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技術 レンズシートユニット、撮像モジュール、撮像装置

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 播戸一樹
出願日 2016年1月8日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2016-002372
公開日 2017年7月13日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-122868
状態 特許登録済
技術分野 光学要素・レンズ 固体撮像素子 レンズ以外の光学要素 スタジオ装置
主要キーワード 隔壁シート 一部形状 樹脂層形成材料 表裏判別 楔形形状 凸部側 真空充填 レンズ形
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月13日)のものです。
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図面 (10)

課題

撮像装置撮像モジュール薄型化でき、かつ、ハンドリング容易なレンズシートユニット、及び、これを備える撮像モジュール、撮像装置を提供する。

解決手段

レンズシートユニット10は、第1レンズシート11と、第2レンズシート12と、これらの間の空間に充填される樹脂層13とを備える。第1レンズシート11及び第2レンズシート12は、凹状の単位レンズ形状112をレンズ形状面11a側に有する柱状の光透過部111と交互に配列され、裏面11b側からレンズ形状面11a側へ延びる光吸収部113とを備え、光透過部111の配列方向が、角度αをなして交差し、互いにレンズ形状面11aを対向させて積層される。樹脂層13は、その屈折率が光透過部111の屈折率よりも大きい。

概要

背景

近年、スマートフォンタブレット等の携帯端末に備えられるカメラにおいては、画質の向上等、様々に開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。特に、スマートフォン等の携帯端末においては、薄型化が進んでおり、携帯端末に備えられるカメラ(以下、携帯端末用カメラという)においても、薄型化が図られている。

また、ライトフィールドカメラと呼ばれる、撮影後に焦点距離被写界深度を変更できるカメラが開発され、近年広まっている(例えば、特許文献2参照)。このライトフィールドカメラは、イメージセンサ上に配置されたマイクロレンズアレイにより、入射光を分割して複数の方向の光を撮影することにより、撮影後に光の入射方向や強度に基づいて所定の画像処理を行って、画像の焦点距離や被写界深度を変更することができる。

概要

撮像装置撮像モジュールを薄型化でき、かつ、ハンドリング容易なレンズシートユニット、及び、これを備える撮像モジュール、撮像装置を提供する。レンズシートユニット10は、第1レンズシート11と、第2レンズシート12と、これらの間の空間に充填される樹脂層13とを備える。第1レンズシート11及び第2レンズシート12は、凹状の単位レンズ形状112をレンズ形状面11a側に有する柱状の光透過部111と交互に配列され、裏面11b側からレンズ形状面11a側へ延びる光吸収部113とを備え、光透過部111の配列方向が、角度αをなして交差し、互いにレンズ形状面11aを対向させて積層される。樹脂層13は、その屈折率が光透過部111の屈折率よりも大きい。

目的

本発明の課題は、撮像装置や撮像モジュールを薄型化でき、かつ、ハンドリング容易なレンズシートユニット、及び、これを備える撮像モジュール、撮像装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

シート状の第1レンズシート及び第2レンズシートと、これらの間の空間を満たす樹脂層とが一体に積層されたレンズシートユニットであって、前記第1レンズシートは、柱状であってシート面に沿って一方向に配列され、凹状の第1単位レンズ形状を一方の面側に有する第1光透過部と、前記第1光透過部と交互に配列され、前記第1光透過部の長手方向に延在し、かつ、前記第1レンズシートの厚み方向に沿って、前記一方の面に対向する他方の面側から前記一方の面側へ延びる第1光吸収部と、を備え、前記第2レンズシートは、柱状であってシート面に沿って一方向に配列され、凹状の第2単位レンズ形状を前記第2レンズシートの一方の面側に有する第2光透過部と、前記第2光透過部と交互に配列され、前記第2光透過部の長手方向に延在し、かつ、前記第2レンズシートの厚み方向に沿って、前記第2レンズシートの一方の面に対向する前記第2レンズシートの他方の面側から前記一方の面側へ延びる第2光吸収部と、を備え、前記第1レンズシートと前記第2レンズシートとは、前記第1単位レンズ形状が形成された面と前記第2単位レンズ形状が形成された面とを対向させて積層され、該レンズシートユニットの厚み方向から見て、前記第1光透過部の配列方向と、前記第2光透過部の配列方向とは、角度αをなして交差し、前記樹脂層は、光透過性が高く、その屈折率が前記第1光透過部及び前記第2光透過部の屈折率よりも大きいこと、を特徴とするレンズシートユニット。

請求項2

請求項1に記載のレンズシートユニットにおいて、前記第1光透過部の屈折率は、前記第1光吸収部の屈折率以下であること、を特徴とするレンズシートユニット。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載のレンズシートユニットにおいて、前記第2光透過部の屈折率は、前記第2光吸収部の屈折率以下であること、を特徴とするレンズシートユニット。

請求項4

請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のレンズシートユニットにおいて、前記第1光透過部と前記第1光吸収部との界面が、前記第1レンズシートの厚み方向となす角度、及び、前記第2光透過部と前記第2光吸収部との界面が、前記第2レンズシートの厚み方向となす角度は、いずれも0°以上10°以下であること、を特徴とするレンズシートユニット。

請求項5

請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズシートユニットにおいて、前記角度αは、80°≦α≦100°を満たすこと、を特徴とするレンズシートユニット。

請求項6

入射する光を電気信号に変換する複数の画素2次元配列された撮像素子部と、前記撮像素子部よりも被写体側に配置される請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレンズシートユニットと、を備える撮像モジュール

請求項7

請求項6に記載の撮像モジュールを備える撮像装置

技術分野

0001

本発明は、レンズシートユニット、及び、これを備える撮像モジュール撮像装置に関するものである。

背景技術

0002

近年、スマートフォンタブレット等の携帯端末に備えられるカメラにおいては、画質の向上等、様々に開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。特に、スマートフォン等の携帯端末においては、薄型化が進んでおり、携帯端末に備えられるカメラ(以下、携帯端末用カメラという)においても、薄型化が図られている。

