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技術 直線駆動装置

出願人 日本精工株式会社
発明者 大黒優也豊田俊郎西井大樹
出願日 2016年1月8日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-002195
公開日 2017年7月13日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-122485
状態 特許登録済
技術分野 伝動装置
主要キーワード 組み合わせ運動 丸ねじ 中間ナット リード差 外側ナット 滑りねじ のこ歯ねじ 直線駆動装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

差動ねじ機構を用いることで、軸方向寸法を低減しながら、高負荷容量化又は微小位置決め、高速位置決めのどちらかを実現可能な、低コスト直線駆動装置を提供する。

解決手段

ハウジング11に内嵌固定される外側ナット50と、外側ナット50に対して相対回転不能、且つ軸方向移動自在に配置されたねじ軸20と、外側ナット50とねじ軸20との間に配置された中間ナット30と、中間ナット30を回転駆動するモータ70と、中間ナット30に対して相対的に軸方向移動可能に係合して中間ナット30に回転力を伝達する回転伝達部80と、を備える。ねじ軸20の外周面と中間ナット30の内周面との間には、ボールねじ機構61が設けられ、中間ナット30の外周面と外側ナット50の内周面との間には、滑りねじ機構62が設けられる。

概要

背景

従来、モータを利用して回転運動直線運動に変換する直線駆動装置としては、ねじ機構を用いるものが多数提案されている。ねじ機構には、滑りねじと転がりねじがあり、滑りねじとしては、一般的な三角ねじ直線駆動に広く用いられている台形ねじがある。また、転がりねじとしては、ボールねじが広く用いられている。これらのねじ式の直線駆動装置において、モータとねじ機構とを減速機構を介さずに連結すると、1リード/1回転の直線駆動が可能となる。この直線駆動装置で大きな推力を発生させようとすると、トルク容量の大きなモータを用いるか、モータとねじ機構との間に、歯車プーリーなどを用いた減速機構を設ける、或いはねじ機構のリードを小さくする必要がある。

ここで、回転運動と直線運動の変換効率に優れるボールねじを用いる場合、リードを小さくするためには、転がりねじの構造上の制約からボールの大きさはリードよりも小さくする必要である。このため、ボール径が小さくなって負荷容量不足となる問題がある。また、高速動作を行わせようとした場合、リードを大きくする必要があるが、軸径を変えずにリードを大きくすると、ねじ溝の軸方向に対する傾き角度が大きくなり過ぎ、円滑な動作が得られなくなる虞がある。

これらの問題を解決するため、仕様の異なる2つのボールねじ機構同軸上に配置した直線駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1の直線駆動装置は、2つのボールねじ機構を同軸、且つ直列に配置して差動ボールねじ機構を構成している。この直線駆動装置によれば、2つのボールねじ部のねじ溝の方向を互いに同方向にすると、2つのボールねじ部のリード差見かけ上のリード(1回転当たりに進む距離)となるため、ボール径に対する制約が無くなり、ボール径が大きく、負荷容量の高いボールねじを使用することができる。その結果、ボールねじを用いて大きな推力の発生、或いは微小位置決めが可能な直線駆動装置が得られる。また、2つのねじ部のねじ溝の方向を互いに逆方向にすると、2つのボールねじ部のリード和が見かけ上のリードとなり、高速作動が可能となる。

特許文献2の直線駆動装置は、仕様の異なる2つのボールねじ機構を同軸上、且つ径方向に二重に配置して差動ボールねじ機構を構成している。この直線駆動装置によれば、軸方向寸法を低減しながら、微小位置決めや大きな推力の発生、又は、高速位置決めが実現可能な直線駆動装置が得られる。

