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技術 免震構造

出願人 株式会社大林組
発明者 三輪田吾郎
出願日 2016年1月7日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2016-001561
公開日 2017年7月13日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2017-122344
状態 特許登録済
技術分野 異常な外部の影響に耐えるための建築物 防振装置 振動減衰装置
主要キーワード ハニカム構造部材 最大圧縮荷重 ハニカム状部材 衝突箇所 正六角柱 衝突部位 樹脂製材料 フランジ板
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年7月13日)のものです。
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図面 (8)

課題

緩衝部材脱落を防止する。

解決手段

上部構造と、下部構造と、上部構造と下部構造との間に設けられた免震装置と、上部構造と下部構造との衝突による衝撃を緩和する衝撃緩和部と、を備えた免震構造であって、衝撃緩和部は、上部構造、又は、下部構造に配置された緩衝部材と、緩衝部材の下部、側部、及び、端面を覆って前記上部構造、又は、下部構造に固定され、前記緩衝部材を収容する収容部と、を有する。

概要

背景

上部構造下部構造との間に免震装置(例えば積層ゴム)を備えた免震構造が知られている。また、下部構造に壁部(例えば擁壁基礎)を設け、上部構造と下部構造との水平方向の相対変位が過大となる場合に上部構造を壁部に衝突させて変位を抑制するようにしたものが知られている。この場合、上部構造が壁部に衝突すると、衝突による力で上部構造や壁部が損傷するおそれがある。そこで、上部構造又は壁部に、衝突の衝撃を緩和する緩衝部材を設けたものが提案されている。例えば、特許文献1では、板状の緩衝部材(ハニカム状部材)を複数層に積層して配置している、

概要

緩衝部材の脱落を防止する。上部構造と、下部構造と、上部構造と下部構造との間に設けられた免震装置と、上部構造と下部構造との衝突による衝撃を緩和する衝撃緩和部と、を備えた免震構造であって、衝撃緩和部は、上部構造、又は、下部構造に配置された緩衝部材と、緩衝部材の下部、側部、及び、端面を覆って前記上部構造、又は、下部構造に固定され、前記緩衝部材を収容する収容部と、を有する。

目的

本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その目的とする

効果

実績

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請求項1

上部構造と、下部構造と、前記上部構造と前記下部構造との間に設けられた免震装置と、前記上部構造と前記下部構造との衝突による衝撃を緩和する衝撃緩和部と、を備えた免震構造であって、前記衝撃緩和部は、前記上部構造、又は、前記下部構造に配置された緩衝部材と、前記緩衝部材の下部、側部、及び、端面を覆って前記上部構造、又は、前記下部構造に固定され、前記緩衝部材を収容する収容部と、を有することを特徴とする免震構造。

請求項2

請求項1に記載の免震構造であって、前記収容部は、前記緩衝部材が配置されていない箇所で、前記上部構造、又は、前記下部構造に固定されていることを特徴とする免震構造。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の免震構造であって、前記収容部は、耐火構造であることを特徴とする免震構造。

請求項4

請求項1乃至請求項3の何れかに記載の免震構造であって、前記緩衝部材の下部を覆う前記収容部の部位には、水抜き孔が形成されていることを特徴とする免震構造。

請求項5

請求項1乃至請求項4の何れかに記載の免震構造であって、前記上部構造又は前記下部構造の一方に壁部が設けられており、前記壁部は、前記上部構造又は前記下部構造の他方と衝突する部位の厚さが、前記上部構造又は前記下部構造の他方と衝突しない部位の厚さよりも厚く形成されていることを特徴とする免震構造。

請求項6

請求項1乃至請求項5の何れかに記載の免震構造であって、前記緩衝部材と前記収容部とによる前記衝突の最大圧縮荷重は、前記緩衝部材のみによる前記衝突の最大圧縮荷重の1.04倍以内であることを特徴とする免震構造。

