成処理と独立して行われるものである。検証対象の同一のシステムに対して、第1テストケース作成部10Aと、第2テストケース作成部10Bとの両方でテストケースを作成し、両方のテストケースを合せてシステム検証を行ってもよいし、両方のテストケースを別々に用いて、異なる観点から2種類のシステム検証を行うようにしてもよい。

0054

図17は、第2テストケース作成部により実行されるテストケース作成処理の手順を示すフローチャートである。図18は、差異量計算処理および優先度設定処理の第1例を説明する図である。
テストケース作成処理が開始されると、先ず、イベント発生パターン生成部11(図2を参照)は、前述した第1テストケース作成部10Aによる処理と同様に、複数のイベント発生パターンを生成する(ステップS21)。
イベント発生パターンが生成されたら、次に、差異量計算部12B(図2を参照)が各イベント発生パターンの差異量Fiを計算する(ステップS22)。この計算処理においては、差異量計算部12Bは、図18に示すように、先ず、複数のイベント発生パターンの中から任意の一つを基準パターンとして設定し、次に、各イベント発生パターンにおける各一対のイベントの並び順と、基準パターンにおける各一対のイベントの並び順とを比較する。そして、差異量計算部12Bは、各一対のイベントの並び順が一致するか否かを判別し、異なる一対のイベントの組数を差異量として計算する(図18を参照)。

0055

差異量が計算されたら、優先度割当部13B(図2を参照)は、先ず、基準パターンのイベント発生パターンを第1位に、次に、差異量Fiが最も大きいものを第2位として、2つのイベント発生パターンの優先度を設定する(ステップS23)。
次に、差異量計算部12Bは、優先度の割り当てられていない1つまたは複数のイベント発生パターンの各々について、優先度の割り当てられているイベント発生パターンとの平均差異量MFiを計算する(ステップS24)。平均差異量MFiとは、優先度の割り当てられているイベント発生パターンとの個々の差異量を平均化した値である。つまり、優先度の割り当てられているイベント発生パターンがN個あり、第n位のイベント発生パターンとの差異量をFniとすれば、平均差異量MFiは次式(3)のように計算する。

0056

続いて、優先度割当部13Bは、平均差異量MFiが最も大きいイベント発生パターンに次の順位の優先度を割り当てる(ステップS25)。
優先度を割り当てたら、優先度割当部13Bは、優先度を割り当てる個数が上限または規定数に達して割当完了となるか判別する(ステップS26)。そして、割当完了でなければ、ステップS24とステップS25の処理を繰り返す。これにより、互いにかけ離れたイベント発生パターンに対して優先度が割り当てられていく。
一方、ステップS26で割当完了と判別されたら、テストケース作成処理部14が優先度の高い順にイベント発生パターンを採用し、採用したイベント発生パターンで各要素が動作する試験動作の手順をテストケースとして作成する。

0057

差異量に基づく第1例のテストケース作成処理によれば、イベント発生パターンに含まれる一対複数組のイベントの各並び順が同一か否かという観点から、互いにかけ離れたイベント発生パターンを優先して抽出し、これらから互いにかけ離れたテストケースを作成することができる。よって、イベント発生パターンが重複したり似通ったりするテストケースが多く作成されることが回避され、様々なパターンでイベントを発生させたシステムの検証を効率的に行うことが可能となる。

0058

<差異量に基づくテストケース作成処理−第2例−>
図19は、第2例の差異量計算処理および優先度設定処理を説明する図である。
差異量に基づく第2例のテストケース作成処理は、差異量計算処理の手法が、第1例のテストケース作成処理と異なり、他の処理は第1例の場合と同様である。同様の部分の詳細な説明は省略する。
第2例の差異量計算処理(図17のステップS22)においては、図19に示すように、差異量計算部12Bが、先ず、複数のイベント発生パターンの中から任意の一つを基準パターンとして設定する。次に、差異量計算部12Bは、基準パターンと各イベント発生パターンとのイベントの並びを比較して、最少で何組のイベントペアの順番を入れ変えることで、両者が同じとなるかを計数する。そして、この回数を両者の差異量として計算する。

0059

平均差異量計算処理(図17のステップS24)では、差異量計算部12Bが第2例の手法を用いて、優先度の割り当てられている複数のイベント発生パターンとの個々の差異量Fniを計算し、これらを第1例の場合と同様に平均化して平均差異量MFiを計算する。
差異量に基づく第2例のテストケース作成処理によれば、イベント発生パターンの並び替えが多いか少ないかという観点から、互いにかけ離れたイベント発生パターンを優先して抽出し、これらから互いにかけ離れたテストケースを作成することができる。

0060

<差異量に基づくテストケース作成処理−第3例−>
図20は、第3例の差異量計算処理および優先度設定処理を説明する図である。
差異量に基づく第3例のテストケース作成処理は、差異量計算処理の手法が、第1例および第2例のテストケース作成処理と異なり、他の処理は第1例および第2例の場合と同様である。同様の部分の詳細な説明は省略する。
第3例の差異量計算処理(図17のステップS22)においては、図20に示すように、差異量計算部12Bが、先ず、複数のイベント発生パターンの中から任意の一つを基準パターンとして設定する。次に、差異量計算部12Bは、基準パターンと各イベント発生パターンとのイベントの並びを比較して、イベントの内容とイベントが発生する順番とが異なっているものを計数する。例えば、図20の基準パターンとパターン1とでは、1番目のイベントは、両者とも「A」イベントで同じであるが、2番目と3番目のイベントが、両者で異なる。第3例では、このように発生する順番が異なるイベントの個数を、2つのイベント発生パターンの差異量として計数する。

0061

平均差異量計算処理(図17のステップS24)では、差異量計算部12Bが第3例の手法を用いて、優先度の割り当てられている複数のイベント発生パターンとの個々の差異量Fniを計算し、これらを第1例の場合と同様に平均化して平均差異量MFiを計算する。
差異量に基づく第3例のテストケース作成処理によれば、個々のイベントの発生の順番が同じか否かという観点から、互いにかけ離れたイベント発生パターンを優先して抽出し、これらから互いにかけ離れたテストケースを作成することができる。

0062

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られるものではなく、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

0063

1テストケース作成装置
10 テストケース作成部
11イベント発生パターン生成部(パターン生成部)
12A希少度計数部
12B差異量計数部
13A,13B優先度割当部
14 テストケース作成処理部
15欠落確率データベース
16統計データベース
121パターン分解部
122発生割合計算部
30テストケースデータベース
100 クライアントコンピュータ

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