0003

また、ライトフィールドカメラと呼ばれる、撮影後に焦点距離被写界深度を変更できるカメラが開発され、近年広まっている(例えば、特許文献2参照)。このライトフィールドカメラは、イメージセンサ上に配置されたマイクロレンズアレイにより、入射光を分割して複数の方向の光を撮影することにより、撮影後に光の入射方向や強度に基づいて所定の画像処理を行って、画像の焦点距離や被写界深度を変更することができる。

先行技術

0004

特開2015−99345号公報
特表2015−520992号公報

発明が解決しようとする課題

0005

携帯端末用カメラでは、高画質な画像を撮影するためには、レンズ収差補正等が必要となる。そのため、携帯端末用カメラでは、複数枚レンズにより構成される撮像レンズが用いられている。しかし、この撮像レンズは、複数枚のレンズにより構成されているため、全体としてのカメラの厚さ(5〜7mm程度)の約80%(約4mm)を撮像レンズが占めることとなる。そのため、携帯端末用カメラにおいて、高画質な画像の撮影と薄型化との両立が、大きな課題となっている。

0006

一方、ライトフィールドカメラでは、イメージセンサ上に配置される各マイクロレンズアレイの各レンズからの光(像)が、受光面上で重ならないようにするために、前述のような撮像レンズや、各レンズに対応した隔壁を有する隔壁シート等が必要となっている。
前述のように撮像レンズは、複数枚のレンズにより構成されるため、大型であり、ライトフィールドカメラの小型化、薄型化が困難であった。また、隔壁シートを配置する場合には、隔壁とマイクロレンズアレイとの位置合わせが困難であるという問題があった。

0007

本願発明者は、先に出願の特願2015−169288号において、一方の面側に凸形状の単位レンズ形状を有する柱状の光透過部と、これと交互に配列される壁状の光吸収部とを備える2枚のレンズシートを撮像素子部よりも被写体側に配置し、光軸方向から見て2枚のレンズシートの光透過部の配列方向が角度αをなす撮像装置及び撮像モジュールを提案し、リフォーカス処理が可能な撮像モジュール及び撮像装置の薄型化、軽量化等を実現している。
その後の検討において、上述の撮像装置や撮像モジュールでは、撮像モジュール等を組み立てる際に、レンズシート同士の位置決め作業や、複数枚のレンズシートを配置する作業等が困難であり、ハンドリングが困難な場合があった。

0008

本発明の課題は、撮像装置や撮像モジュールを薄型化でき、かつ、ハンドリング容易なレンズシートユニット、及び、これを備える撮像モジュール、撮像装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、シート状の第1レンズシート(11)及び第2レンズシート(12)と、これらの間の空間を満たす樹脂層(13)とが一体に積層されたレンズシートユニットであって、前記第1レンズシートは、柱状であってシート面に沿って一方向に配列され、凹状の第1単位レンズ形状(112)を一方の面(11a)側に有する第1光透過部(111)と、前記第1光透過部と交互に配列され、前記第1光透過部の長手方向に延在し、かつ、前記第1レンズシートの厚み方向に沿って、前記一方の面に対向する他方の面(11b)側から前記一方の面側へ延びる第1光吸収部(113)と、を備え、前記第2レンズシートは、柱状であってシート面に沿って一方向に配列され、凹状の第2単位レンズ形状(122)を前記第2レンズシートの一方の面(12a)側に有する第2光透過部(121)と、前記第2光透過部と交互に配列され、前記第2光透過部の長手方向に延在し、かつ、前記第2レンズシートの厚み方向に沿って、前記第2レンズシートの一方の面に対向する前記第2レンズシートの他方の面(12b)側から前記一方の面側へ延びる第2光吸収部(123)と、を備え、前記第1レンズシートと前記第2レンズシートとは、前記第1単位レンズ形状が形成された面と前記第2単位レンズ形状が形成された面とを対向させて積層され、該レンズシートユニットの厚み方向から見て、前記第1光透過部の配列方向(R11)と、前記第2光透過部の配列方向(R12)とは、角度αをなして交差し、前記樹脂層は、光透過性が高く、その屈折率が前記第1光透過部及び前記第2光透過部の屈折率よりも大きいこと、を特徴とするレンズシートユニット(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のレンズシートユニットにおいて、前記第1光透過部(111)の屈折率は、前記第1光吸収部(113)の屈折率以下であること、を特徴とするレンズシートユニット(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のレンズシートユニットにおいて、前記第2光透過部(121)の屈折率は、前記第2光吸収部(123)の屈折率以下であること、を特徴とするレンズシートユニット(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のレンズシートユニットにおいて、前記第1光透過部(111)と前記第1光吸収部(113)との界面が、前記第1レンズシートの厚み方向となす角度、及び、前記第2光透過部(121)と前記第2光吸収部(123)との界面が、前記第2レンズシートの厚み方向となす角度は、いずれも0°以上10°以下であること、を特徴とするレンズシートユニット(10)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズシートユニットにおいて、前記角度αは、80°≦α≦100°を満たすこと、を特徴とするレンズシートユニット(10)である。
請求項6の発明は、入射する光を電気信号に変換する複数の画素(211)が2次元配列された撮像素子部(21)と、前記撮像素子部よりも被写体側に配置される請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレンズシートユニット(10)と、を備える撮像モジュール(20)である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の撮像モジュール(20)を備える撮像装置(1)である。

発明の効果

0010

本発明によれば、撮像装置や撮像モジュールを薄型化でき、かつ、ハンドリング容易なレンズシートユニット、及び、これを備える撮像モジュール、撮像装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

実施形態のカメラ1を説明する図である。
実施形態の撮像モジュール20を説明する図である。
実施形態のレンズシートユニット10を説明する図である。
実施形態のレンズシートユニット10を説明する図である。
実施形態のレンズシートユニット10の第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11と第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12との関係を示す図である。
実施形態のレンズシートユニット10の製造方法の一例を説明する図である。
実施形態のレンズシートユニット10の製造方法の一例を説明する図である。
実施形態の撮像モジュール20のイメージセンサ21の受光面上での結像の様子を説明する図である。
光透過部111,121の配列方向R11,R12とイメージセンサ21の画素の配列方向G1,G2との関係を示す図である。