請求項7

請求項1乃至請求項6の何れかに記載の免震構造であって、前記収容部はアルミ製であることを特徴とする免震構造。

請求項8

請求項7に記載の免震構造であって、前記収容部は、亜鉛メッキした鉄板を介して、前記上部構造、又は、前記下部構造に固定されていることを特徴とする免震構造。

請求項9

請求項1乃至請求項8の何れかに記載の免震装置であって、前記緩衝部材は、複数層に重ねて配置されていることを特徴とする免震装置。

請求項10

請求項9に記載の免震構造であって、複数層の前記緩衝部材の各層は接着剤接着されていることを特徴とする免震構造。

技術分野

0001

本発明は、免震構造に関する。

背景技術

0002

上部構造下部構造との間に免震装置(例えば積層ゴム)を備えた免震構造が知られている。また、下部構造に壁部(例えば擁壁基礎)を設け、上部構造と下部構造との水平方向の相対変位が過大となる場合に上部構造を壁部に衝突させて変位を抑制するようにしたものが知られている。この場合、上部構造が壁部に衝突すると、衝突による力で上部構造や壁部が損傷するおそれがある。そこで、上部構造又は壁部に、衝突の衝撃を緩和する緩衝部材を設けたものが提案されている。例えば、特許文献1では、板状の緩衝部材(ハニカム状部材)を複数層に積層して配置している、

先行技術

0003

特開平2−88835号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1では、接着剤で緩衝部材の面同士を接着している。しかしながら、この場合、接着剤の経年劣化などにより、緩衝部材が剥がれて脱落するおそれがあった。

0005

本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、緩衝部材の脱落を防止することにある。

課題を解決するための手段

0006

かかる目的を達成するため、本発明発の免震構造は、上部構造と、下部構造と、前記上部構造と前記下部構造との間に設けられた免震装置と、前記上部構造と前記下部構造との衝突による衝撃を緩和する衝撃緩和部と、を備えた免震構造であって、前記衝撃緩和部は、前記上部構造、又は、前記下部構造に配置された緩衝部材と、前記緩衝部材の下部、側部、及び、端面を覆って前記上部構造、又は、前記下部構造に固定され、前記緩衝部材を収容する収容部と、を有することを特徴とする。
このような免震構造によれば、緩衝部材の下部、側部、及び、端面が収容部に覆われているので、緩衝部材の脱落を防止することができる。よって、長期に亘り、緩衝部材としての機能を保持することができる。

0007

かかる免震構造であって、前記収容部は、前記緩衝部材が配置されていない箇所で、前記上部構造、又は、前記下部構造に固定されていることが望ましい。
このような免震構造によれば、上部構造、又は、下部構造の壁部に収容部を確実に固定することができる。

0008

かかる免震構造であって、前記収容部は、耐火構造であることが望ましい。
このような免震構造によれば、中間層免震建物に適用することができる。

0009

かかる免震構造であって、前記緩衝部材の下部を覆う前記収容部の部位には、水抜き孔が形成されていることが望ましい。
このような免震構造によれば、結露などによって発生する水分を排出させることができる。

0010

かかる免震構造であって、前記上部構造又は前記下部構造の一方に壁部が設けられており、前記壁部は、前記上部構造又は前記下部構造の他方と衝突する部位の厚さが、前記上部構造又は前記下部構造の他方と衝突しない部位の厚さよりも厚く形成されていることが望ましい。
このような免震構造によれば、壁部の損傷を効率的に抑制することができる。また、衝突位置以外では壁部を薄く形成することでコストの低減や敷地面積の有効利用を図ることができる。

0011

かかる免震構造であって、前記緩衝部材と前記収容部とによる前記衝突の最大圧縮荷重は、前記緩衝部材のみによる前記衝突の最大圧縮荷重の1.04倍以内であることが望ましい。
このような免震構造によれば、収容部を緩衝材として機能させることができる。

0012

かかる免震構造であって、前記収容部はアルミ製であることが望ましい。
このような免震構造によれば、軽量で展性に優れた収容部を形成できる。

0013

かかる免震構造であって、前記収容部は、亜鉛メッキした鉄板を介して、前記上部構造、又は、前記下部構造に固定されていることが望ましい。
このような免震構造によれば、緩衝部材や収容部の荷重を鉄板で負担することができる。また、鉄板を亜鉛メッキすることで腐食の発生を抑制することができる。

0014

かかる免震構造であって、前記緩衝部材は、複数層に重ねて配置されていることが望ましい。
このような免震構造によれば、同じ厚みで圧縮強度を強くできる。

0015

かかる免震構造であって、複数層の前記緩衝部材の各層は接着剤で接着されていてもよい。
このような免震構造によれば、接着剤の経年劣化などによる緩衝部材の脱落を防止することができる。