概要

差動ねじ機構を用いることで、軸方向寸法を低減しながら、高負荷容量化又は微小位置決め、高速位置決めのどちらかを実現可能な、低コストの直線駆動装置を提供する。ハウジング11に内嵌固定される外側ナット50と、外側ナット50に対して相対回転不能、且つ軸方向移動自在に配置されたねじ軸20と、外側ナット50とねじ軸20との間に配置された中間ナット30と、中間ナット30を回転駆動するモータ70と、中間ナット30に対して相対的に軸方向移動可能に係合して中間ナット30に回転力を伝達する回転伝達部80と、を備える。ねじ軸20の外周面と中間ナット30の内周面との間には、ボールねじ機構61が設けられ、中間ナット30の外周面と外側ナット50の内周面との間には、滑りねじ機構62が設けられる。

目的

本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、差動ねじ機構を用いることで、軸方向寸法を低減しながら、微小位置決めや大きな推力の発生、又は、高速位置決めのどちらかを実現可能な、低コストの直線駆動装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ハウジングと、前記ハウジングに内嵌固定される外側ナットと、前記外側ナットと同心状に位置し、前記外側ナットに対して相対回転不能、且つ軸方向移動自在に配置されたねじ軸と、前記ねじ軸及び前記外側ナットと同心状に位置し、前記外側ナットと前記ねじ軸との間に配置された中間ナットと、前記中間ナットを回転駆動する駆動装置と、前記中間ナットに対して相対的に軸方向移動可能に係合して、前記駆動装置の回転力を前記中間ナットに伝達する回転伝達部と、を備え、前記ねじ軸の外周面と前記中間ナットの内周面との間と、前記中間ナットの外周面と前記外側ナットの内周面との間とのいずれか一方には、一対のボールねじ溝間に複数のボール転動自在に配設されたボールねじ機構が設けられ、前記ねじ軸の外周面と前記中間ナットの内周面との間と、前記中間ナットの外周面と前記外側ナットの内周面との間とのいずれか他方には、互いに回転摺動する滑りねじ溝を有する滑りねじ機構が設けられることを特徴とする直線駆動装置

請求項2

前記ボールねじ機構のリードは、前記滑りねじ機構のリードよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の直線駆動装置。

請求項3

前記駆動装置は、軸方向において前記外側ナットと重なり、且つ前記外側ナットの径方向外方に配設されることを特徴とする請求項1又は2に記載の直線駆動装置。

技術分野

0001

本発明は、直線駆動装置に関し、より詳細には、微小位置決めや大きな推力の発生、又は、高速位置決めが可能な直線駆動装置に関する。

背景技術

0002

従来、モータを利用して回転運動直線運動に変換する直線駆動装置としては、ねじ機構を用いるものが多数提案されている。ねじ機構には、滑りねじと転がりねじがあり、滑りねじとしては、一般的な三角ねじ直線駆動に広く用いられている台形ねじがある。また、転がりねじとしては、ボールねじが広く用いられている。これらのねじ式の直線駆動装置において、モータとねじ機構とを減速機構を介さずに連結すると、1リード/1回転の直線駆動が可能となる。この直線駆動装置で大きな推力を発生させようとすると、トルク容量の大きなモータを用いるか、モータとねじ機構との間に、歯車プーリーなどを用いた減速機構を設ける、或いはねじ機構のリードを小さくする必要がある。

0003

ここで、回転運動と直線運動の変換効率に優れるボールねじを用いる場合、リードを小さくするためには、転がりねじの構造上の制約からボールの大きさはリードよりも小さくする必要である。このため、ボール径が小さくなって負荷容量不足となる問題がある。また、高速動作を行わせようとした場合、リードを大きくする必要があるが、軸径を変えずにリードを大きくすると、ねじ溝の軸方向に対する傾き角度が大きくなり過ぎ、円滑な動作が得られなくなる虞がある。

