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技術 スズめっき鋼板の表面に付着した有機材料からなるコーティングの除去方法

出願人 ティッセンクルップラッセルシュタインゲーエムベーハー
発明者 リープシャー,ベンジャミンテースシャーゲ,アンドレアス
出願日 2016年9月27日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-187783
公開日 2017年7月13日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-121662
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード 円筒状ジャケット 生産工学 ストリップ片 誘導変形 基準エネルギー フィルム残渣 遮断部位 基準照射
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図面 (6)

課題

スズめっき鋼板の表面に付着した有機材料からなるコーティング、特に有機ラッカー又はポリマーのコーティング、を除去する方法を提供する。

解決手段

第1の工程で、有機コーティング2が少なくとも本来的に透過性を示すところの、所定の波長を持った電磁放射線暴露されることによって、スズめっき鋼板のスズ層1bが完全に又は部分的に溶融されて、有機コーティング2がスズ層1bから分離した状態となる。そして、第2の工程で、スズ層1bから分離したコーティング2の有機材料が取り除かれる。

概要

背景

スリピース缶、例えば食品用缶飲料用缶のための本体の製造において、スズめっき包装鋼(ブリキ板、tinplate)が使用される。ブリキ板の耐腐食性を改善するために、ブリキ板の表面を有機コーティングで、例えば、有機ラッカー、又は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)もしくはポリエチレン(PE)などのポリマー材料からなるポリマーコーティングで、コーティングすることが知られている。ブリキ板の表面におけるこの種の有機コーティングは、とりわけ、缶内の製品酸性であり、それ故、缶を作っている素材が酸に対して耐性的であることを求められる場合には、必要である。この要求を満たすべく、ブリキ板の少なくとも一方の側は、有機コーティングで覆われ、それは、缶の製造後において当該缶の内側面を形成する。従来技術では、両側面にコートされたブリキ板も知られている。

スリーピース缶の製造に際して、缶本体を作るために、有機コーティングでコートされたブリキ板のセクション区画)は、ロール加工されて円筒状のジャケットを形成し、長手軸方向継ぎ目に沿って、例えば電気抵抗溶接、特にシーム抵抗溶接マッシュ・シーム抵抗溶接によって溶接される。このことは、溶接されるべき領域において、ブリキ板の表面に有機コーティングが存在しないことを要求するものである。この目的のために、例えば先行技術では、ブリキ板へのラッカー塗料の塗布時に、ラッカー塗料のない遮断領域であって、引き続く缶製造工程において溶接可能な領域を形成するところの遮断領域が創出されることが、保証されなければならない。生産工学視点からは、これは非常に複雑であり、ラッカーの塗布プロセスを大変高価なものにする。

ブリキ板をポリマー材料でコートする場合、例えば、ブリキ板上にPETフィルムラミネートを適用することにより、あるいは、ブリキ板上にPEやPPのような溶融ポリマー材料を直接的に押し出し成形することによりブリキ板をポリマー材料でコートする場合、ブリキ板の全表面がポリマー材料でコートされる。ブリキ板区画の溶接領域にコーティングの無い(つまりポリマーの無い)遮断部位(blockouts)を提供するためには、ブリキ板表面へのポリマーコーティングの適用後に、溶接領域のポリマーコーティングを除去する必要がある。このことは、例えばレーザーで達成される。レーザーによれば、電磁放射(線)がポリマーコーティングに向けられ、それは、ポリマーコーティングに吸収されて該コーティングを焼き払う。しかしながら、ポリマーコーティングを焼き払う場合、焼かれたポリマーの残渣がブリキ板の表面に残留することになる。その後の溶接領域の溶接時に、これらの残渣は有害な効果を及ぼし、それ故、化学的に除去されねばならない。

かくして、スズめっき鋼板(ブリキ板)の表面に付着した有機材料から成るコーティング、とりわけ有機ラッカー(塗料)やポリマーコーティング、を簡単且つ迅速に除去する方法であって、当該方法によってスズめっき鋼板の表面に遮断領域を生み出すことができ、該スズめっき鋼板が遮断領域で溶接可能となるように遮断領域が有機材料の無いものとなる、除去方法についての必要性が存在する。化学薬品を用いた洗浄の必要(性)無しで、この方法を実施することが可能となるべきである。