実施例

0012

以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本実施形態において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面とは、シート状の部材において、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものである。

0013

(実施形態)
図1は、本実施形態のカメラ1を説明する図である。
図2は、本実施形態の撮像モジュール20を説明する図である。
図1を含め、以下に示す各図において、理解を容易にするために、適宜、XYZ直交座標系を設けて示している。この座標系では、撮影者が、撮像装置を基本的な姿勢で支持し、光軸Oを水平として画像を撮影するとき、水平方向(左右方向)をX方向、鉛直方向(上下方向)をY方向とし、撮影者側から見て左側(被写体側から見て右側)に向かう方向を+X方向、鉛直方向上側に向かう方向を+Y方向、光軸O方向をZ方向とし、被写体側に向かう方向を+Z方向とする。

0014

図1に示すように、本実施形態のカメラ1は、開口部31を有する筐体30内に、撮像モジュール20を備える撮像装置である。
カメラ1は、スマートフォン等の携帯電話タブレット端末等の携帯端末に用いられる撮像装置であり、この筐体30は、携帯端末本体の筐体に相当する。このカメラ1は、さらに、不図示の制御部、記憶部等を備えている。
また、カメラ1は、筐体30をカメラ本体の筐体として備える、一般的な撮像装置としてもよい。この場合、カメラ1は、制御部、記憶部等に加えて、不図示のシャッタ部、シャッタ駆動部等を備える。
開口部31は、被写体側からの光を、カメラ1の撮像モジュール20へ取り込む開口である。この開口部31には、撮像モジュール20への埃やゴミ等の異物侵入を防止する等の観点から、開口部31を覆うように、透光性を有する保護シート32が配置されている。この保護シート32は、ガラス製としてもよいし、樹脂製としてもよい。

0015

本実施形態の撮像モジュール20は、光軸O(Z方向)に沿って、光の入射側(被写体側、+Z側)から順に、レンズシートユニット10、イメージセンサ21等を備えている。この撮像モジュール20は、前述の制御部からの出力信号により、イメージセンサ21の受光面上に結像した像を撮像する。
レンズシートユニット10及びイメージセンサ21は、矩形状の平板状の部材であり、その幾何学的中心に光軸Oが直交している。

0016

図3及び図4は、本実施形態のレンズシートユニット10を説明する図である。図3は、レンズシートユニット10の第1レンズシート11の光透過部111の配列方向(Y方向)及びレンズシートユニット10の厚み方向(Z方向)に平行な断面の一部を拡大して示した図であり、図4は、レンズシートユニット10の第2レンズシート12の光透過部121の配列方向(X方向)及びレンズシートユニット10の厚み方向(Z方向)に平行な断面の一部を拡大して示した図である。
図5は、本実施形態のレンズシートユニット10の第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11と第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12との関係を示す図である。図5では、光軸O方向(Z方向)に沿ってレンズシートユニット10を見た様子を示している。

0017

レンズシートユニット10は、光軸O方向(Z方向)において、イメージセンサ21の被写体側(+Z側)に位置している。レンズシートユニット10は、光軸O方向(Z方向)に沿って被写体側(+Z側)から順に、第1レンズシート11、樹脂層13、第2レンズシート12を備えている。
レンズシートユニット10は、第1レンズシート11と第2レンズシート12が樹脂層13を介して一体に積層され、接合されている。そして、レンズシートユニット10は、不図示の支持部材により支持され、イメージセンサ21に対する上下方向(Y方向)及び左右方向(X方向)、光軸O方向(Z方向)での位置が位置決めされている。

0018

第1レンズシート11は、片面に、単位レンズ形状112が複数形成されたレンズ形状面11aを有するレンズシートである。この第1レンズシート11は、柱状であってシート面に沿って一方向に配列される光透過部111と、光透過部111の配列方向において、光透過部111と交互に配置される光吸収部113とを備える。
本実施形態の第1レンズシート11では、光透過部111は、その配列方向R11が上下方向(Y方向)に平行であり、その長手方向(稜線方向)が左右方向(X方向)に平行となっている。

0019

光透過部111は、光を透過する部分であり、イメージセンサ21側(−Z側)に、凹形状の単位レンズ形状112を有している。第1レンズシート11のイメージセンサ21側(−Z側)の面は、単位レンズ形状112が複数配列されたレンズ形状面11aである。また、第1レンズシート11の被写体側(+Z側)の面(レンズ形状面11aとは反対側の面)である裏面11bは、略平面状となっている。

0020

単位レンズ形状112は、凹形状であり、光透過部111の配列方向R11(Y方向)及び第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)に平行な断面における断面形状が円の一部形状となっている。単位レンズ形状112は、この断面形状が光透過部111の長手方向に沿って延在している。
本実施形態では、単位レンズ形状112は、連続して配列されており、単位レンズ形状112の配列ピッチ、即ち、光透過部111の配列ピッチPは、光透過部111の配列方向における単位レンズ形状112の幅(レンズ開口幅)D1に等しい。
単位レンズ形状112の表面には、反射防止機能を有する材料(例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)、二酸化ケイ素(SiO2)、フッ素光学用コーティング剤等)を所定の膜厚コーティングする等により、不図示の反射防止層を形成してもよい。

0021

光透過部111の単位レンズ形状112よりも裏面11b側(−Z側)には、光透過部111がシート面(XY面)に平行な方向に連続しており、光吸収部113が形成されていない領域であるランド部114が形成されている。
このランド部114は、その厚みD3(Z方向の寸法)ができる限り薄い方が好ましく、ランド部114の厚さD3が0であること(即ち、ランド部114が存在しない形態)が、迷光や後述のクロストーク等を抑制し、高画質の画像を提供する観点から理想的である。