0004

これらの問題を解決するため、仕様の異なる2つのボールねじ機構同軸上に配置した直線駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1の直線駆動装置は、2つのボールねじ機構を同軸、且つ直列に配置して差動ボールねじ機構を構成している。この直線駆動装置によれば、2つのボールねじ部のねじ溝の方向を互いに同方向にすると、2つのボールねじ部のリード差見かけ上のリード(1回転当たりに進む距離)となるため、ボール径に対する制約が無くなり、ボール径が大きく、負荷容量の高いボールねじを使用することができる。その結果、ボールねじを用いて大きな推力の発生、或いは微小位置決めが可能な直線駆動装置が得られる。また、2つのねじ部のねじ溝の方向を互いに逆方向にすると、2つのボールねじ部のリード和が見かけ上のリードとなり、高速作動が可能となる。

0005

特許文献2の直線駆動装置は、仕様の異なる2つのボールねじ機構を同軸上、且つ径方向に二重に配置して差動ボールねじ機構を構成している。この直線駆動装置によれば、軸方向寸法を低減しながら、微小位置決めや大きな推力の発生、又は、高速位置決めが実現可能な直線駆動装置が得られる。

先行技術

0006

特開2001−21019号公報
特開2004−301135号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1の直線駆動装置によると、ねじ部が同軸、且つ直列に配置されるので、軸方向寸法が大きくなり、自動車などのように取り付けスペースが限られた用途に用いることは困難である。また、特許文献2の直線駆動装置によると、ボールねじは回転運動と直線運動の変換効率に優れる一方で、ボールが転がり接触するねじ溝の仕上げ加工やボールの循環構造にかかる費用が嵩むという問題があり、改善の余地があった。

0008

本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、差動ねじ機構を用いることで、軸方向寸法を低減しながら、微小位置決めや大きな推力の発生、又は、高速位置決めのどちらかを実現可能な、低コストの直線駆動装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)ハウジングと、
前記ハウジングに内嵌固定される外側ナットと、
前記外側ナットと同心状に位置し、前記外側ナットに対して相対回転不能、且つ軸方向移動自在に配置されたねじ軸と、
前記ねじ軸及び前記外側ナットと同心状に位置し、前記外側ナットと前記ねじ軸との間に配置された中間ナットと、
前記中間ナットを回転駆動する駆動装置と、
前記中間ナットに対して相対的に軸方向移動可能に係合して、前記駆動装置の回転力を前記中間ナットに伝達する回転伝達部と、
を備え、
前記ねじ軸の外周面と前記中間ナットの内周面との間と、前記中間ナットの外周面と前記外側ナットの内周面との間とのいずれか一方には、一対のボールねじ溝間に複数のボールが転動自在に配設されたボールねじ機構が設けられ、
前記ねじ軸の外周面と前記中間ナットの内周面との間と、前記中間ナットの外周面と前記外側ナットの内周面との間とのいずれか他方には、互いに回転摺動する滑りねじ溝を有する滑りねじ機構が設けられることを特徴とする直線駆動装置。
(2) 前記ボールねじ機構のリードは、前記滑りねじ機構のリードよりも大きいことを特徴とする(1)に記載の直線駆動装置。
(3) 前記駆動装置は、軸方向において前記外側ナットと重なり、且つ前記外側ナットの径方向外方に配設されることを特徴とする(1)又は(2)に記載の直線駆動装置。

発明の効果

0010

本発明の直線駆動装置によれば、ハウジングに内嵌固定される外側ナットと、外側ナットに対して相対回転不能、且つ軸方向移動自在に配置されたねじ軸と、外側ナットとねじ軸との間に配置された中間ナットと、中間ナットを回転駆動する駆動装置と、中間ナットに対して相対的に軸方向移動可能に係合して中間ナットを回転駆動する回転伝達部と、を備える。ねじ軸の外周面と中間ナットの内周面との間と、中間ナットの外周面と外側ナットの内周面との間とのいずれか一方にはボールねじ機構が設けられ、他方には滑りねじ機構が設けられるので、ボールねじ機構及び滑りねじ機構のねじ溝の方向を互いに同方向、又は逆方向にすることで、微小位置決めや大きな推力の発生、又は、高速位置決めのどちらかを実現することができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明に係る第1実施形態の直線駆動装置の断面図である。
本発明に係る第2実施形態の直線駆動装置の断面図である。
本発明に係る第3実施形態の直線駆動装置の断面図である。
本発明に係る第4実施形態の直線駆動装置の断面図である。