概要

スズめっき鋼板の表面に付着した有機材料からなるコーティング、特に有機ラッカー又はポリマーのコーティング、を除去する方法を提供する。第1の工程で、有機コーティング2が少なくとも本来的に透過性を示すところの、所定の波長を持った電磁放射線暴露されることによって、スズめっき鋼板のスズ層1bが完全に又は部分的に溶融されて、有機コーティング2がスズ層1bから分離した状態となる。そして、第2の工程で、スズ層1bから分離したコーティング2の有機材料が取り除かれる。

目的

ブリキ板区画の溶接領域にコーティングの無い(つまりポリマーの無い)遮断部位(blockouts)を提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

スズめっき鋼板(1)の表面に付着した有機材料からなるコーティング(2)、特に有機ラッカー又はポリマーのコーティング、を除去する方法であって、当該方法は、以下の工程、即ち、有機コーティング(2)が少なくとも本来的に透過性を示すところの、所定の波長を持った電磁放射線暴露することにより、スズめっき鋼板(1)のスズ層(1b)を完全に又は部分的に溶融し、有機コーティング(2)がスズ層(1b)から分離した状態とする工程と、スズ層(1b)から分離したコーティング(2)の有機材料を除去する工程と、を用いることを特徴とする方法。

請求項2

電磁放射線への暴露によって、スズ層(1b)の少なくとも表面がスズの融点を上回る温度に加熱されるか、又は、スズ層(1b)がその厚さ全体にわたって溶融される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項3

前記電磁放射線への暴露は、所定の制限された照射時間だけ行われる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

前記照射時間の終了後に、完全に又は部分的に溶融されたスズ層は、スズの融点未満の温度に冷却され、これにより、前記完全に又は部分的に溶融されたスズ層が再凝固する、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。

請求項5

スズ層(1b)の完全な又は部分的な溶融の結果として、前記コーティング(2)がスズ層(1b)の表面から分離する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

使用される電磁放射線のエネルギー密度は、スズ層(1b)の表面上のスズが気化して、前記コーティング(2)がスズ層(1b)の表面から剥がれるようなものである、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記電磁放射線のエネルギー密度は、4J/cm2よりも高く、特に1〜8J/cm2の範囲にあり、中でも2〜6J/cm2の範囲にある、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。

請求項8

適用される電磁放射線は、パルス化されており、特に、1〜100kHzの範囲のパルス周波数、及び、1〜1000nsの範囲のパルス長(好ましくは10〜100nsの範囲のパルス長)でパルス化されている、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

前記電磁放射線の波長は、NIR(近赤外)範囲にあり、特に、0.8〜2.5μmの範囲にある、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記スズめっき鋼板は、ブリキ板パネル又は区画の形態を有しており、前記ブリキ板のパネル又は区画の上に、コーティングを持たない細長片形状の遮断領域創出すべく、前記パネル又は区画では、電磁放射線への暴露によって、前記コーティング(2)の一つ又は複数の細長片(3)が前記スズめっき鋼板の表面から分離される、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記細長片(3)の幅は、1〜8mmの範囲にあり、特に3〜7mmの範囲にある、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。

請求項12

前記細長片(3)の第1の領域(3a)には、相対的に低いエネルギー密度の電磁放射線が適用されると共に、前記細長片(3)の第2の領域(3b)には、相対的に高いエネルギー密度の電磁放射線が適用され、前記相対的に高いエネルギー密度は、スズ層(1b)のスズの少なくとも表面を気化して有機コーティング(2)を剥がすのに十分なものである、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。

請求項13

前記スズ層(1b)から分離したコーティング(2)の有機材料の除去は、吸引または吹き付けによって行われる、ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記コーティング(2)の有機材料は、有機ラッカー(特に、ビニル樹脂エポキシ樹脂およびエポキシフェノール樹脂のラッカーからなる群から選択される有機ラッカー)、又は、ポリマー材料(特に、PET,PP,PE)である、ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、スズめっき鋼板の表面に付着した有機材料からなるコーティングを除去する方法に関する。