0022

光透過部111は、光透過性を有する樹脂により形成され、その屈折率N1は、約1.38〜1.60である。
このような光透過部111は、例えば、ウレタンアクリレートポリエステルアクリレートエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂により形成される。
また、光透過部111は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよいし、PC(ポリカーボネート)樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いて熱溶融押出成形法等により形成されてもよいし、ガラス等により形成されてもよい。

0023

光吸収部113は、光を吸収する作用を有し、第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)に沿って、裏面11b側から単位レンズ形状112が形成されたレンズ形状面11a側へ延びる壁状の部分である。この光吸収部113は、光透過部111の長手方向(X方向)に沿って延在している。また、光吸収部113は、第1レンズシート11の厚み方向から見て、単位レンズ形状112間の凸部に対応する位置に形成されている。
光吸収部113は、その配列方向及び第1レンズシート11の厚み方向に平行な断面における断面形状が楔形形状、もしくは、矩形形状である。ここでいう楔形形状とは、一方の端部の幅が広く、他方に向けて次第に幅が狭くなる形状をいい、三角形形状台形形状等を含む。

0024

本実施形態の光吸収部113は、その配列方向及び第1レンズシート11の厚み方向に平行な断面での断面形状が、レンズ形状面11a側の寸法が裏面11b側の寸法に比べて小さい台形形状となっている。これに限らず、光吸収部113は、その配列方向及び第1レンズシート11の厚み方向に平行な断面での断面形状が、レンズ形状面11a側を頂点とする三角形形状としてもよい。
光吸収部113は、光透過部111内を進む光のうち、隣接する他の光透過部111側へ向かうような迷光を吸収する機能を有する。

0025

光吸収部113の屈折率N2は、約1.45〜1.60である。また、光吸収部113の屈折率N2は、光透過部111の屈折率N1に対して、N2≧N1となっていることが好ましい。これは、光吸収部113と光透過部111との界面で、光が全反射する等して、不要な光がイメージセンサ21に到達することを防ぐためである。
このような光吸収部113は、カーボンブラック等の光吸収性を有する材料(以下、光吸収材という)や、光吸収材を含有した樹脂等により形成される。
光吸収部113に用いられる光吸収材は、可視光領域の光を吸収する機能を有する粒子状等の部材が好適である。このような部材としては、カーボンブラック、グラファイト黒色酸化鉄等の金属塩顔料染料、顔料や染料で着色された樹脂粒子等が挙げられる。

0026

光吸収材として顔料や染料で着色された樹脂粒子を用いる場合には、その樹脂粒子は、アクリル系樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、PE(ポリエチレン)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂、MBSメチルメタクリレートブタジエンスチレン)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂等により形成されたものが用いられる。
また、光吸収材としては、カーボンブラック等と上記のような着色された樹脂粒子とを組み合わせて用いてもよい。
このような光吸収材を含有する樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。本実施形態の光吸収部113は、カーボンブラックを含有するアクリル系樹脂により形成されている。

0027

第1レンズシート11の各部の寸法は、以下の通りである。
光透過部111(単位レンズ形状112)の配列ピッチPは、約20〜200μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状112の曲率半径Rは、約10〜180μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状112のレンズ開口幅D1(光透過部111の配列方向R11における単位レンズ形状112の幅)は、約20〜200μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状112の凹形状の深さH1(第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)において、単位レンズ形状112間の凸部の頂点となる点t1から単位レンズ形状112の凹形状の底となる点(最も裏面11b側となる点)t3までの寸法)は、約2〜40μmとすることが好ましい。
第1レンズシート11の厚みT(第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)における裏面11bから点t1までの寸法)は、約30〜480μmである。この厚みTは、光透過部111の厚さに等しい。

0028

光吸収部113の幅D2(光透過部111の配列方向(Y方向)における、光吸収部113の最も裏面11b側の寸法)は、約1〜30μmとすることが好ましい。
光吸収部113の高さH2(第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)における光吸収部113の寸法)は、約20〜470μmとすることが好ましい。
光吸収部113と光透過部111との界面がシート面の法線方向(Z方向)となす角度θは、0〜10°程度とすることが好ましい。

0029

ランド部114の厚さD3(第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)における、単位レンズ形状112間の凸部の頂点t1から、光吸収部113の最もレンズ形状面11a側となる点t2までの寸法)は、約1〜50μmとすることが、迷光や、所定の光透過部111(単位レンズ形状112)に入射した光が、隣接する他の光透過部111(単位レンズ形状112)側へ光が進んでしまうことを抑制する観点等から好ましい。

0030

第2レンズシート12は、第1レンズシート11のイメージセンサ21側(−Z側)に位置するレンズシートである。
第2レンズシート12は、前述の第1レンズシート11と略同様の形状であり、単位レンズ形状122を有する光透過部121、光吸収部123等を有している。しかし、第2レンズシート12では、凹状の単位レンズ形状122が形成されるレンズ形状面12aの位置、及び、光透過部121及び光吸収部123の配列方向R12は、第1レンズシート11とは異なる。

0031

即ち、第2レンズシート12では、レンズ形状面12aは、光の入射側となる被写体側(+Z側)に位置し、裏面12bは、イメージセンサ21側(−Z側)に位置している。
また、図5に示すように、第2レンズシート12では、光透過部121及び光吸収部123の配列方向R12は、光軸O方向(Z方向)から見て、第1レンズシート11の光透過部111及び光吸収部113の配列方向R11と交差し、角度αをなしている。本実施形態では、この角度α=90°であり、第2レンズシート12の光透過部121(単位レンズ形状122)は、配列方向R12が左右方向(X方向)に平行であり、長手方向(稜線方向)が上下方向(Y方向)に平行である。
この第2レンズシート12は、第1レンズシート11と同様の材料、製造方法により形成される。

0032

本実施形態の第1レンズシート11と第2レンズシート12とは、単位レンズ形状112,122間の凸部の頂点(点t1)で互いに接した状態で配置されており、第1レンズシート11と第2レンズシート12との間には樹脂層13が充填され、形成されている。
なお、光軸O方向において、第1レンズシート11の頂点t1と第2レンズシート12の頂点t1とは、光軸O方向に所定の寸法離間し、接していない形態としてもよい。