実施例

0012

以下、本発明に係る直線駆動装置の各実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。

0013

(第1実施形態)
まず、図1を参照して、本発明に係る直線駆動装置の第1実施形態について説明する。
本実施形態の直線駆動装置10Aは、ハウジング11と、ねじ軸20と、中間ナット30と、外側ナット50と、差動ねじ機構60を構成するボールねじ機構61及び滑りねじ機構62と、駆動装置としてのモータ70と、回転伝達部80とを備え、モータ70の回転運動を直線運動に変換してねじ軸20に出力する。
ねじ軸20、中間ナット30、外側ナット50、及びハウジング11は、この順で径方向外方に向かって同軸上に配置されている。

0014

ねじ軸20は、外周面に螺旋状のボールねじ溝21を有し、不図示の支持機構により、ハウジング11に対して軸方向移動自在、且つ相対回転不能に支持されている。

0015

中間ナット30は、ねじ軸20と同軸に設けられ、内周面には、螺旋状のボールねじ溝31が形成されている。ねじ軸20のボールねじ溝21と中間ナット30のボールねじ溝31により形成される転動路32には、複数のボール33が転動自在に配設されている。

0016

また、中間ナット30の内周面の一部に形成された嵌合溝34には、循環溝35を有する駒部材36が配置されている。ねじ軸20のボールねじ溝21、駒部材36の循環溝35、及び中間ナット30のボールねじ溝31は、循環路を形成し、複数のボール33を循環転動させる。なお、循環路の形成は、駒部材36による式に限定されず、循環パイプ式、エンドキャップ式、中間ナット30への直接鍛造式、などであってもよい。

0017

これにより、ねじ軸20のボールねじ溝21、中間ナット30のボールねじ溝31、及び複数のボール33は、ボールねじ機構61を構成しており、ねじ軸20と中間ナット30とが、ボールねじ機構61を介して軸方向に相対移動可能に連結されている。

0018

また、中間ナット30の外周面には、台形ねじなどの滑りねじ溝38が形成されている。

0019

外側ナット50は、ハウジング11に内嵌固定されて中間ナット30の径方向外方に配設されている。外側ナット50の内周面には、中間ナット30の滑りねじ溝38に螺合する台形ねじなどの滑りねじ溝51が形成されている。
これにより、中間ナット30の滑りねじ溝38と外側ナット50の滑りねじ溝51は、滑りねじ機構62を構成しており、中間ナット30と外側ナット50とは、滑りねじ機構62を介して軸方向に相対移動可能に連結されている。

0020

モータ70及び回転伝達部80は、差動ねじ機構60の軸方向側方で、ハウジング11とねじ軸20との間に配設されている。モータ70は、ハウジング11に固定されたステータ71と、転がり軸受73を介してハウジング11に回転自在に配設されたロータ72と、を備える。ロータ72は、回転伝達部80を介して中間ナット30に連結されている。具体的には、ロータ72に固定される嵌合部材75に形成された雌スプライン74が、中間ナット30の軸部40に形成された雄スプライン39にスプライン嵌合して、回転伝達部80を構成する。
これにより、中間ナット30は、モータ70により回転駆動されると共に、モータ70に対して軸方向移動自在となる。なお、ハウジング11には、中間ナット30の軸部40の側方に、軸部40と当接してねじ軸20のストッパとして機能する壁部12が設けられている。

0021

中間ナット30の内周面に形成されたボールねじ溝31と、外周面に形成された滑りねじ溝38の巻き方向は、互いに同じ方向であっても、逆方向であってよく、直線駆動装置10Aの用途(高負荷容量化又は微小位置決め、高速位置決め)によって選択される。微小位置決めのために、巻き方向が互いに同じ方向が選択される場合、両者のリードを互いに異ならせる。また、高速位置決めのために、巻き方向が互いに逆方向が選択される場合、両者のリードは同じであってもよく、異ならせてもよい。