発明の効果

0016

本発明によれば、緩衝部材の脱落を防止することができる。

図面の簡単な説明

0017

本実施形態の免震構造10の平面図である。
図2Aは図1のA断面図であり、図2Bは図1のB断面図である。
衝撃緩和部50の斜視図である。
図4Aは、衝撃緩和部50を上から見た図であり、図4Bは、衝撃緩和部50を前から見た図であり、図4Cは衝撃緩和部50を下から見た図である。また、図4Dは図4BのA−A断面図である。
緩衝部材70の説明図である。
図6Aは、カバー80を上から見た図であり、図6Bは、カバー80を前から見た図であり、図6Cは、カバー80を下から見た図である。また、図6Dは、カバー80の斜視図である。
衝撃緩和部50の圧縮荷重変位特性を示す図である。

実施例

0018

以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。

0019

===実施形態===
<免震構造の構成について>
図1は本実施形態の免震構造10の平面図である。また、図2Aは図1のA断面図であり、図2Bは図1のB断面図である。図に示すように、本実施形態の免震構造10は、上部構造20と、免震装置30と、下部構造40とを備えている。

0020

上部構造20は、例えば、建物、床、大型装置等の構造物である。また、本実施形態の上部構造20は、図1に示すように、平面形状が長方形の構造物であり、床22と、床梁24と、柱26とを有している。

0021

床22は、上部構造20の内部空間の下に位置する水平で平らな構造物である。

0022

床梁24は、床22を支えている梁であり、H形鋼で構成されている。床梁24は、床22の下部において、水平方向(縦方向及び横方向)に沿って格子状に設けられている。

0023

柱26は、図2Bに示すように鉛直方向に沿って設けられ、上部(屋根・梁・床など)の荷重を支えている。

0024

また、本実施形態では、図1に示すように、上部構造20の四隅の角部(コーナー部)に衝撃緩和部50を設けている。衝撃緩和部50の詳細については後述する。

0025

免震装置30は、上部構造20(より具体的には柱26の下方の部位)と下部構造40(より具体的には底部42)との間に介在されている。本実施形態の免震装置30は、積層ゴムタイプのものであり、積層体32(例えば、円形ゴム層鋼板とを上下に交互に積層してなる円柱状の弾性体)を、上下一対フランジ板31で挟んで構成されている。また、下側のフランジ板31は、不図示のボルトなどにより下部構造40(後述する底部42)に固定されており、上側のフランジ板31は、不図示のボルトなどにより上部構造20に固定されている。このような免震装置30は、高い鉛直剛性と低い水平剛性の特性を有しており、上部構造20と下部構造40との水平方向の相対変位に応じて、積層体32が水平方向にせん断変形(上側のフランジ板31と下側のフランジ板31とが水平方向に相対変位)する。また、免震装置30は、せん断変形しても元の位置(形状)に戻る復元機能も有している。このように免震装置30がせん断変形することにより、上部構造20の水平振動長周期化することができ、上部構造20の損傷などを抑制することができる(免震支承として機能する)。以下の説明において、この免震装置30による免震の層のことを免震層ともいう。

0026

下部構造40は、上部構造20を支持する構造物である。下部構造40は、底部42と、擁壁44(壁部に相当)とを有している。

0027

底部42は、免震構造10における免震層の下に位置する部位であり、免震装置30を介して上部構造20を支持する部位である。底部42は、擁壁44の下端と連続しており、擁壁44の内周側に形成されている。

0028

擁壁44は、上部構造20と下部構造40との水平方向の相対変位が大きいときに、過大変位を防止するための部位(ストッパー)であり、上部構造20とは一定の距離(所定距離に相当)を隔てて上方に立設されている。また擁壁44は、上部構造20及び免震層の周囲を囲むように形成されている。また、擁壁44の四隅の角部44Aは、上部構造20と下部構造40とが水平方向に過大変位したときに、上部構造20と衝突する部位であり、上部構造20に設けられた衝撃緩和部50と対向している。本実施形態では、この角部44Aの厚さを、擁壁44の他の部位(上部構造20と衝突しない部位)の厚さよりも厚く形成している(図2A、図2B参照)。これにより、衝突による擁壁44の損傷を抑制することができる。また、角部44A以外の擁壁44の厚さを薄くすることでコストの低減や敷地面積の有効利用を図ることができる。