0033

樹脂層13は、第1レンズシート11及び第2レンズシート12との間に設けられた層であり、光透過性を有する樹脂製の層である。
また、樹脂層13は、第1レンズシート11のレンズ形状面11aと第2レンズシート12のレンズ形状面12aとの間の空間に充填されている。そして、この樹脂層13により、第1レンズシート11と第2レンズシート12とは、一体に接合されている。したがって、このレンズシートユニット10は、1枚のシート状の部材として取り扱うことが可能である。

0034

樹脂層13は、その屈折率N3が、第1レンズシート11の光透過部111及び第2レンズシートの光透過部121の屈折率N1よりも大きいことが好ましい。本実施形態では、樹脂層13の屈折率は、1.55〜1.70である。
樹脂層13は、例えば、ポリクロロスチレン、ポリブロモフェニルメタクリレート、ポリペンタブロモフェニルメタクリレート、ポリナフチルメタクリレートポリビニルフェニルスルフィド等を含む粘着剤接着剤等を用いて形成される。
このような樹脂層13を設けることにより、光学的には、第1レンズシート11と第2レンズシート12との間に、凹状の単位レンズ形状112,122の形状の逆形状となる凸状の単位レンズ形状131,132が、両面(+Z側の面及び−Z側の面)に複数配列され、双方の配列方向が角度αをなして交差するレンズ部材を配置した形態に等しくなる。

0035

レンズシートユニット10は、被写体側の面となる第1レンズシート11の裏面11bに、反射防止機能を有する不図示の反射防止層が形成されている。この反射防止層は、レンズシートユニット10への入射する光の反射を抑え、入射光量を増やす効果を有する。
この反射防止層は、反射防止機能を有する材料(例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)、二酸化ケイ素(SiO2)、フッ素系光学用コーティング剤等)を所定の膜厚でコーティングする等により形成される。

0036

また、レンズシートユニット10は、イメージセンサ21側の面となる第2レンズシート12の裏面12bが、不図示の接合層により、イメージセンサ21と一体に接合されていてもよい。レンズシートユニット10とイメージセンサ21とを接合することにより、レンズシートユニット10とイメージセンサ21との光学密着やイメージセンサ21の傷つきを抑制できることに加え、撮像モジュール20の組み立て作業をより容易とすることができる。
レンズシートユニット10とイメージセンサ21とを接合する接合層は、光透過性を有する粘着剤又は接着剤により形成されている。また、この接合層は、その屈折率が、第2レンズシート12の光透過部121の屈折率N1と等しい、もしくは、屈折率差ができる限り小さいことが好ましい。

0037

また、イメージセンサ21の駆動時の発熱によるレンズシートユニット10の反り等の変形を抑制する観点から、この接合層は、耐熱性を有することが好ましい。
このような接合層としては、エポキシ樹脂製ウレタン樹脂製等の粘着剤、接着剤が好適である。
また、この接合層は、その屈折率が光透過部121の屈折率N1よりも小さいものも適用可能であり、例えば、シリコーン系粘着剤等が適用可能である。

0038

ここで、レンズシートユニット10の製造方法の一例について説明する。
図6及び図7は、本実施形態のレンズシートユニット10の製造方法の一例を説明する図である。なお、図6では、第1レンズシート11及び第2レンズシート12の製造方法の一例を、第1レンズシート11を例に挙げて説明するが、第2レンズシート12も同様の製造方法で作製することができる。
まず、図6(a)に示すように、光透過部111の単位レンズ形状112の形状を賦形する成形型71と、光透過部111の裏面11b及び光吸収部113が形成される溝形状を賦形する成形型72を用意する。
次に、図6(b)に示すように、成形型71と成形型72とを位置合わせし、成形型71,72間の空間に光透過部111を形成する紫外線硬化型樹脂111Rを充填し、紫外線照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、離型する。

0039

紫外線を照射して硬化させる場合、2つの成形型71,72のうちいずれか一方の成形型は、光透過性を有することが好ましい。上記の例であれば、例えば、成形型71を、光透過性を有する樹脂製の成形型(賦型フィルム)とすることが好ましい。また、上記の説明では、紫外線を照射して樹脂を硬化させる例を示したが、使用する紫外線硬化型樹脂が熱硬化機能を有している場合には、紫外線及び熱により硬化させてもよい。
これにより、図6(c)に示すように、光吸収部113用の溝mが形成された溝付き光透過部111Aが形成される。
次に、図6(d)に示すように、溝付き光透過部111Aの裏面側から光吸収部113を形成する材料(以下、光吸収部形成材料113Rという)を塗布して、ワイピングし、溝mに光吸収部形成材料113Rを充填し、硬化させ、光吸収部113を形成する。
これにより、図6(e)に示すように、第1レンズシート11が形成される。なお、第2レンズシート12も、上述の製法により製造することができる。

0040

次に、図7(a)に示すように、第1レンズシート11及び第2レンズシート12を作製後、レンズ形状面11a,12a上に樹脂層13を形成する樹脂材料樹脂層形成材料13R)を塗布し、単位レンズ形状112,122の凹形状に樹脂層形成材料を充填する。
次に、図7(b)に示すように、互いのレンズ形状面11a,12aが対向し、角度αが所定の角度となるように第1レンズシート11及び第2レンズシート12を積層し、樹脂層形成材料13Rを硬化させる。これにより、レンズシートユニット10が作製される。