背景技術

0002

スリピース缶、例えば食品用缶飲料用缶のための本体の製造において、スズめっき包装鋼(ブリキ板、tinplate)が使用される。ブリキ板の耐腐食性を改善するために、ブリキ板の表面を有機コーティングで、例えば、有機ラッカー、又は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)もしくはポリエチレン(PE)などのポリマー材料からなるポリマーコーティングで、コーティングすることが知られている。ブリキ板の表面におけるこの種の有機コーティングは、とりわけ、缶内の製品酸性であり、それ故、缶を作っている素材が酸に対して耐性的であることを求められる場合には、必要である。この要求を満たすべく、ブリキ板の少なくとも一方の側は、有機コーティングで覆われ、それは、缶の製造後において当該缶の内側面を形成する。従来技術では、両側面にコートされたブリキ板も知られている。

0003

スリーピース缶の製造に際して、缶本体を作るために、有機コーティングでコートされたブリキ板のセクション区画)は、ロール加工されて円筒状のジャケットを形成し、長手軸方向継ぎ目に沿って、例えば電気抵抗溶接、特にシーム抵抗溶接マッシュ・シーム抵抗溶接によって溶接される。このことは、溶接されるべき領域において、ブリキ板の表面に有機コーティングが存在しないことを要求するものである。この目的のために、例えば先行技術では、ブリキ板へのラッカー塗料の塗布時に、ラッカー塗料のない遮断領域であって、引き続く缶製造工程において溶接可能な領域を形成するところの遮断領域が創出されることが、保証されなければならない。生産工学視点からは、これは非常に複雑であり、ラッカーの塗布プロセスを大変高価なものにする。

0004

ブリキ板をポリマー材料でコートする場合、例えば、ブリキ板上にPETフィルムラミネートを適用することにより、あるいは、ブリキ板上にPEやPPのような溶融ポリマー材料を直接的に押し出し成形することによりブリキ板をポリマー材料でコートする場合、ブリキ板の全表面がポリマー材料でコートされる。ブリキ板区画の溶接領域にコーティングの無い(つまりポリマーの無い)遮断部位(blockouts)を提供するためには、ブリキ板表面へのポリマーコーティングの適用後に、溶接領域のポリマーコーティングを除去する必要がある。このことは、例えばレーザーで達成される。レーザーによれば、電磁放射(線)がポリマーコーティングに向けられ、それは、ポリマーコーティングに吸収されて該コーティングを焼き払う。しかしながら、ポリマーコーティングを焼き払う場合、焼かれたポリマーの残渣がブリキ板の表面に残留することになる。その後の溶接領域の溶接時に、これらの残渣は有害な効果を及ぼし、それ故、化学的に除去されねばならない。

0005

かくして、スズめっき鋼板(ブリキ板)の表面に付着した有機材料から成るコーティング、とりわけ有機ラッカー(塗料)やポリマーコーティング、を簡単且つ迅速に除去する方法であって、当該方法によってスズめっき鋼板の表面に遮断領域を生み出すことができ、該スズめっき鋼板が遮断領域で溶接可能となるように遮断領域が有機材料の無いものとなる、除去方法についての必要性が存在する。化学薬品を用いた洗浄の必要(性)無しで、この方法を実施することが可能となるべきである。

先行技術

0006

(特になし)

課題を解決するための手段

0007

本発明の課題は、請求項1に記載したような方法によって解決される。この方法の好ましい実施態様は、従属形式の請求項に展開されている。

0008

本発明に開示の方法によれば、有機コーティングが少なくとも本来的に透過性を示すところの所定の波長を持った電磁放射線が、有機コーティングでコート(被覆)されたスズめっき鋼板の表面上の所定の領域(特に、細長片形状の領域)に適用される。前記所定の領域にて電磁放射線によって生み出されるエネルギー密度は、照射領域において、スズめっき鋼板のスズ層が完全に又は少なくとも初期的に(部分的に、incipiently)溶融されるのを確実ならしめるように選択される。スズ層の溶融又は初期的(部分的)溶融は、有機コーティングがスズ層から分離する(外れる、detach)ことを生じさせ、当該コーティングは、本発明に従う方法の最終ステップでスズ層から容易に除去されることができ、そのスズ層は溶融又は初期的(部分的)溶融の後に再凝固される。スズ層から分離した有機材料のコーティングは、例えば吸引吹付けによって除去され得る。かくして、化学品、例えば化学洗浄溶液の使用は、もはや必要とはされない。