0029

<衝撃緩和部50について>
図3は、衝撃緩和部50の斜視図である。また、図4Aは、衝撃緩和部50を上から見た図であり、図4Bは、衝撃緩和部50を前から見た図であり、図4Cは、衝撃緩和部50を下から見た図である。また、図4Dは、図4BのA−A断面図である。ここでは、図に示すように各方向を定めている。すなわち、鉄板60の面の法線方向を前後方向とし、鉄板60に対してカバー80が位置する側を「前」とし、その反対側を「後」とする。また、水平面において前後方向と直交する方向を左右方向とし、後側から前を見たときの右側を「右」とし、左側を「左」とする。また、前後方向及び左右方向と直交する方向を上下方向とし、カバー80の開放部分(緩衝部材70が露出している部分)に対して収容底部80Cのある側を「下」とし、その反対側を「上」とする。

0030

本実施形態の衝撃緩和部50は、鉄板60と、複数層に積層された緩衝部材70と、複数層の緩衝部材70を収容するカバー80(収容部に相当)とを有している。

0031

鉄板60は、緩衝部材70やカバー80の荷重を負担するための板状部材であり、鉄を亜鉛メッキして形成している。もし仮に、亜鉛メッキしていない場合、アルミニウム(カバー80の材料)と鉄と水分とにより金属腐食するおそれがある。本実施形態の鉄板60は、亜鉛メッキしているので、腐食の発生を抑制することができる。なお、本実施形態の鉄板60の厚さは約6mmである。

0032

また、鉄板60には、後述するカバー80のボルト孔81と対応する位置にボルト孔(不図示)が形成されている。そして、鉄板60の前面にカバー80を配置した状態で、アンカーボルト(不図示)によって、カバー80及び鉄板60が上部構造20にボルト接合される。つまり、鉄板60の後面が上部構造20との接合面になる。

0033

緩衝部材70は、板状の部材であり、法線方向(強軸方向)の荷重に対抗し、当該荷重が所定値に達すると降伏塑性変形)する部材である。なお、緩衝部材70としては、衝突対象(本実施形態では擁壁44の角部44A)よりも、圧縮時の剛性、又は、最大荷重耐力)の少なくとも一方が小さいものを用いる。

0034

図5は、緩衝部材70の構成を説明するための斜視図である。

0035

緩衝部材70は、板状部材71と、ハニカム構造部材72と、板状部材73とを有している。

0036

ハニカム構造部材72は、正六角柱形状の筒状部材が隙間無く配列されて形成されたものであり、2つの板状部材(板状部材71、板状部材73)の間に挟まれている。そして、ハニカム構造部材72は、板状部材71及び板状部材73の面の法線方向(強軸方向)の荷重が所定値に達すると降伏(塑性変形)する。なお、本実施形態のハニカム構造部材72は金属で形成されているが、これには限られず、例えばプラスチックで形成されていてもよい。

0037

この緩衝部材70は、鉄板60の前面に複数層に重ねて配置されている(図3等参照)。より具体的には、緩衝部材70は、外面(板状部材71又は板状部材73の外側の面)同士を接着剤で接着させることにより強軸方向に層状に重ねて設けられ、且つ、複数層の緩衝部材70の後側端面は、接着剤によって鉄板60の前面と接合されている。つまり、緩衝部材70の強軸方向(積層方向)が前後方向と平行になっている。また、複数層の緩衝部材70の前側端面はカバー80の収容前部80Aと対向している。

0038

カバー80は、複数層の緩衝部材70を収容する部材である。

0039

図6Aは、カバー80を上から見た図であり、図6Bは、カバー80を前から見た図であり、図6Cは、カバー80を下から見た図である。また、図6Dは、カバー80の斜視図である。なお、これらの図では図4図5と同様に方向を定めている。

0040

カバー80は、前述したように、複数層に積層された緩衝部材70を収容する部材である。本実施形態のカバー80は、軽量で、展性に富んだ金属であるアルミニウムで形成されている(アルミ製である)。換言すると、アルミニウムを用いることにより、軽量で展性に優れたカバー80を形成できる。これにより、カバー80は、緩衝材としても機能する(図7参照)。カバー80は、収容前部80A、一対の収容側部80B、収容底部80C、一対の固定部80D、及び、固定部80Eを有している。

0041

収容前部80Aは、複数層の緩衝部材70の前側端面(端面に相当)を覆う部位である。なお、複数層の緩衝部材70の前側端面と、カバー80の収容前部80Aとの間には隙間が設けられている。