0041

なお、第1レンズシート11及び第2レンズシート12は、上記の製造方法に限らず、例えば、以下のような製造方法によっても製造可能である。
例えば、一方の面に単位レンズ形状112,122が形成され、他方の面が平面状であるレンズシートを紫外線硬化型樹脂等により作成し、他方の面側から光吸収部113,123が形成される溝をレーザー加工ダイシング加工等により形成する。その後、溝に光吸収部形成材料を充填して硬化させることにより、第1レンズシート11及び第2レンズシート12を作製してもよい。
また、例えば、一方の面が平面状であり、他方の面に光吸収部113,123を形成する溝が形成された溝付きシートを紫外線硬化型樹脂等により形成する。そして、平面状である一方の面上に、紫外線硬化型樹脂等により、単位レンズ形状112,122を賦形し、その後、溝に光吸収部形成材料を充填し、第1レンズシート11,第2レンズシート12を作製してもよい。

0042

さらに、光吸収部113,123の形状及び単位レンズ形状112,122の形状を賦形できる成形型を用意し、射出成型等により、溝付の光透過部を形成し、溝に光吸収部形成材料を充填して、第1レンズシート11,第2レンズシート12を作製してもよい。
また、溝への光吸収部形成材料の充填方法は、上述のワイピング等に限らず、例えば、真空充填により充填してもよいし、毛細管現象を利用して充填してもよい。
レンズシートユニット10の製造方法は、適宜選択して用いてよく、この製造方法に応じて使用する樹脂等を適宜選択してよい。

0043

イメージセンサ21は、受光面で受光した光を電気信号に変換して出力する部分である。イメージセンサ21は、複数の画素が2次元方向に配列されており、各画素により、その画素に入射した光の強度を検出可能である。
イメージセンサ21を構成する複数の画素は、イメージセンサ21の受光面である被写体側の表面に、2次元方向に配列されている。本実施形態では、イメージセンサ21の画素211(後述の図8(a)参照)は、左右方向及び上下方向(X方向及びY方向)に複数配列されている。
このようなイメージセンサ21としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等が好適に用いられる。
本実施形態のイメージセンサ21は、CMOSが用いられている。

0044

本実施形態の撮像装置1及び撮像モジュール20に入射した光について説明する。
開口部31の保護シート32を透過し、レンズシートユニット10に入射した光は、単位レンズ形状112と樹脂層13との界面、及び、単位レンズ形状122と樹脂層13との界面において屈折し、イメージセンサ21の受光面上が焦点となるように集光される。
このとき、レンズシートユニット10に入射した光は、第1レンズシート11の単位レンズ形状112及び樹脂層13(即ち、単位レンズ形状131)により、その配列方向であるY方向(上下方向)において集光される。
また、レンズシートユニット10に入射した光は、第2レンズシート12の単位レンズ形状122及び樹脂層13(即ち、単位レンズ形状132)により、その配列方向であるX方向(左右方向)において集光される。

0045

また、光透過部111,121内を光軸O方向に対して大きな角度をなす方向へ進む光の少なくとも一部は、光吸収部113,123に入射して吸収される。
そして、レンズシートユニット10を透過した光は、イメージセンサ21の受光面で焦点を結ぶ。
なお、第1レンズシート11及び第2レンズシート12の単位レンズ形状112,122の曲率半径R、光透過部111,121の屈折率N1、樹脂層13の屈折率N3等は、イメージセンサ21の受光面上が焦点となるように適宜設定されている。

0046

ここで、レンズシートユニット10は、図3図5に示すように、光軸O方向(Z方向)から見た場合に、光透過部111(単位レンズ形状112)の配列方向R11と光透過部121(単位レンズ形状122)の配列方向R12とが角度α=90°をなすように配置されている。また、樹脂層13の各面には、単位レンズ形状112,122の逆形状である凸状の単位レンズ形状131,132が形成されており、この樹脂層13の屈折率N3は、光透過部111,121の屈折率N1よりも大きい。また、第1レンズシート11、第2レンズシート12は、光透過部111,121間に光吸収部113,123を有している。
従って、レンズシートユニット10は、光学的には、マイクロレンズが2次元方向(X方向及びY方向)に配置され、各マイクロレンズ間遮光壁が形成された状態に略等しい。
そして、イメージセンサ21の受光面上には、この疑似的なマイクロレンズにより結像された像が、それぞれ重なることなく形成される(後述の図8(a)参照)。

0047

本実施形態では、疑似的なマイクロレンズの1つ1つのレンズに対して、イメージセンサ21の複数の画素が対応するように配置されている。そして、撮影時には、各画素には、対応する疑似的なマイクロレンズにより分割された光が入射し、各画素により、光の強度が検出される。また、各画素と、XY平面上のどの位置の単位レンズ形状112,122を透過したか(XY平面上の疑似的なマイクロレンズの位置)との関係から、画素に入射した光の入射方向が検出可能となる。
撮影時に撮像モジュール20により得られた、各画素が検出した入射光の強度及び入射方向の情報は、記憶部に記憶される。そして、制御部により各種演算等が行われることにより、撮影後に、その焦点距離や被写界深度等を変更した(リフォーカス処理を行った)画像データとして生成可能である。

0048

図8は、本実施形態の撮像モジュール20のイメージセンサ21の受光面上での結像の様子を説明する図である。
一般的に、ライトフィールドカメラでは、マイクロレンズアレイの1つのマイクロレンズに対して、イメージセンサ21の所定の領域内に位置する複数個の画素211が対応している。そして、それぞれのマイクロレンズによる像が、対応する領域内に投影されることが重要である。
このとき、例えば、図8(b)に示すように、各マイクロレンズの像が隣の領域等に投影され、像が重なると、被写体面上で異なる位置と角度を有する光が同一の画素に入射するクロストークという現象が生じ、光の入射方向や強度を分解できなくなる。
これを解消するために、従来のライトフィールドカメラでは、マイクロレンズアレイよりも被写体側に設けられた撮像レンズの絞りを利用したり、マイクロレンズアレイの各単位レンズに対応した隔壁を有する隔壁シートをマイクロレンズアレイのイメージセンサ側等に別体で用意したりする必要があった。