0009

スズ層内で電磁放射線によって生み出されるエネルギー密度は、好ましくは、「スズ層が少なくとも表面的にスズの融点を上回る温度に加熱され、その結果、表面の初期的(部分的)溶融が起きるか、又は、スズ層がその厚さ全体を通して(鋼板に到るまで)溶融される」というようなやり方で選択され調節される。

0010

鋼板が過加熱されるのを防止して熱負荷被るのを防止すると共に、初期的(部分的)に又は完全に溶融されたスズ層が迅速に再凝固できるのを確実ならしめるために、電磁放射線は、好ましくは、所定の制限された照射時間だけ適用される。照射が終了した後に、スズ層の初期的(部分的)に溶融された表面、又は完全に溶融されたスズ層は、鋼板の依然として冷たいコア核部)の温度が熱伝導によって迅速かつ自動的に均等化されることで、迅速に再凝固することができる。スズ層の溶融または初期的(部分的)溶融は、スズ層に付着している有機コーティングがスズの表面から分離することを生じさせると共に、初期的(部分的)に又は完全に溶融されたスズ層の再強固後もこの表面から分離したままの状態となり、それ故スズ層の凝固後に容易に除去され得る。

0011

電磁放射線によって生み出されるエネルギー密度を増大させることで、スズめっき鋼板のスズ層から有機コーティングを剥がす(spall off)ことも可能であることが判明した。仮に電磁放射線によって生み出されるエネルギー密度がスズ層のスズを表面的に気化蒸発)するに十分高いならば、有機層はスズ層から自発的に剥がれることになる。そのような剥がれを起こすために、30nsの照射時間で必要となるエネルギー密度は、4J/cm2よりも高いものであることが判明している。

0012

鋼板の熱負荷をできるだけ低く保つと共に、例えば熱誘導変形を回避するためには、この高いレベルでのエネルギー密度は、好ましくはパルスレーザーによって発生する。この目的に向けて、例えば、1〜100kHzの範囲のパルス周波数、及び、1〜1000nsの範囲のパルス長(好ましくは10〜100nsのパルス長)を持ったパルスレーザーを用いることが可能である。

0013

電磁放射線の波長は、好ましくは近赤外(NIR)の範囲にあり、特に0.8〜2.5μmの範囲にある。この波長範囲では、ブリキ板の有機コーティングとして伝統的に使用されている有機材料、例えば、ビニル樹脂ラッカー、エポキシ樹脂ラッカーおよびエポキシフェノール樹脂ラッカーのような有機ラッカー、並びに、ポリマー材料であるPET、PPおよびPEは、少なくとも本来的に透明(透過性)である。
ここで、用語「透明(透過性)(transparent)」とは、使用される電磁放射線の波長について、有機材料の透過係数が75%よりも高いことを意味するものと定義される。このことは、電磁放射線が少なくとも大部分、吸収無しで有機コーティングを通過すると共に、スズ層の表面と有機コーティングとの間の界面に主に作用して、スズ層の表面を少なくとも本来的に初期的(部分的)に溶融すること、又は、それをその厚さ全体にわたって溶融することを確実ならしめる。その放射線は、有機コーティングに対しては効果を及ぼさないか、少なくともほとんど効果を及ぼさない。とりわけ有機材料は燃やされず、それ故、有機物燃焼残渣は形成されない。