0042

収容側部80Bは、複数層の緩衝部材70の両側部を覆う部位であり、左右方向に一対設けられている。なお、複数層の緩衝部材70の側部と、カバー80の収容側部80Bとの間にも隙間が設けられている。

0043

収容底部80Cは、複数層の緩衝部材70の底部(下部)を覆う部位である。また、収容底部80Cには、水抜き孔82が設けられている。水抜き孔82は、結露などによって緩衝部材70の収容部分に発生する水分をカバー80の外に排出させるための孔である。

0044

固定部80Dは、収容側部80Bの後端から外側(左右方向の外側)に延出する部位である。固定部80Dは、一対の収容側部80Bに対応して、左右方向に一対設けられている。一対の固定部80Dには、それぞれ、ボルト孔81が上下方向に間隔をあけて2つ設けられている。

0045

固定部80Eは、収容底部80Cの後端から外側(下側)に延長する部位である。固定部80Eには、ボルト孔81が左右方向に間隔をあけて2つ設けられている。なお、固定部80D及び固定部80Eは、複数層の緩衝部材70よりも外側に位置することになり、当該位置は、複数層の緩衝部材70が配置されていない箇所に相当する。

0046

そして、これらの各ボルト孔81と、鉄板60の対応するボルト孔(不図示)とが重なるようにカバー80を鉄板60の前面に配置した状態で、アンカーボルト(不図示)により、カバー80及び鉄板60を上部構造20にボルト接合する。このようにして、衝撃緩和部50が上部構造20に設けられる。本実施形態の免震構造10では、図1に示すように、上部構造20の四隅にそれぞれ2つ(合計8つ)の衝撃緩和部50が設けられている。

0047

免震建物免震動作について>
以下、本実施形態の免震構造10の動作について説明する。

0048

地震などの外力を受けると、上部構造20と下部構造40とが水平方向に相対変位する。このとき免震装置30がせん断変形し、上部構造20の水平方向の振動を長周期化する(振動を抑制する)。

0049

相対変位が過大になり、上部構造20と下部構造40の擁壁44(角部44A)との間隔が、衝撃緩和部50の前後方向の長さよりも小さくなると、下部構造40の擁壁44(角部44A)は、上部構造20の衝撃緩和部50と衝突する。仮に、衝撃緩和部50を設けていない場合、上部構造20が衝突の衝撃で損傷するおそれがある。また、仮に角部44Aが擁壁44の他の部位と同じ厚さである場合、衝突による衝撃で擁壁44が損傷するおそれがある。

0050

これに対し、本実施形態では、上部構造20と下部構造40との衝突部位に衝撃緩和部50を設けており、衝撃緩和部50の緩衝部材70及びカバー80が塑性変形することにより衝突による衝撃が緩和される。さらに、本実施形態では、擁壁44の衝突箇所(角部44A)の厚さ(衝突方向の厚さ)を他の部位よりも厚くしている。これにより、衝突による損傷を抑制することができる。

0051

この衝突により、衝撃緩和部50が潰れて、圧縮荷重を発揮し、上部構造20の応答変位を抑制する。衝撃緩和部50の圧縮荷重が上部構造20に作用するため、上部構造20の応答加速度層せん断力)が増大するが、衝撃緩和部50は擁壁44(角部44A)よりも剛性、耐力が小さい。よって、擁壁44の角部44Aと上部構造20とが衝突した場合よりも上部構造20の応答増大量が小さくなる。

0052

図7は、衝撃緩和部50の圧縮荷重—変位特性を示す図である。図7横軸は上部構造20と下部構造40との変位量(mm)であり、縦軸は圧縮荷重(kN)の大きさである。また、図において実線は、衝撃緩和部50にカバー80を設けている場合(カバー80が有る場合)の結果を示し、破線は、衝撃緩和部50にカバー80を設けてない場合(カバー80が無い場合)の結果を示している。なお、カバー80は、前述したようにアルミ製であり、カバー80の厚さは0.5mmである。