0049

しかし、本実施形態によれば、上述のようなレンズシートユニット10を備えており、各レンズシート11,12は、光吸収部113,123が、光透過部111,121(単位レンズ形状112,122)間に形成され、各レンズシートの厚み方向(Z方向)に延びているので、撮像レンズや隔壁シート等を用いることなく、かつ、図8(a)に示すように、クロストークを生じさせることなく、単位レンズ形状112,122及び樹脂層13(即ち、単位レンズ形状131,132)により集光された光を、イメージセンサ21の対応する領域の画素211に入射させることができる。これにより、画素211は、入射光の強度と入射方向の情報を高精度で出力することができる。

0050

従って、本実施形態によれば、複数枚の光学レンズからなる撮像レンズが不要であり、レンズシートユニット10の厚みを数10〜数100μm程度に抑えることができ、撮像モジュール20及びカメラ1の薄型化、軽量化を図ることができる。また、撮像レンズが不要となるので、撮像モジュール20及びカメラ1の生産コストを低減できる。さらに、カメラ1が搭載される携帯端末本体等の薄型化を妨げることがなく、意匠性の向上にも寄与できる。

0051

また、本実施形態によれば、撮影時に、画素211が入射光の強度と入射方向とを高精度で出力でき、撮影後に、その焦点距離や被写界深度等を変更可能であり、焦点距離や被写界深度を変更可能なライトフィールドカメラとしての機能を携帯端末用のカメラに付与することができ、カメラ1の高性能化を図ることができる。しかも、本実施形態の撮像モジュール20及びカメラ1は、パンフォーカスでの撮影画像も形成可能であり、様々な焦点距離及び被写界深度での撮影画像が形成可能となり、カメラ機能の向上を図ることができる。

0052

また、本実施形態によれば、第1レンズシート11及び第2レンズシート12内に、光透過部111,121(単位レンズ形状112,122)に対応して光吸収部113,123が一体に形成されているので、従来のライトフィールドカメラで必要であった、隔壁シートとマイクロレンズアレイとの高精度の位置合わせが不要となる。
従って、マイクロレンズアレイと隔壁シートとの位置合わせ精度ずれによる歩留りの低下を抑制できる。また、位置合わせが不要となるので、ハンドリングが容易となり、製造が容易に行え、生産コスト低減できる。

0053

また、本実施形態によれば、レンズシートユニット10は、第1レンズシート11、樹脂層13、第2レンズシート12が一体に積層され、接合されているので、撮像モジュール20の組み立て作業時のハンドリングが容易であり、製造作業が容易に行え、生産効率を向上させることができる。

0054

また、本実施形態の第1レンズシート11及び第2レンズシート12は、光吸収部113が裏面11b,12b側からレンズ形状面11a,12a側(単位レンズ形状112,122側)へ厚み方向に沿って延びているので、光吸収部113,123形成時に、単位レンズ形状112,122間の底部分に光吸収部形成材料113Rが残ることはない。
従って、本実施形態によれば、単位レンズ形状112,122のレンズ開口幅D1が十分に確保され、光の利用効率が高く、明るい画像を撮影できる。また、第1レンズシート11及び第2レンズシート12を高品質で安定して生産できる。

0055

また、本実施形態によれば、光透過部111,121のレンズ開口幅D1を小さくしてX方向及びY方向に配列される単位レンズ形状112,122(即ち、樹脂層13の両面に形成される単位レンズ形状131,132)を増やすことも容易であり、かつ、光吸収部113,123が一体に形成されるので、レンズシートユニット10による疑似的なマイクロレンズをより細密化することができ、画像の空間解像度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、従来のライトフィールドカメラで必要であった、撮像レンズや、マイクロレンズアレイとは別体の光線分割用の隔壁シート等が不要となり、小型化が困難であったライトフィールドカメラの薄型化及び軽量化、生産コストの低減等を図ることができる。

0056

(レンズシートユニット10の他の実施形態)
<各レンズシートの光透過部111,121の配列方向について>
レンズシートユニット10は、第1レンズシート11の光透過部111が左右方向(X方向)に配列され、第2レンズシート12の光透過部121が上下方向(Y方向)に配列される形態としてもよい。
また、第1レンズシート11の光透過部111(単位レンズ形状112)の配列方向R11と、第2レンズシート12の光透過部121(単位レンズ形状122)の配列方向R12とがなす角度αは、90°±10°の範囲、即ち、80°〜100°の範囲内であれば、レンズシートユニット10として所望される光学的機能は維持される。従って、角度αは、90°に限定されず、80°〜100°の範囲内としてもよい。

0057

これにより、レンズシートユニット10を作製する際に、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11と第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12とのなす角度αを厳密に90°として配置しなくともよく、レンズシートユニット10及び撮像モジュール20の組み立て作業の容易化、作業効率の向上、歩留りの向上を図ることができる。

0058

<レンズシートユニット10のイメージセンサ21側の面について>
レンズシートユニット10の第2レンズシート12の裏面12bとイメージセンサ21とを接合層で接合しない場合、イメージセンサ21の受光面の傷つきを防止したり、イメージセンサ21とレンズシートユニット10との光学密着を防止したりする観点から、第2レンズシート12とイメージセンサ21との間にスペーサを配置することが好ましい。

0059

<第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11及び第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12とイメージセンサ21の画素の配列方向について>
図9は、光透過部111,121の配列方向R11,R12とイメージセンサ21の画素の配列方向G1,G2との関係を示す図である。
実施形態では、図9(a)に示すように、イメージセンサ21の画素が光軸O方向(Z方向)に対して直交する2方向G1,G2(Y方向及びX方向)に配列され、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11は、画素の配列方向の1つの方向G1(Y方向)に平行であり、第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12は、画素の配列方向のもう1つの方向G2(X方向)に平行である例を示した。
このとき、光軸O方向(Z方向)から見て、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11と画素の配列方向の1つの方向G1となす角度β、第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12が画素の配列方向のもう1つの方向G2となす角度γは、いずれも0°である。