0022

本実施形態の作用を説明する。本発明の一実施形態である直線駆動装置10Aは、図1に示すように、モータ70の作動によりロータ72が回転すると、ロータ72の回転は、互いにスプライン嵌合する回転伝達部80としての軸部40の雄スプライン39及び嵌合部材75の雌スプライン74を介して中間ナット30に伝達されて中間ナット30が回転する。

0023

外側ナット50の滑りねじ溝51に滑りねじ溝38が螺合する中間ナット30は、外側ナット50がハウジング11に固定されているため、中間ナット30の回転に伴って滑りねじ機構62(滑りねじ溝38,51)のリード分だけ軸方向に直線移動する。即ち、中間ナット30は、回転および直線移動の組み合わせ運動である螺進を行う。このとき、中間ナット30は、モータ70に対して軸方向に相対移動するが、回転伝達部80によってこの相対移動が許容される。

0024

この中間ナット30の回転は、ボールねじ機構61を介して連結され、ハウジング11に対して軸方向移動自在、且つ相対回転不能に支持されるねじ軸20を、ボールねじ機構61のリード分だけ軸方向に相対的に直線移動させる。

0025

これにより、ねじ軸20は、滑りねじ機構62のリードによる移動量と、ボールねじ機構61のリードによる移動量と、の差または和の距離だけハウジング11に対して直線移動する。ねじ軸20の移動量が、両リードの差になるか和になるかは、ボールねじ機構61及び滑りねじ機構62のねじ溝31,38の巻き方向によって決まる。

0026

具体的には、中間ナット30の内周面に形成されたボールねじ溝31と、外周面に形成された滑りねじ溝38の巻き方向が同じである場合、ねじ軸20の中間ナット30に対する相対移動の方向は、滑りねじ機構62による中間ナット30の移動方向とは逆方向になる。従って、ねじ軸20は、中間ナット30が1回転したとき、ボールねじ溝31と滑りねじ溝38(ボールねじ機構61と滑りねじ機構62)のリード差分だけ直線移動することになる。

0027

このように、ボールねじ溝31(ボールねじ機構61)のリードを大きくしてもねじ軸20の移動量を小さくできるので、ボールねじ機構61のボール33の直径を大きくすることができ、直線駆動装置10Aの負荷容量を大きくすることができる。また、このようにねじ軸20の移動量は、ボールねじ溝31と滑りねじ溝38のリード差分となるので、減速機構として機能し、別途減速機構を設けることなく駆動トルクの小さい小型のモータ70で、大きな推力を発生することができる。また、モータ70の1回転当たり、ねじ軸20が進む距離を小さくでき、微小位置決めが可能となる。

0028

また、上記とは逆に、中間ナット30の内周面に形成されたボールねじ溝31と、外周面に形成された滑りねじ溝38の巻き方向が逆方向である場合、ねじ軸20は、中間ナット30が1回転したとき、ボールねじ溝31と滑りねじ溝38(ボールねじ機構61と滑りねじ機構62)のリード和分だけ直線移動することになる。これにより、両ねじ溝31,38の傾きを極度に大きくすることなく、大きなリードが得られ、高速移動が可能になる。

0029

このように、本実施形態の直線駆動装置10Aは、ボールねじ機構61と滑りねじ機構62とを径方向に二重に設けることで、軸方向寸法を抑制しながら、減速機構を設けなくとも小型のモータ70で大きな推力を発生させるか、又は微小位置決めを行うことができる。また、増速機構を設けることなく、高速での位置決めを行うことが可能となる。