0053

図に示すように、変位量が約337mmで、上部構造20(衝撃緩和部50)と下部構造40とが衝突し、衝撃緩和部50が潰れて圧縮荷重が発生する。この際、カバー80の有無にかかわらず、ほぼ傾きで立ち上がっており、その後、圧縮荷重が最大になる。実線(カバー80有り)の最大圧縮荷重は約1100(kN)であり、破線(カバー80無し)の最大圧縮荷重は約1060(kN)であり、その差は約4%である。換言すると、カバー80有り(緩衝部材70とカバー80)の場合の最大圧縮荷重は、カバー80無し(緩衝部材70のみ)の場合の最大圧縮荷重の約1.04倍である。このように、カバー80の有無による違いはごく僅かであり、カバー80を設けることによる影響(カバー80が緩衝部材70の最大圧縮荷重に及ぼす影響)は非常に小さい。なお、本実施形態では、カバー80有りの場合の最大圧縮荷重が、カバー80無しの場合の最大圧縮荷重の約1.04倍であったが、この値(1.04倍)以内であることが望ましい。これにより、衝突時の荷重をカバー80が負担してしまわないようにでき、カバー80を緩衝材として用いることができる。

0054

以上、説明したように、本実施形態の免震構造10は、上部構造20と、下部構造40と、上部構造20と下部構造40の底部42との間に設けられた免震装置30と、上部構造20と下部構造40の擁壁44との衝突による衝撃を緩和する衝撃緩和部50とを備えている。また、衝撃緩和部50は、上部構造20に配置された緩衝部材70と、緩衝部材70の下部、側部、及び、前側端面を覆って上部構造20に固定され、緩衝部材70を収容するカバー80とを有している。

0055

これにより、本実施形態では、カバー80が緩衝部材70を収容しているので、緩衝部材70の脱落を防止することができる。よって、長期に亘り、緩衝材としての機能を保持することができる。

0056

===その他の実施形態について===
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。

0057

<免震装置30について>
前述の実施形態では、免震装置30(免震層)は積層ゴムタイプであったが、これには限られない。例えば、転がり支承タイプのものであってもよい。

0058

また、免震装置30を、例えば、建物の中間層(建物の上部構造と下部構造との間)に配置していてもよい。但し、建物の中間層に配置する場合(中間免震建物に適用する場合)は、火災に対する処理が必要である。例えば、緩衝部材70として樹脂製材料を用いる場合、カバー80を耐火構造とすることが望ましい。すなわち、この場合、カバー80を、複数層の緩衝部材70の上部も覆うように構成し、また、収容底部80Cに水抜き孔82を設けないようにすることが望ましい。

0059

また、中間層免震建物に適用する場合、上部構造側に壁部(梁など)を設けてもよい。すなわち、上部構造の外周部分から下方に垂れ下がるように壁部を設けてもよい。そして、上部構造と下部構造との相対変位が過大となる場合に、下部構造を壁部に衝突させるようにしてもよい。この場合、下部構造と壁部の何れかに、前述の実施形態と同じ衝撃緩和部50(但し、上述したように耐火構造としたもの)を設ければよい。また、この場合も、下部構造に衝突する部位の壁部の厚さを、衝突しない部位の壁部の厚さより厚く形成することで、壁部の損傷を効率的に抑制することができ、また、コストの低減を図ることができる。

0060

<衝撃緩和部50について>
前述の実施形態では、衝撃緩和部50を上部構造20側に設けていたが、衝撃緩和部50を下部構造40側(擁壁44の角部44A)に設けてもよい。この場合においても同様の効果を得ることができる。

0061

<カバー80について>
前述の実施形態では、カバー80はアルミ製であったが、これには限られない。例えば、アルミ以外の金属、あるいは、プラスチックを用いて形成してもよい。

0062

<緩衝部材70について>
前述の実施形態の緩衝部材70は、ハニカム構造(ハニカム構造部材72)であったが、これには限られず、ハニカム構造以外の緩衝部材を用いてもよい。また、前述の実施形態では、緩衝部材70を複数層に積層していたが、これには限られず、1層でもよい。但し、複数層に積層すると、同じ厚みで圧縮強度を強くすることができる。

0063

10免震構造
20上部構造
22 床
24床梁
26 柱
30免震装置
31フランジ板
32積層体
40下部構造
42 底部
44擁壁
44A 角部
50衝撃緩和部
60鉄板
70緩衝部材
71板状部材
72ハニカム構造部材
73 板状部材
80カバー
81ボルト孔
82水抜き孔
80A 収容前部
80B 収容側部
80C 収容底部
80D 固定部
80E 固定部

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