0014

本発明のこれらの及びその他の利点や特徴は、添付の図面を参照しつつ以下により詳細に説明される具体例から理解できよう。

図面の簡単な説明

0015

図1は、一例として、有機コーティングを持ったブリキ板パネルを用いた本発明の方法の概略図であり、本発明に従う方法によって、その有機コーティングは、所定の領域においてブリキ板表面から除去されて遮断領域を創出する。
図2は、スズめっき鋼板(ブリキ板)の残留コーティング重量と、スズ層内での電磁放射線による本発明に開示の方法で生み出されたエネルギー密度との関係を示すグラフである。
図3は、ブリキ板の一区画の有機コーティングにおける遮断領域の詳細を示し、図3aにおける遮断領域はエッジ(縁)に沿って位置決めされている。
図3は、ブリキ板の一区画の有機コーティングにおける遮断領域の詳細を示し、図3bにおける遮断領域はブリキ板区画の中央に位置決めされている。
図4は、有機コーティングでコートされたブリキ板の断面図である。

0016

図1(a)及び(b)は、有機材料でコーティングされたブリキ板パネルに、本発明に開示された方法を施すための実施形態の二つのバリエーションを示す。図4は、両サイド(両面)が有機コーティング2でコートされているブリキ板1(スズめっき鋼板)の断面を示す。図4は、鋼板1aと、該鋼板の両サイドに適用されたスズ層1bと、スズ層1bに付着した有機コーティング2とを備えてなる層構造を表している。スズ層1bは、鋼板1aに対し好ましくは電解(処理)で付着されている。鋼板1aへの電解付着の後、スズ層1bは好ましくは少なくとも部分的に溶かされて、その結果、合金層1cがスズ層1bと鋼板1aとの間の界面に沿って形成された。その合金層は、鋼の鉄原子およびスズ層1bのスズ原子からなる。この合金層は、スズ層1bが鋼板1aに親密に付着することを生じさせると共に、ブリキ板1の耐腐食性を増大させる。

0017

スズ層1bの表面に付着するコーティング2は、有機材料からできている。この有機材料は、例えば有機ラッカー、具体的には、ビニル樹脂、エポキシ樹脂およびエポキシフェノール樹脂のラッカー塗料であってもよい。その有機コーティング2はまた、ポリマー材料、具体的には、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)であってもよい。そのポリマーコーティングは、スズ層の表面に対して、例えば、ポリマーフィルム、特にPET,PPもしくはPEのフィルムをラミネートすることにより、又は、PET,PPもしくはPEのような溶融ポリマー材料を押出し成形することにより、適用されてもよい。

0018

本発明に開示された方法によって、ブリキ板1のスズ層1bに付着した有機コーティング2が、コートされたブリキ板の表面に遮断領域を創出すべく、所定の領域において除去される。そして、その遮断領域は有機材料の無いものとなる。その後のスリーピース缶の製造に際して、創出された遮断領域は「溶接(可能)領域」となることができ、その溶接(可能)領域に沿ってブリキ板は缶本体を生み出すべく溶接され得る。

0019

図1(a)に示す実施形態例では、細長片形状の遮断領域3が提供され、その領域の長手軸方向は鋼板1aのロール加工方向Wと平行に延びており、それぞれの領域は、ロール加工方向Wに対して直角に、お互いに対し所定の距離dを隔てて延びている。遮断領域3がブリキ板表面に創出されるところの本発明に従う方法の実施後に、ブリキ板の各セクション(区画)4が図1(a)に示すブリキ板1から切り出される。図1(a)では、なされるべきカット(切断)が破線で示されている。このやり方でブリキ板1から切り出された各セクション4は、スリーピース缶用の缶本体の製造に使用することができ、そのセクション4は曲げられて円筒状ジャケットを形成すると共に、そのエッジに沿って一体的に溶接される。缶本体の製造時に一体溶接されるところの各セクション4のエッジは、本発明に従う方法によって生み出された遮断領域3を有している。これらの遮断領域3は、有機材料が存在しておらず、それ故に、遮断領域3を一体的に溶接することでそれらを結合することができる。図1(a)において、最下列にある右のセクション4は、このセクション4から製造される缶本体の高さhおよび周長Uを示す。