0030

また、ボールねじ機構61と、比較的安価な滑りねじ機構62と、を併用しているため、高価なボールねじ機構61を2個用いる構成と比べてコストを抑制することができる。
さらに、ボールねじ機構61のリードは、滑りねじ機構62のリードよりも大きいので、大きなリードが要求される部分にボールねじ機構61を適用し、小さなリードが要求される部分に滑りねじ機構62を適用し、摩擦抵抗を小さくしつつ、小型化を図ることができる。
特に、ボールねじ機構61と滑りねじ機構62のリード差分によって微小位置決めを行う場合には、必然的に、リードの大きさを異ならせるので、大きなリードが要求される部分にボールねじ機構61を適用し、小さなリードが要求される部分に滑りねじ機構62を適用することが好ましい。

0031

以上説明したように、本実施形態の直線駆動装置10Aによれば、ハウジング11に内嵌固定される外側ナット50と、外側ナット50に対して相対回転不能、且つ軸方向移動自在に配置されたねじ軸20と、外側ナット50とねじ軸20との間に配置された中間ナット30と、中間ナット30を回転駆動するモータ70と、中間ナット30に対して相対的に軸方向移動可能に係合してモータ70の回転力を中間ナット30に伝達する回転伝達部80と、を備える。ねじ軸20の外周面と中間ナット30の内周面との間には、ボールねじ機構61が設けられ、中間ナット30の外周面と外側ナット50の内周面との間には、滑りねじ機構62が設けられるので、ボールねじ機構61のボールねじ溝31、及び滑りねじ機構62の滑りねじ溝38の方向を互いに同方向、又は逆方向にすることで、直線駆動装置10Aにより、微小位置決めや大きな推力の発生、又は、高速位置決めのどちらかを行うことができる。

0032

また、ボールねじ機構61のボールねじ溝31と、滑りねじ機構62の滑りねじ溝38とは、巻き方向が互いに同方向であり、且つ互いに異なるリードを有するので、直線駆動装置10Aで微小位置決めや大きな推力の発生を行うことができる。

0033

また、ボールねじ機構61のボールねじ溝31と、滑りねじ機構62の滑りねじ溝38とは、巻き方向が互いに逆方向に形成されるので、直線駆動装置10Aを高速位置決めすることができる。

0034

(第2実施形態)
次に、図2を参照して、本発明に係る直線駆動装置の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の直線駆動装置10Bは、モータ70の配置が異なる以外、第1実施形態の直線駆動装置10Aと同じであるので、同一又は同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。

0035

本実施形態のモータ70は、ハウジング11に対して軸方向移動自在なスライダ13上に配設されている。モータ70の回転軸76は、中間ナット30のストッパとして機能する壁部12aに設けられた連結孔14を貫通して、中間ナット30に結合されている。

0036

そして、中間ナット30がモータ70により回転駆動されると、中間ナット30は、第1実施形態と同様に、回転しながら、滑りねじ機構62(滑りねじ溝38,51)のリード分だけ軸方向に直線移動する螺進を行う。このときモータ70は、スライダ13の作用により中間ナット30と共に直線移動する。

0037

この中間ナット30の回転は、ボールねじ機構61を介して連結され、ハウジング11に対して軸方向移動自在、且つ相対回転不能に支持されるねじ軸20を、ボールねじ機構61のリード分だけ軸方向に相対的に直線移動させる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態の直線駆動装置10Aと同様である。

0038

(第3実施形態)
次に、図3を参照して、本発明に係る直線駆動装置の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態の直線駆動装置10Cは、ねじ機構61,62の配置が第1実施形態の直線駆動装置10Aと逆であり、滑りねじ機構62が内径側に配置され、ボールねじ機構61が外径側に配置されている。それ以外の構成は、第1実施形態の直線駆動装置10Aと同じであるので、第1実施形態と同一又は同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。

0039

図3に示すように、本実施形態の直線駆動装置10Cのねじ軸20の外周面には、例えば、台形ねじなどの滑りねじ溝22が形成されている。また、中間ナット30の内周面には、滑りねじ溝41が形成されて、ねじ軸20の滑りねじ溝22と螺合する。即ち、ねじ軸20の滑りねじ溝22と中間ナット30の滑りねじ溝41は、滑りねじ機構62を構成しており、ねじ軸20と中間ナット30とは、滑りねじ機構62を介して軸方向に相対移動可能に連結されている。