0060

これに限らず、図9(b)に示すように、例えば、光軸O方向(Z方向)から見て、角度β及び角度γは、0°〜10°の範囲内であれば、光学的な機能は維持されるので、この範囲内で適宜選択して設定してよい。
このような形態とすることにより、イメージセンサ21とレンズシートユニット10(第1レンズシート11及び第2レンズシート12)との位置合わせが容易となり、製造作業の簡略化や作業時間の短縮、歩留りの向上等を図ることができる。
なお、図9(b)では、画素の配列方向G1,G2は、それぞれY方向及びX方向に平行である例を示しているが、これに限らず、光透過部111,121の配列方向R11,R12がY方向及びX方向に平行であり、画素の配列方向G1,G2とそれぞれ角度β,γをなす形態としてもよいし、画素の配列方向G1,G2及び光透過部111,121の配列方向R11,R12が、それぞれ角度β,γをなし、かつ、いずれもY方向及びX方向に平行でない形態としてもよい。

0061

変形形態
以上説明した実施形態等に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)単位レンズ形状112,122の凹形状は、例えば、光透過部111,121の配列方向及び各レンズシートの厚さ方向(Z方向)における断面形状が、シート面に長軸が直交する楕円の一部形状や他の曲線形状、多角形形状等としてもよし、底部が円弧等の曲線であり、単位レンズ形状112,122間の凸部側が直線からなる形状としてもよい。
また、単位レンズ形状112,122は、配列ピッチPが、レンズ開口幅D1よりも大きい形態とし、単位レンズ形状122,122間の凸部の頂部が、シート面に平行な平面を有する形態としてもよい。このような形態とすることにより、凸部が破損し難くなり、第1レンズシート11及び第2レンズシート12のハンドリングが容易となる。

0062

(2)レンズシートユニット10は、第1レンズシート11及び第2レンズシート12に加えて、他の光学シート機能層等を備えていてもよい。
例えば、第1レンズシート11よりも被写体側(+Z側)に、赤外線、特に、波長が700〜1100nmの領域である近赤外線遮蔽し、その以外の波長域の光を透過する機能を有する赤外線遮蔽シート又は赤外線遮蔽層を一体に積層してもよい。
赤外線遮蔽シート又は赤外線遮蔽層は、所定の波長域(700〜1100nm)の赤外線を吸収することにより遮蔽するものとしてもよいし、所定の波長域の赤外線を反射することにより遮蔽するものとしてもよい。

0063

このような赤外線遮蔽シート又は赤外線遮蔽層を備えることにより、ノイズを発生させ、画質の劣化を招く赤外線(特に、近赤外線)を遮蔽することができ、画質の向上を図ることができる。
なお、この赤外線遮蔽シート又は赤外線遮蔽層は、第1レンズシート11に一体に積層され、接合された形態とすることが、レンズシートユニット10のハンドリングを向上させ、撮像モジュール20、カメラ1の組み立て作業を容易とする観点から好ましい。

0064

(3)第1レンズシート11及び第2レンズシート12は、光透過部111,121及び光吸収部113,123よりも裏面11b,12b側に不図示の基材層を備える形態としてもよい。
このような形態とする場合、例えば、基材層の片面に光吸収部113,123を形成し、その上から紫外線硬化型樹脂等により光透過部111,121を賦形する製法を用いることにより、第1レンズシート11及び第2レンズシート12を製造できる。
第1レンズシート11及び第2レンズシート12は、クロストーク等を抑制する観点から、上述のような基材層は、厚みが小さい方が好ましい。従って、表面に剥離性を有する基材層を用い、基材層上に光吸収部113,123及び光透過部111,121を成形後に、基材層を剥離することが好ましい。また、基材層が剥離性を有していない場合には、基材層に相当する部分を削る等により、光吸収部113,123の裏面側端部から裏面までの厚みを薄くしてもよい。さらに、基材層が十分に薄い場合等には、基材層を積層した形態のままレンズシートとして使用してもよい。
なお、このような基材層を設ける場合、基材層の厚さは、約1〜50μmとすることが、迷光やクロストーク等を抑制する観点から好ましい。

0065

(4)光透過部111,121と光吸収部113,123との界面は、複数の平面からなる折れ面状となっていてもよいし、複数の平面と曲面とが複数組み合わされている形態としてもよい。

0066

(5)単位レンズ形状112,122の配列ピッチPやレンズ開口幅D1、曲率半径R、光透過部111,121の屈折率N1等は、第1レンズシート11と第2レンズシート12とで異なっていてもよい。

0067

(6)光吸収部113,123は、光吸収部113,123の端面が単位レンズ形状112,122間に位置し、レンズ形状面11a,12a側から裏面11b,12b側へ延びるように形成され、裏面11b,12b側にランド部114,124が形成される形態としてもよい。

0068

(7)第1レンズシート11及び第2レンズシート12には、その表裏面(レンズ形状面11a,12aと裏面11b,12b)とを区別しやすくするために、表裏判別用の切欠きを設けてもよい。
また、レンズシートユニット10の組み立てを容易にするために、アライメントマークを第1レンズシート11及び第2レンズシート12に設けてもよい。

0069

(8)イメージセンサ21の受光面の大きさは、撮像モジュール20が用いられるカメラ1の大きさや、所望する画質やカメラ性能等に応じて、適宜採用してよい。イメージセンサ21の受光面の大きさは、例えば、スマートフォン等の携帯端末に搭載される場合には横×縦のサイズが、4.8×3.6mmや4.4×3.3mm等、カメラ(主にコンパクトデジタルカメラ)等に搭載される場合には、6.2×4.7mm、7.5×5.6mm等が挙げられる。
また、例えば、23.6×15.8mm、36×24mm、43.8×32.8mm等の大きな受光面を有するイメージセンサ21を使用することにより、ノイズの低減や取得する焦点距離や被写界深度等の情報の精度や情報量の向上を図り、画質のさらなる向上や、カメラ1の性能向上を図ってもよい。

0070

なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。

0071

1撮像装置
10レンズシートユニット
11 第1レンズシート
12 第2レンズシート
13樹脂層
20撮像モジュール
21イメージセンサ
30筐体
31 開口部
32 保護シート

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