0020

本発明に従う方法を用いることで、鋼板1のロール加工方向Wに対し直角に走行する遮断領域であって、ロール加工方向Wにおいてお互いに所定の距離dで配置される遮断領域3をブリキ板1の表面に創出することが同様に可能である。本発明に従う方法の当該実施形態のバリエーションは、図1(b)に示されている。遮断領域3が創出された後、この実施形態バリエーションは再び、複数のセクション(区画)4がブリキ板1から切り出されることに供され、これらのセクションは、それらを溶接シームに沿って一体溶接することにより、遮断領域3を備えたエッジ(縁)に沿って連結され、こうして缶本体が生み出される。

0021

コートされたブリキ板1の表面に遮断領域3を創出するために、先ずは、コートされたブリキ板1の表面上に高エネルギー密度の電磁放射線、例えばレーザー放射線を向かわせることによって、スズ層1bの表面に付着したコーティング2がスズ層1bから分離される。好ましくは単色(性)である電磁放射線の波長は、有機コーティング2が選択された波長の放射(線)に対して少なくとも本来的に透過性であることを確保(保証)するように選択される。このことは、電磁放射線が少なくとも大部分、吸収されることなく、有機コーティング2を完全に透過し、それ故スズ層1bの領域に到達することを確実にする。これを確実にするためには、電磁放射線の選択された波長に対する有機コーティング2の透過係数が少なくとも75%であるならば、十分である。

0022

適用された電磁放射線のエネルギー密度および照射時間の長さは、電磁放射線の適用の結果として、スズ層1bの少なくとも表面がスズの融点(232℃)を上回る温度に加熱されることを確実にするよう選択される。このことにより、スズ層1bの少なくとも表面が初期的に(部分的に、incipiently)溶かされる。電磁放射線の貫通深さが十分に大きいことおよび照射時間が十分に長いことにおいて、スズ層1bはその厚み全体にわたって、スズの融点を上回る温度に加熱されることができ、かくして完全に溶融され得る。

0023

スズ層1bの初期的(部分的)に溶融された表面、または完全に溶融されたスズ層が再凝固するのを可能ならしめるために、所定の長さの照射時間の後、電磁放射線の適用が停止される。照射時間の有用な長さは、1〜1000ns(ナノ秒)の範囲にあり、好ましくは10〜100nsであり、特に30nsの基準照射時間である。適用された放射線のエネルギー密度は、好ましくは照射時間長tに対して、以下の数式で表されるところのエネルギー密度e(t)と照射時間長との関係によって調節される。
なお、下記の数式において、
t[ns]は、照射時間長、
e(t)[J/cm2]は、所望の照射時間長におけるエネルギー密度、
tRef=30nsは、基準照射時間長であり、
eRefは、基準照射時間長での基準エネルギー密度であり、
eRefは、1J/cm2〜8J/cm2である。

0024

0025

短時間での初期的(部分的)又は完全にスズ層1bを溶融することの結果として、有機コーティング2はスズ層1bから分離する、その一方で、このスズ層の少なくとも表面が溶融される。初期的(部分的)又は完全に溶融されたスズ層1bの凝固後、有機コーティング2は、仮にそうであるとしても、スズ層1bの表面にほんのわずかに弱く付着する。もはや存在しない付着性、又は、あっても非常に弱い付着性のために、スズ層1bから分離されたコーティング2はその後に、例えば、ガス流で吹き飛ばすことにより、または真空吸引により、または機械的な作用ででも、非常に容易に除去され得る。

0026

遮断領域3に沿った滑らかなエッジ(縁)を得るために、スズ層1bに依然として付着するところの、有機材料からなる残留コーティング2が遮断領域3のエッジに沿って切り取られることが推奨される。このことは、例えば、有機コーティング2によって吸収されない波長を持ったレーザーカッターを用いたレーザー切断によってなされ得る。