0040

中間ナット30の外周面には、螺旋状のボールねじ溝42が形成されている。また、外側ナット50の内周面には、螺旋状のボールねじ溝52が形成されている。ボールねじ溝42とボールねじ溝52により形成される転動路32には、複数のボール33が転動自在に配設されている。

0041

外側ナット50には、複数のボール33を循環するための循環溝53を有する循環パイプ54が配置されている。中間ナット30のボールねじ溝42、外側ナット50のボールねじ溝52、及び循環パイプ54の循環溝53は、循環路を形成し、複数のボール33を循環転動させる。即ち、中間ナット30のボールねじ溝42、外側ナット50のボールねじ溝52、及び複数のボール33は、ボールねじ機構61を構成しており、中間ナット30と外側ナット50とは、ボールねじ機構61を介して軸方向に相対移動可能に連結されている。

0042

本実施形態の作用を説明する。図3に示すように、モータ70の作動により回転伝達部80を介して中間ナット30が回転すると、中間ナット30は、ボールねじ機構61(ボールねじ溝42、52)のリード分だけ軸方向に相対的に直線移動する。

0043

また、この中間ナット30の回転は、滑りねじ機構62を介して連結されているねじ軸20を、滑りねじ機構62のリード分だけ軸方向に相対的に直線移動させる。

0044

これにより、ねじ軸20は、ボールねじ機構61のリードによる移動量と、滑りねじ機構62のリードによる移動量と、の差または和の距離だけハウジング11に対して直線移動する。ねじ軸20の移動量が、両リードの差になるか和になるかは、第1実施形態と同様、ボールねじ機構61及び滑りねじ機構62のねじ溝41,42の巻き方向によって決まる。

0045

このように、本実施形態の直線駆動装置10Cは、滑りねじ機構62とボールねじ機構61とを径方向に二重に設けることで、軸方向寸法を抑制しながら、減速機構を設けなくとも小型のモータ70で大きな推力を発生させるか、又は微小位置決めを行うことができる。或いは、増速機構を設けることなく、高速での位置決を行うことが可能となる。

0046

また、ボールねじ機構61と、比較的安価な滑りねじ機構62と、を併用しているため、高価なボールねじ機構61を2個用いる構成と比べてコストを抑制することができる。また、ボールねじ機構61が、径方向外方に配置されているため、ボール33などの転動体の循環構造(図に示す実施形態では循環パイプ54)を、非可動部である外側ナット50やハウジング11に設けることができるため、振動やコスト、サイズの観点から有利である。
その他の構成及び作用効果については、第1実施形態の直線駆動装置10Aと同様である。

0047

(第4実施形態)
次に、図4を参照して、本発明に係る直線駆動装置の第4実施形態について説明する。
なお、本実施形態の直線駆動装置10Dは、モータ70及び回転伝達部80の設置位置が、ボールねじ機構61及び滑りねじ機構62と軸方向で重なり、且つ径方向外方に配置されている以外、第1実施形態の直線駆動装置10Aと同じであるので、同一又は同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。

0048

図4に示すように、本実施形態の直線駆動装置10Dは、略円筒状連結部材45を備え、その軸方向一端部から内径側に延びるフランジ部46が中間ナット30の一端(図4の左端)に固定されている。即ち、連結部材45は、中間ナット30と滑りねじ機構62によって連結された外側ナット50の径方向外方に配置される。連結部材45の外周面には、雄スプライン39が形成されて、ロータ72に固定された嵌合部材75の雌スプライン74とスプライン嵌合する。

0049

また、ハウジング11は、連結部材45の軸方向一端部とは逆方向の軸方向一端部にフランジ部15を有し、連結部材45より大径の略円筒状に形成される。したがって、ハウジング11は、その内部空間に連結部材45を収容し、そのフランジ部15が外側ナット50の軸方向他端部(図4の右端)に固定されている。即ち、ハウジング11は、連結部材45より径方向外方に配置されて、ハウジング11の内周面と連結部材45の外周面との間に、モータ室となる空間47を形成する。