0027

スズ層1bを初期的に(部分的に)又は完全に溶融するための本発明に従う方法で使用される電磁放射線によって、遮断領域3のエッジもまた大変効率的に切断され得ることが判明した。これは、4J/cm2を超えるエネルギー密度を必要とする。仮に、4J/cm2を超えるエネルギー密度を持った電磁放射線が適用されるならば、スズ層1bは、単にスズの融点を上回る温度に加熱されるだけでなく、スズ層1bの表面上のスズが気化(蒸発)される。スズ層の表面上のスズの気化(蒸発)のために、スズ層1bに付着しているコーティング2がスズ層1bから剥がれ、コーティング2の有機材料を除去する能動的なステップを必要とすることなく、自動的に外れる(分離する)。有機コーティングの自発的な剥がれのために、コーティング2の剥がされた領域は、ブリキ板の表面に残るべきコーティング2の他の領域から分離する。この手順が用いられるとき、ブリキ板の表面上に依然として残留するコーティング2の領域から遮断領域3のエッジを切断する必要が無い。

0028

比較実験によって、以下のことを示すことが可能であった。即ち、1.0〜4.0J/cm2のエネルギー密度で30nsの照射時間で、スズ層1bが単に初期的(部分的)に又は完全に溶かされる一方で、4.0J/cm2よりも高いエネルギー密度では、有機コーティングは自発的にスズ層1bから剥がれる、というのも、これらの高いエネルギー密度では、スズ層1bの表面上のスズが気化(蒸発)するからである。このことは、図2図表に示される。この図表では、本発明に従う方法の実施後に、様々なエネルギー密度での電磁放射線の適用の結果として鋼板1a上に残留するところの、スズ層1bのコーティング重量が、適用されたエネルギー密度の関数としてプロットされている。つまり、残留するスズ層のコーティング重量を縦軸とし、適用されたエネルギー密度を横軸としてプロットされている。4.5〜5.5J/cm2のエネルギー密度を持った電磁放射線が適用される場合、残留するスズ層のコーティング重量は、2〜4.0J/cm2の範囲のエネルギー密度でのスズ層のコーティング重量よりも約20%だけ低くなることが見て取れる。このことは、高いエネルギー密度の適用時に、残留するスズ層1bのコーティング重量が減らされ、(そして)そのことは当該表面上のスズ層1bの一部が気化するという結論につながる、ことを示す。図2の図表には、合金層の領域において鋼板の鉄分で合金化された、合金部分のコーティング重量もプロットされている。

0029

スズ層1bを初期的(部分的)又は完全に溶融するという目的で電磁放射線を適用する間、十分に多量の遊離スズ(free tin)がスズ層1bに残されるのを確保するために、過度に高いエネルギー密度の使用は避けるべきである。少なくとも0.5g/m2の遊離スズのコーティング重量では、スズめっき鋼板1は容易に溶接可能なままである。それ故、電磁放射線のエネルギー密度は、好ましくは最大8J/cm2に制限される。

0030

本発明に従う方法の実施例を以下に説明する。

0031

[例1(比較例)]
PETフィルムでコート(被覆)されたブリキ板1上に、波長9.3μmのCO2レーザーによる放射に暴露することにより、コーティング2内に遮断領域3が創出された。コーティング2の材料(PET)は、使用されたレーザーの波長(9.3μm)に対して大部分で不透明(不透過)であり、それ故、適用されたレーザー放射線を吸収する。適用されたレーザー放射線は、1kWの最大レーザー出力で、20kHzのパルス周波数および20%のデューティサイクル負荷サイクル)でパルス化された。レーザー放射線の適用により、ブリキ板1上にラミネートされているPETフィルムが燃焼する。PETフィルムが燃焼し、残渣を残すことなくブリキ板の表面から除去され得るところのレーザー設定を見つけ出すことはできなかった。薄い残留PETフィルムが、レーザー放射に暴露された領域の少なくとも中央に残る。放射線を繰り返し適用しても、これらのフィルム残渣を取り除くことはできなかった。レーザー出力の増大もまた、残渣無しの除去にはつながらず、代わりに、とりわけレーザー出力が非常に高いときには、ブリキ板1に望ましくない熱応力を単に生じさせるにとどまった。

0032

[例2(本発明に従う例)]
例1のものと同じブリキ板1が、CO2レーザーによる放射ではなく、波長が1.03μmのパルス化された固体状態レーザー(solid state laser)による放射に暴露された。コーティング2の有機材料(PET)は、この波長に対して透明(透過性)であり、レーザー放射線は、少なくとも本来的には、スズ層1bとその上にラミネートされたPETフィルムとの間の界面に作用する。ブリキ板1上での低い熱負荷でスズ層1bに可能な限り最大のエネルギー入力を達成することができるように、10〜100ns(特に30ns)の短いパルス時間が使用された。使用されたパルスレーザー放射線のパルス周波数は、1〜100kHzの範囲にあり、特に10kHzのパルス周波数が使用された。レーザーパルスパルスの重なりは、10%の線状重なりで、10%〜50%の範囲内で変化させた。適用されるエネルギー密度およびパルス重なりを変化させることで、4J/cm2よりも高いエネルギー密度で、スズ層1bの表面が気化されつつ有機コーティング2がスズ層1bから自発的に剥がれることを示すことができた。

0033

波長1.03μmのパルスレーザー放射線を使って、残渣無しの細長片(ストリップ片)形状の遮断領域がコーティング2内に創出された。遮断領域内のコートされたブリキ板1を当該レーザー放射線に暴露することで、コーティング2が先ずスズ層1bから分離し、その後、例えば吹き飛ばし又は吸引によってそれを除去することが可能であった。

0034

[例3(本発明に従う例)]
ブリキ板1のコーティング2における細長片(ストリップ片)形状の遮断領域を分離するために、第1の領域3aで、ブリキ板区画のエッジに沿って約4mm幅の細長片(ストリップ片)が、図3aに示すように、3J/cm2のエネルギー密度で例2のレーザーによる放射(線)に暴露された。約3J/cm2のエネルギー密度でのレーザー放射線の適用の結果として、スズ層1bの表面が初期的(部分的)に溶融され、これにより、当該領域のコーティング2が初期的(部分的)に溶融されたスズ層から分離した。当該区画の内側に対面するところの隣接した細長片(ストリップ片)形状の第2の領域3bでは、ブリキ板1が、5.0J/cm2のより高いエネルギー密度のレーザー放射線に暴露された。この領域では、高いエネルギー密度により、スズ層1bのスズの表面が気化(蒸発)し、コーティング2の自発的な剥がれにつながった。このことは、即ち、レーザー暴露された第2の領域3b内におけるコーティング2の剥がされ領域が、放射線に暴露されなかったブリキ板の領域においてスズ層1bの表面上にまだ残っているコーティング2から、同時に切り離されるという効果をもたらした。この手順は、残されたコーティング2の分離されたコーティングからの綺麗な分離をもたらし、遮断領域3に沿った綺麗なエッジ(縁)を生み出す。その後、ブリキ板からレーザー暴露領域3a及び3bにおいて分離されたコーティングを空気流によって容易に吹き飛ばすことや、それを吸引装置で吸引することが可能であった。

0035

同様に、ブリキ板1のコーティング2の細長片(ストリップ片)形状の遮断領域3もまた、図3bに示すように、ブリキ板の区画又はパネルの中央に創出され得る。この場合において、スズ表面に残っているコーティング2を分離するために、遮断領域3の外側領域3bが、コーティング2を自発的に剥がすように4J/cm2より大きな相対的に高いエネルギー密度の放射線に暴露されると共に、内側領域3aは、4J/cm2未満の相対的に低いエネルギー密度の放射線に暴露された。

実施例

0036

[例4]
その過程で細長片(ストリップ片)形状の遮断領域3がブリキ板区画のエッジ(縁)に沿って創出されるところの本発明に従う方法の実施後、例2及び例3で記載のように処理されたブリキ板サンプル1が、シーム抵抗溶接によって遮断領域3で一体溶接された。スリーピース缶の製造に伝統的に使用されている溶接スピードで、遮断領域での溶接シーム(溶接線)に沿ってブリキ板区画を一体溶接することは、何ら問題を呈しなかった。

0037

1ブリキ板(スズめっき鋼板)
1a鋼板
1bスズ層
1c合金層
2有機コーティング
3細長片(ストリップ片)
3a 第1の領域
3b 第2の領域
4 ブリキ板のセクション(区画)

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