0050

ハウジング11の内周面には、ステータ71が固定されている。また、ロータ72は、連結部材45の雄スプライン39とスプライン嵌合する雌スプライン74が形成された嵌合部材75と固定され、転がり軸受73を介して回転自在に配設されている。これにより、モータ70は、ボールねじ機構61及び滑りねじ機構62と軸方向で重なり、且つ径方向外方となるハウジング11の内周面と連結部材45の外周面との間の空間47に収容される。

0051

以上説明したように、本実施形態の直線駆動装置10Dによれば、モータ70は、軸方向において外側ナット50と重なり、且つ外側ナット50の径方向外方に配設されるので、第1実施形態〜第3実施形態の直線駆動装置10A〜10Cと比較して、直線駆動装置10Dの軸方向寸法をさらに低減することができる。
その他の構成及び作用効果については、第1実施形態の直線駆動装置10Aと同様である。

0052

尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、滑りねじ機構は、台形ねじに限定されず、三角ねじ、角ねじのこ歯ねじ丸ねじテーパねじなどであってもよい。また、ボールねじ機構は、ボールねじに限定されず、ローラねじとしてもよい。更に、ボールねじ機構の転動体の循環構造は、駒式としたが、エンドデフレクタ式、チューブ式エンドギャップ式のいずれの方式も採用可能である。また、差動ねじ機構以外の、例えば駆動装置や回転伝達部などの構成は、本実施形態に限定されるものではない。

0053

以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1)ハウジングと、
前記ハウジングに内嵌固定される外側ナットと、
前記外側ナットと同心状に位置し、前記外側ナットに対して相対回転不能、且つ軸方向移動自在に配置されたねじ軸と、
前記ねじ軸及び前記外側ナットと同心状に位置し、前記外側ナットと前記ねじ軸との間に配置された中間ナットと、
前記中間ナットを回転駆動する駆動装置と、
前記中間ナットに対して相対的に軸方向移動可能に係合して、前記駆動装置の回転力を前記中間ナットに伝達する回転伝達部と、
を備え、
前記ねじ軸の外周面と前記中間ナットの内周面との間と、前記中間ナットの外周面と前記外側ナットの内周面との間とのいずれか一方には、一対のボールねじ溝間に複数のボールが転動自在に配設されたボールねじ機構が設けられ、
前記ねじ軸の外周面と前記中間ナットの内周面との間と、前記中間ナットの外周面と前記外側ナットの内周面との間とのいずれか他方には、互いに回転摺動する滑りねじ溝を有する滑りねじ機構が設けられることを特徴とする直線駆動装置。
(2) 前記ボールねじ機構のリードは、前記滑りねじ機構のリードよりも大きいことを特徴とする(1)に記載の直線駆動装置。
(3) 前記ボールねじ機構のボールねじ溝と、前記滑りねじ機構の滑りねじ溝とは、巻き方向が互いに同方向であり、且つ互いに異なるリードを有することを特徴とする(1)に記載の直線駆動装置。
(4) 前記ボールねじ機構のボールねじ溝と、前記滑りねじ機構の滑りねじ溝とは、巻き方向が互いに逆方向に形成されることを特徴とする(1)に記載の直線駆動装置。
(5) 前記駆動装置は、軸方向において前記外側ナットと重なり、且つ前記外側ナットの径方向外方に配設されることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の直線駆動装置。

0054

10A〜10D直線駆動装置
11ハウジング
20 ねじ軸
21,31,42,52ボールねじ溝
22,38,41,51滑りねじ溝
30中間ナット
33ボール
39雄スプライン(回転伝達部)
50外側ナット
60差動ねじ機構
61ボールねじ機構
62滑りねじ機構
70モータ(駆動装置)
74雌スプライン(回転伝達部)
80 回転伝達部

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